JP2006114933A - 反応性イオンエッチング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の課題は、0.3μm幅以下の微細加工においてエッチストップを発生させることなくエッチングできる磁気中性線放電を利用した反応性イオンエッチング装置を提供することにある。
【解決手段】
本発明による反応性ドライエッチング装置においては、NLDエッチング装置を用いて、真空チャンバー上部からエッチング補助ガスを導入し、磁気中性線の近傍で基板側にエッチング主ガスを導入し、低圧下における有効排気速度を大きくするため、基板電極下部から排気するように構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明はプラズマを利用して、半導体上或いは電子部品、その他の基板上の物質をエッチングする反応性イオンエッチング装置に関するものである。
従来技術においてエッチング装置として種々の形式のものが知られており、最も大きく利用されてきたエッチング装置としては、添付図面の図3で示されるような平行平板型のものがある。真空チャンバーA内に陽極Bと陰極すなわち基板電極Cとを対向させて配置し、陽極Bから反応ガスが導入され、基板電極Cにはマッチング回路Dを介して高周波電源Eが接続されている。
図4には平行平板型のエッチング装置の別の例を示し、この場合には電極Bにもマッチング回路Fを介して高周波電源Gが接続され、上下の電極に周波数の異なった高周波電力が印加される。
図5には、ECRエッチング装置の従来例を示し、真空チャンバーAの上部から誘電体窓Bを通してμ波を導入し、875ガウスの磁場のところで電子サイクロトロン共鳴により高密度プラズマを形成する。
図6に示すものは誘導結合放電エッチング装置であり、真空チャンバーA内に放電プラズマを発生するための1重のコイルからなるアンテナBを真空チャンバーAの誘電体側壁A1の外側に設け、この高周波アンテナBにプラズマ発生用高周波電源Cから高周波電力を印加し、ハロゲン系のガスを主体とするエッチングガスが流量制御器を通して上部天板A2付近の周囲より導入され、気体を真空チャンバーA内に導入し、低圧でプラズマを形成するとともに導入気体を分解し、発生した原子、分子、ラジカル、イオンを積極的に利用し、プラズマに接する基板電極Dに高周波電源Eから高周波電場を印加して基板電極D上に載置された基板をエッチングするように構成されている。
図7には図6に示すもの変形例であり、真空チャンバーAの上部壁を平板の誘電体F上に渦巻き状のアンテナGを載置し、誘導結合プラズマを形成するように構成されている。図6の方式をICP(Inductively Coupled Plasma)と呼び、図6の方式をTCP(Transfer Coupled Plasma)と呼んで区別している。
図8は、本願発明者らが、先に特開平7−263192号において提案した磁気中性線放電エッチング装置を示す。この先に提案した装置は、真空チャンバーAの上部の誘電体円筒壁A1の外側に載置された3つの磁場コイルB、C、Dによって真空チャンバーA内部に磁気中性線Eが形成され、この磁気中性線Eに沿って、中間の磁場コイルCの内側に配置された1重のアンテナFにアンテナ用高周波電源Gから高周波電場を印加することによりリング状のプラズマが形成されるように構成されている。また、エッチングガスは流量制御器を通して上部天板A2付近の周囲より導入され、コングクタンスバルブの開口率によって圧力が制御される。真空チャンバーAの下部の基板電極Hにはバイアス用高周波電源Iから高周波電力が印加される。
これらは放電方式は異なっていてもガスは上部フランジ或いはその周辺から導入されている。この理由は、導入されたガスが基板まで拡散する間にプラズマ空間内で十分に分解される必要があると考えられたからである。
代表例として、図6で示されているICPエッチングについて説明する。
エッチングガスは上部フランジ付近から導入され、誘電体円筒隔壁A1の外側に設置されたアンテナBに高周波電力が印加されてプラズマが形成されて導入ガスが分解される。この時、プラズマ及び導入ガスの分布は基板上で均一であることが要求されるので、一般には、上部フランジに多数の穴のあいたシャワープレートが設けられ、それを通してガスが真空チャンバー内に導入される。ガスの流れが均一で、プラズマ密度及び電位が均一であれば、プラズマ中で発生したエッチャント(ラジカル及びイオン)の密度分布は均一となり、基板は均一にエッチングされる。ところで、ICPエッチングにおけるプラズマ密度及び電位の均一性はチャンバー構造と圧力に大きく影響を受ける。チャンバー構造が決まってしまうと均一性の得られる圧力条件がほぼ一義的に決まり、条件の選択範囲が極めて狭い。
一方、図8の磁気中性線放電(NLD)エッチング装置では、磁気中性線の位置を自由に変えられ、しかもICPが発生しない程の低圧ガス領域でプラズマ密度及び電位を制御することができるので、エッチング均一性の良い条件を容易に設定することができる。
デバイスが高密度化してきて加工幅が微細になり、従来と同じガス導入及び排気の方法では対処できなくなってきた。エッチングでは反応性の高いラジカル及びイオンを基板に照射して基板物質との反応により基板物質をガス化して蝕刻するが、単に削ればよいわけではなく、形状制御も必要である。このためにはエッチャントの他に微細孔内の壁面に付着してイオンの当たらない側壁を保護する働きをする物質もプラズマ中で生成されなければならない。0.3μm幅以下の微細加工ではこのエッチャントと保護物質との相対濃度が重要になる。保護物質がエッチャントに対して多くなり過ぎると0.3μm幅以下の微細孔は、保護物質により埋まってしまい、いわゆるエッチストップが起こって、削れないことになる。保護物質が、逆に、少なすぎるとエッチャントによって側壁が削られて、Bowingが発生し、望ましい形状が得られない。
図3及び図4に示されているエッチング装置では圧力が高いため分子同士の衝突により付着物質が多く発生し、0.3μm幅以下の微細加工はできない。
図5〜図8に示されている方式でも、導入ガスが大きなプラズマ空間を通る間に分解が進んで付着性物質が多く発生するため、0.3μm幅以下の微細加工は困難である。プラズマ密度が高い上に低圧下における有効排気速度が低いため、ガスの滞在時間が長く、基板付近まで到達する間に過分解が起こるからである。
そこで、本発明は、上記の問題を解決して、0.3μm幅以下の微細加工においてエッチストップを発生させることなくエッチングできる反応性イオンエッチング装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明による反応性イオンエッチング装置においては、NLDエッチング装置を用いて、真空チャンバー上部からエッチング補助ガスを導入し、磁気中性線の近傍で基板側にエッチング主ガスを導入し、低圧下における有効排気速度を大きくするため、基板電極下部から排気するように構成される。
すなわち、本発明によれば、真空チャンバー内に連続して存在する磁場ゼロの位置である環状磁気中性線を形成するための磁揚発生手段を設けると共に、この磁気中性線に沿って交番電場を加えてこの磁気中性線に放電プラズマを発生するための1重を含む多重の高周波コイルを設けてなるプラズマ発生手段を有し、ハロゲン系のガスを主体とする気体を真空中に導入し、低圧でプラズマを形成するとともに導入気体を分解し、発生した原子、分子、ラジカル、イオンを利用し、プラズマに接する基板電極に交番電場或いは高周波電揚を印加して電極上に載置された基板をエッチングする反応性イオンエッチング装置において、基板電極に対向する電極に設けられ、この電極からエッチング補助ガスを導入するエッチング補助ガス導入手段と、磁気中性線の近傍に設けられ、基板電極側にエッチング主ガスを円周方向から導入するエッチング主ガス導入手段とを有し、排気速度が3000 リットル/秒のターボ分子ポンプを用いたときの有効排気速度がAr概算値で1500リットル/秒以上となるように、前記基板電極を、その側部及び底部と前記真空チャンバー壁との間にガスを通す隙間をあけて支持部材により支持し、前記真空チャンバーの底部に真空排気系が連結され、基板電極下方からガスを排出するように構成したことを特徴としている。
エッチング補助ガス導入手段は好ましくは、対向電極に設けられたシャワープレートから成り得る。
エッチング主ガス導入手段は好ましくは、基板電極の上方でしかも基板電極の周囲延長面上に配置され半径方向内方へ向かってエッチング主ガスを供給するようにされたリングから成り得る。
さらに、基板電極の側部及び底部と真空チャンバー壁との間にガスを通す隙間が設けられ、真空チャンバーの底部に真空排気系が連結される。
例えば、酸化膜エッチングの場合、エッチング補助ガスとして用いられる物質には、アルゴン、水素、一酸化炭素などがあり、エッチング主ガスとしてはCF、C、Cなどがある。エッチング主ガスはプラズマ密度が高くなったり、プラズマ中の滞在時間が長くなると分解が進み、付着性の物質であるCF及びCFラジカルを多く生成するようになる。
プラズマ密度が必要以上に高くない領域でプラズマを形成できる磁気中性線放電装置を用いて、基板近くにプロセス主ガスを導入するようにしたので、基板に到達するエッチャント物質と付着性物質の比を変えることができるようになる。 さらに、基板下方から排気するようにしたので有効排気速度が1.5〜2倍向上し、動作流量範囲を広げることが可能となる。流量が大きくなることはガスの滞在時間が短くなることを意味し、動作流量範囲が広がったことにより、ガスの滞在時間を広い範囲で可変することができ、エッチャント物質と付着物質の制御が容易になる。
以上のように、本発明による反応性イオンエッチング装置においては、真空チャンバー上部からエッチング補助ガスを導入し、磁気中性線の近傍で基板側にエッチング主ガスを導入し、低圧下における有効排気速度を大きくするため、基板電極下部から排気するように構成しているので、基板へ入射するエッチャントと付着性物質の量を制御でき、その結果0.3μm幅以下の微細加工に対応できるドライエッチングが可能となる。従って、本発明は半導体や電子部品加工に用いられている反応性イオンエッチングプロセスに大きく貢献するものである。
以下、添付図面の図1を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1には本発明の反応性イオンエッチング装置の一実施形態を示す。図示エッチング装置において、1は真空チャンバーで、その上部には円筒形の誘電体側壁2を備え、誘電体側壁2の外側には、真空チャンバー1内に磁気中性線を形成するための磁場発生手段を構成している三つの磁場コイル3、4、5が設けられ、真空チャンバー1の上部内に磁気中性線6を形成する。
中間の磁場コイル4と誘電体側壁2の外側との間には1重を含む多重のプラズマ発生用の高周波コイル7が配置され、この高周波コイル7は高周波電源8に接続され、三つの磁場コイル3、4、5によって真空チャンバー1の上部に形成された磁気中性線6に沿って交番電場を加えてこの磁気中性線に放電プラズマを発生するようにしている。
真空チャンバー1の上部の天板9は誘電体側壁2の上部フランジに密封固着され、またこの天板9にはエッチング補助ガスを導入するシャワープレート10が設けられ、このシャワープレート10は図示してないエッチング補助ガス源に接続されている。
真空チャンバー1内の磁気中性線6の近傍にはエッチング主ガス導入用のリング11が配置され、このリング11は図示してないエッチング主ガス源からエッチング主ガスを真空チャンバー1の中央に向かって供給するため円周上に、チャンバー中心に向かう複数の小孔かまたは全周にわたる狭いオリフィスが形成されている。また、このエッチング主ガス導入用のリング11は図示したように、基板電極12の上方でしかも基板電極12のほぼ周囲延長面上に位置決めされている。
基板電極12は、その側部及び底部と真空チャンバー壁との間にガスを通す隙間をあけて支持部材13により支持されており、すなわち基板電極12の下方において真空チャンバー1の下部は、大きな有効排気速度を得るため、基板電極12の外径と真空チャンバー1の下部の内径との差が半径方向で40mm以上になっている。また基板電極12はRFバイアスを印加する高周波電源14に接続されている。
さらに基板電極12の下方において真空チャンバー1の底部にはターボ分子ポンプからなる排気系15が接続されている。排気速度が3000リットル/秒のターボ分子ポンプを用いたときの基板電極部における有効排気速度は、ガスがアルゴンの時1550リットル/秒、ガスがCの時970リットル/秒である。従来の排気速度は、ガスがアルゴンの時890リットル/秒、ガスがCの時480リットル/秒であるから、約1.7〜2倍有効排気速度が向上している。
ここで、有効排気速度は
Seff=1/((1/S)+(1/C))=SC/(S+C)
となり、その時のコンダクタンスは次式で表される。
C=k/√M ここでk:比例定数
M:質量数
これにより質量が大きいと、コンダクタンスは小さくなり有効排気速度は小さくなる。つまり質量数が変わると有効排気速度は変わるのである。
図2は有効排気速度の質量依存性を示す図である。Arは質量数40であるから、有効排気速度は1500リットル/秒である。Cは質量数200であるから、有効排気速度は約920リットル/秒である。なおガスをArの質量数で代表させたものがAr換算値である。
この様に構成した図示装置の動作について説明する。
図1の装置を用い、プラズマ発生用高周波電源8の電力を1.5KW、基板バイアス高周波電源14の電力を500W、圧力を5mTorr、エッチング補助ガスとしてアルゴンを135sccm、エッチング主ガスとしてCを23sccmとしたとき、シリコン酸化膜のエッチング速度は732nm/minであり、シリコンのエッチング速度は52nm/minであった。この時の選択比は14であった。
一方、比較のため図8で示される従来の排気方式を用いて、エッチング補助ガスとしてアルゴンを90sccm、エッチング主ガスとしてCを15sccm導入して同じ圧力条件下でエッチングしたとき、シリコン酸化膜のエッチング速度は610nm/minであり、シリコンのエッチング速度は51nm/minであった。この時の選択比は12である。従って、有効排気速度を向上させガス流量を1.5倍にしたことにより、エッチ速度、選択比とも1.2倍に向上した。
さらに、微細バターンでパターン形状の制御性を確認したところ、0.3μm径のパターンがほぼ垂直にエッチングできることが判り、形状制御が容易になった。排気速度が向上した分、導入するガスの流量を大きくでき、プラズマ中の滞在時間が短くなったため過分解が抑制できたためと思われる。
ところで図示実施形態ではNLDエッチング装置に適用した例について説明してきたが、同様な効果はNLDプラズマCVD装置に適用しても期待できることは言うまでもない。
本発明の一実施例を示す概略線図。 図1の装置を使用して実測した有効排気速度の質量依存性を示すグラフ。 従来の平行平板型エッチング装置の一例を示す概略線図。 従来の3極エッチング装置を示す概略線図。 従来のECRエッチング装置を示す概略線図。 従来の誘導結合型エッチング装置を示す概略線図。 従来のトランスファ結合型エッチング装置を示す概略線図。 従来の磁気中性線放電型エッチング装置を示す概略線図。
符号の説明
1:真空チャンバー
2:円筒形の誘電体側壁
3:磁場コイル
4:磁場コイル
5:磁場コイル
6:磁気中性線
7:高周波コイル
8:プラズマ発生用高周波電源
9:天板
10:シャワープレート
11:リング
12:基板電極
13:支持部材
14:高周波電源
15:排気系

Claims (3)

  1. 真空チャンバー内に連続して存在する磁場ゼロの位置である環状磁気中性線を形成するための磁揚発生手段を設けると共に、この磁気中性線に沿って交番電場を加えてこの磁気中性線に放電プラズマを発生するための1重を含む多重の高周波コイルを設けてなるプラズマ発生手段を有し、ハロゲン系のガスを主体とする気体を真空中に導入し、低圧でプラズマを形成するとともに導入気体を分解し、発生した原子、分子、ラジカル、イオンを利用し、プラズマに接する基板電極に交番電場或いは高周波電揚を印加して電極上に載置された基板をエッチングする反応性イオンエッチング装置において、基板電極に対向する電極に設けられ、この電極からエッチング補助ガスを導入するエッチング補助ガス導入手段と、磁気中性線の近傍に設けられ、基板電極側にエッチング主ガスを円周方向から導入するエッチング主ガス導入手段とを有し、排気速度が3000 リットル/秒のターボ分子ポンプを用いたときの有効排気速度がAr概算値で1500リットル/秒以上となるように、前記基板電極を、その側部及び底部と前記真空チャンバー壁との間にガスを通す隙間をあけて支持部材により支持し、前記真空チャンバーの底部に真空排気系が連結され、基板電極下方からガスを排出するように構成したことを特徴とする反応性イオンエッチング装置。
  2. エッチング補助ガス導入手段が対向電極に設けられたシャワープレートから成っている請求項1に記載の反応性イオンエッチング装置。
  3. エッチング主ガス導入手段が、基板電極の周囲延長面の上方に配置され半径方向内方へ向かってエッチング主ガスを供給するようにされたリングから成っている請求項1に記載の反応性イオンエッチング装置。

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