JP2004107627A - Laminated film for optical use, laminated film for preventing reflection, laminated film for touch panel and laminated film for displaying member - Google Patents

Laminated film for optical use, laminated film for preventing reflection, laminated film for touch panel and laminated film for displaying member Download PDF

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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a laminated polyester film for an optical use, excellent in transparency, making fine scratches on a substrate film formed in a film-forming process as inconspicuous, without having a cloudy feeling of the laminated film and extremely excellent in easy adhering property and moisture and heat resistant adhering property, and a laminated film for a displaying member by using the same. <P>SOLUTION: This laminated film for the optical use is provided by installing a coated layer on at least one side surface of a polyester film. The coated layer consists of 2 kinds of resins having different refractive indices, wherein, a high refractive index component layer L1 is in the polyester film side, a low refractive index layer L2 is in the reverse side, and at a boundary of the layers L1 and L2, a mixed phase region of each of the layers is present by 5-100 nm thickness. Total light transmittance is ≥90 %, and haze is ≤1.5 %. The laminated film for preventing reflection is provided by installing a hard coated layer on the coated layer of the laminated film for the optical use. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光学用積層ポリエステルフィルムに関し、非常に透明性に優れ、製膜工程時についた基材フィルムの微小な傷を目立たなくし、積層フィルムのモヤ感もなく、かつ、易接着性や耐湿熱接着性にも抜群に優れた光学用積層フィルムに関するものである。
【0002】
また、上記した光学用積層フィルムに、例えばハードコート層を設け反射防止用積層フィルムとして用いることができ、また、例えば導電性金属酸化物層を設けタッチパネル用積層フィルムや電子ペーパー用積層フィルムとして用いることができる積層フィルムに関するものである。
【0003】
【従来の技術】
二軸配向ポリエステルフィルムは、機械的性質、電気的性質、寸法安定性、耐熱性、透明性、耐薬品性などに優れた性質を有することから磁気記録材料、包装材料、電気絶縁材料、各種写真材料、感光材料、感熱材料、グラフィックアーツ材料などの多くの用途の基材フィルムとして広く使用されている。特に、近年のIT技術の進歩と相まって、ディスプレイ関係の表示用部材をはじめとした各種の光学用フィルムとして使用頻度が高まってきている。
【0004】
中でも、CRT用やLCD用ディスプレイの反射防止フィルム用の基材フィルム、タッチパネル用の基材フィルム、液晶表示装置の重要な構成部材であるプリズムレンズシート用の基材フィルム、CRTのガラス飛散防止フィルム用の基材フィルム、電子ペーパー用の基材フィルムなどは、特に優れた機械的性質や寸法安定性や透明性が要求される。多くの場合、50μm以上の厚いフィルムが用いられているが、上記した用途などに用いる場合、ハードコート層との接着性やプリズムレンズ層との接着性などが要求されほか、特に光を透過して見る用途が多いため、フィルム表面の微小な傷なども、通常のフィルム用途では全く問題とならない傷ですら、大問題となるため、極力少ないこと、あるいはその傷が目立たないことが望まれている。
【0005】
一般的なフィルムでは、易滑性を付与し製膜時のハンドリング性を向上させるため不活性粒子などを基材フィルム中に含有させる方法が採られているが、最高レベルの高い透明性を得るためには、基材フィルムを実質的に無粒子とすることが必要である。
【0006】
一方、一般に二軸配向ポリエステルフィルム表面は高度に結晶配向しているため、各種塗料、接着剤、インキなどとの接着性に乏しいという欠点を持っており、上記した光学用途で用いる場合も例外ではなく、例えばハードコート層などとは全く接着しないため、ハードコート後の加工工程や、反射防止フィルム貼り付け時や、実使用時に該ハードコート層が剥離するなどの問題が発生することがある。そのため、従来からポリエステルフィルム表面に種々の方法で易接着性を与える方法、例えば、フィルム表面上に各種ガス雰囲気下でコロナ放電処理するなどの表面活性化法、薬剤による表面エッチング法、あるいはフィルム表面にポリエステル、アクリル、ポリウレタン、アクリルグラフトポリエステルなどの各種樹脂をプライマー層として設ける方法(特許文献1〜4参照)などが検討されている。特に、塗布によって上記プライマー層を設け易接着性を付与する方法、中でも、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムに必要に応じてコロナ放電処理を施し、上記樹脂成分を含有する塗液を塗布し、乾燥後、延伸、熱処理を施して結晶配向を完了させる方法(インラインコート法)などが当業界で行われている。
【0007】
【特許文献1】特開昭55−15825号公報(第1頁)
【0008】
【特許文献2】特開昭58−78761号公報(第1頁)
【0009】
【特許文献3】特開昭60−248232号公報(第1頁)
【0010】
【特許文献4】特開平1−171988号公報(第1頁)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した従来の技術には次のような問題点がある。
【0012】
粒子を添加しない基材フィルムを適用した場合、滑り性が極端に悪いため、フィルム製造工程に存在する多数のロール群との擦れ、特に縦延伸工程で傷が多数発生し、例えばハードコート後に該傷が画面上で輝点となり大問題となったりするなど、高精細な画質を求める昨今の要求レベルに全く合致しないものとなる。
【0013】
一方、接着性を付与するためアクリル樹脂をポリエステルフィルム上に塗布したものはハードコート層など被覆物との接着性は優れている反面、該アクリル樹脂からなる塗布層と基材ポリエステルフィルムとの接着性が劣り、特に多様な環境下、例えば高温高湿下や低温化では、接着性が極端に劣るという欠点を持っている。また、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂をポリエステルフィルム上に塗布したものは、基材ポリエステルフィルムと該ポリエステル樹脂からなる塗布層との接着性は優れるが、肝心の被覆物との接着性に乏しいという欠点があった。
【0014】
本発明はこれらの欠点を解消せしめ、光学用に用いる時、積層ポリエステルフィルムの透明性に非常に優れると同時に、易接着性や耐湿熱接着性にも抜群に優れ、積層フィルムのモヤ感もなく、かつ、驚くべきことに製膜工程時についた基材フィルムの微小な傷をも目立た無くさせる光学用積層ポリエステルフィルムを提供することを目的とするものである。また、本発明の他の目的は、上記した光学用積層ポリエステルフィルムに、ハードコート層を設け反射防止用積層フィルム、および、導電性金属酸化物層を設けタッチパネル用積層フィルムや電子ペーパー用積層フィルムなどのディスプレイ部材用積層フィルムとして提供することにもある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため本発明の光学用積層フィルムは、主として次の構成を有する。すなわち、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、塗布層が設けられた積層フィルムであり、該塗布層は屈折率の異なる2種類の樹脂からなり、かつ、屈折率が1.53〜1.65である高屈折率成分を主成分とする層Lがポリエステルフィルム側に、屈折率が1.43〜1.56である低屈折率成分を主成分とする層Lが反対側にあり、前記層Lと前記層Lとの界面に、前記各層の混在相領域が5〜100nmの厚さで存在し、かつ、全光線透過率が90%以上、ヘイズが1.5%以下であることを特徴とする光学用積層フィルムである。
【0016】
また、本発明の反射防止用積層フィルムは、主として次の構成を有する。すなわち、上記光学用積層フィルムの塗布層上に、ハードコート層が設けられたことを特徴とする反射防止用積層フィルム、である。
【0017】
本発明のタッチパネル用積層フィルムは、主として次の構成を有する。すなわち、上記光学用積層フィルムの少なくとも片面に、導電性金属酸化物層が設けられたことを特徴とするタッチパネル用積層フィルム、である。
【0018】
本発明の電子ペーパー用積層フィルム、主として次の構成を有する。すなわち、 上記光学用積層フィルムの少なくとも片面に、導電性金属酸化物層が設けられたことを特徴とする電子ペーパー用積層フィルム、である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、更に詳しく本発明の光学用積層フィルム、およびディスプレイ部材用積層フィルム、すなわち、反射防止用積層フィルムと、タッチパネル用積層フィルムと、電子ペーパー用積層フィルムについて説明する。
【0020】
本発明にかかる積層フィルムにおいて、ポリエステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であって、好ましいポリエステルとしては、エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成成分を主要構成成分とするものを用いることができる。これら構成成分は1種のみ用いても、2種以上併用してもよいが、中でも品質、経済性などを総合的に判断するとエチレンテレフタレートを主要構成成分とするポリエステルを用いることが特に好ましい。また、基材に熱が作用する用途においては、耐熱性や剛性に優れたポリエチレン−2,6−ナフタレートが更に好ましい。
【0021】
また、これらポリエステルには、更に他のジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは20モル%以下共重合されていてもよい。
【0022】
更に、このポリエステル中には、各種添加剤、例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤、架橋剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。特に、微粒子の添加は光線透過率やヘイズといった透明性に関する特性を低下させる場合が多く、添加する場合は極力粒子径が小さく、好ましくは散乱が発生しにくい可視光波長の約1/4以下の粒子径を有するものが好ましく、その添加量も微量であることが好ましい。
【0023】
上述したポリエステルの極限粘度(25℃のo−クロロフェノール中で測定)は、0.4〜1.2dl/gが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8dl/gの範囲にあるものが本発明を実施する上で好適である。
【0024】
上記ポリエステルを使用したポリエステルフィルムは、塗布層が設けられた状態においては二軸配向されたものであるのが好ましい。二軸配向ポリエステルフィルムとは、一般に、未延伸状態のポリエステルシートまたはフィルムを長手方向および幅方向に各々2.5〜5倍程度延伸され、その後、熱処理が施されて、結晶配向が完了されたものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。
【0025】
ポリエステルフィルムの厚みは特に限定されず、用途に応じて適宜選択されるが、通常1〜500μm、好ましくは3〜300μmである。また、得られたフィルムを各種の方法で貼り合わせ、更に厚いフィルムとすることもできる。
【0026】
本発明の光学用積層フィルムの塗布層は、塗布によって設けられたものであり、かつ、屈折率の異なる2種類の樹脂からなり、かつ、屈折率が1.53〜1.65である高屈折率成分を主成分とする層Lがポリエステルフィルム側に、屈折率が1.43〜1.56である低屈折率成分を主成分とする層Lが反対側にあり、前記層Lと前記層Lとの界面に、前記各層の混在相領域が5〜100nmの厚さで存在してなるものである。ここで、混在相領域とは、前記各層をなす相が相分離構造を形成した領域を言う。
【0027】
図1は本発明の光学用積層フィルムの一例の厚み方向の断面を示す透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。下から基材となるポリエステルフィルム、その上に塗布層が積層され、該塗布層は屈折率が1.53〜1.65である高屈折率成分を主成分とする層Lが基材のポリエステルフィルム側に、また、屈折率が1.43〜1.56である低屈折率成分を主成分とする層Lが層Lの上、すなわち反対側にあり、前記層Lと前記層Lとの界面に、前記各層の混在相領域が5〜100nmの厚さで存在していることがわかる。なお、図中、TEM断面観察像においては、空気層部分は、観察用の包埋樹脂層として観察される。
【0028】
本発明においては、前記層Lを構成する樹脂と、前記層Lを構成する樹脂の屈折率が異なり、かつ、前記層Lを構成する樹脂の方が屈折率が高ければ、各層を構成する樹脂の屈折率は任意の範囲のものを選択して用いることができる。中でも、屈折率が1.65程度である二軸配向された基材ポリエステルフィルムと同じ組成物からなるポリエステル樹脂を層Lに用いた場合、例えば、塗布層を設ける前の工程でついたフィルムの傷などを修復し、目立たなくさせる効果があること、基材フィルムとの接着性に抜群に優れることなどの点で非常に好適である。一方、前記層Lにアクリル樹脂を用いた場合、前記層Lに用いた樹脂、例えば、ポリエステル樹脂と比較して、屈折率が低いため、屈折率が1の空気層との界面での反射が抑制されるため、塗布層表面での反射が抑制され、ヘイズが下がる、光線透過率が上がるなど、光学用途に用いる場合の透明性の点で非常に好適である。
【0029】
ここで、上記したとおりのポリエステル樹脂からなる層Lと、アクリル樹脂からなる層Lを、別個に基材ポリエステルフィルム上に設けた場合を考えると、前記層Lのみの場合、空気層との界面での反射が大きくなり、ヘイズが高くなる、光線透過率が下がる、反射防止フィルム用途などでは塗布層上に設けられるハードコート層との接着性が劣るなどの問題があり、一方、前記層Lのみの場合、基材ポリエステルフィルムとの界面での屈折率差が大きいため、フィルムの傷などを修復する効果がなく、逆に、キラリと目立つなど、光学的用途に用いる場合に問題となり、基材フィルムとの接着性も劣るものとなる。
【0030】
すなわち、本発明に記載の通り、光学用途に用いる場合は、二軸配向されたポリエステルフィルムの屈折率(屈折率=約1.65)、ポリエステル樹脂からなる層Lの屈折率、アクリル樹脂からなる層Lの屈折率、そして空気層(屈折率=1)という順に並んだ構成となる積層ポリエステルフィルムが最も好ましい形態であり、かつ、層Lと層Lの境界において、明確な界面を形成しないことが重要なポイントとなる。例えば、オフラインでの塗工などのように、基材ポリエステルフィルム上にポリエステル樹脂を設けた積層フィルムを作製し、引き続いて該塗布層上にアクリル樹脂を設けた2層からなる積層ポリエステルフィルムなどは、ポリエステル樹脂層とアクリル樹脂層との界面での接着性が悪いこと、該界面が明確に形成されているため該界面での光の反射が無視できず光学的な反射界面が明確に存在してしまうこと、そして何よりも、2回塗布する必要があり、コスト的にも非常に不利であり、ゴミの混入などの問題も避けて通れないものである。
【0031】
また、イソフタル酸共重合ポリエステル樹脂などを共押出法によってポリエステルフィルム上に設けた共押出フィルムなどの上に、アクリル樹脂からなる塗布層を設けた場合も、上記と同様に、共重合ポリエステル樹脂とアクリル樹脂との界面が明確に存在してしまい、同様の結果となる。
【0032】
また、例えば1回の塗布などによってポリエステル樹脂とアクリル樹脂からなる塗剤をポリエステルフィルム上に塗布することによって設けた従来の通常の塗布層では、各樹脂の持つ表面エネルギー差による相分離現象によって、表面側に低表面エネルギー物質であるアクリル樹脂が、基材側に高表面エネルギー物質であるポリエステル樹脂が相互排除し合うことで両相が選択的に2層に配置され、明確な界面が形成されて完全に2層構造になってしまうという問題がある。一方、熱エネルギーが不足している場合など、不完全な相分離現象が起こる場合は、全く相分離しないか、相分離現象は認められても両者の界面に存在する混在相領域の厚みが大きすぎるなどの問題がある。特に後者の場合、該界面が光学波長以上、すなわち可視光領域の光の波長(λ)の1/4以上となった場合など、界面での散乱が顕著となり、ヘイズが高くなる、光線透過率が下がるなどの光学用途での使用に際し問題となる。
【0033】
ここで、本発明の光学用積層フィルムにおける塗布層の構成成分であるポリエステル樹脂は、主鎖あるいは側鎖にエステル結合を有するものである。このようなポリエステル樹脂は、ジカルボン酸とジオールから重縮合して得ることができるものである。
【0034】
ポリエステル樹脂を構成するカルボン酸成分としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸や3価以上の多価カルボン酸が使用できる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビスフェノキシエタン−p,p’−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを用いることができる。これらの芳香族ジカルボン酸は、塗布層の強度や耐熱性の点で、好ましくは全ジカルボン酸成分の30モル%以上、より好ましくは35モル%以上、更に好ましくは40モル%以上のものを用いるのがよい。脂肪族及び脂環族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など、及びそれらのエステル形成性誘導体を用いることができる。
【0035】
ポリエステル樹脂のグリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、4,4’−チオジフェノール、ビスフェノールA、4,4’−メチレンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−,及びp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、4,4’−イソプロピリデンビンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオールなどを用いることができる。
【0036】
また、ポリエステル樹脂を水系樹脂とした塗液として用いる場合、ポリエステル樹脂の接着性を向上させるため、あるいはポリエステル樹脂の水溶性化を容易にするため、カルボン酸塩基を含む化合物や、スルホン酸塩基を含む化合物を共重合することが好ましい。特に、耐湿接着性の要求される用途においては、塗布層を構成するポリエステル樹脂としては、スルホン酸塩基に代表される強塩基性を示す化合物を共重合せずに、カルボン酸塩基を含む化合物を共重合することが望ましい。
【0037】
カルボン酸塩基を含む化合物としては、例えばトリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸等、あるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
スルホン酸塩基を含む化合物としては、例えばスルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシリレングリコール、2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等、あるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
好ましいポリエステル樹脂としては、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、グリコール成分としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールから選ばれる共重合体などである。
【0040】
本発明の光学用積層フィルムの塗布層に用いられるポリエステル樹脂は、以下の製造法によって製造することができる。例えば、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコール、ネオペンチルグリコールからなるポリエステル樹脂について説明すると、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸とエチレングリコール、ネオペンチルグリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸及びエチレングリコール、ネオペンチルグリコールとをエステル交換反応させる第一段階と、この第一段階の反応生成物を重縮合反応させる第二段階とによって製造する方法等により製造することができる。
【0041】
この際、反応触媒として、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物等を用いることができる。
【0042】
また、カルボン酸を末端及び/又は側鎖に多く有するポリエステル樹脂を得る方法としては、特開昭54−46294号公報、特開昭60−209073号公報、特開昭62−240318号公報、特開昭53−26828号公報、特開昭53−26829号公報、特開昭53−98336号公報、特開昭56−116718号公報、特開昭61−124684号公報、特開昭62−240318号公報などに記載の3価以上の多価カルボン酸を共重合した樹脂により製造することができるが、むろんこれら以外の方法であってもよい。
【0043】
本発明において、塗布層に用いられるポリエステル樹脂の固有粘度は特に限定されないが、接着性の点で0.3dl/g以上であることが好ましく、より好ましくは0.35dl/g以上、最も好ましくは0.4dl/g以上であることである。水系ポリエステル樹脂のガラス転移点(以後、Tgと略称する)は、0〜90℃であることが好ましく、より好ましくは10〜80℃である。Tgが0℃未満では耐湿接着性が劣り、逆に90℃を越える場合、樹脂の造膜性に劣るようになるので好ましくない。また、該水系ポリエステル樹脂の酸価は好ましくは20mgKOH/g以上、より好ましくは30mgKOH/g以上が接着性、特に耐湿接着性の点で好ましく用いられる。
【0044】
本発明の光学用積層フィルムにおける塗布層の構成成分であるアクリル樹脂を構成するモノマー成分としては、例えば、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基等)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ基含有モノマ、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド等のアミド基含有モノマ、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基含有モノマ、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有モノマ、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)等のカルボキシル基またはその塩を含有するモノマーなどを用いることができ、これらは1種もしくは2種以上を用いて共重合される。更に、これらは他種のモノマーと併用することができる。
【0045】
他種のモノマーとしては、例えば、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸及びそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等のスルホン酸基またはその塩を含有するモノマー、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸及びそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等のカルボキシル基またはその塩を含有するモノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物を含有するモノマー、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニル等を用いることができる。
【0046】
本発明において用いられるアクリル樹脂のガラス転移点(Tg)は特に限定されるものではないが、好ましくは0〜90℃、より好ましくは10〜80℃である。Tgが低いアクリル樹脂を用いる場合は高温高湿下での接着性が劣る傾向があり、逆に高すぎる場合は延伸時に亀裂を生じることがあり好ましくない。また、該アクリル樹脂の分子量は10万以上が好ましく、より好ましくは30万以上とするのが接着性の点で望ましい。
【0047】
本発明において用いられる好ましいアクリル樹脂としては、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、アクリル酸から選ばれる共重合体等である。
【0048】
本発明の光学用積層フィルムを製造するに際しては、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムに水系樹脂塗液を塗布し、延伸、熱処理により結晶配向を完了させる方法によることが、高温での熱処理が可能であることや、より均一で薄膜の塗布層を得ることができるので好適に用いられる。上記方法によって塗布層を形成する場合には、アクリル樹脂は水に溶解、乳化、あるいは懸濁し得る水系のものが環境汚染や防爆性の点で好ましい。このような水系アクリル樹脂は、親水性基を有するモノマ(アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、ビニルスルホン酸およびその塩など)との共重合や反応性乳化剤や界面活性剤を用いた乳化重合、懸濁重合、ソープフリー重合などの方法によって作製することができる。
【0049】
本発明の光学用積層フィルムの塗布層においては、表面側のアクリル樹脂からなる層Lおよび/またはポリエステルフィルム側のポリエステル樹脂からなる層Lに、あるいは、混在相領域に、各種の架橋剤が1種あるいは複数種含有されていてもよい。
【0050】
本発明でいう架橋剤は、特に限定されるものではないが、上記した樹脂に存在する官能基、例えば、カルボキシル基、ヒドロキシル基、メチロール基、アミド基などと架橋反応し得るものであればよく、例えば、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メチロール化あるいはアルキロール化した尿素系、アクリルアミド系、ポリアミド系樹脂、アミドエポキシ化合物、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤などを用いることができる。特に、易接着性や耐湿熱接着性などの点からメラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤が好適に用いられる。
【0051】
用いられる架橋剤は、架橋反応をおこす化合物であれば特に限定されないが、メチロール化あるいはアルキロール化した尿素系、メラミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン系化合物、アジリジン化合物、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤などを用いることができる。なかでも、メチロール化メラミン系化合物、オキサゾリン系化合物、エポキシ化合物が好ましく用いられる。
【0052】
中でも、特に、メラミン系架橋剤が、高湿度下での接着性(耐湿接着性)が向上するのみならず、塗布性も向上させる効果があることを見出した。用いられるメラミン系架橋剤としては、特に限定されないが、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、及びこれらの混合物などを用いることができる。又、メラミン系架橋剤としては単量体、2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれでもよく、これらの混合物でもよい。エーテル化に用いられる低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノールなどを用いることができる。官能基としては、イミノ基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキシメチル基等のアルコキシメチル基を1分子中に有するもので、イミノ基型メチル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、メチロール基型メチル化メラミン樹脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂などである。その中でもメチロール化メラミン樹脂が最も好ましい。更に、メラミン系架橋剤の熱硬化を促進するため、例えばp−トルエンスルホン酸などの酸性触媒を用いてもよい。
【0053】
本発明において用いられるオキサゾリン系架橋剤は、該化合物中に官能基としてオキサゾリン基を有するものであれば特に限定されるものではないが、オキサゾリン基を含有するモノマーを少なくとも1種以上含み、かつ、少なくとも1種の他のモノマーを共重合させて得られるオキサゾリン基含有共重合体からなるものが好ましい。
【0054】
オキサゾリン基を含有するモノマーとしては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリンなどを用いることができ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することもできる。中でも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。
【0055】
オキサゾリン系架橋剤において、オキサゾリン基を含有するモノマーに対して用いられる少なくとも1種の他のモノマーとしては、該オキサゾリン基を含有するモノマーと共重合可能なモノマーであれば、特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどの不飽和アミド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、エチレン、プロピレンなどのオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルなどの含ハロゲン−α,β−不飽和モノマー類、スチレン、α−メチルスチレンなどのα,β−不飽和芳香族モノマー類などを用いることができ、これらは1種または2種以上の混合物を使用することもできる。
【0056】
メラミン系架橋剤の添加量は、特に限定されないが、本発明の効果をより顕著に発現させるためには、塗液として用いられる固形分100重量部に対し、好ましくは2〜50重量部、より好ましくは5〜40重量部、最も好ましくは10〜30重量部である。
【0057】
オキサゾリン系架橋剤の添加量は、特に限定されないが、本発明の効果をより顕著に発現させるためには、塗液として用いられる固形分100重量部に対し、好ましくは2〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部、最も好ましくは5〜10重量部である。特に、オキサゾリン系架橋剤の添加は、吸湿性を有する樹脂中のカルボキシル基などとの反応性が高いため、架橋反応することで、これらの官能基を失活させうるためであると考えている。
【0058】
更に、塗布層中には本発明の効果が損なわれない範囲内で各種の添加剤、例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などが配合されてもよい。
【0059】
特に、本発明を実施するにあたり、塗液中に無機粒子を添加配合し二軸延伸したものは、易滑性や耐ブロッキング性が向上するので更に好ましい。
【0060】
添加する無機粒子としては、代表的には、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等を用いることができる。用いられる無機粒子は、本発明の効果が損なわれない範囲のものであればよいが、光学用途に用いる場合、平均粒径0.01〜0.4μmであるものが好ましく、より好ましくは0.05〜0.3μm、最も好ましくは0.05〜0.1μmであり、塗液中の固形分に対する配合比は、特に限定されないが、重量比で0.05〜8重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。
【0061】
また、本発明を実施するにあたり、水系樹脂の塗布の方法は、例えばリバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法などを用いることができる。
【0062】
塗布層の厚みは、特に限定されないが、通常は好ましくは0.02〜1μm、より好ましくは0.04〜0.3μm、最も好ましくは0.04μm〜0.1μmの範囲である。厚みがかかる好ましい範囲であると接着性良好で、相分離による混在相領域も十分に形成される。
【0063】
層Lと層Lとの積層比(層L/層Lの厚さ比)は、特に限定されないが、通常は5/95〜80/20とするのが好ましく、より好ましくは10/90〜70/30、最も好ましくは30/70〜50/50の範囲が、耐湿接着性やフィルムの傷を目立たなくさせる点で優れている。
【0064】
また、本発明において塗布層の主成分とは、該成分が塗布層中において60重量%以上であるものをいう。もっとも本発明においては、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上を占めて該主成分が存在していることが望ましいものである。
【0065】
上述した通りの積層構造は、例えば、次のような各種方法で実現することができる。ポリエステル樹脂とアクリル樹脂を混合した塗液をコーティング法で基材フィルム上に塗布し、特定の条件下で乾燥して後、延伸することにより本発明の塗布層構成を得る方法などがある。
【0066】
本発明の積層フィルムの製造法においては、2段階以上の異なる設定乾燥条件で水系樹脂塗液を塗布後、乾燥するものであり、かつ、混在相領域が5〜100nmで存在しうる熱処理時間であれば特に限定されず、例えば、次のような方法をとることができる。1段階目の乾燥を基材ポリエステル樹脂のガラス転移点(以下、Tgと略称する)未満の温度で行った後、2段階目の乾燥をTg以上の温度で行い、延伸のために必要なTg付近の温度(但し、Tg以上)にし、引き続き延伸を行う方法を用いることができる。特に、このように2段階目の設定乾燥温度を1段階目の設定乾燥温度より高くすることにより、本発明において採用する積層構造をより顕著に発現させることができる。更に、上記した乾燥を繰り返して用いることもできる。用いられる乾燥方法としては、ラジエーションヒータによる方法、加熱された熱風を吹き付ける方法、これら両者の併用などである。
【0067】
また、このとき、1段階目と2段階目の乾燥の間であって、2段階目の乾燥温度にする際、雰囲気温度を10℃/秒以上で上昇させることが好ましく、より好ましくは40℃/秒以上、最も好ましくは200℃/秒以上である。
【0068】
更に、塗布、延伸後の熱処理工程における熱処理時間について、5〜40秒が好ましく、より好ましくは7〜20秒である。熱処理時間がかかる好ましい範囲であると、相分離構造を形成した混在相領域の厚みも適度に小さく、一方、混在相領域が存在せず明確な界面が形成された2層構造になることもない。
【0069】
本発明の光学用積層フィルムにおいて、該混在相領域が明確に存在することが必要であり、塗布層の層Lと層Lの界面での接着性を向上させ、更には、ヘイズや光線透過率にも優れた効果をもたらしている。該混在相領域は薄すぎる場合には効果がなく、塗布層の厚み方向に見た場合、厚みが5〜100nmであることが必要であり、10〜80nm、さらには10〜50nmの厚みをもって、明確な混在相領域として存在している積層構造であることが好ましい。
【0070】
本発明においては、塗液を塗布する前に、基材フィルムの表面にコロナ放電処理などを施し、該表面の濡れ張力を、好ましくは47mN/m以上、より好ましくは50mN/m以上とするのが塗布層の基材フィルムとの接着性を向上させるだけではなく、基材ポリエステルフィルムの表面エネルギーを上げることで、表面エネルギー差を大きくでき、上述した相分離をより顕著にすることができるのでよい。
【0071】
次に、本発明の積層ポリエステルフィルムの製造法について、基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称する)フィルムを例にして説明するが、当然これに限定されるものではない。
【0072】
例えば、極限粘度0.5〜0.8dl/gのPETペレットを真空乾燥した後、押し出し機に供給し260〜300℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度10〜60℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて、冷却固化せしめて未延伸PETフィルムを作製した。この未延伸フィルムを70〜100℃に加熱されたロール間で縦方向(フィルムの進行方向)に2.5〜5倍延伸する。このフィルムの少なくとも片面に空気中でコロナ放電処理を施し、該表面の濡れ張力を47mN/m以上とし、その処理面に本発明にかかる混在相領域を有する相分離構造塗布層を形成する塗液を塗布した。この塗布されたフィルムをクリップで把持して乾燥ゾーンに導き、基材ポリエステル樹脂のTg未満の温度で乾燥して後、Tg以上に上げ、再度Tg近傍の温度で乾燥、引き続き連続的に70〜150℃の加熱ゾーンで幅方向に2.5〜5倍延伸し、続いて200〜240℃の加熱ゾーンで5〜40秒間熱処理を施し、結晶配向の完了した積層PETフィルムを作製する。この熱処理中に必要に応じて3〜12%の弛緩処理を施してもよい。二軸延伸は縦、横逐次延伸あるいは同時二軸延伸のいずれでもよく、また縦、横延伸後、縦、横いずれかの方向に再延伸してもよい。また、ポリエステルフィルムの厚みは特に限定されるものではないが、3〜300μmが好ましく用いられる。この場合に用られる塗布液は環境汚染や防爆性の点で水系が好ましい。
【0073】
尚、上記例において、塗布層が設けられる基材フィルムにもメラミン系樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの反応生成物から選ばれる少なくとも1種を含有させることができる。この場合は、塗布層と基材フィルムとの接着性が向上する、積層ポリエステルフィルムの易滑性が向上するなどの効果がある。メラミン系樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、及びこれらの反応生成物を含有させる場合には、その添加量が0.0005重量%以上20重量%未満であるのが、易接着性、易滑性の点で好ましい。もちろん、メラミン系樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、及びこれらの反応生成物は基材フィルム上に設けるコーティング組成物(光学用積層ポリエステルフィルムの再生ペレットなどを含む)であってもよい。
【0074】
このようにして得られた本発明の一つの態様である光学用積層フィルムは、各層をなす相が相分離構造を形成した混在相領域が特定厚みで存在することにより、非常に透明性に優れ、製膜工程時についた基材フィルムの微小な傷を目立たなくし、かつ、易接着性にも抜群に優れたものであり、例えばハードコート層を設け反射防止用積層フィルム、また、例えば導電性金属酸化物層を設けタッチパネル用積層フィルムや電子ペーパー用積層フィルムなどのディスプレイ部材用積層フィルムとして用いることができる。
【0075】
なお、本発明においては、反射防止フィルムやタッチパネルや電子ペーパーなどディスプレイ部材として用いられるものについて、ディスプレイ部材用積層フィルムと表現している。
【0076】
本発明において、ハードコート層を構成する材料は特に限定されるものではなく、可視光線を透過するものであればよいが、光線透過率が高いものが好ましい。用いられる材料としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、活性線硬化型樹脂などである。特に、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、活性線硬化型樹脂は、耐擦傷性、生産性などの点で好適に用いることができる。
【0077】
本発明にかかるハードコート層の構成成分として用いられる活性線硬化型樹脂は、該活性線硬化型樹脂を構成するモノマー成分としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビス(メタクロイルチオフェニル)スルフィド、2,4−ジブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,3,5−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル)プロパン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)スルホン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)スルホン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル)スルホン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルホン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)スルフィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)スルフィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)スルフィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル)スルフィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルフィド、ジ((メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フォスフェート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フォスフェートなどの多官能(メタ)アクリル系化合物を用いることができ、これらは1種もしくは2種以上を用いられる。
【0078】
また、これら多官能(メタ)アクリル系化合物とともに、活性線硬化型樹脂の硬度、透明性、強度、屈折率などをコントロールするため、スチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、N−ビニルピロリドン、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジメタリルフタレート、ジアリルビフェニレート、あるいはバリウム、鉛、アンチモン、チタン、錫、亜鉛などの金属と(メタ)アクリル酸との反応物などを用いることができる。これらは1種もしくは2種以上を用いてもよい。
【0079】
なお、本発明において、「(メタ)アクリル系化合物」という記載は、「メタアクリル系化合物およびアクリル系化合物」を略して表示したものであり、他の化合物についても同様である。
【0080】
本発明における活性線硬化型樹脂を硬化させる方法として、例えば、紫外線を照射する方法を用いることができるが、この場合には、前記化合物に対し、0.01〜10重量部程度の光重合開始剤を加えることが望ましい。
【0081】
本発明に用いられ得る活性線硬化型樹脂には、塗工時の作業性の向上、塗工膜厚のコントロールを目的として、本発明の所期の効果が損なわれない範囲において、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどの有機溶剤を配合することができる。
【0082】
本発明において活性線とは、紫外線、電子線、放射線(α線、β線、γ線など)などアクリル系のビニル基を重合させる電磁波を意味し、実用的には、紫外線が簡便であり好ましい。紫外線源としては、紫外線蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯などを用いることができる。また、電子線方式は、装置が高価で不活性気体下での操作が必要ではあるが、光重合開始剤や光増感剤などを含有させなくてもよい点から有利である。
【0083】
本発明においては、ハードコート層の厚みは、ハードコート層を設けたフィルムが使われる用途によって任意に選ぶことができ、特に限定されるものではないが、通常は1〜10μm、好ましくは2〜5μmである。ハードコート層の厚みがかかる好ましい範囲であるとハードコート性が十分に発現し、一方、ハードコート層の硬化時の収縮によりフィルムがカールすることもない。
【0084】
本発明においては、ハードコート層の表面に、ちらつきを抑えるための反射防止層を設けたり、また、汚れ防止のための防汚処理を施すことが好ましい。反射防止層は特に限定されるものではないが、低屈折率化合物の積層やフッ化マグネシウムや酸化ケイ素などの無機化合物のスパッタリングや蒸着などにより形成することができる。防汚処理については、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などによる防汚処理を施すことができる。
【0085】
本発明において、導電性金属酸化物層を構成する材料は特に限定されるものではなく、可視光線を透過するものであればよいが、光線透過率が高いものが好ましい。用いられる材料としては、一般的には、インジウム錫酸化物(ITO)などの金属酸化物、または、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、金、銀、銅の金属薄膜を用いてもよく、これらを光学用積層ポリエステルフィルム上に設ける方法は公知の方法を用いることができるが、例えば、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーテイング、イオンビーム蒸着、プラズマCVD法などにより形成することができ、中でも抵抗安定性、接着性の点から、スパッタリングが好ましく用いられる。例えば、ITO導電膜の場合、厚みは2〜800nmが好ましく、より好ましくは20〜500nmである。金属酸化物層の厚みをかかる好ましい範囲とすると均一に膜を形成することが容易であるため、導電性を優れたものとでき、一方、透明性に優れるのみならず、屈曲させた際にも、金属酸化物層にクラックが発生しにくく、透明性が損なわれず、導電性も良好に維持できる。
【0086】
なお、本発明においては、導電性金属酸化物層は塗布層上に設けてもよいし、塗布層が設けられていない方の面に設けられていてもよいが、塗布層上に設ける方が、タッチパネル用途などに用いたときの打点耐久性などの点で好ましい。
【0087】
本発明において、タッチパネルとは、ガラスもしくはフィルム上に導電層を形成し、スペーサーを介してフィルムに形成された導電層を対向配置させた構造、すなわち、例えば、ディスプレイ/ガラスもしくはフィルム/導電層A/(スペーサー)/導電層B/フィルム/ハードコート層などの構成で、指やペンでハードコート側から直接押圧すればフィルムがその部分だけ湾曲し、ハードコート側の導電層Bが対向している導電層Aに接触し入力が図れ、押圧位置はX−Y座標として認識され、コンピューターなどへ入力されるものである。従って、例えば、カーナビ、PDA(携帯情報端末)、家電用品、ディスプレイなどの用途に用いられる。
【0088】
本発明において、電子ペーパーとは、電子配信物や電子出版物などをペーパー状のディスプレイなどに表示したりするものであり、例えば、電源が切れても表示が保持される不揮発性、バックライトなしでも紙のように鮮明な反射型表示、フレキシブル性などの特徴を有するものである。表示方式は特に限定されないが、例えば、帯電したトナーなどを2枚の導電性プラスチックフィルムの間に封じ込めて、トナーの面内分布を電気的に変化させて画像を形成させる方法、ミクロ粒子状の液晶材料を塗布し、電気的なエネルギーなどを加えることで、配向を制御するなどする方法などを用いることができるが、これに限定されるものではない。また、これらは、表示後は電源不要で、立ち上げ時間も必要なく、軽くて薄く、落としても割れないなどの特性があり、書き換えも可能であるという点が優れているものである。従って、例えば、イベント内容の告知ポスターや電車の吊革広告、曲げて携行できるのでモバイル表示機材としての用途などに用いることができる。
[特性の測定方法および効果の評価方法]
本発明における特性の測定方法及び効果の評価方法は次のとおりである。
【0089】
(1)塗布層の断面形態、相分離構造、および塗布層の厚み
積層フィルムの断面を超薄切片に切り出し、RuO染色、OsO染色、あるいは両者の二重染色による染色超薄切片法により、TEM(透過型電子顕微鏡)で観察、写真撮影を行った。その断面写真から塗布層の相分離状態、その有無の確認、各々の相の厚み、及び塗布層の厚みなどの確認、測定を行った。また、写真上での染色の濃度差で樹脂種の違いを判定した。更に、界面部分の両相が入り組んだ状態でいずれの相とも判定できない部分をその混在相とした。
【0090】
また、各相の厚みは、塗布層の厚みと、各樹脂で染色された部分の面積比から算出した。
【0091】
観察方法
・装置:透過型電子顕微鏡(日立(株)製H−7100FA型)
・測定条件:加速電圧 100kV
・試料調整:凍結超薄切片法。
【0092】
(2)屈折率
用いる樹脂の乾燥固化させた膜、あるいは積層ポリエステルフィルムについて、アッベ屈折率計(アタゴ(株)製アッベ屈折計)で光源をナトリウムランプ(Na−D線)として、マウント液はヨウ化メチレンを用い、23℃、相対湿度65%下で、該膜の屈折率(直交する2つの方向、もしくは長手方向と幅方向を測定し、該値の平均値)を測定した。
【0093】
(3)ヘイズと全光線透過率
ヘイズおよび全光線透過率の測定は、常態(23℃、相対湿度65%)において、積層フィルムを2時間放置した後、スガ試験機(株)製全自動直読ヘイズコンピューターHGM−2DPを用いて行った。3回測定した平均値を該サンプルのヘイズおよび全光線透過率とした。
【0094】
(4)接着性−1(紫外線硬化型インキ接着性)
紫外線硬化型インキとしてFLASH DRY(FDカルトンACE墨)(東洋インキ製造(株)製)を用い、ロールコート法で約1.5μm厚みに塗布した。その後、塗布面より9cmの高さにセットした80W/cmの照射強度を有する高圧水銀灯で、紫外線を10秒間照射し、硬化させ、積層フィルム上に紫外線硬化型インキ層を設けた。このインキ上に1mmのクロスカットを100個入れ、ニチバン(株)製セロハンテープをその上に貼り付け、指で強く押し付けた後、90度方向に急速に剥離し、残存した個数により4段階評価を行った。(◎)、(○)を接着性良好とした。
◎:100/100(残存個数/測定個数)
○:80/100以上、100/100未満
△:50/100以上、80/100未満
×:50/100未満
(5)接着性−2(ハードコート層接着性)
積層フィルム上に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート70重量部、N−ビニルピロリドン30重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン4重量部を撹拌混合して得られた組成物を、バーコーターを用いて硬化後の膜厚が5μmとなるように均一に塗布した。これを、塗布面より9cmの高さにセットした80W/cmの照射強度を有する高圧水銀灯で、紫外線を15秒間照射し、硬化させ、積層フィルム上にハードコート層を設けた。以下、評価(4)と同様にして、接着性評価を行った。
【0095】
(6)傷の目立ち易さ
光学用積層ポリエステルフィルムをハロゲンライトを光源とし透過光で原反フィルムの傷の目立ち易さを次の基準で評価した。
◎:全く傷が見えないもの
○:殆ど傷がわからないもの
△:よく見ると傷がみえるもの
×:キラリと傷が光り目立つもの
(7)モヤ感
光学用積層ポリエステルフィルムを暗室中で3波長蛍光灯を光源とし透過光でモヤ感を次の基準で評価した。
○:白いモヤがないもの
△:白いモヤが少しわかるもの
×:全体に白濁感があるもの
(8)鉛筆硬度
JIS K 5400に従って、各種硬度の鉛筆を90度の角度でハードコート層表面に当て、荷重1kgで引っ掻き、傷が発生したときの鉛筆の硬さで表示した。
【0096】
(9)耐摩耗性
スチールウール#0000でハードコート層表面を摩擦し、傷のつき具合いを次の基準で評価した。
○:強く摩擦してもほとんど傷が付かない。
△:かなり強く摩擦すると少し傷が付く。
×:弱い摩擦でも傷が付く。
【0097】
(10)耐湿熱接着性
接着性−2と同様にして積層フィルム上にハードコート層を設けたサンプルを、85℃、相対湿度85%の恒温恒湿槽中に500時間放置した後、評価(4)と同様にして、接着性評価を行った。
【0098】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を説明する。
実施例1
実質的に外部添加粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.4倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。このフィルムに空気中でコロナ放電処理を施した。次の組成の塗液A1、塗液B1および粒子1を固形分重量比で、液A1/液B1/粒子1=25/75/3で混合したものを塗布層形成塗液1とし、1軸延伸フィルムのコロナ放電処理面に塗布した。
[塗布層形成塗液1の組成]
液A1:下記の共重合組成からなるアクリル樹脂(ガラス転移温度:42℃、屈折率:1.52)を粒子状に水に分散させた水性分散液(いわゆる、エマルション塗液でエマルション粒子径は50nm)
・共重合成分
メチルメタクリレート    63重量%
エチルアクリレート     35重量%
アクリル酸          1重量%
N−メチロールアクリルアミド 1重量%
液B1:下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂(ガラス転移温度:20℃、屈折率:1.57)を粒子状に水に分散させたアンモニウム塩型の水性分散液
・酸成分
テレフタル酸      28モル%
イソフタル酸       9モル%
トリメリット酸     10モル%
セバシン酸        3モル%
・グリコール成分
エチレングリコール   15モル%
ネオペンチルグリコール 18モル%
1,4−ブタンジオール 17モル%
粒子1:粒子径80nmのコロイダルシリカ粒子の水分散体。
【0099】
塗布層形成塗液1を塗布した1軸延伸フィルムをクリップで把持して予熱ゾーンに導き、雰囲気温度75℃で乾燥、ラジエーションヒーターを用いて110℃に上げ、再度90℃で乾燥して後、引き続き連続的に120℃の加熱ゾーンで幅方向に3.5倍延伸し、続いて220℃の加熱ゾーンで20秒間熱処理を施し、結晶配向の完了した積層フィルムを作製した。このとき、基材フィルムの厚みは125μm、塗布層の厚みが0.1μmであった。結果を表1に示す。ポリエステルフィルム側にポリエステル樹脂、表面側にアクリル樹脂からなり、相分離構造を形成した混在相領域が観察された。これにより、接着性に優れ、製膜工程中に基材フィルムについた擦れ傷が目立ちにくく、塗布層によるモヤ感もないものであった。
【0100】
【表1】

Figure 2004107627
【0101】
実施例2
実施例1で用いた塗布層形成塗液1に代え、次の組成の液A1、液B1、液C1および粒子1を固形分重量比で、液A1/液B1/液C1/粒子1=25/75/20/3で混合したものを塗布層形成塗液2として用い、かつ、塗布層の厚みを0.12μmとした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
[塗布層形成塗液2の組成]
液A1、塗液B1、粒子1は実施例1と同じものを用いた
液C1:メラミン系架橋剤として、メチロール基型メラミン架橋剤(三和ケミカル(株)製“ニカラック”MW12LF)を水に溶解させた水性塗液。
【0102】
結果を表1に併せて示す。ポリエステルフィルム側にポリエステル樹脂、表面側にアクリル樹脂からなり、相分離構造を形成した混在相領域が観察された。これにより、接着性に抜群に優れ、製膜工程中に基材フィルムについた擦れ傷も目立ちにくく、塗布層によるモヤ感もないものであった。
【0103】
比較例1
実施例1で用いた塗布層形成塗液1に代え、次の組成の液A1、液C2および粒子2を固形分重量比で、液A1/液C2/粒子2=100/10/1で混合したものを塗布層形成塗液3として用いた以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
[塗布層形成塗液3の組成]
液A1は実施例1と同じものを用いた
液C2:エポキシ系架橋剤として、大日本インキ工業(株)製CR−5Lを水に分散させた水性塗液。
【0104】
粒子2:粒子径300nmのコロイダルシリカ粒子の水分散体
結果を表1に併せて示す。接着不良が発生し、傷も目立つものであった。また、相分離構造を形成した混在相領域は認められなかった。
【0105】
比較例2
実施例1で用いた塗布層形成塗液1に代え、次の組成の液B2、液C1および粒子2を固形分重量比で、液B2/液C1/粒子2=100/15/1で混合したものを塗布層形成塗液4として用いた以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
[塗布層形成塗液4の組成]
液B2:下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂(ガラス転移温度:82℃、屈折率:1.59)を粒子状に水に分散させたナトリウム塩型の水性分散液
・酸成分
テレフタル酸        88モル%
5−Naスルホイソフタル酸 12モル%
・グリコール成分
エチレングリコール     98モル%
ジエチレングリコール     2モル%
液C1は実施例1と同様のものを用いた。
【0106】
粒子2:粒子径300nmのコロイダルシリカ粒子の水分散体。
【0107】
結果を表1に併せて示す。接着不良が発生し、モヤ感も目立つものであった。また、相分離構造を形成した混在相領域は認められなかった。
【0108】
比較例3
実施例1で用いた塗布層形成塗液1に代え、前記の液A1、液B2、液C1および粒子1を固形分重量比で、液A1/液B2/液C1/粒子1=40/60/5/3で混合したものを塗布層形成塗液5として用い、かつ、延伸後の熱処理条件を230℃、60秒とした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。結果を表1に併せて示す。ポリエステルフィルム側にポリエステル樹脂、表面側にアクリル樹脂からなる塗布層が観察されたものの、相分離構造を形成した混在相領域の厚み方向の長さが不十分であり、また、傷が目立つものであった。
【0109】
比較例4
実施例1で用いた塗布層形成塗液1に代え、次の組成の液A2、液B2、液C1および粒子1を固形分重量比で、液A2/液B2/液C1/粒子1=20/80/5/3で混合したものを塗布層形成塗液6として用い、かつ、延伸後の熱処理条件を230℃、60秒とした以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。
[塗布層形成塗液6の組成]
液A2:下記の共重合組成からなるアクリル樹脂(ガラス転移温度:40℃、屈折率:1.48)を粒子状に水に分散させた水性分散液(いわゆる、エマルション塗液でエマルション粒子径は110nm)
・共重合成分
メチルメタクリレート      20重量%
エチルアクリレート       20重量%
パーフルオロエチルアクリレート 58重量%
アクリル酸            1重量%
N−メチロールアクリルアミド   1重量%
結果を表1に併せて示す。ポリエステルフィルム側にポリエステル樹脂、表面側にアクリル樹脂からなる塗布層が観察されたものの、相分離構造を形成した混在相領域は殆ど認められず、いわゆる2層構造塗膜になっていた。すなわち、ほぼ完全に2層に分離しており混在相領域の厚みはほとんど測定できないレベルであった。また、接着不良が発生し、傷も目立つものであった。
【0110】
比較例5
実施例1で用いた塗布層形成塗液1に代え、前記の液A1、液B2、液C1および粒子1を固形分重量比で、液A1/液B2/液C1/粒子1=60/40/5/3で混合したものを塗布層形成塗液7として用い、かつ、塗布層の厚みを0.3μmとし、かつ、延伸後の熱処理条件を200℃、5秒とした以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。結果を表1に併せて示す。ポリエステルフィルム側にポリエステル樹脂、表面側にアクリル樹脂からなる塗布層が観察されたものの、相分離構造を形成した混在相領域が長すぎるものであった。また、傷が目立つものであり、モヤ感も目立つものであった。
【0111】
実施例3
実施例1で用いた塗布層形成塗液1に代え、次の組成の液A3、液B2、液C1および粒子3を固形分重量比で、液A3/液B2/液C1/粒子3=50/50/10/0.6で混合したものを塗布層形成塗液8として用い、かつ、塗布層の厚みを0.08μmとし、かつ、延伸後の熱処理温度を230℃、10秒とした以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。
[塗布層形成塗液8の組成]
塗液A3:下記の共重合組成からなるアクリル樹脂(ガラス転移温度:45℃、屈折率:1.54)を粒子状に水に分散させた水性分散液(いわゆる、エマルション塗液でエマルション粒子径は48nm)
・共重合成分
メチルメタクリレート     64重量%
エチルアクリレート      30重量%
アクリル酸           5重量%
N−メチロールアクリルアミド  1重量%
粒子3:粒子径140nmのコロイダルシリカ粒子の水分散体。
【0112】
結果を表1に併せて示す。ポリエステルフィルム側にポリエステル樹脂、表面側にアクリル樹脂からなり、相分離構造を形成した混在相領域が観察された。これにより、接着性に抜群に優れ、製膜工程中に基材フィルムについた擦れ傷も目立ちにくく、塗布層によるモヤ感もないものであった。
【0113】
比較例6
実施例2で用いた、平均粒径1.4μmのコロイダルシリカを0.01重量%を含有するPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を用いて基材PETフィルム作製した以外は、実施例2と同様にして積層フィルムを得た。結果を表1に示す。ポリエステルフィルム側にポリエステル樹脂、表面側にアクリル樹脂からなり、相分離構造を形成した混在相領域が観察されたものの、モヤ感が非常に悪いものであった。
【0114】
比較例7
実質的に外部添加粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を作製した。また、A層形成ポリエステル樹脂として、酸成分をテレフタル酸/イソフタル酸を80/20(モル比)、ジオール成分をエチレングリコール/ジエチレングリコールを95/5(モル比)として重縮合させたPET/Iペレット(極限粘度0.62dl/g)を作製した。これらのポリマを充分に真空乾燥した後、PETを押し出し機1に供給し285℃で溶融し、更にPET/Iを押し出し機2に供給し270℃で溶融し、これらのポリマを矩形積層部を備えた合流ブロックで合流積層し、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化し、両面にPET/I層を有する未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムを95℃に加熱して長手方向に3.5倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。このフィルムに空気中でコロナ放電処理を施した。
【0115】
前記の液A1、液C1および粒子1を固形分重量比で、液A1/液C1/粒子1=100/5/3で混合したものを塗布層形成塗液9として用い、上記の一軸延伸フィルムのコロナ放電処理面に塗布した。塗布された1軸延伸フィルムをクリップで把持して予熱ゾーンに導き、雰囲気温度70℃で乾燥、ラジエーションヒーターを用いて110℃に上げ、再度90℃で乾燥して後、引き続き連続的に115℃の加熱ゾーンで幅方向に3.7倍延伸し、続いて220℃の加熱ゾーンで20秒間熱処理を施し、結晶配向の完了した積層フィルムを作製した。この積層フィルムの、共押出由来のPET/I層の厚みは0.2μm、PET層の厚みは124.8μmで、基材フィルムの厚さは計125μm、塗布層の厚みは0.1μmであった。結果を表1に併せて示す。相分離構造を形成した混在相領域は認められず、製膜工程中に基材フィルムについた擦れ傷が非常に目立つものであった。
【0116】
比較例8
基材フィルムとして、塗布層を設けていない実質的に外部粒子を含有しないPETからなる結晶配向の完了した125μmの二軸延伸PETフィルムを作製した。該フィルムの表面にコロナ放電処理を施し、実施例2で用いたのと同じ塗布層形成塗液2を乾燥後の厚みが3μmになるようにバーコート法でオフライン塗工した(乾燥条件は120℃、2分間とした)。結果を表1に併せて示す。製膜工程中についた擦れ傷が非常に目立つものであり、塗膜のモヤ感も非常に目立つものであった。また、相分離構造を形成した混在相領域は形成されておらず、アクリル樹脂とポリエステル樹脂からなる均一な微分散構造が認められた。
【0117】
実施例4
実施例1で用いた塗布層形成塗液1に代え、次の組成の液A3、液B1、液C1、C3および粒子1を固形分重量比で、液A3/液B1/液C1/液C3/粒子1=30/70/40/10/2で混合したものを塗布層形成塗液10として用い、かつ、塗布層の厚みを0.06μmとし、かつ、延伸後の熱処理温度を230℃、10秒とした以外は、実施例1と同様にして積層PETフィルムを得た。
[塗布層形成塗液10の組成]
塗液A3:下記の共重合組成からなるアクリル樹脂(ガラス転移温度:45℃、屈折率:1.54)を粒子状に水に分散させた水性分散液(いわゆる、エマルション塗液でエマルション粒子径は48nm)
・共重合成分
メチルメタクリレート     64重量%
エチルアクリレート      30重量%
アクリル酸           5重量%
N−メチロールアクリルアミド  1重量%
液B1:下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂(ガラス転移温度:20℃、屈折率:1.57)を粒子状に水に分散させたアンモニウム塩型の水性分散液
・酸成分
テレフタル酸      28モル%
イソフタル酸       9モル%
トリメリット酸     10モル%
セバシン酸        3モル%
・グリコール成分
エチレングリコール   15モル%
ネオペンチルグリコール 18モル%
1,4−ブタンジオール 17モル%
液C1:メラミン系架橋剤として、メチロール基型メラミン架橋剤(三和ケミカル(株)製“ニカラック”MW12LF)を水に溶解させた水性塗液
液C3:オキサゾリン架橋剤として、“エポクロス”WS−500(日本触媒(株)製オキサゾリン系反応性ポリマー)を水に溶解させた水性塗液
粒子1:粒子径80nmのコロイダルシリカ粒子の水分散体。
【0118】
結果を表1に併せて示す。ポリエステルフィルム側にポリエステル樹脂、表面側にアクリル樹脂からなり、相分離構造を形成した混在相領域が観察された。これにより、接着性に抜群に優れ、製膜工程中に基材フィルムについた擦れ傷も目立ちにくく、塗布層によるモヤ感もないものであった。更に、耐湿熱接着性にも抜群に優れたものであった。
【0119】
実施例5
実施例4で用いた塗布層形成塗液10で、固形分重量比を、液A3/液B1/液C1/液C3/粒子1=30/70/25/20/2と変更したものを塗布層形成塗液11として用いた以外は、実施例4と同様にして積層PETフィルムを得た。
【0120】
結果を表1に併せて示す。ポリエステルフィルム側にポリエステル樹脂、表面側にアクリル樹脂からなり、相分離構造を形成した混在相領域が観察された。これにより、接着性に抜群に優れ、製膜工程中に基材フィルムについた擦れ傷も目立ちにくく、塗布層によるモヤ感もないものであった。更に、耐湿熱接着性にも抜群に優れたものであった。
【0121】
実施例6
実施例2で得られた、塗布層(厚み:0.12μm、相分離構造が存在し、混在相領域の厚みは25nm)が塗布によって設けられた125μmの積層フィルムの塗布層上に、次の組成のハードコート層形成塗液をダイコート法で塗布後、塗布面より9cmの高さにセットした120W/cmの照射強度を有する高圧水銀灯で、紫外線を15秒間照射し、硬化させ、積層フィルム上に7μmのハードコート層を設けた。
[ハードコート層形成塗液]
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート   70重量部
・ジペンタエリスリトールテトラメタアクリレート 10重量部
・エチルアクリレート               5重量部
・N−ビニルピロリドン             15重量部
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン   4重量部
このようにして得られたハードコート層を設けた積層フィルムは、鉛筆硬度が3H、耐摩耗性も(○)レベルであり、反射防止フィルム用積層フィルムとして非常に好適なものであった。なお、該ハードコート層上に反射防止層や、必要に応じて防汚層などが設けられ、反射防止用フィルムとすることができる。
実施例7
実施例2で得られた、塗布によって設けられた塗布層(厚み:0.12μm、相分離構造が存在し、混在相領域の厚みは25nm)が設けられた125μmの積層フィルムの塗布層上に、直流マグネトロンスパッタリング法で、厚みが30nm、抵抗値が300Ω/□のITO(インジウム・スズ複合酸化物)膜からなる導電性金属酸化物層を製膜した。
【0122】
本発明によって得られた導電性金属酸化物層が設けた積層フィルムは、上記の通り、抵抗値に優れ、積層フィルムとの接着性も良好であり、透明性も良好であり、タッチパネル用積層フィルムや電子ペーパー用積層フィルムとして非常に好適なものであった。
【0123】
【発明の効果】
本発明の光学用積層ポリエステルフィルムは、非常に透明性に優れ、製膜工程時についた基材フィルムの微小な傷を目立たなくし、積層フィルムのモヤ感もなく、かつ、易接着性や耐湿熱接着性にも抜群に優れた効果を発現するものである。
【0124】
そして、反射防止用積層フィルム、タッチパネル用積層フィルム、および電子ペーパー用積層フィルムなどのディスプレイ部材用積層フィルムとして優れたものを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学用積層ポリエステルフィルムの厚み方向の断面を示す透過型電子顕微鏡(TEM)写真。
【符号の説明】
1 PETフィルム
2 ポリエステル樹脂(L
3 混在相領域
4 アクリル樹脂(L
5 空気層部分[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a laminated polyester film for optical use, which is extremely excellent in transparency, makes small scratches of a base film attached during a film forming process inconspicuous, has no haze of the laminated film, and has easy adhesion and heat and humidity resistance. The present invention relates to a laminated film for optical use which is excellent in adhesiveness.
[0002]
In addition, the above-described optical laminated film may be provided with, for example, a hard coat layer and used as an anti-reflection laminated film, or may be provided with, for example, a conductive metal oxide layer and used as a laminated film for touch panels or a laminated film for electronic paper. And a laminated film that can be used.
[0003]
[Prior art]
Biaxially oriented polyester film has excellent properties such as mechanical properties, electrical properties, dimensional stability, heat resistance, transparency, and chemical resistance. It is widely used as a base film for many uses such as materials, photosensitive materials, heat-sensitive materials, and graphic arts materials. In particular, in recent years, with the progress of IT technology, the frequency of use as various optical films including display-related display members has been increasing.
[0004]
Above all, a base film for an anti-reflection film for CRT and LCD displays, a base film for a touch panel, a base film for a prism lens sheet which is an important component of a liquid crystal display device, and a glass shatterproof film for a CRT. Base film for electronic paper, base film for electronic paper, etc. are required to have particularly excellent mechanical properties, dimensional stability and transparency. In many cases, a thick film of 50 μm or more is used. However, when used for the above-mentioned applications, adhesion to a hard coat layer and adhesion to a prism lens layer are required. Because there are many uses to look at the film, even small scratches on the film surface, even scratches that are not a problem at all for normal film applications, will be a major problem, so it is desirable that the scratches be as small as possible or that the scratches are not noticeable I have.
[0005]
In general films, a method is employed in which inert particles and the like are contained in a base film in order to impart lubricity and improve handling properties during film formation, but the highest level of transparency is obtained. For this purpose, it is necessary to make the base film substantially particle-free.
[0006]
On the other hand, in general, the biaxially oriented polyester film surface has a high degree of crystal orientation, and therefore has a drawback of poor adhesion with various paints, adhesives, inks, and the like. For example, since it does not adhere to, for example, the hard coat layer at all, problems may occur such as the processing step after the hard coat, the application of the antireflection film, or the peeling of the hard coat layer during actual use. Therefore, conventionally, a method of imparting easy adhesion to the polyester film surface by various methods, for example, a surface activation method such as corona discharge treatment under various gas atmospheres on the film surface, a surface etching method using a chemical, or a film surface (See Patent Documents 1 to 4), for example, a method in which various resins such as polyester, acrylic, polyurethane, and acrylic graft polyester are provided as primer layers. In particular, a method of providing the primer layer by application and imparting easy adhesion, in particular, a corona discharge treatment is applied to the polyester film before the crystal orientation is completed, if necessary, and a coating liquid containing the resin component is applied. In the art, a method of completing crystal orientation by performing stretching, heat treatment after drying (in-line coating method), and the like are performed.
[0007]
[Patent Document 1] JP-A-55-15825 (page 1)
[0008]
[Patent Document 2] JP-A-58-78761 (page 1)
[0009]
[Patent Document 3] JP-A-60-248232 (page 1)
[0010]
[Patent Document 4] Japanese Patent Application Laid-Open No. 1-171988 (page 1)
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
However, the above-described conventional technology has the following problems.
[0012]
When a base film to which particles are not added is used, since the slipperiness is extremely poor, rubbing with a large number of rolls present in the film manufacturing process, particularly a large number of scratches are generated in the longitudinal stretching process, for example, after hard coating, The scratches become bright spots on the screen and cause a serious problem, and do not completely match the recent demand level for high-definition image quality.
[0013]
On the other hand, those coated with an acrylic resin on a polyester film to impart adhesiveness have excellent adhesiveness with a coating such as a hard coat layer, but the adhesion between the coated layer made of the acrylic resin and the base polyester film. In particular, under various environments, for example, under high-temperature, high-humidity, or low-temperature conditions, the adhesiveness is extremely poor. In addition, a polyester resin or a urethane resin coated on a polyester film has excellent adhesion between a base polyester film and a coating layer made of the polyester resin, but has a disadvantage that adhesion to a coating material is poor. there were.
[0014]
The present invention solves these drawbacks, and when used for optics, at the same time it is extremely excellent in the transparency of the laminated polyester film, and also excellent in easy adhesion and wet heat resistance, without haze of the laminated film It is another object of the present invention to provide a laminated polyester film for optical use which makes surprisingly small scratches on a base film formed during a film forming process inconspicuous. Further, another object of the present invention is to provide a laminated polyester film for optics as described above, provided with a hard coat layer and an antireflection laminated film, and a laminated film for a touch panel and a laminated film for electronic paper provided with a conductive metal oxide layer. It may be provided as a laminated film for display members such as.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the optical laminated film of the present invention mainly has the following configuration. That is, it is a laminated film in which a coating layer is provided on at least one side of a polyester film, and the coating layer is made of two kinds of resins having different refractive indexes, and has a refractive index of 1.53 to 1.65. Layer L mainly composed of refractive index component 1 Is a layer L mainly composed of a low refractive index component having a refractive index of 1.43 to 1.56 on the polyester film side. 2 Are on the opposite side and the layer L 1 And the layer L 2 Characterized in that a mixed phase region of each layer exists at a thickness of 5 to 100 nm at an interface with the layer, and the total light transmittance is 90% or more and the haze is 1.5% or less. Film.
[0016]
The antireflection laminated film of the present invention mainly has the following configuration. That is, an antireflection laminated film, wherein a hard coat layer is provided on the coating layer of the optical laminated film.
[0017]
The laminated film for a touch panel of the present invention mainly has the following configuration. That is, a laminated film for a touch panel, wherein a conductive metal oxide layer is provided on at least one surface of the laminated film for optical use.
[0018]
The laminated film for electronic paper of the present invention mainly has the following configuration. That is, the present invention is a laminated film for electronic paper, wherein a conductive metal oxide layer is provided on at least one surface of the laminated film for optical use.
[0019]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the optical laminated film and the laminated film for display members of the present invention, that is, the laminated film for antireflection, the laminated film for touch panel, and the laminated film for electronic paper of the present invention will be described in more detail.
[0020]
In the laminated film according to the present invention, polyester is a generic name of polymers having an ester bond as a main bonding chain, and preferable polyesters include ethylene terephthalate, ethylene-2,6-naphthalate, and butylene terephthalate. And at least one component selected from ethylene-α, β-bis (2-chlorophenoxy) ethane-4,4′-dicarboxylate and the like can be used. One of these components may be used alone, or two or more of them may be used in combination. Among them, it is particularly preferable to use a polyester containing ethylene terephthalate as a main component when comprehensively judging quality, economy and the like. In applications where heat acts on the substrate, polyethylene-2,6-naphthalate, which is excellent in heat resistance and rigidity, is more preferable.
[0021]
Further, these polyesters may be further copolymerized with other dicarboxylic acid components or diol components in part, preferably at most 20 mol%.
[0022]
Further, in the polyester, various additives such as antioxidants, heat stabilizers, weather stabilizers, ultraviolet absorbers, organic lubricants, pigments, dyes, organic or inorganic fine particles, fillers, antistatic agents , A nucleating agent, a crosslinking agent, and the like may be added to such an extent that their properties are not deteriorated. In particular, the addition of fine particles often lowers transparency-related properties such as light transmittance and haze, and when added, the particle diameter is as small as possible, preferably about 1 / or less of the visible light wavelength at which scattering is less likely to occur. Those having a particle diameter are preferable, and the amount of addition is also preferably small.
[0023]
The intrinsic viscosity (measured in o-chlorophenol at 25 ° C.) of the above-mentioned polyester is preferably from 0.4 to 1.2 dl / g, more preferably from 0.5 to 0.8 dl / g. It is suitable for implementing the present invention.
[0024]
The polyester film using the polyester is preferably biaxially oriented in a state where the coating layer is provided. With a biaxially oriented polyester film, generally, a polyester sheet or film in an unstretched state is stretched about 2.5 to 5 times in a longitudinal direction and a width direction, respectively, and then subjected to a heat treatment to complete crystal orientation. And shows a pattern of biaxial orientation by wide-angle X-ray diffraction.
[0025]
The thickness of the polyester film is not particularly limited and is appropriately selected depending on the application, but is usually 1 to 500 µm, preferably 3 to 300 µm. Further, the obtained films can be laminated by various methods to form a thicker film.
[0026]
The coating layer of the optical laminated film of the present invention is provided by coating, is made of two kinds of resins having different refractive indexes, and has a high refractive index of 1.53 to 1.65. Layer L whose main component is a rate component 1 Is a layer L mainly composed of a low refractive index component having a refractive index of 1.43 to 1.56 on the polyester film side. 2 Are on the opposite side and the layer L 1 And the layer L 2 And the mixed phase region of each layer exists at a thickness of 5 to 100 nm at the interface with. Here, the mixed phase region refers to a region where the phases forming the layers form a phase separation structure.
[0027]
FIG. 1 is a transmission electron microscope (TEM) photograph showing a cross section in the thickness direction of an example of the optical laminated film of the present invention. A polyester film serving as a base material from below, and a coating layer is laminated thereon, and the coating layer is a layer L containing a high refractive index component having a refractive index of 1.53 to 1.65 as a main component. 1 Is a layer L mainly composed of a low refractive index component having a refractive index of 1.43 to 1.56 on the polyester film side of the substrate. 2 Is layer L 1 , Ie, on the opposite side, the layer L 1 And the layer L 2 It can be seen that a mixed phase region of each layer exists at a thickness of 5 to 100 nm at the interface with. In the figure, in the TEM cross-section observation image, the air layer portion is observed as an embedding resin layer for observation.
[0028]
In the present invention, the layer L 1 And the layer L 2 Are different from each other in the refractive index of the resin, 1 If the refractive index of the resin forming the layer is higher, the refractive index of the resin forming each layer can be selected and used in an arbitrary range. In particular, a polyester resin having the same composition as the biaxially oriented base polyester film having a refractive index of about 1.65 is applied to the layer L. 1 When used for, for example, it is very effective in that it has the effect of repairing and making less noticeable the scratches on the film attached in the process before providing the coating layer, and has excellent adhesiveness with the base film. It is suitable for. On the other hand, the layer L 2 When an acrylic resin is used for the layer L, 1 Since the resin used in the present invention has a lower refractive index than that of a polyester resin, the reflection at the interface with the air layer having a refractive index of 1 is suppressed. It is very suitable in terms of transparency when used for optical applications, such as a decrease in light transmittance and an increase in light transmittance.
[0029]
Here, the layer L made of the polyester resin as described above 1 And a layer L made of an acrylic resin 2 Are separately provided on the base polyester film, the layer L 1 In the case of only, reflection at the interface with the air layer increases, haze increases, light transmittance decreases, adhesion to the hard coat layer provided on the coating layer in antireflection film applications is poor, and the like. There is a problem, while the layer L 2 In the case of only, since the difference in the refractive index at the interface with the base polyester film is large, there is no effect of repairing the scratches of the film, and on the contrary, it becomes a problem when used for optical applications such as being noticeable and crisp. Adhesion with the material film is also poor.
[0030]
That is, as described in the present invention, when used for optical applications, the biaxially oriented polyester film has a refractive index (refractive index = about 1.65) and a layer L made of polyester resin. 1 Refractive index, layer L made of acrylic resin 2 And the air layer (refractive index = 1) in the order of the laminated polyester film is the most preferable form, and the layer L 1 And layer L 2 It is important that a clear interface is not formed at the boundary of. For example, as in the case of off-line coating, a laminated film in which a polyester resin is provided on a base polyester film, and a laminated polyester film composed of two layers in which an acrylic resin is subsequently provided on the coating layer is used. The adhesiveness at the interface between the polyester resin layer and the acrylic resin layer is poor, and since the interface is clearly formed, the reflection of light at the interface cannot be ignored and the optical reflection interface clearly exists. In addition, it is necessary to apply twice, moreover, it is very disadvantageous in terms of cost, and it is inevitable to avoid problems such as mixing of dust.
[0031]
Also, when a coating layer made of an acrylic resin is provided on a co-extruded film or the like provided on a polyester film by a co-extrusion method, such as an isophthalic acid co-polyester resin, The interface with the acrylic resin is clearly present, with similar results.
[0032]
Further, for example, in a conventional ordinary coating layer provided by applying a coating agent composed of a polyester resin and an acrylic resin on a polyester film by a single application or the like, a phase separation phenomenon caused by a surface energy difference of each resin causes Acrylic resin, which is a low surface energy substance, is on the surface side, and polyester resin, which is a high surface energy substance, is mutually excluded on the base material side. Both phases are selectively arranged in two layers, and a clear interface is formed. There is a problem that a two-layer structure is completely formed. On the other hand, when incomplete phase separation occurs, such as when heat energy is insufficient, no phase separation occurs, or the thickness of the mixed phase region existing at the interface between the two is large even if phase separation is observed. There are problems such as too much. In particular, in the latter case, when the interface has an optical wavelength or more, that is, 1 / or more of the wavelength (λ) of light in the visible light region, scattering at the interface becomes remarkable, haze increases, and light transmittance increases. This is a problem when used in optical applications such as a decrease in temperature.
[0033]
Here, the polyester resin which is a component of the coating layer in the optical laminated film of the present invention has an ester bond in a main chain or a side chain. Such a polyester resin can be obtained by polycondensation from a dicarboxylic acid and a diol.
[0034]
As the carboxylic acid component constituting the polyester resin, an aromatic, aliphatic, or alicyclic dicarboxylic acid or a trivalent or higher polycarboxylic acid can be used. As the aromatic dicarboxylic acid, terephthalic acid, isophthalic acid, orthophthalic acid, phthalic acid, 2,5-dimethylterephthalic acid, 1,4-naphthalenedicarboxylic acid, biphenyldicarboxylic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, 1,2 -Bisphenoxyethane-p, p'-dicarboxylic acid, phenylindanedicarboxylic acid and the like can be used. These aromatic dicarboxylic acids are preferably used in an amount of at least 30 mol%, more preferably at least 35 mol%, even more preferably at least 40 mol% of the total dicarboxylic acid components in view of the strength and heat resistance of the coating layer. Is good. Examples of the aliphatic and alicyclic dicarboxylic acids include succinic acid, adipic acid, sebacic acid, dodecandioic acid, dimer acid, 1,3-cyclopentanedicarboxylic acid, 1,2-cyclohexanedicarboxylic acid, and 1,4-cyclohexane. Dicarboxylic acids and the like, and their ester-forming derivatives can be used.
[0035]
Examples of the glycol component of the polyester resin include ethylene glycol, diethylene glycol, polyethylene glycol, propylene glycol, polypropylene glycol, 1,3-propanediol, 1,3-butanediol, 1,4-butanediol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, 1,7-heptanediol, 1,8-octanediol, 1,9-nonanediol, 1,10-decanediol, 2,4-dimethyl-2-ethylhexane-1,3- Diol, neopentyl glycol, 2-ethyl-2-butyl-1,3-propanediol, 2-ethyl-2-isobutyl-1,3-propanediol, 3-methyl-1,5-pentanediol, 2,2 , 4-trimethyl-1,6-hexanediol, Rohexanedimethanol, 1,3-cyclohexanedimethanol, 1,4-cyclohexanedimethanol, 2,2,4,4-tetramethyl-1,3-cyclobutanediol, 4,4′-thiodiphenol, bisphenol A 4,4'-methylenediphenol, 4,4 '-(2-norbornylidene) diphenol, 4,4'-dihydroxybiphenol, o-, m-, and p-dihydroxybenzene, 4,4'-isopropylidene Phenol, 4,4'-isopropylidenebindiol, cyclopentane-1,2-diol, cyclohexane-1,2-diol, cyclohexane-1,4-diol and the like can be used.
[0036]
Further, when the polyester resin is used as a coating liquid with an aqueous resin, a compound containing a carboxylate group or a sulfonate group is used to improve the adhesiveness of the polyester resin or to facilitate the water solubility of the polyester resin. It is preferable to copolymerize the compound containing. In particular, in applications where moisture resistance is required, as the polyester resin constituting the coating layer, a compound containing a carboxylate group is used without copolymerizing a compound showing strong basicity represented by a sulfonate group. It is desirable to copolymerize.
[0037]
Examples of the compound containing a carboxylate group include trimellitic acid, trimellitic anhydride, pyromellitic acid, pyromellitic anhydride, 4-methylcyclohexene-1,2,3-tricarboxylic acid, trimesic acid, 1,2,3 , 4-Butanetetracarboxylic acid, 1,2,3,4-pentanetetracarboxylic acid, 3,3 ′, 4,4′-benzophenonetetracarboxylic acid, 5- (2,5-dioxotetrahydrofurfuryl)- 3-methyl-3-cyclohexene-1,2-dicarboxylic acid, 5- (2,5-dioxotetrahydrofurfuryl) -3-cyclohexene-1,2-dicarboxylic acid, cyclopentanetetracarboxylic acid, 2,3 6,7-naphthalenetetracarboxylic acid, 1,2,5,6-naphthalenetetracarboxylic acid, ethylene glycol bistrimellitate, 2 ′, 3,3′-diphenyltetracarboxylic acid, thiophene-2,3,4,5-tetracarboxylic acid, ethylenetetracarboxylic acid, or the like, or an alkali metal salt, alkaline earth metal salt, or ammonium salt thereof is used. However, the present invention is not limited to these.
[0038]
Examples of the compound containing a sulfonate group include sulfoterephthalic acid, 5-sulfoisophthalic acid, 4-sulfoisophthalic acid, 4-sulfonaphthalene-2,7-dicarboxylic acid, sulfo-p-xylylene glycol, and 2-sulfo- 1,4-bis (hydroxyethoxy) benzene and the like, or their alkali metal salts, alkaline earth metal salts, and ammonium salts can be used, but are not limited thereto.
[0039]
Preferred polyester resins include terephthalic acid, isophthalic acid, sebacic acid, trimellitic acid, pyromellitic acid, 5- (2,5-dioxotetrahydrofurfuryl) -3-methyl-3-cyclohexene-1, as an acid component. Examples thereof include 2-dicarboxylic acid, and a copolymer selected from ethylene glycol, diethylene glycol, 1,4-butanediol, and neopentyl glycol as a glycol component.
[0040]
The polyester resin used for the coating layer of the optical laminated film of the present invention can be produced by the following production method. For example, a polyester resin composed of terephthalic acid, isophthalic acid, 5-sodium sulfoisophthalic acid as a dicarboxylic acid component and ethylene glycol and neopentyl glycol as a glycol component will be described. Terephthalic acid, isophthalic acid, 5-sodium sulfoisophthalic acid and ethylene Glycol or neopentyl glycol, or a transesterification reaction of terephthalic acid, isophthalic acid, 5-sodium sulfoisophthalic acid and ethylene glycol or neopentyl glycol, and the reaction of the first step It can be produced by a method of producing the product by a second step of performing a polycondensation reaction, or the like.
[0041]
At this time, as a reaction catalyst, for example, an alkali metal, an alkaline earth metal, manganese, cobalt, zinc, antimony, germanium, a titanium compound, or the like can be used.
[0042]
As a method for obtaining a polyester resin having a large amount of carboxylic acid at the terminal and / or side chain, JP-A-54-46294, JP-A-60-209073, JP-A-62-240318, and JP-A-53-26828, JP-A-53-26829, JP-A-53-98336, JP-A-56-116718, JP-A-61-124684, and JP-A-62-240318. JP-A No. 6-133, etc., it can be produced using a resin obtained by copolymerizing a trivalent or higher polycarboxylic acid, but of course, a method other than these may be used.
[0043]
In the present invention, the intrinsic viscosity of the polyester resin used for the coating layer is not particularly limited, but is preferably at least 0.3 dl / g, more preferably at least 0.35 dl / g, most preferably at the point of adhesiveness. 0.4 dl / g or more. The glass transition point (hereinafter abbreviated as Tg) of the aqueous polyester resin is preferably from 0 to 90 ° C, more preferably from 10 to 80 ° C. If the Tg is less than 0 ° C., the moisture-resistant adhesiveness is inferior. The acid value of the water-based polyester resin is preferably 20 mgKOH / g or more, more preferably 30 mgKOH / g or more, in terms of adhesiveness, particularly moisture-resistant adhesiveness.
[0044]
Examples of the monomer component constituting the acrylic resin which is a component of the coating layer in the optical laminated film of the present invention include alkyl acrylate and alkyl methacrylate (where the alkyl group is a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group, or an isopropyl group). , N-butyl, isobutyl, t-butyl, 2-ethylhexyl, lauryl, stearyl, cyclohexyl, phenyl, benzyl, phenylethyl, etc.), 2-hydroxyethyl acrylate, 2-hydroxyethyl Methacrylate, 2-hydroxypropyl acrylate, hydroxy group-containing monomers such as 2-hydroxypropyl methacrylate, acrylamide, methacrylamide, N-methylacrylamide, N-methylmethacrylamide, N-methylolacrylamide, Amide group-containing monomers such as methylol methacrylamide, N, N-dimethylol acrylamide, N-methoxymethyl acrylamide, N-methoxymethyl methacrylamide, N-phenylacrylamide, N, N-diethylaminoethyl acrylate, N, N-diethylamino Contains amino group-containing monomers such as ethyl methacrylate, epoxy group-containing monomers such as glycidyl acrylate and glycidyl methacrylate, and carboxyl groups or salts thereof such as acrylic acid, methacrylic acid and salts thereof (lithium salt, sodium salt, potassium salt, etc.). And the like, and these are copolymerized using one kind or two or more kinds. Furthermore, they can be used in combination with other types of monomers.
[0045]
Other types of monomers include, for example, epoxy group-containing monomers such as allyl glycidyl ether, sulfonic acid groups such as styrene sulfonic acid, vinyl sulfonic acid and salts thereof (lithium salt, sodium salt, potassium salt, ammonium salt, etc.) or Monomers containing a salt thereof, monomers containing a carboxyl group such as crotonic acid, itaconic acid, maleic acid, fumaric acid and salts thereof (lithium salt, sodium salt, potassium salt, ammonium salt, etc.) or salts thereof, maleic anhydride Monomers containing acid anhydrides such as acid and itaconic anhydride, vinyl isocyanate, allyl isocyanate, styrene, vinyl methyl ether, vinyl ethyl ether, vinyl trisalkoxysilane, alkyl maleic acid monoester, alkyl fumaric acid monoester, Ronitoriru, methacrylonitrile, alkyl itaconic acid monoester, vinylidene chloride, vinyl acetate, may be used vinyl chloride.
[0046]
The glass transition point (Tg) of the acrylic resin used in the present invention is not particularly limited, but is preferably from 0 to 90 ° C, more preferably from 10 to 80 ° C. When an acrylic resin having a low Tg is used, the adhesiveness under high temperature and high humidity tends to be inferior. On the contrary, when it is too high, a crack may be generated at the time of stretching, which is not preferable. The molecular weight of the acrylic resin is preferably 100,000 or more, more preferably 300,000 or more, from the viewpoint of adhesiveness.
[0047]
Preferred acrylic resins used in the present invention include copolymers selected from methyl methacrylate, ethyl acrylate, n-butyl acrylate, 2-hydroxyethyl acrylate, acrylamide, N-methylolacrylamide, glycidyl methacrylate, and acrylic acid.
[0048]
In producing the optical laminated film of the present invention, the method of applying an aqueous resin coating solution to the polyester film before the completion of the crystal orientation, stretching, and the method of completing the crystal orientation by heat treatment, heat treatment at high temperature It is preferably used because it is possible and a more uniform and thin coating layer can be obtained. When the coating layer is formed by the above method, the acrylic resin is preferably an aqueous resin which can be dissolved, emulsified, or suspended in water from the viewpoint of environmental pollution and explosion-proof properties. Such an aqueous acrylic resin can be copolymerized with a monomer having a hydrophilic group (such as acrylic acid, methacrylic acid, acrylamide, vinyl sulfonic acid, and salts thereof), emulsion-polymerized using a reactive emulsifier or a surfactant, and suspended. It can be produced by a method such as suspension polymerization or soap-free polymerization.
[0049]
In the coating layer of the optical laminated film of the present invention, the layer L made of acrylic resin on the surface side 2 And / or layer L of polyester resin on polyester film side 1 Alternatively, one or more kinds of various crosslinking agents may be contained in the mixed phase region.
[0050]
The crosslinking agent in the present invention is not particularly limited, but may be any as long as it can undergo a crosslinking reaction with a functional group present in the resin described above, for example, a carboxyl group, a hydroxyl group, a methylol group, an amide group, and the like. For example, melamine-based crosslinking agents, oxazoline-based crosslinking agents, isocyanate-based crosslinking agents, aziridine-based crosslinking agents, epoxy-based crosslinking agents, methylolated or alkylolated urea-based, acrylamide-based, polyamide-based resins, amide epoxy compounds, various types A silane coupling agent, various titanate coupling agents, and the like can be used. In particular, a melamine-based cross-linking agent and an oxazoline-based cross-linking agent are preferably used in terms of easy adhesion and wet heat resistance.
[0051]
The crosslinking agent to be used is not particularly limited as long as it is a compound that causes a crosslinking reaction, but is a ureol-based, melamine-based, acrylamide-based, polyamide-based compound, epoxy compound, isocyanate compound, oxazoline-based compound, aziridine-modified Compounds, various silane coupling agents, various titanate coupling agents, and the like can be used. Of these, methylolated melamine compounds, oxazoline compounds, and epoxy compounds are preferably used.
[0052]
Among them, it has been found that, in particular, a melamine-based crosslinking agent has an effect of improving not only the adhesiveness (moisture resistance adhesiveness) under high humidity but also the applicability. The melamine-based cross-linking agent used is not particularly limited, and melamine, a methylolated melamine derivative obtained by condensing melamine and formaldehyde, a compound partially or completely etherified by reacting a lower alcohol with methylolated melamine, And mixtures thereof. Further, the melamine-based crosslinking agent may be any of a monomer, a condensate composed of a multimer of a dimer or more, or a mixture thereof. As the lower alcohol used for the etherification, methyl alcohol, ethyl alcohol, isopropyl alcohol, n-butanol, isobutanol and the like can be used. The functional group has an imino group, a methylol group, or an alkoxymethyl group such as a methoxymethyl group or a butoxymethyl group in one molecule, and is an imino group type methylated melamine resin, a methylol group type melamine resin, a methylol group type. Methylated melamine resins, fully alkylated methylated melamine resins, and the like. Among them, a methylolated melamine resin is most preferable. Further, an acidic catalyst such as, for example, p-toluenesulfonic acid may be used to promote the thermal curing of the melamine-based crosslinking agent.
[0053]
The oxazoline-based crosslinking agent used in the present invention is not particularly limited as long as it has an oxazoline group as a functional group in the compound, and includes at least one or more oxazoline group-containing monomers, and Those comprising an oxazoline group-containing copolymer obtained by copolymerizing at least one other monomer are preferred.
[0054]
Examples of the monomer having an oxazoline group include 2-vinyl-2-oxazoline, 2-vinyl-4-methyl-2-oxazoline, 2-vinyl-5-methyl-2-oxazoline, 2-isopropenyl-2-oxazoline, 2-isopropenyl-4-methyl-2-oxazoline, 2-isopropenyl-5-ethyl-2-oxazoline and the like can be used, and one or a mixture of two or more thereof can also be used. Among them, 2-isopropenyl-2-oxazoline is preferred because it is easily available industrially.
[0055]
In the oxazoline-based crosslinking agent, the at least one other monomer used for the oxazoline group-containing monomer is not particularly limited as long as it is a monomer copolymerizable with the oxazoline group-containing monomer. Acrylates or methacrylates, such as methyl acrylate, methyl methacrylate, ethyl acrylate, ethyl methacrylate, butyl acrylate, butyl methacrylate, 2-ethylhexyl acrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, acrylic Unsaturated carboxylic acids such as acid, methacrylic acid, itaconic acid and maleic acid, unsaturated nitriles such as acrylonitrile and methacrylonitrile, acrylamide, methacrylamide, N-methylolacrylamide, N-methylolmethacrylic acid Unsaturated amides such as amides, vinyl esters such as vinyl acetate and vinyl propionate, vinyl ethers such as methyl vinyl ether and ethyl vinyl ether, olefins such as ethylene and propylene, vinyl chloride, vinylidene chloride, and vinyl fluoride. Halogen-α, β-unsaturated monomers, α, β-unsaturated aromatic monomers such as styrene, α-methylstyrene and the like can be used, and these may be used alone or in a mixture of two or more. You can also.
[0056]
The amount of the melamine-based cross-linking agent is not particularly limited, but is preferably 2 to 50 parts by weight, based on 100 parts by weight of a solid used as a coating liquid, in order to more remarkably exert the effects of the present invention. Preferably it is 5 to 40 parts by weight, most preferably 10 to 30 parts by weight.
[0057]
The amount of the oxazoline-based crosslinking agent is not particularly limited, but is preferably 2 to 30 parts by weight, based on 100 parts by weight of a solid used as a coating liquid, in order to more remarkably exert the effects of the present invention. Preferably it is 5 to 20 parts by weight, most preferably 5 to 10 parts by weight. In particular, it is believed that the addition of the oxazoline-based cross-linking agent has high reactivity with a carboxyl group or the like in a resin having hygroscopicity, and thus it is possible to deactivate these functional groups by performing a cross-linking reaction. .
[0058]
Furthermore, in the coating layer, various additives such as antioxidants, heat stabilizers, weather stabilizers, ultraviolet absorbers, organic lubricants, pigments, dyes, organic Alternatively, inorganic fine particles, a filler, an antistatic agent, a nucleating agent and the like may be blended.
[0059]
In particular, in carrying out the present invention, those obtained by adding and blending inorganic particles in a coating liquid and then biaxially stretching are more preferable because the lubricity and blocking resistance are improved.
[0060]
As the inorganic particles to be added, typically, silica, colloidal silica, alumina, alumina sol, kaolin, talc, mica, calcium carbonate, and the like can be used. The inorganic particles used may be in a range that does not impair the effects of the present invention, but when used for optical applications, those having an average particle size of 0.01 to 0.4 μm are preferred, and more preferably 0.1 to 0.4 μm. It is from 0.05 to 0.3 μm, most preferably from 0.05 to 0.1 μm, and the mixing ratio with respect to the solid content in the coating liquid is not particularly limited, but is preferably from 0.05 to 8 parts by weight, more preferably by weight. Is 0.1 to 5 parts by weight.
[0061]
In practicing the present invention, the aqueous resin may be applied by, for example, a reverse coating method, a spray coating method, a bar coating method, a gravure coating method, a rod coating method, a die coating method, or the like.
[0062]
The thickness of the coating layer is not particularly limited, but is usually preferably 0.02 to 1 μm, more preferably 0.04 to 0.3 μm, and most preferably 0.04 to 0.1 μm. When the thickness is in such a preferable range, the adhesiveness is good, and a mixed phase region due to phase separation is sufficiently formed.
[0063]
Layer L 2 And layer L 1 (Layer L 2 / Layer L 1 Is not particularly limited, but is usually preferably 5/95 to 80/20, more preferably 10/90 to 70/30, and most preferably 30/70 to 50/50. However, they are excellent in that they make moisture-resistant adhesiveness and film scratches less noticeable.
[0064]
In the present invention, the main component of the coating layer means that the component is 60% by weight or more in the coating layer. However, in the present invention, it is desirable that the main component occupies preferably 80% by weight or more, more preferably 90% by weight or more.
[0065]
The laminated structure as described above can be realized by, for example, the following various methods. There is a method in which a coating liquid obtained by mixing a polyester resin and an acrylic resin is applied onto a base film by a coating method, dried under specific conditions, and then stretched to obtain the coating layer structure of the present invention.
[0066]
In the production method of the laminated film of the present invention, after applying the aqueous resin coating solution under different drying conditions set in two or more stages, it is to be dried, and in a heat treatment time in which the mixed phase region can exist at 5 to 100 nm There is no particular limitation as long as it is present. For example, the following method can be used. After the first-stage drying is performed at a temperature lower than the glass transition point (hereinafter, abbreviated as Tg) of the base polyester resin, the second-stage drying is performed at a temperature equal to or higher than Tg, and Tg required for stretching is obtained. It is possible to use a method in which the temperature is set to a nearby temperature (however, Tg or more) and the stretching is performed subsequently. In particular, by setting the second-stage set drying temperature higher than the first-stage set drying temperature, the laminated structure employed in the present invention can be more remarkably exhibited. Furthermore, the above-mentioned drying can be used repeatedly. Examples of the drying method used include a method using a radiation heater, a method of blowing heated hot air, and a combination of both.
[0067]
Further, at this time, when the drying temperature is between the first stage and the second stage and the drying temperature is the second stage, it is preferable to raise the ambient temperature at 10 ° C./sec or more, more preferably 40 ° C. / Sec or more, most preferably 200 ° C / sec or more.
[0068]
Further, the heat treatment time in the heat treatment step after coating and stretching is preferably 5 to 40 seconds, more preferably 7 to 20 seconds. When the heat treatment time is in the preferable range, the thickness of the mixed phase region in which the phase separation structure is formed is appropriately small, while the mixed layer region does not exist and a two-layer structure in which a clear interface is formed does not occur. .
[0069]
In the optical laminated film of the present invention, the mixed phase region needs to be clearly present, and the layer L of the coating layer is required. 1 And layer L 2 Has improved adhesion at the interface, and also has excellent effects on haze and light transmittance. When the mixed phase region is too thin, there is no effect, and when viewed in the thickness direction of the coating layer, the thickness needs to be 5 to 100 nm, 10 to 80 nm, and more preferably 10 to 50 nm. It is preferable that the laminated structure exists as a clear mixed phase region.
[0070]
In the present invention, before applying the coating liquid, the surface of the base film is subjected to a corona discharge treatment or the like, so that the wetting tension of the surface is preferably at least 47 mN / m, more preferably at least 50 mN / m. In addition to improving the adhesiveness of the coating layer to the base film, the surface energy difference can be increased by increasing the surface energy of the base polyester film, so that the phase separation described above can be made more remarkable. Good.
[0071]
Next, the method for producing a laminated polyester film of the present invention will be described by taking a polyethylene terephthalate (hereinafter abbreviated as PET) film as an example of a base film, but is not limited thereto.
[0072]
For example, PET pellets having an intrinsic viscosity of 0.5 to 0.8 dl / g are vacuum-dried, supplied to an extruder, melted at 260 to 300 ° C., extruded into a sheet shape from a T-shaped die, and subjected to an electrostatic application casting method. Was wound around a mirror casting drum having a surface temperature of 10 to 60 ° C., and was cooled and solidified to produce an unstretched PET film. This unstretched film is stretched 2.5 to 5 times in the longitudinal direction (moving direction of the film) between rolls heated to 70 to 100 ° C. A coating liquid for subjecting at least one surface of the film to a corona discharge treatment in the air so that the surface has a wetting tension of 47 mN / m or more, and forming a phase-separated structure coating layer having a mixed phase region according to the present invention on the treated surface. Was applied. The coated film is gripped with a clip, guided to a drying zone, dried at a temperature lower than Tg of the base polyester resin, raised to Tg or higher, dried again at a temperature close to Tg, and continuously continuously at 70 to 70 g. The film is stretched 2.5 to 5 times in the width direction in a heating zone at 150 ° C., and then subjected to a heat treatment in a heating zone at 200 to 240 ° C. for 5 to 40 seconds to produce a laminated PET film in which crystal orientation is completed. During this heat treatment, a 3 to 12% relaxation treatment may be performed as necessary. The biaxial stretching may be any of longitudinal and transverse sequential stretching or simultaneous biaxial stretching, and may be re-stretched in any of the longitudinal and transverse directions after the longitudinal and transverse stretching. The thickness of the polyester film is not particularly limited, but is preferably 3 to 300 μm. The coating solution used in this case is preferably an aqueous solution in view of environmental pollution and explosion-proof properties.
[0073]
In the above example, the base film on which the coating layer is provided may also contain at least one selected from melamine resins, acrylic resins, polyester resins, and reaction products thereof. In this case, there are effects such as improvement in adhesion between the coating layer and the base film, and improvement in lubricity of the laminated polyester film. When a melamine resin, an acrylic resin, a polyester resin, and a reaction product thereof are contained, the amount of addition is preferably 0.0005% by weight or more and less than 20% by weight. It is preferred in that respect. Of course, the melamine-based resin, the acrylic resin, the polyester resin, and their reaction products may be a coating composition (including recycled pellets of an optical laminated polyester film) provided on a base film.
[0074]
The thus obtained optical laminated film according to one embodiment of the present invention has a very high transparency because the mixed phase region in which the phases constituting each layer form a phase-separated structure is present at a specific thickness. , Making the fine scratches on the base film attached during the film forming process inconspicuous, and also excellent in easy adhesion, for example, providing a hard coat layer to provide an anti-reflective laminated film, It can be used as a laminated film for display members such as a laminated film for touch panels and a laminated film for electronic paper provided with a metal oxide layer.
[0075]
In the present invention, a film used as a display member such as an antireflection film, a touch panel, and electronic paper is referred to as a laminated film for a display member.
[0076]
In the present invention, the material constituting the hard coat layer is not particularly limited as long as it transmits visible light, but a material having a high light transmittance is preferable. Examples of the material used include an acrylic resin, a polycarbonate resin, a vinyl chloride resin, a polyester resin, a urethane resin, and an active ray-curable resin. In particular, acrylic resins, urethane resins, and actinic radiation-curable resins can be suitably used in terms of scratch resistance, productivity, and the like.
[0077]
The actinic ray-curable resin used as a component of the hard coat layer according to the present invention includes, as monomer components constituting the actinic ray-curable resin, for example, pentaerythritol tri (meth) acrylate, pentaerythritol tetra (meth) Acrylate, dipentaerythritol tri (meth) acrylate, dipentaerythritol tetra (meth) acrylate, dipentaerythritol penta (meth) acrylate, dipentaerythritol hexa (meth) acrylate, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, bis (meth) Cloylthiophenyl) sulfide, 2,4-dibromophenyl (meth) acrylate, 2,3,5-tribromophenyl (meth) acrylate, 2,2-bis (4- (meth) acryloyloxyphenyl Propane, 2,2-bis (4- (meth) acryloyloxyethoxyphenyl) propane, 2,2-bis (4- (meth) acryloyloxydiethoxyphenyl) propane, 2,2-bis (4- (meth) Acryloylpentaethoxyphenyl) propane, 2,2-bis (4- (meth) acryloyloxyethoxy-3,5-dibromophenyl) propane, 2,2-bis (4- (meth) acryloyloxydiethoxy-3,5 -Dibromophenyl) propane, 2,2-bis (4- (meth) acryloyloxypentaethoxy-3,5-dibromophenyl) propane, 2,2-bis (4- (meth) acryloyloxyethoxy-3,5- Dimethylphenyl) propane, 2,2-bis (4- (meth) acryloyloxyethoxy-3-phenylphenyl Nil) propane, bis (4- (meth) acryloyloxyphenyl) sulfone, bis (4- (meth) acryloyloxyethoxyphenyl) sulfone, bis (4- (meth) acryloyloxypentaethoxyphenyl) sulfone, bis (4- (Meth) acryloyloxyethoxy-3-phenylphenyl) sulfone, bis (4- (meth) acryloyloxyethoxy-3,5-dimethylphenyl) sulfone, bis (4- (meth) acryloyloxyphenyl) sulfide, bis (4 -(Meth) acryloyloxyethoxyphenyl) sulfide, bis (4- (meth) acryloyloxypentaethoxyphenyl) sulfide, bis (4- (meth) acryloyloxyethoxy-3-phenylphenyl) sulfide, bis (4- (meta) ) Acri Polyfunctional (meth) acrylic compounds such as loyloxyethoxy-3,5-dimethylphenyl) sulfide, di ((meth) acryloyloxyethoxy) phosphate and tri ((meth) acryloyloxyethoxy) phosphate can be used. These can be used alone or in combination of two or more.
[0078]
Along with these polyfunctional (meth) acrylic compounds, styrene, chlorostyrene, dichlorostyrene, bromostyrene, dibromostyrene, divinylbenzene are used to control the hardness, transparency, strength, refractive index, etc. of the actinic radiation curable resin. , Vinyltoluene, 1-vinylnaphthalene, 2-vinylnaphthalene, N-vinylpyrrolidone, phenyl (meth) acrylate, benzyl (meth) acrylate, biphenyl (meth) acrylate, diallyl phthalate, dimethallyl phthalate, diallyl biphenylate, or barium And a reaction product of a metal such as lead, antimony, titanium, tin, and zinc with (meth) acrylic acid. These may be used alone or in combination of two or more.
[0079]
In the present invention, the description “(meth) acrylic compound” is an abbreviation for “methacrylic compound and acrylic compound”, and the same applies to other compounds.
[0080]
As a method of curing the actinic radiation-curable resin in the present invention, for example, a method of irradiating ultraviolet rays can be used. In this case, about 0.01 to 10 parts by weight of photopolymerization is started with respect to the compound. It is desirable to add an agent.
[0081]
The actinic radiation-curable resin that can be used in the present invention includes, for the purpose of improving workability at the time of coating and controlling the coating film thickness, within a range where the intended effect of the present invention is not impaired, isopropyl alcohol, Organic solvents such as ethyl acetate and methyl ethyl ketone can be blended.
[0082]
In the present invention, the actinic ray means an electromagnetic wave for polymerizing an acrylic vinyl group such as ultraviolet rays, electron beams, and radiations (α rays, β rays, γ rays, etc.), and practically, ultraviolet rays are simple and preferable. . As the ultraviolet light source, an ultraviolet fluorescent lamp, a low-pressure mercury lamp, a high-pressure mercury lamp, an ultra-high-pressure mercury lamp, a xenon lamp, a carbon arc lamp, or the like can be used. Further, the electron beam method is advantageous in that the apparatus is expensive and requires an operation under an inert gas, but it does not need to contain a photopolymerization initiator or a photosensitizer.
[0083]
In the present invention, the thickness of the hard coat layer can be arbitrarily selected depending on the application in which the film provided with the hard coat layer is used, and is not particularly limited, but is usually 1 to 10 μm, preferably 2 to 10 μm. 5 μm. When the thickness of the hard coat layer is in such a preferable range, the hard coat property is sufficiently exhibited, and on the other hand, the film does not curl due to shrinkage during curing of the hard coat layer.
[0084]
In the present invention, it is preferable to provide an antireflection layer for suppressing flickering on the surface of the hard coat layer or to perform an antifouling treatment for preventing dirt. The antireflection layer is not particularly limited, but can be formed by laminating a low refractive index compound, or by sputtering or vapor deposition of an inorganic compound such as magnesium fluoride or silicon oxide. As for the antifouling treatment, an antifouling treatment using a silicone resin, a fluorine resin or the like can be performed.
[0085]
In the present invention, the material constituting the conductive metal oxide layer is not particularly limited as long as it transmits visible light, but a material having a high light transmittance is preferable. As a material to be used, generally, a metal oxide such as indium tin oxide (ITO) or a metal thin film of aluminum, nickel, palladium, gold, silver, or copper may be used. Known methods can be used for the method of providing on the laminated polyester film. For example, they can be formed by vacuum evaporation, sputtering, ion plating, ion beam evaporation, plasma CVD, and the like. From the viewpoint of properties, sputtering is preferably used. For example, in the case of an ITO conductive film, the thickness is preferably from 2 to 800 nm, more preferably from 20 to 500 nm. When the thickness of the metal oxide layer is in such a preferable range, it is easy to form a uniform film, so that the conductivity can be excellent, and on the other hand, not only excellent in transparency but also when bent. In addition, cracks hardly occur in the metal oxide layer, transparency is not impaired, and good conductivity can be maintained.
[0086]
In the present invention, the conductive metal oxide layer may be provided on the coating layer, or may be provided on the surface on which the coating layer is not provided. It is preferable from the viewpoint of, for example, the hitting durability when used for touch panel applications.
[0087]
In the present invention, the touch panel has a structure in which a conductive layer is formed on glass or a film and a conductive layer formed on the film is opposed to the film via a spacer, that is, for example, display / glass or film / conductive layer A / (Spacer) / conductive layer B / film / hard coat layer, etc., if the finger or pen is pressed directly from the hard coat side, the film will bend only that part, and the conductive layer B on the hard coat side will face The input is made by contacting the conductive layer A, and the pressed position is recognized as XY coordinates and input to a computer or the like. Therefore, they are used for applications such as car navigation systems, PDAs (Personal Digital Assistants), home appliances, and displays.
[0088]
In the present invention, the electronic paper is used for displaying an electronic distribution product, an electronic publication, or the like on a paper-like display. For example, the electronic paper is non-volatile in which the display is retained even when the power is turned off, without a backlight. However, it has features such as sharp reflection type display and flexibility like paper. The display method is not particularly limited. For example, a method of forming an image by enclosing charged toner or the like between two conductive plastic films, electrically changing the in-plane distribution of the toner, A method of controlling alignment by applying a liquid crystal material and applying electric energy or the like can be used, but the method is not limited thereto. In addition, they are excellent in that they do not require a power source after display, do not require a startup time, are light and thin, do not crack when dropped, and are rewritable. Therefore, for example, it can be used as a mobile display device because it can be carried with an announcement poster of event contents, a hanging advertisement of a train, and a bent display.
[Method of measuring characteristics and evaluating effect]
The method for measuring characteristics and the method for evaluating effects in the present invention are as follows.
[0089]
(1) Cross-sectional form of coating layer, phase separation structure, and thickness of coating layer
The cross section of the laminated film is cut into ultrathin sections, and RuO 4 Staining, OsO 4 Observation and photographing were performed with a TEM (transmission electron microscope) by staining or ultra-thin sectioning method using double staining of both. From the cross-sectional photograph, the state of phase separation of the coating layer, the presence or absence thereof, the thickness of each phase, the thickness of the coating layer, and the like were confirmed and measured. Further, the difference in the resin type was determined based on the difference in the density of the dyeing on the photograph. Further, a part which cannot be determined as either phase in a state where both phases of the interface part are intricate is defined as the mixed phase.
[0090]
The thickness of each phase was calculated from the thickness of the coating layer and the area ratio of the portion dyed with each resin.
[0091]
Observation method
-Apparatus: Transmission electron microscope (H-7100FA, manufactured by Hitachi, Ltd.)
・ Measurement condition: acceleration voltage 100kV
-Sample preparation: frozen ultrathin section method.
[0092]
(2) Refractive index
For a film obtained by drying and solidifying a resin to be used or a laminated polyester film, a light source is a sodium lamp (Na-D line) using an Abbe refractometer (Abego refractometer manufactured by Atago Co., Ltd.), and methylene iodide is used as a mounting liquid. At 23 ° C. and a relative humidity of 65%, the refractive index of the film (measured in two orthogonal directions, or in the longitudinal direction and the width direction, and averaged).
[0093]
(3) Haze and total light transmittance
The haze and the total light transmittance were measured in a normal state (23 ° C., 65% relative humidity) after leaving the laminated film for 2 hours using a fully automatic direct reading haze computer HGM-2DP manufactured by Suga Test Instruments Co., Ltd. Was. The average of three measurements was taken as the haze and total light transmittance of the sample.
[0094]
(4) Adhesion -1 (ultraviolet curing ink adhesion)
FLASH DRY (FD Carton ACE Black) (manufactured by Toyo Ink Mfg. Co., Ltd.) was used as an ultraviolet-curable ink, and was applied to a thickness of about 1.5 μm by a roll coating method. Thereafter, ultraviolet rays were irradiated for 10 seconds with a high-pressure mercury lamp having an irradiation intensity of 80 W / cm, which was set at a height of 9 cm from the application surface, and cured to form an ultraviolet-curable ink layer on the laminated film. 1mm on this ink 2 Was put on it, and cellophane tape manufactured by Nichiban Co., Ltd. was stuck thereon, strongly pressed with a finger, then rapidly peeled off in the direction of 90 °, and the remaining number was evaluated in four steps. (A) and (B) were evaluated as good adhesiveness.
◎: 100/100 (remaining number / measured number)
:: 80/100 or more, less than 100/100
Δ: 50/100 or more, less than 80/100
×: less than 50/100
(5) Adhesion-2 (hard coat layer adhesion)
On a laminated film, a composition obtained by stirring and mixing 70 parts by weight of dipentaerythritol hexaacrylate, 30 parts by weight of N-vinylpyrrolidone, and 4 parts by weight of 1-hydroxycyclohexylphenyl ketone was cured using a bar coater. Was uniformly applied so as to have a thickness of 5 μm. This was irradiated with an ultraviolet ray for 15 seconds using a high-pressure mercury lamp having an irradiation intensity of 80 W / cm set at a height of 9 cm from the application surface and cured to form a hard coat layer on the laminated film. Hereinafter, evaluation of adhesiveness was performed in the same manner as in evaluation (4).
[0095]
(6) Scratch visibility
Using a halogen light as a light source, the optical laminated polyester film was evaluated for the degree of conspicuousness of scratches on the raw film by transmitted light according to the following criteria.
:: No scratches visible
○: scarcely noticeable
△: Scratch can be seen if you look closely
×: Glitter and scratches are conspicuous
(7) Unpleasant feeling
The laminated polyester film for optics was evaluated in a dark room using a three-wavelength fluorescent lamp as a light source, and the transmitted light was evaluated for haze based on the following criteria.
○: No white haze
△: a little white haze
×: Those with a feeling of cloudiness throughout
(8) Pencil hardness
In accordance with JIS K 5400, pencils of various hardness were applied to the surface of the hard coat layer at an angle of 90 degrees, scratched with a load of 1 kg, and indicated by the hardness of the pencil when a scratch occurred.
[0096]
(9) Wear resistance
The surface of the hard coat layer was rubbed with steel wool # 0000, and the degree of scratching was evaluated according to the following criteria.
:: Hardly scratched even if strongly rubbed.
Δ: Slightly scratched when rubbed quite strongly.
X: Damage is caused even by weak friction.
[0097]
(10) Moisture and heat resistance
A sample in which a hard coat layer was provided on a laminated film in the same manner as in the case of Adhesion-2 was left in a thermo-hygrostat at 85 ° C. and a relative humidity of 85% for 500 hours. The adhesiveness was evaluated.
[0098]
【Example】
Next, the present invention will be described based on examples.
Example 1
PET pellets (intrinsic viscosity: 0.63 dl / g) containing substantially no externally added particles are sufficiently vacuum-dried, fed to an extruder, melted at 285 ° C., extruded into a sheet shape from a T-shaped die, and squeezed. It was wound around a mirror-surface casting drum having a surface temperature of 25 ° C. using an electric application casting method to be cooled and solidified. This unstretched film was heated to 90 ° C. and stretched 3.4 times in the longitudinal direction to obtain a uniaxially stretched film. This film was subjected to a corona discharge treatment in air. A mixture of the coating liquid A1, the coating liquid B1, and the particles 1 having the following composition at a solid content weight ratio of liquid A1 / liquid B1 / particle 1 = 25/75/3 was defined as a coating liquid 1 for forming a coating layer. It was applied to the corona discharge treated surface of the stretched film.
[Composition of Coating Liquid 1 for Forming Coating Layer]
Liquid A1: an aqueous dispersion (a so-called emulsion coating liquid) in which an acrylic resin (glass transition temperature: 42 ° C., refractive index: 1.52) having the following copolymer composition is dispersed in water in the form of particles; 50 nm)
・ Copolymer component
63% by weight of methyl methacrylate
Ethyl acrylate 35% by weight
Acrylic acid 1% by weight
N-methylol acrylamide 1% by weight
Liquid B1: an ammonium salt-type aqueous dispersion in which a polyester resin (glass transition temperature: 20 ° C., refractive index: 1.57) having the following copolymer composition is dispersed in water in the form of particles.
・ Acid component
Terephthalic acid 28 mol%
9 mol% of isophthalic acid
Trimellitic acid 10 mol%
Sebacic acid 3 mol%
・ Glycol component
15 mol% ethylene glycol
Neopentyl glycol 18 mol%
1,4-butanediol 17 mol%
Particle 1: an aqueous dispersion of colloidal silica particles having a particle diameter of 80 nm.
[0099]
The uniaxially stretched film coated with the coating liquid 1 is gripped with a clip, guided to a preheating zone, dried at an ambient temperature of 75 ° C., raised to 110 ° C. using a radiation heater, and dried again at 90 ° C. Subsequently, the film was continuously stretched 3.5 times in the width direction in a heating zone at 120 ° C., and then subjected to a heat treatment in a heating zone at 220 ° C. for 20 seconds to produce a laminated film in which crystal orientation was completed. At this time, the thickness of the base film was 125 μm, and the thickness of the coating layer was 0.1 μm. Table 1 shows the results. A mixed phase region formed of a polyester resin on the polyester film side and an acrylic resin on the surface side and having a phase separation structure was observed. As a result, the adhesiveness was excellent, the scratches on the base film during the film forming process were not conspicuous, and the coating layer did not have a haze.
[0100]
[Table 1]
Figure 2004107627
[0101]
Example 2
Instead of the coating liquid 1 for forming the coating layer used in Example 1, the liquid A1, the liquid B1, the liquid C1, and the particles 1 having the following compositions were used in terms of solid content weight ratio, and liquid A1 / liquid B1 / liquid C1 / particle 1 = 25. A laminated film was obtained in the same manner as in Example 1, except that the mixture of / 75/20/3 was used as the coating liquid for forming the coating layer 2 and the thickness of the coating layer was 0.12 μm.
[Composition of Coating Liquid 2 for Forming Coating Layer]
The same liquid A1, coating liquid B1, and particles 1 as in Example 1 were used.
Liquid C1: an aqueous coating liquid in which a methylol-based melamine crosslinking agent (“Nikalac” MW12LF manufactured by Sanwa Chemical Co., Ltd.) is dissolved in water as a melamine-based crosslinking agent.
[0102]
The results are shown in Table 1. A mixed phase region formed of a polyester resin on the polyester film side and an acrylic resin on the surface side and having a phase separation structure was observed. As a result, the adhesiveness was excellent, the abrasion on the base film was not noticeable during the film forming process, and the coating layer did not have a haze.
[0103]
Comparative Example 1
Instead of the coating liquid 1 for forming a coating layer used in Example 1, a liquid A1, a liquid C2 and particles 2 having the following composition were mixed at a solid content weight ratio of liquid A1 / liquid C2 / particle 2 = 100/10/1. A laminated film was obtained in the same manner as in Example 1 except that the thus obtained coating liquid was used as a coating liquid 3 for forming a coating layer.
[Composition of coating liquid 3 for forming coating layer]
The same liquid A1 as in Example 1 was used.
Liquid C2: An aqueous coating liquid in which CR-5L manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, Ltd. is dispersed in water as an epoxy-based crosslinking agent.
[0104]
Particle 2: aqueous dispersion of colloidal silica particles having a particle diameter of 300 nm
The results are shown in Table 1. Poor adhesion occurred and scratches were also noticeable. No mixed phase region having a phase separation structure was observed.
[0105]
Comparative Example 2
Instead of the coating liquid 1 for forming the coating layer used in Example 1, a liquid B2, a liquid C1 and particles 2 having the following composition were mixed at a solid content weight ratio of liquid B2 / liquid C1 / particle 2 = 100/15/1. A laminated film was obtained in the same manner as in Example 1 except that the thus obtained coating liquid was used as a coating liquid 4 for forming a coating layer.
[Composition of Coating Liquid 4 for Forming Coating Layer]
Liquid B2: A sodium salt type aqueous dispersion in which a polyester resin (glass transition temperature: 82 ° C., refractive index: 1.59) having the following copolymer composition is dispersed in water in the form of particles.
・ Acid component
Terephthalic acid 88 mol%
5-Na sulfoisophthalic acid 12 mol%
・ Glycol component
98 mol% ethylene glycol
Diethylene glycol 2 mol%
The liquid C1 used was the same as in Example 1.
[0106]
Particle 2: an aqueous dispersion of colloidal silica particles having a particle diameter of 300 nm.
[0107]
The results are shown in Table 1. Poor adhesion occurred and the haze was noticeable. No mixed phase region having a phase separation structure was observed.
[0108]
Comparative Example 3
Instead of the coating liquid 1 for forming a coating layer used in Example 1, the above-mentioned liquid A1, liquid B2, liquid C1 and particles 1 were mixed in a solid content weight ratio of liquid A1 / liquid B2 / liquid C1 / particle 1 = 40/60. A laminated film was obtained in the same manner as in Example 1, except that the mixture at / 5/3 was used as the coating liquid 5 for forming the coating layer, and the heat treatment conditions after stretching were 230 ° C. and 60 seconds. The results are shown in Table 1. Although a coating layer made of polyester resin on the polyester film side and an acrylic resin on the surface side was observed, the length in the thickness direction of the mixed phase region forming the phase separation structure was insufficient, and scratches were conspicuous. there were.
[0109]
Comparative Example 4
Instead of the coating liquid 1 for forming the coating layer used in Example 1, the liquid A2, the liquid B2, the liquid C1, and the particles 1 having the following compositions were used in a solid content weight ratio of liquid A2 / liquid B2 / liquid C1 / particle 1 = 20. A laminated PET film was obtained in the same manner as in Example 1 except that the mixture of / 80/5/3 was used as the coating liquid 6 for forming the coating layer, and the heat treatment conditions after stretching were 230 ° C. and 60 seconds. Was.
[Composition of Coating Liquid 6 for Forming Coating Layer]
Liquid A2: an aqueous dispersion (a so-called emulsion coating liquid) in which an acrylic resin (glass transition temperature: 40 ° C., refractive index: 1.48) having the following copolymer composition is dispersed in water in the form of particles; 110 nm)
・ Copolymer component
20% by weight methyl methacrylate
Ethyl acrylate 20% by weight
58% by weight of perfluoroethyl acrylate
Acrylic acid 1% by weight
N-methylol acrylamide 1% by weight
The results are shown in Table 1. Although a coating layer composed of a polyester resin on the polyester film side and an acrylic resin on the surface side was observed, a mixed phase region having a phase-separated structure was scarcely recognized, and a so-called two-layer coating film was obtained. That is, the layer was almost completely separated into two layers, and the thickness of the mixed phase region was almost at a level that could not be measured. In addition, poor adhesion occurred and scratches were also noticeable.
[0110]
Comparative Example 5
In place of the coating liquid 1 for forming a coating layer used in Example 1, the above-mentioned liquid A1, liquid B2, liquid C1 and particles 1 were in a solid content weight ratio of liquid A1 / liquid B2 / liquid C1 / particle 1 = 60/40. / 5/3 was used as the coating liquid 7 for forming the coating layer, the thickness of the coating layer was 0.3 μm, and the heat treatment after stretching was 200 ° C. for 5 seconds. In the same manner as in Example 1, a laminated PET film was obtained. The results are shown in Table 1. Although a coating layer composed of a polyester resin on the polyester film side and an acrylic resin on the surface side was observed, the mixed phase region forming the phase separation structure was too long. In addition, scratches were noticeable, and the haze was also noticeable.
[0111]
Example 3
Instead of the coating liquid 1 for forming the coating layer used in Example 1, the liquid A3, the liquid B2, the liquid C1, and the particles 3 having the following compositions were used in a solid content weight ratio of liquid A3 / liquid B2 / liquid C1 / particle 3 = 50. /50/10/0.6 was used as the coating liquid 8 for forming the coating layer, the thickness of the coating layer was 0.08 μm, and the heat treatment temperature after stretching was 230 ° C. for 10 seconds. In the same manner as in Example 1, a laminated PET film was obtained.
[Composition of Coating Layer Forming Coating Liquid 8]
Coating liquid A3: An aqueous dispersion (a so-called emulsion coating liquid) in which an acrylic resin (glass transition temperature: 45 ° C., refractive index: 1.54) having the following copolymer composition is dispersed in water in the form of particles. Is 48 nm)
・ Copolymer component
Methyl methacrylate 64% by weight
30% by weight of ethyl acrylate
Acrylic acid 5% by weight
N-methylol acrylamide 1% by weight
Particle 3: an aqueous dispersion of colloidal silica particles having a particle diameter of 140 nm.
[0112]
The results are shown in Table 1. A mixed phase region formed of a polyester resin on the polyester film side and an acrylic resin on the surface side and having a phase separation structure was observed. As a result, the adhesiveness was excellent, the abrasion on the base film was not noticeable during the film forming process, and the coating layer did not have a haze.
[0113]
Comparative Example 6
Example 2 Except that a base PET film was produced using PET pellets (intrinsic viscosity 0.63 dl / g) containing 0.01% by weight of colloidal silica having an average particle diameter of 1.4 μm used in Example 2. In the same manner as in 2, a laminated film was obtained. Table 1 shows the results. Although a mixed phase region comprising a polyester resin on the polyester film side and an acrylic resin on the surface side and forming a phase-separated structure was observed, the haze was very poor.
[0114]
Comparative Example 7
A PET pellet (intrinsic viscosity: 0.63 dl / g) containing substantially no externally added particles was produced. PET / I pellets obtained by polycondensing the polyester resin forming the A layer with the acid component being 80/20 (molar ratio) of terephthalic acid / isophthalic acid and the diol component being 95/5 (molar ratio) of ethylene glycol / diethylene glycol. (Intrinsic viscosity 0.62 dl / g). After sufficiently drying these polymers in a vacuum, PET is supplied to the extruder 1 and melted at 285 ° C., and PET / I is further supplied to the extruder 2 and melted at 270 ° C. The sheets were joined and laminated by the provided joining block, wound around a mirror casting drum having a surface temperature of 30 ° C. using an electrostatic application casting method, and cooled and solidified to prepare an unstretched film having PET / I layers on both sides. This unstretched film was heated to 95 ° C. and stretched 3.5 times in the longitudinal direction to obtain a uniaxially stretched film. This film was subjected to a corona discharge treatment in air.
[0115]
The above-mentioned uniaxially stretched film was prepared by mixing the liquid A1, the liquid C1, and the particles 1 at a solid content weight ratio of liquid A1 / liquid C1 / particle 1 = 100/5/3 as the coating liquid 9 for forming a coating layer. Was applied to the surface treated with corona discharge. The coated uniaxially stretched film is gripped with a clip and guided to a preheating zone, dried at an ambient temperature of 70 ° C., raised to 110 ° C. using a radiation heater, dried at 90 ° C. again, and continuously continuously at 115 ° C. Then, the film was stretched 3.7 times in the width direction in the heating zone, and then heat-treated in the heating zone at 220 ° C. for 20 seconds to produce a laminated film in which the crystal orientation was completed. In this laminated film, the thickness of the PET / I layer derived from co-extrusion was 0.2 μm, the thickness of the PET layer was 124.8 μm, the thickness of the base film was 125 μm in total, and the thickness of the coating layer was 0.1 μm. Was. The results are shown in Table 1. No mixed phase region forming a phase separation structure was observed, and scratches on the substrate film during the film forming process were very conspicuous.
[0116]
Comparative Example 8
As the base film, a 125 μm biaxially stretched PET film having a crystal orientation and made of PET substantially free of external particles and having no coating layer was prepared. The surface of the film was subjected to a corona discharge treatment, and the same coating layer forming coating liquid 2 as used in Example 2 was applied off-line by a bar coating method so that the thickness after drying was 3 μm (drying conditions: 120 ° C for 2 minutes). The results are shown in Table 1. Scratches during the film forming process were very conspicuous, and the haze of the coating film was also very conspicuous. Further, no mixed phase region having a phase separation structure was formed, and a uniform finely dispersed structure composed of an acrylic resin and a polyester resin was observed.
[0117]
Example 4
Instead of the coating liquid 1 for forming a coating layer used in Example 1, a liquid A3, a liquid B1, a liquid C1, a liquid C3 and a liquid C3 having the following composition were prepared in a solid content weight ratio of liquid A3 / liquid B1 / liquid C1 / liquid C3. / Particle 1 = 30/70/40/10/2 was used as the coating liquid 10 for forming the coating layer, the thickness of the coating layer was 0.06 μm, and the heat treatment temperature after stretching was 230 ° C. Except for 10 seconds, a laminated PET film was obtained in the same manner as in Example 1.
[Composition of Coating Layer Forming Coating Liquid 10]
Coating liquid A3: An aqueous dispersion (a so-called emulsion coating liquid) in which an acrylic resin (glass transition temperature: 45 ° C., refractive index: 1.54) having the following copolymer composition is dispersed in water in the form of particles. Is 48 nm)
・ Copolymer component
Methyl methacrylate 64% by weight
30% by weight of ethyl acrylate
Acrylic acid 5% by weight
N-methylol acrylamide 1% by weight
Liquid B1: an ammonium salt-type aqueous dispersion in which a polyester resin (glass transition temperature: 20 ° C., refractive index: 1.57) having the following copolymer composition is dispersed in water in the form of particles.
・ Acid component
Terephthalic acid 28 mol%
9 mol% of isophthalic acid
Trimellitic acid 10 mol%
Sebacic acid 3 mol%
・ Glycol component
15 mol% ethylene glycol
Neopentyl glycol 18 mol%
1,4-butanediol 17 mol%
Liquid C1: an aqueous coating solution in which a methylol-based melamine crosslinking agent (“Nikalac” MW12LF manufactured by Sanwa Chemical Co., Ltd.) is dissolved in water as a melamine-based crosslinking agent.
Liquid C3: an aqueous coating liquid in which "Epocross" WS-500 (oxazoline-based reactive polymer manufactured by Nippon Shokubai Co., Ltd.) is dissolved in water as an oxazoline crosslinking agent.
Particle 1: an aqueous dispersion of colloidal silica particles having a particle diameter of 80 nm.
[0118]
The results are shown in Table 1. A mixed phase region formed of a polyester resin on the polyester film side and an acrylic resin on the surface side and having a phase separation structure was observed. As a result, the adhesiveness was excellent, the abrasion on the base film was not noticeable during the film forming process, and the coating layer did not have a haze. Furthermore, it was also excellent in moisture-heat resistance.
[0119]
Example 5
The coating liquid for forming a coating layer 10 used in Example 4 was applied with the solid content ratio changed to liquid A3 / liquid B1 / liquid C1 / liquid C3 / particle 1 = 30/70/25/20/2. A laminated PET film was obtained in the same manner as in Example 4, except that the layered coating liquid 11 was used.
[0120]
The results are shown in Table 1. A mixed phase region formed of a polyester resin on the polyester film side and an acrylic resin on the surface side and having a phase separation structure was observed. As a result, the adhesiveness was excellent, the abrasion on the base film was not noticeable during the film forming process, and the coating layer did not have a haze. Furthermore, it was also excellent in moisture-heat resistance.
[0121]
Example 6
The coating layer (thickness: 0.12 μm, having a phase-separated structure, and the thickness of the mixed phase region being 25 nm) obtained in Example 2 was provided on the coating layer of a 125 μm laminated film provided by coating. After applying the coating liquid for forming the hard coat layer having the composition by the die coating method, ultraviolet rays are irradiated for 15 seconds with a high-pressure mercury lamp having an irradiation intensity of 120 W / cm, which is set at a height of 9 cm from the application surface, and cured to form a film. Was provided with a 7 μm hard coat layer.
[Hard coat layer forming coating solution]
・ 70 parts by weight of dipentaerythritol hexaacrylate
・ Dipentaerythritol tetramethacrylate 10 parts by weight
・ Ethyl acrylate 5 parts by weight
・ 15 parts by weight of N-vinylpyrrolidone
-1-hydroxycyclohexyl phenyl ketone 4 parts by weight
The laminated film provided with the hard coat layer thus obtained had a pencil hardness of 3H and abrasion resistance of (○) level, and was very suitable as a laminated film for an antireflection film. In addition, an antireflection layer and an antifouling layer, if necessary, are provided on the hard coat layer to form an antireflection film.
Example 7
On the coating layer of the 125 μm laminated film provided with the coating layer (thickness: 0.12 μm, having a phase-separated structure, and having a thickness of the mixed phase region of 25 nm) provided by coating obtained in Example 2. A conductive metal oxide layer made of an ITO (indium-tin composite oxide) film having a thickness of 30 nm and a resistance value of 300 Ω / □ was formed by a DC magnetron sputtering method.
[0122]
The laminated film provided with the conductive metal oxide layer obtained by the present invention has, as described above, excellent resistance, good adhesion to the laminated film, good transparency, and a laminated film for a touch panel. And very suitable as a laminated film for electronic paper.
[0123]
【The invention's effect】
The laminated polyester film for optics of the present invention is extremely excellent in transparency, makes small scratches of the base film attached during the film forming process inconspicuous, does not have a haze of the laminated film, and has easy adhesion and heat and humidity resistance. It also exhibits an excellent effect on adhesiveness.
[0124]
And it can provide what was excellent as a laminated film for display members, such as a laminated film for anti-reflection, a laminated film for touch panels, and a laminated film for electronic paper.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a transmission electron microscope (TEM) photograph showing a cross section in a thickness direction of a laminated polyester film for optical use of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 PET film
2 Polyester resin (L 1 )
3 Mixed phase region
4 Acrylic resin (L 2 )
5 air space part

Claims (9)

ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、塗布層が設けられた積層フィルムであり、該塗布層は屈折率の異なる2種類の樹脂からなり、かつ、屈折率が1.53〜1.65である高屈折率成分を主成分とする層Lがポリエステルフィルム側に、屈折率が1.43〜1.56である低屈折率成分を主成分とする層Lが反対側にあり、前記層Lと前記層Lとの界面に、前記各層の混在相領域が5〜100nmの厚さで存在し、かつ、全光線透過率が90%以上、ヘイズが1.5%以下であることを特徴とする光学用積層フィルム。A laminated film having a coating layer provided on at least one surface of a polyester film, wherein the coating layer is made of two kinds of resins having different refractive indexes, and has a high refractive index of 1.53 to 1.65. component layer L 1 is the polyester film side of the main component, a layer L 2 having a refractive index as the main component a low refractive index component is from 1.43 to 1.56 is on the opposite side, to the layer L 1 the interface between the layer L 2, mixed phase region of each layer is present in a thickness of 5 to 100 nm, and a total light transmittance of 90% or more, and wherein the haze is 1.5% or less Optical laminated film. 高屈折率成分がポリエスエル樹脂を主たる構成成分とし、かつ、低屈折率成分がアクリル樹脂を主たる構成成分としてなることを特徴とする請求項1に記載の光学用積層フィルム。2. The optical laminated film according to claim 1, wherein the high refractive index component mainly comprises a polyester resin, and the low refractive index component mainly comprises an acrylic resin. 3. 前記塗布層に、メラミン系架橋剤および/またはオキサゾリン系架橋剤が含まれてなることを特徴とする請求項1または2に記載の光学用積層フィルム。The optical laminated film according to claim 1 or 2, wherein the coating layer contains a melamine-based crosslinking agent and / or an oxazoline-based crosslinking agent. 前記塗布層で、ポリエステル樹脂とアクリル樹脂の合計100重量部に対し、メラミン系架橋剤が2〜50重量部、オキサゾリン架橋剤が2〜30重量部含まれてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学用積層フィルム。2. The coating layer according to claim 1, wherein the melamine-based crosslinking agent and the oxazoline crosslinking agent are contained in 2 to 50 parts by weight and 2 to 30 parts by weight, respectively, based on 100 parts by weight of the total of the polyester resin and the acrylic resin. 4. The optical laminated film according to any one of items 1 to 3. ポリエステルフィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学用積層フィルム。The optical laminated film according to any one of claims 1 to 4, wherein the polyester film is a polyethylene terephthalate film or a polyethylene-2,6-naphthalate film. ポリエステルフィルムが、塗布層を構成するアクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂を含有した組成物からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学用積層フィルム。The optical laminated film according to any one of claims 1 to 5, wherein the polyester film is made of a composition containing an acrylic resin and / or a polyester resin constituting a coating layer. 請求項1〜6のいずれかに記載の光学用積層フィルムの塗布層上に、ハードコート層が設けられたことを特徴とする反射防止用積層フィルム。An anti-reflection laminated film, wherein a hard coat layer is provided on the coating layer of the optical laminated film according to any one of claims 1 to 6. 請求項1〜6のいずれかに記載の光学用積層フィルムの少なくとも片面に、導電性金属酸化物層が設けられたことを特徴とするタッチパネル用積層フィルム。A laminated film for a touch panel, wherein a conductive metal oxide layer is provided on at least one surface of the laminated film for optical according to any one of claims 1 to 6. 請求項1〜6のいずれかに記載の光学用積層フィルムの少なくとも片面に、導電性金属酸化物層が設けられたことを特徴とする電子ペーパー用積層フィルム。A laminated film for electronic paper, wherein a conductive metal oxide layer is provided on at least one side of the laminated film for optical use according to any one of claims 1 to 6.
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