JP2004327748A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】BGA型の半導体装置において、外部接続用の導電端子と半導体装置の配線との電気的接続性を良好にし、その信頼性を向上する。
【解決手段】半導体チップ12の表面に第1の配線6が形成されている。この第1の配線6が形成された半導体チップ12の表面に第1のガラス基板10が接着されている。半導体チップ12の裏面には第2ガラス基板16が接着されている。第1の配線6の側面から第2のガラス基板16上に延在し、スリット20aを有する第2の配線18が形成されている。そして、第2の配線18を覆うように保護膜22が形成されている。保護膜22はスリット20aを介して第1のガラス基板10と接触している。
【選択図】 図9
【解決手段】半導体チップ12の表面に第1の配線6が形成されている。この第1の配線6が形成された半導体チップ12の表面に第1のガラス基板10が接着されている。半導体チップ12の裏面には第2ガラス基板16が接着されている。第1の配線6の側面から第2のガラス基板16上に延在し、スリット20aを有する第2の配線18が形成されている。そして、第2の配線18を覆うように保護膜22が形成されている。保護膜22はスリット20aを介して第1のガラス基板10と接触している。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボール状の導電端子を有するBGA(Ball Grid Array)型の半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、三次元実装技術として、また新たなパッケージ技術として、CSP(Chip Size Package)が注目されている。CSPとは、半導体チップの外形寸法と略同サイズの外形寸法を有する小型パッケージをいう。
【0003】
従来より、CSPの一種として、BGA型の半導体装置が知られている。このBGA型の半導体装置は、半田等の金属部材からなるボール状の導電端子をパッケージの一主面上に格子状に複数配列し、パッケージの他の面上に搭載される半導体チップと電気的に接続したものである。
【0004】
そして、このBGA型の半導体装置を電子機器に組み込む際には、各導電端子をプリント基板上の配線パターンに圧着することで、半導体チップとプリント基板上に搭載される外部回路とを電気的に接続している。
【0005】
このようなBGA型の半導体装置は、側部に突出したリードピンを有するSOP(Small Outline Package)やQFP(Quad Flat Package)等の他のCSP型の半導体装置に比べて、多数の導電端子を設けることが出来、しかも小型化できるという長所を有する。このBGA型の半導体装置は、例えば携帯電話機に搭載されるデジタルカメラのイメージセンサチップとしての用途がある。
【0006】
図16は、従来のBGA型の半導体装置の概略構成を成すものであり、図16(A)は、このBGA型の半導体装置の表面側の斜視図である。また、図16(B)はこのBGA型の半導体装置の裏面側の斜視図である。
【0007】
このBGA型の半導体装置101は、第1及び第2のガラス基板102、103の間に半導体チップ104が上下のエポキシ樹脂105を介して封止されている。第2のガラス基板103の一主面上、即ちBGA型の半導体装置101の裏面上には、ボール状の導電端子106が格子状に複数配置されている。
【0008】
この導電端子106は、第2の配線110を介して半導体チップ104へと接続される。複数の第2の配線110には、それぞれ半導体チップ104の内部から引き出されたアルミニウム配線が接続されており、各導電端子106と半導体チップ104との電気的接続がなされている。
【0009】
このBGA型の半導体装置101の断面構造について図15を参照して更に詳しく説明する。図15はダイシングラインに沿って、個々のチップに分割されたBGA型の半導体装置101の断面図を示している。
【0010】
半導体チップ104の表面に配置された絶縁膜108上に第1の配線107が設けられている。この半導体チップ104の表面は樹脂105によって第1のガラス基板102と接着されている。また、この半導体チップ104の裏面は、樹脂105によって第2のガラス基板103と接着されている。
【0011】
そして、第1の配線107の一端は第2の配線110と接続されている。この第2の配線110は、第1の配線107の一端から第2のガラス基板103の表面に延在している。そして、第2のガラス基板103上に延在した第2の配線110上には、ボール状の導電端子106が形成されている。
【0012】
次に、半導体装置101の製造工程を、図11〜図14を参照にしながら順次説明する。
【0013】
図11に示すように、複数の半導体チップ104を有する半導体ウエハを用意し、その表面にSiO2のような絶縁物で形成した絶縁膜108を形成する。そして、絶縁膜108上に、複数の半導体チップ104を個々のチップに切断するための境界S(ダイシングライン)に跨るように第1の配線107を形成する。
【0014】
続いて、第1の配線107が形成された半導体チップ104の表面に、半導体チップ104を支持するための第1のガラス基板102を透明のエポキシ材の樹脂105を用いて接着する。
【0015】
そして、半導体チップ104をバックグラインドしてチップ厚を薄くした後、半導体チップ104の裏面及び絶縁膜108を境界Sに沿ってエッチングし、第1の配線107を露出させる。
【0016】
続いて、図12に示すように、エッチングされた半導体チップ104、絶縁膜108の側面、及び第1の配線107の露出部分をエポキシ材の樹脂105で覆い、この樹脂105を接着剤として、半導体チップ104の裏面に第2のガラス基板103を接着する。
【0017】
次に、図13に示すように、第2のガラス基板103を境界Sに沿って、V字形にノッチングを施す。このノッチングは、ブレード等の切削器具を用いた切削加工である。このとき、ノッチングによって形成されたV字型の溝VGの深さは、第1のガラス基板102に達する。これにより、第1の配線107は2つに分断され、その側面が露出される。
【0018】
続いて、図14に示すように、第2のガラス基板103及びノッチングで形成された切削面を覆うようにアルミニウム層を形成する。これにより、第1の配線107の側面とアルミニウム層とが接続される。その後、アルミニウム層を所定の配線パターンとなるようにパターニングして、第2の配線110を形成する。
【0019】
次に、図15に示すように、第2の配線110上に、ソルダーマスク等の保護膜111を形成する。その後、半田等の金属から成るボール状の導電端子106を保護膜111の開口部を介して第2の配線110上に形成する。続いて境界Sに沿ってダイシングを行う。これにより、図16に示すBGA型の半導体装置101が完成する。
【0020】
上述した技術は、例えば以下の特許文献に記載されている。
【0021】
【特許文献】
特表2002−512436号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図15、図16に示すBGA型の半導体装置101において、第2の配線110の、第1のガラス基板102及び第2のガラス基板103に対する密着性が悪く、上述したノッチングや、外部からのストレスなどにより、両者が互いに剥離することがあった。その結果、第1の配線107と第2の配線110との電気的接続不良が生じ、半導体装置101の動作不良を招くという問題を生じるおそれがあった。
【0023】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、保護膜111と第1ガラス基板102及び第2のガラス基板103との密着強度が高いという性質に着目し、第2の配線にスリット(切り口)を設けることで、このスリットを介して保護膜と第1、2のガラス基板とを直接接触させるようにした。これにより、第1の配線と第2の配線との剥離を防止し、両者の電気的接続性を安定化した。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
以下、第1の実施形態について図1〜図9を参照しながら説明する。
【0026】
図1に示すように、一枚の半導体ウエハ2上に一般的な半導体製造プロセスによって集積回路が形成される。ここで、境界Sはダイシングラインである。また絶縁膜4は半導体ウエハ2の表面に被覆され、例えば絶縁膜4はシリコン酸化膜(SiO2)、シリコン窒化膜(SiN)、有機絶縁膜(ポリイミド等)等で形成されている。
【0027】
次に、図2に示すように、第1の配線6は境界Sを跨るように、絶縁膜4上の一部に形成される。その後、エポキシ接着剤等からなる樹脂8が第1の配線6及び絶縁膜4上に塗布される。そして第1のガラス基板10は、樹脂8を介して半導体ウエハ2の表面に、支持材として接着される。
【0028】
次に、図3に示すように、半導体ウエハ2を裏面側から機械研磨や化学的研磨等の方法でバックグラインドして、半導体ウエハ2の厚さを薄くする。そして、半導体ウエハ2及び絶縁膜4をその裏面から境界Sに沿ってエッチングして、第1の配線6裏面の一部(中央部分)を露出する。この結果、半導体ウエハ2は境界Sの位置でそれぞれ分割された半導体チップ12となる。ただし、本実施形態において、バックグラインドは必ずしも必要な処理ではない。
【0029】
次に、図4に示すように、半導体チップ12の裏面及びエッチングされた面に樹脂8と同様なエポキシ接着剤等からなる樹脂14が形成され、この樹脂14を介して第2のガラス基板16が半導体チップ12裏面側に支持材として接着される。
【0030】
次に、図5に示すように、半導体チップ12の裏面側から境界Sに沿って、ノッチングを施す。これは、鋸等の器具を用いた切削加工である。このノッチングによって、第2のガラス基板16から第1のガラス基板10に達するV字形の溝VGが形成される。これにより、第1の配線6は2つに分断され、第1の配線6の側面(分断面)が露出される。
【0031】
なお、本工程では、第1の配線6を切断して分断しているが、図2の状態で境界Sを境として、所定の間隔を有するように一対の配線を予め形成しておくものであってもよい。
【0032】
次に、図6に示すように、全面に第2の配線18となるアルミニウム層をスパッタ等の方法で形成し、その後、このアルミニウム層の上にホトレジスト層を形成し、これをマスクにして、アルミニウム配線をエッチングすることで、所定のパターン形状を有した第2の配線18を形成する。第2の配線18は、V字形の溝VGの中で露出された第1の配線6の側面に接してこれと電気的に接続され、半導体チップ12、樹脂14及び第2のガラス基板16の側面に沿って延び、さらに第2のガラス基板16の主面上に延在している。
【0033】
上記アルミニウム層のエッチングの際に、第2の配線18にスリット20aを形成する。以下、図7を参照して、第2の配線18のスリット20aについて詳細に説明する。図7は図6の矢印側から(半導体チップ12裏面側から)見た拡大した斜視図である。V字形の溝VGの底部にある第2の配線18に長方形の形状を呈したスリット20aを設ける。スリット20aの短辺の長さをd1、また長辺の長さをwとする。スリット20aは正方形(例えば、d1=w=150μm)であってもよい。また、スリット20aは1つでも良いが、第1の配線6と第2の配線18との剥離を確実に防止するためには多数設けることが好ましい。
【0034】
その後、図8に示すように、スリット20aが形成された第2の配線18上に保護膜22(ソルダーマスク)を形成する。ここで、保護膜22はスリット20a内に充填され、第1のガラス基板10と直接接触する。また、保護膜22は、例えば感光性のレジスト膜であるが、これに限らず、第1のガラス基板10と密着性が良い保護膜材料であればよい。
【0035】
そして、第2のガラス基板16の主面上に延びた第2の配線18を覆う保護膜22に開口部を設け、この開口部に半田等の金属で形成されたボール状の導電端子24を形成する。これにより、導電端子24は第2の配線と電気的に接続される。
【0036】
次に、図9に示すように境界Sに沿ってダイシング工程を実施して、隣接する半導体チップ12毎に分断して、本実施形態のBGA型半導体装置が完成する。
【0037】
こうして、第2の配線18に形成されたスリット20a内を充填するように保護膜22が形成され、この結果、保護膜22はスリット20aを介して第1のガラス基板10と直接接触することとなる。保護膜22は第1のガラス基板10との密着性が非常に優れているため、その結果として、第1の配線6と第2の配線18との剥離を防止することができる。
【0038】
また、第2の配線18にスリット20aを形成することで、上記ダイシング工程時の第2の配線18の切断面積が小さくなり、ダイシングによるストレスが緩和される結果、第1の配線6と第2の配線18との剥離を防止することができる。
【0039】
なお、上述した第1の実施形態において、第2のガラス基板16は無くてもよい。したがって、第2のガラス基板16を半導体樹脂14も不要である。この場合には、図3の半導体チップ2の裏面側から境界Sに沿ってノッチングを施し、第1のガラス基板10に達する溝を形成することになる。そして、第2の配線18は第1の配線6の側面に接してこれと電気的に接続され、半導体チップ12の裏面上に延在することになる。
【0040】
次に本発明の第2の実施形態について説明する。図10に示すように、本実施形態では、第2のガラス基板16の主面上に延びた第2の配線18に多数のスリット20bを設けている。その方法として、第2の配線18のパターニングの際に、同時にスリット20bをパターニングすればよい。スリット20bは1つでも良いが、多数設ける方が第1の配線6と第2の配線18との剥離を確実に防止する上では好ましい。
【0041】
なお、図10ではスリット20bを、第2のガラス基板16の主面に延びた第2の配線18に設けた例を示したが、スリット20bは、第2のガラス16の側面にまで延在したものであってもよい。このスリット20b内には保護膜22が充填され、保護膜22はスリット20bを介して、第2のガラス基板16と直接接触する。
【0042】
なお、スリット20bの数や形状に特別な制限はないが、例えばウエット処理によりスリット20bを形成する場合には、40μm程度のスリット20bが1つあるいは複数個形成され、ドライエッチ処理によりスリット20bを形成する場合には、図10に示すように、例えば0.5μm程度の幅d2を有したスリット20bを複数個形成することができる。
【0043】
ただし、スリット20bの幅d2は一定ではなくともよい。例えば、ある位置ではその幅が大きく、また他の位置ではその幅が小さくなるように、スリット20bの幅d2が場所によって、異なるように形成してもよい。
【0044】
なお、上述した第1、第2の実施形態では第1のガラス基板10、第2のガラス基板16がガラス材であるものを開示したが、プラスチック材などの板材であってもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、BGA型の半導体装置において、外部接続用の導電端子と半導体装置の配線との電気的接続性を良好にし、その信頼性を向上することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図11】従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図12】従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図13】従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図14】従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図15】従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図16】従来の半導体装置の製造方法を示す斜視図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボール状の導電端子を有するBGA(Ball Grid Array)型の半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、三次元実装技術として、また新たなパッケージ技術として、CSP(Chip Size Package)が注目されている。CSPとは、半導体チップの外形寸法と略同サイズの外形寸法を有する小型パッケージをいう。
【0003】
従来より、CSPの一種として、BGA型の半導体装置が知られている。このBGA型の半導体装置は、半田等の金属部材からなるボール状の導電端子をパッケージの一主面上に格子状に複数配列し、パッケージの他の面上に搭載される半導体チップと電気的に接続したものである。
【0004】
そして、このBGA型の半導体装置を電子機器に組み込む際には、各導電端子をプリント基板上の配線パターンに圧着することで、半導体チップとプリント基板上に搭載される外部回路とを電気的に接続している。
【0005】
このようなBGA型の半導体装置は、側部に突出したリードピンを有するSOP(Small Outline Package)やQFP(Quad Flat Package)等の他のCSP型の半導体装置に比べて、多数の導電端子を設けることが出来、しかも小型化できるという長所を有する。このBGA型の半導体装置は、例えば携帯電話機に搭載されるデジタルカメラのイメージセンサチップとしての用途がある。
【0006】
図16は、従来のBGA型の半導体装置の概略構成を成すものであり、図16(A)は、このBGA型の半導体装置の表面側の斜視図である。また、図16(B)はこのBGA型の半導体装置の裏面側の斜視図である。
【0007】
このBGA型の半導体装置101は、第1及び第2のガラス基板102、103の間に半導体チップ104が上下のエポキシ樹脂105を介して封止されている。第2のガラス基板103の一主面上、即ちBGA型の半導体装置101の裏面上には、ボール状の導電端子106が格子状に複数配置されている。
【0008】
この導電端子106は、第2の配線110を介して半導体チップ104へと接続される。複数の第2の配線110には、それぞれ半導体チップ104の内部から引き出されたアルミニウム配線が接続されており、各導電端子106と半導体チップ104との電気的接続がなされている。
【0009】
このBGA型の半導体装置101の断面構造について図15を参照して更に詳しく説明する。図15はダイシングラインに沿って、個々のチップに分割されたBGA型の半導体装置101の断面図を示している。
【0010】
半導体チップ104の表面に配置された絶縁膜108上に第1の配線107が設けられている。この半導体チップ104の表面は樹脂105によって第1のガラス基板102と接着されている。また、この半導体チップ104の裏面は、樹脂105によって第2のガラス基板103と接着されている。
【0011】
そして、第1の配線107の一端は第2の配線110と接続されている。この第2の配線110は、第1の配線107の一端から第2のガラス基板103の表面に延在している。そして、第2のガラス基板103上に延在した第2の配線110上には、ボール状の導電端子106が形成されている。
【0012】
次に、半導体装置101の製造工程を、図11〜図14を参照にしながら順次説明する。
【0013】
図11に示すように、複数の半導体チップ104を有する半導体ウエハを用意し、その表面にSiO2のような絶縁物で形成した絶縁膜108を形成する。そして、絶縁膜108上に、複数の半導体チップ104を個々のチップに切断するための境界S(ダイシングライン)に跨るように第1の配線107を形成する。
【0014】
続いて、第1の配線107が形成された半導体チップ104の表面に、半導体チップ104を支持するための第1のガラス基板102を透明のエポキシ材の樹脂105を用いて接着する。
【0015】
そして、半導体チップ104をバックグラインドしてチップ厚を薄くした後、半導体チップ104の裏面及び絶縁膜108を境界Sに沿ってエッチングし、第1の配線107を露出させる。
【0016】
続いて、図12に示すように、エッチングされた半導体チップ104、絶縁膜108の側面、及び第1の配線107の露出部分をエポキシ材の樹脂105で覆い、この樹脂105を接着剤として、半導体チップ104の裏面に第2のガラス基板103を接着する。
【0017】
次に、図13に示すように、第2のガラス基板103を境界Sに沿って、V字形にノッチングを施す。このノッチングは、ブレード等の切削器具を用いた切削加工である。このとき、ノッチングによって形成されたV字型の溝VGの深さは、第1のガラス基板102に達する。これにより、第1の配線107は2つに分断され、その側面が露出される。
【0018】
続いて、図14に示すように、第2のガラス基板103及びノッチングで形成された切削面を覆うようにアルミニウム層を形成する。これにより、第1の配線107の側面とアルミニウム層とが接続される。その後、アルミニウム層を所定の配線パターンとなるようにパターニングして、第2の配線110を形成する。
【0019】
次に、図15に示すように、第2の配線110上に、ソルダーマスク等の保護膜111を形成する。その後、半田等の金属から成るボール状の導電端子106を保護膜111の開口部を介して第2の配線110上に形成する。続いて境界Sに沿ってダイシングを行う。これにより、図16に示すBGA型の半導体装置101が完成する。
【0020】
上述した技術は、例えば以下の特許文献に記載されている。
【0021】
【特許文献】
特表2002−512436号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図15、図16に示すBGA型の半導体装置101において、第2の配線110の、第1のガラス基板102及び第2のガラス基板103に対する密着性が悪く、上述したノッチングや、外部からのストレスなどにより、両者が互いに剥離することがあった。その結果、第1の配線107と第2の配線110との電気的接続不良が生じ、半導体装置101の動作不良を招くという問題を生じるおそれがあった。
【0023】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、保護膜111と第1ガラス基板102及び第2のガラス基板103との密着強度が高いという性質に着目し、第2の配線にスリット(切り口)を設けることで、このスリットを介して保護膜と第1、2のガラス基板とを直接接触させるようにした。これにより、第1の配線と第2の配線との剥離を防止し、両者の電気的接続性を安定化した。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
以下、第1の実施形態について図1〜図9を参照しながら説明する。
【0026】
図1に示すように、一枚の半導体ウエハ2上に一般的な半導体製造プロセスによって集積回路が形成される。ここで、境界Sはダイシングラインである。また絶縁膜4は半導体ウエハ2の表面に被覆され、例えば絶縁膜4はシリコン酸化膜(SiO2)、シリコン窒化膜(SiN)、有機絶縁膜(ポリイミド等)等で形成されている。
【0027】
次に、図2に示すように、第1の配線6は境界Sを跨るように、絶縁膜4上の一部に形成される。その後、エポキシ接着剤等からなる樹脂8が第1の配線6及び絶縁膜4上に塗布される。そして第1のガラス基板10は、樹脂8を介して半導体ウエハ2の表面に、支持材として接着される。
【0028】
次に、図3に示すように、半導体ウエハ2を裏面側から機械研磨や化学的研磨等の方法でバックグラインドして、半導体ウエハ2の厚さを薄くする。そして、半導体ウエハ2及び絶縁膜4をその裏面から境界Sに沿ってエッチングして、第1の配線6裏面の一部(中央部分)を露出する。この結果、半導体ウエハ2は境界Sの位置でそれぞれ分割された半導体チップ12となる。ただし、本実施形態において、バックグラインドは必ずしも必要な処理ではない。
【0029】
次に、図4に示すように、半導体チップ12の裏面及びエッチングされた面に樹脂8と同様なエポキシ接着剤等からなる樹脂14が形成され、この樹脂14を介して第2のガラス基板16が半導体チップ12裏面側に支持材として接着される。
【0030】
次に、図5に示すように、半導体チップ12の裏面側から境界Sに沿って、ノッチングを施す。これは、鋸等の器具を用いた切削加工である。このノッチングによって、第2のガラス基板16から第1のガラス基板10に達するV字形の溝VGが形成される。これにより、第1の配線6は2つに分断され、第1の配線6の側面(分断面)が露出される。
【0031】
なお、本工程では、第1の配線6を切断して分断しているが、図2の状態で境界Sを境として、所定の間隔を有するように一対の配線を予め形成しておくものであってもよい。
【0032】
次に、図6に示すように、全面に第2の配線18となるアルミニウム層をスパッタ等の方法で形成し、その後、このアルミニウム層の上にホトレジスト層を形成し、これをマスクにして、アルミニウム配線をエッチングすることで、所定のパターン形状を有した第2の配線18を形成する。第2の配線18は、V字形の溝VGの中で露出された第1の配線6の側面に接してこれと電気的に接続され、半導体チップ12、樹脂14及び第2のガラス基板16の側面に沿って延び、さらに第2のガラス基板16の主面上に延在している。
【0033】
上記アルミニウム層のエッチングの際に、第2の配線18にスリット20aを形成する。以下、図7を参照して、第2の配線18のスリット20aについて詳細に説明する。図7は図6の矢印側から(半導体チップ12裏面側から)見た拡大した斜視図である。V字形の溝VGの底部にある第2の配線18に長方形の形状を呈したスリット20aを設ける。スリット20aの短辺の長さをd1、また長辺の長さをwとする。スリット20aは正方形(例えば、d1=w=150μm)であってもよい。また、スリット20aは1つでも良いが、第1の配線6と第2の配線18との剥離を確実に防止するためには多数設けることが好ましい。
【0034】
その後、図8に示すように、スリット20aが形成された第2の配線18上に保護膜22(ソルダーマスク)を形成する。ここで、保護膜22はスリット20a内に充填され、第1のガラス基板10と直接接触する。また、保護膜22は、例えば感光性のレジスト膜であるが、これに限らず、第1のガラス基板10と密着性が良い保護膜材料であればよい。
【0035】
そして、第2のガラス基板16の主面上に延びた第2の配線18を覆う保護膜22に開口部を設け、この開口部に半田等の金属で形成されたボール状の導電端子24を形成する。これにより、導電端子24は第2の配線と電気的に接続される。
【0036】
次に、図9に示すように境界Sに沿ってダイシング工程を実施して、隣接する半導体チップ12毎に分断して、本実施形態のBGA型半導体装置が完成する。
【0037】
こうして、第2の配線18に形成されたスリット20a内を充填するように保護膜22が形成され、この結果、保護膜22はスリット20aを介して第1のガラス基板10と直接接触することとなる。保護膜22は第1のガラス基板10との密着性が非常に優れているため、その結果として、第1の配線6と第2の配線18との剥離を防止することができる。
【0038】
また、第2の配線18にスリット20aを形成することで、上記ダイシング工程時の第2の配線18の切断面積が小さくなり、ダイシングによるストレスが緩和される結果、第1の配線6と第2の配線18との剥離を防止することができる。
【0039】
なお、上述した第1の実施形態において、第2のガラス基板16は無くてもよい。したがって、第2のガラス基板16を半導体樹脂14も不要である。この場合には、図3の半導体チップ2の裏面側から境界Sに沿ってノッチングを施し、第1のガラス基板10に達する溝を形成することになる。そして、第2の配線18は第1の配線6の側面に接してこれと電気的に接続され、半導体チップ12の裏面上に延在することになる。
【0040】
次に本発明の第2の実施形態について説明する。図10に示すように、本実施形態では、第2のガラス基板16の主面上に延びた第2の配線18に多数のスリット20bを設けている。その方法として、第2の配線18のパターニングの際に、同時にスリット20bをパターニングすればよい。スリット20bは1つでも良いが、多数設ける方が第1の配線6と第2の配線18との剥離を確実に防止する上では好ましい。
【0041】
なお、図10ではスリット20bを、第2のガラス基板16の主面に延びた第2の配線18に設けた例を示したが、スリット20bは、第2のガラス16の側面にまで延在したものであってもよい。このスリット20b内には保護膜22が充填され、保護膜22はスリット20bを介して、第2のガラス基板16と直接接触する。
【0042】
なお、スリット20bの数や形状に特別な制限はないが、例えばウエット処理によりスリット20bを形成する場合には、40μm程度のスリット20bが1つあるいは複数個形成され、ドライエッチ処理によりスリット20bを形成する場合には、図10に示すように、例えば0.5μm程度の幅d2を有したスリット20bを複数個形成することができる。
【0043】
ただし、スリット20bの幅d2は一定ではなくともよい。例えば、ある位置ではその幅が大きく、また他の位置ではその幅が小さくなるように、スリット20bの幅d2が場所によって、異なるように形成してもよい。
【0044】
なお、上述した第1、第2の実施形態では第1のガラス基板10、第2のガラス基板16がガラス材であるものを開示したが、プラスチック材などの板材であってもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、BGA型の半導体装置において、外部接続用の導電端子と半導体装置の配線との電気的接続性を良好にし、その信頼性を向上することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図11】従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図12】従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図13】従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図14】従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図15】従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図16】従来の半導体装置の製造方法を示す斜視図である。
Claims (12)
- 半導体チップと、
前記半導体チップの表面に形成された第1の配線と、
前記第1の配線が形成された前記半導体チップの表面に接着された第1の板材と、
前記半導体チップの裏面に接着された第2の板材と、
前記第1の配線の側面から前記第2の板材上に延在し、スリットを有する第2の配線と、
前記第2の配線上に形成され、前記スリットを介して前記第1の板材又は前記第2の板材と接触した保護膜と、を有することを特徴とした半導体装置。 - 前記保護膜が感光性のレジスト膜であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 前記保護膜に形成された開口部を介して前記第2の配線と接触された導電端子を有することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 前記第1の板材及び第2の板材がガラス基板から成ることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 前記第2の配線が複数のスリットを有することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 半導体チップと、
前記半導体チップの表面に形成された第1の配線と、
前記第1の配線が形成された前記半導体チップの表面に接着された板材と、
前記第1の配線の側面から前記半導体チップの裏面に延在し、スリットを有する第2の配線と、
前記第2の配線上に形成され、前記スリットを介して前記板材と接触した保護膜と、を有することを特徴とした半導体装置。 - 半導体ウエハの表面に絶縁膜を介して第1の配線を形成する工程と、
前記半導体ウエハの表面に第1の樹脂を介して第1の板材を接着する工程と、
前記半導体ウエハの裏面及び前記絶縁膜をエッチングし、前記第1の配線の裏面を部分的に露出させる工程と、
前記半導体ウエハの裏面に第2の樹脂を介して第2の板材を接着する工程と、
前記第2の板材から前記第1の板材に達し、前記第1の配線の側面を露出する溝を形成する工程と、
前記第1の配線の側面に接触し、前記第2の板材上に延在し、前記第1の板材上にスリットを有する第2の配線を形成する工程と、
前記スリットを介して前記第1の板材と接触した保護膜を形成する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 半導体ウエハの表面に絶縁膜を介して第1の配線を形成する工程と、
前記半導体ウエハの表面に樹脂を介して板材を接着する工程と、
前記半導体ウエハの裏面及び前記絶縁膜をエッチングし、前記第1の配線の裏面を部分的に露出させる工程と、
前記半導体ウエハから前記板材に達し、前記第1の配線の側面を露出する溝を形成する工程と、
前記第1の配線の側面に接触し、前記半導体ウエハの裏面上に延在し、前記半導体ウエハの裏面上にスリットを有する第2の配線を形成する工程と、
前記スリットを介して前記板材と接触した保護膜を形成する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 半導体ウエハの表面に絶縁膜を介して第1の配線を形成する工程と、
前記半導体ウエハの表面に第1の樹脂を介して第1の板材を接着する工程と、
前記半導体ウエハの裏面及び前記絶縁膜をエッチングし、前記第1の配線の裏面を部分的に露出させる工程と、
前記半導体ウエハの裏面に第2の樹脂を介して第2の板材を接着する工程と、
前記第2の板材から前記第1の板材に達し、前記第1の配線の側面を露出する溝を形成する工程と、
前記第1の配線の側面に接触し、前記第2の板材上に延在し、前記第2の板材上にスリットを有する第2の配線を形成する工程と、
前記スリットを介して前記第2の板材と接触した保護膜を形成する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記保護膜が感光性のレジスト膜であることを特徴とする請求項7、請求項8、請求項9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1及び第2の板材がガラス基板であることを特徴とする請求項7又は請求項9記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2の配線が複数のスリットを有することを特徴とする請求項7、請求項8、請求項9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
記載の半導体装置の製造方法。
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