JP2004175222A - Pneumatic run flat tire - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はパンクした時、その状態のまま相当の距離を走行し得るようにタイヤの内部に配設される環状の支持体が内部に配設された空気入りランフラットタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤでランフラット走行が可能、即ち、パンクしてタイヤ内圧が0kg/cm2になっても、ある程度の距離を安心して走行することが可能なタイヤ(以後、ランフラットタイヤと呼ぶ。)として、タイヤの空気室内におけるリムの部分に、金属や合成樹脂製の環状の中子(支持体)を取り付けた中子タイプが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この中子タイプでは、リムに組み込む回転中子タイプと、リムに取り付けられるタイヤ径方向断面において2つの凸部を有する形状(二山形状)の中子タイプが知られている。回転中子タイプは回転中子を固定するための特殊ホイールが必要とされる点で汎用性に問題がある。一方、二山形状の中子タイプは、従来のリムに取り付けられるため汎用性が高い。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−297226号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかるランフラットタイヤでは、ランフラット走行時にタイヤ内面に前記支持が接触することによる磨耗を防ぐため、タイヤ内面に潤滑剤が塗布されることがある。上記潤滑剤としては、シリコーン系、ポリエチレングリコール系、ポリオキシエチレン系等が使用される。
かかる潤滑剤は、タイヤ内面の磨耗を防ぐには有効であるが、ランフラットでの高速走行では、支持体とタイヤ内面との摩擦による発熱を防ぐことができなかった。このような発熱は支持体およびタイヤの破損の原因となり、実用上好ましくない。
【0006】
以上から、本発明の目的は、上記事実を考慮し、ランフラット走行時のタイヤ内面の磨耗を防ぎ、かつ、支持体とタイヤ内面との摩擦による発熱を抑制することができる空気入りランフラットタイヤを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下に示す本発明により解決される。
すなわち、本発明は、空気入りタイヤの内部に配設され前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられ、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持体を備える空気入りランフラットタイヤであって、
前記空気入りタイヤのトレッド部裏面および前記トレッド部裏面に対峙する側の前記支持体表面の少なくとも一部、の一方もしくは両方に、潤滑剤を含有する潤滑剤層が形成されており、
該潤滑剤層が、さらに溶媒および該溶媒に溶解して吸熱する化合物をそれぞれ独立して含有していることを特徴とする空気入りランフラットタイヤである。
【0008】
また、本発明は、空気入りタイヤの内部に配設され前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられ、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持体を備える空気入りランフラットタイヤであって、
前記空気入りタイヤのトレッド部裏面および前記トレッド部裏面に対峙する側の前記支持体表面の少なくとも一部、の一方もしくは両方に、シーリング材組成物を含有する特殊エラストマー層が形成されており、
該特殊エラストマー層が、さらに溶媒および該溶媒に溶解して吸熱する化合物をそれぞれ独立して含有していることを特徴とする空気入りランフラットタイヤである。
【0009】
上記本発明においては、前記溶媒に溶解して吸熱する化合物と前記溶媒との質量比が、5:95〜98:2であることが好ましい。そして、前記溶媒および前記溶媒に溶解して吸熱する化合物の少なくともいずれかが、カプセル中に封入されていることが好ましい。
また、前記溶媒は水溶液であり、前記溶媒に溶解して吸熱する化合物は水溶性の無機化合物であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態に係る空気入りランフラットタイヤについて、図1〜図3を参照して説明する。
ここで、(空気入り)ランフラットタイヤ10とは、図1に示すように、リム12に空気入りタイヤ14と支持体16を組み付けたものをいう。リム12は、空気入りタイヤ14のサイズに対応した標準リムである。
空気入りタイヤ14は、図1に示すように、一対のビード部18と、両ビード部18に跨がって延びるトロイド状のカーカス20と、カーカス20のクラウン部に位置する複数(本実施形態では2枚)のベルト層22と、ベルト層22の上部に形成されたトレッド部24とを備える。
空気入りタイヤ14の内部に配設される支持体16は、図1に示す断面形状のものがリング状に形成されたものであり、支持部26と、支持部26の両端に加硫成形されたゴム製の脚部28とを備える。
【0011】
空気入タイヤ14のトレッド部24の裏面には、従来から使用されているシリコーン系、ポリエチレングリコール系、ポリオキシエチレン系等から選択される潤滑剤を含有する潤滑剤層100が形成されている。
【0012】
また、潤滑剤層100には、溶媒とその溶媒に溶解して吸熱する化合物(以下、単に「化合物」ということがある)とがそれぞれ独立して含有されている。すなわち、通常の走行時には、これらは溶解しないように別々に存在する。
独立して溶媒および化合物を含有させるには、図1に示すように、溶媒をカプセル110aに封入し、化合物をカプセル110bに封入し、両者が混合しないようにすればよい。
【0013】
このように独立して溶媒と化合物を存在させて、ランフラット走行を行うと、図2に示すように、カプセル110aおよび110bが支持体との摩擦や圧力により破壊される。この破壊によって、内部に封入されていた溶媒に化合物が溶解し溶解熱が生じる。ここで、溶媒と化合物とは、これらが溶解する際に吸熱反応が生じるように組み合わされているので、発生する溶解熱は、当然吸熱となる。そのため、この溶解熱により、支持体16とタイヤのトレッド部24裏面とが摩擦することにより発生する熱を除去することができる。その結果、タイヤ内部を冷却することが可能となり、摩擦熱に起因する支持体16やタイヤ内部の破損を防ぐことができる。
【0014】
溶媒と化合物との組み合わせとしては、化合物を溶解できる溶媒で、既述のように溶解時に吸熱の溶解熱を発生するものであれば特に限定されない。
取り扱い性等を考慮すると、上記溶媒としては種々の添加剤等を含有する水溶液が好ましく、水がより好ましい。
上記水溶液もしくは水を使用する場合、上記化合物としては、水溶性の無機化合物であることが好ましい。特に、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩;リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム等のナトリウム塩;等の水溶性の塩が好ましい。
上記例示された化合物は、1種もしくは2種以上を混合して使用することができる。
【0015】
溶媒および化合物をそれぞれ独立して含有させるためには、図1や図2に示すように、それぞれをカプセル110aおよび110b中に封入した状態とすることが好ましいが、混合状態になることを防ぐため、いずれか一方をカプセル中に封入すればよい。
また、一つのカプセルを複数に仕切り、それぞれに溶媒および化合物を封入した構成としてもよい。
【0016】
溶媒または化合物をカプセル中に封入するには、従来から採用された手法により行うことができる。
例えば、当該カプセルがマイクロカプセルにような微小なものであれば、界面重合法等の化学的方法;液中乾燥法等の物理化学的方法;乾式混合法等の機械的方法;等を適用することできる。
マイクロカプセルよりも粒径の大きなカプセルに封入する場合も、上記方法を適宜応用して適用することができる。また、市販のカプセルを適宜改良して適用することもできる。
【0017】
カプセルの体積平均粒径は、5μm〜20mmとすることが好ましく、10μm〜10mmとすることがより好ましい。5μm未満では、封入できる溶媒もしくは化合物の量が少なくなり、ランフラット走行時にこれらが破壊され、溶解が起こっても大きな吸熱が得られないことがある。一方、20mmを超えると、通常走行時の段差などを乗り越える際にタイヤが変形し、支持体16とトレッド部24裏面との間にあるカプセルが潰れてしまうことがある。
【0018】
カプセルの材料としては、潤滑剤(後述するシーリング材を使用する場合は、当該シーリング材)を変質させず、ランフラット走行時の摩擦や支持体とタイヤ内面との圧力により破壊される材料であれば、特に限定されず、ナイロン、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を使用することができる。
【0019】
潤滑剤層100中の溶媒および化合物の含有量は、ランフラットタイヤ1本あたり、50〜2000g程度とすることが好ましい。50gより少ないと、冷却効果が低下することがあり、2000gより多いと全体の質量が増加し、通常走行での安定性が低下することがある。
【0020】
化合物と溶媒との質量比(化合物:溶媒)は、5:95〜98:2であることが好ましい。
上記比率より化合物の割合が低いと、冷却効果が低下することがあり、溶媒の割合が高いと、すべての化合物が溶媒に溶解しきれずに過飽和状態となり、充分な冷却効果が得られないことがある。より好ましい質量比は、20:80〜95:5である。
【0021】
潤滑剤層100は、トレッド部24裏面ではなく図3に示すように、トレッド部24裏面に対峙する側の支持体16表面に形成してもよい。この場合も、支持体16とタイヤ内部との摩擦により発生する熱を除去し、タイヤ内部の冷却化を実現することができる。
【0022】
なお、支持体16表面に形成する場合は、トレッド部24裏面と接触する領域(支持体16のうち図面上、径方向外側に突出した部分)にのみ潤滑剤層100を形成してもよい。
【0023】
また、潤滑剤層100の代わりに、トレッド部24裏面およびその裏面に対峙する側の支持体16表面の少なくとも一部、の一方もしくは両方に、シーリング材組成物を含有し、さらに溶媒および該溶媒に溶解して吸熱する化合物をそれぞれ独立して含有する特殊エラストマー層を設けてもよい。
この場合も、溶媒に化合物が溶解する際の吸熱の溶解熱を利用してタイヤ内部を冷却化することができる。
また、当該特殊エラストマー層は母材が固体状であるため、空気入りタイヤ14の内面に浸透することがなく、タイヤの変質が生じることがない。
【0024】
ここで、シーリング材組成物とは、一般的に使用されているシーリング材(機械・電機・化学等の各種工業において接合部や接触部の水密・気密の目的で使用される材料)からなる組成物という。
具体的は、シリコーン系、変成シリコーン系、アクリル系、ポリウレタン系、アクリルウレタン系等が好ましい。
【0025】
例えば、シリコーン系のシーリング材には、原料ポリマーとして、両末端に反応性の水酸基(シラノール)を持つ直鎖状オルガノポリシロキ酸(シリコーンポリマー)を使用することが好ましい。その他、メチルトリスアセトキシシラン、メチルトリスオキシモシラン、メチルトリメトキシシラン等の架橋材や、Sn系、Pd系、Ti系といった微量の触媒等が、前記シリコーン系のシーリング材の原料として使用される。
なお、架橋材の含有量は、前記ポリマー100phr当たり、0.1〜5phrであることが好ましい。
【0026】
特殊エラストマー層は、シーリング材組成物を含有しているため、ランフラット走行時でも固体状として存在することができる。その結果、走行距離によらず常に支持体16とトレッド部24裏面との接触面に、特殊エラストマー層が存在するため、支持体16によるトレッド部裏面の磨耗をより効率よく防ぐことができる。
また、潤滑剤によっては、使用条件等により、その一部がタイヤに浸透しこれを変質させることがある。しかし、シーリング材はそのような変質作用がないため、ランフラット走行時の耐久性を著しく向上させることができる。
【0027】
また、シーリング材組成物中には、オイルが含浸されていることが好ましい。オイルを含浸させることで、ランフラット走行時に支持体が特殊エラストマー層に接すると、シーリング材組成物中のオイルが染み出し、耐磨耗性をより向上させることができる。
【0028】
オイルとしては、シリコーン系、炭化水素系、エーテル系、アロマー系等、種々のオイルを使用することができる。当該オイルの含有量は、1〜100phrであることが好ましい。1phr未満では、オイルによる耐磨耗性の向上効果を十分に発揮できないことがあり、100phrを超えてもさらなる効果の向上が見られないことがある。
【0029】
また、シーリング材組成物中は、さらに充填剤としての粒子および/または繊維が含有されていることが好ましい。
充填剤を含有させることで、ランフラット走行時でも摩擦抵抗を低く維持することができるため、耐磨耗性をより向上させることができる。また、粒子等はカプセルと摩擦することにより、その外壁の破壊を促進することができる。
【0030】
充填剤としての粒子の材料としては、ポリエチレン、ナイロン等のプラスチック;クレー等の鉱物;TiO2、ZnO等の金属酸化物;シリコーン、シリコン等のSi系材料;等が好ましい。上記材料は2種以上混合して使用してもよい。粒子の平均粒径は0.01〜5mmであることが好ましい。0.01mm未満ではゴムの変形に吸収されて目的とする形状効果が得られないことがあり、5mmを超えるとランフラット時の走行安定性が悪くなることがある。
【0031】
充填剤としての繊維の材料としては、ナイロン、ポリエチレン等の合成繊維;パルプ、ケナフ等の天然繊維;等が挙げられる。上記材料は2種以上混合して使用してもよい。
繊維の平均繊維長は0.5〜20mmであり、平均太さ(径)が1μm〜1mmであることが好ましい。
平均繊維長もしくは平均太さが上記範囲未満ではゴムの変形に吸収されて目的とする形状効果が得られないことがあり、上記範囲を超えるとランフラット時の走行安定性が悪くなることがある。
【0032】
粒子および/または繊維といった充填剤の含有量は、1〜200phrであることが好ましい。
【0033】
特殊エラストマー層は、公知の塗布法により形成することができる。特殊エラストマー層の厚さは、0.1〜20mmとすることが好ましく、0.1〜15mmとすることがより好ましい。
特殊エラストマー層は、潤滑剤層より流動性が低い場合があるため、特殊エラストマー層に含有される溶媒および化合物は、互いに近接するように存在させることが好ましい。
【0034】
以上、本発明のランフラットタイヤを、図面を参照した説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、支持体16についても図1に示されるような脚部28を有する形状に限定されない。
【0035】
なお、ここで、標準リムとはJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYearBook2002年度版規定のリムであり、標準荷重とはJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2002年度版の単輪を適用した場合の最大負荷能力に相当する荷重である。
日本以外では、荷重とは下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)のことであり、内圧とは下記規格に記載されている単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことであり、リムとは下記規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または、’’ApprovedRim’’ 、’’Recommended Rim’’)のことである。
規格は、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では、’’The Tire and Rim Association Inc. のYear Book ’’であり、欧州では’’The European Tire and Rim Technical OrganizationのStandards Manual’’である。また、トレッド部24とは、ランフラットタイヤ10(空気入りタイヤ14)を標準リム12に組み付けた状態で、大気圧とした空気入りタイヤ14に標準荷重を付与した場合の地面との接地幅(図1中のL2)の領域のことである。
【0036】
以上のような本発明のランフラットタイヤでは、空気入りタイヤ14の内圧が低下した場合、空気入りタイヤ14のトレッド部24の裏面を支持体16の凸部(支持体16のうち図面上、径方向外側に突出した部分)が支持して走行可能とする。
【0037】
【実施例】
下記実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】
(実施例1)
ナイロン製のカプセルに水が封入されたカプセル(A)およびナイロン製のカプセルに硝酸アンモニウムが封入されたカプセル(B)(いずれも、カプセルの粒径:2mm カプセルの壁厚:0.1mm)200g(カプセル(A)および(B)の合計量として)を、潤滑剤(ポリオキシエチレン系)200g中に分散した。
なお、水と硝酸アンモニウムとの質量比(水:硝酸アンモニウム)は、20:80とした。
【0039】
カプセル(A)、(B)が分散された潤滑剤を図1に示すように、タイヤトレッド部24裏面に塗布し、潤滑剤層100を形成した。
【0040】
その後、鋼製の支持体16とともにタイヤを標準リムに組み付けてランフラットタイヤを作製した。なお、タイヤのサイズは、195/65R15であった(以下同様)。
【0041】
(実施例2)
カプセル(A)および(B)をシリコーン系のシーリング材組成物(シリコーン系)中に分散させ、実施例1の潤滑剤層の形成と同様にして、そのシーリング材組成物をタイヤトレッド部24裏面に塗布し、特殊エラストマー層(厚さ5mm)を形成した。
その後、実施例1と同様に、支持体とともにタイヤを標準リムに組み付けてランフラットタイヤを作製した。
【0042】
(比較例1)
カプセル(A)および(B)を潤滑剤200gに含有させなかった以外は、実施例1と同様にして、タイヤのトレッド部裏面に潤滑剤層を形成して、ランフラットタイヤを作製した。
【0043】
(比較例2)
カプセル(A)および(B)をシーリング材組成物に含有させなかった以外は、実施例2と同様にして、タイヤのトレッド部裏面に特殊エラスマー層(厚さ:5mm)を形成して、ランフラットタイヤを作製した。
【0044】
作製したランフラットタイヤを乗用車に装着し、1つの車輪のみ空気圧ゼロとしてランフラット走行(時速90km)を行い、タイヤおよび支持体が破損し走行不可能となる距離を測定し、その破損状況を評価する走行試験を行った。結果を下記表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
実施例1および2のランフラットタイヤでは、ランフラット走行中、カプセル(A)(B)の破壊により、漏出した水に硝酸アンモニウムが溶解し、発生した溶解熱により摩擦熱を抑制することができた。その結果、比較例1および2よりも長い時間、摩擦熱に起因するタイヤおよび支持体16の破壊を防ぐことができた。
【0047】
【発明の効果】
以上から、本発明の空気入りランフラットタイヤは、ランフラット走行時のタイヤ内面の磨耗を防ぎ、かつ、支持体とタイヤ内面との摩擦による発熱を抑制することができる。その結果、ランフラットタイヤの耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る空気入りランフラットタイヤのリム装着時の断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る空気入りランフラットタイヤのランフラット走行時の状態を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る空気入りランフラットタイヤのリム装着時の断面図である。
【符号の説明】
10 空気入りランフラットタイヤ
12 リム
14 空気入りタイヤ
16 支持体
24 トレッド部
26 支持部
100 潤滑剤層
110a,110b カプセル[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a pneumatic run-flat tire in which an annular support disposed inside a tire is provided so that it can travel a considerable distance in a punctured state in a punctured state.
[0002]
[Prior art]
A run-flat tire can be run with a pneumatic tire, that is, a tire that can run with a certain distance without worry even if the tire internal pressure becomes 0 kg / cm 2 due to puncturing (hereinafter referred to as a run-flat tire). There is known a core type in which an annular core (support) made of metal or synthetic resin is attached to a rim portion in a tire air chamber (for example, see Patent Document 1).
[0003]
As the core type, a rotary core type incorporated in a rim and a core type having two convex portions in a tire radial direction cross section attached to the rim (double mountain shape) are known. The rotating core type has a problem in versatility in that a special wheel for fixing the rotating core is required. On the other hand, the double-core type is highly versatile because it can be attached to a conventional rim.
[0004]
[Patent Document 1]
JP 10-297226 A
[Problems to be solved by the invention]
In such a run flat tire, a lubricant may be applied to the tire inner surface in order to prevent abrasion due to the contact of the support with the tire inner surface during run flat running. As the lubricant, a silicone-based, polyethylene glycol-based, polyoxyethylene-based lubricant, or the like is used.
Such a lubricant is effective in preventing the inner surface of the tire from being worn. However, during high-speed running on a run flat, heat generation due to friction between the support and the inner surface of the tire could not be prevented. Such heat generation causes damage to the support and the tire, which is not preferable in practical use.
[0006]
In view of the above, an object of the present invention is to provide a pneumatic run-flat tire that can prevent wear of the inner surface of a tire during run-flat running and suppress heat generation due to friction between the support and the inner surface of the tire in consideration of the above facts. It is to provide.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The above object is solved by the present invention described below.
That is, the present invention is a pneumatic runflat tire that is provided inside a pneumatic tire and is assembled to the rim together with the pneumatic tire, and includes an annular support capable of supporting a load during runflat running,
A lubricant layer containing a lubricant is formed on at least one or both of the tread portion back surface of the pneumatic tire and at least a part of the support surface on the side facing the tread portion back surface,
The pneumatic run-flat tire, wherein the lubricant layer further contains a solvent and a compound that absorbs heat when dissolved in the solvent.
[0008]
Further, the present invention is a pneumatic runflat tire provided with an annular support capable of supporting a load during runflat running, which is disposed inside the pneumatic tire and assembled to the rim together with the pneumatic tire,
A special elastomer layer containing a sealing material composition is formed on at least one or both of the tread portion back surface of the pneumatic tire and at least a part of the support surface on the side facing the tread portion back surface,
The pneumatic run-flat tire, characterized in that the special elastomer layer further contains a solvent and a compound that absorbs heat when dissolved in the solvent.
[0009]
In the present invention, the mass ratio of the compound that dissolves in the solvent and absorbs heat to the solvent is preferably 5:95 to 98: 2. It is preferable that at least one of the solvent and a compound that dissolves in the solvent and absorbs heat is encapsulated in a capsule.
Preferably, the solvent is an aqueous solution, and the compound that dissolves in the solvent and absorbs heat is a water-soluble inorganic compound.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
A pneumatic run flat tire according to one embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS.
Here, the (pneumatic) run
As shown in FIG. 1, the
The
[0011]
On the back surface of the
[0012]
In addition, the
In order to independently contain the solvent and the compound, as shown in FIG. 1, the solvent is sealed in the
[0013]
When run-flat running is performed independently in the presence of a solvent and a compound, the
[0014]
The combination of the solvent and the compound is not particularly limited as long as it is a solvent capable of dissolving the compound and generates endothermic heat of dissolution upon dissolution as described above.
In consideration of handleability and the like, the solvent is preferably an aqueous solution containing various additives, and more preferably water.
When the above aqueous solution or water is used, the compound is preferably a water-soluble inorganic compound. In particular, water-soluble salts such as ammonium salts such as ammonium nitrate, ammonium chloride and ammonium sulfate; sodium salts such as sodium phosphate and sodium sulfate;
The compounds exemplified above can be used alone or in combination of two or more.
[0015]
In order to contain the solvent and the compound independently of each other, it is preferable that each of the solvent and the compound is encapsulated in the
Further, one capsule may be divided into a plurality of capsules, each of which may contain a solvent and a compound.
[0016]
The encapsulation of the solvent or compound in the capsule can be carried out by a conventionally employed technique.
For example, if the capsule is microscopic, such as a microcapsule, a chemical method such as an interfacial polymerization method; a physicochemical method such as a liquid drying method; a mechanical method such as a dry mixing method; I can do it.
The above method can be applied as appropriate even when encapsulating in a capsule having a larger particle size than the microcapsule. Further, commercially available capsules can be appropriately modified and applied.
[0017]
The volume average particle size of the capsule is preferably 5 μm to 20 mm, more preferably 10 μm to 10 mm. If it is less than 5 μm, the amount of the solvent or compound that can be encapsulated is reduced, and the solvent or compound is destroyed during run flat running. On the other hand, if it exceeds 20 mm, the tire may be deformed when climbing over a step or the like during normal running, and the capsule between the
[0018]
The material of the capsule may be a material which does not deteriorate the lubricant (if a sealing material described later is used, the sealing material) and is destroyed by friction during run flat or pressure between the support and the tire inner surface. There is no particular limitation, and nylon, thermoplastic resin, thermosetting resin, or the like can be used.
[0019]
The content of the solvent and the compound in the
[0020]
The mass ratio of the compound to the solvent (compound: solvent) is preferably from 5:95 to 98: 2.
When the ratio of the compound is lower than the above ratio, the cooling effect may be reduced, and when the ratio of the solvent is high, all the compounds are in a supersaturated state without being completely dissolved in the solvent, and a sufficient cooling effect may not be obtained. is there. A more preferred mass ratio is from 20:80 to 95: 5.
[0021]
The
[0022]
When the
[0023]
Further, instead of the
Also in this case, the inside of the tire can be cooled by utilizing the heat of dissolution of the endotherm when the compound is dissolved in the solvent.
In addition, since the base material of the special elastomer layer is solid, it does not penetrate into the inner surface of the
[0024]
Here, the sealing material composition is a composition comprising a generally used sealing material (a material used for water-tightness and air-tightness of joints and contact portions in various industries such as machinery, electric machinery, and chemistry). Things.
Specifically, silicone-based, modified silicone-based, acryl-based, polyurethane-based, acrylurethane-based and the like are preferable.
[0025]
For example, it is preferable to use a linear organopolysiloxane (silicone polymer) having a reactive hydroxyl group (silanol) at both ends as a raw material polymer for a silicone-based sealing material. In addition, a cross-linking material such as methyltrisacetoxysilane, methyltrisoximosilane, and methyltrimethoxysilane, and a trace amount of catalyst such as Sn-based, Pd-based, and Ti-based are used as raw materials for the silicone-based sealing material. .
In addition, it is preferable that content of a crosslinking material is 0.1-5 phr per 100 phr of the said polymers.
[0026]
Since the special elastomer layer contains the sealing material composition, it can exist as a solid even during run-flat running. As a result, the special elastomer layer always exists on the contact surface between the
In addition, depending on the use conditions and the like, a part of the lubricant may penetrate into the tire and alter the quality of the lubricant. However, since the sealing material does not have such an altering action, the durability during run-flat running can be significantly improved.
[0027]
Further, it is preferable that the sealing material composition is impregnated with oil. By impregnating the oil, when the support comes into contact with the special elastomer layer during run flat running, the oil in the sealing material composition seeps out, and the abrasion resistance can be further improved.
[0028]
As the oil, various oils such as a silicone oil, a hydrocarbon oil, an ether oil and an allomer oil can be used. The content of the oil is preferably 1 to 100 phr. If it is less than 1 phr, the effect of improving the abrasion resistance of the oil may not be sufficiently exhibited, and if it exceeds 100 phr, no further improvement may be observed.
[0029]
Further, it is preferable that the sealing material composition further contains particles and / or fibers as a filler.
By including the filler, the frictional resistance can be kept low even during run flat running, so that the abrasion resistance can be further improved. In addition, the particles and the like can promote the destruction of the outer wall by rubbing with the capsule.
[0030]
As the material of the particles as the filler, plastics such as polyethylene and nylon; minerals such as clay; metal oxides such as TiO 2 and ZnO; Si-based materials such as silicone and silicon; The above materials may be used in combination of two or more. The average particle size of the particles is preferably from 0.01 to 5 mm. If it is less than 0.01 mm, it may be absorbed by the deformation of the rubber and the desired shape effect may not be obtained. If it exceeds 5 mm, the running stability at the time of run flat may be deteriorated.
[0031]
Examples of the material of the fiber as the filler include synthetic fibers such as nylon and polyethylene; and natural fibers such as pulp and kenaf. The above materials may be used in combination of two or more.
The average fiber length of the fiber is preferably 0.5 to 20 mm, and the average thickness (diameter) is preferably 1 μm to 1 mm.
If the average fiber length or average thickness is less than the above range, the desired shape effect may not be obtained by being absorbed by the deformation of the rubber, and if it exceeds the above range, running stability during run flat may be deteriorated. .
[0032]
The content of the filler such as particles and / or fibers is preferably 1 to 200 phr.
[0033]
The special elastomer layer can be formed by a known coating method. The thickness of the special elastomer layer is preferably from 0.1 to 20 mm, more preferably from 0.1 to 15 mm.
Since the special elastomer layer sometimes has lower fluidity than the lubricant layer, it is preferable that the solvent and the compound contained in the special elastomer layer are present so as to be close to each other.
[0034]
As described above, the run flat tire of the present invention has been described with reference to the drawings, but the present invention is not limited to these.
For example, the
[0035]
Here, the standard rim is a rim specified in JATMA (Japan Automobile Tire Association) Year Book 2002 edition, and the standard load is a single rim of JATMA (Japan Automobile Tire Association) Year Book 2002 edition. This is the load corresponding to the maximum load capacity.
Outside Japan, the load is the maximum load (maximum load capacity) of a single wheel at the applicable size described in the following standard, and the internal pressure is the maximum load (maximum load of the single wheel) described in the following standard Rim) means a standard rim (or “ApprovedRim”, “Recommended Rim”) in an applicable size described in the following standard.
Standards are determined by industry standards that are in effect in the area where the tire is manufactured or used. For example, in the United States, '' The Tire and Rim Association Inc. In Europe, it is "Standards Manual" of The European Tire and Rim Technical Organization. In addition, the
[0036]
In the run-flat tire of the present invention as described above, when the internal pressure of the
[0037]
【Example】
The present invention will be specifically described with reference to the following examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0038]
(Example 1)
200 g of a capsule (A) in which water is encapsulated in a nylon capsule and a capsule (B) in which ammonium nitrate is encapsulated in a nylon capsule (both capsule particle size: 2 mm, capsule wall thickness: 0.1 mm) The capsules (A) and (B) were dispersed in 200 g of a lubricant (polyoxyethylene type).
The mass ratio of water to ammonium nitrate (water: ammonium nitrate) was 20:80.
[0039]
The lubricant in which the capsules (A) and (B) were dispersed was applied to the back surface of the
[0040]
Thereafter, the tire was mounted on a standard rim together with a
[0041]
(Example 2)
The capsules (A) and (B) are dispersed in a silicone-based sealing material composition (silicone-based), and the sealing material composition is applied to the back surface of the
Then, as in Example 1, the tire was assembled on a standard rim together with the support to produce a run flat tire.
[0042]
(Comparative Example 1)
A run-flat tire was manufactured by forming a lubricant layer on the back surface of the tread portion of the tire in the same manner as in Example 1 except that the capsules (A) and (B) were not contained in 200 g of the lubricant.
[0043]
(Comparative Example 2)
A special elastomer layer (thickness: 5 mm) was formed on the rear surface of the tread portion of the tire in the same manner as in Example 2 except that the capsules (A) and (B) were not contained in the sealing material composition. A flat tire was manufactured.
[0044]
The run-flat tire was mounted on a passenger car, and run-flat running (90 km / h) was performed with only one wheel having no air pressure. The distance at which the tire and the support were damaged and the vehicle could not be run was measured, and the damage status was evaluated. A running test was performed. The results are shown in Table 1 below.
[0045]
[Table 1]
[0046]
In the run-flat tires of Examples 1 and 2, during run-flat running, the capsules (A) and (B) were broken, whereby ammonium nitrate was dissolved in the leaked water, and the generated heat of dissolution suppressed frictional heat. . As a result, it was possible to prevent the tire and the
[0047]
【The invention's effect】
As described above, the pneumatic run-flat tire of the present invention can prevent wear of the inner surface of the tire during run-flat running, and can suppress heat generation due to friction between the support and the inner surface of the tire. As a result, the durability of the run flat tire can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view of a pneumatic run-flat tire according to an embodiment of the present invention when a rim is mounted.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing a pneumatic run-flat tire according to an embodiment of the present invention during run-flat running.
FIG. 3 is a cross-sectional view of a pneumatic run-flat tire according to another embodiment of the present invention when a rim is mounted.
[Explanation of symbols]
Claims (5)
前記空気入りタイヤのトレッド部裏面および前記トレッド部裏面に対峙する側の前記支持体表面の少なくとも一部、の一方もしくは両方に、潤滑剤を含有する潤滑剤層が形成されており、
該潤滑剤層が、さらに溶媒および該溶媒に溶解して吸熱する化合物をそれぞれ独立して含有していることを特徴とする空気入りランフラットタイヤ。A pneumatic runflat tire that is provided inside a pneumatic tire and is assembled to the rim together with the pneumatic tire, and includes an annular support capable of supporting a load during run flat running,
A lubricant layer containing a lubricant is formed on at least one or both of the tread portion back surface of the pneumatic tire and at least a part of the support surface on the side facing the tread portion back surface,
The pneumatic run-flat tire, wherein the lubricant layer further contains a solvent and a compound that absorbs heat when dissolved in the solvent.
前記空気入りタイヤのトレッド部裏面および前記トレッド部裏面に対峙する側の前記支持体表面の少なくとも一部、の一方もしくは両方に、シーリング材組成物を含有する特殊エラストマー層が形成されており、
該特殊エラストマー層が、さらに溶媒および該溶媒に溶解して吸熱する化合物をそれぞれ独立して含有していることを特徴とする空気入りランフラットタイヤ。A pneumatic runflat tire that is provided inside a pneumatic tire and is assembled to the rim together with the pneumatic tire, and includes an annular support capable of supporting a load during run flat running,
A special elastomer layer containing a sealing material composition is formed on at least one or both of the tread portion back surface of the pneumatic tire and at least a part of the support surface on the side facing the tread portion back surface,
The pneumatic run-flat tire, wherein the special elastomer layer further contains a solvent and a compound that dissolves in the solvent and absorbs heat independently.
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