JP2004284898A - Calcium phosphate porous body and method of manufacturing the same - Google Patents

Calcium phosphate porous body and method of manufacturing the same Download PDF

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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a versatile use porous body having high mechanical strength, excellent user-friendliness, secondary workability and large effective surface area. <P>SOLUTION: The calcium phosphate porous body has uniform three dimensional continuous through holes in which the ratio of the volume of fine pores having 10-100 μm fine pore diameter in the fine pore diameter distribution to the whole fine pore volume is ≥80% and the size of the skeleton forming the fine pores is 1-10 μm. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なリン酸カルシウム多孔体とその製法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、細孔径分布における細孔直径が10〜100μmの範囲にある細孔の体積(V)の全細孔体積(Va)中に占める割合[(V/Va)×100]が80vol%以上である均一な三次元連続貫通孔を有すると共に、該細孔を形成する骨格の大きさが1〜10μmの範囲にあることを特徴とするリン酸カルシウム多孔体およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リン酸カルシウムは脊椎動物の骨や歯を構成する生体硬組織の主要成分である。その為、生体親和性に優れた材料として注目されており、人工骨、人工歯、人工歯根および骨充填材等の生体補填材料としての使用が進められている。とりわけ、リン酸カルシウム多孔体は、生体内組織とリン酸カルシウム材料との接触面積が大きいため、生体内で骨組織と絡み合い構造を構築でき、しかも手術室等での加工も可能なことから、人工骨等に適しているとされてきた。
【0003】
この種の多孔体および該多孔体の調製法に関連する先行技術を以下に例示する:
(1)炭酸カルシウムの水性懸濁液に、錯体形成能を有する第3物質を共存下でリン酸を滴下して得られる開口部を有する板状構造型リン酸カルシウム系化合物(特許文献1参照)、
(2)リン酸カルシウム系セラミックスの粉体を5〜50MPaの加圧下で圧縮し、該圧粉体をパルス状電圧の印加により650℃〜900℃に加熱することよって、相対密度35〜80%のリン酸カルシウム系セラミックス多孔体を製造する方法(特許文献2参照)、
(3)線材メッシュやビーズ結合体等の生体用非吸収性材料から成る三次元多孔体の空隙内に、CMキチンとリン酸カルシウムの顆粒との混合材を充填して成る表面修飾骨補填部材およびその製法(特許文献3参照)、
(4)気孔が一定の方向性を有し、かつその方向に沿って連通してなるリン酸カルシウム化合物から成る多孔体骨補填材(特許文献4参照)、
【0004】
(5)気孔径が10〜100μmで開気孔率が40〜80%の球状連通気孔を有するリン酸カルシウム系セラミックス多孔体、並びに球状気孔形成材20〜60重量%およびリン酸カルシウム系セラミックス80〜40重量%から成るグリーン体を圧縮成型し、これを800〜1400℃で焼成することを特徴とするリン酸カルシウム系セラミックス多孔体の製法(特許文献5参照)、
(6)セラミックス材料のグリーンシートに100〜1000μmの孔を形成し、該孔が連通するように該グリーンシートを積層させた後、該積層体を焼成して得られる生体補填部材(特許文献6参照)、
(7)カルシウムイオンとリン酸イオンとを水性媒体(pH:8以上)中で反応させて得られるゼラチン状リン酸カルシウム沈殿物(カルシウムとリンのモル比:1.45〜1.75)を三次元網状構造を有する有機多孔体の中に入れ、該ゼラチン状リン酸カルシウム沈殿物を乾燥させることによって該多孔体の孔の中に顆粒状リン酸カルシウム成形体を形成させ、次いで、該有機多孔体を除去することを含む顆粒状リン酸カルシウム成形体の製法(特許文献7参照)、
【0005】
(8)厚み方向に1〜3層の熱分解性物質を3次元的に連結した多孔体に対してセラミック基材を接触または近接状態で配置させ、両者間および該多孔体の空隙部を、該セラミック基材と同質のセラミック粉末の泥しょうで満たした後、これらの複合体を加熱焼成することを含むセラミックインプラント材の製法(特許文献8参照)、
(9)化学反応により気体を発生させるカルシウム化合物およびリン酸化合物を含む出発物質を反応させて得られる生成物を水熱ホットプレス法により加圧成形し、該成形体を焼成して得られるリン酸カルシウム質セラミックス多孔体(特許文献9参照)、および
(10)結晶質のリン酸カルシウム微粉末に解膠剤水溶液を添加して混合する工程、該混合溶液に起泡剤を添加することによって連続微細空孔を有する多孔性流動体を調製する工程、該多孔性流動体を乾燥処理に付すことによってリン酸カルシウム骨格を有する多孔体を作製する工程、および該多孔体を加熱することによって該解膠剤と起泡剤を分解消失させるとともに該リン酸カルシウム多孔体を焼結する工程を含むリン酸カルシウム多孔体の製法(特許文献10参照)。
【0006】
従来のリン酸カルシウム多孔体材料は、主に、起泡剤を用いて泡を含むリン酸カルシウム材料のスラリーを硬化させるか、または該スラリーを焼成して製造される。例えば、特許文献9には、化学反応により気体を発生させる方法を用いる多孔体の製法が開示されているが、該製法の場合には、均一に気体を発生させること(即ち、気孔径を均一にすること)が困難であるために、0.01〜500μmの不均一な孔を有する多孔体しか得られないという問題がある。
また、特許文献10には、起泡剤により発泡させて多孔体を製造する方法が開示されているが、該製法の場合には、得られる多孔体の孔径が0.05〜1.3mmであり、微細孔を有する多孔体を製造することはできないという問題がある。
【0007】
このように、発泡剤を用いる多孔体の製法の場合には、気孔形成の調整が困難であるために、形成される気孔構造が不定型になるだけでなく、得られる多孔体の強度が低くなるという問題がある。さらに、このような多孔体の気孔径が均一でないために、該多孔体を生体補填材料として使用した場合、骨組織との絡み合い構造構築において高い効果が得られないという問題がある。
【0008】
これら問題点に鑑み、気孔構造の均一化を図るために、リン酸カルシウム、水溶性有機化合物および水から成るスラリーをポリウレタンなどの水不溶性三次元網目構造を有する有機体に含浸させて成形する方法が提案されている(特許文献11参照)。しかしながら、この方法によれば、水溶性有機化合物の分解によって形成される均一な連続気孔のほかに、水不溶性三次元網目構造を有する有機体の分解によって形成される100μm以上の気孔を多く有する多孔体が得られ、該多孔体には、圧縮強度が低く、取り扱いの簡便性が劣るという問題がある。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−128513号公報
【特許文献2】
特開平11−035379号公報
【特許文献3】
特開平11−276510号公報
【特許文献4】
特開平7−123994号公報
【特許文献5】
特開平5−208877号公報
【特許文献6】
特開平8−173463号公報
【特許文献7】
特公平8−29992号公報
【特許文献8】
特許第2759147号明細書
【特許文献9】
特公平7−10749号公報
【特許文献10】
特許第2597355号明細書
【特許文献11】
特開2002−274968号明細書
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、当該分野の上記の問題点を解決し、高い機械的強度、優れた取扱いの簡便性と二次加工性および非常に大きな有効表面積を有する多孔体であって、骨形成材料等の生体補填材料、空気浄化フィルターや廃水処理などの環境浄化材料および断熱材などの建築材料等としても有用な多孔体を提供するためになされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、細孔径分布における細孔直径が10〜100μmの範囲にある細孔の体積(V)の全細孔体積(Va)中に占める割合[(V/Va)×100]が80vol%以上である均一な3次元連続貫通孔を有すると共に、該細孔を形成する骨格の大きさが1〜10μmの範囲にあることを特徴とするリン酸カルシウム多孔体および該リン酸カルシウム多孔体の製法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体の細孔は三次元連続貫通孔であるため、気体や液体と連続的に接触させることが可能となる。本発明によるリン酸カルシウム多孔体においては、細孔径分布における直径が10〜100μm、好ましくは、20〜80μmの範囲にある細孔の体積(V)の全細孔体積(Va)中に占める割合[(V/Va)×100]は、80vol%以上、好ましくは、90vol%以上である。該割合が80vol%より小さくなると(例えば、細孔径分布における直径が100μm以上の細孔の体積が増加すると)、機械的物性が低下し、取扱いの簡便性に欠けるようになり、また、該直径が10μmよりも小さな細孔が増加すると、該多孔体が骨や細胞の侵入に対して有効に作用しなくなるという問題が生じる。
【0013】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体における細孔径は、例えば、走査型電子顕微鏡や光学式実体顕微鏡等を用いて測定でき、また、細孔径分布は、例えば、水銀圧入法等によって定量化できる。なお、本発明によるリン酸カルシウム多孔体の連続細孔の存在量については、例えば、通気率等の測定から評価できる。
【0014】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体の細孔を形成する骨格の大きさは、多孔体の強度の維持と有効表面積の確保のために、1〜10μm、好ましくは、3〜8μmの範囲にある。該骨格の大きさが1μmよりも小さくなると、強度が低下するため、欠損部への挿入時の操作が困難となる。また、該骨格の大きさが10μmよりも大きくなると、相対的に気孔率が低下するため、骨組織再生の足場として充分な機能をはたせない。
なお、本発明によるリン酸カルシウム多孔体の骨格の大きさ(厚さ)は、例えば、走査型電子顕微鏡や光学式実体顕微鏡等を用いて測定できる。
【0015】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体は、該多孔体の強度の維持と有効表面積の確保の観点からは、40〜90%、好ましくは、50〜80%の範囲の気孔率を有するのが好ましい。該気孔率が90%よりも高くなると、該多孔体の機械的物性が低下し、また、該気孔率が40%よりも低くなると、十分な有効表面積を確保することが困難となるために、例えば、該多孔体を医用材料や環境浄化用材料等として用いた場合に有効に作用する表面積が不十分となる。
【0016】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体の気孔率の測定法としては、該多孔体の体積と重さおよびリン酸カルシウムの真比重から計算する方法および該多孔体の細孔中に比重が既知の液体を充填し、その前後の多孔体の重さから計算する方法等が例示されるが、後者の原理を利用する水銀圧入法を用いて該多孔体の気孔率を求めることもできる。
なお、該多孔体の有効表面積の指標となる比表面積を求める方法としては、既知の占有面積を有する分子やイオンの該多孔体表面上への吸着量から求める吸着法、該多孔体に対する流体の透過性から求める透過法および該多孔体を液体中へ浸漬するときの発熱量から求める浸漬熱法等が例示される。
【0017】
本発明による上記のリン酸カルシウム多孔体の好適な製法は、リン酸カルシウム、水溶性有機化合物および水を含有する水性スラリーを耐熱容器内に注型し、該水性スラリーを焼成処理に付す工程を含む方法である。
【0018】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体の製法に使用するリン酸カルシウムとしては、α型リン酸三カルシウム、β型リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸八カルシウム、オルトリン酸カルシウム、非晶質リン酸カルシウムおよびリン酸カルシウム系ガラス等が例示されるが、特に、生体吸収性に優れるため、β型リン酸三カルシウムおよびα型リン酸三カルシウムが好ましい。
なお、これらのリン酸カルシウム成分は、所望により、複合物、特に2種以上の混合物として使用してもよい。
上記のリン酸カルシウム成分としては、天然に産生するものを用いることができるが、湿式法によりリン酸含有水溶液とカルシウム含有水溶液から合成される生成物、乾式法によりリン酸カルシウムの製造原料を高温での加熱処理に付すことによって合成される生成物、またはリン酸カルシウムの製造原料を気相法で反応させて合成される生成物を使用してもよい。
【0019】
また、本発明によるリン酸カルシウム多孔体の上記製法に使用する水溶性有機化合物としては、水溶性糖類(例えば、グルコースやマルトース、ショ糖、トレハロース、澱粉、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチル澱粉、アルギン酸、ヒアルロン酸、デキストランおよびキトサン等)、水溶性蛋白質(例えば、アルブミンやコラーゲン、カゼイン、リゾチームおよびグロブリン等)、および水溶性高分子化合物(例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン等)等が例示されるが、特に、澱粉、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチル澱粉およびアルギン酸等の水溶性多糖類が好ましい。
【0020】
上記の水性スラリーを調製する場合のリン酸カルシウムと水溶性有機化合物との使用割合は、通常は、リン酸カルシウムと水溶性有機化合物との混合物中の後者の重量百分率が10〜70wt%の範囲になるように調整するのが好ましい。水溶性有機化合物の使用量が70wt%よりも高くなると、得られるリン酸カルシウム多孔体の気孔率が高くなりすぎて機械的物性が低下し、また、該使用量が10wt%よりも低くなると、気孔率が低すぎるために、骨組織再生の足場として充分機能しないので好ましくない。
【0021】
上記の水性スラリー調製に際しては、リン酸カルシウムは粉末状態で使用するのが望ましく、好ましくは粒度が0.01〜10μm、特に0.1〜5μmの粉末を使用する。なお、水溶性有機化合物の粒径は特に限定されないが、例えば、澱粉を用いる場合には、得られるリン酸カルシウム多孔体の細孔直径にほぼ等しい10〜100μmの粒径の粉体、即ち、馬鈴薯澱粉を用いるのが好ましい。
【0022】
なお、水性スラリー調製時の水/粉体(リン酸カルシウムと水溶性有機化合物との混合物)の重量比は0.5〜1.5に調整するのが一般的である。該重量比が0.5よりも小さくなると、水性スラリーの流動性が低くなり、注型時の作業性が悪化し、また、該重量比が1.5よりも大きくなると、成形から焼成に至る工程中で粉体の沈降が生じ、表面の気孔率が高い不均一な多孔体が得られるので好ましくない。
【0023】
上記のようにして調製される水性スラリーの焼成温度は、スラリー中のリン酸カルシウムが焼結するとともに、水溶性有機化合物が消失し、かつ目的とするリン酸カルシウム多孔体の結晶構造や非晶質構造が安定化する温度であればよく、特に限定的ではないが、好ましくは500〜1700℃の範囲である。このような焼成処理の特に好ましい態様においては、該焼成処理を2段階、即ち、水性スラリーを500〜1,000℃の範囲で焼成することによって水溶性有機化合物を消失させ(脱脂)、次いで、得られる焼成物を500〜1700℃の範囲で焼成することによってリン酸カルシウムの結晶構造を安定化させる2段階でおこなう。
【0024】
上記の焼成工程における昇温速度は、使用するリン酸カルシウムと水溶性有機化合物の種類および焼成温度等によって左右され、特に限定的ではないが、通常は1〜10℃/min、好ましくは2〜6℃/minである。昇温速度が過度に速すぎると、水溶性有機化合物の分解が一度に生じるため、不均一な気孔径分布となり、逆に、昇温速度が過度に遅すぎると、製造に時間を要するために、製造の簡便性の面で問題がある。
【0025】
また、上記の焼成工程における焼成時間も、使用するリン酸カルシウムと水溶性有機化合物の種類および焼成温度等によって左右され、特に限定的ではないが、通常は5〜50時間、好ましくは10〜36時間である。焼成時間が過度に長くなると、熱分解や粒子成長が生じ、多孔体の強度が低下する。逆に、焼成時間が短すぎると、緻密化が不充分のため、やはり強度が低下する。
【0026】
なお、上記の焼成工程は、通常は空気中でおこなうが、その他の雰囲気、例えば、Ar、NおよびO等の雰囲気中でおこなってもよい。
【0027】
本発明による上記の製法によれば、細孔径分布における細孔直径が10〜100μmの範囲にあり、大きさが均一の三次元連続貫通孔を有するリン酸カルシウム多孔体を得ることができる。より少量のリン酸カルシウムを使用して、高いタンパク質吸着特性やイオン交換特性、細胞親和性や刺激性を効率よく達成するには、周囲の気体や液体に接する面積を単位体積あたりで大きくするほうが有利である。さらに、リン酸カルシウム多孔体が、気体や液体の流動も可能にする連続細孔を有すると共に、細孔径が10〜100μmの範囲内にあるので、細孔内への、例えば、増殖細胞や汚染ガス等の進入も可能であるので、本発明による多孔体は人工骨用材料や環境浄化用材料等としての非常に有用である。
【0028】
先に述べたように、多孔体の機能性は周囲の気体や液体と接する面積が大きいほど、反応できる部位が多くなり、例えば、生体適合性や環境浄化において高い効率が達成可能となる。多孔体の細孔容積を70 vol%とした場合、平均細孔径が10μmであって、該細孔のすべてが連続していると仮定すると、1.0cm×1.0cm×1.0cmの立方体中の多孔体の表面積は、最低でも約0.28mとなる。また、平均細孔径が100μmであって、該細孔のすべてが連続していると仮定すると、該立方体中の多孔体の表面積は約0.028mとなる。即ち、細孔径が小さくなるにつれて、多孔体の単位体積あたりの表面積が大きくなるので、この程度の違いであっても、リン酸カルシウム表面へのタンパク質の吸着量やイオン交換量に10倍以上の差が生じる。これは連続細孔が1つで繋がっていると仮定した場合であり、三次元での連続細孔(すなわち、連続貫通孔)が形成されている場合においては、その差はより大きくなる。
【0029】
さらに、細孔が全て連続していれば、多孔体内部において処理される気体や液体の自由な流動が可能となり、接触面積が大きくなるだけでなく、該気体や液体の供給が続く限り細孔表面における反応等が持続するという効果が得られる。一方、細孔が連続していない密閉気孔の場合には、気体や液体との表面反応は起こらない(ここで密閉気孔とは外界との接触のない骨格内部の気孔(細孔)を意味する)。また片側だけ開口したボトル型の細孔の場合には、周囲の液体や気体が連続的に供給され難いので、連続的な表面反応は望めない。従って、細孔が連続している点は、例えば、タンパク質や有機分子、無機分子の吸着を伴う医用材料や環境浄化用材料等において、極めて重要な要素であり、連続細孔を構築する技術の有用性は極めて高い。
【0030】
焼結による多孔体の合成においては、グリーン体作製時の粉末として、粒径が1〜10μmの粉末を用いると、粒子間に存在する細孔が焼結試料中に残存する可能性が高くなる。この場合、焼結後の骨格の大きさが100μm以上になると、骨格構造内部に10μm以下の密閉細孔が残存するようになる。密閉細孔はタンパク質の吸着や環境浄化に必要な気体や液体との接触による反応等に寄与しない。従って、上記の用途に適した高機能多孔体を調製するためには、骨格内部への細孔の残留を避けなくてはならない。骨格の径を非常に小さくすることは、単位体積あたりの細孔の数を大きくすると同時に、密閉細孔の残留を避ける上で極めて有効な技術である。さらに、同じ気孔率で機械的物性を向上させるためには、気孔径分布を出来る限り均一にすることが重要であり、特に100μm以上の粗大気孔の存在量を減少させることが有効である。
【0031】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体は、そのまま骨形成材料等の生体補填材料として用いることができるが、アルギン酸やキトサン、セルロースなどの多糖類、コラーゲン、アルブミンなどの蛋白質で細孔内壁を被覆して用いてもよく、あるいはこれらの多糖類や蛋白質で細孔内を充填して用いることもできる。また、薬剤、増殖因子などをそのまま添加して、あるいは被覆して用いてもよく、多孔体に充填する多糖類や蛋白質に添加して、または包含させて、あるいは結合させて用いることもできる。
【0032】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体と併用する薬剤としては、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、レチノイン酸、アスコルビン酸、ビタミンDおよびビスフォスフォネート等の骨吸収抑制作用または骨形成促進作用を有する薬剤、抗生物質および消毒剤などの抗菌剤が例示される。
【0033】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体と併用する増殖因子としては、骨形成タンパク質(Bone morphogenetic protein)、腫瘍成長因子−β、オステオポンチン、塩基性線維芽細胞成長因子およびインスリン様成長因子等の骨形成促進作用を有する増殖因子等が例示される。
【0034】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体は、予め滅菌処理に付した後、使用に供してもよい。滅菌方法としては、日本薬局方に記載されている方法、即ち、180℃で2時間の乾熱滅菌法、121℃で20分間の湿熱蒸気滅菌法、エチレンオキサイドガス滅菌法およびガンマ線滅菌法等が例示される。
【0035】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体は、連通細孔および非常に大きな表面積を有するので、空気中の細菌、ウイルス、花粉、塵埃、CO、NO、SOおよびオゾン等の除去用の空気浄化フィルター、水中の重金属や軽金属イオン、有機物および細菌等の除去に用いる廃水処理などの環境浄化材料としての使用において極めて有用である。本発明によるリン酸カルシウム多孔体は、そのまま環境浄化材料として用いることができるが、細孔の内壁を多糖類(例えば、アルギン酸、キトサンおよびセルロース等)または高分子化合物(例えば、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンおよびポリエステル等)等を用いて予め被覆した後、環境浄化材料としての使用に供してもよい。
【0036】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体は、気孔率が大きく、毒性が低く、不燃性である等の特性を有するので、断熱材などの建築材料としても有用である。この場合も、本発明によるリン酸カルシウム多孔体は、そのまま建築材料として用いることができるが、細孔の内壁を多糖類(例えば、アルギン酸、キトサンおよびセルロース等)または高分子化合物(例えば、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンおよびポリエステル等)等を用いて予め被覆した後、建築材料としての使用に供してもよい。
【0037】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を例示的に説明するためのものであり、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0038】
実施例1〜3
β− リン酸三カルシウム[ナカライ・テスク(Nacalai tesqu)社の製品;コード 069−30]と馬鈴薯澱粉[ナカライ・テスク社の製品;コード 321−28(粒径:約50μm)]を表1に示す澱粉含有率[=馬鈴薯澱粉重量/(リン酸三カルシウム重量+馬鈴薯澱粉重量)×100(%)]となるようにボールミル内へ入れ、媒体を使用せずこれらの成分を1時間混合した。得られた混合粉末40gに純水35gを加えて十分に撹拌することによって水性スラリーを調製した。澱粉含有率が50重量%、25重量%および10重量%の水性スラリーの25℃における粘度は、それぞれ700mPa・s、1200mPa・sおよび1300mPa・sであった。各々の水性スラリーをアルミナ製坩堝内へ流し込み、60℃で約12時間乾燥させた後、該坩堝をマッフル炉内へ移し、昇温速度5℃/minで該炉を1000℃まで加熱し、焼成処理をこの温度で3時間おこなった。次いで、該坩堝を室温まで冷却させた後、高温電気炉内へ移し、昇温速度5℃/minで該炉を1400℃まで加熱し、焼成処理をこの温度で12時間おこなった。
【0039】
澱粉含有率が50重量%の水性スラリーから調製されたリン酸カルシウム多孔体の破断面の走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。図1(b)は図1(a)の拡大写真である。図1から明らかのように、得られたリン酸カルシウム多孔体は、10〜100μmの範囲の均一な細孔および1〜10μmの範囲の均一な骨格を有する。
【0040】
また、得られたリン酸カルシウム多孔体の気孔率、平均細孔直径および細孔径分布を水銀圧入法によって測定し、結果を図2(細孔径分布)および表1(気孔率および平均細孔直径)に示す。
さらに、細孔径分布の均一性を示す指標として、次式を用いてVhを計算し、結果を表1に示す。
Vh(vol%)=[V(cc)/Va(cc)]×100
式中、Vは直径が10〜100μmの細孔の体積を示し、Vaは全細孔の体積を示す。Vhは88〜93vol%であり、このことは、得られた多孔体の細孔径分布が均一であることを示す。
さらにまた、得られたリン酸カルシウム多孔体の圧縮強度を常套法に従って測定し、結果を表1に示す。
【0041】
比較例1
β−リン酸3カルシウム(ナカライ・テスク社の製品;コード 069−30)20gと20gの馬鈴薯澱粉(ナカライ・テスク社の製品;コード 321−28)20gをボールミル内へ入れ、媒体を用いずにこれらの成分を1時間混合し、得られた混合物に純水35gを加えて十分に撹拌することによって水性スラリーを調製した。該水性スラリーの23℃における粘度は700mPa・sであった。
【0042】
該水性スラリーをポリウレタン製の「ボディスポンジ」(マーナ社の製品)に十分に含浸させた。均一にスラリーが含浸されたことを確認した後、該ボディスポンジを60℃で約12時間乾燥させた後、これをマッフル炉内へ移し、昇温速度5℃/minで該炉を1000℃まで加熱し、焼成処理をこの温度で3時間おこなった。次いで、該ボディスポンジを室温まで冷却させた後、高温電気炉内へ移し、昇温速度5℃/minで該炉を1400℃まで加熱し、焼成処理をこの温度で12時間おこなった。
【0043】
得られたリン酸カルシウム多孔体の破断面の走査型電子顕微鏡写真を図3に示す。図3(b)は図3(a)の拡大写真である。図3(a)から明らかなように、該多孔体には、10〜100μmの範囲の均一な細孔以外に200μmの粗大気孔が共存する。
また、該リン酸カルシウム多孔体の細孔径分布を図4に示す。図4においては、150μm近傍に別のピークが観察され、このことは、該多孔体の細孔径分布が不均一であることを示す。この原因は、スラリーを担持させるウレタンスポンジ骨格が消失して形成される孔に起因すると考えられる。
さらに、実施例1〜3の場合と同様にして、該リン酸カルシウム多孔体の気孔率、平均細孔直径、Vhおよび圧縮強度を測定し、結果を表1に示す。細孔径分布の均一性を示すVhは実施例の場合に比べて低く(71vol%)、また、圧縮強度も実施例の場合の1/5である。この原因は、粗大気孔の存在に起因すると考えられる。
【0044】
骨形成試験
実施例1および比較例1で得られたリン酸カルシウム多孔体を、直径が4mmで長さが10mmの試験片に二次加工し、これらの試験片を、ウサギの脛骨に開けた孔に埋植した。二次加工時の加工性に関しては、実施例1で得られた多孔体の場合は良好であったが、比較例1で得られた多孔体の場合は、所望サイズに切削する際にサンプルの一部が欠落するという問題があった。また、埋植時の取り扱い性に関しても、実施例1で得られた多孔体は比較例1で得られた多孔体に比べて圧縮強度が高いために、欠損部への挿入操作がより簡便であった。
【0045】
1ヶ月後に摘出した埋植部位のX線CT断層写真を図5に示す。図5(a)は実施例1で得られた多孔体を使用した場合のX線CT断層写真であり、図5(b)は、比較例1で得られた多孔体を使用した場合のX線CT断層写真である。図5から明らかなように、実施例1および比較例1で得られたリン酸カルシウム多孔体を使用したいずれの場合にも、多孔体の残存量はわずかであり、欠損部の大部分には骨組織が再生していたが、実施例1で得られた多孔体を使用した場合には、欠損部の骨密度がより高く、修復効果が高いことが判明した。
【0046】
【表1】

Figure 2004284898
【0047】
【発明の効果】
本発明によるリン酸カルシウム多孔体は、前述の特製に起因して、例えば、骨、細胞および血管等の侵入が可能な機能的な空間を有すると共に、均一な細孔構造を有するために、機械的特性に優れ、二次加工が簡便である。従って、本発明によるリン酸カルシウム多孔体は、例えば、骨形成材料等の生体補填材料として有用なだけでなく、空気浄化フィルターや廃水処理などの環境浄化材料および断熱材などの建築材料等としても有用である。
また、本発明によれば、上記の特性を有するリン酸カルシウム多孔体を注型によって製造することができるので、複雑な形状を有するリン酸カルシウム多孔体を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたリン酸カルシウム多孔体の破断面の走査型電子顕微鏡写真である。図1(b)は図1(a)の拡大写真である。
【図2】実施例1で得られたリン酸カルシウム多孔体の細孔径分布を示すグラフである。
【図3】比較例1で得られたリン酸カルシウム多孔体の破断面の走査型電子顕微鏡写真である。図3(b)は図3(a)の拡大写真である。
【図4】比較例1で得られたリン酸カルシウム多孔体の細孔径分布を示すグラフである。
【図5】骨形成試験における埋植部位のX線CT断層写真である。図5(a)は実施例1で得られた多孔体を使用した場合の写真であり、図5(b)は、比較例1で得られた多孔体を使用した場合の写真である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel porous calcium phosphate material and a method for producing the same.
More specifically, the present invention provides a ratio [(V / Va) × 100 of the volume (V) of pores having pore diameters in the range of 10 to 100 μm in the pore diameter distribution in the total pore volume (Va). ] Has a uniform continuous three-dimensional through-hole of 80 vol% or more, and the size of the skeleton forming the pore is in the range of 1 to 10 µm, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Calcium phosphate is a major component of living hard tissues that make up vertebrate bones and teeth. Therefore, it is attracting attention as a material having excellent biocompatibility, and its use as a bioreinforcing material such as an artificial bone, an artificial tooth, an artificial root, and a bone filler has been promoted. In particular, since the calcium phosphate porous body has a large contact area between the tissue in the living body and the calcium phosphate material, it can construct a structure entangled with the bone tissue in the living body and can be processed in an operating room or the like. It has been considered suitable.
[0003]
The prior art relating to this type of porous body and a method for preparing the porous body is exemplified below:
(1) A plate-like structure-type calcium phosphate compound having an opening obtained by dropping phosphoric acid in an aqueous suspension of calcium carbonate in the presence of a third substance capable of forming a complex (see Patent Document 1);
(2) Calcium phosphate having a relative density of 35 to 80% by compressing a powder of calcium phosphate ceramics under a pressure of 5 to 50 MPa and heating the compact to 650 to 900 ° C. by applying a pulse voltage. Method for producing a porous ceramic body (see Patent Document 2),
(3) A surface-modified bone replacement member formed by filling a mixture of CM chitin and calcium phosphate granules in the space of a three-dimensional porous body made of a non-absorbable material for a living body such as a wire mesh or a bead combination, and the like. Manufacturing method (see Patent Document 3),
(4) a porous bone filling material comprising a calcium phosphate compound in which pores have a certain direction and communicate along the direction (see Patent Document 4);
[0004]
(5) From a calcium phosphate ceramic porous body having spherical open pores having a pore diameter of 10 to 100 μm and an open porosity of 40 to 80%, and from 20 to 60% by weight of a spherical pore forming material and 80 to 40% by weight of a calcium phosphate ceramic. A green body formed by compression molding and firing the green body at 800 to 1400 ° C. (see Patent Document 5).
(6) A bioreinforcement member obtained by forming holes of 100 to 1000 μm in a green sheet of a ceramic material, stacking the green sheets so that the holes communicate with each other, and firing the stacked body (Patent Document 6) reference),
(7) Three-dimensional gelatinous calcium phosphate precipitate (molar ratio of calcium to phosphorus: 1.45 to 1.75) obtained by reacting calcium ions and phosphate ions in an aqueous medium (pH: 8 or more) Placing in a porous organic material having a network structure, drying the gelatinous calcium phosphate precipitate to form a granular calcium phosphate molded product in the pores of the porous material, and then removing the organic porous material A method for producing a granular calcium phosphate molded article containing (see Patent Document 7),
[0005]
(8) A ceramic substrate is placed in contact with or in proximity to a porous body in which one to three layers of a thermally decomposable substance are three-dimensionally connected in the thickness direction, and the gap between the two and the porous body is A method for producing a ceramic implant material, which comprises heating and firing these composites after filling with a slurry of ceramic powder of the same quality as the ceramic substrate (see Patent Document 8);
(9) A product obtained by reacting a starting material containing a calcium compound and a phosphoric acid compound that generates a gas by a chemical reaction is subjected to pressure molding by a hydrothermal hot press method, and calcium phosphate obtained by calcining the molded body is obtained. Porous ceramics (see Patent Document 9), and
(10) a step of adding an aqueous solution of deflocculant to crystalline calcium phosphate fine powder and mixing the mixture; a step of preparing a porous fluid having continuous fine pores by adding a foaming agent to the mixed solution; Subjecting the porous fluid to a drying treatment to produce a porous body having a calcium phosphate skeleton, and heating the porous body to decompose and eliminate the deflocculant and the foaming agent and fire the calcium phosphate porous body. A method for producing a porous calcium phosphate including a tying step (see Patent Document 10).
[0006]
The conventional calcium phosphate porous material is mainly produced by curing a slurry of a calcium phosphate material containing bubbles using a foaming agent, or by firing the slurry. For example, Patent Document 9 discloses a method for producing a porous body using a method of generating a gas by a chemical reaction. In the case of this method, gas is generated uniformly (that is, the pore diameter is made uniform). ), It is difficult to obtain only a porous body having nonuniform pores of 0.01 to 500 µm.
Patent Document 10 discloses a method of producing a porous body by foaming with a foaming agent. In the case of this production method, the obtained porous body has a pore size of 0.05 to 1.3 mm. There is a problem that a porous body having fine pores cannot be manufactured.
[0007]
As described above, in the case of a method for producing a porous body using a foaming agent, it is difficult to control the formation of pores, so that not only the formed pore structure becomes irregular, but also the strength of the obtained porous body is low. Problem. Furthermore, since the pore diameter of such a porous body is not uniform, there is a problem that when the porous body is used as a biomaterial, a high effect cannot be obtained in constructing an entangled structure with bone tissue.
[0008]
In view of these problems, there has been proposed a method of impregnating a slurry comprising calcium phosphate, a water-soluble organic compound and water with an organic material having a water-insoluble three-dimensional network structure, such as polyurethane, in order to achieve a uniform pore structure. (See Patent Document 11). However, according to this method, in addition to uniform continuous pores formed by the decomposition of the water-soluble organic compound, a porous material having a large number of pores of 100 μm or more formed by the decomposition of an organic substance having a water-insoluble three-dimensional network structure. The porous body has a problem that the compressive strength is low and the handling is inferior.
[0009]
[Patent Document 1]
JP-A-2000-128513
[Patent Document 2]
JP-A-11-035379
[Patent Document 3]
JP-A-11-276510
[Patent Document 4]
JP-A-7-123994
[Patent Document 5]
JP-A-5-208877
[Patent Document 6]
JP-A-8-173463
[Patent Document 7]
Japanese Patent Publication No. 8-29992
[Patent Document 8]
Japanese Patent No. 2759147
[Patent Document 9]
Japanese Patent Publication No. 7-10747
[Patent Document 10]
Patent No. 2597355
[Patent Document 11]
JP-A-2002-274968
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves the above-mentioned problems in the art, and is a porous body having high mechanical strength, excellent handling simplicity and secondary workability, and a very large effective surface area. The object of the present invention is to provide a porous material that is also useful as a biomaterial, an environmental purification material such as an air purification filter and wastewater treatment, and a building material such as a heat insulating material.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
That is, in the present invention, the ratio [(V / Va) × 100] of the volume (V) of the pores having pore diameters in the range of 10 to 100 μm in the total pore volume (Va) in the pore diameter distribution is determined. The present invention relates to a porous calcium phosphate having a uniform three-dimensional continuous through-hole of not less than 80 vol% and a size of a skeleton forming the pore is in a range of 1 to 10 μm, and a method for producing the porous calcium phosphate. .
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Since the pores of the calcium phosphate porous body according to the present invention are three-dimensional continuous through-holes, they can be continuously brought into contact with gas or liquid. In the porous calcium phosphate according to the present invention, the ratio of the volume (V) of the pores having a diameter in the pore diameter distribution of 10 to 100 μm, preferably 20 to 80 μm in the total pore volume (Va) [( V / Va) × 100] is at least 80 vol%, preferably at least 90 vol%. When the ratio is less than 80 vol% (for example, when the volume of pores having a diameter of 100 μm or more in the pore diameter distribution increases), mechanical properties decrease, and the handling becomes less convenient. When pores smaller than 10 .mu.m increase, there arises a problem that the porous body does not effectively act on invasion of bone or cells.
[0013]
The pore size of the porous calcium phosphate according to the present invention can be measured using, for example, a scanning electron microscope or an optical stereo microscope, and the pore size distribution can be quantified by, for example, a mercury intrusion method. The amount of continuous pores in the porous calcium phosphate according to the present invention can be evaluated, for example, by measuring the air permeability.
[0014]
The size of the skeleton forming the pores of the porous calcium phosphate according to the present invention is in the range of 1 to 10 μm, preferably 3 to 8 μm in order to maintain the strength of the porous body and secure an effective surface area. When the size of the skeleton is smaller than 1 μm, the strength is reduced, so that the operation at the time of insertion into the defective portion becomes difficult. On the other hand, if the size of the skeleton is larger than 10 μm, the porosity is relatively reduced, so that the skeleton cannot function sufficiently as a scaffold for bone tissue regeneration.
The size (thickness) of the skeleton of the porous calcium phosphate according to the present invention can be measured using, for example, a scanning electron microscope or an optical stereo microscope.
[0015]
The porous calcium phosphate according to the present invention preferably has a porosity in the range of 40 to 90%, preferably 50 to 80%, from the viewpoint of maintaining the strength of the porous body and securing the effective surface area. When the porosity is higher than 90%, the mechanical properties of the porous body are reduced, and when the porosity is lower than 40%, it becomes difficult to secure a sufficient effective surface area. For example, when the porous body is used as a medical material, a material for environmental purification, or the like, the effective surface area becomes insufficient.
[0016]
As a method for measuring the porosity of the porous calcium phosphate according to the present invention, a method of calculating from the volume and weight of the porous body and the true specific gravity of calcium phosphate and filling the liquid having a known specific gravity into the pores of the porous body, A method of calculating from the weight of the porous body before and after that is exemplified, but the porosity of the porous body can also be obtained by using a mercury intrusion method utilizing the latter principle.
The specific surface area as an index of the effective surface area of the porous body may be determined by an adsorption method based on the amount of molecules or ions having a known occupied area on the surface of the porous body. Examples of the method include a transmission method determined from permeability and an immersion heat method determined from a calorific value when the porous body is immersed in a liquid.
[0017]
A preferred method for producing the above-described porous calcium phosphate according to the present invention is a method comprising casting an aqueous slurry containing calcium phosphate, a water-soluble organic compound and water into a heat-resistant container, and subjecting the aqueous slurry to a baking treatment. .
[0018]
Examples of the calcium phosphate used in the method for producing the porous calcium phosphate according to the present invention include α-tricalcium phosphate, β-tricalcium phosphate, tetracalcium phosphate, hydroxyapatite, octacalcium phosphate, calcium orthophosphate, amorphous calcium phosphate and Calcium phosphate glass is exemplified, but β-tricalcium phosphate and α-tricalcium phosphate are particularly preferred because of their excellent bioabsorbability.
In addition, these calcium phosphate components may be used as a composite, particularly as a mixture of two or more, if desired.
As the above-mentioned calcium phosphate component, those produced naturally can be used, but a product synthesized from a phosphoric acid-containing aqueous solution and a calcium-containing aqueous solution by a wet method, and a heat treatment of a raw material for producing calcium phosphate by a dry method at a high temperature. Or a product synthesized by reacting a raw material for producing calcium phosphate by a gas phase method.
[0019]
Examples of the water-soluble organic compound used in the method for producing the porous calcium phosphate according to the present invention include water-soluble saccharides (for example, glucose, maltose, sucrose, trehalose, starch, carboxymethylcellulose, carboxymethyl starch, alginic acid, hyaluronic acid, Dextran and chitosan, etc.), water-soluble proteins (eg, albumin, collagen, casein, lysozyme, globulin, etc.), and water-soluble polymer compounds (eg, polyacrylic acid, polymethacrylic acid, polyacrylamide, polymethacrylamide, polyvinyl alcohol) And polyvinylpyrrolidone, etc.), and water-soluble polysaccharides such as starch, carboxymethyl cellulose, carboxymethyl starch, and alginic acid are particularly preferable.
[0020]
The proportion of calcium phosphate and water-soluble organic compound used in preparing the above aqueous slurry is usually such that the weight percentage of the latter in the mixture of calcium phosphate and water-soluble organic compound is in the range of 10 to 70 wt%. Adjustment is preferred. If the used amount of the water-soluble organic compound is higher than 70 wt%, the porosity of the obtained calcium phosphate becomes too high and the mechanical properties are lowered. If the used amount is lower than 10 wt%, the porosity becomes low. Is too low to function sufficiently as a scaffold for bone tissue regeneration, which is not preferable.
[0021]
In preparing the above-mentioned aqueous slurry, it is desirable to use calcium phosphate in a powder state, and preferably a powder having a particle size of 0.01 to 10 μm, particularly 0.1 to 5 μm. The particle size of the water-soluble organic compound is not particularly limited. For example, when starch is used, powder having a particle size of 10 to 100 μm substantially equal to the pore diameter of the obtained calcium phosphate porous material, that is, potato starch It is preferable to use
[0022]
The weight ratio of water / powder (a mixture of calcium phosphate and a water-soluble organic compound) during preparation of the aqueous slurry is generally adjusted to 0.5 to 1.5. When the weight ratio is less than 0.5, the fluidity of the aqueous slurry is low, and the workability at the time of casting is deteriorated. When the weight ratio is more than 1.5, the process from molding to firing is performed. It is not preferable because sedimentation of the powder occurs during the process and an uneven porous body having a high porosity on the surface is obtained.
[0023]
The firing temperature of the aqueous slurry prepared as described above is such that the calcium phosphate in the slurry sinters, the water-soluble organic compounds disappear, and the crystal structure and amorphous structure of the target calcium phosphate are stable. The temperature is not particularly limited, but is preferably in the range of 500 to 1700 ° C. In a particularly preferred embodiment of such a calcination treatment, the calcination treatment is performed in two stages, that is, the aqueous slurry is calcined in the range of 500 to 1,000 ° C. to eliminate the water-soluble organic compound (degreasing). The obtained fired product is fired in the range of 500 to 1700 ° C. to stabilize the crystal structure of calcium phosphate in two stages.
[0024]
The heating rate in the above-mentioned firing step depends on the kind of the calcium phosphate and the water-soluble organic compound to be used, the firing temperature and the like, and is not particularly limited, but is usually 1 to 10 ° C / min, preferably 2 to 6 ° C. / Min. If the heating rate is too fast, the decomposition of the water-soluble organic compound occurs at once, resulting in a non-uniform pore size distribution.On the contrary, if the heating rate is too slow, it takes time to manufacture. However, there is a problem in terms of simplicity of manufacture.
[0025]
Further, the calcination time in the above calcination step also depends on the type of the calcium phosphate and the water-soluble organic compound to be used, the calcination temperature and the like, and is not particularly limited, but is usually 5 to 50 hours, preferably 10 to 36 hours. is there. If the firing time is excessively long, thermal decomposition or particle growth occurs, and the strength of the porous body decreases. Conversely, if the calcination time is too short, the densification is insufficient, so that the strength also decreases.
[0026]
Note that the above-described firing step is usually performed in the air, but may be performed in another atmosphere, for example, Ar or N 2.2And O2Or the like.
[0027]
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to the said manufacturing method by this invention, the fine pore diameter in a fine pore diameter distribution is in the range of 10-100 micrometers, and the calcium phosphate porous body which has a uniform three-dimensional continuous through-hole can be obtained. In order to efficiently achieve high protein adsorption characteristics, ion exchange characteristics, cell affinity and irritation using a smaller amount of calcium phosphate, it is advantageous to increase the area in contact with the surrounding gas or liquid per unit volume. is there. Furthermore, since the calcium phosphate porous body has continuous pores that allow the flow of gas and liquid, and the pore diameter is in the range of 10 to 100 μm, the inside of the pores includes, for example, proliferating cells and contaminant gas. Therefore, the porous body according to the present invention is very useful as a material for artificial bone, a material for environmental purification, and the like.
[0028]
As described above, as for the functionality of the porous body, as the area in contact with the surrounding gas or liquid increases, the number of sites that can react increases, and for example, high efficiency in biocompatibility and environmental purification can be achieved. When the pore volume of the porous body is 70 vol%, assuming that the average pore diameter is 10 μm and all the pores are continuous, a cube of 1.0 cm × 1.0 cm × 1.0 cm is assumed. The surface area of the porous body is at least about 0.28m2Becomes Further, assuming that the average pore diameter is 100 μm and all the pores are continuous, the surface area of the porous body in the cube is about 0.028 m2Becomes That is, as the pore diameter becomes smaller, the surface area per unit volume of the porous body becomes larger, so even with such a difference, a difference of 10 times or more in the amount of adsorbed protein and the amount of ion exchange on the calcium phosphate surface is obtained. Occurs. This is the case where it is assumed that the continuous pores are connected by one, and when three-dimensional continuous pores (that is, continuous through holes) are formed, the difference becomes larger.
[0029]
Further, if all the pores are continuous, the gas or liquid to be treated can freely flow inside the porous body, and not only the contact area becomes large, but also as long as the supply of the gas or liquid continues. The effect that the reaction or the like on the surface is maintained can be obtained. On the other hand, in the case of closed pores in which pores are not continuous, a surface reaction with gas or liquid does not occur (here, closed pore means pores (pores) inside the skeleton without contact with the outside world. ). In the case of a bottle-shaped pore that is opened on one side only, it is difficult to continuously supply the surrounding liquid or gas, so that a continuous surface reaction cannot be expected. Therefore, the point that the pores are continuous is a very important element in, for example, a medical material or an environment purification material that involves the adsorption of proteins, organic molecules, and inorganic molecules. The utility is extremely high.
[0030]
In the synthesis of a porous body by sintering, when a powder having a particle size of 1 to 10 μm is used as a powder for producing a green body, there is a high possibility that pores existing between the particles will remain in the sintered sample. . In this case, when the size of the skeleton after sintering is 100 μm or more, closed pores of 10 μm or less remain inside the skeleton structure. The closed pores do not contribute to protein adsorption or reaction due to contact with gas or liquid necessary for environmental purification. Therefore, in order to prepare a high-performance porous body suitable for the above-mentioned applications, it is necessary to avoid pores remaining inside the skeleton. Making the skeleton diameter very small is a very effective technique for increasing the number of pores per unit volume and at the same time avoiding the residual closed pores. Furthermore, in order to improve the mechanical properties at the same porosity, it is important to make the pore size distribution as uniform as possible, and it is particularly effective to reduce the abundance of coarse pores of 100 μm or more.
[0031]
The porous calcium phosphate according to the present invention can be used as it is as a bioreplacement material such as an osteogenic material, but it is used by covering the inner wall of the pore with a protein such as alginic acid, chitosan, or cellulose, collagen, or albumin. Alternatively, these polysaccharides or proteins may be used by filling the pores. In addition, a drug, a growth factor, or the like may be used as it is, or may be used after being coated, or may be used by being added to, included in, or bound to a polysaccharide or protein to be filled in a porous body.
[0032]
Drugs used in combination with the calcium phosphate porous material according to the present invention include calcitonin, parathyroid hormone, retinoic acid, ascorbic acid, vitamin D and bisphosphonate, etc. Antibacterial agents such as disinfectants are exemplified.
[0033]
The growth factors used in combination with the calcium phosphate porous material according to the present invention include bone morphogenetic proteins (Bone morphogenetic protein), tumor growth factor-β, osteopontin, basic fibroblast growth factor and insulin-like growth factor, etc. Growth factors and the like.
[0034]
The porous calcium phosphate according to the present invention may be subjected to sterilization before use. Sterilization methods include methods described in the Japanese Pharmacopoeia, namely, dry heat sterilization at 180 ° C for 2 hours, wet heat steam sterilization at 121 ° C for 20 minutes, ethylene oxide gas sterilization, and gamma ray sterilization. Is exemplified.
[0035]
Since the porous calcium phosphate according to the present invention has communicating pores and a very large surface area, bacteria, viruses, pollen, dust, CO2, NOX, SOXIt is extremely useful in use as an air purification filter for removing ozone and the like, and as an environmental purification material such as wastewater treatment used for removing heavy metal and light metal ions, organic matter, bacteria and the like in water. The calcium phosphate porous material according to the present invention can be used as it is as an environment-purifying material. However, the inner wall of the pores can be polysaccharides (eg, alginic acid, chitosan, cellulose, etc.) or polymer compounds (eg, nylon, polyvinyl chloride, polyethylene). , Polypropylene, polyurethane, polyester, etc.) and then used as an environmental purification material.
[0036]
The porous calcium phosphate according to the present invention has characteristics such as high porosity, low toxicity, and nonflammability, and thus is useful as a building material such as a heat insulating material. In this case as well, the porous calcium phosphate according to the present invention can be used as it is as a building material, but the inner walls of the pores are formed of polysaccharides (eg, alginic acid, chitosan, cellulose, etc.) or high molecular compounds (eg, nylon, Vinyl, polyethylene, polypropylene, polyurethane, polyester, etc.), and then used as a building material.
[0037]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. However, these examples are for illustratively describing the present invention, and the present invention is not limited to these examples.
[0038]
Examples 1-3
Table 1 shows β-tricalcium phosphate [product of Nacalai Tesque; code 069-30] and potato starch [product of Nacalai Tesque; code 321-28 (particle size: about 50 μm)]. The starch content was placed in a ball mill so that the indicated starch content [= weight of potato starch / (weight of tricalcium phosphate + weight of potato starch) × 100 (%)], and these components were mixed for 1 hour without using a medium. An aqueous slurry was prepared by adding 35 g of pure water to 40 g of the obtained mixed powder and sufficiently stirring. The viscosities at 25 ° C. of the aqueous slurries having starch contents of 50% by weight, 25% by weight and 10% by weight were 700 mPa · s, 1200 mPa · s and 1300 mPa · s, respectively. Each aqueous slurry was poured into an alumina crucible and dried at 60 ° C. for about 12 hours. Then, the crucible was moved into a muffle furnace, and the furnace was heated to 1000 ° C. at a rate of temperature increase of 5 ° C./min and fired. The treatment was performed at this temperature for 3 hours. Next, after the crucible was cooled to room temperature, it was transferred into a high-temperature electric furnace, the furnace was heated to 1400 ° C. at a rate of temperature increase of 5 ° C./min, and a firing treatment was performed at this temperature for 12 hours.
[0039]
FIG. 1 shows a scanning electron micrograph of a fracture surface of a calcium phosphate porous material prepared from an aqueous slurry having a starch content of 50% by weight. FIG. 1B is an enlarged photograph of FIG. As is clear from FIG. 1, the obtained calcium phosphate porous body has uniform pores in the range of 10 to 100 μm and uniform skeletons in the range of 1 to 10 μm.
[0040]
The porosity, average pore diameter and pore size distribution of the obtained calcium phosphate porous body were measured by a mercury intrusion method, and the results are shown in FIG. 2 (pore size distribution) and Table 1 (porosity and average pore diameter). Show.
Further, Vh was calculated using the following equation as an index indicating the uniformity of the pore diameter distribution, and the results are shown in Table 1.
Vh (vol%) = [V (cc) / Va (cc)] × 100
In the formula, V indicates the volume of pores having a diameter of 10 to 100 μm, and Va indicates the volume of all pores. Vh is 88 to 93 vol%, which indicates that the obtained porous body has a uniform pore size distribution.
Furthermore, the compressive strength of the obtained calcium phosphate porous body was measured according to a conventional method, and the results are shown in Table 1.
[0041]
Comparative Example 1
20 g of β-tricalcium phosphate (a product of Nacalai Tesque; code 069-30) and 20 g of potato starch (a product of Nacalai Tesque; code 321-28) were put into a ball mill, and without using a medium. These components were mixed for 1 hour, 35 g of pure water was added to the obtained mixture, and the mixture was sufficiently stirred to prepare an aqueous slurry. The viscosity at 23 ° C. of the aqueous slurry was 700 mPa · s.
[0042]
The aqueous slurry was sufficiently impregnated with a polyurethane "body sponge" (a product of Myna). After confirming that the slurry was uniformly impregnated, the body sponge was dried at 60 ° C. for about 12 hours, then transferred into a muffle furnace, and heated to 1000 ° C. at a rate of 5 ° C./min. Heating and baking were performed at this temperature for 3 hours. Next, after cooling the body sponge to room temperature, the body sponge was transferred into a high-temperature electric furnace, and the furnace was heated to 1400 ° C. at a rate of temperature increase of 5 ° C./min, and a firing treatment was performed at this temperature for 12 hours.
[0043]
FIG. 3 shows a scanning electron micrograph of the fracture surface of the obtained calcium phosphate porous body. FIG. 3B is an enlarged photograph of FIG. As is clear from FIG. 3A, in the porous body, coarse pores of 200 μm coexist in addition to uniform pores in the range of 10 to 100 μm.
FIG. 4 shows the pore size distribution of the calcium phosphate porous body. In FIG. 4, another peak is observed near 150 μm, which indicates that the pore size distribution of the porous body is not uniform. This is considered to be due to pores formed by the disappearance of the urethane sponge skeleton supporting the slurry.
Further, the porosity, average pore diameter, Vh and compressive strength of the porous calcium phosphate were measured in the same manner as in Examples 1 to 3, and the results are shown in Table 1. Vh indicating the uniformity of the pore size distribution is lower (71 vol%) than in the example, and the compressive strength is 1/5 of that in the example. This is considered to be due to the presence of coarse pores.
[0044]
Bone formation test
The calcium phosphate porous bodies obtained in Example 1 and Comparative Example 1 were subjected to secondary processing into test pieces having a diameter of 4 mm and a length of 10 mm, and these test pieces were implanted in a hole formed in the tibia of a rabbit. . Regarding the workability at the time of secondary processing, the porous body obtained in Example 1 was good, but in the case of the porous body obtained in Comparative Example 1, when the sample was cut into a desired size, There was a problem that some were missing. Also, regarding the handleability at the time of implantation, the porous body obtained in Example 1 has a higher compressive strength than the porous body obtained in Comparative Example 1, so that the insertion operation into the defective portion is easier. there were.
[0045]
FIG. 5 shows an X-ray CT tomographic image of the implanted site one month later. FIG. 5A is an X-ray CT tomogram when the porous body obtained in Example 1 is used, and FIG. 5B is an X-ray CT tomogram when the porous body obtained in Comparative Example 1 is used. It is a line CT tomogram. As is clear from FIG. 5, in each case where the calcium phosphate porous bodies obtained in Example 1 and Comparative Example 1 were used, the remaining amount of the porous body was slight, and bone tissue was mostly contained in the defect. However, when the porous body obtained in Example 1 was used, it was found that the bone density of the defect was higher and the repair effect was high.
[0046]
[Table 1]
Figure 2004284898
[0047]
【The invention's effect】
The calcium phosphate porous body according to the present invention has a functional space capable of invading bones, cells, blood vessels, and the like, and has a uniform pore structure. And secondary processing is easy. Therefore, the porous calcium phosphate according to the present invention is useful not only as a bioreplacement material such as an osteogenic material, but also as an environmental purification material such as an air purification filter and wastewater treatment and a building material such as a heat insulating material. is there.
Further, according to the present invention, a calcium phosphate porous body having the above-described properties can be produced by casting, so that a calcium phosphate porous body having a complicated shape can be easily obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a scanning electron micrograph of a fractured surface of a porous calcium phosphate obtained in Example 1. FIG. 1B is an enlarged photograph of FIG.
FIG. 2 is a graph showing the pore size distribution of the porous calcium phosphate obtained in Example 1.
FIG. 3 is a scanning electron micrograph of a fracture surface of the porous calcium phosphate obtained in Comparative Example 1. FIG. 3B is an enlarged photograph of FIG.
FIG. 4 is a graph showing the pore size distribution of the calcium phosphate porous body obtained in Comparative Example 1.
FIG. 5 is an X-ray CT tomogram of an implanted part in an osteogenesis test. FIG. 5A is a photograph when the porous body obtained in Example 1 is used, and FIG. 5B is a photograph when the porous body obtained in Comparative Example 1 is used.

Claims (9)

細孔径分布における細孔直径が10〜100μmの範囲にある細孔の体積(V)の全細孔体積(Va)中に占める割合[(V/Va)×100]が80vol%以上である均一な三次元連続貫通孔を有すると共に、該細孔を形成する骨格の大きさが1〜10μmの範囲にあることを特徴とするリン酸カルシウム多孔体。Uniform in which the ratio [(V / Va) × 100] of the volume (V) of the pores having a pore diameter in the range of 10 to 100 μm to the total pore volume (Va) in the pore diameter distribution is 80 vol% or more. A porous calcium phosphate, characterized in that it has three-dimensional continuous through-holes, and the size of the skeleton forming the pores is in the range of 1 to 10 μm. 気孔率が40〜90%の範囲にある請求項1記載のリン酸カルシウム多孔体。The porous calcium phosphate according to claim 1, wherein the porosity is in a range of 40 to 90%. 該リン酸カルシウムがα型リン酸三カルシウム、β型リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸八カルシウム、オルトリン酸カルシウム、非晶質リン酸カルシウムもしくはリン酸カルシウム系ガラスまたはこれらの2種以上の混合物である請求項1または請求項2に記載のリン酸カルシウム多孔体。The calcium phosphate is α-tricalcium phosphate, β-tricalcium phosphate, tetracalcium phosphate, hydroxyapatite, octacalcium phosphate, calcium orthophosphate, amorphous calcium phosphate or calcium phosphate glass, or a mixture of two or more of these. 3. The porous calcium phosphate according to claim 1 or claim 2. リン酸カルシウム、水溶性有機化合物および水を含有する水性スラリーを耐熱性型内に注型し、該スラリーを焼成処理に付すことを特徴とするリン酸カルシウム多孔体の製法。A method for producing a porous calcium phosphate, comprising casting an aqueous slurry containing calcium phosphate, a water-soluble organic compound and water into a heat-resistant mold and subjecting the slurry to a baking treatment. 焼成処理を500℃〜1700℃でおこなう請求項4に記載の製法。The method according to claim 4, wherein the calcination treatment is performed at 500C to 1700C. リン酸カルシウムがα型リン酸三カルシウム、β型リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸八カルシウム、オルトリン酸カルシウム、非晶質リン酸カルシウムもしくはリン酸カルシウム系ガラスまたはこれらの2種以上の混合物である請求項4または5に記載の製法。The calcium phosphate is α-tricalcium phosphate, β-tricalcium phosphate, tetracalcium phosphate, hydroxyapatite, octacalcium phosphate, calcium orthophosphate, amorphous calcium phosphate or calcium phosphate glass, or a mixture of two or more of these. The method according to claim 4. 水溶性有機化合物が糖類、蛋白質、ポリアクリル酸もしくはポリビニルアルコールまたはこれらの2種以上の混合物である請求項4から6いずれかに記載の製法。The method according to any one of claims 4 to 6, wherein the water-soluble organic compound is a saccharide, a protein, polyacrylic acid or polyvinyl alcohol, or a mixture of two or more thereof. リン酸カルシウムと水溶性有機化合物との混合物における水溶性有機化合物が占める重量百分率が10〜70wt%の範囲にあり、スラリー調製時の水/粉体(該混合物)の重量比が0.5〜1.5である請求項4から7いずれかに記載の製法。The weight percentage of the water-soluble organic compound in the mixture of calcium phosphate and the water-soluble organic compound is in the range of 10 to 70 wt%, and the weight ratio of water / powder (the mixture) at the time of preparing the slurry is 0.5 to 1. The method according to any one of claims 4 to 7, which is 5. 焼成処理を、500〜1000℃における焼成処理と500℃〜1700℃における焼成処理との2段階でおこなう請求項4から8いずれかに記載の製法。The method according to any one of claims 4 to 8, wherein the baking treatment is performed in two stages: a baking treatment at 500 to 1000C and a baking treatment at 500 to 1700C.
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