JP2004330812A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】偏摩耗を抑制し、かつ、ウェット性能を向上させ、車外騒音の低減する。
【解決手段】トレッド表面1にタイヤ幅方向Bに延びるサイプ2が刻まれた空気入りラジアルタイヤにおいて、サイプ2の開口部は幅広部3を備え、テーパー又は曲率をもって幅広部3の幅Wがサイプ2の底部に向かって減少している空気入りラジアルタイヤとした。さらに幅広部3の深さDを0.3mm〜1mm、幅広部3の幅Wを0.6mm〜3mmとした。また、少なくともショルダー部に幅広部3を備えたサイプ2が刻まれたタイヤとする。
【選択図】図1
【解決手段】トレッド表面1にタイヤ幅方向Bに延びるサイプ2が刻まれた空気入りラジアルタイヤにおいて、サイプ2の開口部は幅広部3を備え、テーパー又は曲率をもって幅広部3の幅Wがサイプ2の底部に向かって減少している空気入りラジアルタイヤとした。さらに幅広部3の深さDを0.3mm〜1mm、幅広部3の幅Wを0.6mm〜3mmとした。また、少なくともショルダー部に幅広部3を備えたサイプ2が刻まれたタイヤとする。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ幅方向に延びるサイプが刻まれた空気入りラジアルタイヤに関し、偏摩耗の抑制と車外騒音の低減に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から空気入りラジアルタイヤにおいて、トレッド表面にサイプを刻み、排水性、制動性、あるいは駆動性の向上が図られてきた。トレッド表面にサイプが刻まれたタイヤとして、例えば特許文献1に記載された空気入りタイヤが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−300918号公報(第1〜2頁、第1〜3図)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
トレッド表面にタイヤ幅方向に延びるサイプを刻むと、サイプ近傍は変形しやすくなるので接地圧が不均一となる。その結果、タイヤ周方向に摩耗量に差が出るトウアンドヒール偏摩耗が発生するおそれがある。かかる偏摩耗を抑制するためには、サイプの深さを浅くしたり、サイプの溝底部の一部を閉塞させたりしてきた。
【0005】
いずれの手法を採っても、サイプの容積が低下しエッジ効果が減少するので、ウェット性能が低下する問題があった。また、ブロックにサイプが刻まれている場合、サイプを浅くすると、サイプが閉じてしまい接地時に発生する打撃音は結果的に元のブロックと同程度に大きくなりパターンノイズは大きくなる。
【0006】
また、サイプ方向がタイヤ幅方向であるため、タイヤ転動時にサイプの開口部が路面によって塞がれ、サイプ内に閉じ込められた空気が開放されるときにノイズ(破裂音)が発生する。かかるノイズは周波数が1kHz前後の高周波音(シャーシャーと聞こえるのでシャー音と呼ばれる)であり、耳障りであった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、タイヤ幅方向に延びるサイプが刻まれた空気入りラジアルタイヤにおいて、偏摩耗を抑制し、かつ、ウェット性能を向上させ、車外騒音の低減することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、請求項1に記載の発明は、トレッド表面にタイヤ幅方向に延びるサイプが刻まれた空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記サイプの開口部は幅広部を備え、テーパー又は曲率をもって前記幅広部の幅が前記サイプの底部に向かって減少している空気入りラジアルタイヤとした。
【0009】
当該幅広部によりサイプの開口部の幅が広くなっているので、サイプ近傍の接地圧が分散される。その結果、偏摩耗が抑制される。タイヤ周方向に開口部の幅が広がっているので、サイプが塞がれることがないので、シャー音の発生も抑制される。
【0010】
また、幅広部により路面に接地しないボイド部が増加するので、排水性が向上しウェット性能が向上する。なお、サイプの端部は閉塞(クローズド)または開放(オープン)のいずれでもよい。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記幅広部の深さが0.3mm〜1mmである請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤとした。
【0012】
幅広部の深さが0.3mm未満であると、上述した効果が得られず、1mmを越えると、トレッドの剛性が低下しすぎて制動性能が悪化するおそれがある。
【0013】
請求項3に記載の発明は、前記幅広部の幅が0.6mm〜3mmである請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤとした。
【0014】
同様に、幅広部の幅が0.6mm未満であると、上述した効果が得られず、3mmを越えると、トレッドの剛性が低下しすぎて制動性能が悪化するおそれがある。
【0015】
請求項4に記載の発明は、前記サイプが少なくともショルダー部のトレッド表面に刻まれた請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
記載の空気入りタイヤとした。
【0016】
特に、タイヤのショルダー部は偏摩耗の発生しやすい箇所であるため、幅広部を備えたサイプを刻むことにより、偏摩耗を効果的に抑制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明に係る空気入りラジアルタイヤの実施形態を説明する。図1は、本発明に係るサイプの構造を示す概略斜視図である。図1(a)において、タイヤ周方向に延びる主溝(図示せず)と該主溝同士を連通する横溝(図示せず)とによって区画されたブロック5のトレッド1の表面に、幅方向Bに延びるサイプ2が刻まれている。サイプ2のトレッド1の表面には幅広部3が備えられている。
【0018】
また、A−A’断面を示す図1(b)及び(c)にあるように、幅広部3の壁面4はテーパー又は曲率をもって、幅広部3の幅がサイプ2の底部に向かって減少している。したがって、幅広部3の幅は、トレッド1の表面でのWから徐々に減少し、サイプ2の底部に至る途中(トレッド1の表面からサイプ2の底部に向かってDの位置)でサイプ2の幅wと同じ幅となっている。
【0019】
かかる幅広部3を備えることにより、サイプ2の開口部の辺縁がえぐられた窪み形状となり、サイプ2の辺縁6の断面は鈍角になる。その結果、辺縁6における接地圧が低下し、トレッド1全体にわたって接地圧が均一化されるので、トウアンドヒール偏摩耗が抑制される。また、従来のように、サイプ2の深さdを浅くしたり、サイプ2の底部の一部を閉塞させる必要がなくなるので、サイプ2の容積を十分に確保できるので、ウェット性能を向上させることができる。
【0020】
幅広部3によって、サイプ2の開口部の幅は実質的にWとなって、サイプ2の幅wに比べて広くなっている。そのため、タイヤ転動時に路面によってサイプ2の開口部が完全に塞がれることがないので、開口部が開放された時に発生する破裂音(シャー音)を抑制することができる。また、サイプ2の深さを浅く設定する必要がないので、サイプが閉じてしまって結果的に元のブロックと同程度の打撃音が発生することがなく、パターンノイズが大きくなることはない。
【0021】
また、幅広部3により路面に接地しないボイド部が増加するので、排水性が向上しウェット性能が向上する。なお、サイプ2の端部は閉塞(クローズド)または開放(オープン)のいずれでもよい。
【0022】
なお、幅広部3の深さDは0.3mm〜1mmが好ましい。幅広部の深さDが0.3mm未満であると、上述した効果が得られず、1mmを越えると、トレッドの剛性が低下しすぎて制動性能が悪化するおそれがある。また、幅広部の幅Wは0.6mm〜3mmが好ましい。幅広部の幅Wが0.6mm未満であると、上述した効果が得られず、3mmを越えると、トレッドの剛性が低下しすぎて制動性能が悪化するおそれがある。
【0023】
また、1つのブロックに複数のサイプを刻むこともできる。また、主溝に区画されたリブ構造においても、タイヤ周方向に間隔をおいてサイプを刻むことにより同様の効果を奏することができる。
【0024】
【実施例】
実施例として本発明に係る空気入りタイヤ、比較例1及び2としてサイプが刻まれているが幅広部を備えていないタイヤを試作した。実施例のトレッドパターンは図2に示すとおりで、主溝5とラグ溝6で形成されるリブラグ構造であるショルダー部にクローズドサイプ2aが、主溝5と横溝7で形成されるブロック列であるミディエイト部に片オープンサイプ2bがそれぞれ刻まれて、各サイプ2a、2bは幅広部3を備えている。比較例1及び2のタイヤは、図3に示すように実施例と同様のパターンを有するが幅広部3を備えていない。各タイヤのサイプ2a、2b及び幅広部3の寸法が表1に示すように異なっている。なお、いずれのタイヤサイズも215/45R17とした。
【0025】
実施例、比較例1及び2のタイヤを国産2000ccのセダン型乗用車に装着して、性能評価を行った。結果を同じく表1に示す。ウェット性能はドライバー2名による官能評価値を指数で表した値である。パターンノイズ及びシャー音は、台上試験により測定した値で、パターンノイズは250Hz〜500Hzのノイズレベルの逆数、シャー音は1kHzのノイズレベルの逆数である。ドライ制動は、ドライ路面を40km/hで走行しフルブレーキした時の制動距離の逆数である。いずれの評価項目においても、比較例1を100とした指数で表し、指数が大きいほど性能が良いことを示す。また、偏摩耗量は12000km走行後のトウアンドヒール偏摩耗量である。
【0026】
【表1】
【0027】
表1によれば、実施例のタイヤはサイプの開口部に幅広部を設けたことによりウェット性能が向上し、シャー音が低減されている。一方、サイプを深くしてもサイプを浅く設定した比較例2と同程度の偏摩耗量となっていおり、パターンノイズやドライ制動も比較例1と同程度となっている。したがって、本発明のタイヤにおいて、耐偏摩耗性を維持しつつ、ウェット性能を向上させ、車外騒音の低減することができた。
【0028】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の空気入りライアルタイヤにおいて、タイヤ幅方向に延びるサイプの開口部に幅広部を設けた。その結果、接地圧の均一化が図られ、サイプ深さを浅くすることなく偏摩耗が抑制される。また、サイプの開口部が路面に塞がれることもなくサイプも閉塞しないので、シャー音及びパターンノイズの低減も図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はサイプの概略斜視図、(b)及び(c)はA−A’断面図である。
【図2】実施例に係るタイヤのトレッドパターン概略展開図である。
【図3】比較例1及び2に係るタイヤのトレッドパターン概略展開図である。
【符号の説明】
1 トレッド
2 サイプ
3 幅広部
4 幅広部の壁面
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ幅方向に延びるサイプが刻まれた空気入りラジアルタイヤに関し、偏摩耗の抑制と車外騒音の低減に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から空気入りラジアルタイヤにおいて、トレッド表面にサイプを刻み、排水性、制動性、あるいは駆動性の向上が図られてきた。トレッド表面にサイプが刻まれたタイヤとして、例えば特許文献1に記載された空気入りタイヤが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−300918号公報(第1〜2頁、第1〜3図)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
トレッド表面にタイヤ幅方向に延びるサイプを刻むと、サイプ近傍は変形しやすくなるので接地圧が不均一となる。その結果、タイヤ周方向に摩耗量に差が出るトウアンドヒール偏摩耗が発生するおそれがある。かかる偏摩耗を抑制するためには、サイプの深さを浅くしたり、サイプの溝底部の一部を閉塞させたりしてきた。
【0005】
いずれの手法を採っても、サイプの容積が低下しエッジ効果が減少するので、ウェット性能が低下する問題があった。また、ブロックにサイプが刻まれている場合、サイプを浅くすると、サイプが閉じてしまい接地時に発生する打撃音は結果的に元のブロックと同程度に大きくなりパターンノイズは大きくなる。
【0006】
また、サイプ方向がタイヤ幅方向であるため、タイヤ転動時にサイプの開口部が路面によって塞がれ、サイプ内に閉じ込められた空気が開放されるときにノイズ(破裂音)が発生する。かかるノイズは周波数が1kHz前後の高周波音(シャーシャーと聞こえるのでシャー音と呼ばれる)であり、耳障りであった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、タイヤ幅方向に延びるサイプが刻まれた空気入りラジアルタイヤにおいて、偏摩耗を抑制し、かつ、ウェット性能を向上させ、車外騒音の低減することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、請求項1に記載の発明は、トレッド表面にタイヤ幅方向に延びるサイプが刻まれた空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記サイプの開口部は幅広部を備え、テーパー又は曲率をもって前記幅広部の幅が前記サイプの底部に向かって減少している空気入りラジアルタイヤとした。
【0009】
当該幅広部によりサイプの開口部の幅が広くなっているので、サイプ近傍の接地圧が分散される。その結果、偏摩耗が抑制される。タイヤ周方向に開口部の幅が広がっているので、サイプが塞がれることがないので、シャー音の発生も抑制される。
【0010】
また、幅広部により路面に接地しないボイド部が増加するので、排水性が向上しウェット性能が向上する。なお、サイプの端部は閉塞(クローズド)または開放(オープン)のいずれでもよい。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記幅広部の深さが0.3mm〜1mmである請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤとした。
【0012】
幅広部の深さが0.3mm未満であると、上述した効果が得られず、1mmを越えると、トレッドの剛性が低下しすぎて制動性能が悪化するおそれがある。
【0013】
請求項3に記載の発明は、前記幅広部の幅が0.6mm〜3mmである請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤとした。
【0014】
同様に、幅広部の幅が0.6mm未満であると、上述した効果が得られず、3mmを越えると、トレッドの剛性が低下しすぎて制動性能が悪化するおそれがある。
【0015】
請求項4に記載の発明は、前記サイプが少なくともショルダー部のトレッド表面に刻まれた請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
記載の空気入りタイヤとした。
【0016】
特に、タイヤのショルダー部は偏摩耗の発生しやすい箇所であるため、幅広部を備えたサイプを刻むことにより、偏摩耗を効果的に抑制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明に係る空気入りラジアルタイヤの実施形態を説明する。図1は、本発明に係るサイプの構造を示す概略斜視図である。図1(a)において、タイヤ周方向に延びる主溝(図示せず)と該主溝同士を連通する横溝(図示せず)とによって区画されたブロック5のトレッド1の表面に、幅方向Bに延びるサイプ2が刻まれている。サイプ2のトレッド1の表面には幅広部3が備えられている。
【0018】
また、A−A’断面を示す図1(b)及び(c)にあるように、幅広部3の壁面4はテーパー又は曲率をもって、幅広部3の幅がサイプ2の底部に向かって減少している。したがって、幅広部3の幅は、トレッド1の表面でのWから徐々に減少し、サイプ2の底部に至る途中(トレッド1の表面からサイプ2の底部に向かってDの位置)でサイプ2の幅wと同じ幅となっている。
【0019】
かかる幅広部3を備えることにより、サイプ2の開口部の辺縁がえぐられた窪み形状となり、サイプ2の辺縁6の断面は鈍角になる。その結果、辺縁6における接地圧が低下し、トレッド1全体にわたって接地圧が均一化されるので、トウアンドヒール偏摩耗が抑制される。また、従来のように、サイプ2の深さdを浅くしたり、サイプ2の底部の一部を閉塞させる必要がなくなるので、サイプ2の容積を十分に確保できるので、ウェット性能を向上させることができる。
【0020】
幅広部3によって、サイプ2の開口部の幅は実質的にWとなって、サイプ2の幅wに比べて広くなっている。そのため、タイヤ転動時に路面によってサイプ2の開口部が完全に塞がれることがないので、開口部が開放された時に発生する破裂音(シャー音)を抑制することができる。また、サイプ2の深さを浅く設定する必要がないので、サイプが閉じてしまって結果的に元のブロックと同程度の打撃音が発生することがなく、パターンノイズが大きくなることはない。
【0021】
また、幅広部3により路面に接地しないボイド部が増加するので、排水性が向上しウェット性能が向上する。なお、サイプ2の端部は閉塞(クローズド)または開放(オープン)のいずれでもよい。
【0022】
なお、幅広部3の深さDは0.3mm〜1mmが好ましい。幅広部の深さDが0.3mm未満であると、上述した効果が得られず、1mmを越えると、トレッドの剛性が低下しすぎて制動性能が悪化するおそれがある。また、幅広部の幅Wは0.6mm〜3mmが好ましい。幅広部の幅Wが0.6mm未満であると、上述した効果が得られず、3mmを越えると、トレッドの剛性が低下しすぎて制動性能が悪化するおそれがある。
【0023】
また、1つのブロックに複数のサイプを刻むこともできる。また、主溝に区画されたリブ構造においても、タイヤ周方向に間隔をおいてサイプを刻むことにより同様の効果を奏することができる。
【0024】
【実施例】
実施例として本発明に係る空気入りタイヤ、比較例1及び2としてサイプが刻まれているが幅広部を備えていないタイヤを試作した。実施例のトレッドパターンは図2に示すとおりで、主溝5とラグ溝6で形成されるリブラグ構造であるショルダー部にクローズドサイプ2aが、主溝5と横溝7で形成されるブロック列であるミディエイト部に片オープンサイプ2bがそれぞれ刻まれて、各サイプ2a、2bは幅広部3を備えている。比較例1及び2のタイヤは、図3に示すように実施例と同様のパターンを有するが幅広部3を備えていない。各タイヤのサイプ2a、2b及び幅広部3の寸法が表1に示すように異なっている。なお、いずれのタイヤサイズも215/45R17とした。
【0025】
実施例、比較例1及び2のタイヤを国産2000ccのセダン型乗用車に装着して、性能評価を行った。結果を同じく表1に示す。ウェット性能はドライバー2名による官能評価値を指数で表した値である。パターンノイズ及びシャー音は、台上試験により測定した値で、パターンノイズは250Hz〜500Hzのノイズレベルの逆数、シャー音は1kHzのノイズレベルの逆数である。ドライ制動は、ドライ路面を40km/hで走行しフルブレーキした時の制動距離の逆数である。いずれの評価項目においても、比較例1を100とした指数で表し、指数が大きいほど性能が良いことを示す。また、偏摩耗量は12000km走行後のトウアンドヒール偏摩耗量である。
【0026】
【表1】
【0027】
表1によれば、実施例のタイヤはサイプの開口部に幅広部を設けたことによりウェット性能が向上し、シャー音が低減されている。一方、サイプを深くしてもサイプを浅く設定した比較例2と同程度の偏摩耗量となっていおり、パターンノイズやドライ制動も比較例1と同程度となっている。したがって、本発明のタイヤにおいて、耐偏摩耗性を維持しつつ、ウェット性能を向上させ、車外騒音の低減することができた。
【0028】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の空気入りライアルタイヤにおいて、タイヤ幅方向に延びるサイプの開口部に幅広部を設けた。その結果、接地圧の均一化が図られ、サイプ深さを浅くすることなく偏摩耗が抑制される。また、サイプの開口部が路面に塞がれることもなくサイプも閉塞しないので、シャー音及びパターンノイズの低減も図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はサイプの概略斜視図、(b)及び(c)はA−A’断面図である。
【図2】実施例に係るタイヤのトレッドパターン概略展開図である。
【図3】比較例1及び2に係るタイヤのトレッドパターン概略展開図である。
【符号の説明】
1 トレッド
2 サイプ
3 幅広部
4 幅広部の壁面
Claims (4)
- トレッド表面にタイヤ幅方向に延びるサイプが刻まれた空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記サイプの開口部は幅広部を備え、テーパー又は曲率をもって前記幅広部の幅が前記サイプの底部に向かって減少している空気入りラジアルタイヤ。 - 前記幅広部の深さが0.3mm〜1mmである請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記幅広部の幅が0.6mm〜3mmである請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記サイプが少なくともショルダー部のトレッド表面に刻まれた請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003125454A JP2004330812A (ja) | 2003-04-30 | 2003-04-30 | 空気入りラジアルタイヤ |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004330812A true JP2004330812A (ja) | 2004-11-25 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003125454A Pending JP2004330812A (ja) | 2003-04-30 | 2003-04-30 | 空気入りラジアルタイヤ |
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JP (1) | JP2004330812A (ja) |
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- 2003-04-30 JP JP2003125454A patent/JP2004330812A/ja active Pending
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