JP2003197377A - 有機電界発光素子 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 低電圧、高発光効率で駆動させることがで
き、かつ良好な耐熱性を有し、長期間に亘って安定な発
光特性を維持することができる、有機電界発光素子を提
供することである。さらに、その有機電界発光素子を、
溶液塗布による積層で得ることである。 【解決手段】 基板表面に、陽極及び陰極により挟持さ
れ形成された1層または2層以上の有機物薄膜層を有す
る有機電界発光素子において、該有機物薄膜層のうち、
少なくとも1層が、加水分解性基を有する置換ケイ素基
を持つ化合物またはその誘導体を含む架橋硬化膜からな
る層であり、かつ、当該加水分解性基を有する置換ケイ
素基を持つ化合物の少なくとも1つが、下記一般式
(I)で表される化合物であることを特徴とする有機電
界発光素子である。 【化1】
き、かつ良好な耐熱性を有し、長期間に亘って安定な発
光特性を維持することができる、有機電界発光素子を提
供することである。さらに、その有機電界発光素子を、
溶液塗布による積層で得ることである。 【解決手段】 基板表面に、陽極及び陰極により挟持さ
れ形成された1層または2層以上の有機物薄膜層を有す
る有機電界発光素子において、該有機物薄膜層のうち、
少なくとも1層が、加水分解性基を有する置換ケイ素基
を持つ化合物またはその誘導体を含む架橋硬化膜からな
る層であり、かつ、当該加水分解性基を有する置換ケイ
素基を持つ化合物の少なくとも1つが、下記一般式
(I)で表される化合物であることを特徴とする有機電
界発光素子である。 【化1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機物薄膜層を有
する有機電界発光素子に関するものである。
する有機電界発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】薄膜型の電界発光(以下、「EL」とい
う場合がある。)素子としては、無機材料のII−VI族化
合物半導体であるZnS、CaS、SrS等に、発光中
心であるMnや希土類元素(Eu、Ce、Tb、Sm
等)をドープしたものが一般的であるが、上記の無機材
料から作製したEL素子は、1)交流駆動が必要である
(一般に50〜1000Hz)、2)駆動電圧が高い
(一般に200V程度)、3)フルカラー化が困難で、
特に青色発光に問題がある、4)周辺駆動回路のコスト
が高い、という問題点を有している。
う場合がある。)素子としては、無機材料のII−VI族化
合物半導体であるZnS、CaS、SrS等に、発光中
心であるMnや希土類元素(Eu、Ce、Tb、Sm
等)をドープしたものが一般的であるが、上記の無機材
料から作製したEL素子は、1)交流駆動が必要である
(一般に50〜1000Hz)、2)駆動電圧が高い
(一般に200V程度)、3)フルカラー化が困難で、
特に青色発光に問題がある、4)周辺駆動回路のコスト
が高い、という問題点を有している。
【0003】これに対し、有機化合物を発光層等とした
有機EL素子は、駆動電圧を大幅に低減できることに加
え、小型化が容易であって、消費電力が小さく、面発光
が可能であり、かつ三原色発光も容易であることから、
次世代の発光素子として研究開発がなされている。特
に、電極種の最適化により、電極からのキャリア注入効
率を高め、芳香族ジアミンから成る正孔輸送層と、8−
ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体から成る発光層
とを設けた積層構造の有機EL素子の開発(例えば、非
特許文献1参照)により、従来のアントラセン等の単結
晶を用いたEL素子と比較して、発光効率の大幅な改善
がなされた。
有機EL素子は、駆動電圧を大幅に低減できることに加
え、小型化が容易であって、消費電力が小さく、面発光
が可能であり、かつ三原色発光も容易であることから、
次世代の発光素子として研究開発がなされている。特
に、電極種の最適化により、電極からのキャリア注入効
率を高め、芳香族ジアミンから成る正孔輸送層と、8−
ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体から成る発光層
とを設けた積層構造の有機EL素子の開発(例えば、非
特許文献1参照)により、従来のアントラセン等の単結
晶を用いたEL素子と比較して、発光効率の大幅な改善
がなされた。
【0004】また、デバイス寿命を延ばすために種々の
材料探索もなされ、例えば正孔注入層の材料としては、
ポルフィリン誘導体やフタロシアニン化合物(例えば、
特許文献1参照)、スターバースト型芳香族トリアミン
(例えば、特許文献2参照)、ヒドラゾン化合物(例え
ば、特許文献3参照)、アルコキシ置換の芳香族ジアミ
ン誘導体(例えば、特許文献4参照)、p−(9−アン
トリル)−N,N−ジ−p−トリルアニリンなどが開発
され、実用特性に近づいている。さらに、上記のような
低分子材料を用いた電界発光素子の他にも、発光層の材
料として、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリ[2
−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,
4−フェニレンビニレン]、ポリ(3−アルキルチオフ
ェン)等の高分子材料を用いたEL素子の開発や、ポリ
ビニルカルバゾール等の高分子に、低分子の発光材料と
電子移動材料とを混合した素子の開発も行われている。
材料探索もなされ、例えば正孔注入層の材料としては、
ポルフィリン誘導体やフタロシアニン化合物(例えば、
特許文献1参照)、スターバースト型芳香族トリアミン
(例えば、特許文献2参照)、ヒドラゾン化合物(例え
ば、特許文献3参照)、アルコキシ置換の芳香族ジアミ
ン誘導体(例えば、特許文献4参照)、p−(9−アン
トリル)−N,N−ジ−p−トリルアニリンなどが開発
され、実用特性に近づいている。さらに、上記のような
低分子材料を用いた電界発光素子の他にも、発光層の材
料として、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリ[2
−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,
4−フェニレンビニレン]、ポリ(3−アルキルチオフ
ェン)等の高分子材料を用いたEL素子の開発や、ポリ
ビニルカルバゾール等の高分子に、低分子の発光材料と
電子移動材料とを混合した素子の開発も行われている。
【0005】有機EL素子の構成については、陽極/有
機発光層/陰極の構成を基本とし、これに正孔注入輸送
層や電子注入層を適宜設けたもの、例えば陽極/正孔注
入輸送層/有機発光層/陰極や、陽極/正孔注入輸送層
/有機発光層/電子注入層/陰極などの構成のものが知
られている。
機発光層/陰極の構成を基本とし、これに正孔注入輸送
層や電子注入層を適宜設けたもの、例えば陽極/正孔注
入輸送層/有機発光層/陰極や、陽極/正孔注入輸送層
/有機発光層/電子注入層/陰極などの構成のものが知
られている。
【0006】前記有機EL素子開発の最大の課題は、駆
動時の長寿命化である。駆動時に問題となる現象として
は、発光輝度の低下、定電流駆動時の電圧上昇、非発光
部分(ダークスポット)の発生等が挙げられる。これら
の発生原因は、いくつか存在するが、有機層の薄膜形状
の劣化が支配的である。この薄膜形状の劣化は、素子駆
動時の発熱による有機非晶質膜の結晶化(または凝集)
等に起因すると考えられている。
動時の長寿命化である。駆動時に問題となる現象として
は、発光輝度の低下、定電流駆動時の電圧上昇、非発光
部分(ダークスポット)の発生等が挙げられる。これら
の発生原因は、いくつか存在するが、有機層の薄膜形状
の劣化が支配的である。この薄膜形状の劣化は、素子駆
動時の発熱による有機非晶質膜の結晶化(または凝集)
等に起因すると考えられている。
【0007】ところで、有機EL素子の材料としては、
従来、有機低分子化合物やオリゴマーを真空蒸着して用
いる場合が多かったが、これらは耐熱性が低く、その改
良が求められていた。これに対し、前記有機低分子化合
物のポリマー化により、熱的な安定性を向上させ、結晶
化等による欠陥の発生を防ぐことを目的として、特定構
造のポリマーを用い、耐熱性を改良することも試みられ
ている。
従来、有機低分子化合物やオリゴマーを真空蒸着して用
いる場合が多かったが、これらは耐熱性が低く、その改
良が求められていた。これに対し、前記有機低分子化合
物のポリマー化により、熱的な安定性を向上させ、結晶
化等による欠陥の発生を防ぐことを目的として、特定構
造のポリマーを用い、耐熱性を改良することも試みられ
ている。
【0008】さらに、上記ポリマー等を三次元架橋し、
より高い耐熱性を付与する検討もなされており、アルコ
キシシリル基を有する化合物を、ゾル−ゲル法により加
熱硬化させることが開示されている(例えば、特許文献
5及び6、非特許文献2〜4参照)。
より高い耐熱性を付与する検討もなされており、アルコ
キシシリル基を有する化合物を、ゾル−ゲル法により加
熱硬化させることが開示されている(例えば、特許文献
5及び6、非特許文献2〜4参照)。
【0009】
【特許文献1】特開昭63−295695号公報
【特許文献2】特開平4−308688号公報
【特許文献3】特開平4−320483号公報
【特許文献4】特開平4−220995号公報
【特許文献5】特開平9−279135号公報
【特許文献6】特開2000−80167号公報
【非特許文献1】Appl.Phys.Lett.,5
1,913,(1987)
1,913,(1987)
【非特許文献2】第56回応用物理学会年会予稿集,V
ol.3,1031頁(1995)
ol.3,1031頁(1995)
【非特許文献3】Adv.Mater.,11,No.
2(1999)
2(1999)
【非特許文献4】Adv.Mater.,11,No.
9(1999)
9(1999)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記ゾル−ゲル法によ
り加熱硬化した膜は、耐熱性に優れるのみならず、従来
の有機材料では接着性が乏しい、ITOなどの無機導電
膜との接着性にも優れ、正孔あるいは電子注入層として
も非常に有効である。また、アルコール等ポリマーを溶
解しない溶剤による塗布が可能であるため、低分子、あ
るいはポリマー表面への積層塗布も容易であるという特
徴を有する。しかしながら一方で、縮合時に発生する水
分子を膜中から完全に除去することが困難であり、長期
の使用において、膜中の水分による電極の腐食が発生し
やすいという課題があった。
り加熱硬化した膜は、耐熱性に優れるのみならず、従来
の有機材料では接着性が乏しい、ITOなどの無機導電
膜との接着性にも優れ、正孔あるいは電子注入層として
も非常に有効である。また、アルコール等ポリマーを溶
解しない溶剤による塗布が可能であるため、低分子、あ
るいはポリマー表面への積層塗布も容易であるという特
徴を有する。しかしながら一方で、縮合時に発生する水
分子を膜中から完全に除去することが困難であり、長期
の使用において、膜中の水分による電極の腐食が発生し
やすいという課題があった。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、低電圧、高発光効率で駆動させることができ、
かつ良好な耐熱性を有し、長期間に亘って安定な発光特
性を維持することができる、有機電界発光素子を提供す
ることを目的とする。さらに、その有機電界発光素子
を、溶液塗布による積層で得ることを目的とする。
であり、低電圧、高発光効率で駆動させることができ、
かつ良好な耐熱性を有し、長期間に亘って安定な発光特
性を維持することができる、有機電界発光素子を提供す
ることを目的とする。さらに、その有機電界発光素子
を、溶液塗布による積層で得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の問
題点を解決し、高温において安定な発光特性を維持でき
る有機EL素子を提供するべく鋭意検討した結果、ゾル
−ゲル法により加熱硬化した膜中に存在する水分子は、
残存シラノール基(−SiOH)による水分の吸着、あ
るいは、残存シラノール基同士の脱水反応が、徐々に進
行することによる水分の発生に原因があり、これがシラ
ノール基を有するSi基の構造に起因することを突き止
めた。すなわち、トリアルコキシシリル基を用いた場合
には、1つのSiに3つのOH基が結合した構造とな
り、架橋反応後もシラノール基の残存が起こりやすい。
これに対し、下記一般式(I)で表される化合物を用い
ることで、絶対的なシラノール基数を減ずることができ
ると共に、R1により架橋硬化膜に疎水性を付与できる
ため、水分の吸着を減じることができ、前記課題を解決
できることを見出した。
題点を解決し、高温において安定な発光特性を維持でき
る有機EL素子を提供するべく鋭意検討した結果、ゾル
−ゲル法により加熱硬化した膜中に存在する水分子は、
残存シラノール基(−SiOH)による水分の吸着、あ
るいは、残存シラノール基同士の脱水反応が、徐々に進
行することによる水分の発生に原因があり、これがシラ
ノール基を有するSi基の構造に起因することを突き止
めた。すなわち、トリアルコキシシリル基を用いた場合
には、1つのSiに3つのOH基が結合した構造とな
り、架橋反応後もシラノール基の残存が起こりやすい。
これに対し、下記一般式(I)で表される化合物を用い
ることで、絶対的なシラノール基数を減ずることができ
ると共に、R1により架橋硬化膜に疎水性を付与できる
ため、水分の吸着を減じることができ、前記課題を解決
できることを見出した。
【0013】具体的に、前記課題を解決するための手段
は以下の通りである。すなわち、 <1> 基板表面に、陽極及び陰極により挟持され形成
された1層または2層以上の有機物薄膜層を有する有機
電界発光素子において、該有機物薄膜層のうち、少なく
とも1層が、加水分解性基を有する置換ケイ素基を持つ
化合物またはその誘導体を含む架橋硬化膜からなる層で
あり、かつ、前記加水分解性基を有する置換ケイ素基を
持つ化合物の少なくとも1つが下記一般式(I)で表さ
れることを特徴とする有機電界発光素子である。
は以下の通りである。すなわち、 <1> 基板表面に、陽極及び陰極により挟持され形成
された1層または2層以上の有機物薄膜層を有する有機
電界発光素子において、該有機物薄膜層のうち、少なく
とも1層が、加水分解性基を有する置換ケイ素基を持つ
化合物またはその誘導体を含む架橋硬化膜からなる層で
あり、かつ、前記加水分解性基を有する置換ケイ素基を
持つ化合物の少なくとも1つが下記一般式(I)で表さ
れることを特徴とする有機電界発光素子である。
【0014】
【化3】
【0015】式中、Fは光機能性化合物から誘導される
有機基を表す。Dは2価の連結基を表す。R1は水素、
アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基を表し、
Qは加水分解性基を表す。aは1または2、bは1〜4
の整数、cは0または1である。
有機基を表す。Dは2価の連結基を表す。R1は水素、
アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基を表し、
Qは加水分解性基を表す。aは1または2、bは1〜4
の整数、cは0または1である。
【0016】<2> 前記加水分解性基を有する置換ケ
イ素基を持つ化合物の全てが、前記一般式(I)で表さ
れる化合物であることを特徴とする<1>に記載の有機
電界発光素子である。
イ素基を持つ化合物の全てが、前記一般式(I)で表さ
れる化合物であることを特徴とする<1>に記載の有機
電界発光素子である。
【0017】<3> 前記一般式(I)で表される化合
物またはその誘導体の、光機能性化合物から誘導される
有機基Fが、下記一般式(II)で表される化合物から誘
導される有機基であることを特徴とする<1>または<
2>のいずれかに記載の有機電界発光素子である。
物またはその誘導体の、光機能性化合物から誘導される
有機基Fが、下記一般式(II)で表される化合物から誘
導される有機基であることを特徴とする<1>または<
2>のいずれかに記載の有機電界発光素子である。
【0018】
【化4】
【0019】式中、Ar1〜Ar4は、それぞれ独立に置
換若しくは未置換のアリール基を表し、Ar1とAr2、
並びにAr3とAr4はそれぞれ環を形成してもよく、A
r5は、置換若しくは未置換のアリール基またはアリー
レン基を表す。但し、Ar1〜Ar5のうち1〜4個は、
前記一般式(I)中の−D−Si(R1)(3-a)Qaで表
される結合基と結合可能な結合手を有する。kは0また
は1である。
換若しくは未置換のアリール基を表し、Ar1とAr2、
並びにAr3とAr4はそれぞれ環を形成してもよく、A
r5は、置換若しくは未置換のアリール基またはアリー
レン基を表す。但し、Ar1〜Ar5のうち1〜4個は、
前記一般式(I)中の−D−Si(R1)(3-a)Qaで表
される結合基と結合可能な結合手を有する。kは0また
は1である。
【0020】<4> 前記有機物薄膜層として、前記加
水分解性を有する置換ケイ素を持つ化合物またはその誘
導体を含む架橋硬化膜からなる層を、2層以上有するこ
とを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の有機
電界発光素子である。
水分解性を有する置換ケイ素を持つ化合物またはその誘
導体を含む架橋硬化膜からなる層を、2層以上有するこ
とを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の有機
電界発光素子である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、図面を用いて本発明の有
機EL素子を詳細に説明する。図1〜3は、本発明の有
機EL素子の実施の形態を示す模式的な断面図であり、
1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送
層、5は発光層、6は電子輸送層、7は陰極を各々表す
が、素子構成はこれに限られるものではない。以下、各
構成部分ごとに、具体的に説明する。
機EL素子を詳細に説明する。図1〜3は、本発明の有
機EL素子の実施の形態を示す模式的な断面図であり、
1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送
層、5は発光層、6は電子輸送層、7は陰極を各々表す
が、素子構成はこれに限られるものではない。以下、各
構成部分ごとに、具体的に説明する。
【0022】−基板−
基板1は、有機EL素子の支持体となるものであり、石
英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィル
ムやシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエ
ステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリ
スルホンなどの透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹
脂基板を使用する場合には、ガスバリア性に留意する必
要がある。基板のガスバリア性が低すぎると、基板を通
過する外気により、有機EL素子が劣化することがある
ので好ましくない。このため、合成樹脂基板のどちらか
片側、若しくは両側に緻密なシリコン酸化膜等を設けて
ガスバリア性を確保するのも好ましい態様の一つであ
る。
英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィル
ムやシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエ
ステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリ
スルホンなどの透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹
脂基板を使用する場合には、ガスバリア性に留意する必
要がある。基板のガスバリア性が低すぎると、基板を通
過する外気により、有機EL素子が劣化することがある
ので好ましくない。このため、合成樹脂基板のどちらか
片側、若しくは両側に緻密なシリコン酸化膜等を設けて
ガスバリア性を確保するのも好ましい態様の一つであ
る。
【0023】−陽極−
基板1表面には陽極2が通常設けられるが、基板1が導
電性を有する場合、当該基板1が陽極2を兼ねることと
してもよい。陽極2は、正孔注入層3への正孔注入の役
割を果たすものである。この陽極2は、通常、アルミニ
ウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、
インジウム、及び/または、スズの酸化物などの金属酸
化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラッ
ク等により構成される。陽極2は通常、スパッタリング
法、真空蒸着法、メッキ法などにより形成されることが
多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒
子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子等を
適当なバインダー樹脂溶液に分散し、基板1表面に塗布
することにより、陽極2を形成することもできる。陽極
2は異なる物質を積層して形成することも可能である。
電性を有する場合、当該基板1が陽極2を兼ねることと
してもよい。陽極2は、正孔注入層3への正孔注入の役
割を果たすものである。この陽極2は、通常、アルミニ
ウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、
インジウム、及び/または、スズの酸化物などの金属酸
化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラッ
ク等により構成される。陽極2は通常、スパッタリング
法、真空蒸着法、メッキ法などにより形成されることが
多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒
子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子等を
適当なバインダー樹脂溶液に分散し、基板1表面に塗布
することにより、陽極2を形成することもできる。陽極
2は異なる物質を積層して形成することも可能である。
【0024】陽極2の厚みは、必要とする透明性により
異なるが、一般には透明性が高いほど望ましいため、可
視光の透過率を、60%以上とすることが好ましく、8
0%以上とすることがより好ましい。この場合、厚み
は、10〜1000nmであることが好ましく、20〜
500nm程度であることがより好ましい。端面からの
レーザー発振等のため、両電極間で光を反射させるなど
の目的で、両電極を不透明とする場合には、基板1表面
に上記より厚めの金属蒸着膜等を設けてもよいし、前記
のように導電性を有する基板1を陽極2としてもよい。
また、上記陽極2の表面に異なる導電材料を積層するこ
とも可能である。
異なるが、一般には透明性が高いほど望ましいため、可
視光の透過率を、60%以上とすることが好ましく、8
0%以上とすることがより好ましい。この場合、厚み
は、10〜1000nmであることが好ましく、20〜
500nm程度であることがより好ましい。端面からの
レーザー発振等のため、両電極間で光を反射させるなど
の目的で、両電極を不透明とする場合には、基板1表面
に上記より厚めの金属蒸着膜等を設けてもよいし、前記
のように導電性を有する基板1を陽極2としてもよい。
また、上記陽極2の表面に異なる導電材料を積層するこ
とも可能である。
【0025】―有機物薄膜層−
<正孔注入層>本発明の代表例として挙げた、図1〜3
の素子構造においては、陽極2の表面に正孔注入層3が
設けられる。この正孔注入層3に用いられる材料に要求
される条件としては、陽極2からの正孔注入効率が高
く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することがで
きる材料であることが挙げられる。そのためには、イオ
ン化ポテンシャルが小さく、可視光に対しての透明性が
高く、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優
れ、トラップとなる不純物が、製造時や使用時に発生し
にくいことが要求される。また、上記一般的な条件以外
に、車載表示用への応用を考えた場合には、100℃以
上、より好ましくは120℃以上での耐熱性が、正孔注
入層を含めた全ての有機薄膜層に要求される。正孔注入
層に好ましく用いられる材料については、後述する。
の素子構造においては、陽極2の表面に正孔注入層3が
設けられる。この正孔注入層3に用いられる材料に要求
される条件としては、陽極2からの正孔注入効率が高
く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することがで
きる材料であることが挙げられる。そのためには、イオ
ン化ポテンシャルが小さく、可視光に対しての透明性が
高く、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優
れ、トラップとなる不純物が、製造時や使用時に発生し
にくいことが要求される。また、上記一般的な条件以外
に、車載表示用への応用を考えた場合には、100℃以
上、より好ましくは120℃以上での耐熱性が、正孔注
入層を含めた全ての有機薄膜層に要求される。正孔注入
層に好ましく用いられる材料については、後述する。
【0026】正孔注入層3の膜厚は、5〜3000nm
であることが好ましく、10〜2000nmであること
がより好ましい。
であることが好ましく、10〜2000nmであること
がより好ましい。
【0027】なお、正孔注入層とは別に、以下に述べる
ような正孔輸送層を設ける場合もあるが、正孔注入層が
正孔輸送層を兼ねる場合もある。この場合、両者を合わ
せて正孔注入輸送層という場合がある。
ような正孔輸送層を設ける場合もあるが、正孔注入層が
正孔輸送層を兼ねる場合もある。この場合、両者を合わ
せて正孔注入輸送層という場合がある。
【0028】<発光層、正孔輸送層、電子輸送層、電子
注入層>図1の素子構造において、正孔注入層3の表面
には、発光層5が設けられる。発光層5は、電界を与え
られた電極間において、陰極7から注入された電子と正
孔注入層3から輸送された正孔とを効率よく再結合し、
かつ、再結合により効率よく発光する材料により形成さ
れる。発光層5の膜厚は、10〜200nmであること
が好ましく、30〜100nmであることがより好まし
い。
注入層>図1の素子構造において、正孔注入層3の表面
には、発光層5が設けられる。発光層5は、電界を与え
られた電極間において、陰極7から注入された電子と正
孔注入層3から輸送された正孔とを効率よく再結合し、
かつ、再結合により効率よく発光する材料により形成さ
れる。発光層5の膜厚は、10〜200nmであること
が好ましく、30〜100nmであることがより好まし
い。
【0029】本発明においては、素子の発光特性を向上
させるために、図2に示すように、正孔輸送層4を正孔
注入層3と発光層5との間に設けたり、さらには、図3
に示すように、電子輸送層6を発光層5と陰極7との間
に設けたりして、機能を分離する構成としてもよい。図
2及び図3の機能分離型素子において、正孔輸送層4の
材料としては、正孔注入層3からの正孔注入効率が高
く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することがで
きる材料であることが必要である。そのためには、イオ
ン化ポテンシャルが小さく、しかも正孔移動度が大き
く、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が、製
造時や使用時に発生しにくいことが要求される。
させるために、図2に示すように、正孔輸送層4を正孔
注入層3と発光層5との間に設けたり、さらには、図3
に示すように、電子輸送層6を発光層5と陰極7との間
に設けたりして、機能を分離する構成としてもよい。図
2及び図3の機能分離型素子において、正孔輸送層4の
材料としては、正孔注入層3からの正孔注入効率が高
く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することがで
きる材料であることが必要である。そのためには、イオ
ン化ポテンシャルが小さく、しかも正孔移動度が大き
く、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が、製
造時や使用時に発生しにくいことが要求される。
【0030】1.加水分解性基を有する置換ケイ素基を
持つ化合物を含まない場合の層形成本発明の有機EL素
子は、有機物薄膜層のうち、少なくとも1層が、加水分
解性基を有する置換ケイ素基を持つ化合物等を含む架橋
硬化膜からなる層であり、当該化合物等を含まない層
は、公知の方法に従って以下のように形成される。
持つ化合物を含まない場合の層形成本発明の有機EL素
子は、有機物薄膜層のうち、少なくとも1層が、加水分
解性基を有する置換ケイ素基を持つ化合物等を含む架橋
硬化膜からなる層であり、当該化合物等を含まない層
は、公知の方法に従って以下のように形成される。
【0031】本発明に用いられる前記一般式(I)で表
される化合物以外に、正孔注入層3、あるいは正孔輸送
層4に用いられる材料としては、例えば、1,1−ビス
(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン
等の3級芳香族アミンユニットを連結した芳香族ジアミ
ン化合物(特開昭59−194393号公報)、4,
4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミ
ノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含
み、2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香
族アミン(特開平5−234681号公報)、トリフェ
ニルベンゼンの誘導体でスターバースト構造を有する芳
香族トリアミン(米国特許第4,923,774号明細
書)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メ
チルフェニル)ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳
香族ジアミン(米国特許第4,764,625号明細
書)、分子全体として立体的に非対称なトリフェニルア
ミン誘導体(特開平4−129271号公報)、ピレニ
ル基に芳香族ジアミノ基が複数個置換した化合物(特開
平4−175395号公報)、エチレン基で3級芳香族
アミンユニットを連結した芳香族ジアミン(特開平4−
264189号公報)、スチリル構造を有する芳香族ジ
アミン(特開平4−290851号公報)、チオフェン
基で芳香族3級アミンユニットを連結したもの(特開平
4−304466号公報)、スターバースト型芳香族ト
リアミン(特開平4−308688号公報)、ベンジル
フェニル化合物(特開平4−364153号公報)、フ
ルオレン基で3級アミンを連結したもの(特開平5−2
5473号公報)、トリアミン化合物(特開平5−23
9455号公報)、ビスジピリジルアミノビフェニル
(特開平5−320634号公報)、N,N,N−トリ
フェニルアミン誘導体(特開平6−1972号公報)、
フェノキサジン構造を有する芳香族ジアミン(特開平7
−138562号公報)、ジアミノフェニルフェナント
リジン誘導体(特開平7−252474号公報)、シラ
ザン化合物(米国特許第4,950,950号明細
書)、シラナミン誘導体(特開平6−49079号公
報)、ホスファミン誘導体(特開平6−25659号公
報)等の公知の材料が挙げられる。これらの化合物は、
単独で用いてもよいし、必要に応じて、2種以上を混合
して用いてもよい。
される化合物以外に、正孔注入層3、あるいは正孔輸送
層4に用いられる材料としては、例えば、1,1−ビス
(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン
等の3級芳香族アミンユニットを連結した芳香族ジアミ
ン化合物(特開昭59−194393号公報)、4,
4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミ
ノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含
み、2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香
族アミン(特開平5−234681号公報)、トリフェ
ニルベンゼンの誘導体でスターバースト構造を有する芳
香族トリアミン(米国特許第4,923,774号明細
書)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メ
チルフェニル)ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳
香族ジアミン(米国特許第4,764,625号明細
書)、分子全体として立体的に非対称なトリフェニルア
ミン誘導体(特開平4−129271号公報)、ピレニ
ル基に芳香族ジアミノ基が複数個置換した化合物(特開
平4−175395号公報)、エチレン基で3級芳香族
アミンユニットを連結した芳香族ジアミン(特開平4−
264189号公報)、スチリル構造を有する芳香族ジ
アミン(特開平4−290851号公報)、チオフェン
基で芳香族3級アミンユニットを連結したもの(特開平
4−304466号公報)、スターバースト型芳香族ト
リアミン(特開平4−308688号公報)、ベンジル
フェニル化合物(特開平4−364153号公報)、フ
ルオレン基で3級アミンを連結したもの(特開平5−2
5473号公報)、トリアミン化合物(特開平5−23
9455号公報)、ビスジピリジルアミノビフェニル
(特開平5−320634号公報)、N,N,N−トリ
フェニルアミン誘導体(特開平6−1972号公報)、
フェノキサジン構造を有する芳香族ジアミン(特開平7
−138562号公報)、ジアミノフェニルフェナント
リジン誘導体(特開平7−252474号公報)、シラ
ザン化合物(米国特許第4,950,950号明細
書)、シラナミン誘導体(特開平6−49079号公
報)、ホスファミン誘導体(特開平6−25659号公
報)等の公知の材料が挙げられる。これらの化合物は、
単独で用いてもよいし、必要に応じて、2種以上を混合
して用いてもよい。
【0032】上記の化合物以外に、正孔輸送層4の材料
としては、ポリビニルカルバゾールやポリシラン、ポリ
フォスファゼン(特開平5−310949号公報)、ポ
リアミド(特開平5−310949号公報)、ポリビニ
ルトリフェニルアミン(特開平7−53953号公
報)、トリフェニルアミン骨格を有する高分子(特開平
4−133065号公報)、芳香族アミンを含有するポ
リメタクリレート、ポリアニリンなどの導電性高分子等
の高分子材料が挙げられる。
としては、ポリビニルカルバゾールやポリシラン、ポリ
フォスファゼン(特開平5−310949号公報)、ポ
リアミド(特開平5−310949号公報)、ポリビニ
ルトリフェニルアミン(特開平7−53953号公
報)、トリフェニルアミン骨格を有する高分子(特開平
4−133065号公報)、芳香族アミンを含有するポ
リメタクリレート、ポリアニリンなどの導電性高分子等
の高分子材料が挙げられる。
【0033】本発明に用いられる前記一般式(I)で表
される化合物以外に、発光層5、電子輸送層6に用いら
れる材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニ
ウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号
公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯
体(特開平6−322362号公報)、ビススチリルベ
ンゼン誘導体(特開平1−245087号公報、同2−
222484号公報)、ビススチリルアリーレン誘導体
(特開平2−247278号公報)、(2−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾチアゾールの金属錯体(特開平8−3
15983号公報)、シロール誘導体、オキサジアゾー
ル誘導体(Appl.Phys.Lett.,55,1
489,(1989))やそれらをポリメタクリル酸メ
チル(PMMA)等の樹脂に分散した系、フェナントロ
リン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t
−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノ
ンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化
亜鉛、n型セレン化亜鉛等の公知の材料が挙げられる。
これらの化合物は、単独で用いてもよいし、必要に応じ
て2種以上を混合して用いてもよい。
される化合物以外に、発光層5、電子輸送層6に用いら
れる材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニ
ウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号
公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯
体(特開平6−322362号公報)、ビススチリルベ
ンゼン誘導体(特開平1−245087号公報、同2−
222484号公報)、ビススチリルアリーレン誘導体
(特開平2−247278号公報)、(2−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾチアゾールの金属錯体(特開平8−3
15983号公報)、シロール誘導体、オキサジアゾー
ル誘導体(Appl.Phys.Lett.,55,1
489,(1989))やそれらをポリメタクリル酸メ
チル(PMMA)等の樹脂に分散した系、フェナントロ
リン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t
−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノ
ンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化
亜鉛、n型セレン化亜鉛等の公知の材料が挙げられる。
これらの化合物は、単独で用いてもよいし、必要に応じ
て2種以上を混合して用いてもよい。
【0034】素子の発光効率を向上させるとともに発光
色を変える目的で、例えば、8−ヒドロキシキノリンの
アルミニウム錯体をホスト材料として、クマリン等のレ
ーザ用蛍光色素をドープすること(J.Appl.Ph
ys.,65,3610,(1989))等が行われて
いる。この方法の利点としては、1)高発光効率の蛍光
色素により発光効率が向上すること、2)蛍光色素の選
択により発光波長が可変であること、3)濃度消光を起
こす蛍光色素も使用可能であること、4)薄膜になりに
くい蛍光色素も使用可能であること、等が挙げられる。
色を変える目的で、例えば、8−ヒドロキシキノリンの
アルミニウム錯体をホスト材料として、クマリン等のレ
ーザ用蛍光色素をドープすること(J.Appl.Ph
ys.,65,3610,(1989))等が行われて
いる。この方法の利点としては、1)高発光効率の蛍光
色素により発光効率が向上すること、2)蛍光色素の選
択により発光波長が可変であること、3)濃度消光を起
こす蛍光色素も使用可能であること、4)薄膜になりに
くい蛍光色素も使用可能であること、等が挙げられる。
【0035】素子の駆動寿命を改善する目的に対して
も、前記発光層材料をホスト材料として、蛍光色素をド
ープすることは有効である。例えば、8−ヒドロキシキ
ノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体をホスト材料
として、ルブレンに代表されるナフタセン誘導体(特開
平4−335087号公報)、キナクリドン誘導体(特
開平5−70773号公報)、ペリレン等の縮合多環芳
香族環(特開平5−198377号公報)を、ホスト材
料に対して0.1〜10質量%ドープすることにより、
素子の発光特性、特に駆動安定性を大きく向上させるこ
とができる。
も、前記発光層材料をホスト材料として、蛍光色素をド
ープすることは有効である。例えば、8−ヒドロキシキ
ノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体をホスト材料
として、ルブレンに代表されるナフタセン誘導体(特開
平4−335087号公報)、キナクリドン誘導体(特
開平5−70773号公報)、ペリレン等の縮合多環芳
香族環(特開平5−198377号公報)を、ホスト材
料に対して0.1〜10質量%ドープすることにより、
素子の発光特性、特に駆動安定性を大きく向上させるこ
とができる。
【0036】発光層5のホスト材料に、上記ナフタセン
誘導体、キナクリドン誘導体、ペリレン等の蛍光色素を
ドープする方法としては、共蒸着による方法と蒸着源を
予め所定の濃度で混合しておく方法とがある。
誘導体、キナクリドン誘導体、ペリレン等の蛍光色素を
ドープする方法としては、共蒸着による方法と蒸着源を
予め所定の濃度で混合しておく方法とがある。
【0037】高分子系の発光層材料としては、先に挙げ
たポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリ[2−メトキ
シ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェ
ニレンビニレン]、ポリ(3−アルキルチオフェン)等
の高分子材料や、ポリビニルカルバゾール等の高分子に
発光材料と電子移動材料とを混合した系等が挙げられ
る。
たポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリ[2−メトキ
シ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェ
ニレンビニレン]、ポリ(3−アルキルチオフェン)等
の高分子材料や、ポリビニルカルバゾール等の高分子に
発光材料と電子移動材料とを混合した系等が挙げられ
る。
【0038】以上の材料を用いて、正孔注入層3、正孔
輸送層4、発光層5、及び電子輸送層6を溶液塗布によ
り形成する場合、結着樹脂を用いることができるが、該
結着樹脂は、広範な絶縁性樹脂の中から選択することが
できる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラ
ール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフ
タル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエ
ステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリア
クリルアミド樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビ
ニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポ
リビニルピロリドン樹脂、シリコーン樹脂等を挙げるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。ま
た、これらの結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合し
て用いることができる。
輸送層4、発光層5、及び電子輸送層6を溶液塗布によ
り形成する場合、結着樹脂を用いることができるが、該
結着樹脂は、広範な絶縁性樹脂の中から選択することが
できる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラ
ール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフ
タル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエ
ステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリア
クリルアミド樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビ
ニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポ
リビニルピロリドン樹脂、シリコーン樹脂等を挙げるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。ま
た、これらの結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合し
て用いることができる。
【0039】正孔注入・正孔輸送層材料、発光・電子輸
送層材料または発光・電子注入層材料の質量Aと結着樹
脂の質量Bとの質量比(A:B)は、正孔注入・輸送層
においては90:10〜10:90の範囲であることが
好ましい。また、発光・電子輸送層または発光・電子注
入層においては90:10〜10:90の範囲であるこ
とが好ましい。
送層材料または発光・電子注入層材料の質量Aと結着樹
脂の質量Bとの質量比(A:B)は、正孔注入・輸送層
においては90:10〜10:90の範囲であることが
好ましい。また、発光・電子輸送層または発光・電子注
入層においては90:10〜10:90の範囲であるこ
とが好ましい。
【0040】さらに溶剤としては、メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール等のアルコール類;酢酸メチ
ル、酢酸n−ブチル等のエステル類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類;
アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、
クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭
化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環
状若しくは直鎖状のエーテル類;等の通常の有機溶剤
を、単独あるいは2種以上混合して用いることができ
る。
ール、n−プロパノール等のアルコール類;酢酸メチ
ル、酢酸n−ブチル等のエステル類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類;
アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、
クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭
化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環
状若しくは直鎖状のエーテル類;等の通常の有機溶剤
を、単独あるいは2種以上混合して用いることができ
る。
【0041】前記正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層
5、及び電子輸送層6は、通常は真空蒸着法やスピンコ
ート等の方法により溶液塗布して薄膜形成される。真空
蒸着法を用いる場合、所望の材料を真空容器内に設置さ
れたルツボに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで1
0-4Pa程度にまで排気した後、ルツボを加熱して、材
料を蒸発させ、ルツボに向き合って置かれた、基板表面
に薄膜を形成する。
5、及び電子輸送層6は、通常は真空蒸着法やスピンコ
ート等の方法により溶液塗布して薄膜形成される。真空
蒸着法を用いる場合、所望の材料を真空容器内に設置さ
れたルツボに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで1
0-4Pa程度にまで排気した後、ルツボを加熱して、材
料を蒸発させ、ルツボに向き合って置かれた、基板表面
に薄膜を形成する。
【0042】溶液塗布法を用いる場合、所望の材料を、
所望の濃度で溶剤に溶解し、スピンコートやディップコ
ート、インクジェットなどの方法により塗布する。この
場合、各層を重ね塗りすることにより、下層が溶解して
しまうのを避ける必要があること、あるいは、正孔・電
子の注入効率を高めるため、各層の界面をできるだけ明
確にする必要があること等から、下層を実質的に溶解し
ない溶剤を用いることが好ましいが、本発明に用いられ
る置換ケイ素基を持つ化合物を下層に用いる場合のよう
に、下層が三次元架橋されている層であれば、下層の表
面は溶剤に対する耐性が高いため、塗工に用いる溶剤は
広範な範囲の中から選択が可能である。
所望の濃度で溶剤に溶解し、スピンコートやディップコ
ート、インクジェットなどの方法により塗布する。この
場合、各層を重ね塗りすることにより、下層が溶解して
しまうのを避ける必要があること、あるいは、正孔・電
子の注入効率を高めるため、各層の界面をできるだけ明
確にする必要があること等から、下層を実質的に溶解し
ない溶剤を用いることが好ましいが、本発明に用いられ
る置換ケイ素基を持つ化合物を下層に用いる場合のよう
に、下層が三次元架橋されている層であれば、下層の表
面は溶剤に対する耐性が高いため、塗工に用いる溶剤は
広範な範囲の中から選択が可能である。
【0043】2.加水分解性基を有する置換ケイ素基を
持つ化合物を含む場合の層形成本発明においては、前記
の正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、及び電子輸
送層6のうち、少なくとも1層が、加水分解性基を有す
る置換ケイ素基を持つ化合物、または、その誘導体を含
む架橋硬化膜からなる層であり、かつ、前記加水分解性
基を有する置換ケイ素基を持つ化合物の少なくとも1つ
が、下記一般式(I)で表される化合物である必要があ
る。
持つ化合物を含む場合の層形成本発明においては、前記
の正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、及び電子輸
送層6のうち、少なくとも1層が、加水分解性基を有す
る置換ケイ素基を持つ化合物、または、その誘導体を含
む架橋硬化膜からなる層であり、かつ、前記加水分解性
基を有する置換ケイ素基を持つ化合物の少なくとも1つ
が、下記一般式(I)で表される化合物である必要があ
る。
【0044】
【化5】
【0045】式中、Fは光機能性化合物から誘導される
有機基を表す。Dは2価の連結基を表す。R1は水素、
アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基を表し、
Qは加水分解性基を表す。aは1または2、bは1〜4
の整数、cは0または1である。
有機基を表す。Dは2価の連結基を表す。R1は水素、
アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基を表し、
Qは加水分解性基を表す。aは1または2、bは1〜4
の整数、cは0または1である。
【0046】ここで、加水分解性基を有する置換ケイ素
基を持つ化合物とは、加水分解性基を有する置換ケイ素
基を1つ以上有する化合物であり、該化合物、または、
その誘導体を含む架橋硬化膜とは、それら化合物の少な
くとも1種以上、またはその誘導体を含有する架橋硬化
膜である。
基を持つ化合物とは、加水分解性基を有する置換ケイ素
基を1つ以上有する化合物であり、該化合物、または、
その誘導体を含む架橋硬化膜とは、それら化合物の少な
くとも1種以上、またはその誘導体を含有する架橋硬化
膜である。
【0047】架橋硬化膜を構成する加水分解性基を有す
る置換ケイ素基においては、一般式(I)におけるaが
1または2、すなわち加水分解性基Qが1つまたは2つ
であり、aが2であることが好ましい。aが1未満、す
なわち0の場合は、加水分解性基Qが存在しなくなるた
め、架橋構造が形成されなくなってしまう。aが2を越
える、すなわち3の場合は、Siに3つの加水分解性基
Qが存在することとなり、架橋反応後もシラノール基の
残存が起こりやすい。従って、aが2である場合が、塗
膜を適度に架橋し、残存シラノール基を低減するといっ
た観点から、最もバランスのとれた構造となる。
る置換ケイ素基においては、一般式(I)におけるaが
1または2、すなわち加水分解性基Qが1つまたは2つ
であり、aが2であることが好ましい。aが1未満、す
なわち0の場合は、加水分解性基Qが存在しなくなるた
め、架橋構造が形成されなくなってしまう。aが2を越
える、すなわち3の場合は、Siに3つの加水分解性基
Qが存在することとなり、架橋反応後もシラノール基の
残存が起こりやすい。従って、aが2である場合が、塗
膜を適度に架橋し、残存シラノール基を低減するといっ
た観点から、最もバランスのとれた構造となる。
【0048】また、架橋硬化膜において、前述した残存
シラノール基の影響を最も少なくするためには、前記加
水分解性基を有する置換ケイ素基の全てが、一般式
(I)で表される基であることが好ましい。
シラノール基の影響を最も少なくするためには、前記加
水分解性基を有する置換ケイ素基の全てが、一般式
(I)で表される基であることが好ましい。
【0049】さらに、一般式(I)に表される化合物を
用いる場合には、塗膜の架橋度を高めるという観点か
ら、当該化合物の少なくとも1つが、分子内に2つ以上
の置換ケイ素基を有する、すなわち一般式(I)におけ
るbが、2以上の化合物であることが好ましい。
用いる場合には、塗膜の架橋度を高めるという観点か
ら、当該化合物の少なくとも1つが、分子内に2つ以上
の置換ケイ素基を有する、すなわち一般式(I)におけ
るbが、2以上の化合物であることが好ましい。
【0050】本発明においては、前記架橋膜を構成する
置換ケイ素基を持つ化合物自体が、正孔輸送性、発光
性、電子輸送性を有することが好ましく、そのため一般
式(I)におけるFは、正孔輸送能を有する基、または
電子輸送能を有する基であることが好ましい。特に、正
孔輸送能を有する基として具体的には、トリアリールア
ミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン
系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン
系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物
や、キノン系化合物、フルオレノン化合物、キサントン
系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化
合物、エチレン系化合物など光キャリア輸送特性を有す
る構造が挙げられる。電子輸送能を有する基として具体
的には、キノン系化合物、フルオレノン系化合物、キサ
ントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニ
ル系化合物、エチレン系化合物などから誘導される有機
基が挙げられる。
置換ケイ素基を持つ化合物自体が、正孔輸送性、発光
性、電子輸送性を有することが好ましく、そのため一般
式(I)におけるFは、正孔輸送能を有する基、または
電子輸送能を有する基であることが好ましい。特に、正
孔輸送能を有する基として具体的には、トリアリールア
ミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン
系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン
系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物
や、キノン系化合物、フルオレノン化合物、キサントン
系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化
合物、エチレン系化合物など光キャリア輸送特性を有す
る構造が挙げられる。電子輸送能を有する基として具体
的には、キノン系化合物、フルオレノン系化合物、キサ
ントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニ
ル系化合物、エチレン系化合物などから誘導される有機
基が挙げられる。
【0051】一般式(I)における−Si(R1)(3-a)
Qaは、加水分解性基を有する置換ケイ素基を表すが、
この置換ケイ素基は、Si基により、互いに架橋反応を
起こして、3次元的な Si−O−Si結合、すなわち
無機ガラス質ネットワークを形成するためのものであ
る。
Qaは、加水分解性基を有する置換ケイ素基を表すが、
この置換ケイ素基は、Si基により、互いに架橋反応を
起こして、3次元的な Si−O−Si結合、すなわち
無機ガラス質ネットワークを形成するためのものであ
る。
【0052】一般式(I)におけるDは、光電特性を付
与するためのFを、3次元的な無機ガラス質ネットワー
クに結合させるためのものである。当該Dで表される2
価の連結基は、Fで表される基とAで表される基とを直
接結合する場合には不要(一般式(I)におけるc=
0)であるが、堅さの反面、脆さも有する無機ガラス質
ネットワークに適度な可とう性を付与し、膜をアモルフ
ァス化して製膜性を向上させるという働きを有する。ま
た、Dで表される連結基を有する場合には、一般式
(I)で表される化合物の溶解性、相溶性が向上すると
いう利点もある。
与するためのFを、3次元的な無機ガラス質ネットワー
クに結合させるためのものである。当該Dで表される2
価の連結基は、Fで表される基とAで表される基とを直
接結合する場合には不要(一般式(I)におけるc=
0)であるが、堅さの反面、脆さも有する無機ガラス質
ネットワークに適度な可とう性を付与し、膜をアモルフ
ァス化して製膜性を向上させるという働きを有する。ま
た、Dで表される連結基を有する場合には、一般式
(I)で表される化合物の溶解性、相溶性が向上すると
いう利点もある。
【0053】具体的には、nを1から15の整数とした
場合の −CnH2n−、−CnH(2n-2 )−、−CnH(2n-4)
−で表される2価の炭化水素基、−COO−、−S−、
−O−、−CH2−C6H4−、−N=CH−、−(C6H
4)−(C6H4)−、及びこれらの組み合わせや、置換
基を導入したものなどが使用される。
場合の −CnH2n−、−CnH(2n-2 )−、−CnH(2n-4)
−で表される2価の炭化水素基、−COO−、−S−、
−O−、−CH2−C6H4−、−N=CH−、−(C6H
4)−(C6H4)−、及びこれらの組み合わせや、置換
基を導入したものなどが使用される。
【0054】一般式(I)で示される化合物の中で、F
が一般式(II)で表される化合物は、特に優れた正孔輸
送性と機械的特性とを示すため好ましい。
が一般式(II)で表される化合物は、特に優れた正孔輸
送性と機械的特性とを示すため好ましい。
【0055】
【化6】
【0056】一般式(II)中、Ar1〜Ar4は、それぞ
れ独立に置換若しくは未置換のアリール基を表し、Ar
5は、置換若しくは未置換のアリール基またはアリーレ
ン基を表す。但し、Ar1〜Ar5のうち1〜4個は、前
記一般式(I)中の−D−Si(R1)(3-a)Qaで表さ
れる結合基と結合可能な結合手を有する。kは0または
1を表す。
れ独立に置換若しくは未置換のアリール基を表し、Ar
5は、置換若しくは未置換のアリール基またはアリーレ
ン基を表す。但し、Ar1〜Ar5のうち1〜4個は、前
記一般式(I)中の−D−Si(R1)(3-a)Qaで表さ
れる結合基と結合可能な結合手を有する。kは0または
1を表す。
【0057】一般式(II)中、Ar1〜Ar4として具体
的には、下記構造群1に挙げられるものが好ましい。
的には、下記構造群1に挙げられるものが好ましい。
【0058】
【化7】
【0059】上記構造群1中、Arとしては、下記構造
群2に挙げられるものが好ましい。
群2に挙げられるものが好ましい。
【0060】
【化8】
【0061】また、前記構造群1中、Z’は下記構造群
3に挙げられるものが好ましい。
3に挙げられるものが好ましい。
【0062】
【化9】
【0063】ここで、R6 は、水素、炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のアルキル基若しくは炭素数1
〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、または未
置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基を表
す。R7〜R13は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、若しくは炭素数1〜4の
アルコキシ基で置換されたフェニル基、または未置換の
フェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、ハロゲン
を表す。m及びsはそれぞれ独立に0または1を表し、
q及びrはそれぞれ独立に1〜10の整数、t、t’は
それぞれ独立に1〜3の整数を表す。ここで、Xは一般
式(I)の定義で既に示した−D−Si(R1)(3-a)Q
aと同様である。
ルキル基、炭素数1〜4のアルキル基若しくは炭素数1
〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、または未
置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基を表
す。R7〜R13は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、若しくは炭素数1〜4の
アルコキシ基で置換されたフェニル基、または未置換の
フェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、ハロゲン
を表す。m及びsはそれぞれ独立に0または1を表し、
q及びrはそれぞれ独立に1〜10の整数、t、t’は
それぞれ独立に1〜3の整数を表す。ここで、Xは一般
式(I)の定義で既に示した−D−Si(R1)(3-a)Q
aと同様である。
【0064】また、前記構造群3中、Wは下記構造群4
に挙げられるものが好ましい。
に挙げられるものが好ましい。
【0065】
【化10】
【0066】ここで、s’は0〜3の整数を表す。
【0067】一般式(II)におけるAr5の具体的構造
としては、k=0の時は、前記Ar1〜Ar4のm=1の
構造が、k=1の時は、前記Ar1〜Ar4のm=0の構
造が挙げられる。一般式(II)の化合物の具体例を、各
置換基を特定することで表1〜17に示すが、これらに
限定されるものではない。なお、表中Meはメチル基、
Etはエチル基、Phはフェニル基、iPrはイソプロ
ピル基を表す。
としては、k=0の時は、前記Ar1〜Ar4のm=1の
構造が、k=1の時は、前記Ar1〜Ar4のm=0の構
造が挙げられる。一般式(II)の化合物の具体例を、各
置換基を特定することで表1〜17に示すが、これらに
限定されるものではない。なお、表中Meはメチル基、
Etはエチル基、Phはフェニル基、iPrはイソプロ
ピル基を表す。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】
【表7】
【0075】
【表8】
【0076】
【表9】
【0077】
【表10】
【0078】
【表11】
【0079】
【表12】
【0080】
【表13】
【0081】
【表14】
【0082】
【表15】
【0083】
【表16】
【0084】
【表17】
【0085】なお、前記化合物は主として正孔注入層、
正孔輸送層材料として用いられるものであるが、例示化
合物83、87等は発光層材料としても用いることがで
きるものである。
正孔輸送層材料として用いられるものであるが、例示化
合物83、87等は発光層材料としても用いることがで
きるものである。
【0086】一方、一般式(I)で表される化合物のう
ち、発光層材料、電子輸送層材料として用いることがで
きるものの具体例を、表18にまとめて示す。これらの
うち、例示化合物103、104、107、109は発
光層材料として用いることができる材料である。また、
例示化合物105、106、111、112は電子輸送
層材料として用いることができる材料である。なお、例
示化合物108、110、113は発光層材料、電子注
入・発光層材料としても、電子輸送層材料としても用い
ることができる。
ち、発光層材料、電子輸送層材料として用いることがで
きるものの具体例を、表18にまとめて示す。これらの
うち、例示化合物103、104、107、109は発
光層材料として用いることができる材料である。また、
例示化合物105、106、111、112は電子輸送
層材料として用いることができる材料である。なお、例
示化合物108、110、113は発光層材料、電子注
入・発光層材料としても、電子輸送層材料としても用い
ることができる。
【0087】
【表18】
【0088】本発明における有機EL素子は、有機物薄
膜層のうち少なくとも1層が、加水分解性基を有する置
換ケイ素基を持つ化合物、または、その誘導体からなる
架橋硬化膜からなるものであるが、全ての層が当該架橋
硬化膜からなるものであってもよい。一方、全ての層が
当該架橋硬化膜からなるものでない場合は、少なくとも
当該架橋硬化膜からなる層は、溶液塗布により形成され
る層の下層であることが好ましい。例えば、図1におい
て、発光層5が溶液塗布により形成される場合の正孔注
入層3等である。特に、当該架橋硬化膜の下層が、蒸着
により形成されている場合には、当該架橋硬化膜を蒸着
層の表面に形成することで蒸着層表面の凹凸が平滑化さ
れるのに加え、当該架橋硬化膜表面にさらに溶液塗布膜
を形成しても、該塗布膜表面でも平滑性が維持されると
いう利点がある。
膜層のうち少なくとも1層が、加水分解性基を有する置
換ケイ素基を持つ化合物、または、その誘導体からなる
架橋硬化膜からなるものであるが、全ての層が当該架橋
硬化膜からなるものであってもよい。一方、全ての層が
当該架橋硬化膜からなるものでない場合は、少なくとも
当該架橋硬化膜からなる層は、溶液塗布により形成され
る層の下層であることが好ましい。例えば、図1におい
て、発光層5が溶液塗布により形成される場合の正孔注
入層3等である。特に、当該架橋硬化膜の下層が、蒸着
により形成されている場合には、当該架橋硬化膜を蒸着
層の表面に形成することで蒸着層表面の凹凸が平滑化さ
れるのに加え、当該架橋硬化膜表面にさらに溶液塗布膜
を形成しても、該塗布膜表面でも平滑性が維持されると
いう利点がある。
【0089】また、有機物薄膜層が複数である場合に
は、上記架橋硬化膜からなる層が2層以上含まれること
が好ましい。例えば、図2における正孔注入層3と正孔
輸送層4とである。この場合、特に全層が溶液塗布によ
り形成される場合には、正孔注入層3のみが当該架橋硬
化膜からなる層であると、塗布により正孔輸送層4表面
に発光層5を形成することが困難になるばかりでなく、
形成できても正孔輸送層4と発光層5との界面が不明確
となるため、EL素子としての十分な輝度、耐久性が得
られない場合がある。
は、上記架橋硬化膜からなる層が2層以上含まれること
が好ましい。例えば、図2における正孔注入層3と正孔
輸送層4とである。この場合、特に全層が溶液塗布によ
り形成される場合には、正孔注入層3のみが当該架橋硬
化膜からなる層であると、塗布により正孔輸送層4表面
に発光層5を形成することが困難になるばかりでなく、
形成できても正孔輸送層4と発光層5との界面が不明確
となるため、EL素子としての十分な輝度、耐久性が得
られない場合がある。
【0090】従って、前記2層以上が置換ケイ素基を持
つ化合物を含む架橋硬化膜からなるという場合の当該2
層は、基板表面に順次層形成するときの、少なくとも基
板側からの2層であることが好ましい。
つ化合物を含む架橋硬化膜からなるという場合の当該2
層は、基板表面に順次層形成するときの、少なくとも基
板側からの2層であることが好ましい。
【0091】本発明に用いられる一般式(I)で表され
る化合物は、単独で正孔注入層、発光層等を形成できる
ものであるが、キャリアの注入・輸送効率、発光効率を
高める等の目的で、前記公知の正孔注入・輸送層または
発光・電子輸送層材料を混合(ドープ)して用いること
ができる。この場合、前記公知の正孔注入・輸送層また
は発光・電子輸送層材料の質量Aと一般式(I)で表さ
れる化合物の質量Bとの質量比(A:B)は、正孔注入
・輸送層においては90:10〜0:100であること
が好ましく、70:30〜0:100であることがより
好ましい。発光・電子輸送層においては95:5〜0:
100であることが好ましく、70:30〜0:100
であることがより好ましい。
る化合物は、単独で正孔注入層、発光層等を形成できる
ものであるが、キャリアの注入・輸送効率、発光効率を
高める等の目的で、前記公知の正孔注入・輸送層または
発光・電子輸送層材料を混合(ドープ)して用いること
ができる。この場合、前記公知の正孔注入・輸送層また
は発光・電子輸送層材料の質量Aと一般式(I)で表さ
れる化合物の質量Bとの質量比(A:B)は、正孔注入
・輸送層においては90:10〜0:100であること
が好ましく、70:30〜0:100であることがより
好ましい。発光・電子輸送層においては95:5〜0:
100であることが好ましく、70:30〜0:100
であることがより好ましい。
【0092】また、一般式(I)で表される化合物と共
に硬化可能であれば、各層の結着樹脂として他の樹脂を
混合することができる。用いられる樹脂としては特に制
限はないが、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹
脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン
樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられ
る。
に硬化可能であれば、各層の結着樹脂として他の樹脂を
混合することができる。用いられる樹脂としては特に制
限はないが、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹
脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン
樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられ
る。
【0093】さらに、一般式(I)で表される化合物
は、成膜性、可とう性を調整するなどの目的から、他の
カップリング剤、フッ素化合物などを混合して用いても
よい。このような化合物として、各種シランカップリン
グ剤、及び市販のシリコーン系ハードコート剤を用いる
ことができる。
は、成膜性、可とう性を調整するなどの目的から、他の
カップリング剤、フッ素化合物などを混合して用いても
よい。このような化合物として、各種シランカップリン
グ剤、及び市販のシリコーン系ハードコート剤を用いる
ことができる。
【0094】前記シランカップリング剤としては、ビニ
ルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキ
シシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメト
キシシラン、等を用いることができる。市販のシリコー
ン系ハードコート剤としては、KP−85、X−40−
9740、X−40−2239 (以上、信越シリコー
ン社製)、及びAY42−440、AY42−441、
AY49−208 (以上、東レダウコーニング社
製)、などを用いることができる。また、撥水性などの
付与のために、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−
テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,
3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、
3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエ
トキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロ
アルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H
−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1
H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシ
ラン、などの含フッ素化合物を加えてもよい。
ルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキ
シシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメト
キシシラン、等を用いることができる。市販のシリコー
ン系ハードコート剤としては、KP−85、X−40−
9740、X−40−2239 (以上、信越シリコー
ン社製)、及びAY42−440、AY42−441、
AY49−208 (以上、東レダウコーニング社
製)、などを用いることができる。また、撥水性などの
付与のために、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−
テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,
3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、
3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエ
トキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロ
アルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H
−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1
H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシ
ラン、などの含フッ素化合物を加えてもよい。
【0095】シランカップリング剤は任意の量で使用で
きるが、含フッ素化合物の量は、フッ素を含まない化合
物に対して10質量%以下とすることが望ましい。これ
を越えると、架橋硬化膜の成膜性に問題が生じる場合が
ある。
きるが、含フッ素化合物の量は、フッ素を含まない化合
物に対して10質量%以下とすることが望ましい。これ
を越えると、架橋硬化膜の成膜性に問題が生じる場合が
ある。
【0096】その他、必要に応じてチタンキレート化合
物、チタネートカップリング剤などの有機チタン化合
物;アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップ
リング剤などの有機アルミニウム化合物;アンチモンア
ルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化
合物などの有機金属化合物等を使用することができる。
物、チタネートカップリング剤などの有機チタン化合
物;アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップ
リング剤などの有機アルミニウム化合物;アンチモンア
ルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化
合物などの有機金属化合物等を使用することができる。
【0097】これらのコーティング液の調製は、無溶媒
で行うか、必要に応じてメタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、
ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等が使用
できるが、好ましくは沸点が100℃以下のものであ
り、任意に混合しての使用もできる。溶剤量は任意に設
定できるが、少なすぎると一般式(I)で表される化合
物が析出しやすくなるため、一般式(I)で表される化
合物1質量部に対し0.5〜30質量部、好ましくは1
〜20質量部で使用される。
で行うか、必要に応じてメタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、
ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等が使用
できるが、好ましくは沸点が100℃以下のものであ
り、任意に混合しての使用もできる。溶剤量は任意に設
定できるが、少なすぎると一般式(I)で表される化合
物が析出しやすくなるため、一般式(I)で表される化
合物1質量部に対し0.5〜30質量部、好ましくは1
〜20質量部で使用される。
【0098】コーティング液調製においては、−Si
(R1)(3-a)Qaをあらかじめ加水分解し、−Si
(R1)(3-a)(OH)aとする目的で、一般式(I)の
化合物と、必要に応じてその他の化合物と、を固体触媒
に接触させて反応させるが、反応温度及び時間は原料の
種類によっても異なり、通常は0〜100℃で行われ、
10〜70℃で行うことがより好ましく、15〜50℃
の温度で行うことが特に好ましい。反応時間に特に制限
はないが、反応時間が長くなるとゲル化を生じ易くなる
ため、10分から100時間の範囲で行うことが好まし
い。
(R1)(3-a)Qaをあらかじめ加水分解し、−Si
(R1)(3-a)(OH)aとする目的で、一般式(I)の
化合物と、必要に応じてその他の化合物と、を固体触媒
に接触させて反応させるが、反応温度及び時間は原料の
種類によっても異なり、通常は0〜100℃で行われ、
10〜70℃で行うことがより好ましく、15〜50℃
の温度で行うことが特に好ましい。反応時間に特に制限
はないが、反応時間が長くなるとゲル化を生じ易くなる
ため、10分から100時間の範囲で行うことが好まし
い。
【0099】一般式(I)で表される化合物と結合可能
な基を有するポリマーを添加する場合、固体触媒と上記
ポリマーとが同時に存在すると著しくゲル化を促進し、
コーティングが困難となる場合があるため、固体触媒を
除去した後に添加することが好ましい。このような固体
触媒は、触媒成分が一般式(I)の化合物溶液、その他
の化合物、溶媒等のいずれにも不溶であるものであれ
ば、特に限定されない。系に不溶な固体触媒としては、
以下のような触媒を用い、あらかじめ加水分解すること
ができる。
な基を有するポリマーを添加する場合、固体触媒と上記
ポリマーとが同時に存在すると著しくゲル化を促進し、
コーティングが困難となる場合があるため、固体触媒を
除去した後に添加することが好ましい。このような固体
触媒は、触媒成分が一般式(I)の化合物溶液、その他
の化合物、溶媒等のいずれにも不溶であるものであれ
ば、特に限定されない。系に不溶な固体触媒としては、
以下のような触媒を用い、あらかじめ加水分解すること
ができる。
【0100】・陽イオン交換樹脂:アンバーライト1
5、アンバーライト200C、アンバーリスト15(以
上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMW
C−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−
W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC
−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル
社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社
製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26
−C、デュオライトC−433、デュオライト−464
(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポ
ン社製)など。 ・陰イオン交換樹脂:アンバーライトIRA−400、
アンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・
ハース社製)など。 プロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機
固体:Zr(O3 PCH 2 CH2 SO3H)2、Th(O
3PCH2CH2COOH)2など。 ・プロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン:ス
ルホン酸基を有するポリオルガノシロキサンなど。 ・ヘテロポリ酸:コバルトタングステン酸、リンモリブ
デン酸など。 ・イソポリ酸:ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸な
ど。 ・単元系金属酸化物:シリカゲル、アルミナ、クロミ
ア、ジルコニア、CaO、MgOなど。 ・複合系金属酸化物:シリカ−アルミナ、シリカ−マグ
ネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類など。 ・粘土鉱物:酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、
カオリナイトなど。 ・金属硫酸塩:LiSO4、MgSO4など。 ・金属リン酸塩:リン酸ジルコニア、リン酸ランタンな
ど。 ・金属硝酸塩:LiNO3、Mn(NO3)2など。 ・アミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固
体:シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシラン
を反応させて得られた固体など。 ・アミノ基を含有するポリオルガノシロキサン:アミノ
変性シリコーン樹脂など。
5、アンバーライト200C、アンバーリスト15(以
上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMW
C−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−
W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC
−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル
社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社
製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26
−C、デュオライトC−433、デュオライト−464
(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポ
ン社製)など。 ・陰イオン交換樹脂:アンバーライトIRA−400、
アンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・
ハース社製)など。 プロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機
固体:Zr(O3 PCH 2 CH2 SO3H)2、Th(O
3PCH2CH2COOH)2など。 ・プロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン:ス
ルホン酸基を有するポリオルガノシロキサンなど。 ・ヘテロポリ酸:コバルトタングステン酸、リンモリブ
デン酸など。 ・イソポリ酸:ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸な
ど。 ・単元系金属酸化物:シリカゲル、アルミナ、クロミ
ア、ジルコニア、CaO、MgOなど。 ・複合系金属酸化物:シリカ−アルミナ、シリカ−マグ
ネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類など。 ・粘土鉱物:酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、
カオリナイトなど。 ・金属硫酸塩:LiSO4、MgSO4など。 ・金属リン酸塩:リン酸ジルコニア、リン酸ランタンな
ど。 ・金属硝酸塩:LiNO3、Mn(NO3)2など。 ・アミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固
体:シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシラン
を反応させて得られた固体など。 ・アミノ基を含有するポリオルガノシロキサン:アミノ
変性シリコーン樹脂など。
【0101】これらの触媒のうち、少なくとも1種を用
いて加水分解縮合反応を行わせる。これらの触媒を固定
床中に設置し、反応を流通式で行うこともできるし、バ
ッチ式で行うこともできる。触媒の使用量は、特に限定
されないが、加水分解性基を有する置換ケイ素基を持つ
化合物の合計量に対して、0.1〜20質量%であるこ
とが好ましい。
いて加水分解縮合反応を行わせる。これらの触媒を固定
床中に設置し、反応を流通式で行うこともできるし、バ
ッチ式で行うこともできる。触媒の使用量は、特に限定
されないが、加水分解性基を有する置換ケイ素基を持つ
化合物の合計量に対して、0.1〜20質量%であるこ
とが好ましい。
【0102】加水分解縮合させる際の水の添加量は、特
に限定されないが、生成物の保存安定性や、さらに重合
に供する際のゲル化抑制に影響するため、好ましくは、
一般式(I)で表される化合物の加水分解性基をすべて
加水分解するに必要な理論量に対して30〜500%、
さらに50〜300%の範囲とすることが好ましい。水
の添加量が500%よりも多い場合、生成物の保存安定
性が悪くなったり、析出しやすくなる。一方、水の添加
量が30%より少ない場合、未反応物が増大してコーテ
ィング液塗布時、硬化時に相分離を起こしたり、塗膜の
強度低下を起こしやすい。
に限定されないが、生成物の保存安定性や、さらに重合
に供する際のゲル化抑制に影響するため、好ましくは、
一般式(I)で表される化合物の加水分解性基をすべて
加水分解するに必要な理論量に対して30〜500%、
さらに50〜300%の範囲とすることが好ましい。水
の添加量が500%よりも多い場合、生成物の保存安定
性が悪くなったり、析出しやすくなる。一方、水の添加
量が30%より少ない場合、未反応物が増大してコーテ
ィング液塗布時、硬化時に相分離を起こしたり、塗膜の
強度低下を起こしやすい。
【0103】硬化の際には、所望により硬化触媒を添加
することができる。硬化触媒としては、塩酸、酢酸、リ
ン酸、硫酸などのプロトン酸;アンモニア、トリエチル
アミン等の塩基;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫
ジオクトエート、オクエ酸第一錫等の有機錫化合物;テ
トラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタ
ネート等の有機チタン化合物;アルミニウムトリブトキ
シド、アルミニウムトリアセチルアセトナート等の有機
アルミニウム化合物;有機カルボン酸の鉄塩、マンガン
塩、コバルト塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩等が挙げられ
るが、保存安定性の点で金属化合物が好ましく、さら
に、金属のアセチルアセトナート、あるいは、アセチル
アセテートが好ましい。硬化触媒の使用量は任意に設定
できるが、保存安定性、特性、強度などの点で加水分解
性基を有する置換ケイ素基を持つ化合物の合計量に対し
て0.1〜20質量%であることが好ましく、0.3〜
10質量%であることがより好ましい。
することができる。硬化触媒としては、塩酸、酢酸、リ
ン酸、硫酸などのプロトン酸;アンモニア、トリエチル
アミン等の塩基;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫
ジオクトエート、オクエ酸第一錫等の有機錫化合物;テ
トラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタ
ネート等の有機チタン化合物;アルミニウムトリブトキ
シド、アルミニウムトリアセチルアセトナート等の有機
アルミニウム化合物;有機カルボン酸の鉄塩、マンガン
塩、コバルト塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩等が挙げられ
るが、保存安定性の点で金属化合物が好ましく、さら
に、金属のアセチルアセトナート、あるいは、アセチル
アセテートが好ましい。硬化触媒の使用量は任意に設定
できるが、保存安定性、特性、強度などの点で加水分解
性基を有する置換ケイ素基を持つ化合物の合計量に対し
て0.1〜20質量%であることが好ましく、0.3〜
10質量%であることがより好ましい。
【0104】硬化温度は、任意に設定できるが、所望の
強度を得るためには60℃以上、より好ましくは80℃
以上に設定される。硬化時間は、必要に応じて任意に設
定できるが、10分〜5時間が好ましい。また、硬化反
応を行ったのち、高湿度状態に保ち、特性の安定化を図
ることも有効である。さらに、用途によっては、ヘキサ
メチルジシラザンや、トリメチルクロロシランなどを用
いて表面処理を行い、疎水化することもできる。
強度を得るためには60℃以上、より好ましくは80℃
以上に設定される。硬化時間は、必要に応じて任意に設
定できるが、10分〜5時間が好ましい。また、硬化反
応を行ったのち、高湿度状態に保ち、特性の安定化を図
ることも有効である。さらに、用途によっては、ヘキサ
メチルジシラザンや、トリメチルクロロシランなどを用
いて表面処理を行い、疎水化することもできる。
【0105】−陰極−
陰極7として用いられる材料は、前記陽極2に使用され
る材料を用いることが可能であるが、効率よく電子注入
を行うには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マ
グネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、
銀等の適当な金属、またはそれらの合金が用いられる。
具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム
−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低
仕事関数合金電極が挙げられる。
る材料を用いることが可能であるが、効率よく電子注入
を行うには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マ
グネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、
銀等の適当な金属、またはそれらの合金が用いられる。
具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム
−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低
仕事関数合金電極が挙げられる。
【0106】陰極7の形成は、陽極2と同様の方法によ
り行うことができる。また、膜厚についても、通常、陽
極2と同程度である。
り行うことができる。また、膜厚についても、通常、陽
極2と同程度である。
【0107】低仕事関数金属から成る陰極7を保護する
目的で、この表面にさらに、仕事関数が高く、大気に対
して安定な金属層を積層することは、素子の安定性を増
すために有効である。この目的のために、アルミニウ
ム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使
われる。さらに、陰極7と発光層5または電子輸送層6
との界面に、LiF、MgF2、Li2O等の極薄絶縁膜
(0.1〜5nm)を挿入することも、素子の効率を向
上させる有効な方法である(Appl.Phys.Le
tt.,70,152,(1997))、特開平10−
74586号公報、IEEE Trans.Elect
ron Devices,44,1245(199
7))。
目的で、この表面にさらに、仕事関数が高く、大気に対
して安定な金属層を積層することは、素子の安定性を増
すために有効である。この目的のために、アルミニウ
ム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使
われる。さらに、陰極7と発光層5または電子輸送層6
との界面に、LiF、MgF2、Li2O等の極薄絶縁膜
(0.1〜5nm)を挿入することも、素子の効率を向
上させる有効な方法である(Appl.Phys.Le
tt.,70,152,(1997))、特開平10−
74586号公報、IEEE Trans.Elect
ron Devices,44,1245(199
7))。
【0108】図1〜3は、本発明で採用される素子構造
の一例であって、本発明は、これらの構造に何ら限定さ
れるものではない。例えば、図1とは逆の構造、即ち、
基板1表面に陰極7、発光層5、正孔注入層3、陽極2
の順で積層することも可能であり、既述したように、少
なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に、本発明
の有機EL素子を設けることも可能である。同様に、図
2及び図3に示したものについても、前記各構成層を逆
の構造に積層することも可能である。さらに、この素子
の寿命を高めるため、樹脂あるいは金属等の材料で素子
全体を封じ、大気や水から保護する封止層を形成するこ
とや、素子自体を真空系中で動作させる構造とすること
も可能である。
の一例であって、本発明は、これらの構造に何ら限定さ
れるものではない。例えば、図1とは逆の構造、即ち、
基板1表面に陰極7、発光層5、正孔注入層3、陽極2
の順で積層することも可能であり、既述したように、少
なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に、本発明
の有機EL素子を設けることも可能である。同様に、図
2及び図3に示したものについても、前記各構成層を逆
の構造に積層することも可能である。さらに、この素子
の寿命を高めるため、樹脂あるいは金属等の材料で素子
全体を封じ、大気や水から保護する封止層を形成するこ
とや、素子自体を真空系中で動作させる構造とすること
も可能である。
【0109】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下の説明において、「部」はすべて「質量部」を
意味する。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下の説明において、「部」はすべて「質量部」を
意味する。
【0110】−合成例1〔例示化合物113〕−
下記実施例6及び7で用いた例示化合物113は、以下
のようにして得た。容量1lのフラスコに、下記構造式
(B)で示される化合物64g、炭酸カリウム28g、
3−ヨードプロピルメチルジイソプロポキシシラン68
g、及びN,N−ジメチルホルムアミド700mlを入
れ、窒素気流下、90℃で4時間加熱攪拌した。反応終
了後、5lの水に上記反応液を注ぎ、トルエンで抽出し
た後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。これをシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーにて精製し、下記構造式
(113)で示される化合物を54g得た。この化合物
の赤外吸収(IR)スペクトルを図4に示す。
のようにして得た。容量1lのフラスコに、下記構造式
(B)で示される化合物64g、炭酸カリウム28g、
3−ヨードプロピルメチルジイソプロポキシシラン68
g、及びN,N−ジメチルホルムアミド700mlを入
れ、窒素気流下、90℃で4時間加熱攪拌した。反応終
了後、5lの水に上記反応液を注ぎ、トルエンで抽出し
た後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。これをシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーにて精製し、下記構造式
(113)で示される化合物を54g得た。この化合物
の赤外吸収(IR)スペクトルを図4に示す。
【0111】
【化11】
【0112】(実施例1)まず、厚さ150nmのIT
O膜を設けたガラス基板を用意し、プラズマ洗浄機(B
P1、サムコインターナショナル社製)を用い、酸素プ
ラズマにて30秒間洗浄した。例示化合物 (81)1
部を、イソプロピルアルコール5部、テトラヒドロフラ
ン3部、及び蒸留水0.2部の混合液に溶解させ、イオ
ン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.5部を加え、
室温で攪拌し、24時間加水分解を行った。イオン交換
樹脂をろ過した後、アルミニウムトリスアセチルアセト
ナート0.05部を加え、溶解した。この溶液を、回転
数300rpmで前記ガラス基板表面にスピンコートし
た後、170℃で1時間加熱し、硬化することにより、
膜厚150nm(触針膜厚計にて測定)の正孔注入輸送
層を形成した。次に、この正孔注入輸送層表面に、発光
層の材料として、トリス(8−ヒドロキシキノリン)ア
ルミニウム(Alq)を50nmの厚さに真空蒸着した
後、発光層表面にマグネシウム・銀合金電極を200n
mの厚さに蒸着し、有機EL素子1を作製した。
O膜を設けたガラス基板を用意し、プラズマ洗浄機(B
P1、サムコインターナショナル社製)を用い、酸素プ
ラズマにて30秒間洗浄した。例示化合物 (81)1
部を、イソプロピルアルコール5部、テトラヒドロフラ
ン3部、及び蒸留水0.2部の混合液に溶解させ、イオ
ン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.5部を加え、
室温で攪拌し、24時間加水分解を行った。イオン交換
樹脂をろ過した後、アルミニウムトリスアセチルアセト
ナート0.05部を加え、溶解した。この溶液を、回転
数300rpmで前記ガラス基板表面にスピンコートし
た後、170℃で1時間加熱し、硬化することにより、
膜厚150nm(触針膜厚計にて測定)の正孔注入輸送
層を形成した。次に、この正孔注入輸送層表面に、発光
層の材料として、トリス(8−ヒドロキシキノリン)ア
ルミニウム(Alq)を50nmの厚さに真空蒸着した
後、発光層表面にマグネシウム・銀合金電極を200n
mの厚さに蒸着し、有機EL素子1を作製した。
【0113】上記有機EL素子1のITO電極を陽極と
し、マグネシウム・銀合金電極を陰極として、直流10
Vを印加し、輝度を測定した。また、初期輝度が100
cd/m2となるように電圧を設定し、その電圧を維持
した時の、輝度が80cd/m2に低下するまでの時間
と、その際のダークスポットの発生状況を調べた。な
お、輝度の測定は、室温下で行った。結果を表19に示
す。
し、マグネシウム・銀合金電極を陰極として、直流10
Vを印加し、輝度を測定した。また、初期輝度が100
cd/m2となるように電圧を設定し、その電圧を維持
した時の、輝度が80cd/m2に低下するまでの時間
と、その際のダークスポットの発生状況を調べた。な
お、輝度の測定は、室温下で行った。結果を表19に示
す。
【0114】(実施例2)例示化合物(75)0.5部
及び例示化合物(103)0.01部を、イソプロピル
アルコール5部、テトラヒドロフラン3部、及び蒸留水
0.1部の混合液に溶解させ、イオン交換樹脂(アンバ
ーリスト15E)0.1部を加え、室温で攪拌し、24
時間加水分解を行った。イオン交換樹脂をろ過した後、
アルミニウムトリスアセチルアセトナート0.01部を
加え、溶解した。実施例1と同様に、正孔注入輸送層ま
で作製したガラス基板を用い、前記溶液を回転数300
rpmで正孔注入輸送層表面にスピンコートした後、1
70℃で1時間加熱し、硬化することにより、膜厚50
nm(触針膜厚計にて測定)の発光層を形成した。次
に、この発光層表面にトリス(8−ヒドロキシキノリ
ン)アルミニウム(Alq)を50nmの厚さに真空蒸
着し、電子輸送層を形成した。さらにこの電子輸送層表
面にマグネシウム・銀合金電極を200nmの厚さに蒸
着し、有機EL素子2を作製した。
及び例示化合物(103)0.01部を、イソプロピル
アルコール5部、テトラヒドロフラン3部、及び蒸留水
0.1部の混合液に溶解させ、イオン交換樹脂(アンバ
ーリスト15E)0.1部を加え、室温で攪拌し、24
時間加水分解を行った。イオン交換樹脂をろ過した後、
アルミニウムトリスアセチルアセトナート0.01部を
加え、溶解した。実施例1と同様に、正孔注入輸送層ま
で作製したガラス基板を用い、前記溶液を回転数300
rpmで正孔注入輸送層表面にスピンコートした後、1
70℃で1時間加熱し、硬化することにより、膜厚50
nm(触針膜厚計にて測定)の発光層を形成した。次
に、この発光層表面にトリス(8−ヒドロキシキノリ
ン)アルミニウム(Alq)を50nmの厚さに真空蒸
着し、電子輸送層を形成した。さらにこの電子輸送層表
面にマグネシウム・銀合金電極を200nmの厚さに蒸
着し、有機EL素子2を作製した。
【0115】上記有機EL素子2について、実施例1と
同様に評価を行った。結果を表19に示す。
同様に評価を行った。結果を表19に示す。
【0116】(実施例3)下記構造で示されるポリマー
CTP−1(分子量はスチレン換算の質量平均分子量
(Mw)で56000、モノマーの酸化電位は飽和カロ
メル電極(SCE)に対し0.79V)50mgと、ト
リス(4−ブロモフェニル)アンモニウムヘキサクロロ
アンチモネート(TBAHA)5mgと、をジクロロメ
タン1mlに溶解した。この溶液を、実施例1で用いた
洗浄後のガラス基板の表面に回転数1000rpmでス
ピンコートした後、120℃で1時間加熱し、膜厚70
0nm(触針膜厚計にて測定)の正孔注入輸送層を形成
した。さらに、実施例2と同様にして、この表面に発光
層、電子輸送層、陰極を形成し、有機EL素子3を作製
した。
CTP−1(分子量はスチレン換算の質量平均分子量
(Mw)で56000、モノマーの酸化電位は飽和カロ
メル電極(SCE)に対し0.79V)50mgと、ト
リス(4−ブロモフェニル)アンモニウムヘキサクロロ
アンチモネート(TBAHA)5mgと、をジクロロメ
タン1mlに溶解した。この溶液を、実施例1で用いた
洗浄後のガラス基板の表面に回転数1000rpmでス
ピンコートした後、120℃で1時間加熱し、膜厚70
0nm(触針膜厚計にて測定)の正孔注入輸送層を形成
した。さらに、実施例2と同様にして、この表面に発光
層、電子輸送層、陰極を形成し、有機EL素子3を作製
した。
【0117】
【化12】
【0118】上記有機EL素子3について、実施例1と
同様に評価を行った。結果を表19に示す。
同様に評価を行った。結果を表19に示す。
【0119】(実施例4)ポリ[2−メトキシ−5−
(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビ
ニレン]10mgをジクロロメタン1mlに溶解した。
実施例1と同様に、正孔注入輸送層まで作成したガラス
基板を用い、前記溶液を回転数1000rpmで正孔注
入層表面にスピンコートした後、120℃で1時間加熱
し、膜厚60nmの発光層を形成した。さらにその表面
に、カルシウム電極を300nmの厚さに蒸着し、有機
EL素子4を作製した。
(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビ
ニレン]10mgをジクロロメタン1mlに溶解した。
実施例1と同様に、正孔注入輸送層まで作成したガラス
基板を用い、前記溶液を回転数1000rpmで正孔注
入層表面にスピンコートした後、120℃で1時間加熱
し、膜厚60nmの発光層を形成した。さらにその表面
に、カルシウム電極を300nmの厚さに蒸着し、有機
EL素子4を作製した。
【0120】上記有機EL素子4について、実施例1と
同様に評価を行った。結果を表19に示す。
同様に評価を行った。結果を表19に示す。
【0121】(実施例5)実施例3で用いたポリマー
(CTP−1)0.05gをジクロロメタン2mlに溶
解した。この溶液を実施例1で用いた洗浄後のガラス基
板表面に回転数1000rpmでスピンコートした後、
120℃で1時間加熱し、膜厚200nm(触針膜厚計
にて測定)の正孔注入輸送層を形成した。この表面に、
実施例2と同様にして発光層を形成し、さらにその表面
に、マグネシウム・銀合金電極を200nmの厚さに蒸
着し、有機EL素子5を作製した。
(CTP−1)0.05gをジクロロメタン2mlに溶
解した。この溶液を実施例1で用いた洗浄後のガラス基
板表面に回転数1000rpmでスピンコートした後、
120℃で1時間加熱し、膜厚200nm(触針膜厚計
にて測定)の正孔注入輸送層を形成した。この表面に、
実施例2と同様にして発光層を形成し、さらにその表面
に、マグネシウム・銀合金電極を200nmの厚さに蒸
着し、有機EL素子5を作製した。
【0122】上記有機EL素子5について、実施例1と
同様に評価を行った。結果を表19に示す。
同様に評価を行った。結果を表19に示す。
【0123】(実施例6)例示化合物(81)1部を、
イソプロピルアルコール5部、テトラヒドロフラン3
部、及び蒸留水0.2部の混合液に溶解させ、イオン交
換樹脂(アンバーリスト15E)0.5部を加え、室温
で攪拌し、24時間加水分解を行った。イオン交換樹脂
をろ過した後、アルミニウムトリスアセチルアセトナー
ト0.05部を加え、溶解した。この溶液を、実施例1
で用いた洗浄後のガラス基板の表面に回転数300rp
mでスピンコートしたのち、170℃で1時間加熱し、
硬化することにより、膜厚150nm(触針膜厚計にて
測定)の正孔注入輸送層を形成した。次に、前記例示化
合物(113)1部を、イソプロピルアルコール5部、
テトラヒドロフラン3部、蒸留水0.2部の混合液に溶
解させ、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.
5部を加え、室温で攪拌し、24時間加水分解を行っ
た。イオン交換樹脂をろ過した後、アルミニウムトリス
アセチルアセトナート0.05部を加え、溶解した。こ
の溶液を、前記正孔注入輸送層表面に回転数500rp
mでスピンコートしたのち、170℃で1時間加熱し、
硬化することにより、膜厚100nm(触針膜厚計にて
測定)の発光層を形成した。この発光層表面に、電子輸
送層の材料としてトリス(8-ヒドロキシキノリン)ア
ルミニウム(Alq)を50nmの厚さに真空蒸着した
のち、マグネシウム・銀合金陰極を200nmの厚さに
蒸着し、有機EL素子6を作製した。
イソプロピルアルコール5部、テトラヒドロフラン3
部、及び蒸留水0.2部の混合液に溶解させ、イオン交
換樹脂(アンバーリスト15E)0.5部を加え、室温
で攪拌し、24時間加水分解を行った。イオン交換樹脂
をろ過した後、アルミニウムトリスアセチルアセトナー
ト0.05部を加え、溶解した。この溶液を、実施例1
で用いた洗浄後のガラス基板の表面に回転数300rp
mでスピンコートしたのち、170℃で1時間加熱し、
硬化することにより、膜厚150nm(触針膜厚計にて
測定)の正孔注入輸送層を形成した。次に、前記例示化
合物(113)1部を、イソプロピルアルコール5部、
テトラヒドロフラン3部、蒸留水0.2部の混合液に溶
解させ、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.
5部を加え、室温で攪拌し、24時間加水分解を行っ
た。イオン交換樹脂をろ過した後、アルミニウムトリス
アセチルアセトナート0.05部を加え、溶解した。こ
の溶液を、前記正孔注入輸送層表面に回転数500rp
mでスピンコートしたのち、170℃で1時間加熱し、
硬化することにより、膜厚100nm(触針膜厚計にて
測定)の発光層を形成した。この発光層表面に、電子輸
送層の材料としてトリス(8-ヒドロキシキノリン)ア
ルミニウム(Alq)を50nmの厚さに真空蒸着した
のち、マグネシウム・銀合金陰極を200nmの厚さに
蒸着し、有機EL素子6を作製した。
【0124】上記有機EL素子6について、実施例1と
同様の評価を行った。結果を表19に示す。
同様の評価を行った。結果を表19に示す。
【0125】(実施例7)前記CPT−1を50mg
と、トリス(4-ブロモフェニル)アンモニウムヘキサ
クロロアンチモネート(TBAHA)5mgと、をジク
ロロメタン1mlに溶解した。この溶液を、実施例1で
用いた洗浄後のガラス基板の表面に回転数1000rp
mでスピンコートしたのち、120℃で1時間加熱し、
膜厚700nm(触針膜厚計にて測定)の正孔注入輸送
層を形成した。次に、前記例示化合物(113)1部
を、イソプロピルアルコール5部、テトラヒドロフラン
3部、蒸留水0.2部の混合液に溶解させ、イオン交換
樹脂(アンバーリスト15E)0.5部を加え、室温で
攪拌し、24時間加水分解を行った。イオン交換樹脂を
ろ過した後、アルミニウムトリスアセチルアセトナート
0.05部を加え、溶解した。この溶液を、前記正孔注
入輸送層表面に回転数700rpmでスピンコートした
のち、170℃で1時間加熱し、硬化することにより、
膜厚60nm(触針膜厚計にて測定)の電子注入・発光
層を形成した。この電子注入・発光層表面に、マグネシ
ウム・銀合金陰極を200nmの厚さに蒸着し、有機E
L素子7を作製した。
と、トリス(4-ブロモフェニル)アンモニウムヘキサ
クロロアンチモネート(TBAHA)5mgと、をジク
ロロメタン1mlに溶解した。この溶液を、実施例1で
用いた洗浄後のガラス基板の表面に回転数1000rp
mでスピンコートしたのち、120℃で1時間加熱し、
膜厚700nm(触針膜厚計にて測定)の正孔注入輸送
層を形成した。次に、前記例示化合物(113)1部
を、イソプロピルアルコール5部、テトラヒドロフラン
3部、蒸留水0.2部の混合液に溶解させ、イオン交換
樹脂(アンバーリスト15E)0.5部を加え、室温で
攪拌し、24時間加水分解を行った。イオン交換樹脂を
ろ過した後、アルミニウムトリスアセチルアセトナート
0.05部を加え、溶解した。この溶液を、前記正孔注
入輸送層表面に回転数700rpmでスピンコートした
のち、170℃で1時間加熱し、硬化することにより、
膜厚60nm(触針膜厚計にて測定)の電子注入・発光
層を形成した。この電子注入・発光層表面に、マグネシ
ウム・銀合金陰極を200nmの厚さに蒸着し、有機E
L素子7を作製した。
【0126】上記有機EL素子7について、実施例1と
同様の評価を行った。結果を表19に示す。
同様の評価を行った。結果を表19に示す。
【0127】(比較例1)実施例2において、例示化合
物 (75)を下記化合物(A)に代えて発光層を形成
した以外は、実施例2と同様にして有機EL素子を作製
し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表19に示
す。
物 (75)を下記化合物(A)に代えて発光層を形成
した以外は、実施例2と同様にして有機EL素子を作製
し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表19に示
す。
【0128】
【化13】
【0129】(比較例2)実施例5において、例示化合
物(75)を上記化合物(A)に代えて発光層を形成し
た以外は、実施例5と同様にして有機EL素子を作製
し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表19に示
す。
物(75)を上記化合物(A)に代えて発光層を形成し
た以外は、実施例5と同様にして有機EL素子を作製
し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表19に示
す。
【0130】
【表19】
【0131】
【発明の効果】以上により、本発明によれば、低電圧、
高発光効率で駆動させることができ、かつ良好な耐熱性
を有し、長期間に亘って安定な発光特性を維持すること
ができる、有機電界発光素子を提供することができる。
さらに、その有機電界発光素子を、溶液塗布による積層
で容易に得ることができる。
高発光効率で駆動させることができ、かつ良好な耐熱性
を有し、長期間に亘って安定な発光特性を維持すること
ができる、有機電界発光素子を提供することができる。
さらに、その有機電界発光素子を、溶液塗布による積層
で容易に得ることができる。
【図1】 本発明の有機電界発光素子の一例を示す拡大
断面図である。
断面図である。
【図2】 本発明の有機電界発光素子の一例を示す拡大
断面図である。
断面図である。
【図3】 本発明の有機電界発光素子の一例を示す拡大
断面図である。
断面図である。
【図4】 例示化合物113の赤外吸収スペクトルであ
る。
る。
1:基板
2:陽極
3:正孔注入層
4:正孔輸送層
5:発光層
6:電子輸送層
7:陰極
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
// C07F 7/18 C07F 7/18 W
Fターム(参考) 3K007 AB03 AB06 AB11 AB13 AB14
AB18 CB01 CB04 DB03 FA01
4H049 VN01 VP02 VQ21 VR22 VR42
VU20
4J035 BA11 CA01N CA01U CA061
CA07U CA201 CA221 CA261
HA02 HA03 HA06 HB01 LB20
Claims (4)
- 【請求項1】 基板表面に、陽極及び陰極により挟持さ
れ形成された1層または2層以上の有機物薄膜層を有す
る有機電界発光素子において、該有機物薄膜層のうち、
少なくとも1層が、加水分解性基を有する置換ケイ素基
を持つ化合物またはその誘導体を含む架橋硬化膜からな
る層であり、かつ、前記加水分解性基を有する置換ケイ
素基を持つ化合物の少なくとも1つが下記一般式(I)
で表される化合物であることを特徴とする有機電界発光
素子。 【化1】 (式中、Fは光機能性化合物から誘導される有機基を表
す。Dは2価の連結基を表す。R1は水素、アルキル
基、置換若しくは未置換のアリール基を表し、Qは加水
分解性基を表す。aは1または2、bは1〜4の整数、
cは0または1である。) - 【請求項2】 前記加水分解性基を有する置換ケイ素基
を持つ化合物の全てが、前記一般式(I)で表される化
合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界
発光素子。 - 【請求項3】 前記一般式(I)で表される化合物また
はその誘導体の、光機能性化合物から誘導される有機基
Fが、下記一般式(II)で表される化合物から誘導され
る有機基であることを特徴とする請求項1または2のい
ずれかに記載の有機電界発光素子。 【化2】 (式中、Ar1〜Ar4は、それぞれ独立に置換若しくは
未置換のアリール基を表し、Ar1とAr2、並びにAr
3とAr4はそれぞれ環を形成してもよく、Ar5は、置
換若しくは未置換のアリール基またはアリーレン基を表
す。但し、Ar1〜Ar5のうち1〜4個は、前記一般式
(I)中の−D−Si(R1)(3-a)Qaで表される結合
基と結合可能な結合手を有する。kは0または1であ
る。) - 【請求項4】 前記有機物薄膜層として、前記加水分解
性を有する置換ケイ素を持つ化合物またはその誘導体を
含む架橋硬化膜からなる層を、2層以上有することを特
徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機電界発光
素子。
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---|---|
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