JP2003175463A - スラリー混入方法 - Google Patents

スラリー混入方法

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JP2003175463A
JP2003175463A JP2002379203A JP2002379203A JP2003175463A JP 2003175463 A JP2003175463 A JP 2003175463A JP 2002379203 A JP2002379203 A JP 2002379203A JP 2002379203 A JP2002379203 A JP 2002379203A JP 2003175463 A JP2003175463 A JP 2003175463A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常に一定の割合でしかも連続してスラリーが
混入できる直接加圧式のアグレシブタイプのウォーター
ジェット装置およびスラリー混入方法を提供することを
目的とする。 【解決手段】 スラリーを貯溜したスラリータンクT3
と、清水タンクT1と、液を加圧供給する高圧ポンプP
hと、強制的にスラリーを供給する圧力ポンプP3を介
してスラリーが供給されるスラリー供給口とスラリーが
混入した高圧の液を排出する排出口を有するミキシング
チャンバー1と、ミキシング物供給口および吐出口と上
記ミキシングチャンバー1より大きい容積の空間とを有
しスラリーが混入した高圧の液をさらに均等にミキシン
グするとともにこれらを一時的に収容する高圧タンク2
とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、切断装置あるいは「は
つり」装置として用いられるウォータージェット装置お
よび該装置から噴射される液中にスラリーを混入するス
ラリー混入方法に関する。なお、「はつり」とは、この
明細書では、所謂狭義のはつり取る「はつり」の他に、
表面の塗膜等の「剥離」を含む概念をいう。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、ウォータージェットを利用した切断装置あるいは表
面の塗膜等の「はつり」をおこなう「はつり」装置が種
々提供されている。
【0003】これらの装置(ウォータージェット装置と
いう)は、大別して、切断等のために噴射する液中にス
ラリーを混入するタイプ(アグレッシブタイプ)と、単
に高圧液のみを噴射するものがある。
【0004】上記アグレッシブタイプは、処理対象物に
スラリーが混入された高圧の液を噴射することから、高
圧の液が当接することにより削り取る力と、その中に混
入されているスラリーが当接して対象物を削り取る力と
が加算されて、切断あるいは「はつり」が行われること
から、能力的には高い能力を有する。特に、このアグレ
ッシブタイプの中でも、予めスラリーを混入した液を噴
射ノズル側に供給する直接加圧タイプのものが、噴射ノ
ズルから噴射される液の速度とスラリーの速度が概ね一
致し、しかも噴射される液の中心部分にスラリーが集ま
ることから、切断あるいは「はつり」作業における作業
効率が高い点で優れている。
【0005】ところが、この直接加圧タイプでは、予め
スラリーを入れたミキシングタンク内に高圧液を注入し
て、スラリーが液中に均等に混入するようにミキシング
し、このようにミキシングされた高圧の液を、噴射ノズ
ルから噴射するよう構成されている。このため、所定時
間使用することによって上記ミキシングタンク内のスラ
リーが無くなると、その都度作業を止めて、スラリーを
再びミキシングタンク内に補充して、作業を再開する、
言わば「バッチ式」の作業にならざるを得ない。従っ
て、短時間で一つの切断等の作業が終了するようなもの
には使用できるが、ビルの外装の「はつり」作業等のよ
うに連続して長時間作業がおこなわれるものには、バッ
チ式で作業効率が低くなることから、採用することがで
きない。また、噴射するスラリーの混入量が、ミキシン
グタンク内のスラリーの残量によって微妙に変化し、正
確な意味において、使用時間全体にわたって同じ混入割
合の液を噴射することができないという技術的な問題が
あった。
【0006】一方、スラリーを混入しない、つまり高圧
液だけを噴射するタイプの場合、あるいはスラリーを混
入するが直接加圧しないアグレシブタイプの場合には、
連続して作業が行える点で優れているものの、切断能
力、「はつり」能力で上記直接加圧式のアグレシブタイ
プのものに比べて格段に劣り、例えば、ビルの外装の塗
膜の「はつり」作業においては、かなり高圧にした液
(具体的には500〜1000Kgf /cm2程度の圧力の
液)を噴射しないと塗膜が剥離できず、その結果、ビル
の構造部材となる下地を損傷してしまう危惧がつきまと
う。また、高圧が必要となるため、ポンプをはじめ各機
器が高価になるという不都合がある。
【0007】本発明は、上述のような現況に鑑みおこな
われたもので、常に一定の割合でしかも連続してスラリ
ーが混入できる直接加圧式のアグレシブタイプのウォー
タージェット装置と、該装置から噴射される液中にスラ
リーを混入するスラリー混入方法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるウォータ
ージェット装置は、液中にスラリーを混入して噴射ノズ
ルから噴射する直接加圧タイプのウォータージェット装
置であって、スラリーを貯溜したスラリータンクと、液
源と、液源から供給される液を加圧供給する高圧ポンプ
と、この高圧ポンプに接続されて高圧液が供給される供
給管路、強制的にスラリーを供給するスラリー供給装置
を介して上記スラリータンク側に接続され該スラリーが
供給されるスラリー供給口、およびスラリーが混入した
状態の高圧の液を排出する排出口とを有するミキシング
チャンバーと、上記ミキシングチャンバーからの排出口
がタンク内に挿入されることによって形成されるミキシ
ング物供給口、およびスラリーが液中に完全にミキシン
グされた状態のものを噴射ノズル側に供給する吐出口、
上記供給口と吐出口に連接された上記ミキシングチャン
バーより大きい容積の空間とを有し、上記ミキシング物
供給口から供給されたスラリーが混入した高圧の液をさ
らに均等にミキシングするとともにこれらを一時的に収
容する高圧タンクと、を具備したことを特徴とする。
【0009】しかして、このように構成されたウォータ
ージェット装置によれば、ミキシングチャンバー内に、
高圧ポンプによって液が加圧された状態で供給されると
ともに、スラリー供給装置によってスラリーが強制的に
且つ一定の割合で供給することが可能となる。そして、
これらミキシングチャンバーで高圧の液中にスラリーが
混入され、次に、高圧タンク内で液中にスラリーがさら
に均等にミキシングされ、それらが噴射ノズル側に供給
されることが可能となる。従って、スラリーは常に所定
の割合を維持して且つ連続して噴射ノズル側に供給する
ことが可能となる。
【0010】また、本発明にかかるスラリー混入方法
は、ウォータージェット装置から噴射される液中にスラ
リーを連続的に混入するスラリー混入方法であって、基
端が高圧ポンプ側に接続されミキシングチャンバー内に
開口した先端から吐出される高圧液の噴射圧によって、
該ミキシングチャンバー内の少なくともスラリー供給口
近傍に負圧を形成するとともに、基端がスラリータンク
側に接続されスラリー供給口からスラリーをスラリー供
給手段を介して該ミキシングチャンバー内に上記負圧と
スラリー供給手段とによって強制的に供給するよう形成
し、このミキシングチャンバーの排出口を先端側で拡径
したテーパ管状に形成して少なくともその先端部を高圧
タンク内に挿入して、内部で渦流が発生する程度の容積
を有する上記高圧タンク内で、流入する高圧液の流入圧
によって渦流を発生させて上記高圧液内にスラリーを均
等に且つ連続的に混入するよう構成したことを特徴とす
る。
【0011】しかして、このように構成されたスラリー
混入方法によれば、常に一定の割合でスラリーが均等に
混入された高圧の液体を連続して、噴射ノズル側に供給
することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】上記ウォータージェット装置の一
つの実施の形態として、前記ミキシングチャンバーの下
部が中央に集まる漏斗状に形成されたその中央部に、前
記排出口が形成されるとともに、該ミキシングチャンバ
ーの天井面に前記供給管路の端部が漏斗状の部分に向け
て形設され、且つ該供給管路の端部の下方部位であって
且つ該漏斗状になった下部より上方位置にスラリー供給
口が形成されていると、高圧液中にスラリーが可及的に
均等に混入された状態で、排出口から高圧タンク側にス
ラリーが混入された高圧液を供給することができる実施
形態となる。
【0013】また、上記ウォータージェット装置の一つ
の実施の形態として、前記ミキシング物供給口を形成す
る前記排出口が、出口端で拡径したラッパ状に形成され
ていると、高圧タンク内において効果的に拡散し、該高
圧タンク内でさらにスラリーが高圧液中に均等に混入し
た状態を形成することができる好ましい実施形態とな
る。
【0014】また、別の実施形態として、前記高圧タン
クの上端部に、前記ミキシング物供給口と前記吐出口
が、それぞれの高圧タンク側への開口端が底部を望むよ
うに形成されていると、吐出口から、さらに均等にスラ
リーが混入された高圧液が吐出される構成となる。
【0015】さらに、別の実施形態として、前記高圧タ
ンクの容積が、ミキシングチャンバーの容積の5倍以上
の容積を有するように構成すると、スラリーの高圧液内
への混入を均等におこなうのに適した実施形態となり、
また一時的にこられを収容する貯溜タンクとしての機能
を果たさせる好ましい実施形態となる。
【0016】上記スラリー混入方法の一つの実施の形態
として、前記スラリー供給手段が、うず巻き型の圧力ポ
ンプで構成され、高圧液の供給量に比例してスラリーの
供給量を調整するよう構成されていると、好適な実施形
態となる。
【0017】また、前記ミキシングチャンバー内に供給
される高圧液中にポリマー溶液が混入されていると、噴
射ノズルからの噴射を一時中断して再開する際にも、噴
射ノズルと高圧タンクとを接続するホース等の管路内
に、スラリーがつまってしまうような事態を防止できる
上で好ましい実施形態となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例にかかるウォータージ
ェット装置およびスラリー混入方法を図面を参照しなが
らより具体的に説明する。
【0019】図1は本実施例にかかるウォータージェッ
ト装置の全体の概略の構成を示すブロック図である。
【0020】図1において、1は下部が漏斗状に形成さ
れたミキシングチャンバーで、このミキシングチャンバ
ー1の天井面1Aには開口1aが形成され、この開口1
aは供給管路11によって、三連プランジャ式の高圧ポ
ンプPhの吐出口に接続されている。また、この高圧ポ
ンプPhの吸入口は、うず巻き式のニードルポンプから
なる圧力ポンプP1の吐出口に接続されている。さら
に、この圧力ポンプP1の吸入口は、接続管路12を介
して、この実施例において液源である清水タンクT1に
接続され、上記接続管路12には、合流金具および接続
管路121を介して、ポリマータンクT2に接続されて
いる。
【0021】また、上記ミキシングチャンバー1の側壁
部1Bには、開口1bが形成され、先端からやや離間し
た部分で上方に屈曲した接続管13を介して、うず巻き
型の圧力ポンプ(スラリー供給装置)P2の吐出口に接
続され、該圧力ポンプP2の吸入口は接続管路14を介
して、スラリータンクT3に接続されている。
【0022】上記ミキシングチャンバー1の下端、つま
り漏斗状になった中央の部位には、排出口1Cが形成さ
れている。この実施例では、排出口1Cは、先端(下
端)が拡径状になったラッパ状に形成されたパイプによ
って構成されている。また、この排出口1Cは、供給管
路11の端部となる上記開口1aが上下に対向するよう
な状態で形成されている。
【0023】そして、上記ミキシングチャンバー1のラ
ッパ状の排出口1Cは、高圧タンク2の天井面2Aの中
心よりやや側方部位に、該排出口1Cの開口部分が高圧
タンク2内部に開口するような状態で配置されている。
また、この高圧タンク2の天井面2Aには、図示しない
噴射ノズル側にスラリーが均等に混入した高圧の液を供
給する吐出口2Bが形成され、この吐出口2Bは管路1
5によって、図示しない噴射ノズルに接続されている。
そして、このように天井面2Aに、排出口1Cからなる
ミキシング物供給口と、吐出口2Bを具備したこの高圧
タンク2は、この実施例の場合、容積的には、上記ミキ
シングチャンバー1の10〜40倍程度の容積を有す
る。
【0024】また、この実施例の場合、上記圧力ポンプ
P2の吐出圧力は制御装置Cによって調整可能に構成さ
れ、スラリーをミキシングチャンバー1内に強制的に供
給できるように、上記ミキシングチャンバー1内の圧力
(負圧力)よりやや高い圧力になるよう、つまり、上記
高圧ポンプPhの圧力に合わせて自動的に調整可能に構
成されている。また、この圧力ポンプP2は、制御装置
の図示しないスラリー量調整ダイヤルを操作することに
よって、該圧力ポンプP2の回転数を変化させて、スラ
リーの供給量が適宜用途に応じて調整できるように構成
されている。そして、上記高圧ポンプPhは、制御装置
Cの図示しない圧力調整ダイヤルを操作することによっ
て、圧力を適宜用途に合わせて調整することが可能に構
成されている。
【0025】また、上記制御装置Cは、上記噴射ノズル
側の管路15に配置された流量センサーからの流れ停止
信号によって、噴射ノズルからの高圧の液の噴射が停止
された場合には、一時的に上記各ポンプを停止させるよ
う構成されている。なお、図1において、制御装置Cか
らのあるいは制御装置Cへの一点鎖線は、制御信号を表
す。
【0026】しかして、このように構成されたこのウォ
ータージェット装置は、外壁の塗膜の「はつり」作業に
おいて、あるいはコンクリートの切断作業において、以
下のように作用する。
【0027】即ち、作業開始に先立ち、上記制御装置の
メインスイッチをONにすると、各ポンプが可動し、清
水タンクT1から接続管路12を介して清水が供給され
るとともに、合流金具および接続管路121を介して、
ポリマータンクT2からポリマー液が上記清水が供給さ
れる接続管路12内に供給される。この供給量は、上記
圧力ポンプP1の回転数に応じて供給され、この回転数
は、上記制御装置Cの調整ダイヤルにより、おこなわれ
る。つまり、噴射ノズルから噴射しようとする所望の噴
射量によって、予めあるいは作業中に調整する。
【0028】そして、この圧力ポンプP1からポリマー
液が混入した清水は、高圧ポンプPhに供給され、この
高圧ポンプPhで、所望の圧力に加圧される。具体的に
は、この実施例では、200〜1000kg/cm2 の
範囲で、作業内容に合わせて、つまり対象となる物、お
よび作業内容が「はつり」作業か「切断作業」かによっ
て、適宜調整する。具体的には、上記制御装置Cの調整
ダイヤルによって、調整することができる。例えば、ビ
ルの外壁の塗膜の除去作業である場合には、200〜4
50kg/cm2 程度に調整し、コンクリート部材の切
断に使用する場合には、450〜1000kg/cm2
程度に調整して使用する。
【0029】そして、高圧ポンプPhで加圧された液
は、供給管路11を介して、該高圧ポンプPhの吐出口
から、ミキシングチャンバー1の開口1aに供給され、
該ミキシングチャンバー1内をその排出口に向かって通
過する。この高圧の液の通過によって、ミキシングチャ
ンバー1内には負圧が発生する。
【0030】一方、圧力ポンプP2の回転により、スラ
リータンクT3からスラリーが、接続管路14、圧力ポ
ンプP2を介して、上記接続管13に供給される。この
圧力ポンプP2も、予めあるいは作業中に上記制御装置
Cの調整ダイヤルを操作することによって、噴射ノズル
から噴射する液中にどの程度スラリーを混入するかの調
整することができるよう構成されている。また、この圧
力ポンプP2の場合、上記圧力ポンプP1の供給量の変
化に自動的に追随して、噴射される液の量に対して常に
所定量のスラリーが供給できるようになっており、従っ
て、上記圧力ポンプP1の回転数を増加させる方向に調
整した場合には、その増加割合に合致してスラリーの供
給量も増加するよう圧力ポンプP2の回転数も増加する
よう、上記制御装置Cが自動的に制御をおこなう。従っ
て、このスラリーの供給に対しておこなうべき操作は、
予め液に対してスラリーの混入量を予め上記圧力ポンプ
P2の調整ダイヤルを調整しておくだけである。
【0031】そして、上記圧力ポンプP2によって、強
制的に供給管13にスラリーが供給されるが、ミキシン
グチャンバー1内へは上記圧力ポンプP2の吐出圧力と
上記負圧によって、常に正確に所望量のスラリーが供給
される。そして、このミキシングチャンバー1内では、
高圧の液中に、スラリーが混入され、漏斗状になった底
部を経て、ラッパ状の排出口(ミキシング物供給口)1
Cから、高圧タンク2内に供給される。供給されたスラ
リーを含む高圧の液は、このラッパ状の形状に起因し
て、高圧タンク2の大きな空間内でその底部方に向かっ
て拡散し、この高圧タンク2内で、完全にスラリーが液
中に均等に混入された状態になる。
【0032】そして、噴射ノズルを把持した作業者が、
噴射を開始すると、高圧タンク2の吐出口2Bから管路
15を経て、スラリーが均等に分布した状態で混入した
高圧の液は、噴射ノズル側に供給され、該噴射ノズルか
ら処理対象物に対して噴射される。このように噴射ノズ
ルから噴射される液の圧力は、圧力損失等に起因して、
上述した高圧ポンプPhでの上記圧力の概ね1/2程度
となり、この圧力、つまり「はつり」あるいは切断に使
用される噴射ノズルから噴射される液の圧力は、「はつ
り」作業で100〜250kg/cm2 程度で行われ、
「切断」作業で250〜600kg/cm2 程度で行わ
れるが、この圧力は、従来の連続的に使用可能なアグレ
ッシブタイプの「はつり」あるいは「切断」作業に用い
られている必要な圧力の約1/2程度である。従って、
高圧ポンプをはじめ各ポンプの仕様が下げられるため、
装置を安価にすることができる。
【0033】そして、噴射ノズルからの噴射を一時的に
止めた場合には、上記管路15に配設した流量センサー
がこの状態(流れの停止状態)を検出し、高圧タンク2
内の圧力が所定以上にならないように、各ポンプを一時
的に停止させる。
【0034】この停止状態において、仮に管路15が一
部において上下方向に配置されている場合にも、上述の
ように清水内にポリマーを混入しているため、スラリー
が上下方向を向いている下端部で堆積することによって
該管路15を閉塞するような状態を呈することはない。
つまり、ボリマーによって、管路15が閉塞をおこすこ
とはない。従って、途中で中断しても、その前後にわた
って円滑に作業が継続できる点で優れている。
【0035】本実施例にかかる装置によれば、上述のよ
うに本発明にかかるスラリー混入方法が実行される結
果、スラリーを連続して且つ常に所望の割合を維持して
液中に混入することができる。しかも、この実施例の装
置の場合には、このスラリーの混入割合を、高圧の液の
供給量の変化に合わせて自動的に調整して、常に一定の
スラリーを混入することができる。
【0036】上記実施例において、スラリーとしては、
塗膜のはつり作業には、「シラス」、「ケイ砂」等が用
いられ、また、外装の上塗りであるモルタルの「はつ
り」にはガーネットが用いられ、コンクリートの切断の
際には、スラリーとして「アルミナ」用いられる。ま
た、上記ポリマー液としては、(株)ハイモの商品名「ハ
イモロックWJ−1000」が用いているが、同質の他
のポリマー液であってもよいことは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】本発明にかかるウォータージェット装置
によれば、常に一定の割合でしかも連続してスラリーが
混入できる直接加圧式のアグレシブタイプのウォーター
ジェット装置を実現することができる。
【0038】また、本発明にかかるスラリー混入方法に
よれば、常に一定の割合でしかも連続してスラリーを混
入することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例にかかるウォータージェット装置の
全体の概略の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1……ミキシングチャンバー 2……高圧タンク T1……清水タンク T3……スラリータンク P3……圧力ポンプ(スラリー供給装置) Ph……高圧ポンプ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年1月7日(2003.1.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 スラリー混入方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、切断装置あるいは「は
つり」装置として用いられるウォータージェット装置か
ら噴射される液中にスラリーを混入するスラリー混入方
法に関する。なお、「はつり」とは、この明細書では、
所謂狭義のはつり取る「はつり」の他に、表面の塗膜等
の「剥離」を含む概念をいう。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、ウォータージェットを利用した切断装置あるいは表
面の塗膜等の「はつり」をおこなう「はつり」装置が種
々提供されている。
【0003】これらの装置(ウォータージェット装置と
いう)は、大別して、切断等のために噴射する液中にス
ラリーを混入するタイプ(アグレッシブタイプ)と、単
に高圧液のみを噴射するものがある。
【0004】上記アグレッシブタイプは、処理対象物に
スラリーが混入された高圧の液を噴射することから、高
圧の液が当接することにより削り取る力と、その中に混
入されているスラリーが当接して対象物を削り取る力と
が加算されて、切断あるいは「はつり」が行われること
から、能力的には高い能力を有する。特に、このアグレ
ッシブタイプの中でも、予めスラリーを混入した液を噴
射ノズル側に供給する直接加圧タイプのものが、噴射ノ
ズルから噴射される液の速度とスラリーの速度が概ね一
致し、しかも噴射される液の中心部分にスラリーが集ま
ることから、切断あるいは「はつり」作業における作業
効率が高い点で優れている。
【0005】ところが、この直接加圧タイプでは、予め
スラリーを入れたミキシングタンク内に高圧液を注入し
て、スラリーが液中に均等に混入するようにミキシング
し、このようにミキシングされた高圧の液を、噴射ノズ
ルから噴射するよう構成されている。このため、所定時
間使用することによって上記ミキシングタンク内のスラ
リーが無くなると、その都度作業を止めて、スラリーを
再びミキシングタンク内に補充して、作業を再開する、
言わば「バッチ式」の作業にならざるを得ない。従っ
て、短時間で一つの切断等の作業が終了するようなもの
には使用できるが、ビルの外装の「はつり」作業等のよ
うに連続して長時間作業がおこなわれるものには、バッ
チ式で作業効率が低くなることから、採用することがで
きない。また、噴射するスラリーの混入量が、ミキシン
グタンク内のスラリーの残量によって微妙に変化し、正
確な意味において、使用時間全体にわたって同じ混入割
合の液を噴射することができないという技術的な問題が
あった。
【0006】一方、スラリーを混入しない、つまり高圧
液だけを噴射するタイプの場合、あるいはスラリーを混
入するが直接加圧しないアグレシブタイプの場合には、
連続して作業が行える点で優れているものの、切断能
力、「はつり」能力で上記直接加圧式のアグレシブタイ
プのものに比べて格段に劣り、例えば、ビルの外装の塗
膜の「はつり」作業においては、かなり高圧にした液
(具体的には500〜1000Kgf /cm2程度の圧力の
液)を噴射しないと塗膜が剥離できず、その結果、ビル
の構造部材となる下地を損傷してしまう危惧がつきまと
う。また、高圧が必要となるため、ポンプをはじめ各機
器が高価になるという不都合がある。
【0007】本発明は、上述のような現況に鑑みおこな
われたもので、常に一定の割合でしかも連続してスラリ
ーが混入できる直接加圧式のアグレシブタイプのウォー
タージェット装置から噴射される液中にスラリーを混入
するスラリー混入方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるスラリー
混入方法は、ウォータージェット装置から噴射される液
中にスラリーを連続的に混入するスラリー混入方法であ
って、基端が高圧ポンプ側に接続されミキシングチャン
バー内に開口した先端から吐出される高圧液の噴射圧に
よって、該ミキシングチャンバー内の少なくともスラリ
ー供給口近傍に負圧を形成するとともに、基端がスラリ
ータンク側に接続されスラリー供給口からスラリーをス
ラリー供給手段を介して該ミキシングチャンバー内に上
記負圧とスラリー供給手段とによって強制的に供給する
よう形成し、このミキシングチャンバーの排出口を先端
側で拡径したテーパ管状に形成して少なくともその先端
部を高圧タンク内に挿入して、内部で渦流が発生する程
度の容積を有する上記高圧タンク内で、流入する高圧液
の流入圧によって渦流を発生させて上記高圧液内にスラ
リーを均等に且つ連続的に混入するよう構成したことを
特徴とする。
【0009】しかして、このように構成されたスラリー
混入方法によれば、常に一定の割合でスラリーが均等に
混入された高圧の液体を連続して、噴射ノズル側に供給
することができる。
【0010】また、前記方法を実施するウォータージェ
ット装置は、液中にスラリーを混入して噴射ノズルから
噴射する直接加圧タイプのウォータージェット装置であ
って、スラリーを貯溜したスラリータンクと、液源と、
液源から供給される液を加圧供給する高圧ポンプと、こ
の高圧ポンプに接続されて高圧液が供給される供給管
路、強制的にスラリーを供給するスラリー供給装置を介
して上記スラリータンク側に接続され該スラリーが供給
されるスラリー供給口、およびスラリーが混入した状態
の高圧の液を排出する排出口とを有するミキシングチャ
ンバーと、上記ミキシングチャンバーからの排出口がタ
ンク内に挿入されることによって形成されるミキシング
物供給口、およびスラリーが液中に完全にミキシングさ
れた状態のものを噴射ノズル側に供給する吐出口、上記
供給口と吐出口に連接された上記ミキシングチャンバー
より大きい容積の空間とを有し、上記ミキシング物供給
口から供給されたスラリーが混入した高圧の液をさらに
均等にミキシングするとともにこれらを一時的に収容す
る高圧タンクと、を具備していることが好ましい。
【0011】このように構成されたウォータージェット
装置によれば、ミキシングチャンバー内に、高圧ポンプ
によって液が加圧された状態で供給されるとともに、ス
ラリー供給装置によってスラリーが強制的に且つ一定の
割合で供給することが可能となる。そして、これらミキ
シングチャンバーで高圧の液中にスラリーが混入され、
次に、高圧タンク内で液中にスラリーがさらに均等にミ
キシングされ、それらが噴射ノズル側に供給されること
が可能となる。従って、スラリーは常に所定の割合を維
持して且つ連続して噴射ノズル側に供給することが可能
となる。
【0012】
【発明の実施の形態】上記スラリー混入方法の一つの実
施の形態として、前記スラリー供給手段が、うず巻き型
の圧力ポンプで構成され、高圧液の供給量に比例してス
ラリーの供給量を調整するよう構成されていると、好適
な実施形態となる。
【0013】また、前記ミキシングチャンバー内に供給
される高圧液中にポリマー溶液が混入されていると、噴
射ノズルからの噴射を一時中断して再開する際にも、噴
射ノズルと高圧タンクとを接続するホース等の管路内
に、スラリーがつまってしまうような事態を防止できる
上で好ましい実施形態となる。
【0014】上記ウォータージェット装置の一つの実施
の形態として、前記ミキシングチャンバーの下部が中央
に集まる漏斗状に形成されたその中央部に、前記排出口
が形成されるとともに、該ミキシングチャンバーの天井
面に前記供給管路の端部が漏斗状の部分に向けて形設さ
れ、且つ該供給管路の端部の下方部位であって且つ該漏
斗状になった下部より上方位置にスラリー供給口が形成
されていると、高圧液中にスラリーが可及的に均等に混
入された状態で、排出口から高圧タンク側にスラリーが
混入された高圧液を供給することができる実施形態とな
る。
【0015】また、上記ウォータージェット装置の一つ
の実施の形態として、前記ミキシング物供給口を形成す
る前記排出口が、出口端で拡径したラッパ状に形成され
ていると、高圧タンク内において効果的に拡散し、該高
圧タンク内でさらにスラリーが高圧液中に均等に混入し
た状態を形成することができる好ましい実施形態とな
る。
【0016】また、別の実施形態として、前記高圧タン
クの上端部に、前記ミキシング物供給口と前記吐出口
が、それぞれの高圧タンク側への開口端が底部を望むよ
うに形成されていると、吐出口から、さらに均等にスラ
リーが混入された高圧液が吐出される構成となる。
【0017】さらに、別の実施形態として、前記高圧タ
ンクの容積が、ミキシングチャンバーの容積の5倍以上
の容積を有するように構成すると、スラリーの高圧液内
への混入を均等におこなうのに適した実施形態となり、
また一時的にこられを収容する貯溜タンクとしての機能
を果たさせる好ましい実施形態となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例にかかるウォータージ
ェット装置およびスラリー混入方法を図面を参照しなが
らより具体的に説明する。
【0019】図1は本実施例にかかるウォータージェッ
ト装置の全体の概略の構成を示すブロック図である。
【0020】図1において、1は下部が漏斗状に形成さ
れたミキシングチャンバーで、このミキシングチャンバ
ー1の天井面1Aには開口1aが形成され、この開口1
aは供給管路11によって、三連プランジャ式の高圧ポ
ンプPhの吐出口に接続されている。また、この高圧ポ
ンプPhの吸入口は、うず巻き式のニードルポンプから
なる圧力ポンプP1の吐出口に接続されている。さら
に、この圧力ポンプP1の吸入口は、接続管路12を介
して、この実施例において液源である清水タンクT1に
接続され、上記接続管路12には、合流金具および接続
管路121を介して、ポリマータンクT2に接続されて
いる。
【0021】また、上記ミキシングチャンバー1の側壁
部1Bには、開口1bが形成され、先端からやや離間し
た部分で上方に屈曲した接続管13を介して、うず巻き
型の圧力ポンプ(スラリー供給装置)P2の吐出口に接
続され、該圧力ポンプP2の吸入口は接続管路14を介
して、スラリータンクT3に接続されている。
【0022】上記ミキシングチャンバー1の下端、つま
り漏斗状になった中央の部位には、排出口1Cが形成さ
れている。この実施例では、排出口1Cは、先端(下
端)が拡径状になったラッパ状に形成されたパイプによ
って構成されている。また、この排出口1Cは、供給管
路11の端部となる上記開口1aが上下に対向するよう
な状態で形成されている。
【0023】そして、上記ミキシングチャンバー1のラ
ッパ状の排出口1Cは、高圧タンク2の天井面2Aの中
心よりやや側方部位に、該排出口1Cの開口部分が高圧
タンク2内部に開口するような状態で配置されている。
また、この高圧タンク2の天井面2Aには、図示しない
噴射ノズル側にスラリーが均等に混入した高圧の液を供
給する吐出口2Bが形成され、この吐出口2Bは管路1
5によって、図示しない噴射ノズルに接続されている。
そして、このように天井面2Aに、排出口1Cからなる
ミキシング物供給口と、吐出口2Bを具備したこの高圧
タンク2は、この実施例の場合、容積的には、上記ミキ
シングチャンバー1の10〜40倍程度の容積を有す
る。
【0024】また、この実施例の場合、上記圧力ポンプ
P2の吐出圧力は制御装置Cによって調整可能に構成さ
れ、スラリーをミキシングチャンバー1内に強制的に供
給できるように、上記ミキシングチャンバー1内の圧力
(負圧力)よりやや高い圧力になるよう、つまり、上記
高圧ポンプPhの圧力に合わせて自動的に調整可能に構
成されている。また、この圧力ポンプP2は、制御装置
の図示しないスラリー量調整ダイヤルを操作することに
よって、該圧力ポンプP2の回転数を変化させて、スラ
リーの供給量が適宜用途に応じて調整できるように構成
されている。そして、上記高圧ポンプPhは、制御装置
Cの図示しない圧力調整ダイヤルを操作することによっ
て、圧力を適宜用途に合わせて調整することが可能に構
成されている。
【0025】また、上記制御装置Cは、上記噴射ノズル
側の管路15に配置された流量センサーからの流れ停止
信号によって、噴射ノズルからの高圧の液の噴射が停止
された場合には、一時的に上記各ポンプを停止させるよ
う構成されている。なお、図1において、制御装置Cか
らのあるいは制御装置Cへの一点鎖線は、制御信号を表
す。
【0026】しかして、このように構成されたこのウォ
ータージェット装置は、外壁の塗膜の「はつり」作業に
おいて、あるいはコンクリートの切断作業において、以
下のように作用する。
【0027】即ち、作業開始に先立ち、上記制御装置の
メインスイッチをONにすると、各ポンプが可動し、清
水タンクT1から接続管路12を介して清水が供給され
るとともに、合流金具および接続管路121を介して、
ポリマータンクT2からポリマー液が上記清水が供給さ
れる接続管路12内に供給される。この供給量は、上記
圧力ポンプP1の回転数に応じて供給され、この回転数
は、上記制御装置Cの調整ダイヤルにより、おこなわれ
る。つまり、噴射ノズルから噴射しようとする所望の噴
射量によって、予めあるいは作業中に調整する。
【0028】そして、この圧力ポンプP1からポリマー
液が混入した清水は、高圧ポンプPhに供給され、この
高圧ポンプPhで、所望の圧力に加圧される。具体的に
は、この実施例では、200〜1000kg/cm2 の
範囲で、作業内容に合わせて、つまり対象となる物、お
よび作業内容が「はつり」作業か「切断作業」かによっ
て、適宜調整する。具体的には、上記制御装置Cの調整
ダイヤルによって、調整することができる。例えば、ビ
ルの外壁の塗膜の除去作業である場合には、200〜4
50kg/cm2 程度に調整し、コンクリート部材の切
断に使用する場合には、450〜1000kg/cm2
程度に調整して使用する。
【0029】そして、高圧ポンプPhで加圧された液
は、供給管路11を介して、該高圧ポンプPhの吐出口
から、ミキシングチャンバー1の開口1aに供給され、
該ミキシングチャンバー1内をその排出口に向かって通
過する。この高圧の液の通過によって、ミキシングチャ
ンバー1内には負圧が発生する。
【0030】一方、圧力ポンプP2の回転により、スラ
リータンクT3からスラリーが、接続管路14、圧力ポ
ンプP2を介して、上記接続管13に供給される。この
圧力ポンプP2も、予めあるいは作業中に上記制御装置
Cの調整ダイヤルを操作することによって、噴射ノズル
から噴射する液中にどの程度スラリーを混入するかの調
整することができるよう構成されている。また、この圧
力ポンプP2の場合、上記圧力ポンプP1の供給量の変
化に自動的に追随して、噴射される液の量に対して常に
所定量のスラリーが供給できるようになっており、従っ
て、上記圧力ポンプP1の回転数を増加させる方向に調
整した場合には、その増加割合に合致してスラリーの供
給量も増加するよう圧力ポンプP2の回転数も増加する
よう、上記制御装置Cが自動的に制御をおこなう。従っ
て、このスラリーの供給に対しておこなうべき操作は、
予め液に対してスラリーの混入量を予め上記圧力ポンプ
P2の調整ダイヤルを調整しておくだけである。
【0031】そして、上記圧力ポンプP2によって、強
制的に供給管13にスラリーが供給されるが、ミキシン
グチャンバー1内へは上記圧力ポンプP2の吐出圧力と
上記負圧によって、常に正確に所望量のスラリーが供給
される。そして、このミキシングチャンバー1内では、
高圧の液中に、スラリーが混入され、漏斗状になった底
部を経て、ラッパ状の排出口(ミキシング物供給口)1
Cから、高圧タンク2内に供給される。供給されたスラ
リーを含む高圧の液は、このラッパ状の形状に起因し
て、高圧タンク2の大きな空間内でその底部方に向かっ
て拡散し、この高圧タンク2内で、完全にスラリーが液
中に均等に混入された状態になる。
【0032】そして、噴射ノズルを把持した作業者が、
噴射を開始すると、高圧タンク2の吐出口2Bから管路
15を経て、スラリーが均等に分布した状態で混入した
高圧の液は、噴射ノズル側に供給され、該噴射ノズルか
ら処理対象物に対して噴射される。このように噴射ノズ
ルから噴射される液の圧力は、圧力損失等に起因して、
上述した高圧ポンプPhでの上記圧力の概ね1/2程度
となり、この圧力、つまり「はつり」あるいは切断に使
用される噴射ノズルから噴射される液の圧力は、「はつ
り」作業で100〜250kg/cm2 程度で行われ、
「切断」作業で250〜600kg/cm2 程度で行わ
れるが、この圧力は、従来の連続的に使用可能なアグレ
ッシブタイプの「はつり」あるいは「切断」作業に用い
られている必要な圧力の約1/2程度である。従って、
高圧ポンプをはじめ各ポンプの仕様が下げられるため、
装置を安価にすることができる。
【0033】そして、噴射ノズルからの噴射を一時的に
止めた場合には、上記管路15に配設した流量センサー
がこの状態(流れの停止状態)を検出し、高圧タンク2
内の圧力が所定以上にならないように、各ポンプを一時
的に停止させる。
【0034】この停止状態において、仮に管路15が一
部において上下方向に配置されている場合にも、上述の
ように清水内にポリマーを混入しているため、スラリー
が上下方向を向いている下端部で堆積することによって
該管路15を閉塞するような状態を呈することはない。
つまり、ボリマーによって、管路15が閉塞をおこすこ
とはない。従って、途中で中断しても、その前後にわた
って円滑に作業が継続できる点で優れている。
【0035】本実施例にかかる装置によれば、上述のよ
うに本発明にかかるスラリー混入方法が実行される結
果、スラリーを連続して且つ常に所望の割合を維持して
液中に混入することができる。しかも、この実施例の装
置の場合には、このスラリーの混入割合を、高圧の液の
供給量の変化に合わせて自動的に調整して、常に一定の
スラリーを混入することができる。
【0036】上記実施例において、スラリーとしては、
塗膜のはつり作業には、「シラス」、「ケイ砂」等が用
いられ、また、外装の上塗りであるモルタルの「はつ
り」にはガーネットが用いられ、コンクリートの切断の
際には、スラリーとして「アルミナ」用いられる。ま
た、上記ポリマー液としては、(株)ハイモの商品名「ハ
イモロックWJ−1000」が用いているが、同質の他
のポリマー液であってもよいことは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】本発明にかかるスラリー混入方法によれ
ば、常に一定の割合でしかも連続してスラリーを混入す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例にかかるウォータージェット装置の
全体の概略の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】 1……ミキシングチャンバー 2……高圧タンク T1……清水タンク T3……スラリータンク P3……圧力ポンプ(スラリー供給装置) Ph……高圧ポンプ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液中にスラリーを混入して噴射ノズルか
    ら噴射する直接加圧タイプのウォータージェット装置で
    あって、スラリーを貯溜したスラリータンクと、液源
    と、液源から供給される液を加圧供給する高圧ポンプ
    と、この高圧ポンプに接続されて高圧液が供給される供
    給管路、強制的にスラリーを供給するスラリー供給装置
    を介して上記スラリータンク側に接続され該スラリーが
    供給されるスラリー供給口、およびスラリーが混入した
    状態の高圧の液を排出する排出口とを有するミキシング
    チャンバーと、上記ミキシングチャンバーからの排出口
    がタンク内に挿入されることによって形成されるミキシ
    ング物供給口、およびスラリーが液中に完全にミキシン
    グされた状態のものを噴射ノズル側に供給する吐出口、
    上記供給口と吐出口に連接された上記ミキシングチャン
    バーより大きい容積の空間とを有し、上記ミキシング物
    供給口から供給されたスラリーの混入した高圧の液をさ
    らに均等にミキシングするとともにこれらを一時的に収
    容する高圧タンクと、を具備したことを特徴とするウォ
    ータージェット装置。
  2. 【請求項2】 前記ミキシングチャンバーの下部が中央
    に集まる漏斗状に形成されたその中央部に、前記排出口
    が形成されるとともに、該ミキシングチャンバーの天井
    面に前記供給管路の端部が漏斗状の部分に向けて形設さ
    れ、且つ該供給管路の端部の下方部位であって且つ該漏
    斗状になった下部より上方位置にスラリー供給口が形成
    されていることを特徴とする請求項1記載のウォーター
    ジェット装置。
  3. 【請求項3】 前記ミキシング物供給口を形成する前記
    排出口が、出口端で拡径したラッパ状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のウォータージェ
    ット装置。
  4. 【請求項4】 前記高圧タンクの上端部に、前記ミキシ
    ング物供給口と前記吐出口が、それぞれの高圧タンク側
    への開口端が底部を望むように形成されていることを特
    徴とする請求項3記載のウォータージェット装置。
  5. 【請求項5】 前記高圧タンクの容積が、ミキシングチ
    ャンバーの容積の5倍以上の容積を有することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1の項に記載のウォーター
    ジェット装置。
  6. 【請求項6】 スラリー混入方法は、ウォータージェッ
    ト装置から噴射される液中にスラリーを連続的に混入す
    るスラリー混入方法であって、基端が高圧ポンプ側に接
    続されミキシングチャンバー内に開口した先端から吐出
    される高圧液の噴射圧によって、該ミキシングチャンバ
    ー内の少なくともスラリー供給口近傍に負圧を形成する
    とともに、基端がスラリータンク側に接続されスラリー
    供給口からスラリーをスラリー供給手段を介して該ミキ
    シングチャンバー内に上記負圧とスラリー供給手段とに
    よって強制的に供給するよう形成し、このミキシングチ
    ャンバーの排出口を先端側で拡径したテーパ管状に形成
    して少なくともその先端部を高圧タンク内に挿入して、
    内部で渦流が発生する程度の容積を有する上記高圧タン
    ク内で、流入する高圧液の流入圧によって渦流を発生さ
    せて上記高圧液内にスラリーを均等に且つ連続的に混入
    するよう構成したことを特徴とするスラリー混入方法。
  7. 【請求項7】 前記スラリー供給手段が、うず巻き型の
    圧力ポンプで構成され、高圧液の供給量に比例してスラ
    リーの供給量を調整することを特徴とする請求項6記載
    のスラリー混入方法。
  8. 【請求項8】 前記ミキシングチャンバー内に供給され
    る高圧液中にポリマー溶液が混入されていることを特徴
    とする請求項6又は7記載のスラリー混入方法。
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