JP2004146132A - 面状光源 - Google Patents

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奥脇 大作
Junji Miyashita
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Abstract

【課題】導光板およびその側方に配されたLED等の発光光源を有する面状光源において、照明時に発生する輝線による明暗の縞模様の発生により見栄えが悪くなるのを防止する。
【解決手段】板状の透光材よりなる導光板2と該導光板の側面に対向して配された発光光源1を有し、導光板の側面2cに入射する光を導光板2の下面の反射面2bと上面2aとの作用により光路変換して面状の光束を出射する面状光源10において、前記導光板2の入光側面2cと上面2a(出射面)の交差してできるエッジおよび入光側面と下面2b(反射面)の交差してできるエッジを面取り形状(2d、2e)とする。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、液晶パネル等を背面より照射する面状光源に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話機その他の携帯情報端末機器の小型液晶等表示装置の照明手段として用いられる面状光源として板状の導光板の側面に対向して発光ダイオード(以下LEDと言う。)等の発光光源を配したものが開発され、小型化、薄型化に適したものとして広く用いられている。
【0003】
かかる面状光源は、LED等で発光した光が導光板に入射し、導光板内で反射を繰り返して伝播される。その際、導光板の底(下面)に設けられた溝やシボによって反射もしくは屈折した光が出射される。その後、導光板から出射した光は液晶表示装置へと向かい、液晶表示装置を照射する。
【0004】
このような面状光源の一例として、図6に示すような面状光源が従来より知られている(例えば特願2002−093383の図7参照)。図6は面状光源110の構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。図6において、101は発光源であるLED、102は導光板、103はプリズムシート、106は反射板、107は液晶表示板ある。導光板102は平面形状が略四辺形の板状をなし、透光性のガラス又は樹脂等よりなる。102aは導光板102の上面である。102cはLED101に対向する入光側面である。102bは導光板102の下面で上記上面102に対向し、複数の非対称プリズム102b1が形成されている。この非対称プリズム102b1は、入光側面102cから離れるに従って急激に上面102aとの距離が増加する立下り斜面102b11と緩やかに上面102aとの距離が減少する立ち上がり斜面102b12とにより構成されている。3個のLED101は保持部材101bに保持されて入光側面102cに対向する位置に配置されている。
【0005】
図示しない電源よりLED101に所定の電流が供給されると、LED101は白色又は所定の色で発光する。LED101からの出射光は導光板102の入光側面102cに入射し、屈折によりこの面を透過して導光板102の内部に入る。内部に入った光は、後述するように導光板の上面102aと下面102bの間で反射を繰り返した後に上面102aを屈折により透過して導光板102を出射し、プリズムシート103に入射する。プリズムシート103に入射した光はここで、プリズムシート内で正反射され最終的にはz方向へ進路を変える。このz方向に向かう光線が液晶表示板107に入射することにより、液晶を透過する光の方向を理想的なものとし、鮮明な表示を可能とする。
【0006】
図7はLED101より導光板102に入射した光の経路の一例に示す側面図である。LED101から出射角θiで出射した光線は導光板102の入光側面102cに入射角θiで入射し、この面を屈折により透過するが、このときの入射角θiと屈折の出射角θとの関係は、空気の屈折率を1、導光板102(ポリカーボネイト等よりなる)の屈折率をnとするとスネルの法則により、 nsinθ=sinθi となり、これより、
θ=sin−1 ((1/n)sinθi)・・・(1)
となる。例えば、導光板102の屈折率nが n=1.58 のときは、θi=90°の場合は、(1)式より
θ=sin−1 (1/1.58)=39.3°  となるので、臨界角θcはθc=39.3°  となる。
ところで、入射角θiは実際には最大でも90°を下回るので、(1)式より出射角θは最大でも、臨界角θcを下回ることとなる。導光板の臨界角θcは一般に40°前後なので、前記出射角θは最大でも40°を超えることはない。出射角θで入光側面102cを透過した光線は導光板102の上面102aに入射角θ1で入射する。このとき、図7からもわかるように、 θ+θ1=90° の関係があり、出射角θは上記したように40°以下であるので、入射角θ1は50°以上となり、40°前後の臨界角θcを超えることになる。よって、この上面102aへの入射光線は、50°以上の反射角θ1で全反射される。
【0007】
この反射光は下面に設けられたαの傾角を有する立ち上がり斜面102b12に対し、 θ2=θ1―α  の入射角θ2で入射する。ここで傾角αは約1°〜数°程度である。
入射角θ2で入射した光線はこの面でθ2の反射角で反射され、上面102aに対し
θ3=θ2―α=θ1―2α  の入射角θ3で入射し、θ3の反射角で反射され、
反射された光線は立ち上がり斜面102b12に対し
θ4=θ3―α=θ1―3α
の入射角θ4で入射する。このようにして、最初に上面102aから反射角θ1で出射した光線は斜面102b12および上面102aに入射する度にその入射角はθ1からαずつ減じた値となる。すなわち、最初に反射角θ1であった光線がその後、反射を繰り返す等してN回目の入射を行った場合その入射角をθNとすると、
θN=θ1―Nα・・・(2)
となる。(ここで図に示すθ2、θ3、θ4、・・・に対しては(2)式における入射回数Nはそれぞれ1、2、3、・・・となる。)
【0008】
このようにして入射角θNが減少し、臨界角θc対し、
θN=θ1―Nα<θc・・・(3)
となったときに、入射光は上面102aまたは下面の斜面102b12を透過して導光板2の外部に出射する。例えば θ1=52° α=1° θc=40°とすれば、
(3)式より N>12 となり、外部に出射するには12回以上入射を繰り返す必用がある。このため、入光側面102cの近傍では入射光の外部への出射が行われない。例えば導光板の厚さが1mmの場合は、入光側面102cのから略3mmの範囲では光線の外部への出射が行われず、これ以上離れた領域で外部へ出射するのが正常の光線の経路である。なお光線が正常に出射する領域では、出射光はムラのない状態で出射する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような導光板(102)を用いた従来のバックライトユニットにおいては、以下に述べるような問題が少なくなかった。すなわち図8の上面図に示すように、導光板102の入光側面102cに近い(3mm〜4mm)領域S1において何本かの輝線14が目立つのが認められる。(図8において輝線をすべて濃いハッチングで示す。)S2は輝線の目立たない領域である。このように目立つ輝線が発生する原因は次のように考えられる。図10に示すように導光板102の入光側面102cと上面102aの交わってなすエッジ部102dにはLED101から、その発光光線が到達し、そのエッジ部102dで導光板102に入光する。(LED101からの発光光線の中で、図11に示すLEDの「光源の指向特性」において、ハッチングSLに相当する方向の光がエッジ部102dに達する。)このときエッジが鏡面でなく粗面となっていると、エッジ部で通常の屈折ではなく散乱する形で入光することになる。つまりエッジ部から複数の光線が異なる方向に分かれて、導光板内を伝わり、あたかもエッジが光っているように見えることから、エッジ部102dを2次光源とみなすことができる。なお、このような2次光源は導光板102の入光側面102cと下面102bの交わってなすエッジ部102eにおいても生ずる。なお、従来はエッジは直角となっているため、成形加工の際の転写性が悪く、粗面となりやすく、従がって2次光源を発生しやすかった。
【0010】
エッジ部102dで発する2次光源に関して言えば、図9に示すように2次光源からの光線の、下面102bの立ち上がり斜面102b12に対する入射角θbが臨界角θc以下の場合もあり得るがこの場合は光線s21に例示するように、その斜面102b12を透過し、反射板106に達しここで反射されて再び導光板102内に入光し、上面102aを透過して上方に出射する。これは広い範囲にわたるので、これにより輝線を発生することはない。次に前記入射角θbが臨界角θcを超える場合はs22に例示するように立ち上がり斜面102b12により反射された後に上面102aより出射するが、この出射に至るまでの反射等に基づく入射の回数はすでに説明したように入射角θbと臨界角θcの差によって異なり、この差が増加すると入射の回数は増えて行く。この点に関し、図10を用いて更に詳しく説明する。図10において、φ1、φ2、φ3、φ4はいずれもエッジ部102dより発する光束であり、各光束自体の角度幅は、立ち上がり斜面102b12の傾角αよりも小さいものとする。そしてこれら光束の上面102aを基準とする出射角はφ1が一番小さく、φ2、φ3、φ4の順に順次αずつ大となっているとする。
【0011】
ここで光束φ1、φ2、φ3、φ4の前記出射角をそれぞれθd1、θd2、θd3、θd4とし、これら出射角と臨界角θcの関係を
Figure 2004146132
であるとする。図11に示すように、光束φ1、φ2、φ3、φ4はいずれも斜面102b12に対して第1回目の入射を行い、そのときの入射角はそれぞれ
θd1−α、θd2−α、θd3―α、θd4―α
となるがいずれも(4)式からして、臨界角θcより大となっているので、これらの光束は斜面102b12においてすべて反射され、上面102aに対し第2回目の入射を行うがそのときの入射角はそれぞれ、(4)式も顧慮して、
θd1−2α<θc、θd2−2α>θc、θd3―2α>θc、θd4―α>θc
となり、光束φ1の入射角 θd1−2α のみが臨界角θc以下となり、図に示すように上面102aから光束の幅b1で出射する。
【0012】
残りの光束φ2、φ3、φ4は反射されて斜面102b12に対して、第3回目の入射を行うが、このときの入射角は(4)式も考慮して、それぞれ、
θd2−3α<θc、θd3―3α>θc、θd4―3α>θc
となる。このとき、光束φ2の入射角 θd1−3α のみが臨界角θc以下となり、光束φ2は斜面102b12から光束の幅b2で外部に出射する。以下同様にして、第4回目の入射により、光束φ3が幅b3で上面より出射し、第5回目の入射により光束φ4が光束の幅b4で斜面102b12から外部に出射する。このように入射の回数に応じて上記の各光束が順次外部に出射するが、出射するときの光速の幅は、入射の回数に応じて順次増加し、
b1<b2<b3<b4
の関係がある。これは、各光束φ1、φ2、φ3、φ4の角度幅自体は同じあっても、実際の光束の幅の寸法は光束の経路の長さに比例して増加するからであり、入射回数の多い光束ほど、経路長が長くなり、これに伴って出射光の実際の幅が大となると考えられる。なお、図10において、下面の斜面102b12から出射した光束は、実際には反射板(106)により反射され導光板2内に入光した後に上面102aから出射するので、結果的には上面102aから出射したと同様に取り扱ってもよいと考えられる。
【0013】
図10に示す光束φ1、φ2、φ3、φ4の出射光を図8に示す輝線の中の14▲1▼、14▲2▼、14▲3▼、14▲4▼に対応させて考えると、図10に示す幅b1の光束φ1の出射光は入光側面102cに最も近い位置にあり、その幅が最も狭いので、図8に示す輝線14▲1▼に対応する。図11に示す幅b2の光束φ2の出射光は入光側面102cに2番目に近い位置にあり、その幅が前記b1よりも若干広いので、図8に示す輝線14▲2▼に対応する。このようにして、図11に示す光束φ3、φ4の出射光は図8に示す14▲3▼、14▲4▼に順次対応すると考えられる。
【0014】
なお、図10に示す光束φ4よりも上面102aに対する出射角が更に大きい光束に対しては、出射角が増すに従がって、導光板2から出射するまでの入射の回数が更に増え、外部に出射する位置は入光側面102cから更に遠のいてゆき、これに伴って出射の光束の幅がさらに広がり、単位面積当たりの光量すなわち輝度は低下して行くと考えられる。このことは、図8に示す導光板102の上面図において濃いハッチングで示す輝線の幅は入光側面102cから離れるに従がって広くなり、輝線が目立たなくなる事実と一致する。このようにして、図8に示すように輝線が目立つ原因は、図10に示すようにエッジ部(102d)から発した光線のうち、比較的少ない入射回数(1〜4回)で導光板102の外部に出射する光線が存在することに起因するものと考えられる。
【0015】
以上は、図9に示すエッジ部102dを2次光源とする場合につき説明したが、下側のエッジ部102eを2次光源とした場合も、上面102aに対する入射角が臨界角以上となる光線に対しては、一旦反射された後は、その反射角は広い角度幅を有し、その角度に応じた反射回数を経て上面102aより出射するため、基本的にはエッジ部102dを2次光源とする場合と同様の原理により輝線を生ずることとなる。なお、エッジ部102dおよび102eの2次光源に起因するこれらの輝線は図6に示すようなプリズムシート(103)又は拡散シート(図示はしない)等の光の方向を規制する部材を導光板の上方に配した場合に目立ちやすくなる傾向がある。なお、上記した輝線の発生の説明においては説明の便宜上、導光板の下面(102b)の反射面が非対称プリズム(102b1)により構成されている場合のみについて説明したが、この場合に限らず、導光板の下面が対称プリズム、印刷、シボ又はドット等による規則的又は不規則的な凹凸を有する反射面であっても、導光板のエッジ部が上記したように2次光源となる場合には、すでに説明した原理と基本的には同様の原理により、照明の際に輝線が目立つという問題を生ずる。
【0016】
このような輝線が生ずると、明暗の縞模様ができて見栄えの悪い面状光源となる。そこで本発明は導光板およびその側方に配したLED等の発光光源を有する面状光源において、前記した輝線による明暗の縞模様の発生を防止することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためにその第1の手段として本発明は、板状の透光材よりなる導光板と該導光板の側面に対向して配された発光光源を有し、該発光光源から前記導光板の側面に入射する光を導光板の下面の反射面と導光板の上面の出射面との作用により光路変換して前記上面から面状の光束を出射する面状光源において、前記導光板の発光光源からの光の入射する入光側面と上面(出射面)の交差してできるエッジおよび入光側面と下面(反射面)の交差してできるエッジを面取り形状とすることを特徴とする。
【0018】
上記の課題を解決するためにその第2の手段として本発明は、板状の透光材よりなる導光板と該導光板の側面に対向して配された発光光源を有し、該発光光源から前記導光板の側面に入射する光を導光板の下面の反射面と導光板の上面の出射面との作用により光路変換して前記上面から面状の光束を出射する面状光源において、前記導光板の発光光源からの光の入射する入光側面と上面(出射面)の交差してできるエッジおよび入光側面と下面(反射面)の交差してできるエッジを曲面形状(R形状)とすることを特徴とする。
【0019】
上記の課題を解決するためにその第3の手段として本発明は、透光材よりなる導光板と該導光板の側面に対向して配された発光光源を有し、該発光光源から前記導光板の側面に入射する光を導光板の下面の反射面と導光板の上面の出射面との作用により光路変換して前記上面から面状の光束を出射する面状光源において、前記導光板の発光光源からの光の入射する入光側面と上面(出射面)の交差してできるエッジおよび入光側面と下面(反射面)の交差してできるエッジのいずれか一方のエッジを面取り形状とし他方のエッジを曲面形状(R形状)とすることを特徴とする。
【0020】
上記の課題を解決するためにその第4の手段として本発明は、前記第1の手段乃至第3の手段のいずれかにおいて、前記導光板の上面に対向してプリズムシートその他の光の透過方向を規制する部材が配置されていることを特徴とする。
【0021】
上記の課題を解決するためにその第5の手段として本発明は、前記第1の手段乃至第4の手段のいずれかにおいて、前記導光板の下面の少なくとも一部は複数のプリズムよりなる反射面であることを特徴とする。
【0022】
上記の課題を解決するためにその第6の手段として本発明は、前記第1の手段乃至第4の手段のいずれかにおいて、前記導光板の下面はシボよりなる反射面の部分と複数のプリズムよりなる反射面の部分を有することを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、図面に基づいて本発明の第1実施形態を説明する。図1は本第1実施形態に係る面状光源10示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。(c)は(b)のA部の拡大図である。図1において、1は光源であるLED、2は導光板、3はプリズムシート、6は反射板、7は液晶パネルである。導光板2は平面形状が略四辺形の板状をなし、透光性の樹脂(ポリカーボネイト等)よりなる。2aは導光板2の上面である。2cはLED1に対向する導光板2の入光側面である。2bは導光板2の下面である。この下面2bには複数の非対称プリズム2bpが形成されている。この非対称プリズム2bpは、入光側面2cから離れるに従って急激に上面2aとの距離が増加する立ち下り斜面2bp1と、緩やかに上面2aとの距離が減少する立ち上がり斜面2bp2を有している。
【0024】
2dは導光板2の前記入光側面2cと上面2aが交差してできるエッジに形成された面取り部であり、2eは入光側面2cと下面2bが交差してできるエッジに形成された面取り部である。ここで、面取りの部の傾斜角は図1(c)に示すように略45゜となっている。
【0025】
図示しない電源よりLED1に所定の電流が供給されると、LED1は白色又は所定の色で発光する。LED1からの出射光のうち図1(b)の点線で示すように導光板2の入光側面2c(面取り部2dおよび2eを除く部分)に入射したものは、その屈折による出射角が臨界角より小さいので、すでに従来例の説明で図7を用いて説明したのと同様の原理により、上面2a又は下面2bに最初に達したときはこれらの面に対する入射角(図7のθ1)は臨界角以上となり、かならず全反射される。そして図1(b)の点線で例示するように上面2aと下面2bの間で反射を繰り返すことにより、すでに説明したように反射の度に入射角が斜面の傾角(図7のαに相当)ずつ減少し、これが臨界角以下となったときに屈折により外部に出射する。このようにして、正常な経路を経て導光板2の上面2aをから出射した光線は、プリズムシート3に入射する。プリズムシート3に入射した光はここで、プリズムシート内で正反射され最終的には、z方向へ進路を変える。このz方向に向かう光線が液晶表示板7に入射することにより、液晶を透過する光の方向を理想的なものとし、鮮明な表示を可能とする。
【0026】
図1(c)の拡大図に示すように、面取り部2dの上面2aと交差するエッジ2d1および入光側面1cと交差するエッジ2d2のそれぞれの交差角θd1およびθd2は共に90°以上となり、導光板2を成形加工する際の型の転写性が良くなり、エッジが従来のように粗面となりにくいので、従来のような2次光源は発生しにくい。次に図1(b)に示す下側の面取り部2eに関しても同様の理由により、2次光源は発生しにくい。よって、本第1実施形態に係る面状光源においては、従来例において図8に示したように照明時に輝線が目立つような状態を回避できる場合が多い。図2は本第1実施形態に係る面状光源10の照明光の状態の一例を示す上面図である。これによれば、導光板2の全領域にわたり輝線が目立たない領域Rとなっており、従来のように目立つ輝線は認められない。なお、導光板の上面に対向させてプリズムシート又は拡散板のような透過の方向を規制する部材を配した場合に、従来においては輝線の目立ちが特に顕著であったところ、本発明においてはこの目立ちをなくすことが容易となった。
【0027】
以下に本発明の第2実施形態に係る面状光源について図面を用いて説明する。図3は本第2実施形態に係る面状光源20示す図であり(a)は側面図、(b)は(a)におけるB部の拡大図である。図3において2fは導光板2の前記入光側面2cと上面2aが交差する部分に形成されたR部(円弧状曲面)であり、2gは導光板2の前記入光側面2cと下面2bが交差する部分に形成されたR部(円弧状曲面)である。その他の符号に関しては、図1に示して説明した面状光源10の場合と同様である。前記のR部2fおよび2gは面の方向がなだらかに変化しており、これにより、導光板2を成形加工する際の型の転写性が良くなるので、面が従来のエッジのように粗面となりにくく、従がって2次光源の発生が阻止されやすい。これにより、従来のように輝線の目立つことが防止される場合が多い。図3(a)において点線は、図1の場合と同様にLED1から導光板2に入射した光線の正常の経路を示す。
【0028】
以下に本発明の第3実施形態に係る面状光源について図面を用いて説明する。図4は本第3実施形態に係る面状光源30示す側面図である。本第3実施形態は図1に示す第1実施形態の変形例である。図4において、2bhは導光板2の下面2bにいて下側の面取り部2eの近傍に設けられたシボ反射面である。面状光源30のその他の構造は、図1に示した面状光源10と同様である。シボ反射面2bhは細かい不規則な凹凸を有しており、入光側面2cからこの面に入射した光を散乱させる散乱光の中には直接に直接に上面2aに向かうものもあるし、下方に出射するものもある。散乱により導光板2の下面2bから外部に出射した光は反射板6によって反射され再び導光板2に入射し、上面2aに向かう。このようにして、非対称プリズム2bpを利用する光の経路の他に、シボ反射面2bhを利用する光の経路が生まれ、導光板1の上面1aにおいて、入光側面2cに近い所からも上方に光を出射することができるようになり、照明の領域を入光側面1cの近傍にまで広げることができる。本第3実施形態の場合も上下の面取り部2d、2eの存在により、導光板2のエッジ部における2次光源の発生が阻止されやすく、これにより、面状光源の照明における輝線の目立がなくなりやすい。
【0029】
以下に本発明の第4実施形態に係る面状光源について図面を用いて説明する。図5は本第4実施形態に係る面状光源40示す側面図である。図5に示すように、本第4実施形態においては、導光板2の上面2aと入光側面2cの交差してなすエッジ部にはR部(円弧状曲面)2fが形成され、下面2bと入光側面2cの交差してなすエッジ部には面取り部2eが形成されている。面状光源40はこのR部2fと面取り部2eの存在により、すでに説明した原理により2次光源が発生しにくくなっており、従がって照明時における輝線の目立ちをなくすことを容易にしている。
【0030】
これまで述べてきた本発明の実施の形態に係る面状光源においては、導光板の下面の全部又は大部分が非対称プリズムにより構成されている。しかし、本発明はこれに限らず、導光板の下面の全部又は大部分が対称プリズム、印刷、シボ又はドット等による規則的又は不規則的な凹凸を有する反射面であっても、導光板の入光側面(1c)の上下のエッジ部に、面取り部又はR部を設けることにより、2次光源の発生を防止し、照明光における輝線の目立ちをなくし又は減少させることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明によれば、導光板とその側方に配したLED等の発光源を有する面状光源において、その照明時に発生することのある輝線の目立ちによる明暗の縞模様の発生を防止を容易にし、液晶表示の品質の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る面状光源を示す図である。
【図2】図1に示す面状光源の照明光の状態を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る面状光源を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る面状光源を示す図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る面状光源を示す図である。
【図6】従来の導光板を用いたバックライトユニットを示す図である。
【図7】図6に示す導光板の通常の作用を示す図である。
【図8】図6に示す導光板の照明光の状態を示す上面図である。
【図9】図6に示す導光板の異常な作用を示す図である。
【図10】図6に示す導光板の異常な光の経路を詳細に説明する図である。
【図11】LEDの光源の指向特性を示す図である。
【符号の説明】
1 LED
2 導光板
2a 上面
2b 下面
2c 入光側面
2d、2e 面取り部
2f、2g R部
2bp 非対称プリズム
2bp1 立下り斜面
2bp2 立上がり斜面
2bh シボ反射面
3 プリズムシート
6 反射板
7 液晶表示板
10、20、30、40 面状光源

Claims (6)

  1. 板状の透光材よりなる導光板と該導光板の側面に対向して配された発光光源を有し、該発光光源から前記導光板の側面に入射する光を導光板の下面の反射面と導光板の上面の出射面との作用により光路変換して前記上面から面状の光束を出射する面状光源において、前記導光板の発光光源からの光の入射する入光側面と上面(出射面)の交差してできるエッジおよび入光側面と下面(反射面)の交差してできるエッジを面取り形状とすることを特徴とする面状光源。
  2. 板状の透光材よりなる導光板と該導光板の側面に対向して配された発光光源を有し、該発光光源から前記導光板の側面に入射する光を導光板の下面の反射面と導光板の上面の出射面との作用により光路変換して前記上面から面状の光束を出射する面状光源において、前記導光板の発光光源からの光の入射する入光側面と上面(出射面)の交差してできるエッジおよび入光側面と下面(反射面)の交差してできるエッジを曲面形状(R形状)とすることを特徴とする面状光源。
  3. 板状の透光材よりなる導光板と該導光板の側面に対向して配された発光光源を有し、該発光光源から前記導光板の側面に入射する光を導光板の下面の反射面と導光板の上面の出射面との作用により光路変換して前記上面から面状の光束を出射する面状光源において、前記導光板の発光光源からの光の入射する入光側面と上面(出射面)の交差してできるエッジおよび入光側面と下面(反射面)の交差してできるエッジのいずれか一方のエッジを面取り形状とし他方のエッジを曲面形状(R形状)とすることを特徴とする面状光源。
  4. 前記導光板の上面に対向してプリズムシートその他の光の透過方向を規制する部材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の面状光源。
  5. 前記導光板の下面の少なくとも一部は複数のプリズムよりなる反射面であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の面状光源。
  6. 前記導光板の下面はシボよりなる反射面の部分と複数のプリズムよりなる反射面の部分を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の面状光源。
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