JP2003231838A - インクジェット記録用水性インク - Google Patents

インクジェット記録用水性インク

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JP2003231838A
JP2003231838A JP2002032873A JP2002032873A JP2003231838A JP 2003231838 A JP2003231838 A JP 2003231838A JP 2002032873 A JP2002032873 A JP 2002032873A JP 2002032873 A JP2002032873 A JP 2002032873A JP 2003231838 A JP2003231838 A JP 2003231838A
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water
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Kaori Honma
香織 本間
Yoshinori Nakamura
吉徳 中村
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Sony Corp
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    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥性に優れ、かつにじみの少なく、吐出信
頼性の高い、特に普通紙に対してインクジェット記録に
好適である。 【解決手段】 乾燥粘度が100mPa・s以下であ
り、かつ、10msでの動的表面張力が45mN/m以
上であり、1000msでの動的表面張力が35mN/
m以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用インク、特に普通紙に対する印字適性が良好なイン
クジェット記録用水性インクに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタは、低騒音、低
ランニングコストといった利点を有することから、近年
急速に普及している。特に近年は、パソコンの普及もあ
り、個人で報告書等をインクジェットプリンタで印字す
ることも増え、カラーコピー機の代替として使用する頻
度も増えてきた。そのため、普通紙での印字特性が重要
な商品特性の1つとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、乾燥
性、フェザリング、にじみ、カラーブリード、吐出信頼
性等の諸特性を全て満足させることは困難である。例え
ば特開昭55−29546号広報のように印画紙で浸透
性を高めると著しいにじみが発生する。また、添加剤を
添加し乾燥性を改良する試みもなされている。特開昭6
0−23793号広報では、ジアルキルスルホコハク酸
が乾燥性を向上させるとあるが、紙による差が大きく、
保存性に問題がある。特開平1−203483号公報に
よれば、多価アルコール誘導体及びペクチンを含有する
記録液が提案されている。これも、ペクチンが非イオン
性なため信頼性に欠いている。
【0004】本発明はこのような従来の実情に鑑みて提
案されたものであり、乾燥性に優れ、かつにじみの少な
く、吐出信頼性の高い、特に普通紙に対してインクジェ
ット記録に好適な水性インクを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録用水性インクは、乾燥粘度が100mPa・s以下
であり、かつ、10msでの動的表面張力が45mN/
m以上であり、1000msでの動的表面張力が35m
N/m以下であることを特徴とする。
【0006】上述したような本発明に係るインクジェッ
ト記録用水性インクでは、乾燥粘度及び動的表面張力が
上述のように規定されているので、乾燥性に優れ、かつ
にじみの少なく、吐出信頼性の高いものとなる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0008】本発明の水性インクは、少なくとも着色剤
および界面活性剤を含有するインクジェット記録用水性
インクであって、インクの乾燥粘度が100mPa・s
以下であり、かつ、10msでの動的表面張力が35m
N/m以下であり、1000msでの動的表面張力が3
5mN/m以下であることを特徴とする。
【0009】インクの信頼性、特に吐出特性について
は、インクの乾燥粘度が重要であることが判明した。イ
ンクの乾燥粘度については、直径30mmのカップにイ
ンクを入れ、25℃50%の雰囲気に放置し、粘度の時
間依存性を観察する。時間が経過するに従い、粘度は上
昇して、ある粘度から上昇は鈍くなり、ほぼ一定とな
る。この一定となった値を乾燥粘度とする。この乾燥粘
度が100mPa・sより大きいとインクが吐出しにく
い。
【0010】また、インクのにじみ、浸透性について
は、動的表面張力が重要であることをつきとめた。ここ
での動的表面張力は、微小時間での表面張力のことでバ
ブルプレッシャー法で測定を行う。通常の表面張力は、
1000〜2000msと比較的長い時間での表面張力
を測定しており、微小時間での表面張力を表現していな
い。インクの吸収はミリ秒でのオーダーで行われている
と考えられ、そのときの表面張力が浸透性、にじみに関
与していると考えられる。
【0011】図1に典型的なインクのプロファイルを示
す。(1)は10ms〜1000msと非常に高い表面
張力のもの、(2)は10msでは高い表面張力を示す
が、時間の低下とともに急激に下がるものであり、
(3)は(1)と同じだが低い表面張力のままのもので
ある。(1)は、浸透性が極端に悪い。(2)は、浸透
性もにじみも良い。(3)は浸透性は良いが、にじむプ
ロファイルであることが判明した。つまり浸透性とにじ
みの改善とを両立するためには、(2)のようなプロフ
ァイルが必要なことが判明した。
【0012】このプロファイルを鋭意検討した結果、動
的表面張力10msでの表面張力は45mN/m以上が
好ましく、45mN/mより小さいとにじみが悪化す
る。50mN/m以上であることがより好ましい。ま
た、1000msの表面張力は、35mN/m以下が好
ましく、35mN/mより大きいと浸透性が悪くなり、
乾燥性も悪化することがわかった。このように、乾燥粘
度が低く、上記のような表面張力のプロファイルを持つ
ことで乾燥性に優れ、かつにじみの少なく、吐出信頼性
の高いものとなる。
【0013】また、本発明の水性インクは、pHを8〜
11にすることが好ましい。pHが8より小さい酸性側
にするとサイズ剤を溶解できず浸透性が悪くにじみやす
くなる。また、pHが11より高いと、手などに触れた
場合、皮膚に影響を及ぼすおそれがある。
【0014】また、本発明の水性インクは水を媒体とし
て使用するものであるが、インクを所望の物性にするた
め、あるいはインクの乾燥を防止するため、あるいはま
た、化合物の安定性を向上させるため等から下記する水
溶性有機溶媒を使用することができる。エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタ
ントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラ
エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレング
リコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキ
ルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価
アルコールアリールエーテル類、N−メチル−2−ピロ
リドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,
3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、
γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムア
ミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、
ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール
等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エ
チレン等である。これらの溶媒は、水とともに単独もし
くは複数混合して用いられる。
【0015】これらの中でも好ましいものは、ジエチレ
ングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリコ
ール200〜600、トリエチレングリコール、グリセ
ロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4
−ブタントリオール、ペトリオール、1,5−ペンタジ
オール、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシ
エチルピロリドン等である。これらを用いることにより
本化合物の高い溶解性と水分蒸発による噴射特性の不良
防止に対して優れた効果を有する。
【0016】また、本発明において、表面張力を調整す
るために添加される浸透剤として、ジエチレングリコー
ルモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェ
ニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリ
コールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコール
クロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル
およびアリールエーテル類、フッ素系界面活性剤、エタ
ノール、2−プロパノール等の低級アルコール類が挙げ
られる。中でもジエチレングリコールモノブチルエーテ
ルは好ましい。
【0017】本発明で使用される着色剤はpH4以下で
水難溶性となるカルボン酸塩基を有する染料単独だけで
なく、その他の染料もこれと混合して使用することがで
きる。それら混合使用される染料としては、カラーイン
デックスにおいて酸性染料、直接染料、塩基性染料、反
応性染料、食用染料に分類される染料で耐水、耐光性の
ものが用いられる。これらの染料を以下に例示する。
【0018】<酸性染料および食用染料> C.I.アシッドイエロー 17、23、42、44、
79、142 C.I.アシッドレッド 1、8、13、14、18、
26、27、35、37、42、52、82、87、8
9、92、97、106、111、114、115、1
34、186、249、254、289 C.I.アシッドブルー 9、29、45、92、24
9 C.I.アシッドブラック 1、2、7、24、26、
94 C.I.アシッドイエロー 3、4 C.I.フードレッド 7、9、14 C.I.フードブラック 1、2
【0019】<直接染料として> C.I.ダイレクトイエロー 1、12、24、26、
33、44、50、120、132、142、144、
86 C.I.ダイレクトレッド 1、4、9、13、17、
20、28、31、39、80、81、83、89、2
25、227 C.I.ダイレクトオレンジ 26、29、62、10
2 C.I.ダイレクトブルー 1、2、6、15、22、
25、71、76、79、86、87、90、98、1
63、165、199、202 C.I.ダイレクトブラック 19、22、32、3
8、51、56、71、74、75、77、154、1
68、171
【0020】<塩基性染料として> C.I.ベーシックイエロー 1、2、11、13、1
4、15、19、21、23、24、25、28、2
9、32、36、40、41、45、49、51、5
3、63、64、65、67、70、73、77、8
7、91 C.I.ベーシックレッド 2、12、13、14、1
5、18、22、23、24、27、29、35、3
6、38、39、46、49、51、52、54、5
9、68、69、70、73、78、82、102、1
04、109、112 C.I.ベーシックブルー 1、3、5、7、9、2
1、22、26、35、41、45、47、54、6
2、65、66、67、69、75、77、78、8
9、92、93、105、117、120、122、1
24、129、137、141、147、155 C.I.ベーシックブラック 2、8
【0021】<反応性染料として> C.I.リアクティブブラック 3、4、7、11、1
2、17 C.I.リアクティブイエロー 1、5、11、13、
14、20、21、22、25、40、47、51、5
5、65、67 C.I.リアクティブレッド 1、14、17、25、
26、32、37、44、46、55、60、66、7
4、79、96、97 C.I.リアクティブブルー 1、2、7、14、1
5、23、32、35、38、41、63、80、95 上記染料のうち、特に酸性染料および直接染料が好まし
く用いられる。
【0022】顔料は、有機顔料としてアゾ系、フタロシ
アニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキ
サジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、
イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン
系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙
げられ、無機顔料としては酸化鉄、酸化チタン、炭酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウ
ムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロ
ー、金属粉が挙げられる。
【0023】顔料分散剤としては、親水性高分子とし
て、天然系ではアラビアガム、トラガンガム、グーアガ
ム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラ
クトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性
高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高
分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等
の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微
生物系高分子、半合成系では、メチルセルロース、エチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等
の繊維系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デ
ンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分
子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリ
コールエステル等の海藻系高分子、純合成系では、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
メチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリ
ルアミド、ポリアクリル酸およびそのアルカリ金属塩、
水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶
性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンア
クリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、
ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナ
フタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属
塩、4級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基
の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高
分子化合物等が挙げられる。
【0024】本発明の水性インクは、上記必須染料以外
の着色剤、溶媒の他に従来より知られている添加剤を加
えることができる。例えば、防腐防黴剤としてデヒドロ
酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジン
チオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリ
ウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が使用でき
る。
【0025】pH調整剤としては、例えば、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアル
カリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級
アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、
炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアル
カリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
【0026】キレート試薬としては、例えば、エチレン
ジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウ
ム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウ
ム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル
二酢酸ナトリウム等がある。防錆剤としては、例えば、
酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール
酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、
四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモ
ニウムニトライト等がある。その他、水溶性紫外線吸収
剤、水溶性赤外線吸収剤、界面活性剤を添加することが
できる。
【0027】本発明に係るインクジェット記録用水性イ
ンクは、乾燥粘度が100mPa・s以下であり、か
つ、10msでの動的表面張力が45mN/m以上であ
り、1000msでの動的表面張力が35mN/m以下
と規定されているので、乾燥性に優れ、かつにじみの少
なく、吐出信頼性の高いものとなる。そして、この水性
インクは、特に普通紙に対するインクジェット記録に好
適なものとなる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の効果を確認すべく行った実施
例及び比較例について説明する。なお、以下の説明では
具体的な化合物名や数値を挙げて説明しているが、本発
明はこれらの例に限定されるものではないことは言うま
でもない。
【0029】以下に示す成分を、水、グリセリン、フッ
素系界面活性剤、DB199(染料)を混合、60℃で
攪拌し、室温で放置後トリエタノールアミンを加えpH
を9になるように調整して水性インクを調製した。
【0030】〈実施例1〉 DB199(染料):5重量部 エチレングリコール:10重量部 ジエチレングリコール:10重量部 フッ素系界面活性剤:0.5重量部 水:74重量部 トリエタノールアミン(pH調整剤):0.5重量部
【0031】〈実施例2〉 DB199(染料):5重量部 グリセリン:10重量部 エチレングリコール:5重量部 ジエチレングリコール:5重量部 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(界面活性
剤):0.5重量部 水:74重量部 トリエタノールアミン(pH調整剤):0.5重量部
【0032】〈実施例3〉 DB199(染料):3重量部 エチレングリコール:10重量部 ジエチレングリコール:10重量部 水:82重量部 トリエタノールアミン:0.5重量部 シリコーン系界面活性剤:0.5重量部
【0033】〈比較例1〉 グリセリン(水溶性溶剤):10重量部 2−ピロリドン(水溶性溶剤):10重量部 DB199(染料):4重量部 水:75.5重量部 トリエタノールアミン(pH調整剤):0.5重量部
【0034】〈比較例2〉 グリセリン(水溶性溶剤):3重量部 B3E(水溶性溶剤):22重量部 DB199(染料):4重量部 水:75.5重量部 トリエタノールアミン(pH調整剤):0.5重量部
【0035】〈比較例3〉 グリセリン(水溶性溶剤):20重量部 シリコーン系界面活性剤:0.5重量部 DB199(染料):4重量部 水:85重量部 トリエタノールアミン(pH調整剤):0.5重量部
【0036】〈比較例4〉 DB199(染料):5重量部 グリセリン:11重量部 エチレングリコール:5重量部 ジエチレングリコール:5重量部 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(界面活性
剤):0.5重量部 水:74重量部 トリエタノールアミン(pH調整剤):0.5重量部
【0037】〈比較例5〉 DB199(染料):3重量部 グリセリン:10重量部 トリブチルモノエチルエーテル:10重量部 水:77重量部 トリエタノールアミン(pH調整剤):0.5重量部
【0038】〈比較例6〉 DB199(染料):3重量部 トリブチルモノエチルエーテル:15重量部 水:82重量部 トリエタノールアミン:0.5重量部
【0039】そして、以上のようにして調製された水性
インクについて、図2に示すサーマルインクジェット方
式の600dpiのノズルを有するインクジェットプリ
ンタを用い、乾燥性、にじみ、吐出信頼性についての評
価を行った。このインクジェットプリンタは、インク吐
出ノズル1、発熱素子2、基板3、ノズル板4、インク
液室5、インク供給管6を備える。
【0040】乾燥性の評価は、印画後の画像に一定条件
で普通紙(リコーマイペーパーNBS(中性紙))を押
しつけ、インクが普通紙に転写しなくなった時間を測定
した。10秒以内で乾燥した場合を○として評価し、1
0秒を越える場合には×として評価した。
【0041】にじみの評価は、一定のパターンを印画
し、状態を目視により観察した。そして、にじんでいな
い場合を○として評価し、にじんでいる場合を×として
評価した。
【0042】吐出信頼性の評価は、プリンタのヘッドを
動作中、キャップ、ワイプを行わず25℃50%で10
分間放置し吐出するまで必要な発数(復帰パルス数)を
測定した。1000発以内で吐出した場合には○として
評価し、1000発よりも多ければ×として評価した。
【0043】動的表面張力は、Bubble Pressure Tensio
n Meter BP2(KRUSS社製)でインクの動的表面張力を測
定した。
【0044】乾燥粘度は、直径30mmのカップにイン
クを入れ、25℃50%の雰囲気に放置し、粘度の時間
依存性を測定した。
【0045】実施例及び比較例のインクについての評価
結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1から明らかなように、10msでの動
的表面張力が45mN/mよりも小さい比較例2,5,
6ではにじみ性が良くない。また、1000msでの動
的表面張力が35mN/mよりも大きい比較例1,3,
5,6では浸透性が悪く、乾燥性が良くない。また、乾
燥粘度が100mPa・sより大きい比較例1,3,
4,5,6ではインクが吐出しにくく、吐出信頼性に欠
ける。
【0048】一方、10msでの動的表面張力が45m
N/m以下であり、1000msでの動的表面張力が3
5mN/m以上であり、かつ、乾燥粘度が100mPa
・s以下である実施例1〜3のインクでは、にじみ性、
乾燥性、吐出信頼性のいずれにおいても良好な特性が得
られていることがわかる。
【0049】
【発明の効果】本発明では、水性インクの乾燥粘度を1
00mPa・s以下とし、かつ、10msでの動的表面
張力を45mN/m以上とし、1000msでの動的表
面張力を35mN/m以下と規定することで、乾燥性に
優れ、かつにじみの少なく、吐出信頼性の高いインクを
実現することができる。そして、この水性インクは、特
に普通紙に対するインクジェット記録に好適なものとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】水性インクのプロファイルを示す図である。
【図2】実施例で評価に用いたプリンタの構成を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 インク吐出ノズル、 2 発熱素子、 3 基板、
4 ノズル板、 5インク液室、 6 インク供給管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA05 FC02 2H086 BA53 BA60 4J039 BA14 BA16 BA17 BA19 BA29 BC05 BC07 BC08 BC13 BC14 BC15 BC35 BC59 BE01 BE03 BE04 BE05 BE22 BE30 CA03 CA06 EA10 EA35 EA38 EA44 EA47 EA48 GA24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾燥粘度が100mPa・s以下であ
    り、かつ、10msでの動的表面張力が45mN/m以
    上であり、1000msでの動的表面張力が35mN/
    m以下であることを特徴とするインクジェット記録用水
    性インク。
  2. 【請求項2】 pHが8〜11であることを特徴とする
    請求項1記載のインクジェット記録用水性インク。
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