JP2004066983A - 車両用ウインドガラスモールディング - Google Patents
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Abstract
【課題】ウインドガラスからボディフレームまでをフラッシュサーフェイスにすると共に、ウインドガラスの美観を向上させる車両用ウインドガラスモールディングを提供する。
【解決手段】モールディング本体41と係合部42とを備えた車両用ウインドガラスモールディング40であって、モールディング本体41は、ウインドガラス2の端面5に接する端面対応部43と、ボディフレーム9に接するボディ対応部44と、車両外方に面するモール外部46とを備えるとともに内部に中空部47を形成し、
ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16にモールディング本体41を配置する際には、ボディ対応部44を撓ませて中空部47を潰すよう構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】モールディング本体41と係合部42とを備えた車両用ウインドガラスモールディング40であって、モールディング本体41は、ウインドガラス2の端面5に接する端面対応部43と、ボディフレーム9に接するボディ対応部44と、車両外方に面するモール外部46とを備えるとともに内部に中空部47を形成し、
ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16にモールディング本体41を配置する際には、ボディ対応部44を撓ませて中空部47を潰すよう構成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のウインドガラスとボディフレームの隙間を塞ぎ密着させる車両用ウインドガラスモールディングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は、従来の車両用ウインドガラスモールディングを示す断面図であり、仮想線は車両用ウインドガラスモールディングを配置する前の状態を示している。この車両用ウインドガラスモールディング1は、ウインドガラス2の車内表面3に接する係合下部4と、係合下部4より延在してウインドガラス2の端面5に面する係合中部6と、係合中部6より延在してウインドガラス2の車外表面7に接する係合上部8とを備えている。また、車両用ウインドガラスモールディング1は、係合中部6にボディフレーム9に向けて延在するリップ部10を備えている。一方、ウインドガラス2は、ガラス上部11とガラス下部12の間に中間膜13を介在する合せガラスで構成されるものであり、ウインドガラス2のエッジは面取りされて面取り部分14を形成している。また、図4中、15は接着剤である。
【0003】
車両用ウインドガラスモールディング1を、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16に配置する際には、初めに係合下部4と係合上部8でウインドガラス2の周縁17を挟み込むよう車両用ウインドガラスモールディング1をウインドガラス2に接続する。つぎにウインドガラス2を自動車の所定位置に配置するとともに、車両用ウインドガラスモールディング1を車内側へ押し込むことによりリップ部10をボディフレーム9に密着させ、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16を塞いでいる。
【0004】
一方、近年の車両用ウインドガラスモールディング1の中には、ウインドガラス2の美観を向上させるため、係合上部8を無くすよう成形してウインドガラス2の車外表面7の全面を露出させるものがある。以下、変形した例を示すと、図5は、従来の車両用ウインドガラスモールディングを変形した第一例を示す断面図である。図6は、従来の車両用ウインドガラスモールディングを変形した第二例を示す断面図である。図7は、従来の車両用ウインドガラスモールディングを変形した第三例を示す断面図である。また、図5〜図7において、仮想線は車両用ウインドガラスモールディングを配置する前の状態を示し、図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0005】
従来例を変形した第一例の車両用ウインドガラスモールディング18は、ウインドガラス2の車内表面3に両面テープ19を介して接続する係合下部20と、係合下部20よりボディフレーム9に向けて延在するリップ部21とから構成されるものである。これにより、第一例の車両用ウインドガラスモールディング18は係合中部および係合上部を無くすよう構成され、ウインドガラス2の美観を向上させている。
【0006】
従来例を変形した第二例の車両用ウインドガラスモールディング22は、ウインドガラス2の車内表面3に両面テープ23を介して接続する係合下部24と、係合下部24よりウインドガラス2の厚み方向中途位置まで延在する係合中部25と、係合中部25よりボディフレーム9に向けて延在するリップ部26とから構成されるものである。また、係合中部25は、ウインドガラス2のガラス上部11の端面5に接するよう構成され、ウインドガラス2の中間膜13を隠すようにしている。これにより、第二例の車両用ウインドガラスモールディング22は、係合中部の一部および係合上部を無くすよう構成され、ウインドガラス2の美観を向上させている。
【0007】
従来例を変形した第三例の車両用ウインドガラスモールディング27は、ウインドガラス2の車内表面3に両面テープ28を介して接続する係合下部29と、係合下部29より延在してウインドガラス2の端面5に面する係合中部30と、係合中部30の下部よりボディフレーム9に向けて延在するリップ部31とから構成されるものである。また、係合中部30の上端面32は、車両走行時の風切り音を低減するようウインドガラス2の車外表面7とフラッシュサーフェイスに構成されている。これにより、第三例の車両用ウインドガラスモールディング27は係合上部を無くすよう構成され、ウインドガラス2の美観を向上させている。
【0008】
従来例を変形した第一例から第三例までの車両用ウインドガラスモールディング18、22、27を、自動車のウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16に配置する際には、初め、係合下部20、24、29をウインドガラス2の車内表面3の周縁17に両面テープ19、23、28を介して接着する。つぎに、従来例とほぼ同様に、ウインドガラス2を自動車の所定位置に配置するとともに、車両用ウインドガラスモールディング18、22、27を車内側へ押し込むことによりリップ部21、26、31をボディフレーム9に密着させ、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16を塞いでいる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例および第一例から第三例において、車両用ウインドガラスモールディング1、18、22、27の配置により、リップ部10、21、26、31をボディフレーム9に接触させる際には、リップ部10、21、26、31の湾曲によって凹状の溝部33を形成するため、ウインドガラス2からボディフレーム9までフラッシュサーフェイスにならず、車両走行時に風切り音を生じるという問題があった。
【0010】
本発明はこのような実情に鑑みてなしたもので、ウインドガラスからボディフレームまでをフラッシュサーフェイスにして車両走行時の風切り音を防ぐとともに、ウインドガラスの美観を向上させる車両用ウインドガラスモールディングを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、ウインドガラスとボディフレームとの隙間を塞ぎ密着させるモールディング本体と、該モールディング本体より延在してウインドガラスの車内表面に接する係合部とを備えた車両用ウインドガラスモールディングであって、前記モールディング本体は、ウインドガラスの端面に接する端面対応部と、ボディフレームに接するボディ対応部と、車両外方に面するモール外部とを備えるとともに内部に中空部を形成し、
前記ウインドガラスとボディフレームの隙間にモールディング本体を配置する際には、ボディ対応部を撓ませて中空部を潰すよう構成されたことを特徴とする車両用ウインドガラスモールディングに係るものである。
【0012】
請求項2に記載の発明は、ウインドガラスはエッジを面取りして構成されているとともに、モールディング本体は、面取り部分に載置し得る突出部が備えられており、前記ウインドガラスとボディフレームの隙間にモールディング本体を配置する際には、突出部が支点となるよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用ウインドガラスモールディングに係るものである。
【0013】
請求項3に記載の発明は、ウインドガラスは中間膜を介在するよう構成されているとともに、モールディング本体の端面対応部に凹部が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の車両用ウインドガラスモールディングに係るものである。
【0014】
請求項4に記載の発明は、モール外部に表面より延在する切込み部が形成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の車両用ウインドガラスモールディングに係るものである。
【0015】
請求項5に記載の発明は、ボディ対応部が係合部よりも硬度を低減して構成されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の車両用ウインドガラスモールディングに係るものである。
【0016】
このように本発明によれば、ウインドガラスとボディフレームの隙間にモールディング本体を配置した際には、ボディ対応部を撓ませて中空部を潰すので、モール外部に対して凹状の溝部の形成を防止することができる。したがって、モール外部によりウインドガラスの車外表面からボディフレームまでフラッシュサーフェイスを形成し、車両走行時の風切り音の発生を防止することができる。また、モールディング本体のボディ対応部と係合部によりウインドガラスを係止するので、ウインドガラスの車外表面の全面を露出させ、ウインドガラスの美観を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の第一例を図示例とともに説明する。図1は、本発明の実施の形態の第一例を示す断面図である。また、図1において、仮想線は車両用ウインドガラスモールディングを配置する前の状態を示し、図4〜図7と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0018】
図1に示す第一例の車両用ウインドガラスモールディング40は、ウインドガラス2の周縁17に配置されるモールディング本体41と、モールディング本体41の下部より延在してウインドガラス2の車内表面3に面する係合部42とを備えている。
【0019】
モールディング本体41は、ウインドガラス2の端面5に接する端面対応部43と、ボディフレーム9に接するボディ対応部44と、車両外方に平面状の表面45を有するモール外部46とを備え、モールディング本体41の内部には所定の大きさの中空部47を形成している。ここで、ボディ対応部44の厚みは変形し易い厚さに成形されている。また、モールディング本体41の端面対応部43の上端には、ウインドガラス2の車外側の面取り部分14に載置される突出部48を備えており、モールディング本体41の端面対応部43の中途位置には、ウインドガラス2の中間膜13の端部13aを外気に接触させる凹部49を形成している。さらに、モールディング本体41のモール外部46には、ボディフレーム9の方向へ突出する縁部50を備えている。
【0020】
以下、図1に示す第一例の車両用ウインドガラスモールディングの作用を説明する。
【0021】
第一例の車両用ウインドガラスモールディング40を、自動車のウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16に配置する際には、初めに係合部42をウインドガラス2の車内表面3の周縁17に両面テープなどの接続手段51を介して接着する。つぎにウインドガラス2を自動車の所定位置に配置し、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16を塞ぐ。
【0022】
このとき、モールディング本体41のボディ対応部44はボディフレーム9に押されて撓むことにより中空部47を潰し、同時にモールディング本体41のモール外部46は、表面の平面形状を維持するよう端面対応部43の突出部48を支点として車外側へ押し出される。
【0023】
このように、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16にモールディング本体41を配置した際には、ボディ対応部44を撓ませて中空部47を潰すので、モールディング本体41のモール外部46に対して凹状の溝部33の形成を防止することができる。したがって、モール外部46の表面45によりウインドガラス2の車外表面7の端部からボディフレーム9までフラッシュサーフェイスを形成し、車両走行時の風切り音の発生を防止することができる。また、モールディング本体41のボディ対応部44と係合部42によりウインドガラス2を係止するので、ウインドガラス2の車外表面7の全面を露出させ、ウインドガラス2の美観を向上させることができる。さらに、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16に対応して中空部47を潰すので、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16にバラツキがあっても吸収することができる。
【0024】
請求項2に記載のごとく突出部48が支点となるよう構成されていると、モールディング本体41のモール外部46を車外側へ容易に押し出し得るので、モール外部46に対して凹状の溝部33の形成を容易に防止することができる。また、モール外部46に、ボディフレーム9の方向へ突出する縁部50を備えていると、ウインドガラス2からボディフレーム9まで一層確実にフラッシュサーフェイスを形成することができる。
【0025】
請求項3に記載のごとくモールディング本体41の端面対応部43に凹部49が形成されていると、ウインドガラス2の中間膜13の端部13aを外気に接触させるので、湿度などによる中間膜13への影響を低減することができる。また、モールディング本体41のボディ対応部44の変形およびモール外部46の押し出しを容易にするので、モールディング本体41の配置を迅速かつ適切にすることができる。
【0026】
以下、本発明の実施の形態の第二例を説明する。図2は、本発明の実施の形態の第二例を示す断面図である。また、図2において、仮想線は車両用ウインドガラスモールディングを配置する前の状態を示し、図4〜図7と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0027】
図2に示す第二例の車両用ウインドガラスモールディング60は、ウインドガラス2の周縁17に配置されるモールディング本体61と、モールディング本体61の下部より延在してウインドガラス2の車内表面3に面する係合部62とを備えている。
【0028】
モールディング本体61は、ウインドガラス2の端面5に接する端面対応部63と、ボディフレーム9に接するボディ対応部64と、車両外方に表面65を有するモール外部66とを備え、モールディング本体61の内部には所定の大きさの中空部67を形成している。ここで、モール外部66には、表面65より延在する切込み部68を形成しており、また、ボディ対応部64の厚みは、変形し易い厚さに構成されている。さらに、モールディング本体61の端面対応部63の上端には、ウインドガラス2の車外側の面取り部分14に載置される突出部69を備えており、モールディング本体61のモール外部66には、ボディフレーム9の方向へ突出する縁部70を備えている。さらにまた、端面対応部63の中途位置には、ウインドガラス2の中間膜13の端部13aを外気に接触させる凹部(図示せず)を形成してもよい。
【0029】
以下、図2に示す第二例の車両用ウインドガラスモールディングの作用を説明する。
【0030】
第二例の車両用ウインドガラスモールディング60を、自動車のウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16に配置する際には、第一例とほぼ同様に、初めに係合部62をウインドガラス2の車内表面3の周縁17に両面テープなどの接続手段71を介して接着する。つぎにウインドガラス2を自動車の所定位置に配置し、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16を塞ぐ。
【0031】
このとき、モールディング本体61のボディ対応部64はボディフレーム9に押されて撓むことにより中空部67および切込み部68を潰し、同時にモールディング本体61のモール外部66は端面対応部63の突出部69を支点として車外側へ押し出され、モール外部66の表面65をほぼ平面形状にしている。
【0032】
このように、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16にモールディング本体61を配置した際には、ボディ対応部64を撓ませて中空部67および切込み部68を潰すので、モールディング本体61のモール外部66に対して凹状の溝部の形成を防止することができる。したがって、第二例のモールディングによれば、第一例とほぼ同様な作用効果を得ることができる。
【0033】
請求項4に記載のごとくモール外部66に表面65より延在して形成される切込み部68が備えられていると、モールディング本体61のボディ対応部64の変形およびモール外部66の押し出しを容易にするので、モールディング本体61の配置を容易かつ迅速にすることができる。
【0034】
以下、本発明の実施の形態の第三例を説明する。図3は、本発明の実施の形態の第三例を示す断面図である。また、図3において、仮想線は車両用ウインドガラスモールディングを配置する前の状態を示し、図4〜図7と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0035】
図3に示す第三例の車両用ウインドガラスモールディング80は、ウインドガラス2の周縁17に配置されるモールディング本体81と、モールディング本体81の下部より延在してウインドガラス2の車内表面3に面する係合部82とを備えている。
【0036】
モールディング本体81は、ウインドガラス2の端面5に面する端面対応部83と、ボディフレーム9に接するボディ対応部84と、車両外方に平面状の表面85を有するモール外部86とを備え、モールディング本体81の内部には所定の大きさの中空部87を形成している。また、端面対応部83はウインドガラス2の端面5に接する軟質部材88を備えており、ボディ対応部84は全て軟質部材となっている。ここで、端面対応部83の軟質部材88およびボディ対応部84の軟質部材は他のモールディング本体81の部分および係合部82などの他の部材の硬度70〜90と異なるよう、硬度40から60までのTPE(thermoplastic elastomer)、EPDM(ethylene−propylene−diene terpolymer)などのゴム材質で構成されている。
【0037】
端面対応部83の軟質部材88の上端には、ウインドガラス2の車外側の面取り部分14に載置される突出部89を備えており、また、ボディ対応部84の上端には、ボディフレーム9の方向へ突出する縁部90を備えている。さらに、端面対応部83の中途位置には、ウインドガラス2の中間膜13の端部13aを外気に接触させる凹部(図示せず)を形成してもよい。
【0038】
以下、図3に示す第三例の車両用ウインドガラスモールディングの作用を説明する。
【0039】
第三例の車両用ウインドガラスモールディング80を、自動車のウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16に配置する際には、第一例とほぼ同様に、初めに係合部82をウインドガラス2の車内表面3の周縁17に両面テープなどの接続手段91を介して接着する。つぎにウインドガラス2を自動車の所定位置に配置し、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16を塞ぐ。
【0040】
このとき、軟質部材であるボディ対応部84はボディフレーム9に押されて撓むことにより中空部87を潰し、同時にモールディング本体81のモール外部86は、表面の平面形状を維持するよう端面対応部83の突出部89を支点として車外側へ押し出される。
【0041】
このように、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16にモールディング本体81を配置した際には、ボディ対応部84を撓ませて中空部87を潰すので、モールディング本体81のモール外部86に対して凹状の溝部33の形成を防止することができる。したがって、第三例のモールディングによれば、第一例とほぼ同様な作用効果を得ることができる。
【0042】
請求項5に記載のごとくボディ対応部84が係合部82よりも硬度を低減して構成されていると、中空部87を容易に押し潰し得るので、モールディング本体81の配置を迅速かつ容易にすることができる。また、端面対応部83の軟質部材は、ウインドガラス2の端面にバラツキを容易に吸収することができる。ここで、端面対応部83の軟質部材88の硬度およびボディ対応部84の軟質部材の硬度が40より小さい場合には、外部からの小さな力により簡単に変形するので、モール本体の形状を維持できない。また、端面対応部83の軟質部材およびボディ対応部84の軟質部材の硬度が60より大きい場合には、モールディング本体81および係合部82などの他の部材との硬度の差が小さいので、軟質部材88としての作用効果を得ることができない。
【0043】
なお、本発明の車両用ウインドガラスモールディングは、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、モール本体は第一例から第三例までの作用効果を有するならば形状を変形してもよいこと、第三例に示す軟質部材は材料を限定するものではないこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ウインドガラスとボディフレームの隙間にモールディング本体を配置した際には、ボディ対応部を撓ませて中空部を潰すので、モール外部に対して凹状の溝部の形成を防止することができる。したがって、モール外部によりウインドガラスの車外表面からボディフレームまでフラッシュサーフェイスを形成し、車両走行時の風切り音の発生を防止することができる。また、モールディング本体のボディ対応部と係合部によりウインドガラスを係止するので、ウインドガラスの車外表面の全面を露出させ、ウインドガラスの美観を向上させることができるという種々の優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第一例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の第二例を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の第三例を示す断面図である。
【図4】従来の車両用ウインドガラスモールディングを示す断面図である。
【図5】従来の車両用ウインドガラスモールディングを変形した第一例を示す断面図である。
【図6】従来の車両用ウインドガラスモールディングを変形した第二例を示す断面図である。
【図7】従来の車両用ウインドガラスモールディングを変形した第三例を示す断面図である。
【符号の説明】
2 ウインドガラス
3 車内表面
5 端面
7 車外表面
9 ボディフレーム
13 中間膜
14 面取り部分
40 車両用ウインドガラスモールディング
41 モールディング本体
42 係合部
43 端面対応部
44 ボディ対応部
45 表面
46 モール外部
47 中空部
48 突出部
49 凹部
60 車両用ウインドガラスモールディング
61 モールディング本体
62 係合部
63 端面対応部
64 ボディ対応部
65 表面
66 モール外部
67 中空部
68 切込み部
69 突出部
80 車両用ウインドガラスモールディング
81 モールディング本体
82 係合部
83 端面対応部
84 ボディ対応部
85 表面
86 モール外部
87 中空部
89 突出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のウインドガラスとボディフレームの隙間を塞ぎ密着させる車両用ウインドガラスモールディングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は、従来の車両用ウインドガラスモールディングを示す断面図であり、仮想線は車両用ウインドガラスモールディングを配置する前の状態を示している。この車両用ウインドガラスモールディング1は、ウインドガラス2の車内表面3に接する係合下部4と、係合下部4より延在してウインドガラス2の端面5に面する係合中部6と、係合中部6より延在してウインドガラス2の車外表面7に接する係合上部8とを備えている。また、車両用ウインドガラスモールディング1は、係合中部6にボディフレーム9に向けて延在するリップ部10を備えている。一方、ウインドガラス2は、ガラス上部11とガラス下部12の間に中間膜13を介在する合せガラスで構成されるものであり、ウインドガラス2のエッジは面取りされて面取り部分14を形成している。また、図4中、15は接着剤である。
【0003】
車両用ウインドガラスモールディング1を、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16に配置する際には、初めに係合下部4と係合上部8でウインドガラス2の周縁17を挟み込むよう車両用ウインドガラスモールディング1をウインドガラス2に接続する。つぎにウインドガラス2を自動車の所定位置に配置するとともに、車両用ウインドガラスモールディング1を車内側へ押し込むことによりリップ部10をボディフレーム9に密着させ、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16を塞いでいる。
【0004】
一方、近年の車両用ウインドガラスモールディング1の中には、ウインドガラス2の美観を向上させるため、係合上部8を無くすよう成形してウインドガラス2の車外表面7の全面を露出させるものがある。以下、変形した例を示すと、図5は、従来の車両用ウインドガラスモールディングを変形した第一例を示す断面図である。図6は、従来の車両用ウインドガラスモールディングを変形した第二例を示す断面図である。図7は、従来の車両用ウインドガラスモールディングを変形した第三例を示す断面図である。また、図5〜図7において、仮想線は車両用ウインドガラスモールディングを配置する前の状態を示し、図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0005】
従来例を変形した第一例の車両用ウインドガラスモールディング18は、ウインドガラス2の車内表面3に両面テープ19を介して接続する係合下部20と、係合下部20よりボディフレーム9に向けて延在するリップ部21とから構成されるものである。これにより、第一例の車両用ウインドガラスモールディング18は係合中部および係合上部を無くすよう構成され、ウインドガラス2の美観を向上させている。
【0006】
従来例を変形した第二例の車両用ウインドガラスモールディング22は、ウインドガラス2の車内表面3に両面テープ23を介して接続する係合下部24と、係合下部24よりウインドガラス2の厚み方向中途位置まで延在する係合中部25と、係合中部25よりボディフレーム9に向けて延在するリップ部26とから構成されるものである。また、係合中部25は、ウインドガラス2のガラス上部11の端面5に接するよう構成され、ウインドガラス2の中間膜13を隠すようにしている。これにより、第二例の車両用ウインドガラスモールディング22は、係合中部の一部および係合上部を無くすよう構成され、ウインドガラス2の美観を向上させている。
【0007】
従来例を変形した第三例の車両用ウインドガラスモールディング27は、ウインドガラス2の車内表面3に両面テープ28を介して接続する係合下部29と、係合下部29より延在してウインドガラス2の端面5に面する係合中部30と、係合中部30の下部よりボディフレーム9に向けて延在するリップ部31とから構成されるものである。また、係合中部30の上端面32は、車両走行時の風切り音を低減するようウインドガラス2の車外表面7とフラッシュサーフェイスに構成されている。これにより、第三例の車両用ウインドガラスモールディング27は係合上部を無くすよう構成され、ウインドガラス2の美観を向上させている。
【0008】
従来例を変形した第一例から第三例までの車両用ウインドガラスモールディング18、22、27を、自動車のウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16に配置する際には、初め、係合下部20、24、29をウインドガラス2の車内表面3の周縁17に両面テープ19、23、28を介して接着する。つぎに、従来例とほぼ同様に、ウインドガラス2を自動車の所定位置に配置するとともに、車両用ウインドガラスモールディング18、22、27を車内側へ押し込むことによりリップ部21、26、31をボディフレーム9に密着させ、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16を塞いでいる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例および第一例から第三例において、車両用ウインドガラスモールディング1、18、22、27の配置により、リップ部10、21、26、31をボディフレーム9に接触させる際には、リップ部10、21、26、31の湾曲によって凹状の溝部33を形成するため、ウインドガラス2からボディフレーム9までフラッシュサーフェイスにならず、車両走行時に風切り音を生じるという問題があった。
【0010】
本発明はこのような実情に鑑みてなしたもので、ウインドガラスからボディフレームまでをフラッシュサーフェイスにして車両走行時の風切り音を防ぐとともに、ウインドガラスの美観を向上させる車両用ウインドガラスモールディングを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、ウインドガラスとボディフレームとの隙間を塞ぎ密着させるモールディング本体と、該モールディング本体より延在してウインドガラスの車内表面に接する係合部とを備えた車両用ウインドガラスモールディングであって、前記モールディング本体は、ウインドガラスの端面に接する端面対応部と、ボディフレームに接するボディ対応部と、車両外方に面するモール外部とを備えるとともに内部に中空部を形成し、
前記ウインドガラスとボディフレームの隙間にモールディング本体を配置する際には、ボディ対応部を撓ませて中空部を潰すよう構成されたことを特徴とする車両用ウインドガラスモールディングに係るものである。
【0012】
請求項2に記載の発明は、ウインドガラスはエッジを面取りして構成されているとともに、モールディング本体は、面取り部分に載置し得る突出部が備えられており、前記ウインドガラスとボディフレームの隙間にモールディング本体を配置する際には、突出部が支点となるよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用ウインドガラスモールディングに係るものである。
【0013】
請求項3に記載の発明は、ウインドガラスは中間膜を介在するよう構成されているとともに、モールディング本体の端面対応部に凹部が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の車両用ウインドガラスモールディングに係るものである。
【0014】
請求項4に記載の発明は、モール外部に表面より延在する切込み部が形成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の車両用ウインドガラスモールディングに係るものである。
【0015】
請求項5に記載の発明は、ボディ対応部が係合部よりも硬度を低減して構成されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の車両用ウインドガラスモールディングに係るものである。
【0016】
このように本発明によれば、ウインドガラスとボディフレームの隙間にモールディング本体を配置した際には、ボディ対応部を撓ませて中空部を潰すので、モール外部に対して凹状の溝部の形成を防止することができる。したがって、モール外部によりウインドガラスの車外表面からボディフレームまでフラッシュサーフェイスを形成し、車両走行時の風切り音の発生を防止することができる。また、モールディング本体のボディ対応部と係合部によりウインドガラスを係止するので、ウインドガラスの車外表面の全面を露出させ、ウインドガラスの美観を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の第一例を図示例とともに説明する。図1は、本発明の実施の形態の第一例を示す断面図である。また、図1において、仮想線は車両用ウインドガラスモールディングを配置する前の状態を示し、図4〜図7と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0018】
図1に示す第一例の車両用ウインドガラスモールディング40は、ウインドガラス2の周縁17に配置されるモールディング本体41と、モールディング本体41の下部より延在してウインドガラス2の車内表面3に面する係合部42とを備えている。
【0019】
モールディング本体41は、ウインドガラス2の端面5に接する端面対応部43と、ボディフレーム9に接するボディ対応部44と、車両外方に平面状の表面45を有するモール外部46とを備え、モールディング本体41の内部には所定の大きさの中空部47を形成している。ここで、ボディ対応部44の厚みは変形し易い厚さに成形されている。また、モールディング本体41の端面対応部43の上端には、ウインドガラス2の車外側の面取り部分14に載置される突出部48を備えており、モールディング本体41の端面対応部43の中途位置には、ウインドガラス2の中間膜13の端部13aを外気に接触させる凹部49を形成している。さらに、モールディング本体41のモール外部46には、ボディフレーム9の方向へ突出する縁部50を備えている。
【0020】
以下、図1に示す第一例の車両用ウインドガラスモールディングの作用を説明する。
【0021】
第一例の車両用ウインドガラスモールディング40を、自動車のウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16に配置する際には、初めに係合部42をウインドガラス2の車内表面3の周縁17に両面テープなどの接続手段51を介して接着する。つぎにウインドガラス2を自動車の所定位置に配置し、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16を塞ぐ。
【0022】
このとき、モールディング本体41のボディ対応部44はボディフレーム9に押されて撓むことにより中空部47を潰し、同時にモールディング本体41のモール外部46は、表面の平面形状を維持するよう端面対応部43の突出部48を支点として車外側へ押し出される。
【0023】
このように、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16にモールディング本体41を配置した際には、ボディ対応部44を撓ませて中空部47を潰すので、モールディング本体41のモール外部46に対して凹状の溝部33の形成を防止することができる。したがって、モール外部46の表面45によりウインドガラス2の車外表面7の端部からボディフレーム9までフラッシュサーフェイスを形成し、車両走行時の風切り音の発生を防止することができる。また、モールディング本体41のボディ対応部44と係合部42によりウインドガラス2を係止するので、ウインドガラス2の車外表面7の全面を露出させ、ウインドガラス2の美観を向上させることができる。さらに、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16に対応して中空部47を潰すので、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16にバラツキがあっても吸収することができる。
【0024】
請求項2に記載のごとく突出部48が支点となるよう構成されていると、モールディング本体41のモール外部46を車外側へ容易に押し出し得るので、モール外部46に対して凹状の溝部33の形成を容易に防止することができる。また、モール外部46に、ボディフレーム9の方向へ突出する縁部50を備えていると、ウインドガラス2からボディフレーム9まで一層確実にフラッシュサーフェイスを形成することができる。
【0025】
請求項3に記載のごとくモールディング本体41の端面対応部43に凹部49が形成されていると、ウインドガラス2の中間膜13の端部13aを外気に接触させるので、湿度などによる中間膜13への影響を低減することができる。また、モールディング本体41のボディ対応部44の変形およびモール外部46の押し出しを容易にするので、モールディング本体41の配置を迅速かつ適切にすることができる。
【0026】
以下、本発明の実施の形態の第二例を説明する。図2は、本発明の実施の形態の第二例を示す断面図である。また、図2において、仮想線は車両用ウインドガラスモールディングを配置する前の状態を示し、図4〜図7と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0027】
図2に示す第二例の車両用ウインドガラスモールディング60は、ウインドガラス2の周縁17に配置されるモールディング本体61と、モールディング本体61の下部より延在してウインドガラス2の車内表面3に面する係合部62とを備えている。
【0028】
モールディング本体61は、ウインドガラス2の端面5に接する端面対応部63と、ボディフレーム9に接するボディ対応部64と、車両外方に表面65を有するモール外部66とを備え、モールディング本体61の内部には所定の大きさの中空部67を形成している。ここで、モール外部66には、表面65より延在する切込み部68を形成しており、また、ボディ対応部64の厚みは、変形し易い厚さに構成されている。さらに、モールディング本体61の端面対応部63の上端には、ウインドガラス2の車外側の面取り部分14に載置される突出部69を備えており、モールディング本体61のモール外部66には、ボディフレーム9の方向へ突出する縁部70を備えている。さらにまた、端面対応部63の中途位置には、ウインドガラス2の中間膜13の端部13aを外気に接触させる凹部(図示せず)を形成してもよい。
【0029】
以下、図2に示す第二例の車両用ウインドガラスモールディングの作用を説明する。
【0030】
第二例の車両用ウインドガラスモールディング60を、自動車のウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16に配置する際には、第一例とほぼ同様に、初めに係合部62をウインドガラス2の車内表面3の周縁17に両面テープなどの接続手段71を介して接着する。つぎにウインドガラス2を自動車の所定位置に配置し、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16を塞ぐ。
【0031】
このとき、モールディング本体61のボディ対応部64はボディフレーム9に押されて撓むことにより中空部67および切込み部68を潰し、同時にモールディング本体61のモール外部66は端面対応部63の突出部69を支点として車外側へ押し出され、モール外部66の表面65をほぼ平面形状にしている。
【0032】
このように、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16にモールディング本体61を配置した際には、ボディ対応部64を撓ませて中空部67および切込み部68を潰すので、モールディング本体61のモール外部66に対して凹状の溝部の形成を防止することができる。したがって、第二例のモールディングによれば、第一例とほぼ同様な作用効果を得ることができる。
【0033】
請求項4に記載のごとくモール外部66に表面65より延在して形成される切込み部68が備えられていると、モールディング本体61のボディ対応部64の変形およびモール外部66の押し出しを容易にするので、モールディング本体61の配置を容易かつ迅速にすることができる。
【0034】
以下、本発明の実施の形態の第三例を説明する。図3は、本発明の実施の形態の第三例を示す断面図である。また、図3において、仮想線は車両用ウインドガラスモールディングを配置する前の状態を示し、図4〜図7と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0035】
図3に示す第三例の車両用ウインドガラスモールディング80は、ウインドガラス2の周縁17に配置されるモールディング本体81と、モールディング本体81の下部より延在してウインドガラス2の車内表面3に面する係合部82とを備えている。
【0036】
モールディング本体81は、ウインドガラス2の端面5に面する端面対応部83と、ボディフレーム9に接するボディ対応部84と、車両外方に平面状の表面85を有するモール外部86とを備え、モールディング本体81の内部には所定の大きさの中空部87を形成している。また、端面対応部83はウインドガラス2の端面5に接する軟質部材88を備えており、ボディ対応部84は全て軟質部材となっている。ここで、端面対応部83の軟質部材88およびボディ対応部84の軟質部材は他のモールディング本体81の部分および係合部82などの他の部材の硬度70〜90と異なるよう、硬度40から60までのTPE(thermoplastic elastomer)、EPDM(ethylene−propylene−diene terpolymer)などのゴム材質で構成されている。
【0037】
端面対応部83の軟質部材88の上端には、ウインドガラス2の車外側の面取り部分14に載置される突出部89を備えており、また、ボディ対応部84の上端には、ボディフレーム9の方向へ突出する縁部90を備えている。さらに、端面対応部83の中途位置には、ウインドガラス2の中間膜13の端部13aを外気に接触させる凹部(図示せず)を形成してもよい。
【0038】
以下、図3に示す第三例の車両用ウインドガラスモールディングの作用を説明する。
【0039】
第三例の車両用ウインドガラスモールディング80を、自動車のウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16に配置する際には、第一例とほぼ同様に、初めに係合部82をウインドガラス2の車内表面3の周縁17に両面テープなどの接続手段91を介して接着する。つぎにウインドガラス2を自動車の所定位置に配置し、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16を塞ぐ。
【0040】
このとき、軟質部材であるボディ対応部84はボディフレーム9に押されて撓むことにより中空部87を潰し、同時にモールディング本体81のモール外部86は、表面の平面形状を維持するよう端面対応部83の突出部89を支点として車外側へ押し出される。
【0041】
このように、ウインドガラス2とボディフレーム9の隙間16にモールディング本体81を配置した際には、ボディ対応部84を撓ませて中空部87を潰すので、モールディング本体81のモール外部86に対して凹状の溝部33の形成を防止することができる。したがって、第三例のモールディングによれば、第一例とほぼ同様な作用効果を得ることができる。
【0042】
請求項5に記載のごとくボディ対応部84が係合部82よりも硬度を低減して構成されていると、中空部87を容易に押し潰し得るので、モールディング本体81の配置を迅速かつ容易にすることができる。また、端面対応部83の軟質部材は、ウインドガラス2の端面にバラツキを容易に吸収することができる。ここで、端面対応部83の軟質部材88の硬度およびボディ対応部84の軟質部材の硬度が40より小さい場合には、外部からの小さな力により簡単に変形するので、モール本体の形状を維持できない。また、端面対応部83の軟質部材およびボディ対応部84の軟質部材の硬度が60より大きい場合には、モールディング本体81および係合部82などの他の部材との硬度の差が小さいので、軟質部材88としての作用効果を得ることができない。
【0043】
なお、本発明の車両用ウインドガラスモールディングは、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、モール本体は第一例から第三例までの作用効果を有するならば形状を変形してもよいこと、第三例に示す軟質部材は材料を限定するものではないこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ウインドガラスとボディフレームの隙間にモールディング本体を配置した際には、ボディ対応部を撓ませて中空部を潰すので、モール外部に対して凹状の溝部の形成を防止することができる。したがって、モール外部によりウインドガラスの車外表面からボディフレームまでフラッシュサーフェイスを形成し、車両走行時の風切り音の発生を防止することができる。また、モールディング本体のボディ対応部と係合部によりウインドガラスを係止するので、ウインドガラスの車外表面の全面を露出させ、ウインドガラスの美観を向上させることができるという種々の優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第一例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の第二例を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の第三例を示す断面図である。
【図4】従来の車両用ウインドガラスモールディングを示す断面図である。
【図5】従来の車両用ウインドガラスモールディングを変形した第一例を示す断面図である。
【図6】従来の車両用ウインドガラスモールディングを変形した第二例を示す断面図である。
【図7】従来の車両用ウインドガラスモールディングを変形した第三例を示す断面図である。
【符号の説明】
2 ウインドガラス
3 車内表面
5 端面
7 車外表面
9 ボディフレーム
13 中間膜
14 面取り部分
40 車両用ウインドガラスモールディング
41 モールディング本体
42 係合部
43 端面対応部
44 ボディ対応部
45 表面
46 モール外部
47 中空部
48 突出部
49 凹部
60 車両用ウインドガラスモールディング
61 モールディング本体
62 係合部
63 端面対応部
64 ボディ対応部
65 表面
66 モール外部
67 中空部
68 切込み部
69 突出部
80 車両用ウインドガラスモールディング
81 モールディング本体
82 係合部
83 端面対応部
84 ボディ対応部
85 表面
86 モール外部
87 中空部
89 突出部
Claims (5)
- ウインドガラスとボディフレームとの隙間を塞ぎ密着させるモールディング本体と、該モールディング本体より延在してウインドガラスの車内表面に接する係合部とを備えた車両用ウインドガラスモールディングであって、前記モールディング本体は、ウインドガラスの端面に接する端面対応部と、ボディフレームに接するボディ対応部と、車両外方に面するモール外部とを備えるとともに内部に中空部を形成し、
前記ウインドガラスとボディフレームの隙間にモールディング本体を配置する際には、ボディ対応部を撓ませて中空部を潰すよう構成されたことを特徴とする車両用ウインドガラスモールディング。 - ウインドガラスはエッジを面取りして構成されているとともに、モールディング本体は、面取り部分に載置し得る突出部が備えられており、前記ウインドガラスとボディフレームの隙間にモールディング本体を配置する際には、突出部が支点となるよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用ウインドガラスモールディング。
- ウインドガラスは中間膜を介在するよう構成されているとともに、モールディング本体の端面対応部に凹部が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の車両用ウインドガラスモールディング。
- モール外部に表面より延在する切込み部が形成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の車両用ウインドガラスモールディング。
- ボディ対応部が係合部よりも硬度を低減して構成されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の車両用ウインドガラスモールディング。
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