【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エマルジョン粒子の機械的及び化学的安定性、更に塗膜の耐水性に優れたアクリル系樹脂エマルジョンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の大気汚染防止や作業環境改善等といった環境問題への対策として、従来の溶剤系に変わって水性樹脂エマルジョンが、建材等の塗料用途や接着剤・粘着剤用途等といった様々なところで使用されてきている。
かかる水性樹脂エマルジョンを製造するにあたっては、乳化重合法が一般的に行われているが、乳化重合により得られたエマルジョンには、水溶性の重合開始剤、分散剤や乳化剤が含まれるため、形成される塗膜は耐水性が低下し、水との接触により白化や剥離、強度低下といった問題を生じさせるものであった。
【0003】
これらの問題を解決する方法として、(1)モノマー相及び水性媒体中の溶存酸素をそれぞれ膜式脱酸素装置で脱酸素し、かつラジカル重合開始剤の量をラジカル重合性不飽和単量体に対し0.001〜0.1重量%とする合成樹脂エマルジョンの製造方法(例えば、特許文献1参照。)、(2)シリコーン分子の片末端に(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸及びその他のラジカル重合性単量体を共重合して得られるグラフト共重合体中のカルボキシル基の一部又は全部を、塩基で中和してなる水溶性グラフト共重合体からなる高分子乳化剤を用いるエマルジョンの製造方法(例えば、特許文献2参照。)、(3)水と単量体の一部と反応性乳化剤の一部とを入れた反応釜に、単量体の残りと反応性乳化剤の残りと水とを含む混合物を滴下して有機系重合開始剤によりラジカル重合する水性樹脂分散体の製造方法(例えば、特許文献3参照。)、(4)アクリル系モノマーを主成分とする重合性単量体を珪素含有有機化合物の存在下で、水溶性アゾ系重合開始剤及び難水溶性重合開始剤を用いて乳化重合するアクリル系重合体エマルジョンの製造方法(例えば、特許文献4参照。)等が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−155105号公報
【特許文献2】
特開平5−154369号公報
【特許文献3】
特開平5−209007号公報
【特許文献4】
特開2002−275203号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の開示技術では、水相及びモノマー相の溶存酸素を除去するという頻雑な操作が必要となり、特許文献2の開示技術では、シリコーン系のマクロモノマー等高価な原料を用いるため、用いる高分子乳化剤が高価となりコスト面で不利となり実用的ではなく、特許文献3の開示技術では、粒子径が極めて小さいため機械的な安定性が不充分となり、更に、特許文献4の開示技術では、水溶性及び水難溶性の開始剤を同時に用いることで耐水性がある程度改善されているものの機械的安定性が不充分であり、上記特許文献1〜4に開示の方法においてもまだまだ満足するものではなく、更なる改良が求められている。
【0006】
そこで、本発明ではこのような背景下において、エマルジョン粒子の機械的及び化学的安定性、更に塗膜の耐水性に優れたアクリル系樹脂エマルジョンを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
しかるに、本発明者等はかかる課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、水溶性ラジカル重合開始剤を用いてアクリル系単量体(A)を乳化重合してなるアクリル系樹脂水性エマルジョン[I]の存在下に、水難溶性ラジカル重合開始剤を用いてアクリル系単量体(B)を乳化重合する場合、得られるアクリル系樹脂エマルジョンが上記目的に合致することを見出し、本発明を完成した。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
【0009】
本発明で用いられるアクリル系単量体(A)及び(B)としては、特に限定されず、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルクロライド、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられ、更には、カルボキシル基含有アクリル系単量体、水酸基含有アクリル系単量体、エポキシ基含有アクリル系単量体、アミド基やメチロール基、カルボニル基、アセトアセチル基を含有するアクリル系単量体、エチレン性不飽和基を1分子中に2個以上含む多官能性アクリル系単量体、加水分解性シリル基含有アクリル系単量体等の官能基を有するアクリル系単量体等も挙げられ、これらが単独又は2種以上併用して使用される。アクリル系単量体(A)及び(B)は同一であっても、又異なっていても良い。
【0010】
上記のカルボキシル基含有アクリル系単量体としては、アクリル酸、アクリル酸ダイマー、メタクリル酸等が挙げられる。
【0011】
上記の水酸基含有アクリル系単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチルカルビトールアクリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェート、4−ブチルヒドロキシアクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸等が挙げられる。
【0012】
上記のエポキシ基含有アクリル系単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート、N−(4(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベンジル)アクリルアミド、ビスフェノールAジグリシジルエーテルモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0013】
上記のアミド基やメチロール基、カルボニル基、アセトアセチル基を含有するアクリル系単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ブトキシN−メチロールアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0014】
上記多官能性アクリル系単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシフォスフェート等が挙げられる。
【0015】
上記加水分解性シリル基含有アクリル系単量体としては、シリル基に少なくとも1つ以上のアルコキシ基を有したものであれば特に限定されず、例えば、γ−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリプロピオキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロピオキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシブチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシペンチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシヘキシルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシオクチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシデシルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシドデシルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシオクタデシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0016】
本発明では、必要に応じて、上記のアクリル系単量体以外の重合性不飽和単量体を共重合成分として使用することも可能で、かかる単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、エチレン、アルキルビニルエーテル、(メタ)アクリロニトリル、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられ、更には、カルボキシル基を含有する重合性不飽和単量体(例えば、クロトン酸、イタコン酸又はそのモノエステル、フマル酸又はそのモノエステル、(無水)マレイン酸又はそのモノエステル、シトラコン酸、リシノール酸、又はそれらの塩(アンモニウム塩、アミン塩、ナトリウム塩、カリウム塩)等)、水酸基を含有する重合性不飽和単量体(例えば、アリルアルコール等)、エポキシ基を含有する重合性不飽和単量体(例えば、アリルグリシジルエーテル等)、アミド基やメチロール基、カルボニル基、アセトアセチル基を含有する重合性不飽和単量体(例えば、アリルアセトアセテート等)、多官能性基を含有する重合性不飽和単量体(例えば、ジアリルテレフタレート、テトラアリルオキシエタン、ジビニルベンゼン、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、マレイン酸ジアリル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等)、加水分解性シリル基を含有する重合性不飽和単量体(例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジプロポキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン等)等も挙げられる。
【0017】
アクリル系樹脂水性エマルジョン[I]を調製する際に用いられる水溶性ラジカル重合開始剤としては、25℃の水に対する溶解度が3重量%以上、好ましくは3.5〜50重量%であれば特に限定されることはなく、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、2,2′−アゾビス〔2−メチル−N[1,1′−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド〕、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジハイドレイト、2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸の中和物、2,2′−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオンニトリル]等の水溶性アゾ系化合物、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、各種レドックス系触媒(この場合酸化剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が、還元剤としては亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、アスコルビン酸、モール塩等が用いられる。)等が挙げられる。中でも反応性や重合の制御が容易な点で、過硫酸塩や水溶性アゾ系化合物が好ましく、具体的には過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸の中和物が好ましく用いられる。
【0018】
アクリル系単量体(B)を乳化重合する際に用いられる水難溶性ラジカル重合開始剤としては、25℃の水に対する溶解度が3重量%未満、好ましくは0.01〜1重量%であれば特に限定されることはなく、アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の水難溶性有機過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1′−アゾビス−1−シクロヘキサン、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート等の水難溶性アゾ系化合物等が挙げられる。中でも重合中の反応性を制御しやすい点で、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドが好ましく用いられる。
【0019】
かくして本発明では、水溶性ラジカル重合開始剤を用いてアクリル系単量体(A)を乳化重合してなるアクリル系樹脂水性エマルジョン[I]の存在下に、水難溶性ラジカル重合開始剤を用いてアクリル系単量体(B)を乳化重合して、アクリル系樹脂エマルジョンを得るわけであるが、まず、かかるアクリル系樹脂水性エマルジョン[I]を調製するに当たっては、水溶性ラジカル重合開始剤を用いてアクリル系単量体を主成分とするアクリル系単量体(A)を、水媒体中において、乳化剤の存在下に重合する。
【0020】
水溶性ラジカル重合開始剤の使用量は、アクリル系単量体(A)の合計量100重量部に対して、0.03〜10重量部、更には0.05〜8重量部、特には0.1〜5重量部であることが好ましく、0.03重量部未満では重合速度が遅くなり、10重量部を越えると重合速度の制御が困難となり好ましくない。
【0021】
尚、該水溶性ラジカル重合開始剤の添加方式は重合缶内に予め加えておいてもよいし、重合開始直前に加えてもよいし、必要に応じて重合途中に追加添加してもよい。又、該重合開始剤の添加時の形状としては、アクリル系単量体(A)に予め添加したり、該単量体の乳化液に添加してもよく、更に重合開始剤を別途水やアルコール等の溶媒に溶解しておいてもよい。
【0022】
乳化重合時には、乳化剤が併用されることが有利であり、アクリル系単量体(A)を水媒体中に乳化させ得る機能を持つものであれば特には限定されず、反応性(イオン性、非イオン性)界面活性剤、非反応性(イオン性、非イオン性)界面活性剤等が挙げられるが、得られる塗膜の耐水性が向上する点で反応性界面活性剤が好ましい。
【0023】
反応性界面活性剤とは、アクリル系単量体(A)とラジカル反応性を有するイオン性、非イオン性の界面活性剤であればよく、該反応性界面活性剤としては、例えば、下記一般式(1)〜(11)のような構造をもつものが挙げられる。
【0024】
【化1】
【0025】
【化2】
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】
【化11】
【0035】
〔ここで、一般式(1)〜(11)において、R1はアルキル基、R2は水素又はメチル基、R3はアルキレン基、nは1以上の整数、m、lは1以上の整数(m+l=3)、XはH又はSO3NH4、SO3Naのいずれかである。〕
【0036】
上記界面活性剤として、アニオン型としては、例えば上記一般式(1)〜(11)において、XがSO3NH4、SO3Naのいずれかの場合であるが、具体的には、「アデカリアソープSE−20N」、「アデカリアソープSE−10N」、「アデカリアソープPP−70」、「アデカリアソープPP−710」、「アデカリアソープSR−10」、「アデカリアソープSR−20」〔以上、旭電化工業社製〕、「エレミノールJS−2」、「エレミノールRS−30」〔以上、三洋化成工業社製〕、「ラテムルS−180A」、「ラテムルS−180」、「ラテムルPD−104」〔以上、花王社製〕、「アクアロンBC−05」、「アクアロンBC−10」、「アクアロンBC−20」、「アクアロンHS−05」、「アクアロンHS−10」、「アクアロンHS−20」、「ニューフロンティアS−510」、「アクアロンKH−05」、「アクアロンKH−10」〔以上、第一工業製薬社製〕、「フォスフィノ−ルTX」〔東邦化学工業社製〕等の市販品が挙げられる。
【0037】
又、ノニオン型としては、例えば上記一般式(1)〜(5)、(8)〜(11)において、Xが水素の場合であるが、具体的には、「アデカリアソープNE−10」、「アデカリアソープNE−20」、「アデカリアソープNE−30」、「アデカリアソープNE−40」、「アデカリアソープER−10」、「アデカリアソープER−20」、「アデカリアソープER−30」、「アデカリアソープER−40」〔以上、旭電化工業社製〕、「アクアロンRN−10」、「アクアロンRN−20」、「アクアロンRN−30」、「アクアロンRN−50」〔以上、第一工業製薬社製〕等の市販品が挙げられる。
【0038】
かかる乳化剤の中でも、上記アクリル系単量体(A)との反応が良好であり、エマルジョンの安定性がよく、塗膜の耐水性にも優れる点でアルキルフェノール構造を有さない反応性界面活性剤、例えば、上記一般式(3)、(4)、(5)、(8)、(9)、(10)等で示される構造の界面活性剤、具体的には、「アデカリアソープSR−10」、「アデカリアソープSR−20」、「エレミノールJS−2」、「エレミノールRS−30」、「ラテムルS−180A」、「ラテムルS−180」、「ラテムルPD−104」、「アクアロンKH−05」、「アクアロンKH−10」等が好適であり、1種又は2種以上併用して用いられる。
【0039】
かかる乳化剤の使用量は、アクリル系単量体(A)100重量部に対して、0.5〜30重量部、更には1〜20重量部、特には2〜15重量部であることが好ましい。該乳化剤が0.5重量部未満では乳化重合が不安定となり、30重量部を越えると塗膜の耐水性が低下することとなり好ましくない。
尚、乳化剤はアクリル系単量体(A)そのものに添加したり、単量体の乳化液に配合したりした状態で重合缶に添加したり、予め重合缶の水媒体中に溶解しておいたりしてもよく、又、これらを併用してもよい。
【0040】
又、必要に応じて、反応性を有しないアニオン型乳化剤や、反応性を有しないノニオン型乳化剤を併用することもできる。
反応性を有しないアニオン型乳化剤としては、例えばアルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
反応性を有しないノニオン型乳化剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸等が挙げられる。
【0041】
又、必要に応じて、重合時のpH調整のため、pH緩衝剤を併用してもよく、該pH緩衝剤の使用量は、アクリル系単量体(A)100重量部に対して0〜10重量部、特には0〜3重量部であることが好ましい。
かかるpH緩衝剤としては、pH緩衝作用を有するものであれば特に制限されないが、具体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、蟻酸ナトリウム、ギ酸アンモニウム等が挙げられる。
【0042】
重合用媒体として水が使用されるが、水とアクリル系単量体(A)との使用割合は、水100重量部に対してアクリル系単量体(A)が0.05〜50重量部、特には0.1〜30重量部であることが好ましい。水の使用割合が上記範囲未満では得られるエマルジョンが高粘度となり、又、重合安定性も低下することとなり、上記範囲を越えると重合安定性が低下したり、最終的に得られるアクリル系樹脂エマルジョンの品質が安定しにくくなる場合があり好ましくない。
【0043】
本発明において、重合を開始するに当たっては、アクリル系単量体(A)に、乳化剤(又は乳化剤の一部)を溶解させたり、又は、乳化させた状態として使用するのが重合安定性の点で好ましい。
かかる乳化液の調製方法としては、特に限定されないが、乳化剤水溶液に上記アクリル系単量体(A)を一括又は分割して仕込み撹拌乳化する方法が実用的である。
【0044】
上記乳化液の調製の際の撹拌は、ホモディスパー、パドル翼等の撹拌翼を取り付けた撹拌装置を用いて行うことができ、乳化時の温度は、乳化中に混合物が反応しない程度の温度であれば問題なく、通常5〜60℃程度が適当である。
【0045】
かくして、上記アクリル系単量体(A)を上記水溶性ラジカル重合開始剤及び乳化剤の存在下に重合させるのであるが、その方法としては、
(1)アクリル系単量体(A)、乳化剤、水等の全量を仕込み、昇温し重合する。
(2)重合缶に水、乳化剤、アクリル系単量体(A)の一部を仕込み、昇温し重合した後、残りのアクリル系単量体(A)を滴下又は分割添加して重合を継続する。
(3)重合缶に水、乳化剤等を仕込んでおき昇温した後、アクリル系単量体(A)を全量滴下又は分割添加して重合する。
等が挙げられる。重合開始剤は、一括又は分割して仕込む等、任意の方法が採用される。
【0046】
上記重合方法における重合条件としては、特に限定されないが、例えば、
(1)の方法では、通常40〜100℃程度の温度範囲が適当であり、昇温開始後0.1〜6時間程度反応を行う。
(2)の方法では、アクリル系単量体(A)の1〜50重量%を40〜90℃で0.1〜3時間重合した後、残りのアクリル系単量体(A)を0.5〜3時間程度かけて滴下又は分割添加して反応する。その後必要に応じて同温度で0.5〜3時間程度熟成する。
(3)の方法では、重合缶に水を仕込み、40〜90℃に昇温し、アクリル系単量体(A)の混合物を0.5〜6時間程度かけて滴下又は分割添加し反応する。その後必要に応じて同温度で0.5〜3時間程度熟成する。
【0047】
かくしてアクリル系樹脂水性エマルジョン[I]が調製されるが、かかる水性エマルジョン[I]の樹脂成分の平均粒子径については0.01〜0.5μmの微粒子であることが好ましく、0.01μm未満では安定性が低下し、0.5μmを越えると耐水性が得難く好ましくない。
又、該水性エマルジョン[I]の固形分濃度は0.5〜60重量%とすることが好ましく、特には1〜50重量%が好ましく、0.5重量%未満では最終的に得られるアクリル系樹脂エマルジョンの品質が安定しにくくなり、60重量%を越えるとアクリル系単量体(B)重合時の安定性が低下し好ましくない。
【0048】
本発明では、上記アクリル系樹脂水性エマルジョン[I]の存在下に、水難溶性ラジカル重合開始剤を用いてアクリル系単量体(B)を乳化重合してアクリル系樹脂エマルジョンを得るわけであるが、かかる方法について以下に説明する。
【0049】
上記アクリル系樹脂水性エマルジョン[I]の存在下でのアクリル系単量体(B)の重合に当たっては、特に限定されないが、アクリル系単量体(B)を予備乳化させた水性乳化液を上記水性エマルジョン[I]が存在する系に仕込んで重合することが、重合安定性の点から好ましい。
【0050】
予備乳化させた水性乳化液を得る際には乳化剤を用いることが好ましく、かかる乳化剤としては、上記の乳化剤と同様のものが挙げられるが、上記アクリル系単量体(B)との反応が良好であり、エマルジョンの安定性がよく、塗膜の耐水性にも優れる点でアルキルフェノール構造を有さない反応性界面活性剤、例えば、上記一般式(3)、(4)、(5)、(8)、(9)、(10)等で示される構造の界面活性剤、具体的には、「アデカリアソープSR−10」、「アデカリアソープSR−20」、「エレミノールJS−2」、「エレミノールRS−30」、「ラテムルS−180A」、「ラテムルS−180」、「ラテムルPD−104」、「アクアロンKH−05」、「アクアロンKH−10」等が好適であり、1種又は2種以上併用して用いられる。
【0051】
本発明で、アクリル系単量体(B)を予備乳化させた水性乳化液を重合するに際しては水難溶性ラジカル重合開始剤が用いられる。
該水難溶性ラジカル重合開始剤は重合缶内に予め加えておいてもよいし、重合開始直前に加えてもよいし、必要に応じて重合途中に追加添加してもよい。又、添加時の状態としては、アクリル系単量体(B)に予め添加しておいたり、該アクリル系単量体(B)の乳化液に添加しておいてもよい。かかるアクリル系単量体(B)と共存させて使用する以外に、水難溶性ラジカル重合開始剤を別途溶媒に溶解したり、乳化状にして添加することも勿論可能である。
【0052】
乳化重合時には、乳化剤が併用されることが好ましく、乳化剤の配合量は、アクリル系単量体(B)100重量部に対して0.3〜7重量部、更には0.5〜5重量部であることが好ましい。0.3重量部未満では、充分な乳化性能を保持できず重合安定性が低下することとなり、7重量部を越えると塗膜の耐水性が低下することとなり好ましくない。
【0053】
乳化重合時の水の使用量は、アクリル系単量体(B)100重量部に対して30〜400重量部が好ましく、更には35〜200重量部とすることが好ましく、30重量部未満ではアクリル系樹脂エマルジョンが高粘度となり、又、重合安定性も低下することとなり、400重量部を越えると生成するアクリル系樹脂エマルジョンの濃度が低くなり、塗膜化する際の乾燥性が低下し好ましくない。
【0054】
水難溶性ラジカル重合開始剤の使用量は、アクリル系単量体(B)100重量部に対して0.03〜5重量部、更には0.04〜3重量部、特には0.05〜2重量部であることが好ましく、かかる使用量が上記範囲より少ない場合は重合速度が遅くなり、上記範囲を越えると重合温度の制御が困難となり好ましくない。
【0055】
重合に当たっては、例えばアクリル系樹脂水性エマルジョン[I]とアクリル系単量体(B)の水性乳化液を混合した後、そのまま昇温して重合する方法、アクリル系樹脂水性エマルジョン[I]中にアクリル系単量体(B)の水性乳化液の一部を混合し昇温して重合を開始し、残りの水性乳化液を全量滴下又は、分割、連続滴下して重合を継続する方法、アクリル系樹脂水性エマルジョン[I]の存在下にアクリル系単量体(B)の水性乳化液を滴下又は分割、連続滴下して重合する方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
重合の温度は、特に制限されないが、通常40〜90℃程度の範囲で行うことが好ましい。
【0056】
又、本発明のアクリル系樹脂エマルジョンの製造において、上記アクリル系樹脂水性エマルジョン[I]の調製時に使用するアクリル系単量体(A)の割合が、アクリル系単量体の全使用量に対して0.1〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは0.3〜40重量%、特に好ましくは0.5〜30重量%である。かかるアクリル系樹脂水性エマルジョン[I]の調製時に使用するアクリル系単量体(A)の割合が0.1重量%未満では重合中の系が不安定となり、50重量%を越えると塗膜の耐水性等が低下する傾向があり好ましくない。
【0057】
かくして本発明のアクリル系樹脂エマルジョンが得られるわけであるが、かかるエマルジョンの平均粒子径は0.05〜1μm、特には0.08〜0.5μmの微粒子であることが好ましく、0.05μm未満では機械安定性が劣り、1μmを越えると耐水性が低下し好ましくない。
【0058】
かかるアクリル系樹脂エマルジョンには、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で公知の連鎖移動剤、消泡剤、防腐剤、防錆剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、造膜助剤等を添加してもよい。
又、得られたアクリル系樹脂エマルジョンを用いて塗膜を形成する場合、塗膜を硬化し、耐水性や耐溶剤性を向上させるために架橋剤を添加してもよく、かかる架橋剤としては、例えばイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、ヒドラジン系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、アジリジン系化合物、金属塩や金属錯塩等が挙げられる。
【0059】
本発明の方法により得られるアクリル系樹脂エマルジョンは、エマルジョン粒子の機械的及び化学的安定性に優れ、更に塗膜の耐水性にも非常に優れた効果を示すものであり、特に建材塗料、接着剤、粘着剤、紙コーティング剤等、様々な用途に有用である。
【0060】
【実施例】
以下、本発明について具体的に説明する。
尚、実施例中、「%」、「部」とあるのは特に断りのない限り、重量基準を意味する。
【0061】
実施例1
[アクリル系樹脂水性エマルジョン[I]の調製]
コンデンサー、温度計、撹拌翼を備えた反応缶に、水100部、アニオン型反応性界面活性剤(旭電化社製、「アデカリアソープSR−10」)0.25部、メチルメタクリレート(A)2部、n−ブチルアクリレート(A)0.9部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.1部を仕込み、窒素置換した後、70℃まで昇温し、次いで、水溶性ラジカル重合開始剤として過硫酸アンモニウムの10%水溶液0.6部を添加して0.5時間重合を行い、水性エマルジョン[I]104.1部を得た(樹脂分3.4%、エマルジョン粒子の平均粒子径0.03μm)。
【0062】
[アクリル系樹脂エマルジョンの製造]
水難溶性ラジカル重合開始剤として2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル0.3部を、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル(ダウケミカル社製、「ダワノールDPNB」)1部及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(イーストマンコダック社製、「テキサノール」)1部の混合物に溶解し、更に水0.8部とアニオン型反応性界面活性剤(旭電化社製、「アデカリアソープSR−10」)0.1部を混合して水難溶性ラジカル重合開始剤の乳化液3.2部を調製した。
次に、水47部、メチルメタクリレート(B)68部、n−ブチルアクリレート(B)26部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン3部及びアニオン型反応性界面活性剤(旭電化社製、「アデカリアソープSR−10」)2部を混合して予備乳化した水性乳化液146部と、上記水難溶性ラジカル重合開始剤の乳化液3.2部を、上記の水性エマルジョン[I]104.1部中に、それぞれ3時間かけて滴下しながら、70℃で重合を行った。滴下終了後、更に2時間重合を続け、アクリル系樹脂エマルジョンを得た。
得られたアクリル系樹脂エマルジョンについて以下の評価を行った。
【0063】
(不揮発分)
JIS K6828に準拠する条件にて不揮発分を測定した。
(粘度)
JIS K7117に準拠する回転粘度計及び条件を用いて25℃にて粘度を測定した。
(平均粒子径)
大塚電子レーザー光散乱粒子径測定機「DLS−700」を用いて測定した。
【0064】
(粗粒子量)
得られたアクリル系樹脂エマルジョンを200meshの金網で濾過し、濾過残分を105℃で1時間乾燥して得られた粗粒子の重量をエマルジョン100gに対する重量で示した。
【0065】
(放置安定性)
得られたエマルジョンを室温で3ヶ月放置して、状態を目視で観察し、以下の通り評価した。
○・・・変化なし
△・・・やや粘度上昇あり
×・・・粘度上昇又はゲル化あり
【0066】
(機械的安定性)
得られたエマルジョンの50gを、JIS K6828に準拠する試験機(安田精機製作所社製、「マロン試験機」)及び測定法を用いて、荷重10kgで10分間の試験を行い、発生する凝集物の重量をエマルジョン100gに対する重量で評価した。
【0067】
(化学的安定性)
得られたエマルジョンを濃度が0.2%になるようにイオン交換水で希釈し、かかる希釈されたエマルジョン10ccに、各濃度の塩化カルシウム水溶液を混合し、30℃で1時間放置した後の沈殿物の生成具合を観察し、沈殿物が生ずる塩化カルシウムの最低濃度(混合後の塩化カルシウムの濃度)(ミリモル/l)を求め、以下の通り評価した。
○・・・塩化カルシウムの最低濃度が500ミリモル/lでも沈殿物なし。
△・・・塩化カルシウムの最低濃度が100〜500ミリモル/l未満で沈殿物が生じた。
×・・・塩化カルシウムの最低濃度が100ミリモル/l未満で沈殿物が生じた。
【0068】
(耐水性)
得られたアクリル系樹脂エマルジョンに造膜助剤(ダウケミカル社製、「ダワノールDPNB」)を該エマルジョンに対して7%添加し、1日放置した後、該液をガラス板に乾燥膜厚30μmとなるようにアプリケーターで塗工し、120℃で10分間乾燥後、イオン交換水に50℃で7日間浸漬後の表面状態を目視で観察し、以下の通り評価した。
◎・・・白化、膨れは全く認められなかった。
○・・・わずかに白化が認められたが、膨れは認められなかった。
△・・・白化や膨れが認められた。
×・・・白化や膨れが進行し、ところどころで溶出していた。
【0069】
実施例2
[アクリル系樹脂水性エマルジョン[I]の調製]
コンデンサー、温度計、撹拌翼を備えた反応缶に、水100部、アニオン型反応性界面活性剤(旭電化社製、「アデカリアソープSR−10」)0.25部、メチルメタクリレート(A)2部、n−ブチルアクリレート(A)0.9部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.1部を仕込み、窒素置換した後、70℃まで昇温し、次いで、水溶性ラジカル重合開始剤として過硫酸アンモニウムの10%水溶液0.6部を添加して0.5時間重合を行い、水性エマルジョン[I]104.1部を得た(樹脂分3.4%、エマルジョン粒子の平均粒子径0.03μm)。
【0070】
[アクリル系樹脂エマルジョンの製造]
水難溶性ラジカル重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.2部をメチルメタクリレート68部、n−ブチルアクリレート26部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン3部に溶解させ、次に、水47部、及びアニオン型反応性界面活性剤(旭電化社製、「アデカリアソープSR−10」)2部と混合し、予備乳化した水性乳化液146.2部を、上記の水性エマルジョン[I]104.1部中に、それぞれ3時間かけて滴下しながら、70℃で重合を行った。滴下終了後、更に2時間重合を続け、アクリル系樹脂エマルジョンを得た。
得られたアクリル系樹脂エマルジョンについて実施例1と同様の評価を行った。
【0071】
実施例3
[アクリル系樹脂水性エマルジョン[I]の調製]
コンデンサー、温度計、撹拌翼を備えた反応缶に、水100部、アニオン型反応性界面活性剤(旭電化社製、「アデカリアソープSR−10」)0.25部、メチルメタクリレート(A)2部、n−ブチルアクリレート(A)0.9部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.1部を仕込み、窒素置換した後、70℃まで昇温し、次いで、水溶性ラジカル重合開始剤としてアンモニア水で中和した4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸の中和物の10%水溶液(pH7.5)0.6部を添加して0.5時間重合を行い、水性エマルジョン[I]104.1部を得た(樹脂分3.4%、エマルジョン粒子の平均粒子径0.03μm)。
【0072】
[アクリル系樹脂エマルジョンの製造]
水難溶性ラジカル重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.3部を、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル(ダウケミカル社製、「ダワノールDPNB」)1部及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(イーストマンコダック社製、「テキサノール」)1部の混合物に溶解し、更に水0.8部とアニオン型反応性界面活性剤(旭電化社製、「アデカリアソープSR−10」)0.1部を混合して水難溶性ラジカル重合開始剤の乳化剤3.2部を調製した。
次に、水47部、メチルメタクリレート(B)68部、n−ブチルアクリレート(B)26部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン3部及びアニオン型反応性界面活性剤(旭電化社製、「アデカリアソープSR−10」)2部を混合して予備乳化した水性乳化液146部と、上記水難溶性ラジカル重合開始剤の乳化液3.2部を、上記の水性エマルジョン[I]104.1部中に、それぞれ3時間かけて滴下しながら、70℃で重合を行った。滴下終了後、更に2時間重合を続け、アクリル系樹脂エマルジョンを得た。
得られたアクリル系樹脂エマルジョンについて実施例1と同様の評価を行った。
【0073】
比較例1
実施例1において、水難溶性ラジカル重合開始剤の乳化液3.2部の代わりに、過硫酸アンモニウム10%水溶液1.4部を用いた以外は同様にして重合を行い、アクリル系樹脂エマルジョンを得た。
得られたアクリル系樹脂エマルジョンについて実施例1と同様の評価を行った。
【0074】
比較例2
実施例1において、水性エマルジョン[I]の調製に用いた過硫酸アンモニウムの10%水溶液0.6部の代わりに、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル0.1部を、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル(ダウケミカル社製、「ダワノールDPNB」)0.35部及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(イーストマンコダック社製、「テキサノール」)0.35部の混合物に溶解し、更に水0.3部とアニオン型反応性界面活性剤(旭電化社製、「アデカリアソープSR−10」)0.05部を混合して得た水難溶性ラジカル重合開始剤の乳化液1.15部を用いた以外は同様にして重合を行ったが、重合途中で系に多量の凝集物が発生しアクリル系樹脂エマルジョンを得ることができなかった。
【0075】
比較例3
反応缶に水100部、アニオン型反応性界面活性剤(旭電化社製、「アデカリアソープSR−10」)0.5部を仕込み、70℃に昇温した後に、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.125部及び過硫酸アンモニウムの10%水溶液0.05部を添加した。次に、水48部、メチルメタクリレート70部、n−ブチルアクリレート27部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン3部、アニオン型反応性界面活性剤(旭電化社製、「アデカリアソープSR−10」)2部の乳化液を、反応缶中に3時間掛けて滴下しながら70℃で重合を行った。滴下終了後、更に2時間重合を続け、アクリル系樹脂エマルジョンを得た。得られたアクリル系樹脂エマルジョンについて実施例1と同様の評価を行った。
実施例及び比較例の結果を表1及び2に示す。
【0076】
【表1】
注)比較例2ではアクリル系樹脂エマルジョンが得られなかった。
【0077】
【表2】
注)比較例2ではアクリル系樹脂エマルジョンが得られなかった。
【0078】
【発明の効果】
本発明のアクリル系樹脂エマルジョンは、水溶性ラジカル重合開始剤を用いてアクリル系単量体(A)を乳化重合してなるアクリル系樹脂水性エマルジョン[I]の存在下に、水難溶性ラジカル重合開始剤を用いてアクリル系単量体(B)を乳化重合して製造されるため、エマルジョン粒子の機械的及び化学的安定性に優れ、更に塗膜の耐水性にも非常に優れた効果を示すものであり、特に建材塗料、接着剤、粘着剤、紙コーティング剤等、様々な用途に有用である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a method for producing an acrylic resin emulsion having excellent mechanical and chemical stability of emulsion particles and water resistance of a coating film.
[0002]
[Prior art]
As a countermeasure against environmental problems such as air pollution prevention and work environment improvement in recent years, aqueous resin emulsions have been used in various places such as coating materials for building materials and adhesives / adhesives instead of conventional solvent systems. ing.
In producing such an aqueous resin emulsion, an emulsion polymerization method is generally performed, but the emulsion obtained by the emulsion polymerization contains a water-soluble polymerization initiator, a dispersant and an emulsifier, and thus is formed. The resulting coating film had reduced water resistance, and caused problems such as whitening, peeling, and reduced strength due to contact with water.
[0003]
As a method for solving these problems, (1) the dissolved oxygen in the monomer phase and the aqueous medium is each deoxygenated by a membrane deoxygenator, and the amount of the radical polymerization initiator is changed to the radical polymerizable unsaturated monomer. A method for producing a synthetic resin emulsion with a content of 0.001 to 0.1% by weight (for example, see Patent Document 1), (2) a macromonomer having a (meth) acryloyl group at one end of a silicone molecule, α, β A water-soluble graft copolymer obtained by neutralizing a part or all of the carboxyl groups in a graft copolymer obtained by copolymerizing an ethylenically unsaturated carboxylic acid and other radically polymerizable monomers with a base; A method for producing an emulsion using a polymer emulsifier consisting of a coalescence (see, for example, Patent Document 2); Rest of the body A method for producing an aqueous resin dispersion in which a mixture containing water and the remainder of a reactive emulsifier and water is dropped and radically polymerized with an organic polymerization initiator (see, for example, Patent Document 3). A method for producing an acrylic polymer emulsion in which a polymerizable monomer as a component is emulsion-polymerized using a water-soluble azo polymerization initiator and a poorly water-soluble polymerization initiator in the presence of a silicon-containing organic compound (for example, Patent Reference 4) has been proposed.
[0004]
[Patent Document 1]
JP 2002-155105 A
[Patent Document 2]
JP-A-5-154369
[Patent Document 3]
JP-A-5-209007
[Patent Document 4]
JP 2002-275203 A
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, the technology disclosed in Patent Document 1 requires a frequent operation of removing dissolved oxygen in the aqueous phase and the monomer phase, and the technology disclosed in Patent Document 2 uses expensive raw materials such as silicone-based macromonomers. However, the polymer emulsifier used is expensive and disadvantageous in terms of cost, which is not practical. In the technology disclosed in Patent Document 3, the mechanical stability becomes insufficient due to the extremely small particle size. In the above, although water resistance is improved to some extent by simultaneously using a water-soluble and poorly water-soluble initiator, mechanical stability is insufficient, and the method disclosed in Patent Documents 1 to 4 is still satisfactory. Instead, further improvements are required.
[0006]
In view of the above, an object of the present invention is to provide an acrylic resin emulsion having excellent mechanical and chemical stability of emulsion particles and excellent water resistance of a coating film in such a background.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
However, the present inventors have conducted intensive studies in order to solve such problems, and as a result, an aqueous acrylic resin emulsion [I] obtained by emulsion-polymerizing an acrylic monomer (A) using a water-soluble radical polymerization initiator [I In the case where the acrylic monomer (B) is emulsion-polymerized using a poorly water-soluble radical polymerization initiator in the presence of], it has been found that the obtained acrylic resin emulsion meets the above object, and the present invention has been completed. .
[0008]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described specifically.
[0009]
The acrylic monomers (A) and (B) used in the present invention are not particularly limited. For example, methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, isopropyl (meth) acrylate, n-butyl (meth) Acrylate, isobutyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, n-hexyl (meth) acrylate, lauryl (meth) acrylate, tridecyl (meth) acrylate, stearyl (meth) acrylate, cyclohexyl (meth) acrylate, n- Octyl (meth) acrylate, isobornyl (meth) acrylate, dicyclopentanyl (meth) acrylate, (meth) acryl chloride, (meth) acrylonitrile, and the like. Further, a carboxyl group-containing acrylic monomer and a hydroxyl group-containing Acrylic monomer, Acrylic monomer containing epoxy group, Acrylic monomer containing amide group, methylol group, carbonyl group, acetoacetyl group, and 2 or more ethylenically unsaturated groups in one molecule Acrylic monomers having a functional group, such as polyfunctional acrylic monomers and hydrolyzable silyl group-containing acrylic monomers, may also be used, and these may be used alone or in combination of two or more. The acrylic monomers (A) and (B) may be the same or different.
[0010]
Examples of the carboxyl group-containing acrylic monomer include acrylic acid, acrylic acid dimer, and methacrylic acid.
[0011]
Examples of the hydroxyl-containing acrylic monomer include 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 2-hydroxypropyl (meth) acrylate, ethyl carbitol acrylate, tripropylene glycol (meth) acrylate, and 1,4-butylene glycol mono. (Meth) acrylate, 2-hydroxy-3-chloropropyl (meth) acrylate, glycerol mono (meth) acrylate, 2-hydroxyethyl acryloyl phosphate, 4-butylhydroxy acrylate, caprolactone-modified 2-hydroxyethyl acrylate, polyethylene glycol mono (Meth) acrylate, polypropylene glycol mono (meth) acrylate, 2-hydroxy-3-phenoxypropyl acrylate, 2-acryloyloxyethyl Click acid.
[0012]
Glycidyl (meth) acrylate, N- (4 (2,3-epoxypropoxy) -3,5-dimethylbenzyl) acrylamide, bisphenol A diglycidyl ether mono (meth) Acrylate and the like.
[0013]
Examples of the acrylic monomer containing an amide group, a methylol group, a carbonyl group, and an acetoacetyl group include acrylamide, methacrylamide, N-methylol (meth) acrylamide, butoxy N-methylolacrylamide, diacetone acrylamide, (Acetoacetoxy) ethyl (meth) acrylate and the like.
[0014]
Examples of the polyfunctional acrylic monomer include ethylene glycol di (meth) acrylate, diethylene glycol di (meth) acrylate, triethylene glycol di (meth) acrylate, polyethylene glycol di (meth) acrylate, and propylene glycol di (meth) acrylate. Acrylate, dipropylene glycol di (meth) acrylate, tripropylene glycol di (meth) acrylate, polypropylene glycol di (meth) acrylate, 1,3-butylene glycol di (meth) acrylate, 1,4-butanediol di (meth) Acrylate, 1,6-hexanediol di (meth) acrylate, 1,9-nonanediol di (meth) acrylate, neopentyl glycol di (meth) acrylate, trimethylolpropane tri ( Data) acrylate, pentaerythritol tri (meth) acrylate, pentaerythritol tetra (meth) acrylate, glycerin methacrylate acrylate, glycerin di (meth) acrylate, tris (meth) acryloyloxy phosphate and the like.
[0015]
The hydrolyzable silyl group-containing acrylic monomer is not particularly limited as long as the silyl group has at least one alkoxy group. For example, γ- (meth) acryloxyethyltrimethoxysilane Γ- (meth) acryloxyethyltriethoxysilane, γ- (meth) acryloxypropyltrimethoxysilane, γ- (meth) acryloxypropyltriethoxysilane, γ- (meth) acryloxypropylmethyldimethoxysilane, γ -(Meth) acryloxypropyldimethylmethoxysilane, γ- (meth) acryloxypropylmethyldiethoxysilane, γ- (meth) acryloxypropyldimethylethoxysilane, γ- (meth) acryloxypropyltripropoxysilane, γ -(Meth) acryloxypropylmethyldipropioki Silane, γ- (meth) acryloxypropyltributoxysilane, γ- (meth) acryloxybutyltrimethoxysilane, γ- (meth) acryloxypentyltrimethoxysilane, γ- (meth) acryloxyhexyltrimethoxysilane, γ- (meth) acryloxyhexyltriethoxysilane, γ- (meth) acryloxyoctyltrimethoxysilane, γ- (meth) acryloxydecyltrimethoxysilane, γ- (meth) acryloxydodecyltrimethoxysilane, γ- (Meth) acryloxyoctadecyltrimethoxysilane and the like.
[0016]
In the present invention, if necessary, a polymerizable unsaturated monomer other than the above acrylic monomer can be used as a copolymer component. Examples of such a monomer include styrene and α-methylstyrene. , Vinyl acetate, vinyl propionate, vinyl chloride, ethylene, alkyl vinyl ether, (meth) acrylonitrile, dialkyl itaconate, dialkyl fumarate, dialkyl maleate, and the like. Further, a polymerizable compound containing a carboxyl group Unsaturated monomers (for example, crotonic acid, itaconic acid or its monoester, fumaric acid or its monoester, (anhydride) maleic acid or its monoester, citraconic acid, ricinoleic acid, or a salt thereof (ammonium salt, amine Salt, sodium salt, potassium salt) etc.), polymerizable with hydroxyl group Saturated monomers (for example, allyl alcohol, etc.), polymerizable unsaturated monomers containing an epoxy group (for example, allyl glycidyl ether, etc.), polymerizable containing amide group, methylol group, carbonyl group, acetoacetyl group Unsaturated monomers (eg, allyl acetoacetate, etc.), polymerizable unsaturated monomers containing a polyfunctional group (eg, diallyl terephthalate, tetraallyloxyethane, divinylbenzene, tri (meth) allyl isocyanurate, A diallyl maleate, a pentaerythritol triallyl ether), a polymerizable unsaturated monomer containing a hydrolyzable silyl group (for example, vinyltrimethoxysilane, vinyltriethoxysilane, vinyltripropoxysilane, vinylmethyldimethoxysilane, Vinylmethyldiethoxysilane, vinylmethyldi And propoxysilane and vinyltri (2-methoxyethoxy) silane.
[0017]
The water-soluble radical polymerization initiator used in preparing the aqueous acrylic resin emulsion [I] is not particularly limited as long as its solubility in water at 25 ° C. is 3% by weight or more, preferably 3.5 to 50% by weight. And persulfates such as potassium persulfate, sodium persulfate and ammonium persulfate, 2,2'-azobis [2-methyl-N- (2-hydroxyethyl) -propionamide], 2,2 ' -Azobis [2-methyl-N [1,1'-bis (hydroxymethyl) ethyl] propionamide], 2,2'-azobis (2-methylpropionamide) dihydrate, 2,2'-azobis [2- ( 2-imidazolin-2-yl) propane], neutralized product of 4,4'-azobis-4-cyanovaleric acid, 2,2'-azobis [2- (hydroxymethyl) pro Onitrile], organic peroxides such as t-butyl hydroperoxide, and various redox catalysts (in this case, oxidizing agents include ammonium persulfate, potassium persulfate, sodium persulfate, and hydrogen peroxide). , T-butyl hydroperoxide and the like, and examples of the reducing agent include sodium sulfite, sodium acid sulfite, Rongalit, ascorbic acid, Mohr's salt, etc.). Among them, persulfates and water-soluble azo compounds are preferable in terms of easy control of the reactivity and polymerization, and specific examples thereof include ammonium persulfate, potassium persulfate, and 4,4'-azobis-4-cyanovaleric acid. A Japanese product is preferably used.
[0018]
As the poorly water-soluble radical polymerization initiator used when emulsion-polymerizing the acrylic monomer (B), the solubility in water at 25 ° C is less than 3% by weight, preferably 0.01 to 1% by weight. There is no limitation, but poorly water-soluble organic peroxides such as acetyl peroxide, isobutyl peroxide, lauroyl peroxide and benzoyl peroxide, 2,2'-azobisisobutyronitrile, and 2,2'-azobis- Poorly water-soluble azo such as 2-methylbutyronitrile, 2,2'-azobis-2,4-dimethylvaleronitrile, 1,1'-azobis-1-cyclohexane, dimethyl-2,2'-azobisisobutyrate And the like. Among them, 2,2'-azobisisobutyronitrile, 2,2'-azobis-2-methylbutyronitrile, acetyl peroxide, and benzoyl peroxide are preferably used because the reactivity during polymerization is easily controlled. .
[0019]
Thus, in the present invention, a poorly water-soluble radical polymerization initiator is used in the presence of an acrylic resin aqueous emulsion [I] obtained by emulsion polymerization of an acrylic monomer (A) using a water-soluble radical polymerization initiator. An acrylic resin emulsion is obtained by emulsion polymerization of the acrylic monomer (B). First, in preparing such an aqueous acrylic resin emulsion [I], a water-soluble radical polymerization initiator is used. The acrylic monomer (A) having an acrylic monomer as a main component is polymerized in an aqueous medium in the presence of an emulsifier.
[0020]
The water-soluble radical polymerization initiator is used in an amount of 0.03 to 10 parts by weight, preferably 0.05 to 8 parts by weight, particularly 0 to 10 parts by weight based on 100 parts by weight of the total amount of the acrylic monomer (A). When the amount is less than 0.03 parts by weight, the polymerization rate is slow. When the amount exceeds 10 parts by weight, it is difficult to control the polymerization rate, which is not preferable.
[0021]
The method of adding the water-soluble radical polymerization initiator may be added in advance in the polymerization vessel, may be added immediately before the start of the polymerization, or may be added during the polymerization as needed. The shape of the polymerization initiator at the time of addition may be added in advance to the acrylic monomer (A) or may be added to an emulsion of the monomer. It may be dissolved in a solvent such as alcohol.
[0022]
At the time of emulsion polymerization, it is advantageous to use an emulsifier in combination, and it is not particularly limited as long as it has a function of emulsifying the acrylic monomer (A) in an aqueous medium. Nonionic) surfactants, nonreactive (ionic, nonionic) surfactants and the like can be mentioned, but reactive surfactants are preferable in that the water resistance of the resulting coating film is improved.
[0023]
The reactive surfactant may be any ionic or nonionic surfactant having radical reactivity with the acrylic monomer (A). Examples of the reactive surfactant include the following general surfactants: Those having structures such as the formulas (1) to (11) can be given.
[0024]
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[0025]
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[0026]
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[0027]
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[0028]
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[0029]
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[0030]
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[0031]
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[0032]
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[0033]
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[0034]
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[0035]
[Here, in the general formulas (1) to (11), R 1 Is an alkyl group, R 2 Is hydrogen or a methyl group, R 3 Is an alkylene group, n is an integer of 1 or more, m and l are integers of 1 or more (m + 1 = 3), X is H or SO 3 NH 4 , SO 3 Na. ]
[0036]
As the above-mentioned surfactant, as an anionic type, for example, in the above general formulas (1) to (11), X is SO 3 NH 4 , SO 3 Na, specifically, “Adecaria soap SE-20N”, “Adecaria soap SE-10N”, “Adecaria soap PP-70”, “Adecaria soap PP-710” "Adekaria Soap SR-10", "Adekaria Soap SR-20" (manufactured by Asahi Denka Kogyo), "Eleminol JS-2", "Eleminol RS-30" (manufactured by Sanyo Chemical Industries) , "Latemul S-180A", "Latemul S-180", "Latemul PD-104" (all manufactured by Kao Corporation), "Aqualon BC-05", "Aqualon BC-10", "Aqualon BC-20", "AQUARON HS-05", "AQUARON HS-10", "AQUARON HS-20", "NEW FRONTIER S-510", "AQUARON KH-05", "AQUARON" H-10 "[manufactured by Dai-ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.]," phosphino - Le TX "commercial products, such as [Toho Chemical Industry Co., Ltd.] and the like.
[0037]
The nonionic type is, for example, a case where X is hydrogen in the above general formulas (1) to (5) and (8) to (11), and specifically, “Adecaria soap NE-10” , "Adekaria Soap NE-20", "Adekaria Soap NE-30", "Adekaria Soap NE-40", "Adekaria Soap ER-10", "Adekaria Soap ER-20", "Adekaria Soap" ER-30 "," ADEKA REAL SOAP ER-40 "(all manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd.)," AQUARON RN-10 "," AQUARON RN-20 "," AQUARON RN-30 "," AQUARON RN-50 ". Commercial products such as those described above (manufactured by Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.).
[0038]
Among such emulsifiers, a reactive surfactant having no alkylphenol structure in that it has a good reaction with the acrylic monomer (A), good emulsion stability, and excellent water resistance of the coating film. For example, for example, a surfactant having a structure represented by the above general formulas (3), (4), (5), (8), (9), (10), and the like, specifically, “Adecaria soap SR- 10, Adecaria Soap SR-20, Eleminor JS-2, Eleminor RS-30, Latemul S-180A, Latemul S-180, Latemul PD-104, Aqualon KH -05 "," AQUARON KH-10 "and the like are suitable, and one kind or two or more kinds are used in combination.
[0039]
The amount of the emulsifier to be used is preferably 0.5 to 30 parts by weight, more preferably 1 to 20 parts by weight, particularly preferably 2 to 15 parts by weight, based on 100 parts by weight of the acrylic monomer (A). . If the amount of the emulsifier is less than 0.5 part by weight, the emulsion polymerization becomes unstable, and if it exceeds 30 parts by weight, the water resistance of the coating film is undesirably reduced.
The emulsifier may be added to the acrylic monomer (A) itself, or may be added to the polymerization vessel in a state of being mixed with the emulsion of the monomer, or may be dissolved in an aqueous medium of the polymerization vessel in advance. Or they may be used in combination.
[0040]
If necessary, an anionic emulsifier having no reactivity or a nonionic emulsifier having no reactivity can be used in combination.
Non-reactive anionic emulsifiers include, for example, alkyl sulfates, alkyl benzene sulfonates, alkyl sulfosuccinates, alkyl diphenyl ether disulfonates, polyoxyethylene alkyl sulfates, polyoxyethylene alkyl phosphates, and the like. .
Non-reactive nonionic emulsifiers include, for example, polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene alkyl phenyl ether, oxyethylene-oxypropylene block polymer, sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene fatty acid, and the like.
[0041]
If necessary, a pH buffer may be used in combination for pH adjustment during polymerization. The amount of the pH buffer used is 0 to 100 parts by weight of the acrylic monomer (A). It is preferably 10 parts by weight, particularly preferably 0 to 3 parts by weight.
The pH buffer is not particularly limited as long as it has a pH buffering action, and specifically, sodium hydrogen carbonate, potassium hydrogen carbonate, monosodium phosphate, monopotassium phosphate, disodium phosphate, phosphorus Trisodium acid, sodium acetate, ammonium acetate, sodium formate, ammonium formate and the like.
[0042]
Water is used as a polymerization medium. The ratio of the water and the acrylic monomer (A) is 0.05 to 50 parts by weight of the acrylic monomer (A) per 100 parts by weight of water. And particularly preferably 0.1 to 30 parts by weight. If the proportion of water used is less than the above range, the resulting emulsion will have a high viscosity, and the polymerization stability will also be reduced.If it exceeds the above range, the polymerization stability will be reduced or the acrylic resin emulsion finally obtained Is not preferred because the quality of the product may be difficult to stabilize.
[0043]
In the present invention, when starting the polymerization, the emulsifier (or a part of the emulsifier) is dissolved in the acrylic monomer (A) or used in an emulsified state. Is preferred.
The method for preparing such an emulsion is not particularly limited, but a method in which the above-mentioned acrylic monomer (A) is batchwise or dividedly charged into an aqueous emulsifier solution and stirred and emulsified is practical.
[0044]
Stirring at the time of preparing the above emulsion can be performed using a stirrer equipped with a stirring blade such as a homodisper or a paddle blade, and the temperature during emulsification is a temperature at which the mixture does not react during emulsification. If there is, there is no problem and usually about 5 to 60 ° C. is appropriate.
[0045]
Thus, the acrylic monomer (A) is polymerized in the presence of the water-soluble radical polymerization initiator and the emulsifier.
(1) The total amount of the acrylic monomer (A), emulsifier, water and the like is charged, and the temperature is raised to polymerize.
(2) Water, an emulsifier, and a part of the acrylic monomer (A) are charged into a polymerization vessel, and after heating and polymerization, the remaining acrylic monomer (A) is added dropwise or dividedly to carry out polymerization. continue.
(3) Water and an emulsifier are charged into a polymerization vessel, and after the temperature is raised, the acrylic monomer (A) is added dropwise or dividedly to carry out polymerization.
And the like. Any method such as charging the polymerization initiator all at once or dividedly may be employed.
[0046]
The polymerization conditions in the polymerization method are not particularly limited, for example,
In the method (1), a temperature range of usually about 40 to 100 ° C. is appropriate, and the reaction is carried out for about 0.1 to 6 hours after the start of the temperature rise.
In the method (2), after 1 to 50% by weight of the acrylic monomer (A) is polymerized at 40 to 90 ° C. for 0.1 to 3 hours, the remaining acrylic monomer (A) is dissolved in 0.1% by weight. The reaction is carried out by dropwise addition or divided addition over about 5 to 3 hours. Thereafter, aging is performed at the same temperature for about 0.5 to 3 hours as needed.
In the method (3), water is charged into a polymerization vessel, the temperature is raised to 40 to 90 ° C., and a mixture of the acrylic monomer (A) is added dropwise or dividedly over about 0.5 to 6 hours to react. . Thereafter, aging is performed at the same temperature for about 0.5 to 3 hours as needed.
[0047]
Thus, the aqueous acrylic resin emulsion [I] is prepared. The average particle size of the resin component of the aqueous emulsion [I] is preferably fine particles of 0.01 to 0.5 μm. If the stability is lowered, and if it exceeds 0.5 μm, it is difficult to obtain water resistance, which is not preferable.
Further, the solid content concentration of the aqueous emulsion [I] is preferably 0.5 to 60% by weight, particularly preferably 1 to 50% by weight, and when less than 0.5% by weight, the acrylic type finally obtained is used. If the quality of the resin emulsion becomes difficult to stabilize, and if it exceeds 60% by weight, the stability during polymerization of the acrylic monomer (B) decreases, which is not preferable.
[0048]
In the present invention, an acrylic resin emulsion is obtained by emulsion polymerization of an acrylic monomer (B) using a poorly water-soluble radical polymerization initiator in the presence of the aqueous acrylic resin emulsion [I]. The method will be described below.
[0049]
The polymerization of the acrylic monomer (B) in the presence of the acrylic resin aqueous emulsion [I] is not particularly limited, but the aqueous emulsion obtained by pre-emulsifying the acrylic monomer (B) is prepared as described above. It is preferable from the viewpoint of polymerization stability to charge the system in which the aqueous emulsion [I] is present and carry out polymerization.
[0050]
When obtaining the pre-emulsified aqueous emulsion, it is preferable to use an emulsifier. As the emulsifier, the same emulsifier as mentioned above can be mentioned, but the reaction with the acrylic monomer (B) is good. And a surfactant having no alkylphenol structure in that the emulsion has good stability and excellent water resistance of the coating film, for example, the above general formulas (3), (4), (5), and ( 8), (9), a surfactant having a structure represented by (10) or the like, specifically, "Adecaria soap SR-10", "Adecaria soap SR-20", "Eleminol JS-2", "Eleminol RS-30", "Latemul S-180A", "Latemul S-180", "Latemul PD-104", "Aqualon KH-05", "Aqualon KH-10" and the like are suitable, and one or more 2 or more types Used in.
[0051]
In the present invention, when polymerizing an aqueous emulsion obtained by pre-emulsifying the acrylic monomer (B), a poorly water-soluble radical polymerization initiator is used.
The poorly water-soluble radical polymerization initiator may be added to the polymerization vessel in advance, may be added immediately before the start of the polymerization, or may be added during the polymerization as needed. The state at the time of addition may be added to the acrylic monomer (B) in advance, or may be added to an emulsion of the acrylic monomer (B). In addition to the co-presence of the acrylic monomer (B), the poorly water-soluble radical polymerization initiator may be separately dissolved in a solvent or added in an emulsified state.
[0052]
At the time of emulsion polymerization, an emulsifier is preferably used in combination, and the compounding amount of the emulsifier is 0.3 to 7 parts by weight, more preferably 0.5 to 5 parts by weight based on 100 parts by weight of the acrylic monomer (B). It is preferable that If the amount is less than 0.3 part by weight, sufficient emulsifying performance cannot be maintained, resulting in a decrease in polymerization stability. If the amount exceeds 7 parts by weight, the water resistance of the coating film decreases, which is not preferable.
[0053]
The amount of water used at the time of emulsion polymerization is preferably 30 to 400 parts by weight, more preferably 35 to 200 parts by weight, and more preferably 35 to 200 parts by weight, based on 100 parts by weight of the acrylic monomer (B). The acrylic resin emulsion has a high viscosity, and the polymerization stability also decreases.If the amount exceeds 400 parts by weight, the concentration of the generated acrylic resin emulsion decreases, and the drying property when forming a film decreases, which is preferable. Absent.
[0054]
The amount of the poorly water-soluble radical polymerization initiator to be used is 0.03 to 5 parts by weight, more preferably 0.04 to 3 parts by weight, particularly 0.05 to 2 parts by weight, per 100 parts by weight of the acrylic monomer (B). The amount is preferably part by weight. When the amount is less than the above range, the polymerization rate becomes slow. When the amount exceeds the above range, it becomes difficult to control the polymerization temperature, which is not preferable.
[0055]
In the polymerization, for example, a method in which an aqueous emulsion of an acrylic resin [I] and an aqueous emulsion of an acrylic monomer (B) are mixed, and then the temperature is directly raised to carry out the polymerization. A method in which a part of the aqueous emulsion of the acrylic monomer (B) is mixed and heated to start polymerization, and the remaining aqueous emulsion is added dropwise or dividedly and continuously dropped to continue polymerization. Examples of the method include, but not limited to, a method in which an aqueous emulsion of the acrylic monomer (B) is added dropwise, divided, or continuously dropped in the presence of the aqueous system resin emulsion [I] to carry out polymerization.
Although the temperature of the polymerization is not particularly limited, it is usually preferable to carry out the polymerization in the range of about 40 to 90 ° C.
[0056]
In the production of the acrylic resin emulsion of the present invention, the ratio of the acrylic monomer (A) used in preparing the acrylic resin aqueous emulsion [I] is based on the total amount of the acrylic monomer used. It is preferably 0.1 to 50% by weight, more preferably 0.3 to 40% by weight, particularly preferably 0.5 to 30% by weight. If the proportion of the acrylic monomer (A) used in the preparation of the aqueous acrylic resin emulsion [I] is less than 0.1% by weight, the system during polymerization becomes unstable, and if it exceeds 50% by weight, the coating film becomes less stable. Water resistance and the like tend to decrease, which is not preferable.
[0057]
Thus, the acrylic resin emulsion of the present invention is obtained, and the average particle size of such an emulsion is preferably from 0.05 to 1 μm, particularly preferably from 0.08 to 0.5 μm, and is preferably less than 0.05 μm. In this case, the mechanical stability is poor, and if it exceeds 1 μm, the water resistance is undesirably reduced.
[0058]
Such an acrylic resin emulsion may contain, if necessary, a known chain transfer agent, defoaming agent, preservative, rust inhibitor, ultraviolet absorber, antioxidant, film-forming aid, as long as the effects of the present invention are not impaired. An agent may be added.
Further, when a coating film is formed using the obtained acrylic resin emulsion, the coating film may be cured, and a crosslinking agent may be added to improve water resistance and solvent resistance. Examples thereof include isocyanate compounds, epoxy compounds, hydrazine compounds, carbodiimide compounds, oxazoline compounds, aziridine compounds, metal salts and metal complex salts.
[0059]
The acrylic resin emulsion obtained by the method of the present invention has excellent mechanical and chemical stability of the emulsion particles and also has a very excellent effect on the water resistance of the coating film. It is useful for various applications such as agents, adhesives and paper coating agents.
[0060]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically.
In Examples, “%” and “parts” mean “weight basis” unless otherwise specified.
[0061]
Example 1
[Preparation of Aqueous Acrylic Resin Emulsion [I]]
In a reaction vessel equipped with a condenser, a thermometer, and a stirring blade, 100 parts of water, 0.25 part of an anionic reactive surfactant (“Adekaria Soap SR-10”, manufactured by Asahi Denka Co., Ltd.), methyl methacrylate (A) 2 parts, 0.9 part of n-butyl acrylate (A) and 0.1 part of γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane were charged, and after substituting with nitrogen, the temperature was raised to 70 ° C., and then a water-soluble radical polymerization initiator was added. Then, 0.6 part of a 10% aqueous solution of ammonium persulfate was added and polymerization was carried out for 0.5 hour to obtain 104.1 parts of an aqueous emulsion [I] (resin content: 3.4%, average particle diameter of emulsion particles: 0). .03 μm).
[0062]
[Production of acrylic resin emulsion]
0.3 parts of 2,2'-azobis-2,4-dimethylvaleronitrile as a poorly water-soluble radical polymerization initiator, 1 part of dipropylene glycol-n-butyl ether (manufactured by Dow Chemical Company, "Dowanol DPNB") and 2 parts It is dissolved in a mixture of 1 part of 2,4-trimethyl-1,3-pentanediol monoisobutyrate (“Texanol” manufactured by Eastman Kodak Company), and further 0.8 parts of water and an anionic reactive surfactant ( By mixing 0.1 part of "Adecaria Soap SR-10" manufactured by Asahi Denka Co., Ltd., 3.2 parts of an emulsion of a poorly water-soluble radical polymerization initiator was prepared.
Next, 47 parts of water, 68 parts of methyl methacrylate (B), 26 parts of n-butyl acrylate (B), 3 parts of γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, and an anionic reactive surfactant (manufactured by Asahi Denka Co., Ltd., “ Adecaria Soap SR-10 ") was mixed with 146 parts of an aqueous emulsion preliminarily emulsified by mixing 2 parts thereof, and 3.2 parts of an emulsion of the poorly water-soluble radical polymerization initiator were mixed with the above aqueous emulsion [I] 104.1. The polymerization was carried out at 70 ° C. while being dripped into each part over 3 hours. After the completion of the dropwise addition, the polymerization was further continued for 2 hours to obtain an acrylic resin emulsion.
The following evaluation was performed about the obtained acrylic resin emulsion.
[0063]
(Non-volatile content)
The non-volatile content was measured under the conditions according to JIS K6828.
(viscosity)
The viscosity was measured at 25 ° C. using a rotational viscometer and conditions based on JIS K7117.
(Average particle size)
It was measured using an Otsuka Electron Laser Light Scattering Particle Diameter "DLS-700".
[0064]
(Coarse particle amount)
The obtained acrylic resin emulsion was filtered through a 200 mesh wire mesh, and the residue of the filtration was dried at 105 ° C. for 1 hour. The weight of the coarse particles obtained was indicated by the weight based on 100 g of the emulsion.
[0065]
(Negative stability)
The obtained emulsion was allowed to stand at room temperature for 3 months, and the state was visually observed and evaluated as follows.
○ ・ ・ ・ No change
△ ・ ・ ・ Slight increase in viscosity
× ・ ・ ・ Viscosity increase or gelation
[0066]
(Mechanical stability)
Using a tester (manufactured by Yasuda Seiki Seisakusho Co., Ltd., “Malone tester”) and a measuring method in accordance with JIS K6828 for 50 g of the obtained emulsion, a test was performed for 10 minutes under a load of 10 kg, and the generated aggregates were measured. The weight was evaluated by weight per 100 g of the emulsion.
[0067]
(Chemical stability)
The obtained emulsion was diluted with ion-exchanged water to a concentration of 0.2%, and 10 cc of the diluted emulsion was mixed with each concentration of calcium chloride aqueous solution, and left to stand at 30 ° C. for 1 hour. The degree of formation of the product was observed, and the lowest concentration of calcium chloride (the concentration of calcium chloride after mixing) at which a precipitate was formed (mmol / l) was determined and evaluated as follows.
・ ・ ・: No precipitate even when the minimum concentration of calcium chloride was 500 mmol / l.
Δ: A precipitate was formed when the minimum concentration of calcium chloride was less than 100 to 500 mmol / l.
×: A precipitate was formed when the minimum concentration of calcium chloride was less than 100 mmol / l.
[0068]
(water resistant)
To the obtained acrylic resin emulsion, a film-forming aid ("Dowanol DPNB", manufactured by Dow Chemical Company) was added at 7% with respect to the emulsion, and allowed to stand for 1 day. Was applied with an applicator, dried at 120 ° C. for 10 minutes, and then immersed in ion-exchanged water at 50 ° C. for 7 days. The surface condition was visually observed and evaluated as follows.
A: No whitening or swelling was observed.
・ ・ ・: Slight whitening was observed, but no swelling was observed.
Δ: Whitening and swelling were observed.
X: Whitening and swelling proceeded and eluted in some places.
[0069]
Example 2
[Preparation of Aqueous Acrylic Resin Emulsion [I]]
In a reaction vessel equipped with a condenser, a thermometer, and a stirring blade, 100 parts of water, 0.25 part of an anionic reactive surfactant (“Adekaria Soap SR-10”, manufactured by Asahi Denka Co., Ltd.), methyl methacrylate (A) 2 parts, 0.9 part of n-butyl acrylate (A) and 0.1 part of γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane were charged, and after substituting with nitrogen, the temperature was raised to 70 ° C., and then a water-soluble radical polymerization initiator was added. Then, 0.6 part of a 10% aqueous solution of ammonium persulfate was added and polymerization was carried out for 0.5 hour to obtain 104.1 parts of an aqueous emulsion [I] (resin content: 3.4%, average particle diameter of emulsion particles: 0). .03 μm).
[0070]
[Production of acrylic resin emulsion]
As a poorly water-soluble radical polymerization initiator, 0.2 part of benzoyl peroxide was dissolved in 68 parts of methyl methacrylate, 26 parts of n-butyl acrylate, and 3 parts of γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, and then 47 parts of water and anion 146.2 parts of an aqueous emulsion obtained by mixing and pre-emulsifying with 2 parts of a type-reactive surfactant (“Adekalyap Soap SR-10” manufactured by Asahi Denka Co., Ltd.) and 104.1 parts of the above aqueous emulsion [I] The polymerization was carried out at 70 ° C. while dropping each over 3 hours. After the completion of the dropwise addition, the polymerization was further continued for 2 hours to obtain an acrylic resin emulsion.
The same evaluation as in Example 1 was performed on the obtained acrylic resin emulsion.
[0071]
Example 3
[Preparation of Aqueous Acrylic Resin Emulsion [I]]
In a reaction vessel equipped with a condenser, a thermometer, and a stirring blade, 100 parts of water, 0.25 part of an anionic reactive surfactant (“Adekaria Soap SR-10”, manufactured by Asahi Denka Co., Ltd.), methyl methacrylate (A) 2 parts, 0.9 part of n-butyl acrylate (A) and 0.1 part of γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane were charged, and after substituting with nitrogen, the temperature was raised to 70 ° C., and then a water-soluble radical polymerization initiator was added. Aqueous emulsion was prepared by adding 0.6 part of a 10% aqueous solution (pH 7.5) of a neutralized product of 4,4'-azobis-4-cyanovaleric acid neutralized with aqueous ammonia for 0.5 hour. [I] 104.1 parts were obtained (resin content: 3.4%, average particle size of emulsion particles: 0.03 μm).
[0072]
[Production of acrylic resin emulsion]
0.3 part of 2,2′-azobisisobutyronitrile as a poorly water-soluble radical polymerization initiator was mixed with 1 part of dipropylene glycol-n-butyl ether (“Dowanol DPNB”, manufactured by Dow Chemical Company) and 2,2,4 -Trimethyl-1,3-pentanediol monoisobutyrate (Eastman Kodak, "Texanol") dissolved in a mixture of 1 part, further 0.8 parts of water and an anionic reactive surfactant (Asahi Denka Co., Ltd.) And "Adecaria Soap SR-10", 0.1 part, to prepare 3.2 parts of an emulsifier of a poorly water-soluble radical polymerization initiator.
Next, 47 parts of water, 68 parts of methyl methacrylate (B), 26 parts of n-butyl acrylate (B), 3 parts of γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, and an anionic reactive surfactant (manufactured by Asahi Denka Co., Ltd., “ Adecaria Soap SR-10 ") was mixed with 146 parts of an aqueous emulsion preliminarily emulsified by mixing 2 parts thereof, and 3.2 parts of an emulsion of the poorly water-soluble radical polymerization initiator were mixed with the above aqueous emulsion [I] 104.1. The polymerization was carried out at 70 ° C. while being dripped into each part over 3 hours. After the completion of the dropwise addition, the polymerization was further continued for 2 hours to obtain an acrylic resin emulsion.
The same evaluation as in Example 1 was performed on the obtained acrylic resin emulsion.
[0073]
Comparative Example 1
Polymerization was carried out in the same manner as in Example 1, except that 1.4 parts of a 10% aqueous solution of ammonium persulfate was used instead of 3.2 parts of the emulsion of the poorly water-soluble radical polymerization initiator to obtain an acrylic resin emulsion. .
The same evaluation as in Example 1 was performed on the obtained acrylic resin emulsion.
[0074]
Comparative Example 2
In Example 1, 0.1 part of 2,2'-azobis-2,4-dimethylvaleronitrile was replaced with 0.1 part of di- instead of 0.6 part of a 10% aqueous solution of ammonium persulfate used for preparing the aqueous emulsion [I]. 0.35 parts of propylene glycol-n-butyl ether (“Dowanol DPNB” manufactured by Dow Chemical Company) and 2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol monoisobutyrate (“Texanol” manufactured by Eastman Kodak Company) ) Was dissolved in 0.35 parts of a mixture, and further obtained by mixing 0.3 parts of water and 0.05 parts of an anionic reactive surfactant ("Adekaria Soap SR-10" manufactured by Asahi Denka Co., Ltd.). Polymerization was carried out in the same manner except that 1.15 parts of an emulsion of a poorly water-soluble radical polymerization initiator was used. However, a large amount of aggregates was generated in the system during the polymerization, and the acrylic resin emulsion was used. Could not Rukoto.
[0075]
Comparative Example 3
100 parts of water and 0.5 part of an anionic reactive surfactant ("Adekaria Soap SR-10" manufactured by Asahi Denka Co., Ltd.) were charged into a reaction vessel, and the temperature was raised to 70 ° C., followed by 2,2′-azo 0.125 parts of bisisobutyronitrile and 0.05 parts of a 10% aqueous solution of ammonium persulfate were added. Next, 48 parts of water, 70 parts of methyl methacrylate, 27 parts of n-butyl acrylate, 3 parts of γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, an anionic reactive surfactant (“ADEKAREASORP SR-10 manufactured by Asahi Denka Co., Ltd.”) 2) The polymerization was carried out at 70 ° C. while 2 parts of the emulsion was dropped into the reactor over 3 hours. After the completion of the dropwise addition, the polymerization was further continued for 2 hours to obtain an acrylic resin emulsion. The same evaluation as in Example 1 was performed on the obtained acrylic resin emulsion.
Tables 1 and 2 show the results of Examples and Comparative Examples.
[0076]
[Table 1]
Note) In Comparative Example 2, an acrylic resin emulsion was not obtained.
[0077]
[Table 2]
Note) In Comparative Example 2, an acrylic resin emulsion was not obtained.
[0078]
【The invention's effect】
The acrylic resin emulsion of the present invention is prepared by starting a water-insoluble radical polymerization in the presence of an acrylic resin aqueous emulsion [I] obtained by emulsion polymerization of an acrylic monomer (A) using a water-soluble radical polymerization initiator. It is produced by emulsion polymerization of acrylic monomer (B) using an agent, so that it has excellent mechanical and chemical stability of emulsion particles and also has extremely excellent effect on water resistance of coating film. It is particularly useful for various applications such as paints for building materials, adhesives, pressure-sensitive adhesives, and paper coating agents.