JP2004092469A - Rotary compressor - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密閉容器内に電動要素と、回転圧縮要素とを備えたロータリコンプレッサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種ロータリコンプレッサ、例えば内部中間圧型の多段圧縮式ロータリコンプレッサでは、第1の回転圧縮要素の吸入ポートから冷媒ガスがシリンダの低圧室側に吸入され、ローラとベーンの動作により圧縮されて中間圧となり、シリンダの高圧室側の吐出ポート、吐出消音室を経て密閉容器内に吐出される。そして、密閉容器内の中間圧の冷媒ガスは第2の回転圧縮要素の吸入ポートからシリンダの低圧室側に吸入され、ローラとベーンの動作により2段目の圧縮が行われて高温高圧の冷媒ガスとなり、高圧室側の吐出ポート、吐出消音室を経て外部の放熱器などに流入する構成とされている(特許第2507047号公報参照)。また、ロータリコンプレッサの密閉容器内の底部はオイル溜めとされ、回転軸の下端に取り付けられたオイルポンプ(給油手段)によりオイル溜めからオイルが吸い上げられ、回転軸や回転圧縮要素内の摺動部に供給されて潤滑とシールを行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなロータリコンプレッサでは、第2の回転圧縮要素で圧縮された冷媒ガスはそのまま外部に吐出されることになるが、この冷媒ガス中には、第2の回転圧縮要素内の摺動部に供給された前記オイルが混入しており、冷媒ガスと共にこのオイルも外部に吐出されてしまうことになる。そのため、密閉容器内のオイル溜めのオイルが不足してしまい、摺動部の潤滑性能が悪化すると共に、冷凍サイクルの冷媒回路中に当該オイルが多量に流出して冷凍サイクルの性能を悪化させると云う問題も生じていた。また、これを防止するために第2の回転圧縮要素へのオイル供給量を減らしてしまうと、今度は第2の回転圧縮要素の摺動部の循環性に問題が生じる。
【0004】
本発明は、係る技術的課題を解決するために成されたものであり、回転圧縮要素に供給するオイル量を減らさずに、冷凍サイクルへのオイル流出を極力低減することができるロータリコンプレッサを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明では、ロータリコンプレッサにおいて、回転圧縮要素内に、当該回転圧縮要素から冷媒と共に吐出されたオイルを分離して貯溜するためのオイル溜めを形成すると共に、このオイル溜めを、絞り機能を有するリターン通路を介して密閉容器内に連通させたので、回転圧縮要素からロータリコンプレッサ外部に吐出されるオイル量を低減することができるようになる。
【0006】
請求項2の発明では、所謂内部中間圧型の多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、回転圧縮機構部内に、第2の回転圧縮要素から冷媒と共に吐出されたオイルを分離して貯溜するためのオイル溜めを形成すると共に、このオイル溜めを、絞り機能を有するリターン通路を介して密閉容器内に連通させたので、第2の回転圧縮要素からロータリコンプレッサ外部に吐出されるオイル量を低減することができるようになる。
【0007】
請求項3の発明では請求項2の発明に加えて、第2の回転圧縮要素を構成する第2のシリンダと、中間仕切板を介して第2のシリンダ下方に配置され、第1の回転圧縮要素を構成する第1のシリンダと、第1のシリンダの下面を閉塞する第1の支持部材と、第2のシリンダの上面を閉塞する第2の支持部材と、第1の回転圧縮要素の吸込通路とを備え、オイル溜めを、吸込通路以外の部分の第1のシリンダ内に形成したので、スペース効率を向上させることができるようになる。
【0008】
請求項4の発明では請求項3の発明に加えて、第2のシリンダ、中間仕切板及び第1のシリンダを上下に貫通する貫通孔によりオイル溜めを構成したので、オイル溜めを構成するための加工作業性を著しく改善することができるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づき本発明の実施の形態を詳述する。図1は本発明のロータリコンプレッサの実施例として、第1及び第2の回転圧縮要素32、34を備えた内部中間圧型多段(2段)圧縮式ロータリコンプレッサ10の縦断面図を示している。
【0010】
図1において、実施例のロータリコンプレッサ10は内部中間圧型多段圧縮式ロータリコンプレッサで、このロータリコンプレッサ10は、鋼板からなる円筒状の密閉容器12A、及びこの密閉容器12Aの上部開口を閉塞する略椀状のエンドキャップ(蓋体)12Bとで形成されるケースとしての密閉容器12と、この密閉容器12の容器本体12Aの内部空間の上側に配置収納された電動要素14と、この電動要素14の下側に配置され、電動要素14の回転軸16により駆動される第1の回転圧縮要素32及び第2の回転圧縮要素34からなる回転圧縮機構部18とにより構成されている。
【0011】
尚、密閉容器12は底部をオイル溜め12Cとする。また、前記容器本体12Aの側面には電動要素14に電力を供給するためのターミナル(配線を省略)20が取り付けられている。
【0012】
電動要素14は、密閉容器12の上部空間の内面に沿って環状に取り付けられたステータ22と、このステータ22の内側に若干の隙間を設けて挿入設置されたロータ24とからなる。そして、このロータ24には鉛直方向に延びる回転軸16が固定されている。
【0013】
ステータ22は、ドーナッツ状の電磁鋼板を積層した積層体26と、分布巻き方式により巻装されたステータコイル28を有している。また、ロータ24もステータ22と同様に電磁鋼板の積層体30で形成されている。
【0014】
前記第1の回転圧縮要素32と第2の回転圧縮要素34との間には中間仕切板36が狭持されている。即ち、第1の回転圧縮要素32と第2の回転圧縮要素34は、中間仕切板36と、この中間仕切板36の上下に配置された上シリンダ(第2のシリンダ)38、下シリンダ(第1のシリンダ)40と、上下シリンダ38、40内を180度の位相差を有して回転するように回転軸16に設けられた偏心部42、44に嵌合されて偏心回転する上下ローラ46、48と、この上下ローラ46、48に当接して上下シリンダ38、40内をそれぞれ低圧室側と高圧室側に区画する図示しないベーンと、上シリンダ38の上側の開口面及び下シリンダ40の下側の開口面を閉塞して回転軸16の軸受けを兼用する支持部材としての上部支持部材(第2の支持部材)54及び下部支持部材(第1の支持部材)56にて構成される。
【0015】
上下シリンダ38、40には、図示しない吸込ポートにて上下シリンダ38、40の内部とそれぞれ連通する吸込通路58、60が設けられている。また、上部支持部材54には、上シリンダ38内で圧縮された冷媒を図示しない吐出ポートから上部支持部材54の凹陥部を壁としてのカバーによって閉塞することにより形成された吐出消音室62が設けられている。即ち、吐出消音室62は当該吐出消音室62を画成する壁としての上部カバー66にて閉塞される。
【0016】
一方、下シリンダ40内で圧縮された冷媒ガスは図示しない吐出ポートから下部支持部材56の電動要素14とは反対側(密閉容器12の底部側)に形成された吐出消音室64に吐出される。この吐出消音室64は、下部支持部材56の電動要素14とは反対側を覆うカップ65にて構成されている。このカップ65は、中心に回転軸16及び回転軸16の軸受けを兼用する下部支持部材56の後述する軸受け56Aが貫通するための孔を有する。
【0017】
この場合、上部支持部材54の中央には軸受け54Aが起立形成されている。又、下部支持部材56の中央には前述する軸受け56Aが貫通形成されており、回転軸16は上部支持部材54の軸受け54Aと下部支持部材56の軸受け56Aにて保持されいる。
【0018】
そして、第1の回転圧縮要素32の吐出消音室64と密閉容器12内とは連通路にて連通されており、この連通路は下部支持部材56、上部支持部材54、上部カバー66、上下シリンダ38、40、中間仕切板36を貫通する図示しない孔である。この場合、連通路の上端には中間吐出管121が立設されており、この中間吐出管121から密閉容器12内に中間圧の冷媒が吐出される。
【0019】
また、上部カバー66は第2の回転圧縮要素34の上シリンダ38内部と図示しない吐出ポートにて連通する吐出消音室62を画成し、この上部カバー66の上側には、上部カバー66と所定間隔を存して、電動要素14が設けられている。この上部カバー66は前記上部支持部材54の軸受け54Aが貫通する孔が形成された略ドーナッツ状の円形鋼板から構成されている。
【0020】
尚、密閉容器12内に封入される潤滑油としてのオイルとしては、例えば鉱物油(ミネラルオイル)、アルキルベンゼン油、エーテル油、エステル油、PAG(ポリアルキルグリコール)等既存のオイルが使用される。
【0021】
また、密閉容器12の容器本体12Aの側面には、上下シリンダ38、40の吸込通路58、60、上シリンダ38の吸込通路58とは反対側、ロータ24の下側(電動要素14の直下)に対応する位置に、スリーブ141、142、143及び144がそれぞれ溶接固定されている。スリーブ141と142は上下に隣接すると共に、スリーブ143はスリーブ141の略対角線上にある。また、スリーブ144はスリーブ141の上方に位置する。
【0022】
そして、スリーブ141内には上シリンダ38に冷媒ガスを導入するための冷媒導入管92の一端が挿入接続され、この冷媒導入管92の一端は上シリンダ38の吸込通路58と連通する。この冷媒導入管92は密閉容器12の外側を通過してスリーブ144に至り、他端はスリーブ144内に挿入接続されて密閉容器12内に連通する。
【0023】
また、スリーブ142内には下シリンダ40に冷媒ガスを導入するための冷媒導入管94の一端が挿入接続され、この冷媒導入管94の一端は下シリンダ40の吸込通路60と連通する。また、スリーブ143内には冷媒吐出管96が挿入接続され、この冷媒導入管96の一端は後述する吐出通路80と連通する。
【0024】
前述した吐出通路80は吐出消音室62と冷媒吐出管96とを連通する通路である。この吐出通路80は後述するオイル溜め100の途中から分岐するかたちで上シリンダ38内に水平方向に形成され、この吐出通路80には前記冷媒吐出管96の一端が挿入接続される。
【0025】
そして、第2の回転圧縮要素34で圧縮されて吐出消音室62内に吐出された冷媒はこの吐出通路80を通って、冷媒吐出管96からロータリコンプレッサ10の外部に吐出される。
【0026】
また、前記オイル溜め100は第2の回転圧縮要素34の吸込通路60と反対側に位置する部分(吸込通路60以外の部分)の下シリンダ40内に形成されている。当該オイル溜め100は、上シリンダ38、中間仕切板36及び下シリンダ40を上下に貫通する孔により構成されている。このオイル溜め100の上端は吐出消音室62に連通し、下端は下部支持部材56により閉塞されている。そして、前記吐出通路80は係るオイル溜め100の上端より少許下がった位置に連通する。
【0027】
また、このオイル溜め100の下端より少許上の位置にはリターン通路110が分岐するかたちで設けられている。このリターン通路110はオイル溜め100から外側(密閉容器12側)に向かって下シリンダ40内に水平方向に形成された孔であり、このリターン通路110内には絞り機能を奏する細孔が形成された絞り部材102が設けられている。これにより、リターン通路110は絞り部材102の細孔を介してオイル溜め100内と密閉容器12内と連通している。そして、オイル溜め100の下部に溜まったオイルは、リターン通路110内の絞り部材102の細孔を通過し、その過程で減圧されて密閉容器12内に流出する。この流出したオイルは密閉容器12内底部のオイル溜め12Cに戻る。
【0028】
このようなオイル溜め100を回転圧縮機構部18内に形成したことにより、第2の回転圧縮要素34で圧縮され、吐出された冷媒ガスとオイルは、吐出消音室62から出た後、オイル溜め100内を流下し、冷媒ガスは吐出通路80に向かい、オイルはそのままオイル溜め100下部に流下することになる。これにより、第2の回転圧縮要素34から冷媒ガスと共に吐出されたオイルは円滑に分離されてオイル溜め100下部に溜まることになるので、ロータリコンプレッサ10の外部に吐出されるオイル量を低減することができるようになり冷凍サイクルの冷媒回路中に当該オイルが多量に流出して冷凍サイクルの性能を悪化させるという不都合を極力防ぐことができるようになる。
【0029】
また、このオイル溜め100に貯留したオイルは絞り部材102を有するリターン通路110にて密閉容器12内底部に形成されたオイル溜め12Cに戻すようにしているので、密閉容器12内のオイルが不足する不都合も回避することができるようになる。
【0030】
総じて、冷媒サイクルの冷媒回路中へのオイル吐出を極力低減することができるようになると共に、密閉容器12内のオイルを円滑に供給することができるようになり、ロータリコンプレッサ10の性能及び信頼性の向上を図ることができるようになる。
【0031】
更に、オイル溜め100を中間仕切板36及び下シリンダ40を上下に貫通する貫通孔にて形成しているので、簡単な構造で、ロータリコンプレッサ10外部へのオイルの流出を極力低減することができるようになる。
【0032】
更にまた、オイル溜め100を下シリンダ40の吸込通路60と反対側に位置する下シリンダ40内に形成したので、スペース効率も向上させることができるようになる。
【0033】
以上の構成で次に動作を説明する。ターミナル20及び図示されない配線を介して電動要素14のステータコイル28に通電されると、電動要素14が起動してロータ24が回転する。この回転により回転軸16と一体に設けられた上下偏心部42、44に嵌合されて上下ローラ46、48が上下シリンダ38、40内を偏心回転する。
【0034】
これにより、冷媒導入管94及び下シリンダ40に形成された吸込通路60を経由して図示しない吸込ポートから下シリンダ40の低圧室側に吸入された低圧の冷媒は、ローラ48と図示しないベーンの動作により圧縮されて中間圧となり下シリンダ40の高圧室側より図示しない吐出ポート、吐出消音室64、図示しない連通路を経て中間吐出管121から密閉容器12内に吐出される。これによって、密閉容器12内は中間圧となる。
【0035】
そして、密閉容器12内の中間圧の冷媒ガスは、スリーブ144から出て冷媒導入管92及び上シリンダ38に形成した吸込通路58を経由して図示しない吸込ポートから上シリンダ38の低圧室側に吸入される。吸入された中間圧の冷媒ガスは、ローラ46と図示しないベーンの動作により2段目の圧縮が行われて高温高圧の冷媒ガスとなり、高圧室側から図示しない吐出ポートを通り上部支持部材54に形成された吐出消音室62に吐出される。
【0036】
ここで、第2の回転圧縮要素34で圧縮される冷媒ガス中には第2の回転圧縮要素34に供給されるオイルも混入しており、このオイルも吐出消音室62内に吐出される。そして、吐出消音室62に吐出された冷媒ガスと当該冷媒ガス中に混入したオイルはオイル溜め100に至る。このオイル溜め100に入った後、冷媒ガスは吐出通路80に向かい、オイルは分離して前述の如くオイル溜め100の下部に溜まる。オイル溜め100に溜まったオイルは前述するリターン通路110を経て、絞り部材102内に流入する。この絞り部材102に流入したオイルは、ここで減圧されて、密閉容器12内に流出する。この流出したオイルは密閉容器12の容器本体12Aの壁面や下シリンダ40及び下部支持部材56等の密閉容器12内底部のオイル溜め12Cに戻る。一方、冷媒ガスは吐出通路80から冷媒吐出管96を経てロータリコンプレッサ10の外部に吐出される。
【0037】
このように、回転圧縮機構部18内に、第2の回転圧縮要素34から冷媒ガスと共に吐出されたオイルを分離して貯溜するためのオイル溜め100を形成すると共に、このオイル溜め100を、絞り部材102を有するリターン通路110を介して密閉容器12内に連通させたので、第2の回転圧縮要素34で圧縮された冷媒ガスと共に、ロータリコンプレッサ10の外部に吐出されるオイル量を低減することができるようになる。
【0038】
これにより、冷凍サイクルの冷媒回路中に当該オイルが多量に流出して冷凍サイクルの性能を悪化させるという不都合を極力防ぐことができるようになる。
【0039】
また、オイル溜め100を吸込通路60と反対側に位置する部分の下シリンダ40内に形成したので、スペース効率を向上させることができるようになる。
【0040】
更に、オイル溜め100を中間仕切板36及び上下シリンダ38、40を上下に貫通する貫通孔としたので、簡単な構造で、コンプレッサ外部へのオイルの流出を極力低減することができるようになる。
【0041】
尚、本実施例では第2の回転圧縮要素34の吐出通路80を上シリンダ38内に形成すると共に、この吐出通路80、冷媒吐出管96を経て外部に吐出する構成としたが、これに限らず、第2の回転圧縮要素34の吐出通路80を上部支持部材54内に形成した場合にも本発明は有効である。
【0042】
この場合には、オイル溜め100の上端を吐出消音室62内か、或いは、当該吐出消音室62から出た後の吐出通路80の途中に連通させるとよい。
【0043】
また、本実施例では、リターン通路110を下シリンダ40に設ける構造としたが、これに限らず、下部支持部材56などに形成しても構わない。
【0044】
更に、ロータリコンプレッサを第1及び第2の回転圧縮要素を備えた2段圧縮式ロータリコンプレッサで説明したが、これに限らず、内部低圧型の単段圧縮式ロータリコンプレッサや回転圧縮要素を3段、4段或いはそれ以上の回転圧縮要素を備えた多段圧縮式ロータリコンプレッサに適応しても差し支えない。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、回転圧縮要素内に、当該回転圧縮要素から冷媒と共に吐出されたオイルを分離して貯溜するためのオイル溜めを形成すると共に、このオイル溜めを、絞り機能を有するリターン通路を介して密閉容器内に連通させたので、回転圧縮要素からロータリコンプレッサ外部に吐出されるオイル量を低減することができるようになる。
【0046】
これにより、冷凍サイクルの冷媒回路中に当該オイルが多量に流出して冷凍サイクルの性能を悪化させるという不都合を極力防ぐことができるようになる。
【0047】
また、このオイル溜めに貯留したオイルを絞り機能を有するリターン通路にて密閉容器内に戻すようにしたので、密閉容器内のオイルが不足する不都合も回避することができるようになる。
【0048】
総じて、冷媒サイクルの冷媒回路中へのオイル吐出を極力低減することができるようになると共に、密閉容器内のオイルを円滑に供給することができるようになり、ロータリコンプレッサの性能及び信頼性の向上を図ることができるようになる。
【0049】
請求項2の発明では、所謂内部中間圧型の多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、回転圧縮機構部内に、第2の回転圧縮要素から冷媒と共に吐出されたオイルを分離して貯溜するためのオイル溜めを形成すると共に、このオイル溜めを、絞り機能を有するリターン通路を介して密閉容器内に連通させたので、ロータリコンプレッサ外部に吐出されるオイル量を低減することができるようになる。
【0050】
これにより、冷凍サイクルの冷媒回路中に当該オイルが多量に流出して冷凍サイクルの性能を悪化させるという不都合を極力防ぐことができるようになる。
【0051】
また、このオイル溜めに貯留したオイルを絞り機能を有するリターン通路にて密閉容器内に戻すようにしたので、密閉容器内のオイルが不足する不都合も回避することができるようになる。
【0052】
総じて、冷媒サイクルの冷媒回路中へのオイル吐出を極力低減することができるようになると共に、密閉容器内のオイルを円滑に供給することができるようになり、ロータリコンプレッサの性能及び信頼性の向上を図ることができるようになる。
【0053】
請求項3の発明では請求項2の発明に加えて、第2の回転圧縮要素を構成する第2のシリンダと、中間仕切板を介して第2のシリンダ下方に配置され、第1の回転圧縮要素を構成する第1のシリンダと、第1のシリンダの下面を閉塞する第1の支持部材と、第2のシリンダの上面を閉塞する第2の支持部材と、第1の回転圧縮要素の吸込通路とを備え、オイル溜めを、吸込通路以外の部分の第1のシリンダ内に形成したので、スペース効率を向上させることができるようになる。
【0054】
請求項4の発明では請求項3の発明に加えて、第2のシリンダ、中間仕切板及び第1のシリンダを上下に貫通する貫通孔によりオイル溜めを構成したので、オイル溜めの加工作業性も改善することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施例の内部中間圧型の多段圧縮式ロータリコンプレッサの縦断面図である。
【符号の説明】
10 ロータリコンプレッサ
12 密閉容器
14 電動要素
16 回転軸
18 回転圧縮機構部
22 ステータ
24 ロータ
26 積層体
28 ステータコイル
30 積層体
32 第1の回転圧縮要素
34 第2の回転圧縮要素
38、40 シリンダ
54 上部支持部材
56 下部支持部材
62、64 吐出消音室
65 カップ
66 上部カバー
80 吐出通路
100 オイル溜め
102 絞り部材
110 リターン通路[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a rotary compressor including an electric element and a rotary compression element in a closed container.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in a rotary compressor of this type, for example, a multi-stage compression type rotary compressor of an internal intermediate pressure type, refrigerant gas is sucked into a low pressure chamber side of a cylinder from a suction port of a first rotary compression element, and is compressed by the operation of a roller and a vane to be compressed. The pressure becomes a pressure, and is discharged into the closed vessel through the discharge port on the high pressure chamber side of the cylinder and the discharge muffling chamber. The intermediate-pressure refrigerant gas in the closed container is drawn into the low-pressure chamber side of the cylinder from the suction port of the second rotary compression element, and the second-stage compression is performed by the operation of the rollers and the vanes, so that the high-temperature and high-pressure refrigerant gas is discharged. It is configured to become gas and flow into an external radiator or the like via a discharge port on the high pressure chamber side and a discharge muffling chamber (see Japanese Patent No. 2507074). The bottom of the rotary compressor in the closed vessel is an oil reservoir, and oil is sucked up from the oil reservoir by an oil pump (oil supply means) attached to a lower end of the rotary shaft, and a sliding portion in the rotary shaft and the rotary compression element is provided. Was supplied to perform lubrication and sealing.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In such a rotary compressor, the refrigerant gas compressed by the second rotary compression element is discharged to the outside as it is, but in this refrigerant gas, a sliding portion in the second rotary compression element is provided. The supplied oil is mixed, and this oil is discharged to the outside together with the refrigerant gas. Therefore, when the oil in the oil reservoir in the closed container runs short, the lubrication performance of the sliding portion deteriorates, and a large amount of the oil flows out into the refrigerant circuit of the refrigeration cycle to deteriorate the performance of the refrigeration cycle. The problem described above also occurred. Further, if the amount of oil supplied to the second rotary compression element is reduced to prevent this, a problem arises in the circulation of the sliding portion of the second rotary compression element.
[0004]
The present invention has been made in order to solve such technical problems, and provides a rotary compressor capable of reducing oil outflow to a refrigeration cycle as much as possible without reducing the amount of oil supplied to a rotary compression element. The purpose is to do.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
That is, in the present invention, in the rotary compressor, an oil reservoir for separating and storing oil discharged together with the refrigerant from the rotary compression element is formed in the rotary compression element, and the oil reservoir is provided with a throttle function. Since it is connected to the inside of the closed vessel via the return passage having the same, the amount of oil discharged from the rotary compression element to the outside of the rotary compressor can be reduced.
[0006]
According to the invention of claim 2, in a so-called internal intermediate pressure type multistage compression type rotary compressor, an oil reservoir for separating and storing oil discharged together with the refrigerant from the second rotary compression element is formed in the rotary compression mechanism. At the same time, since the oil reservoir is communicated with the inside of the closed container via a return passage having a throttle function, the amount of oil discharged from the second rotary compression element to the outside of the rotary compressor can be reduced. Become.
[0007]
According to a third aspect of the present invention, in addition to the second aspect, the second rotary compression element is disposed below the second cylinder via an intermediate partition plate, and the first rotary compression element is disposed below the second cylinder. A first cylinder constituting an element, a first support member for closing a lower surface of the first cylinder, a second support member for closing an upper surface of a second cylinder, and suction of the first rotary compression element Since the oil reservoir is provided in the first cylinder at a portion other than the suction passage, the space efficiency can be improved.
[0008]
According to the fourth aspect of the present invention, in addition to the third aspect of the present invention, the oil reservoir is constituted by the through-hole vertically penetrating the second cylinder, the intermediate partition plate and the first cylinder. Processing workability can be remarkably improved.
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Next, an embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. FIG. 1 is a longitudinal sectional view of an internal intermediate pressure type multi-stage (two-stage) compression type
[0010]
In FIG. 1, a
[0011]
The closed
[0012]
The
[0013]
The
[0014]
An intermediate partition plate 36 is sandwiched between the first rotary compression element 32 and the second
[0015]
The upper and
[0016]
On the other hand, the refrigerant gas compressed in the lower cylinder 40 is discharged from a discharge port (not shown) to a
[0017]
In this case, a
[0018]
The
[0019]
The
[0020]
In addition, as the oil as the lubricating oil enclosed in the
[0021]
Further, on the side surface of the
[0022]
One end of a
[0023]
One end of a refrigerant introduction pipe 94 for introducing refrigerant gas into the lower cylinder 40 is inserted and connected into the sleeve 142, and one end of the refrigerant introduction pipe 94 communicates with the
[0024]
The above-described
[0025]
The refrigerant compressed by the second
[0026]
The
[0027]
At a position slightly above the lower end of the
[0028]
By forming such an
[0029]
Further, the oil stored in the
[0030]
In general, the oil discharge into the refrigerant circuit of the refrigerant cycle can be reduced as much as possible, and the oil in the sealed
[0031]
Further, since the
[0032]
Furthermore, since the
[0033]
Next, the operation of the above configuration will be described. When the
[0034]
As a result, the low-pressure refrigerant sucked into the low-pressure chamber side of the lower cylinder 40 from the suction port (not shown) via the refrigerant introduction pipe 94 and the
[0035]
The intermediate-pressure refrigerant gas in the sealed
[0036]
Here, the oil supplied to the second
[0037]
As described above, the
[0038]
As a result, it is possible to prevent as much as possible the disadvantage that a large amount of the oil flows out into the refrigerant circuit of the refrigeration cycle and deteriorates the performance of the refrigeration cycle.
[0039]
Further, since the
[0040]
Furthermore, since the
[0041]
In this embodiment, the
[0042]
In this case, the upper end of the
[0043]
In this embodiment, the
[0044]
Furthermore, although the rotary compressor has been described as a two-stage compression type rotary compressor having first and second rotary compression elements, the present invention is not limited to this, and an internal low-pressure single-stage compression type rotary compressor or a three-stage rotary compression element may be used. It may be applied to a multi-stage compression type rotary compressor having four or more rotary compression elements.
[0045]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the present invention, an oil reservoir for separating and storing oil discharged together with refrigerant from the rotary compression element is formed in the rotary compression element, and the oil reservoir is provided with a throttle function. Is connected to the inside of the closed vessel via the return passage having the above structure, so that the amount of oil discharged from the rotary compression element to the outside of the rotary compressor can be reduced.
[0046]
As a result, it is possible to prevent as much as possible the disadvantage that a large amount of the oil flows out into the refrigerant circuit of the refrigeration cycle and deteriorates the performance of the refrigeration cycle.
[0047]
In addition, since the oil stored in the oil reservoir is returned to the inside of the sealed container through the return passage having a throttle function, it is possible to avoid a problem that the oil in the sealed container runs short.
[0048]
In general, the oil discharge into the refrigerant circuit of the refrigerant cycle can be reduced as much as possible, and the oil in the closed container can be supplied smoothly, thereby improving the performance and reliability of the rotary compressor. Can be achieved.
[0049]
According to the invention of claim 2, in a so-called internal intermediate pressure type multistage compression type rotary compressor, an oil reservoir for separating and storing oil discharged together with the refrigerant from the second rotary compression element is formed in the rotary compression mechanism. In addition, since the oil reservoir is communicated with the inside of the closed vessel via a return passage having a throttle function, the amount of oil discharged to the outside of the rotary compressor can be reduced.
[0050]
As a result, it is possible to prevent as much as possible the disadvantage that a large amount of the oil flows out into the refrigerant circuit of the refrigeration cycle and deteriorates the performance of the refrigeration cycle.
[0051]
Further, since the oil stored in the oil reservoir is returned to the inside of the sealed container through the return passage having the throttle function, it is possible to avoid the problem of insufficient oil in the sealed container.
[0052]
In general, the oil discharge into the refrigerant circuit of the refrigerant cycle can be reduced as much as possible, and the oil in the closed container can be supplied smoothly, thereby improving the performance and reliability of the rotary compressor. Can be achieved.
[0053]
According to a third aspect of the present invention, in addition to the second aspect, the second rotary compression element is disposed below the second cylinder via an intermediate partition plate, and the first rotary compression element is disposed below the second cylinder. A first cylinder constituting an element, a first support member for closing a lower surface of the first cylinder, a second support member for closing an upper surface of a second cylinder, and suction of the first rotary compression element Since the oil reservoir is provided in the first cylinder at a portion other than the suction passage, the space efficiency can be improved.
[0054]
In the invention of claim 4, in addition to the invention of claim 3, the oil reservoir is constituted by the through-hole vertically penetrating the second cylinder, the intermediate partition plate and the first cylinder. Be able to improve.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of an internal intermediate pressure type multistage compression type rotary compressor according to an embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (4)
前記回転圧縮要素内に、当該回転圧縮要素から冷媒と共に吐出されたオイルを分離して貯溜するためのオイル溜めを形成すると共に、該オイル溜めを、絞り機能を有するリターン通路を介して前記密閉容器内に連通させたことを特徴とするロータリコンプレッサ。A rotary compressor including an electric element and a rotary compression element driven by the electric element in a closed container, and discharging a refrigerant compressed by the rotary compression element to the outside,
In the rotary compression element, an oil reservoir for separating and storing oil discharged together with the refrigerant from the rotary compression element is formed, and the oil reservoir is connected to the closed container via a return passage having a throttle function. A rotary compressor characterized by communicating with the inside.
前記回転圧縮機構部内に、前記第2の回転圧縮要素から冷媒と共に吐出されたオイルを分離して貯溜するためのオイル溜めを形成すると共に、該オイル溜めを、絞り機能を有するリターン通路を介して前記密閉容器内に連通させたことを特徴とするロータリコンプレッサ。An electric element and a rotary compression mechanism driven by the electric element are provided in the closed container, and the rotary compression mechanism is composed of first and second rotary compression elements. A rotary compressor that discharges the compressed refrigerant into the closed container and compresses the discharged intermediate-pressure refrigerant with the second rotary compression element and discharges the refrigerant to the outside.
In the rotary compression mechanism, an oil reservoir for separating and storing oil discharged together with the refrigerant from the second rotary compression element is formed, and the oil reservoir is formed via a return passage having a throttle function. A rotary compressor, wherein the rotary compressor is communicated within the closed container.
中間仕切板を介して前記第2のシリンダ下方に配置され、前記第1の回転圧縮要素を構成する第1のシリンダと、
前記第1のシリンダの下面を閉塞する第1の支持部材と、
前記第2のシリンダの上面を閉塞する第2の支持部材と、
前記第1の回転圧縮要素の吸込通路とを備え、
前記オイル溜めを、前記吸込通路以外の部分の前記第1のシリンダ内に形成したことを特徴とする請求項2のロータリコンプレッサ。A second cylinder constituting the second rotary compression element;
A first cylinder disposed below the second cylinder via an intermediate partition plate and constituting the first rotary compression element;
A first support member for closing a lower surface of the first cylinder,
A second support member for closing an upper surface of the second cylinder;
A suction passage for the first rotary compression element,
The rotary compressor according to claim 2, wherein the oil reservoir is formed in a portion other than the suction passage in the first cylinder.
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