【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光洗浄装置、特に紫外用光学部品の洗浄に使用する光洗浄装置および光洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液体洗浄剤を使用しない乾式洗浄法として、紫外光の光エネルギーを利用する方法や、さらに紫外光とオゾン、励起酸素原子等の活性酸素の酸化力を組み合わせた方法などが実用化されている。これらの紫外光を利用する洗浄方法(以下、光洗浄法という)の原理は、一般的に次のように考えられている。
【0003】
紫外光源として低圧水銀ランプを用いた場合は、低圧水銀ランプからは波長185nmと254nmの二つの波長の紫外光が放射される。185nmの紫外光が酸素に吸収されるとオゾンを生じ、このオゾンが254nmの紫外光を吸収して活性酸素を生成する。一方、これらのガスに吸収されなかった紫外光は被洗浄物表面に到達し、前記表面に付着している汚染物である有機分子の結合を切断する。その結果生じた前記有機分子のフラグメントが、前記活性酸素と反応することで更に酸化、分解、気化されて表面から除去されるのである。
【0004】
光洗浄法に用いられる紫外光源としては、低圧水銀ランプの他にエキシマランプも知られている。キセノンガスを用いた波長172nmのエキシマランプ光は、酸素に吸収されて活性酸素を直接生成する他、185nmの光と同様にオゾンを経由しても活性酸素を生成する。以後の洗浄メカニズムは低圧水銀ランプを用いた場合と同一である。
光洗浄装置の主な構成要素は、被洗浄物を収める洗浄槽と、洗浄槽内の被洗浄物に紫外線を照射する紫外光源である。洗浄槽内部には被洗浄物を保持するホルダが設けられるが、紫外線照射量の均一化等を目的として、ホルダに揺動機構・回転機構等が付加される場合もある。光洗浄法には酸素供給が必要であるため、酸素を含有するガスを洗浄槽に供給する、ガス導入系が設けられる。ガス導入系から酸素を含有するガスを導入して紫外線を照射すると、洗浄槽内でオゾン・活性酸素が発生し、洗浄槽に収められた被洗浄物表面に付着した有機物が分解・除去される。
【0005】
近年、半導体製造用縮小投影露光装置(ステッパ)の高解像化の要求が高まっており、解像度向上のために露光光源波長の短波長化が進んでいる。特に最近では水銀ランプよりも短波長の光を発生でき、かつ高出力が得られるエキシマレーザを光源としたステッパの実用化が始まっている。ArFレーザ(波長193nm)、F2レーザ(波長157nm)などの短波長領域では、レンズやミラーなど光学部品表面に付着した有機物が光を吸収してしまうため、これらの光学部品を洗浄して表面から有機物を除去する必要がある。光洗浄法は、有機溶剤等を用いる従来の湿式洗浄法に比べて表面の残留有機物量を著しく低減することが可能であるため、特に有機物による吸収が問題となる紫外光用光学部品の洗浄に適用されている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−169806号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
光洗浄法は光学部品の洗浄に適した方法であるため、従来からレンズ等の洗浄に広く用いられているが、波長200nm以下の光を光源とするステッパ用の光学部品に用いると当該光源波長における光透過率が向上せず、場合によっては却って低下してしまうという問題があった。この透過率低下量ははステッパ以外の一般的な光学部品に関しては無視できる程度の小さなものであるが、極めて高い透過率を要求される上記ステッパ用光学部品の場合は無視し得ないレベルであった。さらに光洗浄装置の個体差や洗浄ロットによって洗浄能力が変動し、ステッパ用光学部品を安定して生産できないという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者はこれらの問題を生じる原因について研究を続けた結果、被洗浄物を収めた空間に接する部材が発する有機物が同空間内を拡散して被洗浄物表面に付着し、特に波長200nm以下の光に対する透過率を低下させていたことを見出した。さらに同空間を占めるガスに含まれる総有機物量と被洗浄物の汚染状況とを比較検討した結果、前記ガスに含まれる総有機物量が20μg/m3以下であれば被洗浄物の汚染を防げることを見出した。そこで本発明は、
「洗浄槽に被洗浄物を収める工程と、前記洗浄槽に酸素を含有するガスを導入する工程と、紫外光源から前記被洗浄物に紫外線を照射する工程とを有し、前記洗浄槽の被洗浄物を収めた空間を占めるガスに含まれる総有機物量がヘキサデカン換算で20μg/m3以下である光洗浄方法(請求項1)」
を提供する。
【0009】
実際の光洗浄工程においては、オゾン源として、酸素を含有するガスを外部から導入しなければならない。当該ガスは洗浄剤として機能するものであるから、必ず被洗浄物と同一の空間に導入される。したがって当該ガスに当初から含まれる総有機物量も20μg/m3以下である必要がある。そこで本発明は、
「前記酸素を含有するガスに含まれる総有機物量が、ヘキサデカン換算で20μg/m3以下であることを特徴とする請求項1記載の光洗浄方法(請求項2)」
を提供する。
【0010】
さらに本発明は、上記発明を具体的に達成可能な手段として、
「被洗浄物を収める洗浄槽と、該洗浄槽内に収められた前記被洗浄物に紫外線を照射する紫外光源と、前記洗浄槽に酸素を含有するガスを導入するガス導入系とを備える光洗浄装置において、
前記被洗浄物を収めた空間に接する部材は、ステンレス鋼、金メッキされたステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、アルマイト加工されたアルミニウムまたはアルミニウム合金、セラミックス、ガラス、フッ素樹脂、フッ素エラストマーのうちから選ばれた1以上の材質のみからなることを特徴とする光洗浄装置(請求項3)」を提供する。
また、部材が上記の材質のみから構成される場合であっても、部材の表面が有機物で汚染されている場合には同様の問題を生じる。そこで本発明は、
「前記被洗浄物を収めた空間に接する部材が、中性洗剤および水、中性洗剤および有機溶剤、中性洗剤および水および有機溶剤のいずれかにより洗浄されたものであることを特徴とする請求項3記載の光洗浄装置(請求項4)」を提供する。さらに前記フッ素エラストマーからなる部材は、表面だけでなく内部にも揮発性有機物を含有する場合があり、これを解決するため本発明は、
「前記フッ素エラストマーからなる部材が、200℃以上300℃以下の温度で加熱脱ガス処理されたものであることを特徴とする、請求項3または請求項4記載の光洗浄装置(請求項5)」を提供する。
【0011】
上記の手段により光洗浄装置に起因する有機物を除去することが可能になるが、光洗浄装置にはオゾン源となる酸素を含むガスを外部から導入する必要があり、該ガスに有機物が含有されている場合は新たな汚染源となる。そこで本発明は「前記ガス導入系に有機物を吸着するフィルタを備えることを特徴とする、請求項3ないし請求項5記載の光洗浄装置(請求項6)」
を提供する。
【0012】
さらに本発明は上記の光洗浄装置を用いる光洗浄方法として、
「請求項3ないし請求項6の何れか一項に記載した光洗浄装置を用いる、請求項1または請求項2記載の光洗浄方法(請求項7)」
を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る光洗浄方法の特徴は、洗浄槽内の、被洗浄物を収めた空間を占めるガスの総有機物量を、ヘキサデカン換算で20μg/m3以下にする点にある。ガスに含まれる総有機物量を測定するにはGC−MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)を用いるのが一般的である。以下、GC−MSによる分析手順を示す。
【0014】
まず前記空間の適当な位置に吸入口を設置して、捕集管を通して一定量のガスを吸引し、ガス中の有機物を捕集管に吸着・捕集する。通常は洗浄槽内の被洗浄物近辺から試料を採取すればよく、洗浄槽が大型の場合には必要に応じて数ヶ所で試料を採取することが好ましい。本発明の要旨は、洗浄槽内で被洗浄物が有機物により汚染されることを防止する点にある。したがって光洗浄全工程のうち、被洗浄物が洗浄槽内に収められた後、洗浄が終了して取り出されるまでの工程において、前記空間の総有機物量を測定しなければならない。
捕集管に採取した有機物をGC−MSにより分析するにはパージアンドトラップ装置を使用する。前記捕集管をパージアンドトラップ装置に取り付け、所定温度で加熱すると、吸着されていた有機物が脱離・放出される。放出された有機物は液体窒素等で冷却されているトラップ部に導かれて再び凝縮し、保持される。捕集管に採取した有機物を全てトラップ部に移した後、トラップ部の温度を急激に上昇させ、トラップされていた有機物を一時に気化し、分析試料としてGC−MS装置のカラムに導入する。
【0015】
GC−MS装置では試料のクロマトグラムと各分離成分についての質量スペクトルが得られるが、総有機物量を定量する場合にはTIC(Total Ion Chromatogram)スペクトルを基にするのが一般的である。TICスペクトルは一定質量数範囲のイオン総量の時間スペクトルである。得られたTICスペクトルを時間軸で積分し総面積を求めれば、試料全体から生じた前記質量数範囲のフラグメントの総量を得ることができる。このようにして求めた試料のTICスペクトル面積と、標準試料のスペクトル面積との比から総有機物量を算出する。標準試料としてはヘキサデカンを用いることが多く、既知量のヘキサデカンに対するTICスペクトル面積を基準として、同一条件で測定した試料のTICスペクトル面積からヘキサデカン換算の総有機物量が求められる。
【0016】
次に本発明が提供する光洗浄装置の実施の形態を説明する。本発明に係る光洗浄装置は、その被洗浄物を収めた空間に接する部材がステンレス鋼、金メッキされたステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、アルマイト加工されたアルミニウムまたはアルミニウム合金、セラミックス、ガラス、フッ素樹脂、フッ素エラストマーのうちから選ばれた1以上の材質のみからなることを特徴とする。これらの材質は適切な洗浄または加熱脱ガス処理を施すことで、有機物放出量を極めて小さくすることができる。
【0017】
図1は光洗浄装置の一例を示す概略図である。被洗浄物を収める洗浄槽1は、本体1aおよび開閉可能な蓋1bからなる。蓋はガスケット5により本体と密着し、密閉空間を形成する。本体1aおよび蓋1bの内部にはそれぞれ紫外光源2が配置される。紫外光源2はリード線6により外部の電源装置に接続されている。また洗浄槽内部には被洗浄物を保持するホルダ4が設けられる。被洗浄物への紫外線照射量を均一化するため、ホルダ4は適当な揺動機構等を備えるものであっても良い。紫外光源2の周囲には、紫外光を効率よく照射するための反射板3が配置される。これらの部材は組み立て用ネジ類7によって組み立てられる。
【0018】
洗浄槽1、反射板3およびホルダ4を金属で構成する場合は、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、アルマイト加工されたアルミニウムまたはアルミニウム合金のいずれかを用いることができる。ステンレス鋼は強度が高く耐腐食性を有するため、洗浄槽を構成する材質として最も優れている。オーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系のいずれのステンレス鋼も使用可能である。アルミニウムは軽量で加工が容易という利点を有するが、紫外線照射時に発生するオゾンで酸化されアルミナ粉末を生じることがあるため、合金を用いるか、表面をアルマイト加工したものがより好ましい。アルミニウム合金としてはMg系、Mg−Si系などいずれの組成のものであっても特に制限なく使用することができる。洗浄槽全体が上記材質で構成されている必要は無く、被洗浄物を収める空間に接している部位のみが上記材質で構成されていれば足りることは言うまでもない。
【0019】
紫外光源2は一般に水銀放電ランプが用いられるが、ランプ本体は紫外線を透過させるため石英ガラスまたは透光性セラミックスで製作されおり、また口金部についても絶縁性を保つためセラミック材料で構成されることが多く、通常は市販のランプをそのまま用いることができる。ランプの一部が本発明に係る材質以外の材質で構成される場合にあっては、ランプの当該部分を被洗浄物を収めた空間から隔離し、紫外光のみを導入する構造とすればよい。水銀放電ランプではなくエキシマランプを使用する場合も同様である。
洗浄槽には被洗浄物を出し入れするため、あるいは各種配線等を通すための開口部が存在する。紫外線照射中に発生するオゾンの漏出を防止するため、開口部はガスケット5により密閉される。ガスケットの材質としては、ガス吸着量が少なくオゾンに接触しても安定で、新たな有機物汚染を生じる恐れがないフッ素エラストマーを用いる。従来から多く用いられている発泡シリコン樹脂等は、気孔率が高く有機物を大量に放出するため被洗浄物を汚染し、ガスケットに使用することは不適当である。フッ素エラストマーにはバイトン(登録商標)等各種の製品が存在するが、本発明においては特に制限なく市販の製品を用いることができる。
【0020】
フッ素エラストマーはガス吸着量が少ないとはいえ、エラストマーである以上、残留モノマーや少量のガス吸着を完全に防ぐことはできず、製品ロットや保管状況によっては有機物放出量が無視し得ない場合がある。このような場合には当該部材を加熱脱ガス処理することによって、放出有機物量を低減させることが可能である。具体的には当該部材を200℃以上300℃以下の温度に一定時間保持し、吸着している有機物を脱離させればよい。200℃以下では十分な脱ガス効果が得られず、また300℃以上に加熱すると劣化が始まり、弾性が失われたりクラックが発生したりすることによりガスケットとしての機能が低下する。加熱は大気中で行っても良いが、真空排気しながら加熱すれば更に良好な脱ガス効果が得られる。
【0021】
リード線6には絶縁体の被覆が施される。該被覆が被洗浄物を収めた空間に接する場合には、該被覆は本発明に係る材質で構成されなければならない。リード線6の被覆材質としてはフッ素樹脂が好適である。フッ素樹脂は十分な絶縁耐圧を有し、またガス吸着量が少なく、オゾンに接触しても安定で新たな有機物汚染を生じる恐れがない。さらに一定程度の可撓性を有するため可動部においても用いることができる。フッ素樹脂にはPTFE、PFA、ETFE、PFEP、PVDF、等各種の樹脂が存在するが、使用部位に求められる耐電圧や可撓性に応じて適宜選択すればよい。
組み立て用ネジ類7の材質としては、金メッキしたステンレス鋼が最も適当である。前述のとおりステンレス鋼は高い強度および耐食性を有するが、ステンレス鋼製部材を同じくステンレス鋼製のネジ類により結合した場合、いわゆる「かじり」を起こしやすく、組み立て・保守に支障をきたすという弱点がある。この傾向は表面を清浄に洗浄した場合に極めて顕著である。通常「かじり」を防ぐ目的で二硫化モリブデン等を主成分とする潤滑剤を用いるが、潤滑剤は有機物放出源となるため、本発明に係る光洗浄装置では用いることができない。そこで本発明においては組み立て用ネジ類として金メッキしたステンレス鋼を用いる。金メッキによりステンレス鋼同士が接触することを避け、「かじり」を防止することができる。金メッキは紫外線照射およびオゾン暴露に対して安定であり、有機物放出源となることもない。金メッキはネジ類以外にも前記揺動機構の摺動部など、ステンレス鋼同士が接触する部分に使用することができる。
【0022】
上に示した光洗浄装置の構成要素と部材の材質との関係はあくまで例示であって、たとえば洗浄槽がガラスで構成されていても良く、またホルダがフッ素樹脂で構成されていても構わない。さらに金属部材表面をガラスやフッ素樹脂で被覆したもの等の複合素材であっても、被洗浄物を収めた空間に接する部位が本発明に係る材質で構成されている限りにおいて使用可能である。
【0023】
本発明に係る材質のみを使用した場合であっても、なお被洗浄物が汚染されることがある。これは光洗浄装置が実際に洗浄工程で使用される時点において、被洗浄物を収める空間に接する部材の表面に、汚染源となる有機物が付着していることが原因である。かかる事態を防止するためには当該部材をあらかじめ洗浄し、部材表面から汚染源となる有機物を除去しておく必要がある。
【0024】
当該部材の洗浄には、中性洗剤および水、中性洗剤および有機溶剤、中性洗剤および水および有機溶剤のいずれかを用いる。通常機械部品の洗浄に用いられる有機溶剤による脱脂のみでは洗浄能力が不足する。また酸性またはアルカリ性の洗浄液を使用した場合には、部材表面を侵食することがあり、反応生成物としての金属塩類が粉末となって飛散するなどの不具合を生じるため、中性の洗剤を使用する必要がある。中性洗剤としては香料等の余分な添加物が含まれないものが望ましく、具体的にはヤシノミ洗剤(登録商標)などが好適である。中性洗剤により洗浄した後は、水もしくは有機溶剤またはこれらの両方を用いて表面に残存する可溶性の汚染物を除去する。有機溶剤としては各種アルコール類、ケトン類、トルエン・ヘキサン等の炭化水素類など一般的な溶剤を用いることができるが、溶剤自体の部材表面への残留量を少なく抑えるためには、低分子量で蒸気圧の高い物質を使うことが好ましい。具体的にはメタノール、エタノール、アセトン等が好適である。
【0025】
具体的な洗浄方法は一般的な機械部品の洗浄工程に準ずる。一例を挙げれば、中性洗剤に浸漬→超音波照射→水洗→加熱乾燥、あるいは中性洗剤に浸漬→加温→水洗→有機溶剤浸漬→蒸気洗浄→乾燥、等の工程である。各工程条件や順序は洗浄すべき部材の材質や形状によって適宜変更することが可能である。洗浄終了後の部材は再び有機物で汚染されることのないよう、清浄な場所に保管することが好ましい。
【0026】
本発明の効果を得るためには、オゾン源として光洗浄装置に導入される酸素含有ガスについても総有機物量を20μg/m3に抑える必要がある。通常は酸素含有ガスとして光洗浄装置が設置されている場所の外気をそのまま導入することが行われる。空気には21%の酸素が含まれるため、オゾン源として簡便に用いることができるからである。ある程度設置環境に依存するものの、通常の外気には大量の有機物が含まれており、そのまま洗浄槽に導入されれば被洗浄物を強度に汚染する。このような場合に有機物総量を20μg/m3以下にするためには、ガス導入系に有機物除去フィルタ8を挿入することが必要となる。有機物除去フィルタには活性炭を主成分とするものや活性アルミナを用いるものなどがあるが、導入ガスの種類、流量、含有有機物量等により適宜選択すればよい。予め高度に精製して総有機物量を20μg/m3以下にしたガスを使用する場合には、有機物除去フィルタを挿入する必要はなく、直接洗浄槽に導入することができる。なお本発明においてガス導入系とは、ガスボンベや流量制御手段を備える高度なものに限られず、単に送風ファンで洗浄槽内に外気を引き込むだけの単純な構造のもの等も含まれる。
【0027】
図1には上下両面に紫外光源を備えた光洗浄装置の例を示したが、本発明に係る光洗浄装置は部材の材質および表面処理に主な特徴を有するものである。したがって光源の配置や被洗浄物を保持する方式や開閉部の構造、さらにガス導入口や排気口の位置など、光洗浄装置の機械的構造に関係なく適用することが可能である。紫外光源は片面にあっても良く、ガス導入口に適当な形状のノズルを付加したり、ガス流を均一化するための整流板を備えるものであっても良く、これらの機械的構造の異同は本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
本実施例にかかる光洗浄装置の概略構造は図1に示すものと同一である。各部材(組み立て用ネジ類を除く)の材質を表1に示す。全ての組み立て用ネジ類には金メッキしたステンレスを使用した。
【0029】
洗浄槽、被洗浄物を保持するホルダはSUS316L、反射板はアルマイト処理したアルミニウム合金A5052である。紫外光源は低圧水銀ランプで、被洗浄物を収める空間に接する部位は石英ガラスおよびセラミックスで構成されている。開口部のガスケットには250℃で脱ガス処理したバイトンを、前記空間内の配線にはPTFEで被覆されたリード線を使用した。以上の部材は全て組み立て前にヤシノミ洗剤で超音波洗浄し、更に超純水で洗浄した後加熱乾燥して用いた。オゾン源として高純度酸素を2%混合した高純度窒素ガスを外部から供給し、活性炭を主成分とする有機物吸着フィルタを通して前記洗浄槽に導入した。
【0030】
上記光洗浄装置を使用して、両面を光学研磨した合成石英ガラス板(板厚3mm)の光洗浄を行った。光洗浄後の前記合成石英ガラスの波長193nmにおける光透過率は90.80%であり、十分な洗浄効果が得られた。このとき、上記合成石英ガラス板を洗浄槽に収めた後、洗浄を終了して取り出すまでの間に前記空間から試料ガスを採取してGC−MSにより総有機物量を測定した。測定条件は表2のとおりである。測定の結果、ヘキサデカン換算の総有機物は19μg/m3であった。
(実施例2)
本実施例にかかる光洗浄装置の概略構造は実施例1と同一である。各部材(組み立て用ネジ類を除く)の材質を表1に示す。全ての組み立て用ネジ類には金メッキしたステンレスを使用した。
【0031】
洗浄槽はSUS304で構成される。被洗浄物を保持するホルダおよび反射板には、アルミニウム合金A5052の表面にアルマイト加工を施したものを使用した。開口部のガスケットには200℃で真空脱ガス処理したバイトンを、前記空間内の配線にはETFEで被覆されたリード線を用いた。以上の部材は全て組み立て前にヤシノミ洗剤で超音波洗浄し、更に超純水、イソプロパノールでリンスした後イソプロパノール蒸気により洗浄・乾燥した。紫外光源は実施例1と同一の低圧水銀ランプとし、実施例1と同一の工程により洗浄した。オゾン源として光洗浄装置設置場所の外気を使用し、送風ファンにより洗浄槽内に導入した。送風ファンと洗浄槽間の送風経路上には活性炭およびアルミナを主成分とする有機物除去フィルタと、パーティクル除去のためのHEPAフィルタを直列に挿入した。
【0032】
上記光洗浄装置を使用して、実施例1と同様に合成石英ガラス板(板厚3mm)の洗浄を行った。実施例1と同様に測定した洗浄工程中の前記空間のヘキサデカン換算の総有機物は20μg/m3であった。また光洗浄後の前記合成石英ガラスの波長193nmにおける光透過率は90.80%であり、十分な洗浄効果が得られた。
(比較例)
本比較例にかかる光洗浄装置の概略構造は実施例と同一である。各部材(組み立て用ネジ類を除く)の材質を表1に示す。全ての組み立て用ネジ類にはステンレスを使用した。洗浄槽にはSUS304を、反射板にはアルミニウム合金A5052を、被洗浄物を保持するホルダにはりん青銅C5191を使用した。紫外光源は実施例と同一の低圧水銀ランプである。開口部のガスケットにはシリコンゴムを用い、またリード線として塩化ビニル被覆電線を使用した。以上の部材のうち金属製部材についてはアセトンによる脱脂のみを行い、その他の部材は洗浄せずにそのまま用いた。
【0033】
オゾン源として光洗浄装置設置場所の外気を使用し、送風ファンにより洗浄槽内に導入した。送風ファンと洗浄槽間の送風経路上にはパーティクル除去のためのHEPAフィルタのみを挿入した。
【0034】
上記光洗浄装置を使用して合成石英ガラス板(板厚3mm)の洗浄を行った。実施例と同様に測定した前記空間のヘキサデカン換算の総有機物は、200μg/m3と極めて高いレベルであった。また洗浄後の前記合成石英ガラスの波長193nmにおける光透過率は90.70%と低く、特にステッパ用光学部品の洗浄には不適当であった。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】
本発明に係る光洗浄方法によれば、被洗浄物の表面を有機物で汚染することなく光洗浄を行うことができ、特に光学部品を洗浄する場合において波長200nm以下の光に対する透過率を向上させる効果がある。また本発明に係る光洗浄装置を用いれば、装置自身または外部から導入するガスに由来する有機物を減少させることができ、本発明に係る光洗浄方法を実現することが可能になる。さらに有機物量の変動に伴う洗浄能力のばらつきを防止する効果があり、ステッパ用光学部品の安定生産を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光洗浄装置の構造例を示す概略図である。
【符号の説明】
1:洗浄槽、2:紫外光源、3:反射板、4:ホルダ、5:ガスケット、6:リード線、7:ネジ類、8:有機物除去フィルタ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a light cleaning device, and more particularly to a light cleaning device and a light cleaning method used for cleaning ultraviolet optical components.
[0002]
[Prior art]
In recent years, dry cleaning methods that do not use liquid cleaning agents, such as a method that utilizes the light energy of ultraviolet light and a method that combines ultraviolet light with the oxidizing power of active oxygen such as ozone and excited oxygen atoms, have been put to practical use. I have. The principle of such a cleaning method using ultraviolet light (hereinafter referred to as a light cleaning method) is generally considered as follows.
[0003]
When a low-pressure mercury lamp is used as an ultraviolet light source, the low-pressure mercury lamp emits ultraviolet light having two wavelengths of 185 nm and 254 nm. When the 185 nm ultraviolet light is absorbed by oxygen, ozone is generated, and the ozone absorbs the 254 nm ultraviolet light to generate active oxygen. On the other hand, the ultraviolet light that has not been absorbed by these gases reaches the surface of the object to be cleaned, and breaks the bonds of organic molecules, which are contaminants, attached to the surface. The resulting fragments of the organic molecules are further oxidized, decomposed and vaporized by reacting with the active oxygen and removed from the surface.
[0004]
Excimer lamps are also known as ultraviolet light sources used in the optical cleaning method, in addition to low-pressure mercury lamps. Excimer lamp light having a wavelength of 172 nm using xenon gas is directly absorbed by oxygen to generate active oxygen, and also generates active oxygen via ozone similarly to light at 185 nm. The subsequent cleaning mechanism is the same as when a low-pressure mercury lamp is used.
The main components of the optical cleaning device are a cleaning tank for storing the object to be cleaned and an ultraviolet light source for irradiating the object to be cleaned in the cleaning tank with ultraviolet rays. Although a holder for holding the object to be cleaned is provided inside the cleaning tank, a swinging mechanism, a rotating mechanism, and the like may be added to the holder for the purpose of equalizing the irradiation amount of ultraviolet rays. Since the optical cleaning method requires oxygen supply, a gas introduction system for supplying a gas containing oxygen to the cleaning tank is provided. When a gas containing oxygen is introduced from the gas introduction system and irradiated with ultraviolet rays, ozone and active oxygen are generated in the cleaning tank, and organic substances attached to the surface of the object to be cleaned stored in the cleaning tank are decomposed and removed. .
[0005]
In recent years, there has been an increasing demand for higher resolution of a reduction projection exposure apparatus (stepper) for semiconductor manufacturing, and the wavelength of an exposure light source has been shortened in order to improve resolution. Particularly, recently, a stepper using an excimer laser as a light source capable of generating light of a shorter wavelength than a mercury lamp and obtaining a high output has been put into practical use. ArF laser (wavelength 193 nm), in the short wavelength region such as F 2 laser (wavelength 157 nm), since the organic substances adhering to the optical parts surface such as a lens or mirror it absorbs light, and clean these optical parts surface Need to remove organic matter from The light cleaning method can significantly reduce the amount of residual organic substances on the surface as compared with the conventional wet cleaning method using an organic solvent or the like, and is particularly suitable for cleaning optical components for ultraviolet light, which is a problem of absorption by organic substances. It has been applied (see Patent Document 1).
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-11-169806
[Problems to be solved by the invention]
Since the light cleaning method is a method suitable for cleaning optical components, it is conventionally widely used for cleaning lenses and the like. However, when used for an optical component for a stepper that uses light having a wavelength of 200 nm or less as a light source, the light source wavelength is reduced. However, there is a problem that the light transmittance does not improve in some cases, and in some cases, it decreases. This transmittance decrease amount is negligibly small for general optical components other than the stepper, but is not negligible for the above-mentioned stepper optical component requiring an extremely high transmittance. Was. Further, there is a problem that the cleaning ability fluctuates due to individual differences of the optical cleaning apparatus and the cleaning lot, and thus it is not possible to stably produce optical components for a stepper.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As a result of continuing research on the cause of these problems, the inventor found that organic substances emitted from members in contact with the space containing the object to be cleaned diffused in the space and adhered to the surface of the object to be cleaned. It was found that the transmittance for light was reduced. Furthermore, as a result of comparing and examining the total amount of organic substances contained in the gas occupying the same space and the state of contamination of the object to be cleaned, if the total amount of organic substances contained in the gas is 20 μg / m 3 or less, contamination of the object to be cleaned can be prevented. I found that. Therefore, the present invention
A step of placing an object to be cleaned in a cleaning tank, a step of introducing a gas containing oxygen into the cleaning tank, and a step of irradiating the object to be cleaned with ultraviolet light from an ultraviolet light source. A light cleaning method in which the total amount of organic substances contained in the gas occupying the space containing the cleaning object is 20 μg / m 3 or less in terms of hexadecane (claim 1).
I will provide a.
[0009]
In an actual light cleaning process, an oxygen-containing gas must be externally introduced as an ozone source. Since the gas functions as a cleaning agent, it is always introduced into the same space as the object to be cleaned. Therefore, the total amount of organic substances contained in the gas from the beginning must also be 20 μg / m 3 or less. Therefore, the present invention
"The optical cleaning method according to claim 1, wherein the total amount of organic substances contained in the oxygen-containing gas is 20 μg / m 3 or less in terms of hexadecane” (claim 2).
I will provide a.
[0010]
Further, the present invention, as means capable of specifically achieving the above invention,
"A light having a cleaning tank for storing an object to be cleaned, an ultraviolet light source for irradiating the object to be cleaned contained in the cleaning tank with ultraviolet light, and a gas introduction system for introducing a gas containing oxygen into the cleaning tank. In the cleaning device,
The member in contact with the space containing the object to be cleaned is selected from stainless steel, gold-plated stainless steel, aluminum, aluminum alloy, anodized aluminum or aluminum alloy, ceramics, glass, fluororesin, and fluoroelastomer. A light cleaning device (claim 3), which is made of only one or more materials.
Further, even when the member is made of only the above-described materials, the same problem occurs when the surface of the member is contaminated with an organic substance. Therefore, the present invention
"The member in contact with the space containing the object to be cleaned is characterized by being washed with a neutral detergent and water, a neutral detergent and an organic solvent, a neutral detergent and water and an organic solvent. An optical cleaning device according to claim 3 (claim 4) "is provided. Further, the member made of the fluoroelastomer may contain a volatile organic material not only on the surface but also inside, and in order to solve this, the present invention
The light cleaning apparatus according to claim 3 or claim 4, wherein the member made of the fluoroelastomer has been degassed by heating at a temperature of 200 ° C or more and 300 ° C or less. "I will provide a.
[0011]
The above means makes it possible to remove organic substances caused by the light cleaning device. However, it is necessary to introduce a gas containing oxygen serving as an ozone source from the outside into the light cleaning device, and the gas contains an organic substance. A new source of pollution. Therefore, the present invention provides "a light cleaning apparatus according to any one of claims 3 to 5, characterized in that the gas introduction system includes a filter for adsorbing organic substances."
I will provide a.
[0012]
Further, the present invention provides a light cleaning method using the above light cleaning device,
"The light cleaning method according to claim 1 or claim 2 using the light cleaning device according to any one of claims 3 to 6 (claim 7)"
I will provide a.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
A feature of the optical cleaning method according to the present invention is that the total amount of organic substances of the gas occupying the space containing the object to be cleaned in the cleaning tank is set to 20 μg / m 3 or less in terms of hexadecane. It is general to use a GC-MS (gas chromatograph mass spectrometer) to measure the total amount of organic substances contained in the gas. Hereinafter, an analysis procedure by GC-MS will be described.
[0014]
First, a suction port is installed at an appropriate position in the space, a certain amount of gas is sucked through the collection tube, and organic substances in the gas are adsorbed and collected by the collection tube. Usually, it is sufficient to collect a sample from the vicinity of the object to be cleaned in the cleaning tank. When the cleaning tank is large, it is preferable to collect the sample at several places as needed. The gist of the present invention is to prevent an object to be cleaned from being contaminated by an organic substance in a cleaning tank. Therefore, in the entire process of optical cleaning, the total amount of organic substances in the space must be measured in the process from the time when the object to be cleaned is placed in the cleaning tank to the time when the cleaning is completed and the product is taken out.
To analyze the organic matter collected in the collection tube by GC-MS, a purge and trap device is used. When the collection tube is attached to a purge and trap device and heated at a predetermined temperature, the adsorbed organic substances are desorbed and released. The released organic matter is guided to a trap section cooled by liquid nitrogen or the like, and is again condensed and held. After all the organic matter collected in the collection tube is transferred to the trap section, the temperature of the trap section is rapidly increased, and the trapped organic substance is vaporized at one time and introduced into a column of a GC-MS apparatus as an analysis sample.
[0015]
A GC-MS apparatus can obtain a chromatogram of a sample and a mass spectrum of each separated component. However, when quantifying the total amount of organic substances, a TIC (Total Ion Chromatogram) spectrum is generally used. The TIC spectrum is a time spectrum of the total amount of ions in a certain mass number range. If the obtained TIC spectrum is integrated along the time axis to obtain the total area, the total amount of fragments in the above-mentioned mass number range generated from the entire sample can be obtained. The total amount of organic matter is calculated from the ratio of the TIC spectrum area of the sample thus obtained to the spectrum area of the standard sample. Hexadecane is often used as a standard sample. Based on the TIC spectrum area of a known amount of hexadecane as a reference, the total organic matter amount in terms of hexadecane is determined from the TIC spectrum area of a sample measured under the same conditions.
[0016]
Next, an embodiment of the optical cleaning device provided by the present invention will be described. In the optical cleaning device according to the present invention, the member in contact with the space containing the object to be cleaned is stainless steel, gold-plated stainless steel, aluminum, an aluminum alloy, anodized aluminum or an aluminum alloy, ceramics, glass, and fluororesin. , Characterized by being made of only one or more materials selected from fluoroelastomers. By applying appropriate cleaning or heat degassing treatment to these materials, the amount of organic substances released can be extremely reduced.
[0017]
FIG. 1 is a schematic view showing an example of the optical cleaning device. A cleaning tank 1 for storing an object to be cleaned includes a main body 1a and an openable / closable lid 1b. The lid is in close contact with the main body by the gasket 5 to form a closed space. Ultraviolet light sources 2 are arranged inside the main body 1a and the lid 1b, respectively. The ultraviolet light source 2 is connected to an external power supply by a lead wire 6. A holder 4 for holding an object to be cleaned is provided inside the cleaning tank. The holder 4 may be provided with an appropriate swing mechanism or the like in order to equalize the amount of ultraviolet irradiation to the object to be cleaned. A reflector 3 for efficiently irradiating ultraviolet light is disposed around the ultraviolet light source 2. These members are assembled by the screws 7 for assembly.
[0018]
When the cleaning tank 1, the reflection plate 3, and the holder 4 are made of metal, any of stainless steel, aluminum, aluminum alloy, anodized aluminum or aluminum alloy can be used. Since stainless steel has high strength and corrosion resistance, it is the best material for forming a cleaning tank. Any of austenitic, ferritic and martensitic stainless steels can be used. Aluminum has the advantage of being lightweight and easy to process, but is sometimes oxidized by ozone generated upon irradiation with ultraviolet rays to produce alumina powder. Therefore, it is more preferable to use an alloy or alumite-processed surfaces. As the aluminum alloy, any composition such as Mg-based or Mg-Si-based can be used without any particular limitation. It is needless to say that the entire cleaning tank does not need to be made of the above-mentioned material, and that only the portion in contact with the space for storing the object to be washed is made of the above-mentioned material.
[0019]
In general, a mercury discharge lamp is used for the ultraviolet light source 2, but the lamp body is made of quartz glass or translucent ceramics for transmitting ultraviolet rays, and the base is also made of a ceramic material for keeping insulation. Usually, a commercially available lamp can be used as it is. When a part of the lamp is made of a material other than the material according to the present invention, the structure may be such that the part of the lamp is isolated from the space containing the object to be cleaned and only ultraviolet light is introduced. . The same applies when an excimer lamp is used instead of a mercury discharge lamp.
The cleaning tank has an opening through which an object to be cleaned is put in and out, and through which various wirings are passed. The opening is sealed by a gasket 5 to prevent leakage of ozone generated during ultraviolet irradiation. As a material of the gasket, a fluoroelastomer which has a small gas adsorption amount and is stable even when it comes into contact with ozone and which does not have a possibility of generating new organic contamination is used. Conventionally, foamed silicone resin and the like, which have been widely used, have a high porosity and release a large amount of organic substances, contaminate an object to be cleaned, and are unsuitable for use as a gasket. Various products such as Viton (registered trademark) exist as the fluoroelastomer, and in the present invention, a commercially available product can be used without any particular limitation.
[0020]
Although fluoroelastomer has a small amount of gas adsorption, since it is an elastomer, it cannot completely prevent residual monomers and small amounts of gas adsorption, and depending on the product lot and storage conditions, the amount of organic substances released may not be negligible. is there. In such a case, the amount of released organic substances can be reduced by subjecting the member to heat degassing. Specifically, the member may be held at a temperature of 200 ° C. or more and 300 ° C. or less for a certain period of time to remove adsorbed organic matter. If the temperature is lower than 200 ° C., a sufficient degassing effect cannot be obtained, and if the temperature is higher than 300 ° C., deterioration starts, and the function as a gasket decreases due to loss of elasticity or cracking. The heating may be carried out in the atmosphere, but a better degassing effect can be obtained by heating while evacuating.
[0021]
The lead wire 6 is coated with an insulator. If the coating contacts the space containing the article to be cleaned, the coating must be made of the material according to the invention. As a coating material of the lead wire 6, a fluororesin is preferable. Fluororesin has a sufficient withstand voltage, a small amount of adsorbed gas, and is stable even when it comes in contact with ozone, and there is no danger of generating new organic contamination. Furthermore, since it has a certain degree of flexibility, it can be used in a movable part. Various resins such as PTFE, PFA, ETFE, PFEP, and PVDF are present in the fluororesin, and may be appropriately selected according to the withstand voltage and flexibility required for the use site.
The most suitable material for the assembling screws 7 is gold-plated stainless steel. As mentioned above, stainless steel has high strength and corrosion resistance, but when stainless steel members are joined with screws made of stainless steel, so-called "galling" is liable to occur, which hinders assembly and maintenance. . This tendency is extremely remarkable when the surface is cleaned cleanly. Usually, a lubricant containing molybdenum disulfide or the like as a main component is used for the purpose of preventing "galling". However, since the lubricant is a source of organic substances, it cannot be used in the optical cleaning device according to the present invention. Therefore, in the present invention, gold-plated stainless steel is used as screws for assembly. Gold plating prevents the stainless steels from contacting each other, thereby preventing "galling". Gold plating is stable against ultraviolet irradiation and exposure to ozone, and does not become a source of organic substances. Gold plating can be used for parts where the stainless steels are in contact with each other, such as the sliding part of the swing mechanism, in addition to the screws.
[0022]
The relationship between the components of the optical cleaning device and the materials of the members described above is merely an example, and for example, the cleaning tank may be made of glass, and the holder may be made of fluororesin. . Further, even a composite material such as a metal member whose surface is coated with glass or fluororesin can be used as long as the portion in contact with the space containing the object to be cleaned is made of the material according to the present invention.
[0023]
Even when only the material according to the present invention is used, the object to be cleaned may still be contaminated. This is because when the optical cleaning apparatus is actually used in the cleaning process, organic substances serving as a contamination source are attached to the surface of the member that is in contact with the space for storing the object to be cleaned. In order to prevent such a situation, it is necessary to wash the member in advance and to remove organic substances that become a contamination source from the surface of the member.
[0024]
For cleaning the member, any of a neutral detergent and water, a neutral detergent and an organic solvent, a neutral detergent and water and an organic solvent is used. Cleaning performance is insufficient only by degreasing with an organic solvent that is usually used for cleaning machine parts. If an acidic or alkaline cleaning liquid is used, the surface of the member may be eroded, and metal salts as a reaction product may be scattered as powder, causing a problem such as scattering. Therefore, use a neutral detergent. There is a need. It is desirable that the neutral detergent does not contain extra additives such as fragrances, and specifically, coconut flea detergent (registered trademark) is suitable. After washing with a neutral detergent, soluble contaminants remaining on the surface are removed using water or an organic solvent or both. As the organic solvent, various solvents such as alcohols, ketones, and hydrocarbons such as toluene and hexane can be used.However, in order to suppress the residual amount of the solvent itself on the member surface, a low molecular weight It is preferable to use a substance having a high vapor pressure. Specifically, methanol, ethanol, acetone and the like are preferable.
[0025]
A specific cleaning method conforms to a general mechanical component cleaning process. One example is a process of immersion in a neutral detergent → ultrasonic irradiation → water washing → heat drying, or immersing in a neutral detergent → heating → water washing → organic solvent immersion → steam cleaning → drying. The conditions and order of each process can be appropriately changed depending on the material and shape of the member to be cleaned. It is preferable that the member after the cleaning is stored in a clean place so as not to be again contaminated with organic substances.
[0026]
In order to obtain the effects of the present invention, it is necessary to suppress the total organic matter content of the oxygen-containing gas introduced into the optical cleaning device as an ozone source to 20 μg / m 3 . Usually, the outside air of the place where the optical cleaning device is installed is directly introduced as the oxygen-containing gas. This is because air contains 21% oxygen and can be easily used as an ozone source. Although it depends to some extent on the installation environment, ordinary outside air contains a large amount of organic substances, and if introduced directly into the cleaning tank, will strongly contaminate the object to be cleaned. In such a case, in order to reduce the total amount of organic substances to 20 μg / m 3 or less, it is necessary to insert the organic substance removing filter 8 into the gas introduction system. The organic substance removing filter includes a filter mainly composed of activated carbon and a filter using activated alumina. The filter may be appropriately selected depending on the type of introduced gas, the flow rate, the amount of organic substance contained, and the like. When using a gas that has been highly purified in advance to reduce the total amount of organic substances to 20 μg / m 3 or less, it is not necessary to insert an organic substance removing filter, and the gas can be directly introduced into the washing tank. In the present invention, the gas introduction system is not limited to an advanced system provided with a gas cylinder and a flow rate control means, but also includes a gas introduction system having a simple structure in which outside air is simply drawn into the cleaning tank by a blower fan.
[0027]
FIG. 1 shows an example of a light cleaning device provided with ultraviolet light sources on both upper and lower surfaces, but the light cleaning device according to the present invention is characterized mainly by the material and surface treatment of members. Therefore, the present invention can be applied irrespective of the mechanical structure of the optical cleaning device, such as the arrangement of the light source, the method for holding the object to be cleaned, the structure of the opening / closing section, and the positions of the gas introduction port and exhaust port. The ultraviolet light source may be provided on one side, may be provided with a nozzle having an appropriate shape at the gas inlet, or may be provided with a rectifying plate for uniformizing the gas flow. Does not limit the scope of the invention in any way.
[0028]
【Example】
(Example 1)
The schematic structure of the optical cleaning device according to this embodiment is the same as that shown in FIG. Table 1 shows the material of each member (excluding screws for assembly). Gold-plated stainless steel was used for all the screws for assembly.
[0029]
The holder for holding the cleaning tank and the object to be cleaned is SUS316L, and the reflector is an aluminum alloy A5052 that has been anodized. The ultraviolet light source is a low-pressure mercury lamp, and a portion in contact with a space for accommodating an object to be cleaned is made of quartz glass and ceramics. Viton degassed at 250 ° C. was used for the gasket at the opening, and lead wires covered with PTFE were used for the wiring in the space. All of the above members were subjected to ultrasonic cleaning with a palm flea detergent before assembly, further cleaned with ultrapure water, and then dried by heating. A high-purity nitrogen gas containing 2% of high-purity oxygen as an ozone source was supplied from the outside, and introduced into the washing tank through an organic substance adsorption filter containing activated carbon as a main component.
[0030]
Using the above-described optical cleaning apparatus, optical cleaning was performed on a synthetic quartz glass plate (thickness: 3 mm) whose both surfaces were optically polished. The light transmittance at a wavelength of 193 nm of the synthetic quartz glass after light cleaning was 90.80%, and a sufficient cleaning effect was obtained. At this time, after the synthetic quartz glass plate was placed in the washing tank, a sample gas was collected from the space before the washing was completed and taken out, and the total amount of organic substances was measured by GC-MS. The measurement conditions are as shown in Table 2. As a result of the measurement, the total organic matter in terms of hexadecane was 19 μg / m 3 .
(Example 2)
The schematic structure of the optical cleaning device according to the present embodiment is the same as that of the first embodiment. Table 1 shows the material of each member (excluding screws for assembly). Gold-plated stainless steel was used for all the screws for assembly.
[0031]
The cleaning tank is made of SUS304. As the holder and the reflection plate for holding the object to be cleaned, those obtained by subjecting the surface of aluminum alloy A5052 to alumite processing were used. Viton that had been subjected to vacuum degassing at 200 ° C. was used for the gasket at the opening, and a lead wire covered with ETFE was used for the wiring in the space. All of the above members were ultrasonically cleaned with a palm flea detergent before assembly, rinsed with ultrapure water and isopropanol, and then cleaned and dried with isopropanol vapor. The ultraviolet light source was the same low-pressure mercury lamp as in Example 1, and was cleaned by the same steps as in Example 1. The outside air of the light cleaning device installation place was used as an ozone source, and the air was introduced into the cleaning tank by a blowing fan. An organic substance removing filter mainly composed of activated carbon and alumina and a HEPA filter for removing particles were inserted in series on a blowing path between the blowing fan and the cleaning tank.
[0032]
The synthetic quartz glass plate (thickness: 3 mm) was cleaned in the same manner as in Example 1 using the above-described light cleaning device. The total organic matter in terms of hexadecane of the space in the washing step measured in the same manner as in Example 1 was 20 μg / m 3 . The light transmittance of the synthetic quartz glass after light washing at a wavelength of 193 nm was 90.80%, and a sufficient washing effect was obtained.
(Comparative example)
The schematic structure of the optical cleaning device according to this comparative example is the same as that of the example. Table 1 shows the material of each member (excluding screws for assembly). Stainless steel was used for all the screws for assembly. SUS304 was used for the cleaning tank, aluminum alloy A5052 was used for the reflection plate, and phosphor bronze C5191 was used for the holder for holding the object to be cleaned. The ultraviolet light source is the same low-pressure mercury lamp as in the embodiment. Silicone rubber was used for the gasket of the opening, and a vinyl chloride-coated electric wire was used as the lead wire. Of the above members, only metal members were degreased with acetone, and the other members were used without cleaning.
[0033]
The outside air of the light cleaning device installation place was used as an ozone source, and the air was introduced into the cleaning tank by a blowing fan. Only a HEPA filter for removing particles was inserted on a blowing path between the blowing fan and the cleaning tank.
[0034]
The synthetic quartz glass plate (thickness: 3 mm) was washed using the above optical washing device. The total organic matter in terms of hexadecane of the space measured in the same manner as in the example was 200 μg / m 3 , an extremely high level. Further, the light transmittance at a wavelength of 193 nm of the synthetic quartz glass after washing was as low as 90.70%, which was not suitable particularly for washing an optical component for a stepper.
[0035]
[Table 1]
[0036]
[Table 2]
[0037]
【The invention's effect】
According to the optical cleaning method of the present invention, optical cleaning can be performed without contaminating the surface of an object to be cleaned with an organic substance. In particular, in the case of cleaning an optical component, the transmittance for light having a wavelength of 200 nm or less is improved. effective. Further, by using the optical cleaning device according to the present invention, it is possible to reduce the amount of organic substances derived from the gas introduced from the device itself or from the outside, and it is possible to realize the optical cleaning method according to the present invention. Further, there is an effect of preventing a variation in cleaning ability due to a variation in the amount of organic substances, and stable production of an optical component for a stepper can be realized.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing a structural example of a light cleaning device.
[Explanation of symbols]
1: washing tank, 2: ultraviolet light source, 3: reflective plate, 4: holder, 5: gasket, 6: lead wire, 7: screws, 8: organic matter removal filter