JP2004091404A - 歯面清浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全性、効果性、操作性に優れた歯面清浄剤組成物を提供する。
【解決手段】過酸化水素及び金属イオン(カチオン)からなる歯面清浄剤組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】過酸化水素及び金属イオン(カチオン)からなる歯面清浄剤組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯面(歯のエナメル質)に沈着・付着した有機化合物を、過酸化水素と特定の金属イオンとの化学反応により分解・除去することに関するものである。更に詳しくは、本発明は、歯面(歯のエナメル質)上で一定時間、金属イオンにより過酸化水素特有のラジカル反応が持続されることに基づき、清浄する特定の組成からなる歯の清浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機化合物は、歯の歯面に沈着・付着するが、エナメル質を形成するハイドロキシアパタイト結晶間に数年に亘り蓄積し、通常のハミガキ又は、歯科用清浄器具・機械では清掃されない。従来、一般的に歯科、医科領域で使用されているオキシドール(過酸化水素濃度2.5重量%〜3.5重量%)は、薬剤の効能、効果として歯の清浄の項目が挙げられている。
【0003】
歯面清浄の目的としてオキシドールを使用する際の術式としては、術前に2〜5mmの綿球(又はスポンジ片、ガーゼ片)を用意し、これをピンセットでオキシドールに浸漬したものを歯面に軽く圧接させるが、綿球内部から染み出した量だけが歯面上に作用することになる。この場合、清浄効果を得るために長時間の処置を必要とする。また、オキシドールは歯面に塗布した直後から流れ落ち、歯面上で作用する時間は短く、過酸化水素が歯のエナメル質表層に沈着・付着する有機化合物に対し有効に作用しにくい。
【0004】
更に、日常の診療に於いて、歯面の清浄を行うための対象歯に処置する術式は、
(1)高周波スケーラーによる歯垢、歯石、タール、タンニンの除去。
(2)エアーフローによる歯面の物理的洗浄。
(3)ロール綿により簡易に防湿状態を保持。
(4)3〜6mm大の綿球(スポンジ片、ガーゼ片)を過酸化水素水(オキシドール)に浸漬し、充分にオキシドール液で含浸。
(5)ピンセットにホールディングした綿球(スポンジ片、ガーゼ片)を対象歯の表面に、軽く圧接し続け、過酸化水素水を使い切るまでこの状態を持続。
(6)(3)〜(5)の処置を繰り返す。
【0005】
上記の処置で、過酸化水素は歯の表面上に留まることなく、綿球(スポンジ片、ガーゼ片)に含まれている過酸化水素水が供給される間、歯の表面上を流れ落ち続ける。この間、時間的には2〜3分間程度で、この作業を10回、20回と続けることは術者にとって負担は大きい。
【0006】
又、過酸化水素は、流れ落ちる方向へのエネルギーが働き、エナメル質深層に向かってのエネルギーは極端に減少し、清浄効果が現われない。更に、過酸化水素の酸化作用を促進する要素、即ち、温度、光、酵素、金属イオンは本処置では作用していない。従って、この処置を通じて、過酸化水素の作用は、エナメル質表面上に付着する有機化合物にのみ作用し、エナメル質小柱間深部に沈着する有機化合物には作用しにくく、オキシドールだけでの反応では清浄効果は十分ではなかった。
【0007】
又、一方近年過酸化尿素による歯の洗浄が試みられている。過酸化尿素は唾液との反応で過酸化水素を生じる。この際の過酸化水素濃度は、過酸化尿素10重量%×2.867=3.6重量%過酸化水素で示される。その術式は、ペースト状に形成された清浄剤をカスタムトレー(個人トレー)内に充たし、歯冠部に装着する。このカスタムトレーの装置と歯面との間に隙間がありこの部位より唾液が侵入し、カスタムトレー内部に充たされている過酸化尿素ペーストと反応し、過酸化水素を生成する方式である。
【0008】
しかしながら、処置時間が1日1回1〜2時間であり、汚染度によりこの処置を7回〜20回繰り返す。この際唾液中に含まれる酵素(ペルオキシダーゼ)、又は、温度(体温)等による過酸化水素分解反応により酸化作用が促進される。しかしながら、カスタムトレー内へ唾液の侵入は均一でなく、清浄効果が同一歯面上でバラツキが生じる。又、カスタムトレー内での唾液との混合物は容易にトレー外部へ漏出し、歯肉を刺激、口腔内に違和感を呈す。この清浄剤は直接歯面に塗布しただけでは唾液と反応する機会がなく過酸化水素は発生せず清浄効果はなく、カスタムトレー併用のみに制限されている。
【0009】
又、従来より歯科領域に於いて、歯科医師は、オキシドールを使用してエナメル質の清浄効果を理論的には熟知するものの、適切な歯の清浄剤組成物は存在せず、適切な歯の表面の清浄法も見出せないでいた。歯面上に安定した状態で過酸化水素水のラジカル反応を化学的に促進させ、歯面(歯のエナメル質)上で一定時間安定作用が持続する方法は従来皆無であり、現在尚、従来からの短所は改善されない状況にある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点を解決するため、歯の表面に過酸化水素を一定時間、歯面(歯のエナメル質)上でラジカル反応を活性化させ、安全性、効果性、操作性に優れた歯面清浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、特定の金属イオンを過酸化水素水に添加することにより生成される活性酸素(フリーラジカル)の作用が歯面(歯のエナメル質)上で、一定時間、安定的に清浄作用を持続し、更に過酸化水素と金属イオンとの化学反応により、酸化作用が促進されることを利用した歯面清浄剤組成物が有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明は、過酸化水素及び/または水溶液中で過酸化水素を発生する過酸化水素を発生する化合物及び金属イオン(カチオン)を含む歯面清浄剤組成物を提供することである。
【0013】
本発明の歯面清浄剤組成物の好ましい実施態様としては、以下のものを挙げることができる。
(1)金属イオン(カチオン)が、鉄、アルミニウム、チタン、亜鉛、銅、マンガン、コバルトを含有する化合物から選ばれる1種以上の金属イオン(カチオン)である。
(2)さらに、合成サポナイト、精製モンモリロナイト、合成ヘクトライトから選ばれる1種以上の層状化合物を含み、前記金属イオンが該1種以上の層状化合物の結晶中に含有されている。
(3)歯面清浄剤組成物が、さらに増粘剤を含有する。
(4)増粘剤が、ヒアルロン酸、デキストラン、ザンサンガム、カードラン、ヘペリン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ポリグルタミン酸から選ばれる1種以上の化合物である。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
前記の目的を達成するために、本発明においては、過酸化水素及び/または水溶液中過酸化水素を発生する化合物は水溶液中で、過酸化水素による酸化作用と、過酸化水素水と金属イオンとの化学反応により促進される酸化還元作用を利用して、歯の表面(歯のエナメル質表層)上に沈着・付着する有機化合物を分解・除去することを特徴とするものである。
【0015】
過酸化水素に加えて、水溶液中で過酸化水素を発生する化合物としては、過ホウ酸塩、過酸化尿素、過炭酸ナトリウム、過硫酸塩類等が挙げられるが、過酸化水素(オキシドール)がその安全性、操作性、効果性の上から安定性が高い。水溶液中で過酸化水素を発生する化合物は、発生した過酸化水素が徐々に失われる場合があり、そのような化合物の場合にはペースト状として安定化した状態で保存する。例えば、過酸化尿素等の場合、このようなペースト状の製品は市販されている。
【0016】
本歯面清浄剤組成物は、過酸化水素及び/または水溶液中で過酸化水素を発生する化合物の水溶液に該金属イオンを含む化合物を添加することにより得られる。
【0017】
過酸化水素に金属イオン(カチオン)を添加すると直ちに化学反応を生じるため、使用するまではそれぞれ分離・保存される。歯面清浄剤組成物中の過酸化水素を水溶液中2.5重量%〜3.5重量%溶存した場合、各金属イオン化合物の濃度は0.1重量%〜5.0重量%が好ましい。
【0018】
又、過酸化水素の濃度は、濃度が高くなるに従い効果は高
い。しかしながら処置部位が口腔内であることからにして、歯面正常材組成物中において、過酸化水素の濃度は日本薬局方に規定されている毒物・劇物指定濃度である6重量%以下が好ましく、2.5重量%〜3.5重量%(オキシドール)が更に好適である。
【0019】
当該清浄剤の主原料である過酸化水素の作用として、有機物に接触し、酸化作用による有機化合物の分解作用を有している。
2H2O2 ―――> 2H2O+O2 ・・・(1)
【0020】
又、過酸化水素は、本来フリーラジカルを持たないが、僅かなきっかけでヒドロキシラジカルを生成する不安定な性質を持っているために、活性酸素種の中で活性酸素分子として分類される。過酸化水素は、それ自身が強い酸化作用をもっているのではなく、このヒドロキシラジカルの前駆体として作用し、発生したヒドロキシラジカルは電子移動反応により電子を受け取って−OHになり強力な酸化力により清浄作用が進行する。
【0021】
本発明に使用される過酸化水素よりヒドロキシラジカルを生成する手段の1つとして、金属イオンは、過酸化水素溶液中に添加することによりヒドロキシラジカルを発生する。このラジカル反応が歯面(歯のエナメル質)上の有機化合物の分解速度を上げ、過酸化水素単体での反応時間より反応時間が5〜10倍速い。
H2O2+Fe2+ ―――> ・OH+H2O+Fe3+ ・・・(2)
【0022】
又、この反応は酸性領域で促進される。pH5.5以下ではエナメル質の脱灰、及びエナメル小柱間隙に存在する固有のタンパク質の分解を生じ、歯が脆くなる事が報告されている。この為、上記反応がエナメル質表層上で作用する場合、事前に緩衝液を準備し塗布された歯面洗浄剤組成物のpHが5.6〜7.0となるように調整し、エナメル質にダメージを与えることなく、ヒドロキラジカルが生成され、有機化合物は分解されるようにする。この場合数分間(5〜10分)で歯の清浄効果は著しい。
【0023】
金属イオン(カチオン)としては、好ましくは、鉄、チタン、銅、亜鉛、マンガン、コバルト、アルミのイオン等が挙げられる。このような金属イオンは、通常の化合物の状態、例えば塩化物等の形で適用され、水と増粘剤との混合物として塗布することができる。また、ゼオライト、合成サポナイト、精製モンモリロナイト等の層状ケイ酸塩化合物を用いることもできる。該層状ケイ酸塩化合物には結晶内に該金属イオンが含まれ、過酸化水素と反応して金属イオンが結晶から放出される。さらに、ゼオライト、合成サポナイト、精製モンモリロナイト等の層状ケイ酸塩化合物の結晶内に金属イオンの1種類以上、好ましくは上記金属イオンから選ばれる1種以上をインターカレートした層状ケイ酸塩化合物を用いることもできる。このような層状ケイ酸塩懸濁液を過酸化水素水溶液に加えることによって、ラジカル反応を発生させ、過酸化水素と金属イオンとの酸化還元反応によりヒドロキシラジカルを生成するもう一方の手段として挙げられる。
【0024】
金属イオンを結晶中に含有する層状化合物としては、合成スメクタイト中、合成サポナイト、精製モンモリロナイトが好適である。
【0025】
本発明に使用される、合成サポナイト、精製モンモリロナイトは増粘性を有しており、増粘剤の添加は歯面清浄剤疎生物中0.2重量%以下で効果を得られる。本発明に用いられる層状ケイ酸塩鉱物は、土壌中の夾雑物であるガラス質、着色金属酸化物、腐植質などを完全に除去することは困難であり、本発明の組成剤の利用目的を達成するには大きな障害となる可能性があるため、純粋化学原料をもとに合成された合成粘土及び夾雑物を除去した精製粘土鉱物がより好適である。又、2:1型の層状ケイ酸塩鉱物中スメクタイトは化学的性質として、イオン交換性の機能を有している。
【0026】
粘土鉱物の母材である岩石の主要化学成分は酸化物の形で表わすと、SiO2、AlO2、Fe2O3、MgO、CaO、NaO、KO2であり、水を含むケイ酸塩の形の化学組成を持っている。即ち、酸素原子は2価負電荷を持つ陰イオン(O2 −)となり、金属原子は正電荷を持つ陽イオン(Si4 +、Al3 +、Mg2 +、K+など)となっており、結晶をつくる化学結合は主として正負の静電気的なエネルギーに基づくイオン結合である。又、水素イオンH+は酸素イオンと結合して水酸基(OH−)あるいは水分子(H2O)となっている。又、粒子の端面は結晶の破断面であるため、原子価を満足していない酸素イオンがあり、水溶液中ではH+と結合してOH−を形成している。
【0027】
一方、陽イオンと陰イオンが静電気的に結合しているイオン結晶でも、水の中では陰・陽両イオンに解離し、水分子と結合し、水和イオンを形成する。
【0028】
過酸化水素水中に分散されたスメクタイト結晶は、溶液中で水和イオンを形成し、過酸化水素を誘発分解し、溶液中にOH(ヒドロキシラジカル)を生成する。
H2O2+e−aq ―――> ・OH+−OH
【0029】
このヒドロキシラジカルは活性酸素の中で最も高い反応性を持っており、有機化合物に出会うと、直ちに水素引き抜き反応や、電子付加反応を引き起こし、新たなラジカルを発生させる。この・OHは、歯の表面(歯のエナメル質表層)上で、有機化合物と接触し、フリーラジカル発生の連鎖反応を生じ、経時的に反応量は減少するものの12時間以上反応は継続する。
【0030】
更に尚、3%過酸化水素水のpHは5.0であり、層状ケイ酸塩鉱物の2%分散水溶液中でpHは7.5〜8.0の領域にまでpHは移動する。又、この場合、最終pHは8.5以下に調整する必要がある。即ち、最終pHが9.5〜10.8の領域まで移動すると、過酸化水素の誘発分解によるヒドロキシラジカルの生成量は多い。
H2O2+塩基 ―――> HO・+O− 2
【0031】
ラジカル反応は活性化されるが、pH9以上の溶剤を歯のエナメル質表層で一定時間以上作用させることは、エナメル小柱間隙に存在する歯のエナメル質固有のタンパク質をアルカリ分解し、歯のエナメル質を脆くさせる恐れがあるため、pH8.5以下の弱アルカリ性が好適である。
【0032】
歯面清浄剤組成物が、過酸化水素及び/または水溶液中で過酸化水素を発生する化合物、金属イオン及び増粘剤を含む場合の該金属イオンの形態としては、前述したように、該金属の化合物、該金属イオンをインターカレートしたゼオライト、合成サポナイト、精製モンモリロナイト、当該金属イオンにより架橋されたポリグルタミン酸、結晶中に金属イオンを含有する合成サポナイト、精製モンモリロナイト、合成ヘクトライトの中から選ばれる1種以上のものを好適に用いることができる。なお、精製蒸留水中に増粘剤、金属イオン(金属化合物等)を加えた水溶液を1液とし、過酸化水素液を2液とし、1液と2液とを混合し歯面性錠剤組成物とする。組成物中の過酸化水素の濃度は2.5重量%〜3.5重量%となるようにする。あるいは、処置直前に過酸化水素水に増粘剤を添加し、粘土を1500〜2000cpsのゲル状の1液を得、このゲル状1液に金属イオンを添加して歯面清浄剤組成物を得ることもできる。なお、金属イオンと過酸化水素とは同量とすることが好ましい。
【0033】
歯面清浄剤組成物は、過酸化水素水に増粘剤を添加した場合の粘度は、1000〜2000cpsが好ましい。この粘度は、歯面(歯のエナメル質)上に塗布・付着させて、短時間(5〜20分)維持すればよいとの観点から選択したものである。
【0034】
本発明は、使用直前に過酸化水素水に増粘剤を添加し粘度を有す混合物を得た後、金属イオンを含む化合物、金属イオンがインターカレートされた合成サポナイト、精製モンモリロナイト又は結晶中に各種イオンを含む合成サポナイト、精製モンモリロナイト、合成ヘクトライトを添加することにより歯面清浄剤組成物を得ることができる。あるいは、合成サポナイト、精製モンモリロナイト、合成ヘクトライトと増粘剤を混合する場合、粘度1000〜2000cpsに調整する。この際、それぞれの層状ケイ酸塩粘土鉱物は膨潤性を有するため、増粘剤の添加量は0.1〜0.2重量%で、層状ケイ酸塩粘土鉱物の添加量は0.5重量%〜0.9重量%が好適である。
【0035】
増粘剤として、多糖類が好ましくは用いられるが、多糖類としては、ヒアルロン酸、デキストラン、ザンサンガム、カードラン、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸等が挙げられる。これら多糖類中、好適にはヒアルロン酸が選ばれる。本発明に使用されるヒアルロン酸ナトリウム1gは約6リットルの水を保持する力を有し、その粘弾性は、一例として、分子量は約200万の0.2%の見かけの粘度は約1.000cpであり、濃度が5倍増すと粘度は10倍増す。
【0036】
ヒアルロン酸は動物組織から抽出・精製されたものも好適であるが、発酵法により合成されたものがより好適である。又、ポリグルタミン酸が該金属イオンの1種で架橋することにより膨潤性及び金属イオンによる反応が生じる。この場合過酸化水素の酸化還元反応は促進される。又、ポリグルタミン酸は水溶液に分散することにより膨潤し、透明なハイドロゲルになり、保水能力は1gで5リットルの水を蓄えられる。
【0037】
歯面(歯のエナメル質)上での処置に於いての傾斜角度は水平面対し、30°〜35°であり、粘度は1.000〜2.000cpで好適である。この場合、3%重量%過酸化水素水に対してポリグルタミン酸の添加量は0.3重量%〜0.5重量%が好適である。
【0038】
過酸化水素のラジカル反応により生成されるヒドロキシラジカルの生存時間はピコ秒単位で、移動距離は10〜20マイクロメートルと短いため、増粘剤の配合量は過酸化水素と増粘剤の混合物分子クラスターは、エナメル質小柱間隙1μ〜2μより径が小さい方が好ましい。
【0039】
又、金属イオンの配合は、効率性を得るため歯に清浄を行
う直前、即ち患者のチェアーサイドで過酸化水素水を含有
する組成剤に添加することが好適である。
【0040】
この際、処置歯に対しラバーダム防湿等の複雑な歯肉保護処置が必要なく、1回の処置に6〜8本の歯に処置することが可能であり、歯の汚染状態に応じ、処置時間及び処置日数の調整が可能である。本発明の清浄剤組成物は、特に安全性、効果性、操作性に優れ、術者・患者の負担の軽減は著しい。
【0041】
本発明の歯の清浄剤組成物の主たる作用は、過酸化水素と金属イオンとの反応により作用する歯の清浄作用である。即ち、過酸化水素水溶液中過酸化水素は、金属イオンとの反応系中にラジカル反応を生じ、ヒドロキシラジカルの生成とラジカル反応の連鎖
(O− 2 ―――> H2O2 ―――> ・OH)
を伴い、歯のエナメル質表層の有機化合物を分解・除去し、高い清浄効果を実現する。
【0042】
本発明は、過酸化水素の清浄力を歯面(歯のエナメル質表層)上で機能させるため、一定時間安定した状態を持続するため適切な粘度と、5.5〜8.0のpH濃度が好適である。
【0043】
又、歯の清浄剤組成物としては分子クラスターサイズの小さいものが好ましいため、混入する増粘剤は最小限の配合が好適である。又、過酸化水素は劇物、毒物の指定濃度である6.0重量%以下とし、2.5重量%〜3.5重量%(オキシドール)が好適である。
【0044】
本剤の使用方法の特徴として次の2法が選択されることが特徴である。先ず、歯面(歯のエナメル質表層)上での清浄法としては、清浄剤を保持する用具は用いず、直接歯面に1mm〜3mmの厚さで塗布・付着させる場合においては、10分〜20分間その粘度が維持されれば良く、この処置を歯の汚染度により数回繰り返すことで効果が得られる。
【0045】
更に、カスタムトレーを利用し、歯冠部に装着する場合は、カスタムトレー内に充たした歯面清浄剤組成物の粘度が低下しても10分間〜30分間の処置時間ではカスタムトレー内から外部への侵出は無く、清浄効果は得られ、上記2法の清浄法は好適といえる。
【0046】
本発明は、歯の表面(歯のエナメル質表層)上に沈着・付着する有機化合物の汚染を清浄するための歯の清浄剤組成物であって、歯の表面(歯のエナメル質表層)上において過酸化水素と金属イオンの酸化還元反応により歯面上の有機化合物を分解することを特徴とする歯の清浄剤組成物に係るものであり、本発明の歯面清浄剤組成物によれば、(1)歯の表面(歯のエナメル質)上に塗布・付着が一定時間可能となり、(2)溶液が皮膚・粘膜への刺激性がなく、安全性に優れ、(3)1回の処置で多数歯(6〜8歯)の処置が可能になり、(4)清浄効果は著しい。以上の効果が得られ、歯の清浄の改善に寄与する。
【0047】
【実施例】
以下に本発明に係る歯面清浄剤組成物、清浄法の実施例を示すが、本発明は以下の実施例に何らの制限を受けるものではない。
(1)歯の表面(歯のエナメル質表層)の物理的清浄
以下の手順で歯の清浄を実施した。尚サンプルは抜去歯を使用した。
A)処置として歯垢、歯石、茶渋、タール等を超音波スケーラーで除去し、その後エアーフロートにより洗浄を行った。
B)歯の表面をアルコール塗布の後、乾燥した。
【0048】
(2)清浄剤組成物の調製
過酸化水素水(オキシドール)にヒアルロン酸ナトリウムを添加・分散後金属イオンを混合し、1分後に表1に示す清浄剤(組成物)を得た。調整後直ちに歯面塗布・付着させ1回の処置時間を10分とし、1回毎に新たな上記清浄剤組成物の塗布・付着を繰り返した。
【0049】
【表1】
市販製品ナイトホワイトは過酸化尿素10%を含有する。
処置時間は各サンプルとも、1回目の歯面清浄剤組成物を剤塗布した後10分間放置し、その後2回目の歯面清浄剤組成物を塗布した後10分間放置し、歯のシェードを目視評価した。
【0050】
上記表1から、本発明の歯面清浄剤組成物No.1〜10は、歯面清浄効果に優れていることが分かる。なお、Aは黄色味を帯びた歯、Bは白味を帯びた歯、Cはグレー味を帯びた歯を示し、数字1〜5は数字の少ないほど明るい(薄い)色を示し、数字の大きいほど暗い(濃い)色を示す。なお、Nos.11〜13におけるナイトホワイトはペースト剤で、3.67は10%の過酸化尿素液を用いた場合の唾液等で分解された過酸化水素の濃度を示す。
【0051】
【発明の効果】
本発明は、過酸化水素、金属イオン、増粘剤からなる歯面清浄剤組成物であり、これにより歯面(歯のエナメル質)を清浄する方法であって、過酸化水素と金属イオンとの化学反応により生成されるヒドロキシラジカルを生成に関するものである。本発明によれば、1)過酸化水素及び金属イオン(カチオン)、また増粘剤の3種とも薬事法により認可を得られているものであり、また低濃度で使用することが可能であるので安全性は高い。
【0052】
2)ヒドロキシラジカルの前駆体としての過酸化水素の特性を応用し、酸化作用は、過酸化水素単独での酸化作用に比し、著しく強く、その清浄効果は顕著である。3)清浄剤組成物の調整は、過酸化水素中に、金属イオン、必要により増粘剤を混入し、例えば、約2分間攪拌し、直ちに対象歯の塗布が可能であり、操作は著しく簡便である。
【0053】
4)清浄剤組成物の対象歯への塗布・付着方法は、直接対象歯のエナメル質に短時間塗布・付着させる方法で効果が得られ、術者・患者の負担が軽減する。5)清浄剤組成物それぞれが、術前に混合されることにより、保存、安定性に優れる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯面(歯のエナメル質)に沈着・付着した有機化合物を、過酸化水素と特定の金属イオンとの化学反応により分解・除去することに関するものである。更に詳しくは、本発明は、歯面(歯のエナメル質)上で一定時間、金属イオンにより過酸化水素特有のラジカル反応が持続されることに基づき、清浄する特定の組成からなる歯の清浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機化合物は、歯の歯面に沈着・付着するが、エナメル質を形成するハイドロキシアパタイト結晶間に数年に亘り蓄積し、通常のハミガキ又は、歯科用清浄器具・機械では清掃されない。従来、一般的に歯科、医科領域で使用されているオキシドール(過酸化水素濃度2.5重量%〜3.5重量%)は、薬剤の効能、効果として歯の清浄の項目が挙げられている。
【0003】
歯面清浄の目的としてオキシドールを使用する際の術式としては、術前に2〜5mmの綿球(又はスポンジ片、ガーゼ片)を用意し、これをピンセットでオキシドールに浸漬したものを歯面に軽く圧接させるが、綿球内部から染み出した量だけが歯面上に作用することになる。この場合、清浄効果を得るために長時間の処置を必要とする。また、オキシドールは歯面に塗布した直後から流れ落ち、歯面上で作用する時間は短く、過酸化水素が歯のエナメル質表層に沈着・付着する有機化合物に対し有効に作用しにくい。
【0004】
更に、日常の診療に於いて、歯面の清浄を行うための対象歯に処置する術式は、
(1)高周波スケーラーによる歯垢、歯石、タール、タンニンの除去。
(2)エアーフローによる歯面の物理的洗浄。
(3)ロール綿により簡易に防湿状態を保持。
(4)3〜6mm大の綿球(スポンジ片、ガーゼ片)を過酸化水素水(オキシドール)に浸漬し、充分にオキシドール液で含浸。
(5)ピンセットにホールディングした綿球(スポンジ片、ガーゼ片)を対象歯の表面に、軽く圧接し続け、過酸化水素水を使い切るまでこの状態を持続。
(6)(3)〜(5)の処置を繰り返す。
【0005】
上記の処置で、過酸化水素は歯の表面上に留まることなく、綿球(スポンジ片、ガーゼ片)に含まれている過酸化水素水が供給される間、歯の表面上を流れ落ち続ける。この間、時間的には2〜3分間程度で、この作業を10回、20回と続けることは術者にとって負担は大きい。
【0006】
又、過酸化水素は、流れ落ちる方向へのエネルギーが働き、エナメル質深層に向かってのエネルギーは極端に減少し、清浄効果が現われない。更に、過酸化水素の酸化作用を促進する要素、即ち、温度、光、酵素、金属イオンは本処置では作用していない。従って、この処置を通じて、過酸化水素の作用は、エナメル質表面上に付着する有機化合物にのみ作用し、エナメル質小柱間深部に沈着する有機化合物には作用しにくく、オキシドールだけでの反応では清浄効果は十分ではなかった。
【0007】
又、一方近年過酸化尿素による歯の洗浄が試みられている。過酸化尿素は唾液との反応で過酸化水素を生じる。この際の過酸化水素濃度は、過酸化尿素10重量%×2.867=3.6重量%過酸化水素で示される。その術式は、ペースト状に形成された清浄剤をカスタムトレー(個人トレー)内に充たし、歯冠部に装着する。このカスタムトレーの装置と歯面との間に隙間がありこの部位より唾液が侵入し、カスタムトレー内部に充たされている過酸化尿素ペーストと反応し、過酸化水素を生成する方式である。
【0008】
しかしながら、処置時間が1日1回1〜2時間であり、汚染度によりこの処置を7回〜20回繰り返す。この際唾液中に含まれる酵素(ペルオキシダーゼ)、又は、温度(体温)等による過酸化水素分解反応により酸化作用が促進される。しかしながら、カスタムトレー内へ唾液の侵入は均一でなく、清浄効果が同一歯面上でバラツキが生じる。又、カスタムトレー内での唾液との混合物は容易にトレー外部へ漏出し、歯肉を刺激、口腔内に違和感を呈す。この清浄剤は直接歯面に塗布しただけでは唾液と反応する機会がなく過酸化水素は発生せず清浄効果はなく、カスタムトレー併用のみに制限されている。
【0009】
又、従来より歯科領域に於いて、歯科医師は、オキシドールを使用してエナメル質の清浄効果を理論的には熟知するものの、適切な歯の清浄剤組成物は存在せず、適切な歯の表面の清浄法も見出せないでいた。歯面上に安定した状態で過酸化水素水のラジカル反応を化学的に促進させ、歯面(歯のエナメル質)上で一定時間安定作用が持続する方法は従来皆無であり、現在尚、従来からの短所は改善されない状況にある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点を解決するため、歯の表面に過酸化水素を一定時間、歯面(歯のエナメル質)上でラジカル反応を活性化させ、安全性、効果性、操作性に優れた歯面清浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、特定の金属イオンを過酸化水素水に添加することにより生成される活性酸素(フリーラジカル)の作用が歯面(歯のエナメル質)上で、一定時間、安定的に清浄作用を持続し、更に過酸化水素と金属イオンとの化学反応により、酸化作用が促進されることを利用した歯面清浄剤組成物が有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明は、過酸化水素及び/または水溶液中で過酸化水素を発生する過酸化水素を発生する化合物及び金属イオン(カチオン)を含む歯面清浄剤組成物を提供することである。
【0013】
本発明の歯面清浄剤組成物の好ましい実施態様としては、以下のものを挙げることができる。
(1)金属イオン(カチオン)が、鉄、アルミニウム、チタン、亜鉛、銅、マンガン、コバルトを含有する化合物から選ばれる1種以上の金属イオン(カチオン)である。
(2)さらに、合成サポナイト、精製モンモリロナイト、合成ヘクトライトから選ばれる1種以上の層状化合物を含み、前記金属イオンが該1種以上の層状化合物の結晶中に含有されている。
(3)歯面清浄剤組成物が、さらに増粘剤を含有する。
(4)増粘剤が、ヒアルロン酸、デキストラン、ザンサンガム、カードラン、ヘペリン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ポリグルタミン酸から選ばれる1種以上の化合物である。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
前記の目的を達成するために、本発明においては、過酸化水素及び/または水溶液中過酸化水素を発生する化合物は水溶液中で、過酸化水素による酸化作用と、過酸化水素水と金属イオンとの化学反応により促進される酸化還元作用を利用して、歯の表面(歯のエナメル質表層)上に沈着・付着する有機化合物を分解・除去することを特徴とするものである。
【0015】
過酸化水素に加えて、水溶液中で過酸化水素を発生する化合物としては、過ホウ酸塩、過酸化尿素、過炭酸ナトリウム、過硫酸塩類等が挙げられるが、過酸化水素(オキシドール)がその安全性、操作性、効果性の上から安定性が高い。水溶液中で過酸化水素を発生する化合物は、発生した過酸化水素が徐々に失われる場合があり、そのような化合物の場合にはペースト状として安定化した状態で保存する。例えば、過酸化尿素等の場合、このようなペースト状の製品は市販されている。
【0016】
本歯面清浄剤組成物は、過酸化水素及び/または水溶液中で過酸化水素を発生する化合物の水溶液に該金属イオンを含む化合物を添加することにより得られる。
【0017】
過酸化水素に金属イオン(カチオン)を添加すると直ちに化学反応を生じるため、使用するまではそれぞれ分離・保存される。歯面清浄剤組成物中の過酸化水素を水溶液中2.5重量%〜3.5重量%溶存した場合、各金属イオン化合物の濃度は0.1重量%〜5.0重量%が好ましい。
【0018】
又、過酸化水素の濃度は、濃度が高くなるに従い効果は高
い。しかしながら処置部位が口腔内であることからにして、歯面正常材組成物中において、過酸化水素の濃度は日本薬局方に規定されている毒物・劇物指定濃度である6重量%以下が好ましく、2.5重量%〜3.5重量%(オキシドール)が更に好適である。
【0019】
当該清浄剤の主原料である過酸化水素の作用として、有機物に接触し、酸化作用による有機化合物の分解作用を有している。
2H2O2 ―――> 2H2O+O2 ・・・(1)
【0020】
又、過酸化水素は、本来フリーラジカルを持たないが、僅かなきっかけでヒドロキシラジカルを生成する不安定な性質を持っているために、活性酸素種の中で活性酸素分子として分類される。過酸化水素は、それ自身が強い酸化作用をもっているのではなく、このヒドロキシラジカルの前駆体として作用し、発生したヒドロキシラジカルは電子移動反応により電子を受け取って−OHになり強力な酸化力により清浄作用が進行する。
【0021】
本発明に使用される過酸化水素よりヒドロキシラジカルを生成する手段の1つとして、金属イオンは、過酸化水素溶液中に添加することによりヒドロキシラジカルを発生する。このラジカル反応が歯面(歯のエナメル質)上の有機化合物の分解速度を上げ、過酸化水素単体での反応時間より反応時間が5〜10倍速い。
H2O2+Fe2+ ―――> ・OH+H2O+Fe3+ ・・・(2)
【0022】
又、この反応は酸性領域で促進される。pH5.5以下ではエナメル質の脱灰、及びエナメル小柱間隙に存在する固有のタンパク質の分解を生じ、歯が脆くなる事が報告されている。この為、上記反応がエナメル質表層上で作用する場合、事前に緩衝液を準備し塗布された歯面洗浄剤組成物のpHが5.6〜7.0となるように調整し、エナメル質にダメージを与えることなく、ヒドロキラジカルが生成され、有機化合物は分解されるようにする。この場合数分間(5〜10分)で歯の清浄効果は著しい。
【0023】
金属イオン(カチオン)としては、好ましくは、鉄、チタン、銅、亜鉛、マンガン、コバルト、アルミのイオン等が挙げられる。このような金属イオンは、通常の化合物の状態、例えば塩化物等の形で適用され、水と増粘剤との混合物として塗布することができる。また、ゼオライト、合成サポナイト、精製モンモリロナイト等の層状ケイ酸塩化合物を用いることもできる。該層状ケイ酸塩化合物には結晶内に該金属イオンが含まれ、過酸化水素と反応して金属イオンが結晶から放出される。さらに、ゼオライト、合成サポナイト、精製モンモリロナイト等の層状ケイ酸塩化合物の結晶内に金属イオンの1種類以上、好ましくは上記金属イオンから選ばれる1種以上をインターカレートした層状ケイ酸塩化合物を用いることもできる。このような層状ケイ酸塩懸濁液を過酸化水素水溶液に加えることによって、ラジカル反応を発生させ、過酸化水素と金属イオンとの酸化還元反応によりヒドロキシラジカルを生成するもう一方の手段として挙げられる。
【0024】
金属イオンを結晶中に含有する層状化合物としては、合成スメクタイト中、合成サポナイト、精製モンモリロナイトが好適である。
【0025】
本発明に使用される、合成サポナイト、精製モンモリロナイトは増粘性を有しており、増粘剤の添加は歯面清浄剤疎生物中0.2重量%以下で効果を得られる。本発明に用いられる層状ケイ酸塩鉱物は、土壌中の夾雑物であるガラス質、着色金属酸化物、腐植質などを完全に除去することは困難であり、本発明の組成剤の利用目的を達成するには大きな障害となる可能性があるため、純粋化学原料をもとに合成された合成粘土及び夾雑物を除去した精製粘土鉱物がより好適である。又、2:1型の層状ケイ酸塩鉱物中スメクタイトは化学的性質として、イオン交換性の機能を有している。
【0026】
粘土鉱物の母材である岩石の主要化学成分は酸化物の形で表わすと、SiO2、AlO2、Fe2O3、MgO、CaO、NaO、KO2であり、水を含むケイ酸塩の形の化学組成を持っている。即ち、酸素原子は2価負電荷を持つ陰イオン(O2 −)となり、金属原子は正電荷を持つ陽イオン(Si4 +、Al3 +、Mg2 +、K+など)となっており、結晶をつくる化学結合は主として正負の静電気的なエネルギーに基づくイオン結合である。又、水素イオンH+は酸素イオンと結合して水酸基(OH−)あるいは水分子(H2O)となっている。又、粒子の端面は結晶の破断面であるため、原子価を満足していない酸素イオンがあり、水溶液中ではH+と結合してOH−を形成している。
【0027】
一方、陽イオンと陰イオンが静電気的に結合しているイオン結晶でも、水の中では陰・陽両イオンに解離し、水分子と結合し、水和イオンを形成する。
【0028】
過酸化水素水中に分散されたスメクタイト結晶は、溶液中で水和イオンを形成し、過酸化水素を誘発分解し、溶液中にOH(ヒドロキシラジカル)を生成する。
H2O2+e−aq ―――> ・OH+−OH
【0029】
このヒドロキシラジカルは活性酸素の中で最も高い反応性を持っており、有機化合物に出会うと、直ちに水素引き抜き反応や、電子付加反応を引き起こし、新たなラジカルを発生させる。この・OHは、歯の表面(歯のエナメル質表層)上で、有機化合物と接触し、フリーラジカル発生の連鎖反応を生じ、経時的に反応量は減少するものの12時間以上反応は継続する。
【0030】
更に尚、3%過酸化水素水のpHは5.0であり、層状ケイ酸塩鉱物の2%分散水溶液中でpHは7.5〜8.0の領域にまでpHは移動する。又、この場合、最終pHは8.5以下に調整する必要がある。即ち、最終pHが9.5〜10.8の領域まで移動すると、過酸化水素の誘発分解によるヒドロキシラジカルの生成量は多い。
H2O2+塩基 ―――> HO・+O− 2
【0031】
ラジカル反応は活性化されるが、pH9以上の溶剤を歯のエナメル質表層で一定時間以上作用させることは、エナメル小柱間隙に存在する歯のエナメル質固有のタンパク質をアルカリ分解し、歯のエナメル質を脆くさせる恐れがあるため、pH8.5以下の弱アルカリ性が好適である。
【0032】
歯面清浄剤組成物が、過酸化水素及び/または水溶液中で過酸化水素を発生する化合物、金属イオン及び増粘剤を含む場合の該金属イオンの形態としては、前述したように、該金属の化合物、該金属イオンをインターカレートしたゼオライト、合成サポナイト、精製モンモリロナイト、当該金属イオンにより架橋されたポリグルタミン酸、結晶中に金属イオンを含有する合成サポナイト、精製モンモリロナイト、合成ヘクトライトの中から選ばれる1種以上のものを好適に用いることができる。なお、精製蒸留水中に増粘剤、金属イオン(金属化合物等)を加えた水溶液を1液とし、過酸化水素液を2液とし、1液と2液とを混合し歯面性錠剤組成物とする。組成物中の過酸化水素の濃度は2.5重量%〜3.5重量%となるようにする。あるいは、処置直前に過酸化水素水に増粘剤を添加し、粘土を1500〜2000cpsのゲル状の1液を得、このゲル状1液に金属イオンを添加して歯面清浄剤組成物を得ることもできる。なお、金属イオンと過酸化水素とは同量とすることが好ましい。
【0033】
歯面清浄剤組成物は、過酸化水素水に増粘剤を添加した場合の粘度は、1000〜2000cpsが好ましい。この粘度は、歯面(歯のエナメル質)上に塗布・付着させて、短時間(5〜20分)維持すればよいとの観点から選択したものである。
【0034】
本発明は、使用直前に過酸化水素水に増粘剤を添加し粘度を有す混合物を得た後、金属イオンを含む化合物、金属イオンがインターカレートされた合成サポナイト、精製モンモリロナイト又は結晶中に各種イオンを含む合成サポナイト、精製モンモリロナイト、合成ヘクトライトを添加することにより歯面清浄剤組成物を得ることができる。あるいは、合成サポナイト、精製モンモリロナイト、合成ヘクトライトと増粘剤を混合する場合、粘度1000〜2000cpsに調整する。この際、それぞれの層状ケイ酸塩粘土鉱物は膨潤性を有するため、増粘剤の添加量は0.1〜0.2重量%で、層状ケイ酸塩粘土鉱物の添加量は0.5重量%〜0.9重量%が好適である。
【0035】
増粘剤として、多糖類が好ましくは用いられるが、多糖類としては、ヒアルロン酸、デキストラン、ザンサンガム、カードラン、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸等が挙げられる。これら多糖類中、好適にはヒアルロン酸が選ばれる。本発明に使用されるヒアルロン酸ナトリウム1gは約6リットルの水を保持する力を有し、その粘弾性は、一例として、分子量は約200万の0.2%の見かけの粘度は約1.000cpであり、濃度が5倍増すと粘度は10倍増す。
【0036】
ヒアルロン酸は動物組織から抽出・精製されたものも好適であるが、発酵法により合成されたものがより好適である。又、ポリグルタミン酸が該金属イオンの1種で架橋することにより膨潤性及び金属イオンによる反応が生じる。この場合過酸化水素の酸化還元反応は促進される。又、ポリグルタミン酸は水溶液に分散することにより膨潤し、透明なハイドロゲルになり、保水能力は1gで5リットルの水を蓄えられる。
【0037】
歯面(歯のエナメル質)上での処置に於いての傾斜角度は水平面対し、30°〜35°であり、粘度は1.000〜2.000cpで好適である。この場合、3%重量%過酸化水素水に対してポリグルタミン酸の添加量は0.3重量%〜0.5重量%が好適である。
【0038】
過酸化水素のラジカル反応により生成されるヒドロキシラジカルの生存時間はピコ秒単位で、移動距離は10〜20マイクロメートルと短いため、増粘剤の配合量は過酸化水素と増粘剤の混合物分子クラスターは、エナメル質小柱間隙1μ〜2μより径が小さい方が好ましい。
【0039】
又、金属イオンの配合は、効率性を得るため歯に清浄を行
う直前、即ち患者のチェアーサイドで過酸化水素水を含有
する組成剤に添加することが好適である。
【0040】
この際、処置歯に対しラバーダム防湿等の複雑な歯肉保護処置が必要なく、1回の処置に6〜8本の歯に処置することが可能であり、歯の汚染状態に応じ、処置時間及び処置日数の調整が可能である。本発明の清浄剤組成物は、特に安全性、効果性、操作性に優れ、術者・患者の負担の軽減は著しい。
【0041】
本発明の歯の清浄剤組成物の主たる作用は、過酸化水素と金属イオンとの反応により作用する歯の清浄作用である。即ち、過酸化水素水溶液中過酸化水素は、金属イオンとの反応系中にラジカル反応を生じ、ヒドロキシラジカルの生成とラジカル反応の連鎖
(O− 2 ―――> H2O2 ―――> ・OH)
を伴い、歯のエナメル質表層の有機化合物を分解・除去し、高い清浄効果を実現する。
【0042】
本発明は、過酸化水素の清浄力を歯面(歯のエナメル質表層)上で機能させるため、一定時間安定した状態を持続するため適切な粘度と、5.5〜8.0のpH濃度が好適である。
【0043】
又、歯の清浄剤組成物としては分子クラスターサイズの小さいものが好ましいため、混入する増粘剤は最小限の配合が好適である。又、過酸化水素は劇物、毒物の指定濃度である6.0重量%以下とし、2.5重量%〜3.5重量%(オキシドール)が好適である。
【0044】
本剤の使用方法の特徴として次の2法が選択されることが特徴である。先ず、歯面(歯のエナメル質表層)上での清浄法としては、清浄剤を保持する用具は用いず、直接歯面に1mm〜3mmの厚さで塗布・付着させる場合においては、10分〜20分間その粘度が維持されれば良く、この処置を歯の汚染度により数回繰り返すことで効果が得られる。
【0045】
更に、カスタムトレーを利用し、歯冠部に装着する場合は、カスタムトレー内に充たした歯面清浄剤組成物の粘度が低下しても10分間〜30分間の処置時間ではカスタムトレー内から外部への侵出は無く、清浄効果は得られ、上記2法の清浄法は好適といえる。
【0046】
本発明は、歯の表面(歯のエナメル質表層)上に沈着・付着する有機化合物の汚染を清浄するための歯の清浄剤組成物であって、歯の表面(歯のエナメル質表層)上において過酸化水素と金属イオンの酸化還元反応により歯面上の有機化合物を分解することを特徴とする歯の清浄剤組成物に係るものであり、本発明の歯面清浄剤組成物によれば、(1)歯の表面(歯のエナメル質)上に塗布・付着が一定時間可能となり、(2)溶液が皮膚・粘膜への刺激性がなく、安全性に優れ、(3)1回の処置で多数歯(6〜8歯)の処置が可能になり、(4)清浄効果は著しい。以上の効果が得られ、歯の清浄の改善に寄与する。
【0047】
【実施例】
以下に本発明に係る歯面清浄剤組成物、清浄法の実施例を示すが、本発明は以下の実施例に何らの制限を受けるものではない。
(1)歯の表面(歯のエナメル質表層)の物理的清浄
以下の手順で歯の清浄を実施した。尚サンプルは抜去歯を使用した。
A)処置として歯垢、歯石、茶渋、タール等を超音波スケーラーで除去し、その後エアーフロートにより洗浄を行った。
B)歯の表面をアルコール塗布の後、乾燥した。
【0048】
(2)清浄剤組成物の調製
過酸化水素水(オキシドール)にヒアルロン酸ナトリウムを添加・分散後金属イオンを混合し、1分後に表1に示す清浄剤(組成物)を得た。調整後直ちに歯面塗布・付着させ1回の処置時間を10分とし、1回毎に新たな上記清浄剤組成物の塗布・付着を繰り返した。
【0049】
【表1】
市販製品ナイトホワイトは過酸化尿素10%を含有する。
処置時間は各サンプルとも、1回目の歯面清浄剤組成物を剤塗布した後10分間放置し、その後2回目の歯面清浄剤組成物を塗布した後10分間放置し、歯のシェードを目視評価した。
【0050】
上記表1から、本発明の歯面清浄剤組成物No.1〜10は、歯面清浄効果に優れていることが分かる。なお、Aは黄色味を帯びた歯、Bは白味を帯びた歯、Cはグレー味を帯びた歯を示し、数字1〜5は数字の少ないほど明るい(薄い)色を示し、数字の大きいほど暗い(濃い)色を示す。なお、Nos.11〜13におけるナイトホワイトはペースト剤で、3.67は10%の過酸化尿素液を用いた場合の唾液等で分解された過酸化水素の濃度を示す。
【0051】
【発明の効果】
本発明は、過酸化水素、金属イオン、増粘剤からなる歯面清浄剤組成物であり、これにより歯面(歯のエナメル質)を清浄する方法であって、過酸化水素と金属イオンとの化学反応により生成されるヒドロキシラジカルを生成に関するものである。本発明によれば、1)過酸化水素及び金属イオン(カチオン)、また増粘剤の3種とも薬事法により認可を得られているものであり、また低濃度で使用することが可能であるので安全性は高い。
【0052】
2)ヒドロキシラジカルの前駆体としての過酸化水素の特性を応用し、酸化作用は、過酸化水素単独での酸化作用に比し、著しく強く、その清浄効果は顕著である。3)清浄剤組成物の調整は、過酸化水素中に、金属イオン、必要により増粘剤を混入し、例えば、約2分間攪拌し、直ちに対象歯の塗布が可能であり、操作は著しく簡便である。
【0053】
4)清浄剤組成物の対象歯への塗布・付着方法は、直接対象歯のエナメル質に短時間塗布・付着させる方法で効果が得られ、術者・患者の負担が軽減する。5)清浄剤組成物それぞれが、術前に混合されることにより、保存、安定性に優れる。
Claims (6)
- 過酸化水素及び/または水溶液中で過酸化水素を発生する化合物及び金属イオン(カチオン)を含む歯面清浄剤組成物。
- 前記金属イオン(カチオン)が、鉄、アルミニウム、チタン、亜鉛、銅、マンガン、コバルトを含有する化合物から選ばれる1種以上の金属イオン(カチオン)である、請求項1記載の歯面洗浄剤組成物。
- さらに、合成サポナイト、精製モンモリロナイト、合成ヘクトライトから選ばれる1種以上の層状化合物を含み、前記金属イオンが該1種以上の層状化合物の結晶中に含有されている、請求項1または2記載の歯面清浄剤組成物。
- さらに増粘剤を含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の歯面清浄剤組成物。
- 前記増粘剤が、ヒアルロン酸、デキストラン、ザンサンガム、カードラン、ヘペリン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ポリグルタミン酸から選ばれる1種以上の化合物である、請求項4に記載の歯面清浄剤組成物。
- 過酸化水素及び/または水溶液中で過酸化水素を発生する化合物を含む第1の水溶液と及び金属イオン(カチオン)を含む第2の水溶液あるいは懸濁液との二液タイプのキットからなり、使用に際して第1の水溶液と第2の水溶液あるいは懸濁液とを混合して歯面清浄剤組成物を形成する、請求項1乃至5のいずれかに記載の歯面清浄剤組成物。
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