【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィンフィルムなどの樹脂フィルム、布、織物等の方形状のシートを相異なる二方向に延伸せしめることが可能な二軸延伸機構及び該二軸延伸機構を備えた二軸延伸試験機並びに二軸延伸機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ポリオレフィンフィルムなどの樹脂フィルムや織物等のシート状物を相異なる二方向に延伸せしめ二軸引張特性を調べるための試験機としての二軸延伸試験機が知られている。この二軸延伸試験機には、シート状物を保持するクリップと称する複数の把持具の間隔を拡大する機構にパンタグラフ機構を用いたものがあり、例えば、特公平4−4935号公報に記載されている。特公平4−4935号公報に記載の二軸延伸試験機は、シート状試料の各辺を多数のクリップで把持し、クリップの間隔を拡大することにより試料を二軸方向に延伸するようにした試験機であって、クリップ間隔の拡大手段が、パンタグラフ機構を構成する複数のリンクと2本のリンクを結合するピンと一端にクリップが備えられた保持台(複数)とを要素とし、この保持台は摺動溝が設けられていて、この摺動溝においてリンクがピンにより摺動可能に係合され、また1つおきの保持台は摺動溝以外の部分にある定点においてリンクとピンによって枢着されて節点を形成している。そして、クリップ間隔を拡大しようとすればリンクはピン結合点を中心に回動するとともに係合点は摺動溝に沿って摺動することによってパンタグラフ機構が作用(リンクの交差角が開角)するものである。
【0003】
特公平4−4935号公報に記載の試験機において、方形状の試料を直交方向に延伸する際、試料の各辺の中点に対応するクリップを固定し、その両側へ拡大するようになすことにより、同じ延伸倍率において従来の一端固定方式に比べ、ストロークが半減するので、それだけ精度が良くかつ再現性の良い測定ができるものである。
【0004】
一方、樹脂シートを縦横二方向に同時に連続的に延伸して二軸延伸シートを製造する延伸機としての二軸延伸機も従来から知られている。この二軸延伸機には、樹脂シートを横方向に対向して設置された多数の対をなすクリップと称する把持具で把持し、これら把持具をガイドレールに沿って走行させている間に、各対をなす把持具間の横方向の間隔を拡大するとともに、隣接する把持具間の縦方向の間隔を拡大するリンク機構を用いたものがあり、例えば、特開2000−334832号公報に記載されている。この特開2000−334832号公報に記載の二軸延伸機は、樹脂シート状物の両側端部を把持する複数のクリップと称する掴み装置(把持具)をシート状物の両側端に配置した無端リンク装置を設け、該無端リンク装置は折尺状に形成された複数個の等長リンク装置よりなり、シート状物の入口側スプロケットより駆動され、運動方向に末広がり状に配置されたガイドレールに案内されて掴みピッチを徐々に拡大することにより、シート状物を縦横二方向に同時に延伸させた後にシート状物を外し、出口側スプロケットにより駆動されて、入口側スプロケットに戻るように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本件発明者は、上述した従来の二軸延伸試験機及び二軸延伸機により延伸された樹脂シートについて、縦横の二軸方向、すなわち直交する二軸(X軸およびY軸)方向に均一に延伸されたか否かを多数の試験片を用いて検査を行った。その結果、試験片の中央部では、二軸(X軸およびY軸)方向に、比較的均一に延伸されているが、クリップと称される把持具に近くなる箇処ほど、二軸方向に均一に延伸されていないことが判明した。この現象は以下の理由によるものである。
【0006】
すなわち、方形状の樹脂シートの四辺を多数のクリップ(把持具)で把持しつつ延伸させる二軸延伸試験機により、樹脂シートを二軸方向に同時に延伸させる場合に、この二軸延伸はX軸方向の延伸とY軸方向の延伸の組み合わせであるため、X軸方向に延伸させる場合の現象とY軸方向に延伸させる場合の現象を個別に考察し、これらの現象が同時に起きていると考えればよい。X軸方向に樹脂シートを延伸させる場合に、シートのX軸方向の両端部を把持するクリップによってシートに引張力を加え、シートをX軸方向に延伸させるが、この延伸過程ではシートのY軸方向の両端部を把持するクリップからはシートに全く力が加わらないことが望ましいが、実際にはシートのY軸方向の両端部をクリップにより拘束せずにフリーにしたと仮定した場合のY軸方向の両端部の各位置における変形量および変形速度とY軸方向の両端部を把持する各クリップの移動量および移動速度とが延伸過程で常に一致しているわけではなく、どうしてもY軸方向の両端部を把持するクリップからシートに不規則的でかつ不均一な力(主として引張力)が加わってしまうという問題がある。そして、Y軸方向に樹脂シートを延伸させる場合も同様に、シートのX軸方向の両端部を把持するクリップからシートに不規則でかつ不均一な力が加わってしまう。以上のように、方形状の樹脂シートを二軸延伸させる場合、引張方向と直交する方向のクリップによりシートが拘束されるために、引張方向と直交する方向に不規則的でかつ不均一な力が作用してしまい、シートを均一に二軸延伸させることができないという問題がある。
【0007】
一方、樹脂シートの両側端部を複数のクリップで把持しつつ延伸させる二軸延伸機にあっては、樹脂シートの運動方向にハの字状の末広がり状に配置されたガイドレールに沿うように、樹脂シートは二軸方向に延伸されることになり、延伸過程では、樹脂シートは、樹脂シートの運動方向(Y軸方向)とこの運動方向と直交する方向(X軸方向)の中間の方向(斜め方向)に引張される。すなわち、樹脂シートは、末広がり状のガイドレールの部分において、X軸方向およびY軸方向ではなく斜め方向に延伸されることになり、二軸方向(X軸方向とY軸方向)に均一に延伸されていることにはならないという問題がある。
【0008】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、樹脂フィルムなどの方形状のシートを二軸延伸させる場合に引張方向と直交する方向のシート両端部はクリップ(把持具)から拘束されることなく自由に延伸させることができ、かつ方形状シートを直交する二軸方向に均一に延伸させることができる二軸延伸機構を提供することを目的とする。
また本発明は、上記二軸延伸機構を用いた二軸延伸試験機並びに二軸延伸機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明の第1の態様は、方形状のシートを相異なる二方向に延伸させる二軸延伸機構であって、前記方形状シートの四辺の片面または両面に形成された凸部に溝部を嵌合させることにより該方形状シートの各辺を把持するとともに、該溝部が方形状シートの凸部に嵌合した状態で方形状シートの凸部に沿って移動可能な複数の把持具と、前記方形状シートの各辺を把持する複数の把持具にそれぞれ連結された四つのパンタグラフ機構とを備え、対向位置にある把持具を互いに離間する方向に移動させ、該対向位置にある把持具とは直交した方向にある把持具をパンタグラフ機構により方形状シートの凸部に沿って移動させつつ相隣接する把持具間の間隔を拡大せしめ、方形状シートを相異なる二方向に延伸せしめることを特徴とするものである。
【0010】
図1は本発明に係る二軸延伸機構の基本概念を示す説明図であり、図1(a)は二軸延伸機構の平面図、図1(b)は方形状シートと把持具との関係を示す要部拡大図、図1(c)および図1(d)は二軸延伸機構により方形状シートが延伸される状態を示す模式図である。図1(a)および図1(b)において、符号1は方形状シートであり、方形状シート1の四辺の片面または両面には、平坦なシート部2より外方に突出した凸部3が形成されている。本発明の二軸延伸機構は、方形状シート1の四辺の片面または両面に形成された凸部3に溝部24を嵌合させることにより該方形状シート1の各辺を把持するとともに、該溝部24が方形状シート1の凸部3に嵌合した状態で方形状シート1の凸部3に沿って移動可能な複数の把持具20と、方形状シート1の各辺を把持する複数の把持具20にそれぞれ連結された四つのパンタグラフ機構30X,30Yとを備えている。各パンタグラフ機構30の両端部にはコーナプレート37が連結されている。X軸方向には並列して二本の延伸バー34Xが設置されており、Y軸方向には並列して二本の延伸バー34Yが設置されている。
【0011】
上述の構成において、X軸方向に伸びる二本の延伸バー34Xを互いに離間する方向に移動させ、図1(c)に示すように、Y軸方向において対向位置にある把持具20を互いに離間する方向に移動させて方形状シート1をY軸方向に延伸させることができる。このとき、X軸方向の対向位置にある把持具20は、Y軸方向に伸びるパンタグラフ機構30Yにより、方形状シート1の凸部3に沿って移動し、相隣接する把持具20間の間隔が拡大する。また、Y軸方向に伸びる二本の延伸バー34Yを互いに離間する方向に移動させ、図1(d)に示すように、X軸方向において対向位置にある把持具20を互いに離間する方向に移動させて方形状シート1をX軸方向に延伸させることができる。このとき、Y軸方向の対向位置にある把持具20は、X軸方向に伸びるパンタグラフ機構30Xにより、方形状シート1の凸部3に沿って移動し、相隣接する把持具20間の間隔が拡大する。
方形状シート1を二軸方向に同時に延伸させる場合には、上述のX軸方向の延伸とY軸方向の延伸の組み合わせである。
【0012】
本発明の二軸延伸試験機は、請求項1記載の二軸延伸機構と、前記対向位置にある把持具を互いに離間する方向に移動させる駆動系と、前記対向位置にある把持具とは直交した位置にあって対向位置にある把持具を互いに離間する方向に移動させる駆動系とを備えている。
また、本発明の二軸延伸機は、請求項1記載の二軸延伸機構と、前記対向位置にある把持具を互いに離間する方向に移動させる駆動系と、前記対向位置にある把持具とは直交した位置にあって対向位置にある把持具を互いに離間する方向に移動させる駆動系とを備えている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る二軸延伸機構の一実施形態を図2乃至図8を参照して説明する。
図2は本発明の二軸延伸機構により延伸する方形状のシートを示す図であり、図2(a)は方形状シートの平面図、図2(b)は図2(a)に示す一つの方形状シートのA−A線断面図、図2(c)は図2(a)に示す別の方形状シートのA−A線断面図である。
図2(a)および図2(b)に示す方形状シート1は、両面が平坦で所定の厚さを有したシート部2と、方形状シート1の四辺の両面に形成され前記シート部2の周囲を囲むように設けられた凸部3,3とから構成されている。
図2(a)および図2(c)に示す方形状シート1は、両面が平坦で所定の厚さを有したシート部2と、方形状シート1の四辺の片面に形成され前記シート部2の周囲を囲むように設けられた凸部3とから構成されている。
【0014】
方形状シート1はポリオレフィンフィルム,塩化ビニルフィルム,ポリエチレンテレフタレート等の樹脂製の各種フィルム、織物等からなる。方形状シート1の寸法は特に限定されるものではなく、好ましくは方形の一辺が100mmである。方形状シート1におけるシート部2と凸部3との境界部4は緩やかな曲面とすることが望ましい。シート部2の厚みt1は、特に制限されるものではなく、通常は1mm〜2mmであり、必要に応じて決めればよい。
また、凸部3の厚みt2は、特に制限されるものではなく、通常、1mm〜3mmであり、凸部3の幅wも、特に限定されるものではなく、通常、1mm〜3mmである。
【0015】
図3は図2(a)および図2(b)に示す方形状シートの製作に使用する金型の一例を示す図であり、図3(a)はオス型金型とメス型金型の結合した状態を示す断面図、図3(b)はオス型金型の平面図、図3(c)はメス型金型の平面図、図3(d)は図3(a)に示す金型に溶融樹脂を充填した際の状態を示す断面図である。
図3(a)に示すように、金型10はオス型金型11とメス型金型12とから構成されている。メス型金型12には位置決めピン13が形成されており、オス型金型11には位置決めピン13が挿入される凹部14が形成されている。オス型金型11とメス型金型12との結合時に、位置決めピン13が凹部14に挿入されることにより、オス型金型11とメス型金型12との位置決めがなされる。図3(c)に示すように、メス型金型12には方形状シート1におけるシート部2および凸部3を形成するための形状部15が形成されている。またメス型金型12には、方形状シート1の成形時に形状部15より溢れる溶融樹脂を収容するための樹脂溜め16が形成されている。
【0016】
一方、オス型金型11には、図3(b)に示すように、メス型金型12の形状部15に挿入される凸部17が形成されている。メス型金型12の形状部15の寸法は、例えば、100×100mmである。また方形状シート1のシート部2の厚みt1は、図3(d)に示すように、オス型金型11およびメス型金型12の間18にスペーサを挿入することにより制御できる。図3に示す金型を用い、樹脂ペレットあるいはシートをメス型金型12の形状部15にセットし、オス型金型11およびメス型金型12をプレス機を使用してプレスすることにより方形状シート1の製作が可能となる。
【0017】
図4は図2(a)および図2(c)に示す方形状シートの製作に使用する金型の一例を示す図であり、図4(a)はオス型金型とメス型金型の結合した状態を示す断面図、図4(b)はオス型金型の平面図、図4(c)はメス型金型の平面図、図4(d)は図4(a)に示す金型に溶融樹脂を充填した際の状態を示す断面図である。
図4に示す金型10においては、方形状シート1の片面にのみ凸部3を形成すればよいため、オス型金型11は、図4(a)および図4(b)に示すように凸部17を有していない。図4に示す金型のその他の構成は、図3に示す金型と概略同一である。
【0018】
図5は図2に示す方形状シート1を把持して延伸するための把持具の一例を示す斜視図である。把持具20は、パンタグラフ機構に連結される棒状の連結部21と、連結部21の先端部に設けられた把持部22とから構成されている。把持部22は上下一対の互いに接近及び離間可能な把持片23からなり、各把持片23には方形状シート1の凸部3に嵌合するための凹状の溝部24が形成されている。把持部22は、マイクロシリンダを内蔵し、空気供給管25からマイクロシリンダに圧縮空気を供給することにより、締め付けおよび緩め操作が全ての使用する把持具20の把持部22に対して行うことができる構成をとることが望ましい。圧縮空気の入力最大圧力は、通常、4.9×106Pa(50kg/cm2)程度であればよい。
【0019】
図6は方形状シート1の各辺を多数の把持具20で把持し、把持具20の間隔を拡大することにより方形状シート1を二軸方向に延伸させるパンタグラフ機構を示す図であり、図6(a)は平面図、図6(b)は図6(a)のB矢視図、図6(c)は図6(a)のC−C線断面図、図6(d)はピンの拡大図である。相隣接する把持具20の間隔を拡大するパンタグラフ機構30は、複数のリンク31と、二本のリンク31を結合するピン32,33と、延伸バー34により構成されている。ピン32は二本のリンク31の中心部を結合するピンであり、ピン33は二本のリンク31を端部で結合するピンである。また、図6(d)に示すように、ピン32の下端には、回転可能なローラ32aが設けられている。把持具20は、ピン32により保持されており、隣接する各ピン32に把持具20が設置される構成をとる。
【0020】
延伸バー34には溝35が設けられており、この溝35にピン32のローラ32aが移動可能に嵌合されている。すなわち、延伸バー34の溝35に対してリンク31がピン32により移動可能に結合されている。パンタグラフ機構30の両端部には、リンク31に結合された末端リンク36が設けられており(図6(a)では一端部のみ図示)、末端リンク36は直交する延伸バー34の重なり部分に保持されたコーナプレート37に固定されている。図6(a)においてコーナプレート37がX軸方向に移動する場合には、コーナプレート37はY軸方向に伸びている延伸バー34とともにX軸方向に伸びている延伸バー34に沿って移動する。またコーナプレート37がY軸方向に移動する場合には、コーナプレート37はX軸方向に伸びている延伸バー34とともにY軸方向に伸びている延伸バー34に沿って移動する。図6(a)において、相隣接する把持具20の間隔を拡大しようとすれば、図6(a)においてY軸方向に伸びている延伸バー34とともにコーナープレート37が右方向に移動し、複数のリンク31はピン結合点を中心に回転するとともに結合点(ピン32)は、X軸方向に伸びている延伸バー34の溝35に沿って移動することにより、パンタグラフ機構30が作用する構成をとっている。
本発明で用いるパンタグラフ機構30は、動きを平均化するのに適当な長さのリンクを有し、全体のストロークとして延伸倍率が10倍、把持具20の個数が10個以上となる構成であればよい。
【0021】
図7は二軸延伸機構を示す図であり、図7(a)は二軸延伸機構の全体構成を示す概略図、図7(b)は図7(a)のD−D線矢視図である。図7に示す二軸延伸機構は、方形状シート1の各辺を把持する複数の把持具20にそれぞれ連結された四つのパンタグラフ機構30X,30Yを備えている。また四つのコーナプレート37が設けられており、各パンタグラフ機構30X,30Yの両端部はコーナプレート37に連結されている。X軸方向には並列して二本の延伸バー34Xが設置されており、Y軸方向には並列して二本の延伸バー34Yが設置されている。各延伸バー34X,34Yは、図7(a)および図7(b)に示すように、両端部において、ナット受け38及び受け板39で保持されており、ナット受け38の内部にはナット40が固定されている。各ナット40は一本の軸に右ネジと左ネジを有する送りネジ41に螺合されており、各送りネジ41は両端部近傍において軸受42により回転可能に支持されている。また送りネジ41の端部にはベベルギヤ43が固定されている。なお、X軸方向に伸びる送りネジは符号41Xで示し、Y軸方向に伸びる送りネジは符号41Yで示す。
【0022】
一方、X軸方向およびY軸方向に沿って、各一本の中間軸44X,44Yが配置されており、各中間軸44X,44Yには二個のベベルギヤ45が固定されている。中間軸44X,44Yは両端部近傍において軸受42により回転可能に支持されている。そして、中間軸44X,44Yに固定された各ベベルギヤ45は、送りネジ41に固定されたベベルギヤ43に噛合されている。
【0023】
上述の構成において、X軸方向に伸びる中間軸44Xを回転させることにより、ベベルギヤ45,43を介してY軸方向に伸びる二本の送りネジ41Yを回転させ、X軸方向に伸びる二本の延伸バー34Xを互いに離間する方向に移動させ、Y軸方向において対向位置にある把持具20を互いに離間する方向に移動させ方形状シート1をY軸方向に延伸させることができる。このとき、X軸方向の対向位置にある把持具20は、Y軸方向に伸びるパンタグラフ機構30Yにより、方形状シート1の凸部3に沿って移動し、相隣接する把持具20間の間隔が拡大する。
【0024】
また、X軸方向に伸びる一方の送りネジ41Xを回転させ、ベベルギヤ45,43を介してY軸方向に伸びる中間軸44Yを回転させることにより、X軸方向に伸びる他方の送りネジ41Xを回転させ、Y軸方向に伸びる二本の延伸バー34Yを互いに離間する方向に移動させ、X軸方向において対向位置にある把持具20を互いに離間する方向に移動させて方形状シート1をX軸方向に延伸させることができる。このとき、Y軸方向の対向位置にある把持具20は、X軸方向に伸びるパンタグラフ機構30Xにより、方形状シート1の凸部3に沿って移動し、相隣接する把持具20間の間隔が拡大する。
方形状シート1を二軸方向に同時に延伸させる場合には、上述のX軸方向の延伸とY軸方向の延伸の組み合わせである。
【0025】
図8は、図7に示す二軸延伸機構を備えた二軸延伸試験機又は二軸延伸機の一例を示すものであって、延伸バーは200mm〜1000mmの範囲を移動することを可能としている。二軸延伸試験機と二軸延伸機は同一の構成でよい。
引張駆動方式については、ステッピングモータなどを使用してX軸及び/またはY軸駆動する方式とすることが望ましい。
駆動系はX軸(左右)方向とY軸(上下)方向の二系統で構成され、各駆動系はカップリング51により恒温槽52および断熱部53の外に設置したステッピングモータ54に連結されており、ステッピングモータ54は一定パルス速度制御により回転するために定速度引張を可能とするとともに、ステッピングモータ54をX軸・Y軸同時に駆動すれば同時二軸引張となり、X軸またはY軸のみを駆動すれば一軸引張となり、またX軸またはY軸駆動後にY軸またはX軸を駆動すれば逐次二軸引張となる。
【0026】
前記ステッピングモータ54と前記送りネジ41のリードとの関係で1パルス当たりの移動量が決定されるので特に変位センサを設置しなくとも延伸量が求められる。また、各駆動系のナット受け38のうち一ヶ所にロッド60を接続し、恒温槽52の外に設置したセンサードグ61に連結する構成とすることにより、センサードグ61はナット受け38の移動にともなって移動することによりフォトセンサ62をさえぎり、三ヶ所に設置されたフォトセンサ62によりそれぞれ原点、戻り限度及び延伸限度の位置検出の測定が可能となる。
【0027】
本発明の二軸延伸試験機による試験方法の恒温度は、特に限定されるものではなく、室温〜200℃であり、その範囲の間で温度を約2℃の精度で制御することが好ましい。温度検出の方法は、特に限定されるものではなく、K熱電対などを使用する温度検出方法が好ましい。温度制御の方法は、特に限定されるものではなく、温度調節計によるヒーター電力のPID制御などの方法が好ましい。なお、二軸延伸機の場合には、樹脂フィルムを製造するので、延伸時に周囲雰囲気の厳密な温度管理を必要としない場合には、恒温槽を省略してもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の二軸延伸機構によれば、樹脂フィルムなどの方形状のシートを二軸延伸させる場合に引張方向と直交する方向のシート両端部はクリップ(把持具)から拘束されることなく自由に延伸させることができ、かつ方形状シートを直交する二軸方向に全面にわたって均一に延伸させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る二軸延伸機構の基本概念を示す説明図であり、図1(a)は二軸延伸機構の平面図、図1(b)は方形状シートと把持具との関係を示す要部拡大図、図1(c)および図1(d)は二軸延伸機構により方形状シートが延伸される状態を示す模式図である。
【図2】本発明の二軸延伸機構により延伸する方形状のシートを示す図であり、図2(a)は方形状シートの平面図、図2(b)は図2(a)に示す一つの方形状シートのA−A線断面図、図2(c)は図2(a)に示す別の方形状シートのA−A線断面図である。
【図3】図2(a)および図2(b)に示す方形状シートの製作に使用する金型の一例を示す図であり、図3(a)はオス型金型とメス型金型の結合した状態を示す断面図、図3(b)はオス型金型の平面図、図3(c)はメス型金型の平面図、図3(d)は図3(a)に示す金型に溶接樹脂を充填した際の状態を示す断面図である。
【図4】図2(a)および図2(c)に示す方形状シートの製作に使用する金型の一例を示す図であり、図4(a)はオス型金型とメス型金型の結合した状態を示す断面図、図4(b)はオス型金型の平面図、図4(c)はメス型金型の平面図、図4(d)は図4(a)に示す金型に溶接樹脂を充填した際の状態を示す断面図である。
【図5】図2に示す方形状シートを把持して延伸するための把持具の一例を示す斜視図である。
【図6】方形状シートの各辺を多数の把持部で把持し、把持部の間隔を拡大することにより方形状シートを二軸方向に延伸するようにした二軸延伸機構を構成するパンタグラフ機構を示す図であり、図6(a)は平面図、図6(b)は図6(a)のB矢視図、図6(c)は図6(a)のC−C線断面図、図6(d)はピンの拡大図である。
【図7】二軸延伸機構を示す図であり、図7(a)は二軸延伸機構の全体構成を示す概略図、図7(b)は図7(a)のD−D線矢視図である。
【図8】図7に示す二軸延伸機構を備えた二軸延伸試験機又は二軸延伸機の一例を示すものである。
【符号の説明】
1 方形状シート
2 シート部
3,17 凸部
4 境界部
10 金型
11 オス型金型
12 メス型金型
13 位置決めピン
14 凹部
15 形状部
16 樹脂溜め
18 オス型金型とメス型金型の間
20 把持具
21 連結部
22 把持部
23 把持片
24 溝部
25 空気供給管
30,30X,30Y パンタグラフ機構
31 リンク
32,33 ピン
32a ローラ
34,34X,34Y 延伸バー
35 溝
36 末端リンク
37 コーナプレート
38 ナット受け
39 受け板
40 ナット
41,41X,41Y 送りネジ
42 軸受
43,45 ベベルギヤ
44X,44Y 中間軸
51 カップリング
52 高温槽
53 断熱部
54 ステッピングモータ
60 ロッド
61 センサードグ
62 フォトセンサ
t1 シート部の厚み
t2 凸部の厚み
w 凸部の幅[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a biaxial stretching mechanism capable of stretching a rectangular sheet such as a resin film such as a polyolefin film, cloth, or a woven fabric in two different directions, and a biaxial stretching tester equipped with the biaxial stretching mechanism And a biaxial stretching machine.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, there has been known a biaxial stretching test machine as a testing machine for stretching a sheet material such as a resin film such as a polyolefin film or a woven fabric in two different directions and examining biaxial tensile properties. In this biaxial stretching tester, there is a device using a pantograph mechanism as a mechanism for enlarging an interval between a plurality of grippers called a clip for holding a sheet-like material, and is described in, for example, Japanese Patent Publication No. 4-4935. ing. In the biaxial stretching tester described in Japanese Patent Publication No. 4-4935, each side of the sheet-like sample is gripped by a large number of clips, and the interval between the clips is enlarged to stretch the sample in the biaxial direction. In a test machine, a clip interval enlarging means includes a plurality of links forming a pantograph mechanism, pins connecting two links, and a plurality of holding tables provided with clips at one end, and the holding tables are provided. Are provided with a sliding groove, in which the link is slidably engaged by a pin, and every other holding base is pivoted by the link and the pin at a fixed point other than the sliding groove. They are worn to form nodes. When the clip interval is to be increased, the link rotates around the pin connection point and the engagement point slides along the sliding groove, whereby the pantograph mechanism operates (the cross angle of the link is open). Things.
[0003]
In the tester described in Japanese Patent Publication No. 4-4935, when a rectangular sample is stretched in the orthogonal direction, a clip corresponding to the midpoint of each side of the sample is fixed and expanded to both sides. As a result, the stroke is halved at the same stretching ratio as compared with the conventional one-end fixing method, so that measurement with good accuracy and good reproducibility can be performed.
[0004]
On the other hand, a biaxial stretching machine as a stretching machine for manufacturing a biaxially stretched sheet by simultaneously and continuously stretching a resin sheet in two longitudinal and transverse directions is also known. In this biaxial stretching machine, while holding the resin sheet with a number of pairs of clips, which are disposed opposite to each other in the lateral direction, called clips, and while running these grippers along the guide rail, There is a device using a link mechanism that enlarges the horizontal space between each pair of grippers and the vertical space between adjacent grippers, and is described in, for example, JP-A-2000-334832. Have been. The biaxial stretching machine described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-334832 is an endless machine in which gripping devices (gripping tools) called a plurality of clips for gripping both side ends of a resin sheet are arranged on both sides of the sheet. A link device is provided, and the endless link device is composed of a plurality of isometric link devices formed in a fold length, is driven by a sprocket on the inlet side of the sheet-like material, and is provided on a guide rail which is arranged divergently in the movement direction. By being guided and gradually expanding the gripping pitch, the sheet-like material is simultaneously stretched in two directions in the vertical and horizontal directions, the sheet-like material is removed, and the sheet-like material is driven by the outlet-side sprocket to return to the inlet-side sprocket. I have.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present inventor uniformly stretches the resin sheet stretched by the above-described conventional biaxial stretching test machine and biaxial stretching machine in the longitudinal and transverse biaxial directions, that is, in the orthogonal biaxial (X-axis and Y-axis) directions. An inspection was performed using a number of test pieces to determine whether or not the test was performed. As a result, at the center of the test piece, it is relatively uniformly stretched in the biaxial (X-axis and Y-axis) directions, but the closer to the gripper called a clip, the more the biaxial direction. It was found that the film was not stretched uniformly. This phenomenon is due to the following reasons.
[0006]
That is, when the resin sheet is simultaneously stretched in the biaxial direction by a biaxial stretching tester that stretches while holding the four sides of the rectangular resin sheet with a large number of clips (gripping tools), the biaxial stretching is performed along the X-axis. Since this is a combination of stretching in the X-axis direction and stretching in the Y-axis direction, the phenomenon of stretching in the X-axis direction and the phenomenon of stretching in the Y-axis direction are separately considered, and it is considered that these phenomena occur simultaneously. Just fine. When stretching the resin sheet in the X-axis direction, the sheet is stretched in the X-axis direction by applying a tensile force to the sheet by clips that grip both ends of the sheet in the X-axis direction. It is desirable that no force is applied to the sheet from the clip that grips both ends in the Y direction. However, in actuality, it is assumed that both ends in the Y axis direction of the sheet are free without being restrained by the clip. The amount and speed of deformation at each position of both ends in the direction and the amount and speed of movement of each clip that grips both ends in the Y-axis direction are not always the same during the stretching process, There is a problem that an irregular and non-uniform force (mainly a tensile force) is applied to the sheet from the clips gripping both ends. Similarly, when the resin sheet is stretched in the Y-axis direction, an irregular and non-uniform force is applied to the sheet from clips that grip both ends of the sheet in the X-axis direction. As described above, when a rectangular resin sheet is biaxially stretched, the sheet is constrained by clips in a direction perpendicular to the tensile direction, so that an irregular and uneven force is applied in the direction perpendicular to the tensile direction. Has a problem that the sheet cannot be uniformly biaxially stretched.
[0007]
On the other hand, in a biaxial stretching machine that stretches while holding both end portions of a resin sheet with a plurality of clips, the biaxial stretching machine extends along a guide rail arranged in a C-shaped divergent shape in the direction of movement of the resin sheet. In the stretching process, the resin sheet is stretched in a biaxial direction. In the stretching process, the resin sheet is in a direction intermediate between the direction of movement of the resin sheet (Y-axis direction) and a direction orthogonal to the direction of movement (X-axis direction). (Diagonally). That is, the resin sheet is stretched not in the X-axis direction and the Y-axis direction but in the oblique direction in the divergent guide rail portion, and is uniformly stretched in the biaxial directions (X-axis direction and Y-axis direction). There is a problem that it is not what is done.
[0008]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and when a rectangular sheet such as a resin film is biaxially stretched, both ends of the sheet in a direction orthogonal to the tension direction are restrained from clips (gripping tools). An object of the present invention is to provide a biaxial stretching mechanism that can stretch freely without causing any problem and can stretch a rectangular sheet uniformly in two orthogonal directions.
Another object of the present invention is to provide a biaxial stretching tester and a biaxial stretching machine using the above biaxial stretching mechanism.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above-described object, a first aspect of the present invention is a biaxial stretching mechanism for stretching a rectangular sheet in two different directions, wherein the mechanism is formed on one or both sides of four sides of the rectangular sheet. By fitting the groove to the convex part, the sides of the square sheet are gripped, and the groove part can be moved along the convex part of the square sheet in a state fitted to the convex part of the square sheet. A plurality of gripping tools, and four pantograph mechanisms respectively connected to the plurality of gripping tools for gripping each side of the rectangular sheet; moving the gripping tools at opposing positions in a direction away from each other; The gripper in the direction perpendicular to the gripper in the position is moved along the convex part of the rectangular sheet by the pantograph mechanism, and the interval between the adjacent grippers is enlarged, so that the rectangular sheet is moved in two different directions. Stretched to And it is characterized in Rukoto.
[0010]
FIG. 1 is an explanatory view showing the basic concept of a biaxial stretching mechanism according to the present invention. FIG. 1 (a) is a plan view of the biaxial stretching mechanism, and FIG. 1 (b) is a relation between a square sheet and a gripper. 1 (c) and 1 (d) are schematic diagrams showing a state where a rectangular sheet is stretched by a biaxial stretching mechanism. In FIG. 1A and FIG. 1B, reference numeral 1 denotes a square sheet. On one or both sides of four sides of the square sheet 1, a convex portion 3 protruding outward from a flat sheet portion 2 is provided. Is formed. The biaxial stretching mechanism of the present invention grips each side of the rectangular sheet 1 by fitting the grooves 24 into the convex portions 3 formed on one or both sides of the four sides of the rectangular sheet 1, and A plurality of grippers 20 that can move along the protrusions 3 of the square sheet 1 while the protrusions 24 are fitted to the protrusions 3 of the square sheet 1, and a plurality of grippers that hold each side of the square sheet 1 And four pantograph mechanisms 30X and 30Y respectively connected to the tool 20. Corner plates 37 are connected to both ends of each pantograph mechanism 30. Two extension bars 34X are installed in parallel in the X-axis direction, and two extension bars 34Y are installed in parallel in the Y-axis direction.
[0011]
In the above-described configuration, the two extension bars 34X extending in the X-axis direction are moved in the direction away from each other, and as shown in FIG. 1C, the grippers 20 at the opposing positions in the Y-axis direction are separated from each other. , The rectangular sheet 1 can be stretched in the Y-axis direction. At this time, the gripper 20 at the opposing position in the X-axis direction moves along the convex portion 3 of the rectangular sheet 1 by the pantograph mechanism 30Y extending in the Y-axis direction, and the space between the adjacent grippers 20 is reduced. Expanding. In addition, the two extension bars 34Y extending in the Y-axis direction are moved in a direction away from each other, and as shown in FIG. 1D, the grippers 20 at the opposing positions in the X-axis direction are moved in a direction away from each other. Thus, the rectangular sheet 1 can be stretched in the X-axis direction. At this time, the gripper 20 at the opposing position in the Y-axis direction moves along the convex portion 3 of the rectangular sheet 1 by the pantograph mechanism 30X extending in the X-axis direction, and the space between the adjacent grippers 20 is reduced. Expanding.
When the rectangular sheet 1 is simultaneously stretched in the biaxial directions, a combination of the above-described stretching in the X-axis direction and the stretching in the Y-axis direction is used.
[0012]
In the biaxial stretching tester of the present invention, the biaxial stretching mechanism according to claim 1, a driving system for moving the gripping tools at the opposed position in a direction away from each other, and the gripping tool at the opposed position are orthogonal to each other. And a drive system for moving the grippers located at the opposing position in the separated position in a direction away from each other.
Further, the biaxial stretching machine of the present invention is a biaxial stretching mechanism according to claim 1, a drive system for moving the gripping tools at the opposed position in a direction away from each other, and a gripping tool at the opposed position. And a drive system for moving the grippers at the orthogonal position and at the opposing position in a direction away from each other.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of a biaxial stretching mechanism according to the present invention will be described with reference to FIGS.
FIG. 2 is a view showing a square sheet stretched by the biaxial stretching mechanism of the present invention. FIG. 2 (a) is a plan view of the square sheet, and FIG. FIG. 2C is a cross-sectional view taken along line AA of one square sheet, and FIG. 2C is a cross-sectional view taken along line AA of another square sheet shown in FIG.
The square sheet 1 shown in FIGS. 2A and 2B has a sheet portion 2 having both sides flat and a predetermined thickness, and the sheet portion 2 formed on both sides of four sides of the square sheet 1. And convex portions 3 and 3 provided so as to surround the periphery of.
The square sheet 1 shown in FIGS. 2A and 2C has a sheet portion 2 having both sides flat and a predetermined thickness, and the sheet portion 2 formed on one side of four sides of the square sheet 1. And a convex portion 3 provided so as to surround the periphery of the projection.
[0014]
The rectangular sheet 1 is made of various resin films, such as polyolefin films, vinyl chloride films, and polyethylene terephthalate, and woven fabrics. The dimensions of the square sheet 1 are not particularly limited, and preferably one side of the square is 100 mm. It is desirable that a boundary portion 4 between the sheet portion 2 and the convex portion 3 in the rectangular sheet 1 has a gentle curved surface. The thickness t1 of the sheet portion 2 is not particularly limited and is usually 1 mm to 2 mm, and may be determined as needed.
The thickness t2 of the projection 3 is not particularly limited, and is usually 1 mm to 3 mm. The width w of the projection 3 is not particularly limited, and is usually 1 mm to 3 mm.
[0015]
FIG. 3 is a view showing an example of a mold used for producing the square sheet shown in FIGS. 2A and 2B. FIG. 3A shows a male mold and a female mold. FIG. 3B is a cross-sectional view showing a connected state, FIG. 3B is a plan view of a male mold, FIG. 3C is a plan view of a female mold, and FIG. 3D is a mold shown in FIG. It is sectional drawing which shows the state at the time of filling a mold with a molten resin.
As shown in FIG. 3A, the mold 10 includes a male mold 11 and a female mold 12. The female mold 12 has a positioning pin 13 formed therein, and the male mold 11 has a recess 14 into which the positioning pin 13 is inserted. When the male mold 11 and the female mold 12 are joined, the positioning pin 13 is inserted into the concave portion 14 so that the male mold 11 and the female mold 12 are positioned. As shown in FIG. 3C, the female mold 12 is formed with a shape portion 15 for forming the sheet portion 2 and the convex portion 3 of the square sheet 1. The female mold 12 is provided with a resin reservoir 16 for accommodating the molten resin overflowing from the shape portion 15 when the rectangular sheet 1 is formed.
[0016]
On the other hand, as shown in FIG. 3B, the male mold 11 has a convex portion 17 inserted into the shape portion 15 of the female mold 12. The dimension of the shape portion 15 of the female mold 12 is, for example, 100 × 100 mm. The thickness t1 of the sheet portion 2 of the rectangular sheet 1 can be controlled by inserting a spacer between the male mold 11 and the female mold 12, as shown in FIG. Using the mold shown in FIG. 3, a resin pellet or sheet is set on the shape portion 15 of the female mold 12, and the male mold 11 and the female mold 12 are pressed using a press machine. Production of the shape sheet 1 becomes possible.
[0017]
FIG. 4 is a view showing an example of a mold used for producing the square sheet shown in FIGS. 2A and 2C. FIG. 4A shows a male mold and a female mold. 4 (b) is a plan view of a male mold, FIG. 4 (c) is a plan view of a female mold, and FIG. 4 (d) is a mold shown in FIG. 4 (a). It is sectional drawing which shows the state at the time of filling a mold with a molten resin.
In the mold 10 shown in FIG. 4, since the convex portion 3 may be formed only on one side of the square sheet 1, the male mold 11 is formed as shown in FIGS. 4 (a) and 4 (b). The projection 17 is not provided. Other configurations of the mold shown in FIG. 4 are substantially the same as those of the mold shown in FIG.
[0018]
FIG. 5 is a perspective view showing an example of a gripper for gripping and extending the rectangular sheet 1 shown in FIG. The gripper 20 includes a rod-shaped connecting portion 21 connected to the pantograph mechanism, and a gripping portion 22 provided at a distal end of the connecting portion 21. The grip portion 22 is composed of a pair of upper and lower grip pieces 23 that can be approached and separated from each other, and each of the grip pieces 23 is formed with a concave groove 24 for fitting into the projection 3 of the rectangular sheet 1. The grip portion 22 has a built-in microcylinder and supplies compressed air to the microcylinder from the air supply pipe 25 so that tightening and loosening operations can be performed on the grip portion 22 of all the gripping tools 20 used. It is desirable to take a configuration. The maximum input pressure of the compressed air is usually 4.9 × 10 6 Pa (50 kg / cm 2 ).
[0019]
FIG. 6 is a diagram illustrating a pantograph mechanism that grips each side of the rectangular sheet 1 with a large number of grippers 20 and expands the rectangular sheet 1 in two axial directions by increasing the interval between the grippers 20. 6 (a) is a plan view, FIG. 6 (b) is a view taken in the direction of arrow B in FIG. 6 (a), FIG. 6 (c) is a sectional view taken along line CC of FIG. 6 (a), and FIG. It is an enlarged view of a pin. The pantograph mechanism 30 for expanding the interval between the adjacent gripping tools 20 includes a plurality of links 31, pins 32 and 33 connecting the two links 31, and an extension bar 34. The pin 32 is a pin that connects the central portions of the two links 31, and the pin 33 is a pin that connects the two links 31 at the ends. As shown in FIG. 6D, a rotatable roller 32a is provided at the lower end of the pin 32. The gripper 20 is held by pins 32, and has a configuration in which the gripper 20 is installed on each adjacent pin 32.
[0020]
A groove 35 is provided in the extension bar 34, and the roller 32 a of the pin 32 is movably fitted in the groove 35. That is, the link 31 is movably connected to the groove 35 of the extension bar 34 by the pin 32. At both ends of the pantograph mechanism 30, end links 36 connected to the link 31 are provided (only one end is shown in FIG. 6A), and the end links 36 are held at overlapping portions of the orthogonal extension bars 34. Is fixed to the corner plate 37. When the corner plate 37 moves in the X-axis direction in FIG. 6A, the corner plate 37 moves along the extension bar 34 extending in the X-axis direction together with the extension bar 34 extending in the Y-axis direction. . When the corner plate 37 moves in the Y-axis direction, the corner plate 37 moves along the extension bar 34 extending in the Y-axis direction together with the extension bar 34 extending in the X-axis direction. In FIG. 6 (a), if an attempt is made to increase the distance between adjacent gripping tools 20, the corner plate 37 moves rightward along with the extension bar 34 extending in the Y-axis direction in FIG. 6 (a). The link 31 rotates about the pin connection point and the connection point (pin 32) moves along the groove 35 of the extension bar 34 extending in the X-axis direction, so that the pantograph mechanism 30 operates. I'm taking.
The pantograph mechanism 30 used in the present invention has a link having a length suitable for averaging the movement, and is configured so that the stretching ratio is 10 times as a whole stroke and the number of the grippers 20 is 10 or more. Just fine.
[0021]
7A and 7B are views showing a biaxial stretching mechanism, FIG. 7A is a schematic view showing the entire configuration of the biaxial stretching mechanism, and FIG. 7B is a view taken along a line DD in FIG. 7A. It is. The biaxial stretching mechanism illustrated in FIG. 7 includes four pantograph mechanisms 30X and 30Y that are respectively connected to a plurality of grippers 20 that grip each side of the rectangular sheet 1. Further, four corner plates 37 are provided, and both ends of each of the pantograph mechanisms 30X and 30Y are connected to the corner plates 37. Two extension bars 34X are installed in parallel in the X-axis direction, and two extension bars 34Y are installed in parallel in the Y-axis direction. As shown in FIGS. 7A and 7B, the extension bars 34X and 34Y are held at both ends by a nut receiver 38 and a receiving plate 39, and a nut 40 is provided inside the nut receiver 38. Has been fixed. Each nut 40 is screwed to a feed screw 41 having a right screw and a left screw on one shaft, and each feed screw 41 is rotatably supported by a bearing 42 near both ends. A bevel gear 43 is fixed to an end of the feed screw 41. Note that a lead screw extending in the X-axis direction is denoted by reference numeral 41X, and a lead screw extending in the Y-axis direction is denoted by reference numeral 41Y.
[0022]
On the other hand, one intermediate shaft 44X, 44Y is arranged along the X-axis direction and the Y-axis direction, and two bevel gears 45 are fixed to each intermediate shaft 44X, 44Y. The intermediate shafts 44X and 44Y are rotatably supported by bearings 42 near both ends. Each bevel gear 45 fixed to the intermediate shafts 44X and 44Y is meshed with a bevel gear 43 fixed to the feed screw 41.
[0023]
In the above-described configuration, by rotating the intermediate shaft 44X extending in the X-axis direction, the two feed screws 41Y extending in the Y-axis direction are rotated via the bevel gears 45 and 43, and the two stretching screws extending in the X-axis direction. The square sheet 1 can be stretched in the Y-axis direction by moving the bars 34X in the direction of separating from each other, and moving the grippers 20 at the opposing positions in the Y-axis direction in the direction of separating from each other. At this time, the gripper 20 at the opposing position in the X-axis direction moves along the convex portion 3 of the rectangular sheet 1 by the pantograph mechanism 30Y extending in the Y-axis direction, and the space between the adjacent grippers 20 is reduced. Expanding.
[0024]
Further, by rotating one feed screw 41X extending in the X-axis direction and rotating the intermediate shaft 44Y extending in the Y-axis direction via the bevel gears 45 and 43, the other feed screw 41X extending in the X-axis direction is rotated. By moving the two stretching bars 34Y extending in the Y-axis direction in the direction away from each other, and moving the grippers 20 at the opposing positions in the X-axis direction in the direction away from each other, the rectangular sheet 1 is moved in the X-axis direction. It can be stretched. At this time, the gripper 20 at the opposing position in the Y-axis direction moves along the convex portion 3 of the rectangular sheet 1 by the pantograph mechanism 30X extending in the X-axis direction, and the space between the adjacent grippers 20 is reduced. Expanding.
When the rectangular sheet 1 is simultaneously stretched in the biaxial directions, a combination of the above-described stretching in the X-axis direction and the stretching in the Y-axis direction is used.
[0025]
FIG. 8 shows an example of a biaxial stretching tester or a biaxial stretching machine equipped with the biaxial stretching mechanism shown in FIG. 7, and the stretching bar can move in a range of 200 mm to 1000 mm. . The biaxial stretching tester and the biaxial stretching machine may have the same configuration.
Regarding the tension driving method, it is desirable to use a stepping motor or the like to drive the X axis and / or the Y axis.
The drive system is composed of two systems in the X-axis (left-right) direction and the Y-axis (up-down) direction, and each drive system is connected to a stepping motor 54 installed outside the thermostatic bath 52 and the heat insulating part 53 by a coupling 51. In addition, the stepping motor 54 enables constant-speed tension to rotate by the constant pulse speed control, and simultaneously driving the stepping motor 54 in the X-axis and Y-axis results in simultaneous biaxial tension, and only the X-axis or the Y-axis When driven, uniaxial tension is obtained. When the Y-axis or X-axis is driven after driving the X-axis or Y-axis, biaxial tension is sequentially obtained.
[0026]
The amount of movement per pulse is determined by the relationship between the stepping motor 54 and the lead of the feed screw 41, so that the amount of stretching can be obtained without installing a displacement sensor. The rod 60 is connected to one of the nut receivers 38 of each drive system, and is connected to the sensor dog 61 installed outside the constant temperature bath 52, so that the sensor dog 61 moves with the nut receiver 38. By moving, the photo sensor 62 is blocked, and the position detection of the origin, the return limit, and the extension limit can be measured by the photo sensors 62 installed at three places, respectively.
[0027]
The constant temperature in the test method using the biaxial stretching tester of the present invention is not particularly limited, and is from room temperature to 200 ° C., and it is preferable to control the temperature within the range with an accuracy of about 2 ° C. The temperature detection method is not particularly limited, and a temperature detection method using a K thermocouple or the like is preferable. The temperature control method is not particularly limited, and a method such as PID control of heater power by a temperature controller is preferable. In the case of a biaxial stretching machine, since a resin film is manufactured, the thermostat may be omitted if strict temperature control of the surrounding atmosphere is not required during stretching.
[0028]
【The invention's effect】
As described above, according to the biaxial stretching mechanism of the present invention, when a rectangular sheet such as a resin film is biaxially stretched, both ends of the sheet in the direction orthogonal to the tension direction are restrained from the clips (gripping tools). The rectangular sheet can be stretched freely without being stretched, and the rectangular sheet can be stretched uniformly over the entire surface in orthogonal biaxial directions.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory view showing the basic concept of a biaxial stretching mechanism according to the present invention. FIG. 1A is a plan view of the biaxial stretching mechanism, and FIG. 1 (c) and 1 (d) are schematic views showing a state where a rectangular sheet is stretched by a biaxial stretching mechanism.
FIG. 2 is a view showing a square sheet stretched by the biaxial stretching mechanism of the present invention. FIG. 2 (a) is a plan view of the square sheet, and FIG. 2 (b) is shown in FIG. 2 (a). FIG. 2C is a cross-sectional view taken along line AA of one rectangular sheet, and FIG. 2C is a cross-sectional view taken along line AA of another rectangular sheet shown in FIG.
FIG. 3 is a view showing an example of a mold used for manufacturing the square sheet shown in FIGS. 2 (a) and 2 (b). FIG. 3 (a) is a male mold and a female mold. 3 (b) is a plan view of a male mold, FIG. 3 (c) is a plan view of a female mold, and FIG. 3 (d) is shown in FIG. 3 (a). It is sectional drawing which shows the state at the time of filling a mold with welding resin.
FIG. 4 is a view showing an example of a mold used for manufacturing the square sheet shown in FIGS. 2 (a) and 2 (c), and FIG. 4 (a) is a male mold and a female mold. 4 (b) is a plan view of a male mold, FIG. 4 (c) is a plan view of a female mold, and FIG. 4 (d) is shown in FIG. 4 (a). It is sectional drawing which shows the state at the time of filling a mold with welding resin.
FIG. 5 is a perspective view showing an example of a gripper for gripping and extending the square sheet shown in FIG. 2;
FIG. 6 is a pantograph mechanism that constitutes a biaxial stretching mechanism in which each side of a rectangular sheet is gripped by a large number of grippers and the rectangular sheet is biaxially stretched by increasing the distance between the grippers. 6 (a) is a plan view, FIG. 6 (b) is a view taken in the direction of arrow B in FIG. 6 (a), and FIG. 6 (c) is a cross-sectional view taken along line CC in FIG. 6 (a). FIG. 6D is an enlarged view of the pin.
7A and 7B are diagrams showing a biaxial stretching mechanism, FIG. 7A is a schematic diagram showing the entire configuration of the biaxial stretching mechanism, and FIG. 7B is a view taken along line DD in FIG. 7A. FIG.
FIG. 8 shows an example of a biaxial stretching tester or a biaxial stretching machine provided with the biaxial stretching mechanism shown in FIG.
[Explanation of symbols]
1 square sheet
2 Seat section
3,17 convex
4 Border
10 Mold
11 Male mold
12 Female mold
13 Positioning pin
14 recess
15 Shape part
16 Resin reservoir
18 Between male and female molds
20 gripper
21 Connecting part
22 gripper
23 Grip pieces
24 groove
25 Air supply pipe
30, 30X, 30Y Pantograph mechanism
31 Links
32, 33 pins
32a roller
34, 34X, 34Y stretching bar
35 grooves
36 End link
37 Corner plate
38 nut holder
39 backing plate
40 nuts
41, 41X, 41Y Feed screw
42 Bearing
43,45 bevel gear
44X, 44Y Intermediate shaft
51 Coupling
52 High temperature bath
53 Insulation section
54 stepper motor
60 rod
61 Sensor Dog
62 Photo Sensor
t1 Sheet thickness
t2 Thickness of convex part
w Width of convex part