JP2003344445A - 慣性力センサ - Google Patents

慣性力センサ

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JP2003344445A JP2002150915A JP2002150915A JP2003344445A JP 2003344445 A JP2003344445 A JP 2003344445A JP 2002150915 A JP2002150915 A JP 2002150915A JP 2002150915 A JP2002150915 A JP 2002150915A JP 2003344445 A JP2003344445 A JP 2003344445A
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fixed
electrode
cantilever
inertial force
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Munehito Kumagai
宗人 熊谷
Yukihisa Yoshida
幸久 吉田
Kazuhiko Tsutsumi
和彦 堤
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Mitsubishi Electric Corp
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01PMEASURING LINEAR OR ANGULAR SPEED, ACCELERATION, DECELERATION, OR SHOCK; INDICATING PRESENCE, ABSENCE, OR DIRECTION, OF MOVEMENT
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    • G01P2015/0811Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining in-plane movement of the mass, i.e. movement of the mass in the plane of the substrate for one single degree of freedom of movement of the mass
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 慣性力による過度の変位に伴うセンサの損傷
を防止して、信頼性を向上させた慣性力センサを提供す
ること。 【解決手段】 可動電極部の変位を抑制するストッパー
部を、一対の可動部用梁部の外側の四隅に設ける一方、
可動電極部に突設された可動側片持ち梁と、可動部用支
持部あるいは固定部用支持部から突設された固定側片持
ち梁と、から成るダンパ部を、可動電極部が可動部用支
持部及び固定部用支持部に当接するに先立って、可動側
片持ち梁と固定側片持ち梁とが互いに接触するように配
設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁体基板の上に
シリコン構造体を所持する慣性力センサに関し、さらに
詳しくは、自動車の姿勢制御やエアバッグシステムの衝
突検知に使用される加速度センサや角速度センサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】図10は、従来の慣性力センサIの構造
の一例を示す分解斜視図である。慣性力センサIは、シ
リコン構造体2と、表面に空隙部を形成する凹部7aを
有する下ガラス基板7と、表面に凹部6aを有する上ガ
ラス基板6とから成る。慣性力センサは、凹部6aと凹
部7aとが対向するように、シリコン構造体2を下ガラ
ス基板7と上ガラス基板6とで挟むように接合した構造
を有し、慣性力センサは気密封止されている。ここで、
上ガラス基板6は、基板を貫通する外部回路接続用の電
極取出し部8,9を有し、その電極取出し部8,9はシ
リコン構造体2の金属電極331,421とそれぞれ接
触し、電気的に導通している。なお、上ガラス基板6の
凹部6aの表面には金属膜10が設けられており、シリ
コン構造体2と上ガラス基板6とを陽極接合する際に、
後述の可動電極部が上ガラス基板に付着する(スティキ
ング)のを防止する役割を果たす。
【0003】次に、図11に示すように、シリコン構造
体2は、機能部としての可動部3と固定部4と、その2
つの機能部の周囲に設けられて、機能部を保護する枠部
5と、から成っている。可動部3は、可動電極部31
と、可動電極部31を宙支する一対の梁部32と、梁部
32を支持し下ガラス基板7に接合された一対の支持部
33,33とから成っている。ここで、可動電極部31
は、基部311と、基部311の長手方向両側に等間隔
で配設され基部311から凹部7a上に張出した複数の
片持ち梁電極312aからなる可動部用櫛状電極部31
2と、基部311の両端部に連接されて、慣性力による
可動部3の変位を促進させる一対の錘部313,313
と、からなり、これらが一体形成されている。
【0004】一方、一対の固定部4,4は、それぞれ、
固定電極部41と、固定電極部41を支持し下ガラス基
板7に接合された支持部42と、からなっている。さら
に、固定電極部41は、凹部7a上に張出して、可動電
極部31の複数の片持ち梁電極312aと微小間隔を介
して対向するように配設された複数の片持ち梁電極41
1aからなる固定部用櫛状電極部411を有している。
そして、一対の対向する片持ち梁電極312aと411
aとは、容量電極を構成している。
【0005】また、11は、可動部3が慣性力の方向に
過度に変位するのを抑制する第1のストッパー部であ
り、錘部313の角部からなる可動突部313aと、支
持部42に配設された固定突部42aと、からなってい
る。可動部3の変位時に、可動突部313aと、支持部
42の固定突部42aとが接触することにより、過度の
変位を抑制する。また、12は、11と同様の機能を果
たす第2のストッパー部であり、錘部313の角部から
なる可動突部313aと、支持部33に配設された突部
からなる固定突部33aとからなっている。なお、スト
ッパー部を設けた例として、カンチレバー(Cantileve
r)方式の加速度センサが特開平6−308151号公
報、特開平8−43436号公報、特開平11−948
72号公報などに開示されている。
【0006】また、図12は、図11のXII-XI
I′線に沿った縦断面図であり、シリコン構造体2が上
ガラス基板6と下ガラス基板7とに接合された状態を示
している。
【0007】ここで、シリコンを加工してシリコン構造
体を形成するには、誘導結合型プラズマ(ICP)を活性
源として用いる反応性イオンエッチング(以下ICP-RIE
と称す。)が使用されている。ICP-RIE法では、シリコ
ンの結晶方位によるエッチング異方性が起こらないの
で、従来のアルカリ・ウェット法に比べ、シリコン構造
体の形状の設計自由度を格段に増大させることができ、
精度の高いエッチングが可能である。例えば、ICP-RIE
法を用いて角速度センサを作製した例が、S. Kobayashi
et al., "Double-frame Silicon Gyroscope Packaged
Under Low PressureBy Wafer Bonding", Proc. of Tran
sducers '99, pp.910-913、に記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らは、従来の慣性力センサに、以下の問題があること
を見出した。図13は、過度の慣性力Fが加わった時
の、慣性力センサIの状態の一例を示す模式平面図であ
る。図面左側の第1のストッパー部11を構成する可動
突部313aと固定突部42aとが接触する一方、図面
左側の第2のストッパー部12を構成する可動突部31
3aと固定突部33aとが接触して、可動部3の慣性力
Fに対する過度の変位が抑制されている。さらに、図1
4と図15は、それぞれ、図13の第1ストッパー部1
1と第2ストッパー部12を拡大した模式平面図であ
る。図14に示すように、第1のストッパー部11にお
いて、可動突部313aと固定突部42aとが、接触時
の衝撃により破損する場合があった。これにより、可動
部3にクラックが発生したり、生成したシリコンの破片
がシリコン構造体の微小間隙に取り込まれたりして、セ
ンサの誤作動や動作不良による信頼性低下が起きるとい
う問題があった。また、図15に示すように、第2のス
トッパー部12において、上述の第1のストッパー部1
1と同様な問題が発生する。また、可動電極部31の錘
部313の角部が、固定電極部41の先端部の片持ち梁
電極411aに衝突して、片持ち梁電極411aを切断
することもあり、これにより、センサの誤作動や動作不
良による信頼性低下が起きるという問題もあった。
【0009】そこで、本発明は、上記課題を解決し、慣
性力による過度の変位に伴うセンサの損傷を防止して、
信頼性を向上させた慣性力センサを提供することを目的
とした。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の慣性力センサは、絶縁性基板と、該絶縁性基板
との間に空隙部を設けて接合されたシリコン構造体と、
から成り、該シリコン構造体は可動部と固定部とを備
え、上記可動部が、慣性力の方向に変位可能な可動電極
部と、該可動電極部の両端に連接され可動電極部を上記
空隙部の上に宙支する一対の可動部用梁部と、該可動部
用梁部を支持し上記絶縁性基板に接合された一対の可動
部用支持部と、を有し、上記固定部が、上記可動電極部
に対向して配置された固定電極部と、該固定電極部を支
持し上記絶縁性基板に接合された固定部用支持部と、を
有する慣性力センサであって、上記可動電極部と、上記
可動部用支持部及び固定部用支持部と、を当接させて、
可動電極部の変位を抑制するストッパー部を、上記一対
の可動部用梁部の外側の四隅に設ける一方、可動電極部
に突設され上記空隙部に張出した可動側片持ち梁と、可
動部用支持部あるいは固定部用支持部から突設され上記
空隙部に張出した固定側片持ち梁と、から成るダンパ部
を、可動電極部が可動部用支持部及び固定部用支持部に
当接するに先立って、可動側片持ち梁と固定側片持ち梁
とが互いに接触するように各ストッパー部の近傍に配設
して成ることを特徴とする。
【0011】本発明によれば、ダンパ部を構成する可動
側片持ち梁と、固定側片持ち梁とを、ストッパー部に先
立って接触させるようにしたので、衝撃等による過度の
慣性力を片持ち梁が弾性変形することにより吸収して、
ストッパー部に対する衝撃を低減させることができる。
これにより、ストッパー部の損傷を防止して、慣性力セ
ンサの信頼性を向上させることが可能となる。
【0012】また、本発明に係る慣性力センサには、可
動側片持ち梁と固定側片持ち梁とが、可動電極の変位方
向に対して概ね垂直に配置されているものを用いること
ができる。
【0013】また、本発明に係る慣性力センサには、可
動側片持ち梁と固定側片持ち梁との間隔が、ストッパー
部における可動電極部と、可動部用支持部及び固定部用
支持部との間隔よりも小さいものを用いることができ
る。
【0014】また、本発明に係る慣性力センサには、可
動電極部が、長手方向の両側に、空隙部に張出した複数
の片持ち梁電極から成る可動部用櫛状電極部を有し、固
定電極部が、空隙部に張出した複数の片持ち梁電極から
成る固定部用櫛状電極部を有し、可動部用櫛状電極部と
固定部用櫛状電極部の複数の片持ち梁電極が互いに微小
隙間を介して対向するように配設されており、可動部用
櫛状電極部と固定部用櫛状電極部の対向する少なくとも
一対の片持ち梁電極を、残部の片持ち梁電極よりも剛性
を高めて、ダンパ部としたものを用いることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、本実施の
形態に係る慣性力センサを構成するシリコン構造体の構
造の一例を示す模式的な平面図である。シリコン構造体
2は、機能部としての可動部3と固定部4と、その2つ
の機能部周囲に設けられて、機能部を保護する枠部5
と、から成っている。可動部3は、可動電極部31と、
可動電極部31を宙支する一対の梁部32と、梁部32
を支持し下ガラス基板7に接合された一対の支持部3
3,33とから成っている。ここで、可動電極部31
は、基部311と、基部311の長手方向両側に等間隔
で配設され基部311から凹部7a上に張出した複数の
片持ち梁電極312aからなる櫛状電極部312と、基
部311の両端部に連接されて、慣性力による可動部3
の変位を促進させる一対の錘部313,313と、から
なり、これらが一体形成されている。
【0016】一方、一対の固定部4,4は、それぞれ、
固定電極部41と、固定電極部41を支持し下ガラス基
板7に接合された支持部42と、からなっている。さら
に、固定電極部41は、凹部7a上に張出して、可動電
極部31の複数の片持ち梁電極312aと微小間隔を介
して対向するように配設された複数の片持ち梁電極41
1aを有している。
【0017】また、11は、可動部3が慣性力の方向に
過度に変位するのを抑制する第1のストッパー部であ
り、錘部313の可動突部313aと、支持部42に配
設された固定突部42aと、からなっている。また、1
2は、11と同様の機能を果たす第2のストッパー部で
あり、錘部313の可動突部313aと、支持部33に
配設された固定突部33aとからなっている。第1及び
第2のストッパー部は、可動部3の変位時に、可動突部
313aと、固定突部42aあるいは固定突部33aと
が接触することにより、過度の変位を抑制する。上記の
ように、第1のストッパー部11,11及び第2のスト
ッパー部12,12は、可動部用梁部32の外側の、可
動電極部31の四隅に配置されており、過度の慣性力に
より可動電極部31が左右いずれの方向に変位しても、
変位を抑制することが可能な構成となっている。
【0018】また、13は、第1のストッパー部11の
衝撃を低減する第1のダンパ部であり、可動部用梁部3
2の外側に、可動部用梁部32に平行に突設された可動
側片持ち梁313bと、可動側片持ち梁313bと平行
に対向するように固定部用支持部42に突設された固定
側片持ち梁42bと、からなっている。また、14は、
第2のストッパー部12の衝撃を低減する第2のダンパ
部であり、可動部用梁部32の内側に、可動部用梁部3
2に平行に突設された可動側片持ち梁313cと、可動
側片持ち梁313cと平行に対向するように可動部用支
持部33に突設された固定側片持ち梁33bと、からな
っている。
【0019】ここで、本センサが検知する加速度の方向
は、図1中の矢印Fの方向である。複数の片持ち梁で構
成された可動部用櫛状電極部312と固定部用櫛状電極
部411は、限られたセンサ面積内で、静電容量変化に
比例する電極の対向面積を極力大きくすることに寄与す
る。加速度が加わると、可動電極部31の基部311が
矢印Fの方向(主軸方向)に変位し、櫛状電極部312
の片持ち梁電極312aと櫛状電極部411の片持ち梁
電極411aの間隔が変化する。この間隔の変化は静電
容量の変化をもたらす。この静電容量の変化はセンサ外
部のC−V変換器を介して加速度に比例した電圧として
出力される。
【0020】次に、図2〜図4を用いて、本実施の形態
に係る慣性力センサの製造方法の一例を説明する。図2
(a)〜図2(d)に示す工程では、シリコン基板の表
面が加工される。図2(e)〜図2(g)に示す工程で
は、下ガラス基板に凹部が形成される。図3(a)〜図
3(c)に示す工程でシリコン基板と下ガラス基板とが
接合され、さらにシリコン基板が加工され梁状構造を有
するシリコン構造体が形成される。図3(e)〜図3
(g)に示す工程では、上ガラス基板に凹部が形成され
るとともに、凹部内にステッキング防止の金属膜が形成
される。そして、図4(a)から図4(b)に示す工程
では、加工された上ガラス基板がシリコン構造体の上に
接合され、上ガラス基板には電極取出し部が形成され、
次いで、ダイシングにより個々のセンサに分離されて、
慣性力センサが作製される。ここで、シリコン基板の表
面とは下ガラス基板と接合する側の面をいう。
【0021】以下、各工程について、詳細に説明する。
図2(a)に示す工程では、表面に1μmの熱酸化膜2
1を有するシリコンウエハであるシリコン基板20(厚
さ400μm)を用意する。図2(b)に示す工程で
は、シリコン基板20の一方の面の熱酸化膜21をバッ
ファードフッ酸で除去する。図2(c)に示す工程で
は、シリコン基板20の熱酸化膜を除去した面に、写真
製版により支持部の形状に応じたレジストからなる第1
のマスク層22を形成する。図2(d)に示す工程で
は、ICP-RIE法によるドライエッチングにより第1のマ
スク層22を有するシリコン基板20が深さ250μm
までエッチングされる。その後、表面に残るレジストが
除去される。
【0022】次いで、図2(e)に示す工程では、下ガ
ラス基板7(厚さ400μm)を用意する。図2(f)
に示す工程では、下ガラス基板7の表面を写真製版し、
凹部形成用のレジストからなるマスク層23を形成す
る。図2(g)に示す工程では、フッ酸10%水溶液に
より下ガラス基板7の表面を20μmエッチングして、
凹部7aを形成する。この凹部7aは、シリコン基板2
0と下ガラス基板2とを接合させた時の空隙部を構成す
る。
【0023】次いで、図3(a)に示す工程では、下ガ
ラス基板7の表面とシリコン基板20の表面とを陽極接
合法を用いて接合する。図3(b)に示す工程では、シ
リコン基板20の裏面が写真製版され、レジストからな
る第2のマスク層24が形成される。その後、電子サイ
クロトロン共鳴反応性イオンエッチイング法(以下、EC
R-RIE法と略す。)により熱酸化膜211が形成され
る。次いで、図3(c)に示す工程では、第2のマスク
層24と熱酸化膜211とをマスクにして、ICP-RIE法
によりシリコン基板20の裏面を少なくとも150μm
の深さエッチングする。これにより、シリコン基板20
を貫通させ、可動部3、固定部4、そして枠体5を形成
する。可動電極部31の片持ち梁電極312aと、固定
電極部41の片持ち梁電極411aとは、互いに微小隙
間を介して対向するように、かつ、その微小隙間が交互
に巾広と巾狭を繰り返すように形成する。その後、シリ
コン基板20の裏面に残る熱酸化膜21はECR-RIE法に
より除去される。なお、エッチングの深さ150μm
は、シリコン基板20の厚さ400μmから、図2
(d)に示す工程におけるエッチング深さ250μmを
差し引いて求められる。
【0024】一方、図3(d)に示す工程では、上ガラ
ス基板6(厚さ400μm)を用意する。図3(e)に
示す工程では、上ガラス基板6の表面を写真製版し、凹
部形成用のレジストからなるマスク層25を形成する。
図3(f)に示す工程では、フッ酸10%水溶液により
上ガラス基板6の表面を20μmエッチングして、凹部
6aを形成する。この凹部6aは、シリコン基板20と
上ガラス基板6とを接合させた時の空隙部を構成する。
その後、凹部6aの表面にスパッタ法等でCr膜を成膜
し、写真製版によりCrからなるスティッキング防止膜
10を形成する(図3(g))。そして、上ガラス基板
6に、サンドブラストにより貫通孔からなる電極引き出
し部8,9を設ける(図3(h))。
【0025】次いで、図4(a)に示す工程では、シリ
コン基板20の裏面と上ガラス基板6の表面とを陽極接
合により接合する。図4(b)に示す工程では、電極引
き出し部8,9にPtからなる電極膜を形成する。そし
て、ウエハをダイシングして、慣性力センサを分離す
る。
【0026】本実施の形態に係る慣性力センサのストッ
パー部とダンパ部の動作について、図5を用いて説明す
る。上述のように、本実施の形態に係る慣性力センサ
は、第1のストッパー部11,11の近傍に第1のダン
パ部13,13を、そして第2のストッパー部12,1
2の近傍に第2のダンパ部14,14を設け、ダンパ部
の可動側梁部と固定側梁部との間隔を、ストッパー部の
可動突部と固定突部との間隔よりも小さくしている。図
中の矢印の方向に過度の慣性力が発生すると、まず、第
1のダンパ部13と第2のダンパ部14の可動側片持ち
梁と固定側片持ち梁が接触して撓み変形して衝撃を吸収
する。次いで、第1のストッパー部11と第2のストッ
パー部12の可動突部と固定突部とが当接する。これに
より、ストッパー部の衝突時の衝撃が低減され、ストッ
パー部の損傷を防止することができる。なお、片持ち梁
電極312aと片持ち梁電極411aとの間隔を、ダン
パ部の可動側片持ち梁と固定側片持ち梁との間隔よりも
大きくしておけば、片持ち梁電極への衝撃を低減するこ
ともできる。
【0027】なお、可動電極部31の錘部313は、慣
性力に対する可動部3の変位率を上げるために設けたも
のであり、センサの設計上、錘部313を省略した場合
でも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0028】実施の形態2.本実施の形態に係る慣性力
センサは、実施の形態1の慣性力センサにおいて、第1
及び第2のダンパ部に加え、固定電極部用櫛状電極部の
先端部の片持ち梁電極を固定側片持ち梁とし、錘部の端
部に可動側片持ちを設けて第3のダンパ部としたもので
ある。図7に示すように、固定電極部用櫛状電極部41
の先端部の片持ち梁電極411bに対向するように、可
動電極部31の錘部313の端部に可動側片持ち313
dを設けて一対の第3のダンパ部15,15を構成して
いる。過度の慣性力受けると、実施の形態1の場合と同
様に、第1及び第2のダンパ部13,14が、第1及び
第2のストッパー部11,12に先立って接触して、ス
トッパー部に対する衝撃を低減させる。さらに、固定電
極部用櫛状電極部41の先端部の片持ち梁電極411b
は、錘部313の端部に直接衝突することなく、可動側
片持ち313dと接触する。これにより、第3のダンパ
部15が第1及び第2のダンパ部13,14と概ね同時
に接触するので、固定電極部用櫛状電極部41の先端部
の片持ち梁電極411bが、錘部313の端部に直接衝
突して損傷するのを防止することができる。
【0029】実施の形態3.本実施の形態に係る慣性力
センサは、実施の形態1の慣性力センサにおいて、可動
電極部の基部の両端部と、櫛状電極部の両端の片持ち梁
電極との間隔を、片持ち梁電極間の間隔よりも大きくし
たものである。図8に示すように、容量電極を構成する
可動電極部及び固定電極部の片持ち梁電極312aと4
11aの数を実施の形態1の場合よりも減らし、可動電
極部31の基部311の両端部と、片持ち梁電極312
aとの間隔を、片持ち梁電極312a間の間隔よりも大
きくしている。これにより、固定電極部用櫛状電極部4
1の先端部の片持ち梁電極411bが、錘部313の端
部に直接衝突して損傷するのを防止することができる。
【0030】実施の形態4.本実施の形態に係る慣性力
センサは、実施の形態1の慣性力センサにおいて、第1
及び第2のダンパ部に代えて、少なくとも一対の片持ち
梁電極を第4のダンパ部に用いるようにしたものであ
る。すなわち、図6に示すように、本実施の形態におけ
る第4のダンパ部16は、可動電極部31の片持ち梁電
極312bと固定電極42の片持ち梁電極411cとか
ら成り、片持ち梁電極312bと411cの電極の厚み
を残部の片持ち梁電極よりも大きくして剛性を高めると
ともに、片持ち梁電極312bと片持ち梁電極411c
との間隔を、第1及び第2のストッパー部の可動突部と
固定突部との間隔よりも小さくしている。そのため、過
度の慣性力が発生すると、まず、第4のダンパ部16の
片持ち梁電極312bと片持ち梁電極411cとが接触
して撓み変形して衝撃を吸収する。次いで、第1のスト
ッパー部11と第2のストッパー部12の可動突部と固
定突部とが当接する。これにより、ストッパー部の衝突
時の衝撃が低減され、ストッパー部の損傷を防止するこ
とができる。また、第4のダンパ部16が可動電極部3
1の長手方向の両側に設けられているので、左右いずれ
の方向に慣性力が発生した場合でも、第4のダンパ部1
6が第1及び第2のストッパー部11,12に先立って
接触することが可能である。
【0031】実施の形態5.本実施の形態は、慣性力セ
ンサを適用した自動車の車体姿勢制御システムに関する
ものである。慣性力センサには、実施の形態1から5の
いずれも用いることができる。図9は、自動車の車体姿
勢制御システム50の一例を示すブロック図である。1
Aは慣性力センサ、51は慣性力検出部、52は制御ユ
ニット、53は車体姿勢制御機構である。慣性力センサ
1Aは、慣性力を受けると、片持ち梁電極で形成された
容量電極の電極間隔が変動する。この容量の変動をC−
V変換器を内臓した慣性力検出部51で電圧信号として
取り出す。次に制御ユニット回路52が、取り出された
電気信号の強弱に見合った制御を、車体姿勢制御機構5
3に加える事で自動車の車体が常に安定に保たれる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の慣性力セ
ンサは、可動電極部に突設された可動側片持ち梁と、可
動部用支持部あるいは固定部用支持部から突設された固
定側片持ち梁と、から成るダンパ部を設け、可動電極部
が可動部用支持部及び固定部用支持部に当接するに先立
って、可動側片持ち梁と固定側片持ち梁とが互いに接触
するようにしたので、ストッパー部の損傷を防止して、
センサの信頼性を向上させることが可能となる。
【0033】また、ダンパ部をストッパー部の近傍に配
設するようにしたので、ストッパー部に対する加わる衝
撃をさらに低減することができる。
【0034】また、可動側片持ち梁と固定側片持ち梁と
を、可動電極の変位方向に対して概ね垂直に配置するよ
うにしたので、互いに接触して撓み変形しやすく、衝撃
吸収能力を高めることができる。
【0035】また、可動側片持ち梁と固定側片持ち梁と
の間隔を、ストッパー部における可動電極部と、可動部
用支持部及び固定部用支持部との間隔よりも小さくした
ので、ストッパー部に先立って、ダンパ部を接触し易く
することができる。
【0036】また、可動部用櫛状電極部と固定部用櫛状
電極部の対向する少なくとも一対の片持ち梁電極を、残
部の片持ち梁電極よりも剛性を高めて、ダンパ部として
用いるようにしたので、製造プロセスを増加させること
なく、センサの信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る慣性力センサを
構成するシリコン構造体の構造を示す模式的な平面図で
ある。
【図2】 本発明の実施の形態1に係る慣性力センサの
製造工程を示す模式断面図(その1)である。
【図3】 本発明の実施の形態1に係る慣性力センサの
製造工程を示す模式断面図(その2)である。
【図4】 本発明の実施の形態1に係る慣性力センサの
製造工程を示す模式断面図(その3)ある。
【図5】 本発明の実施の形態1に係る慣性力センサを
用いて、本発明の作用原理を示した模式的な平面図であ
る。
【図6】 本発明の第4の実施の形態に係る慣性力セン
サを構成するシリコン構造体の構造を示す模式的な平面
図である。
【図7】 本発明の第2の実施の形態に係る慣性力セン
サを構成するシリコン構造体の構造を示す模式的な平面
図である。
【図8】 本発明の第3の実施の形態に係る慣性力セン
サを構成するシリコン構造体の構造の変形例を示す模式
的な平面図である。
【図9】 本発明に係る慣性力センサを用いて構成した
車体姿勢制御システムの構成を示す模式図である。
【図10】 従来の慣性力センサの構造を示す分解斜視
図である。
【図11】 従来の慣性力センサを構成するシリコン構
造体の構造を示す模式的な平面図である。
【図12】 従来の慣性力センサを構成するシリコン構
造体の構造を示す模式断面図であり、図11のXII-
XII′線断面図である。
【図13】 従来の慣性力センサを構成するシリコン構
造体の構造を示す模式的な平面図であり、慣性力の方向
に過度の変位が発生した時の状態を示している。
【図14】 図13のストッパー部11の一部拡大模式
図である。
【図15】 図13のストッパー部12の一部拡大模式
図である。
【符号の説明】
1A 加速度センサ、2 シリコン構造体、3 可動
部、31 可動電極部、311 基部、312 可動部
用櫛状電極部、312a 片持ち梁電極、313錘部、
313a 可動突部、313b,313c,313d
可動側片持ち梁、32 梁部、33 可動部用支持部、
33a 固定突部、33b 固定部側片持ち梁 、33
1 電極取出し部、4 固定部、41 固定電極部、4
11 固定部用櫛状電極部、411a,411b,41
1c 片持ち梁電極、42 支持部、42a 固定突
部、42b 固定側片持ち梁、421 電極取出し部、
5 枠部、6 上ガラス基板、6a 凹部、7 下ガラ
ス基板、7a 凹部、8 ,9金属電極、10 金属
膜、11 第1のストッパー部、12 第2のストッパ
ー部、13 第1のダンパー部,14 第2のダンパー
部、15 第3のダンパ部、16 第4のダンパ部、2
0 シリコンの破片。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堤 和彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 4M112 AA02 BA07 CA21 CA22 CA23 CA31 CA34 DA03 DA04 DA11 DA15 DA16 DA18 EA02 EA06 EA11 EA13 FA07 FA08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板と、該絶縁性基板との間に空
    隙部を設けて接合されたシリコン構造体と、から成り、
    該シリコン構造体は可動部と固定部とを備え、上記可動
    部が、慣性力の方向に変位可能な可動電極部と、該可動
    電極部の両端に連接され可動電極部を上記空隙部の上に
    宙支する一対の可動部用梁部と、該可動部用梁部を支持
    し上記絶縁性基板に接合された一対の可動部用支持部
    と、を有し、上記固定部が、上記可動電極部に対向して
    配置された固定電極部と、該固定電極部を支持し上記絶
    縁性基板に接合された固定部用支持部と、を有する慣性
    力センサであって、 上記可動電極部と、上記可動部用支持部及び固定部用支
    持部と、を当接させて、可動電極部の変位を抑制するス
    トッパー部を、上記一対の可動部用梁部の外側の四隅に
    設ける一方、可動電極部に突設され上記空隙部に張出し
    た可動側片持ち梁と、可動部用支持部あるいは固定部用
    支持部から突設され上記空隙部に張出した固定側片持ち
    梁と、から成るダンパ部を、可動電極部が可動部用支持
    部及び固定部用支持部に当接するに先立って、可動側片
    持ち梁と固定側片持ち梁とが互いに接触するように配設
    して成る慣性力センサ。
  2. 【請求項2】 上記ダンパ部を上記ストッパー部の近傍
    に配設して成る請求項1記載の慣性力センサ。
  3. 【請求項3】 上記可動側片持ち梁と上記固定側片持ち
    梁とが、可動電極の変位方向に対して概ね垂直に配置さ
    れている請求項1又は2に記載の慣性力センサ。
  4. 【請求項4】 上記可動側片持ち梁と上記固定側片持ち
    梁との間隔が、上記ストッパー部における可動電極部
    と、可動部用支持部及び固定部用支持部との間隔よりも
    小さいことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つ
    に記載の慣性力センサ。
  5. 【請求項5】 上記可動電極部は、長手方向の両側に、
    空隙部に張出した複数の片持ち梁電極から成る可動部用
    櫛状電極部を有し、上記固定電極部は、空隙部に張出し
    た複数の片持ち梁電極から成る固定部用櫛状電極部を有
    し、可動部用櫛状電極部と固定部用櫛状電極部の複数の
    片持ち梁電極が互いに微小隙間を介して対向するように
    配設されており、 可動部用櫛状電極部と固定部用櫛状電極部の対向する少
    なくとも一対の片持ち梁電極を、残部の片持ち梁電極よ
    りも剛性を高めて、ダンパ部として用いる請求項1から
    4のいずれか一つに記載の慣性力センサ。
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