JP2004354236A - ステレオカメラ支持装置およびステレオカメラ支持方法ならびにステレオカメラシステム - Google Patents

ステレオカメラ支持装置およびステレオカメラ支持方法ならびにステレオカメラシステム Download PDF

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秀和 岩城
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Abstract

【課題】背景その他の周囲の他部に依存せずにその被写体自体の距離等当該被写体に着目した情報を効率的に取得することができるステレオカメラ支持装置を提供する。
【解決手段】ステレオカメラ(116)を車両(300)に支持するように構成された結合部材(159)と、結合部材によって車両に支持されたステレオカメラの姿勢乃至位置を制御する制御手段(160)とを備え、制御手段は、ステレオカメラによって得られる映像に関して、映像中の注目被写体の輪郭のうち最高水準位置にある輪郭部分が、車両の姿勢乃至位置の変化によらず、映像のフレーム上端乃至その近傍に位置するように、ステレオカメラの姿勢乃至位置を制御するステレオカメラ支持装置である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相互に離隔した複数の視点による視差を持った複数の映像を得るようになされたステレオカメラを支持するためのステレオカメラ支持装置およびこの種のステレオカメラの支持方法並びにこれらを適用したステレオカメラシステムに関し、特に、それらによってステレオカメラの撮像視野に映じる特定の被写体が映像フレーム内において占める位置が特定の傾向を呈するようにするための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば、ステレオカメラを車両に搭載し、このカメラによって得られる映像信号出力に基づいて運転者に安全のための種々の情報を提供したり、或いは、車両の走行に係る自動制御を行なって運転の支援をするようなシステムも実用化されつつある。車載型のステレオカメラを車両に取り付ける場合の、太陽光、熱、温度、振動等々の環境ストレスに対処するための機構についても具体的な提案がなされている(例えば特許文献1)。
【0003】
また、車載のステレオカメラを用いて、ステレオカメラが未校正で、走行中の振動や道路面の傾斜の変化がある状況下でも、道路面上に存在する障害物の高速かつ高精度な検出を実現するべく、適用したカメラに係るキャリブレーションの手間を少なくして、道路両端の2本の白線の走行中の画像上の動きだけから、道路平面と各カメラの幾何学的な関係を求めることにより、走行中に振動や道路自身に傾斜があっても、道路平面上に存在する障害物を高速に検出する障害物検出装置も提案されている(例えば特許文献2)。
【0004】
更に、車載ステレオカメラを利用した車両用距離測定装置において、ステレオカメラの両光学系の取付位置および上下視野角度から定まる視野最下端部が路面と交わる点までの距離よりも短く設定される基準距離を用いて、距離演算手段の演算開始直後に演算距離が有効であるか、無効であるかを距離評価手段で評価するようにし、確実に対象物までの距離を演算している状態となってから距離演算手段の演算距離を有効とするようにして、距離測定開始直後の距離測定値が有効であるか否かを簡単に判定し、距離測定精度を向上させようとする技術も提案されている(例えば特許文献3)。
【0005】
【特許文献1】特許第3148749号公報
(段落0003〜0004;段落0008〜0011;図1;図2)
【0006】
【特許文献2】特開2001−76128号公報
(要約、段落0006;段落0011;図3;図4)
【0007】
【特許文献3】特許第3354450号公報
(段落0004;段落0035;図7;図9)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の提案には、ステレオカメラの撮像視野に映じる特定の被写体が映像フレーム内において占める位置が特定の傾向を呈するようにして、背景や周囲の他部に依存せずにその被写体自体の距離等当該被写体に着目した情報を効率的に取得するべく、適用されるステレオカメラの姿勢を調節することによってこれに対応しようとする技術課題の認識、ひいては、その技術課題の解決手段に係る開示はなされていない。
【0009】
そこで、本発明の目的は、車載用であることをその一例とするステレオカメラを用いて当該ステレオカメラとの相対関係が変化する被写体をその撮像視野に含んで撮影を行なう場合に、背景その他の周囲の他部に依存せずにその被写体自体の距離等当該被写体に着目した情報を効率的に取得することができるようにした、当該ステレオカメラの姿勢を調節するステレオカメラ支持装置およびステレオカメラの支持方法並びにそれらを適用したステレオカメラシステムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明は、次のような特徴的構成を備えている。
【0011】
本発明に係る請求項1に記載のステレオカメラ支持装置は、相互に離隔した複数の視点による視差を持った複数の映像を得るようになされたステレオカメラを支持するステレオカメラ支持装置であって、ステレオカメラを設置する車両側に設けられた支持メンバーと該ステレオカメラの所定部位に設けられた被支持メンバーとが上記両メンバー間の相対関係が所定範囲内で可変であるように結合することによって当該ステレオカメラを上記車両に支持するように構成された結合部材と、上記結合部材によって上記車両に支持されたステレオカメラの姿勢乃至位置を制御する制御手段と、を備え、上記制御手段は、上記ステレオカメラによって得られる映像に関して、当該映像中の注目被写体の輪郭のうち最高水準位置にある輪郭部分が、上記車両の姿勢乃至位置の変化によらず、映像のフレーム上端乃至その近傍に位置するように、当該ステレオカメラの姿勢乃至位置を制御し得るように構成された。
【0012】
また、本発明に係る請求項2に記載のステレオカメラ支持装置は、上記記載の発明であるステレオカメラ支持装置において、上記制御手段は、当該車両の姿勢乃至位置を検出する検出手段の検出出力に基づいて制御動作を行なうように構成された。
【0013】
また、本発明に係る請求項3に記載のステレオカメラ支持装置は、上記記載の発明であるステレオカメラ支持装置において、上記制御手段は、上記ステレオカメラによって得られる映像の特徴を評価して認識する映像認識手段の出力に依拠して制御動作を行なうように構成された。
【0014】
また、本発明に係る請求項4に記載のステレオカメラ支持装置は、上記記載の発明であるステレオカメラ支持装置において、上記制御手段は、当該車両の姿勢乃至位置を検出する検出手段の検出出力と、上記ステレオカメラによって得られる映像の特徴を評価して認識する映像認識手段の出力と、に依拠して制御動作を行なうように構成された。
【0015】
また、本発明に係る請求項5に記載のステレオカメラ支持装置は、上記記載の発明であるステレオカメラ支持装置において、上記検出手段は、当該車両の傾きを検出する傾斜検出手段、当該車両の所定部の水準位置を検出する高さ検出手段の内少なくとも1つを含む。
【0016】
また、本発明に係る請求項6に記載のステレオカメラ支持装置は、上記記載の発明であるステレオカメラ支持装置において、上記傾斜検出手段は鉛直方向又は水平方向に対する相対的な角度を検出する。
【0017】
また、本発明に係る請求項7に記載のステレオカメラ支持装置は、上記記載の発明であるステレオカメラ支持装置において、上記高さ検出手段は当該車両の接地面に対する相対的な位置を検出する。
【0018】
また、本発明に係る請求項8に記載のステレオカメラ支持装置は、上記記載の発明であるステレオカメラ支持装置において、上記制御手段は、フィードバック制御を行なう。
【0019】
また、本発明に係る請求項9に記載のステレオカメラ支持装置は、上記記載の発明であるステレオカメラ支持装置において、上記制御手段は、フィードフォワード制御を行なう。
【0020】
また、本発明に係る請求項10に記載のステレオカメラ支持装置は、相互に離隔した複数の視点による視差を持った複数の映像を得るようになされたステレオカメラを支持するステレオカメラ支持装置であって、上記ステレオカメラを設置する物体側に設けられた支持メンバーと該ステレオカメラの所定部位に設けられた被支持メンバーとが上記両メンバー間の相対関係が所定範囲内で可変であるように結合することによって当該ステレオカメラを上記物体上に支持するように構成された結合部材と、上記結合部材によって上記物体上に支持されたステレオカメラの姿勢乃至位置を制御する制御手段と、を備え、上記制御手段は、上記ステレオカメラによって得られる映像中の注目被写体の輪郭のうち最高水準位置にある輪郭部分が、上記物体と上記撮像視野内の注目被写体との相対的姿勢乃至位置の変化によらず、映像のフレーム上端乃至その近傍に位置するように当該ステレオカメラの姿勢乃至位置を制御し得るように構成された。
【0021】
また、本発明に係る請求項11に記載のステレオカメラ支持方法は、相互に離隔した複数の視点による視差を持った複数の映像を得るようになされたステレオカメラを支持するステレオカメラ支持方法であって、上記ステレオカメラを設置する車両側に設けられた支持メンバーと該ステレオカメラの所定部位に設けられた被支持メンバーとを上記両メンバー間の相対関係が所定範囲内で可変であるように結合し、上記結合によって上記車両に支持されたステレオカメラの姿勢乃至位置を、上記ステレオカメラによって得られる映像中の注目被写体の輪郭のうち最高水準位置にある輪郭部分が、上記車両の姿勢乃至位置の変化によらず、映像のフレーム上端乃至その近傍に位置するように、当該ステレオカメラの姿勢乃至位置を制御する。
【0022】
また、本発明に係る請求項12に記載のステレオカメラ支持方法は、相互に離隔した複数の視点による視差を持った複数の映像を得るようになされたステレオカメラを支持するステレオカメラ支持方法であって、上記ステレオカメラを設置する物体側に設けられた支持メンバーと該ステレオカメラの所定部位に設けられた被支持メンバーとを上記両メンバー間の相対関係が所定範囲内で可変であるように結合し、上記結合によって上記物体上に支持されたステレオカメラの姿勢乃至位置を、上記ステレオカメラによって得られる映像中の注目被写体の輪郭のうち最高水準位置にある輪郭部分が、上記物体と上記撮像視野内の注目被写体との相対的姿勢乃至位置の変化によらず、映像のフレーム上端乃至その近傍に位置するように、当該ステレオカメラの姿勢乃至位置を制御する。
【0023】
また、本発明に係る請求項13に記載のステレオカメラ支持装置は、上記記載の発明であるステレオカメラ支持装置において、上記制御手段は、当該車両の姿勢乃至位置を検出する検出手段の検出出力を状態変数とし、且つ、上記ステレオカメラによる映像に依拠することなく制御動作を行なうように構成された。
【0024】
また、本発明に係る請求項14に記載のステレオカメラシステムは、相互に離隔した複数の視点による視差を持った複数の映像を得るようになされたステレオカメラを備えたステレオカメラシステムであって、上記ステレオカメラを設置する車両側に設けられた支持メンバーと該ステレオカメラの所定部位に設けられた被支持メンバーとが上記両メンバー間の相対位置が所定範囲内で可変であるように結合することによって当該ステレオカメラを上記車両に支持するように構成された結合部材と、上記結合部材によって上記車両に支持されたステレオカメラの姿勢乃至位置を制御する制御手段と、を備え、上記制御手段は、上記ステレオカメラの撮像光学系乃至その近傍に設定した視点から該ステレオカメラの撮像視野を見込んで撮影することによって得られる映像に関して当該映像中の注目被写体の輪郭のうち最高水準位置にある輪郭部分が、上記車両の姿勢乃至位置の変化によらず、映像のフレーム上端乃至その近傍に位置するように、当該ステレオカメラの姿勢乃至位置を制御し得るように構成された。
【0025】
また、本発明に係る請求項15に記載のステレオカメラシステムは、上記記載の発明であるステレオカメラシステムにおいて、上記ステレオカメラによる撮影によって得られる映像情報に基づいて上記注目被写体の距離を算出する情報処理手段を更に備えた。
【0026】
また、本発明に係る請求項16に記載のステレオカメラシステムは、上記記載の発明であるステレオカメラシステムにおいて、上記情報処理手段は、上記ステレオカメラによる撮影によって得られる映像情報に基づいて当該車両に適用された表示手段に道路の状況を表わす映像を映出するためのデータを生成するように構成された。
【0027】
また、本発明に係る請求項17に記載のステレオカメラシステムは、上記記載の発明であるステレオカメラシステムにおいて、上記情報処理手段は、上記ステレオカメラによる撮影によって得られる映像情報に基づいて当該車両に適用された表示手段に道路の状況を表わす映像に該車両から等距離にある道路上の点群を表わす指標をスーパーインポーズ表示して映出するためのデータを生成するように構成された。
【0028】
また、本発明に係る請求項18に記載のステレオカメラシステムは、上記記載の発明であるステレオカメラシステムにおいて、上記情報処理手段は、上記ステレオカメラによる撮影によって得られる映像情報に基づいて当該車両に適用された警告手段に警告を発報させるためのデータを生成するように構成された。
【0029】
また、本発明に係る請求項19に記載のステレオカメラシステムは、相互に離隔した複数の視点による視差を持った複数の映像を得るようになされたステレオカメラを備えたステレオカメラシステムであって、上記ステレオカメラを設置する物体側に設けられた支持メンバーと該ステレオカメラの所定部位に設けられた被支持メンバーとが上記両メンバー間の相対位置が所定範囲内で可変であるように結合することによって当該ステレオカメラを上記車両に支持するように構成された結合部材と、上記結合部材によって上記物体に支持されたステレオカメラの姿勢乃至位置を制御する制御手段と、を備え、上記制御手段は、上記ステレオカメラの撮像光学系乃至その近傍に設定した視点から該ステレオカメラの撮像視野を見込んで撮影することによって得られる映像に関して当該映像中の注目被写体の輪郭のうち最高水準位置にある輪郭部分が、上記物体と上記撮像視野内の注目被写体との相対的姿勢乃至位置の変化によらず、映像のフレーム上端乃至その近傍に位置するように当該ステレオカメラの姿勢乃至位置を制御し得るように構成された。
【0030】
また、本発明に係る請求項20に記載のステレオカメラシステムは、上記記載の発明であるステレオカメラシステムにおいて、上記制御手段は、初動時には、上記ステレオカメラを、その撮像光学系乃至その近傍に設定した視点から該ステレオカメラの撮像視野を見込んで撮影するときの視野の中心線が実質的に水平方向となる姿勢に制御するよう構成された。
【0031】
また、本発明に係る請求項21に記載のステレオカメラシステムは、上記記載の発明であるステレオカメラシステムにおいて、上記制御手段は、初動時には、上記ステレオカメラを、その撮像光学系乃至その近傍に設定した視点から該ステレオカメラの撮像視野を見込んで撮影するときの視野の中心線が実質的に前回の制御で設定された最後の状態を維持するような姿勢に制御するよう構成された。
【0032】
また、本発明に係る請求項22に記載のステレオカメラシステムは、上記記載の発明であるステレオカメラシステムにおいて、上記制御手段は、初動時には、上記ステレオカメラを、その撮像光学系乃至その近傍に設定した視点から該ステレオカメラの撮像視野を見込んで撮影するときの視野の中心線が実質的に水平方向よりも下向きになる姿勢に制御するよう構成された。
【0033】
また、本発明に係る請求項23に記載のステレオカメラシステムは、上記記載の発明であるステレオカメラシステムにおいて、上記制御手段は、当該車両の高速走行時には、上記ステレオカメラを、その撮像光学系乃至その近傍に設定した視点から該ステレオカメラの撮像視野を見込んで撮影するときの視野の中心線が相対的に下向きになる姿勢に制御し、低速走行時には上記中心線が相対的に上向きになる姿勢に制御するよう構成された。
【0034】
また、本発明に係る請求項24に記載のステレオカメラシステムは、上記記載の発明であるステレオカメラシステムにおいて、上記制御手段は、注目すべき被写体の輪郭の最高水準部分が映像のフレームの上端を更に上方に逸脱してしまうような高い被写体に遭遇したことが認識されたときには上記ステレオカメラの姿勢を上向きに制御するよう構成された。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るステレオカメラ支持装置150及びこの装置を適用するステレオカメラシステムの構成を示す図である。
【0036】
本ステレオカメラシステムは、後述するステレオアダプタ101と撮像装置102とを含んでなるステレオカメラ116、処理装置103、制御装置104、入力装置105、警告装置106、運転装置107、表示装置108、車速センサ109、測距レーダ110、照度センサ111、外部カメラ112、GPS113、VICS114、外部通信装置115、ステレオカメラ支持装置150、カメラ姿勢センサ155及び車両姿勢センサ156を備えている。
【0037】
そして、ステレオカメラ支持装置150には、ステレオカメラ結合装置159及び支持制御装置160が設けられている。
【0038】
ここで、ステレオアダプタ101は、図2に示すように、カメラ等の撮像装置102内部にある撮像光学系102Aの前方に取り付けられ、撮像素子102Bに視差画像201を形成するために用いられるものであり、同一被写体1からの光を所定距離離間した2つの受光部位(ミラー101A−1,101A−2)で受光し、この受光した各々の光を撮像装置102の撮像光学系102Aに導く光学系(ミラー101B−1,101B−2)が設けられている。
【0039】
ステレオアダプタ101と撮像装置102(あるいはそれらに加えて処理装置103)を含んで構成されるステレオカメラ116は、ステレオカメラ支持装置150によって種々の方向を撮像することが可能に構成されている。
【0040】
このステレオカメラ116は、図3の(A)、(B)、(C)、(D)に示すように、車両300の車内および車外の任意の位置(ハッチングして示す位置)に装着することが可能である。車両300の車外に装着する際は、車両のボンネット、ピラー、ヘッドライト等に装着可能であり、車外の風景をさまざまな方向から撮影することが可能である。また、車両300の車内に装着する際は、ダッシュボート上、ルームミラー等に装着可能である。
【0041】
処理装置103は、上記ステレオアダプタ101を通して撮像装置102から撮影された画像から三次元再構成等の処理を行い、三次元距離画像等の作成を行う。制御装置104は、画像情報と車両情報を統括する役割を持っており、例えば、処理装置103で処理された結果を表示装置108に表示したり、処理装置103で得られた距離情報と車速センサ109等の情報とを分析して、警告装置106に警告を発生させたり、運転装置107を制御して運転者に安全運転を促すことができるようになっている。また、入力装置105は、例えば、リモコン等の入力機器を用いて制御装置104に指示を与え、モード等の切り換えを行うことができる。
【0042】
上述より理解される通り、処理装置103と制御装置104は本システムにおける情報処理手段を構成しており、このシステムを備えた車両に搭載されたコンピュータによって双方の装置の機能が賄われるように構成され得る。
【0043】
さらに、警告装置106は、音声装置106A,振動装置106Bなどから成り、例えば、音声装置106Aはスピーカ等からの音声、振動装置106Bは運転席シートの振動により運転者に警告を発するものである。
【0044】
ここで、ステレオカメラ支持装置150の構成要素であるステレオカメラ結合装置159は、ステレオカメラ116を車両300に結合して支持する。また、ステレオカメラ支持装置150の構成要素である支持制御装置160は、ステレオカメラ結合装置159に信号を出力して、ステレオカメラ116の撮像方向を制御する。
【0045】
また、車両姿勢センサ156は、車両の姿勢または位置を検出する検出手段であり、道路に対する車両の傾きを検出する。そして、この車両姿勢センサ156の検出値、処理装置103で処理された画像情報、GPS113の情報等に基づいて、支持制御装置160が、ステレオカメラ116の撮像範囲、即ち撮像視野を何処に定めるかを制御する。即ち、車両が傾くことによって撮像視野が適正な状態からずれた場合は、元の撮像視野になるようにステレオカメラ結合装置159に対して制御信号を出力する。この際、支持制御装置160は、カメラの姿勢または位置を検出するセンサであるカメラ姿勢センサ155の検出出力値に基づいて現在のカメラの状態を把握し、制御信号を生成する。そして、ステレオカメラ結合装置159はこの制御信号に基づいて内部に設けられた調整機構を駆動し、ステレオカメラ116を所望の方向に設定する。
【0046】
尚、上述の車両姿勢センサ156は、鉛直方向または水平方向に対する相対的な角度を検出する傾斜検出手段として機能し得、更に、当該車両の接地面に対する相対的な位置を検出する高さ検出手段として機能し得る。
【0047】
尚、この制御に必要な各種の情報及び検出信号は制御装置104を介して支持制御装置160に入力される。但し、この形態に限定されず、支持制御装置160が直接制御に必要な各種の情報及び検出信号を受け取るように構成しても良く、制御装置104と支持制御装置160とが適宜機能を分担して制御に必要な各種の情報及び検出信号を受け取るように構成しても良い。
【0048】
次に、処理装置103が備えている三次元距離画像等を作成する機能について概説する。尚、処理装置103の構成例と適用され得る画像処理理論については、本出願人が、特願2003−048323号公報として既に提案している。
【0049】
図4は、処理装置103で求めた三次元距離画像を示したものである。図4の(A)は、撮影された画像であり、図4の(B)はその画像から距離を算出した結果を示す図である。このように、カメラから被写体までの距離を三次元情報として算出することができる。尚、図4の(B)では、輝度が高いほど距離が近いことを表わしている。
【0050】
また、三次元距離画像に基づいて、処理装置103は、道路領域と非道路領域を弁別することができ、更に道路面内にある物体、非道路領域にある障害物を認識し抽出することもできる。
【0051】
したがって、図5に示すように、三次元再構成等の処理を行って抽出した道路の平面あるいは曲面形状を、表示装置108の表示部108A上に表示することもできる。更にこのとき、車両300から等間隔離れた道路面上の点群を直線あるいは曲線L1,L2,L3でスーパーインポーズ表示する。さらに、処理装置103によってその道路上の前方を走る車両T1,T2等を認識して、その前方車両を外包する楕円又は矩形等で表示すると共に、前方車両T1,T2等までの距離を表示することもできる。
【0052】
このように、本ステレオカメラシステムを用いれば、道路及び被写体に関する種々の情報を得ることができる。
【0053】
[第1の実施の形態]
図6は、本発明に係る第1の実施の形態のステレオカメラ支持装置150のステレオカメラ結合装置159の構成例を示す図である。
【0054】
ステレオカメラ結合装置159は、ステレオカメラ116を車両300に取り付けるための結合部材であるとともに、ステレオカメラ116を所望の位置・姿勢に変更自在に制御することが可能なように構成されている。ステレオカメラ結合装置159の両端には、車体と結合させるため車体の適所に固定される支持部材151、及びステレオカメラ116と結合させるための被支持部材152が設けられている。そして、このようにして車体に結合されたステレオカメラ116を所定範囲内で方向自在とするための機構が設けられている。即ち、この機構は、ヨー回動軸153a、ピッチ回動軸153b、ロール回動軸153cの3軸回りに回動可能に構成するヨー回動モータ154a、ピッチ回動モータ154b、ロール回動モータ154cを備えた姿勢制御機構である。
【0055】
本構成のステレオカメラ結合装置159に対して、支持制御装置160はそれぞれのモータに対する制御信号を出力することによって、ステレオアダプタ101を所望の方向に制御することが可能となる。尚、図6には示されていないが、ステレオカメラ結合装置159には、カメラの姿勢または位置を検出するカメラ姿勢センサ155(図1)が設けられている。このカメラ姿勢センサ155は、例えば、それぞれのモータの回動角度を検出しても良い。
【0056】
尚、ステレオカメラ結合装置159としては、図6に示すような3軸制御機構を備えた方式のものに限らず、例えば、電動式の公知のジンバル機構を適用することができる。また、本出願人が提案した特許第3306128号の鏡枠支持機構に準じたメカニズムを適用しても良い。
【0057】
尚、ステレオカメラ結合装置159は、図6に例示したような3軸について、自動で制御する方式のものではなく、例えば、ヨー角については手動で調整するものであっても良い。このための手動調整機構は、例えば、回動、ロックが可能なユニバーサルジョイント、あるいはカメラ用自由雲台の如くに懸架された被支持体を、所望の取り付け角度にロックネジを緩めて指向した後、ロックネジを締め付け角度を固定することで方向を調整するような構成を採ることができる。
【0058】
次に、本発明に係る第1の実施の形態のステレオカメラ支持装置150の動作について説明する。
【0059】
図7は、車両300に搭載されたステレオカメラの撮像方向を示す図であり、図8は、ステレオカメラ支持装置150における制御の、概略の手順を示すフロー図である。
【0060】
図7の(A)では、ステレオカメラ116はステレオカメラ結合装置159を介して車両300の車内の適所(ダッシュボード上やフロントガラス上方の中央位置近傍等)に懸架されている。そして、このステレオカメラ116の視野305の中心線306は、道路面210に対して平行になるように設定されている。しかしながら、この状態では撮影されたフレームの上部領域には、目的とする被写体に関する画像を処理する上で不必要な背景領域である空が撮影され、本来必要とされる前方車両などの被写体310や道路面210等撮像する領域の占める割合が不十分な画像となっている。
【0061】
そこで、図7の(B)に示すように、ステレオカメラ結合装置159による制御によってステレオカメラ116の撮像姿勢を調節し、前方の被写体310の上端部(当該被写体の輪郭のうち最高水準位置にある輪郭部分)が視野305の上端部(従って、撮像された映像のフレーム上端)に位置するように調節する。これによって、道路面210の撮影領域が広がり、また空などの不必要な背景領域が減少し視野を有効に利用することができる。
【0062】
上述のステレオカメラ支持装置150の制御動作を、図8を参照しつつ説明する。
【0063】
支持制御装置160は、処理装置103が実行した物体認識処理結果を受け取る(S1)。即ち、処理装置103は、三次元距離画像(該当するピクセルを表わす情報と距離を表わす情報とを含む)に基づいて、道路領域と非道路領域を弁別し、当該道路領域内に存在する被写体310を認識して抽出する。この際処理装置103は、認識した被写体310の内から、走行している車両のみをその特徴に基づいて抽出しても良い。
【0064】
支持制御装置160は、撮像視野中に存在する被写体310についての輪郭部分の最高水準位置を求める(S2)。そして、その最高水準位置が視野305の上端部(従って、映像のフレーム上端。以下同様)よりも上にあるかどうかを調べる(S3)。撮像視野中に複数の被写体310が存在するときは、それらの内、輪郭部分の水準位置が最も高い位置を求める。
【0065】
その最高水準位置が視野305の上端部よりも下にある場合(S3 No)は、ステレオカメラ116は所望の姿勢位置に対して後傾している。そこで支持制御装置160は、カメラ姿勢センサ155の検出出力からカメラの傾きを取り込み、被写体310の最高水準位置が視野305の上端部に位置するように、支持制御装置160に対してカメラアダプタ101の姿勢を調節する制御信号を出力する(S4)。
【0066】
その最高水準位置が視野305の上端部よりも上にある場合(S3 Yes)は、ステレオカメラ116は所望の姿勢位置に対して前傾している。そこで支持制御装置160は、カメラ姿勢センサ155の検出出力からカメラの傾きを取り込み、被写体310の最高水準位置が視野305の上端部に位置するように、ステレオカメラ結合装置159に対してカメラ姿勢を調節する制御信号を出力する(S5)。
【0067】
制御信号を受け取ったステレオカメラ結合装置159は、内部に設けられカメラの姿勢を調節するための機構を駆動して、ステレオカメラ116の視野305を所望位置に調節する(S6)。
【0068】
上述において、車両の電源キーがオンにされる等してステレオカメラ支持装置が起動した当初の時点でのステレオカメラ116の姿勢をどのようにするかについては、何通りかの態様をとり得る。
【0069】
即ち、一つの態様では、起動時(即ち、本システムの初動時)には一律に水平の姿勢(ステレオカメラの撮像光学系乃至その近傍に設定した視点からステレオカメラ116の撮像視野を見込んで撮影するときの視野の中心線、即ち、図7にて既述の中心線306、が水平方向となる姿勢)となるようにしておき、その後、車両の走行に伴なって上述の三次元距離画像の情報に基づいて次第にステレオカメラの姿勢を既述の如く調節するように制御を行なう。
【0070】
この態様をとる場合は、初動状態では、例えば、ガレージの壁面を撮像してしまうような状況であっても、ステレオカメラは、その後の走行による視野の展開に応じて何れの姿勢にも中立的な位置から最適な姿勢に向けて適切な制御が実行され得る。従って、このシステムにおける制御に馴染まないような初動段階にあるときに無駄な情報処理や制御が行われ、これに起因して優先順位が相対的に高い処理の高速化が阻害されるといった恐れが回避される。
【0071】
また、別の態様としては、初動時は、前回の制御で設定された最後の状態を維持するようにしてもよい。この場合は、車両が再度走行を始めるのは、前回の制御で設定された最後の状態からである蓋然性が高いことから、走行を開始してから比較的早い時点でステレオカメラの姿勢を目標とされるべきものに合致させることができる可能性が高い。
【0072】
また更に別の態様として、初動時は、ステレオカメラの姿勢を相対的に下向き(即ち、上述の中心線306が、水平方向よりも下向き、乃至、初動時以外に制御される向きよりも下向きの姿勢)に設定するように制御する態様をとってもよい。この場合は、初動時に特に注意しなくてはならない周囲の障害物や幼児、ペットの動物等の存在を見逃してしまうといった恐れを低減させることができる。
【0073】
上述した初動時でのステレオカメラの姿勢制御の各種態様は、例えば、予め複数の制御モードとして操作者の任意によって選択可能に設定され得るようにシステムを構成してもよい。
【0074】
以上は、初動時におけるステレオカメラの姿勢に関する種々の制御態様であるが、本発明のシステムを備えた車両の走行状態に応じてステレオカメラの姿勢制御の傾向を選択する態様も採り得る。即ち、高速走行時は、ステレオカメラの姿勢を相対的に下向き(上述と略々同義)となるように制御し、低速走行時は、相対的に上向きとなるように制御する。
【0075】
この態様によれば、高速走行時には撮像により得た映像から道路の部分を安定的に抽出・弁別し、遠方の車両を正確に認識することができ、低速走行時には運転者による注意が薄れがちな比較的高い物体を確実に認識できるといった点で性能が高いシステムが実現される。
【0076】
尚、注目すべき被写体の輪郭の最高水準部分が映像のフレームの上端を更に上方に逸脱してしまうような高い被写体に近接し乃至遭遇したことが該当するセンサ等によりされたときには、自動的に、ステレオカメラの姿勢が上向きとなるに制御されるようにしてもよく、また、操作者の認識に基づいて人為的操作によって、ステレオカメラの姿勢を上向きに操作するための補助的手段を併設するようにしてもよい。
【0077】
尚、ステレオカメラの姿勢を、該ステレオカメラを備える車両の組立て行程中、乃至、工場出荷前に所定のものに設定することは、一つの技術的手法として考慮され得る。
【0078】
尚、カメラを移動させるための制御動作は、所謂現代制御理論によるか古典制御理論によるかに拘わらず、フィードバック制御或いはフィードフォワード制御乃至これらを折衷した方式であって良く、PID制御、Hインフィニティ制御、適応型モデル制御、ファジイ制御、ニューラルネットなどの公知の種々の制御方法を適用することができる。例えば、一般的なPID等のフィードバック制御を用いる場合には、支持制御装置160は、その制御ループ内で最高水準位置と視野305の上端との偏差量に対応した制御信号を生成してステレオカメラ結合装置159に出力し、その偏差量が0になるまでその動作を繰り返すことで所望の姿勢にカメラを制御することができる。
【0079】
上述より理解されるとおり、この実施の形態では、ステレオカメラ116を設置する車両側に設けられた支持部材(メンバー)151と該ステレオカメラ116の所定部位に設けられた被支持部材(メンバー)152とが上記両メンバー間の相対位置が所定範囲内で可変であるように結合することによって当該ステレオカメラを上記車両に支持するように構成された結合部材と、このような結合部材によって車両に支持されたステレオカメラ116の姿勢乃至位置を制御する制御手段とは、ステレオカメラ結合装置159と支持制御装置160との各該当機能部によって具現化されている。
【0080】
また、このような支持制御装置160を含むシステムは、制御手段は、当該車両の姿勢乃至位置を検出する検出手段の検出出力を用いてステレオカメラの姿勢制御を行なうが、この制御においてはこれら検出出力を制御系の一の状態変数として制御動作を行なう形態であり得る。
【0081】
また支持制御装置160の制御演算機能部は別個の回路として構成することなく制御装置104の該当機能部と一体的に当該車両に搭載される共通のコンピュータによってこの機能をも賄うように構成され得る。
【0082】
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係る第2の実施の形態のステレオカメラ支持装置150について説明する。
【0083】
第2の実施の形態のステレオカメラ支持装置150は第1の実施の形態のステレオカメラ支持装置150と同様に、図1に示すステレオカメラシステムに組み込まれて適用される。そして第2の実施の形態のステレオカメラ結合装置159の構成は、図6に示す第1の実施の形態のステレオカメラ結合装置159の構成と同様である。従って、第1の実施の形態と同一の部位には同一の符号を付して、その詳細の説明は省略する。
【0084】
次に、本発明に係る第2の実施の形態のステレオカメラ支持装置150の動作について説明する。本実施の形態では、ステレオカメラ支持装置150は、車両300の前後方向の傾きによる視野の変化を補正する。
【0085】
図9は、車両の前後方向の傾きによるステレオカメラの撮像方向を示す図であり、図10は、ステレオカメラ支持装置150における制御動作の概略の手順を示すフロー図である。
【0086】
図9の(A)に示すように、ステレオカメラ116は、ステレオカメラ結合装置159を介して水平面に対して所定の傾き角度θ下方を観測するように車両300に懸架されている。そして、この車両300には、車体の前後の傾きを検出する傾斜センサ156aあるいは、前輪部、後輪部のサスペンションとの距離を測定するサスペンションストロークセンサ156b、156cが設けられている。
【0087】
ところで、車両300に乗車する人数、乗車位置が変化した場合、または車の荷台に積載する荷物の重量が変化した場合には、それによって車両300の前後の傾斜角度も変化する。更に、減速、加速時においても車両300の前後の傾斜角度は変化する。この結果、ステレオカメラの視野も適正な状態から外れてしまうこととなる。
【0088】
そこで、図9の(B)に示すように、傾斜センサ156aで検出した車体の傾斜角、あるいはサスペンションストロークセンサ156b、156cで検出したストロークから算出した車体の傾斜角に基づいて、カメラの視野が所望の状態になるようにステレオカメラアダプタ116の撮像方向を制御する。
【0089】
尚、傾斜センサ156a、サスペンションストロークセンサ156b、156c等を複数の検出端の各変換器として含んで既述の車両姿勢センサ156が構成される形態をとり得る。
【0090】
上述のステレオカメラ支持装置150の制御動作を、図10を参照しつつ説明する。
【0091】
支持制御装置160は、車両300の前輪部と後輪部に取り付けたサスペンションストロークセンサ156b、156cの検出出力を読み込む(B01)。そして、このストロークセンサの差を演算することにより、車両300の前後の傾きを算出する(B02)。そして、車両が基準状態と比較して前傾しているかどうかを調べる(B03)。
【0092】
車両が基準状態と比較して後傾している場合(B03 No)は、ステレオカメラ116は所望の姿勢位置におけるよりも上方を撮像している。そこで支持制御装置160は、カメラ姿勢センサ155の検出出力からカメラの傾きを取り込み、ステレオカメラ結合装置159に対してステレオカメラ116の視野方向が下向きとなるようにカメラの姿勢を調節させるための制御信号を出力する(B04)。
【0093】
車両が基準状態と比較して前傾している場合(B03 Yes)は、ステレオカメラ116は所望の姿勢位置におけるよりも下方を撮像している。そこで支持制御装置160は、カメラ姿勢センサ155の検出出力からカメラの傾きを取り込み、ステレオカメラ結合装置159に対してステレオカメラ116の視野方向が上向きとなるようにカメラの姿勢を調節させるための制御信号を出力する(B05)。
【0094】
制御信号を受け取ったステレオカメラ結合装置159は、内部に設けられたカメラの姿勢を調節するための機構を駆動して、ステレオカメラ116の視野305が所望位置となるように調節する(B20)。
【0095】
尚、車両300の傾きは傾斜センサ156aの検出出力を用いて検出するようにしても良く、また、サスペンションストロークセンサ156b、156cの検出出力と、傾斜センサ156aの検出出力を組合わせて傾斜角度を算出するようにしても良い。
【0096】
尚、カメラを移動させるための制御動作は、所謂現代制御理論によるか古典制御理論によるかに拘わらず、フィードバック制御或いはフィードフォワード制御乃至これらを折衷した方式であって良く、PID制御、Hインフィニティ制御、適応型モデル制御、ファジイ制御、ニューラルネットなどの公知の種々の制御方法を適用することができる。例えば、一般的なPID等のフィードバック制御を用いる場合には、支持制御装置160は、その制御ループ内でカメラ姿勢センサ155の目標値と実績値との偏差量に対応した制御信号を生成してステレオカメラ結合装置159に出力し、その偏差量が0になるまでその動作を繰り返すことで所望の姿勢にカメラを制御することができる。
【0097】
また、本第2の実施の形態に係るステレオカメラ支持装置150の制御動作は、第1の実施の形態に係るステレオカメラ支持装置150の制御動作と組合わせて動作させても良く、また単独で動作させても良い。
【0098】
[第3の実施の形態]
次に、本発明に係る第3の実施の形態のステレオカメラ支持装置150について説明する。
【0099】
第3の実施の形態のステレオカメラ支持装置150は第1の実施の形態のステレオカメラ支持装置150と同様に、図1に示すステレオカメラシステムに組み込まれて適用される。そして第3の実施の形態のステレオカメラ結合装置159の構成は、図6に示す第1の実施の形態のステレオカメラ結合装置159の構成と同様である。従って、第1の実施の形態と同一の部位には同一の符号を付して、その詳細の説明は省略する。
【0100】
次に、本発明に係る第3の実施の形態のステレオカメラ支持装置150の動作について説明する。本実施の形態では、ステレオカメラ支持装置150は、車両の左右方向の傾きによる視野の変化を補正する。
【0101】
図11は、車両300が左右方向に傾いたときのステレオカメラの姿勢を示す図であり、図12は、ステレオカメラ支持装置150における制御動作の概略の手順を示すフロー図である。
【0102】
図11の(A)に示すように、ステレオカメラ116は、ステレオカメラ結合装置159を介して道路面210に対して平行に車両300に懸架されている。そして、この車両300には、車体の左右の傾きを検出する傾斜センサ156d、あるいは左右の車輪部のサスペンションの距離を測定するサスペンションストロークセンサ156e、156fが設けられている。
【0103】
ところで、車両300に乗車する人数、乗車位置が変化した場合、または車の荷台に積載する荷物の重量が変化した場合には、それによって車両300の左右の傾斜角度も変化する。更に、右折、左折時においても車両300の左右の傾斜角度は変化する。この結果、ステレオカメラの視野(それを見込む方向)も適正な状態から外れてしまうこととなる。
【0104】
そこで、図11の(B)に示すように、傾斜センサ156dで検出した車体の傾斜角、あるいはサスペンションストロークセンサ156e、156fで検出したストロークから算出した車体の傾斜角に基づいて、カメラの視野が所望の状態になるようにステレオカメラ116の撮像方向を制御する。
【0105】
上述のステレオカメラ支持装置150の制御動作を、図12を参照しつつ説明する。
【0106】
支持制御装置160は、車両300の左右に取り付けたサスペンションストロークセンサ156e、156fの検出出力を読み込む(B06)。そして、このストロークセンサの出力値の差を演算することにより、車両300の左右の傾きを算出し(B07)、車両が基準状態と比較して右傾しているかどうかを調べる(B08)。
【0107】
車両が基準状態と比較して左傾している場合(B08 No)は、ステレオカメラ116は所望の姿勢位置に対して左傾して撮像している。そこで支持制御装置160は、カメラ姿勢センサ155の検出値からカメラの傾きを取り込み、ステレオカメラ結合装置159に対してステレオカメラ116の方向を右傾向きに調節させるための制御信号を出力する(B09)。
【0108】
車両が基準状態と比較して右傾している場合(B08 Yes)は、ステレオカメラ116は所望の姿勢位置に対して右傾して撮像している。そこで支持制御装置160は、カメラ姿勢センサ155の検出出力からカメラの傾きを取り込み、ステレオカメラ結合装置159に対してカメラアダプタ116の方向を左傾向きに調節させるための制御信号を出力する(B10)。
【0109】
制御信号を受け取ったステレオカメラ結合装置159は、内部に設けられたカメラの姿勢を調節するための機構を駆動して、ステレオカメラ116の視野305を所望位置に調節する(B20)。
【0110】
尚、車両300の傾きは傾斜センサ156dの検出出力を用いても良く、また、サスペンションストロークセンサ156e、156fの検出出力と、傾斜センサ156dの検出出力を組合わせて傾斜角度を算出するようにしても良い。
【0111】
尚、カメラを移動させるための制御動作は、所謂現代制御理論によるか古典制御理論によるかに拘わらず、フィードバック制御或いはフィードフォワード制御乃至これらを折衷した方式であって良く、PID制御、Hインフィニティ制御、適応型モデル制御、ファジイ制御、ニューラルネットなどの公知の種々の制御方法を適用することができる。例えば、一般的なPID等のフィードバック制御を用いる場合には、支持制御装置160は、その制御ループ内でカメラ姿勢センサ155の目標値と実績値との偏差量に対応した制御信号を生成してステレオカメラ結合装置159に出力し、その偏差量が0になるまでその動作を繰り返すことで所望の姿勢にカメラを制御することができる。
【0112】
また、本第3の実施の形態に係るステレオカメラ支持装置150の制御動作は、第1の実施の形態に係るステレオカメラ支持装置150の制御動作と組合わせて動作させても良く、また単独で動作させても良い。
【0113】
[第4の実施の形態]
次に、本発明に係る第4の実施の形態のステレオカメラ支持装置150について説明する。
【0114】
第4の実施の形態のステレオカメラ支持装置150は第1の実施の形態のステレオカメラ支持装置150と同様に、図1に示すステレオカメラシステムに組み込まれて適用される。そして第4の実施の形態のステレオカメラ結合装置159の構成は、図6に示す第1の実施の形態のステレオカメラ結合装置159の構成と同様である。従って、第1の実施の形態と同一の部位には同一の符号を付して、その詳細の説明は省略する。
【0115】
次に、本発明に係る第4の実施の形態のステレオカメラ支持装置150の動作について説明する。本実施の形態では、ステレオカメラ支持装置150は、道路面210の傾斜を検出して視野の変化を補正する。
【0116】
図13は、道路面の傾きとステレオカメラの撮像方向を示す図であり、図14は、ステレオカメラ支持装置150の制御動作の概略の手順を示すフロー図である。
【0117】
図13の(A)、(B)に示すように、車両300の進行方向前方の道路面210が傾斜している場合には、ステレオカメラの視野が適正な状態から外れてしまうこととなる。例えば、図13の(A)に示すように、道路面210が登りの場合は、撮像フレーム中には道路面の領域が増加するが被写体310(図7参照)に関する情報が減少する。また、図13の(B)に示すように、道路面210が下りの場合は、撮像フレーム中には被写体310(図7参照)に関する情報が増加するが道路面の領域が減少する。
【0118】
そこで、進行方向前方の道路面210の傾斜を検出しそれに基づいてカメラの視野が所望の状態になるようにステレオカメラ116の撮像方向を調節する。
【0119】
上述のステレオカメラ支持装置150の制御動作を、図14を参照しつつ説明する。
【0120】
支持制御装置160は、処理装置103が実行した道路面認識処理結果を受け取る(B11)。即ち、処理装置103は、三次元距離画像(該当するピクセルを表わす情報と距離を表わす情報とを含む)に基づいて、進行方向の道路領域と非道路領域を弁別し道路面を認識して抽出する。
【0121】
支持制御装置160は、抽出された道路面情報に基づいて特定の位置を求める(B12)。この特定の位置としては、例えば道路の両辺の延長線が画像フレーム上で交わる所謂バニッシングポイントとすることができる。そして、求めた特定の位置が画像フレーム中の所定の位置よりも下に位置するかどうかを調べる(B13)。即ち、特定の位置を見込む仰角が、所定の仰角よりも小さいかどうかを調べる。
【0122】
特定の位置を見込む仰角が、所定の仰角よりも大きい場合(B14 No)は、ステレオカメラ116は所望の姿勢位置に対して上向きとなっている。そこで支持制御装置160は、カメラ姿勢センサ155の検出出力からカメラの傾きを取り込み、特定の位置を見込む角が、所定の角となるように、ステレオカメラ結合装置159に対してステレオカメラ116の撮像方向を調節させる制御信号を出力する(B14)。
【0123】
特定の位置を見込む仰角が、所定の仰角よりも小さい場合(B14 Yes)は、ステレオカメラ116は所望の姿勢位置に対して下向きとなっている。そこで支持制御装置160は、カメラ姿勢センサ155の検出値からカメラの傾きを取り込み、特定の位置を見込む角が、所望の角となるように、ステレオカメラ結合装置159に対してステレオカメラ116の撮像方向を移動させる制御信号を出力する(B15)。
【0124】
制御信号を受け取ったステレオカメラ結合装置159は、内部に設けられたカメラの姿勢を調節するための機構を駆動して、ステレオカメラ116の視野が所望の位置となるように調節する(B20)。
【0125】
尚、カメラを移動させるための制御動作は、所謂現代制御理論によるか古典制御理論によるかに拘わらず、フィードバック制御或いはフィードフォワード制御乃至これらを折衷した方式であって良く、PID制御、Hインフィニティ制御、適応型モデル制御、ファジイ制御、ニューラルネットなどの公知の種々の制御方法を適用することができる。
【0126】
例えば、指示制御装置160は、その制御ループ内で進行方向前方の道路面210におけるカメラ姿勢センサ155の目標値と制御量との制御偏差に応じた操作量の制御信号を生成し、更に、要すれば、予め準備された車両の運動モデルに依拠して加減速の現在値、ハンドルの操作角等に応じてフィードバック制御だけでは補償しきれない制御偏差を除くための補償用操作信号を生成してフィードフォワード制御による補償を加味することによって、オフセットのない且つロバストな制御を実現することができる。
【0127】
即ち、このようなフィードバック制御とフィードフォワード制御との折衷による制御を適用することにより、車両の姿勢変動が激しく、フィードバック制御だけでは十分に制御偏差を低減させることが困難であると予測されるような状況においても、追従性が高い理想的なカメラの姿勢制御を実現することができる。
【0128】
また、本第4の実施の形態に係るステレオカメラ支持装置150の制御動作は、第1の実施の形態に係るステレオカメラ支持装置150の制御動作と組合わせて動作させても良く、また単独で動作させても良い。
【0129】
[第5の実施の形態]
次に、本発明に係る第5の実施の形態のステレオカメラ支持装置150について説明する。
【0130】
第5の実施の形態のステレオカメラ支持装置150は第1の実施の形態のステレオカメラ支持装置150と同様に、図1に示すステレオカメラシステムに組み込まれて適用される。そして第5の実施の形態のステレオカメラ結合装置159の構成は、図6に示す第1の実施の形態のステレオカメラ結合装置159の構成と同様である。従って、第1の実施の形態と同一の部位には同一の符号を付して、その詳細の説明は省略する。
【0131】
次に、本発明に係る第5の実施の形態のステレオカメラ支持装置150の動作について説明する。本実施の形態では、ステレオカメラ支持装置150は、第4の実施の形態の図13に示すように、道路面210の傾斜を検出して視野の変化を補正する。但し、第5の実施の形態では、道路面の傾斜をGPS113からの情報に基づいて把握する点が第4の実施の形態と異なっている。
【0132】
図15は、ステレオカメラ支持装置150の制御動作の概略の手順を示すフロー図である。
【0133】
支持制御装置160は、GPS113(図1)からの地図情報に基づいて、車両300の現在位置と進行方向前方の道路の地形情報を受け取る(B15)。そして、支持制御装置160は、前方の道路面210の傾斜を予測して(B16)、予測した傾斜が登りかどうかを調べる(B17)。
【0134】
前方の道路の傾斜が下りの場合(B17 No)は、ステレオカメラ116の撮像方向は適正な姿勢位置に対して上向きとなっていると判断される。そこで支持制御装置160は、カメラ姿勢センサ155の検出出力からカメラの傾きのデータを取り込み、その角度に対応した下向き補正量を算出して、ステレオカメラ結合装置159に対してカメラを移動させる制御信号を出力する(B18)。
【0135】
前方の道路の傾斜が登りの場合(B17 Yes)は、ステレオカメラ116の撮像方向は適正な姿勢位置に対して下向きとなっていると判断される。そこで支持制御装置160は、カメラ姿勢センサ155の検出出力からカメラの傾きのデータを取り込み、その角度に対応した上向き補正量を算出して、ステレオカメラ結合装置159に対してカメラの姿勢を調節させる制御信号を出力する(B19)。
【0136】
制御信号を受け取ったステレオカメラ結合装置159は、内部に設けられたカメラの姿勢を調節するための機構を駆動して、ステレオカメラ116の視野が所望位置に合致するように調節する(B20)。
【0137】
尚、カメラを移動させるための制御動作は、所謂現代制御理論によるか古典制御理論によるかに拘わらず、フィードバック制御或いはフィードフォワード制御乃至これらを折衷した方式であって良く、PID制御、Hインフィニティ制御、適応型モデル制御、ファジイ制御、ニューラルネットなどの公知の種々の制御方法を適用することができる。
【0138】
例えば、指示制御装置160は、その制御ループ内で進行方向前方の道路面210におけるカメラ姿勢センサ155の目標値と制御量との制御偏差に応じた操作量の制御信号を生成し、更に、要すれば、予め準備された車両の運動モデルに依拠して加減速の現在値、ハンドルの操作角等に応じてフィードバック制御だけでは補償しきれない制御偏差を除くための補償用操作信号を生成してフィードフォワード制御による補償を加味することによって、オフセットのない且つロバストな制御を実現することができる。
【0139】
即ち、このようなフィードバック制御とフィードフォワード制御との折衷による制御を適用することにより、車両の姿勢変動が激しく、フィードバック制御だけでは十分に制御偏差を低減させることが困難であると予測されるような状況においても、追従性が高い理想的なカメラの姿勢制御を実現することができる。
【0140】
また、本第5の実施の形態に係るステレオカメラ支持装置150の制御動作は、第1の実施の形態に係るステレオカメラ支持装置150の制御動作と組合わせて動作させても良く、また単独で動作させても良い。
【0141】
以上、本発明に係る各実施の形態のステレオカメラ支持装置150を用いれば、道路を走行する先行車両の形状、先行車両との車間距離、本ステレオカメラを搭載した車両の走行状態あるいは道路状態による前後左右の車体の傾き、前方の道路面の傾斜などに影響されない適正な撮像視野を確保することができる。
【0142】
[映像表示方法の実施例]
次に、本発明に係るステレオカメラ支持装置150が適用されるステレオカメラシステムを用いて、運転者に対する映像を表示する方法について図16を参照しつつ説明する。ステレオカメラ116は、一般に複数の視点を備えた構成とすることができるが、図16では簡単のために2つの視点を備えた構成として表現している。
【0143】
ステレオカメラ116からは、右側の視野305aによる映像201aと、右側の視野305bによる映像201bが得られる。そこで、制御装置104は、運転者の運転位置に応じてこの映像201a、201bを切り替えて表示装置108に表示する。
【0144】
例えば、運転席が右側にある場合は、右側の映像201aを表示装置108に表示し、運転席が左側にある場合は、左側の映像201bを表示装置108に表示する。これによって、運転者の視点と映像の視点とのずれをできるだけ少なくすることができ、映像がより自然に見られるという効果が生ずる。
【0145】
尚、上述の実施の形態では、ステレオカメラ支持装置は車に搭載されているが、本発明はこの形態に限定されるものではない。即ち、本発明は移動体における測距の眼として搭載されるステレオカメラ一般に適用することが可能である。したがって、本発明は、車、船舶、航空機、ロボットなどの移動体にも搭載することができる。
【0146】
また、本発明のシステム実施の形態は、必ずしも車両やロボットのような移動体に測距の目として搭載される場合に限定されるものではなく、例えば、カメラ自体は、監視カメラの如く水平面上での位置を固定されながら自己に向かってくる乃至は自己から遠ざかるように相対移動する物体との距離を測るように設置される形態で実施されても極めて有効である。
【0147】
尚、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。制御手段(支持制御装置160の制御演算機能部等)を、当該車両の姿勢乃至位置を検出する検出手段の検出出力をその制御における状態変数として、且つ、上記ステレオカメラによる映像に依拠することなく、制御動作を行なうように構成する等である。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0148】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のステレオカメラ支持装置によれば、背景その他の周囲の他部に依存せずにその被写体自体の距離等当該被写体に着目した情報を効率的に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステレオカメラ支持装置が適用されるステレオカメラシステムの構成を示す図。
【図2】ステレオアダプタの構成を示す図。
【図3】ステレオカメラの車両への装着を示す図。
【図4】処理装置で求めた三次元距離画像を示す図。
【図5】三次元再構成等の処理を行って抽出した画像の表示を示す図。
【図6】ステレオカメラ支持装置のステレオカメラ結合装置の構成を示す図。
【図7】車両に搭載されたステレオカメラの撮像方向を示す図。
【図8】ステレオカメラ支持装置における制御動作の概略の手順を示すフロー図。
【図9】車両の前後方向の傾きによるステレオカメラの撮像方向を示す図。
【図10】ステレオカメラ支持装置における制御動作の概略の手順を示すフロー図。
【図11】車両の左右方向の傾きによるステレオカメラの姿勢を示す図。
【図12】ステレオカメラ支持装置における制御動作の概略の手順を示すフロー図。
【図13】道路面の傾きとステレオカメラの撮像方向を示す図。
【図14】ステレオカメラ支持装置における制御動作の概略の手順を示すフロー図。
【図15】ステレオカメラ支持装置における制御動作の概略の手順を示すフロー図。
【図16】運転者に対する映像を表示する方法を説明する図。
【符号の説明】
101…ステレオアダプタ、102…撮像装置、103…処理装置、104…制御装置、105…入力装置、108…表示装置、113…GPS、116…ステレオカメラ、150…ステレオカメラ支持装置、155…カメラ姿勢センサ、156…車両姿勢センサ、159…ステレオカメラ結合装置、160…支持制御装置、210…道路面、300…車両、305…視野、310…被写体。

Claims (24)

  1. 相互に離隔した複数の視点による視差を持った複数の映像を得るようになされたステレオカメラを支持するステレオカメラ支持装置であって、
    上記ステレオカメラを設置する車両側に設けられた支持メンバーと該ステレオカメラの所定部位に設けられた被支持メンバーとが上記両メンバー間の相対関係が所定範囲内で可変であるように結合することによって当該ステレオカメラを上記車両に支持するように構成された結合部材と、
    上記結合部材によって上記車両に支持されたステレオカメラの姿勢乃至位置を制御する制御手段と、を備え、
    上記制御手段は、上記ステレオカメラによって得られる映像に関して、当該映像中の注目被写体の輪郭のうち最高水準位置にある輪郭部分が、上記車両の姿勢乃至位置の変化によらず、映像のフレーム上端乃至その近傍に位置するように、当該ステレオカメラの姿勢乃至位置を制御し得るように構成されたものであることを特徴とするステレオカメラ支持装置。
  2. 上記制御手段は、当該車両の姿勢乃至位置を検出する検出手段の検出出力に基づいて制御動作を行なうように構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のステレオカメラ支持装置。
  3. 上記制御手段は、上記ステレオカメラによって得られる映像の特徴を評価して認識する映像認識手段の出力に依拠して制御動作を行なうように構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のステレオカメラ支持装置。
  4. 上記制御手段は、当該車両の姿勢乃至位置を検出する検出手段の検出出力と、上記ステレオカメラによって得られる映像の特徴を評価して認識する映像認識手段の出力と、に依拠して制御動作を行なうように構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のステレオカメラ支持装置。
  5. 上記検出手段は、当該車両の傾きを検出する傾斜検出手段、当該車両の所定部の水準位置を検出する高さ検出手段の内少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2または4に記載のステレオカメラ支持装置。
  6. 上記傾斜検出手段は鉛直方向又は水平方向に対する相対的な角度を検出するものであることを特徴とする請求項5に記載のステレオカメラ支持装置。
  7. 上記高さ検出手段は当該車両の接地面に対する相対的な位置を検出するものであることを特徴とする請求項5に記載のステレオカメラ支持装置。
  8. 上記制御手段は、フィードバック制御を行なうことを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載のステレオカメラ支持装置。
  9. 上記制御手段は、フィードフォワード制御を行なうことを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載のステレオカメラ支持装置。
  10. 相互に離隔した複数の視点による視差を持った複数の映像を得るようになされたステレオカメラを支持するステレオカメラ支持装置であって、
    上記ステレオカメラを設置する物体側に設けられた支持メンバーと該ステレオカメラの所定部位に設けられた被支持メンバーとが上記両メンバー間の相対関係が所定範囲内で可変であるように結合することによって当該ステレオカメラを上記物体上に支持するように構成された結合部材と、
    上記結合部材によって上記物体上に支持されたステレオカメラの姿勢乃至位置を制御する制御手段と、を備え、
    上記制御手段は、上記ステレオカメラによって得られる映像中の注目被写体の輪郭のうち最高水準位置にある輪郭部分が、上記物体と上記撮像視野内の注目被写体との相対的姿勢乃至位置の変化によらず、映像のフレーム上端乃至その近傍に位置するように当該ステレオカメラの姿勢乃至位置を制御し得るように構成されたものであることを特徴とするステレオカメラ支持装置。
  11. 相互に離隔した複数の視点による視差を持った複数の映像を得るようになされたステレオカメラを支持するステレオカメラ支持方法であって、
    上記ステレオカメラを設置する車両側に設けられた支持メンバーと該ステレオカメラの所定部位に設けられた被支持メンバーとを上記両メンバー間の相対関係が所定範囲内で可変であるように結合し、
    上記結合によって上記車両に支持されたステレオカメラの姿勢乃至位置を、上記ステレオカメラによって得られる映像中の注目被写体の輪郭のうち最高水準位置にある輪郭部分が、上記車両の姿勢乃至位置の変化によらず、映像のフレーム上端乃至その近傍に位置するように、当該ステレオカメラの姿勢乃至位置を制御することを特徴とするステレオカメラ支持方法。
  12. 相互に離隔した複数の視点による視差を持った複数の映像を得るようになされたステレオカメラを支持するステレオカメラ支持方法であって、
    上記ステレオカメラを設置する物体側に設けられた支持メンバーと該ステレオカメラの所定部位に設けられた被支持メンバーとを上記両メンバー間の相対関係が所定範囲内で可変であるように結合し、
    上記結合によって上記物体上に支持されたステレオカメラの姿勢乃至位置を、上記ステレオカメラによって得られる映像中の注目被写体の輪郭のうち最高水準位置にある輪郭部分が、上記物体と上記撮像視野内の注目被写体との相対的姿勢乃至位置の変化によらず、映像のフレーム上端乃至その近傍に位置するように、当該ステレオカメラの姿勢乃至位置を制御することを特徴とするステレオカメラ支持方法。
  13. 上記制御手段は、当該車両の姿勢乃至位置を検出する検出手段の検出出力を状態変数とし、且つ、上記ステレオカメラによる映像に依拠することなく制御動作を行なうように構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のステレオカメラ支持装置。
  14. 相互に離隔した複数の視点による視差を持った複数の映像を得るようになされたステレオカメラを備えたステレオカメラシステムであって、上記ステレオカメラを設置する車両側に設けられた支持メンバーと該ステレオカメラの所定部位に設けられた被支持メンバーとが上記両メンバー間の相対位置が所定範囲内で可変であるように結合することによって当該ステレオカメラを上記車両に支持するように構成された結合部材と、
    上記結合部材によって上記車両に支持されたステレオカメラの姿勢乃至位置を制御する制御手段と、を備え、
    上記制御手段は、上記ステレオカメラの撮像光学系乃至その近傍に設定した視点から該ステレオカメラの撮像視野を見込んで撮影することによって得られる映像に関して当該映像中の注目被写体の輪郭のうち最高水準位置にある輪郭部分が、上記車両の姿勢乃至位置の変化によらず、映像のフレーム上端乃至その近傍に位置するように、当該ステレオカメラの姿勢乃至位置を制御し得るように構成されたものであることを特徴とするステレオカメラシステム。
  15. 上記ステレオカメラによる撮影によって得られる映像情報に基づいて上記注目被写体の距離を算出する情報処理手段を更に備えたことを特徴とする請求項14に記載のステレオカメラシステム。
  16. 上記情報処理手段は、上記ステレオカメラによる撮影によって得られる映像情報に基づいて当該車両に適用された表示手段に道路の状況を表わす映像を映出するためのデータを生成するように構成されたものであることを特徴とする請求項15に記載のステレオカメラシステム。
  17. 上記情報処理手段は、上記ステレオカメラによる撮影によって得られる映像情報に基づいて当該車両に適用された表示手段に道路の状況を表わす映像に該車両から等距離にある道路上の点群を表わす指標をスーパーインポーズ表示して映出するためのデータを生成するように構成されたものであることを特徴とする請求項15に記載のステレオカメラシステム。
  18. 上記情報処理手段は、上記ステレオカメラによる撮影によって得られる映像情報に基づいて当該車両に適用された警告手段に警告を発報させるためのデータを生成するように構成されたものであることを特徴とする請求項15に記載のステレオカメラシステム。
  19. 相互に離隔した複数の視点による視差を持った複数の映像を得るようになされたステレオカメラを備えたステレオカメラシステムであって、上記ステレオカメラを設置する物体側に設けられた支持メンバーと該ステレオカメラの所定部位に設けられた被支持メンバーとが上記両メンバー間の相対位置が所定範囲内で可変であるように結合することによって当該ステレオカメラを上記車両に支持するように構成された結合部材と、
    上記結合部材によって上記物体に支持されたステレオカメラの姿勢乃至位置を制御する制御手段と、を備え、
    上記制御手段は、上記ステレオカメラの撮像光学系乃至その近傍に設定した視点から該ステレオカメラの撮像視野を見込んで撮影することによって得られる映像に関して
    当該映像中の注目被写体の輪郭のうち最高水準位置にある輪郭部分が、上記物体と上記撮像視野内の注目被写体との相対的姿勢乃至位置の変化によらず、映像のフレーム上端乃至その近傍に位置するように当該ステレオカメラの姿勢乃至位置を制御し得るように構成されたものであることを特徴とするステレオカメラシステム。
  20. 上記制御手段は、初動時には、上記ステレオカメラを、その撮像光学系乃至その近傍に設定した視点から該ステレオカメラの撮像視野を見込んで撮影するときの視野の中心線が実質的に水平方向となる姿勢に制御するよう構成されたものであることを特徴とする請求項14に記載のステレオカメラシステム。
  21. 上記制御手段は、初動時には、上記ステレオカメラを、その撮像光学系乃至その近傍に設定した視点から該ステレオカメラの撮像視野を見込んで撮影するときの視野の中心線が実質的に前回の制御で設定された最後の状態を維持するような姿勢に制御するよう構成されたものであることを特徴とする請求項14に記載のステレオカメラシステム。
  22. 上記制御手段は、初動時には、上記ステレオカメラを、その撮像光学系乃至その近傍に設定した視点から該ステレオカメラの撮像視野を見込んで撮影するときの視野の中心線が実質的に水平方向よりも下向きになる姿勢に制御するよう構成されたものであることを特徴とする請求項14に記載のステレオカメラシステム。
  23. 上記制御手段は、当該車両の高速走行時には、上記ステレオカメラを、その撮像光学系乃至その近傍に設定した視点から該ステレオカメラの撮像視野を見込んで撮影するときの視野の中心線が相対的に下向きになる姿勢に制御し、低速走行時には上記中心線が相対的に上向きになる姿勢に制御するよう構成されたものであることを特徴とする請求項14に記載のステレオカメラシステム。
  24. 上記制御手段は、注目すべき被写体の輪郭の最高水準部分が映像のフレームの上端を更に上方に逸脱してしまうような高い被写体に遭遇したことが認識されたときには上記ステレオカメラの姿勢を上向きに制御するよう構成されたものであることを特徴とする請求項14に記載のステレオカメラシステム。
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