JP2004223054A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技店側及び遊技者が安心して利用でき、面白みのある遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機は、遊技者が操作するための停止ボタン(7L,7C,7R)と、プラムの小役に内部当選することに基づいて遊技者にとって有利な補助期間を発生させる機能を有し、停止ボタン(7L,7C,7R)の操作順序が所定の操作態様である場合にプラムの小役に内部当選したときは、補助期間を発生させない副制御回路(72)と、ペナルティ期間であることを報知するペナルティ期間報知画像を表示する液晶表示装置(5)とを備える。
【選択図】 図4
【解決手段】遊技機は、遊技者が操作するための停止ボタン(7L,7C,7R)と、プラムの小役に内部当選することに基づいて遊技者にとって有利な補助期間を発生させる機能を有し、停止ボタン(7L,7C,7R)の操作順序が所定の操作態様である場合にプラムの小役に内部当選したときは、補助期間を発生させない副制御回路(72)と、ペナルティ期間であることを報知するペナルティ期間報知画像を表示する液晶表示装置(5)とを備える。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロコンピュータ等の制御手段を備えたスロットマシン、パチンコ機その他の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、停止ボタンを備えたスロットマシン、いわゆるパチスロ機は、正面の表示窓内に複数の図柄を変動表示する回転リールを複数配列して構成した機械的変動表示装置、或いはリール上の図柄を画面に表示する電気的変動表示装置を有する。遊技者のスタート操作に応じて、制御手段が変動表示装置を駆動制御して各リールを回転させることにより、図柄を変動表示させ、一定時間後自動的に或いは遊技者の停止操作により、各リールの回転を順次停止させる。このとき、表示窓内に現れた各リールの図柄が特定の組合せ(入賞図柄)になった場合にメダル、又はコイン等の遊技媒体を払出すことで遊技者に利益を付与する。
【0003】
現在主流の機種は、複数種類の入賞態様を有するものである。特に、ある役の入賞が成立したときは、1回のメダルの払出しに終わらず、所定期間、通常の状態よりも条件の良い遊技状態となる。このような役として、遊技者に相対的に大きい利益を与えるゲームを所定回数行える役(「ビッグボーナス」と称し、以下「BB」と略記する)と、遊技者に相対的に小さい利益を与えるゲームを所定回数行える役(「レギュラーボーナス」と称し、以下「RB」と略記する)がある。
【0004】
また、現在主流の機種においては、有効化された入賞ライン(以下「有効ライン」という)に沿って所定の図柄の組合せが並び、メダル、コイン等が払出される入賞が成立するためには、内部的な抽選処理(以下「内部抽選」という)により役に当選(以下「内部当選」という)し、且つその内部当選した役(以下「内部当選役」という)の入賞成立を示す図柄組合せを有効ラインに停止できるタイミングで遊技者が停止操作を行うことが要求される。つまり、いくら内部当選したとしても、遊技者の停止操作のタイミングが悪いと内部当選役の入賞を成立させることができない。すなわち、停止操作をタイミングよく行う技術が要求される(「目押し」といわれる技術介入性の比重が高い)遊技機が現在の主流である。
【0005】
これに対し、「目押し」ができない遊技者であっても、興味を持って遊技を行うことができる遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この遊技機によれば、内部当選役が決定された後、停止制御手段は、所定の入賞役の入賞成立を許可することとなる停止操作の順番を決定する。演出制御手段は、その順番を報知するように演出手段を制御する。演出手段による報知が行われないと、遊技者は、所定の入賞役の入賞成立が許可されている停止操作の順番を知ることができないので、所定の入賞役に内部当選しているにも拘らず、その入賞を成立させることができない場合がある。一方、演出手段による報知が行われると、遊技者は、報知された停止操作の順番に従って停止操作を行うことにより確実に所定の入賞役の入賞成立を実現することができる。
【0006】
また、所定の開始条件が成立した後、所定の終了条件が成立するまでの間、演出制御手段は、所定の入賞役(特定の内部当選役)の入賞成立を許可することとなる停止操作の順番を報知するように演出手段を制御する。従って、遊技者は所定の開始条件が成立すると演出手段での報知が行われることを期待するという面白さが遊技に付加される。所定の開始条件としては、例えば、特定の遊技状態が終了し且つ所定の抽選において当選したこととする。
【0007】
このような遊技機において、所定の開始条件が成立した後、所定の終了条件が成立するまでの間の期間において遊技者が一のゲームを行うために賭けた単位遊技価値(例えば“1枚”のメダル)に対して遊技者に付与される遊技価値の期待値(いわゆる「出玉率」)を上記期間以外の期間よりも高くすることにより、上記期間の発生に対する遊技者の期待感が高まる。この期待感を増大させるためには、所定の入賞役に内部当選する確率をある程度高く設定する必要がある。この確率を高く設定すると上記期間以外の期間における出玉率も高くなってしまい、例えば、遊技店側が所望する出玉率を実現できない場合がある。他方、所定の入賞役に内部当選する確率をある程度低く設定した場合には、上記期間以外の期間における出玉率を低くすることができるが、上記期間における出玉率も低くなり、上記期待感を増大させることができない場合がある。
【0008】
そこで、例えば、複数の停止順序のうち、特定の停止順序が所定の入賞役の入賞成立が許可されることとなる停止順序として選択される確率を他の停止順序の選択確率よりも低く設定する。当該他の停止順序で停止操作が行われた場合には、上記所定の開始条件などが成立した場合であっても、上記報知が行われる期間を発生させないようにすることが考えられる。すなわち、上記特定の停止順序以外の停止順序で停止操作が行われた場合には、ペナルティとして上記報知が行われる期間の発生の可能性がない期間を設ける。これにより、出玉率(上記報知が行われる期間以外のもの)の低い特定の停止順序で停止操作を行う動機を遊技者に対して与え、上記報知の行われない期間における実際の出玉率をある程度低くすることが考えられる。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−85629号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような遊技機では、上記ペナルティとしての期間の存在を遊技者が的確に把握していない場合には、その期間において上記報知が行われる期間が発生しないことを巡るトラブルが遊技者と遊技店側の間で生じ得る。また、特に遊技内容に対する理解の浅い初心者が上記ペナルティとしての期間の存在をおそれるあまり、遊技を敬遠するおそれがある。
【0011】
本発明の目的は、遊技店側及び遊技者が安心して利用でき、面白みのある遊技機を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は、遊技者が操作するための操作手段と、所定の条件が成立したこと(例えば、後述のプラムの小役に内部当選すること)に基づいて遊技者にとって有利な状況(例えば、後述の補助期間)を発生させる機能を有し、操作手段の操作態様が所定の操作態様(例えば、停止順序が「左中右」以外であること)である場合に所定の条件が成立したときは、有利な状況を発生させない状況発生手段(例えば、後述の副制御回路72)と、所定の条件が成立しても状況発生手段が有利な状況を発生させない状態(例えば、後述のペナルティ期間)であることを報知する報知手段(例えば、後述の液晶表示装置5)とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の具体的態様では、報知手段は、上記状態が継続するゲームの回数(例えば、後述のペナルティゲーム回数)を報知することを特徴とする。
【0014】
本発明の具体的態様では、報知手段は、非遊技状態において報知を行わないことを特徴とする。
【0015】
本発明の具体的態様では、遊技に必要な図柄を複数列で変動表示する変動表示手段を備え、操作手段は、変動表示を停止させるための複数の停止ボタンであり、操作態様は、停止ボタンの操作順序であることを特徴とする。
【0016】
【作用及び効果】
本発明の遊技機では、状況発生手段は、操作手段の操作態様が所定の操作態様である場合に所定の条件が成立したときは、有利な状況を発生させない。報知手段は、所定の条件が成立しても状況発生手段が有利な状況を発生させない状態であることを報知する。従って、上記状態において所定の条件が成立したが有利な状況が発生しない場合において、その有利な状況が発生しないことを巡る遊技者と遊技店側とのトラブルを未然に防止することができる。また、上記報知により上記状態の存在が明確になり、初心者であっても安心して遊技を行うことができる。
【0017】
本発明の実施態様では、報知手段は、上記状態が継続するゲームの回数を報知する。従って、遊技者は、上記状態が継続するゲームの回数を的確に把握し、その回数に基づいて、例えば、遊技を継続するか否か、遊技を開始するか否かなどを決めることができる。また、上記状態が継続するゲームの回数が明確になるので、遊技者は安心して遊技を進めることができる。
【0018】
また、報知手段は、非遊技状態において報知を行わない。従って、非遊技状態において遊技機の稼動率が低下するおそれを排除することができる。
【0019】
また、操作手段として、変動表示を停止させるための複数の停止ボタンを採用することができる。また、操作態様として、停止ボタンの操作順序を採用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆる「パチスロ機」である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
【0021】
遊技機1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成され、その中央には縦長矩形の表示窓4L,4C,4Rが設けられる。表示窓4L,4C,4Rには、入賞ラインとして水平方向にトップライン8b,センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスダウンライン8a及びクロスアップライン8eが設けられている。これらの入賞ラインは、後述の1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの入賞ラインが有効化されたかは、後で説明するBETランプ9a,9b,9cの点灯で表示される。
【0022】
キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれた3個のリール(変動表示手段)3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられ、変動表示手段を形成している。各リールの図柄は表示窓4L,4C,4Rを通して観察できるようになっている。各リールは、定速回転(例えば80回転/分)で回転する。
【0023】
表示窓4L,4C,4Rの左側には、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、クレジット表示部19が設けられる。1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。ここで、本実施例では、一のゲームは、全てのリールが停止したときに終了する。1−BETランプ9aは、BET数が“1”で1本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。2−BETランプ9bは、BET数が“2”で3本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が“3”で全て(5本)の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。クレジット表示部19は、7セグメントLEDから成り、貯留されているメダルの枚数を表示する。
【0024】
表示窓4L,4C,4Rの右側には、WINランプ17及び払出表示部18が設けられる。WINランプ17は、BB又はRBの入賞が成立した場合に点灯し、BB又はRBに内部当選した場合に所定確率で点灯する。払出表示部18は、7セグメントLEDから成り、入賞成立時のメダルの払出枚数を表示する。
【0025】
パネル表示部2aの右側上部には、ボーナス遊技情報表示部20が設けられる。ボーナス遊技情報表示部20は、7セグメントLEDから成り、後で説明するRBゲーム可能回数及びRBゲーム入賞可能回数等を表示する。表示窓4L,4C,4Rの下方には水平面の台座部10が形成され、その台座部10と表示窓4L,4C,4Rとの間には液晶表示装置5が設けられている。この液晶表示装置5の表示画面5aには、後で説明するペナルティ期間報知画像(図4)が表示されている。
【0026】
液晶表示装置5の右側にはメダル投入口22が設けられ、液晶表示装置5の左側には、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、および最大BETスイッチ13が設けられる。1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチを操作することで、前述のとおり、所定の入賞ラインが有効化される。
【0027】
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、表示窓4L,4C,4R内での図柄の変動表示を開始(ゲームを開始)するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
【0028】
キャビネット2の上方の左右には、スピーカ21L,21Rが設けられ、その2台のスピーカ21L,21Rの間には、入賞図柄の組合せ及びメダルの配当枚数等を表示する配当表パネル23が設けられている。台座部10の前面部中央で、液晶表示装置5の下方位置には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン7L,7C,7Rが設けられている。
【0029】
ここで、本実施例では、全てのリールが回転しているときに行われるリールの停止操作(停止ボタンの操作)を「第1停止操作」、次に行われる停止操作を「第2停止操作」、「第2停止操作」の後に行われる停止操作を「第3停止操作」という。また、「第1停止操作」として左の停止ボタン7Lを操作することを「順押し」という。「第1停止操作」として中央の停止ボタン7Cを操作することを「中押し」という。「第1停止操作」として右の停止ボタン7Rを操作することを「逆押し」という。
【0030】
実施例のスロットマシン1には、3つの停止ボタン7L,7C,7Rが設けられているので、これらの操作順序(以下「停止順序」という)は“6種類”ある。そこで、これらの停止順序を次のように区別する。左の停止ボタン7Lを「左」、中央の停止ボタン7Cを「中」、右の停止ボタン7Rを「右」と略記する。そして、停止順序を示すとき、各停止ボタン7L,7C,7Rの略を、停止操作された順番で左から並べることとする。例えば、「第1停止操作」として左の停止ボタン7L、「第2停止操作」として中央の停止ボタン7C、「第3停止操作」として右の停止ボタン7Rが操作されたとき、停止順序を「左中右」と示す。なお、実施例の停止順序には、「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」及び「右中左」の“6種類”がある。
【0031】
図2は、各リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“00”〜“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図5)に格納されている。各リール3L,3C,3R上には、“青7(図柄91)”、“赤7(図柄92)”、“BAR(図柄93)”、“ベル(図柄94)”、“プラム(図柄95)”、“Replay(図柄96)”及び“チェリー(図柄97)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図2の矢印方向に移動するように回転駆動される。
【0032】
図3は、各遊技状態における入賞図柄組合せに対応する役及び払出枚数を示す。
【0033】
ここで、遊技状態とは、一般に、BB又はRBに内部当選しているか否か、BB又はRBの入賞成立が許可されているか否か、或いはBB又はRBが作動しているか否かなどによって区別するものである。なお、内部当選する可能性のある役の種類は、いわゆる確率抽選テーブルによって定まるものであるが、一般に、確率抽選テーブルは、各遊技状態毎に設けられている。すなわち、同一の遊技状態のゲームでは、内部当選する可能性のある役の種類が同一となる。ただし、「BB遊技状態」は、「BB中一般遊技状態」及び「RB遊技状態」を含むものであり、内部当選する可能性のある役の種類が異なる状態を含む。
【0034】
図3に示すように、一般遊技状態において、有効ラインに沿って“青7−青7−青7”、又は“赤7−赤7−赤7”が並んだときは、BBの入賞が成立し、15枚のメダルが払出されると共に、次のゲームの遊技状態が「BB遊技状態」となる。
【0035】
「RB遊技状態」は、「一般遊技状態」において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが“BAR−BAR−BAR”であるとき、又は「BB中一般遊技状態」において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが“Replay−Replay−Replay”であるとき(いわゆる「JAC IN」)に発生する。このとき、15枚のメダルが払出される。「RB遊技状態」は、メダルを1枚賭けることにより所定の図柄組合せ“Replay−Replay−Replay”が揃い、15枚のメダルを獲得できる役物に当たりやすい遊技状態である。1回の「RB遊技状態」において可能な最大のゲーム回数(これを「RBゲーム可能回数」という)は、12回である。また、このRB遊技状態において、入賞できる回数(これを「RBゲーム入賞可能回数」という)は、8回までである。即ち、この「RB遊技状態」は、ゲーム回数が12回に達するか、又は入賞回数が8回に達した場合に終了する。なお、BB遊技状態は、所定のゲームで第3停止操作が行われたとき、終了する。例えば、3回目のRB遊技状態の最後のゲームにおいて第3停止操作が行われたとき、BB遊技状態が終了する。
【0036】
一般遊技状態において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが“Replay−Replay−Replay”であるときは、再遊技の入賞が成立する。再遊技の入賞が成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者は、メダルを消費することなく遊技を行うことができる。
【0037】
一般遊技状態又はBB中一般遊技状態において、有効ラインに沿って図柄組合せ“ベル−ベル−ベル”が並ぶことにより、「ベルの小役」の入賞が成立する。「ベルの小役」に内部当選したとき、入賞が成立するか否かは、後述のテーブル番号と、遊技者の停止ボタン7L,7C,7Rの停止順序により決定される。具体的には、“6種類”の停止順序のうち、テーブル番号に対応した一の停止順序(入賞成立が許可される停止順序であり、以下「許可順序」という)で停止操作を行った場合にのみ、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並び、ベルの小役の入賞が成立する。その他の“5種類”の停止順序のいずれかで停止操作を行った場合には、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0038】
ここで、一般遊技状態では、“6種類”の各停止順序が「許可順序」と決定される確率に偏りを持たせるようにしている。具体的には、「ベルの小役」に内部当選したゲームでは、“0”〜“255”の範囲から抽出された乱数値に基づいて、「左中右」が「許可順序」と決定される確率が“11/256”、「左中右」以外の各々の停止順序が「許可順序」と決定される確率が“49/256”となるようにしている。
【0039】
また、実施例の遊技機1は、「左中右」以外の停止順序で停止操作を行った場合、遊技者が一のゲームを行うために賭けた単位遊技価値(“1枚”のメダル)に対して遊技者に付与される遊技価値の期待値が“1”を超えないように設計されている。すなわち、「左中右」以外の停止順序で停止操作を継続して行った場合のいわゆる「機械割」が“100%”を超えないように設計されている。また、補助期間以外の一般遊技状態において「左中右」で停止操作を継続して行った場合の上記期待値は、「左中右」以外の停止順序で停止操作を継続して行った場合と比べて高くなるように設計されている。
【0040】
また、一般遊技状態及びBB中一般遊技状態では、「プラムの小役」、「BARの小役」、及び「チェリーの小役」の入賞成立を実現することが可能であるが、その払出枚数は図示のとおりである。「プラムの小役」に内部当選する確率は、例えば“1/700”である。
【0041】
「一般遊技状態」では、「ベルの小役」に内部当選したとき、「許可順序」が報知される期間(以下「補助期間」という)が設けられる。この期間において「ベルの小役」に内部当選したとき、遊技者は、報知に従って停止操作を行うことにより、確実に入賞成立を実現することができる。補助期間は、連続する複数回(実施例では、“10回”)のゲームにより構成される。“1回”の補助期間では、“約100枚”のメダルを獲得することができる。このように、補助期間は、情報報知に従うことにより「ベルの小役」の入賞成立を実現可能であり、遊技者にとって有利な状況である。
【0042】
補助期間の発生条件は、基本的に「プラムの小役」に内部当選することである。この発生条件が成立した場合には、後で図8(1)を参照して説明する補助期間発生回数決定テーブルに基づいて、補助期間の発生回数として“1回”以上が選択される。この補助期間の発生回数は、上記発生条件の成立と略同時期に決定される。そして、上記発生条件が成立した後、実際に補助期間を発生(発動(顕在化))させるか否かは、補助期間発生抽選処理(後述の図21)で決定される。上記発生条件の成立後、補助期間が発生する可能性のある期間(具体的には、一般遊技状態において、後述の発生回数貯留カウンタの値が“1以上”であり、且つ補助期間でない期間)を、以下「潜伏期間」という。
【0043】
また、「一般遊技状態」では、補助期間の他に「ペナルティ(罰則)期間」が設けられる。「ペナルティ期間」とは、「一般遊技状態」において「プラムの小役」に内部当選した場合でも補助期間の発生回数を決定するための抽選が行われない期間をいう。この「ペナルティ期間」の発生条件は、「一般遊技状態(補助期間を除く)」において「左中右」以外の停止順序で停止操作を行うことである。また、その「終了条件」は、基本的に上記発生条件が成立した後、“5回”のゲームが終了することである。「ペナルティ期間」が終了するまでに必要なゲームの回数を、以下「ペナルティゲーム回数」という。なお、「一般遊技状態」では、「ペナルティ期間」及び「補助期間」の両方が発生した状態が生じ得る。また、後述のペナルティゲーム回数カウンタ112の値が“1以上”である一般遊技状態が「ペナルティ期間」である。「ペナルティ期間」の存在により、遊技者は、より多くのメダルの獲得を目的として「左中右」で停止操作を行い、「補助期間」が発生することに期待して遊技を進めることとなる。
【0044】
図4は、ペナルティ期間報知画像を示す。この画像は、遊技者に対してペナルティ期間中であること、ペナルティゲーム回数、ペナルティ期間の内容、ペナルティ期間の発生条件などを報知することを目的として表示される。具体的には、「ペナルティ期間(残り3ゲーム)中です。プラムの小役に当選しても、補助期間は発生しません。(補助期間以外において「左中右」で停止ボタンを操作しない場合、ペナルティ期間が発生します。)」という文章が表示画面5aに表示される。
【0045】
ペナルティ期間報知画像を表示することにより、「プラムの小役」の入賞が成立したにも拘らず補助期間が発生しないという状況を巡る遊技者と遊技店側のトラブルの発生を未然に防止することができる。また、遊技機1から払い出されたメダルの枚数よりも遊技を行うために賭けたメダルの枚数の方が大きい遊技者(負けが大きい遊技者)、継続して長時間遊技を行っている遊技者などは、「左中右」で停止操作を行うことに対する注意力が散漫になりがちである。そのような場合にもペナルティ報知画像を表示することにより、「左中右」以外の停止順序で停止操作を行った遊技者に対してその事実を認識させ、注意を喚起することができる。また、ペナルティゲーム回数を報知することにより、遊技者は、ペナルティ期間の終了条件を把握し、安心して遊技を開始したり継続することができる。また、「ペナルティ期間中であること」及び「ペナルティ期間の内容」とともに、「ペナルティ期間の発生条件」を報知することにより、特に初心者であっても遊技内容を容易に認識し、安心して遊技を楽しむことができる。
【0046】
図5は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置5及びスピーカ21L,21Rを制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
【0047】
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
【0048】
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわちCPU31の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
【0049】
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止制御テーブル、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。このコマンドには、「デモ表示コマンド」、「スタートコマンド」、「全リール停止コマンド」、「入賞役コマンド」等がある。これらのコマンドについては後で説明する。なお、副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。
【0050】
図5の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各種ランプ(1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、WINランプ17)と、各種表示部(払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部20)と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出す遊技価値付与手段としてのホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
【0051】
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路45、及び各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がI/Oポート38を介してCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
【0052】
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、投入メダルセンサ22S、リール停止信号回路46、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。これらも、I/Oポート38を介してCPU31に接続されている。
【0053】
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。投入メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
【0054】
図5の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数及びROM32内に格納されている確率抽選テーブルに基づいて、内部当選役が決定される。内部当選役が決定された後、「停止制御テーブル」を選択するために再び乱数のサンプリングが行われる。
【0055】
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
【0056】
上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブルが、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
【0057】
更に、ROM32内には、入賞図柄組合せテーブルが格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表わす入賞判定コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの停止制御時、及び全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
【0058】
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)により内部当選した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路46から送られる操作信号、及び選択された「停止制御テーブル」に基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
【0059】
内部当選した役の入賞成立を示す停止態様となれば、CPU31は、払出し指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出しを行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、「メダルの払出し処理」を終了する。
【0060】
図6は、副制御回路72の構成を示す。副制御回路72は、主制御回路71からの制御指令(コマンド)に基づいて液晶表示装置5の表示制御及びスピーカ21L,21Rからの音の出力制御を行う。この副制御回路72は、主制御回路71を構成する回路基板とは別の回路基板上に構成され、マイクロコンピュータ(以下「サブマイクロコンピュータ」という)73を主たる構成要素とし、液晶表示装置5の表示制御手段としての画像制御回路81、スピーカ21L,21Rにより出音される音を制御する音源IC78、及び増幅器としてのパワーアンプ79で構成されている。
【0061】
サブマイクロコンピュータ73は、主制御回路71から送信された制御指令に従って制御動作を行うサブCPU74と、記憶手段としてのプログラムROM75と、ワークRAM76とを含む。副制御回路72は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、サブCPU74の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。この乱数サンプリングにより、補助期間の発生等が決定される。サブCPU74は、後で図7を参照して説明するペナルティゲーム回数カウンタ112、発生回数貯留カウンタ、及び補助期間ゲーム回数カウンタを備える。発生回数貯留カウンタは、補助期間の発生回数を記憶する。補助期間ゲーム回数カウンタは、一の補助期間におけるゲーム回数に関する情報を記憶するものであり、このカウンタの値が“1以上”であるとき、補助期間である。プログラムROM75は、サブCPU74で実行する制御プログラムを格納する。ワークRAM76は、上記制御プログラムをサブCPU74で実行するときの一時記憶手段として構成される。
【0062】
画像制御回路81は、画像制御CPU82、画像制御ワークRAM83、画像制御プログラムROM84、画像ROM86、ビデオRAM87及び画像制御IC88で構成される。画像制御CPU82は、サブマイクロコンピュータ73で設定されたパラメータに基き、画像制御プログラムROM84内に格納する画像制御プログラムに従って液晶表示装置5での表示内容を決定する。画像制御プログラムROM84は、液晶表示装置5での表示に関する画像制御プログラムや各種選択テーブルを格納する。画像制御ワークRAM83は、上記画像制御プログラムを画像制御CPU82で実行するときの一時記憶手段として構成される。画像制御IC88は、画像制御CPU82で決定された表示内容に応じた画像を形成し、液晶表示装置5に出力する。画像ROM86は、画像を形成するためのドットデータを格納する。ビデオRAM87は、画像制御IC88で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0063】
次に、図7を参照して、遊技機1の機能を実現するために必要な主制御回路71及び副制御回路72の機能実現手段(動作部)を含むブロック図について説明する。
【0064】
主制御回路71は、
リール停止信号回路46からの入力信号に基づいて各ゲームにおける停止順序を判別(後述の図16のST65)する停止順序判別手段101、
スタートスイッチ6Sからの入力信号、遊技状態などに基づいて内部当選役を決定(後述の図13のST14)する内部当選役決定手段102、
内部当選役決定手段102の決定結果に基づいて許可順序を決定する許可順序決定手段103
を備える。
【0065】
副制御回路72は、
停止順序判別手段101の判別結果、後述の補助期間発生・終了決定手段114により決定された内容などに基づいて後述のペナルティゲーム回数カウンタ112に格納(記憶)された情報を更新(後述の図16)するペナルティゲーム回数更新手段111、
ペナルティゲーム回数の情報を格納するペナルティゲーム回数カウンタ112、
ペナルティゲーム回数カウンタ112に格納された情報に基づいてペナルティ期間報知画像を表示(ペナルティ期間を報知)するように液晶表示装置5を制御(後述の図17)するペナルティ期間報知制御手段113、
内部当選役決定手段102の決定結果及びペナルティゲーム回数カウンタ112に格納された情報などに基づいて補助期間の発生(発動を含む)、終了、潜伏、発生回数などの決定(後述の図18〜図21)を行う補助期間発生・終了決定手段114、
許可順序決定手段103及び補助期間発生・終了決定手段114の決定結果に基づいて許可順序を報知するように液晶表示装置5を制御(後述の図20)する操作態様報知制御手段115
を備える。
【0066】
図8は、主制御回路71の制御処理に用いられるテーブルを示す。
【0067】
初めに、図8(1)を参照して、補助期間発生回数決定テーブルについて説明する。図8(1)に示すテーブルでは、補助期間の発生回数である“1回”、“2回”、“5回”、“10回”及び“30回”に当選となる乱数範囲が定められている。この補助期間発生回数決定テーブルは、後述の図18の処理で使用される。
【0068】
次に、図8(2)を参照して、補助期間発生抽選テーブルについて説明する。
【0069】
図8(2)に示すテーブルでは、補助期間の「発生」及び「潜伏」に当選となる乱数範囲が定められている。補助期間の「発生」に当選した場合には、そのゲームにおいて「補助期間」が発生する。他方、「潜伏」に当選した場合には、「潜伏期間」が発生又は継続することとなる。
【0070】
次に、図9、図10及び図11を参照して、ベルの小役に内部当選したときに使用される停止制御テーブルについて説明する。
【0071】
「停止制御テーブル」には、各リール3L,3C,3Rの「停止操作位置」と「停止制御位置」とが示されている。「停止操作位置」は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられた停止ボタン7L,7C,7Rが操作されたとき、センターライン8cに位置していた図柄(具体的には、図柄の中心がセンターライン8cの上方に位置し、その中心がセンターライン8cの位置に最も近い図柄)のコードナンバーを表わす。「停止制御位置」とは、停止操作が行われたリールが停止したとき、センターライン8cの位置に停止表示される図柄のコードナンバーを表わす。ここで、本実施例では、いわゆる「滑りコマ数」を最大“4コマ”としている。例えば、右のリール3Rの回転中において、コードナンバー“12”の“チェリー(図2の図柄97)”がセンターライン8cの位置に到達したとき、停止ボタン7Rが操作された場合、コードナンバー“08”の“青7(図2の図柄91)”をセンターライン8cの位置に停止表示するように右のリール3Rを停止制御することができる。
【0072】
図9は、当り用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並び、ベルの小役の入賞が成立するようにリールを停止制御する際に使用される。
【0073】
図9において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー“03”,“08”,“11”,“15”又は“19”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“ベル”である。
【0074】
図9において、中央のリール3Cの「停止制御位置」は、コードナンバー“03”,“07”,“11”,“15”又は“19”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“ベル”である。
【0075】
図9において、右のリール3Rの「停止制御位置」は、コードナンバー“01”,“05”,“10”,“14”又は“18”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“ベル(図柄94)”である。
【0076】
以上のように、図9に示す当り用停止制御テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、センターライン8cの位置、すなわち表示窓4L,4C,4R内の中央の位置に“ベル”が停止表示され、入賞が成立することとなる。
【0077】
図10は、順押し・中押しはずれ用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並ばないように(ベルの小役の入賞が不成立となるように)リールを停止制御する際に使用される。ここで、左のリール3L及び中央のリール3Cの停止操作位置に対する停止制御位置は、図9に示すものと同じである。
【0078】
図10において、右のリール3Rの「停止制御位置」は、コードナンバー“02”,“06”,“11”,“15”又は“19”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“Replay(図柄96)”である。
【0079】
以上のように、図10に示す順押し・中押しはずれ用停止制御テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、表示窓4L,4C内の中央の位置に“ベル”が停止表示され、表示窓4R内の中央の位置に“Replay”が停止表示されるので、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0080】
図11は、逆押しはずれ用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並ばないように(ベルの小役の入賞が不成立となるように)リールを停止制御する際に使用される。ここで、中央のリール3C及び右のリール3Rの停止操作位置に対する停止制御位置は、図9に示すものと同じである。
【0081】
図11において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー“04”,“09”,“12”,“17”又は“20”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“Replay(図柄96)”である。
【0082】
以上のように、図11に示す逆押しはずれ用停止制御テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、左の表示窓4L内の中央の位置に“Replay”が停止表示され、表示窓4C,4R内の中央の位置に“ベル”が停止表示されるので、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0083】
ここで、実施例では、前述のように停止順序として“6種類”を採用し、許可順序で停止操作が行われたときにのみ、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並び、入賞が成立するようにしている。このため、第2停止操作が行われたときに、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並ぶか否かが確定する場合がある。例えば、テーブル番号として“1(対応する許可順序は「左中右」)”が採用され、第1停止操作として左のリール3Lが操作された場合である。すなわち、第1停止操作が行われた場合、必ずしも“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並ぶか否かが明らかではない場合がある。また、実施例では、“ベル−ベル−ベル”は、必ずセンターライン8cに沿って並ぶこととしている。そこで、実施例では、図10及び図11に示すように、2つのはずれ用の停止制御テーブルを使用することとしている。なお、テーブル番号が“2”、“3”、“4”、“5”、又は“6”の場合には、許可順序は、各々「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」、又は「右中左」となる。
【0084】
次に、主制御回路71のCPU31の制御動作について、図12〜図14に示すメインフローチャートを参照して説明する。
【0085】
初めに、CPU31は、遊技開始時の初期化を行う(ステップ[以下、STと表記する]1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いてゲーム終了時のRAM33の記憶内容を消去する(ST2)。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。次に、前回のゲーム終了後、すなわち全リール3L,3C,3R停止後から所定時間(例えば、30秒)経過したか否かを判別する(ST3)。この判別が“YES”のときは、副制御回路72に対し、「デモ画像」の表示を要求する「デモ表示コマンド」を送信する(ST4)。「デモ画像」とは、遊技機1が客待ちの状態(非遊技状態)の場合に、その状態を報知するとともに、遊技者に遊技を開始してもらうための演出表示としての機能を有する画像である。
【0086】
次に、CPU31は、メダルの自動投入の要求があるか、すなわち前回のゲームで再遊技(リプレイ)の入賞が成立したか否かを判別する(ST5)。この判別が“YES”のときは、投入要求分のメダルを自動投入し(ST6)、ST8の処理に移る。ST5の判別が“NO”のときは、投入メダルセンサ22S又はBETスイッチ11,12,13からの入力があるか否かを判別する(ST7)。この判別が“YES”のときは、ST8の処理に移り、“NO”のときは、ST3の処理に移る。
【0087】
次に、CPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する(ST8)。この判別が“YES”のときは前回のゲームが開始してから“4.1”秒経過しているか否かを判別し(ST9)、この判別が“YES”のときはST11の処理に移り、“NO”のときはST10の処理に移る。ST10の処理では、「ゲーム開始待ち時間消化処理」を行う。具体的には、前回のゲームが開始してから“4.1”秒経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
【0088】
次に、CPU31は、リールの回転処理を行い(ST11)、同時に抽選用の乱数を抽出し(ST12)、1ゲーム監視用タイマをセットする(ST13)。ST12の処理で抽出した乱数は、後で説明する確率抽選処理において使用される。ST13の処理の1ゲーム監視用タイマには、遊技者の停止ボタンの停止操作によらずに自動的にリールを停止させるための自動停止タイマが含まれる。
【0089】
図13のST14の処理では、CPU31は、上記ST12の処理において抽出した乱数値に基づいて確率抽選処理を行う。この確率抽選処理は、遊技状態に応じて確率抽選テーブルを使用し、乱数値がどの役の乱数値範囲に属するか否かを判別し、内部当選役(成立フラグ)を決定するものである。次に、リール3L,3C,3Rの停止制御に使用するテーブル番号(許可順序)を決定する(ST15)。具体的には、テーブル番号“1”〜“6”の各々に、予め乱数範囲が割り当てられている。“0”〜“127”の範囲から抽出した乱数値が、いずれのテーブル番号の乱数範囲に含まれているかどうかを判別し、テーブル番号を決定する。
【0090】
次に、「スタートコマンド」を副制御回路72へ送信する(ST16)。「スタートコマンド」は、内部当選役及びテーブル番号(許可順序)の情報を含み、後述の図18のST81の処理で使用される。続いて、「メイン側演出選択処理」を行う(ST17)。この「メイン側演出選択処理」では、副制御回路72が直接的に制御する液晶表示装置5における演出に関連する事項を決定する。例えば、全てのリールが停止した後に、表示画面5a上で継続して行われる演出の時間(以下「演出時間」という)を決定する。続いて、CPU31は、停止ボタンが“オン”かどうかを判別する(ST18)。具体的には、いずれかの停止ボタンが操作されたかどうかを判別する。この判別が“YES”のときは、ST20の処理に移り、“NO”のときは、ST19の処理に移る。ST19の処理では、自動停止タイマの値が“0”であるか否かを判別し、この判別が“YES”のときは、ST20の処理に移り、“NO”のときは、ST18の処理に移る。
【0091】
ST20の処理では、CPU31は、後で図15を参照して説明する滑りコマ数決定処理を行う。続いて、滑りコマ数分、停止操作された停止ボタンに対応するリールを回転させてから停止させる(ST21)。ここで、「滑りコマ数」は、停止ボタンが操作された後、リールが停止するまでの間に移動した図柄の数を示す。また、「滑りコマ数」は、停止ボタンが操作されたとき、所定の入賞ラインに位置していた図柄のコードナンバーと、実際にリールが停止したときに、その入賞ラインに停止した図柄のコードナンバーとの差の絶対値により表わされる。この「滑りコマ数」は、「引き込み数」と称されることもある。
【0092】
ST22の処理では、CPU31は、全てのリールが停止したかどうかを判別し、この判別が“YES”のときは、ST23の処理に移り、“NO”のときは、ST18の処理に移る。ST23の処理では、全てのリールが停止したことを示す「全リール停止コマンド」を送信し、図14のST24の処理に移る。
【0093】
図14のST24の処理では、CPU31は入賞検索を行う。入賞検索とは、表示窓4L,4C,4Rの図柄の停止態様に基づいて入賞役(入賞が成立した役)を識別するための入賞フラグをセットすることである。具体的には、センターライン8cに沿って並ぶ図柄のコードナンバー及び入賞判定テーブルに基づいて入賞役を識別する。続いて、入賞フラグが正常であるか否かを判別する(ST25)。この判別が“NO”のときはイリーガルエラーの表示を行う(ST26)。この場合、遊技は中止となる。ST25の判別が“YES”のときは、遊技状態に応じてメダルのクレジット、又は払出しを行う(ST27)。続いて、入賞役及びメダルの払出し枚数を示す「入賞役コマンド」を送信し(ST28)、「ロック時間処理」を行う(ST29)。この「ロック時間処理」では、全リールが停止した後、「演出時間」が経過するまでの間、次のゲームを開始するための操作を無効とする。具体的には、スタートレバー6の操作を無効とする。続いて、CPU31は、「WINランプ点灯処理」を行い(ST30)、一のゲームが終了したことを示す「1ゲーム終了コマンド」を送信する(ST31)。「WINランプ点灯処理」においては、所定の条件下で、「演出時間」経過後WINランプ17を点灯させる処理を行う。
【0094】
次に、BB遊技状態又はRB遊技状態であるか否かを判別する(ST32)。この判別が“YES”のときは、BB又はRBの「遊技数チェック処理」を行う(ST33)。この「遊技数チェック処理」では、RB遊技状態が発生した回数、BB中一般遊技状態のゲーム回数、RB遊技状態における入賞回数、及びRB遊技状態におけるゲーム回数をチェックする。
【0095】
次に、BB遊技状態又はRB遊技状態の終了時であるか否かを判別する(ST34)。具体的には、RB遊技状態において入賞回数が8回又はゲーム回数が12回であるか、又はBB中一般遊技状態においてゲーム回数が30回であるか否かを判別する。ST34の判別が“YES”のときは、BB遊技状態又はRB遊技状態の終了時のRAM33をクリアする(ST35)。続いて、「ボーナス終了コマンド」を副制御回路72へ送信する(ST36)。続いて、ST2の処理に移る。
【0096】
次に、図15を参照して、主制御回路71の滑りコマ数決定処理について説明する。
【0097】
初めに、CPU31は、現在の遊技状態が一般遊技状態であるか否かを判別する(ST41)。この判別が“YES”のときは、ST42の処理に移り、“NO”のときは、ST43の処理に移る。ST42の処理では、内部当選役が「ベルの小役」であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST44の処理に移り、“NO”のときは、ST43の処理に移る。ST43の処理では、内部当選役、遊技状態、停止順序、停止操作位置等に基づいて滑りコマ数を決定する。
【0098】
一般遊技状態で「ベルの小役」に内部当選した場合には、ST44の処理において、図13のST18の停止操作が第1停止操作であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST45の処理に移り、“NO”のときは、ST50の処理に移る。ST45の処理では、図13のST15の処理で決定したテーブル番号、及び第1停止操作が行われた停止ボタンに基づいて、「ベルの小役」の入賞成立の可能性があるかどうかを判別する。例えば、テーブル番号として“1”が選択されている場合、第1停止操作として左の停止ボタン7Lが操作された場合には、ST45の判別は、“YES”となる。他方、第1停止操作として中央又は右の停止ボタン7C、7Rが操作された場合には、ST45の判別は、“NO”となる。ST45の判別が“YES”のときは、ST46の処理に移り、“NO”のときは、ST47の処理に移る。
【0099】
ST46の処理では、当り用停止制御テーブル(図9)、操作された停止ボタンに対応するリール、及び停止操作位置に基づいて滑りコマ数を決定する。例えば、左の停止ボタンが操作され、停止操作位置が“07”であるとき、滑りコマ数は、“4”と決定される。ここで、当り用停止制御テーブルを使用して停止制御を行うのは、ST45の判別が“YES”であり、ベルの小役の入賞成立の可能性があるためである。なお、前述のように、ベルの小役の入賞の成否が確定するのは、第2停止操作が行われたときである。従って、後述のように、ST46の処理の後、はずれ用の停止制御テーブル(図10、図11)が使用される場合がある。
【0100】
ST47の処理では、第1停止操作により、順押し又は中押しが行われたかどうかを判別する。この判別が“YES”のときは、ST48の処理に移り、“NO”のときは、ST49の処理に移る。ST48の処理では、順押し・中押しはずれ用の停止制御テーブル(図10)、操作された停止ボタンに対応するリール、及び停止操作位置に基づいて滑りコマ数を決定する。ここで、図10に示す停止制御テーブルでは、左及び中央のリール3L、3Cの停止制御位置は、全て“ベル”を示す。従って、第1停止操作によりベルの小役の入賞成立の可能性がない場合(ST45の判別が“NO”)であっても、“ベル−ベル−ベル”が並び、その入賞が成立することに対する遊技者の期待感を保つことができる。
【0101】
ST49の処理では、逆押しはずれ用の停止制御テーブル(図11)、操作された停止ボタンに対応するリール、及び停止操作位置に基づいて滑りコマ数を決定する。ここで、図11に示す停止制御テーブルでは、右のリール3Rの停止制御位置は、全て“ベル”を示す。従って、ST48の場合と同様に、第1停止操作によりベルの小役の入賞成立の可能性がない場合であっても、“ベル−ベル−ベル”が並び、その入賞が成立することに対する遊技者の期待感を保つことができる。
【0102】
図13のST18の操作が第1停止操作でない場合(ST44の判別が“NO”)、すなわち第2又は第3停止操作の場合には、ST50の処理において、「ベルの小役」の入賞成立が確定しているかどうかを判別する。「ベルの小役」の入賞成立が確定している場合とは、ST45の判別が“YES”であり、且つテーブル番号が“1,6”で、第2停止操作として中央の停止ボタン7Cが操作された場合、テーブル番号が“2,4”で、第2停止操作として右の停止ボタン7Rが操作された場合、又はテーブル番号が“3,5”で、第2停止操作として左の停止ボタン7Lが操作された場合である。ST50の判別が“YES”のときは、ST46の処理に移り、“NO”のときは、ST47の処理に移る。
【0103】
次に、図16〜図21を参照して、副制御回路72の制御処理について説明する。
【0104】
図16を参照して、ペナルティゲーム回数更新処理について説明する。
【0105】
初めに、サブCPU74は、全リール停止コマンドを受信したか否かを判別する(ST61)。この判別が“YES”のときは、ST62に移る。ST62では、ペナルティゲーム回数カウンタ112の値が“1”以上であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST63に移り、“NO”のときは、ST64に移る。ST63では、ペナルティゲーム回数カウンタ112の値を“1”減算し、ST64に移る。ST64では、補助期間中であるか否かを判別する。具体的には、補助期間ゲーム回数カウンタの値が“1”以上であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST61に移り、“NO”のときは、ST65に移る。ST65では、停止順序が「左中右」であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST61に移り、“NO”のときは、ST66に移る。ST66では、ペナルティゲーム回数カウンタの値に“5”加算し、ST61に移る。なお、ST66では、“5”を加算するようにしているが、その加算前のペナルティゲーム回数カウンタの値に拘らず、ペナルティゲーム回数として“5”をセットするようにしてもよい。これにより、ペナルティゲーム回数の上限が“5”となり、遊技者は安心して遊技を開始することができる。
【0106】
ここで、補助期間を発生させる機能は、「ベルの小役」に内部当選したゲームにおいて、その入賞成立が実現する「許可順序」を報知し、遊技者にメダルを獲得する機会を与えることにより遊技の面白みを増大させることを目的として設けられている。従って、報知される「許可順序」が「左中右」以外の場合が多く、補助期間において「左中右」以外の停止順序が行われたことに基づいてペナルティ期間が発生する場合には、補助期間及び補助期間の終了後において「プラムの小役」に内部当選しても補助期間が発生しないという事態が生じ得る。すなわち、遊技者にとって有利な「補助期間」を発生させる機能を備えているにも拘らず、その発生後において「補助期間」が発生しないという遊技者にとって不利な状況が発生し、「補助期間」を発生させる機能を設けた意義が失われるおそれがある。そこで、ST64の判別を行うことにより、補助期間中においてST66を行わないようにしている。
【0107】
次に、図17を参照して、ペナルティ期間報知処理について説明する。
【0108】
初めに、サブCPU74は、ペナルティゲーム回数カウンタ112の値が“1”以上であるか否か、すなわちペナルティ期間であるか否かを判別する(ST71)。この判別が“YES”のときは、ST72に移る。ST72では、ペナルティゲーム回数カウンタ112の値に基づいてペナルティ期間報知画像を表示するように画像制御回路81を制御する。続いて、デモ表示コマンドを受信したか否かを判別する(ST73)。この判別が“YES”のときは、ST74に移り、“NO”のときは、ST76に移る。
【0109】
ST74では、ペナルティ期間報知画像の表示を中断し、デモ画像を表示するように画像制御回路81を制御する。続いて、スタートコマンドを受信したか否か、すなわち遊技者がゲームを開始し、客待ちの状態を脱したか否かを判別する(ST75)。この判別が“YES”のときは、ST72に移る。ST76では、ペナルティゲーム回数カウンタ112の値が“0”であるか否か、すなわちペナルティ期間が終了したか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST77に移り、“NO”のときは、ST72に移る。ST77では、ペナルティ期間報知画像の表示を終了するように画像制御回路81を制御し、ST71に移る。
【0110】
ここで、遊技機1が客待ちの状態にあるときにペナルティ期間報知画像を表示した場合には、遊技者が遊技の開始を躊躇し、遊技機1の稼動率が低下するおそれがある。そこで、ST73の判別を行い、客待ちの状態では、ペナルティ期間報知画像に代えてデモ画像を表示するようにしている。
【0111】
次に、図18を参照して、補助期間関連処理について説明する。
【0112】
初めに、サブCPU74は、スタートコマンドを受信したか否かを判別する(ST81)。この判別が“YES”のときは、ペナルティゲーム回数カウンタ112の値が“1”以上であるか否かを判別する(ST82)。この判別が“YES”のときは、ST87に移り、“NO”のときは、ST83に移る。ST83では、「プラムの小役」に内部当選したか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST84に移り、“NO”のときは、ST87に移る。ST84では、補助期間発生回数決定テーブル(図8(1))をセットする。続いて、乱数抽選を行う(ST85)。具体的には、補助期間発生回数決定テーブル、及び“0”〜“16383”の範囲から抽出した乱数値に基づいて補助期間の発生回数を決定する。次に、上記抽選結果に基づいて発生回数貯留カウンタに発生回数を加算し(ST86)、ST87に移る。ST87では、後で図19を参照して説明する補助期間実行処理を行い、ST81に移る。
【0113】
次に、図19を参照して、補助期間実行処理について説明する。
【0114】
初めに、サブCPU74は、補助期間ゲーム回数カウンタの値が“1”以上であるか否か、すなわち現在補助期間であるか否かを判別する(ST91)。ここで、補助期間ゲーム回数カウンタの値は、後述の図21のST113の処理で“10”にセットされ、後述の図20のST101の処理で“1”減算される。ST91の判別が“YES”のときは、ST92の処理に移り、“NO”のときは、ST93の処理に移る。ST92の処理では、後で図20を参照して説明する停止順序報知処理を行い、図18のST81の処理に移る。ST93の処理では、発生回数貯留カウンタの値が“1”以上であるか否か、すなわち潜伏期間であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST94の処理に移り、“NO”のときは、図18のST81の処理に移る。ST94の処理では、後で図21を参照して説明する補助期間発生抽選処理を行い、図18のST81の処理に移る。
【0115】
次に、図20を参照して、停止順序報知処理について説明する。
【0116】
初めに、補助期間ゲーム回数カウンタの値を“1”減算する(ST101)。続いて、内部当選役がベルの小役であるか否かを判別する(ST102)。この判別が“YES”のときは、ST103の処理に移り、“NO”のときは、図18のST81の処理に移る。ST103の処理では、テーブル番号に基づいて許可順序を報知するように画像制御回路81を制御し、図18のST81の処理に移る。ここで、ST103の処理の結果、表示画面5aには、例えば「中右左の順番で停止ボタンを操作することによりベルの小役の入賞が成立します。」という文章が表示される。
【0117】
次に、図21を参照して、補助期間発生抽選処理について説明する。
【0118】
初めに、サブCPU74は、補助期間発生抽選テーブル(図8(2))に基づいて乱数抽選を行う(ST111)。具体的には、“0”〜“255”の範囲から乱数を抽出し、その乱数値に基づいて「発生」又は「潜伏」のいずれかを当選とする。次に、発生に当選か否かを判別する(ST112)。この判別が“YES”のときは、ST113の処理に移り、“NO”のときは、図18のST81の処理に移る。ST113の処理では、補助期間の発生に当選したことから補助期間ゲーム回数カウンタに“10”をセットし、ST114の処理に移る。ST114の処理では、発生回数貯留カウンタの値を“1”減算し、図18のST81の処理に移る。
【0119】
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0120】
実施例では、遊技者は、補助期間以外の期間においても「左中右」以外の停止順序(所定の操作態様)で停止操作を行うことができるようにしているが、これに限られるものではない。具体的には、補助期間以外の期間において、特定の操作態様(例えば、「左中右」)以外の操作態様(所定の操作態様)で操作手段が操作された場合の操作手段からの入力信号を無効とし、ペナルティ期間のような遊技者にとって不利な期間を設ける必要性をなくすこともできる。例えば、補助期間以外の期間において、第1停止操作に対応する中央又は右の停止ボタン7C,7Rの押圧操作に基づく入力信号と、第2停止操作に対応する左又は右の停止ボタン7L,7Rの押圧操作に基づく入力信号を無効とすることもできる。この場合、遊技者は、補助期間以外の期間において「左中右」以外の停止順序で停止操作を行うことができないので、ペナルティ期間を設けないようにすることができる。このような実施態様は、いわゆる「ゲームセンター」に設置される遊技機に好適である。
【0121】
実施例では、停止ボタン(操作手段)の操作態様として「停止順序」を採用しているが、これに限られるものではない。例えば、停止ボタンの「操作タイミング」或いは「停止順序及び操作タイミングの組合せ」を採用することもできる。また、停止ボタンの操作態様として「操作回数」、「操作時間」などを採用するこができる。
【0122】
実施例では、所定の操作態様として「左中右」を採用しているが、これに限られず、任意の操作態様を採用することができる。例えば、「順押し」、「中押し」、「逆押し」など、任意の操作態様を所定の操作態様として採用することができる。また、実施例では、「許可順序」の数を一つとしているが、これに限られるものではない。例えば、複数の操作順序を「許可順序」として採用することもできる。また、実施例では、所定の条件として「プラムの小役に内部当選すること」を採用しているが、これに限られるものではない。例えば、所定の役の入賞が成立することなど、任意の条件を採用することができる。
【0123】
実施例では、「遊技者にとって有利な状況」として「補助期間」を採用しているが、これに限られるものではない。例えば、「基本的に遊技者の操作タイミングのみに基づいてリールの停止制御(いわゆる「無制御」)が行われる、すなわち停止操作位置と停止制御位置が一致することとなる状況(いわゆる「チャレンジタイム(CT)」)」、「有効ラインに沿って並ぶことを許可された図柄組合せが報知される状況」、「シングルボーナスの入賞(或いは内部当選)が成立しやすい状況(S・B高確率状態)」、「所定の役(例えば、BB、RB、小役、或いは再遊技等)の入賞(或いは内部当選)が成立しやすい状況(例えば、いわゆる「小役の集中」)」等を採用することもできる。このような場合、状況発生手段を適宜主制御回路71側に設けることができる。また、所定の役としてBB、RB、シングルボーナス等、任意の役を用いることができる。
【0124】
また、遊技者にとって有利な状況として「所定の役(例えば、入賞成立に基づいて遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるBB或いはRB)の入賞成立が許可される状況」を採用することもできる。具体的には、所定の役の入賞成立を実現可能な回数の情報を格納する入賞可能回数格納手段を設け、この入賞可能回数格納手段に格納された情報が示す回数が“1”以上であるとき、所定の役の入賞成立を「許可する状況(期間)」と「許可しない状況」を設ける。この「許可する状況」では、遊技者による停止ボタンの操作態様(操作タイミング或いは操作順序)に応じて所定の役の入賞成立が実現する(所定の役の「引込み制御」を行う)。「許可しない状況」では、操作態様に拘らず入賞が不成立となる。この「許可しない状況」として再遊技に内部当選する確率の高い状況を用いることができる。この場合、内部当選した再遊技の「蹴飛ばし制御」を一定の確率で行うこともできる。許可しない状況から許可する状況への移行条件は、ゲーム回数の条件、乱数抽選の条件、内部当選役の条件等、任意の条件を採用することができる。また、入賞可能回数格納手段は、例えば所定の役に内部当選した回数から所定の役の入賞が成立した回数の情報を格納する。
【0125】
実施例では、操作手段として、停止ボタン7L,7C,7Rを採用しているが、これに限られるものではない。例えば、ゲームを開始するためのスタートレバー(遊技開始手段)を採用することもできる。この場合、スタートレバーの操作態様としては、例えば、「操作方向」、「操作回数」、「操作時間」などを採用することができる。
【0126】
また、所定の条件が成立しても状況発生手段が遊技者にとって有利な状況を発生させない状態であることなどを報知手段に報知させるか否かを、遊技店側が設定(選択)するための設定手段(選択手段)を設けるようにしてもよい。この場合、ボタンスイッチなどにより構成される設定手段からの信号を副制御回路72に入力する。ペナルティ期間報知制御手段113は、この入力信号に基づいて報知手段を制御する。
【0127】
また、遊技店側が所望する時点において上記状態を強制的に終了させるための手段を設けるようにしてもよい。また、上記状態が継続するゲームの回数に上限を設けることもできる。また、上記状態の終了条件として、「所定回数のゲームが行われること」及び「非遊技状態が特定時間継続したこと」の両方を採用することもできる。また、この場合、その特定時間を遊技店側が設定するための手段を設けるようにしてもよい。
【0128】
実施例では、報知手段として液晶表示装置を用いているが、演出用のリール、模型等の動作物(いわゆる「役物」等)、音出力手段としてのスピーカ、光、LEDドットマトリクス、絵ガラス、透明ELディスプレイ等を用いるようにしてもよい。なお、変動表示手段及び報知手段を一の装置により実現するようにしてもよいし、それぞれを異なる装置により実現するようにしてもよい。例えば、いわゆる「液晶パチスロ」では、液晶表示装置により変動表示手段及び報知手段を実現することができる。
【0129】
更に、本実施例のようなスロットマシンの他、パチンコ遊技機等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のスロットマシンの斜視図。
【図2】リール上に配列された図柄の例を示す図。
【図3】入賞図柄組合せに対応する役及び払出枚数を示す図。
【図4】ペナルティ期間報知画像の例を示す図。
【図5】実施例の電気回路の構成を示すブロック図。
【図6】実施例の副制御回路の構成を示すブロック図。
【図7】機能実現手段(動作部)を含むブロック図。
【図8】副制御回路が使用するテーブルを示す図。
【図9】停止制御テーブルの例を示す図。
【図10】停止制御テーブルの例を示す図。
【図11】停止制御テーブルの例を示す図。
【図12】主制御回路のメインフローチャート。
【図13】図12に続くフローチャート。
【図14】図13に続くフローチャート。
【図15】滑りコマ数決定処理を示すフローチャート。
【図16】ペナルティゲーム回数更新処理を示すフローチャート。
【図17】ペナルティ期間報知処理を示すフローチャート。
【図18】補助期間関連処理を示すフローチャート。
【図19】補助期間実行処理を示すフローチャート。
【図20】停止順序報知処理を示すフローチャート。
【図21】補助期間発生抽選処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…遊技機、2…キャビネット、2a…パネル表示部、3L,3C,3R…リール、4L,4C,4R…表示窓、5…液晶表示装置、5a…液晶表示画面、6…スタートレバー、7L,7C,7R…停止ボタン、8a…クロスダウンライン、8b…トップライン、8c…センターライン、8d…ボトムライン、8e…クロスアップライン、9a…1−BETランプ、9b…2−BETランプ、9c…最大BETランプ、10…台座部、11…1−BETスイッチ、12…2−BETスイッチ、13…最大BETスイッチ、14…C/Pスイッチ、15…メダル払出口、16…メダル受け部、17…WINランプ、18…払出表示部、19…クレジット表示部、20…ボーナス遊技情報表示部、21L,21R…スピーカ、22…メダル投入口、22S…投入メダルセンサ、23…配当表パネル、30…マイクロコンピュータ、31…CPU、32…ROM、33…RAM、34…クロックパルス発生回路、35…分周器、36…乱数発生器、37…サンプリング回路、38…I/Oポート、39…モータ駆動回路、40…ホッパー、41…ホッパー駆動回路、45…ランプ駆動回路、46…リール停止信号回路、48…表示部駆動回路、49L,49C,49R…ステッピングモータ、50…リール位置検出回路、51…払出完了信号回路、71…主制御回路、72…副制御回路、73…サブマイクロコンピュータ、74…サブCPU、75…プログラムROM、76…ワークRAM、77…INポート、78…音源IC、79…パワーアンプ、80…OUTポート、81…画像制御回路、82…画像制御CPU、83…画像制御ワークRAM、84…画像制御プログラムROM、85…INポート、86…画像ROM、87…ビデオRAM、88…画像制御IC、101…停止順序判別手段、102…内部当選役決定手段、103…許可順序決定手段、111…ペナルティゲーム回数更新手段、112…ペナルティゲーム回数カウンタ、113…ペナルティ期間報知制御手段、114…補助期間発生・終了決定手段、115…操作態様報知制御手段。
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロコンピュータ等の制御手段を備えたスロットマシン、パチンコ機その他の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、停止ボタンを備えたスロットマシン、いわゆるパチスロ機は、正面の表示窓内に複数の図柄を変動表示する回転リールを複数配列して構成した機械的変動表示装置、或いはリール上の図柄を画面に表示する電気的変動表示装置を有する。遊技者のスタート操作に応じて、制御手段が変動表示装置を駆動制御して各リールを回転させることにより、図柄を変動表示させ、一定時間後自動的に或いは遊技者の停止操作により、各リールの回転を順次停止させる。このとき、表示窓内に現れた各リールの図柄が特定の組合せ(入賞図柄)になった場合にメダル、又はコイン等の遊技媒体を払出すことで遊技者に利益を付与する。
【0003】
現在主流の機種は、複数種類の入賞態様を有するものである。特に、ある役の入賞が成立したときは、1回のメダルの払出しに終わらず、所定期間、通常の状態よりも条件の良い遊技状態となる。このような役として、遊技者に相対的に大きい利益を与えるゲームを所定回数行える役(「ビッグボーナス」と称し、以下「BB」と略記する)と、遊技者に相対的に小さい利益を与えるゲームを所定回数行える役(「レギュラーボーナス」と称し、以下「RB」と略記する)がある。
【0004】
また、現在主流の機種においては、有効化された入賞ライン(以下「有効ライン」という)に沿って所定の図柄の組合せが並び、メダル、コイン等が払出される入賞が成立するためには、内部的な抽選処理(以下「内部抽選」という)により役に当選(以下「内部当選」という)し、且つその内部当選した役(以下「内部当選役」という)の入賞成立を示す図柄組合せを有効ラインに停止できるタイミングで遊技者が停止操作を行うことが要求される。つまり、いくら内部当選したとしても、遊技者の停止操作のタイミングが悪いと内部当選役の入賞を成立させることができない。すなわち、停止操作をタイミングよく行う技術が要求される(「目押し」といわれる技術介入性の比重が高い)遊技機が現在の主流である。
【0005】
これに対し、「目押し」ができない遊技者であっても、興味を持って遊技を行うことができる遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この遊技機によれば、内部当選役が決定された後、停止制御手段は、所定の入賞役の入賞成立を許可することとなる停止操作の順番を決定する。演出制御手段は、その順番を報知するように演出手段を制御する。演出手段による報知が行われないと、遊技者は、所定の入賞役の入賞成立が許可されている停止操作の順番を知ることができないので、所定の入賞役に内部当選しているにも拘らず、その入賞を成立させることができない場合がある。一方、演出手段による報知が行われると、遊技者は、報知された停止操作の順番に従って停止操作を行うことにより確実に所定の入賞役の入賞成立を実現することができる。
【0006】
また、所定の開始条件が成立した後、所定の終了条件が成立するまでの間、演出制御手段は、所定の入賞役(特定の内部当選役)の入賞成立を許可することとなる停止操作の順番を報知するように演出手段を制御する。従って、遊技者は所定の開始条件が成立すると演出手段での報知が行われることを期待するという面白さが遊技に付加される。所定の開始条件としては、例えば、特定の遊技状態が終了し且つ所定の抽選において当選したこととする。
【0007】
このような遊技機において、所定の開始条件が成立した後、所定の終了条件が成立するまでの間の期間において遊技者が一のゲームを行うために賭けた単位遊技価値(例えば“1枚”のメダル)に対して遊技者に付与される遊技価値の期待値(いわゆる「出玉率」)を上記期間以外の期間よりも高くすることにより、上記期間の発生に対する遊技者の期待感が高まる。この期待感を増大させるためには、所定の入賞役に内部当選する確率をある程度高く設定する必要がある。この確率を高く設定すると上記期間以外の期間における出玉率も高くなってしまい、例えば、遊技店側が所望する出玉率を実現できない場合がある。他方、所定の入賞役に内部当選する確率をある程度低く設定した場合には、上記期間以外の期間における出玉率を低くすることができるが、上記期間における出玉率も低くなり、上記期待感を増大させることができない場合がある。
【0008】
そこで、例えば、複数の停止順序のうち、特定の停止順序が所定の入賞役の入賞成立が許可されることとなる停止順序として選択される確率を他の停止順序の選択確率よりも低く設定する。当該他の停止順序で停止操作が行われた場合には、上記所定の開始条件などが成立した場合であっても、上記報知が行われる期間を発生させないようにすることが考えられる。すなわち、上記特定の停止順序以外の停止順序で停止操作が行われた場合には、ペナルティとして上記報知が行われる期間の発生の可能性がない期間を設ける。これにより、出玉率(上記報知が行われる期間以外のもの)の低い特定の停止順序で停止操作を行う動機を遊技者に対して与え、上記報知の行われない期間における実際の出玉率をある程度低くすることが考えられる。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−85629号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような遊技機では、上記ペナルティとしての期間の存在を遊技者が的確に把握していない場合には、その期間において上記報知が行われる期間が発生しないことを巡るトラブルが遊技者と遊技店側の間で生じ得る。また、特に遊技内容に対する理解の浅い初心者が上記ペナルティとしての期間の存在をおそれるあまり、遊技を敬遠するおそれがある。
【0011】
本発明の目的は、遊技店側及び遊技者が安心して利用でき、面白みのある遊技機を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は、遊技者が操作するための操作手段と、所定の条件が成立したこと(例えば、後述のプラムの小役に内部当選すること)に基づいて遊技者にとって有利な状況(例えば、後述の補助期間)を発生させる機能を有し、操作手段の操作態様が所定の操作態様(例えば、停止順序が「左中右」以外であること)である場合に所定の条件が成立したときは、有利な状況を発生させない状況発生手段(例えば、後述の副制御回路72)と、所定の条件が成立しても状況発生手段が有利な状況を発生させない状態(例えば、後述のペナルティ期間)であることを報知する報知手段(例えば、後述の液晶表示装置5)とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の具体的態様では、報知手段は、上記状態が継続するゲームの回数(例えば、後述のペナルティゲーム回数)を報知することを特徴とする。
【0014】
本発明の具体的態様では、報知手段は、非遊技状態において報知を行わないことを特徴とする。
【0015】
本発明の具体的態様では、遊技に必要な図柄を複数列で変動表示する変動表示手段を備え、操作手段は、変動表示を停止させるための複数の停止ボタンであり、操作態様は、停止ボタンの操作順序であることを特徴とする。
【0016】
【作用及び効果】
本発明の遊技機では、状況発生手段は、操作手段の操作態様が所定の操作態様である場合に所定の条件が成立したときは、有利な状況を発生させない。報知手段は、所定の条件が成立しても状況発生手段が有利な状況を発生させない状態であることを報知する。従って、上記状態において所定の条件が成立したが有利な状況が発生しない場合において、その有利な状況が発生しないことを巡る遊技者と遊技店側とのトラブルを未然に防止することができる。また、上記報知により上記状態の存在が明確になり、初心者であっても安心して遊技を行うことができる。
【0017】
本発明の実施態様では、報知手段は、上記状態が継続するゲームの回数を報知する。従って、遊技者は、上記状態が継続するゲームの回数を的確に把握し、その回数に基づいて、例えば、遊技を継続するか否か、遊技を開始するか否かなどを決めることができる。また、上記状態が継続するゲームの回数が明確になるので、遊技者は安心して遊技を進めることができる。
【0018】
また、報知手段は、非遊技状態において報知を行わない。従って、非遊技状態において遊技機の稼動率が低下するおそれを排除することができる。
【0019】
また、操作手段として、変動表示を停止させるための複数の停止ボタンを採用することができる。また、操作態様として、停止ボタンの操作順序を採用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆる「パチスロ機」である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
【0021】
遊技機1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成され、その中央には縦長矩形の表示窓4L,4C,4Rが設けられる。表示窓4L,4C,4Rには、入賞ラインとして水平方向にトップライン8b,センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスダウンライン8a及びクロスアップライン8eが設けられている。これらの入賞ラインは、後述の1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの入賞ラインが有効化されたかは、後で説明するBETランプ9a,9b,9cの点灯で表示される。
【0022】
キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれた3個のリール(変動表示手段)3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられ、変動表示手段を形成している。各リールの図柄は表示窓4L,4C,4Rを通して観察できるようになっている。各リールは、定速回転(例えば80回転/分)で回転する。
【0023】
表示窓4L,4C,4Rの左側には、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、クレジット表示部19が設けられる。1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。ここで、本実施例では、一のゲームは、全てのリールが停止したときに終了する。1−BETランプ9aは、BET数が“1”で1本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。2−BETランプ9bは、BET数が“2”で3本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が“3”で全て(5本)の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。クレジット表示部19は、7セグメントLEDから成り、貯留されているメダルの枚数を表示する。
【0024】
表示窓4L,4C,4Rの右側には、WINランプ17及び払出表示部18が設けられる。WINランプ17は、BB又はRBの入賞が成立した場合に点灯し、BB又はRBに内部当選した場合に所定確率で点灯する。払出表示部18は、7セグメントLEDから成り、入賞成立時のメダルの払出枚数を表示する。
【0025】
パネル表示部2aの右側上部には、ボーナス遊技情報表示部20が設けられる。ボーナス遊技情報表示部20は、7セグメントLEDから成り、後で説明するRBゲーム可能回数及びRBゲーム入賞可能回数等を表示する。表示窓4L,4C,4Rの下方には水平面の台座部10が形成され、その台座部10と表示窓4L,4C,4Rとの間には液晶表示装置5が設けられている。この液晶表示装置5の表示画面5aには、後で説明するペナルティ期間報知画像(図4)が表示されている。
【0026】
液晶表示装置5の右側にはメダル投入口22が設けられ、液晶表示装置5の左側には、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、および最大BETスイッチ13が設けられる。1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチを操作することで、前述のとおり、所定の入賞ラインが有効化される。
【0027】
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、表示窓4L,4C,4R内での図柄の変動表示を開始(ゲームを開始)するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
【0028】
キャビネット2の上方の左右には、スピーカ21L,21Rが設けられ、その2台のスピーカ21L,21Rの間には、入賞図柄の組合せ及びメダルの配当枚数等を表示する配当表パネル23が設けられている。台座部10の前面部中央で、液晶表示装置5の下方位置には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン7L,7C,7Rが設けられている。
【0029】
ここで、本実施例では、全てのリールが回転しているときに行われるリールの停止操作(停止ボタンの操作)を「第1停止操作」、次に行われる停止操作を「第2停止操作」、「第2停止操作」の後に行われる停止操作を「第3停止操作」という。また、「第1停止操作」として左の停止ボタン7Lを操作することを「順押し」という。「第1停止操作」として中央の停止ボタン7Cを操作することを「中押し」という。「第1停止操作」として右の停止ボタン7Rを操作することを「逆押し」という。
【0030】
実施例のスロットマシン1には、3つの停止ボタン7L,7C,7Rが設けられているので、これらの操作順序(以下「停止順序」という)は“6種類”ある。そこで、これらの停止順序を次のように区別する。左の停止ボタン7Lを「左」、中央の停止ボタン7Cを「中」、右の停止ボタン7Rを「右」と略記する。そして、停止順序を示すとき、各停止ボタン7L,7C,7Rの略を、停止操作された順番で左から並べることとする。例えば、「第1停止操作」として左の停止ボタン7L、「第2停止操作」として中央の停止ボタン7C、「第3停止操作」として右の停止ボタン7Rが操作されたとき、停止順序を「左中右」と示す。なお、実施例の停止順序には、「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」及び「右中左」の“6種類”がある。
【0031】
図2は、各リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“00”〜“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図5)に格納されている。各リール3L,3C,3R上には、“青7(図柄91)”、“赤7(図柄92)”、“BAR(図柄93)”、“ベル(図柄94)”、“プラム(図柄95)”、“Replay(図柄96)”及び“チェリー(図柄97)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図2の矢印方向に移動するように回転駆動される。
【0032】
図3は、各遊技状態における入賞図柄組合せに対応する役及び払出枚数を示す。
【0033】
ここで、遊技状態とは、一般に、BB又はRBに内部当選しているか否か、BB又はRBの入賞成立が許可されているか否か、或いはBB又はRBが作動しているか否かなどによって区別するものである。なお、内部当選する可能性のある役の種類は、いわゆる確率抽選テーブルによって定まるものであるが、一般に、確率抽選テーブルは、各遊技状態毎に設けられている。すなわち、同一の遊技状態のゲームでは、内部当選する可能性のある役の種類が同一となる。ただし、「BB遊技状態」は、「BB中一般遊技状態」及び「RB遊技状態」を含むものであり、内部当選する可能性のある役の種類が異なる状態を含む。
【0034】
図3に示すように、一般遊技状態において、有効ラインに沿って“青7−青7−青7”、又は“赤7−赤7−赤7”が並んだときは、BBの入賞が成立し、15枚のメダルが払出されると共に、次のゲームの遊技状態が「BB遊技状態」となる。
【0035】
「RB遊技状態」は、「一般遊技状態」において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが“BAR−BAR−BAR”であるとき、又は「BB中一般遊技状態」において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが“Replay−Replay−Replay”であるとき(いわゆる「JAC IN」)に発生する。このとき、15枚のメダルが払出される。「RB遊技状態」は、メダルを1枚賭けることにより所定の図柄組合せ“Replay−Replay−Replay”が揃い、15枚のメダルを獲得できる役物に当たりやすい遊技状態である。1回の「RB遊技状態」において可能な最大のゲーム回数(これを「RBゲーム可能回数」という)は、12回である。また、このRB遊技状態において、入賞できる回数(これを「RBゲーム入賞可能回数」という)は、8回までである。即ち、この「RB遊技状態」は、ゲーム回数が12回に達するか、又は入賞回数が8回に達した場合に終了する。なお、BB遊技状態は、所定のゲームで第3停止操作が行われたとき、終了する。例えば、3回目のRB遊技状態の最後のゲームにおいて第3停止操作が行われたとき、BB遊技状態が終了する。
【0036】
一般遊技状態において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが“Replay−Replay−Replay”であるときは、再遊技の入賞が成立する。再遊技の入賞が成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者は、メダルを消費することなく遊技を行うことができる。
【0037】
一般遊技状態又はBB中一般遊技状態において、有効ラインに沿って図柄組合せ“ベル−ベル−ベル”が並ぶことにより、「ベルの小役」の入賞が成立する。「ベルの小役」に内部当選したとき、入賞が成立するか否かは、後述のテーブル番号と、遊技者の停止ボタン7L,7C,7Rの停止順序により決定される。具体的には、“6種類”の停止順序のうち、テーブル番号に対応した一の停止順序(入賞成立が許可される停止順序であり、以下「許可順序」という)で停止操作を行った場合にのみ、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並び、ベルの小役の入賞が成立する。その他の“5種類”の停止順序のいずれかで停止操作を行った場合には、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0038】
ここで、一般遊技状態では、“6種類”の各停止順序が「許可順序」と決定される確率に偏りを持たせるようにしている。具体的には、「ベルの小役」に内部当選したゲームでは、“0”〜“255”の範囲から抽出された乱数値に基づいて、「左中右」が「許可順序」と決定される確率が“11/256”、「左中右」以外の各々の停止順序が「許可順序」と決定される確率が“49/256”となるようにしている。
【0039】
また、実施例の遊技機1は、「左中右」以外の停止順序で停止操作を行った場合、遊技者が一のゲームを行うために賭けた単位遊技価値(“1枚”のメダル)に対して遊技者に付与される遊技価値の期待値が“1”を超えないように設計されている。すなわち、「左中右」以外の停止順序で停止操作を継続して行った場合のいわゆる「機械割」が“100%”を超えないように設計されている。また、補助期間以外の一般遊技状態において「左中右」で停止操作を継続して行った場合の上記期待値は、「左中右」以外の停止順序で停止操作を継続して行った場合と比べて高くなるように設計されている。
【0040】
また、一般遊技状態及びBB中一般遊技状態では、「プラムの小役」、「BARの小役」、及び「チェリーの小役」の入賞成立を実現することが可能であるが、その払出枚数は図示のとおりである。「プラムの小役」に内部当選する確率は、例えば“1/700”である。
【0041】
「一般遊技状態」では、「ベルの小役」に内部当選したとき、「許可順序」が報知される期間(以下「補助期間」という)が設けられる。この期間において「ベルの小役」に内部当選したとき、遊技者は、報知に従って停止操作を行うことにより、確実に入賞成立を実現することができる。補助期間は、連続する複数回(実施例では、“10回”)のゲームにより構成される。“1回”の補助期間では、“約100枚”のメダルを獲得することができる。このように、補助期間は、情報報知に従うことにより「ベルの小役」の入賞成立を実現可能であり、遊技者にとって有利な状況である。
【0042】
補助期間の発生条件は、基本的に「プラムの小役」に内部当選することである。この発生条件が成立した場合には、後で図8(1)を参照して説明する補助期間発生回数決定テーブルに基づいて、補助期間の発生回数として“1回”以上が選択される。この補助期間の発生回数は、上記発生条件の成立と略同時期に決定される。そして、上記発生条件が成立した後、実際に補助期間を発生(発動(顕在化))させるか否かは、補助期間発生抽選処理(後述の図21)で決定される。上記発生条件の成立後、補助期間が発生する可能性のある期間(具体的には、一般遊技状態において、後述の発生回数貯留カウンタの値が“1以上”であり、且つ補助期間でない期間)を、以下「潜伏期間」という。
【0043】
また、「一般遊技状態」では、補助期間の他に「ペナルティ(罰則)期間」が設けられる。「ペナルティ期間」とは、「一般遊技状態」において「プラムの小役」に内部当選した場合でも補助期間の発生回数を決定するための抽選が行われない期間をいう。この「ペナルティ期間」の発生条件は、「一般遊技状態(補助期間を除く)」において「左中右」以外の停止順序で停止操作を行うことである。また、その「終了条件」は、基本的に上記発生条件が成立した後、“5回”のゲームが終了することである。「ペナルティ期間」が終了するまでに必要なゲームの回数を、以下「ペナルティゲーム回数」という。なお、「一般遊技状態」では、「ペナルティ期間」及び「補助期間」の両方が発生した状態が生じ得る。また、後述のペナルティゲーム回数カウンタ112の値が“1以上”である一般遊技状態が「ペナルティ期間」である。「ペナルティ期間」の存在により、遊技者は、より多くのメダルの獲得を目的として「左中右」で停止操作を行い、「補助期間」が発生することに期待して遊技を進めることとなる。
【0044】
図4は、ペナルティ期間報知画像を示す。この画像は、遊技者に対してペナルティ期間中であること、ペナルティゲーム回数、ペナルティ期間の内容、ペナルティ期間の発生条件などを報知することを目的として表示される。具体的には、「ペナルティ期間(残り3ゲーム)中です。プラムの小役に当選しても、補助期間は発生しません。(補助期間以外において「左中右」で停止ボタンを操作しない場合、ペナルティ期間が発生します。)」という文章が表示画面5aに表示される。
【0045】
ペナルティ期間報知画像を表示することにより、「プラムの小役」の入賞が成立したにも拘らず補助期間が発生しないという状況を巡る遊技者と遊技店側のトラブルの発生を未然に防止することができる。また、遊技機1から払い出されたメダルの枚数よりも遊技を行うために賭けたメダルの枚数の方が大きい遊技者(負けが大きい遊技者)、継続して長時間遊技を行っている遊技者などは、「左中右」で停止操作を行うことに対する注意力が散漫になりがちである。そのような場合にもペナルティ報知画像を表示することにより、「左中右」以外の停止順序で停止操作を行った遊技者に対してその事実を認識させ、注意を喚起することができる。また、ペナルティゲーム回数を報知することにより、遊技者は、ペナルティ期間の終了条件を把握し、安心して遊技を開始したり継続することができる。また、「ペナルティ期間中であること」及び「ペナルティ期間の内容」とともに、「ペナルティ期間の発生条件」を報知することにより、特に初心者であっても遊技内容を容易に認識し、安心して遊技を楽しむことができる。
【0046】
図5は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置5及びスピーカ21L,21Rを制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
【0047】
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
【0048】
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわちCPU31の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
【0049】
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止制御テーブル、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。このコマンドには、「デモ表示コマンド」、「スタートコマンド」、「全リール停止コマンド」、「入賞役コマンド」等がある。これらのコマンドについては後で説明する。なお、副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。
【0050】
図5の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各種ランプ(1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、WINランプ17)と、各種表示部(払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部20)と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出す遊技価値付与手段としてのホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
【0051】
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路45、及び各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がI/Oポート38を介してCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
【0052】
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、投入メダルセンサ22S、リール停止信号回路46、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。これらも、I/Oポート38を介してCPU31に接続されている。
【0053】
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。投入メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
【0054】
図5の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数及びROM32内に格納されている確率抽選テーブルに基づいて、内部当選役が決定される。内部当選役が決定された後、「停止制御テーブル」を選択するために再び乱数のサンプリングが行われる。
【0055】
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
【0056】
上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブルが、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
【0057】
更に、ROM32内には、入賞図柄組合せテーブルが格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表わす入賞判定コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの停止制御時、及び全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
【0058】
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)により内部当選した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路46から送られる操作信号、及び選択された「停止制御テーブル」に基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
【0059】
内部当選した役の入賞成立を示す停止態様となれば、CPU31は、払出し指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出しを行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、「メダルの払出し処理」を終了する。
【0060】
図6は、副制御回路72の構成を示す。副制御回路72は、主制御回路71からの制御指令(コマンド)に基づいて液晶表示装置5の表示制御及びスピーカ21L,21Rからの音の出力制御を行う。この副制御回路72は、主制御回路71を構成する回路基板とは別の回路基板上に構成され、マイクロコンピュータ(以下「サブマイクロコンピュータ」という)73を主たる構成要素とし、液晶表示装置5の表示制御手段としての画像制御回路81、スピーカ21L,21Rにより出音される音を制御する音源IC78、及び増幅器としてのパワーアンプ79で構成されている。
【0061】
サブマイクロコンピュータ73は、主制御回路71から送信された制御指令に従って制御動作を行うサブCPU74と、記憶手段としてのプログラムROM75と、ワークRAM76とを含む。副制御回路72は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、サブCPU74の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。この乱数サンプリングにより、補助期間の発生等が決定される。サブCPU74は、後で図7を参照して説明するペナルティゲーム回数カウンタ112、発生回数貯留カウンタ、及び補助期間ゲーム回数カウンタを備える。発生回数貯留カウンタは、補助期間の発生回数を記憶する。補助期間ゲーム回数カウンタは、一の補助期間におけるゲーム回数に関する情報を記憶するものであり、このカウンタの値が“1以上”であるとき、補助期間である。プログラムROM75は、サブCPU74で実行する制御プログラムを格納する。ワークRAM76は、上記制御プログラムをサブCPU74で実行するときの一時記憶手段として構成される。
【0062】
画像制御回路81は、画像制御CPU82、画像制御ワークRAM83、画像制御プログラムROM84、画像ROM86、ビデオRAM87及び画像制御IC88で構成される。画像制御CPU82は、サブマイクロコンピュータ73で設定されたパラメータに基き、画像制御プログラムROM84内に格納する画像制御プログラムに従って液晶表示装置5での表示内容を決定する。画像制御プログラムROM84は、液晶表示装置5での表示に関する画像制御プログラムや各種選択テーブルを格納する。画像制御ワークRAM83は、上記画像制御プログラムを画像制御CPU82で実行するときの一時記憶手段として構成される。画像制御IC88は、画像制御CPU82で決定された表示内容に応じた画像を形成し、液晶表示装置5に出力する。画像ROM86は、画像を形成するためのドットデータを格納する。ビデオRAM87は、画像制御IC88で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0063】
次に、図7を参照して、遊技機1の機能を実現するために必要な主制御回路71及び副制御回路72の機能実現手段(動作部)を含むブロック図について説明する。
【0064】
主制御回路71は、
リール停止信号回路46からの入力信号に基づいて各ゲームにおける停止順序を判別(後述の図16のST65)する停止順序判別手段101、
スタートスイッチ6Sからの入力信号、遊技状態などに基づいて内部当選役を決定(後述の図13のST14)する内部当選役決定手段102、
内部当選役決定手段102の決定結果に基づいて許可順序を決定する許可順序決定手段103
を備える。
【0065】
副制御回路72は、
停止順序判別手段101の判別結果、後述の補助期間発生・終了決定手段114により決定された内容などに基づいて後述のペナルティゲーム回数カウンタ112に格納(記憶)された情報を更新(後述の図16)するペナルティゲーム回数更新手段111、
ペナルティゲーム回数の情報を格納するペナルティゲーム回数カウンタ112、
ペナルティゲーム回数カウンタ112に格納された情報に基づいてペナルティ期間報知画像を表示(ペナルティ期間を報知)するように液晶表示装置5を制御(後述の図17)するペナルティ期間報知制御手段113、
内部当選役決定手段102の決定結果及びペナルティゲーム回数カウンタ112に格納された情報などに基づいて補助期間の発生(発動を含む)、終了、潜伏、発生回数などの決定(後述の図18〜図21)を行う補助期間発生・終了決定手段114、
許可順序決定手段103及び補助期間発生・終了決定手段114の決定結果に基づいて許可順序を報知するように液晶表示装置5を制御(後述の図20)する操作態様報知制御手段115
を備える。
【0066】
図8は、主制御回路71の制御処理に用いられるテーブルを示す。
【0067】
初めに、図8(1)を参照して、補助期間発生回数決定テーブルについて説明する。図8(1)に示すテーブルでは、補助期間の発生回数である“1回”、“2回”、“5回”、“10回”及び“30回”に当選となる乱数範囲が定められている。この補助期間発生回数決定テーブルは、後述の図18の処理で使用される。
【0068】
次に、図8(2)を参照して、補助期間発生抽選テーブルについて説明する。
【0069】
図8(2)に示すテーブルでは、補助期間の「発生」及び「潜伏」に当選となる乱数範囲が定められている。補助期間の「発生」に当選した場合には、そのゲームにおいて「補助期間」が発生する。他方、「潜伏」に当選した場合には、「潜伏期間」が発生又は継続することとなる。
【0070】
次に、図9、図10及び図11を参照して、ベルの小役に内部当選したときに使用される停止制御テーブルについて説明する。
【0071】
「停止制御テーブル」には、各リール3L,3C,3Rの「停止操作位置」と「停止制御位置」とが示されている。「停止操作位置」は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられた停止ボタン7L,7C,7Rが操作されたとき、センターライン8cに位置していた図柄(具体的には、図柄の中心がセンターライン8cの上方に位置し、その中心がセンターライン8cの位置に最も近い図柄)のコードナンバーを表わす。「停止制御位置」とは、停止操作が行われたリールが停止したとき、センターライン8cの位置に停止表示される図柄のコードナンバーを表わす。ここで、本実施例では、いわゆる「滑りコマ数」を最大“4コマ”としている。例えば、右のリール3Rの回転中において、コードナンバー“12”の“チェリー(図2の図柄97)”がセンターライン8cの位置に到達したとき、停止ボタン7Rが操作された場合、コードナンバー“08”の“青7(図2の図柄91)”をセンターライン8cの位置に停止表示するように右のリール3Rを停止制御することができる。
【0072】
図9は、当り用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並び、ベルの小役の入賞が成立するようにリールを停止制御する際に使用される。
【0073】
図9において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー“03”,“08”,“11”,“15”又は“19”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“ベル”である。
【0074】
図9において、中央のリール3Cの「停止制御位置」は、コードナンバー“03”,“07”,“11”,“15”又は“19”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“ベル”である。
【0075】
図9において、右のリール3Rの「停止制御位置」は、コードナンバー“01”,“05”,“10”,“14”又は“18”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“ベル(図柄94)”である。
【0076】
以上のように、図9に示す当り用停止制御テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、センターライン8cの位置、すなわち表示窓4L,4C,4R内の中央の位置に“ベル”が停止表示され、入賞が成立することとなる。
【0077】
図10は、順押し・中押しはずれ用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並ばないように(ベルの小役の入賞が不成立となるように)リールを停止制御する際に使用される。ここで、左のリール3L及び中央のリール3Cの停止操作位置に対する停止制御位置は、図9に示すものと同じである。
【0078】
図10において、右のリール3Rの「停止制御位置」は、コードナンバー“02”,“06”,“11”,“15”又は“19”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“Replay(図柄96)”である。
【0079】
以上のように、図10に示す順押し・中押しはずれ用停止制御テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、表示窓4L,4C内の中央の位置に“ベル”が停止表示され、表示窓4R内の中央の位置に“Replay”が停止表示されるので、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0080】
図11は、逆押しはずれ用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並ばないように(ベルの小役の入賞が不成立となるように)リールを停止制御する際に使用される。ここで、中央のリール3C及び右のリール3Rの停止操作位置に対する停止制御位置は、図9に示すものと同じである。
【0081】
図11において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー“04”,“09”,“12”,“17”又は“20”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“Replay(図柄96)”である。
【0082】
以上のように、図11に示す逆押しはずれ用停止制御テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、左の表示窓4L内の中央の位置に“Replay”が停止表示され、表示窓4C,4R内の中央の位置に“ベル”が停止表示されるので、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0083】
ここで、実施例では、前述のように停止順序として“6種類”を採用し、許可順序で停止操作が行われたときにのみ、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並び、入賞が成立するようにしている。このため、第2停止操作が行われたときに、“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並ぶか否かが確定する場合がある。例えば、テーブル番号として“1(対応する許可順序は「左中右」)”が採用され、第1停止操作として左のリール3Lが操作された場合である。すなわち、第1停止操作が行われた場合、必ずしも“ベル−ベル−ベル”が有効ラインに沿って並ぶか否かが明らかではない場合がある。また、実施例では、“ベル−ベル−ベル”は、必ずセンターライン8cに沿って並ぶこととしている。そこで、実施例では、図10及び図11に示すように、2つのはずれ用の停止制御テーブルを使用することとしている。なお、テーブル番号が“2”、“3”、“4”、“5”、又は“6”の場合には、許可順序は、各々「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」、又は「右中左」となる。
【0084】
次に、主制御回路71のCPU31の制御動作について、図12〜図14に示すメインフローチャートを参照して説明する。
【0085】
初めに、CPU31は、遊技開始時の初期化を行う(ステップ[以下、STと表記する]1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いてゲーム終了時のRAM33の記憶内容を消去する(ST2)。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。次に、前回のゲーム終了後、すなわち全リール3L,3C,3R停止後から所定時間(例えば、30秒)経過したか否かを判別する(ST3)。この判別が“YES”のときは、副制御回路72に対し、「デモ画像」の表示を要求する「デモ表示コマンド」を送信する(ST4)。「デモ画像」とは、遊技機1が客待ちの状態(非遊技状態)の場合に、その状態を報知するとともに、遊技者に遊技を開始してもらうための演出表示としての機能を有する画像である。
【0086】
次に、CPU31は、メダルの自動投入の要求があるか、すなわち前回のゲームで再遊技(リプレイ)の入賞が成立したか否かを判別する(ST5)。この判別が“YES”のときは、投入要求分のメダルを自動投入し(ST6)、ST8の処理に移る。ST5の判別が“NO”のときは、投入メダルセンサ22S又はBETスイッチ11,12,13からの入力があるか否かを判別する(ST7)。この判別が“YES”のときは、ST8の処理に移り、“NO”のときは、ST3の処理に移る。
【0087】
次に、CPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する(ST8)。この判別が“YES”のときは前回のゲームが開始してから“4.1”秒経過しているか否かを判別し(ST9)、この判別が“YES”のときはST11の処理に移り、“NO”のときはST10の処理に移る。ST10の処理では、「ゲーム開始待ち時間消化処理」を行う。具体的には、前回のゲームが開始してから“4.1”秒経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
【0088】
次に、CPU31は、リールの回転処理を行い(ST11)、同時に抽選用の乱数を抽出し(ST12)、1ゲーム監視用タイマをセットする(ST13)。ST12の処理で抽出した乱数は、後で説明する確率抽選処理において使用される。ST13の処理の1ゲーム監視用タイマには、遊技者の停止ボタンの停止操作によらずに自動的にリールを停止させるための自動停止タイマが含まれる。
【0089】
図13のST14の処理では、CPU31は、上記ST12の処理において抽出した乱数値に基づいて確率抽選処理を行う。この確率抽選処理は、遊技状態に応じて確率抽選テーブルを使用し、乱数値がどの役の乱数値範囲に属するか否かを判別し、内部当選役(成立フラグ)を決定するものである。次に、リール3L,3C,3Rの停止制御に使用するテーブル番号(許可順序)を決定する(ST15)。具体的には、テーブル番号“1”〜“6”の各々に、予め乱数範囲が割り当てられている。“0”〜“127”の範囲から抽出した乱数値が、いずれのテーブル番号の乱数範囲に含まれているかどうかを判別し、テーブル番号を決定する。
【0090】
次に、「スタートコマンド」を副制御回路72へ送信する(ST16)。「スタートコマンド」は、内部当選役及びテーブル番号(許可順序)の情報を含み、後述の図18のST81の処理で使用される。続いて、「メイン側演出選択処理」を行う(ST17)。この「メイン側演出選択処理」では、副制御回路72が直接的に制御する液晶表示装置5における演出に関連する事項を決定する。例えば、全てのリールが停止した後に、表示画面5a上で継続して行われる演出の時間(以下「演出時間」という)を決定する。続いて、CPU31は、停止ボタンが“オン”かどうかを判別する(ST18)。具体的には、いずれかの停止ボタンが操作されたかどうかを判別する。この判別が“YES”のときは、ST20の処理に移り、“NO”のときは、ST19の処理に移る。ST19の処理では、自動停止タイマの値が“0”であるか否かを判別し、この判別が“YES”のときは、ST20の処理に移り、“NO”のときは、ST18の処理に移る。
【0091】
ST20の処理では、CPU31は、後で図15を参照して説明する滑りコマ数決定処理を行う。続いて、滑りコマ数分、停止操作された停止ボタンに対応するリールを回転させてから停止させる(ST21)。ここで、「滑りコマ数」は、停止ボタンが操作された後、リールが停止するまでの間に移動した図柄の数を示す。また、「滑りコマ数」は、停止ボタンが操作されたとき、所定の入賞ラインに位置していた図柄のコードナンバーと、実際にリールが停止したときに、その入賞ラインに停止した図柄のコードナンバーとの差の絶対値により表わされる。この「滑りコマ数」は、「引き込み数」と称されることもある。
【0092】
ST22の処理では、CPU31は、全てのリールが停止したかどうかを判別し、この判別が“YES”のときは、ST23の処理に移り、“NO”のときは、ST18の処理に移る。ST23の処理では、全てのリールが停止したことを示す「全リール停止コマンド」を送信し、図14のST24の処理に移る。
【0093】
図14のST24の処理では、CPU31は入賞検索を行う。入賞検索とは、表示窓4L,4C,4Rの図柄の停止態様に基づいて入賞役(入賞が成立した役)を識別するための入賞フラグをセットすることである。具体的には、センターライン8cに沿って並ぶ図柄のコードナンバー及び入賞判定テーブルに基づいて入賞役を識別する。続いて、入賞フラグが正常であるか否かを判別する(ST25)。この判別が“NO”のときはイリーガルエラーの表示を行う(ST26)。この場合、遊技は中止となる。ST25の判別が“YES”のときは、遊技状態に応じてメダルのクレジット、又は払出しを行う(ST27)。続いて、入賞役及びメダルの払出し枚数を示す「入賞役コマンド」を送信し(ST28)、「ロック時間処理」を行う(ST29)。この「ロック時間処理」では、全リールが停止した後、「演出時間」が経過するまでの間、次のゲームを開始するための操作を無効とする。具体的には、スタートレバー6の操作を無効とする。続いて、CPU31は、「WINランプ点灯処理」を行い(ST30)、一のゲームが終了したことを示す「1ゲーム終了コマンド」を送信する(ST31)。「WINランプ点灯処理」においては、所定の条件下で、「演出時間」経過後WINランプ17を点灯させる処理を行う。
【0094】
次に、BB遊技状態又はRB遊技状態であるか否かを判別する(ST32)。この判別が“YES”のときは、BB又はRBの「遊技数チェック処理」を行う(ST33)。この「遊技数チェック処理」では、RB遊技状態が発生した回数、BB中一般遊技状態のゲーム回数、RB遊技状態における入賞回数、及びRB遊技状態におけるゲーム回数をチェックする。
【0095】
次に、BB遊技状態又はRB遊技状態の終了時であるか否かを判別する(ST34)。具体的には、RB遊技状態において入賞回数が8回又はゲーム回数が12回であるか、又はBB中一般遊技状態においてゲーム回数が30回であるか否かを判別する。ST34の判別が“YES”のときは、BB遊技状態又はRB遊技状態の終了時のRAM33をクリアする(ST35)。続いて、「ボーナス終了コマンド」を副制御回路72へ送信する(ST36)。続いて、ST2の処理に移る。
【0096】
次に、図15を参照して、主制御回路71の滑りコマ数決定処理について説明する。
【0097】
初めに、CPU31は、現在の遊技状態が一般遊技状態であるか否かを判別する(ST41)。この判別が“YES”のときは、ST42の処理に移り、“NO”のときは、ST43の処理に移る。ST42の処理では、内部当選役が「ベルの小役」であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST44の処理に移り、“NO”のときは、ST43の処理に移る。ST43の処理では、内部当選役、遊技状態、停止順序、停止操作位置等に基づいて滑りコマ数を決定する。
【0098】
一般遊技状態で「ベルの小役」に内部当選した場合には、ST44の処理において、図13のST18の停止操作が第1停止操作であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST45の処理に移り、“NO”のときは、ST50の処理に移る。ST45の処理では、図13のST15の処理で決定したテーブル番号、及び第1停止操作が行われた停止ボタンに基づいて、「ベルの小役」の入賞成立の可能性があるかどうかを判別する。例えば、テーブル番号として“1”が選択されている場合、第1停止操作として左の停止ボタン7Lが操作された場合には、ST45の判別は、“YES”となる。他方、第1停止操作として中央又は右の停止ボタン7C、7Rが操作された場合には、ST45の判別は、“NO”となる。ST45の判別が“YES”のときは、ST46の処理に移り、“NO”のときは、ST47の処理に移る。
【0099】
ST46の処理では、当り用停止制御テーブル(図9)、操作された停止ボタンに対応するリール、及び停止操作位置に基づいて滑りコマ数を決定する。例えば、左の停止ボタンが操作され、停止操作位置が“07”であるとき、滑りコマ数は、“4”と決定される。ここで、当り用停止制御テーブルを使用して停止制御を行うのは、ST45の判別が“YES”であり、ベルの小役の入賞成立の可能性があるためである。なお、前述のように、ベルの小役の入賞の成否が確定するのは、第2停止操作が行われたときである。従って、後述のように、ST46の処理の後、はずれ用の停止制御テーブル(図10、図11)が使用される場合がある。
【0100】
ST47の処理では、第1停止操作により、順押し又は中押しが行われたかどうかを判別する。この判別が“YES”のときは、ST48の処理に移り、“NO”のときは、ST49の処理に移る。ST48の処理では、順押し・中押しはずれ用の停止制御テーブル(図10)、操作された停止ボタンに対応するリール、及び停止操作位置に基づいて滑りコマ数を決定する。ここで、図10に示す停止制御テーブルでは、左及び中央のリール3L、3Cの停止制御位置は、全て“ベル”を示す。従って、第1停止操作によりベルの小役の入賞成立の可能性がない場合(ST45の判別が“NO”)であっても、“ベル−ベル−ベル”が並び、その入賞が成立することに対する遊技者の期待感を保つことができる。
【0101】
ST49の処理では、逆押しはずれ用の停止制御テーブル(図11)、操作された停止ボタンに対応するリール、及び停止操作位置に基づいて滑りコマ数を決定する。ここで、図11に示す停止制御テーブルでは、右のリール3Rの停止制御位置は、全て“ベル”を示す。従って、ST48の場合と同様に、第1停止操作によりベルの小役の入賞成立の可能性がない場合であっても、“ベル−ベル−ベル”が並び、その入賞が成立することに対する遊技者の期待感を保つことができる。
【0102】
図13のST18の操作が第1停止操作でない場合(ST44の判別が“NO”)、すなわち第2又は第3停止操作の場合には、ST50の処理において、「ベルの小役」の入賞成立が確定しているかどうかを判別する。「ベルの小役」の入賞成立が確定している場合とは、ST45の判別が“YES”であり、且つテーブル番号が“1,6”で、第2停止操作として中央の停止ボタン7Cが操作された場合、テーブル番号が“2,4”で、第2停止操作として右の停止ボタン7Rが操作された場合、又はテーブル番号が“3,5”で、第2停止操作として左の停止ボタン7Lが操作された場合である。ST50の判別が“YES”のときは、ST46の処理に移り、“NO”のときは、ST47の処理に移る。
【0103】
次に、図16〜図21を参照して、副制御回路72の制御処理について説明する。
【0104】
図16を参照して、ペナルティゲーム回数更新処理について説明する。
【0105】
初めに、サブCPU74は、全リール停止コマンドを受信したか否かを判別する(ST61)。この判別が“YES”のときは、ST62に移る。ST62では、ペナルティゲーム回数カウンタ112の値が“1”以上であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST63に移り、“NO”のときは、ST64に移る。ST63では、ペナルティゲーム回数カウンタ112の値を“1”減算し、ST64に移る。ST64では、補助期間中であるか否かを判別する。具体的には、補助期間ゲーム回数カウンタの値が“1”以上であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST61に移り、“NO”のときは、ST65に移る。ST65では、停止順序が「左中右」であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST61に移り、“NO”のときは、ST66に移る。ST66では、ペナルティゲーム回数カウンタの値に“5”加算し、ST61に移る。なお、ST66では、“5”を加算するようにしているが、その加算前のペナルティゲーム回数カウンタの値に拘らず、ペナルティゲーム回数として“5”をセットするようにしてもよい。これにより、ペナルティゲーム回数の上限が“5”となり、遊技者は安心して遊技を開始することができる。
【0106】
ここで、補助期間を発生させる機能は、「ベルの小役」に内部当選したゲームにおいて、その入賞成立が実現する「許可順序」を報知し、遊技者にメダルを獲得する機会を与えることにより遊技の面白みを増大させることを目的として設けられている。従って、報知される「許可順序」が「左中右」以外の場合が多く、補助期間において「左中右」以外の停止順序が行われたことに基づいてペナルティ期間が発生する場合には、補助期間及び補助期間の終了後において「プラムの小役」に内部当選しても補助期間が発生しないという事態が生じ得る。すなわち、遊技者にとって有利な「補助期間」を発生させる機能を備えているにも拘らず、その発生後において「補助期間」が発生しないという遊技者にとって不利な状況が発生し、「補助期間」を発生させる機能を設けた意義が失われるおそれがある。そこで、ST64の判別を行うことにより、補助期間中においてST66を行わないようにしている。
【0107】
次に、図17を参照して、ペナルティ期間報知処理について説明する。
【0108】
初めに、サブCPU74は、ペナルティゲーム回数カウンタ112の値が“1”以上であるか否か、すなわちペナルティ期間であるか否かを判別する(ST71)。この判別が“YES”のときは、ST72に移る。ST72では、ペナルティゲーム回数カウンタ112の値に基づいてペナルティ期間報知画像を表示するように画像制御回路81を制御する。続いて、デモ表示コマンドを受信したか否かを判別する(ST73)。この判別が“YES”のときは、ST74に移り、“NO”のときは、ST76に移る。
【0109】
ST74では、ペナルティ期間報知画像の表示を中断し、デモ画像を表示するように画像制御回路81を制御する。続いて、スタートコマンドを受信したか否か、すなわち遊技者がゲームを開始し、客待ちの状態を脱したか否かを判別する(ST75)。この判別が“YES”のときは、ST72に移る。ST76では、ペナルティゲーム回数カウンタ112の値が“0”であるか否か、すなわちペナルティ期間が終了したか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST77に移り、“NO”のときは、ST72に移る。ST77では、ペナルティ期間報知画像の表示を終了するように画像制御回路81を制御し、ST71に移る。
【0110】
ここで、遊技機1が客待ちの状態にあるときにペナルティ期間報知画像を表示した場合には、遊技者が遊技の開始を躊躇し、遊技機1の稼動率が低下するおそれがある。そこで、ST73の判別を行い、客待ちの状態では、ペナルティ期間報知画像に代えてデモ画像を表示するようにしている。
【0111】
次に、図18を参照して、補助期間関連処理について説明する。
【0112】
初めに、サブCPU74は、スタートコマンドを受信したか否かを判別する(ST81)。この判別が“YES”のときは、ペナルティゲーム回数カウンタ112の値が“1”以上であるか否かを判別する(ST82)。この判別が“YES”のときは、ST87に移り、“NO”のときは、ST83に移る。ST83では、「プラムの小役」に内部当選したか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST84に移り、“NO”のときは、ST87に移る。ST84では、補助期間発生回数決定テーブル(図8(1))をセットする。続いて、乱数抽選を行う(ST85)。具体的には、補助期間発生回数決定テーブル、及び“0”〜“16383”の範囲から抽出した乱数値に基づいて補助期間の発生回数を決定する。次に、上記抽選結果に基づいて発生回数貯留カウンタに発生回数を加算し(ST86)、ST87に移る。ST87では、後で図19を参照して説明する補助期間実行処理を行い、ST81に移る。
【0113】
次に、図19を参照して、補助期間実行処理について説明する。
【0114】
初めに、サブCPU74は、補助期間ゲーム回数カウンタの値が“1”以上であるか否か、すなわち現在補助期間であるか否かを判別する(ST91)。ここで、補助期間ゲーム回数カウンタの値は、後述の図21のST113の処理で“10”にセットされ、後述の図20のST101の処理で“1”減算される。ST91の判別が“YES”のときは、ST92の処理に移り、“NO”のときは、ST93の処理に移る。ST92の処理では、後で図20を参照して説明する停止順序報知処理を行い、図18のST81の処理に移る。ST93の処理では、発生回数貯留カウンタの値が“1”以上であるか否か、すなわち潜伏期間であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST94の処理に移り、“NO”のときは、図18のST81の処理に移る。ST94の処理では、後で図21を参照して説明する補助期間発生抽選処理を行い、図18のST81の処理に移る。
【0115】
次に、図20を参照して、停止順序報知処理について説明する。
【0116】
初めに、補助期間ゲーム回数カウンタの値を“1”減算する(ST101)。続いて、内部当選役がベルの小役であるか否かを判別する(ST102)。この判別が“YES”のときは、ST103の処理に移り、“NO”のときは、図18のST81の処理に移る。ST103の処理では、テーブル番号に基づいて許可順序を報知するように画像制御回路81を制御し、図18のST81の処理に移る。ここで、ST103の処理の結果、表示画面5aには、例えば「中右左の順番で停止ボタンを操作することによりベルの小役の入賞が成立します。」という文章が表示される。
【0117】
次に、図21を参照して、補助期間発生抽選処理について説明する。
【0118】
初めに、サブCPU74は、補助期間発生抽選テーブル(図8(2))に基づいて乱数抽選を行う(ST111)。具体的には、“0”〜“255”の範囲から乱数を抽出し、その乱数値に基づいて「発生」又は「潜伏」のいずれかを当選とする。次に、発生に当選か否かを判別する(ST112)。この判別が“YES”のときは、ST113の処理に移り、“NO”のときは、図18のST81の処理に移る。ST113の処理では、補助期間の発生に当選したことから補助期間ゲーム回数カウンタに“10”をセットし、ST114の処理に移る。ST114の処理では、発生回数貯留カウンタの値を“1”減算し、図18のST81の処理に移る。
【0119】
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0120】
実施例では、遊技者は、補助期間以外の期間においても「左中右」以外の停止順序(所定の操作態様)で停止操作を行うことができるようにしているが、これに限られるものではない。具体的には、補助期間以外の期間において、特定の操作態様(例えば、「左中右」)以外の操作態様(所定の操作態様)で操作手段が操作された場合の操作手段からの入力信号を無効とし、ペナルティ期間のような遊技者にとって不利な期間を設ける必要性をなくすこともできる。例えば、補助期間以外の期間において、第1停止操作に対応する中央又は右の停止ボタン7C,7Rの押圧操作に基づく入力信号と、第2停止操作に対応する左又は右の停止ボタン7L,7Rの押圧操作に基づく入力信号を無効とすることもできる。この場合、遊技者は、補助期間以外の期間において「左中右」以外の停止順序で停止操作を行うことができないので、ペナルティ期間を設けないようにすることができる。このような実施態様は、いわゆる「ゲームセンター」に設置される遊技機に好適である。
【0121】
実施例では、停止ボタン(操作手段)の操作態様として「停止順序」を採用しているが、これに限られるものではない。例えば、停止ボタンの「操作タイミング」或いは「停止順序及び操作タイミングの組合せ」を採用することもできる。また、停止ボタンの操作態様として「操作回数」、「操作時間」などを採用するこができる。
【0122】
実施例では、所定の操作態様として「左中右」を採用しているが、これに限られず、任意の操作態様を採用することができる。例えば、「順押し」、「中押し」、「逆押し」など、任意の操作態様を所定の操作態様として採用することができる。また、実施例では、「許可順序」の数を一つとしているが、これに限られるものではない。例えば、複数の操作順序を「許可順序」として採用することもできる。また、実施例では、所定の条件として「プラムの小役に内部当選すること」を採用しているが、これに限られるものではない。例えば、所定の役の入賞が成立することなど、任意の条件を採用することができる。
【0123】
実施例では、「遊技者にとって有利な状況」として「補助期間」を採用しているが、これに限られるものではない。例えば、「基本的に遊技者の操作タイミングのみに基づいてリールの停止制御(いわゆる「無制御」)が行われる、すなわち停止操作位置と停止制御位置が一致することとなる状況(いわゆる「チャレンジタイム(CT)」)」、「有効ラインに沿って並ぶことを許可された図柄組合せが報知される状況」、「シングルボーナスの入賞(或いは内部当選)が成立しやすい状況(S・B高確率状態)」、「所定の役(例えば、BB、RB、小役、或いは再遊技等)の入賞(或いは内部当選)が成立しやすい状況(例えば、いわゆる「小役の集中」)」等を採用することもできる。このような場合、状況発生手段を適宜主制御回路71側に設けることができる。また、所定の役としてBB、RB、シングルボーナス等、任意の役を用いることができる。
【0124】
また、遊技者にとって有利な状況として「所定の役(例えば、入賞成立に基づいて遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるBB或いはRB)の入賞成立が許可される状況」を採用することもできる。具体的には、所定の役の入賞成立を実現可能な回数の情報を格納する入賞可能回数格納手段を設け、この入賞可能回数格納手段に格納された情報が示す回数が“1”以上であるとき、所定の役の入賞成立を「許可する状況(期間)」と「許可しない状況」を設ける。この「許可する状況」では、遊技者による停止ボタンの操作態様(操作タイミング或いは操作順序)に応じて所定の役の入賞成立が実現する(所定の役の「引込み制御」を行う)。「許可しない状況」では、操作態様に拘らず入賞が不成立となる。この「許可しない状況」として再遊技に内部当選する確率の高い状況を用いることができる。この場合、内部当選した再遊技の「蹴飛ばし制御」を一定の確率で行うこともできる。許可しない状況から許可する状況への移行条件は、ゲーム回数の条件、乱数抽選の条件、内部当選役の条件等、任意の条件を採用することができる。また、入賞可能回数格納手段は、例えば所定の役に内部当選した回数から所定の役の入賞が成立した回数の情報を格納する。
【0125】
実施例では、操作手段として、停止ボタン7L,7C,7Rを採用しているが、これに限られるものではない。例えば、ゲームを開始するためのスタートレバー(遊技開始手段)を採用することもできる。この場合、スタートレバーの操作態様としては、例えば、「操作方向」、「操作回数」、「操作時間」などを採用することができる。
【0126】
また、所定の条件が成立しても状況発生手段が遊技者にとって有利な状況を発生させない状態であることなどを報知手段に報知させるか否かを、遊技店側が設定(選択)するための設定手段(選択手段)を設けるようにしてもよい。この場合、ボタンスイッチなどにより構成される設定手段からの信号を副制御回路72に入力する。ペナルティ期間報知制御手段113は、この入力信号に基づいて報知手段を制御する。
【0127】
また、遊技店側が所望する時点において上記状態を強制的に終了させるための手段を設けるようにしてもよい。また、上記状態が継続するゲームの回数に上限を設けることもできる。また、上記状態の終了条件として、「所定回数のゲームが行われること」及び「非遊技状態が特定時間継続したこと」の両方を採用することもできる。また、この場合、その特定時間を遊技店側が設定するための手段を設けるようにしてもよい。
【0128】
実施例では、報知手段として液晶表示装置を用いているが、演出用のリール、模型等の動作物(いわゆる「役物」等)、音出力手段としてのスピーカ、光、LEDドットマトリクス、絵ガラス、透明ELディスプレイ等を用いるようにしてもよい。なお、変動表示手段及び報知手段を一の装置により実現するようにしてもよいし、それぞれを異なる装置により実現するようにしてもよい。例えば、いわゆる「液晶パチスロ」では、液晶表示装置により変動表示手段及び報知手段を実現することができる。
【0129】
更に、本実施例のようなスロットマシンの他、パチンコ遊技機等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のスロットマシンの斜視図。
【図2】リール上に配列された図柄の例を示す図。
【図3】入賞図柄組合せに対応する役及び払出枚数を示す図。
【図4】ペナルティ期間報知画像の例を示す図。
【図5】実施例の電気回路の構成を示すブロック図。
【図6】実施例の副制御回路の構成を示すブロック図。
【図7】機能実現手段(動作部)を含むブロック図。
【図8】副制御回路が使用するテーブルを示す図。
【図9】停止制御テーブルの例を示す図。
【図10】停止制御テーブルの例を示す図。
【図11】停止制御テーブルの例を示す図。
【図12】主制御回路のメインフローチャート。
【図13】図12に続くフローチャート。
【図14】図13に続くフローチャート。
【図15】滑りコマ数決定処理を示すフローチャート。
【図16】ペナルティゲーム回数更新処理を示すフローチャート。
【図17】ペナルティ期間報知処理を示すフローチャート。
【図18】補助期間関連処理を示すフローチャート。
【図19】補助期間実行処理を示すフローチャート。
【図20】停止順序報知処理を示すフローチャート。
【図21】補助期間発生抽選処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…遊技機、2…キャビネット、2a…パネル表示部、3L,3C,3R…リール、4L,4C,4R…表示窓、5…液晶表示装置、5a…液晶表示画面、6…スタートレバー、7L,7C,7R…停止ボタン、8a…クロスダウンライン、8b…トップライン、8c…センターライン、8d…ボトムライン、8e…クロスアップライン、9a…1−BETランプ、9b…2−BETランプ、9c…最大BETランプ、10…台座部、11…1−BETスイッチ、12…2−BETスイッチ、13…最大BETスイッチ、14…C/Pスイッチ、15…メダル払出口、16…メダル受け部、17…WINランプ、18…払出表示部、19…クレジット表示部、20…ボーナス遊技情報表示部、21L,21R…スピーカ、22…メダル投入口、22S…投入メダルセンサ、23…配当表パネル、30…マイクロコンピュータ、31…CPU、32…ROM、33…RAM、34…クロックパルス発生回路、35…分周器、36…乱数発生器、37…サンプリング回路、38…I/Oポート、39…モータ駆動回路、40…ホッパー、41…ホッパー駆動回路、45…ランプ駆動回路、46…リール停止信号回路、48…表示部駆動回路、49L,49C,49R…ステッピングモータ、50…リール位置検出回路、51…払出完了信号回路、71…主制御回路、72…副制御回路、73…サブマイクロコンピュータ、74…サブCPU、75…プログラムROM、76…ワークRAM、77…INポート、78…音源IC、79…パワーアンプ、80…OUTポート、81…画像制御回路、82…画像制御CPU、83…画像制御ワークRAM、84…画像制御プログラムROM、85…INポート、86…画像ROM、87…ビデオRAM、88…画像制御IC、101…停止順序判別手段、102…内部当選役決定手段、103…許可順序決定手段、111…ペナルティゲーム回数更新手段、112…ペナルティゲーム回数カウンタ、113…ペナルティ期間報知制御手段、114…補助期間発生・終了決定手段、115…操作態様報知制御手段。
Claims (4)
- 遊技者が操作するための操作手段と、
所定の条件が成立したことに基づいて遊技者にとって有利な状況を発生させる機能を有し、前記操作手段の操作態様が所定の操作態様である場合に前記所定の条件が成立したときは、前記有利な状況を発生させない状況発生手段と、
前記所定の条件が成立しても前記状況発生手段が前記有利な状況を発生させない状態であることを報知する報知手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。 - 請求項1記載の遊技機において、前記報知手段は、前記状態が継続するゲームの回数を報知することを特徴とする遊技機。
- 請求項1又は2記載の遊技機において、前記報知手段は、非遊技状態において前記報知を行わないことを特徴とする遊技機。
- 請求項1乃至3のいずれか記載の遊技機において、
遊技に必要な図柄を複数列で変動表示する変動表示手段を備え、
前記操作手段は、前記変動表示を停止させるための複数の停止ボタンであり、
前記操作態様は、前記停止ボタンの操作順序であることを特徴とする遊技機。
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