JP2003501436A - チタン錯体の製造法 - Google Patents

チタン錯体の製造法

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JP2003501436A
JP2003501436A JP2001502432A JP2001502432A JP2003501436A JP 2003501436 A JP2003501436 A JP 2003501436A JP 2001502432 A JP2001502432 A JP 2001502432A JP 2001502432 A JP2001502432 A JP 2001502432A JP 2003501436 A JP2003501436 A JP 2003501436A
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Basell Technology Co BV
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F17/00Metallocenes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y10S526/943Polymerization with metallocene catalysts

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  • Organic Chemistry (AREA)

Abstract

(57)【要約】 式(I):(D)(ZR1 mn(A)TiLpq[式中、(ZR1 mnはDとAを橋架ける2価の基であり;Dは非局在化されたπ−結合分子であり、η5結合モードでTiと結合しており、Cp分子が好ましく;Aは−O−、−S−、−N(R2)−または−P(R2)−[式中、R2は水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリールまたはアリールアルキルである]であり;Lはアルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリールおよびアリールアルキル基から選択される単一アニオン性シグマ配位子であり;mは1または2であり;nは1〜3であり;pは1または2であり、qは0または1でありp+q=2である]のチタン錯体の直接合成用の特に簡単で、便利で実用的な、新規製造法を開示する。該方法は、式(H−D)(ZR1 mn(A−H)の配位子を約1モル当量のTiX4と、約(2+p)モル当量のLjBまたはLMgX[式中、Xはハロゲンまたは−OR’であり、Bはアルカリまたはアルカリ土類金属であり、jは1または2である]の存在下に反応させることからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、特に簡単で、便利で実用的な、チタンの錯体、好ましくはモノシク
ロペンタジエニルチタニウムジヒドロカルビル錯体の製造の新規な方法に関する
;より詳細には、SiまたはGe原子を任意に含む、直鎖状もしくは分岐状、飽
和もしくは不飽和C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20
リール、C7〜C20アルキルアリールおよびC7〜C20アリールアルキル基からな
る群から選択されるシグマ配位子2つにチタン原子が結合した錯体の直接的な製
造法に関する。これらの錯体は、適当な活性化助触媒と共にオレフィン重合にお
いて触媒成分として有用である。
【0002】 (先行技術の開示) 有用な助触媒に関連して幾何拘束をベースにした均一触媒系は当該分野でよく
知られ、例えば欧州特許出願第EP-A-416,815号、EP-A-420,436号、EP-A-671,404
号、EP-A-643,066号および国際特許出願公開代WO91/04257号に記載のように、オ
レフィンの重合反応において広く用いられている。 これらの均一触媒系は、中心金属原子のシグマ配位子がハロゲンであり、通常
塩素である、モノ−シクロペンタジエニル金属ジハライド配位錯体をベースとす
る。
【0003】 公知な先行技術の方法において、金属ジハライド錯体の合成は、しばしば困難
であり、定量的にはほど遠い。該錯体は金属反応剤(通常MX4)とI族金属塩
(通常ジリチウム塩)またはシクロペンタジエニル化合物のグリニャール塩を接
触させて製造される;この反応は有利に進行してジルコニウムジハライド錯体を
生成するが、Ti(IV)のTi(III)への還元のため、チタニウムジハラ
イド錯体の製造において非常に低い収率のみしか示さない。
【0004】 例えば、M.Waymouthら(Organometallics 16:2879〜2885,1997)は、TiC
4(THF)2で(tert−ブチルアミド)(ジメチル)(インデニル)シランの
ジリチウム塩(その配位子を2BuLiで反応させて得られる)を処理すること
により、インデニルアミドチタニウムジクロライド錯体を製造した。この合成の
収率は極めて低かった(<20%)。 非常に低い最終収率のほかにも、該反応は極めて低温(−78℃)を必要とする
欠点を有する。実際、モノシクロペンタジエニル配位子化合物のジアニオンには
、ハロゲン化試薬と反応させる前に、多段階、面倒な回収や精製処理が必要であ
る。
【0005】 空気や湿気に感受性な金属テトラハライド反応剤の取り扱いを容易にするため
に、反応が非プロトン性溶媒中で行われなければならないため、反応工程の前に
遷移金属テトラハライド化合物を一般的にはTHFまたはジエチルエーテルとの
別の工程において、そのエーテル付加体に変換することが別の欠点である。この
付加体生成工程は本来、低い〜非常に低い温度と不活性雰囲気を必要とする困難
性がある。付加体は通常配位子のジアニオン性誘導体と反応する前に回収される
。付加体生成工程の収率は定量的より低い。
【0006】 さらに、遷移金属テトラハライド化合物と、橋架けられたシクロペンタジエニ
ル配位子化合物のジアニオンとの反応混合物は、多段階、面倒な回収と精製処理
を必要とする。一般的には、反応工程の後、溶媒を除去し、生成物をジクロロメ
タンもしくはトルエンまたはその混合物を加えて再溶解させ、金属ハライド副生
成物(一般には塩化リチウム)をその混合物をろ過して除去し、溶媒を少なくと
も部分的に除去し、次いで固形生成物を再溶解させて、生成物を結晶化させ、任
意に続いて1以上の更なる再結晶処理を行う。
【0007】 当該分野で知られた好ましい方法において、モノシクロペンタジエニル配位子
のジアニオン塩を、金属が所望な最終的な錯体、より低い酸化状態にある金属化
合物、例えばTi(III)化合物と反応させ;その後、生じた錯体を、酸化剤
(AgClまたはPbCl2のような)と接触させ、金属の酸化状態を上げ、所
望のチタン(IV)ジハライド錯体を形成しなければならない。
【0008】 余分な反応工程(すなわち、酸化工程)を必要とすることに加えて、Ti(I
II)の中間体モノハライド配位錯体は熱的に不安定である;従って、反応収率
は通常不満足なものである。 例えば、Organometallics 16:2879〜2885,1997には、[(R−アミド)ジメ
チルシリル](tert−ブチル)シクロペンタジエニド(配位子のiPrMgCl
での脱プロトン化により得た)のジマグネシウム塩でTiCl3のTHF−付加
体を処理し、次いでPbCl2酸化することによる、橋架けられたモノ(置換さ
れたシクロペンタジエニル)チタンジクロライド錯体の製造が記述されている。
収率はR=tBuの場合ほんの52%で、R=CHMePhの場合16%である
。さらに、インデニル−アミドチタン錯体の場合、TiCl3(THF)3とのイ
ンデニルジマグネシウムジクロライド塩の反応、次いでPbCl2酸化は完全に
不成功に終わった。
【0009】 対応するジ炭化水素誘導体、特にジメチルのものが、開発されて、アルモキサ
ンや例えば[Ph3C]+[B(C654-もしくは[HN(n−Bu)3+
B(C654-のようなホウ酸塩のような適当な助触媒と共に、オレフィン重
合反応用触媒成分として広く使用されている。
【0010】 中心金属原子のシグマ配位子がアルキルまたはアリール基のとき、上記金属錯
体が現在の方法により都合よく合成されないであろう。実際、先行技術の方法は
、常に金属錯体ジハライドの合成を含み、それは続いて適当なヒドロカルビル化
剤により配位子交換されて目的生成物にヒドロカルビル化されて、従って不満足
な全体収率となり、少なくとも以下の2つの工程: (1)MX4[式中、Xはハロゲンである(通常TiCl4(THF)2またはZ
rCl4)]と適当な配位子を反応させることにより、ハライド金属配位錯体、
通常ジクロライドを製造すること;または代わりに、MX3(通常TiCl3(T
HF)3)と適当な配位子を反応させ、その後生成物を酸化剤(通常AgClま
たはPbCl2)と接触させることにより、ハライド金属配位錯体を製造するこ
と、 (2)アルキルリチウム、ジアルキルマグネシウムまたは相当するグリニャール
試薬のようなアルキル化剤を用いて、金属原子に結合したハロゲンを所望のアル
キルまたはアリール基で置換することにより、工程(1)で得られたジハライド
錯体を対応するジアルキル錯体に変換すること を必要とする。
【0011】 既に示したように、金属モノハライド錯体に導く工程(1)は、しばしば厄介
であり(非常に低い反応温度を必要とする)、定量的でない;特に、TiCl4
またはその付加体を反応剤として用いるとき、金属の過剰還元により、非常に低
い収率が得られる。反対に、Ti(III)誘導体を反応剤として用いる場合、
より許容できる収率が得られるが、生じるジハライド錯体は、金属の酸化状態を
上げて所望のジハライド錯体を形成するのに酸化剤と接触させなければならない
。従って、これら製造方法は本来、金属ジハライド錯体の製造に関連した欠点を
有している。
【0012】 最終的に、所望のジアルキル金属錯体を達成するために、金属ジクロライド錯
体はMeLiのようなアルキル化剤で処理されなければならず(工程(2));
従ってさらなる反応工程が必要となり、全体の反応収率は著しく低下し、全体の
工程がより面倒となり時間のかかるものとなる。
【0013】 文献の製法(Jun Okadaら, Journal of Organometallic Chemistry, 520:245
〜248,1996)によると、ジメチルシランジイル(tert−ブチルアミド)(インデ
ニル)チタニウムジメチルは、せいぜい2つの反応工程で、不満足な全体収率で
得られる。より詳細には、引用された参照において、Okudaは、TiCl3(TH
F)3のTHF中懸濁液とのジリチウム誘導体Li2[Ind−SiMe2−NC
Me3](低温で配位子とBuLiを反応させることにより90%の収率で得ら
れた)の反応、次いで得られたチタン(III)のPbCl2を用いた酸化によ
り上記Ti(IV)ジクロライド錯体を94%の収率で得ている。Ti(IV)
ジクロライド錯体を次いで、メチルマグネシウムクロライドでジハライド金属錯
体を反応させることにより−78℃でアルキル化して、そのようにしてジメチル
錯体Ti[Ind−SiMe2−NCMe3]Me2を49%収率で得、従って配
位子から出発して、得られた全体収率は満足のいくものではない(90・94・
49/10,000=41.5%)。
【0014】 J.Marksら(Organometallics, 16:3649〜3657, 1997)は、不満足な全体収率
31.7%で、以下の工程:1)90%収率で、Et2O中−78℃で2BuL
iとの(tert−ブチルアミド)(ジメチル)(η5−テトラメチル−シクロペン
タジエニル)シランの配位子の反応により、配位子ジリチウム塩を得;2)収率
63%で、非常に低い温度(−78℃)で適当な金属ハライド(TiCl3(T
HF)3)と得られたジリチウム塩を反応させ、次いでPbCl2またはAgCl 2 での酸化;3)収率56%で、非常に低温(−78℃)でのMeLiでの得ら
れた金属ジクロライドの最終的なアルキル化;を有するジメチルシランジイル(
tert−ブチルアミド)(η5−テトラメチル−シクロペンタジエニル)チタンジ
メチルの合成を得た。従って、上記合成により、3つの冷却サイクルを有し、3
2%より低い全体収率で所望のチタンジアルキル錯体が提供される。
【0015】 チタンモノシクロペンタジエニル−アミド錯体の製造のための代わりの合成戦
略に関して、Ti(NR24前駆体アミンを脱離させる試みは、通常、通常の塩
脱離の合成ルートより効果的な製造を提供する(W.A.Herrmannら、Journal of O
rganometallic Chemistry,482:169〜181,1994参照)。
【0016】 しかし、上記参照(Organometallics, 16:3649〜3657,1997)において、この
ルートはチタンジアミド錯体(配位子)Ti(NMe22には適さないと報告され
、代わりに無数の所望ではない生成物が得られる(ところが、Zr錯体に対して
は単一生成物のみが提供される)。
【0017】 さらに、アミン脱離ルートはCp−無置換なMe2Si(C54)(tBuN
)M(NMe22(M=TiまたはZr)類似体の効果的な製造をもたらすが、
アミド錯体はジメチルアミン付加体の生成なしに対応するジクロライド誘導体へ
プロトン的に変換され得ない。
【0018】 二次的な触媒にとっても、アミド錯体がジクロライドまたは典型的にはジアル
キル重合触媒前駆体へ変換すべきことは致命的である。というのも、アミド誘導
された触媒は塩素またはアルキル−誘導された触媒よりも著しく活性が低いから
である。
【0019】 別の合成ルートが国際特許出願第WO95/19984号に報告されている。
それには、非プロトン性希釈剤の存在下に式M(OR)4の金属化合物を対応す
る配位子のジアニオン塩と接触させること;ヒドロカルビル化剤またはハロゲン
化剤での該金属ジヒドロカルビルオキシ配位錯体の処理により、相当する金属ジ
ヒドロカルビルまたはジハライド配位錯体が得られる、橋架けられたモノ−およ
びビス(シクロペンタジエニル)金属ジヒドロカルビルオキシ配位錯体の製造法
が記述されている。
【0020】 この場合も、所望のジアルキル金属錯体を達成するために、金属ジヒドロカル
ビルオキシ誘導体を通過することが必要である。この方法は金属ジハライド錯体
を製造するのに関連する欠点を避けているが、さらなる反応工程を必要とし、従
って全体の反応収率を下げ、全体の方法をより面倒で時間のかかるものとしてい
る。
【0021】 従って、幾何拘束の触媒、通常中心金属に結合した炭化水素シグマ配位子を有
する金属錯体を製造する先行技術の方法は、該誘導体の商業的に実現可能で実際
的な製造、オレフィン重合における触媒成分としての使用には不適当である;満
足のいく収率で上記金属誘導体を製造するより簡単で、より都合のよい実際的な
方法に対する必要性が感じられていた。
【0022】 本出願人の名前での国際特許出願第WO99/36427号(出願番号PCT
/EP99/00188号)には、式(I): (Cp)(ZR1 mn(A)rMLpL’q (I) [式中、(ZR1 mnはCpとAを橋架ける2価の基であり、ZはC、Si、G
e、NまたはPであり、R1基は水素または炭化水素基であり;Cpはシクロペ
ンタジエニル基であり;Aはシクロペンタジエニル基であるか、または−O−、
−S−もしくは−N(R2)−[ここで、R2は水素または炭化水素基である]で
あってもよく;Mは3〜6族の遷移金属またはランタニドもしくはアクチニド族
であり;置換基Lはモノアニオン性炭化水素シグマ配位子であり;置換基L’は
ハロゲンまたは−OR[ここでRは水素または炭化水素基である]であり;mは
1または2であり;nは0〜4であり;rは0または1であり;pは1〜3であ
り;qは0〜2である] のメタロセン化合物の製造法が記述されている。
【0023】 その方法は式(Y−Cp)(ZR1 mn(A−Y)rの配位子を少なくとも(1
+r+p)モル当量の式LjBまたはLMgL’の化合物[式中、Cp、A、Z
、R1、m、n、p、r、LおよびL’は上記と同じ意味を有し;基Yは同一ま
たは互いに異なって適当な脱離基であり;Bはアルカリまたはアルカリ土類金属
であり;jは1または2であり、Bがアルカリ金属のとき1に等しく、Bがアル
カリ土類金属のとき2に等しい]と反応させること;工程(1)で得られた生成
物を少なくとも1モル当量の式ML’Sの化合物[式中、MとL’は上記と同じ
意味を有し;sは金属の酸化状態に相当する整数であり3〜6の範囲である]と
反応させることからなる。
【0024】 記述された方法は、Ti、ZrまたはHfのメタロセン、好ましくはZrのビ
スシクロペンタジエニルメタロセンの製造に用いられる。すべての実施例は、Z
rのジアルキル誘導体の製造に言及している。
【0025】 (発明の要旨) 出願人は、ここに、中心金属原子に結合した炭化水素シグマ配位子を有するチ
タン錯体の新規な製造法を予期せぬことに見出した。より詳細には、本発明の目
的は、 方法が、以下の工程: (1)式(H−D)(ZR1 mn(A−H)の配位子を約(2+p)モル当量の
jBまたはLMgXの化合物[式中、D、A、Z、R1、m、n、p、Lおよび
Xは下記の意味を有し;Bはアルカリまたはアルカリ土類金属であり;jは1ま
たは2であり、Bがアルカリ金属であるときjは1に等しく、Bがアルカリ土類
金属であるときjは2に等しい]と反応させること、ならびに (2)工程(1)から得られた生成物を約1モル当量のTiX4の化合物[式中
、Xは下記と同じ意味を有する]と反応させることからなることを特徴とする、
【0026】 式(I): (D)(ZR1 mn(A)TiLpq (I) [式中、(ZR1 mnはDとAを橋架ける2価の基であり;ZはC、Si、Ge
、N、PおよびBからなる群から選択され;R1基は同一または互いに異なって
、水素、直鎖状もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和C1〜C20アルキル、C3
20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールおよびC 7 〜C20アリールアルキル基からなる群から選択されるか、または2つのR1基が
一緒になって環を形成し;mは1または2であり;nは1〜3の整数であり;D
は非局在化されたπ−結合分子であり、η5結合モードでTiと結合しており、
好ましくは置換または無置換シクロペンタジエニル分子(ここではCpと称する
)であり;Aは−O−、−S−、−N(R2)−および−P(R2)−[式中、R 2 は水素、直鎖状もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和C1〜C20アルキル、C3
〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールまたは
7〜C20アリールアルキルであり、任意に−OR’、−SR’、−NR’2また
は−PR’2基を含有し、ここでR’はC1〜C10アルキル基である]から選択さ
れる2価のアニオン基であり;Tiはチタンであり;置換基Lは、同一または互
いに異なって、任意に1以上のSiまたはGe原子を含有する、直鎖状もしくは
分岐状、飽和もしくは不飽和C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C 6 〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールおよびC7〜C20アリールアルキ
ル基からなる群から選択される単一アニオン性シグマ配位子であり、置換基Lは
同一が好ましく;Xはハロゲンもしくは−OR’[式中、R’はC1〜C10アル
キル基である]であり;pは1または2であり、好ましくは2であり;qは0ま
たは1でありp+q=2である]を有するチタン錯体の直接的ワンポット合成で
ある。
【0027】 (発明の詳細な記載) 簡単で、迅速で経済的な方法で、適当な配位子から出発してワンポット合成で
所望の生成物に導く本発明の方法によれば、金属原子が1または2のシグマ結合
した炭化水素置換基を有するチタン錯体が得られる。さらに、該方法によれば最
終収率は、当該分野で知られる方法で得られるものより更に高くなり、従ってオ
レフィン重合における触媒成分として上記メタロセン化合物の都合のよい産業的
な活用が可能となる。本発明のよる方法で得られうる非常に良好な収率は、チタ
ン反応剤(TiX4のような)とシクロペンタジエニル配位子のジリチウム塩を
接触させることによる先行技術で得られた結果から鑑みて全く予期せぬものであ
る。先に明らかにしたように、先行技術の場合、Ti(IV)からTi(III
)への部分的還元のため、チタンジハライド錯体の製造において、わずかな収率
のみが得られる。 反対に、本発明の方法では、Ti(IV)の還元は予期せぬことに無視でき、
従って所望の化合物が高収率で得られる。
【0028】 式(I)のチタン錯体において、2価の橋架け(ZR1 mnは、CR1 2、(C
1 22、(CR1 23、CR1=CR1、SiR1 2、(SiR1 22、CR1 2−S
iR1 2、GeR1 2、NR1、PR1およびBR1[R1は上記の意味を有する]から
なる群から選択されるのが好ましい;より好ましくは、該2価橋架けは、Si(
CH32、SiPh2、CH2、(CH22、(CH23またはC(CH32であ
る。
【0029】 変数のmは1または2である;変数のnは1〜3の範囲であり、n>1のとき
、2価の橋架け中、−CH2−O−、−CH2−S−および−CH2−Si(CH32−のように、原子Zは同一または互いに異なってもよい。 整数nは1〜3の範囲であり、1または2が好ましい。
【0030】 Dは非局在化したπ−結合した分子であり、η5結合様式でTiに結合してい
る;用語「非局在化したπ−結合した分子」の使用により、エチレン性またはア
セチレン性官能性を含むもののような[ここで、それらのπ−電子は、金属に供
与され、結合を形成する]不飽和有機分子を意味する。例には、アルケン−、ア
ルケニル−、アルキン−、アルキンイル−、アリル−、ポリエン−およびポリエ
ンイル−分子ならびに不飽和環式系を含む。
【0031】 D分子は、1以上の置換または非置換、飽和、不飽和または芳香環と任意に縮
合した、置換または非置換シクロペンタジエニル基(ここにおいてCpと呼ぶ)
であるのが好ましい。Cpは、シクロペンタジエニル、モノ−、ジ−、トリ−お
よびテトラ−メチルシクロペンタジエニル;3−t−ブチルシクロペンタジエニ
ル;3−アダマンチルシクロペンタジエニル;インデニル;2−メチルインデニ
ル;4,7−ジメチルインデニル;3−t−ブチルインデニル;3−イソプロピ
ルインデニル;ベンゾインデニル;4,5,6,7−テトラヒドロインデニル;
フルオレニル;テトラヒドロフルオレニル;オクタヒドロフルオレニル;N−メ
チルおよびN−フェニル−5,10−ジヒドロインデノ[1,2−b]インドー
ル−10−イル;N−メチル−およびN−フェニル−5,6−ジヒドロインデノ
[2,1−b]インドール−6−イル;アザペンタレン−4−イル;チアペンタ
レン−4−イル;アザペンタレン−6−イル;チアペンタレン−6−イル;モノ
−、ジ−およびトリ−メチルアザペンタレン−4−イルからなる群から選択され
るのがより好ましい。
【0032】 本発明の方法の具体例によると、Cp分子は3位に(アミノまたはヒドロカル
ビルオキシ基のような)ヘテロ原子置換基を有するシクロペンタジエニル基、例
えばWO98/06727号に記述のような3−ヘテロ原子置換インデニル基で
あってもよい。
【0033】 別の具体例によれば、Dは、WO96/08498号に記述のように、環式ま
たは非環式、非芳香族、アニオン性、ジエニル配位子基である。該ジエニル配位
子は、ペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロシラヘキサジエニル、シ
クロヘプタジエニル、シクロオクタジエニル、部分的に水素化されたアントラセ
ニル、部分的に水素化されたナフタレニル基の誘導体またはそれらのヒドロカル
ビル、シリル、ヒドロカルビルオキシもしくはシリルオキシ置換誘導体であるの
が好ましい。
【0034】 最も好ましい具体例によれば、Dは(2,4−ジ置換ペンタジエン−3−イル
)、(2,4−ジ置換ペンタジエン−1−イル)、(1,5−ジ置換ペンタジエ
ン−3−イル)、(6,6−ジ置換―η5―シクロヘキサジエン−3−イル)、
(6,6−ジ置換―η5―シクロシラヘキサジエン−3−イル)、(1,2,3
,4,5―η―シクロヘキサジエン−6−イル)、(6−置換−1,2,3,4
,5−η―シクロヘキサジエン−6−イル)、(1,2,4,5,6,6−ヘキ
サ置換―η5―シクロヘキサジエン−3−イル)、(1,1−ジ置換―η5―ヘキ
サヒドロナフタレン−4−イル)、(1,1,2,3−テトラ置換―η5―ヘキ
サヒドロナフタレン−4−イル)または(9,9−ジ置換−10,11,12,
13,14―η―1,2,3,4,5,6,7,8,9,10−デカヒドロアン
トラセン−10−イル)であり、該置換基は、各場合において独立して、それぞ
れ、10の非水素原子まで、ヒドロカルビル、シリルまたはそれらの混合物であ
る。
【0035】 さらに、式(I)のチタン錯体において適当なD分子は、WO97/1024
8号において本出願人により記述されたような、6つのπ電子系が5員環に拘束
されていない、開放ペンタジエニル基である。
【0036】 基Aは、−O−、−S−、−N(R2)−および−P(R2)−[ここでR2
上記で定義のとおりである]から選択され;該基Aは、−N(R2)−または−
P(R2)−、すなわちアミドまたはホスフィド基が好ましい;ここで、R2は直
鎖状もしくは分枝状C1〜C10アルキルまたはC7〜C15アリールアルキルが好ま
しく;R2は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよび
これらアルキル基の異性体、ノルボルニル、ベンジルならびにフェニルからなる
群から選択されるのがより好ましい。
【0037】 基R2は−OR’、SR’、−NR’2または−PR’2基[式中、R’はC1
10アルキル基である]を任意に含んでもよい。キレート化したシクロペンタジ
エニル配位子骨格内にこの付加的な弱い中性ドナー部位の存在により、三座の配
位子錯体を生じさせることができる。ドナー基は、−OMe、−OEtまたは−
NMe2がより好ましい。そのようなドナー基がR2に存在するとき、逆にシクロ
ペンタジエニル分子には存在しない。
【0038】 式(I)のチタン錯体において、pは2であるのが好ましく、qは0であるの
が好ましい;XはClまたはBrであるのが好ましい。置換基Lは、同一または
異なって、1以上のSiまたはGe原子を任意に含む、C1〜C7アルキル基、C 6 〜C14アリール基およびC7〜C14アリールアルキル基からなる群から選択され
るのが好ましい;置換基Lは、メチル、エチル、n−ブチル、sec−ブチル、フ
ェニル、ベンジルおよび−CH2Si(CH33からなる群から選択されるのが
より好ましい。本発明の好ましい具体例に従えば、Lはメチルである。
【0039】 本発明の方法で製造される好ましいジヒドロカルビルチタン錯体は、いわゆる
幾何拘束触媒である;ここで用いる用語「幾何拘束」により、金属が隣接する共
有結合分子に結合し、かつη5または他のπ−結合相互作用により非局在化され
たπ−結合シクロペンタジエニル基と関連して保持されるTi原子を含む配位子
基の特定な環構造のため、金属配位錯体中、およびまたそこから得られた触媒中
ののチタン原子が、活性な触媒部位のより大きい暴露(exposure)を強いられる
ことを意味する。幾何拘束と配位子基を含む特定な拘束の概念は、欧州特許出願
第EP−A−416,815号に記述されている;その錯体は、金属アニオンの
まわりに幾何拘束を有さなければならず、その結果、非局在化された置換η−結
合分子の重心と、拘束を誘導する置換基の中心との間の金属における角度が、該
拘束を誘導する置換基において、水素で置換したことのみが異なる比較する錯体
におけるそのような角度より小さい。より詳細には、該角度は105°より小さ
いのが好ましい。
【0040】 より詳細には、本発明の方法において、式(II):
【化2】 [式中、R3は同一または異なって、水素、任意にSi、Ge、O、S、Nまた
はP原子を含有する、直鎖状もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和C1〜C20
ルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルア
リールまたはC7〜C20アリールアルキル基からなる群から選択されるか、2も
しくは4つの隣接するR3基が一緒になって1以上の環を形成し; アミド分子上のR2基が上記の意味を有し、メチル、エチル、プロピル、ブチル
、ペンチル、ヘキシルおよびこれらアルキル基の異性体、ノルボルニル、ベンジ
ル、フェニル、p−n−ブチルフェニル、シクロヘキシルおよびシクロドデシル
からなる群から選択されるのが最も好ましく; ZはCまたはSiであり; R1は上記で定義された通りであり、水素、メチル、ベンジルおよびフェニルか
らなる群から選択されるのが最も好ましく; nは1または2であり; 置換基Lは上記で定義された通りであり、メチル、ネオペンチルまたはベンジル
であるのがより好ましい]に相当するジヒドロカルビルチタン錯体が製造される
【0041】 シクロペンタジエニル基の2または4つの隣接するR3基は、1または2の縮
合環を形成してもよい;従って、Cp分子は、シクロペンタジエニル、インデニ
ル、テトラヒドロインデニル、フルオレニル、テトラヒドロフルオレニルおよび
オクタヒドロフルオレニルからなる群から選択されるのが好ましい;先のシクロ
ペンタジエニル基のR3基は、水素、メチル、エチル、ブチル、ペンチル、ヘキ
シルおよびこれらアルキル基の異性体ならびにノルボルニル、ベンジルおよびフ
ェニルからなる群から独立して選択される。
【0042】 式(II)の非常に好ましい化合物の非限定的なリストには、 エチレン(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル
)チタンジメチル、 エチレン(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル
)チタンジベンジル、 ジメチルシランジイル(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペ
ンタジエニル)チタンジメチル、 ジメチルシランジイル(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペ
ンタジエニル)チタンジベンジル、 ジメチルシランジイル(メチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジ
エニル)チタンジメチル、 ジメチルシランジイル(メチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジ
エニル)チタンジベンジル、 ジメチルシランジイル(フェニルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタ
ジエニル)チタンジメチル、 ジメチルシランジイル(フェニルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタ
ジエニル)チタンジベンジル、 ジメチルシランジイル(ベンジルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタ
ジエニル)チタンジメチル、 ジメチルシランジイル(ベンジルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタ
ジエニル)チタンジベンジル、
【0043】 エチレン(tert−ブチルアミド)(η5−シクロペンタジエニル)チタンジメチ
ル、 エチレン(tert−ブチルアミド)(η5−シクロペンタジエニル)チタンジベン
ジル、 ジメチルシランジイル(tert−ブチルアミド)(η5−シクロペンタジエニル)
チタンジメチル、 ジメチルシランジイル(tert−ブチルアミド)(η5−シクロペンタジエニル)
チタンジベンジル、 ジメチルシランジイル(メチルアミド)(η5−シクロペンタジエニル)チタン
ジメチル、 ジメチルシランジイル(メチルアミド)(η5−シクロペンタジエニル)チタン
ジベンジル、 ジメチルシランジイル(tert−ブチルアミド)(インデニル)チタンジメチル、 ジメチルシランジイル(tert−ブチルアミド)(インデニル)チタンジベンジル
、 ジメチルシランジイル(ベンジルアミド)(インデニル)チタンジメチルおよび ジメチルシランジイル(ベンジルアミド)(インデニル)チタンジベンジルを含
む。
【0044】 本発明による方法は、1つの反応器中で行われる、以下の工程: (1)式LjBまたはLMgXの約(2+p)モル当量の化合物と式(H−D)
(ZR1 mn(A−H)の配位子を反応させること[ここで、D、A、Z、R1
m、n、p、XおよびLは上記の意味を有し;Bはアルカリまたはアルカリ土類
金属であり;jは1または2であり、Bがアルカリ金属のときjは1に等しく、
Bがアルカリ土類金属のときjは2に等しい]、および (2)約1モル当量の式TiX4の化合物[ここで、Xは上記の意味を有する]
と、工程(1)で得られた生成物を反応させること からなる。
【0045】 式(I)と(II)のヒドロカルビルチタン錯体は、工程(2)で得られた反
応混合物から最終的に単離することができ、一般的な方法に従い任意に精製する
ことができる。 該工程により、非常に高収率で、非常に実際的なで便利なワンポット反応を用
いて、式(I)および(II)のヒドロカルビルチタン錯体を得ることができる
【0046】 驚いたことに、適当な配位子を約4モル当量の式LjBまたはLMgXの化合
物および約1モル当量の式TiX4の化合物と反応させると、所望のジヒドロカ
ルビルチタン錯体が高収率高純度で、ワンポット反応で得られることが見出され
た。類似して、適当な配位子を約3モル当量の式LjBまたはLMgXの化合物
および約1モル当量の式TiX4の化合物と反応させると、所望のモノヒドロカ
ルビルチタン錯体が高収率高純度で、ワンポット反応で得られることが見出され
た。
【0047】 さらに、非常に低い反応収率となり、さらに酸化工程を必要とする、Ti(I
V)からTi(III)への有意な還元は観察されない;これは、当該分野の文
献において報告された方法に鑑みると、既に強調したように、完全に予期せぬこ
とである。
【0048】 この新規方法は、典型的には、式(I)および(II)の錯体を60%または
それ以上の収率で提供する。その生成物錯体は、高収率でろ過により容易に単離
でき、面倒な精製工程は必要ない。
【0049】 反応剤TiX4において、置換基Xは、同一であるのが好ましく、−Cl、−
Br、−OMe、−OEt、−OPr、−OBuおよび−OBzからなる群から
選択される;該反応剤はTiCl4、Ti(OEt)4、Ti(OPr)4および
Ti(OBz)4からなる群から選択されるのが好ましい;TiX4のエーテル錯
体のような安定化誘導体の形態で用いられてもよい。
【0050】 LjBおよびLMgX[式中、LはSiまたはGeで任意に置換されていても
よい、C1〜C8アルキル基、C6〜C14アリール基またはC7〜C14アルキルアリ
ール基から選択されるのが好ましく、Lはメチル、エチル、n−ブチル、sec−
ブチル、フェニル、ベンジルおよび−CH2Si(CH33からなる群から選択
されるのがより好ましく;Lがメチルであるのがさらにより好ましい]はアルキ
ル化剤である。
【0051】 化合物LjBにおいて、Bはアルカリまたはアルカリ土類金属であり、Liま
たはMgであるのが好ましい; すでに述べたように、jは1または2であってもよい。
【0052】 化合物LMgXは、グリニャール試薬であり、Mgはマグネシウムであり、L
およびXは上記の意味を有し、XはClまたはBrが好ましい。 本発明の好ましい具体例に従えば、該アルキル化剤はメチルリチウムである。
【0053】 式LjBまたはLMgXの化合物の、式(H−D)(ZR1 mn(A−H)の配
位子に対するモル比は、広範囲内で変化してもよい;式(I)のジヒドロカルビ
ル錯体[式中、p=2でありq=0である]を得るための改善された方法は、約
4:1およびそれ以上の比で得られる;式(I)のモノヒドロカルビル錯体[式
中、p=1でありq=1である]を得るための改善された方法は、約3:1の比
で得られる。 式TiX4の化合物の、式(H−D)(ZR1 mn(A−H)の配位子に対する
モル比は、約1:1が好ましい。
【0054】 好ましい具体例によれば、本発明の方法は極性または非極性の、非プロトン性
溶媒中で行われる。該非プロトン性溶媒は、芳香族または脂肪族炭化水素または
エーテルが好ましく、ベンゼン、トルエン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シ
クロヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランおよびそれらの混合物か
らなる群から選択されるのがより好ましい。
【0055】 本発明の別の具体例に従えば、工程(1)において該配位子(H−D)(ZR 1 mn(A−H)は非プロトン性溶媒に予め溶解させ、生じた溶液にアルキル化
剤LjBまたはLMgXを加える;この添加は、好ましくは−80℃〜+50℃
、より好ましくは−50℃〜+30℃の温度で行われる。アルキル化剤は、上記
非プロトン性溶媒の1つにおいて溶液の形態で添加されるのが好ましい。
【0056】 そのようにして得た反応混合物を、攪拌しながら、好ましくは−80℃〜+5
0℃、より好ましくは−50℃〜+30℃の温度、さらにより好ましくは室温で
反応させるのが好ましい。
【0057】 工程(2)においてTiX4との反応の前に、工程(1)で得られた混合物は
、好ましくは−80℃〜+50℃、より好ましくは−80℃〜室温の温度に冷却
される。TiX4を、上記非プロトン性溶媒、好ましくはペンタンの一つの溶液
の形態で、その後冷却した混合物に加える。
【0058】 反応混合物を次いで−80℃〜+50℃、より好ましくは−50℃〜+30℃
の温度、さらにより好ましくは室温で反応させる。 そのようにして得た式(I)および(II)のチタン錯体は、当該分野で一般
に知られた方法に従って単離することができる。
【0059】 本発明による方法で得られたチタン錯体は、活性化助触媒と共同して、1以上
の付加重合モノマーと接触させられる付加重合工程において有用である。 付加重合可能なモノマーには、エチレン性不飽和モノマー、共役または非共役
ジエンおよびポリエンを含む。ヒドロカルビルチタン錯体は、式CH2=CHR
[式中、Rが水素またはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−
1−ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンのようなC1〜C20アルキルで
ある]のα−オレフィンのホモ−および共重合において実用的に有用である。
【0060】 他の好ましい付加重合可能なモノマーには、スチレン、ハロまたはアルキル置
換されたスチレン、ビニルベンゾシクロブタン、1,4−ヘキサジエン、エチリ
デンノルボルネン、シクロペンテンおよびノルボルネンを含む。
【0061】 上記のように、本発明の方法で得られるヒドロカルビルチタン錯体は、欧州特
許出願第EP−A−416,815号および国際特許出願第WO92/1036
0号に記載のもののような、活性化助触媒と共同して適当な重合触媒系を形成す
る。ここで用いられる用語「活性化助触媒」は、金属含有錯体を生じさせ、付加
重合触媒として活性になり得るか、または代わりに触媒的に活性化された種のイ
オン交換を釣り合わせ得る触媒系の第2の成分を指す。ここで用いられる前述の
活性化助触媒の例には、アルモキサン、アルキルアルミニウム、ハロゲン化アル
ミニウム、アルミニウムアルキルハライド、ルイス酸、アンモニウム塩、不干渉
酸化剤およびそれらの混合物を含む。
【0062】 ヒドロカルビルチタン錯体と助触媒のモル基準の比は、約1:0.1〜約1:
10,000が好ましく、1:1〜1:1,000がより好ましい。
【0063】 適当な活性化助触媒は、以下の式:
【化3】 [式中、R4がハロゲン、任意にSiまたはGeを含む、直鎖状もしくは分岐状
、飽和もしくは不飽和C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C2 0 アリール、C7〜C20アルキルアリールおよびC7〜C20アリールアルキル基か
らなる群から選択され、yは0〜40であり;R4はメチル、エチル、イソブチ
ルまたは2,4,4−トリメチルペンチルが好ましい] を有する直鎖状アルモキサン、または以下の式:
【化4】 [式中、R4がここに記述する意味を有し、yが2〜40の整数である] を有する環式アルモキサンである。
【0064】 本発明の触媒中の活性化助触媒として適するアルモキサンの例は、メチルアル
モキサン(MAO)、テトライソブチルアルモキサン(TIBAO)、テトラ−
2,4,4−トリメチルペンチルアルモキサン(TIOAO)およびテトラ−2
−メチルペンチルアルモキサンである。異なるアルモキサンの混合物も用いるこ
とができる。
【0065】 適当な活性化助触媒は、水と有機金属アルミニウム化合物、好ましくは式Al
4 3またはAl24 6の化合物[式中、R4は上記の意味を有する]との反応生成
物でもある。欧州特許出願第EP−A−575,875号に記述の式(II)の
有機金属アルミニウム化合物、国際特許出願第WO96/02580号に記述の
式(II)のもの、国際特許出願第WO99/21899号に記述のもの、およ
び欧州特許出願第99203110.4号が、特に適当である。式AlR4 3また
はAl24 6の有機金属アルミニウム化合物の非限定的な例は: トリス(メチル)アルミニウム、トリス(イソブチル)アルミニウム、トリス(
イソオクチル)アルミニウム、ビス(イソブチル)アルミニウムヒドリド、メチ
ル−ビス(イソブチル)アルミニウム、ジメチル(イソブチル)アルミニウム、
トリス(イソヘキシル)アルミニウム、トリス(ベンジル)アルミニウム、トリ
ス(トリル)アルミニウム、トリス(2,4,4−トリメチルペンチル)アルミ
ニウム、ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)アルミニウムヒドリド、イソ
ブチル−ビス(2−フェニルプロピル)アルミニウム、ジイソブチル(2−フェ
ニルプロピル)アルミニウム、イソブチル−ビス(2,4,4−トリメチルペン
チル)アルミニウム、ジイソブチル−(2,4,4−トリメチルペンチル)アル
ミニウム、トリス(2,3−ジメチルヘキシル)アルミニウム、トリス(2,3
,3−トリメチルブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチルブチル)ア
ルミニウム、トリス(2,3−ジメチルペンチル)アルミニウム、トリス(2−
メチル−3−エチルペンチル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3−メチル
ブチル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3−メチルペンチル)アルミニウ
ム、トリス(2−イソプロピル−3−メチルブチル)アルミニウムおよびトリス
(2,4−ジメチルヘプチル)アルミニウムである。
【0066】 アルミニウム化合物は、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリス(2,4
,4−トリメチルペンチル)アルミニウム(TIOA)、トリイソブチルアルミ
ニウム(TIBA)、トリス(2,3,3−トリメチルブチル)アルミニウムお
よびトリス(2,3−ジメチルブチル)アルミニウムが特に好ましい。 異なる有機金属アルミニウム化合物の混合物も用いることができる。
【0067】 さらに適当な活性化助触媒は、アルキルメタロセンカチオンを形成し得るもの
である;好ましくは、式Y+-[Y+がプロトンを与えかつ式(I)の化合物の
置換基Xと不可逆的に反応できるブレンステッド酸であり、Z-は配位結合せず
、2つの化合物の反応から由来する活性触媒種を安定化できかつオレフィン基質
から十分に除去されるのに十分不安定な相溶性アニオンである]である。Z-
ニオンは、1以上のホウ素原子からなるのが好ましい。アニオンZ-は式BAr4 (-) のアニオン[式中、置換基Arは、同一または互いに異なって、フェニル、
ペンタフルオロフェニル、ビス(トリフルオロメチル)フェニルのようなアリー
ル基である]であるのがより好ましい。テトラキス−ペンタフルオロフェニルボ
レートがより好ましい。さらに、式BAr3の化合物が適当に用いられることが
できる。
【0068】 重合工程は、任意に芳香族(例えばトルエン)または脂肪族(例えばプロパン
、ヘキサン、ヘプタン、イソブタン、シクロヘキサンおよび2,2,4−トリメ
チルペンタン)のいずれかの不活性炭化水素溶媒の存在下に、液相中、または気
相中で行ってもよい。
【0069】 重合は、通常約−30℃〜約250℃、好ましくは20〜150℃の温度で、
減圧、上昇圧または大気圧で、チーグラー−ナッタまたはカミンスキー−シン(
Kaminsky−Sinn)タイプの重合に適した公知の方法に従って行う。
【0070】 ポリマーの分子量は、触媒成分の種類もしくは濃度を変えることにより、また
は水素のような分子量調節剤と用いることにより、変化させることができる。触
媒は、そのまま、または適当な有機もしくは無機支持体上に担持して不均一な支
持された触媒を与えて用いてもよい。
【0071】 以下の実施例は目的を説明するもので、限定するものではない。 (一般的方法および特性付け) すべての操作は、窒素下に通常のシュリンクライン技術を用いて行った。溶媒
は、窒素で脱気して活性化したアルミナを通して精製し、窒素下に保存した。 BuLi(アルドリッチ)、Me2SiCl2(アルドリッチ)、NH2tBu
(アルドリッチ)、MeLi(アクロス)、ピペリジン(アルドリッチ)、Ti
Cl4およびZrCl4は受け取ったまま、用いた。 インデン(アルドリッチ)は、活性化アルミナを通し、次いで窒素下に保存し
た。
【0072】 全ての化合物を、AC200ブルカー分光計を用いて、1Hには200.13
MHzで、13Cに対しては50.323MHzで操作して、1H−NMR(CD
Cl3、残存CHCl3のピークに対して7.25ppmと参照、)または13C−
NMR(広幅デカップリング、CDCl3、残存CHCl3のピークに対して77
.00ppmと参照、)で分析した。全てのNMR溶媒をP410で乾燥し、使
用前に蒸留した。サンプルの調製は、窒素下に行い、標準的な不活性雰囲気技術
を用いた。 GC−MS分析をHP5890シリーズ2ガスクロマトグラフィーおよびHP
5970質量分析計を用いて行った。
【0073】実施例1 ジメチルシランジイル(tert−ブチルアミド)(インデニル)チタンジメチルの
製造 (a)(インデニル)(ジメチル)クロロシラン IndSiMe2Clの製造
【化5】
【0074】 n−BuLiの2.5Mのヘキサン中溶液(37.5ml、93.75ミリモ
ル)を、−78℃で攪拌しながら、インデン(純度90%、11ml、84.9
ミリモル)の60mlEt2O溶液に滴下して加えた(インデン:n−BuLi
=1:1.1のモル比)。添加の終点で、黄色のスラリーを室温にさせ、反応混
合物を4時間攪拌させてオレンジ色の溶液を得た。溶媒を減圧下に蒸発させ、黄
色の固体を得、それをn−ヘキサン(75ml)中に溶解させ、乳白色の懸濁液
を得、それを5分間攪拌した。該懸濁液をろ過し、インデンのリチウム塩を白色
固形残渣として分離し、それをn−ヘキサン(3×20ml)で洗浄して、未反
応インデンを除去した。
【0075】 固形残渣をn−ヘキサン(40ml)中に再懸濁させ、予め−78℃に冷却さ
せた、Me2SiCl2(15.6ml、136.8ミリモル;MeSiCl2
indLi=1.5)のヘキサン(50ml)中の攪拌溶液に加えた。添加の終
点において、混合物を室温にし、一晩攪拌した。
【0076】 その後懸濁液をろ過し、固体残渣LiClを除去し、そのようにして得た黄色
溶液を真空で乾燥させ、そのビニル異性体のない、IndSiMe2Clのの薄
黄色油(16.5g)を得た(収率89%)。 生成物には、少量の副生成物Me2SiInd2(rac/meso=1:1.2;約
5%)も含まれる。
【0077】
【数1】
【0078】 (b)(tert−ブチルアミノ)(ジメチル)(インデニル)シラン IndSi
Me2NHtBuの製造
【化6】
【0079】 IndSiMe2Cl(5.6g、26.8ミリモル)のEt2O(10ml)
中溶液を、攪拌しながら、t−BuNH2(62.9ミリモル、t−BuNH2
IndSiMe2Cl=2.3)のEt2O(50ml)溶液6.6mlに滴下し
て加え、−78℃に冷却した。添加の終点で、混合物を室温にし、24時間攪拌
させて白色乳白色懸濁液を得た。溶媒を減圧下に蒸発させ、残渣をn−ペンタン
(40ml)で抽出した。懸濁液をろ過し、白色アンモニウム塩t−BuH3
Clを溶解性生成物から除去した。ろ液を真空下に濃縮して薄レモン色油を得た
(5.46g、83%)。 生成物のGC−MS、1H−NMRおよび13C−NMR分析により、2つの異
性体の混合物(アリル異性体1=75%、ビニル異性体2=25%)として、全
体の収率88%で、IndSiMe2NH−tBuの生成が示された。
【0080】
【数2】
【0081】 (c)ジメチルシランジイル(tert−ブチルアミド)(インデニル)チタンジメ
チル [IndSiMe2NtBu]TiMe2の製造
【化7】
【0082】 11.30mlのMeLiの1.6MのEt2O溶液(18.04ミリモル)
を1.08g(4.40ミリモル)の(tert−ブチルアミノ)(ジメチル)(イ
ンデニル)シランIndSiMe2NHtBuの23mlのEt2O溶液に−78
℃でゆっくり加えた(IndSiMe2NHtBu/MeLiのモル比=1:4.
2)。添加の間、濁りが増加して最終的に黄色懸濁液になった。混合物を室温で
2時間攪拌した。 懸濁液に、ゆっくり注意深く、室温で、0.5mlのTiCl4(4.40ミ
リモル)の23mlのn−ペンタン中混合物を添加した(IndSiMe2NH
tBu/TiCl4のモル比=1:1)。混合物はすばやく暗緑色に変わり、気
体の一定な発生を伴った。添加の終点で、茶色の懸濁液が得られた。そのような
懸濁液を一晩攪拌した。反応混合物をその後減圧下に濃縮乾固した。暗色固体を
60mlのトルエンで抽出し、ろ液を減圧下に濃縮乾固して0.99g(70%
収率)の灰色−黒色固体を得た。その1H−NMR分析により、[IndSiM
2tBu]TiMe2の生成を確認した。
【0083】
【数3】
【0084】 本発明による1工程方法で得られたジメチルシランジイル(tert−ブチルアミ
ド)(インデニル)チタンジメチルの反応収率(70%)は、先行技術の記述で
既に報告したように、文献の方法による2工程で得られるもの(42%より低い
)よりずっと高いものである。
【0085】実施例2 ジメチルシランジイル(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペ
ンタジエニル)チタンジメチルの製造
【化8】
【0086】 20.9mlのMeLiの1.6MEt2O溶液(33.52ミリモル)を−
78℃でゆっくりと2.0g(7.98ミリモル)の(tert−ブチルアミノ)(
ジメチル)(テトラメチルシクロペンタジ−2,4−エニル)シランMe4Cp
SiMe2NHt−Buの43mlのEt2O中溶液に添加した(Me4CpSi
Me2NHt−Bu/MeLiのモル比=1:4.2)。添加の間、濁りが増加
して最終的に白色粘稠懸濁液になった。混合物を室温に温め、2時間攪拌した。
【0087】 該懸濁液に、室温で、0.88mlのTiCl4(7.98ミリモル)の43
mlのn−ペンタン中混合物を加えた(Me4CpSiMe2NHt−Bu/Ti
Cl4のモル比=1:1)。混合物はすばやく暗緑色に変わり、気体の一定な発
生を伴った。添加の終点で、黒色の懸濁液が得られた。それを一晩室温で攪拌し
た。反応混合物をその後減圧下に濃縮乾固した。暗色固体を120mlのトルエ
ンで抽出し、ろ液を減圧下に濃縮乾固して1.51g(60%収率)の黒色固体
を得た。1H−NMR分析により、ジメチルシランジイル(tert−ブチルアミド
)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)チタンジメチルの化学的に純
粋な存在が示された。
【0088】
【数4】
【0089】 本発明による1工程で得られたジメチルシランジイル(tert−ブチルアミド)
(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)チタンジメチルの反応収率(6
0%)は、先行技術の記述で既に報告したように、文献の方法による2工程で得
られるもの(32%より低い)よりずっと高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H049 VN01 VN05 VP02 VQ39 VR23 VR51 VS12 VS39 VU33 VW01 4H050 AA02 AB40

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 方法が、以下の工程: (1)式(H−D)(ZR1 mn(A−H)の配位子を約(2+p)モル当量の
    jBまたはLMgXの化合物[式中、D、A、Z、R1、m、n、p、Xおよび
    Lは下記の意味を有し;Bはアルカリまたはアルカリ土類金属であり;jは1ま
    たは2であり、Bがアルカリ金属であるときjは1に等しく、Bがアルカリ土類
    金属であるときjは2に等しい]と反応させ、かつ (2)工程(1)から得られた生成物を約1モル当量のTiX4の化合物[式中
    、Xは下記と同じ意味を有する]と反応させることからなることを特徴とする、
    式(I): (D)(ZR1 mn(A)TiLpq (I) [式中、(ZR1 mnはDとAを橋架ける2価の基であり;ZはC、Si、Ge
    、N、PおよびBからなる群から選択され;R1基は同一または互いに異なって
    、水素、直鎖状もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和C1〜C20アルキル、C3
    20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールおよびC 7 〜C20アリールアルキル基からなる群から選択されるか、または2つのR1基が
    一緒になって環を形成し;mは1または2であり;nは1〜3の整数であり;D
    は非局在化されたπ−結合分子であり、η5結合モードでTiと結合しており;
    Aは−O−、−S−、−N(R2)−および−P(R2)−[式中、R2は水素、
    直鎖状もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和C1〜C20アルキル、C3〜C20シク
    ロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールまたはC7〜C20
    アリールアルキルであり、任意に−OR’、−SR’、−NR’2または−PR
    2基を含有し、ここでR’はC1〜C10アルキル基である]から選択される2価
    のアニオン基であり;Tiはチタンであり;置換基Lは、同一または互いに異な
    って、任意に1以上のSiまたはGe原子を含有する、直鎖状もしくは分岐状、
    飽和もしくは不飽和C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20
    アリール、C7〜C20アルキルアリールおよびC7〜C20アリールアルキル基から
    なる群から選択される単一アニオン性シグマ配位子であり;Xはハロゲンもしく
    は−OR’[式中、R’はC1〜C10アルキル基である]であり;pは1または
    2であり;qは0または1でありp+q=2である]のチタン錯体の製造法。
  2. 【請求項2】 (ZR1 mnがCR1 2、(CR1 22、(CR1 23、CR1
    CR1、SiR1 2、(SiR1 22、CR1 2−SiR1 2、GeR1 2、NR1、PR1 およびBR1[R1は請求項1で示した意味を有する]からなる群から選択される
    請求項1による方法。
  3. 【請求項3】 (ZR1 mnがSi(CH32、SiPh2、CH2、(CH22、(CH23およびC(CH32からなる群から選択される請求項2による
    方法。
  4. 【請求項4】 Dが、1以上の置換または非置換、飽和、不飽和または芳香
    環と任意に縮合した、置換または非置換シクロペンタジエニル基である請求項1
    による方法。
  5. 【請求項5】 Dが、シクロペンタジエニル、モノ−、ジ−、トリ−および
    テトラ−メチルシクロペンタジエニル;3−t−ブチルシクロペンタジエニル;
    3−アダマンチルシクロペンタジエニル;インデニル;2−メチルインデニル;
    4,7−ジメチルインデニル;3−tブチルインデニル;3−イソプロピルイン
    デニル;ベンゾインデニル;4,5,6,7−テトラヒドロインデニル;フルオ
    レニル;テトラヒドロフルオレニル;オクタヒドロフルオレニル;N−メチルお
    よびN−フェニル−5,10−ジヒドロインデノ[1,2−b]インドール−1
    0−イル;N−メチル−およびN−フェニル−5,6−ジヒドロインデノ[2,
    1−b]インドール−6−イル;アザペンタレン−4−イル;チアペンタレン−
    4−イル;アザペンタレン−6−イル;チアペンタレン−6−イル;モノ−、ジ
    −およびトリ−メチルアザペンタレン−4−イルからなる群から選択される請求
    項4による方法。
  6. 【請求項6】 該2価のアニオン基Aが、−N(R2)−または−P(R2
    −であり、−R2がメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルお
    よびこれらアルキル基の異性体、ノルボルニル、ベンジルならびにフェニルから
    なる群から選択される請求項1による方法。
  7. 【請求項7】 pが2であり、qが0であり、置換基Lが同一または異なっ
    て、メチル、エチル、n−ブチル、sec−ブチル、フェニル、ベンジルおよび−
    CH2Si(CH33からなる群から選択される請求項1による方法。
  8. 【請求項8】 該チタニウム錯体が式(II): 【化1】 [式中、R1、R2およびLは請求項1で示した意味を有し;ZはCまたはSiで
    あり;nは1または2であり;R3は同一または異なって、水素、任意にSi、
    Ge、O、S、NまたはP原子を含有する、直鎖状もしくは分岐状、飽和もしく
    は不飽和C1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、
    7〜C20アルキルアリールおよびC7〜C20アリールアルキル基からなる群から
    選択されるか、2もしくは4つの隣接するR3基が一緒になって1以上の環を形
    成する]に相当する請求項1による方法。
  9. 【請求項9】 R1が水素、メチル、ベンジルおよびフェニルからなる群か
    ら選択され;R2がメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルお
    よびこれらアルキル基の異性体、ノルボルニル、ベンジル、フェニル、p−n−
    ブチルフェニル、シクロヘキシルおよびシクロドデシルからなる群から選択され
    ;R3は水素、メチル、エチル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびこれらアル
    キル基の異性体、ノルボルニル、ベンジルおよびフェニルからなる群から選択さ
    れるか、または2もしくは4つの隣接するR3基が一緒になって1つまたは2つ
    の縮合環を形成し;置換基Lは同一であり、メチル、ネオペンチルおよびベンジ
    ルからなる群から選択される請求項8による方法。
  10. 【請求項10】 反応剤TiX4において、置換基Xは同一であり、−Cl
    、−Br、−OMe、−OEt、−OPr、−OBuおよび−OBzからなる群
    から選択される請求項1による方法。
  11. 【請求項11】 式LjBおよびLMgXの化合物において、Lがメチル、
    エチル、n−ブチル、sec−ブチル、フェニル、ベンジルおよび−CH2Si(C
    33からなる群から選択され;jは1または2であり;BはLiまたはMgで
    あり;XはClまたはBrである請求項1による方法。
  12. 【請求項12】 Lがメチルである請求項11による方法。
  13. 【請求項13】 非プロトン性溶媒中で行われることを特徴とする請求項1
    による方法。
  14. 【請求項14】 該非プロトン性溶媒が、ベンゼン、トルエン、ペンタン、
    ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
    およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項15による方法。
  15. 【請求項15】 工程(1)において、該配位子(H−D)(ZR1 mn
    A−H)が非プロトン性溶媒に最初に溶解され、生じた溶液にLjBまたはLM
    gXを加え、最終的にTiX4を加える請求項1による方法。
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