JP2006143880A - ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】天然ゴムラテックスに極性基含有単量体を添加し、該極性基含有単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子にグラフト重合させ、更に凝固及び乾燥してなる変性天然ゴムに対して、次式:nM・xSiOy・zH2O[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン及びカルシウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である]で表される無機充填剤を配合してなるゴム組成物である。
【選択図】なし
Description
nM・xSiOy・zH2O ・・・ (I)
[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン及びカルシウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である]で表される無機充填剤を配合してなることを特徴とする。
(天然ゴムラテックスの変性反応工程)
フィールドラテックスをラテックスセパレーター[斎藤遠心工業製]を用いて回転数7500rpmで遠心分離して、乾燥ゴム濃度60%の濃縮ラテックスを得た。この濃縮ラテックス1000gを、撹拌機及び温調ジャケットを備えたステンレス製反応容器に投入し、予め10mLの水と90mgの乳化剤[エマルゲン1108,花王株式会社製]をN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート 3.0gに加えて乳化したものを990mLの水と共に添加し、これらを窒素置換しながら常温で30分間撹拌した。次に、重合開始剤としてtert-ブチルハイドロパーオキサイド 1.2gとテトラエチレンペンタミン 1.2gとを加え、40℃で30分間反応させることにより、変性天然ゴムラテックスを得た。
上記変性天然ゴムラテックスにギ酸を加えpHを4.7に調整し、変性天然ゴムラテックスを凝固させた。このようにして得られた固形物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化した後、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥して変性天然ゴムAを得た。このようにして得られた変性天然ゴムAの質量から、単量体として加えたN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレートの転化率が100%であることが確認された。また、該変性天然ゴムAを石油エーテルで抽出し、更にアセトンとメタノールの2:1混合溶媒で抽出することによりホモポリマーの分離を試みたが、抽出物を分析したところホモポリマーは検出されず、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、得られた変性天然ゴムAにおける単量体のグラフト量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.5質量%である。
単量体としてN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート 3.0gの代わりに、2-ヒドロキシエチルメタクリレート 2.1gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムBを得た。また、変性天然ゴムAと同様にして、変性天然ゴムBを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、変性天然ゴムBにおける単量体のグラフト量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.35質量%である。
単量体としてN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート 3.0gの代わりに、4-ビニルピリジン 1.7gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムCを得た。また、変性天然ゴムAと同様にして、変性天然ゴムCを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、変性天然ゴムCにおける単量体のグラフト量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.28質量%である。
単量体としてN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート 3.0gの代わりに、メタクリル酸 1.4gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムDを得た。また、変性天然ゴムAと同様にして、変性天然ゴムDを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、変性天然ゴムDにおける単量体のグラフト量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.23質量%である。
単量体としてN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート 3.0gの代わりに、アクリロニトリル 1.7gを加える以外は、上記製造例1と同様にして変性天然ゴムEを得た。また、変性天然ゴムAと同様にして、変性天然ゴムEを分析したところ、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、変性天然ゴムEにおける単量体のグラフト量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.28質量%である。
上記天然ゴムラテックスを変性反応工程を経ずに、直接、凝固及び乾燥させて天然ゴムFを調製した。
上記ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得た加硫ゴムに対し、JIS K6301-1995に準拠して引張試験を行い、引張強さ(Tb)を測定した。引張強さが大きい程、耐破壊性が良好であることを示す。
上記ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得た加硫ゴムに対し、ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率60%での摩耗量を測定し、各表における各比較例の摩耗量の逆数を100としてそれぞれ指数表示した。指数値が大きい程、摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
*2 使用した無機充填剤の種類を表2〜表8中に示す.
*3 N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン.
*4 N,N'-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド.
*6 コンデアジャパン(株)製, 商品名「PURAL200」, 平均粒径=0.14μm
*7 Baikowski社製, 商品名「Baikalox CR125」, 平均粒径=0.3μm
*8 J.M.HUBER製, 商品名「ポリフィル40」, 平均粒径=1.2μm
*9 J.M.HUBER製, 商品名「ポリフィルDL」, 平均粒径=1.0μm
*10 協和化学工業(株)製, 商品名「キスマ5A」, 平均粒径=0.8μm
*11 石原産業(株)製, 商品名「タイペークA−100」, 平均粒径=0.15μm
Claims (6)
- 天然ゴムラテックスに極性基含有単量体を添加し、該極性基含有単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子にグラフト重合させ、更に凝固及び乾燥してなる変性天然ゴムに対して、下記式(I):
nM・xSiOy・zH2O ・・・ (I)
[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン及びカルシウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である]で表される無機充填剤を配合してなるゴム組成物。 - 前記極性基含有単量体の極性基がアミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基、含酸素複素環基及びアルコキシシリル基からなる群から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記極性基含有単量体のグラフト量が、前記天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.01〜5.0質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 前記式(I)で表される無機充填剤が、アルミナ(Al2O3)、アルミナ一水和物(Al2O3・H2O)、水酸化アルミニウム[Al(OH)3]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al2O3)、クレー(Al2O3・2SiO2)、カオリン(Al2O3・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al2O3・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al2O3・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5、Al4・3SiO4・5H2O)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3)、ケイ酸カルシウム(Ca2SiO4)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al2O3・CaO・2SiO2)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、及び結晶性アルミノケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記式(I)において、Mがアルミニウムであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いたことを特徴とするタイヤ。
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