【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体の物性値を測定する装置に関し、詳しくは、液体の粘性係数または弾性係数を測定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
実在する流体は粘性を有しており、これら粘性流体を所定の剪断速度で変形させるためには、通常は剪断速度に比例した剪断応力を加えなければならない。この比例係数は粘性係数と呼ばれている。また、剪断速度と剪断応力との間に常に比例関係が成り立つ流体はニュートン流体と呼ばれている。
【0003】
多くの粘性流体はニュートン流体と見なすことができるので、粘性係数は剪断速度によらず一定値となる。従って、任意の剪断速度で測定した粘性係数を、他の剪断速度にもそのまま適用することができる。
【0004】
ところがインクやミルク等の、高分子物質が溶けた溶液や微粒子が分散している懸濁液では、剪断変形と剪断応力の関係で極めて複雑な挙動を示す。例えば剪断速度が高くなると粘性係数が小さくなることが知られている。また、周期的な変形を加えた時にも、剪断応力の振幅と剪断速度の振幅の比が粘性係数を与えるが、この場合にも周波数が高くなるほど粘性係数が小さくなることが知られている。更に、剪断応力が剪断速度によってのみ発生する純粋な意味での流体と異なり、固体が持つ剪断歪量に応じた剪断応力を示す液体が知られている。このような流体の特徴である粘性と、固体の特徴である弾性とを併せ持つ液体は粘弾性流体と呼ばれている。一般に、剪断速度と剪断応力との比例関係が常には成り立たない流体は、非ニュートン流体と呼ばれている。インク等の非ニュートン流体は、粘性係数が測定周波数によって変化するので、例えば低い周波数で測定した粘性係数の値を、高い周波数の条件での粘性係数として代用することはできない。すなわち、非ニュートン流体の液体物性を知るには、各周波数で剪断変形と剪断応力の関係を測定し、周波数に依存した粘性係数・弾性係数として求める必要がある。従って、測定周波数を変えながら剪断速度と剪断応力を測定可能なレオメータと呼ばれる計測装置が必要になる。
【0005】
このような各周波数に対する液体物性を測定する方式として、Gap loading法とSurface loading法の2種類が知られている。Gap loading法は2つの面で形成されたギャップ間に試料液体を挟み、これら2つの面で拘束する。片側の面を面内方向に強制的に振動させ、ギャップに挟まれた試料液体に一方の面から剪断変形を与えると、変形に応じた応力が発生し、この応力を測定することで液体物性を算出することができる。通常の同軸円筒型、円錐−平板型、平行平板型がこの方式のレオメータである。図4に示す円錘−平板型レオメータの測定原理は次のようなものである。円錘Aと平板Bとの間に試料液体を充填し、円錘Aを回転振動させて試料液体に振動的な剪断変形を生じさせる。ここで円錘Aの回転振動は、試料液体中をずり波としてギャップを伝播する。試料液体がギャップ間で拘束された状態であるには、ギャップの大きさがずり波の波長に比べると無視できる程度に短いことを要求しており、全てのGap loading法はこの条件の下で測定原理が成立している。この条件によりGap loading法のレオメータでは測定可能な周波数の上限が数十Hz程度とされている。
【0006】
Surface loading法は、試料液体に浸漬した平板治具や円筒治具を振動させることにより発生するずり波が、治具の表面から試料液体中に減衰しながら伝播する現象を利用する。治具表面から放射されるずり波は、治具への機械的な負荷として作用する。ずり波の特性と液体の粘弾性特性は一対一に対応しているため、この負荷の大きさを測定することで液体物性を計測することが可能である。共振法あるいは共鳴法と呼ばれるSurface loading法のレオメータの測定原理は、機械的固有共振周波数を持つ振動子を検出端子として液中に浸漬し、外部回路により振動子を共振させる。振動子が空気中にある時に対して、液体に浸漬されている状態ではずり波の放射に伴う付加的な質量が振動子に加わるため、共振周波数は低下する。この周波数の低下量から液体の粘度を算出できる。
【0007】
また、ずり波による負荷を機械振動系のインピーダンスとして検出する方法も提案されている。図5に示す構成では、電磁加振装置がインピーダンスヘッドを挟んで接続されたガラス板を上下に振動させる。インピーダンスヘッドは振動時の見かけの質量を検出する素子で、このインピーダンスヘッドでガラス板が液体に浸漬される前後のメカニカルインピーダンスの変化を測定することで、液体物性が測定できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
先に説明した通りGap loading法の装置は、周波数測定範囲の上限値が低く多くの工学的応用で必要な周波数領域での測定が不可能である。また、共振法による装置は共振周波数と言う単一の周波数での測定しかできず、ある程度の周波数領域に渡る測定を行うには数多くの装置を用意しなければならない。また、加振の振幅を制御することが困難なため、振幅に対する依存性を調べることが難しい。インピーダンスヘッドを用いた方式は、これらの欠点を克服した優れた方式であるが、インピーダンスヘッド素子ごと加振しなければならないため、1kHz程度の周波数が上限となってしまう。
【0009】
本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、同一の測定原理を用いて極めて低い周波数から極めて高い周波数までの広い周波数領域に渡って、液体物性、具体的には粘性係数と弾性係数を精度良く測定可能な技術を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明の液体物性測定装置は、次の構成を採用した。すなわち、
液体中に浸漬された検出端子と、該検出端子の検出面に平行に前記液体を並進振動させる液体加振手段と、前記検出端子への前記液体の並進方向の作用力を検出する荷重センサと
を備えていることを特徴とする。
【0011】
かかる本発明の液体物性測定装置においては、検出端子が動くのではなく周囲の液体側を加振して検出端子の検出面との間に相対的な剪断変形を与えている。作用力を検出する検出端子と加振手段とを分離したことにより、一般的な荷重センサと加振装置を組み合わせて装置を構成することが可能となった。機能が分離できたことで、高い周波数まで対応した高精度な荷重センサと高い周波数まで高精度に加振できる加振手段の組み合わせにより極めて高い周波数まで幅広い周波数範囲で液体物性の計測が可能となる。
【0012】
また、本発明の液体物性測定装置は、前記液体は液体保持容器に収容され、前記液体加振手段は前記液体保持容器を加振させる手段であることを特徴とする。
【0013】
かかる本発明の液体物性測定装置においては、液体を液体保持容器ごと加振するため、極めて単純な加振手段を用いることが可能で、かつ液体保持容器内の液体全部が均一に加振できる。そのため検出端子の大きさや位置が自由に選べ、安定した計測が可能となる。
【0014】
また、本発明の液体物性測定装置は、前記液体の並進振動は液体を伝播する音響波動とすることを特徴とする。水中音波・超音波技術を利用すれば、極めて高い周波数で液体を並進振動させることが可能であり、従来では測定不可能な高周波領域での物性測定が可能となる。更に、並進振動を液体中に形成された音響波動の定在波を用いることで、液体を保持している容器や液体表面からの反射によるノイズに影響されにくい安定した計測が可能となる。
【0015】
このように音響波動を利用する場合には、前記検出端子の検出面の前記液体の並進振動の方向に関する長さは、前記音響波動の波長の2分の1以下とすることで、最も感度が高く小型の装置を構成することが可能となる。音響波動は1波長内で振動の位相が360度回転するため、1波長に渡った応力の積分はゼロになる。しかし、検出面の長さを波長の2分の1より短くすると、最大の出力が得られる位相近傍では、検出面の応力は同じ符号となり相殺することがないので、検出出力が大きく安定した測定が行える。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の液体物性測定装置10の全体構成を示す説明図である。図示するように、液体物性測定装置10は、検出端子20と、検出端子に作用する流体力を測定する荷重センサ30と、液体を保持する液体保持容器40の下に設置され液体保持容器40を上下に加振する液体加振手段50と液体加振手段50を制御するとともに収集データを解析するコンピュータ60とから、大きく構成されている。
【0018】
検出端子20と荷重センサ30とは、一体で上下に高さ調整できるスタンド35に固定されており、検出端子20が液体保持容器40のほぼ中央に位置するよう調整されている。被測定対象である試験液体11は、液体保持容器40内に検出端子20が完全に浸漬するまで、十分に注ぎ込まれている。検出端子20は四角形の極めて薄いガラスの板で、細い連結ロッド22で荷重センサ30に連結している。また本構成では、後述する通り検出端子20の周囲の試験液体11は上下に並進振動するため、検出端子20は正確に垂直に設置されており、試験液体11の並進振動は検出端子20の検出面21に沿うようになっている。ここで検出端子20を十分に薄い板とするのは、誤差として加わる検出端子20の上下端面が受ける流体力を小さくするためである。また、検出端子20のガラスは試験液体に対して良く濡れるように表面処理がされている。これは浸漬した時に表面に微小な気泡が残留するのを防止するためである。荷重センサ30は、低い周波数での測定ではノイズが小さく感度の高い歪ゲージを用いたロードセルが適している。また、高い周波数での測定では歪ゲージも利用できるが、堅牢で回路構成が単純な圧電式ロードセルも利用できる。荷重センサ30も、検出端子20が受ける上下方向の流体力を正確に測るため、検出端子20と連結ロッド22の対称軸が正しくセンサ中心に作用するよう調節されている。
【0019】
コンピュータ60の持つ役割の一つは、液体加振手段50を加振するための駆動波形を生成することである。コンピュータ60上に作られた駆動波形データは、適切なサンプリングレートでD/A変換され、アナログの駆動波形61として出力される。このアナログの駆動波形は、ローパスフィルタ62で高周波ノイズをカットされた後、広帯域アンプ63で適切な振幅に増幅され、液体加振手段50に供給される。
【0020】
液体物性を算出するには、試験液体の11の並進振動振幅を、更に粘弾性物性値を算出するには、並進振動の位相を知る必要がある。本実施の形態では、試験液体11の並進振動は、液体保持容器40の上下振動に、更には液体加振手段50の振動に等しい。最も簡単な構成では、液体加振手段50の変位は駆動波形電圧に比例する場合で、駆動波形電圧をA/D変換してコンピュータ60に取り込み、適切な係数を掛け合わせることで試験液体11の並進振動振幅が得られる。しかし、より精度の高い測定では液体加振手段50の変位を変位センサで直接測定することが好ましい。変位センサとしては接触式の機械式変位センサや、静電容量式変位センサや、光ファイバー式変位センサ等、種々の物が利用できる。図1の本実施の形態では、変位センサ65の出力をセンサアンプ66で増幅した後、適切なローパスフィルタを経てコンピュータ60に取り込み、コンピュータ60内に組み込まれているA/D変換器でデジタルデータに変換して流体並進振動データを得る。
【0021】
一方、荷重センサ30からの出力も同じようにセンサアンプ31で増幅した後、ローパスフィルタを経てコンピュータ60内に組み込まれているA/D変換器の別のチャンネルに入力し、デジタルデータに変換して流体力データを得る。
【0022】
このようにして得られた流体並進振動データと流体力データとをコンピュータ60で解析することにより、試料液体11の流体物性値である粘性係数と弾性係数を算出することができる。
【0023】
本実施の形態では、広帯域アンプ63と広帯域の液体加振手段50との組み合わせで、測定周波数範囲に渡って離散的に周波数を走査することで、流体物性値の周波数依存性を計測することができる。
【0024】
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0025】
図2は、本発明の液体物性測定装置110の全体構成を示す説明図である。図1に示した本発明の第1の実施の形態と異なり、液体加振手段150には音響波を発生する超音波トランスデューサを用いている。超音波トランスデューサは液体保持容器140内に設置され、入力信号に比例した振幅の平面波を試料液体中に下方から上方へ向けて放射する。超音波トランスデューサへの入力信号は、コンピュータ160上に作られた駆動波形データを、適切なサンプリングレートでD/A変換器でアナログ信号に変換し、ローパスフィルタ162で高周波ノイズをカットした後、広帯域アンプ163で適切な振幅に増幅して供給される。超音波トランスデューサの大きさは、検出端子120の周囲の十分な領域に平面波を形成するために、放射音響波の波長に比べ十分大きな放射面をもたせる必要がある。試料液体111が比較的の低濃度の水溶液の例では、試料液体111中を伝播する音響縦波の速度はおよそ毎秒1500mである。音響波の周波数を100kHzとすると、音響波の波長は15mmとなる。この波長の4倍である直径が60mmの超音波トランスデューサで、良好な平面波を形成することが可能である。音響波で試験液体111を並進振動させる場合、波の性質により、ある時刻における並進振動の変位は音響波の進行方沿って正弦波状に分布する。従って並進振動の変位は検出端子120の表面で一様でなく、正弦波状に分布することになる。荷重センサ130が検出する流体力は検出端子120表面に作用する流体力応力を積分したものであるから、正弦波状に変化する流体応力に対して、検出端子120の音響波伝播方向の長さを長くして行くと、流体力も正弦波状に変化する。例えば、検出端子120の長さが音響波の波長の整数倍の場合には荷重センサ130の出力はゼロに極めて近くなり、測定の精度は極めて低くなる。検出端子120の長さが音響波の波長の(2n+1/2)倍場合には荷重センサの出力は最大になる。検出端子120は、音響波の分布に影響を与えるため、成るべく小さい方が好ましい。また、音響波の半波長より長くしても出力は減少するだけなので、検出端子120の音響波の伝播の方向の長さは、音響波の半波長かこれより短くする方が好ましい。このように音響波により試料液体111に並進振動を与える場合には、流体物性値を解析するのに検出端子120の表面に沿った並進振動の分布状態を正確に知る必要がある。そのため解析には音響波の波長と位相が必要になる。音響波の波長は音速を周波数で割ることで得られるから、音速を音速度計で求めればよい。位相は液体加振手段150からの距離で算出することもできるが、液体保持容器140内に音響センサ170を設けて、その位置での音響波の強度を測定して音響波の位相と振幅を正確に測定することで、更に液体物性値の解析精度を上げることができる。この音響センサ170の出力と荷重センサ130の出力はそれぞれコンピュータ160内に組み込まれたA/D変換器でデジタルデータに変換され、解析される。音響センサ170からの音圧データから検出端子120の位置での並進振動の平均値を計算し、この値と荷重センサ130の出力を先の第1の実施の形態と同様に解析することで、試料液体111の液体物性値を求めることができる。
【0026】
超音波トランスデューサから放射された音響波は、検出端子120の領域を過ぎて、液体保持容器140の上部の液体表面に達すると反射される。この反射波が検出端子120の領域に戻ってくると、誤差として作用するため、反射波が検出端子120の出力に影響しないように工夫する必要がある。一つの方法は、検出端子の上部に吸音部材を設置したり吸音構造を設けるものである。また、音響波の入射方向に対して角度を持たせた反射面で、反射波が直接検出端子120の方向へ行かないようにする方法も有効である。
【0027】
このように、音響波の反射は誤差として作用するため、適切に処理をする必要がある。しかし、この反射波を有効に利用する方法もある。
【0028】
図3はこのように反射波を有効に利用した、本発明の第3の実施の形態を示す図である。図3で、検出端子120の上部には音響波の進行方向に直角に反射板180が設置されている。超音波トランスデューサ(液体加振手段150)と反射板180との間に、音響波の定在波を生じさせる条件は、音響波の波長をλ、超音波トランスデューサと反射板の距離をLとすると、L=nλ/2で表される。ここでnは自然数である。nが奇数の場合は、超音波トランスデューサと反射板180の丁度中央が、定在波の腹となり最も大きな並進振動が得られる。周波数を変えて測定を行うために、音速と測定周波数とから音響波の波長を予め求めておき、この波長の奇数次(例えばn=3)の定在波が生じるように反射板180と超音波トランスデューサの距離を調整し、更に検出端子120が反射板180と超音波トランスデューサの中央に来るようにすることで、最も感度の良い測定が行える。定在波の強度を超音波トランスデューサへの入力から正確に求めるのは困難であるため、音響センサ170で定在波の振幅を測定する必要がある。
【0029】
また、定在波を用いる方式で測定周波数を変化させる方法として以下の方法も有効である。超音波トランスデューサと反射板180との距離を一定に固定し、その中央に検出端子120を設置する。超音波トランスデューサへの入力信号の周波数を変化させると、測定周波数をf、音響波の音速をvとして、波長λはλ=v/fとなる。定在波ができる条件を測定周波数fを用いて表現すると、f=nv/(2L)となる。nを正の奇数として本式で与えられる周波数で測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の液体物性測定装置の構成を説明する説明図である。
【図2】本実施例の液体物性測定装置の他の構成を例示する説明図である。
【図3】本実施例の液体物性測定装置の他の構成を例示する説明図である。
【図4】Gap loading法の円すい−平板回転レオメータを例示する説明図である。
【図5】Surface loading法の従来技術を例示する説明図である。
【符号の説明】
10,110…液体物性測定装置
11,111…試験液体
20,120…検出端子
21…検出面
22…連結ロッド
30,130…荷重センサ
31…センサアンプ
35…スタンド
40,140…液体保持容器
50,150…液体加振手段
60,160…コンピュータ
61…アナログ駆動波形
62,162…ローパスフィルタ
63,163…広帯域アンプ
65…変位センサ
66…センサアンプ
170…音響センサ
180…反射板[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an apparatus for measuring a property value of a liquid, and more particularly, to an apparatus for measuring a viscosity coefficient or an elastic coefficient of a liquid.
[0002]
[Prior art]
Real fluids have viscosity, and in order to deform these viscous fluids at a predetermined shear rate, it is necessary to apply a shear stress that is generally proportional to the shear rate. This proportional coefficient is called the viscosity coefficient. A fluid in which a proportional relationship always holds between the shear rate and the shear stress is called a Newtonian fluid.
[0003]
Since many viscous fluids can be regarded as Newtonian fluids, the viscosity coefficient is constant regardless of the shear rate. Therefore, the viscosity coefficient measured at an arbitrary shear rate can be directly applied to other shear rates.
[0004]
However, a solution in which a polymer substance is dissolved or a suspension in which fine particles are dispersed, such as ink and milk, exhibits extremely complicated behavior due to the relationship between shear deformation and shear stress. For example, it is known that the viscosity coefficient decreases as the shear rate increases. Also, when a periodic deformation is applied, the ratio of the amplitude of the shear stress to the amplitude of the shear rate gives a viscosity coefficient. In this case, it is known that the viscosity coefficient decreases as the frequency increases. Further, unlike a fluid in a pure sense in which a shear stress is generated only by a shear rate, a liquid that exhibits a shear stress according to a shear strain amount of a solid is known. A liquid having both viscosity, which is a characteristic of such a fluid, and elasticity, which is a characteristic of a solid, is called a viscoelastic fluid. In general, fluids for which the proportional relationship between shear rate and shear stress does not always hold are called non-Newtonian fluids. Since the viscosity coefficient of a non-Newtonian fluid such as ink changes with the measurement frequency, for example, the value of the viscosity coefficient measured at a low frequency cannot be substituted for the viscosity coefficient at a high frequency condition. That is, in order to know the liquid properties of the non-Newtonian fluid, it is necessary to measure the relationship between the shearing deformation and the shearing stress at each frequency and obtain the frequency-dependent viscosity coefficient and elastic coefficient. Therefore, a measurement device called a rheometer that can measure the shear rate and the shear stress while changing the measurement frequency is required.
[0005]
As a method for measuring the physical properties of the liquid at each of such frequencies, two types, a gap loading method and a surface loading method, are known. In the gap loading method, a sample liquid is sandwiched between a gap formed by two surfaces and constrained by these two surfaces. When one surface is forcibly vibrated in the in-plane direction and shear deformation is applied to the sample liquid sandwiched by the gap from one surface, a stress corresponding to the deformation is generated. Can be calculated. Conventional coaxial cylindrical, conical-plate, and parallel plate types are rheometers of this type. The measuring principle of the cone-plate type rheometer shown in FIG. 4 is as follows. The sample liquid is filled between the weight A and the flat plate B, and the weight A is rotationally vibrated to cause the sample liquid to vibrate in shear. Here, the rotational vibration of the cone A propagates through the gap as a shear wave in the sample liquid. In order for the sample liquid to be confined between the gaps, the size of the gap is required to be negligibly short compared to the wavelength of the shear wave, and all Gap loading methods are performed under this condition. The measurement principle has been established. Under these conditions, the upper limit of the measurable frequency is about several tens Hz in the Gap loading rheometer.
[0006]
The surface loading method utilizes a phenomenon in which a shear wave generated by vibrating a flat or cylindrical jig immersed in a sample liquid propagates while attenuating from the jig surface into the sample liquid. The shear wave radiated from the jig surface acts as a mechanical load on the jig. Since the characteristics of the shear wave and the viscoelastic characteristics of the liquid correspond one to one, it is possible to measure the physical properties of the liquid by measuring the magnitude of the load. The measurement principle of a rheometer of a surface loading method called a resonance method or a resonance method is that a vibrator having a mechanical natural resonance frequency is immersed in a liquid as a detection terminal, and the vibrator is resonated by an external circuit. The resonance frequency decreases because the additional mass associated with the emission of the shear wave is added to the vibrator while it is immersed in the liquid, compared to when the vibrator is in air. The viscosity of the liquid can be calculated from the decrease in the frequency.
[0007]
There has also been proposed a method of detecting a load due to a shear wave as impedance of a mechanical vibration system. In the configuration shown in FIG. 5, the electromagnetic vibration device vertically vibrates a glass plate connected across the impedance head. The impedance head is an element for detecting an apparent mass at the time of vibration. By measuring a change in mechanical impedance before and after the glass plate is immersed in the liquid, the physical properties of the liquid can be measured.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, the apparatus of the Gap loading method has a low upper limit value of the frequency measurement range, and cannot perform measurement in a frequency region necessary for many engineering applications. In addition, a device based on the resonance method can only measure at a single frequency called a resonance frequency, and a large number of devices must be prepared to perform measurement over a certain frequency range. In addition, since it is difficult to control the amplitude of the excitation, it is difficult to examine the dependence on the amplitude. The method using the impedance head is an excellent method that overcomes these drawbacks, but since the impedance head element must be vibrated, a frequency of about 1 kHz is the upper limit.
[0009]
The present invention has been made to solve the above-described problems, and uses the same measurement principle over a wide frequency range from extremely low frequency to extremely high frequency to obtain liquid physical properties, specifically, a viscosity coefficient. It is an object of the present invention to provide a technique capable of accurately measuring an elastic coefficient.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the liquid property measuring device of the present invention employs the following configuration. That is,
A detection terminal immersed in the liquid, a liquid vibrating means for translating and vibrating the liquid in parallel to a detection surface of the detection terminal, and a load sensor for detecting an acting force of the liquid on the detection terminal in a translation direction. It is characterized by having.
[0011]
In such a liquid property measuring apparatus of the present invention, the detection terminal does not move, but rather vibrates the surrounding liquid side to give a relative shear deformation to the detection surface of the detection terminal. The separation of the detection terminal for detecting the acting force and the vibration means makes it possible to configure the apparatus by combining a general load sensor and a vibration apparatus. By separating functions, a combination of a high-precision load sensor that supports high frequencies and a vibration means that can vibrate with high precision at high frequencies enables measurement of liquid properties over a wide frequency range up to extremely high frequencies. .
[0012]
Further, the liquid physical property measuring apparatus according to the present invention is characterized in that the liquid is contained in a liquid holding container, and the liquid vibrating means is means for vibrating the liquid holding container.
[0013]
In the liquid property measuring apparatus of the present invention, since the liquid is vibrated together with the liquid holding container, an extremely simple vibrating means can be used, and all the liquid in the liquid holding container can be uniformly vibrated. Therefore, the size and position of the detection terminal can be freely selected, and stable measurement can be performed.
[0014]
In the liquid physical property measuring apparatus according to the present invention, the translational vibration of the liquid is an acoustic wave propagating through the liquid. The use of the underwater sonic / ultrasonic technique makes it possible to translate and vibrate a liquid at an extremely high frequency, and it is possible to measure physical properties in a high-frequency region that cannot be measured conventionally. Furthermore, by using the standing wave of the acoustic wave formed in the liquid as the translational vibration, it becomes possible to perform stable measurement that is hardly affected by noise due to reflection from the container holding the liquid or the liquid surface.
[0015]
When the acoustic wave is used in this manner, the length of the detection surface of the detection terminal in the direction of the translational vibration of the liquid is set to be equal to or less than half the wavelength of the acoustic wave, so that the sensitivity is the highest. It is possible to configure a high and small device. Since the phase of the vibration of the acoustic wave rotates 360 degrees within one wavelength, the integral of the stress over one wavelength becomes zero. However, if the length of the detection surface is shorter than one half of the wavelength, the stress on the detection surface has the same sign and does not cancel out in the vicinity of the phase where the maximum output is obtained. Can be performed.
[0016]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the first embodiment of the present invention will be described in detail.
[0017]
FIG. 1 is an explanatory diagram showing the overall configuration of a liquid property measuring device 10 of the present invention. As shown in the figure, the liquid property measuring device 10 includes a detection terminal 20, a load sensor 30 for measuring a fluid force acting on the detection terminal, and a liquid holding container 40 installed below a liquid holding container 40 for holding a liquid. It is largely composed of a liquid vibrating unit 50 that vibrates vertically and a computer 60 that controls the liquid vibrating unit 50 and analyzes collected data.
[0018]
The detection terminal 20 and the load sensor 30 are fixed to a stand 35 that can be vertically adjusted in height, and are adjusted so that the detection terminal 20 is located substantially at the center of the liquid holding container 40. The test liquid 11 to be measured is sufficiently poured into the liquid holding container 40 until the detection terminal 20 is completely immersed. The detection terminal 20 is an extremely thin rectangular glass plate, and is connected to the load sensor 30 by a thin connection rod 22. Further, in this configuration, the test liquid 11 around the detection terminal 20 vibrates up and down as will be described later, so that the detection terminal 20 is accurately set vertically, and the translation vibration of the test liquid 11 is detected by the detection terminal 20. Along the surface 21. Here, the reason why the detection terminal 20 is made to be a sufficiently thin plate is to reduce the fluid force applied to the upper and lower end surfaces of the detection terminal 20 which is added as an error. Further, the glass of the detection terminal 20 is subjected to a surface treatment so as to be well wetted by the test liquid. This is to prevent minute bubbles from remaining on the surface when immersed. For the load sensor 30, a load cell using a strain gauge with low noise and high sensitivity is suitable for measurement at a low frequency. Although a strain gauge can be used for measurement at a high frequency, a piezo-electric load cell which is robust and has a simple circuit configuration can also be used. The load sensor 30 is also adjusted so that the axis of symmetry between the detection terminal 20 and the connecting rod 22 correctly acts on the sensor center in order to accurately measure the vertical fluid force applied to the detection terminal 20.
[0019]
One of the roles of the computer 60 is to generate a drive waveform for exciting the liquid exciting means 50. The drive waveform data created on the computer 60 is D / A converted at an appropriate sampling rate and output as an analog drive waveform 61. This analog drive waveform is subjected to high-frequency noise cut by a low-pass filter 62, amplified to an appropriate amplitude by a broadband amplifier 63, and supplied to the liquid vibrating means 50.
[0020]
To calculate the liquid physical properties, it is necessary to know the 11 translational vibration amplitude of the test liquid, and to calculate the viscoelastic physical property values, it is necessary to know the phase of the translational vibration. In the present embodiment, the translational vibration of the test liquid 11 is equal to the vertical vibration of the liquid holding container 40 and further to the vibration of the liquid vibrating means 50. In the simplest configuration, the displacement of the liquid vibrating means 50 is proportional to the drive waveform voltage. The drive waveform voltage is A / D-converted and taken into the computer 60, and is multiplied by an appropriate coefficient. A translation oscillation amplitude is obtained. However, for more accurate measurement, it is preferable to directly measure the displacement of the liquid vibrating means 50 with a displacement sensor. As the displacement sensor, various objects such as a contact type mechanical displacement sensor, a capacitance type displacement sensor, and an optical fiber type displacement sensor can be used. In the present embodiment shown in FIG. 1, after the output of the displacement sensor 65 is amplified by the sensor amplifier 66, the output is taken into the computer 60 through an appropriate low-pass filter, and the digital data is converted by the A / D converter incorporated in the computer 60. To obtain fluid translational vibration data.
[0021]
On the other hand, the output from the load sensor 30 is similarly amplified by the sensor amplifier 31, and then input to another channel of the A / D converter incorporated in the computer 60 through a low-pass filter, and converted into digital data. To obtain fluid force data.
[0022]
By analyzing the fluid translational vibration data and the fluid force data obtained in this way with the computer 60, it is possible to calculate the viscosity coefficient and the elastic coefficient, which are the fluid physical property values of the sample liquid 11.
[0023]
In the present embodiment, the frequency dependence of the fluid property value can be measured by scanning the frequency discretely over the measurement frequency range with the combination of the wideband amplifier 63 and the wideband liquid vibration means 50. it can.
[0024]
Next, a second embodiment of the present invention will be described.
[0025]
FIG. 2 is an explanatory diagram showing the overall configuration of the liquid property measuring device 110 of the present invention. Unlike the first embodiment of the present invention shown in FIG. 1, an ultrasonic transducer for generating an acoustic wave is used for the liquid vibrating means 150. The ultrasonic transducer is installed in the liquid holding container 140, and emits a plane wave having an amplitude proportional to an input signal from below to above into the sample liquid. The input signal to the ultrasonic transducer is obtained by converting the drive waveform data generated on the computer 160 into an analog signal at a proper sampling rate by a D / A converter, cutting high-frequency noise by a low-pass filter 162, and then broadband. The signal is amplified and supplied to an appropriate amplitude by the amplifier 163. The size of the ultrasonic transducer needs to have a radiation surface sufficiently larger than the wavelength of the radiated acoustic wave in order to form a plane wave in a sufficient region around the detection terminal 120. In the example where the sample liquid 111 is a relatively low-concentration aqueous solution, the velocity of the acoustic longitudinal wave propagating in the sample liquid 111 is approximately 1500 m / s. Assuming that the frequency of the acoustic wave is 100 kHz, the wavelength of the acoustic wave is 15 mm. It is possible to form a good plane wave with an ultrasonic transducer having a diameter of 60 mm, which is four times the wavelength. When the test liquid 111 is translatedly vibrated by an acoustic wave, the displacement of the translational vibration at a certain time is distributed in a sinusoidal shape along the traveling direction of the acoustic wave due to the nature of the wave. Therefore, the displacement of the translational vibration is not uniform on the surface of the detection terminal 120 but is distributed in a sine wave shape. Since the fluid force detected by the load sensor 130 is obtained by integrating the fluid force acting on the surface of the detection terminal 120, the length of the detection terminal 120 in the acoustic wave propagation direction with respect to the sinusoidally changing fluid stress is determined. As the length increases, the fluid force also changes sinusoidally. For example, when the length of the detection terminal 120 is an integral multiple of the wavelength of the acoustic wave, the output of the load sensor 130 is extremely close to zero, and the measurement accuracy is extremely low. When the length of the detection terminal 120 is (2n + /) times the wavelength of the acoustic wave, the output of the load sensor becomes maximum. The detection terminal 120 is preferably as small as possible because it affects the distribution of acoustic waves. Further, even if the length is longer than the half wavelength of the acoustic wave, the output only decreases, so that the length of the detection terminal 120 in the direction of propagation of the acoustic wave is preferably set to a half wavelength of the acoustic wave or shorter. When the translational vibration is applied to the sample liquid 111 by the acoustic wave as described above, it is necessary to accurately know the distribution state of the translational vibration along the surface of the detection terminal 120 in order to analyze the fluid property values. Therefore, the analysis requires the wavelength and phase of the acoustic wave. Since the wavelength of an acoustic wave can be obtained by dividing the sound speed by the frequency, the sound speed may be obtained by a sound speed meter. Although the phase can be calculated from the distance from the liquid vibrating means 150, an acoustic sensor 170 is provided in the liquid holding container 140, the intensity of the acoustic wave at that position is measured, and the phase and amplitude of the acoustic wave are measured. Accurate measurement can further improve the analysis accuracy of the liquid physical property value. The output of the acoustic sensor 170 and the output of the load sensor 130 are each converted into digital data by an A / D converter incorporated in the computer 160 and analyzed. By calculating the average value of the translational vibration at the position of the detection terminal 120 from the sound pressure data from the acoustic sensor 170, and analyzing this value and the output of the load sensor 130 in the same manner as in the first embodiment, The liquid physical property value of the sample liquid 111 can be obtained.
[0026]
The acoustic wave radiated from the ultrasonic transducer passes through the area of the detection terminal 120 and is reflected when reaching the liquid surface on the upper part of the liquid holding container 140. When this reflected wave returns to the area of the detection terminal 120, it acts as an error. Therefore, it is necessary to take measures so that the reflected wave does not affect the output of the detection terminal 120. One method is to install a sound absorbing member or provide a sound absorbing structure above the detection terminal. It is also effective to use a method in which the reflected wave is prevented from directly going to the detection terminal 120 on the reflecting surface having an angle with respect to the incident direction of the acoustic wave.
[0027]
As described above, since the reflection of the acoustic wave acts as an error, it is necessary to perform appropriate processing. However, there is also a method of effectively using the reflected wave.
[0028]
FIG. 3 is a diagram showing a third embodiment of the present invention in which a reflected wave is effectively used as described above. In FIG. 3, a reflection plate 180 is disposed above the detection terminal 120 at right angles to the direction in which the acoustic wave travels. Conditions for generating a standing wave of an acoustic wave between the ultrasonic transducer (liquid vibrating means 150) and the reflecting plate 180 are as follows, where the wavelength of the acoustic wave is λ, and the distance between the ultrasonic transducer and the reflecting plate is L. , L = nλ / 2. Here, n is a natural number. When n is an odd number, the center of the ultrasonic transducer and the reflector 180 becomes the antinode of the standing wave, and the largest translational vibration can be obtained. In order to perform the measurement while changing the frequency, the wavelength of the acoustic wave is determined in advance from the sound speed and the measurement frequency, and the reflection plate 180 and the super-reflector 180 are superposed so as to generate a standing wave having an odd order (for example, n = 3) of this wavelength. The most sensitive measurement can be performed by adjusting the distance between the acoustic transducers and setting the detection terminal 120 at the center between the reflector 180 and the ultrasonic transducer. Since it is difficult to accurately determine the strength of the standing wave from the input to the ultrasonic transducer, it is necessary to measure the amplitude of the standing wave with the acoustic sensor 170.
[0029]
In addition, the following method is also effective as a method of changing the measurement frequency by using a standing wave. The distance between the ultrasonic transducer and the reflector 180 is fixed, and the detection terminal 120 is provided at the center. When the frequency of the input signal to the ultrasonic transducer is changed, the wavelength λ is λ = v / f, where f is the measurement frequency and v is the sound velocity of the acoustic wave. Expressing the condition for forming a standing wave using the measurement frequency f, f = nv / (2L). The measurement can be performed at the frequency given by the equation where n is a positive odd number.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram illustrating a configuration of a liquid property measuring device according to a present embodiment.
FIG. 2 is an explanatory diagram illustrating another configuration of the liquid property measuring device according to the present embodiment.
FIG. 3 is an explanatory diagram illustrating another configuration of the liquid property measuring device according to the present embodiment.
FIG. 4 is an explanatory view illustrating a cone-plate rotating rheometer of the Gap loading method.
FIG. 5 is an explanatory diagram illustrating a conventional technique of a surface loading method.
[Explanation of symbols]
10, 110 ... liquid physical property measuring device 11, 111 ... test liquid 20, 120 ... detection terminal 21 ... detection surface 22 ... connecting rod 30, 130 ... load sensor 31 ... sensor amplifier 35 ... stand 40, 140 ... liquid holding container 50, 150 ... liquid vibrating means 60, 160 ... computer 61 ... analog drive waveforms 62, 162 ... low-pass filters 63, 163 ... broadband amplifier 65 ... displacement sensor 66 ... sensor amplifier 170 ... acoustic sensor 180 ... reflector