JP2004087923A - Cover lay - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱性に優れ、且つ、ハロゲン成分を含有しないカバーレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フレキシブル印刷配線板は接着剤付電気絶縁性フィルムと金属箔を積層一体化したフレキシブル銅張積層板上に回路を作製し、更に、この回路保護用としての、半硬化状態の接着剤付電気絶縁性フィルムと剥離紙を積層してなるカバーレイフィルムから剥離紙を剥離したものを、フレキシブル印刷配線板の回路上に積層一体化してなるものである。
このフレキシブル印刷配線板及びカバーレイに共通して要求される特性としては、電気絶縁性フィルムと金属箔との間の接着性、耐熱性、耐溶剤性、電気特性、寸法安定性、長期耐熱性、難燃性等が優れていることが挙げられる。最近では回路基板の小型化、高密度化、軽量化及び高速化に伴い、フレキシブル印刷配線板においても、ファインパターン化、高密度化が進んでおり、更に、優れた接着性だけでなく、高耐熱性/高屈曲性が要求され、また環境問題の観点から臭素系の難燃材を使わない材料、特に接着剤のノンハロゲン化が要求されている。
【0003】
接着剤のノンハロゲン化の方法としては、有機リン酸エステルを含有した難燃材を添加することが検討されているが(特開2000−345035号公報参照)、この方法は大量の難燃材を添加しなければ難燃性が達成できず、更に、形成された回路間の電気絶縁性の低下(特に吸湿時)、更には、接着剤層に添加されたリン添加剤から発生するリン酸イオンに起因する樹脂状突起物(デンドライト)が発生してしまい、最悪の場合には導体間がデンドライトの成長によって短絡し回路が破壊されてしまう、といった不具合があり、現状では満足な特性が得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は高い耐熱性を示し、且つ、上記のような従来のノンハロゲン化方法の問題点を解決した方法により達成される、ハロゲン成分を含有しないカバーレイを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するものであり、a)窒素含有化合物、b)エポキシ樹脂、c)リン原子含有非エポキシ化合物、d)硬化剤からなる接着剤組成物をポリイミドフィルム上に塗布、乾燥してなるカバーレイである。
また、本発明は接着剤組成物中のエポキシ樹脂100重量部に対し、窒素含有化合物を5重量部以上、1,000重量部以下配合した接着剤組成物を用いることを特徴とする請求項1に記載のカバーレイである。
また、本発明は接着剤組成物中のエポキシ樹脂に、1分子中に3個以上の官能基を有するエポキシ樹脂が含まれることを特徴とする請求項1または2に記載のカバーレイである。
また、本発明は接着剤組成物中のエポキシ樹脂がリン原子含有エポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のカバーレイである。
また、本発明は接着剤組成物中のリン原子含有エポキシ樹脂とリン原子を含有しないエポキシ樹脂との比率が、リン原子含有エポキシ樹脂100重量部に対し、リン原子を含有しないエポキシ樹脂5重量部以上、500重量部以下であることを特徴とする請求項4に記載のカバーレイである。
また、本発明は接着剤組成物中の窒素含有化合物がポリアミド−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のカバーレイである。
更に、本発明はa)窒素含有化合物、b)エポキシ樹脂、c)リン原子含有非エポキシ化合物、d)硬化剤中に含まれるリン原子含有率が1重量%以上、5重量%以下であることを特徴とする請求項4または5に記載のカバーレイである。また、本発明は接着剤組成物中の硬化剤がジアミン系化合物であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のカバーレイである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を更に詳細に説明する。
本発明のカバーレイに用いられるポリイミドフィルムとしては、一般にカバーレイに用いられるものであればよい。また、このポリイミドフィルムの厚さは必要に応じて適宜の厚さのものを使用すればよいが、10〜125μmが好ましい。
【0007】
本発明のカバーレイに用いられるポリイミドフィルムに対しては、低温プラズマ処理のような表面処理を行うことが可能である。低温プラズマ処理の方法は、例えば、減圧可能な低温プラズマ処理装置内にポリイミドフィルムを入れ、装置内を無機ガスの雰囲気として、圧力を0.001〜10Torr、好ましくは0.01〜1Torr に保持した状態で、電極間に0.1〜10kVの直流あるいは交流電圧を印加して、グロー放電させることにより、無機ガスの低温プラズマを発生させ、装置内で、このフィルムを順次移動させながら、その表面を連続的に低温プラズマ処理すればよい。この処理時間は、概ね、0.1〜100秒とすればよく、無機ガスとしては、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどの不活性ガスまたは酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、空気等が使用可能であるが、これらは単独または2種以上を併用してもよい。
【0008】
本発明のカバーレイに用いられる接着剤組成物の耐熱性を評価するための物性値として、硬化物のガラス転移点が挙げられるが、このガラス転移点はJIS C 6471に則り、動的粘弾性測定による温度分散データより、tanδ(E’/E’’)が極大値を示す温度と定義される(ただし、E’、E’’はそれぞれ引張モードによる貯蔵弾性率と損失弾性率を示す)。
ガラス転移点が80℃より低い場合には、本発明が目的とする高耐熱性カバーレイが使用されるような高温下での電子部品実装が困難となる。
【0009】
本発明のカバーレイにおける接着剤組成物に用いられるa)成分の窒素含有化合物としては、リン原子とともに接着剤組成物に難燃性を付与する窒素化合物であればよく、例えば、イミド化合物、アミド化合物、イミダゾール化合物等、種々の窒素含有化合物が使用可能であり、内部可塑化効果のある成分を含有する化合物が好ましいが、段落[0019]に後記するように、ポリアミド−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体が特に好ましい。
本発明のカバーレイに使用される接着剤組成物における窒素含有化合物は、接着剤組成物の成分として使用するエポキシ樹脂100重量部に対し、5重量部以上、1,000重量部以下の範囲内で混合使用される。5重量部未満の場合は、得られたカバーレイの耐熱性が低下し、1,000重量部を超える場合には、接着剤層が硬くなり過ぎ、好ましくない。なお、より好ましい配合量は50重量部〜200重量部の範囲内である。
【0010】
本発明のカバーレイに用いられる接着剤組成物の成分であるb)成分のエポキシ樹脂は、一分子中にエポキシ基を2個以上有し、且つ、ハロゲン原子を含有しないものである。これらのエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル系エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等のグリシジルアミン系エポキシ樹脂;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等の直鎖状脂肪族エポキサイド系樹脂が広く用いられる。
【0011】
本発明のカバーレイに用いられる接着剤組成物の成分として、カバーレイの難燃性を高めるために、リン原子を含んだエポキシ樹脂を使用する。
リン原子含有エポキシ樹脂はリン原子を化学結合で取り込んだエポキシ樹脂であり、一分子中にエポキシ基を2個以上有するものであればよく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル系エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等のグリシジルアミン系エポキシ樹脂;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等の直鎖状脂肪族エポキサイド系樹脂を骨格としているものであればよい。
【0012】
なお、これらのリン原子含有エポキシ樹脂の具体的な合成方法については、特公平6−53785号公報、特開2000−336145号公報等でビスフェノールF型エポキシ樹脂のベンゼン環にジフェニルリン酸を付加する方法が示されている。また市販の商品として使用可能なものは、大日本インキ化学工業(株)製のEXA−9710(エポキシ当量496、リン原子含有量3重量%)、同−9709(エポキシ当量370、リン原子含有量2.4重量%)、東都化成工業(株)製のFX298(エポキシ当量230〜290、リン原子含有量2〜3重量%)等が挙げられる。
【0013】
上記のリン原子含有エポキシ樹脂に含まれるリン原子は燃焼の際に、本発明に用いる窒素含有化合物中の窒素原子とともにカバーレイに難燃性を付与し、且つ、このリン原子はエポキシ樹脂中に化学結合で固定されているため、従来の有機リン酸エステル系添加剤のように加水分解され、イオン化したリン酸が導体間をマイグレートして電気絶縁性を低下させたり、導体間にデンドライトを発生させることがない。
【0014】
また、上記のリン原子含有エポキシ樹脂とリン原子を含有しないエポキシ樹脂を混合して用いることにより、カバーレイの難燃性、耐熱性及びポリイミドフィルムと金属箔との接着性の向上を図ることができる。
リン原子を含有するエポキシ樹脂と含有しないエポキシ樹脂の比率はリン原子含有エポキシ樹脂100重量部に対して5重量部以上、500重量部以下の範囲内で、リン原子を含有しないエポキシ樹脂を使用できるが、より好ましくは50重量部以上、200重量部以下である。リン原子を含有しないエポキシ樹脂が5重量部未満の場合は、得られた接着剤の密着性、耐熱性が不十分になり、500重量部を超える場合には接着剤の難燃性が低下する。
【0015】
本発明のカバーレイに用いられる接着剤組成物において、a)窒素含有化合物、b)エポキシ樹脂、c)リン原子含有非エポキシ化合物、d)硬化剤中に含まれるリン原子を1重量%以上、5重量%以下の範囲で含有することを特徴とする。より好ましくは、1.5重量%以上3.5重量%以下である。リン原子含有量が1重量%未満では得られるカバーレイの難燃性が低下し、5重量%を超えると難燃性以外のカバーレイの基本特性が大きく低下してしまう。
【0016】
本発明のカバーレイに使用される接着剤組成物には、難燃性を更に向上させるためにc)成分のリン原子含有非エポキシ化合物が用いられる。c)成分のリン原子含有非エポキシ化合物としては、市販のリン原子含有非エポキシ化合物が全て使用可能であり、具体例としては、有機リン酸エステル系化合物、フォスファゼン化合物、各種無機系リン酸化合物が挙げられるが、これらの化合物は、含有するリン原子が加水分解した場合、リン酸イオンを発生し、これらがイオン不純物として、フレキシブル印刷配線板の回路間で、針状の銅成分を析出させ、最終的には回路間での短絡現象を生じさせるため、その配合量は限定されねばならず、その配合量は、a)窒素含有化合物、b)エポキシ樹脂、c)リン原子含有非エポキシ化合物及びd)硬化剤中に含まれるc)リン原子含有非エポキシ化合物のリン原子含有率で0.5重量%以上、2.5重量%以下が好ましく、更に好ましくは0.5重量%以上1.5重量%以下の範囲が好ましい。
【0017】
本発明のカバーレイにおける接着剤組成物に用いられるd)成分の硬化剤としては、通常、エポキシ樹脂に対して使用されるものであればよく、例えば、脂肪族アミン系硬化剤、脂環族アミン系硬化剤、芳香族アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミド、三弗化ホウ素アミン錯塩等が例示される。これらの硬化剤は金属イオンのマイグレーション性に与える影響が大きく、特に活性の高いアミンを使用すると、金属イオンの耐マイグレーション性が低下するので、芳香族アミン、例えば4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等のジアミン系化合物が特に好ましく、これらは単独または2種以上を併用して用いることもできる。
【0018】
本発明のカバーレイに用いられる接着剤組成物にはエポキシ樹脂として、耐熱性を高める目的で、一分子中に官能基を3個以上有する多官能エポキシ樹脂を含むものが用いられる。市販の商品として使用可能なものは、EOCN103S、502H、エピコート604、エピコート154(いずれもジャパンエポキシレジン社製エポキシ樹脂商品名)等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独あるいは2種以上併用して用いることができる。
【0019】
本発明のカバーレイにおける接着剤組成物に用いられる窒素含有化合物としては、リン原子とともに接着剤組成物に難燃性を付与する窒素化合物であればよく、前記段落[0009]に記載の窒素化合物が例示されるが、特に、ポリアミド−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体が好ましい。これらの化合物はそれぞれ、エラストマー成分と耐熱性を付与するアミド成分を併わせ有しており、難燃性だけでなく耐熱性付与の観点からも有効である。
【0020】
本発明のカバーレイにおける接着剤組成物に用いられるポリアミド−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体としては,例えば,ブタジエン−アクリロニトリルとポリアミド各成分が重量比で1:1、アクリロニトリル成分が17mol%、分子量が約50,000の化合物が挙げられる。この化合物の合成法については、特開2001−31784号公報に、また、この化合物をカバーレイに応用した例については、特開2001−81282号公報及び2001−139775号公報等に記載されている。しかし、これらのカバーレイでは、ノンハロゲンの材料構成による、難燃性の発現については記載されておらず、また、接着剤組成物にリン原子含有エポキシ樹脂、リン原子含有非エポキシ化合物を使用することについても記載されていない。
【0021】
本発明のカバーレイに使用される接着剤組成物には、任意に、接着剤の硬化を速めるために、硬化促進剤を使用することも可能である。これらは、エポキシ樹脂の硬化促進に用いられる物質であれば全て使用できるが、具体的に例示すると、トリフェニルフォスフィン、トリブチルフォスフィン、トリ(p−トルイル)フォスフィン、トリ(p−メトキシフェニル)フォスフィン、トリ(p−エトキシフェニル)フォスフィン、トリフェニルフォスフィン・トリフェニルボレート、テトラフェニルフォスフォニウム・テトラフェニルボレート等のトリオルガノフォスフィン類や四級フォスフォニウム塩などが挙げられ、これらの中の単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
また、本発明においては種々のイミダゾール化合物も硬化促進剤として使用可能であり、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールまたはこれらの化合物のエチルイソシアネート化合物、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。これらの中の単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
更に、硬化促進剤としては、その他にもトリエチレンアンモニウムトリフェニルボレート等の第三級アミン及びそのテトラフェニルホウ素酸塩、ホウ弗化亜鉛、ホウ弗化錫、ホウ弗化ニッケル等のホウ弗化物、オクチル酸錫、オクチル酸亜鉛等のオクチル酸塩も使用可能であり、これらは単独または2種類以上を併用して用いることができる。これら硬化促進剤の配合量は全エポキシ樹脂(リン原子含有エポキシ樹脂とリン原子を含有しないエポキシ樹脂の和)100重量部に対し、0.1〜50重量部が好ましく、更に、好ましくは、0.5〜20重量部である。
硬化促進剤の配合量が0.1重量部未満であると十分に硬化せず、50重量部を超えると接着剤組成物の保存安定性が低下する。
【0022】
本発明のカバーレイに使用される接着剤組成物には、その諸特性を低下させない範囲で、任意に、その他の樹脂や添加剤を加えることが可能である。例えば、難燃助剤としての水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化ケイ素等の金属水酸化物、金属酸化物が挙げられる。
【0023】
本発明のカバーレイに使用される接着剤組成物はその溶液として使用されるが、溶液の固形分濃度は10〜45重量%であればよく、好ましくは20〜35重量%である。固形分濃度が45重量%を超えると溶液粘度の上昇や固形分と溶剤との相溶性の低下により、塗工性が悪くなり作業性が低下し、10重量%未満であると塗工むらが生じ易くなり、更には、脱溶剤量が多くなるため、環境面や経済性の悪化等の問題を生じる。この接着剤組成物と溶剤とはポットミル、ボールミル、ホモジナイザ、スーパーミル等を用いて混合される。
【0024】
以下に、本発明のカバーレイの製造方法について述べる。
予め、調製された接着剤組成物に所定量の溶剤を混合してなる接着剤溶液をリバースロールコータ、コンマコータ等を用いて、ポリイミドフィルム上に塗布する。これをインラインドライヤに通し80℃〜160℃で2〜10分間処理し、溶剤を除去、乾燥し、半硬化状態とすることで、本発明のカバーレイが得られる。
本発明のカバーレイにおける接着剤組成物の塗布膜の乾燥後の厚さは5〜45μmであればよく、好ましくは5〜35μmである。
【0025】
【実施例】
次に本発明の実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0026】
(実施例1)
表1の実施例1の欄に示す接着剤組成物の各成分を用い、溶剤として(N,N−ジメチルホルムアミド)/(メチルエチルケトン)=60/40(体積比)の混合溶剤を用いて、固形分濃度が25重量%の接着剤溶液を得た。一方、厚さが12.5μmのアピカルNPI(鐘淵化学社製ポリイミドフィルム商品名)の片面に低温プラズマ処理を施した。このプラズマ処理は0.1Torr、酸素流量を1.0リットル/分で供給し、印加電圧2kV、周波数110kHzで30kWの電力を入力しながら、処理スピード10m/分で表面処理した。次いで、アプリケータで、上記で調製した接着剤溶液を乾燥後の厚さが25μmになるようにポリイミドフィルム面上に塗布し、120℃、10分間の加熱で接着剤を半硬化状態とし、本発明のカバーレイを得た。このカバーレイの諸特性を後記の方法に従って測定し、その結果を表3に示した。
【0027】
(実施例2)
表1の実施例2の欄に示す接着剤組成物の各成分を用いること以外は実施例1と同様の方法でカバーレイを作製した。これらのカバーレイの特性を後記の方法に従って測定し、その結果を表3に示した。
【0028】
(比較例1)
表2の比較例1の欄に示す接着剤組成物の各成分を用いること以外は、実施例1と同様の方法でカバーレイを作製した。これらのカバーレイの特性の測定結果を表3に示した。
【0029】
(実施例、比較例で使用する各材料の説明)
(1)化合物(1):ブタジエン−アクリロニトリルとポリアミド各成分が重量比で1:1、アクリロニトリル成分が17mol%、分子量が約50,000の共重合体、
(2)EXA−9710:大日本インキ化学工業(株)製リン原子含有エポキシ樹脂の商品名、リン原子含有率3.0重量%、エポキシ当量496、
(3)FX−279B:東都化成(株)製リン原子含有エポキシ樹脂商品名、リン原子含有率2.0重量%、エポキシ当量308、
(4)エピコート828:ジャパンエポキシレジン(株)製ビスフェノールA型エポキシ樹脂商品名、エポキシ当量187、
(5)DDS:4,4’−ジアミノジフェニルスルフォンの略称、
(6)2E−4MZ:四国化成工業(株)製イミダゾール系硬化促進剤商品名、
(7)MEA:モノエチルアミンの略称、
(8)Dicy:ジシアンジアミドの略称、
(9)アピカルNPI:鐘淵化学工業(株)製ポリイミドフィルム商品名、25μm厚、
(10)JTC;ジャパンエナジー(株)製電解銅箔商品名、35μm厚、
(11)ハイジライトH43:昭和電工(株)製水酸化アルミニウム商品名、
(12)PX−200:大八化学(株)製リン酸エステル系難燃剤商品名、リン原子含有非エポキシ化合物、リン原子含有率9.0重量%、
(13)バイロン30P:東洋紡績(株)製ポリエステル系エラストマー商品名、
(14)EOCN103S:日本化薬(株)製エポキシ樹脂商品名、エポキシ当量210、1分子中のエポキシ基の数7〜9、
(15)エピコート604:ジャパンエポキシレジン(株)製エポキシ樹脂商品名、エポキシ当量117、1分子中のエポキシ基の数4、
(16)エピコート517:ジャパンエポキシレジン(株)製エポキシ樹脂商品名、エポキシ当量557、
(17)HCA:三光社製環状有機リン酸化合物、リン原子含有非エポキシ化合物、リン原子含有率14.3重量%、
(18)キスマ5P:協和化学工業(株)製難燃剤フィラー商品名。
【0030】
表1、2中の数量を示す部は重量部である。
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
カバーレイの特性の測定は下記の各方法に従って行った。
(剥離強度)
各実施例で得られたカバーレイについて、JIS C 6481に準拠して、電解銅箔の光沢面とカバーレイの接着剤塗布面をプレス装置で貼り合せた(プレス条件は160℃、4.9Mpa、40分である)。このサンプル巾が10mmになるようにプレスされたサンプルを切断し、ポリイミドフィルム側を固定し、銅箔を25℃雰囲気下で、90°方向に50mm/分の速度で引き剥がしたときの剥離力を測定した。
(半田耐熱性)
各実施例で得られたカバーレイについて、JIS C 6481に準拠して、サンプルを25mm角に切断し、フロー半田上に30秒間浮かべて、膨れ、剥れ等を生じない温度の最高値を測定した。
(難燃性)
各実施例で得られたカバーレイについて、UL94難燃性規格に準拠して難燃性グレードを測定した。
(イオンマイグレーション特性)
100μmピッチの回路を印刷した基板に対し、本発明のカバーレイを160℃、4.9Mpa、1時間の条件で圧着した後、135℃、湿度85%の条件下で、回路間に100Vの電圧を印加し、100時間後に導体間で短絡の発生、あるいはデンドライトの成長が認められた場合を×とし、このような現象が認められない場合を○とした。
【0034】
(接着剤硬化物のガラス転移点の測定)
難燃性試験を行ったものと同じ構成(銅箔を除去した接着剤付きポリイミドフィルム)のサンプルを用いて、下記の条件で動的粘弾性を測定し、得られたtanδが極大値を示す温度を接着剤硬化物のガラス転移点とした。
ガラス転移点測定機器:レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー(株)製粘弾性アナライザー、商品名RSA−III、
測定モード:引っ張り、
チャック間距離:10mm、
測定温度:0〜300℃、
摂動周波数:5ヘルツ、
昇温速度:2.5℃/分、
サンプル幅:10mm。
【0035】
(実施例の総括)
(実施例1〜2)
実施例1、2のサンプルは、本発明における接着剤組成物を用いたカバーレイであり、表3によれば、その特性の評価は、剥離強度、半田耐熱性、イオンマイグレーション特性、難燃性がともに優れ、且つ、高いガラス転移点を示すことがわかり、高耐熱性でハロゲンを含有しないカバーレイであることが明らかになった。
(比較例1)
比較例1のサンプル作製に使用した接着剤組成物には、本発明における請求項1記載の成分を使用せず、替わりにポリエステル系エラストマーを用いたため、それらの接着剤組成物の硬化物のガラス転移点が本発明の明細書における限定値よりかなり低く、比較例1のサンプルは、本発明のカバーレイとは本質的に異なるものである。表3の記載によれば、それらの特性の評価は、剥離強度、半田耐熱性、イオンマイグレーション特性、難燃性ともに、本発明のカバーレイのそれより劣っていることは明らかである。
【0036】
【発明の効果】
本発明により高耐熱性で、ハロゲン成分を含有しないカバーレイを得ることが可能になる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a coverlay which has excellent heat resistance and does not contain a halogen component.
[0002]
[Prior art]
The flexible printed wiring board is a circuit made on a flexible copper-clad laminate in which an electrically insulating film with an adhesive and a metal foil are laminated and integrated, and a semi-cured adhesive with an adhesive in a semi-cured state to protect the circuit. The release paper is peeled off from a coverlay film formed by laminating a conductive film and a release paper, and is laminated and integrated on a circuit of a flexible printed wiring board.
The characteristics commonly required for this flexible printed wiring board and cover lay include adhesion between an electrically insulating film and a metal foil, heat resistance, solvent resistance, electric characteristics, dimensional stability, and long-term heat resistance. And excellent flame retardancy and the like. Recently, with the miniaturization, high density, light weight, and high speed of circuit boards, fine patterning and high density of flexible printed wiring boards have been progressing. Heat resistance / high flexibility is required, and from the viewpoint of environmental issues, materials which do not use brominated flame retardants, especially non-halogenated adhesives are required.
[0003]
As a method of non-halogenation of the adhesive, addition of a flame retardant containing an organic phosphoric ester has been studied (see Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-345035). If not added, flame retardancy cannot be achieved, furthermore, the electrical insulation between the formed circuits is reduced (especially when absorbing moisture), and further, phosphate ions generated from the phosphorus additive added to the adhesive layer In the worst case, dendrites grow between the conductors and short-circuits are caused by the growth of dendrites, which destroys the circuit. Not.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a coverlay which does not contain a halogen component and which has a high heat resistance and is achieved by a method which solves the problems of the conventional non-halogenation method as described above.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The present invention solves the above-mentioned problems. An adhesive composition comprising a) a nitrogen-containing compound, b) an epoxy resin, c) a phosphorus-containing non-epoxy compound, and d) a curing agent is coated on a polyimide film, and dried. This is a coverlay.
Further, the present invention uses an adhesive composition in which a nitrogen-containing compound is blended in an amount of 5 to 1,000 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the epoxy resin in the adhesive composition. Is a coverlay described in 1.
The present invention also provides the coverlay according to claim 1 or 2, wherein the epoxy resin in the adhesive composition contains an epoxy resin having three or more functional groups in one molecule.
The present invention is the coverlay according to any one of claims 1 to 3, wherein the epoxy resin in the adhesive composition contains a phosphorus atom-containing epoxy resin.
Further, the present invention provides that the ratio of the phosphorus atom-containing epoxy resin to the phosphorus atom-free epoxy resin in the adhesive composition is 5 parts by weight of the phosphorus atom-containing epoxy resin to 100 parts by weight of the phosphorus atom-containing epoxy resin. The coverlay according to claim 4, wherein the content is 500 parts by weight or less.
The present invention also provides the coverlay according to any one of claims 1 to 5, wherein the nitrogen-containing compound in the adhesive composition is a polyamide-butadiene-acrylonitrile copolymer.
Further, in the present invention, the content of the phosphorus atom contained in a) a nitrogen-containing compound, b) an epoxy resin, c) a non-epoxy compound containing a phosphorus atom, and d) a curing agent is 1% by weight or more and 5% by weight or less. The coverlay according to claim 4 or 5, characterized in that: The present invention is the coverlay according to any one of claims 1 to 7, wherein the curing agent in the adhesive composition is a diamine-based compound.
[0006]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
The polyimide film used for the cover lay of the present invention may be any film that is generally used for a cover lay. The thickness of the polyimide film may be an appropriate thickness if necessary, but is preferably 10 to 125 μm.
[0007]
The polyimide film used for the coverlay of the present invention can be subjected to a surface treatment such as a low-temperature plasma treatment. In the low-temperature plasma processing method, for example, a polyimide film is placed in a low-pressure plasma processing apparatus capable of reducing pressure, the inside of the apparatus is set to an atmosphere of an inorganic gas, and the pressure is maintained at 0.001 to 10 Torr, preferably 0.01 to 1 Torr. In this state, a DC or AC voltage of 0.1 to 10 kV is applied between the electrodes to perform glow discharge, thereby generating a low-temperature plasma of an inorganic gas. May be continuously subjected to low-temperature plasma treatment. The treatment time may be approximately 0.1 to 100 seconds. As the inorganic gas, an inert gas such as helium, neon, or argon or oxygen, carbon monoxide, carbon dioxide, ammonia, air, or the like can be used. However, these may be used alone or in combination of two or more.
[0008]
The physical property value for evaluating the heat resistance of the adhesive composition used for the coverlay of the present invention includes a glass transition point of a cured product, and the glass transition point is a dynamic viscoelasticity according to JIS C6471. From the measured temperature dispersion data, tan δ (E ′ / E ″) is defined as the temperature at which the maximum value is exhibited (however, E ′ and E ″ indicate the storage elastic modulus and the loss elastic modulus in the tensile mode, respectively). .
When the glass transition point is lower than 80 ° C., it is difficult to mount electronic components at a high temperature at which a high heat-resistant coverlay intended by the present invention is used.
[0009]
The nitrogen-containing compound of the component a) used in the adhesive composition in the coverlay of the present invention may be a nitrogen compound that imparts flame retardancy to the adhesive composition together with a phosphorus atom. Various nitrogen-containing compounds such as a compound and an imidazole compound can be used, and a compound containing a component having an internal plasticizing effect is preferable. As described later in paragraph [0019], a polyamide-butadiene-acrylonitrile copolymer is used. Is particularly preferred.
The nitrogen-containing compound in the adhesive composition used in the coverlay of the present invention is in the range of 5 parts by weight or more and 1,000 parts by weight or less based on 100 parts by weight of the epoxy resin used as a component of the adhesive composition. Used mixed. When the amount is less than 5 parts by weight, the heat resistance of the obtained coverlay is reduced. When the amount exceeds 1,000 parts by weight, the adhesive layer becomes too hard, which is not preferable. In addition, a more preferable compounding amount is in the range of 50 parts by weight to 200 parts by weight.
[0010]
The epoxy resin of component b), which is a component of the adhesive composition used for the coverlay of the present invention, has two or more epoxy groups in one molecule and does not contain a halogen atom. These epoxy resins include glycidyl ether epoxy resins such as bisphenol A epoxy resin, bisphenol F epoxy resin and phenol novolak epoxy resin; glycidyl ester epoxy resins such as glycidyl hexahydrophthalate and glycidyl dimer. Glycidylamine epoxy resins such as triglycidyl isocyanurate and tetraglycidyldiaminodiphenylmethane; and linear aliphatic epoxide resins such as epoxidized polybutadiene and epoxidized soybean oil are widely used.
[0011]
An epoxy resin containing a phosphorus atom is used as a component of the adhesive composition used in the coverlay of the present invention in order to enhance the flame retardancy of the coverlay.
The phosphorus atom-containing epoxy resin is an epoxy resin in which a phosphorus atom is incorporated by a chemical bond, and may be any resin having two or more epoxy groups in one molecule, such as bisphenol A type epoxy resin, bisphenol F type epoxy resin, and phenol novolak. Glycidyl ether epoxy resin such as epoxy resin; glycidyl ester epoxy resin such as glycidyl hexahydrophthalate and glycidyl dimer; glycidyl amine epoxy resin such as triglycidyl isocyanurate and tetraglycidyl diaminodiphenylmethane; epoxidized polybutadiene Any resin having a skeleton of a linear aliphatic epoxide resin such as epoxidized soybean oil may be used.
[0012]
The specific synthesis method of these phosphorus atom-containing epoxy resins is disclosed in Japanese Patent Publication No. 6-53785, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-336145, and the like, in which diphenylphosphoric acid is added to the benzene ring of a bisphenol F type epoxy resin. The method is shown. Further, commercially available products include EXA-9710 (epoxy equivalent 496, phosphorus atom content 3% by weight) and 9709 (epoxy equivalent 370, phosphorus atom content) manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, Inc. 2.4% by weight) and FX298 (Epoxy equivalent 230 to 290, phosphorus atom content 2 to 3% by weight) manufactured by Toto Kasei Kogyo Co., Ltd.
[0013]
The phosphorus atom contained in the above-mentioned phosphorus atom-containing epoxy resin imparts flame retardancy to the coverlay together with the nitrogen atom in the nitrogen-containing compound used in the present invention during combustion, and this phosphorus atom is contained in the epoxy resin. Because they are fixed by chemical bonds, they are hydrolyzed and ionized phosphoric acid migrates between conductors to reduce electrical insulation, as in conventional organic phosphoric acid ester-based additives, or dendrites are formed between conductors. It does not occur.
[0014]
In addition, by mixing and using the above-mentioned phosphorus atom-containing epoxy resin and a phosphorus atom-free epoxy resin, it is possible to improve the flame retardancy of the cover lay, heat resistance, and adhesion between the polyimide film and the metal foil. it can.
The ratio of the epoxy resin containing a phosphorus atom to the epoxy resin not containing is within a range of 5 parts by weight or more and 500 parts by weight or less based on 100 parts by weight of a phosphorus atom-containing epoxy resin, and an epoxy resin containing no phosphorus atom can be used. However, it is more preferably 50 parts by weight or more and 200 parts by weight or less. When the amount of the epoxy resin containing no phosphorus atom is less than 5 parts by weight, the adhesiveness and heat resistance of the obtained adhesive become insufficient, and when it exceeds 500 parts by weight, the flame retardancy of the adhesive decreases. .
[0015]
In the adhesive composition used in the coverlay of the present invention, 1% by weight or more of a phosphorus atom contained in a) a nitrogen-containing compound, b) an epoxy resin, c) a non-epoxy compound containing a phosphorus atom, and d) a curing agent. It is characterized in that it is contained in a range of 5% by weight or less. More preferably, the content is 1.5% by weight or more and 3.5% by weight or less. If the phosphorus atom content is less than 1% by weight, the flame retardancy of the obtained coverlay is reduced, and if it exceeds 5% by weight, the basic properties of the coverlay other than the flame retardant are greatly reduced.
[0016]
In the adhesive composition used for the coverlay of the present invention, a phosphorus atom-containing non-epoxy compound as the component c) is used in order to further improve the flame retardancy. As the phosphorus atom-containing non-epoxy compound of the component c), all commercially available phosphorus atom-containing non-epoxy compounds can be used, and specific examples thereof include organic phosphate ester compounds, phosphazene compounds, and various inorganic phosphate compounds. However, these compounds, when the contained phosphorus atom is hydrolyzed, generates phosphate ions, these as ionic impurities, between the circuits of the flexible printed wiring board, to precipitate a needle-shaped copper component, In order to eventually cause a short circuit phenomenon between circuits, the amount of the compound must be limited, and the amount of the compound may be a) a nitrogen-containing compound, b) an epoxy resin, c) a phosphorus atom-containing non-epoxy compound and d) The phosphorus atom content of the c) phosphorus atom-containing non-epoxy compound contained in the curing agent is preferably 0.5% by weight or more and 2.5% by weight or less, more preferably Preferably in the range of 0.5 wt% to 1.5 wt% or less.
[0017]
As the curing agent of the component d) used in the adhesive composition in the coverlay of the present invention, any one may be used as long as it is generally used for an epoxy resin. For example, an aliphatic amine curing agent, an alicyclic resin Examples thereof include amine-based curing agents, aromatic amine-based curing agents, acid anhydride-based curing agents, dicyandiamide, and boron trifluoride amine complex salts. These curing agents have a large effect on the migration properties of metal ions, and particularly when an amine having high activity is used, the migration resistance of metal ions is reduced, so that aromatic amines such as 4,4′-diaminodiphenylsulfone, Diamine compounds such as 3,3'-diaminodiphenylsulfone and 4,4'-diaminodiphenylmethane are particularly preferred, and these can be used alone or in combination of two or more.
[0018]
In the adhesive composition used in the coverlay of the present invention, an epoxy resin containing a polyfunctional epoxy resin having three or more functional groups in one molecule is used for the purpose of enhancing heat resistance. Commercially available products include EOCN103S, 502H, Epicoat 604, Epicoat 154 (all are epoxy resin trade names manufactured by Japan Epoxy Resin Co., Ltd.) and the like. These epoxy resins can be used alone or in combination of two or more.
[0019]
The nitrogen-containing compound used in the adhesive composition in the coverlay of the present invention may be any nitrogen compound that imparts flame retardancy to the adhesive composition together with phosphorus atoms, and the nitrogen compound described in the above paragraph [0009]. And a polyamide-butadiene-acrylonitrile copolymer is particularly preferable. Each of these compounds has both an elastomer component and an amide component that imparts heat resistance, and is effective from the viewpoint of imparting heat resistance as well as flame retardancy.
[0020]
As the polyamide-butadiene-acrylonitrile copolymer used in the adhesive composition in the coverlay of the present invention, for example, butadiene-acrylonitrile and each component of polyamide are 1: 1 by weight, the acrylonitrile component is 17 mol%, and the molecular weight is about 50,000 compounds. A method for synthesizing this compound is described in JP-A-2001-31784, and examples of applying this compound to a coverlay are described in JP-A-2001-81282 and 2001-139775. . However, these coverlays do not describe the development of flame retardancy due to the non-halogen material composition, and use of a phosphorus atom-containing epoxy resin or a phosphorus atom-containing non-epoxy compound in the adhesive composition. Is not described.
[0021]
Optionally, a curing accelerator may be used in the adhesive composition used in the coverlay of the present invention to speed the curing of the adhesive. Any of these can be used as long as they are substances used for accelerating the curing of the epoxy resin. Specific examples include triphenylphosphine, tributylphosphine, tri (p-tolyl) phosphine, and tri (p-methoxyphenyl). Triorganophosphines such as phosphine, tri (p-ethoxyphenyl) phosphine, triphenylphosphine / triphenylborate, tetraphenylphosphonium / tetraphenylborate, and quaternary phosphonium salts, and the like. Or a mixture of two or more of them.
In the present invention, various imidazole compounds can also be used as a curing accelerator, for example, 2-methylimidazole, 2-ethylimidazole, 2-ethyl-4-methylimidazole or an ethyl isocyanate compound of these compounds, -Phenylimidazole, 2-phenyl-4-methylimidazole, 2-phenyl-4-methyl-5-hydroxymethylimidazole, 2-phenyl-4,5-dihydroxymethylimidazole and the like. These can be used alone or in combination of two or more.
Further, other curing accelerators include tertiary amines such as triethyleneammonium triphenylborate and the like, and borofluorides such as tetraphenylborate, zinc borofluoride, tin borofluoride and nickel borofluoride. And octylates such as tin octylate, zinc octylate and the like can also be used, and these can be used alone or in combination of two or more. The compounding amount of these curing accelerators is preferably 0.1 to 50 parts by weight, more preferably 0 to 50 parts by weight, based on 100 parts by weight of all epoxy resins (the sum of a phosphorus atom-containing epoxy resin and a phosphorus atom-free epoxy resin). 0.5 to 20 parts by weight.
If the amount of the curing accelerator is less than 0.1 part by weight, the composition is not sufficiently cured, and if it exceeds 50 parts by weight, the storage stability of the adhesive composition is reduced.
[0022]
Other resins and additives can be arbitrarily added to the adhesive composition used in the coverlay of the present invention as long as the various properties are not reduced. For example, metal hydroxides and metal oxides such as aluminum hydroxide, magnesium hydroxide, and silicon dioxide as flame retardant aids may be mentioned.
[0023]
The adhesive composition used in the coverlay of the present invention is used as a solution, and the solid content concentration of the solution may be 10 to 45% by weight, preferably 20 to 35% by weight. If the solid content exceeds 45% by weight, the coating property is deteriorated due to an increase in the solution viscosity and the compatibility between the solid content and the solvent is reduced, and the workability is reduced. If the solid content is less than 10% by weight, uneven coating is caused. This is likely to occur, and furthermore, the amount of solvent removed will increase, causing problems such as environmental and economical deterioration. The adhesive composition and the solvent are mixed using a pot mill, a ball mill, a homogenizer, a super mill, or the like.
[0024]
Hereinafter, the manufacturing method of the coverlay of the present invention will be described.
An adhesive solution prepared by mixing a predetermined amount of a solvent with the prepared adhesive composition is applied on a polyimide film using a reverse roll coater, a comma coater, or the like. This is passed through an inline dryer and treated at 80 ° C. to 160 ° C. for 2 to 10 minutes, the solvent is removed, dried, and semi-cured to obtain the coverlay of the present invention.
The dried thickness of the coating film of the adhesive composition in the coverlay of the present invention may be 5 to 45 μm, and preferably 5 to 35 μm.
[0025]
【Example】
Next, examples of the present invention will be described, but the present invention is not limited to these examples.
[0026]
(Example 1)
Using each component of the adhesive composition shown in the column of Example 1 in Table 1, using a mixed solvent of (N, N-dimethylformamide) / (methyl ethyl ketone) = 60/40 (volume ratio) as a solvent, An adhesive solution having a concentration of 25% by weight was obtained. On the other hand, a low-temperature plasma treatment was performed on one surface of an apical NPI (polyimide film trade name, manufactured by Kaneka Corporation) having a thickness of 12.5 μm. In this plasma treatment, the surface treatment was performed at a treatment speed of 10 m / min while supplying 0.1 Torr, an oxygen flow rate of 1.0 liter / min, an applied voltage of 2 kV, a frequency of 110 kHz, and a power of 30 kW. Next, using an applicator, apply the adhesive solution prepared above on the polyimide film surface so that the thickness after drying becomes 25 μm, and heat the adhesive to a semi-cured state by heating at 120 ° C. for 10 minutes. An inventive coverlay was obtained. Various characteristics of the coverlay were measured according to the methods described later, and the results are shown in Table 3.
[0027]
(Example 2)
A coverlay was prepared in the same manner as in Example 1 except that the components of the adhesive composition shown in the column of Example 2 in Table 1 were used. The characteristics of these coverlays were measured according to the methods described below, and the results are shown in Table 3.
[0028]
(Comparative Example 1)
A coverlay was prepared in the same manner as in Example 1 except that each component of the adhesive composition shown in the column of Comparative Example 1 in Table 2 was used. Table 3 shows the measurement results of the characteristics of these coverlays.
[0029]
(Description of each material used in Examples and Comparative Examples)
(1) Compound (1): copolymer having a weight ratio of butadiene-acrylonitrile and polyamide components of 1: 1, an acrylonitrile component of 17 mol%, and a molecular weight of about 50,000;
(2) EXA-9710: trade name of a phosphorus atom-containing epoxy resin manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, Ltd., phosphorus atom content: 3.0% by weight, epoxy equivalent: 496,
(3) FX-279B: trade name of a phosphorus atom-containing epoxy resin manufactured by Toto Kasei Co., Ltd., phosphorus atom content 2.0% by weight, epoxy equivalent 308,
(4) Epicoat 828: Bisphenol A type epoxy resin trade name, manufactured by Japan Epoxy Resin Co., Ltd., epoxy equivalent 187,
(5) DDS: abbreviation for 4,4′-diaminodiphenylsulfone,
(6) 2E-4MZ: trade name of imidazole-based curing accelerator manufactured by Shikoku Chemical Industry Co., Ltd.
(7) MEA: Abbreviation of monoethylamine,
(8) Dicy: an abbreviation for dicyandiamide,
(9) Apical NPI: polyimide film trade name, manufactured by Kanegafuchi Chemical Industry Co., Ltd., 25 μm thick,
(10) JTC; trade name of electrolytic copper foil manufactured by Japan Energy Co., Ltd., 35 μm thick,
(11) Heidilite H43: trade name of aluminum hydroxide manufactured by Showa Denko KK
(12) PX-200: trade name of phosphate ester flame retardant manufactured by Daihachi Chemical Co., Ltd., phosphorus atom-containing non-epoxy compound, phosphorus atom content of 9.0% by weight,
(13) Byron 30P: brand name of polyester-based elastomer manufactured by Toyobo Co., Ltd.
(14) EOCN103S: Nippon Kayaku Co., Ltd. epoxy resin trade name, epoxy equivalent 210, number of epoxy groups 7 to 9 in one molecule,
(15) Epicoat 604: trade name of epoxy resin manufactured by Japan Epoxy Resins Co., Ltd., epoxy equivalent 117, number of epoxy groups in one molecule 4,
(16) Epicoat 517: trade name of epoxy resin manufactured by Japan Epoxy Resin Co., Ltd., epoxy equivalent 557,
(17) HCA: cyclic organic phosphate compound, non-epoxy compound containing phosphorus atom, manufactured by Sanko Co., phosphorus atom content 14.3% by weight,
(18) Kisuma 5P: trade name of flame retardant filler manufactured by Kyowa Chemical Industry Co., Ltd.
[0030]
Parts indicating the quantity in Tables 1 and 2 are parts by weight.
[Table 1]
[0031]
[Table 2]
[0032]
[Table 3]
[0033]
The characteristics of the coverlay were measured according to the following methods.
(Peel strength)
With respect to the coverlay obtained in each example, the glossy surface of the electrolytic copper foil and the adhesive-coated surface of the coverlay were bonded by a press device in accordance with JIS C6481 (press conditions: 160 ° C., 4.9 Mpa). , 40 minutes). Peeling force when the sample pressed so that the sample width becomes 10 mm, the polyimide film side is fixed, and the copper foil is peeled off at a rate of 50 mm / min in a direction of 90 ° under an atmosphere of 25 ° C. Was measured.
(Solder heat resistance)
For the coverlay obtained in each example, the sample was cut into 25 mm squares according to JIS C 6481 and floated on flow solder for 30 seconds to measure the maximum temperature at which no swelling or peeling occurred. did.
(Flame retardance)
The flame retardancy grade of the coverlay obtained in each example was measured in accordance with the UL94 flame retardancy standard.
(Ion migration characteristics)
The coverlay of the present invention was crimped on a substrate on which a circuit with a pitch of 100 μm was printed at 160 ° C., 4.9 Mpa for 1 hour, and a voltage of 100 V was applied between the circuits at 135 ° C. and 85% humidity. Was applied, and after 100 hours, the occurrence of a short circuit between the conductors or dendrite growth was recognized as x, and the case where such a phenomenon was not observed was evaluated as ○.
[0034]
(Measurement of glass transition point of cured adhesive)
The dynamic viscoelasticity was measured under the following conditions using a sample having the same configuration as the one subjected to the flame retardancy test (the polyimide film with the adhesive from which the copper foil was removed), and the obtained tan δ showed a maximum value. The temperature was taken as the glass transition point of the cured adhesive.
Glass transition point measuring device: Rheometric Scientific F.E. Co., Ltd. viscoelasticity analyzer, trade name RSA-III,
Measurement mode: pull,
Distance between chucks: 10 mm,
Measurement temperature: 0 to 300 ° C,
Perturbation frequency: 5 Hz,
Heating rate: 2.5 ° C / min,
Sample width: 10 mm.
[0035]
(Summary of Examples)
(Examples 1 and 2)
The samples of Examples 1 and 2 were coverlays using the adhesive composition of the present invention. According to Table 3, the evaluation of the properties was peel strength, solder heat resistance, ion migration property, and flame retardancy. Were both excellent and exhibited a high glass transition point, indicating that the coverlay had high heat resistance and did not contain halogen.
(Comparative Example 1)
Since the adhesive composition used for preparing the sample of Comparative Example 1 did not use the component according to claim 1 of the present invention and instead used a polyester-based elastomer, the glass of the cured product of those adhesive compositions was used. The transition point is considerably lower than the limit value in the specification of the present invention, and the sample of Comparative Example 1 is essentially different from the coverlay of the present invention. According to the description in Table 3, it is clear that the evaluation of these properties is inferior to those of the coverlay of the present invention in all of the peel strength, solder heat resistance, ion migration properties, and flame retardancy.
[0036]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to obtain a coverlay which has high heat resistance and does not contain a halogen component.
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