JP2006095783A - 透明ガスバリア性フィルム、及びそれを用いたディスプレイ用基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】
耐熱性を有し、超高度にガスバリア性を有したフレキシブルな透明ガスバリア性フィルムを提供する。
【解決手段】
シルセスキオキサン化合物を含む透明基材へ、第1透明無機化合物層が形成し、好ましくは第1透明無機化合物層がガスバリア性の層であり、かつ酸化珪素、窒化珪素、炭化珪素、又はこれらの化合物を主成分とした複合体から選ばれたものであり、
さらに第1透明無機化合物層の面に、オーバーコート層、第2透明無機化合物層が順次積層されてなり、オーバーコート層が表面平坦化性の層であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、透明ガスバリア性フィルムに関し、さらに詳しくは、フレキシブル性、透明性、耐熱性、耐溶剤性、ガスバリア性、及び層間密着性に優れた透明ガスバリア性フィルム、及びそれを用いたディスプレイ用基板に関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。
また、「バリア性」は「バリア性」、「EL」は「エレクトロルミネッセンス」、「LCD」は「液晶ディスプレイ」、「PDP」は「プラズマディスプレイパネル」、「パネル」は「素子」、「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」、「PEN」は「ポリエチレンナフタレート」、「(メタ)アリレ−ト」は「アリレ−ト及びメタアリレ−トの総称」、及び「(メタ)アクリレ−ト」は「アクリレ−ト及びメタアクリレ−トの総称」の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。
フィルムとシートのJIS−K6900での定義では、シートとは薄く一般にその厚さが長さと幅の割りには小さい平らな製品をいい、フィルムとは長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通例、ロールの形で供給されるものをいう。従って、シートの中でも厚さの特に薄いものがフィルムであるといえるが、シートとフィルムの境界は定かではなく、明確に区別しにくいので、本明細書ではシートとフィルムの両方を含めて「フィルム」と定義する。
(背景技術)ディスプレイ用、照明用、太陽電池用、サーキットボード用などの電子デバイスの分野における基板としては、ガスバリア(ガスバリア)性、フレキシブル性、透明性、耐熱性、耐溶剤性、層間密着性など多くの過酷な物性が求めれている。
このために、電子デバイス用基板やディスプレイ用基板としては、従来、Siウエハやガラスなどの無機材料の基板しか使用することができなかった。ところが、近年、製品の軽量化、基板のフレキシブル化、低コスト化、ハンドリング特性などを有し、軽くて、割れず、曲げられるような高分子材料の基板(以下、高分子基板という)が望まれ、従来のディスプレイを構成していたガラス基板に代わって、合成樹脂シート、もしくは合成樹脂フィルムを用いることが検討されている。特に、有機ELやフィルム液晶といったディスプレイ用途では、透明かつ耐熱性を有した高分子基板が望まれている。しかしながら、高分子基板は、ガラスなどの無機材料からなる基板と比較した場合、一般的にガスの透過性が著しく大きい。このため、高分子基板を用いた電子デバイスには、気体が高分子基板を透過して電子デバイス内に侵入、拡散した酸素によりデバイスが酸化して劣化してしまう等の問題があり、ディスプレイの寿命を伸ばす目的で、外界からの酸素や水蒸気の超バリア性が求められている。
そこで、ディスプレイ用基板には、ガスバリア性に優れ、軽く、割れず、曲げられ、かつガラス基板に代替できるトータルな物性が必要で、該ディスプレイ用基板用いられる高分子基板の透明ガスバリア性フィルムには、フレキシブル性、透明性、耐熱性、耐溶剤性及び層間密着性や、特に、水蒸気や酸素などのガスバリア性など多くの過酷な物性が求められている。
(先行技術)従来、有機エレクトロルミネッセンス素子基板等耐熱性を必要とされるガスバリア性フィルムの透明基材として、一般的な高分子フィルムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、これらの基材の場合は、透明樹脂フィルムとガスバリア膜との親和性が悪く、膜中に多くの欠陥の生じさせ、酸素や水蒸気のバリア性がガラス並みには発現しないという問題点がある。すなわち、ディスプレイ等の電子デバイスの分野において十分なガスバリア性を有し、そのガスバリア性によりガスバリア対象物の良好な品質を確保することは、不十分であった。
また、「硬化性樹脂硬化物層/有機防湿層/有機防気層/光等方性基材シート層/有機防気層/有機防湿層/硬化性樹脂硬化物層」などの多層の層構成を有する光学用積層シートが知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、ディスプレイ等の電子デバイスの分野において十分なガスバリア性を有し、そのガスバリア性によりガスバリア対象物の良好な品質を確保することは、不十分であった。
さらにまた、液晶表示素子の電極基板などの光学用途に適した光学用プラスチックス基板として、(メタ)アクリル変性ポリシロキサン系ラダーポリマーを1層含む電極基板が知られている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、その基板の電極と制御用IC(TCPやFPC)のアウターリードとの間の一括接続を両者間に異方性導電シート(ACF)を介在させた状態で熱圧着することにより行うときに、基板を構成するフィルム・シートの変形や反り、電極パターンにクラックを防止するために、耐熱性や表面硬度を向上させたもので、ガスバリア性についての記載もなく、因みに、シルセスキオキサン化合物基材上にアンカー剤を塗布し、その上に有機の防気層を形成しているが、これでは界面の親和性が劣化し、十分なガスバリア性は得られず、また耐熱性もその存在により劣化してしまうという欠点もある。さらに、平担化については記載も示唆も全くされていない。
特開平06−124785号公報 特開平10−82983号公報 特開平11−348189号公報
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、樹脂成分中にシルセスキオキサン化合物を含んだ透明基材に、第1透明無機化合物層を形成することにより、耐熱性を有し、かつガスバリア性を有する透明ガスバリア性フィルムを提供し、さらに第1透明無機化合物層の面に、オーバーコート層、第2透明無機化合物層を順次積層することにより、超高度にガスバリア性を有したフレキシブルな透明ガスバリア性フィルムを提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる透明ガスバリア性フィルムは、シルセスキオキサン化合物を含む透明基材と、該透明基材少なくとも一方の面に、第1透明無機化合物層が形成されてなるように、したものである。
請求項2の発明に係わる透明ガスバリア性フィルムは、上記第1透明無機化合物層がガスバリア性の層であり、かつ酸化珪素、窒化珪素、炭化珪素、又はこれらの化合物を主成分とした複合体から選ばれたものであるように、したものである。
請求項3の発明に係わる透明ガスバリア性フィルムは、上記第1透明無機化合物層の少なくとも一方の面に、オーバーコート層、第2透明無機化合物層が順次積層されてなるように、したものである。
請求項4の発明に係わる透明ガスバリア性フィルムは、上記オーバーコート層が表面平坦化性の層であるように、したものである。
請求項5の発明に係わるディスプレイ用基板は、請求項1〜4のいずれかに記載の透明ガスバリア性フィルムを用いるように、したものである。
(発明のポイント)本発明者らは、耐熱性を有し、かつ高度なガスバリア性を有する透明ガスバリア性フィルムについて、鋭意検討したところ、透明ガスバリア性フィルムの低いガスバリア性の原因には、次の点が考えられることに着目した。即ち、一般に炭素、酸素、水素元素からなる有機高分子と、ガスバリア性を有しかつ透明性を有するセラミック薄膜などの無機化合物とは、その構成元素の違いにより、無機化合物を真空薄膜法などで形成する時に、無機化合物粒子の成長阻害を与え、欠陥すなわちガスの透過孔を形成させてしまう。また、線膨張係数の比較的高い有機高分子フィルム上に、ガスバリア性のセラミック膜を形成した場合、基板(有機高分子フィルム)の温度変化に伴う膨張収縮により、無機化合物薄膜に多かれ少なかれクラックを形成させ、それがガスの透過孔となってしまう。
この無機化合物の成長阻害の欠陥(透過孔)、及びクラック(透過孔)によって、ガスバリア性能が著しく劣化させることが原因として考えられる。
そこで、本発明では、基材にシルセスキオキサン化合物を含んだ透明基材フィルムを使用し、その上に第1透明無機化合物層を形成することにより、耐熱性とガスバリア性を兼ね備えた透明ガスバリア性フィルムを提供する。透明基材にシルセスキオキサン化合物を含ませることにより、透明基材中に珪素、酸素、炭素、水素原子を導入させ、第1透明無機化合物層と同様の化学組成にして、無機化合物粒子の成長阻害による欠陥(透過孔)を防止し、かつシルセスキオキサン化合物が籠型、梯子型の化学構造をもつことにより、線膨張係数の小さく耐熱性に優れているので、温度変化に伴う膨張収縮によるクラック(透過孔)を防止することにより、課題を解決することができた。
本発明では、第1透明無機化合物層の上にさらに、オーバーコート層、第2透明無機化合物層を順次積層することにより、ディスプレイにも利用可能な、耐熱性を有しかつ超高度なガスバリア性、平坦性を有した透明ガスバリア性フィルムを提供する。
請求項1の本発明によれば、フレキシブル性、透明性、耐熱性、及び水蒸気や酸素などのガスバリア性に優れる透明ガスバリア性フィルムが提供される。
請求項2〜4の本発明によれば、フレキシブル性、透明性、耐熱性、耐溶剤性及び層間密着性や、極端に欠陥の少ない層を形成でき、水蒸気や酸素などのガスバリア性に極めて優れる透明ガスバリア性フィルムが提供される。
請求項5の本発明によれば、ガスバリア性に優れ、軽く、割れず、曲げられ、かつガラス基板に代替できるディスプレイ用基板が提供される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示す透明ガスバリア性フィルムの断面図である。
図2は、本発明の1実施例を示す透明ガスバリア性フィルムの断面図である。
図3は、本発明の1実施例を示すディスプレイ基板の断面図である。
(物の発明)本発明の透明ガスバリア性フィルム10は、図1に示すように、透明基材11と、該透明基材11の少なくとも一方の面に、第1無機化合物層13Aが形成され、透明基材11がシルセスキオキサン化合物を含むものである。
また、第1透明無機化合物層13Aがガスバリア性の層であり、かつ酸化珪素、窒化珪素、炭化珪素、又はこれらの化合物を主成分とした複合体から選ばれたものが好ましい。
さらに、上記第1透明無機化合物層13Aの少なくとも一方の面に、オーバーコート層15A、第2透明無機化合物層13Bが順次積層され、オーバーコート層15Aは表面平坦化性の層である。
(繰り返しの層構成)本発明の透明ガスバリア性フィルム10の層構成としては、上記の理由により、少なくとも、透明基材11/第1無機化合物層13A/オーバーコート層15A/第2無機化合物層13B、の順に積層されている積層構造を基本層構成とする。
さらに、その上に平坦化のためのオーバーコート層/第2透明無機化合物層の順に積層して、透明基材11/第1無機化合物層13A/オーバーコート層15A/第2無機化合物層13B/オーバーコート層/無機化合物層、としてもよい。
さらに、この層面へ、さらに平坦化のための層(オーバーコート層)と透明無機化合物の層を1組として、該組を繰り返し形成してもよく、該繰返しを行うことで、さらにガスバリア性が高まる。下地の膜(層)に局所的な欠陥があったとしても、さらなるオーバーコート層を介することにより、膜は非連続的に成長するため、欠陥の連続性はなくなる。そのため、バリア性の劣化が抑えられる。仮に、万が一欠陥があっても、該欠陥が同じ箇所で重なって発生する確率は極めて低くできる。透明無機化合物の層上に、平坦化層および透明無機化合物の層の順に1回乃至5回くり返し積層されることが、高度な水蒸気バリア性、酸素バリア性を付与するために望ましい。
(対象の層構成)透明基材11の両側に形成する層を、表裏面が対称となるように、同一又は同一に近似する層構成とするのが好ましい。
例えば、図2に示すように、第4無機化合物層13D/第2オーバーコート層15B/第3無機化合物層13C/透明基材11/第1無機化合物層13A/オーバーコート層15A/第2無機化合物層13B、の順である。この場合も、さらに平坦化のための層(オーバーコート層)と透明無機化合物の層を1組として、該組を少なくとも片側へ繰り返し形成してもよい。
反対側にも透明無機化合物層などの層を形成することにより、片側だけ膜を形成した際に発生する応力を相殺或いは緩和して、加熱を含む後加工工程での歪み、反り(湾曲、カールともいう)などを防止することができるので、直角精度、寸法精度、部分場所における寸法精度が向上されることができる。また、例えば、電極形成などの後工程にて、必要とされるパターニング時のアライメント取りの不具合が解消される。さらに、フレキシブル性の偏りがなくなり、利用上の不具合がなくなる。
さらにまた、同時に、透明ガスバリア性フィルムの反対面から発生する脱ガスを防止することができるため、緻密、均一厚さな良質な透明ガスバリア性フィルムを安定して形成することができる。反対側にも透明無機化合物の層を形成する際に、応力相殺或いは緩和のために、形成する層の厚み、使用する無機材料、層構成等を考慮することが、さらに好ましい。
(ディスプレイ用基板)本発明のディスプレイ用基板20は、図3に示すように、上記いずれかの透明ガスバリア性フィルム10を用いたもので、該透明ガスバリア性フィルム10の一方の最表面層に、透明導電層21を、必要に応じて補助電極層23などを設けたもので、さらに必要に応じて他の層を設けてもよい。
(材料)本発明の透明ガスバリア性フィルムに用いる材料及び形成方法について、詳細
に説明する。
(基材)ディスプレイ用フィルム基板、照明用フィルム基板、太陽電池用フィルム基板、サーキットボード用フィルム基板、電子ペーパー等の基板として用いられる透明ガスバリア性フィルム10には、該透明ガスバリア性フィルム10の製造工程、ディスプレイ基板への組立工程、ディスプレイとして使用中などで、高温に曝されることが多く、特に製造及び組立工程では、150℃以上の工程に、しかも複数回も曝されることがある。この高温に曝されると、従来の高分子フィルムでは、基板寸法及び精度の安定性、熱膨張及び収縮、熱膨張及び収縮の繰り返し、或いは、熱工程に耐えられず、ガスバリア性が低下してしまう。
そこで、本発明の透明ガスバリア性フィルム10では、樹脂成分中にシルセスキオキサン化合物を含んだフィルム基材を用いることで、前記温度でも耐えて、ガスバリア性を維持することができるので、ディスプレイ用積層フィルムとしての必要条件を満たすことができる。
透明基材11には、少なくともシルセスキオキサン化合物を含めばよく、該シルセスキオキサン化合物が透明基材の樹脂成分中に含まれてもよく、シルセスキオキサン化合物が層として少なくとも1層を含むものでもよく、また、シルセスキオキサン化合物を塗布した基材を用いてもよく、単層であっても多層であってもよい。
また、ディスプレイ用途には無色透明が使用されるが、包装用途などには着色透明、半透明、不透明なものでよい。
透明基材11にシルセスキオキサン化合物を主成分、又は含ませることにより、透明基材11中に珪素、酸素、炭素、水素原子を導入させ、第1透明無機化合物層13Aと同様の化学組成にして、無機化合物粒子の成長阻害による欠陥(透過孔)を防止し、かつシルセスキオキサン化合物が籠型、梯子(ラダーともいう)型の化学構造をもつことにより、線膨張係数の小さく耐熱性に優れているので、温度変化に伴う膨張収縮によるクラック(透過孔)を防止できる。
該シルセスキオキサン化合物としては、例えば、次のようなものが適用できる。
第1として、下記一般式(1)
RSiX3 一般式(1)
(但し、Rは(メタ)アクリロイル基、グリシジル基又はビニル基のいずれか一つを有する有機官能基であり、Xは加水分解性基を示す)で表されるケイ素化合物を有機極性溶媒及び塩基性触媒存在下で加水分解反応させると共に一部縮合させ、得られた加水分解生成物を更に非極性溶媒及び塩基性触媒存在下で再縮合させてなるかご型シルセスキオキサン樹脂である。
第2として、下記一般式(2)
[RSiO3/2n 一般式(2)
(但し、Rは(メタ)アクリロイル基、グリシジル基又はビニル基のいずれか一つを有する有機官能基であり、nは8、10、12又は14である)で表されるかご型シルセスキオキサン樹脂である。
第3として、一般式(1)において、Rが下記一般式(3)、(4)又は(5)
Figure 2006095783
(但し、mは1〜3の整数であり、R1は水素原子又はメチル基を示す)で表される有機官能基であるかご型シルセスキオキサン樹脂である。
分子量分布及び分子構造の制御されたケイ素原子全てに(メタ)アクリロイル基、グリシジル基又はビニル基を有する有機官能基からなる反応性官能基を有するかご型シルセスキオキサン樹脂が好ましい。該かご型シルセスキオキサン樹脂、又はこれを主成分として含有する樹脂、また、n数の異なる成分等の他の成分が含まれていてもよく、また、オリゴマーであってもよい。
シルセスキオキサン樹脂は、まず、一般式(1)で表されるケイ素化合物を有機極性溶媒及び塩基性触媒存在下で加水分解反応を行う。一般式(1)中、Rは(メタ)アクリロイル基、グリシジル基又はビニル基を有する有機官能基であり、(メタ)アクリロイル基又はグリシジル基は直接Siに結合してもよいが、間にアルキレン基やフェニレン基等の炭化水素基やその他の2価の基を介して存在することが望ましい。
好ましい有機官能基Rには一般式(3)で表されるものがある。一般式(3)において、R1はH又はメチル基であり、mは1〜3である。好ましいRの具体例を示せば、3−メタクリロキシプロピル基、メタクリロキシメチル基、3−アクリロキシプロピル基が例示される。
一般式(1)において、Xは加水分解性基であり、アルコキシ基、アセトキシ基等が挙げられるが、アルコキシル基であることが好ましい。アルコキシル基としてはメトキシ基、エトキシ基、n−及びi−プロポキシ基、n−、i−及びt−ブトキシ基等が挙げられる。このうち反応性が高いメトキシ基であることが好ましい。
一般式(1)で表されるケイ素化合物の中で好ましい化合物を示せば、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが挙げられる。中でも、原料の入手が容易である3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いることが好ましい。
加水分解反応では加水分解と共に、加水分解物の縮合反応が生じる。加水分解物の縮合反応が伴う加水分解生成物は、通常、数平均分子量が500〜7000の無色の粘性液体となる。加水分解生成物は、反応条件により異なるが数平均分子量が500〜3000の樹脂(又はオリゴマー)となり、一般式(1)に表される加水分解性基Xの大部分、好ましくはほぼ全部がOH基に置換され、更にそのOH基の大部分、好ましくは95%以上が縮合されている。
加水分解生成物の構造については、複数種のかご型、はしご型、ランダム型のシルセスキオキサンであり、かご型構造をとっている化合物についても完全なかご型構造の割合は少なく、かごの一部が開いている不完全なかご型の構造が主となっている。したがって、加水分解で得られた加水分解生成物を、更に、塩基性触媒存在下、有機溶媒中で加熱することによりシロキサン結合を縮合(再縮合という)させることによりかご型構造のシルセスキオキサンを選択的に製造する。
水又は水含有反応溶媒を分離したのち、非極性溶媒及び塩基性触媒の存在下に再縮合反応を行う。また、再縮合に使用する加水分解生成物は水洗、脱水し濃縮したものを用いるのが好ましいが、水洗、脱水を行わなくても使用でき、通常は加水分解反応が十分に行われる。再縮合反応後は、触媒を水洗して取り除き濃縮し、シルセスキオキサン混合物が得られる。
本発明によって得られるシルセスキオキサン樹脂は、官能基の種類や反応条件や加水分解生成物の状態により異なるが、構成成分は、複数種かご型シルセスキオキサンの混合物である。該篭型、梯子型構造では、有機化合物との相溶性がよいアルキル基やフェニル基などの置換基が篭や梯子の外側に張り出し、逆に有機化合物との相溶性が低いシロキサン骨格部分が篭の内側に取り込まれることにより、擬似的なミセル構造を形成しているため、有機化合物との相溶性がよく、かつ、耐熱性も高く維持されている。
耐熱性の点で、梯子型構造が好ましく、篭型構造はより好ましい。具体的には、新日鐵化学社製のHT基板などが例示できる。
より好ましい構造制御された篭型シルセスキオキサンは、ケイ素原子すべてに反応性官能基を有しており、(メタ)アクリレート及びエポキシ樹脂等との相溶性があり、任意に混合して光重合性樹脂組成物としてもよい。また、(メタ)アクリレートなどの光重合性樹脂組成物に篭型シルセスキオキサンを用いると樹脂の架橋密度が増加し、耐熱性、熱安定性、耐薬品性、機械物性が向上できる。
(透明無機化合物層)第1透明無機化合物層13Aを設ける第1の目的は、透明ガスバリア性フィルム10における水蒸気や酸素などの透過をバリアする機能であり、第2の目的は第1透明無機化合物層13A面にオーバーコート層15A、第2透明無機化合物層13Bを積層して積層体としたときに、該積層体の複数層(膜)の応力によって膜剥がれ発生するのを防止するために、透明基材11との間に挟持させ、透明基材11とオーバーコート層15A、第2透明無機化合物層13Bとを強固に密着させるためでもある。
さらに、第3の目的は、透明基材中に含まれている微量のガス成分が、第2透明無機化合物13Bなどの薄膜は高真空条件下で成膜するので、高真空下で透明基材11からの脱ガスすると、成膜が阻害され、緻密な膜が成膜できないので、透明基材11からの脱ガスを防止し、安定した成膜をすることである。
なお、第1透明無機化合物層13A、第2透明無機化合物層13B、第3透明無機化合物層13C、第4透明無機化合物層13D(まとめて、透明無機化合物層13という)の材料は同様であり、これらと同じ材料でも、異なるものを組合わせてもよい。ここでは、まとけて透明無機化合物層13として、説明する。
透明無機化合物層13としては、ガスバリア性を有するもの、例えば酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウム、酸化バリウム等の酸化物;窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化マグネシウム等の窒化物;炭化珪素等の炭化物、硫化物等が適用できる。
また、それらから選ばれた二種以上の複合体である、酸化窒化物や、さらに炭素を含有してなる酸化炭化物層、無機窒化炭化物層、無機酸化窒化炭化物等も適用できる。
即ち、無機酸化物(MOx)、無機窒化物(MNy)、無機炭化物(MCz)、無機酸化炭化物(MOxCz)、無機窒化炭化物(MNyCz)、無機酸化窒化物(MOxNy)、無機酸化窒化炭化物(MOxNyCz)で、好ましいMは、Si、Al、Tiなどの金属元素である。
なかでも、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNy)、炭化珪素(SiCz)およびこれらの化合物からなる膜は、基材中に含まれるシルセスキオキサン化合物との親和性がよいために、とりわけ透明性の高いガスバリア性性を発揮し、一方、窒化珪素はさらに高いガスバリア性を発揮するので好ましく用いられる。特に好ましくは、酸化珪素と窒化珪素の複合体(一般式SiOxNyで表わされる珪素酸化窒化物)が好ましく、酸化珪素の含有量が多いと透明性が増し、窒化珪素の含有量が多いとガスバリア性が増大する。
(無機酸化物)該透明無機化合物層としては、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等のように金属酸化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiOx、AlOx、MgOx等のようにMOx(ただし、式中、Mは、金属元素を表し、Xの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。また、上記のxの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0.1〜2、アルミニウム(Al)は、0.1〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0.1〜1、カルシウム(Ca)は、0.1〜1、カリウム(K)は、0.1〜0.5、スズ(Sn)は、0.1〜2、ナトリウム(Na)は、0.1〜0.5、ホウ素(B)は、0.1〜1、5、チタン(Ti)は、0.1〜2、鉛(Pb)は、0.1〜1、ジルコニウム(Zr)は0.1〜2、イットリウム(Y)は、0.1〜1.5の範囲の値をとることができる。なお、上記式において、x=0の場合は完全な金属であり、透明ではなく使用することができない、また、xの範囲の上限は完全に酸化した値である。好ましい本発明の金属酸化物としては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)の酸化物が好ましく、xの値としては、例えばケイ素(Si)であれば1.0〜2.0が、アルミニウム(Al)であれば0.5〜1.5が、チタン(Ti)であれば1.3〜2.0の範囲のものを使用することができる。
(酸化珪素)本発明において、有機珪素化合物等の蒸着モノマ−ガスを使用して、真空成膜法で形成される酸化珪素の無機酸化物膜は、有機珪素化合物等の蒸着モノマ−ガスと酸素ガス等とが化学反応し、その反応生成物が、基材フィルムの一方の面に密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成するものであり、通常、一般式SiOx(ただし、xは0.1〜2の数を表す)で表される酸化珪素を主体とする連続状の薄膜である。該酸化珪素の無機酸化物膜としては、透明性、難燃性等の点から、一般式SiOx(ただし、xは1.3〜2の数を表す。)で表される酸化珪素の無機酸化物膜を主体とする薄膜であることが好ましい。xの値は、蒸着モノマ−ガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギー等により変化するが、一般的に、xの値が小さくなれば膜自身は緻密になり酸素透過率は低下するが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
また、酸化珪素膜は、酸化珪素を主体とし、これに、更に、炭素、水素、珪素または酸素の1種類、または、その2種類以上の元素からなる化合物を少なくとも1種類を化学結合等により含有してもよい。例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラーレン状等になっている場合、更に、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。具体例を挙げると、CH3部位を持つハイドロカ−ボン、SiH3シリル、SiH2シリレン等のハイドロシリカ、SiH2OHシラノ−ル等の水酸基誘導体等を挙げることができる。上記以外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸化珪素の無機酸化物膜中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができる。
上記の化合物が、酸化珪素膜中に含有する含有量としては、0.1〜50%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいものである。上記において、含有率が、0.1%未満であると、酸化珪素の無機酸化物膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十分となり、曲げなどにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、難燃性を安定して維持することが困難になり、また、50%を越えると、難燃性が低下して好ましくない。さらに、本発明においては、酸化珪素膜において、上記の化合物の含有量が、酸化珪素の無機酸化物膜の表面から深さ方向に向かって減少させることが好ましく、これにより、酸化珪素の無機酸化物膜の表面においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高められ、他方、基材フィルムとの界面においては、上記の化合物の含有量が少ないために、基材フィルムと酸化珪素膜との密接着性が強固なものとなるという利点を有するものである。
(無機窒化物)該無機窒化物膜としては、基本的に金属の窒化物を蒸着した薄膜であれば使用可能であり、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の窒化物の無機窒化物膜を使用することができ、好ましくは、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)等の金属の窒化物である。無機窒化物膜は、ケイ素窒化物、アルミニウム窒化物、チタン窒化物等のように金属窒化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiNy、AlNy、TiNy等のようにMNy(ただし、式中、Mは、金属元素を表し、yの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。また、上記のyの値の範囲としては、ケイ素(Si)はy=0.1〜1.3、アルミニウム(Al)はy=0.1〜1.1、チタン(Ti)はy=0.1〜1.3、すず(Sn)はy=0.1〜1.3の範囲の値をとることができる。なお、上記式において、y=0の場合は完全な金属であり、透明ではなく使用することができない、また、y=の範囲の上限は完全に窒化した値である。好ましい本発明の金属窒化物としては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)の酸化物が好ましく、y=の値としては、例えばケイ素(Si)であればy=0.5〜1.3、アルミニウム(Al)であればy=0.3〜1.0、チタン(Ti)であればy=0.5〜1.3、スズ(Sn)であればy=0.5〜1.3、の範囲のものを使用することができる。但し、着色した膜であっても、3〜15nmであれば透明性を保持できるために、用いられることがある。
(無機酸化窒化物膜)該無機酸化窒化物膜としては、基本的に金属の酸化窒化物を蒸着した薄膜であれば使用可能であり、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化窒化物の無機酸化窒化物膜を使用することができ、好ましくは、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)等の金属の酸化窒化物である。無機酸化窒化物膜は、ケイ素酸化窒化物、アルミニウム酸化窒化物、チタン酸化窒化物等のように金属酸化窒化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiOxNy、AlOxNy、TiOxNy等のようにMOxNy(ただし、式中、Mは、金属元素を表し、X及びyの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。また、上記のx及びyの値の範囲としては、ケイ素(Si)はx=1.0〜2.0、y=0.1〜1.3、アルミニウム(Al)はx=0.5〜1.0、y=0.1〜1.0、マグネシウム(Mg)はx=0.1〜1.0、y=0.1〜0.6、カルシウム(Ca)はx=0.1〜1.0、y=0.1〜0.5、カリウム(K)はx=0.1〜0.5、y=0.1〜0.2、スズ(Sn)はx=0.1〜2.0、y=0.1〜1.3、ナトリウム(Na)はx=0.1〜0.5、y=0.1〜0.2、ホウ素(B)はx=0.1〜1.0、y=0.1〜0.5、チタン(Ti)はx=0.1〜2.0、y=0.1〜1.3、鉛(Pb)はx=0.1〜1.0、y=0.1〜0.5、ジルコニウム(Zr)はx=0.1〜2.0、y=0.1〜1.0、イットリウム(Y)はx=0.1〜1.5、y=0.1〜1.0の範囲の値をとることができる。なお、上記式において、x=0の場合は完全な金属であり、透明ではなく使用することができない、好ましい本発明の金属窒化物としては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、スズ(Sn)の酸化物が好ましく、x及びyの値としては、例えばケイ素(Si)であればx=1.0〜2.0、y=0.1〜1.3、アルミニウム(Al)であればx=0.5〜1.0、y=0.1〜1.0、チタン(Ti)であればx=1.0〜2.0、y=0.1〜1.3の範囲のものを使用することができる。但し、着色した膜であっても、3〜50nmであれば透明性を保持できるために、用いられることがある。
(透明無機化合物層の形成)透明無機化合物層13の製法としては特に制限はないが、望ましくは真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の方法や、熱CVD法やプラズマCVD法を適用して形成される。これらの方法は、基材や透明無機化合物層(機能的には平坦化のための平坦化促進層である)の種類、成膜材料の種類、成膜のし易さ、工程効率等を考慮して選択される。
例えば蒸着法とは、抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子線やイオンビーム等のビーム加熱等により、るつぼに入った材料を加熱、蒸発させて可撓性基材(プラスチックフィルム等)に付着させ、薄膜を得る方法である。その際、材料、目的等により加熱温度、加熱方法が異なり、酸化反応等を起こさせる反応性蒸着法も使用できる。
また、スパッター法とは、真空槽内に放電ガス(アルゴン等)を導入し、ターゲットと可撓性基材(プラスチックフィルム等)との間に高周波電圧あるいは直流電圧を加えて放電ガスをプラズマ化し、ターゲットに衝突させることでターゲット材料を飛ばし、基板に付着させて薄膜を得る方法である。また、酸素等の反応ガスを導入して酸化反応を起こさせる反応性スパッター法を用いることもある。CVD法についても同様である。
透明無機化合物層13の膜厚は、10〜500nmが望ましい。10nm未満では、ディスプレイ用基板としてのガスバリア性が十分でなく、500nmを超えると、それ自身の応力が大きくなり、フレキシビリティが損なわれる。また異常粒成長から突起が形成されRmaxが増加する傾向があるので好ましくない。
なお、透明無機化合物層13の組成について、例えば、光電子分光光度計、X線光電子分光装置(Xray Photoelectron Spectroscopy、XPS)、二次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectroscopy、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向にイオンエッチングする等して分析する方法を利用して、酸化珪素膜の元素分析を行うことより、上記のような構成比や物性を確認することができる。
(オーバーコート層)第1オーバーコート層15A、第2オーバーコート層15B(まとめて、オーバーコート層15という)は、透明無機化合物層13の面に形成され、表面のRaおよびRmaxを低下させるための層である。
測定値では、Ra(平均粗さ)が2nm以下、Rmax(最大粗さ)が120nm以下の範囲に平坦化され、得られる透明ガスバリア性フィルム10において、高度なガスバリア性を発揮できる。透明無機化合物層、及びオーバーコート層は、機能的にみると平坦化機能を有したガスバリア性膜であり、特に両者の層構成とすることで、無機化合物層との親和性、濡れ性がよいため、孔、凹部、及びクラック(割れ)などの欠陥を埋め、覆い、塞ぐことができる。
さらに、レベリング性がよいために、欠陥を埋めて覆い、乾燥後の表面は平滑となる。この親和性とレベリング性の相乗効果で超平坦化機能を発揮する。
中心線平均粗さRaの下限は特にないが、実用上、0.01nm以上である。このために得られた透明ガスバリア性フィルムは超高度なガスバリア性を発揮できるのである。
従来、透明基材11の両面、少なくとも、第1透明無機化合物層を設ける側を研摩し、平滑性を向上させておく方法もあるが、該方法の欠点である研摩工程の増加も、本発明によれば解消することができる。
形成には、たとえば、乾式法(スパッタ法、イオンプレ−ティング法、CVD法等)、あるいは湿式法(スピンコート法、ロールコート法、キャスト法)等の公知の方法により形成することができる。
オーバーコート層15の材料としては、透明無機化合物との親和性の高い材料、また透明性の高い材料が好まれるが、有機化合物、無機化合物の種類は問わない。有機化合物では、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリアクリレート等の樹脂が使用され、無機化合物としては、炭化珪素、窒化珪素、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム等化合物が使用されるが、ここにあげた限りではない。有機と無機の混合化合物も使用に適しており、ゾルゲルコート膜として一般的である。
該ゾルゲルコート膜の材料としては、例えば、アミノアルキルジアルコキシシラン、もしくはアミノアルキルトリアルコキシシラン、およびこれらの化合物を主成分とした複合体から選ばれたもの等が好適に使用できる。これらの材料を用いてウェットコーティング法により平坦化層を形成できる。その際には、これらの材料および架橋性化合物を原料とする塗料組成物を、透明無機化合物層面に塗工、乾燥することで、加水分解、縮合と、架橋性化合物による架橋とによるゾルゲル反応が進行し、ゾルゲルコート層は、上記材料の加水分解を主とする化学反応により得られた反応生成物であり、架橋構造を有するポリシロキサン系の塗膜が得られる。
特開平7−3206号公報や特開平7−18221号公報には上記アルコキシシラン化合物を用いたことが記載されている。しかしながら、それはガスバリア性機能を付与するものとして、任意のプラスチックフィルムの上に塗布し、ガスバリア性を与えるものであり、本発明における積層体の平坦性を向上させるための透明オーバーコート層とは目的が異なる。
(第2透明無機化合物層)第2透明無機化合物層13Bは、前述のように、透明無機化合物層13と同様な材料、及び形成方法が適用できる。
但し、第2透明無機化合物層13Bは、前述の透明ガスバリア性フィルム10における、水蒸気や酸素などの透過をバリア性するための機能に加え、オーバーコート層からの脱ガスの防止と、積層体の表面質を改質の効果をもたらす。例えばディスプレイ用基板として用いる際には、さらにこの面に透明電極などの層を設ける必要がある。第2透明無機化合物層が設けられていると、親和性が高く、密着性がよく、導電性に優れた電極層を形成することができる。
(ディスプレイ用基板)本発明のディスプレイ用基板20としては、本発明の透明ガスバリア性フィルム10の最表面層に透明導電層を形成したもので、透明性、耐熱性、耐溶剤性、ガスバリア性及び層間密着性に優れたディスプレイ用基板が提供できる。該透明導電層に用いる材料には酸化スズ、酸化インジウム、ITO、ATO、FTO又は銀などの透明でかつ導電性があれば、特に限定するものではなく、形成方法も公知の方法が適用できる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
透明基材として、厚さ200μmのシルセスキオキサン樹脂(新日鐵化学製 HT基板)を用い、この一方の面に50nmの酸化窒化珪素膜をスパッタ法により成膜して第1透明無機化合物層とし、実施例1の透明ガスバリア性フィルムを得た。
透明基材として、厚さ200μmのシルセスキオキサン樹脂(新日鐵化学製 HT基板)を用い、この一方の面に50nmの酸化窒化珪素膜をスパッタ法により成膜して第1透明無機化合物層とした。その面にアミノアルキルトリアルコキシシランを主剤としたコ−ティング剤をスピンコ−ト法により塗布し、ホットプレ−トで120℃で2分間、次いで乾燥機で160℃で1時間乾燥させ、膜厚1μmのオーバーコート層(平坦化層)を得た。さらにその面に50nmの酸化窒化珪素膜をスパッタ法により第2透明無機化合物層を成膜して、実施例2の透明ガスバリア性フィルムを得た。
前記実施例2により得られた透明ガスバリア性フィルムの反対面に同様の構成を形成した。
前記実施例3で得られた透明ガスバリア性フィルムの、上面に150nmのITO膜をスパッタ法により形成して、ディスプレイ基板を得た。
(比較例1)透明基材として、厚さ188μmのPET樹脂(東洋紡製 E5100)を用いる以外は、実施例1と同様にして、比較例1の透明ガスバリア性フィルムを得た。
(比較例2)透明基材として、厚さ188μmのPET樹脂(東洋紡製 E5100)を用いる以外は、実施例2と同様にして、透明ガスバリア性フィルムを得た。
(比較例3)透明基材として、厚さ188μmのPET樹脂(東洋紡製 E5100)を用いる以外は、実施例3と同様にして、透明ガスバリア性フィルムを得た。
(比較例4)前記比較例3で得られた透明ガスバリア性フィルムの、上面に150nmのITO膜をスパッタ法により形成して、比較例4のディスプレイ基板を得た。
(測定方法)表面粗さRaは、原子間力顕微鏡(セイコ−社製)を用い、20μmのスキャニング範囲にて、平均粗さ(Ra)最大高低差(Rmax)を測定した。
水蒸気透過度(WVTR)は、JIS−K7129に準拠し、水蒸気透過率測定装置パ−マトラン3/31(MOCON社製、商品名)を用い、40℃100%Rhの条件で測定した。
(評価)評価は水蒸気透過度と外観で行い、水蒸気透過度は透明ガスバリア性フィルムを曲げ試験及び耐熱試験を行った前後で、外観は曲げ試験後の外観で評価した。
曲げ試験は、透明ガスバリア性フィルムを、直径50mmの円筒にオモテ、ウラ面交互に2回ずつ巻き、それぞれ5分間保持した。
耐熱試験は、透明ガスバリア性フィルムを、150℃のオーブンに1時間静置した後に、室温へ冷却し、これを3回繰り返した。
外観は、曲げ試験を行った透明ガスバリア性フィルムを、目視にて観察し、割れ、反り、変形のないものを合格とし「○印」で、あるものを不合格とし「×印」とした。
実施例及び比較例の、表面粗さRa及びRmax、初期、曲げ試験後及び耐熱試験後の透湿度、曲げ試験後の外観の結果を「表1」に示す。
Figure 2006095783
(評価結果)実施例1〜4の透明ガスバリア性フィルムの水蒸気透過度は、初期もよく、曲げ試験後及び耐熱試験後でも劣化が認められず良好であり、外観も良好であった。特に、実施例2〜4の透明ガスバリア性フィルムの水蒸気透過度は、初期はもちろん、曲げ試験後及び耐熱試験後でも0.01g/m2/day以下と良好であった。
比較例1〜4の曲げ試験後の外観は合格であったが、水蒸気透過度については、初期はよかったが、特に熱試験後では大きく劣化が認められ、透明ガスバリア性フィルム、又は透明ディスプレイ基板としては、使用できないレベルであった。目視では観察できなかったが、透明無機化合物層が成長阻害の欠陥やクラックによる微細な透過孔が発生していて、水蒸気透過度(ガスバリア性能)が著しく劣化したものと推測される。
本発明の1実施例を示す透明ガスバリア性フィルムの断面図である。 本発明の1実施例を示す透明ガスバリア性フィルムの断面図である。 本発明の1実施例を示すディスプレイ基板の断面図である。
符号の説明
10:透明ガスバリア性フィルム
11:透明基材
13:透明無機化合物層
13A:第1透明無機化合物層
13B:第2透明無機化合物層
13C:第3透明無機化合物層
13D:第4透明無機化合物層
15:オーバーコート層
15A:第1オーバーコート層
15B:第2オーバーコート層
20:ディスプレイ用基板
21:透明導電層
23:補助電極層

Claims (5)

  1. シルセスキオキサン化合物を含む透明基材と、該透明基材少なくとも一方の面に、第1透明無機化合物層が形成されてなることを特徴とする透明ガスバリア性フィルム。
  2. 上記第1透明無機化合物層がガスバリア性の層であり、かつ酸化珪素、窒化珪素、炭化珪素、又はこれらの化合物を主成分とした複合体から選ばれたものであることを特徴とする請求項1記載の透明ガスバリア性フィルム。
  3. 上記第1透明無機化合物層の少なくとも一方の面に、オーバーコート層、第2透明無機化合物層が順次積層されてなることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の透明ガスバリア性フィルム。
  4. 上記オーバーコート層が表面平坦化性の層であることを特徴とする請求項3に記載の透明ガスバリア性フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の透明ガスバリア性フィルムを用いたことを特徴とするディスプレイ用基板。
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