JP2005040646A - 集塵用フィルタ部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】繊維フィルタの長所を保持したまま、PMのサブミクロン級の微細な粒子も効率よく捕集でき、PMの粒径分布の広い範囲において高い捕集効率を発揮できる集塵用フィルタ部材を提供する。
【解決手段】フェルト状の繊維フィルタ部材12を有して構成される集塵用フィルタ部材10Aにおいて、前記繊維フィルタ部材12の繊維11の表面にガス中の微粒子状の物質を吸着捕集する、セラミックス系材料で形成された超微粒子13を担持する。
【選択図】 図2
【解決手段】フェルト状の繊維フィルタ部材12を有して構成される集塵用フィルタ部材10Aにおいて、前記繊維フィルタ部材12の繊維11の表面にガス中の微粒子状の物質を吸着捕集する、セラミックス系材料で形成された超微粒子13を担持する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンから排気される排気ガス等を浄化する集塵用フィルタ部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質(PM:パティキュレート・マター:以下PMとする)の排出量は、NOx,COそしてHC等と共に年々規制が強化されてきており、規制の強化に伴いエンジンの改良のみでは、対応できなくなってきている。そこで、エンジンから排出されるPMをディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter :以下DPFとする)と呼ばれるフィルタで捕集して、外部へ排出されるPMの量を低減する技術が開発され、直接、このPMを捕集するフィルタには、多孔質フィルタや繊維フィルタ等が使用されてきている。
【0003】
しかし、多孔質フィルタは、セラミックスや金属の多孔材で形成され、主に、フィルタの表面における慣性さえぎり効果(ケーキろ過)でPMの捕集を行うが、慣性さえぎり効果が主となるため、球直径相当で1μm以下の微細なPMの捕集は困難であり、粒径の範囲が広いPMの微細な粒子が捕集できないという問題がある。
【0004】
また、多孔質フィルタにおいて多孔材の表面に触媒を担持したフィルタは、表面の比表面積拡大の効果と触媒作用による酸化反応の促進効果でPMの吸着及び低温における燃焼除去を行うが、PMの総量によってはフィルタ表面がPMで覆われてしまい捕集効率が低下するという問題がある。
【0005】
そして、繊維フィルタは、セラミックス等の無機繊維をランダムに積層したフェルトを用いて形成され、フィルタ表面(表面ろ過)に加えてフィルタ内部の慣性さえぎり効果(深層ろ過)によってもPMの捕集を行うので、多孔質フィルタに比べて集塵容量が大きくなるが、PMの微細な粒子の捕集効率は低いという問題がある。
【0006】
この繊維フィルタにおいては、PMの捕集効率を向上させるために、複数のフェルトで形成し、排気ガスの通過に関して上流側となるフェルトにおいては比較的太い無機繊維を不規則かつ粗に積層し、下流側となるフェルトにおいては比較的細い無機繊維を不規則かつ密に積層して、粗のフェルトの上流側に耐熱金網を、密のフェルトの下流側に織布をそれぞれ重ねて積層体を形成し、この積層体を周方向に蛇腹状に折り曲げて筒状のフィルタを形成したディーゼル機関の排気微粒子フィルタが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
この繊維フィルタの捕集形態は、フィルタ表面でPMを捕集し、この捕集されて堆積したPMにさらにPMが捕集される表面ろ過(ケーキろ過)と、フィルタ内部でPMが捕集される深層ろ過との2つの集塵形式を有しており、また、フィルタの空隙サイズの分布が広くなるように構成されているので、PMの粒径分布に関して広い範囲で捕集できる。
【0008】
しかし、環境改善の見地や排ガス規制対策を考えた場合、さらなるPMの捕集効率向上が求められており、その中でも粒径10μm以下の浮遊粒子状物質(SPM)や粒径が2.5μm以下のPM2.5等のサブミクロン級の微細な粒子を捕集することが重要になってきている。
【0009】
そのため、セラミックス又は耐熱金属からなる繊維積層構造等によって構成されたフィルタにおいて、フィルタを構成する固体部分のうち、排気ガス等の流体が接する表面部分にセラミックス又は耐熱金属からなる被膜をCVDや有機ケイ素ポリマーの熱分解等により形成して、耐熱耐食性を高めると共に、この被膜にセラミックス又は耐熱金属微粒子を内包して凹凸部を形成してPMの捕集効率をアップさせるフィルタ材が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0010】
しかしながら、このフィルタ材においては、セラミックス又は耐熱金属微粒子をCVDや有機ケイ素ポリマーの熱分解により生成した被膜に内包する構成になっているため、CVDや熱分解等の加工行程が必要になり、製造コストが高いという問題がある。
【0011】
その上、セラミックス微粒子は被膜の数ミクロンの瘤状粒子からなる凹凸部を形成するために使用され、被膜で包まれてしまうため、微小な凹凸の形成が困難であるという問題と、セラミックス微粒子のPMを吸着する性質を利用できないという問題がある。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−130150号公報
【0013】
【特許文献2】
特開2002−38921号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題を解決するべくなされたものであり、その目的は、繊維フィルタの長所を保持したまま、PMのサブミクロン級の微細な粒子も効率よく捕集でき、PMの粒径分布の広い範囲において高い捕集効率を発揮できる集塵用フィルタ部材を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するための本発明の集塵用フィルタ部材は、フェルト状の繊維フィルタ部材を有して構成される集塵用フィルタ部材において、前記繊維フィルタ部材の繊維の表面にガス中の微粒子状の物質を吸着捕集する超微粒子を担持して構成される。
【0016】
ディーゼルエンジンの排気ガス中のPMや大気中の浮遊物質等の微粒子状の物質を吸着捕集する超微粒子は、粒径が0.005μmφ〜5μmφの非常に小さい粒子であり、セラミックス系材料等で形成でき、表面活性に優れた高比表面積を有している。この超微粒子の粒径の大きいものは、PM中の比較的大きな粒子(例えば、0.5μmφ〜1μmφ:以下PM粒子という)を吸着し易く、粒径の小さいものは、PM中の比較的小さな粒子(例えば、0.1μmφ以下:以下PM微細粒子という)を吸着し易いという性質を持っている。なお、この超微粒子の粒径が0.005μmφより小さいと製造が困難となり、5μmφより大きいと比表面積が小さくなり、捕集効率が低下する。
【0017】
また、この比較的大きな超微粒子を繊維上に担持させることにより、繊維表面において凹凸が形成され、この凹凸による慣性さえぎり効果が増大するので、慣性さえぎり機構で捕集され易い粒径0.5μmより大きいPM粒子の捕集効率を向上することができる。また、高比表面積の比較的小さな超微粒子を繊維上に担持させることにより、繊維の表面活性を大きくすることができるので、ブラウン拡散効果による吸着捕集機構が支配的となる粒径1μm以下のPM微細粒子の捕集効率を向上することができる。
【0018】
そして、上記の集塵用フィルタ部材において、超微粒子がセラミックス系材料でー形成され、超微粒子の平均粒径が繊維の直径の1/5〜1/3000である場合、及び、超微粒子を担持した繊維フィルタ部材の比表面積が1m2 /g〜200m2 /gである場合に、特に、PMの捕集効率を大きくすることができる。なお、このフィルタの比表面積とは、繊維フィルタ部材の繊維に超微粒子を担持させた状態でJIS規格のR1626に準拠して計測した比表面積のことをいう。
【0019】
また、このセラミックス系超微粒子は、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ケイ素、酸化チタニウム、ゼオライト等のセラミックス材料で形成される粒径が0.005μmφ〜5μmφの超微粒子である。また、繊維は炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3 N4 )、アルミナ(Al2 O3 )、ムライト等で形成できる。
【0020】
上記の集塵用フィルタ部材において、超微粒子を担持した繊維フィルタ部材の上流側に慣性さえぎり効果により捕集する捕集部材を設けることにより、比較的大きなPM粒子を予め上流側で慣性さえぎり効果により捕集できるので、下流側のセラミックス系超微粒子を担持した層では、慣性さえぎり効果では捕集しにくい比較的小さなPM微細粒子を効率良く捕集できるようになる。なお、この慣性さえぎり効果により捕集する捕集部材としては、超微粒子を担持しない繊維フィルタ部材や多孔質フィルタや多孔体で構成されたハニカム構造体等がある。
【0021】
あるいは、上記の集塵用フィルタ部材において、上流側に設ける繊維フィルタ部材を粗に形成し、下流側に設ける繊維フィルタ部材を密に形成すると共に、上流側の前記繊維フィルタ部材の繊維径を下流側の前記繊維フィルタ部材の繊維径よりも太くし、かつ、上流側の前記繊維フィルタ部材の繊維に担持される超微粒子の平均粒径を、下流側の前記繊維フィルタ部材の繊維に担持される超微粒子の平均粒径よりも大きくして構成する。
【0022】
この構成によれば、上流側の繊維フィルタ部材では、比較的大きな超微粒子を担持した繊維層で主に慣性さえぎり機構により比較的大きなPM粒子を捕集でき、下流側繊維フィルタ部材では、比較的小さな超微粒子を担持した繊維層で、吸着機構(ブラウン拡散効果)により比較的小さなPM微細粒子を捕集できる。従って、PMを広い粒径の範囲で効率よく捕集できる。
【0023】
つまり、上流側では、比較的大きなPM粒子を捕捉するため、下流側に到達するPMはPM微細粒子が中心になるので、この部分を構成する繊維表面に表面活性の優れる高比表面積を有するセラミックス系超微粒子を担持することでPM微細粒子の捕集効率をより向上できる。
【0024】
また、上記の集塵用フィルタ部材において、繊維又は超微粒子の少なくとも一方に触媒粒子を担持することにより、担持した酸化触媒やPM酸化触媒やNOx還元触媒等の触媒作用によって、PMの低温燃焼を促進でき、また、NOx等の排気ガス中の有害成分も浄化できるようになる。
【0025】
そして、本発明の排気ガス浄化装置は、上記の集塵用フィルタ部材を有して構成され、PMのサブミクロン級の微細な粒子も効率よく捕集でき、PMの粒径分布の広い範囲において高い捕集効率を発揮できるようになる。
【0026】
なお、ディーゼルエンジンの排気ガス等の高温ガスを浄化対象とする場合には、耐熱性に優れた無機繊維や金属繊維をフェルト状に積層した繊維フィルタ部材を用いるが、低温のガスを浄化対象とする場合には、自然素材や合成樹脂等の有機繊維をフェルト状に積層した繊維フィルタ部材を用いることもできる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態の集塵用フィルタ部材と排気ガス浄化装置について、ディーゼルエンジンの排気ガスを浄化する浄化装置用の集塵用フィルタ部材と排気ガス浄化装置を例にして、図面を参照しながら説明する。
【0028】
本発明の第1の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Aは、図1及び図2に示すように、無機繊維11からなるフェルト状の繊維フィルタ部材12において、無機繊維11の表面にPMを吸着捕集するセラミックス系材料で形成した超微粒子13を担持させて形成される。
【0029】
この繊維フィルタ部材12は、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3 N4 )、アルミナ(Al2 O3 )、ムライト等の繊維径が5〜20μmφ程度の無機繊維11をランダムに積層してフェルト状にして形成することができる。
【0030】
また、この超微粒子13は、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ケイ素、酸化チタニウム、ゼオライト等のセラミックス系で形成されるが、同一材料だけの超微粒子13を使用してもよく、幾つかの材料で形成された超微粒子13を混合して使用してもよい。
【0031】
そして、粒径が比較的大きい方の超微粒子13Aとしては、例えば、平均粒径が0.2μmφのα−アルミナの超微粒子があり、粒径が比較的小さい方の超微粒子13Bとしては、例えば、平均粒径が0.03μmφのγ−アルミナの超微粒子がある。また、無機繊維11の引張強度の面から、この超微粒子13の平均粒径は無機繊維11の直径の1/5〜1/3000であることが好ましい。
【0032】
この超微粒子13を繊維フィルタ部材12を形成する無機繊維11に担持させる。この超微粒子13の担持は、繊維フィルタ部材12を、エタノールとテトラエトキシシラン(TES)と蒸留水を重量比で0.5:6:3で混合した溶液中にセラミックス系超微粒子を1mass%(1wt%)分散した担持溶液に浸漬した後、余分な溶液を除去してから大気中550℃で熱処理することにより行う。
【0033】
なお、この超微粒子13の担持によるPMの捕集効果を上げるためには、超微粒子13を担持させた繊維フィルタ部材12の比表面積が1〜200m2 /gであることが好ましい。
【0034】
そして、この繊維フィルタ部材12を、一枚、又は複数枚積層して、両側を耐熱金網14,14で挟持して第1の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Aを形成する。この集塵用フィルタ部材10Aを、図3及び図4に示すように、蛇腹状に折り曲げ加工した後に収納ケース20に入れて、第1の実施の形態の排気ガス浄化装置1Aを形成する。
【0035】
この構成の集塵用フィルタ部材10A及びこれを用いた排気ガス浄化装置1Aによれば、比較的大きな超微粒子を無機繊維上に担持させた場合には、繊維表面において凹凸が形成され、この凹凸による慣性さえぎり効果が増大するので、慣性さえぎり機構で捕集され易い粒径1μm以上のPM粒子の捕集効率が向上し、高比表面積の比較的小さな超微粒子を無機繊維上に担持させた場合には、繊維の表面活性を大きくすることができるので、ブラウン拡散効果による吸着捕集機構が支配的となる粒径1μm以下のPM微細粒子の捕集効率が向上する。従って、PMのサブミクロン級の微細な粒子も効率よく捕集でき、PMの粒径分布の広い範囲において高い捕集効率を発揮できる。
【0036】
次に、第2の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Bについて説明する。この集塵用フィルタ部材10Bは、図5に示すように、第1の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Aの上流側に慣性さえぎり効果により捕集する捕集部材15を設けて構成する。この慣性さえぎり効果の捕集部材15としては、例えば、繊維径が14μmφの炭化ケイ素(SiC)繊維11Aをフェルト状に積層して形成した粗の繊維フィルタ部材12Aを使用することができる。
【0037】
そして、この粗の繊維フィルタ部材12Aを、第1の実施の形態の繊維フィルタ部材12の上流側に積層して両側を金網14,14で挟持して、第2の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Bを形成する。この集塵用フィルタ部材10Bを、図3及び図4に示すように、蛇腹状に折り曲げ加工した後に収納ケース20に入れて、第2の実施の形態の排気ガス浄化装置1Bを形成する。
【0038】
この構成の集塵用フィルタ部材10B及びこれを用いた排気ガス浄化装置1Bによれば、超微粒子13を担持した繊維フィルタ部材12の上流側に慣性さえぎり効果により捕集する捕集部材12A(15)を設けることにより、比較的大きなPM粒子を予め上流側で慣性さえぎり効果により捕集できるので、下流側の繊維フィルタ部材12では、慣性さえぎり効果では捕集しにくい比較的小さなPM微細粒子を効率良く捕集できる。
【0039】
次に第3の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Cについて説明する。この集塵用フィルタ部材10Cは、図6に示すように、上流側に比較的大きな超微粒子13Aを担持した粗の繊維フィルタ部材12Aを、下流側に比較的小さな超微粒子13Bを担持した密の繊維フィルタ部材12Bを設けると共に、この上流側の粗の繊維フィルタ部材12Aの繊維径を、下流側の密の繊維フィルタ部材12Bの繊維径よりも太くして形成する。
【0040】
つまり、上流側に設ける繊維フィルタ部材12Aを粗に形成し、下流側に設ける繊維フィルタ部材12Bを密に形成すると共に、上流側の繊維フィルタ部材12Aの繊維径を下流側の繊維フィルタ部材12Bの繊維径よりも太くし、かつ、上流側の繊維フィルタ部材12Aの無機繊維11Aに担持される超微粒子13Aの平均粒径を、下流側の繊維フィルタ部材12Bの無機繊維11Bに担持される超微粒子13Bの平均粒径よりも大きくする。
【0041】
この集塵用フィルタ部材1Cにおいては、上流側の第1繊維フィルタ部材12Aは、繊維径が14μmφの炭化ケイ素繊維11Aをフェルト状に積層して形成され、下流側の密の第2繊維フィルタ部材12Bは9μmφの炭化ケイ素繊維11Bをフェルト状に積層して形成される。
【0042】
そして、第1繊維フィルタ部材12Aを、エタノールとテトラエトキシシラン(TES)と蒸留水を重量比で0.5:6:3で混合した溶液中に平均粒径が0.2μmφのα−アルミナ等の比較的大きな径のセラミックス系超微粒子13Aを1mass%(1wt%)分散した担持溶液に浸漬した後、余分な溶液を除去してから大気中550℃で熱処理して、超微粒子13Aを無機繊維11Aに担持させる。
【0043】
また、第2繊維フィルタ部材12Bを、エタノールとテトラエトキシシラン(TES)と蒸留水を重量比で0.5:6:3で混合した溶液中に平均粒径が0.03μmφのγ−アルミナ等の比較的小さな径のセラミックス系超微粒子13Bを1mass%(1wt%)分散した担持溶液に浸漬した後、余分な溶液を除去してから大気中550℃で熱処理して、超微粒子13Bを無機繊維11Bに担持させる。
【0044】
この第1繊維フィルタ部材12Aに第2繊維フィルタ部材12Bを積層して両側を金網14,14で挟持して、第3の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Cを形成する。この集塵用フィルタ部材10Cを、図3及び図4に示すように、蛇腹状に折り曲げ加工した後に収納ケース20に入れて、第3の実施の形態の排気ガス浄化装置1Cを形成する。
【0045】
この集塵用フィルタ部材10Cは、図7に模式的に示すように、第1繊維フィルタ部材12Aの表面ろ過領域R1と第1深層ろ過領域R2と、第2繊維フィルタ部材12Bの第2深層ろ過領域R3とからなる3段階のろ過領域を有している。
【0046】
この表面ろ過領域R1では、表面ろ過(ケーキろ過)により、フィルタ表面でPMを捕集し、この捕集されて堆積したPM上にさらにPMが捕集される。そして、第1深層ろ過領域R2では、慣性さえぎりが主な捕集機構となり、粒径1μmφ以上のPM粒子を捕集するが、超微粒子13Aの担持による繊維表面の凹凸形成により、この慣性さえぎり効果が増大する。また、第2深層ろ過領域R3では、ブラウン拡散が主な捕集機構となり粒径1μmφ以下のPM微細粒子を捕集するが、高比表面積の超微粒子13Bの担持により繊維11Bの表面活性が大きくなり、PM微細粒子の捕集効果が著しく向上する。
【0047】
従って、この構成の集塵用フィルタ部材10C及びこれを用いた排気ガス浄化装置1Cによれば、上流側で、比較的大きなPM粒子を捕捉し、下流側に到達するPM微細粒子を、高比表面積を有する超微粒子13Bを担持した第2繊維フィルタ部材12Bの第2深層ろ過領域R3で効率よく捕集できる。
【0048】
次に第4の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Dについて説明する。この集塵用フィルタ部材1Dでは、第3の実施の形態において、無機繊維11A,11Bが担持する超微粒子13A,13Bに白金等の触媒粒子16を担持させる。
【0049】
この第4の実施の形態の集塵用フィルタ部材1Dは、溶液浸漬、ウォッシュコート等の方法により第3の実施の形態における超微粒子13A,13Bに白金等の触媒粒子16を担持させた超微粒子13C,13Dを用意し、第3の実施の形態における超微粒子13A,13Bの代りに、この超微粒子13C,13Dを用いて、第3の実施の形態の集塵用フィルタ部材1Cと同様な工程を経て作製される。
【0050】
これにより、集塵用フィルタ部材1Dは、図8に示すように、白金等の触媒粒子16を担持させた超微粒子13C,13Dを担持した無機繊維11C,11Dをフェルト状に積層した繊維フィルタ部材12C,12Dを有して構成されるようになる。ちなみに、触媒粒子16の粒径は1〜10nmφ程度である。
【0051】
この構成の集塵用フィルタ部材10E及びこれを用いた排気ガス浄化装置1Eによれば、酸化触媒やPM酸化触媒やNOx還元触媒等の触媒粒子16の触媒作用によって、PMの低温燃焼を促進でき、また、NOx等の排気ガス中の有害成分も浄化できるようになる。
【0052】
次に第5の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Eについて説明する。この集塵用フィルタ部材1Eでは、第3の実施の形態に加えて、無機繊維11A,11Bと超微粒子13A,13Bに白金等の触媒粒子16を担持させる。
【0053】
この第5の実施の形態の集塵用フィルタ部材1Eは、第3の実施の形態における繊維フィルタ部材12A,12B又は集塵用フィルタ部材1Eを、触媒粒子16の溶液に浸漬した後乾燥及び熱処理する等の方法により、無機繊維11A,11Bと超微粒子13A,13Bに白金等の触媒粒子16を担持させることにより作製される。
【0054】
これにより、集塵用フィルタ部材1Eは、図9に示すように、白金等の触媒粒子16が超微粒子13C,13Dのみならず、無機繊維11C,11Dにも担持されるようになり、第4の実施の形態の集塵用フィルタ部材1Dと同様な効果を奏することができる。
【0055】
次に第6の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Fについて説明する。この集塵用フィルタ部材1Fでは、第3の実施の形態に加えて、無機繊維11A,11Bに白金等の触媒粒子16を担持させる。
【0056】
この第6の実施の形態の集塵用フィルタ部材1Fは、第3の実施の形態における繊維フィルタ部材12A,12Bを、超微粒子13A,13Bを担持させる前に、触媒粒子16の溶液に浸漬した後乾燥及び熱処理する等の方法により、無機繊維11A,11Bに白金等の触媒粒子16を担持させる。この担持後に、第3の実施の形態と同じ工程で、超微粒子13A,13Bを担持させる。
【0057】
これにより、集塵用フィルタ部材1Fは、図10に示すように、白金等の触媒粒子16と超微粒子13A,13Bが担持された無機繊維11E,11Fを積層した繊維フィルタ部材12E,12Fを有して構成されるようになり、第4の実施の形態の集塵用フィルタ部材1Dと同様な効果を奏することができる。
【0058】
〔実施例〕
また、本発明のフィルタの効果を確認するために、以下に述べるような実施例1〜3の集塵用フィルタ部材と、比較のための比較例1,2の集塵用フィルタ部材を作製し、PM粒子の捕集試験等を行った。
【0059】
実施例1の集塵用フィルタ部材は、PM粒子の中でも1μm以下の、特に粒径が100nmφ以下の超微細な粒子に対する捕集効率の向上を図って、粗繊維フィルタ部材と密繊維フィルタ部材を重ねて構成すると共に、下流側の密繊維フィルタ部材においては繊維に平均粒径が0.03μmφのγ−アルミナを担持させて構成した集塵用フィルタ部材であり、次のようにして作製された。
【0060】
繊維径が14μmφの炭化ケイ素繊維をフェルト状に積層して形成した粗繊維フィルタ部材を、第1繊維フィルタ部材とし、繊維径9μmφの炭化ケイ素繊維をフェルト状に積層して形成した密繊維フィルタを第2繊維フィルタ部材とし、この密繊維フィルタ部材を、エタノールとテトラエトキシシラン(TES)と蒸留水を重量比で0.5:6:3で混合した溶液中に平均粒径が0.03μmφのγ−アルミナを1mass%(1wt%)分散した担持溶液に浸漬した後、余分な溶液を除去してから大気中550℃で熱処理して第2繊維フィルタ部材を作製した。
【0061】
そして、第1繊維フィルタ部材に第2繊維フィルタ部材を積層して両側を金網で挟持して実施例1の集塵用フィルタ部材Aを作製し、さらに、蛇腹状に折り曲げ加工した後に収納ケースに入れて排気ガス浄化用の実施例1の排気ガス浄化装置を形成した。
【0062】
実施例2の集塵用フィルタ部材は、PM粒子の中でも特に粒径が0.5μmφ〜1μmφ前後と、更には0.5μmφ以下、好ましくは0.1μmφ以下の微細な粒子に対する捕集効率の向上を図って、粗と密の繊維フィルタ部材を重ねて構成すると共に、上流側の繊維フィルタ部材においては繊維に平均粒径が0.2μmφのα−アルミナを担持させ、下流側の繊維フィルタ部材においては繊維に平均粒径が0.03μmφのγ−アルミナを担持させて構成したフィルタであり、次のようにして作製された。
【0063】
繊維径が14μmφの炭化ケイ素繊維をフェルト状に積層して形成した粗繊維フィルタ部材を、エタノールとテトラエトキシシラン(TES)と蒸留水を重量比で0.5:6:3で混合した溶液中に平均粒径が0.2μmφのα−アルミナを1mass%(1wt%)分散した担持溶液に浸漬した後、余分な溶液を除去してから大気中550℃で熱処理して第1繊維フィルタ部材を作製した。
【0064】
この第1繊維フィルタ部材に、実施例1の第2繊維フィルタ部材と同様にして作製した第2繊維フィルタ部材を積層して両側を金網で挟持して実施例2の集塵用フィルタ部材Bを作製し、更に、蛇腹状に折り曲げ加工した後に収納ケースに入れて排気ガス浄化用の実施例2の排気ガス浄化装置を作製した。
【0065】
実施例3の集塵用フィルタ部材は、PMの燃焼除去の促進を図って、実施例2の集塵用フィルタ部材の第1繊維フィルタ部材と第2繊維フィルタ部材のアルミナ粒子のそれぞれに白金を担持させて形成した第1繊維フィルタ部材と第2繊維フィルタ部材を積層して両側を金網で挟持して実施例3の集塵用フィルタ部材Cを作製し、更に、蛇腹状に折り曲げ加工した後に収納ケースに入れて排気ガス浄化用の実施例3の排気ガス浄化装置を作製した。
【0066】
また、比較例1の集塵用フィルタ部材は、400cpiのコージェライトハニカム構造のフィルタを実施例の容積と同じ容積にして形成し、これを収納ケースに入れて排気ガス浄化用の比較例1の排気ガス浄化装置を作製した。
【0067】
また、比較例2の集塵用フィルタ部材は、繊維径14μmφの炭化ケイ素繊維を用いた粗繊維フィルタ部材と繊維径9μmφの炭化ケイ素繊維を用いた密繊維フィルタ部材を積層して両側を金網で挟持して比較例2の集塵用フィルタ部材を作製し、更に、蛇腹状に折り曲げ加工した後に収納ケースに入れて排気ガス浄化用の比較例2の排気ガス浄化装置を作製した。
【0068】
この比較例2の集塵用フィルタ部材は、表面ろ過(ケーキろ過)と深層ろ過との2つの集塵形式を有し、また、フィルタの空隙サイズの分布が広いので、PMの粒径分布において広い範囲でPMを捕集でき、ディーゼル13モードによるPM捕集結果では捕集効率は75〜84%、PM2.5(2.5μm以下の浮遊粒子状物質)に関しても80%近い捕集効率を示した。
【0069】
なお、コージェライトハニカムの比較例1の集塵用フィルタ部材は初期の状態から捕集効率が高いが、初期圧力損失が高く、目詰まりし易い。一方、繊維フィルタの比較例2の集塵用フィルタ部材は初期の捕集効率は比較例1よりも5%程低いが、初期圧力損失も低い。
【0070】
これらの比表面積を表1に示す。実施例1〜3の比表面積は、比較例1の比表面積に対して150〜200倍で、比較例2の比表面積に対して120〜150倍となった。
【0071】
【表1】
また、図11にPMの捕集試験の結果であるPMの捕集効率(重量比)を示すが、これにより、実施例1〜3(A,B,C)は、同じ繊維フィルタである比較例2(Y)に対して高い捕集効率を示し、特に実施例2,3(B,C)はコージェライトハニカムの比較例1(X)と同等以上の捕集効率を示した。また、この捕集効率の試験は500℃程度の排気ガス温度で行ったが、白金を担持した実施例3では試験中にフィルタの目詰まりが発生せず、白金がPMの燃焼を促す酸化触媒として十分に機能していることが分かった。
【0072】
この図11で、実施例1(A)が比較例1(X)よりも捕集効率が低いのは、主に捕集の対象としているPMの範囲が、比較例1(X),実施例2(B),実施例3(C)は粒径500nmφ〜1μmφ以上のPM粒子であるのに対して、比較例2(Y),実施例1(A)は粒径100nmφ以下のPM微細粒子であるため、比較例2(Y),実施例1(A)でPM微細粒子を捕集しても、重量基準の捕集効率にはその効果が表れないためである。
【0073】
また、図12にPMの粒径500nmφより小さいPM微細粒子の粒径別の捕集効率(粒子数)を測定した結果を示すが、これにより、PMのうちの微細な粒子の捕集効率は実施例1〜3(A,B,C)が比較例1,2(X,Y)に比べて著しく向上していることが分かる。
【0074】
そして、実施例1において、γアルミナの粒子径の平均粒子径(μm)を変化させた場合における比表面積(m2 /g)を表2に示す。
【0075】
【表2】
また、この比表面積をベースとしたPMの粒径別(37〜420nmφ)の捕集効率を図13に示す。この図13から、比表面積が大きくなる程、より微細な粒子の捕集効率が増加することが分かり、特に、比表面積で1m2 /g以上、平均粒子径で0.5μm以下であれば大きな捕集効率となることが分かった。
【0076】
また、実施例1において担持させる超微粒子の材料を変化させた場合における比表面積(m2 /g)を表3に示し、PMの粒径別捕集効率を図14に示す。図13と同様に比表面積が大きくなる程PM微細粒子の捕集効率が向上した。
【0077】
【表3】
次に、図15に「繊維表面に担持した粒子径/繊維径」をベースにした「繊維引張強度の変化率(%)」を示す。この図15は、繊維径を10μmφに固定し、粒子径を0.03〜2μmφとした時の図であるが、この図15より、繊維表面に担持した粒子径/繊維径が2μm/10μmつまり1/5を超えると繊維引張強度が急激に低下する結果となった。従って、繊維表面に担持する超微粒子の平均粒径は、繊維径の1/5以下にすることが好ましいことが分かる。
【0078】
また、図16に粒子径を0.01μmφ、繊維径を10μmφに固定し、繊維表面への粒子担持量(繊維1g当たりの担持した粒子重量(mg))と担持繊維の比表面積の関係を示す。この図16より粒子担持量を350mg/g以上に増しても担持繊維の比表面積は200m2 /gを大きく超えることはなかった。
【0079】
従って、これらの実施例の試験結果から、担持するセラミックス系超微粒子の平均粒径は0.5μm以下、比表面積は1m2 /g以上、「超微粒子の平均粒径/繊維径」は1/5以下が好ましいことが分かる。
【0080】
なお、上記では、ディーゼルエンジンの排気ガス用の集塵用フィルタ部材として説明し、超微粒子を担持した無機繊維を積層した繊維フィルタ部材を金網で挟持したものを集塵用フィルタとしているが、本発明の集塵用フィルタ部材は、この形式の集塵用フィルタに限定されるものではなく、また、金網を構成要件とするものでもない。
【0081】
また、集塵の対象もディーゼルパティキュレートフィルタに限定されるものではなく、これ以外の目的にも使用でき、集塵用フィルタ部材の使用条件に合わせて、繊維フィルタ部材に担持させる超微粒子の材料、担持する触媒の種類を選択できる。また、繊維フィルタ部材を構成する材料も集塵用フィルタ部材の使用条件に合わせて、種々選択できる。
【0082】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の集塵用フィルタ部材によれば、次のような効果を奏することができる。
【0083】
本発明の集塵用フィルタ部材は、フェルト状の繊維フィルタ部材を有して構成される集塵用フィルタ部材において、繊維フィルタ部材の繊維の表面にPMを吸着捕集するセラミックス系超微粒子を担持させて形成されるので、この繊維に担持させるセラミックス系超微粒子を0.2μmφ程度の比較的大きな超微粒子にすると、繊維表面に凹凸が形成され、この凹凸による慣性さえぎり効果が増大し、粒子径が1μm以上のPM粒子の捕集効率を向上することができる。また、0.03μmφ程度の高比表面積の比較的小さな超微粒子にすると、繊維の表面活性を大きくしてブラウン拡散効果による吸着捕集効果を上げることができ、粒子径が1μm以下のPM微細粒子の捕集効率を向上することができる。
【0084】
また、上流側に慣性さえぎり効果により捕集する層を設けたり、上流側と下流側で繊維に担持される超微粒子の平均粒径を変化させたりすることにより、上流側では主に慣性さえぎり機構によりPM中の比較的大きなPM粒子を捕集し、下流側ではブラウン拡散効果による吸着捕集によりPM中の比較的小さなPM微細粒子を効率良く捕集できるようになる。従って、PMを広い粒径の範囲で効率よく捕集できる。
【0085】
そして、上記の集塵用フィルタ部材において、繊維又は超微粒子の少なくとも一方に触媒粒子を担持することにより、担持した酸化触媒やPM酸化触媒やNOx還元触媒等の触媒作用によって、PMの燃焼を促進でき、また、NOx等の排気ガス中の有害成分も浄化できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態の集塵用フィルタ部材の構造を示す部分拡大図である。
【図2】図1の繊維フィルタ部材の繊維部分の拡大図である。
【図3】集塵用フィルタ部材の蛇腹状の折り曲げ状態を模式的に示す図である。
【図4】集塵用フィルタ部材を蛇腹状の折り曲げて収納ケースに収容した排気ガス浄化装置の構成を模式的に示す図である。
【図5】本発明に係る第2の実施の形態の集塵用フィルタ部材の構造を示す部分拡大図である。
【図6】本発明に係る第3の実施の形態の集塵用フィルタ部材の構造を示す部分拡大図である。
【図7】図6の集塵用フィルタ部材のPM捕集機構を模式的に示す図である。
【図8】本発明に係る第4の実施の形態の集塵用フィルタ部材の構造を示す、繊維フィルタ部材の繊維部分の拡大図である。
【図9】本発明に係る第5の実施の形態の集塵用フィルタ部材の構造を示す、繊維フィルタ部材の繊維部分の拡大図である。
【図10】本発明に係る第6の実施の形態の集塵用フィルタ部材の構造を示す、繊維フィルタ部材の繊維部分の拡大図である。
【図11】実施例と従来例の集塵用フィルタ部材のPM捕集率の経時変化を示す図である。
【図12】実施例と従来例の集塵用フィルタ部材のPM平均粒径と捕集効率の関係を示す図である。
【図13】実施例1の集塵用フィルタ部材における、比表面積と捕集効率の関係をPM平均粒径別に示す図である。
【図14】実施例1の集塵用フィルタ部材における、PM平均粒径と捕集効率の関係を超微粒子の材料別に示す図である。
【図15】実施例1の集塵用フィルタ部材における、超微粒子の平均粒径と繊維引張強度の変化率の関係を示す図である。
【図16】実施例1の集塵用フィルタ部材における、繊維表面への粒子担持量と担持繊維の比表面積率の関係を示す図である。
【符号の説明】
1A〜1F 排気ガス浄化装置
10A〜10F 集塵用フィルタ部材
11,11A〜11F 無機繊維
12,12A〜12F 繊維フィルタ部材
13,13A,13B 超微粒子
14 金網(耐熱金網)
16 触媒粒子
20 収納ケース
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンから排気される排気ガス等を浄化する集塵用フィルタ部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質(PM:パティキュレート・マター:以下PMとする)の排出量は、NOx,COそしてHC等と共に年々規制が強化されてきており、規制の強化に伴いエンジンの改良のみでは、対応できなくなってきている。そこで、エンジンから排出されるPMをディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter :以下DPFとする)と呼ばれるフィルタで捕集して、外部へ排出されるPMの量を低減する技術が開発され、直接、このPMを捕集するフィルタには、多孔質フィルタや繊維フィルタ等が使用されてきている。
【0003】
しかし、多孔質フィルタは、セラミックスや金属の多孔材で形成され、主に、フィルタの表面における慣性さえぎり効果(ケーキろ過)でPMの捕集を行うが、慣性さえぎり効果が主となるため、球直径相当で1μm以下の微細なPMの捕集は困難であり、粒径の範囲が広いPMの微細な粒子が捕集できないという問題がある。
【0004】
また、多孔質フィルタにおいて多孔材の表面に触媒を担持したフィルタは、表面の比表面積拡大の効果と触媒作用による酸化反応の促進効果でPMの吸着及び低温における燃焼除去を行うが、PMの総量によってはフィルタ表面がPMで覆われてしまい捕集効率が低下するという問題がある。
【0005】
そして、繊維フィルタは、セラミックス等の無機繊維をランダムに積層したフェルトを用いて形成され、フィルタ表面(表面ろ過)に加えてフィルタ内部の慣性さえぎり効果(深層ろ過)によってもPMの捕集を行うので、多孔質フィルタに比べて集塵容量が大きくなるが、PMの微細な粒子の捕集効率は低いという問題がある。
【0006】
この繊維フィルタにおいては、PMの捕集効率を向上させるために、複数のフェルトで形成し、排気ガスの通過に関して上流側となるフェルトにおいては比較的太い無機繊維を不規則かつ粗に積層し、下流側となるフェルトにおいては比較的細い無機繊維を不規則かつ密に積層して、粗のフェルトの上流側に耐熱金網を、密のフェルトの下流側に織布をそれぞれ重ねて積層体を形成し、この積層体を周方向に蛇腹状に折り曲げて筒状のフィルタを形成したディーゼル機関の排気微粒子フィルタが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
この繊維フィルタの捕集形態は、フィルタ表面でPMを捕集し、この捕集されて堆積したPMにさらにPMが捕集される表面ろ過(ケーキろ過)と、フィルタ内部でPMが捕集される深層ろ過との2つの集塵形式を有しており、また、フィルタの空隙サイズの分布が広くなるように構成されているので、PMの粒径分布に関して広い範囲で捕集できる。
【0008】
しかし、環境改善の見地や排ガス規制対策を考えた場合、さらなるPMの捕集効率向上が求められており、その中でも粒径10μm以下の浮遊粒子状物質(SPM)や粒径が2.5μm以下のPM2.5等のサブミクロン級の微細な粒子を捕集することが重要になってきている。
【0009】
そのため、セラミックス又は耐熱金属からなる繊維積層構造等によって構成されたフィルタにおいて、フィルタを構成する固体部分のうち、排気ガス等の流体が接する表面部分にセラミックス又は耐熱金属からなる被膜をCVDや有機ケイ素ポリマーの熱分解等により形成して、耐熱耐食性を高めると共に、この被膜にセラミックス又は耐熱金属微粒子を内包して凹凸部を形成してPMの捕集効率をアップさせるフィルタ材が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0010】
しかしながら、このフィルタ材においては、セラミックス又は耐熱金属微粒子をCVDや有機ケイ素ポリマーの熱分解により生成した被膜に内包する構成になっているため、CVDや熱分解等の加工行程が必要になり、製造コストが高いという問題がある。
【0011】
その上、セラミックス微粒子は被膜の数ミクロンの瘤状粒子からなる凹凸部を形成するために使用され、被膜で包まれてしまうため、微小な凹凸の形成が困難であるという問題と、セラミックス微粒子のPMを吸着する性質を利用できないという問題がある。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−130150号公報
【0013】
【特許文献2】
特開2002−38921号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題を解決するべくなされたものであり、その目的は、繊維フィルタの長所を保持したまま、PMのサブミクロン級の微細な粒子も効率よく捕集でき、PMの粒径分布の広い範囲において高い捕集効率を発揮できる集塵用フィルタ部材を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するための本発明の集塵用フィルタ部材は、フェルト状の繊維フィルタ部材を有して構成される集塵用フィルタ部材において、前記繊維フィルタ部材の繊維の表面にガス中の微粒子状の物質を吸着捕集する超微粒子を担持して構成される。
【0016】
ディーゼルエンジンの排気ガス中のPMや大気中の浮遊物質等の微粒子状の物質を吸着捕集する超微粒子は、粒径が0.005μmφ〜5μmφの非常に小さい粒子であり、セラミックス系材料等で形成でき、表面活性に優れた高比表面積を有している。この超微粒子の粒径の大きいものは、PM中の比較的大きな粒子(例えば、0.5μmφ〜1μmφ:以下PM粒子という)を吸着し易く、粒径の小さいものは、PM中の比較的小さな粒子(例えば、0.1μmφ以下:以下PM微細粒子という)を吸着し易いという性質を持っている。なお、この超微粒子の粒径が0.005μmφより小さいと製造が困難となり、5μmφより大きいと比表面積が小さくなり、捕集効率が低下する。
【0017】
また、この比較的大きな超微粒子を繊維上に担持させることにより、繊維表面において凹凸が形成され、この凹凸による慣性さえぎり効果が増大するので、慣性さえぎり機構で捕集され易い粒径0.5μmより大きいPM粒子の捕集効率を向上することができる。また、高比表面積の比較的小さな超微粒子を繊維上に担持させることにより、繊維の表面活性を大きくすることができるので、ブラウン拡散効果による吸着捕集機構が支配的となる粒径1μm以下のPM微細粒子の捕集効率を向上することができる。
【0018】
そして、上記の集塵用フィルタ部材において、超微粒子がセラミックス系材料でー形成され、超微粒子の平均粒径が繊維の直径の1/5〜1/3000である場合、及び、超微粒子を担持した繊維フィルタ部材の比表面積が1m2 /g〜200m2 /gである場合に、特に、PMの捕集効率を大きくすることができる。なお、このフィルタの比表面積とは、繊維フィルタ部材の繊維に超微粒子を担持させた状態でJIS規格のR1626に準拠して計測した比表面積のことをいう。
【0019】
また、このセラミックス系超微粒子は、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ケイ素、酸化チタニウム、ゼオライト等のセラミックス材料で形成される粒径が0.005μmφ〜5μmφの超微粒子である。また、繊維は炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3 N4 )、アルミナ(Al2 O3 )、ムライト等で形成できる。
【0020】
上記の集塵用フィルタ部材において、超微粒子を担持した繊維フィルタ部材の上流側に慣性さえぎり効果により捕集する捕集部材を設けることにより、比較的大きなPM粒子を予め上流側で慣性さえぎり効果により捕集できるので、下流側のセラミックス系超微粒子を担持した層では、慣性さえぎり効果では捕集しにくい比較的小さなPM微細粒子を効率良く捕集できるようになる。なお、この慣性さえぎり効果により捕集する捕集部材としては、超微粒子を担持しない繊維フィルタ部材や多孔質フィルタや多孔体で構成されたハニカム構造体等がある。
【0021】
あるいは、上記の集塵用フィルタ部材において、上流側に設ける繊維フィルタ部材を粗に形成し、下流側に設ける繊維フィルタ部材を密に形成すると共に、上流側の前記繊維フィルタ部材の繊維径を下流側の前記繊維フィルタ部材の繊維径よりも太くし、かつ、上流側の前記繊維フィルタ部材の繊維に担持される超微粒子の平均粒径を、下流側の前記繊維フィルタ部材の繊維に担持される超微粒子の平均粒径よりも大きくして構成する。
【0022】
この構成によれば、上流側の繊維フィルタ部材では、比較的大きな超微粒子を担持した繊維層で主に慣性さえぎり機構により比較的大きなPM粒子を捕集でき、下流側繊維フィルタ部材では、比較的小さな超微粒子を担持した繊維層で、吸着機構(ブラウン拡散効果)により比較的小さなPM微細粒子を捕集できる。従って、PMを広い粒径の範囲で効率よく捕集できる。
【0023】
つまり、上流側では、比較的大きなPM粒子を捕捉するため、下流側に到達するPMはPM微細粒子が中心になるので、この部分を構成する繊維表面に表面活性の優れる高比表面積を有するセラミックス系超微粒子を担持することでPM微細粒子の捕集効率をより向上できる。
【0024】
また、上記の集塵用フィルタ部材において、繊維又は超微粒子の少なくとも一方に触媒粒子を担持することにより、担持した酸化触媒やPM酸化触媒やNOx還元触媒等の触媒作用によって、PMの低温燃焼を促進でき、また、NOx等の排気ガス中の有害成分も浄化できるようになる。
【0025】
そして、本発明の排気ガス浄化装置は、上記の集塵用フィルタ部材を有して構成され、PMのサブミクロン級の微細な粒子も効率よく捕集でき、PMの粒径分布の広い範囲において高い捕集効率を発揮できるようになる。
【0026】
なお、ディーゼルエンジンの排気ガス等の高温ガスを浄化対象とする場合には、耐熱性に優れた無機繊維や金属繊維をフェルト状に積層した繊維フィルタ部材を用いるが、低温のガスを浄化対象とする場合には、自然素材や合成樹脂等の有機繊維をフェルト状に積層した繊維フィルタ部材を用いることもできる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態の集塵用フィルタ部材と排気ガス浄化装置について、ディーゼルエンジンの排気ガスを浄化する浄化装置用の集塵用フィルタ部材と排気ガス浄化装置を例にして、図面を参照しながら説明する。
【0028】
本発明の第1の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Aは、図1及び図2に示すように、無機繊維11からなるフェルト状の繊維フィルタ部材12において、無機繊維11の表面にPMを吸着捕集するセラミックス系材料で形成した超微粒子13を担持させて形成される。
【0029】
この繊維フィルタ部材12は、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3 N4 )、アルミナ(Al2 O3 )、ムライト等の繊維径が5〜20μmφ程度の無機繊維11をランダムに積層してフェルト状にして形成することができる。
【0030】
また、この超微粒子13は、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ケイ素、酸化チタニウム、ゼオライト等のセラミックス系で形成されるが、同一材料だけの超微粒子13を使用してもよく、幾つかの材料で形成された超微粒子13を混合して使用してもよい。
【0031】
そして、粒径が比較的大きい方の超微粒子13Aとしては、例えば、平均粒径が0.2μmφのα−アルミナの超微粒子があり、粒径が比較的小さい方の超微粒子13Bとしては、例えば、平均粒径が0.03μmφのγ−アルミナの超微粒子がある。また、無機繊維11の引張強度の面から、この超微粒子13の平均粒径は無機繊維11の直径の1/5〜1/3000であることが好ましい。
【0032】
この超微粒子13を繊維フィルタ部材12を形成する無機繊維11に担持させる。この超微粒子13の担持は、繊維フィルタ部材12を、エタノールとテトラエトキシシラン(TES)と蒸留水を重量比で0.5:6:3で混合した溶液中にセラミックス系超微粒子を1mass%(1wt%)分散した担持溶液に浸漬した後、余分な溶液を除去してから大気中550℃で熱処理することにより行う。
【0033】
なお、この超微粒子13の担持によるPMの捕集効果を上げるためには、超微粒子13を担持させた繊維フィルタ部材12の比表面積が1〜200m2 /gであることが好ましい。
【0034】
そして、この繊維フィルタ部材12を、一枚、又は複数枚積層して、両側を耐熱金網14,14で挟持して第1の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Aを形成する。この集塵用フィルタ部材10Aを、図3及び図4に示すように、蛇腹状に折り曲げ加工した後に収納ケース20に入れて、第1の実施の形態の排気ガス浄化装置1Aを形成する。
【0035】
この構成の集塵用フィルタ部材10A及びこれを用いた排気ガス浄化装置1Aによれば、比較的大きな超微粒子を無機繊維上に担持させた場合には、繊維表面において凹凸が形成され、この凹凸による慣性さえぎり効果が増大するので、慣性さえぎり機構で捕集され易い粒径1μm以上のPM粒子の捕集効率が向上し、高比表面積の比較的小さな超微粒子を無機繊維上に担持させた場合には、繊維の表面活性を大きくすることができるので、ブラウン拡散効果による吸着捕集機構が支配的となる粒径1μm以下のPM微細粒子の捕集効率が向上する。従って、PMのサブミクロン級の微細な粒子も効率よく捕集でき、PMの粒径分布の広い範囲において高い捕集効率を発揮できる。
【0036】
次に、第2の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Bについて説明する。この集塵用フィルタ部材10Bは、図5に示すように、第1の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Aの上流側に慣性さえぎり効果により捕集する捕集部材15を設けて構成する。この慣性さえぎり効果の捕集部材15としては、例えば、繊維径が14μmφの炭化ケイ素(SiC)繊維11Aをフェルト状に積層して形成した粗の繊維フィルタ部材12Aを使用することができる。
【0037】
そして、この粗の繊維フィルタ部材12Aを、第1の実施の形態の繊維フィルタ部材12の上流側に積層して両側を金網14,14で挟持して、第2の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Bを形成する。この集塵用フィルタ部材10Bを、図3及び図4に示すように、蛇腹状に折り曲げ加工した後に収納ケース20に入れて、第2の実施の形態の排気ガス浄化装置1Bを形成する。
【0038】
この構成の集塵用フィルタ部材10B及びこれを用いた排気ガス浄化装置1Bによれば、超微粒子13を担持した繊維フィルタ部材12の上流側に慣性さえぎり効果により捕集する捕集部材12A(15)を設けることにより、比較的大きなPM粒子を予め上流側で慣性さえぎり効果により捕集できるので、下流側の繊維フィルタ部材12では、慣性さえぎり効果では捕集しにくい比較的小さなPM微細粒子を効率良く捕集できる。
【0039】
次に第3の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Cについて説明する。この集塵用フィルタ部材10Cは、図6に示すように、上流側に比較的大きな超微粒子13Aを担持した粗の繊維フィルタ部材12Aを、下流側に比較的小さな超微粒子13Bを担持した密の繊維フィルタ部材12Bを設けると共に、この上流側の粗の繊維フィルタ部材12Aの繊維径を、下流側の密の繊維フィルタ部材12Bの繊維径よりも太くして形成する。
【0040】
つまり、上流側に設ける繊維フィルタ部材12Aを粗に形成し、下流側に設ける繊維フィルタ部材12Bを密に形成すると共に、上流側の繊維フィルタ部材12Aの繊維径を下流側の繊維フィルタ部材12Bの繊維径よりも太くし、かつ、上流側の繊維フィルタ部材12Aの無機繊維11Aに担持される超微粒子13Aの平均粒径を、下流側の繊維フィルタ部材12Bの無機繊維11Bに担持される超微粒子13Bの平均粒径よりも大きくする。
【0041】
この集塵用フィルタ部材1Cにおいては、上流側の第1繊維フィルタ部材12Aは、繊維径が14μmφの炭化ケイ素繊維11Aをフェルト状に積層して形成され、下流側の密の第2繊維フィルタ部材12Bは9μmφの炭化ケイ素繊維11Bをフェルト状に積層して形成される。
【0042】
そして、第1繊維フィルタ部材12Aを、エタノールとテトラエトキシシラン(TES)と蒸留水を重量比で0.5:6:3で混合した溶液中に平均粒径が0.2μmφのα−アルミナ等の比較的大きな径のセラミックス系超微粒子13Aを1mass%(1wt%)分散した担持溶液に浸漬した後、余分な溶液を除去してから大気中550℃で熱処理して、超微粒子13Aを無機繊維11Aに担持させる。
【0043】
また、第2繊維フィルタ部材12Bを、エタノールとテトラエトキシシラン(TES)と蒸留水を重量比で0.5:6:3で混合した溶液中に平均粒径が0.03μmφのγ−アルミナ等の比較的小さな径のセラミックス系超微粒子13Bを1mass%(1wt%)分散した担持溶液に浸漬した後、余分な溶液を除去してから大気中550℃で熱処理して、超微粒子13Bを無機繊維11Bに担持させる。
【0044】
この第1繊維フィルタ部材12Aに第2繊維フィルタ部材12Bを積層して両側を金網14,14で挟持して、第3の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Cを形成する。この集塵用フィルタ部材10Cを、図3及び図4に示すように、蛇腹状に折り曲げ加工した後に収納ケース20に入れて、第3の実施の形態の排気ガス浄化装置1Cを形成する。
【0045】
この集塵用フィルタ部材10Cは、図7に模式的に示すように、第1繊維フィルタ部材12Aの表面ろ過領域R1と第1深層ろ過領域R2と、第2繊維フィルタ部材12Bの第2深層ろ過領域R3とからなる3段階のろ過領域を有している。
【0046】
この表面ろ過領域R1では、表面ろ過(ケーキろ過)により、フィルタ表面でPMを捕集し、この捕集されて堆積したPM上にさらにPMが捕集される。そして、第1深層ろ過領域R2では、慣性さえぎりが主な捕集機構となり、粒径1μmφ以上のPM粒子を捕集するが、超微粒子13Aの担持による繊維表面の凹凸形成により、この慣性さえぎり効果が増大する。また、第2深層ろ過領域R3では、ブラウン拡散が主な捕集機構となり粒径1μmφ以下のPM微細粒子を捕集するが、高比表面積の超微粒子13Bの担持により繊維11Bの表面活性が大きくなり、PM微細粒子の捕集効果が著しく向上する。
【0047】
従って、この構成の集塵用フィルタ部材10C及びこれを用いた排気ガス浄化装置1Cによれば、上流側で、比較的大きなPM粒子を捕捉し、下流側に到達するPM微細粒子を、高比表面積を有する超微粒子13Bを担持した第2繊維フィルタ部材12Bの第2深層ろ過領域R3で効率よく捕集できる。
【0048】
次に第4の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Dについて説明する。この集塵用フィルタ部材1Dでは、第3の実施の形態において、無機繊維11A,11Bが担持する超微粒子13A,13Bに白金等の触媒粒子16を担持させる。
【0049】
この第4の実施の形態の集塵用フィルタ部材1Dは、溶液浸漬、ウォッシュコート等の方法により第3の実施の形態における超微粒子13A,13Bに白金等の触媒粒子16を担持させた超微粒子13C,13Dを用意し、第3の実施の形態における超微粒子13A,13Bの代りに、この超微粒子13C,13Dを用いて、第3の実施の形態の集塵用フィルタ部材1Cと同様な工程を経て作製される。
【0050】
これにより、集塵用フィルタ部材1Dは、図8に示すように、白金等の触媒粒子16を担持させた超微粒子13C,13Dを担持した無機繊維11C,11Dをフェルト状に積層した繊維フィルタ部材12C,12Dを有して構成されるようになる。ちなみに、触媒粒子16の粒径は1〜10nmφ程度である。
【0051】
この構成の集塵用フィルタ部材10E及びこれを用いた排気ガス浄化装置1Eによれば、酸化触媒やPM酸化触媒やNOx還元触媒等の触媒粒子16の触媒作用によって、PMの低温燃焼を促進でき、また、NOx等の排気ガス中の有害成分も浄化できるようになる。
【0052】
次に第5の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Eについて説明する。この集塵用フィルタ部材1Eでは、第3の実施の形態に加えて、無機繊維11A,11Bと超微粒子13A,13Bに白金等の触媒粒子16を担持させる。
【0053】
この第5の実施の形態の集塵用フィルタ部材1Eは、第3の実施の形態における繊維フィルタ部材12A,12B又は集塵用フィルタ部材1Eを、触媒粒子16の溶液に浸漬した後乾燥及び熱処理する等の方法により、無機繊維11A,11Bと超微粒子13A,13Bに白金等の触媒粒子16を担持させることにより作製される。
【0054】
これにより、集塵用フィルタ部材1Eは、図9に示すように、白金等の触媒粒子16が超微粒子13C,13Dのみならず、無機繊維11C,11Dにも担持されるようになり、第4の実施の形態の集塵用フィルタ部材1Dと同様な効果を奏することができる。
【0055】
次に第6の実施の形態の集塵用フィルタ部材10Fについて説明する。この集塵用フィルタ部材1Fでは、第3の実施の形態に加えて、無機繊維11A,11Bに白金等の触媒粒子16を担持させる。
【0056】
この第6の実施の形態の集塵用フィルタ部材1Fは、第3の実施の形態における繊維フィルタ部材12A,12Bを、超微粒子13A,13Bを担持させる前に、触媒粒子16の溶液に浸漬した後乾燥及び熱処理する等の方法により、無機繊維11A,11Bに白金等の触媒粒子16を担持させる。この担持後に、第3の実施の形態と同じ工程で、超微粒子13A,13Bを担持させる。
【0057】
これにより、集塵用フィルタ部材1Fは、図10に示すように、白金等の触媒粒子16と超微粒子13A,13Bが担持された無機繊維11E,11Fを積層した繊維フィルタ部材12E,12Fを有して構成されるようになり、第4の実施の形態の集塵用フィルタ部材1Dと同様な効果を奏することができる。
【0058】
〔実施例〕
また、本発明のフィルタの効果を確認するために、以下に述べるような実施例1〜3の集塵用フィルタ部材と、比較のための比較例1,2の集塵用フィルタ部材を作製し、PM粒子の捕集試験等を行った。
【0059】
実施例1の集塵用フィルタ部材は、PM粒子の中でも1μm以下の、特に粒径が100nmφ以下の超微細な粒子に対する捕集効率の向上を図って、粗繊維フィルタ部材と密繊維フィルタ部材を重ねて構成すると共に、下流側の密繊維フィルタ部材においては繊維に平均粒径が0.03μmφのγ−アルミナを担持させて構成した集塵用フィルタ部材であり、次のようにして作製された。
【0060】
繊維径が14μmφの炭化ケイ素繊維をフェルト状に積層して形成した粗繊維フィルタ部材を、第1繊維フィルタ部材とし、繊維径9μmφの炭化ケイ素繊維をフェルト状に積層して形成した密繊維フィルタを第2繊維フィルタ部材とし、この密繊維フィルタ部材を、エタノールとテトラエトキシシラン(TES)と蒸留水を重量比で0.5:6:3で混合した溶液中に平均粒径が0.03μmφのγ−アルミナを1mass%(1wt%)分散した担持溶液に浸漬した後、余分な溶液を除去してから大気中550℃で熱処理して第2繊維フィルタ部材を作製した。
【0061】
そして、第1繊維フィルタ部材に第2繊維フィルタ部材を積層して両側を金網で挟持して実施例1の集塵用フィルタ部材Aを作製し、さらに、蛇腹状に折り曲げ加工した後に収納ケースに入れて排気ガス浄化用の実施例1の排気ガス浄化装置を形成した。
【0062】
実施例2の集塵用フィルタ部材は、PM粒子の中でも特に粒径が0.5μmφ〜1μmφ前後と、更には0.5μmφ以下、好ましくは0.1μmφ以下の微細な粒子に対する捕集効率の向上を図って、粗と密の繊維フィルタ部材を重ねて構成すると共に、上流側の繊維フィルタ部材においては繊維に平均粒径が0.2μmφのα−アルミナを担持させ、下流側の繊維フィルタ部材においては繊維に平均粒径が0.03μmφのγ−アルミナを担持させて構成したフィルタであり、次のようにして作製された。
【0063】
繊維径が14μmφの炭化ケイ素繊維をフェルト状に積層して形成した粗繊維フィルタ部材を、エタノールとテトラエトキシシラン(TES)と蒸留水を重量比で0.5:6:3で混合した溶液中に平均粒径が0.2μmφのα−アルミナを1mass%(1wt%)分散した担持溶液に浸漬した後、余分な溶液を除去してから大気中550℃で熱処理して第1繊維フィルタ部材を作製した。
【0064】
この第1繊維フィルタ部材に、実施例1の第2繊維フィルタ部材と同様にして作製した第2繊維フィルタ部材を積層して両側を金網で挟持して実施例2の集塵用フィルタ部材Bを作製し、更に、蛇腹状に折り曲げ加工した後に収納ケースに入れて排気ガス浄化用の実施例2の排気ガス浄化装置を作製した。
【0065】
実施例3の集塵用フィルタ部材は、PMの燃焼除去の促進を図って、実施例2の集塵用フィルタ部材の第1繊維フィルタ部材と第2繊維フィルタ部材のアルミナ粒子のそれぞれに白金を担持させて形成した第1繊維フィルタ部材と第2繊維フィルタ部材を積層して両側を金網で挟持して実施例3の集塵用フィルタ部材Cを作製し、更に、蛇腹状に折り曲げ加工した後に収納ケースに入れて排気ガス浄化用の実施例3の排気ガス浄化装置を作製した。
【0066】
また、比較例1の集塵用フィルタ部材は、400cpiのコージェライトハニカム構造のフィルタを実施例の容積と同じ容積にして形成し、これを収納ケースに入れて排気ガス浄化用の比較例1の排気ガス浄化装置を作製した。
【0067】
また、比較例2の集塵用フィルタ部材は、繊維径14μmφの炭化ケイ素繊維を用いた粗繊維フィルタ部材と繊維径9μmφの炭化ケイ素繊維を用いた密繊維フィルタ部材を積層して両側を金網で挟持して比較例2の集塵用フィルタ部材を作製し、更に、蛇腹状に折り曲げ加工した後に収納ケースに入れて排気ガス浄化用の比較例2の排気ガス浄化装置を作製した。
【0068】
この比較例2の集塵用フィルタ部材は、表面ろ過(ケーキろ過)と深層ろ過との2つの集塵形式を有し、また、フィルタの空隙サイズの分布が広いので、PMの粒径分布において広い範囲でPMを捕集でき、ディーゼル13モードによるPM捕集結果では捕集効率は75〜84%、PM2.5(2.5μm以下の浮遊粒子状物質)に関しても80%近い捕集効率を示した。
【0069】
なお、コージェライトハニカムの比較例1の集塵用フィルタ部材は初期の状態から捕集効率が高いが、初期圧力損失が高く、目詰まりし易い。一方、繊維フィルタの比較例2の集塵用フィルタ部材は初期の捕集効率は比較例1よりも5%程低いが、初期圧力損失も低い。
【0070】
これらの比表面積を表1に示す。実施例1〜3の比表面積は、比較例1の比表面積に対して150〜200倍で、比較例2の比表面積に対して120〜150倍となった。
【0071】
【表1】
また、図11にPMの捕集試験の結果であるPMの捕集効率(重量比)を示すが、これにより、実施例1〜3(A,B,C)は、同じ繊維フィルタである比較例2(Y)に対して高い捕集効率を示し、特に実施例2,3(B,C)はコージェライトハニカムの比較例1(X)と同等以上の捕集効率を示した。また、この捕集効率の試験は500℃程度の排気ガス温度で行ったが、白金を担持した実施例3では試験中にフィルタの目詰まりが発生せず、白金がPMの燃焼を促す酸化触媒として十分に機能していることが分かった。
【0072】
この図11で、実施例1(A)が比較例1(X)よりも捕集効率が低いのは、主に捕集の対象としているPMの範囲が、比較例1(X),実施例2(B),実施例3(C)は粒径500nmφ〜1μmφ以上のPM粒子であるのに対して、比較例2(Y),実施例1(A)は粒径100nmφ以下のPM微細粒子であるため、比較例2(Y),実施例1(A)でPM微細粒子を捕集しても、重量基準の捕集効率にはその効果が表れないためである。
【0073】
また、図12にPMの粒径500nmφより小さいPM微細粒子の粒径別の捕集効率(粒子数)を測定した結果を示すが、これにより、PMのうちの微細な粒子の捕集効率は実施例1〜3(A,B,C)が比較例1,2(X,Y)に比べて著しく向上していることが分かる。
【0074】
そして、実施例1において、γアルミナの粒子径の平均粒子径(μm)を変化させた場合における比表面積(m2 /g)を表2に示す。
【0075】
【表2】
また、この比表面積をベースとしたPMの粒径別(37〜420nmφ)の捕集効率を図13に示す。この図13から、比表面積が大きくなる程、より微細な粒子の捕集効率が増加することが分かり、特に、比表面積で1m2 /g以上、平均粒子径で0.5μm以下であれば大きな捕集効率となることが分かった。
【0076】
また、実施例1において担持させる超微粒子の材料を変化させた場合における比表面積(m2 /g)を表3に示し、PMの粒径別捕集効率を図14に示す。図13と同様に比表面積が大きくなる程PM微細粒子の捕集効率が向上した。
【0077】
【表3】
次に、図15に「繊維表面に担持した粒子径/繊維径」をベースにした「繊維引張強度の変化率(%)」を示す。この図15は、繊維径を10μmφに固定し、粒子径を0.03〜2μmφとした時の図であるが、この図15より、繊維表面に担持した粒子径/繊維径が2μm/10μmつまり1/5を超えると繊維引張強度が急激に低下する結果となった。従って、繊維表面に担持する超微粒子の平均粒径は、繊維径の1/5以下にすることが好ましいことが分かる。
【0078】
また、図16に粒子径を0.01μmφ、繊維径を10μmφに固定し、繊維表面への粒子担持量(繊維1g当たりの担持した粒子重量(mg))と担持繊維の比表面積の関係を示す。この図16より粒子担持量を350mg/g以上に増しても担持繊維の比表面積は200m2 /gを大きく超えることはなかった。
【0079】
従って、これらの実施例の試験結果から、担持するセラミックス系超微粒子の平均粒径は0.5μm以下、比表面積は1m2 /g以上、「超微粒子の平均粒径/繊維径」は1/5以下が好ましいことが分かる。
【0080】
なお、上記では、ディーゼルエンジンの排気ガス用の集塵用フィルタ部材として説明し、超微粒子を担持した無機繊維を積層した繊維フィルタ部材を金網で挟持したものを集塵用フィルタとしているが、本発明の集塵用フィルタ部材は、この形式の集塵用フィルタに限定されるものではなく、また、金網を構成要件とするものでもない。
【0081】
また、集塵の対象もディーゼルパティキュレートフィルタに限定されるものではなく、これ以外の目的にも使用でき、集塵用フィルタ部材の使用条件に合わせて、繊維フィルタ部材に担持させる超微粒子の材料、担持する触媒の種類を選択できる。また、繊維フィルタ部材を構成する材料も集塵用フィルタ部材の使用条件に合わせて、種々選択できる。
【0082】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の集塵用フィルタ部材によれば、次のような効果を奏することができる。
【0083】
本発明の集塵用フィルタ部材は、フェルト状の繊維フィルタ部材を有して構成される集塵用フィルタ部材において、繊維フィルタ部材の繊維の表面にPMを吸着捕集するセラミックス系超微粒子を担持させて形成されるので、この繊維に担持させるセラミックス系超微粒子を0.2μmφ程度の比較的大きな超微粒子にすると、繊維表面に凹凸が形成され、この凹凸による慣性さえぎり効果が増大し、粒子径が1μm以上のPM粒子の捕集効率を向上することができる。また、0.03μmφ程度の高比表面積の比較的小さな超微粒子にすると、繊維の表面活性を大きくしてブラウン拡散効果による吸着捕集効果を上げることができ、粒子径が1μm以下のPM微細粒子の捕集効率を向上することができる。
【0084】
また、上流側に慣性さえぎり効果により捕集する層を設けたり、上流側と下流側で繊維に担持される超微粒子の平均粒径を変化させたりすることにより、上流側では主に慣性さえぎり機構によりPM中の比較的大きなPM粒子を捕集し、下流側ではブラウン拡散効果による吸着捕集によりPM中の比較的小さなPM微細粒子を効率良く捕集できるようになる。従って、PMを広い粒径の範囲で効率よく捕集できる。
【0085】
そして、上記の集塵用フィルタ部材において、繊維又は超微粒子の少なくとも一方に触媒粒子を担持することにより、担持した酸化触媒やPM酸化触媒やNOx還元触媒等の触媒作用によって、PMの燃焼を促進でき、また、NOx等の排気ガス中の有害成分も浄化できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態の集塵用フィルタ部材の構造を示す部分拡大図である。
【図2】図1の繊維フィルタ部材の繊維部分の拡大図である。
【図3】集塵用フィルタ部材の蛇腹状の折り曲げ状態を模式的に示す図である。
【図4】集塵用フィルタ部材を蛇腹状の折り曲げて収納ケースに収容した排気ガス浄化装置の構成を模式的に示す図である。
【図5】本発明に係る第2の実施の形態の集塵用フィルタ部材の構造を示す部分拡大図である。
【図6】本発明に係る第3の実施の形態の集塵用フィルタ部材の構造を示す部分拡大図である。
【図7】図6の集塵用フィルタ部材のPM捕集機構を模式的に示す図である。
【図8】本発明に係る第4の実施の形態の集塵用フィルタ部材の構造を示す、繊維フィルタ部材の繊維部分の拡大図である。
【図9】本発明に係る第5の実施の形態の集塵用フィルタ部材の構造を示す、繊維フィルタ部材の繊維部分の拡大図である。
【図10】本発明に係る第6の実施の形態の集塵用フィルタ部材の構造を示す、繊維フィルタ部材の繊維部分の拡大図である。
【図11】実施例と従来例の集塵用フィルタ部材のPM捕集率の経時変化を示す図である。
【図12】実施例と従来例の集塵用フィルタ部材のPM平均粒径と捕集効率の関係を示す図である。
【図13】実施例1の集塵用フィルタ部材における、比表面積と捕集効率の関係をPM平均粒径別に示す図である。
【図14】実施例1の集塵用フィルタ部材における、PM平均粒径と捕集効率の関係を超微粒子の材料別に示す図である。
【図15】実施例1の集塵用フィルタ部材における、超微粒子の平均粒径と繊維引張強度の変化率の関係を示す図である。
【図16】実施例1の集塵用フィルタ部材における、繊維表面への粒子担持量と担持繊維の比表面積率の関係を示す図である。
【符号の説明】
1A〜1F 排気ガス浄化装置
10A〜10F 集塵用フィルタ部材
11,11A〜11F 無機繊維
12,12A〜12F 繊維フィルタ部材
13,13A,13B 超微粒子
14 金網(耐熱金網)
16 触媒粒子
20 収納ケース
Claims (7)
- フェルト状の繊維フィルタ部材を有して構成される集塵用フィルタ部材において、前記繊維フィルタ部材の繊維の表面にガス中の微粒子状の物質を吸着捕集する超微粒子を担持した集塵用フィルタ部材。
- 前記超微粒子がセラミックス系材料で形成され、前記超微粒子の平均粒径が前記繊維の直径の1/5〜1/3000である請求項1記載の集塵用フィルタ部材。
- 前記超微粒子を担持した前記繊維フィルタ部材の比表面積が1m2 /g〜200m2 /gである請求項1又は2に記載の集塵用フィルタ部材。
- 前記超微粒子を担持した前記繊維フィルタ部材の上流側に慣性さえぎり効果により捕集する捕集部材を設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載の集塵用フィルタ部材。
- 上流側に設ける前記繊維フィルタ部材を粗に形成し、下流側に設ける前記繊維フィルタ部材を密に形成すると共に、上流側の前記繊維フィルタ部材の繊維径を下流側の前記繊維フィルタ部材の繊維径よりも太くし、かつ、上流側の前記繊維フィルタ部材の繊維に担持される前記超微粒子の平均粒径を、下流側の前記繊維フィルタ部材の繊維に担持される前記超微粒子の平均粒径よりも大きくした請求項1〜4のいずれか1項に記載の集塵用フィルタ部材。
- 前記繊維又は前記超微粒子の少なくとも一方に触媒粒子を担持した請求項1〜5のいずれか1項に記載の集塵用フィルタ部材。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の集塵用フィルタ部材を有して構成される排気ガス浄化装置。
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