JP2004106730A - 車両用燃料異常通報装置 - Google Patents

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Tsuyoshi Suzuki
鈴木 強
Yukihide Shibata
柴田 行英
Kazuyuki Kondo
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Abstract

【課題】停車中の車両において燃料残量レベルに基づいて燃料異常を検出し、外部に通報する。
【解決手段】メータECU4は、燃料タンク7に備えられたフューエルセンダゲージ6からの燃料残量信号S3に基づいて燃料残量レベルを周期的に検出する。車両2が停止後所定の時間が経過して安定状態に達した時点で検出した燃料残量レベルを基準として、その後車両停止状態継続中に検出した燃料残量レベルの減少量が所定値を超えた場合は、燃料異常が発生したと判断して、燃料異常信号S5を通信ECU15に送信する。これに応えて、通信ECU15は燃料異常情報S6を生成し、これを通信端末16により無線で集中監視センタ3に送信する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などの車両に搭載される車両用燃料異常通報装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両は、従来より、その燃料タンク内に燃料残量レベルを検出するためのフューエルセンダゲージを備えており、これにより検出した燃料残量レベルをメータECUにより取得して、フューエルゲージに表示している。ドライバーは、表示された燃料残量レベルに基づいて、燃料補給時期を決定することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フューエルセンダゲージにより検出した燃料残量レベルは、イグニションスイッチがONにされている状態でのみメータECUにより取得され、また、取得された燃料残量レベル情報は車内のドライバーに提供されるのみであり、イグニションスイッチがOFFの間に燃料残量レベル情報が取得されたり、また取得された燃料残量レベル情報が燃料洩れや燃料盗難の検出に利用できるように外部に提供されることはなかった。
【0004】
本発明は、上記点に鑑みなされたものであり、停車中の車両において燃料残量情報を取得し、これに基づいて検出した燃料異常を外部に通報する燃料異常通報装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の車両用燃料異常通報装置は、車両の燃料タンク内の燃料残量を検出する燃料残量検出手段と、燃料残量検出手段により車両の停止中に検出した燃料残量に基づいて車両の停止状態継続中に燃料タンク内の燃料が減少したか否かを判定する燃料異常判定手段と、燃料異常判定手段により燃料が減少したと判定した場合に、所定の通報先に燃料異常情報を送信する通報手段とを備えている。このように、停車中の車両において燃料残量情報を取得し、これに基づいて燃料異常が検出された場合には外部に通報するようにすることにより、車内あるいは車両近くに車両管理者がいない場合でも、燃料洩れや燃料盗難などに起因する燃料異常の発生を車外において知ることができる。
【0006】
また、燃料異常判定手段は、請求項2記載のように、車両が停止中である第1時点で燃料残量検出手段により検出した燃料残量から、第1時点より後の車両が停止状態継続中にある第2時点で検出した燃料残量を減算して得られる燃料減少量が所定値を超えている場合に、燃料が減少したと判定するようにするとよい。この場合、燃料が減少したか否かを判定するための基準となる燃料残量を検出する第1時点としては、請求項3記載のように、車両の停止後、所定時間が経過した時点を選択するとよい。このようにして、車両が停止後、燃料タンク内の燃料の状態が安定した時点で基準となる燃料残量を検出し、これに比較して燃料残量が所定量減少した場合に燃料異常が発生したと判定するようにすると、燃料異常を正確に検出することができる。
【0007】
なお、通報手段が燃料異常情報を送信する所定の通報先としては、請求項4記載のように、集中監視センタまたは車両管理者の携帯電話を設定するとよい。集中監視センタを所定の通報先とした場合は、そこからセキュリティ会社などに燃料異常の発生を知らせれば、セキュリティ会社が燃料異常に対処することができる。また、所定の通報先として車両管理者の携帯電話を設定した場合は、車両管理者が自ら燃料異常に対処することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態に係る燃料異常通報システム1の構成を示すブロック図である。この燃料異常通報システム1は本発明の燃料異常通報装置が搭載される車両2と、燃料異常通装置により燃料異常情報が送信される集中監視センタ3からなる。本発明の燃料異常通報装置は車両2のメータECU4に組込まれる。メータECU4は、その内部に、図示しないCPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータを備えており、イグニションスイッチ21およびモニタスイッチ22の少なくとも1つがONであるときに、図示していない車載バッテリ20からの電力が供給されて作動するように構成されている。モニタスイッチ22は、本発明の燃料異常通報装置による燃料異常検出をON/OFFするために乗員により操作されるスイッチである。
【0009】
CPUは、車速センサ5からの車速信号S1、エンジン回転数を検出するためのイグニション信号S2、フューエルセンダゲージ6からの燃料タンク7内の燃料残量を示す燃料残量信号S3、水温センサ8からのエンジン冷却水温を示す水温信号S4を受け取る。このとき、フューエルセンダゲージ6からの燃料残量信号S3および水温センサ8からの水温信号S4は、A/D変換されてからCPUに取り込まれる。CPUは、ROMに記憶している制御プログラムを実行することにより、受け取ったセンサ信号S1〜S4から、車速情報、エンジン回転数情報、燃料残量情報、水温情報などを取得して、ドライバーに表示する。
【0010】
車速情報、エンジン回転数情報、燃料残量情報および水温情報は、それぞれスピードメータ9、タコメータ10、フューエルゲージ11、サーモゲージ12に表示され、さらに車速信号S1から取得した積算走行距離情報がトリップ/オドメータ13に表示される。メータECU4は車内LAN14に接続されており、車内LAN14は通信ECU15を介して通信端末16に接続されている。通信端末16は例えば携帯電話などである。
【0011】
図2はメータECU4により実行される処理の手順を示している。メータECU4は、イグニションスイッチ21とモニタスイッチ22のうちの少なくとも1つがONにされると作動を開始し、まず、ステップ100でデータ処理用メモリ(RAM)の記憶内容などの初期化を行う。ステップ110では、車内LAN14を介して、車内LAN14に接続されている他の様々なECUと必要なデータの送受信を行う。ステップ120ではセンサ5、6、8からの信号S1〜S4を読み込んで、データ処理用メモリに記憶する。ステップ125においてイグニションスイッチ21がONであるかどうか判定し、ONであることが検出された場合は、ステップ130で車速信号S1から車速を算出し、ステップ140でイグニション信号S2からエンジン回転数を算出する。続いて、ステップ150で水温信号S4からエンジン冷却水温を算出し、ステップ160では車速信号S1から積算走行距離を算出してステップ170に進む。
【0012】
一方、ステップ125においてイグニションスイッチ21がOFFであると判定された場合は、ステップ130〜170は迂回する。ステップ170では燃料残量監視処理を実行して、これにより燃料残量信号S3から燃料残量レベルを算出し、さらに燃料異常検出処理を実行する。つぎに、ステップ175においてイグニションスイッチ21がONであるかどうか判定し、ONであることが検出された場合は、ステップ180で表示制御処理を実行し、これにより、ステップ130、140、150、160、170での算出結果をメータ類9〜13に表示する。但し、各メータ9〜13は、ステップ130、140、150、160、170のこれまでの実行結果に基づいて表示更新条件が成立していると判定された場合のみ、表示が更新される。ステップ175においてイグニションスイッチ21がOFFであると判定された場合は、ステップ180を迂回し表示制御は行わない。ステップ180の実行後、ステップ110に戻り、ステップ110〜180の実行を繰り返す。
【0013】
本発明の燃料異常通報装置は、その制御プログラムの燃料異常検出処理に対応する部分が図2のステップ170で実行される燃料残量監視処理プログラムの一部として組み込まれ、燃料異常通報処理に対応する部分がステップ110で実行される車両内通信プログラムの一部として組み込まれ、これらが実行されることにより燃料異常検出・通報処理を実現する。
【0014】
図3はステップ170で実行される燃料残量監視処理の手順を示すフローチャートである。まずステップ200で、燃料残量信号S3から燃料残量レベルFLを算出して、記憶する。つぎに、ステップ205でモニタスイッチ22がONか否かを判定し、ONである場合はステップ210以下の燃料異常検出処理を実行し、OFFである場合はメインルーチンに戻る。
【0015】
ステップ210では、車両2が停止安定状態にあるかどうか判定する。ここで、停止安定状態とは、車両が停止してから、所定の時間(例えば10秒〜20秒)が経過して、その後停止状態が継続している状態をいう。本実施形態では、車両が停止してから、15秒を超えて停止状態が継続している車両を停止安定状態と判定する。そこで、この停止安定状態判定のために、図2のステップ100において車両停止状態を示すフラグFSTOPが走行状態を示す0に初期設定(FSTOP=0)され、車速が0であることが検出された時点で後述するステップ250においてフラグFSTOPに停止継続状態を示す1が設定(FSTOP=1)され、その後停止状態が継続して15秒が経過するとステップ280においてフラグFSTOPに停止安定状態を示す2が設定(FSTOP=2)される。従って、ステップ210でFSTOP=2かつ車速=0であるか否かに基づいて車両2が停止安定状態にあるか否か判定する。
【0016】
ステップ210で車両2が停止安定状態でないと判定した場合は、ステップ220で燃料残量に異常はない(正常である)と判断して、この判断結果を記憶し、ステップ230に進む。ステップ230では、FSTOP=1かつ車速=0であるか否かに基づいて、車両2が停止継続状態であるか否か判定する。車両2が停止継続状態でないと判定した場合は、さらにステップ240で車速が0であるか否か判定する。車速が0でない場合は、車両2が走行中であると判断して、フラグFSTOPに走行状態を示す0を設定し、メインルーチンに戻る。車速が0である場合は、車両2が停止状態になったと判断して、ステップ250でフラグFSTOPに停止継続状態を示す1を設定し、さらに停止継続時間DURの計測を開始(リセット)して、メインルーチンに戻る。
【0017】
ステップ230において、車両2が停止継続状態にあると判定した場合は、ステップ270で停止継続時間DURが所定の閾値DURth(15秒)を超えているか否か判定する。YESと判定した場合は、ステップ280でフラグFSTOPに停止安定状態を示す2を設定し、さらにステップ200で算出した現在の燃料残量レベルFLを停止状態における燃料残量レベル初期値FLiとして設定(FLi=FL)して、メインルーチンに戻る。ステップ270で停止継続時間DURが所定の閾値DURth(15秒)を超えていないと判定した場合は、ステップ280を迂回し、メインルーチンに戻る。
【0018】
一方、ステップ210で車両が停止安定状態にあると判定した場合は、ステップ285で、停止状態での燃料残量レベル初期値FLiから現在の燃料残量レベルFLを減算して得られる差異(FLi−FL)、つまり停止状態継続中に燃料が減少した量が、所定の閾値FDRPthを超えているか否か判定する。ここで、閾値FDRPthは、例えば15l〜20lであり、本実施形態では15lとする。ステップ285においてYESと判定した場合は、ステップ290で燃料の減少状態が異常であると判断して、これを記憶し、メインルーチンに戻る。ステップ285においてNOと判定した場合は、ステップ295において燃料の減少状態が正常であると判断してこれを記憶し、メインルーチンに戻る。
【0019】
ステップ290において燃料の減少状態が異常であると記憶された場合は、その後のステップ110での車両内通信において、車内LAN14を介して通信ECU15に燃料異常信号S5を送信する。これを受けて、通信ECU15では、車両ナンバーなどを含む燃料異常情報S6を生成し、これを通信端末16により無線で集中監視センタ3に送信する。集中監視センタ3は燃料異常情報を受信すると、例えば、セキュリティ会社17に連絡する。車両管理者(所有者)には、集中監視センタ3あるいはセキュリティ会社17から、例えば車両管理者の携帯電話18に電子メールを送信するなどして、燃料異常を通報する。
【0020】
このようにして、本発明の燃料異常通報装置は、車両の停止中に燃料タンク7内の燃料残量を、従来から燃料タンク7内に備えられているフューエルセンダゲージ6により検出した燃料残量レベルに基づいて監視して、燃料減少量が所定量を超えた場合には、燃料洩れや燃料盗難に起因する燃料異常が発生したと判断して、集中管理センタ3に燃料異常を通報する。これにより、車両管理者が車内や車両近くにいない場合に発生した燃料異常を、車両外部において車両管理者やセキュリティ会社17などが知ることができる。
【0021】
本実施形態におけるフューエルセンダゲージ6は本発明の燃料残量検出手段に対応しており、通信ECU15および通信端末16は本発明の通報手段に対応している。また、本実施形態におけるステップ200は本発明の燃料残量検出手段に対応しており、ステップ285および290は燃料異常判定手段に対応しており、ステップ110は通報手段に対応している。
【0022】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、次のように種々の変形が可能である。
【0023】
上記実施形態では、燃料異常が発生したと判断した場合に、そのことを集中監視センタ3に通報するのみであったが、車内に燃料洩れをドライバーに知らせるためのインディケータなどを設けて、これを点滅させるなどして、車内でも燃料異常情報を表示するようにしてもよい。この場合、図2中のステップ175を削除し、イグニションスイッチ21がONの場合だけでなくOFFの場合でも図2のステップ180における表示制御処理を実行し、この表示制御処理において、イグニションスイッチがONの場合はメータ類9〜13の表示処理および燃料異常情報の表示処理を行い、イグニションスイッチがOFFの場合は燃料異常情報の表示処理のみを行う。このように燃料異常情報を車内にも表示するようにすると、車内に乗員がいる場合に発生した燃料洩れを、乗員は逸早く知ることができる。
【0024】
上記実施形態では、燃料異常が発生した場合に集中管理センタ3に通報したが、車両管理者の携帯電話18に直接通報するようにしてもよい。このように、燃料異常の通報先を車両管理者の携帯電話18とすると、集中監視センタ3などの施設を調えることなく、燃料異常通報システムを実施することが可能である。
【0025】
上記実施形態では、図3のステップ285で用いる燃料減少量の閾値FDRPthおよびステップ270で用いる車両停止安定状態に達するまでにかかる時間DURthとして、それぞれ予め設定されている一定値を用いたが、これらの値を、図示していない操作スイッチを用いてそれぞれ手動設定可能にしてもよい。
【0026】
上記実施形態では本発明の燃料異常通報装置はメータECU4内に組み込まれたが、車両2に後付けで搭載されるような独立ユニットとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料異常通報システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すメータECUにより実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】図3のステップ150で実行される燃料残量監視処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 燃料異常通報システム
2 車両
3 集中監視センタ
4 メータECU (燃料残量検出手段、燃料異常判定手段、通報手段)
6 フューエルセンダゲージ(燃料残量検出手段)
7 燃料タンク
11 フューエルゲージ
14 車内LAN
15 通信ECU (通報手段)
16 通信端末 (通報手段)
18 車両管理者の携帯電話
S3 燃料残量信号
S5 燃料異常信号
S6 燃料異常情報

Claims (4)

  1. 車両の燃料タンク内の燃料残量を検出する燃料残量検出手段と、
    前記燃料残量検出手段により前記車両の停止中に検出した燃料残量に基づいて前記車両の停止状態継続中に前記燃料タンク内の燃料が減少したか否かを判定する燃料異常判定手段と、
    この燃料異常判定手段により燃料が減少したと判定した場合に、所定の通報先に燃料異常情報を送信する通報手段とを備えたことを特徴とする車両用燃料異常通報装置。
  2. 前記燃料異常判定手段は、前記燃料残量検出手段により前記車両が停止中である第1時点で検出した燃料残量から、前記車両が前記第1時点から停止継続状態にある第2時点で検出した燃料残量を減算して得られる燃料減少量が所定値を超えている場合に、燃料が減少したと判定することを特徴とする請求項1記載の車両用燃料異常通報装置。
  3. 前記燃料残量検出手段により燃料残量を検出する前記第1時点は、前記車両が停止後、所定時間が経過した時点であることを特徴とする請求項2記載の車両用燃料異常通報装置。
  4. 前記通報手段が燃料異常情報を送信する前記所定の通報先は、集中監視センタまたは車両管理者の携帯電話であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用燃料異常通報装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005306461A (ja) * 2004-04-26 2005-11-04 Nec Infrontia Corp 給油所用posシステム及び給油システム
JP2007239510A (ja) * 2006-03-06 2007-09-20 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

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