JP2006132178A - 鋼製フレーム付alc版によるカーテンウォール構造及びその施工法 - Google Patents

鋼製フレーム付alc版によるカーテンウォール構造及びその施工法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のALC版は、それらを1枚ずつ取り付ける作業、シーリング作業、塗装作業、寸法取り作業及びサッシ枠取り付け作業等をすることになるので、それらの作業のための足場を設置し、その上での作業となり、経済性及び安全性において問題があった。
また、それらは全て現場での作業となるので、建て付けや防水等の施工精度の問題も生じていた。
【解決手段】複数枚のALC版の裏面側を縦・横の鋼製フレームにより固定し、相互間の目地処理をして1単位の鋼製フレーム付ALC版とし、該鋼製フレームの少なくとも上下2箇所に形成した第1次ファスナーと躯体の上下に隣接する外梁に設けた第2次ファスナーとを各々固定したことを特徴とする鋼製フレーム付ALC版によるカーテンウォール構造。
【選択図】図2

Description

本発明は、建物の外壁に張設される複数枚のALC版を1単位としたカーテンウォール構造及びその1単位のALC版の施工法に係るものである。
軽量で耐火性に優れたALC版は、建築物の外壁として多用されている。外壁の内でもカーテンウォール構造の壁面を構成するものとしても多く使用されているが、該ALC版を外壁として形成するには、1枚毎に所定場所まで吊り上げ、本柱或いは間柱や方立等に沿うようにして1枚毎に固定していた。
また、その固定後、ALC版相互の接続位置には、シーリング剤を注入する等をして目地の処理をし、更に、開口部を構成する位置には、現場においてサッシ枠を取り付ける作業をしていた。
特開2000−145154号公報
上記したように、ALC版をカーテンウォールとして構築するには、該ALC版を1枚毎に建物躯体に取り付けることになり、その取り付け作業に時間を費やしていた。また、該ALC版を取り付けた後において、該ALC版相互をシーリング処理しなければならなかったし、場合によっては、それらALC版の表面側全面を仕上げとして塗装等を施さなければならないことも多かった。
更に、開口部となる窓のために寸法取りを行ない、且つサッシ枠を該ALC版等に取り付ける作業を現場においてしなければならなかった。
上記のように、ALC版を1枚ずつ取り付ける作業、シーリング作業、塗装作業、寸法取り作業及びサッシ枠取り付け作業等をすることになるので、それらの作業のための足場を設置し、その上での作業となり、経済性及び安全性において問題があった。
また、それらは全て現場での作業となるので、建て付けや防水等の施工精度の問題も生じていた。
本発明は、上記問題点を解決したもので、足場を必要とせず、現場での作業の多くをなくし、取り付け精度を大幅に向上し、且つ短期間で外壁を完成することのできるALC版によるカーテンウォール構造及びその施工法を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決したもので、複数枚のALC版の裏面側を縦・横の鋼製フレームにより固定し、相互間の目地処理をして1単位の鋼製フレーム付ALC版とし、該鋼製フレームの少なくとも上下2箇所に形成した第1次ファスナーと躯体の上下に隣接する外梁に設けた第2次ファスナーとを各々固定した鋼製フレーム付ALC版によるカーテンウォール構造を特徴とする。
また、上記複数枚のALC版を上下方向に並設してなる鋼製フレーム付ALC版によるカーテンウォール構造を特徴とする。
更に、複数枚のALC版を上下方向及び左右方向に同数枚並設してなる鋼製フレーム付ALC版によるカーテンウォール構造を特徴とする。
また、複数枚のALC版の内、中央部の全て或いはその一部を窓取り付けのための開口部とし、該開口部にサッシ枠を固定した鋼製フレーム付ALC版によるカーテンウォール構造を特徴とする。
更に、複数枚のALC版の裏面側を縦・横の鋼製フレームにより固定し、相互間の目地処理をして1単位の鋼製フレーム付ALC版を形成し、該鋼製フレーム付ALC版を所定場所へ吊り上げ、該鋼製フレームに形成した上方に位置する第1次ファスナーを躯体の上下に隣接する外梁の上方に位置する第2次ファスナーに固定し、下方に位置する第1次ファスナーを外梁の下方に位置する第2次ファスナーに固定した鋼製フレーム付ALC版によるカーテンウォールの施工法を特徴とする。
また、上記複数枚のALC版の内、中央部の全て或いはその一部を窓取り付けのための開口部とし、該開口部にサッシ枠を固定した鋼製フレーム付ALC版を1単位とした鋼製フレーム付ALC版によるカーテンウォールの施工法を特徴とする。
本発明の鋼製フレーム付ALC版によるカーテンウォール構造及びその施工法は、複数枚のALC版を鋼製フレームにより1単位として建物躯体に取着することができるので、従来行なっていた目地等のシーリング作業、仕上材としての塗装作業、開口部等の位置決め作業及びサッシ枠取り付け作業等の現場作業を削減することができ、工期を大幅に短縮することが可能となった。
また、上記作業の内、シーリング作業や仕上作業は建物の外側から行なう必要があり、且つ高い場所での作業となり、人や物の落下等の安全性に問題があったが、それらの作業を無足場化することにより、危険が大幅に少なくなった。
更に、従来の工法はALC版を1枚1枚取り付けるために施工精度に問題があったが、本発明は複数枚を1単位として工場等において予め製造するので、精度が著しく向上した。
また、本発明は、従来の間柱等にALC版を取着するのと異なり、梁に固定することになるので、地震等による躯体の変形に追従してロッキングすることが可能となった。
以下、実施例に添って説明する。
図1は、本発明の鋼製フレーム付ALC版によるカーテンウォール構造及びその施工法に使用する鋼製フレーム付ALC版1の背面側斜視図を示している。
鋼製フレーム付ALC版1は、ALC版2、該ALC版2の数枚、本実施例では4枚、を予め1単位とするため、その裏面側において相互に連結するための縦及び横の鋼製フレーム3、4、該鋼製フレーム3、4の4隅部に該縦フレーム3と横フレーム4とに跨って形成された補強プレート5、該縦、横フレーム3、4を該ALC版2に取着固定するための取着金具6及び該1単位の鋼製フレーム付ALC版1を所定場所まで吊り上げるために該鋼製フレーム3、4に形成した吊り治具7とより構成している。
ALC版2は、石灰質や珪酸質原料に発泡材を加えて多孔軽量化し、オートクレーブ養生により工場において規準寸法に形成したもので、本実施例では長尺のもの4枚を横設状態で上下方向に併設して使用している。
図2の断面図で示すように、上部に位置しているALC版2は、カーテンウォールとして積み重ねた時に外部からの雨水の侵入を防止するために側端部に凸部8となる段部を形成している。他方、下部に位置しているALC版2の側端部には、上記凸部8を受け入れるための凹部9を形成している。該凸部8及び/又は凹部9にはゴムパッキン等の密封材を必要に応じて取着する。
ALC版2相互の目地部分は、コーキング材10を詰める等によって工場で予め形成されるので、現場においてALC版を取り付けた後に、コーキング材を詰める作業はユニット間のシール以外は、必要なくなった。
また、該ALC版2は、必要に応じてタイルを貼着したものであったり、合成樹脂を塗着したものであったり、各種仕上層11を予め形成しておくことができ、これも現場作業でする必要がなくなった。
縦及び横フレーム3、4は、I形鋼或いはH形鋼を井型に組んでいる。本実施例では、左右縁部の縦方向に各々1本の縦フレーム3を設け、上下端部及び中央の各ALC版の裏面側横方向に横フレーム4を設けている。
該左右の縦フレーム3と上下端部の横フレーム4とが接する隅部には、補強のための三角プレート形状の補強プレート5を設けている。
上記縦及び横フレーム3、4相互並びに補強プレート5は、溶接或いはボルトナット止め等により予め一体化し、縦方向、横方向或いは斜め方向から荷重が作用しても変形しないような架構を構成する。その後、並べた複数のALC版2の裏面側と取着金具6により強固に取り付ける。該取着金具6はZ型とされ、一端部側は縦フレーム3の該ALC版の裏面に接するフランジ部に掛け、他端部側をALC版の裏面に接するようにしてボルト等の固定手段を使用して取り付けることになる。
該鋼製フレームの上方先端部には、組み立てられた1単位の鋼製フレーム付ALC版1を所定場所へ吊り上げる吊り治具7が固定される。該吊り治具7は、I形鋼或いはH形鋼の端部にプレート12を固定し、該プレート12にT字型の立設プレート13をボルトにより脱着自在に取り付けている。該立設プレート13に吊り具14を取り付けておくことにより、当該箇所を引っ掛けてクレーンの揚重手段により吊り上げることが可能となる。
該立設プレート13や吊り具14等は、1単位の鋼製フレーム付ALC版1が所定場所へ吊り上げられて建物躯体に固定された後は、容易に取り除くことが可能である。
上記構成の縦フレーム3又は横フレーム4には、予め躯体に取り付けるための第1次ファスナー15を固定しておくことができる。図2に示すように、本実施例では第1次ファスナーとしてL字型形状のものを該鋼製フレーム付ALC版1の上下2箇所に取着している。
図2は、上記構成よりなる鋼製フレーム付ALC版1を揚重手段により所定場所まで吊り上げ、建物躯体の骨組の内、外側を構成する骨組である上下の大梁16に上記第1次ファスナー15を固定して該鋼製フレーム付ALC版1を取着している状態を示している。該上下の各々の大梁16には、予め第1次ファスナー15と連結される第2次ファスナー17を取り付けておくことにより、両者の連結で該鋼製フレーム付ALC版1を躯体に取り付けることができる。
図3は、カーテンウォール構造の横方向の断面図を示し、大梁16に第1次ファスナー15と第2次ファスナー17とにより鋼製フレーム付ALC版1を固定している状態を示している。
該1単位の鋼製フレーム付ALC版1を構成するALC版2の側端部には予めゴムパッキン等の密封材18を取着しておくことにより、該鋼製フレーム付ALC版1の取着と同時にその側面相互が密封されたカーテンウォール構造が完成することになる。
上記図2で明らかなように、1枚のALC版2の横幅を建物の階高の約1/4となるものを使用すれば、4枚を1単位とした鋼製フレーム付ALC版1の1枚により階高相当分の外壁を得ることが可能となる。本実施例の図2では、該鋼製フレーム付ALC版1の下端部に設けた第1次ファスナー15を大梁16のフランジ上に固定した第2次ファスナー17に固定し、上部側に設けた第1次ファスナー15を上方の大梁16のフランジ下部に取り付けた第2次ファスナー17にボルトを介して固定することにより1階分の階高に相当するカーテンウォールを瞬時に施工することが可能となる。
図4は、鋼製フレーム付ALC版21の他の実施例を示し、1単位中に開口部を設けたものである。6枚のALC版22を使用し、左右の縦フレーム23及び最上部のALC版22の上・下端側及び最下部のALC版22の上・下端側に各々横フレーム24を設けている。補強プレート25は、上記上部の下端側の横フレーム24と下部の上端側の横フレーム24との隅部に各々形成している。取着金具26は、上記実施例1と同様である。
鋼製フレーム付ALC版21の略中央部には開口部27を形成し、該開口部27の周囲は、上側は上記最上部の下端側横フレーム24、下側は最下部の上端側横フレーム24及び左右側は開口部補強縦フレーム28を設けることにより補強している。
上記開口部27の周囲を構成する上下の横フレーム24及び左右の補強縦フレーム28に縦・横のサッシ枠29を取着することにより開口部27をガラス窓とすることができる。しかも工場において予め該サッシ枠を取り付けておくことができる。
上記実施例3に示した鋼製フレーム付ALC版21を実施例2と同様に、図2、3に示すカーテンウォール構造として吊り上げて取り付ける。これにより、予め開口部フレーム及びサッシ枠を工場において取着しているので、鋼製フレーム付ALC版21を建物の躯体に取り付けると同時にカーテンウォールにおいて開口部のある外壁を完成させることができる。
図5に示す鋼製フレーム付ALC版31は、2枚のALC版32を使用し、中央部の横幅全てを開口部33とするものである。上記同様、ALC版32の4枚分の高さを1単位とし、その中央部の2枚分に相当する箇所を開口部33としている。
縦フレーム34は、図5の裏面図の右側に示すように、最上部及び最下部のALC版32の上下方向に設け、上部にあっては下端部に幅H1を残し、下部にあっては上端部に幅H2を残してALC版32に取着され、該上・下に取着された縦フレーム34間を開口部位置を含めて同様の形状の縦フレーム35により連続的に連結取着する。左側の縦フレーム34、35も同様の構造とする。
また、ALC版32の横方向は、最上部及び最下部のALC版32の裏面側の各々の上下端に横フレーム36を取着する。この際、最上部の下端側及び最下部の上端側は上記縦フレーム34の端部と面一となるように取着する。
補強のためにALC版32の横フレーム36間に適数個の縦フレーム37を設けることができる。
上記縦フレーム34、35の連結箇所及び横フレーム36とが直交する箇所に取付用治具38を取り付ける。該取付用治具38は、略L字形形状をしたプレート39と、該プレート39から立設した立ち上がり片40とで形成され、ボルト孔41を介して縦及び横フレーム34、35、36に着脱自在に固定される。該取付用治具38は、図5の左側の縦フレーム34、35に取着した状態を示している。
該取付用治具38により、分断された縦フレーム34、35相互を連結することができると同時に、横フレーム36とも連結され、鋼製フレームによる補強材でALC版32の2枚分に相当する大きな開口部33を有しても鋼製フレーム付ALC版31を形成することができる。
該開口部33には縦・横のサッシ枠42を予め取着することにより開口部33へ窓を形成することができる。
上記実施例5に示した鋼製フレーム付ALC版31を実施例2、4と同様、図2、3に示すカーテンウォール構造として取り付ける。縦フレーム35は、窓となる開口部33に位置しているので、ALC版31を建物躯体に取り付けた後、上記取付用治具38を取り外し、縦フレーム35を取り除くことにより、ALC版32の2枚分に相当する大きさの窓のある開口部付外壁を完成させることができる。上記取付用治具38や縦フレーム35の取り外しは、室内側から行なうことができる。
図6は、他の鋼製フレーム付ALC版51を示している。4枚のALC版52を2枚上下に配設したものを横方向にも併設して1単位として鋼製フレーム付ALC版51を形成している。左右の両端及び中央部に2箇所、縦フレーム53を形成し、2枚上下に並べた上・下端部に各々横フレーム54を形成している。
該縦フレーム53と横フレーム54との接点には補強プレート55を形成する。
また、該縦・横フレーム53、54は、取付金具56によってALC版52の裏面側に固定される。
上記実施例7の構成よりなる鋼製フレーム付ALC版51を建築物の窓の下枠と下階の窓の上枠との間の位置となる梁をまたいだいわゆるスパンドレルの外壁として使用することができる。大梁57への取り付けは、図7に示すように、上記実施例同様、鋼製フレーム付ALC版51に取着した第1次ファスナー58と、大梁57に固定した第2次ファスナー59との連結により行なう。
本発明のカーテンウォール構造に使用する鋼製フレーム付ALC版の斜視図である。 本発明のカーテンウォール構造の縦方向の断面図である。 本発明のカーテンウォール構造の横方向の断面図である。 本発明のカーテンウォール構造に使用する鋼製フレーム付ALC版の他の実施例の裏面図である。 本発明のカーテンウォール構造に使用する鋼製フレーム付ALC版の他の実施例の裏面図である。 本発明のカーテンウォール構造に使用する鋼製フレーム付ALC版の他の実施例の裏面図である。 図6に示す鋼製フレーム付ALC版を建物躯体に取着した縦方向断面図である。
符号の説明
1、21、31、51 鋼製フレーム付ALC版
2、22、32、52 ALC版
3、23、34、35、37、53 縦フレーム
4、24、36、54 横フレーム
5、25、55 補強プレート
6、26、56 取着金治具
7 吊り治具
8 凸部
9 凹部
10 コーキング材
11 仕上層
12 プレート
13 立設プレート
14 吊り具
15、58 第1次ファスナー
16、57 梁
17、59 第2次ファスナー
18 密封材
27、33 開口部
28 開口部補強縦フレーム
29、42 縦・横窓サッシ枠
38 取付用治具
39 プレート
40 立ち上がり片

Claims (6)

  1. 複数枚のALC版の裏面側を縦・横の鋼製フレームにより固定し、相互間の目地処理をして1単位の鋼製フレーム付ALC版とし、該鋼製フレームの少なくとも上下2箇所に形成した第1次ファスナーと、躯体の上下に隣接する外梁に設けた第2次ファスナーとを各々固定したことを特徴とする鋼製フレーム付ALC版によるカーテンウォール構造。
  2. 複数枚のALC版を上下方向に並設してなることを特徴とする請求項1に記載の鋼製フレーム付ALC版によるカーテンウォール構造。
  3. 複数枚のALC版を上下方向及び左右方向に同数枚並設してなることを特徴とする請求項1に記載の鋼製フレーム付ALC版によるカーテンウォール構造。
  4. 複数枚のALC版の内、中央部の全て或いはその一部を窓取り付けのための開口部とし、該開口部にサッシ枠を固定したことを特徴とする請求項1ないし3に記載の鋼製フレーム付ALC版によるカーテンウォール構造。
  5. 複数枚のALC版の裏面側を縦・横の鋼製フレームにより固定し、相互間の目地処理をして1単位の鋼製フレーム付ALC版を形成し、該鋼製フレーム付ALC版を所定場所へ吊り上げ、該鋼製フレームに形成した上方に位置する第1次ファスナーを躯体の上下に隣接する外梁の上方に位置する第2次ファスナーに固定し、下方に位置する第1次ファスナーを外梁の下方に位置する第2次ファスナーに固定したことを特徴とする鋼製フレーム付ALC版によるカーテンウォールの施工法。
  6. 複数枚のALC版の内、中央部の全て或いはその一部を窓取り付けのための開口部とし、該開口部にサッシ枠を固定した鋼製フレーム付ALC版を1単位としたことを特徴とする請求項5に記載の鋼製フレーム付ALC版によるカーテンウォール施工法。
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