【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,回転しながら流体を噴射する回転ノズル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回転ノズル装置の応用のひとつとして,食器洗い機が知られている。
【0003】
ここでは,食器洗い機を例として回転ノズル装置の従来技術を説明する。
【0004】
図14に従来の食器洗い機を示す。101は食器洗い機のボディ,102は食器を食器洗い機内部に入れるためのふた,103は水を食器洗い機内に取り入れるための給水ホース,104は給水ホース103からの水を加圧しノズルを回転させかつ水を噴射させるためのノズル駆動ポンプ,105は回転ノズル,106は内部にたまった水を排水させるための排水ポンプ,107は排水を食器洗い機外へ導く排水ホース,108はノズル駆動ポンプ104と排水ポンプ106の動作タイミングを制御する制御回路である。以上のように構成された従来の食器洗い機では,給水ホース103から供給される水をノズル駆動ポンプ104が加圧し回転ノズル105に供給する。
【0005】
回転ノズル105の従来例を図15に示す。図15は回転ノズル105を上方向からみたもので,水の噴射口が4つ(A,B,C,D)ついている。各噴射口における水の噴射方向は,Aがノズルの回転平面に対して水平方向に設定され,B,C,Dはノズルの回転平面に対して垂直方向に設定されている。噴射口Aからの水の噴射の反作用によりノズルは回転し,他の噴射口(B,C,D)からの水の噴射により食器が洗浄される。
【0006】
したがって,ノズルは回転しながら水を食器に噴射することができる。
【0007】
なお,食器にかけられた水は排水ポンプ106に集められ,加圧された後,排水ホース107を通って外部に排出される。また,ノズル駆動ポンプ104と排水ポンプ106は制御回路108でコントロールされており,食器の洗浄,ためすすぎ,すすぎなどの洗浄プロセスに応じて適切な動作タイミングで制御される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記した回転ノズル105の噴射口の回転軌跡を図16に示す。図16からわかるように,ノズルは単純な回転しかしておらず,噴射口の軌跡は完全な円となる。したがって,回転ノズル105から噴射された水は食器の限られた場所にしかかからないため,食器の配置の仕方によっては十分な洗浄効果が得られないとか,食器の細かなすき間にまで水が行き渡らないとかいう課題があった。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑み、カオス技術を用いて回転ノズルの駆動を行ない,これにより水を対象に対して均一に噴射することのできる回転ノズル装置を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
流体を加圧するポンプと,相互に連通した回転可能な複数の中空リンクから構成されたノズルで,中空リンクに少なくとも1つの流体の噴射口を持ち,ポンプにより加圧された流体の力により,中空リンクを回転させながら流体を噴射口から噴射する回転ノズル装置において,リンクの形状・重さ・重心位置,噴射口の流体噴射角度,ポンプの加圧パターンなどを調整することにより,ノズルの動きをカオス状態にする。
【0011】
カオスは軌道不安定性という特徴を持つため,カオス状態にあるノズルは,2度と同じ軌道を通らない。したがって,カオス状態のノズルは従来のノズルと比べてより均一な水の散布が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1(a)は本発明の第1の実施例における回転ノズル装置の構成図を示すものである。1は供給される水を加圧するノズル駆動ポンプ,2はノズル駆動ポンプ1によって加圧された水の力により回転し水を噴射する2リンク回転ノズルである。
【0013】
2リンク回転ノズル2の詳細な構成を図1(b)に示す。図1(b)の上段は,2リンク回転ノズル2の上面図,下段は側面図を示す。図1(b)のように2リンク回転ノズル2は2つのリンク(第1リンク2−1,第2リンク2−2)から構成されている。各リンクは複数の噴射口をもっており,図1(b)では,A〜Fの記号で表されている。なお,各噴射口が水を吹き出す方向は噴射口ごとに異なっている。
【0014】
各リンクやリンクの接続部は中空であり,第1リンクの下の水取り入れ口に供給された水は,中空のリンク内部を通り第1リンクや第2リンクの噴射口にまで達することができる。なお,図の2つのリンクは中心02で結合されており,中心02で第2リンク2−2は自由に回転できる構造となっている。また,第1リンクの水取入れ口は対象とする機器に接続されるが,第1リンク2−1は中心01で自由に回転することができる。
【0015】
このように構成された回転ノズル装置の動作を以下説明する。
【0016】
まず,水はノズル駆動ポンプ1で加圧され,2リンク回転ノズル2の水取り入れ口に供給される。供給された水は第1リンクと第2リンクの内部を通り,噴射口A〜Fから噴射される。各噴射口の水の噴射方向は,B,C,D,Eがノズルの回転平面に対して上方向,A,Fが横方向である。
【0017】
図1(b)に,各噴射口における水の噴射方向を矢印で示す。噴射口B,C,D,Eは,水をノズルの回転平面に対して垂直な方向に吹き出すため,ノズルを回転させる力を生むことができない。しかし,噴射口A,Fは,水をノズルの回転平面と並行に吹き出すため,吹き出した水の反作用によりノズルを回転させることができる。
【0018】
このように,いくつかの噴射口の水の吹きだし方向をリンクの回転可能な方向に傾けることにより,リンクに回転の力を与えることができ,ノズルは回転しながら水を噴射することができる。
【0019】
図15に示した従来の回転ノズル装置でも,リンクの回転平面に対して並行に水を噴射するため,回転しながら水を噴射する。しかし,従来の回転ノズル装置では,リンクが1つしかないため噴射口の軌跡は単純な円となる。
【0020】
一方,本実施例の場合,ノズルは2個のリンクにより構成されているため,第2リンクの上についた噴射口の回転軌跡は従来の円軌道よりも複雑になる。
【0021】
図15の従来の回転ノズル装置における噴射口Dの回転軌跡のシミュレーション結果を図2(a)に示し,2リンク回転ノズル2の第2リンク2−2上の噴射口Cの回転軌跡のシミュレーション結果を図2(b)に示す。ただし,図2(b)は第1リンク2−1の回転数と第2リンク2−2の回転数の比を2:5に設定した時の計算結果である。
【0022】
図2より,従来の回転ノズル装置の噴射口は1つの円周上を動いているのに対して,本実施例ではノズルがより複雑な動きをしていることがわかる。しかし,図2(b)の場合も回転は周期的であり,どんなに時間が経過しても図2(b)に示した軌道以外を噴射口が通過することはない。
【0023】
しかし,2リンク回転ノズル2は,リンクや噴射口の設計を変更することにより図2(b)以上の複雑さでの駆動を可能とすることができる。
【0024】
軌跡がさらに複雑になった状態としてカオス状態が知られている。ここでのカオスとは決定論的カオスを意味し,完全な運動方程式が記述されているにもかかわらず,非常に不安定でランダムな動きをする状態を示す。
【0025】
2リンク回転ノズル2のような,複数のリンクをもつ装置の運動はカオス状態に変化させることが可能であり,例えば,2リンク以上のマニピュレータや二重振子などがカオス状態に遷移できることが知られている(培風館カオス入門長島・馬場共著参照)。
【0026】
カオス状態は軌道不安定性という特徴を持ち,同じ軌道を2度と通過することがない。したがって,2リンク回転ノズルをカオス状態にすることにより,さらに均一に水を噴射することができる。
【0027】
カオス状態であることを示す指標として,フラクタル次元やリアプノフ数等のカオス特徴量がある。これらの値が適当な値になるように,噴射口の水の噴射方向やリンクの重心や形状・重さを変えることにより2リンク回転ノズルをカオス状態にすることができる。
【0028】
ここでは,例として最大リアプノフ数を用いて,噴射口の水の吹きだし方向やリンクの形状・重心位置を決める方法を示す。
【0029】
リアプノフ数とは,軌跡が初期値に対してどの程度敏感であるかを示す数値であり,特にリアプノフ数の最大値が正の値をとるとき,そのデータはカオス的な挙動をとることが知られている。リアプノフ数を計算する具体的な方法は,学会等ですでにいくつか提案されている。ここでは,佐藤らにより提案された方法によりデータの最大リアプノフ指数を計算する(長島,永井,荻原,土屋 :時系列データとカオス,計測と制御,Vol. 29, No. 9, pp. 53−−60,1990参照)。
【0030】
今,図3のように2リンク回転ノズル2に角度センサーを取りつけ,第1リンクと第2リンクの各々の回転角度を検出できるようにする。検出された回転角度から第2リンク先端の位置が計算でき,その位置を(X(i),y(i))と表す。ただし,iは時間を表す。次に,ノズルの先端位置x(i)から,時系列ベクトルX(i)= [x(i),x(i+T),x(i+2T)、....,x(i+(d−1)×T) ]を作りアトラクタを構成する。ただし,dは時系列ベクトルの次元を示し,Tは時間おくれ量を示す。d,Tは適当な値に設定する。このとき,d次元の空間内に適当な超平面を選び,この超平面を横切るベクトルX(i)−X{i+1}を求める。超平面上の交点の座標をX(i)と X(i+1)の内分点として求め。平面上の点の集合{Xp1,Xp2,…,Xpk,….}をつくる。この集合のなかで,距離が所定のしきい値 E以下のペアをすべて選び,その中の2点をXpk,Xpk’と表す。このとき,最大リアプノフ指数 Lは次式によって計算できる。
【0031】
【数1】
【0032】
ただし,Npは距離がしきい値 E以下のデータペアの総数を示す。
【0033】
(数1)においてtauの値を増やすとL(tau)は収束することが知られている。収束した時のL(tau)が最大リアプノフ指数である。なお,最大リアプノフ数の計算方法は他にも提案されている。(T.S.Parker, L.O.Chua : Practical Numerical Algorithm for Chaotic System, Springer−Verlag,1989 参照)他の方法を用いて計算しても本実施例と同じ効果が得られる。
【0034】
第2ノズル上の噴射口の角度やリンクの重心等を変えながら,このような最大リアプノフ指数を求める計算を繰り返すことにより,最大リアプノフ数が0でない正の値を取る時を見つけることができる。
【0035】
最大リアプノフ数が正になったときの噴射口やリンクの設計にしたがえば,ノズルはカオス状態の駆動ができることになる。
【0036】
カオス状態になった時の2リンク回転ノズルの噴射口Cの軌跡を図4に示す。図4は数値計算によって求めたものではなく,2リンク回転ノズル2の実機をカオス状態にした時の第2リンク上の噴射口Dの軌跡を実験によってもとめたものである。
【0037】
図4より明らかなように,図2の(a)(b)よりもノズルの通過する領域が増えており,水を均一に撒くことができるようになっていることがわかる。
【0038】
なお,図3のような角度センサをつけるのはノズルの設計段階のみであり,出荷する製品および通常の運転時には必要がなく,回転ノズル装置は図1のような構成となる。
【0039】
以上説明したように,本実施例によれば,多リンクのノズルを用い,そのノズルの水の噴出方向やリンクの重心の位置や重さ・形状を適切に設定することにより,ノズルの動作をカオス状態にすることができる。カオス状態になったノズルは,軌道が不安定であり,同じ状態軌道を2度と通らない。したがって,均一な水の散布が可能となる。また,リアプノフ数等のカオス特徴量を調べることにより,ノズルを適切なカオス状態に設定することができる。
【0040】
なお,この実施例では,変化させるノズルのパラメータとして噴出口の水の吹き出し角度やリンクの重心位置や重さなどを用いた。したがって,図5のような,(a)第2リンクの重心位置を変えたもの,(b)第2リンクの一方におもりをつけ重心位置を変えたもの,さらに(C)2リンクではなく多リンクにしたもの,(d)第1リンクと第2リンクとの接続部の遊び量を多くしリンクの回転中心や重心が水の流れにより変化するようにしたものなどを用いても同様の効果が得られる。
【0041】
また,本実施例では,カオス状態を判別する方法として最大リアプノフ数を用いたが,フラクタル次元やリアプノフ次元などの他の特徴量を用いても良い。特に,フラクタル次元はカオス状態を判別する方法として優れている。フラクタル次元は,得られたデータの自己相似性を示すもので,カオスであれば非整数の次元を有する。フラクタル次元としては,情報次元,容量次元,相関次元などがいくつか提案されている。これらの次元の中では,その計算の容易さから相関次元がよく用いられている。
【0042】
相関次元とは,GrassbergerとProcacciaが1983年に提案したもので,相関積分(CorrelationIntegral)を利用して求められる。相関積分C(r)は次式で求める。
【0043】
【数2】
【0044】
ただし,X(i)は上で定義した時系列ベクトルであり,Hは階段関数を示す。Nは時系列ベクトルの総数である。
【0045】
相関積分 C(r)がつぎのような関係を持つ時,Dを相関次元と呼ぶ。
【0046】
【数3】
【0047】
相関次元を求めるためには,まず,logC(r)とrを最小二乗法にかけ比例定数Dを求める。求めたDは,次元数dの値を大きくしていくにしたがい収束する。十分に収束した時のDが最終的な相関次元の計算結果となる。したがって,2リンク回転ノズル2の設計項目である噴射口の水の噴出角度やリンクの重心の位置等を変えながら,相関次元を求める計算を繰り返すことにより,相関次元が適当な値(非整数)を取る時を見つけることができる。この時の状況に2リンク回転ノズル2を設定すれば,カオス状態の駆動ができることになる。
【0048】
上述したようにフラクタル次元には,相関次元以外にも容量次元,情報次元など様々な次元や計算法が提案されている。他の方法を使って求めても本実施例と同様の効果である均一な水の散布能力が得られる。
【0049】
図6は本発明の第2の実施例における回転ノズル装置の構成図を示すものである。1は供給される水を加圧するノズル駆動ポンプ,2はノズル駆動ポンプ1によって加圧された水の力により回転し水を噴射する2リンク回転ノズルであり,これらは第1の実施例の構成と同様である。第1の実施例と異なるのは,ノズル駆動ポンプ1の加圧力を制御する加圧力制御回路10を設けた点である。このように構成された回転ノズル装置の動作を以下説明する。
【0050】
第1の実施例では,2リンク回転ノズルは噴射口の水の噴射角やリンクの重心等の設計を適当に行なうとカオス状態になることを説明した。カオス状態のノズルは,軌道不安定性を持つため軌道が絶えず変化し2度と同じ軌跡を通らない。したがって,周期的運動をしているノズルと比較して,より均一な水の散布が可能となる。
【0051】
しかし,第1の実施例では,ノズルをカオス状態にするためには,上記したようなカオス特徴量の計算と試行錯誤による実験が必要である。
【0052】
カオス状態は,対象とするシステムの自由度が高いほど発生しやすいことが知られている。本実施例では,カオス状態をより容易に実現できるノズルとして,ノズル駆動ポンプ1の加圧力を加圧力制御回路3により変化させ,システムの自由度を増加させた回転ノズル装置を説明する。
【0053】
ノズル駆動ポンプ1の出力を加圧力制御回路10により図7のように変化させると,回転ノズル装置全体の自由度は増加し,ノズルはカオス状態へと容易に遷移する。図7では,横軸が時間,縦軸がノズル駆動ポンプ1の加圧力を示しており,(a),(b),(C)の3種類の加圧力の変化パターンの例を示している。図7(a)は,ON,OFFの繰り返し,(b)は三角関数状の変化,(C)は鋸歯状波のような変化を示している。
【0054】
このなかの,いずれの加圧パターンを用いても2リンク回転ノズルはカオス状態に遷移する。このように,加圧力制御回路10を用いてノズル駆動ポンプ1の加圧力を時間に対して変化させることにより,ノズルをカオス状態に遷移させることができる。
【0055】
以上説明したように,本実施例によれば,2リンク回転ノズルを用い,そのノズルに供給する水を加圧するノズル駆動ポンプ1の加圧力を加圧力制御回路10により変化させることにより,ノズルの挙動をカオス状態にさせることができる。カオス状態になったノズルは,軌道が不安定であり,同じ状態軌道を2度と通らない。したがって,均一な水の散布が可能となる。
【0056】
また,第1の実施例に示した方法と結合し,リアプノフ数等のカオス特徴量を調べながら,ノズル駆動ポンプ1の加圧パターンを変化させたり,噴射口の水の噴出方向やリンクの重心位置など変えたりして,ノズルを適切なカオス状態に設定することもできる。この場合は,リアプノフ数等の特徴量が検出されるため,カオスの度合を適当に設定することができ,食器洗い機などに応用した場合は,洗浄速度などの点でさらなる効果が生まれる。
【0057】
また,加圧力制御回路10の持つ加圧パターンの例を図7に示したが,図7以外のパターンでも良い。特に,カオス信号を直接出力するような関数により生成された加圧パターンでも良い。この例として,カオス信号としてよく知られたロジスティック関数による加圧パターンの例を示す。
【0058】
いま,時間をtとし,ノズル駆動ポンプ1の加圧力をpとし,ポンプの最大加圧力をPとすると,次のような関数が加圧パターンとして考えられる。
【0059】
【数4】
【0060】
これは,ロジスティック関数の計算結果をそのまま加圧力としたものであり,この(数4)を使って,ノズル駆動ポンプ1の加圧力を制御すると,ノズル挙動はカオス状態になる。なお,ロジスティック関数以外の,テント関数や間欠カオスなど,カオス信号を出力する他の関数を用いてノズル駆動ポンプ1の加圧力を制御しても,本実施例と同様の効果が得られる。
【0061】
図8は本発明の第3の実施例における回転ノズル装置の構成図を示すものである。図中の1は供給される水を加圧するノズル駆動ポンプ,これは第1の実施例の構成と同様なものである。第1の実施例と異なるのは,2リンク回転ノズル2を水流抑制型2リンク回転ノズル20に変更した点である。このように構成された回転ノズル装置の動作を以下説明する。
【0062】
カオス状態は,対象とするシステムの自由度が高いほど発生しやすい。第3の実施例では,ノズル駆動ポンプ1の出力を変化させることによりノズル駆動装置全体の自由度を増し,カオス状態をつくりだした。この方法以外にシステムの自由度をあげる方法として,各リンクの接続部分の構造を変化させる方法がある。
【0063】
本実施例では,リンクの接続部分の構造を変化させ,回転ノズル装置をカオス状態にした例について説明する。
【0064】
第1の実施例で示した回転ノズル装置のリンクの接続部分の構造は図9のようになっている。
【0065】
図9(1)は,2リンク回転ノズル2の第1リンク2−1と第2リンク2−2の接続部の構造を示している。通常は,円で囲んだ接続部の上に第2リンク2−2をはめ込み,第2リンク2−2が第1リンクから離れないようにナットで固定する。ただし,第2リンク2−2は自由に回転できるようになっている。
【0066】
図9(a),(b)は,図9(1)の第1リンク2−1の円で囲んだ部分(接続部)を拡大して示したもので,図9の(a)は側面図,(b)は上面図を示している。図9に示した接続部では,第1リンクから第2リンクへスムーズに水がながれるようにするために,接続部には大きな穴が4つあいており,少ない抵抗で水を第1リンクから第2リンクへ導くことができる。
【0067】
これに対して,第4の実施例では図10のような構造の接続部を持った水流抑制型2リンク回転ノズル20を有している。図10から明らかなように,この水流抑制型2リンク回転ノズル20は,第1の実施例と比較して,接続部の穴の数が少なく,接続部の水の流れがほぼ1方向に限定される。
【0068】
図9のような接続部の構成では,穴の総面積が大きいため,第1リンクと第2リンクのなす角度がいかなる値であろうとも,接続部での水の抵抗値はほとんど変化しない。ところが,この水流抑制型2リンク回転ノズル20では,図10に示したように接続部での水の流れがほぼ1方向に限定されるため,各リンクの位置に依存して水の噴出力が変化することになる。
【0069】
水流抑制型2リンク回転ノズルにおける,各リンクの相対位置に応じた水の噴出力の変化を図11を用いて説明する。
【0070】
図11の(a)は,第2リンク20−2が第1リンク20−1とほぼ同方向に位置した時である。この場合の噴射口Fまでの水の流れは,図中の点線のようになる。第1リンクの接続部は図10のような構成になっているため,噴射口Fまでの水の流れに対する抵抗は少なく,水は勢い良く噴射口Fから噴射される。
【0071】
図12(b)の場合は,第2リンク20−2と第1リンク20−1のなす角度が約90度の場合である。この場合の噴射口Fまでの水の流れは,点線のように折れ曲がる。この場合,第1リンクの接続部は図10のような構成になっているため,水流が必要以上に折れ曲がる部分が発生する。この折れ曲がる部分は,(a)の場合と比べて水の通り道が狭くなっており,水流に対する抵抗が増加する。したがって,結果的には噴射口Fから噴射される水の勢いは低下し,逆に相対的に水が通りやすくなる第1リンクの噴射口からの水の勢いが増加する。
【0072】
このように,接続部の構成を変えた水流抑制型2リンク回転ノズル20を用いることにより,リンクの相対的な位置に応じて,各噴射口の水の噴出力は変化する。したがって,第1の実施例と比較してノズルの挙動に対する自由度は増加したことになり,カオス状態に遷移しやすくなる。
【0073】
以上説明したように,本実施例によれば,多リンクのノズルを用い,ノズルの中や接続部を流れる水流を一部抑制することにより,各リンクの位置関係にしたがって噴射口からでる水の勢いを変化させることができる。このことはノズル駆動装置全体の自由度を増加させることになり,ノズルの挙動をカオス状態にさせることができる。カオス状態になったノズルは,軌道が不安定であり,同じ状態軌道を2度と通らない。したがって,均一な水の散布が可能となる。
【0074】
また,第1の実施例に示した方法と結合し,リアプノフ数等のカオス特徴量を調べながら,接続部の設計を変更させたり,噴射口の水の噴出方向やリンクの重心位置など変えたりして,ノズルを適切なカオス状態に設定することもできる。この場合は,リアプノフ数等の特徴量が検出されるため,カオスの度合を適当に設定することができ,洗浄速度などの点でさらなる効果が生まれる。
【0075】
図12は本発明の第4の実施例における回転ノズル装置の構成図を示すものである。1は供給される水を加圧するノズル駆動ポンプ,2はノズル駆動ポンプ1によって加圧された水の力により回転し水を噴射する2リンク回転ノズル,10はノズル駆動ポンプの加圧量を制御する加圧力制御回路であり,以上は第3の実施例と同様な構成である。
【0076】
第3の実施例と異なるのは,2リンク回転ノズルの動きを検出するセンサー30と,センサー30から検出されたノズルの動きに関する観測量からカオスの特徴量を計算するカオス特徴量計算回路を備えた点である。このように構成された回転ノズル装置の動作を以下説明する。
【0077】
第1から第3までの実施例では,カオス状態で動作するノズル駆動装置について説明してきた。食器洗い機などでは,均一な水の噴射が求められるため,常時ノズルをカオス状態で動作させることが望ましい。
【0078】
しかし,ノズルに外乱が加わりシステムの動特性が変化するような場合には,第1の実施例から第3の実施例で説明した方法では常時カオス状態を保つことができない。このことを防ぐために本実施例では,リアルタイムにノズルの動きを検出し,常時安定したカオス駆動が可能な装置を提供する。
【0079】
センサー30は,ノズルの動きを検出するものであり,図3に示したような複数の角度センサーでも良いし,また,ビデオカメラのような画像処理技術を用いたものでも良い。ここでは,図3の角度センサーを使った例で発明を説明する。
【0080】
センサー30で検出された各リンクの角度は,カオス特徴量計算回路31に入力され,第1の実施例で説明したカオス特徴量のひとつである最大リアプノフ数が計算される。カオス特徴量計算回路31での最大リアプノフ数の計算方法は第1の実施例で述べた方法でもよいし,学会等で提案されている他の方法でも良い。
【0081】
最大リアプノフ数が正の値の場合は,ノズルがカオス状態であることを示すが,0の場合は周期的あるいは準周期的な動作であることを示す。
【0082】
したがって,カオス特徴量計算回路31は,計算した最大リアプノフ数から,最大リアプノフ数が0近傍あるいは負ならば,加圧パターンを変えるように加圧力制御回路10に指令を送り,最大リアプノフ数が0近傍でない正の値ならば,そのままの駆動を行なうように加圧力制御回路10に信号を送る。
【0083】
加圧力制御回路10は,カオス特徴量計算回路31の信号にしたがって,加圧パターンを変化させる。変化の方法は,図8(a)のようなパターンで加圧している場合は図8(a)のオン時間Tonやオフ時間Toffを変化させ,図8(b)のようなパターンで加圧している場合は,サインカーブの周期を変える。
【0084】
以上説明したように,本実施例によれば,センサによりノズルの動きを観測し,観測結果からカオス特徴量を検出することにより,ノズルの駆動状態を知ることができる。さらに,その情報を加圧力の制御に用いることにより,常に最適なカオス状態でノズルを駆動することができる。カオス状態になったノズルは,軌道が不安定であり同じ状態軌道を2度と通らない性質を持つ。したがって,常にカオス状態を保つことにより,均一な水の散布が可能となる。
【0085】
なお,本発明ではセンサー30を付加したことにより,カオス状態でない周期的あるいは準周期的な動作も検出可能である。したがって,カオス状態を保つだけではなく,カオス状態と周期的な状態をノズルの使用目的や使用状況に応じて切替えて使うことも可能である。また,この実施例では,カオス特徴量計算回路31においては最大リアプノフ数の計算を行なうと述べたが,相関次元,容量次元,情報次元などのフラクタル次元やリアプノフ次元等の他のカオス特徴量を用いても同様の効果が得られる。
【0086】
本発明の第5の実施例として回転ノズル装置を食器洗い機に応用した例を説明する。図13は本実施例における食器洗い機の構成を示した図であり,101は食器洗い機のボディ,102はふた,103は水を食器洗い機内に取り入れるための給水ホース,104は給水ホース103からの水を加圧しノズルを回転させかつ水を噴射させるためのノズル駆動ポンプ,106は食器にかかった水を排水させるための排水ポンプ,107は排水を食器洗い機外へ導く排水ホース,108はノズル駆動ポンプ104と排水ポンプ106を制御する制御回路である。以上は,図14の従来例と共通の部分である。従来例と異なるのは,1リンクの回転ノズルの代わりに第1の実施例で説明した2リンク回転ノズル2を用いている点である。
【0087】
第1の実施例で説明したように,2リンク回転ノズルはカオス状態にすることが可能である。カオス状態の2リンク回転ノズル2を用いることにより,ノズルは図4のような軌跡で動くことになり,図2の従来例の動作軌跡よりもいろいろな方向で食器に水を噴射でき,均一に水を散布することができるようになる。
【0088】
したがって,2リンク回転ノズルを用いた食器洗い機では,従来例と比較して,食器のすみずみにまで水を噴射することができ,食器の汚れをより十分に落すことができる。また,従来例ではノズルの軌跡が一定の円周だったため,汚れを落すためには,食器の置き方を十分に考慮しなければならなかったが,この実施例では,ノズルの軌跡が絶えず変化しているため食器の置き方の工夫をしなくても十分な洗浄効果が得られる。
【0089】
以上説明したように,複数のリンクで構成された回転ノズルをカオス状態で用いることにより,従来よりも,食器に水をむらなく均一に噴射することができ,食器洗い機の洗浄効率を向上させることができる。なお,本実施例では,第1の実施例で説明した2リンク回転ノズルを食器洗い機に応用した例を説明したが,第2から第4までの実施例で述べた回転ノズル装置を用いても良い。また,本実施例では,回転ノズル装置を食器洗い機に応用した例を説明をしたが,食器だけでなく自動車や半導体デバイスなど他の物を洗浄する洗浄機に応用することも可能であり,同様な洗浄効率の向上が期待できる。また,スプリンクラーやスプレー塗装機など均一に液体を散布する必要がある散水機への応用も可能である。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,複数の中空リンクから構成されたノズルを用い。その噴射口の水の噴射角度や,各リンクの長さや重さや重心の位置などを,リアプノフ数やフラクタル数などを用いて適切に設定することにより,ノズルをカオス状態にすることができる。
【0091】
カオスは軌道不安定性を持つため,カオス状態にあるノズルは2度と同じ軌道を通らず,噴射口は絶えず異なった軌道を動くことになり,結果的に従来と比べてより均一に水を散布することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例における回転ノズル装置の構成を示す図
【図2】2リンク回転ノズルの動作軌跡の説明図
【図3】リンクの動きを検出する方法の説明図
【図4】カオス状態の回転ノズルの動作軌跡を示す図
【図5】第1の実施例と同様の効果が得られる回転ノズルの構成を示す図
【図6】第2の実施例における回転ノズル装置の構成を示す図
【図7】加圧力の変化パターンを示した図
【図8】第3の実施例における回転ノズル装置の構成を示す図
【図9】第1の実施例の接続部の構成を示した図
【図10】第3の実施例の接続部の構成を示した図
【図11】リンクの回転に応じて噴射される水の強さが変化することの説明図
【図12】第4の実施例における回転ノズル装置の構成を示す図
【図13】第5の実施例である食器洗い機の構成を示した図
【図14】従来の食器洗い機の構成を示した図
【図15】従来の回転ノズルの構成を示した図
【図16】第5の実施例の接続部の構成を示した図
【符号の説明】
1 ノズル駆動ポンプ
2 2リンク回転ノズル
10 加圧力制御回路
20 水流抑制型2リンク回転ノズル
30 センサ
31 カオス特徴量計算回路
101 ボディ
102 ふた
103 給水ホース
104 ノズル駆動ポンプ
105 回転ノズル
106 排水ポンプ
107 排水ホース
108 制御回路[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a rotary nozzle device that ejects a fluid while rotating.
[0002]
[Prior art]
A dishwasher is known as one of the applications of the rotary nozzle device.
[0003]
Here, the prior art of a rotary nozzle device will be described using a dishwasher as an example.
[0004]
FIG. 14 shows a conventional dishwasher. 101 is a body of the dishwasher, 102 is a lid for putting dishes into the dishwasher, 103 is a water supply hose for taking in water into the dishwasher, 104 is pressurizing water from the water supply hose 103 to rotate the nozzle, and water. Drive pump for injecting water, 105 is a rotary nozzle, 106 is a drain pump for draining water accumulated inside, 107 is a drain hose for guiding drain water out of the dishwasher, 108 is a nozzle drive pump 104 and a drain pump This is a control circuit for controlling the operation timing of 106. In the conventional dishwasher configured as described above, the water supplied from the water supply hose 103 is pressurized by the nozzle drive pump 104 and supplied to the rotating nozzle 105.
[0005]
FIG. 15 shows a conventional example of the rotary nozzle 105. FIG. 15 shows the rotary nozzle 105 as viewed from above, and has four water injection ports (A, B, C, D). Regarding the direction of water injection at each injection port, A is set in the horizontal direction with respect to the rotation plane of the nozzle, and B, C, and D are set in the direction perpendicular to the rotation plane of the nozzle. The nozzle is rotated by the reaction of the water jet from the jet port A, and the dishes are washed by the jet of water from the other jet ports (B, C, D).
[0006]
Therefore, the nozzle can spray water onto the tableware while rotating.
[0007]
The water applied to the tableware is collected by a drain pump 106, pressurized, and then discharged to the outside through a drain hose 107. Further, the nozzle drive pump 104 and the drain pump 106 are controlled by a control circuit 108, and are controlled at appropriate operation timings according to a washing process such as washing, washing, rinsing, and the like.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
FIG. 16 shows the rotation trajectory of the injection port of the rotary nozzle 105 described above. As can be seen from FIG. 16, the nozzle is only rotating simply, and the trajectory of the injection port is a perfect circle. Therefore, since the water sprayed from the rotary nozzle 105 only reaches a limited place of the tableware, a sufficient washing effect cannot be obtained depending on the arrangement of the tableware, or the water does not reach the small gaps of the tableware. There was a problem.
[0009]
In view of the above, the present invention provides a rotary nozzle device that drives a rotary nozzle by using chaos technology, and thereby can uniformly spray water to a target.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
A nozzle composed of a pump for pressurizing a fluid and a plurality of rotatable hollow links communicating with each other. The hollow link has at least one fluid ejection port. In a rotary nozzle device that injects fluid from the injection port while rotating the link, the movement of the nozzle is adjusted by adjusting the shape, weight, and center of gravity of the link, the fluid injection angle of the injection port, and the pressure pattern of the pump. Make it chaotic.
[0011]
Since chaos has the characteristic of orbital instability, a nozzle in a chaotic state does not follow the same orbit twice. Therefore, the nozzle in the chaotic state can spray water more uniformly than the conventional nozzle.
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
FIG. 1A shows a configuration diagram of a rotary nozzle device according to a first embodiment of the present invention. Reference numeral 1 denotes a nozzle drive pump for pressurizing the supplied water, and reference numeral 2 denotes a two-link rotary nozzle which rotates by the force of the water pressurized by the nozzle drive pump 1 and injects water.
[0013]
The detailed configuration of the two-link rotary nozzle 2 is shown in FIG. The upper part of FIG. 1B shows a top view of the two-link rotary nozzle 2, and the lower part shows a side view. As shown in FIG. 1B, the two-link rotary nozzle 2 includes two links (a first link 2-1 and a second link 2-2). Each link has a plurality of injection ports, and is represented by symbols A to F in FIG. Note that the direction in which each injection port blows out water is different for each injection port.
[0014]
Each link and the connecting portion of the link are hollow, and the water supplied to the water intake below the first link can reach the injection port of the first link or the second link through the inside of the hollow link. . The two links in the figure are connected at the center 02, and the second link 2-2 has a structure in which the second link 2-2 can rotate freely at the center 02. Further, the water intake of the first link is connected to the target device, but the first link 2-1 can freely rotate around the center 01.
[0015]
The operation of the thus configured rotary nozzle device will be described below.
[0016]
First, water is pressurized by the nozzle drive pump 1 and supplied to the water intake of the two-link rotary nozzle 2. The supplied water passes through the inside of the first link and the second link, and is jetted from the jets A to F. Regarding the water injection direction of each injection port, B, C, D, and E are upward with respect to the rotation plane of the nozzle, and A and F are horizontal.
[0017]
In FIG. 1B, the direction of water injection at each injection port is indicated by an arrow. The jets B, C, D, and E blow out water in a direction perpendicular to the rotation plane of the nozzle, and therefore cannot generate a force for rotating the nozzle. However, since the injection ports A and F blow water in parallel with the rotation plane of the nozzle, the nozzle can be rotated by the reaction of the blown water.
[0018]
In this way, by inclining the direction in which water is blown out from some of the injection ports in the direction in which the link can rotate, a rotational force can be applied to the link, and the nozzle can spray water while rotating.
[0019]
The conventional rotary nozzle device shown in FIG. 15 also injects water while rotating in order to inject water in parallel to the rotation plane of the link. However, in the conventional rotary nozzle device, since there is only one link, the trajectory of the injection port is a simple circle.
[0020]
On the other hand, in the case of this embodiment, since the nozzle is constituted by two links, the rotation trajectory of the injection port provided on the second link is more complicated than the conventional circular orbit.
[0021]
FIG. 2A shows a simulation result of the rotation trajectory of the injection port D in the conventional rotary nozzle device of FIG. 15, and a simulation result of the rotation trajectory of the injection port C on the second link 2-2 of the two-link rotary nozzle 2. Is shown in FIG. However, FIG. 2B shows a calculation result when the ratio of the rotation speed of the first link 2-1 to the rotation speed of the second link 2-2 is set to 2: 5.
[0022]
From FIG. 2, it can be seen that the nozzle of the conventional rotary nozzle device moves on one circumference, while the nozzle moves more complicated in this embodiment. However, also in the case of FIG. 2B, the rotation is periodic, and no matter how much time elapses, the injection port does not pass any other than the trajectory shown in FIG. 2B.
[0023]
However, the two-link rotary nozzle 2 can be driven with a complexity higher than that shown in FIG. 2B by changing the design of the link and the injection port.
[0024]
A chaotic state is known as a state in which the trajectory is further complicated. Here, chaos means deterministic chaos, which is a state of extremely unstable and random movement despite the complete equation of motion being described.
[0025]
The motion of a device having a plurality of links, such as a two-link rotary nozzle 2, can be changed to a chaotic state. For example, it is known that a manipulator or a double pendulum having two or more links can transition to a chaotic state. (Introduction to Baifukan Chaos, co-authored by Nagashima and Baba).
[0026]
The chaotic state is characterized by orbital instability, and never passes through the same orbit twice. Therefore, by setting the two-link rotary nozzle in a chaotic state, water can be more uniformly jetted.
[0027]
Indicators indicating the state of chaos include chaotic features such as fractal dimensions and Lyapunov numbers. The two-link rotary nozzle can be brought into a chaotic state by changing the direction of water injection from the injection port and the center of gravity, shape and weight of the link so that these values become appropriate values.
[0028]
Here, as an example, a method of determining the direction in which water is jetted from the injection port, the shape of the link, and the position of the center of gravity using the maximum Lyapunov number will be described.
[0029]
The Lyapunov number is a numerical value indicating how sensitive the trajectory is to the initial value. Especially when the maximum value of the Lyapunov number takes a positive value, it is known that the data has chaotic behavior. Have been. Several concrete methods for calculating the Lyapunov number have already been proposed by academic societies and the like. Here, the maximum Lyapunov exponent of the data is calculated by the method proposed by Sato et al. (Nagashima, Nagai, Ogiwara, Tsuchiya: time series data and chaos, measurement and control, Vol. 29, No. 9, pp. 53-). -60, 1990).
[0030]
Now, as shown in FIG. 3, an angle sensor is attached to the two-link rotary nozzle 2 so that the rotation angle of each of the first link and the second link can be detected. The position of the tip of the second link can be calculated from the detected rotation angle, and the position is represented as (X (i), y (i)). Here, i represents time. Next, from the nozzle tip position x (i), a time series vector X (i) = [x (i), x (i + T), x (i + 2T),. . . . , X (i + (d−1) × T)] to form an attractor. Here, d indicates the dimension of the time series vector, and T indicates the time delay. d and T are set to appropriate values. At this time, an appropriate hyperplane is selected in the d-dimensional space, and a vector X (i) -X {i + 1} crossing the hyperplane is obtained. The coordinates of the intersection on the hyperplane are determined as the subdivision points of X (i) and X (i + 1). A set of points on a plane {Xp1, Xp2,..., Xpk,. Make}. In this set, all pairs whose distances are equal to or less than a predetermined threshold value E are selected, and two points among them are represented as Xpk and Xpk '. At this time, the maximum Lyapunov exponent L can be calculated by the following equation.
[0031]
(Equation 1)
[0032]
Here, Np indicates the total number of data pairs whose distance is equal to or smaller than the threshold value E.
[0033]
It is known that, when the value of tau is increased in (Equation 1), L (tau) converges. L (tau) at the time of convergence is the maximum Lyapunov exponent. Other methods for calculating the maximum Lyapunov number have been proposed. (See TS Parker, L.O. Chua: Practical Numerical Algorithm for Chaotic System, Springer-Verlag, 1989) The same effect as in the present embodiment can be obtained by calculation using another method.
[0034]
By repeating the calculation for obtaining the maximum Lyapunov exponent while changing the angle of the injection port on the second nozzle, the center of gravity of the link, and the like, it is possible to find a time when the maximum Lyapunov number takes a positive value other than 0.
[0035]
According to the design of the injection port and link when the maximum Lyapunov number becomes positive, the nozzle can be driven in a chaotic state.
[0036]
FIG. 4 shows the trajectory of the injection port C of the two-link rotary nozzle when the chaotic state is reached. FIG. 4 is not obtained by a numerical calculation, but is obtained by an experiment to determine the trajectory of the injection port D on the second link when the actual machine of the two-link rotary nozzle 2 is in a chaotic state.
[0037]
As is clear from FIG. 4, the area through which the nozzle passes is larger than in FIGS. 2A and 2B, and it can be seen that water can be evenly sprayed.
[0038]
It should be noted that the angle sensor as shown in FIG. 3 is provided only at the stage of designing the nozzle, and is not necessary for the product to be shipped and during normal operation, and the rotary nozzle device has a configuration as shown in FIG.
[0039]
As described above, according to this embodiment, the operation of the nozzle is controlled by using the nozzles of the multi-link and appropriately setting the jetting direction of the water of the nozzle and the position, the weight, and the shape of the center of gravity of the link. It can be in a chaotic state. The orbit of the nozzle in the chaotic state is unstable, and the nozzle does not pass through the same state orbit twice. Therefore, it is possible to spray water uniformly. In addition, by examining the chaos feature quantity such as the Lyapunov number, the nozzle can be set to an appropriate chaos state.
[0040]
In this embodiment, as the nozzle parameters to be changed, the water outlet angle of the jet port, the center of gravity and the weight of the link, and the like are used. Therefore, as shown in FIG. 5, (a) the center of gravity of the second link is changed, (b) the center of gravity of one of the second links is changed and the center of gravity is changed. The same effect can be obtained even if a link is used, and (d) the center of gravity or the center of gravity of the link is changed by the flow of water by increasing the amount of play at the connection between the first link and the second link. Is obtained.
[0041]
Further, in the present embodiment, the maximum Lyapunov number is used as a method of determining a chaotic state, but other feature amounts such as a fractal dimension and a Lyapunov dimension may be used. In particular, the fractal dimension is excellent as a method for determining the state of chaos. The fractal dimension indicates the self-similarity of the obtained data, and has a non-integer dimension in the case of chaos. Several fractal dimensions have been proposed, including an information dimension, a capacity dimension, and a correlation dimension. Among these dimensions, the correlation dimension is often used because of its ease of calculation.
[0042]
The correlation dimension is one proposed by Grassberger and Procaccia in 1983, and is obtained by using correlation integration (CorrelationIntegral). The correlation integral C (r) is obtained by the following equation.
[0043]
(Equation 2)
[0044]
Here, X (i) is a time series vector defined above, and H indicates a step function. N is the total number of time-series vectors.
[0045]
When the correlation integral C (r) has the following relationship, D is called a correlation dimension.
[0046]
[Equation 3]
[0047]
In order to obtain the correlation dimension, first, logC (r) and r are subjected to the least squares method to obtain a proportional constant D. The obtained D converges as the value of the number of dimensions d increases. D when the convergence is sufficient is the final calculation result of the correlation dimension. Therefore, the calculation of the correlation dimension is repeated while changing the jetting angle of the water at the injection port and the position of the center of gravity of the link, which are the design items of the two-link rotary nozzle 2, so that the correlation dimension has an appropriate value (non-integer). You can find time to take. If the two-link rotary nozzle 2 is set in this situation, chaotic driving can be performed.
[0048]
As described above, for the fractal dimension, various dimensions and calculation methods such as a capacity dimension and an information dimension have been proposed in addition to the correlation dimension. Even if it is obtained by using another method, the same water spraying ability as that of the present embodiment can be obtained.
[0049]
FIG. 6 shows a configuration diagram of a rotary nozzle device according to a second embodiment of the present invention. Reference numeral 1 denotes a nozzle drive pump for pressurizing the supplied water, and reference numeral 2 denotes a two-link rotary nozzle which rotates by the force of the water pressurized by the nozzle drive pump 1 and injects water. Is the same as The difference from the first embodiment is that a pressure control circuit 10 for controlling the pressure of the nozzle drive pump 1 is provided. The operation of the thus configured rotary nozzle device will be described below.
[0050]
In the first embodiment, it has been described that the two-link rotary nozzle is in a chaotic state when the jet angle of the water at the jet port and the center of gravity of the link are appropriately designed. A nozzle in a chaotic state has orbit instability and its orbit constantly changes and does not follow the same locus twice. Therefore, it is possible to spray water more evenly as compared with a nozzle that moves periodically.
[0051]
However, in the first embodiment, in order to bring the nozzle into a chaotic state, it is necessary to perform the above-described calculation of the chaotic feature amount and an experiment by trial and error.
[0052]
It is known that the chaotic state is likely to occur as the degree of freedom of the target system increases. In the present embodiment, a rotary nozzle device in which the pressure of the nozzle driving pump 1 is changed by a pressure control circuit 3 to increase the degree of freedom of the system will be described as a nozzle capable of easily achieving a chaotic state.
[0053]
When the output of the nozzle drive pump 1 is changed by the pressure control circuit 10 as shown in FIG. 7, the degree of freedom of the entire rotary nozzle device increases, and the nozzle easily transitions to the chaotic state. In FIG. 7, the horizontal axis represents time, the vertical axis represents the pressure of the nozzle drive pump 1, and shows examples of three types of change patterns of the pressure, (a), (b), and (C). . 7A shows ON / OFF repetition, FIG. 7B shows a triangular function-like change, and FIG. 7C shows a change like a sawtooth wave.
[0054]
The two-link rotary nozzle transitions to the chaotic state regardless of which pressing pattern is used. As described above, by changing the pressure of the nozzle driving pump 1 with respect to time using the pressure control circuit 10, the nozzle can be changed to the chaotic state.
[0055]
As described above, according to the present embodiment, the two-link rotary nozzle is used, and the pressure of the nozzle drive pump 1 that pressurizes the water supplied to the nozzle is changed by the pressure control circuit 10 so that the nozzle is rotated. Behavior can be chaotic. The orbit of the nozzle in the chaotic state is unstable, and the nozzle does not pass through the same state orbit twice. Therefore, it is possible to spray water uniformly.
[0056]
In combination with the method shown in the first embodiment, the pressure pattern of the nozzle drive pump 1 is changed while the chaos feature amount such as the Lyapunov number is examined, By changing the position, etc., the nozzle can be set to an appropriate chaotic state. In this case, since the feature amount such as the Lyapunov number is detected, the degree of chaos can be set appropriately, and when applied to a dishwasher or the like, a further effect is produced in terms of the washing speed and the like.
[0057]
Further, FIG. 7 shows an example of the pressing pattern of the pressing force control circuit 10, but a pattern other than FIG. 7 may be used. In particular, a pressing pattern generated by a function that directly outputs a chaos signal may be used. As an example of this, an example of a pressurization pattern by a logistic function well known as a chaos signal will be described.
[0058]
Now, assuming that the time is t, the pressure of the nozzle driving pump 1 is p, and the maximum pressure of the pump is P, the following function can be considered as the pressure pattern.
[0059]
(Equation 4)
[0060]
In this case, the calculation result of the logistic function is used as it is as the pressure, and when the pressure of the nozzle driving pump 1 is controlled using this (Equation 4), the nozzle behavior becomes a chaotic state. Note that the same effect as in the present embodiment can be obtained by controlling the pressure of the nozzle drive pump 1 using another function that outputs a chaotic signal, such as a tent function or intermittent chaos, other than the logistic function.
[0061]
FIG. 8 shows a configuration diagram of a rotary nozzle device according to a third embodiment of the present invention. In the figure, reference numeral 1 denotes a nozzle drive pump for pressurizing supplied water, which is the same as the configuration of the first embodiment. The difference from the first embodiment is that the two-link rotary nozzle 2 is changed to a water flow suppression type two-link rotary nozzle 20. The operation of the thus configured rotary nozzle device will be described below.
[0062]
The chaotic state is likely to occur as the degree of freedom of the target system increases. In the third embodiment, the degree of freedom of the entire nozzle driving device is increased by changing the output of the nozzle driving pump 1 to create a chaotic state. In addition to this method, as a method of increasing the degree of freedom of the system, there is a method of changing the structure of a connection portion of each link.
[0063]
In the present embodiment, an example will be described in which the structure of the connecting portion of the link is changed so that the rotary nozzle device is in a chaotic state.
[0064]
FIG. 9 shows the structure of the link connecting portion of the rotary nozzle device shown in the first embodiment.
[0065]
FIG. 9A shows a structure of a connecting portion between the first link 2-1 and the second link 2-2 of the two-link rotary nozzle 2. Normally, the second link 2-2 is fitted over the connection portion surrounded by the circle, and the second link 2-2 is fixed with a nut so as not to separate from the first link. However, the second link 2-2 can freely rotate.
[0066]
FIGS. 9A and 9B are enlarged views of a circled portion (connection portion) of the first link 2-1 in FIG. 9A, and FIG. 9A is a side view. FIG. 3B shows a top view. In the connection section shown in FIG. 9, the connection section has four large holes so that water can smoothly flow from the first link to the second link. It can lead to the second link.
[0067]
On the other hand, in the fourth embodiment, a water flow suppressing type two-link rotary nozzle 20 having a connection portion having a structure as shown in FIG. 10 is provided. As is clear from FIG. 10, the water flow suppression type two-link rotary nozzle 20 has a smaller number of holes in the connection portion than in the first embodiment, and restricts the flow of water in the connection portion to almost one direction. Is done.
[0068]
In the configuration of the connecting portion as shown in FIG. 9, since the total area of the holes is large, the resistance value of water at the connecting portion hardly changes regardless of the angle formed by the first link and the second link. However, in the water flow suppression type two-link rotary nozzle 20, since the flow of water at the connection portion is substantially limited to one direction as shown in FIG. 10, the water jet output depends on the position of each link. Will change.
[0069]
The change of the water jet output according to the relative position of each link in the water flow suppression type two-link rotary nozzle will be described with reference to FIG.
[0070]
FIG. 11A shows a case where the second link 20-2 is located in substantially the same direction as the first link 20-1. In this case, the flow of water to the injection port F is as shown by a dotted line in the figure. Since the connecting portion of the first link is configured as shown in FIG. 10, the resistance to the flow of water to the injection port F is small, and the water is jetted from the injection port F vigorously.
[0071]
FIG. 12B shows a case where the angle between the second link 20-2 and the first link 20-1 is about 90 degrees. In this case, the flow of water to the injection port F is bent as shown by a dotted line. In this case, since the connecting portion of the first link is configured as shown in FIG. 10, a portion where the water flow is bent more than necessary occurs. In this bent portion, the path of the water is narrower than in the case of (a), and the resistance to the water flow increases. Therefore, as a result, the momentum of the water injected from the ejection port F decreases, and conversely, the momentum of the water from the ejection port of the first link, at which the water easily flows, increases.
[0072]
As described above, by using the water flow suppression type two-link rotary nozzle 20 having a different configuration of the connection part, the water jet output of each jet port changes according to the relative position of the link. Therefore, the degree of freedom with respect to the behavior of the nozzle is increased as compared with the first embodiment, and the state easily transitions to the chaotic state.
[0073]
As described above, according to the present embodiment, by using a multi-link nozzle and partially suppressing the flow of water flowing in the nozzle and at the connection portion, the water flowing out of the injection port according to the positional relationship of each link. You can change the momentum. This increases the degree of freedom of the nozzle driving device as a whole, and makes the behavior of the nozzle chaotic. The orbit of the nozzle in the chaotic state is unstable, and the nozzle does not pass through the same state orbit twice. Therefore, it is possible to spray water uniformly.
[0074]
Also, by combining with the method shown in the first embodiment, changing the design of the connection part, changing the jetting direction of water from the injection port, the position of the center of gravity of the link, etc. Thus, the nozzle can be set to an appropriate chaotic state. In this case, since the feature amount such as the Lyapunov number is detected, the degree of chaos can be set appropriately, and a further effect is obtained in terms of the cleaning speed and the like.
[0075]
FIG. 12 shows a configuration diagram of a rotary nozzle device according to a fourth embodiment of the present invention. 1 is a nozzle drive pump for pressurizing the supplied water, 2 is a two-link rotary nozzle that rotates by the force of the water pressurized by the nozzle drive pump 1 and sprays water, and 10 controls the amount of pressurization of the nozzle drive pump. This is a configuration similar to that of the third embodiment.
[0076]
The third embodiment is different from the third embodiment in that a sensor 30 for detecting the movement of the two-link rotary nozzle and a chaos feature calculation circuit for calculating a chaos feature from the observed amount of the nozzle movement detected by the sensor 30 are provided. It is a point. The operation of the thus configured rotary nozzle device will be described below.
[0077]
In the first to third embodiments, the nozzle driving device operating in the chaotic state has been described. In a dishwasher or the like, since uniform water injection is required, it is desirable to always operate the nozzle in a chaotic state.
[0078]
However, when disturbance is applied to the nozzle and the dynamic characteristics of the system change, the chaotic state cannot be always maintained by the method described in the first to third embodiments. In order to prevent this, the present embodiment provides an apparatus that detects the movement of the nozzle in real time and can always drive chaos stably.
[0079]
The sensor 30 detects the movement of the nozzle, and may be a plurality of angle sensors as shown in FIG. 3 or an image processing technology such as a video camera. Here, the invention will be described using an example using the angle sensor of FIG.
[0080]
The angle of each link detected by the sensor 30 is input to the chaos feature amount calculation circuit 31, and the maximum Lyapunov number, which is one of the chaos feature amounts described in the first embodiment, is calculated. The method of calculating the maximum Lyapunov number in the chaos feature amount calculation circuit 31 may be the method described in the first embodiment or another method proposed by an academic society or the like.
[0081]
A positive value of the maximum Lyapunov number indicates that the nozzle is in a chaotic state, while a value of 0 indicates a periodic or quasi-periodic operation.
[0082]
Therefore, from the calculated maximum Lyapunov number, if the maximum Lyapunov number is close to zero or negative, the chaos feature amount calculation circuit 31 sends a command to the pressing force control circuit 10 to change the pressing pattern, and the maximum Lyapunov number becomes zero. If the value is a positive value that is not in the vicinity, a signal is sent to the pressing force control circuit 10 so that the driving is performed as it is.
[0083]
The pressing force control circuit 10 changes the pressing pattern according to the signal of the chaos feature amount calculating circuit 31. When the pressure is applied in a pattern as shown in FIG. 8A, the on-time Ton and the off-time Toff in FIG. 8A are changed, and the pressure is applied in a pattern as shown in FIG. If so, change the cycle of the sine curve.
[0084]
As described above, according to the present embodiment, the driving state of the nozzle can be known by observing the movement of the nozzle with the sensor and detecting the chaos feature amount from the observation result. Further, by using the information for controlling the pressing force, the nozzle can always be driven in an optimal chaotic state. The nozzle in the chaotic state has the property that the orbit is unstable and does not pass through the same state orbit twice. Therefore, by maintaining the chaotic state at all times, it is possible to spray water uniformly.
[0085]
In the present invention, by adding the sensor 30, a periodic or quasi-periodic operation that is not in a chaotic state can be detected. Therefore, it is possible not only to maintain the chaotic state, but also to switch between the chaotic state and the periodic state according to the purpose of use and the state of use of the nozzle. In this embodiment, the chaotic feature value calculation circuit 31 calculates the maximum Lyapunov number. However, other chaotic feature values such as fractal dimension such as correlation dimension, capacity dimension, and information dimension and Lyapunov dimension are used. The same effect can be obtained by using.
[0086]
As a fifth embodiment of the present invention, an example in which a rotary nozzle device is applied to a dishwasher will be described. FIG. 13 is a diagram showing the configuration of the dishwasher in this embodiment, where 101 is the body of the dishwasher, 102 is the lid, 103 is a water supply hose for taking water into the dishwasher, and 104 is water from the water supply hose 103. Nozzle drive pump for pressurizing and rotating the nozzle and spraying water, 106 is a drain pump for draining the water on the dishes, 107 is a drain hose for guiding the drain to the outside of the dishwasher, 108 is a nozzle drive pump A control circuit for controlling the drain 104 and the drain pump 106. The above is the common part with the conventional example of FIG. The difference from the conventional example is that the 2-link rotary nozzle 2 described in the first embodiment is used instead of the 1-link rotary nozzle.
[0087]
As described in the first embodiment, the two-link rotary nozzle can be in a chaotic state. By using the two-link rotary nozzle 2 in a chaotic state, the nozzle moves in a locus as shown in FIG. 4, and water can be sprayed on the tableware in various directions from the operation locus of the conventional example in FIG. You will be able to spray water.
[0088]
Therefore, in a dishwasher using a two-link rotary nozzle, water can be sprayed to every corner of the dish as compared with the conventional example, and the stains on the dish can be more sufficiently removed. In addition, in the conventional example, the nozzle trajectory had a constant circumference, so that in order to remove dirt, it was necessary to carefully consider how to place dishes, but in this embodiment, the nozzle trajectory constantly changes. As a result, a sufficient cleaning effect can be obtained without devising how to place the tableware.
[0089]
As described above, by using a rotating nozzle composed of multiple links in a chaotic state, water can be sprayed more evenly and more evenly than before, and the washing efficiency of the dishwasher can be improved. Can be. In this embodiment, the example in which the two-link rotary nozzle described in the first embodiment is applied to a dishwasher has been described. However, the rotary nozzle device described in the second to fourth embodiments may be used. good. Further, in this embodiment, an example in which the rotary nozzle device is applied to a dishwasher has been described. However, the present invention can also be applied to a washing machine for washing not only tableware but also other objects such as automobiles and semiconductor devices. The improvement of the washing efficiency can be expected. It can also be applied to sprinklers, spray coaters, and other water sprayers that need to spray liquid uniformly.
[0090]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a nozzle composed of a plurality of hollow links is used. The nozzle can be brought into a chaotic state by appropriately setting the water injection angle of the injection port, the length, the weight, and the position of the center of gravity of each link using the Lyapunov number, the fractal number, and the like.
[0091]
Chaos has orbital instability, so nozzles in chaotic state do not follow the same trajectory twice, and the injection port moves constantly in different trajectories. As a result, water is sprayed more uniformly than before. can do.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a configuration of a rotary nozzle device according to a first embodiment.
FIG. 2 is an explanatory diagram of an operation trajectory of a two-link rotary nozzle.
FIG. 3 is an explanatory diagram of a method for detecting a link movement.
FIG. 4 is a diagram showing an operation locus of a rotating nozzle in a chaotic state.
FIG. 5 is a diagram showing a configuration of a rotary nozzle that achieves the same effects as the first embodiment.
FIG. 6 is a diagram showing a configuration of a rotary nozzle device according to a second embodiment.
FIG. 7 is a diagram showing a change pattern of a pressing force.
FIG. 8 is a diagram illustrating a configuration of a rotary nozzle device according to a third embodiment.
FIG. 9 is a diagram illustrating a configuration of a connection unit according to the first embodiment.
FIG. 10 is a diagram illustrating a configuration of a connection unit according to a third embodiment.
FIG. 11 is a diagram illustrating that the intensity of water injected changes according to rotation of a link.
FIG. 12 is a diagram showing a configuration of a rotary nozzle device according to a fourth embodiment.
FIG. 13 is a diagram showing a configuration of a dishwasher according to a fifth embodiment.
FIG. 14 is a diagram showing a configuration of a conventional dishwasher.
FIG. 15 is a diagram showing a configuration of a conventional rotary nozzle.
FIG. 16 is a diagram illustrating a configuration of a connection unit according to a fifth embodiment.
[Explanation of symbols]
1 Nozzle drive pump
2 2-link rotary nozzle
10 Pressure control circuit
20 Water flow control type 2 link rotary nozzle
30 sensors
31 Chaos feature calculation circuit
101 body
102 Lid
103 Water supply hose
104 nozzle drive pump
105 rotating nozzle
106 drainage pump
107 drain hose
108 control circuit