JP2005095806A - カーボンナノチューブの分画方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 カーボンナノチューブをその形状によって効率よく分画する。
【解決手段】 カーボンナノチューブを界面活性剤により水に可溶化し(S101)、得られた分散液を電気泳動する(S102)。カーボンナノチューブの可溶化に、アルキルアリール基および芳香族環を有するイオン系の界面活性剤を用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】 カーボンナノチューブを界面活性剤により水に可溶化し(S101)、得られた分散液を電気泳動する(S102)。カーボンナノチューブの可溶化に、アルキルアリール基および芳香族環を有するイオン系の界面活性剤を用いる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、カーボンナノチューブの分画方法に関する。
近年、いわゆるナノ加工技術を用いたナノデバイスの開発が活発化している。ナノデバイスは、数個の電子により動作させることができ、シリコンデバイスに比べ、消費電力を大幅に低減できる。また、素子サイズを飛躍的に縮小させることができる。こうしたナノデバイスを実用に供するためには、基板上に集積されたさまざまな素子を微細な配線で結線することが必要となり、高度な微細加工技術が要求される。
そこで、カーボンナノチューブをナノデバイスの配線等に利用する試みがなされている(特許文献1)。カーボンナノチューブは、グラファイトのシートが円筒状に丸まった形状であり、ナノスケールの微細構造を有する炭素物質として近年注目されている物質である。カーボンナノチューブは、アーク放電法やレーザーアブレーション法等によって製造される。所定の長さのカーボンナノチューブを、所定の位置に配置することができれば、カーボンナノチューブを様々なナノデバイスに適用できるようになる。
特開2002−76324号公報
Michael J. O’Connell、 他9名、 「Reversible water-solubilization of single-walled carbon nanotubes by polymer wrapping」、 Chemical Physics Letters、 2001年、 ELSEVIER、 342巻、 p.265-271
M. F. Islam、 他4名、 「High Weight Fraction Surfactant Solubilization of Single-Wall Carbon Nanotubes in Water」、 NANO LETTERS、 2003年、 American Chemical Society、 3巻、 2号、 p.269-273
ところが、カーボンナノチューブの製造過程においては、その直径の制御性は向上しつつあるものの、長さの制御は困難であった。このため、製造後、カーボンナノチューブその長さに応じて分画する技術が求められていた。
カーボンナノチューブを分画する方法として、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)およびPVP(ポリビニルピロリドン)を用いて可溶化したカーボンナノチューブを電気泳動法により分画する方法が提案されている(非特許文献1)。ところが、非特許文献1に記載の方法では、分散液中に可溶化されるカーボンナノチューブ濃度が4.1g/L程度と低かった。このため、一度に大量のカーボンナノチューブの分画を行うことは困難であった。また、非特許文献1では、たとえば200nm以上のカーボンナノチューブを含む画分や、200nm以上のカーボンナノチューブを含む画分が得られている(非特許文献1、図5)。この方法では、比較的長いカーボンナノチューブの分画は困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、カーボンナノチューブをその形状によって効率よく分画する技術を提供することにある。
上述したように、従来の方法では、カーボンナノチューブの安定的な分画は困難であった。この理由について本発明者が鋭意検討を重ねたところ、分画を阻害する原因として、カーボンナノチューブの可溶化および分散安定性が不充分であることが推定された。
すなわち、一本一本独立して分散(可溶化)しているカーボンナノチューブだけでなく、バンドルを形成する等、複数が束になっているものが存在している可能性があった。また、可溶化直後から時間が経過するにつれて、カーボンナノチューブどうしが凝集してしまい、電気泳動をカーボンナノチューブ一本一本が独立した状態で分散させておくことは困難であると考えられた。
カーボンナノチューブの可溶化については、界面活性剤を用いて可溶化する場合の静置安定性についての検討がなされている(非特許文献2)。非特許文献2によれば、カーボンナノチューブをSDS、Triton−X 100(C8H17C6H4(OCH2CH2)n−OH)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(NaDDBS)等の界面活性剤を用いてカーボンナノチューブの分散液を調製している。そして、得られた分散液を静置する場合、0.5mg/ml以上の濃度で長期間安定的に分散させておくことは困難とされている。また、最も長期間分散状態を保つことができるとされるNaDDBSであっても、分散液中のカーボンナノチューブの濃度は20mg/mlとされている。
ここで、非特許文献2に記載の技術は、分散後のカーボンナノチューブ分散液を静置保存した際に沈澱の発生の有無を確認したものである。また、分散液中のカーボンナノチューブの濃度が比較的小さい。これに対し、分画の際には上述したように効率よくカーボンナノチューブ分画物を得られるような条件で分散させることが好ましい。カーボンナノチューブを分画するためには、分画の過程において、カーボンナノチューブ同士が凝集せずに可溶化状態を保っている必要がある。分画の際には、電気泳動等の過程でカーボンナノチューブが移動するため、静置安定性という観点とは異なり、移動中のカーボンナノチューブの分散安定性という観点から検討する必要がある。また、非特許文献2で得られた分散液中のカーボンナノチューブの濃度では、電気泳動においてカーボンナノチューブの分画を目視により確認するのに充分とはいえなかった。
このように、非特許文献2における界面活性剤の種類や分散液中のカーボンナノチューブの濃度は、分画過程においてカーボンナノチューブの分散安定性を維持させるための界面活性剤の選択基準とは本質的に異なっていた。このため、分画過程においてカーボンナノチューブの可溶化状態を安定的に保つ技術が求められていた。
また、たとえば、ゲル電気泳動等の一般的に用いられ、非特許文献1においても検討されているSDSを用いてカーボンナノチューブを水中に分散させた場合、分散直後は、一見可溶化しているかのように見える。ところが、本発明者がこの分散液を用いたカーボンナノチューブの電気泳動を行ったところ、SDSのみを用いて分散させたのでは、カーボンナノチューブの分画は困難であった。
そこで、本発明者は、上記従来技術の有する技術的課題を克服すべく検討を行い、本発明に至った。
本発明によれば、アルキルアリール基を有するイオン系の界面活性剤を含む液体中に複数のカーボンナノチューブを分散させて分散液を調製し、前記分散液中の前記カーボンナノチューブを、電気泳動法により分画することを特徴とするカーボンナノチューブの分画方法が提供される。
本発明に係る分画方法では、アルキルアリール基を有するイオン系の界面活性剤を用いてカーボンナノチューブの分散液を調製する。界面活性剤中のアルキル基は、グラファイト骨格に好適に吸着する役割を果たす。また、界面活性剤中の芳香族環は、π電子によってカーボンナノチューブのグラファイト骨格に好適に吸着する役割を果たす。また、イオン基は、静電気的反発力によりカーボンナノチューブの分散安定性を向上させる役割を果たす。カーボンナノチューブを分画するためには、界面活性剤一分子中にこれらの構造が含まれることが必要であり、これらの構造の相乗作用により、界面活性剤をカーボンナノチューブの表面に安定的に吸着させることができる。よって、カーボンナノチューブが可溶化され、電気泳動過程における凝集物の生成が抑制される。
したがって、1本1本のカーボンナノチューブが独立に分散した状態で電気泳動を行うことができる。このため、電気泳動による分画過程中での分散安定性を担保することができる。よって、カーボンナノチューブの表面積に応じて確実に分画することができる。たとえば、電気泳動法により分画する前記ステップは、前記カーボンナノチューブを長さに応じて分画するステップとすることができる。こうすることにより、たとえば500nm以上の比較的長いカーボンナノチューブであっても確実に分画することができる。
なお、本発明において、「カーボンナノチューブの可溶化」とは、カーボンナノチューブを分散媒中で沈澱させずに分散させることである。
本発明のカーボンナノチューブの分画方法において、前記界面活性剤がアニオン系の界面活性剤であってもよい。こうすることにより、カーボンナノチューブの分画をさらに確実に行うことができる。
本発明のカーボンナノチューブの分画方法において、前記界面活性剤がアルキルアリールスルホン酸ナトリウムであってもよい。こうすることにより、界面活性剤の低温での溶解性を向上させることができる。このため、分散液中のカーボンナノチューブ濃度を増加させることができる。よって、一度に大量のカーボンナノチューブを分画することができる。また、界面活性剤の低温での溶解性を向上させることがでできるため、低温での界面活性剤の析出を抑制することができる。このため、ゲル濃度を低下させて電気泳動を行うことができる。よって、長いカーボンナノチューブの目詰まりを抑制し、確実に分画することができる。
本発明のカーボンナノチューブの分画方法において、前記アルキルアリール基中のアルキル基の炭素数が8以上20以下であってもよい。こうすることにより、アルキル基部分をカーボンナノチューブの側面にさらに安定的に吸着させておくことができる。このため、分画中のカーボンナノチューブの分散安定性をさらに向上させることができる。このため、より一層確実にカーボンナノチューブを分画することができる。
本発明のカーボンナノチューブの分画方法において、前記界面活性剤のHLBが15程度であってもよい。こうすることにより、水系溶媒中への溶解性を確保しつつ、カーボンナノチューブの側面に確実に吸着し、分画過程でのカーボンナノチューブの分散安定性を維持することができる。
本発明のカーボンナノチューブの分画方法において、前記界面活性剤がドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムであってもよい。こうすることにより、分画過程でのカーボンナノチューブの分散安定性をさらに向上させることができる。このため、さらに確実にカーボンナノチューブを分画することができる。
本発明のカーボンナノチューブの分画方法において、前記分散液が、20重量%以上80重量%以下の前記カーボンナノチューブを含んでもよい。本発明に係る分画方法では、上記界面活性剤を用いてカーボンナノチューブを分画するステップを含むため、カーボンナノチューブの可溶化状態が維持された高濃度分散液を安定的に得ることができる。このため、カーボンナノチューブを濃縮させた状態で、かつ凝集が抑制された状態でカーボンナノチューブの分画を行うことができる。よって、カーボンナノチューブを効率よく分画することができる。
本発明のカーボンナノチューブの分画方法において、前記カーボンナノチューブが分散した状態で、電気泳動法により分画する前に、前記カーボンナノチューブを低分子化してもよい。こうすることにより、所望の長さのカーボンナノチューブをさらに確実に分画することができる。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を、方法、装置の間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
以上説明したように本発明によれば、カーボンナノチューブをその形状によって効率よく分画することができる。
以下、カーボンナノチューブを分画する場合を例に、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係るカーボンナノチューブの分画手順を示す図である。図1の手順では、まず、カーボンナノチューブを界面活性剤により水に可溶化し(S101)、得られた分散液を電気泳動する(S102)。
図1は、本実施の形態に係るカーボンナノチューブの分画手順を示す図である。図1の手順では、まず、カーボンナノチューブを界面活性剤により水に可溶化し(S101)、得られた分散液を電気泳動する(S102)。
カーボンナノチューブとして、単層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブを用いることができる。また、金属的性質のカーボンナノチューブを用いてもよく、半導体的性質のカーボンナノチューブを用いてもよい。カーボンナノチューブの直径は、たとえば、0.4nm以上200nm以下とすることができる。分画の際にはカーボンナノチューブの外径および積層数の分布を小さくすることが好ましい。こうすれば、カーボンナノチューブを長さに応じてさらに確実に分画することができる。
カーボンナノチューブの可溶化に用いる界面活性剤は、アルキルアリール基を有するイオン系の界面活性剤とする。界面活性剤中のアルキル基、アリール基およびイオン基が相乗作用することにより、カーボンナノチューブを確実に可溶化し、分画過程における可溶化状態を維持することができる。
界面活性剤がアルキルアリール基を有することにより、疎水性のカーボンナノチューブの表面に界面活性剤分子を確実に吸着させることができる。アルキルアリール基中のアルキル基は、炭素数が8以上であることが好ましく、11以上であることがさらに好ましい。こうすることにより、疎水性のカーボンナノチューブの表面に確実に吸着させることができる。また、アルキル基の炭素数は、20以下であることが好ましく、15以下であることがさらに好ましい。こうすることにより、界面活性剤分子の親水性を好適に確保することができる。
アルキル基は、具体的にはたとえば、ノニル、デシル、2−エチルヘキシル、ドデシル、トリデシル等とすることができる。また、アルキル基は直鎖状であることが好ましい。直鎖状とすることにより、カーボンナノチューブの表面への吸着性を好適に確保することができる。
また、アルキルアリール基中の芳香族環のπ結合とカーボンナノチューブの炭素骨格とが相互作用するため、界面活性剤分子のカーボンナノチューブ表面への吸着性を向上させることができる。芳香族環は、たとえばベンゼン、ナフタレン等とすることができる。
また、界面活性剤がイオン基を有することにより、カーボンナノチューブの表面近傍にイオン基の電荷を持たせ、静電気的反発力によりカーボンナノチューブ同士を安定的に分散させることができる。界面活性剤はアニオンとすることが好ましく、たとえばスルホン酸塩とすることができる。
これらの官能基の相乗効果によって、カーボンナノチューブは電気泳動中も安定的に可溶化状態を維持することができる。このような界面活性剤として、たとえばアルキルアリールスルホン酸塩を用いることができる。具体的には、たとえばアルキルベンゼンスルホン酸塩とすることができる。好ましくは直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩とすることができる。塩は、たとえばNa、K等のアルカリ金属の塩;
Ca、Mg等のアルカリ土類金属の塩;
またはアンモニウム塩等とすることができる。
Ca、Mg等のアルカリ土類金属の塩;
またはアンモニウム塩等とすることができる。
また、界面活性剤のHLBを15以上とすることにより、水系溶媒中への溶解性が確保される。また、HLBを20以下とすることにより、カーボンナノチューブの側面への安定的な吸着が確保され、分画過程でのカーボンナノチューブの分散安定性を維持することができる。たとえば、HLBが15程度である物質が好適に用いられる。このような界面活性剤として、たとえば、Triton(登録商標) X−165(NaDDBS、HLB15.5)等が好適に用いられる。なお、従来カーボンナノチューブ107の可溶化に頻用されてきたSDSのHLBは40である。また、Triton X−100のHLBは14.5である。
本実施形態では、界面活性剤として、NaDDBS、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、等が好ましく用いられる。これらの界面活性剤を用いることにより、界面活性剤をカーボンナノチューブの側面に確実に吸着させることができる。このため、各カーボンナノチューブを独立した状態で水中に分散させることが可能となる。
また、界面活性剤としてNaDDBSを用いることがさらに好ましい。NaDDBSを用いて可溶化することにより、電気泳動という動的状態における可溶化を長期間安定的に維持することができる。また、低温時の界面活性剤の析出を抑制することができるため、低温中でもカーボンナノチューブを良好な分散状態とすることができる。よって、ステップ102において、電気泳動を低温で実施することができるため、高電界の印加に伴うゲルの溶解を抑制しつつ、カーボンナノチューブの可溶化状態を維持することができる。
以下、界面活性剤としてNaDDBSを用いる場合を例に説明する。図2は、ステップ101の分散の手順を示す図である。ステップ101の分散は、所定量のカーボンナノチューブと界面活性剤を水中に添加し(S111)、一定時間超音波処理を施す(S112)ことにより行うことができる。このとき、あらかじめ界面活性剤を分散させた水中にカーボンナノチューブを添加することが好ましい。
可溶化液全体に占めるカーボンナノチューブの濃度は、たとえば20wt%以上、好ましくは30wt%以上とすることができる。界面活性剤としてNaDDBSを用いることにより、カーボンナノチューブを高濃度で安定的に分散させることができる。このため、ステップ102の電気泳動において、効率よくカーボンナノチューブの分画を行うことができる。また、可溶化液全体に占めるカーボンナノチューブの濃度は、たとえば80wt%以下、好ましくは70wt%以下とすることができる。こうすることにより、カーボンナノチューブの凝集を確実に抑制することができる。
可溶化液中の界面活性剤の濃度は、NaDDBSの場合、たとえば0.01〜0.1M程度とすることができる。
超音波処理は、たとえば30分〜2時間程度とすることができる。本実施の形態の界面活性剤を用いることにより、短時間の超音波処理で確実にカーボンナノチューブを可溶化することが可能となる。
こうして得られたカーボンナノチューブの分散液は、カーボンナノチューブの可溶化状態を長期間安定的に維持することができる。
ステップ102の電気泳動は、たとえばゲル電気泳動とすることができる。このとき、ゲル濃度を低く、低温で、強電界中で泳動させることが好ましい。このような条件とすることにより、長いカーボンナノチューブがゲル中で確実に移動することができる。
電気泳動用のゲルとして、たとえばアガロースゲル、アクリルアミドゲル等を用いることができる。アガロースゲルを用いる場合、ゲル中のアガロース濃度はたとえば通常タイプのアガロースゲルで0.2〜0.4wt/vol%とすることができる。
また、泳動用バッファーとして、たとえば0.1MのTris−Clバッファーを用いることができる。バッファーのpHは6〜9程度、たとえばpH8とすることができる。また、泳動バッファーに0.1〜10wt/vol%程度の界面活性剤を含有させる。界面活性剤としてNaDDBSを用いる場合、泳動バッファー中の添加量を、たとえば3.4wt/vol%とすることができる。
泳動温度はたとえば4〜25℃程度とすることができる。また、印加電圧の大きさは直流で100〜250V程度とすることができる。
この方法によれば、カーボンナノチューブを濃縮した状態でステップ102の電気泳動に供することができるため、効率よく確実にカーボンナノチューブを分画することができる。分画したカーボンナノチューブを回収することにより、種々の長さのカーボンナノチューブの混合物から所定の長さ範囲のカーボンナノチューブを得ることができる。
図3は、カーボンナノチューブを回収するための分離手順を示す図である。図3の手順は、図1の各ステップ終了後、さらに分画されたカーボンナノチューブの回収を行うものである(S103)。
カーボンナノチューブの回収は、たとえば所望のカーボンナノチューブのスポットをゲルごと切り出し、ゲルを溶解させ、遠心分離によりカーボンナノチューブを沈降させ、回収する方法によって行うことができる。また、分画されたスポット中のカーボンナノチューブに対し、泳動方向に垂直な方向に電界を印加してもよい。こうすれば、スポット中のカーボンナノチューブを、泳動方向に垂直な方向に所望の位置まで移動させ、ゲル中から回収することができる。
以上の方法においては、たとえば分画前のカーボンナノチューブ混合物中に含まれるカーボンナノチューブの長さを50nm以上、好ましくは200nm以上とすることができる。こうすることにより、カーボンナノチューブを安定的に分画することができる。また、カーボンナノチューブの長さを10μm以下、好ましくは5μm以下とすることができる。こうすることにより、分画過程でのカーボンナノチューブの凝集が好適に抑制される。このため、カーボンナノチューブを安定的に分画することができる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態に記載の方法において、電気泳動前にカーボンナノチューブに前処理を施すこともできる。
第1の実施の形態に記載の方法において、電気泳動前にカーボンナノチューブに前処理を施すこともできる。
カーボンナノチューブへの前処理として、たとえばカーボンナノチューブを酸処理により低分子化し、その末端にカルボキシル基を導入することができる。図4は、低分子化を含むカーボンナノチューブの分離手順を示す図である。図4の手順は基本的には第1の実施の形態におけるカーボンナノチューブの分離の手順(図3)と同様であるが、カーボンナノチューブを可溶化(S101)した後、電気泳動(S102)を行う前に酸処理(S104)を行う点が異なる。なお、ステップ103の回収過程は、必要に応じて省略することもできる。
この場合、第1の実施形態の方法を用いてカーボンナノチューブを可溶化させた分散液を調製する。そして、この分散液を、強酸中に添加し、所定の時間反応させることにより低分子化を進行させる。強酸として、たとえば硫酸と硝酸の混合液を用いることができる。また、反応中、必要に応じて適宜超音波を付与してもよい。
この方法では、カーボンナノチューブの表面に界面活性剤を吸着させ、可溶化させた状態で酸処理を行うため、反応をむらなく生じさせることができる。また、反応後のカーボンナノチューブの分散安定性も良好に維持される。また、界面活性剤はカーボンナノチューブの側面に吸着するため、末端に導入されたカルボキシル基の反応性を確保することができる。
こうして低分子化されたカーボンナノチューブを第1の実施の形態の方法を用いて電気泳動することにより、低分子化されたカーボンナノチューブを長さに応じて確実に分画することができる。
なお、本実施の形態において、カーボンナノチューブを可溶化した分散液を調製後、低分子化処理に供する前に、カーボンナノチューブ表面への界面活性剤の吸着量を減少させる処理を施してもよい。
図5は、このようなカーボンナノチューブの分離手順を示す図である。図5の手順は基本的には図4に示したカーボンナノチューブの分離手順と同様であるが、カーボンナノチューブを酸処理(S104)した後、電気泳動(S102)を行う前に一部の界面活性剤を除去する(S105)点が異なる。このような手順とすれば、カーボンナノチューブの表面に対してさらに確実に酸を作用させ、低分子化することができる。なお、ステップ103の回収過程は、必要に応じて省略することもできる。
界面活性剤の吸着量は、カーボンナノチューブの分散性を充分に確保する程度に減少させることが好ましい。界面活性剤の吸着量を減少させる方法として、たとえば、
分画したカーボンナノチューブ107の分散液をクロロホルム等の有機溶媒と混合し、静置してもよい。こうすると、界面活性剤が有機溶媒側に抽出される。こうすれば、カーボンナノチューブ107の分散性をある程度確保しつつ、カーボンナノチューブ107を側面から切断する反応を確実に生じさせることができる。また、その後、切断された末端に導入されたカルボキシル基を用いて反応を行う場合にも、反応を確実に進行させることができる。
分画したカーボンナノチューブ107の分散液をクロロホルム等の有機溶媒と混合し、静置してもよい。こうすると、界面活性剤が有機溶媒側に抽出される。こうすれば、カーボンナノチューブ107の分散性をある程度確保しつつ、カーボンナノチューブ107を側面から切断する反応を確実に生じさせることができる。また、その後、切断された末端に導入されたカルボキシル基を用いて反応を行う場合にも、反応を確実に進行させることができる。
(第3の実施の形態)
本実施形態は、以上の実施形態で分画過程を経て得られたカーボンナノチューブの末端に所定の物質を修飾する技術に関する。
本実施形態は、以上の実施形態で分画過程を経て得られたカーボンナノチューブの末端に所定の物質を修飾する技術に関する。
図6は、ビオチン化カーボンナノチューブ113を模式的に示す断面図である。ビオチン化カーボンナノチューブ113は、カーボンナノチューブ107の両末端にビオチン109が修飾された構成である。
図7は、ビオチン化カーボンナノチューブ113の作製手順を説明する図である。図7に示したように、まず、界面活性剤を用いてカーボンナノチューブ107を水中に可溶化する(S121)。次に、可溶化したカーボンナノチューブ107を長さに応じて分画する(S122)。ステップ121〜ステップ122の手順は、第1の実施形態に記載の方法を用いて行うことができる。カーボンナノチューブ107を分画することにより、所定の長さを有するカーボンナノチューブ107を選別し、分取することができる。
そして、分画されたカーボンナノチューブ107のうち、所望の長さを有するものについて、酸処理を行う。酸処理を行うことにより、カーボンナノチューブ107が切断されるとともに、切断された末端にカルボキシル基が導入される(S123)。そして、導入されたカルボキシル基にビオチンを化学修飾する(S124)。こうして、ビオチン化カーボンナノチューブ113が得られる。
ステップ123のカルボキシル化には、たとえば酸処理と超音波処理とを組み合わせた方法等、公知の方法を採用することができる。この場合、カーボンナノチューブ107が切断されて、その末端にカルボキシル基が導入される。
ステップ124のビオチン化には、たとえば、ステップ103でカーボンナノチューブ107の末端に導入されたカルボキシル基をカルボジイミド法等により活性化し、アミノ基を有するビオチン誘導体を修飾する方法を採用することができる。このようなビオチン誘導体として、具体的には、たとえば、ビオチンヒドラジド等を用いることができる。また、カルボジイミドを用いる場合、たとえば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)等の水溶性カルボジイミド(WSC)を用いることができる。
なお、ビオチン化後、エタノールアミン等を添加してカーボンナノチューブ107末端に残存する未反応のカルボジイミド誘導体を不活性化してもよい。
以上の手順によりビオチン化カーボンナノチューブ113が得られる。ビオチン化カーボンナノチューブ113を構成するカーボンナノチューブ107はあらかじめ所定の長さ範囲に分画されているため、ステップ123でカーボンナノチューブ107を切断した際にも、カーボンナノチューブ107の長さのばらつきを抑制し、所定の長さ範囲のカーボンナノチューブ107を安定的に得ることができる。よって、所定の長さ範囲に含まれるビオチン化カーボンナノチューブ113が安定的に製造される。
本実施形態のビオチン化カーボンナノチューブ113は、カーボンナノチューブ107の両末端にビオチン109が修飾されているため、ビオチン109とアビジンとの特異的相互作用を用いて、他の構造体の所定の位置に設けられているアビジンとの複合体を形成することができる。
なお、本実施形態において、カーボンナノチューブ107の末端に導入される物質はビオチン109には限定されず、目的に応じて種々の物質を選択することができる。
また、図7においては、第1の実施形態に記載の方法を用いてカーボンナノチューブを可溶化(S121)および分画(S122)した後、カルボキシル化する(S123)場合を例に説明した。ビオチン化カーボンナノチューブ113の作製方法はこの手順に限定されず、たとえば第2の実施形態に記載の方法を用いてもよい。すなわち、カルボキシル化の際にカーボンナノチューブが切断され、低分子化されることから、カルボキシル化後に分画を行う手順とすることもできる。
(第4の実施形態)
本実施形態は、第3の実施形態に記載のビオチン化カーボンナノチューブ113を用いたカーボンナノチューブ構造体に関する。
本実施形態は、第3の実施形態に記載のビオチン化カーボンナノチューブ113を用いたカーボンナノチューブ構造体に関する。
図8は、本実施形態に係るカーボンナノチューブ構造体を模式的に示す断面図である。カーボンナノチューブ構造体101は、ビオチン化カーボンナノチューブ113とビオチン化基板115がアビジン111によって連結された構成である。ビオチン化基板115は、基板103、基板の表面に形成された二つの金属膜105、および金属膜105の表面を修飾するビオチン109を含む。
カーボンナノチューブ構造体101は、ビオチン化カーボンナノチューブ113およびビオチン化基板115をアビジン111を介して接続することにより得られる。ビオチン化カーボンナノチューブ113は、第3の実施形態に記載の方法を利用して作成することができる。
図9は、ビオチン化基板115の作製手順を説明する図である。図9に示したように、まず、基板103の表面に金属膜105を成膜する(S131)。そして、金属膜105の表面に、末端にビオチン109を修飾するための官能基を有するスペーサーを導入する(S132)。そして、スペーサーを介して金属膜105の表面にビオチン109を修飾する(S133)。
ステップ131において、金属膜105を構成する金属は、カーボンナノチューブ構造体101の用途に応じて適宜選択することができる。たとえば、金属膜105をソース電極またはドレイン電極とするトランジスタとする場合、金属膜105の材料として、たとえばAl、Cu、Ag、Au、Pt、Tiや、これらの合金を用いることができる。以下、金属膜105がAu膜である場合を例に説明する。金属膜105は、たとえば金属蒸着法やスパッタリング法などの方法により形成することができる。
ステップ132においては、たとえば末端にアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、またはチオール基等の官能基を有するスペーサー(図8では不図示)を金属膜105の表面に固定化する。金属膜105がAu膜である場合、末端にこれらの官能基およびチオール基を有するスペーサーを用いることができる。チオール基を有するスペーサーを用いることにより、Au膜の表面に金−チオール結合によりスペーサーを選択的に導入することができる。このようなスペーサーとして、たとえばNH2(CH2)nSH等を用いることができる。ここで、たとえば6≦n≦11とすることができる。また、ジチオトレイトール(DTT)を用いることもできる。
スペーサーを導入する際には、金属膜105が形成された基板103を緩衝液中に浸漬する。そして、スペーサーを緩衝液等に分散または溶解し、この液体を、ピコリットル程度の液体を噴霧することができるノズルに充填し、噴霧する。このようなノズルとして、たとえばインクジェットプリンターのノズル等を用いることができる。こうすることにより、金属膜105の上部に確実にスペーサーを導入することが可能となる。そして、緩衝液を交換することにより、金属膜105の表面に結合しなかったスペーサーを洗い流す。
ステップ133においては、ビオチン化カーボンナノチューブ113の作製におけるステップ124と同様にして、ビオチン誘導体の官能基とスペーサーの官能基とを反応させる。たとえば、スペーサーとしてNH2(CH2)nSHを用いる場合、上述のカルボジイミド法を利用することができる。このとき、ステップ122と同様にして、ノズルから金属膜105の上部に緩衝液等に溶解したビオチン109を噴霧する。そして、緩衝液を交換し、未反応のビオチン109を除去する。また、金属膜105の表面に反応性の官能基としてチオール基が導入されている場合には、末端にマレイミド基を有するビオチン誘導体を用いてもよい。
こうして、ビオチン化基板115が得られる。なお、ステップ132〜ステップ133において、末端にチオール基が導入されたビオチンを用いてもよい。こうすれば、ステップ131の後、ステップ132を省略してステップ133を行い、金属膜105の表面に直接ビオチン誘導体を修飾することができる。このため、より簡便に金属膜105のビオチン化が可能となる。
図10(A)〜図10(C)は、ビオチン化カーボンナノチューブ113とビオチン化基板115の接続方法を模式的に示す断面図である。ビオチン化基板115を緩衝液117に浸漬し、上記と同様に、ノズル119等を用いて金属膜105の上部にアビジン111を含む緩衝液を噴霧する(図10(A))。そして、緩衝液117を交換してビオチン109と特異的相互作用しなかったアビジン111を除去する(図10(B))。そして、ビオチン化カーボンナノチューブ113を添加する(図10(C))。このとき、図示していないが、ビオチン化カーボンナノチューブ113を構成するカーボンナノチューブ107の表面には、可溶化に用いた界面活性剤が付着しており、緩衝液117中でビオチン化カーボンナノチューブ113は良好に分散し、ビオチン化カーボンナノチューブ113のビオチン109がアビジン111と特異的に相互作用する。こうして、図8のカーボンナノチューブ構造体101が得られる。
本実施形態のカーボンナノチューブ構造体101は、金属膜105の表面およびカーボンナノチューブ107の末端に設けられたビオチン109を、結合価が4価のアビジン111が連結させて得られるものである。ビオチン109とアビジン111の特異的相互作用は比較的強いため、金属膜105の表面にカーボンナノチューブ107を確実に固定化することができる。また、金属膜105の表面に直接カーボンナノチューブ107を固定化する場合に比べ、基板103の表面へのカーボンナノチューブ107の非特異的な吸着を抑制することができる。
なお、本実施形態では、ビオチン化基板115にアビジン111を修飾した後、ビオチン化カーボンナノチューブ113を添加する方法を用いたが、ビオチン化カーボンナノチューブ113にアビジン111を加え、ビオチン化カーボンナノチューブ113の末端のビオチン109にアビジン111を修飾した後、ビオチン化基板115上に添加してもよい。この手順によってもビオチン化基板115の表面にビオチン化カーボンナノチューブ113を固定化することができる。
また本実施形態においては、一組の金属膜105の間を一本のビオチン化カーボンナノチューブ113が橋渡しする構成を例に説明したが、基板103上に多数の金属膜105の対が所定の間隔で設けられており、それぞれの対の金属膜105の間をそれぞれカーボンナノチューブ107で接続する構成としてもよい。このようなアレー状のカーボンナノチューブ構造体101を形成する場合、カーボンナノチューブ107で橋渡しされる金属膜105間の間隔またはビオチン化カーボンナノチューブ113を構成するカーボンナノチューブ107の長さよりも、カーボンナノチューブ構造体101間の間隔を充分に大きくすることが好ましい。こうすることにより、対となる金属膜105の間のみを確実にカーボンナノチューブ107で橋渡しすることができる。
なお、本実施形態のカーボンナノチューブ構造体101を作製後、接合部分のビオチン109、アビジン111、およびカーボンナノチューブ107の表面に吸着した界面活性剤を除去しつつ、接合部分を金属材料でモールドしてもよい。こうすれば、カーボンナノチューブ107と金属膜105とを直接接合し、良好な電気的なコンタクトが得られる。たとえば、接合部分に金属膜を選択的に成膜する。この成膜工程において加熱処理を加える等の方法により、上記物質を除去することができる。このように、カーボンナノチューブ構造体101は、金属膜105の表面にカーボンナノチューブ107を接着する際の仮止めとしても好適に用いることができる。
以上、本発明を実施形態に基づき説明した。これらの実施形態は例示であり様々な変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、以上においては、泳動の駆動力として直流電界を用いたが、交流電界を印加してもよい。交流電界を用いることにより、比較的長いカーボンナノチューブのゲルにおける目詰まりを抑制し、確実に泳動させることが可能となる。
(実施例)
本実施例では、界面活性剤としてNaDDBSを用い、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)および多層カーボンナノチューブ(MWCNT)の可溶化ならびに分画を行った。SWCNTとしてCNI社製HipCoTM Single Wall Carbon Nanotubes(純度93+%)を用いた。用いたSWCNTの長さ範囲は、100nm〜5μmである。MWCNTとしてMTR社製MWNT(closed、 純度95+%)を用いた。用いたMWCNTの長さ範囲は、0.5μm〜100μmである。また、NaDDBSとして、和光純薬工業社製n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いた。
本実施例では、界面活性剤としてNaDDBSを用い、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)および多層カーボンナノチューブ(MWCNT)の可溶化ならびに分画を行った。SWCNTとしてCNI社製HipCoTM Single Wall Carbon Nanotubes(純度93+%)を用いた。用いたSWCNTの長さ範囲は、100nm〜5μmである。MWCNTとしてMTR社製MWNT(closed、 純度95+%)を用いた。用いたMWCNTの長さ範囲は、0.5μm〜100μmである。また、NaDDBSとして、和光純薬工業社製n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いた。
カーボンナノチューブを可溶化するため、0.1Mまたは0.01MのNaDDBS水溶液にカーボンナノチューブを添加し、1時間超音波処理を行った。その結果、SWCNTおよびMWCNTは、いずれも0.1Mおよび0.01MのNaDDBS水溶液中に可溶化された。
得られたカーボンナノチューブ分散液を用いてゲル電気泳動を行ったところ、カーボンナノチューブがゲル中を移動し、長さに応じて分画された。
(比較例)
実施例で用いたNaDDBSに代えて、0.1Mまたは0.01MのSDSを用いてカーボンナノチューブの分散液を調製した。得られたカーボンナノチューブ分散液を用いて実施例と同様にゲル電気泳動を行ったところ、カーボンナノチューブの可溶化濃度が低かったために、ゲル中の泳動を確認できず、所望の濃度に達する分画物が得られなかった。
実施例で用いたNaDDBSに代えて、0.1Mまたは0.01MのSDSを用いてカーボンナノチューブの分散液を調製した。得られたカーボンナノチューブ分散液を用いて実施例と同様にゲル電気泳動を行ったところ、カーボンナノチューブの可溶化濃度が低かったために、ゲル中の泳動を確認できず、所望の濃度に達する分画物が得られなかった。
以上の結果より、NaDDBSを用いると、カーボンナノチューブを一本一本が分散した状態で安定的に水中に存在させることが可能であり、また、カーボンナノチューブを長さに応じて分画できることが明らかになった。
101 カーボンナノチューブ構造体、103 基板、 105 金属膜、 107 カーボンナノチューブ、 109 ビオチン、 111 アビジン、 113 ビオチン化カーボンナノチューブ、 115 ビオチン化基板、 117 緩衝液、 119 ノズル。
Claims (6)
- アルキルアリール基を有するイオン系の界面活性剤を含む液体中に複数のカーボンナノチューブを分散させて分散液を調製し、
前記分散液中の前記カーボンナノチューブを、電気泳動法により分画することを特徴とするカーボンナノチューブの分画方法。 - 請求項1に記載のカーボンナノチューブの分画方法において、前記界面活性剤がアニオン系の界面活性剤であることを特徴とするカーボンナノチューブの分画方法。
- 請求項1または2に記載のカーボンナノチューブの分画方法において、前記界面活性剤がアルキルアリールスルホン酸ナトリウムであることを特徴とするカーボンナノチューブの分画方法。
- 請求項1乃至3いずれかに記載のカーボンナノチューブの分画方法において、前記アルキルアリール基中のアルキル基の炭素数が8以上20以下であることを特徴とするカーボンナノチューブの分画方法。
- 請求項1乃至4いずれかに記載のカーボンナノチューブの分画方法において、前記界面活性剤がドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムであることを特徴とするカーボンナノチューブの分画方法。
- 請求項1乃至5いずれかに記載のカーボンナノチューブの分画方法において、前記分散液が、20重量%以上80重量%以下の前記カーボンナノチューブを含むことを特徴とするカーボンナノチューブの分画方法。
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