【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表層部から中心部に向かって屈折率が段階的に変化するような屈折率傾斜構造を有する光拡散剤を含む光拡散性組成物、この組成物を成形して得られる光拡散性成形品、およびこの光拡散性成形品(光拡散板)を備える液晶表示装置用バックライト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光拡散性成形品は、入射した光を拡散させて出射する成形品であり、全体を均一に照射したくても光源との位置関係などによりそれが困難である場合などに用いられる。例えば、バックライト型の液晶表示装置(LCD)では、光源とディスプレイ裏面との間に板状の該成形品(光拡散板)を設置して、液晶のすぐ近くのバックライト光源からの光がディスプレイ表面から均一に出射され、ディスプレイ上で明暗が生じないようにしている。
【0003】
このような光拡散性成形品は、光源の光を有効に利用するために、入射面からの入射光に対する出射面からの出射光の割合、即ち平行光線透過率と拡散光線透過率を合わせた全光線透過率が高くなくてはならない。また、光を拡散させるという目的から、全光線透過率に対する拡散光線透過率の割合、即ち濁度が十分大きくなくては機能しない。
【0004】
このような光拡散性成形品としては、樹脂などの透明基材中に直径数μmから数十μmの透明粒子を分散させて形成したものなどが知られている。この場合、透明基材と透明粒子との界面に生じる屈折率差を利用して光を屈折させることにより、入射光を散乱光として出射している。ここで界面の屈折率差が大きいほど光の屈折角度も大きくなり、光拡散効果を高めることが可能になる。しかしながら屈折率差のある界面では光の屈折だけではなく、同時に光の反射も生じ、特に反射光の一部は後方(光の入射側)に戻ってしまうため、全光線透過率が低下し、光源の光が有効に利用されなくなるという問題があった。
【0005】
このため、従来のLCDにおいては、図3に示すように、光拡散板1aと偏光板6との間に輝度向上フィルム9を配置して、液晶表示素子7に入射する光を増加させる工夫が行われてきた。しかしながら、輝度向上フィルムは高価であり、部材数を増やすことにもなるため、LCDの軽量化、薄型化、低コスト化には逆行するものであった。
【0006】
この問題を解決すべく、特許文献1〜3には、透明基材中に、中心から外部に向かって屈折率が変化し、さらに外縁部の屈折率と透明基材の屈折率がほぼ等しい透明粒子を含有する光拡散性成形品(光拡散体)が提案されている。これら文献記載の光拡散性成形品によれば、後方への光反射を抑え、優れた光拡散効果を得ることができる。
【0007】
また特許文献4には、熱可塑性ノルボルネン系樹脂マトリックスに透明な高分子微粒子を分散させてなる光拡散性樹脂組成物、およびそれからなる光拡散性成形品が開示されている。この文献記載の光拡散性成形品によれば、優れた光透過性と光拡散性、さらには高湿条件下においてもその光学特性が低下しないという耐久性をも得ることができる。
【0008】
そこで、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を基材とし、それに中心から外部に向かって屈折率が変化し、外縁部の屈折率と透明基材の屈折率がほぼ等しい透明粒子を含有分散させれば、さらに優れた光学特性および耐久性をも兼ね備えた光拡散性成形品が得られるものと考えられる。従って、上記輝度向上フイルムを用いなくとも、高輝度、軽量、薄型、低コストのLCDの提供が可能になるものと期待される。
【0009】
【特許文献1】
特許第2657536号公報
【特許文献2】
特開2002−214408号公報
【特許文献3】
特開2002−328207号公報
【特許文献4】
特開平8−327806号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、実際にこのような光拡散性組成物を検討してみると、確かに高い光透過性が得られるものの、十分な光拡散性、即ち大きな濁度を得るためには上記の特徴(屈折率傾斜構造)を有する光拡散剤を一定量以上用いる必要があり、その結果、成形性が悪くなったり(成形品の表面荒れなど)、得られる光拡散性成形品の強度特性(耐衝撃性)が劣ったものになってしまうという問題が生じることが明らかになった。
【0011】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、全光線透過率を高く、かつ濁度を大きくでき、高温高湿度の環境にあっても、全光線透過率の低下がない光拡散性成形品を得ることができる光拡散性組成物、この組成物を成形して得られる光拡散性成形品、およびこの光拡散性成形品(光拡散板)を備える液晶表示装置用バックライト装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、熱可塑性ノルボルネン系樹脂として特定の構造の繰り返し単位を有し、特定の溶融特性を有するものを用いることにより、成形性が良好で、得られる光拡散性成形品の耐衝撃性も十分な光拡散性組成物とすることができることを見出した。そしてこの組成物を成形して得られる光拡散板は全光線透過率が高く、かつ濁度が大きいので、この光拡散板を備えた液晶表示装置用バックライト装置は従来のものより大きな輝度が得られること、およびこのバックライト装置を使用した液晶表示装置は輝度向上フィルムを使用しない場合でも十分な表示輝度が得られるので、ハィコントラストで高品質の表示が実現できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0013】
かくして本発明の第1によれば、熱可塑性ノルボルネン系樹脂に光拡散剤を分散してなる光拡散性組成物であって、前記熱可塑性ノルボルネン系樹脂が、屈折率n0であり、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4−ジイル−エチレン構造を有する繰り返し単位を55〜90重量%含有し、280℃、荷重2.16kgで測定したメルトインデックスが5〜50g/10分であり、前記光拡散剤は、表層部の屈折率がn1(|n1−n0|≦0.01)であり、中心部の屈折率がn2、(n2≠n1)であって、表層部から中心部に向かって屈折率がn1からn2まで連続的または段階的に変化し、表層部の屈折率n1、と中心部の屈折率n2の差が0.05以上である光拡散剤であることを特徴とする光拡散性組成物が提供される。
【0014】
本発明の第2によれば、本発明の光拡散性組成物を成形して得られる光拡散性成形品が提供される。
本発明の第3によれば、光源と、本発明の光拡散性組成物を成形して得られる光拡散板とを備えることを特徴とする液晶表示装置用バックライト装置が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、1)光拡散性組成物、2)光拡散性成形品、および3)液晶表示装置用バックライト装置に項分けして詳細に説明する。
【0016】
1)光拡散性組成物
本発明の光拡散性組成物は、屈折率n0である熱可塑性ノルボルネン系樹脂中に、表層部の屈折率がn1(|nl−n0|≦0.01)であり、中心部の屈折率がn2(n2≠nl)であって、表層部から中心部に向かって屈折率がnlからn2まで連続的または段階的に変化し、表層部の屈折率n1と中心部の屈折率n2の差が0.05以上である光拡散剤を分散してなることを特徴とする。
【0017】
(1)熱可塑性ノルボルネン系樹脂
本発明の光拡散性組成物は、光拡散剤を分散させる透明基材として熱可塑性ノルボルネン系樹脂を用いる。熱可塑性ノルボルネン系樹脂は透明性、耐熱性、および低吸水性に優れる。従って、本発明の組成物を成形して得られる光拡散性成形品は全光線透過率が大きく、光利用効率が高い。また高温高湿度の環境下に置かれた場合であっても全光線透過率が低下しない。
【0018】
本発明に用いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4−ジイル−エチレン構造を有する繰り返し単位を55〜90重量%含有するものである。
【0019】
熱可塑性ノルボルネン系樹脂中のビシクロ[3.3.0]オタクン−2,4−ジイル−エチレン構造を有する繰り返し単位を上記範囲とする方法としては、例えば、ノルボルネン環に五員環が結合した構造を有するノルボルネン系単量体を55〜90重量%含有する単量体混合物を公知のメタセシス開環重合法により重合した後に、主鎖及び環の炭素−炭素不飽和結合を公知の方法で水素添加する方法が挙げられる。
【0020】
ノルボルネン環に五員環が結合した構造を有するノルボルネン系単量体としては、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン、以下、DCPという)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)などを挙げることができる。ここで、置換基としては、アルキル基、アルキレン基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基などが挙げられる。また、これらの置換基は、同一または相異なって複数個が環に結合してもよい。
【0021】
また、本発明に用いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、さらにトリシクロ[4.3.0.12,5]デカン−7,9−ジイル−エチレン構造を有する繰り返し単位を10重量%〜45重量%含有するものであることが好ましい。このような樹脂を用いることにより、高温下での使用における変形の少ない、光学特性の長期的な安定性に優れた成形品を得ることができる。
【0022】
熱可塑性ノルボルネン系樹脂中のトリシクロ[4.3.0.12,5]デカン−7,9−ジイル−エチレン構造を有する繰り返し単位を上記範囲とする方法としては、例えば、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン、以下、TCDという)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)を10重量%以上含有する単量体混合物を、公知のメタセシス開環重合法により重合した後に、主鎖及び環の炭素−炭素不飽和結合を公知の方法で水素添加する方法が挙げられる。
【0023】
本発明において、木発明の効果を損なわない範囲で他のノルボルネン系単量体及び他の単量体を共重合させてもよい。他のノルボルネン系単量体としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン、以下、MTFという)及びこれらの誘導体(環に置換基を有するもの)が挙げられる。他の単量体としては、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどのモノ環状オレフィン類およびその誘導体;シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエンなどの環状共役ジエンおよびその誘導体;などが挙げられる。
【0024】
本発明に用いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、280℃、荷重2.16kgで測定したメルトインデックスが5〜50g/10分であるものであり、好ましくはl0〜45g/10分である。メルトインデックスの値が前記範囲より小さいと、光拡散剤を分散させた光拡散性組成物の成形性が悪化し、この組成物から光拡散性成形品を成形する際に表面荒れなどの成形不良を生じるおそれがある。逆にメルトインデックス値が前記範囲よりも大きいと、光拡散性組成物やそれを成形して得られる光拡散性成形品の曲げ強度や耐衝撃性が悪くなる。熱可塑性ノルボルネン系樹脂のメルトインデックス値を前記範囲にするためには、主として重量平均分子量や分子量分布の範囲を調整することで可能となる。具体的には、溶媒としてシクロヘキサン(樹脂が溶解しない場合はトルエン)を用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレン又はポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常10,000〜100,000、好ましくは15,000〜70,000、より好ましくは20,000〜50,000とする。分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、通常1.0〜5.0、好ましくは1.0〜4.0、より好ましくは1.2〜3.5とする。また、使用する単量体の種類やその組成比、あるいは水素化反応の条件などによっても変動するので、これらの変動要因を適宜調整して、上記のメルトインデックスの範囲になるようにする。
【0025】
本発明に用いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択すればよく、好ましくは80℃以上、より好ましくは100〜250℃の範囲である。ガラス転移温度を前記範囲にすることにより、高温下での使用における変形や応力が生じることがなく、耐久性に優れる成形品を得ることができる。
【0026】
(2)光拡散剤
本発明に用いる光拡散剤は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の屈折率をn0とすると、表層部の屈折率がn1(|n1−n0|≦0.01)であり、中心部の屈折率がn1(n2≠n1)であって、表層部から中心部に向かって屈折率がn1からn2まで連続的または段階的に変化し、表層部の屈折率n1と中心部の屈折率n2の差が0.05以上であることを特徴とする。このような屈折率傾斜構造の光拡散剤は基材との界面に屈折率差を有さず、また光拡散剤の内部にも屈折率差のある界面を有しないため、光の入射方向への反射を抑制することができる。
【0027】
本発明に用いる光拡散剤としては、透明なものであればその形状などは特に制限されないが、より優れた光拡散効果を得ることができる観点から、微粒子状のものが好ましい。
微粒子状の光拡散剤としては、無機微粒子または有機微粒子からなるものが挙げられる。無機微粒子としては、例えば、シリカ粒子、金属微粒子などが挙げられる。また、ガラス微粒子、金属微粒子、合成樹脂微粒子などのコアとなる微粒子の表面に、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;MgF2などの金属フッ化物;などの薄膜が形成された微粒子を用いることもできる。また有機微粒子としては、例えば、シリコーン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、ナイロン樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子などが挙げられる。
【0028】
これらの微粒子の粒径は特に限定されるものではないが、平均粒径は、通常1〜30μm、好ましくは3〜20μm、より好ましくは5〜15μmである。1μmより小さいと光拡散性は増大するが光透過性が低下し、30μmより大きいと光透過性は増大するが光拡散性が低下し、輝度ムラが生じやすくなる。
【0029】
本発明で用いる微粒子状の光拡散剤は、球状のものが多いほど好ましい。光拡散剤として球状の微粒子を使用した場合には、上記球状微粒子が一種のレンズとして作用し、一層効果的な光拡散効果を持たせることができる。ここで、球状とは微粒子の短径/長径が好ましくは0.6以上、より好ましくは0.8以上、特に好ましくは0.9以上であり、角を有していないものをいう。短径とは、ひとつの微粒子の最も小さな径をいい、長径とは同じ微粒子の最も大きな径をいう。用いる微粒子中の球状微粒子の割合は80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが好ましい。短径、長径、平均粒径、角の有無については、顕微鏡写真の映像を元に測定すればよい。球状でないものが多いと、成形時に分散が不均一になったり、配向性を有し、均一な光拡散性の成形品を得ることが困難である。なお、本発明で用いる光拡散剤は一種類である必要はなく、複数種を併用して、光透過性と光拡散性を調整することもできる。
【0030】
ここで中心部とは本発明に用いる光拡散剤の内部で屈折率が最大(または最小)となる個所をいう。屈折率の最大個所または最小個所は、光拡散剤の幾何学的中心にあることが好ましいが、必ずしもこれに限定されない。光拡散剤の表層部と中心部との屈折率差は大きいほど好ましい。屈折効果などの点より、好ましい屈折率差は0.05以上、より好ましくは0.1以上である。光拡散剤内部における屈折率分布は表層部と中心部の屈折率差を可及的に連続変化で結ぶ分布が好ましい。
【0031】
本発明においては、熱可塑性ノルボルネン系樹脂中に分散させる光拡散剤の屈折率分布や大きさ、分散量などを制御することによって、光の拡散状態を変化させることができるため、光の後方散乱を有効に低減させることができ、全光線透過率の高い光拡散性成形品を得ることができる。
【0032】
目的とする屈折率傾斜構造を有する光拡散剤を得る方法としては、次のものが挙げられる。
(ア)屈折率の異なる樹脂を与える複数のモノマーを共重合する際に、重合の進行に従って徐々に一方のモノマーの量を増加させることにより、屈折率が多層状に、あるいは連続的に変化した微粒子を作製する方法。
この方法によれば、表層部から中心部に向かって屈折率がnlからn2まで連続的に変化した有機微粒子を得ることができる。例えば、スチレン(n=1.6)/メチルメタクリレート(n=1.49)の乳化重合において、重合開始時はスチレン主体の重合を行い、徐々にメチルメタクリレートの割合を増加させていくことにより、中心部の屈折率が1.6で、最外縁部の屈折率がほぼ1.49の光拡散剤を得ることができる。
【0033】
(イ)重合開始剤を含んだベース粒子を該粒子と屈折率の異なる樹脂を与えるモノマーの蒸気中に入れて、モノマーで飽和する前に重合を行い、屈折率が段階的に変化した微粒子を作製する方法。
この方法によれば、表層部から中心部に向かって屈折率がnlからn2まで連続的に変化した有機微粒子を得ることができる。例えば、ポリカーボネートの微粒子(ビーズ)中に増感剤を入れ、メチルメタクリレートのモノマー蒸気中に放置した後、紫外線を照射してメチルメタクリレートモノマーを硬化させることにより、屈折率が段階的に変化した微粒子を作製することができる。
【0034】
ベース粒子としては、ガラスやポリマーなどの適宜な透明性の物質からなるものを用いうる。一般には使用の波長光に対して良好な透明性を示すポリマーからなるものが用いられる。その具体例としては、ポリオレフィン、各種合成ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリウレタン、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどが挙げられる。
【0035】
(ウ)重合性化合物中にベース粒子を浸漬することにより、ベース粒子中に重合性化合物を含浸させ、その粒子を重合処理に供して重合性化合物の重合体とベース粒子成分とが濃度分布を有する状態で混在した微粒子を作製する方法。
この方法によれば、表層部から中心部に向かって屈折率がnlからn2まで段階的に変化した有機微粒子を得ることができる。
得られる粒子における屈折率分布は、重合性化合物の含浸による濃度分布の調節や、重合性化合物とベース粒子の屈折率などに基づく組合せなどにより制御することができる。
【0036】
ベース粒子としては、ガラスやポリマーなどの適宜な透明性の物質からなるものを使用できる。その具体例としては、前記(イ)の方法で用いることができるベース粒子として列記したものと同様のものが挙げられる。また、ベース粒子に含浸させる重合性化合物としては、ベース粒子とは異なる屈折率を有するポリマーを形成し、ベース粒子への浸透能を有するものであれば特に制限されない。例えば、ベンジルメタクリレートやスチレンなどの熱重合性のモノマーやそのオリゴマー;トリブロモフェノキシエチルアクリレートやトリフルオロエチルアクリレートなどの光重合性のモノマーやそのオリゴマー;などが挙げられる。なお、含浸させる重合性化合物には、予めラジカル系などの重合開始剤を配合することもできる。また重合性化合物は2種以上を併用してもよい。
【0037】
(エ)ベース粒子の表面に屈折率の異なる物質でコーティングする方法。
この方法によれば、表層部から中心部に向かって屈折率がnlからn2まで段階的に変化した微粒子を得ることができる。
用いるベース粒子としては、前記(イ)および(ウ)の方法で列記したものと同様のものが挙げられる。
ベース粒子の表面をコーティングする方法としては、例えば、スパッタ蒸着法、CVD(Chemical Vapour Deposition)法、真空蒸着法などが挙げられる。また、ベース粒子の表面をコーティングする材料としては、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;MgF2などの金属フッ化物;などが挙げられる。
【0038】
(オ)その他の方法
またその他の方法として、ベース粒子の表面部に電子線または放射線などの電離放射線やイオンビームを照射して架橋反応などを生じさせることで、表面部を改質することにより屈折率を異ならせる方法や、ガラスビーズのイオン交換をする方法などによっても、目的の屈折率傾斜構造を有する光拡散剤を得ることができる。
【0039】
(3)光拡散性組成物の製造方法
本発明の光拡散性組成物は、屈折率n0である熱可塑性ノルボルネン系樹脂中に、表層部の屈折率がn1(|nl−n0|≦0.01)であり、中心部の屈折率がn2(n2≠nl)であって、表層部から中心部に向かって屈折率がnlからn2まで連続的または段階的に変化し、表層部の屈折率n1と中心部の屈折率n2の差が0.1以上である光拡散剤を分散させることにより製造することができる。
【0040】
光拡散剤の分散量は、用いる光拡散剤の種類および光拡散性成形品の用途などによって異なるが、熱可塑性ノルボルネン系樹脂100重量部に対して、通常1〜39重量部、好ましくは5〜20重量部である。
【0041】
熱可塑性ノルボルネン系樹脂中に、前記光拡散剤を分散させる方法としては特に制約はなく、公知の方法を採用できる。例えば、両者をヘンシェルミキサー、タンブラーなどで機械的に混合した後、バンバリーミキサー、一軸または二軸の押出機で溶融混練する方法が挙げられる。得られる組成物は熱可塑性ノルボルネン系樹脂中に光拡散剤が均一に分散していることが好ましい。均一に分散していなければ、光拡散性や光透過性にムラを生じる。
【0042】
また、本発明の光拡散性組成物は、所望により、本発明の光拡散性組成物の特性を失わない範囲で各種添加剤を添加してもよい。用いる添加剤としては、フェノール系やリン系などの老化防止剤;ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系などの耐光安定剤;陽イオン性、陰イオン性、非イオン性などの帯電防止剤;カーボン系または金属系の粉末状または繊維状の導電性付与剤;脂肪族アルコールのエステル、多価アルコールの部分エステルおよび部分エーテルなどの滑剤;エチレン系重合体などの樹脂やゴム質重合体;グラファイト;フッ素系樹脂粉末;などが挙げられる。
【0043】
2)光拡散性成形品
本発明の光拡散性成形品は、本発明の光拡散性組成物を成形して得ることができる。本発明の光拡散性組成物を成形する方法は特に限定されず、例えば、射出成形法、押し出し成形法、圧空成形法、真空成形法、熱プレス成形法などの一般の熱可塑性樹脂を成形する方法を採用できる。また、キャスト法によりフィルム状の成形品を得ることもできる。これらの中でも、射出成形法が容易であり、寸法精度に優れたものが得られるので好ましい。
【0044】
本発明の光拡散性成形品の全光線透過率は好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。また濁度は好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは92%以上である。
【0045】
本発明の光拡散性成形品は、全光透過率が高く、しかも濁度が高い(ヘイズが高い)ものであって、極めて優れた光散乱効果および光透過率を有する。したがって、液晶表示装置のバックライト用光拡散板として用いた場合、輝度向上フィルムを用いない構成とした場合でも、十分に高輝度で、かつ輝度ムラのない高品質の表示が実現できる。
【0046】
本発明の光拡散性成形品の形状は特に限定されず、用途などにより適宜選定することができる。最も一般的なものは、バックライト光源からの光が均一に出射され、照射面での明暗が均一になるように、光源と照射対象の間に設置される光拡散板である。光拡散板の大きさや厚みなどは、一般的には、屈折率傾斜構造を有する光拡散剤を熱可塑性ノルボルネン系樹脂中に埋没させた形態とする点から、厚みは通常0.1〜20mmであり、好ましくは1〜10mmである。
【0047】
本発明の光拡散性成形品は、後述する各種表示装置の視野角拡大体や、反射防止フィルム、光拡散フィルム、照明カバー、反射型スクリーン、透過型スクリーンなどに用いることができる。これらの用途に用いる場合、本発明の光拡散性成形品の片面または両面には、ハードコート層、防汚層、反射防止層、アンチグレア層、平坦化層、粘着層、帯電防止層などを設けることができる。
【0048】
3)液晶表示装置用バックライト装置
本発明の液晶表示装置用バックライト装置は、光源と、本発明の光拡散性組成物を成形して得られる光拡散板とを備えることを特徴とする。
【0049】
本発明の液晶表示用バックライト装置に用いる光源としては、特に制限されず、例えば(冷,熱)陰極管などの線状光源や発光ダイオードなどの点光源、蛍光放電管などの管状光源、あるいはその線状又は面状などのアレイ体などが挙げられる。
【0050】
本発明の液晶表示用バックライト装置の例を図1(a)および(b)に示す。図1(a)に示すものは、光源から出射する光が導光板4に入射し、本発明の光拡散板(光拡散層)1で拡散されて、図中、上方に出射するタイプのバックライト装置である。図中、光源2からの光を導光板4の側面に導くために光源を包囲する光源ホルダ5、および導光板4に入射した光を光拡散板1へ導くための反射層(反射板)3が導光板4の下方にそれぞれ設けられている。
【0051】
導光板は、光源の波長領域に応じそれに透明性を示す適宜な材料を用いて製造することができる。導光板の材料としては、ポリメチルメタクリレートの如きアクリル系樹脂、ポリカーボネートやポリカーボネート・ポリスチレン共重合体の如きポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ノルボルネン系樹脂などで代表される透明樹脂やガラスなどのごとく、約400〜700nmの波長範囲で透明性を示すものが挙げられる。
【0052】
導光板は、適宜な方法で形成することができる。量産性などの点より好ましい製造方法としては、熱や紫外線ないし放射線などで重合処理しうる液状樹脂を、所定のプリズム状凹凸を形成しうる型に充填ないし流延して重合処理する方法や、熱可塑性樹脂を所定のプリズム状凹凸を形成しうる金型に加熱下に押付けて形状を転写する方法、加熱溶融させた熱可塑性樹脂あるいは熱や溶媒を介して流動化させた樹脂を所定の形状に成形しうる金型に充填する射出成形などの方法などが挙げられる。
【0053】
また導光板は、例えば光の伝送を担う導光部にプリズム状凹凸面形成用のシートを接着したものの如く、異種材料の積層体などとして形成されていても、1種の材料による一体的単層物として形成されていてもよい。
導光板の厚さは、使用目的による導光板のサイズや光源の大きさなどにより適宜に決定することができる。液晶表示装置などに用いる場合の導光板の一般的な厚さは、その入射面に基づき20mm以下、好ましくは0.1〜10mm、より好ましくは0.5〜8mmである。
【0054】
反射層は、メッキ層、金属蒸着層、金属箔、金属蒸着シート、メッキシートなどにより適宜な方法で形成することができる。また反射層は、その表面に例えば微細凹凸構造を付与するなどして光拡散型のものとしたり、反射シートなどとして導光板と重ね合わせて形成することもできる。
【0055】
図1(b)に示すものは、図中、下側から反射層(反射板)3、管状光源2および本発明の光拡散板(光拡散層)1を直列に配列した直下型のバックライト装置である。管状光源2は複数の蛍光放電管からなっている。
【0056】
本発明のバックライト装置は、図1(a)、(b)に示すものに限定されるものではなく、例えば、必要に応じてプリズムアレイ層などの適宜な補助手段を配置したものであってもよい。プリズムアレイ層は、導光板へのプリズム構造の付与や、プリズムシートなどの配置などによる適宜な方式で設けることができる。
【0057】
本発明の液晶表示装置用バックライト装置は、光透過性および光拡散性に優れる光拡散板を有しているので、光の利用効率に優れ、出射光の輝度が高く、輝度のムラが少ない高品質の光を提供し、大面積化なども容易である。
【0058】
図2に、本発明の液晶表示用バックライト装置を有する液晶表示装置の一例を示す。図2に示す液晶表示装置は、本発明のバックライト装置10を備える直下型の液晶表示装置である。図2に示す液晶表示装置は、下側から、本発明のバックライト装置10、偏光板6、液晶表示素子7および偏光板6が積層された構造を有する。なお、図2に示す液晶表示装置においては、液晶表示素子7の上下には、図示を省略する電極が形成されている。
【0059】
用いる液晶表示素子7については特に限定はなく、適宜なものを用いうる。液晶モードとしては、例えば、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、HAN(HybridAligned Nematic)型、MVA(Multiple Vertical Alignment)型、IPS(In Plane Switching)型、OCB(Optical Compensated Bend)型、などが挙げられる。
【0060】
図2に示す液晶表示装置は、本発明のバックライト装置10を備えるため、輝度向上フィルムを使用しない場合でも十分な表示輝度を実現することができるが、図3に示すように、従来と同様に光拡散板1と偏光板6との間に輝度向上フィルムを配置することはもちろん可能である。この場合さらに表示輝度の高い液晶表示装置を得ることができるし、光の利用効率に優れるため、光源の電力節減が可能になる。
【0061】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。以下の実施例および比較例において、「部」は全て重量基準である。
【0062】
(1)熱可塑性ノルボルネン系樹脂の屈折率測定
厚さ3mmの平板で、アッベ屈折率計を用いて、温度25℃、波長589nmで測定した。
(2)光拡散剤粒子の屈折率分布
「アプライドオプティクス、25巻、19号」に記載された方法に従って、差分干渉顕微鏡〔Interphako(インターファコ);Carl−Zeiss(カールツァイス)社製〕を用いて測定した。
(3)全光線透過率、濁度の測定
濁度計(NDH2000;日本電色工業社製)を用いて測定した。
(4)重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)
トルエンを溶媒としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。
(5)メルトインデックス
JIS K6719に準拠し、温度280℃、荷重2.16kgで測定した。(6)光拡散性組成物のアイゾット衝撃強度
射出成形により試験片を調製し、ASTM D256に準拠して測定した。
【0063】
[製造例1]光拡散剤の製造
スチレン100部とジビニルベンゼン5部からなる平均粒径3μmの架橋重合体粒子1部、及びポリビニルアルコール0.05部を含む水性エマルジョン300部を反応容器に入れ、撹拌しながら75℃に昇温したのち、ベンジルメタクリレート1部、メチルメタクリレート1部、および過酸化ベンゾイル0.015部からなる混合物を加えて、前記架橋重合体粒子をシード粒子とするシード重合を5時間行った。反応液を室温まで冷却して重合を終了させた後、得られた重合体粒子をろ取し、蒸留水でよく洗浄した後、真空乾燥機で、減圧下、温度50℃で48時間乾燥して、光拡散剤粒子(1)を得た。
得られた光拡散剤粒子(1)は、平均粒径が約7μm、表層部の屈折率が約1.53、中心部の屈折率が約1.59で、表層部から中心部に向けて屈折率が連続的に変化するものであった。
【0064】
〔製造例2〕
窒素雰囲気下、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(以下、ETDという)25部、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(ジシクロペンタジエン、以下、DCPという)75部を、脱水したシクロヘキサン250部に溶解し、分子量調節剤として1−ヘキセン1.0部を添加して、公知のメタセシス開環重合触媒で重合し、次いで公知の方法で水素添加し、ETD/DCP開環共重合体水素添加物Aを得た。重合体中の各ノルボルネン類の共重合比率を、重合後の溶液中の残留ノルボルネン類組成(ガスクロマトグラフィー法による)から計算したところ、ETD/DCP=25/75でほぼ仕込組成に等しかった。即ちこのETD/DCP開環共重合体水素添加物Aは、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4−ジイル−エチレン構造を有する繰り返し単位を75重量%含有するものであった。このETD/DCP開環重合体水素添加物Aの、重量平均分子量(Mw)は37,000、Mw/Mnは2.3、メルトインデックスは29g/10分、水素添加率は99.9%、Tgは107℃であった。
【0065】
[製造例3]
1−ヘキセンを0.5部とした以外は製造例2と同様にして、ETD/DCP開環共重合体水素添加物Bを得た。重量平均分子量(Mw)は49,000、Mw/Mnは2.5、メルトインデックスは3g/10分、水素添加率は99.6%、Tgは104℃であった。
【0066】
[製造例4]
1−ヘキセンを1.4部とした以外は製造例2と同様にして、ETD/DCP開環共重合体水素添加物Cを得た。重量平均分子量(Mw)は31,000、Mw/Mnは2.1、メルトインデックスは65g/10分、水素添加率は99.9%、Tgは101℃であった。
【0067】
〔製造例5〕
ETD70部、DCP30部、1−ヘキセンを1.2部とした以外は製造例2と同様にして、ETD/DCP開環共重合体水素添加物Dを得た。重合体中の各ノルボルネン類の共重合比率は、ETD/DCP=70/30でほぼ仕込組成に等しかった。即ちこのETD/DCP開環共重合体水素添加物Dは、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4−ジイル−エチレン構造を有する繰り返し単位を30重量%含有するものであった。このETD/DCP開環重合体水素添加物Dの、重量平均分子量(Mw)は35,000、Mw/Mnは2.3、メルトインデックスは23g/10分、水素添加率は99.9%、Tgは127℃であった。
【0068】
〔実施例1〕
製造例2で得た開環重合体水素添加物A100部と、老化防止剤(チバガイギー杜製、イルガノックス1010)0.2部、および製造例1で得た光拡散剤粒子(1)12部とを、樹脂温度250℃で、二軸押出機(TEM−35B、東芝機械社製)を用いて混練して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物はペレタイザーによりペレットにした。このペレットを60℃で24時間、温風乾燥した後、射出成形により厚さ2mmの平板(光拡散板)を作成した。この光拡散板の衝撃強度、得られた光拡散板の外観(目視による表面荒れなどの成形不良の評価)、全光線透過率および濁度を第1表に示す。
【0069】
[比較例1]
製造例3で得た開環重合体水素添加物Bを用いた以外は実施例1と同様にして光拡散性組成物および光拡散板を得た。
【0070】
[比較例2]
製造例4で得た開環重合体水素添加物Cを用いた以外は実施例1と同様にして光拡散性組成物および光拡散板を得た。
【0071】
[比較例3]
製造例5で得た開環重合体水素添加物Dを用いた以外は実施例1と同様にして光拡散性組成物および光拡散板を得た。
【0072】
[比較例4]
製造例1で得た光拡散剤粒子(1)の代わりに、市販の架橋ポリスチレンビーズ(テクポリマーSBX−8、積水化成品工業株式会社製、平均粒径約8μm、屈折率1.59)を用いた以外は実施例1と同様にして光拡散性組成物および光拡散板を得た。
【0073】
〔比較例5〕
架橋ポリスチレンビーズを5部とした以外は、比較例5と同様にして光拡散性組成物および光拡散板を得た。
【0074】
【表1】
【0075】
[実施例2]液晶表示装置用バックライト装置の作成
実施例1で得た光拡散板と、直径2mm、長さ150mmの冷陰極管2本と、反射板からなる直下型バックライト装置を組み立てた。その上に、2枚の偏光板と、その間に介挿されたネマチック型液晶表示素子を配置して、液晶表示装置を作成した。表示を白表示にして、表示面から500mm離れた直上から、輝度計(BM−7、トプコン社製)を用いて視野角0.1度で輝度を測定したところ、355cdであった。
【0076】
[比較例6]
比較例5で得た光拡散板を用いた以外は実施例2と同様にして、液晶表示装置を作製した。実施例2と同様にして輝度を測定したところ、輝度は280cdであった。
【0077】
【発明の効果】
本発明の光拡散性組成物によれば、全光線透過率が高く、かつ光拡散効果(濁度)の大きい光拡散性成形品を得ることができる。
本発明の光拡散性成形品は、マトリックスに熱可塑性ノルボルネン系樹脂を用いるため、全光線透過率が高く、かつ光拡散効果(濁度)が大きく、高温高湿環境にあっても全光線透過率の低下が少ない。また、耐熱性に優れ、低吸湿性、低比重であるため、形状、寸法の安定性がよく、軽量化が容易である。
本発明の液晶表示装置用バックライト装置は、本発明の光拡散性成形品(光拡散板)を備えているため、輝度向上フィルムを用いない場合でも十分な表示輝度が得られ、ハイコントラストで高品質の表示が実現できる。また、部材数の削減ができるため、高輝度を維持しつつ軽量化、薄型化、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の液晶表示用バックライト装置の層構成断面図である。
【図2】図2は、本発明のバックライト装置を備える直下型の液晶表示装置の層構成断面図である。
【図3】図3は、輝度向上フィルムを用いた、従来の直下型の液晶表示装置の層構成断面図である。
【符号の説明】
1,1a…光拡散板(光拡散層)、2…光源、3…反射層(反射板)、4…導光板、5…光源ホルダー、6…偏光板、7…液晶表示素子、8…プリズムシート、9…輝度向上フィルム、10…バックライト装置[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention provides a light-diffusing composition containing a light-diffusing agent having a refractive index gradient structure in which the refractive index changes stepwise from the surface layer portion toward the center portion, and a light-diffusing composition obtained by molding this composition. TECHNICAL FIELD The present invention relates to a transparent molded article and a backlight device for a liquid crystal display device provided with the light diffusion molded article (light diffusion plate).
[0002]
[Prior art]
The light-diffusing molded product is a molded product that diffuses incident light and emits the light, and is used when it is difficult to uniformly irradiate the entire light due to a positional relationship with a light source or the like. For example, in a backlight-type liquid crystal display device (LCD), a plate-shaped molded product (light diffusion plate) is installed between a light source and the back surface of the display, and light from a backlight light source in the immediate vicinity of the liquid crystal is emitted. The light is uniformly emitted from the display surface so that light and darkness do not occur on the display.
[0003]
In order to effectively use the light of the light source, such a light-diffusing molded article is obtained by adjusting the ratio of the outgoing light from the outgoing surface to the incoming light from the incoming surface, that is, the parallel light transmittance and the diffused light transmittance. The total light transmittance must be high. For the purpose of diffusing light, the function does not work unless the ratio of the diffused light transmittance to the total light transmittance, that is, the turbidity is sufficiently large.
[0004]
As such a light-diffusing molded product, a product formed by dispersing transparent particles having a diameter of several μm to several tens μm in a transparent base material such as a resin is known. In this case, incident light is emitted as scattered light by refracting light using a difference in refractive index generated at the interface between the transparent substrate and the transparent particles. Here, as the difference in the refractive index at the interface is larger, the angle of refraction of light is larger, and the light diffusion effect can be enhanced. However, not only refraction of light but also reflection of light occurs at an interface having a refractive index difference, and in particular, a part of the reflected light returns to the rear side (light incident side), so that the total light transmittance decreases, There is a problem that the light of the light source is not effectively used.
[0005]
For this reason, in the conventional LCD, as shown in FIG. 3, a device for increasing the light incident on the liquid crystal display element 7 by arranging the brightness enhancement film 9 between the light diffusion plate 1a and the polarizing plate 6 is proposed. Has been done. However, since the brightness enhancement film is expensive and increases the number of members, it is against the weight reduction, thinning, and cost reduction of LCD.
[0006]
In order to solve this problem, Patent Literatures 1 to 3 disclose a transparent substrate in which the refractive index changes from the center to the outside and the refractive index of the outer edge and the refractive index of the transparent substrate are almost equal. A light-diffusing molded article (light diffuser) containing particles has been proposed. According to the light diffusing molded articles described in these documents, backward light reflection is suppressed, and an excellent light diffusing effect can be obtained.
[0007]
Patent Document 4 discloses a light-diffusing resin composition in which transparent polymer fine particles are dispersed in a thermoplastic norbornene-based resin matrix, and a light-diffusing molded article comprising the same. According to the light-diffusing molded article described in this document, excellent light-transmitting properties and light-diffusing properties as well as durability such that its optical properties do not deteriorate even under high humidity conditions can be obtained.
[0008]
Therefore, if a thermoplastic norbornene-based resin is used as the base material, and the refractive index changes from the center toward the outside, and the transparent particles whose refractive index at the outer edge and the refractive index of the transparent base material are substantially equal to each other are dispersed, furthermore, It is considered that a light-diffusing molded article having both excellent optical properties and durability can be obtained. Therefore, it is expected that a high-brightness, light-weight, thin, and low-cost LCD can be provided without using the brightness enhancement film.
[0009]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 2657536
[Patent Document 2]
JP 2002-214408 A
[Patent Document 3]
JP 2002-328207 A
[Patent Document 4]
JP-A-8-327806
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
However, when actually examining such a light-diffusing composition, although a high light-transmitting property can be obtained, in order to obtain a sufficient light-diffusing property, that is, a large turbidity, the above-mentioned characteristics (refractive property) are required. It is necessary to use a certain amount or more of a light diffusing agent having a gradient gradient structure), resulting in poor moldability (such as surface roughness of the molded product) and strength characteristics (impact resistance) of the obtained light diffusing molded product. ) Was found to be inferior.
[0011]
The present invention has been made in view of such a problem, and has a high total light transmittance, can increase turbidity, and has a light diffusing property that does not decrease the total light transmittance even in an environment of high temperature and high humidity. A light diffusing composition capable of obtaining a molded article, a light diffusing molded article obtained by molding the composition, and a backlight device for a liquid crystal display device including the light diffusing molded article (light diffusing plate). The task is to provide.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to solve the above-mentioned problems, and as a result, the thermoplastic norbornene-based resin has a repeating unit having a specific structure, and by using a resin having a specific melting property, the moldability is good. It has been found that the resulting light diffusing molded article can be made into a light diffusing composition having a sufficient impact resistance. The light diffusing plate obtained by molding this composition has a high total light transmittance and a large turbidity, so that a backlight device for a liquid crystal display device equipped with this light diffusing plate has higher luminance than the conventional one. The present invention, and that the liquid crystal display device using this backlight device can obtain a sufficient display brightness even without using a brightness enhancement film, so that a high-contrast high-quality display can be realized. It led to.
[0013]
Thus, according to the first aspect of the present invention, there is provided a light diffusing composition obtained by dispersing a light diffusing agent in a thermoplastic norbornene resin, wherein the thermoplastic norbornene resin has a refractive index n0 and bicyclo [3 3.3.0] 55 to 90% by weight of a repeating unit having an octane-2,4-diyl-ethylene structure, a melt index measured at 280 ° C under a load of 2.16 kg of 5 to 50 g / 10 minutes, In the light diffusing agent, the refractive index of the surface layer is n1 (| n1−n0 | ≦ 0.01), the refractive index of the center is n2, (n2 ≠ n1), and from the surface layer to the center. It is a light diffusing agent whose refractive index changes continuously or stepwise from n1 to n2, and the difference between the refractive index n1 of the surface layer portion and the refractive index n2 of the central portion is 0.05 or more. A light diffusing composition is provided.
[0014]
According to a second aspect of the present invention, there is provided a light diffusing molded article obtained by molding the light diffusing composition of the present invention.
According to a third aspect of the present invention, there is provided a backlight device for a liquid crystal display device, comprising: a light source; and a light diffusing plate obtained by molding the light diffusing composition of the present invention.
[0015]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail with respect to 1) a light diffusing composition, 2) a light diffusing molded article, and 3) a backlight device for a liquid crystal display device.
[0016]
1) Light diffusing composition
In the light diffusing composition of the present invention, in a thermoplastic norbornene-based resin having a refractive index of n0, the refractive index of the surface portion is n1 (| nl-n0 | ≦ 0.01), and the refractive index of the central portion is n2 (n2 ≠ nl), and the refractive index changes continuously or stepwise from the surface layer portion to the center portion from nl to n2, and the difference between the refractive index n1 of the surface layer portion and the refractive index n2 of the center portion is A light diffusing agent of 0.05 or more is dispersed.
[0017]
(1) Thermoplastic norbornene resin
The light-diffusing composition of the present invention uses a thermoplastic norbornene-based resin as a transparent substrate in which a light-diffusing agent is dispersed. Thermoplastic norbornene resins are excellent in transparency, heat resistance, and low water absorption. Therefore, the light-diffusing molded article obtained by molding the composition of the present invention has a large total light transmittance and a high light use efficiency. Further, the total light transmittance does not decrease even when placed in an environment of high temperature and high humidity.
[0018]
The thermoplastic norbornene-based resin used in the present invention contains 55 to 90% by weight of a repeating unit having a bicyclo [3.3.0] octane-2,4-diyl-ethylene structure.
[0019]
As a method for setting the repeating unit having a bicyclo [3.3.0] otacun-2,4-diyl-ethylene structure in a thermoplastic norbornene-based resin to the above range, for example, a structure in which a 5-membered ring is bonded to a norbornene ring After polymerizing a monomer mixture containing 55 to 90% by weight of a norbornene-based monomer having the following formula by a known metathesis ring-opening polymerization method, the carbon-carbon unsaturated bond of the main chain and the ring is hydrogenated by a known method. Method.
[0020]
Examples of norbornene monomers having a structure in which a five-membered ring is bonded to a norbornene ring include tricyclo [4.3.0.1 2,5 ] Deca-3,7-diene (common name: dicyclopentadiene, hereinafter referred to as DCP) and derivatives thereof (having a substituent on the ring) and the like. Here, examples of the substituent include an alkyl group, an alkylene group, an alkoxycarbonyl group, and a carboxyl group. Moreover, two or more of these substituents may be the same or different and may be bonded to the ring.
[0021]
Further, the thermoplastic norbornene-based resin used in the present invention further comprises tricyclo [4.3.0.1 2,5 ] It is preferable that the content of the repeating unit having a decane-7,9-diyl-ethylene structure is 10% by weight to 45% by weight. By using such a resin, it is possible to obtain a molded article having little deformation in use at high temperature and excellent in long-term stability of optical characteristics.
[0022]
Tricyclo [4.3.0.1 in thermoplastic norbornene-based resin 2,5 As a method for setting the repeating unit having a decane-7,9-diyl-ethylene structure in the above range, for example, tetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 A known metathesis ring-opening method is used to prepare a monomer mixture containing 10% by weight or more of dodeca-3-ene (common name: tetracyclododecene, hereinafter, referred to as TCD) and its derivative (having a substituent on the ring). After polymerization by a polymerization method, a method of hydrogenating a carbon-carbon unsaturated bond of a main chain and a ring by a known method may be used.
[0023]
In the present invention, other norbornene-based monomers and other monomers may be copolymerized as long as the effects of the present invention are not impaired. Other norbornene-based monomers include bicyclo [2.2.1] hept-2-ene (common name: norbornene) and 7,8-benzotricyclo [4.3.0.1. 2,5 ] Deca-3-ene (common name: methanotetrahydrofluorene, hereinafter referred to as MTF) and derivatives thereof (having a substituent on the ring). Other monomers include monocyclic olefins such as cyclohexene, cycloheptene and cyclooctene and derivatives thereof; cyclic conjugated dienes such as cyclohexadiene and cycloheptadiene and derivatives thereof; and the like.
[0024]
The thermoplastic norbornene-based resin used in the present invention has a melt index measured at 280 ° C. and a load of 2.16 kg of 5 to 50 g / 10 minutes, and preferably 10 to 45 g / 10 minutes. When the value of the melt index is smaller than the above range, the moldability of the light diffusing composition in which the light diffusing agent is dispersed is deteriorated, and when molding the light diffusing molded article from the composition, molding defects such as surface roughness are caused. May occur. On the other hand, when the melt index value is larger than the above range, the bending strength and impact resistance of the light diffusing composition and the light diffusing molded article obtained by molding the composition become poor. The melt index value of the thermoplastic norbornene-based resin can be adjusted to the above range mainly by adjusting the range of the weight average molecular weight and the molecular weight distribution. Specifically, the weight average molecular weight (Mw) in terms of polyisoprene or polystyrene measured by gel permeation chromatography using cyclohexane (toluene when the resin does not dissolve) as a solvent, is usually 10,000 to 100. 5,000, preferably 15,000 to 70,000, more preferably 20,000 to 50,000. The molecular weight distribution (weight average molecular weight (Mw) / number average molecular weight (Mn)) is usually 1.0 to 5.0, preferably 1.0 to 4.0, and more preferably 1.2 to 3.5. . In addition, since it varies depending on the kind of the monomer used, its composition ratio, the conditions of the hydrogenation reaction, and the like, these variables are appropriately adjusted so as to be in the above-mentioned range of the melt index.
[0025]
The glass transition temperature of the thermoplastic norbornene-based resin used in the present invention may be appropriately selected according to the purpose of use, and is preferably 80 ° C or higher, more preferably 100 to 250 ° C. By setting the glass transition temperature within the above range, a molded article having excellent durability can be obtained without deformation or stress during use at a high temperature.
[0026]
(2) Light diffusing agent
In the light diffusing agent used in the present invention, assuming that the refractive index of the thermoplastic norbornene-based resin is n0, the refractive index of the surface layer is n1 (| n1-n0 | ≦ 0.01), and the refractive index of the center is n1. (N2 ≠ n1), and the refractive index changes continuously or stepwise from n1 to n2 from the surface layer toward the center, and the difference between the refractive index n1 of the surface layer and the refractive index n2 of the center is 0. .05 or more. Since the light diffusing agent having such a refractive index gradient structure does not have a refractive index difference at the interface with the base material, and has no interface with a refractive index difference inside the light diffusing agent, the light diffusing agent is directed in the light incident direction. Reflection can be suppressed.
[0027]
The shape and the like of the light diffusing agent used in the present invention are not particularly limited as long as they are transparent, but from the viewpoint of obtaining a more excellent light diffusing effect, fine particles are preferable.
Examples of the light diffusing agent in the form of fine particles include inorganic fine particles and organic fine particles. Examples of the inorganic fine particles include silica particles and metal fine particles. In addition, metal oxides such as silicon oxide, zinc oxide, titanium oxide, and zirconium oxide are formed on the surfaces of core fine particles such as glass fine particles, metal fine particles, and synthetic resin fine particles; 2 Fine particles formed with a thin film of metal fluoride such as; Examples of the organic fine particles include silicone resin particles, acrylic resin particles, nylon resin particles, urethane resin particles, styrene resin particles, polyethylene resin particles, and polyester resin particles.
[0028]
The particle size of these fine particles is not particularly limited, but the average particle size is usually 1 to 30 μm, preferably 3 to 20 μm, more preferably 5 to 15 μm. If it is smaller than 1 μm, the light diffusivity increases but the light transmissivity decreases. If it is larger than 30 μm, the light transmissivity increases but the light diffusivity decreases, and uneven brightness tends to occur.
[0029]
The fine particle light diffusing agent used in the present invention is preferably as many as spherical. When spherical fine particles are used as the light diffusing agent, the spherical fine particles act as a kind of lens, and can have a more effective light diffusing effect. Here, the term “spherical” refers to fine particles having a minor axis / major axis of preferably 0.6 or more, more preferably 0.8 or more, particularly preferably 0.9 or more, and no corners. The minor axis refers to the smallest diameter of one fine particle, and the major axis refers to the largest diameter of the same fine particle. The ratio of the spherical fine particles in the fine particles used is preferably 80% or more, more preferably 90% or more, and preferably 95% or more. The minor axis, major axis, average particle diameter, and the presence or absence of a corner may be measured based on an image of a micrograph. If there are many non-spherical ones, it is difficult to obtain a uniform light diffusing molded article having non-uniform dispersion at the time of molding or having an orientation property. The light diffusing agent used in the present invention does not need to be one kind, and the light transmittance and the light diffusivity can be adjusted by using a plurality of kinds in combination.
[0030]
Here, the central portion means a portion where the refractive index becomes maximum (or minimum) inside the light diffusing agent used in the present invention. The maximum or minimum of the refractive index is preferably, but not necessarily, at the geometric center of the light diffusing agent. The larger the difference in refractive index between the surface layer and the center of the light diffusing agent, the better. From the viewpoint of the refraction effect and the like, a preferable refractive index difference is 0.05 or more, more preferably 0.1 or more. The distribution of the refractive index inside the light diffusing agent is preferably a distribution connecting the refractive index difference between the surface layer portion and the center portion as continuously as possible.
[0031]
In the present invention, by controlling the refractive index distribution and the size of the light diffusing agent dispersed in the thermoplastic norbornene-based resin, the amount of dispersion, etc., it is possible to change the diffusion state of light, so that the backscattering of light Can be effectively reduced, and a light-diffusing molded article having a high total light transmittance can be obtained.
[0032]
As a method for obtaining a desired light diffusing agent having a gradient refractive index structure, the following method can be used.
(A) When a plurality of monomers giving resins having different refractive indices are copolymerized, the refractive index changes in a multilayered or continuous manner by gradually increasing the amount of one monomer as the polymerization proceeds. A method for producing fine particles.
According to this method, it is possible to obtain organic fine particles whose refractive index continuously changes from nl to n2 from the surface layer portion toward the center portion. For example, in the emulsion polymerization of styrene (n = 1.6) / methyl methacrylate (n = 1.49), polymerization is mainly carried out at the start of polymerization, and by gradually increasing the ratio of methyl methacrylate, A light diffusing agent having a refractive index of 1.6 at the center and a refractive index of about 1.49 at the outermost edge can be obtained.
[0033]
(A) Base particles containing a polymerization initiator are put into a vapor of a monomer that gives a resin having a different refractive index from the particles, and polymerization is performed before saturation with the monomer, and fine particles having a refractive index changed stepwise are obtained. How to make.
According to this method, it is possible to obtain organic fine particles whose refractive index continuously changes from nl to n2 from the surface layer portion toward the center portion. For example, a sensitizer is placed in polycarbonate fine particles (beads), left in a methyl methacrylate monomer vapor, and then irradiated with ultraviolet rays to cure the methyl methacrylate monomer, whereby the refractive index changes stepwise. Can be produced.
[0034]
As the base particles, those made of an appropriate transparent substance such as glass or a polymer can be used. Generally, a polymer made of a polymer exhibiting good transparency to the wavelength light used is used. Specific examples thereof include polyolefin, various synthetic rubbers, polyvinyl chloride, polyester, polystyrene, polyamide, cellulose, polyvinyl alcohol, polyacrylate, polymethacrylate, polyurethane, polyurethane acrylate, and epoxy acrylate.
[0035]
(C) By immersing the base particles in the polymerizable compound, the base particles are impregnated with the polymerizable compound, and the particles are subjected to a polymerization treatment to obtain a concentration distribution between the polymer of the polymerizable compound and the base particle component. A method for producing fine particles mixed in a state of having fine particles.
According to this method, it is possible to obtain organic fine particles whose refractive index changes stepwise from nl to n2 from the surface layer portion toward the center portion.
The refractive index distribution in the obtained particles can be controlled by adjusting the concentration distribution by impregnation of the polymerizable compound, or by a combination based on the refractive index of the polymerizable compound and the base particles.
[0036]
As the base particles, particles made of a suitable transparent substance such as glass and a polymer can be used. Specific examples thereof include those similar to those listed as base particles that can be used in the method (a). The polymerizable compound to be impregnated into the base particles is not particularly limited as long as it forms a polymer having a refractive index different from that of the base particles and has a capability of penetrating the base particles. Examples thereof include thermopolymerizable monomers such as benzyl methacrylate and styrene and oligomers thereof; and photopolymerizable monomers and oligomers such as tribromophenoxyethyl acrylate and trifluoroethyl acrylate. The polymerizable compound to be impregnated may be preliminarily blended with a radical polymerization initiator or the like. Further, two or more polymerizable compounds may be used in combination.
[0037]
(D) A method of coating the surfaces of the base particles with substances having different refractive indexes.
According to this method, it is possible to obtain fine particles whose refractive index changes stepwise from nl to n2 from the surface layer portion toward the center portion.
As the base particles to be used, those similar to those listed in the above methods (a) and (c) can be mentioned.
Examples of the method for coating the surface of the base particles include a sputter deposition method, a CVD (Chemical Vapor Deposition) method, and a vacuum deposition method. Materials for coating the surface of the base particles include metal oxides such as silicon oxide, zinc oxide, titanium oxide, and zirconium oxide; 2 Metal fluorides; and the like.
[0038]
(E) Other methods
In addition, as another method, a surface portion of the base particles is irradiated with ionizing radiation such as an electron beam or radiation or an ion beam to cause a crosslinking reaction or the like, thereby modifying the surface portion to change the refractive index. Alternatively, a light diffusing agent having a desired refractive index gradient structure can also be obtained by a method of performing ion exchange of glass beads.
[0039]
(3) Method for producing light-diffusing composition
In the light diffusing composition of the present invention, in a thermoplastic norbornene-based resin having a refractive index of n0, the refractive index of the surface portion is n1 (| nl-n0 | ≦ 0.01), and the refractive index of the central portion is n2 (n2 ≠ nl), and the refractive index continuously or stepwise changes from nl to n2 from the surface layer toward the center, and the difference between the refractive index n1 of the surface layer and the refractive index n2 of the center is It can be produced by dispersing a light diffusing agent of 0.1 or more.
[0040]
The amount of the light diffusing agent varies depending on the type of the light diffusing agent to be used and the use of the light diffusing molded article, but is usually 1 to 39 parts by weight, preferably 5 to 35 parts by weight, based on 100 parts by weight of the thermoplastic norbornene resin. 20 parts by weight.
[0041]
The method for dispersing the light diffusing agent in the thermoplastic norbornene resin is not particularly limited, and a known method can be employed. For example, there is a method in which both are mechanically mixed with a Henschel mixer, a tumbler or the like, and then melt-kneaded with a Banbury mixer or a single-screw or twin-screw extruder. The resulting composition preferably has a light diffusing agent uniformly dispersed in a thermoplastic norbornene-based resin. If they are not uniformly dispersed, unevenness in light diffusion and light transmission will occur.
[0042]
Further, the light diffusing composition of the present invention may optionally contain various additives as long as the properties of the light diffusing composition of the present invention are not lost. Examples of the additives used include phenol-based and phosphorus-based antioxidants; benzophenone-based and benzotriazole-based ultraviolet absorbers; hindered amine-based light-resistant stabilizers; and cationic, anionic, nonionic, etc. Antistatic agent; Carbon or metal powder or fibrous conductivity-imparting agent; Lubricant such as aliphatic alcohol ester, polyhydric alcohol partial ester and partial ether; Resin or rubber such as ethylene polymer Polymer; graphite; fluororesin powder; and the like.
[0043]
2) Light-diffusing molded products
The light diffusing molded article of the present invention can be obtained by molding the light diffusing composition of the present invention. The method for molding the light-diffusing composition of the present invention is not particularly limited, and for example, molding a general thermoplastic resin such as an injection molding method, an extrusion molding method, a pressure molding method, a vacuum molding method, and a hot press molding method. Method can be adopted. Further, a film-shaped molded product can be obtained by a casting method. Of these, the injection molding method is easy, and a material having excellent dimensional accuracy is obtained, which is preferable.
[0044]
The total light transmittance of the light diffusing molded article of the present invention is preferably 70% or more, more preferably 80% or more, and particularly preferably 90% or more. The turbidity is preferably at least 85%, more preferably at least 90%, particularly preferably at least 92%.
[0045]
The light-diffusing molded article of the present invention has high total light transmittance and high turbidity (high haze), and has extremely excellent light scattering effect and light transmittance. Therefore, when used as a light diffusion plate for a backlight of a liquid crystal display device, high quality display with sufficiently high luminance and no luminance unevenness can be realized even when a configuration without using a luminance enhancement film is employed.
[0046]
The shape of the light diffusing molded article of the present invention is not particularly limited, and can be appropriately selected depending on the use and the like. The most common one is a light diffusion plate installed between a light source and an irradiation target so that light from a backlight light source is emitted uniformly and brightness on an irradiation surface is uniform. The size and thickness of the light diffusing plate is generally from 0.1 to 20 mm in thickness in that a light diffusing agent having a refractive index gradient structure is buried in a thermoplastic norbornene resin. And preferably 1 to 10 mm.
[0047]
The light-diffusing molded article of the present invention can be used for a viewing angle widening body of various display devices described later, an antireflection film, a light diffusion film, a lighting cover, a reflection screen, a transmission screen, and the like. When used for these applications, one or both sides of the light diffusing molded article of the present invention is provided with a hard coat layer, an antifouling layer, an antireflection layer, an antiglare layer, a flattening layer, an adhesive layer, an antistatic layer, and the like. be able to.
[0048]
3) Backlight device for liquid crystal display
A backlight device for a liquid crystal display device according to the present invention includes a light source and a light diffusing plate obtained by molding the light diffusing composition of the present invention.
[0049]
The light source used in the backlight device for a liquid crystal display of the present invention is not particularly limited. For example, a linear light source such as a (cold or hot) cathode tube, a point light source such as a light emitting diode, a tubular light source such as a fluorescent discharge tube, or the like. Examples of such linear or planar arrays are given.
[0050]
FIGS. 1A and 1B show an example of a backlight device for a liquid crystal display of the present invention. FIG. 1A shows a back of a type in which light emitted from a light source enters a light guide plate 4, is diffused by a light diffusion plate (light diffusion layer) 1 of the present invention, and is emitted upward in the figure. It is a light device. In the figure, a light source holder 5 surrounding a light source for guiding light from a light source 2 to a side surface of a light guide plate 4 and a reflection layer (reflection plate) 3 for guiding light incident on the light guide plate 4 to a light diffusion plate 1. Are provided below the light guide plate 4, respectively.
[0051]
The light guide plate can be manufactured using an appropriate material that exhibits transparency according to the wavelength region of the light source. Examples of the material of the light guide plate include acrylic resins such as polymethyl methacrylate, polycarbonate resins such as polycarbonate and polycarbonate / polystyrene copolymer, epoxy resins, and transparent resins and glass represented by norbornene resins. Those exhibiting transparency in a wavelength range of about 400 to 700 nm are included.
[0052]
The light guide plate can be formed by an appropriate method. As a preferable production method from the viewpoint of mass productivity, for example, a method in which a liquid resin that can be polymerized by heat or ultraviolet rays or radiation is filled or cast into a mold capable of forming predetermined prismatic irregularities, or a polymerization method, A method of transferring a shape by pressing a thermoplastic resin under heating to a mold capable of forming a predetermined prismatic irregularity, and transferring the shape by heating and melting a thermoplastic resin or a resin fluidized through heat or a solvent. And a method such as injection molding for filling a mold that can be molded into a mold.
[0053]
Further, the light guide plate may be formed as a single unit made of one kind of material, even if the light guide plate is formed as a laminate of different materials, such as a light guide part for transmitting light, to which a sheet for forming a prismatic uneven surface is adhered. It may be formed as a layered product.
The thickness of the light guide plate can be appropriately determined depending on the size of the light guide plate, the size of the light source, and the like according to the purpose of use. The general thickness of the light guide plate when used in a liquid crystal display device or the like is 20 mm or less, preferably 0.1 to 10 mm, more preferably 0.5 to 8 mm based on the incident surface.
[0054]
The reflection layer can be formed by a suitable method using a plating layer, a metal deposition layer, a metal foil, a metal deposition sheet, a plating sheet, or the like. The reflection layer may be of a light diffusion type by, for example, imparting a fine uneven structure to the surface thereof, or may be formed as a reflection sheet or the like by overlapping with a light guide plate.
[0055]
FIG. 1B shows a direct-type backlight in which a reflection layer (reflection plate) 3, a tubular light source 2, and a light diffusion plate (light diffusion layer) 1 of the present invention are arranged in series from below in the figure. Device. The tubular light source 2 comprises a plurality of fluorescent discharge tubes.
[0056]
The backlight device of the present invention is not limited to those shown in FIGS. 1A and 1B. For example, the backlight device is provided with appropriate auxiliary means such as a prism array layer as needed. Is also good. The prism array layer can be provided in an appropriate manner by providing a prism structure to the light guide plate, disposing a prism sheet, and the like.
[0057]
Since the backlight device for a liquid crystal display device of the present invention has a light diffusing plate having excellent light transmittance and light diffusing properties, it is excellent in light use efficiency, has high luminance of emitted light, and has little unevenness in luminance. It provides high quality light and is easy to enlarge.
[0058]
FIG. 2 shows an example of a liquid crystal display device having the liquid crystal display backlight device of the present invention. The liquid crystal display device shown in FIG. 2 is a direct type liquid crystal display device including the backlight device 10 of the present invention. The liquid crystal display device shown in FIG. 2 has a structure in which the backlight device 10, the polarizing plate 6, the liquid crystal display element 7, and the polarizing plate 6 of the present invention are stacked from below. In the liquid crystal display device shown in FIG. 2, electrodes not shown are formed above and below the liquid crystal display element 7.
[0059]
The liquid crystal display element 7 to be used is not particularly limited, and an appropriate element can be used. As the liquid crystal mode, for example, a TN (Twisted Nematic) type, an STN (Super Twisted Nematic) type, a HAN (Hybrid Aligned Nematic) type, an MVA (Multiple Optical Alignment, BIP, Oscillator, IPS, Oscillator, BIP, Oscillator) ) Type.
[0060]
Since the liquid crystal display device shown in FIG. 2 includes the backlight device 10 of the present invention, a sufficient display luminance can be realized even when a luminance enhancement film is not used. However, as shown in FIG. It is of course possible to arrange a brightness enhancement film between the light diffusion plate 1 and the polarizing plate 6. In this case, a liquid crystal display device having a higher display luminance can be obtained, and the light use efficiency is excellent, so that the power consumption of the light source can be reduced.
[0061]
【Example】
Next, the present invention will be described in more detail with reference to examples. However, the present invention is not limited at all by the following examples. In the following Examples and Comparative Examples, all “parts” are based on weight.
[0062]
(1) Refractive index measurement of thermoplastic norbornene resin
The measurement was performed on a flat plate having a thickness of 3 mm using an Abbe refractometer at a temperature of 25 ° C. and a wavelength of 589 nm.
(2) Refractive index distribution of light diffusing agent particles
According to the method described in “Applied Optics, Vol. 25, No. 19”, the measurement was performed using a differential interference microscope [Interphako (Interfaco); manufactured by Carl-Zeiss (Carl Zeiss)].
(3) Measurement of total light transmittance and turbidity
It measured using the turbidimeter (NDH2000; Nippon Denshoku Industries Co., Ltd.).
(4) Weight average molecular weight (Mw), molecular weight distribution (Mw / Mn)
The measurement was performed using gel permeation chromatography (GPC) using toluene as a solvent.
(5) Melt index
It was measured at a temperature of 280 ° C. and a load of 2.16 kg in accordance with JIS K6719. (6) Izod impact strength of light diffusing composition
Specimens were prepared by injection molding and measured according to ASTM D256.
[0063]
[Production Example 1] Production of light diffusing agent
1 part of crosslinked polymer particles having an average particle diameter of 3 μm consisting of 100 parts of styrene and 5 parts of divinylbenzene, and 300 parts of an aqueous emulsion containing 0.05 part of polyvinyl alcohol were placed in a reaction vessel and heated to 75 ° C. while stirring. Thereafter, a mixture consisting of 1 part of benzyl methacrylate, 1 part of methyl methacrylate, and 0.015 part of benzoyl peroxide was added, and seed polymerization was performed for 5 hours using the crosslinked polymer particles as seed particles. After the reaction solution was cooled to room temperature to terminate the polymerization, the obtained polymer particles were collected by filtration, washed well with distilled water, and then dried under reduced pressure at a temperature of 50 ° C. for 48 hours using a vacuum dryer. Thus, light diffusing agent particles (1) were obtained.
The obtained light diffusing agent particles (1) have an average particle size of about 7 μm, a refractive index of the surface layer of about 1.53, and a refractive index of the center of about 1.59. From the surface layer to the center. The refractive index changed continuously.
[0064]
[Production Example 2]
Under a nitrogen atmosphere, 8-ethyltetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 25 parts of dodeca-3-ene (hereinafter referred to as ETD), tricyclo [4.3.0.1 2,5 75 parts of deca-3,7-diene (hereinafter referred to as DCP) is dissolved in 250 parts of dehydrated cyclohexane, and 1.0 part of 1-hexene is added as a molecular weight regulator to give a known metathesis. Polymerization was carried out using a ring-opening polymerization catalyst, followed by hydrogenation by a known method to obtain a hydrogenated product A of ETD / DCP ring-opening copolymer. When the copolymerization ratio of each norbornene in the polymer was calculated from the composition of the residual norbornenes in the solution after polymerization (by gas chromatography), it was almost equal to the charged composition at ETD / DCP = 25/75. That is, the hydrogenated product A of the ETD / DCP ring-opening copolymer contained 75% by weight of a repeating unit having a bicyclo [3.3.0] octane-2,4-diyl-ethylene structure. The weight average molecular weight (Mw) of the hydrogenated product A of this ETD / DCP ring-opening polymer was 37,000, Mw / Mn was 2.3, the melt index was 29 g / 10 min, the hydrogenation rate was 99.9%, Tg was 107 ° C.
[0065]
[Production Example 3]
ETD / DCP ring-opening copolymer hydrogenated product B was obtained in the same manner as in Production Example 2 except that 0.5 part of 1-hexene was used. The weight average molecular weight (Mw) was 49,000, Mw / Mn was 2.5, the melt index was 3 g / 10 minutes, the degree of hydrogenation was 99.6%, and the Tg was 104 ° C.
[0066]
[Production Example 4]
A hydrogenated product of ETD / DCP ring-opening copolymer C was obtained in the same manner as in Production Example 2 except that 1.4 parts of 1-hexene was used. The weight average molecular weight (Mw) was 31,000, Mw / Mn was 2.1, the melt index was 65 g / 10 min, the degree of hydrogenation was 99.9%, and the Tg was 101 ° C.
[0067]
[Production Example 5]
ETD / DCP ring-opening copolymer hydrogenated product D was obtained in the same manner as in Production Example 2 except that 70 parts of ETD, 30 parts of DCP, and 1.2 parts of 1-hexene were used. The copolymerization ratio of each norbornene in the polymer was ETD / DCP = 70/30, which was almost equal to the charged composition. That is, this ETD / DCP ring-opening copolymer hydrogenated product D contained 30% by weight of a repeating unit having a bicyclo [3.3.0] octane-2,4-diyl-ethylene structure. This ETD / DCP ring-opened polymer hydrogenated product D had a weight average molecular weight (Mw) of 35,000, Mw / Mn of 2.3, a melt index of 23 g / 10 min, a hydrogenation rate of 99.9%, Tg was 127 ° C.
[0068]
[Example 1]
100 parts of the ring-opened polymer hydrogenated product A obtained in Production Example 2, 0.2 parts of an antioxidant (Irganox 1010, manufactured by Ciba Geigy Mori), and 12 parts of light diffusing agent particles (1) obtained in Production Example 1 Was kneaded at a resin temperature of 250 ° C. using a twin-screw extruder (TEM-35B, manufactured by Toshiba Machine Co., Ltd.) to obtain a resin composition. This resin composition was pelletized by a pelletizer. After drying the pellets at 60 ° C. for 24 hours with hot air, a flat plate (light diffusion plate) having a thickness of 2 mm was formed by injection molding. Table 1 shows the impact strength of the light diffusion plate, the appearance of the obtained light diffusion plate (evaluation of molding defects such as surface roughness by visual observation), total light transmittance and turbidity.
[0069]
[Comparative Example 1]
A light diffusing composition and a light diffusing plate were obtained in the same manner as in Example 1, except that the hydrogenated ring-opening polymer B obtained in Production Example 3 was used.
[0070]
[Comparative Example 2]
A light diffusing composition and a light diffusing plate were obtained in the same manner as in Example 1 except that the hydrogenated ring-opening polymer C obtained in Production Example 4 was used.
[0071]
[Comparative Example 3]
A light diffusing composition and a light diffusing plate were obtained in the same manner as in Example 1, except that the hydrogenated ring-opening polymer D obtained in Production Example 5 was used.
[0072]
[Comparative Example 4]
Instead of the light diffusing agent particles (1) obtained in Production Example 1, commercially available crosslinked polystyrene beads (Techpolymer SBX-8, manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd., average particle size of about 8 μm, refractive index 1.59) were used. A light-diffusing composition and a light-diffusing plate were obtained in the same manner as in Example 1 except that the composition was used.
[0073]
[Comparative Example 5]
A light diffusing composition and a light diffusing plate were obtained in the same manner as in Comparative Example 5, except that the crosslinked polystyrene beads were changed to 5 parts.
[0074]
[Table 1]
[0075]
[Example 2] Preparation of backlight device for liquid crystal display device
A direct-type backlight device including the light diffusion plate obtained in Example 1, two cold cathode tubes having a diameter of 2 mm and a length of 150 mm, and a reflection plate was assembled. On top of that, two polarizing plates and a nematic liquid crystal display element interposed between them were arranged to produce a liquid crystal display device. The display was set to white display, and the luminance was measured at a viewing angle of 0.1 degree using a luminance meter (BM-7, manufactured by Topcon Corporation) from immediately above the display surface at a distance of 500 mm, and it was 355 cd.
[0076]
[Comparative Example 6]
A liquid crystal display device was manufactured in the same manner as in Example 2 except that the light diffusion plate obtained in Comparative Example 5 was used. When the luminance was measured in the same manner as in Example 2, the luminance was 280 cd.
[0077]
【The invention's effect】
According to the light diffusing composition of the present invention, a light diffusing molded article having a high total light transmittance and a large light diffusing effect (turbidity) can be obtained.
Since the light-diffusing molded article of the present invention uses a thermoplastic norbornene-based resin for the matrix, it has a high total light transmittance, a large light diffusion effect (turbidity), and a total light transmission even in a high-temperature, high-humidity environment. There is little decrease in the rate. In addition, since it has excellent heat resistance, low moisture absorption, and low specific gravity, it has good shape and dimensional stability and is easy to reduce in weight.
Since the backlight device for a liquid crystal display device of the present invention includes the light-diffusing molded article (light-diffusing plate) of the present invention, sufficient display luminance can be obtained even without using a luminance enhancement film, and high contrast can be obtained. High quality display can be realized. Further, since the number of members can be reduced, weight reduction, thickness reduction, and cost reduction can be achieved while maintaining high luminance.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view of a layer structure of a backlight device for a liquid crystal display of the present invention.
FIG. 2 is a sectional view of a layer structure of a direct type liquid crystal display device including the backlight device of the present invention.
FIG. 3 is a sectional view of a layer structure of a conventional direct type liquid crystal display device using a brightness enhancement film.
[Explanation of symbols]
1, 1a: light diffusion plate (light diffusion layer), 2: light source, 3: reflection layer (reflection plate), 4: light guide plate, 5: light source holder, 6: polarizing plate, 7: liquid crystal display element, 8: prism Sheet, 9: brightness enhancement film, 10: backlight device