JP2005119106A - 偽造防止策が施された物品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面が透明基材でなり、レリーフホログラム等の回折パターンと、反射性薄膜層と、粘着層又は接着層とが積層されている積層体(ラベル等)が貼付される有価証券類やパッケージ等物品において、前記透明基材上から文字、数字等でなる固有情報の形成で、より偽造が困難な偽造防止策が施された物品とその製造方法の提供にある。
【解決手段】貼付対象物10には、特殊インキでなるプレフリント部22が設けられ、反射性薄膜層14には、該反射性薄膜層14が選択的に存在しないことによる文字、数字等でなる固有情報データ14aが窓状に形成されてなり、前記プレプリント部22の一部が、該窓状の部分を介して目視可能になっている偽造防止策が施された物品1で、この固有情報データ14aとして、反射性薄膜層14をレーザービームRの照射で溶融して得る偽造防止策が施された物品の製造方法である。
【選択図】図1
【解決手段】貼付対象物10には、特殊インキでなるプレフリント部22が設けられ、反射性薄膜層14には、該反射性薄膜層14が選択的に存在しないことによる文字、数字等でなる固有情報データ14aが窓状に形成されてなり、前記プレプリント部22の一部が、該窓状の部分を介して目視可能になっている偽造防止策が施された物品1で、この固有情報データ14aとして、反射性薄膜層14をレーザービームRの照射で溶融して得る偽造防止策が施された物品の製造方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、偽造防止策が施された有価証券類やパッケージ類等物品に関するものであり、さらに詳しくは、ホログラムで代表される回折パターン形成層に、より優れた偽造防止効果を有する文字、数字等固有情報を施したラベル等が貼付された偽造防止策が施された物品およびその製造方法に関する。
従来、例えば有価証券類やパッケージ類等物品に偽造防止策としてホログラム等回折パターンを設ける方法があり、その回折パターンとして、樹脂層の表面にこのパターンを構成する微小な凹凸を設けたレリーフ型ホログラムが知られ、この微小な凹凸による回折パターン像をより明るく見えるようにするために、金属蒸着層を設けることによって、反射回折角が波長によって異なり、虹模様に見えることからレインボーホログラムともいわれているものである。このようなホログラムを、例えば、各種ラベルあるいはクレジットカードやプリペードカード等カード類に設けて、偽造・贋造を防止し、安全性を高めたものとして数多く使用されている。
一方、例えば有価証券類やパッケージ類等物品に貼付する上記のようなレリーフ型ホログラム等が設けられた各種ラベル等において、そのラベルの真偽性等の証明(偽造防止性)やラベルの貼付製品の管理等のため、通し番号等の固有情報を付与するケースがあり、また、カード類においては、繰り返し取引のための取引内容等固有情報としての文字、数字等印字を付与するケースがあり、これら固有情報の形成のための従来の方法として、例えば、少なくとも透明基材と、微小な凹凸(レリーフ)で形成されているホログラム等回折パターンと、金属蒸着層と、粘着剤層とからなるラベル材で、該金属蒸着層を文字、数字等でなる固有情報として、透明基材面からYAG等レーザの照射により非接触にて溶融せしめて偽造防止用のラベルとする、本発明者らによる方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
以下に、上記先行技術文献を示す。
特開平10−333574号公報
しかしながら、上記の従来技術において、文字、数字等でなる固有情報をレーザーによって金属蒸着層に溶融で形成したものは、ホログラム(ラベル)としての真偽性等の証明即ち偽造防止性を有しているが、例えば、このような固有情報が形成されていないホログラムラベルの透明基材上から文字、数字等でなる固有情報を、貼付対象物(有価証券等)の色と類似の色のインキ等を用いて番号印刷機等で加刷し、上記のようなレーザによる固有情報と同様なものを形成して偽造するという問題点があった。
さらに、上記のような金属蒸着層に文字、数字等でなる固有情報を溶融で形成したホログラムラベルを貼付物品から剥離し、贋物または低級品に貼り付ける(貼り替えによる再使用)といった不正が発生するという問題点もあった。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、表面が透明基材でなり、この透明基材に少なくとも微小凹凸でなるホログラム等の回折パターンと、金属蒸着膜等でなる反射性薄膜層と、粘着剤または接着剤でなる粘着層または
接着層とが積層されている積層体(ラベル等)が貼付される有価証券類やパッケージ等物品において、前記透明基材上から文字、数字等でなる固有情報の形成されたものでも、より偽造が困難で、かつ貼り替えによる再使用も困難な偽造防止策が施された物品およびその製造方法を提供することにある。
接着層とが積層されている積層体(ラベル等)が貼付される有価証券類やパッケージ等物品において、前記透明基材上から文字、数字等でなる固有情報の形成されたものでも、より偽造が困難で、かつ貼り替えによる再使用も困難な偽造防止策が施された物品およびその製造方法を提供することにある。
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、貼付対象物上に、透明性を有する粘着層または接着層のいずれかを介して、少なくとも反射性薄膜層と、回折パターンと、透明基材とが設けられていて、該貼付対象物には、特殊インキを用いて印刷されたプレフリント部または色分け印刷が施されたプレプリント部のいずれかが設けられてなり、前記反射性薄膜層には、該反射性薄膜層が選択的に存在しないことによる文字、数字、記号、図形または絵柄のいずれかでなる固有情報が窓状に形成されてなり、前記プレプリント部の一部もしくは全部が、該窓状の部分を介して目視可能になっていることを特徴とする偽造防止策が施された物品としたものである。
また、請求項2の発明では、上記請求項1に記載の偽造防止策が施された物品の製造方法であって、少なくとも透明基材と、回折パターンと、反射性薄膜層と、透明性を有する粘着層または接着層のいずれかを備えた積層体の該透明基材側から、レーザーを照射して該反射性薄膜層を選択的に除去して文字、数字、記号、図形または絵柄のいずれかでなる固有情報を窓状に形成し、前記積層体の透明性を有する粘着層または接着層の面を、特殊インキを用いて印刷されたプレフリント部または色分け印刷が施されたプレプリント部のいずれかが設けられている貼付対象物に、該プレプリント部の一部もしくは全部が該窓状の部分を介して目視可能になるように貼付せしめることを特徴とする偽造防止策が施された物品の製造方法としたものである。
上記請求項でいう「回折パターン」とは、ホログラムまたは回折格子の回折を生じせしめる微小な凹凸(レリーフ)が金属の蒸着等で得られる反射性薄膜層に面する側の面に形成されているものである。
また、上記「反射性薄膜層」とは、金属の蒸着等で得られる薄膜層で、回折パターン形成層等に形成された微小な凹凸でなる回折パターンの光学効果の視認性を高めるための反射層のことをいう。
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、上記請求項1に係る発明によれば、表面が透明基材でなり、この透明基材に少なくとも微小凹凸でなるホログラムや回折格子の回折パターンと、金属の蒸着等でなる反射性薄膜層と、粘着剤または接着剤でなる粘着層または接着層とが積層されている積層体(ラベル等)が貼付される物品であって、前記反射性薄膜層には、該反射性薄膜層が選択的に存在しないこと即ち抜き文字、抜き柄状にした文字、数字、記号、図形または絵柄のいずれかでなる固有情報を窓状に形成されていて、前記貼付対象物には、特殊インキを用いて印刷されたプレプリント部または色分け印刷が施されたプレプリント部のいずれかが設けられていて、このプレプリント部の一部もしくは全部が、前記窓状の部分を介して目視可能になっているので、従来の文字、数字等でなる固有情報が窓状に形成されているのみのものに比べ、偽造防止効果がより高くなり、かつ貼り替えによる不正使用が困難な偽造防止策が施された物品を提供することができる。
さらに特殊インキを用いて印刷されたプレプリント部または色分け印刷が施されたプレプリント部が窓状の部分(固有情報)を介して目視できるので、デザイン効果をも高める
偽造防止策が施された物品とすることができる。
偽造防止策が施された物品とすることができる。
また、上記請求項2に係る発明によれば、上記請求項1に記載の偽造防止策が施された物品の製造方法であって、ホログラム等回折パターンが形成されている積層体(ラベル等)の透明基材側から、レーザーを照射して反射性薄膜層を選択的に除去して、文字、数字、記号、図形または絵柄のいずれかでなる固有情報を窓状に形成し、前記積層体の透明性を有する粘着層または接着層の面を、特殊インキを用いて印刷されたプレフリント部または色分け印刷が施されたプレプリント部のいずれかが設けられている貼付対象物に、これらプレプリント部の一部もしくは全部が、該窓状の部分を介して目視可能になるように貼付せしめる偽造防止策が施された物品の製造方法としたので、従来の文字、数字等でなる固有情報をこの回折パターンが形成されている積層体の透明基材上から文字、数字等でなる固有情報を貼付対象物(有価証券等)の色と類似の色等で加刷して偽造する方法に比べ、偽造がより困難な、かつまた偽造防止効果がより優れた製造方法とすることができ、さらにデザイン効果をも高める偽造防止策が施された物品の製造方法を提供できる効果もある。
従って本発明は、ホログラムラベル等が貼付され、偽造防止策が施された有価証券類やパッケージ類等物品の如き用途において、優れた実用上の効果を発揮する。
以下本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の偽造防止策が施された物品の一実施の形態を側断面で表した説明図であり、図2は、本発明の偽造防止策が施された物品の他の一実施の形態を側断面および上面で表した説明図である。
上記請求項1に係る発明の偽造防止策が施された物品は、例えば、図1の積層断面図に示すように、貼付対象物(10)上に、透明性を有する粘着層(12)を介して、反射性薄膜層(14)と、回折パターン形成層(16)に形成された回折パターン(20)と、最外面には透明基材(18)とが設けられていて、この貼付対象物(10)の粘着層(12)側、すなわち貼付対象物(10)上には、特殊インキを用いて印刷されたプレプリント部(22)が設けられている。
さらに、上記反射性薄膜層(14)には、この反射性薄膜層(14)が文字、数字、記号、図形または絵柄のいずれかでなる固有情報データ(14a)として窓状に抜けている部分が形成されていて、上記の特殊インキを用いて印刷されたプレプリント部(22)の一部が、この窓状の部分からなる固有情報データ(14a)を介して目視可能になるようになっている偽造防止策が施された物品(1)である。
また、上記請求項1に係る発明では、例えば図2(a)の側断面図に示すように、貼付対象物(10)上に、透明性を有する接着層(11)を介して、反射性薄膜層(14)と、この反射性薄膜層(14))の面に形成された回折パターン(20)と、最外面には透明基材(18)とが設けられていて、この貼付対象物(10)の接着層(11)側、すなわち貼付対象物(10)上には、色分け印刷が施されたプレプリント部(24)が設けられている。
さらに、上記反射性薄膜層(14)には、この反射性薄膜層(14)が文字、数字、記号、図形または絵柄のいずれかでなる固有情報データ(14a)として窓状に抜けている部分が形成されていて、上記の色分け印刷が施されたプレプリント部(24)の一部が、この窓状の部分から固有情報データ(14a)を介して目視可能になるようになっている
偽造防止策が施された物品(1)とすることもできる。
偽造防止策が施された物品(1)とすることもできる。
上記接着層(11)と特殊インキを用いて印刷されたプレプリント部(22)との組み合わせとしてもよく、また粘着層(12)と色分け印刷が施されたプレプリント部(24)との組み合わせとすることもできる。
このように、反射性薄膜層(14)には、この反射性薄膜層(14)が文字、数字等でなる固有情報データ(14a)として窓状に抜けている部分が形成されていて、例えば図2(a)の積層側断面図に示すように、貼付対象物(10)の接着層(11)側に、色分け印刷でプレプリント部(24)を設けたものとすることによって、例えば図2(b)の上面図に示すように、反射性薄膜層(14)に形成されている「T」の字でなる固有情報データ(14a)として窓状に抜けている部分から、例えば黄(Y)、紅(M)、青(C)、緑(G)のように色分け印刷が施されたプレプリント部(24)の一部が目視可能になっているので、(このからくりの理解が困難なため)偽造が困難で、かつデザイン性をも向上させる偽造防止策が施された物品(1)とすることができる。
上記色分け印刷が施されたプレプリント部(24)の形成は、図2(a)および図2(b)に示すように、例えば一般の各種(オフセット、グラビア、凸版、スクリーン等)インキを用い、貼付対象物(10)に応じたそれぞれの印刷方式とインキで形成することができる。
また、図1に示す上記特殊インキを用いて印刷されたプレプリント部(22)としては、例えば、熱をかけることによって発色するロイコ染料を主体とし、ビスフェノールA等顕色剤とでなる不可逆性感熱発色インキを用いることができる。このインキには、白色もしくは無色透明のインキがあり、このプレプリント部(22)を潜像部としこの潜像部を顕像化(発色)させるための熱源装置を必要とするものである。これに対し繰り返し顕像化(発色)が可能な可逆性感熱発色インキ(サーモクロミックインキ)がある。このサーモクロミックインキは熱をかけることにより可逆的に発色するインキで、熱を加えると発色もしくは消色し、しばらく放置すると元の状態に戻るもので、例えば金属錯塩、コレステリック液晶あるいは没食子酸エステル類等を材料としたインキが使用できる。
また、繰り返し顕像化(発色)が可能なインキとしてフォトクロミックインキがあり、このフォトクロミックインキは、スピロピラン類等を材料としたインキで、光、特に紫外線を照射することにより発色するものとして使用することができる。さらにまた、紫外線を照射することにより発光する蛍光インキによりプレプリント部(22)とすることもできる。この蛍光インキとしては、例えばチオフラビン等蛍光染料をポリメタアクリル酸エステル、塩ビ・酢ビ共重合体等に溶解し微粉化した有機系の蛍光顔料や200〜300nmの波長域の光にのみ発光するZn2 SiO4 /Mn、CaWO4 等でなる耐熱性のある無機系の蛍光顔料をそれぞれ(グラビア用、スクリーン用、オフセット用)の印刷インキのビヒクルに分散させたもので、ブラックランプ下で蛍光を発するインキがある。
上記の各特殊インキを、貼付対象物(10)に応じた各種印刷方式(オフセット、グラビア、凸版、スクリーン等)で特殊インキによるプレプリント部(22)とすることができる。
このように、反射性薄膜層(14)には、この反射性薄膜層(14)が文字、数字等でなる固有情報データ(14a)として窓状に抜けている部分が形成されていて、例えば図1の積層側断面図に示すように、貼付対象物(10)の粘着層(12)側に、特殊インキによるプレプリント部(22)を設けたものとすることによって、反射性薄膜層(14)に形成されている固有情報データ(14a)として窓状に抜けている部分から、例えば、
加熱によって発色し、常温で放置しておくと消色する、繰り返し顕像化(発色)が可能な可逆性感熱発色インキ(サーモクロミックインキ)による印刷が施されたプレプリント部(22)の一部が目視可能になっているので、(このサーモクロミック性のからくりの理解が困難なため)偽造が困難で、かつデザイン性をも向上させる偽造防止策が施された物品(1)とすることができる。
加熱によって発色し、常温で放置しておくと消色する、繰り返し顕像化(発色)が可能な可逆性感熱発色インキ(サーモクロミックインキ)による印刷が施されたプレプリント部(22)の一部が目視可能になっているので、(このサーモクロミック性のからくりの理解が困難なため)偽造が困難で、かつデザイン性をも向上させる偽造防止策が施された物品(1)とすることができる。
以下に、本発明の偽造防止策が施された物品(1)に使用する上記プレプリント部(22、24)以外の材料やその形成方法等について説明する。
まず、最外面を形成する透明基材(18)としては、周知の透明プラスチックフィルムもしくはシートを使用することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート等の樹脂が挙げられる。
また、回折パターン形成層(16)としては、その表面にホログラムや回折格子を回折せしめる微小な凹凸パターンが形成されるもので、その凹凸パターンが形成されたスタンパー(雌型金型)によるエンボス等によって可能な合成樹脂からなるものが使用でき、例えば、熱可塑性樹脂として、アクリル(例としてMMA等)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネートなどが挙げられ、また、熱硬化性樹脂として、エポキシ、不飽和ポリエステル、ポリエステルメタアクリレート、ウレタンメタアクリレート、エポキシメタアクリレート、ポリエーテルメタアクリレート、ポリエーテルメタアクリレート、メラミンメタアクリレート、トリアジン系アクリレート、ポリオールメタアクリレートなどの熱硬化性樹脂をスタンパー上で硬化させて使用することもできる。
上記回折パターン形成層(16)の形成は、上記樹脂の溶液をグラビアコート、ロールコート、バーコートなど公知の手段で透明プラスチックフィルム基材(10)上に塗布、乾燥させて得られるか、あるいは、上記熱可塑性樹脂フィルムの(押出し等を含む)ラミネート法によっても可能である。
また、回折パターン(20)の形成は、図1に示す回折パターン形成層(16)面に、上記のスタンパーを使用したエンボスによって得られるのが一般的であるが、図2(a)に示すように、透明基材(18)面に反射性薄膜層(14)の施されたその反射性薄膜層(14)表面に、上記のスタンパーを使用したエンボス法によっても形成することができる。
また、反射性薄膜層(14)としては、金属の蒸着膜が用いられ、その金属としては、ホログラムに代表される回折パターン(20)をより明るく鮮明にするために設けるものであって、例えば、最も経済性とパターンを明るく鮮明にするものとしてアルミニウムが挙げられ、その他に、ニッケル、錫、ビスマス、インジウム、カドミウム、鉛なども使用することができる。この反射性薄膜層(14)の形成は、真空蒸着法やスパッタリング法等で設けることができる。
また、貼付対象物(10)に貼付するための粘着層(12)としては、例えば、ロジンまたはその誘導体やテルペンなどの天然品を利用した樹脂、脂肪族系(C5 留分、ペンテン類、1,3−ペンタジエン、イソプレンなど)、芳香族系(C9 留分、スチレン類、インデン類など)、脂肪族−芳香族共重合体、脂環族系、クマロン−インデン樹脂などの石油系炭化水素樹脂が挙げられ、この粘着層(12)の形成は、グラビアコート、ロールコート、バーコートなどの公知の手段で塗布、乾燥して得られるもので、この粘着層(12)は粘着性を帯びているため、貼付対象物(10)に貼付される前には、シリコン等
が塗布された剥離紙に仮接着(固定)されている。
が塗布された剥離紙に仮接着(固定)されている。
また、貼付対象物(10)に貼付するための接着層(11)としては、例えばヒートシール剤あるいは感熱性接着(粘着)剤等が挙げられ、このヒートシール剤としては、例えば、ヒートシール性に優れる直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)等のポリオレフィン樹脂あるいはエチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン/メタアクリル酸共重合体(EMAA)等エチレン共重合樹脂のフィルムが好適に用いられ、さらにこれらポリオレフィン樹脂にポリスチレンやポリブデン等からなる、該ポリオレフィン樹脂に対し不相溶性成分を混合したものとすることもできる。また、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン/アクリル酸共重合樹脂等からなるホットメルト接着剤を塗布量15〜25g/m2 程度で設けてたものとすることもできる。これらヒートシール剤で形成された接着層(11)面の貼付対象物(10)への貼付は、バーシール、超音波シール、高周波シール法等で成すことができる。
さらに、上記感熱性接着(粘着)剤としては、基本的には非水溶性高分子材料、粘着付与剤、固体可塑剤からなり、常温では粘着性がないが、加熱によって活性化して粘着性が生じて、冷却後もかなりの期間持続するような接着剤(粘着剤)をいい、通常この粘着剤の乾燥塗膜はタックがないので、上記通常の粘着剤と異なり剥離紙を必要としないというメリットがあるもので、この組成のうちの非水溶性高分子材料としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル系、ポリ塩化ビニル系、天然ゴム、合成ゴム、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系、ポリウレタン系の非水溶性高分子化合物類が使用される。
また、上記粘着付与剤としては、加熱により活性化された際に粘着性を増強させるための成分で、例えば、ロジン誘導体、テルペン樹脂系、石油樹脂系、フェーノール樹脂系、キシレン樹脂系等の樹脂類が使用される。
また、上記固体可塑剤としては、常温では固体であって、その融点以上に加熱されると溶融し、上記の非水溶性高分子材料や粘着付与剤を膨潤・溶解して、粘着・接着性を発現させ、一旦溶解した後はなかなか結晶化しないので、活性化後の粘着保持時間を長くとることができるもので、例えば、フタル酸ジフェニル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジヒドロアビエチル、イソフタル酸ジメチル、安息香酸スクロース、ジ安息香酸エチレングリコール、トリ安息香酸トリメチロールエタン、トリ安息香酸グリセリド、テトラ安息香酸ペンタエリエット、オクタ酢酸スクロース、クエン酸トリシクロヘキシルN−シクロヘキシル−P−トルエンスルホンアミド等の常温で固体の有機化合物が使用される。
上記のような、非水溶性高分子材料と、粘着付与剤と、固体可塑剤とを水性溶媒に分散してなる感熱性粘着剤を、上記反射性薄膜層(14)面にに塗布、乾燥することによって接着層(11)とすることができる。このようにして得られた感熱性粘着剤の接着層(11)は、熱活性後、貼付対象物(10)に貼着されて偽造防止策が施された物品(1)とすることができる。
以上のような材料等の組み合わせで、積層体(ラベル等)自体に「脆性」を持たせ、この積層体(ラベル等)自体の不正使用防止することもできる。このラベル等に関する不正の例として、貼付対象物(真正物品)に貼付てあるラベル等を剥がして、偽物または低級品に貼付ける(貼り替えによる再使用)というもので、この対策として、ラベル等に脆性のある基材等を用いるか、あるいはこのラベル等を構成する層間の接着(密着)力が粘着
層または接着層の密着力よりも強いものとする等がある。
層または接着層の密着力よりも強いものとする等がある。
さらにまた、上記請求項2に係る発明は、例えば図1に示すように、上記記載の偽造防止策が施された物品(1)の製造方法であって、透明基材(18)と、回折パターン形成層(16)に形成された回折パターン(20)と、反射性薄膜層(14)と、透明性を有する粘着層(12)を備えた積層体の透明基材(18)側から、レーザービーム(R)を選択的に照射して、この反射性薄膜層(14)を選択的に溶融して除去し、この反射性薄膜層(14)に文字、数字、記号、図形または絵柄のいずれかでなる固有情報データ(14a)として窓状に抜けている部分を形成する。
さらに、上記積層体を構成する透明性を有する粘着層(12)の面を、特殊インキを用いて印刷されたプレフリント部(22)が設けられている貼付対象物(10)上に、このプレプリント部(22)の一部が、文字、数字等でなる固有情報データ(14a)として窓状に抜けている部分から目視可能になるように貼付せしめる偽造防止策が施された物品の製造方法である。
この反射性薄膜層(14)の溶融にあたり、YAGレーザー(波長1.06μm)の場合、レーザー出力20W以上で瞬時に溶融印字が可能であり、レーザー発振装置コスト等を考慮するとレーザー出力50W程度が好ましい。但しこのYAGレーザーの適性出力は、透明基材(18)の種類にもよって異なるが、このYAGレーザーに対しては、PETフィルムが好適で、ポリエチレンやポリプロピレンは、その透明基材(18)がレーザービームによるエネルギーを吸収し、その透明基材(18)に穴があくため好ましものとは言えない。
一方、CO2 レーザー(波長10.6μm)の場合は、レーザー出力2W以上で瞬時に溶融印字が可能であり、レーザー発振装置コスト等を考慮するとレーザー出力10W程度がより好ましい。但しこのCO2 レーザーの場合の適性レーザー出力は、透明基材(18)の種類にもよって異なり、このCO2 レーザーに対しては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が好適で、PETフィルム等はその透明基材(18)がレーザービームによるエネルギーを吸収し、その透明基材(18)に穴があくため好ましものとは言えない。
その他、固体レーザーとして、ルビーレーザー(波長0.6943μm)、ガラスレーザー(波長1.065μm)あるいは気体レーザーとしてArレーザー(波長0.4880μmおよび0.5145μm)も発振出力等の選定によっては使用可能である。
以上のように、溶融される反射性薄膜層(14)の上面を保護している透明基材(18)の種類によって、適性なレーザー発振装置とその発振出力を適宜選択することができる。
1‥‥偽造防止策が施された物品
10‥‥貼付対象物
11‥‥接着層
12‥‥粘着層
14‥‥反射性薄膜層
14a‥‥固有情報データ
16‥‥回折パターン形成層
18‥‥透明基材
20‥‥回折パターン
22‥‥特殊インキでなるプレプリント部
24‥‥色分け印刷でなるプレプリント部
R‥‥レーザービーム
10‥‥貼付対象物
11‥‥接着層
12‥‥粘着層
14‥‥反射性薄膜層
14a‥‥固有情報データ
16‥‥回折パターン形成層
18‥‥透明基材
20‥‥回折パターン
22‥‥特殊インキでなるプレプリント部
24‥‥色分け印刷でなるプレプリント部
R‥‥レーザービーム
Claims (2)
- 貼付対象物上に、透明性を有する粘着層または接着層のいずれかを介して、少なくとも反射性薄膜層と、回折パターンと、透明基材とが設けられていて、該貼付対象物には、特殊インキを用いて印刷されたプレフリント部または色分け印刷が施されたプレプリント部のいずれかが設けられてなり、前記反射性薄膜層には、該反射性薄膜層が選択的に存在しないことによる文字、数字、記号、図形または絵柄のいずれかでなる固有情報が窓状に形成されてなり、前記プレプリント部の一部もしくは全部が、該窓状の部分を介して目視可能になっていることを特徴とする偽造防止策が施された物品。
- 上記請求項1に記載の偽造防止策が施された物品の製造方法であって、少なくとも透明基材と、回折パターンと、反射性薄膜層と、透明性を有する粘着層または接着層のいずれかを備えた積層体の該透明基材側から、レーザーを照射して該反射性薄膜層を選択的に除去して文字、数字、記号、図形または絵柄のいずれかでなる固有情報を窓状に形成し、前記積層体の透明性を有する粘着層または接着層の面を、特殊インキを用いて印刷されたプレフリント部または色分け印刷が施されたプレプリント部のいずれかが設けられている貼付対象物に、該プレプリント部の一部もしくは全部が該窓状の部分を介して目視可能になるように貼付せしめることを特徴とする偽造防止策が施された物品の製造方法。
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