JP2005238626A - 印刷物とそれを用いた包装材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、紙を主たる材料とした高級紙器の外面にマット調の印刷表現を行なうにあたり、耐摩耗性が優れ、流通工程や使用時において、マット調がなくならず、印刷見当が非常に良く品質が優れ、且つ1工程で製造でき、生産コストが安くなる印刷物とそれを用いた包装材料を提供することを目的とする。
【解決手段】基材1上に撥液性を有するニス層2で絵柄を設け、少なくともその絵柄のニス層2を含む範囲上に紫外線硬化型グロスニス層3を設けたことを特徴とする印刷物である。
【選択図】図1

Description

本発明は、紙やプラスチックシートを主たる材料とした印刷物に関するものであり、さらに詳しくは、耐摩耗性のあるマット加工により加飾した印刷物、特にマット調の部分とグロス調の部分絵柄などを表現した印刷物で、それを使用して付加価値の向上を可能にした紙器などの包装材料に関するものである。
従来、食品、化粧品、薬品などの商品、特に内容物の販売価格が高い場合には、一般的に多色刷りによるカラフルな印刷や、塩化ビニールフィルムやポリプロピレンフィルムをラミネートしてグロス調を出したり、マットニスを使用してマット調の印刷を施したり、金・銀箔などの箔押を行なってメタリック調にしたり、エンボス加工により、凹凸感を表現した高級紙器が使用されている。
たとえば、高級紙器などの外面にマット調の印刷表現を行なう場合は、オレフィン系、あるいはアルキッド系合成樹脂などの合成樹脂系やシリカ系、カオリン系などの無機材料系のマット剤を適量添加したマットニスを印刷面に設け、マット剤がニスの表面に凹凸を付け、光沢を抑えることにより行なっていた。
しかしながら、耐摩擦性が弱くマットニスが擦れることによって光沢が出てきてしまう欠点があった。
また、この欠点を改良するために、紫外線硬化型高グロスニスを印刷し硬化させた後に紫外線硬化型低グロスニス(マットニス)を設けてなる印刷物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
以下に先行技術文献を示す。
特開平9−52430号公報
しかしながら、UVオフセット印刷機でプロセス4色と特色などの通常印刷を行った後、附属するインラインコータを使用して紫外線硬化型高グロスニスのベタ印刷を行い、さらにUVオフセット印刷機で前記高グロスニス上に低グロスニスの印刷を行うので生産工程が長くなり、生産コストが高くなる問題点とインライン生産ではないので印刷工程数が多くなり、その分、紙の伸縮などにより、印刷見当も不完全で品質的にも問題点が多く実用的でないのが現状である。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、紙を主たる材料とした高級紙器の外面にマット調の印刷表現を行なうにあたり、耐摩耗性が優れ、流通工程や使用時において、マット調がなくならない印刷物とそれを用いた包装材料を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、基材1上に撥液性を有するニス層2で絵柄を設け、少なくともその絵柄のニス層2を含む範囲上に紫外線硬化型グロスニス層3を設けたことを特徴とする印刷物である。
本発明の請求項2に係る発明は、印刷層4を有する基材1上に撥液性を有するニス層2で絵柄を設け、少なくともその絵柄のニス層2を含む範囲上に紫外線硬化型グロスニス層3を設けたことを特徴とする印刷物である。
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の印刷物において、前記撥液性を有するニス層2の有無により、紫外線硬化型グロスニスが平滑に塗布された部分と、該撥液性を有するニス層2上に該紫外線硬化型グロスニスが斑点状に凝集している部分があることを特徴とする印刷物である。
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の印刷物において前記撥液性を有するニス層2の有無により、紫外線硬化型グロスニスが平滑に塗布された部分と、該撥液性を有するニス層2上に該紫外線硬化型グロスニスが斑点状に凝集している部分の光沢度の差が、40〜80であることを特徴とする印刷物である。
本発明の請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の印刷物において前記撥液性を有するニス層2上に紫外線硬化型グロスニスが斑点状に凝集している部分でこの凝集の斑点の長径が30〜1000μmであることを特徴とする印刷物である。
本発明の請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の印刷物において前記撥液性を有するニス層2上に紫外線硬化型グロスニスが斑点状に凝集している部分で、この凝集の斑点の高さが5〜70μmであることを特徴とする印刷物である。
本発明の請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の印刷物において前記撥液性を有するニス層2上に紫外線硬化型グロスニスが斑点状に凝集している部分で、この凝集の斑点の数が102〜104個/cm2であることを特徴とする印刷物である。
本発明の請求項8に係る発明は、請求項1乃至7のいずれか1項記載の印刷物において前記紫外線硬化型グロスニスが平滑に塗布された部分の該紫外線硬化型グロスニスの硬化膜の厚さが2〜7μmの範囲であることを特徴とする印刷物である。
本発明の請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のいずれか1項記載の印刷物において前記撥液性を有するニス層2が、紫外線硬化型タイプのニスからなることを特徴とする印刷物である。
本発明の請求項10に係る発明は、請求項1乃至9のいずれか1項記載の印刷物を用いた包装材料である。
本発明は、印刷層を有する基材上に撥液性を有するニス層で絵柄を設け、少なくともその絵柄のニス層を含む範囲上に紫外線硬化型グロスニス層を設けることにより、その撥液性を有するニス層上の部分は、該グロスニスが斑点状に凝集して光を散乱させマット調になり、また該ニス層のない部分はグロス調となって独特なデザイン性を有する印刷物が得られ、且つその硬化した該グロスニスは非常に硬いため、従来のマットニスを塗布した場合に比較して耐摩擦性が向上する。
撥液性を有するニス層の有無により、紫外線硬化型グロスニスが平滑に塗布された部分と、該撥液性を有するニス層により、該紫外線硬化型グロスニスが弾かれて斑点状に凝集している部分を備えているので、撥液性を有するニス層の有無により、グロス調のある部分やマット調のある部分を作ることができ、これにより絵柄を表現できるので印刷の表現
が広がる。
撥液性を有するニス層の有無により、紫外線硬化型グロスニスが平滑に塗布された部分と、該撥液性を有するニス層により、該紫外線硬化型グロスニスが弾かれて斑点状に凝集している部分の光沢度の差が、40〜80であるので1つの印刷物の中で光沢度の差がはっきりつけられこれにより絵柄が表現され印刷の表現が広がる。
撥液性を有するニス層により、紫外線硬化型グロスニスが弾かれて斑点状に凝集している部分で紫外線硬化型グロスニスが凝集し残り、この凝集の斑点の長径が30〜1000μmであるので、マット部とグロス部の光沢の差があるのと同時に、触った感触もはっきりと差ができ、印刷の表現方法が広がる。
撥液性を有するニス層により、紫外線硬化型グロスニスが弾かれて斑点状に凝集している部分で、紫外線硬化型グロスニスが凝集し残り、この凝集の斑点の高さが5〜70μmの印刷物であるから、マット部とグロス部の光沢の差がはっきりとあるのと同時に、触った感触もはっきりと差ができ、印刷の表現方法が広がる。
撥液性を有するニス層上に紫外線硬化型グロスニスが斑点状に凝集している部分で、この凝集の斑点の数が102〜104個/cm2の印刷物であるからマット調が明確に表現できる。
紫外線硬化型グロスニスが平滑に塗布された部分の該紫外線硬化型グロスニスの硬化膜の厚さが2〜7μmの範囲の印刷物であるから、塗布しやすく、且つ基材や印刷層や撥液性を有するニス層との密着が良く、紫外線硬化型グロスニスが平滑に塗布された部分の光沢度が優れている。
撥液性を有するニス層が、紫外線硬化型タイプのニスにより設けられた印刷物であるので、硬化後の撥液性を有するニスと紫外線硬化型グロスニスの密着性が高く、従来のマットニスを塗布した場合に比較して耐摩擦性が優れている。
さらに印刷工程のみで製造できるので印刷見当が非常に良く品質が優れ、且つ1工程で製造できるので生産コストが安くなり、その印刷物を用いた包装材料は、品質性、デザイン性の優れた高付加価値の包装材料が得られるものである。

本発明の実施の形態を図1および図2に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る印刷物の1実施例を示す側断面図であり、図2は本発明に係る印刷物のその他の実施例を示す側断面図である。
本発明の印刷物は、図1に示すように、基材1上に撥液性を有するニス層2で絵柄を設け、少なくともその絵柄のニス層2を含む範囲上に紫外線硬化型グロスニス層3を設けた印刷物である。
先ず、該印刷物に使用する基材1は、印刷物を提供可能なものであれば任意の材料が使用できる。
例えば、紙、プラスチックシート、紙とプラスチックフィルムをラミネーとした複合材料、金属箔、金属板、木材などが挙げられる。
紙器に使用される紙は、主に板紙が多く、例えばマニラボール、コートボール、ノーコートボール、クラフトボール、色ボールなどが使用される。
また、贈答用紙器の場合は、マイクロフルート、Eフルートなど使用した化粧段ボールが使用される。
さらに、プラスチックシートとしては、ポリエステルシート、塩化ビニルシート、アクリルシートなどが使用できる。
紙とプラスチックフィルムをラミネーとした複合材料としては、板紙とポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムなどを熱可塑性樹脂であるポリエチレンや接着剤を介してラミネートした複合材料を使用することもできる。
このように基材1は、被包装体に適した包装に必要な物性、外観に合せて適宜選択することが可能である。
次に、基材1上に撥液性を有するニス層2で絵柄を設け、少なくともその絵柄のニス層2を含む範囲上に紫外線硬化型グロスニス層3を設ける。
前記撥液性を有するニス層2に使用するニスは、特に限定されないが、例えばセルローズ系、ポリアミド系、塩酢ビ系、変性ポリオレフィン系、ゴム系、アクリル系、ウレタン系などの樹脂成分にワックスやシリコンを添加したものが使用でき、好ましくは紫外線硬化型の撥液性を有するニスを使用することが望ましい。
前記紫外線硬化型の撥液性を有するニスの場合は、アクリル系や不飽和ポリエステル系のプレポリマーに、アクリルやスチレンなどのモノマー成分、および光重合開始剤の混合物にワックスやシリコンを添加したものが使用される。
次に、該撥液性を有するニス層2を含む範囲上に設ける紫外線硬化型グロスニス層3に使用する紫外線硬化型グロスニスは、特に限定されないが、例えばアクリル系や不飽和ポリエステル系のプレポリマーに、アクリルやスチレンなどのモノマー成分、光重合開始剤およびその他添加剤を組成成分とするグロスニスが挙げられる。
次に、基材1上に撥液性を有するニス層2で絵柄を設け、少なくともその絵柄のニス層2を含む範囲上に紫外線硬化型グロスニス層3を設ける方法は、特に限定されることはなく、例えば、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、シルクスクリーン印刷方式、ロールコーティング方式、リバースコーティング方式などを使用することができる。
オフセット印刷機は、UVオフセット印刷機を使用し、基材1上に撥液性を有するニスと紫外線硬化型グロスニスをインラインで印刷することにより、印刷の見当精度が非常に高くなり、高付加価値の印刷物が生産できる。
以上のように、基材1上に撥液性を有するニス層2で絵柄を設け、少なくともその絵柄のニス層2を含む範囲上に紫外線硬化型グロスニス層3を設けることにより、該撥液性を有するニス層2上に設けられた紫外線硬化型グロスニスの部分は、該撥液性を有するニス層2に弾かれ、該ニス層2上に斑点状に凝集し、光を乱反射してマット調になる。
このマット調になった紫外線硬化型グロスニスの部分は、非常に硬く、従来のマットニ
スを塗布した場合に比較して耐摩擦性が良いので紙器で包装した商品の流通工程や使用時に発生する紙器の外面に発生する擦れを防止することができるので物性面からも優れた加飾方法である。
一方、撥液性を有するニス層2が塗布されていない基材1上に設けられた紫外線硬化型グロスニスの部分は、平滑に塗布されるので光沢があるグロス調になる。
このように1つの基材1上にマット調の部分とグロス調の部分を作り出すことで、インキでの絵柄表現がなくても、撥液性を有するニスと紫外線硬化型グロスニスの組合せで絵柄を表現することができる。
また、撥液性を有するニスに着色すると、さらに絵柄表現の選択が増加する。
次に、図2に示すように、基材1上に予め、イエロー、マゼンタ、シアン、スミの4色のプロセスインキを使用して、調子物印刷やベタ印刷した印刷層4上に撥液性を有するニス層2で絵柄を設け、少なくともその絵柄のニス層2を含む範囲上に紫外線硬化型グロスニス層3を設けることも可能であり、より一層、強調されたマット調の部分とグロス調の部分が作り出され、独特なデザイン性を有する印刷物が得られる。
次に、印刷物の好ましい物性としては、先ず、基材1上の該撥液性を有するニス層2の無い部分に塗布された紫外線硬化型グロスニスの平滑な面と、該撥液性を有するニス層2上に塗布された該紫外線硬化型グロスニスの斑点状に凝集している面の光沢度の差が、40〜80であることが好ましい。
また、該撥液性を有するニス層2上に紫外線硬化型グロスニスが斑点状に凝集している部分でこの凝集の斑点の長径が30〜1000μmであることが好ましい。
また、該撥液性を有するニス層2上に紫外線硬化型グロスニスが斑点状に凝集している部分で、この凝集の斑点の高さが5〜70μmであることが好ましい。
また、該撥液性を有するニス層2上に紫外線硬化型グロスニスが斑点状に凝集している部分で、この凝集の斑点の数が102〜104個/cm2であることが好ましい。
また、紫外線硬化型グロスニスが平滑に塗布された部分の該紫外線硬化型グロスニスの硬化膜の厚さが2〜7μmの範囲であることが好ましい。
さらに、撥液性を有するニス層2が、紫外線硬化型タイプのニスからなることが好ましい。
以上のように本発明の印刷物は、基材1上に直接、或いは予め印刷層4を有する基材1上に撥液性を有するニス層2で絵柄を設け、少なくともその絵柄のニス層2を含む範囲上に紫外線硬化型グロスニス層3を設けることにより、その撥液性を有するニス層2上の部分は、該グロスニスが斑点状に凝集して光を散乱させマット調になり、また該ニス層2のない部分はグロス調となって独特なデザイン性を有する印刷物が得られ、且つその硬化した該グロスニスは非常に硬いため、耐摩擦性が向上し、さらにオフセット印刷工程のみで製造できるので印刷見当が非常に良く品質が優れ、且つ1工程で製造できるので生産コストが安くなり、その印刷物は、品質性、デザイン性の優れた高付加価値のあるものとなる。
上記した本発明の印刷物は、包装材料、ポスターやチラシなどの商業印刷物、書籍やそ
のカバー、テーブルクロス、壁紙、またはコピーなどによる偽造防止用途に用いることができる。
以下に、本発明の具体的実施例を挙げて、さらに詳しく説明する。
本発明の印刷物は、図1に示すように、基材1である板紙(王子製紙(株)のOKボール)上にアクリル系プレポリマーにアクリルモノマーを希釈剤として用い、これにワックス及びシリコンを添加した紫外線硬化型の撥液性を有するニスの絵柄を、UVオフセット印刷機の1ユニット目のPS版で印刷し、該絵柄部分に紫外線を照射して該撥液性を有するニスを硬化させた。
次に、連続してアクリル系プレポリマーにアクリルモノマーを希釈剤として用いた、紫外線硬化型グロスニスのベタ柄を2ユニット目のフレキソコーターで印刷し、同様に紫外線を照射して該グロスニスを硬化させて印刷物を作製した。
該撥液性を有するニスのある絵柄部は、マット調になり、該ニスのない部分はグロス調の印刷物が作製できた。
該印刷物を学振式耐摩擦試験機でクラフト紙を用いて荷重500gで200回の摩擦試験を行なったが外観上の変化はなかった。
比較として従来のマット剤としてシリカ微粉末を添加したマットニスでコーテイングし、硬化させた印刷物について実施したところ、帯状に光沢のある筋が出てしまった。
次に、印刷物のグロス部とマット部の光沢度をハンディ光沢度計((株)堀場製作所製
の商品名グロスチェッカIG−330)で60度反射を測定したところ、グロス部で7
0〜90、マット部で10〜30であり、グロス部とマット部の光沢の差を明確にだす
ことができた。
更に、該印刷物のマット部の凝集した紫外線硬化型グロスニスの斑点の高さを形状測定器((株)ミツトヨ製の商品名コントレーサCBH−411)で測定したところ、5〜70μmであり、特に、斑点の25%以上は15μm以上あった。
比較として前述のマットニスでコーテイングし、硬化させた印刷物の凹凸を測定したところ、およそ2μm程度であった。
以上のように本発明の印刷物は、基材1上に撥液性を有するニス層2で絵柄を設け、少なくともその絵柄のニス層2を含む範囲上に紫外線硬化型グロスニス層3を設けることにより、その撥液性を有するニス層2上の部分は、該グロスニスが斑点状に凝集して光を散乱させマット調になり、また該ニス層2のない部分はグロス調となって独特なデザイン性を有する印刷物が得られ、且つその硬化した該グロスニスは非常に硬いため、耐摩擦性が向上し、さらにオフセット印刷工程のみで製造できるので印刷見当が非常に良く品質が優れ、且つ1工程で製造できるので生産コストが安くなった。
その印刷物を用いて包装材料を作製した結果、品質性、デザイン性の優れた高付加価値の高級紙器が得られた。
本発明の印刷物は、図2に示すように、基材1である板紙(王子製紙(株)のOKボー
ル)上に紫外線硬化型インキにより、墨ベタ印刷をUVオフセット印刷機の1ユニット目のPS版で印刷し、該墨ベタ印刷部に紫外線を照射して該インキを硬化させた。
次に、実施例1で使用したものと同じ紫外線硬化型の撥液性を有するニスの絵柄を、UVオフセット印刷機の2ユニット目のPS版で印刷し、該絵柄部分に紫外線を照射して該撥液性を有するニスを硬化させた。
さらに、連続して実施例1で使用したものと同じ紫外線硬化型グロスニスのベタ柄を3ユニット目のフレキソコーターで印刷し、同様に紫外線を照射して該グロスニスを硬化させて印刷物を作製した。
該撥液性を有するニスのある絵柄部は、マット調になり、該ニスのない部分はグロス調の印刷物が作製できた。
該印刷物を学振式耐摩擦試験機でクラフト紙を用いて荷重500gで200回の摩擦試験を行なったが外観上の変化はなかった。
比較として実施例1で使用したものと同じ、従来のマット剤入りマットニスでコーテイングし、硬化させた印刷物について実施したところ、帯状に光沢のある筋が出てしまった。
次に、印刷物のグロス部とマット部の光沢度をハンディ光沢度計((株)堀場製作所製
の商品名グロスチェッカIG−330)で60度反射を測定したところ、グロス部で7
0〜90、マット部で10〜30であり、グロス部とマット部の光沢の差を明確にだす
ことができた。
更に、該印刷物のマット部の凝集した紫外線硬化型グロスニスの斑点の高さを形状測定器((株)ミツトヨ製の商品名コントレーサCBH−411)で測定したところ、5〜70μmであり、特に、斑点の25%以上は15μm以上あった。
比較として従来のマット剤入りマットニスでコーテイングし、硬化させた印刷物の凹凸を測定したところ、およそ2μm程度であった。
以上のように本発明の印刷物は、基材1上に印刷層4を設け、該印刷層4上に撥液性を有するニス層2で絵柄を設け、少なくともその絵柄のニス層2を含む範囲上に紫外線硬化型グロスニス層3を設けることにより、その撥液性を有するニス層2上の部分は、該グロスニスが斑点状に凝集して光を散乱させマット調になり、また該ニス層2のない部分はグロス調となって独特なデザイン性を有する印刷物が得られ、且つその硬化した該グロスニスは非常に硬いため、耐摩擦性が向上し、さらにオフセット印刷工程のみで製造できるので印刷見当が非常に良く品質が優れ、且つ1工程で製造できるので生産コストが安くなった。
その印刷物を用いて包装材料を作製した結果、品質性、デザイン性の優れた高付加価値の高級紙器が得られた。
本発明に係る印刷物の1実施例を示す側断面図である。 本発明に係る印刷物のその他の実施例を示す側断面図である。
符号の説明
1・・・基材
2・・・撥液性を有するニス層
3・・・紫外線硬化型グロスニス層
4・・・印刷層

Claims (10)

  1. 基材1上に撥液性を有するニス層で絵柄を設け、少なくともその絵柄のニス層を含む範囲上に紫外線硬化型グロスニス層を設けたことを特徴とする印刷物。
  2. 印刷層を有する基材上に撥液性を有するニス層で絵柄を設け、少なくともその絵柄のニス層を含む範囲上に紫外線硬化型グロスニス層を設けたことを特徴とする印刷物。
  3. 前記撥液性を有するニス層の有無により、紫外線硬化型グロスニスが平滑に塗布された部分と、該撥液性を有するニス層上に該紫外線硬化型グロスニスが斑点状に凝集している部分があることを特徴とする請求項1又は2記載の印刷物。
  4. 前記撥液性を有するニス層の有無により、紫外線硬化型グロスニスが平滑に塗布された部分と、該撥液性を有するニス層上に該紫外線硬化型グロスニスが斑点状に凝集している部分の光沢度の差が、40〜80であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の印刷物。
  5. 前記撥液性を有するニス層上に紫外線硬化型グロスニスが斑点状に凝集している部分で、この凝集の斑点の長径が30〜1000μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の印刷物。
  6. 前記撥液性を有するニス層2上に紫外線硬化型グロスニスが斑点状に凝集している部分で、この凝集の斑点の高さが5〜70μmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の印刷物。
  7. 前記撥液性を有するニス層2上に紫外線硬化型グロスニスが斑点状に凝集している部分で、この凝集の斑点の数が102〜104個/cm2であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の印刷物。
  8. 前記紫外線硬化型グロスニスが平滑に塗布された部分の該紫外線硬化型グロスニスの硬化膜の厚さが2〜7μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の印刷物。
  9. 前記撥液性を有するニス層2が、紫外線硬化型タイプのニスからなることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の印刷物。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項記載の印刷物を用いた包装材料。
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