JP2003165958A - Uv硬化型アクリル系粘着剤組成物 - Google Patents

Uv硬化型アクリル系粘着剤組成物

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JP2003165958A
JP2003165958A JP2001366485A JP2001366485A JP2003165958A JP 2003165958 A JP2003165958 A JP 2003165958A JP 2001366485 A JP2001366485 A JP 2001366485A JP 2001366485 A JP2001366485 A JP 2001366485A JP 2003165958 A JP2003165958 A JP 2003165958A
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pressure
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rosin
acrylic pressure
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JP2001366485A
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Takeshi Iwasaki
剛 岩崎
Akira Yamagami
晃 山上
Hirosuke Tanabe
弘介 田辺
Akihiro Yamada
昭洋 山田
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、特定のロジン系粘着付与樹脂を配
合することにより、短時間の硬化時間でもUV硬化後の重
合度が高いUV硬化型アクリル系粘着剤組成物を提供する
こと。さらには、当該UV硬化型アクリル系粘着剤組成物
を使用したアクリル系粘着剤、及び当該粘着剤を使用し
た粘着テープ又は粘着シートを提供することを目的とす
る。 【解決手段】 アクリル酸アルキルエステル及びメタア
クリル酸アルキルエステルからなる群から選ばれる少な
くとも1種のモノマー50〜95質量%とロジン系粘着付与樹
脂5〜30質量%を含有するUV硬化型アクリル系粘着剤組成
物において、該粘着剤組成物中の特定化合物の含有率が
特定量以下のものを用いる。 【効果】 UV硬化後の重合率が高く、接着力の大きいUV
硬化型アクリル系粘着剤組成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着テープ又は粘
着シートに利用できるUV硬化型アクリル系粘着剤組成物
及び当該組成物をUV重合させて得られるアクリル系粘着
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】粘着剤はその利便性から現在ラベル、シ
ート、テープ等多くの粘着製品をはじめ、各種被着体の
貼り合せ等に利用されている。この様に粘着剤の用途が
拡大するにつれて、粘着剤に求められる性能もより広範
になっている。かかる要求性能として、基材及び被着材
の多様化によりポリプロピレン、ポリエチレン等のポリ
オレフィンに対する接着性が重視されている。
【0003】アクリル系粘着剤のポリオレフィンに対す
る接着性等の改善のため、粘着付与樹脂を配合すること
が一般的である。当該粘着付与樹脂としては、ポリオレ
フィンに対する接着性を向上させる効果が大きいことか
ら、ロジン系粘着付与樹脂が好適に用いられている。
【0004】一般に、粘着付与樹脂を配合してなるアク
リル系粘着剤組成物は、アクリル酸エステル及び/又は
メタアクリル酸エステル(以下、(メタ)アクリル酸エス
テルと略す。)を主成分とするモノマーを重合したのち
に粘着付与樹脂を添加する、いわゆる後添加法により調
製されている。たとえば、有機溶剤中でモノマーをラジ
カル重合した後に、粘着付与樹脂を配合して製造され
る。この方法によると、粘着付与樹時は重合後に添加さ
れるため、重合工程に影響を及ぼさない。
【0005】一方、(メタ)アクリル酸エステルを主成分
とするモノマーを塗工可能な粘度に調整した後、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルムなどのUV光透過性
の基材に塗工したのち、UV光を照射することにより、基
材上に粘着剤層を形成し粘着テープ及び粘着シートを製
造する方法が米国特許4181752号に記載されている。こ
の方法によると、粘着付与樹脂は重合前に配合されなけ
ればならないため、重合工程への影響が検討されねばな
らない。
【0006】一般に粘着付与樹脂として好適に用いられ
るロジン系粘着付与樹脂は、分子骨格内に存在する脂肪
族性の二重結合がラジカル重合反応の連鎖移動・停止剤
として作用するため、重合が阻害されるので十分な凝集
力の接着性能を有する粘着剤層を形成できない。かかる
問題を解決する手段として、特開平2-18485号公報には
水素添加により脂肪族性の二重結合を減少させたロジン
系粘着付与樹脂が、特開平5-255417号公報には不均化
(脱水素化)により脂肪族性の二重結合を減少させたロジ
ン系粘着付与樹脂が、(メタ)アクリル酸エステルを主成
分とするモノマーと配合した場合、重合阻害を受けにく
く、接着力に優れた粘着剤層を形成可能と記載されてい
る。更に、特開2000-327708号公報には、テトラヒドロ
アビエチン酸を40%以上含有するロジン物質及び/又は
当該ロジン物質から誘導されるエステル化合物(以下、
化合物C)を使用することにより、重合阻害を受けずにア
クリル系重合体を得ることができるとの知見が開示され
ている。
【0007】しかし、数分の硬化時間で製造した場合、
上記知見に記載のロジン系粘着付与樹脂を使用したにも
かかわらず、得られたアクリル系粘着剤の重合率が十分
上がらず、十分な接着性能を得るためには、長時間の硬
化時間が必要であった。このため、短時間の硬化時間を
要求される粘着テープ及び粘着シートなどの粘着製品へ
の使用に満足いかない場合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定のロジ
ン系粘着付与樹脂を配合することにより、短時間の硬化
時間でもUV硬化後の重合度が高いUV硬化型アクリル系粘
着剤組成物を提供することを目的とする。さらには、当
該UV硬化型アクリル系粘着剤組成物を使用したアクリ
ル系粘着剤、及び当該粘着剤を使用した粘着テープ又は
粘着シートを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アクリル酸アルキ
ルエステル及びメタアクリル酸アルキルエステルからな
る群から少なくとも1種以上選ばれたモノマーを50〜95
質量%とロジン系粘着付与樹脂を含有するUV硬化型粘着
剤組成物において、該粘着剤組成物中の特定化合物の含
有率が特定量以下のものを用いることにより、前記課題
を解決できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】すなわち、本発明はアクリル酸アルキルエ
ステルおよびメタアクリル酸アルキルエステルからなる
群から選ばれる少なくとも1種のモノマー50〜95質量%と
ロジン系粘着付与樹脂5〜30質量%を含有するUV硬化型ア
クリル系粘着剤組成物において、前記ロジン系粘着付与
樹脂に含まれる式(I)
【0011】
【化3】
【0012】で表される部分骨格を有する化合物(以
下、化合物Aと略す。)の前記粘着剤組成物中の含有率が
0.01質量%以下であることを特徴とするUV硬化型アクリ
ル系粘着剤組成物である。さらには、前記ロジン系粘着
付与樹脂に含まれる式(II-1)、式(II-2)又は式(II-3)、
【0013】
【化4】
【0014】で表される部分骨格を有する化合物(以
下、化合物Bと略す。)の、前記粘着剤組成物中の含有率
が3.0質量%以下であるUV硬化型アクリル系粘着剤組成物
である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のUV硬化型アクリル系粘着
剤組成物は、アクリル系粘着剤、及びこれを使用した粘
着テープ又は粘着シートに好適である。
【0016】<(メタ)アクリル酸アルキルエステル>本
発明のアクリル系重合体組成物に用いるアクリル酸アル
キルエステルおよびメタアクリル酸アルキルエステル
は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸(以下、(メタ)
アクリル酸と略す。)と炭素数が1〜12、好ましくは4〜1
2であるアルキルとのエステル化合物である。具体的に
は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)ア
クリル酸イソノニル等を挙げることができる。これらの
モノマーは、それぞれ単独又は2種類以上を混合して用
いられる。
【0017】<その他のモノマー>粘着物性等の調整の
ため、(メタ)アクリル酸アルキルエステルには共重合可
能なビニル系モノマー、例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸
2-ヒドロキシエチル、N-メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N-ビニル-2-ピロリドン、アクリルアミド、マレイ
ン酸無水物、酢酸ビニル、スチレン等の従来公知の共重
合可能なビニル基を有する単量体を併用してもよい。
【0018】<ロジン系粘着付与樹脂>本発明で使用す
るロジン系粘着付与樹脂は、アクリル酸アルキルエステ
ルおよびメタアクリル酸アルキルエステルからなる群か
ら選ばれる少なくとも1種のモノマー50〜95質量%とロジ
ン系粘着付与樹脂5〜30質量%を含有するUV硬化型アクリ
ル系粘着剤組成物において、該粘着剤組成物中の化合物
Aの含有率が0.01質量%以下になるものを用いる。さら
に、化合物Bの含有率が、該粘着剤組成物の3.0質量%以
下になるロジン系粘着付与樹脂を使用する。このような
ロジン系粘着付与樹脂として、市販されている水素化さ
れたロジン系誘導体や脱水素化されたロジン誘導体を使
用することができる。
【0019】<化合物A>本発明で使用されるロジン系
粘着付与樹脂は、UV硬化型アクリル系粘着剤組成物中の
化合物Aの含有率が0.01質量%以下になるようにロジン系
粘着樹脂を使用する。特に本発明で使用されるロジン系
粘着付与樹脂は、実質的に化合物Aを非含有が好まし
い。化合物Aの含有率が0.01質量%を越える場合には、ア
クリル系重合体の重合が阻害され、短時間では、高い重
合率を得ることが困難となる。また、高い重合率を得る
ためには、大量の重合開始剤や長時間が必要となる。重
合率が低いと粘着組成物に要求される十分な粘着力を得
ることができない。
【0020】高い重合率が達成されることにより、高い
重量平均分子量を有するアクリル系重合体を得ることが
できる。重量平均分子量はポリスチレン換算で好ましく
は、20万〜150万であり、更に好ましくは40万から100万
である。
【0021】かかるUV硬化型アクリル系粘着剤組成物中
の化合物Aの含有率が0.01質量%以下にすることが可能な
ロジン系粘着付与樹脂であれば、その製造法は特に限定
されない。たとえば、水素化処理や脱水素化処理等の従
来公知の方法を使用すればよく、これらの処理を2回以
上または併用することにより含有率が低いものを得るこ
とができる。
【0022】ロジン系粘着付与樹脂中の化合物Aの含有
率は0.1質量%以下であることが好ましく、0.03質量%以
下、更には実質的に非含有が好ましい。また、UV硬化型
アクリル系粘着剤組成物中のロジン系粘着付与樹脂以外
の成分も実質的に化合物Aを含有しないことが好まし
い。
【0023】化合物Aとしては、アビエチン酸、アビエ
チン酸エステル、たとえば、アビエチン酸メチル、アビ
エチン酸エチル、アビエチン酸2-エチルヘキシル、アビ
エチン酸とジエチレングリコールとのエステル、アビエ
チン酸とグリセリンとのエステル、アビエチン酸とペン
タエリスリトールとのエステルなどが挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0024】<化合物B>さらに、本発明で使用される
ロジン系粘着付与樹脂は、UV硬化型アクリル系粘着剤組
成物中の化合物Bの含有率が3.0質量%以下になるものが
好ましく、1.0質量%以下、さらには実質的に非含有が好
ましい。また、UV硬化型アクリル系粘着剤組成物中のロ
ジン系粘着付与樹脂以外の成分も実質的に化合物Bを含
有しないことが好ましい。
【0025】かかるUV硬化型アクリル系粘着剤組成物
中の化合物Bの含有率が3.0質量%以下にすることが可能
なロジン系粘着付与樹脂であれば、その製造法は特に限
定されない。たとえば、水素化処理や脱水素化処理等の
従来公知の方法を使用すればよく、これらの処理を2回
以上または併用することにより含有率が低いものを得る
ことができる。ロジン系粘着付与樹脂中の化合物Bの含
有率は、10.0質量%以下が好ましく、7.0質量%以下、さ
らには実質的に非含有が好ましい。
【0026】化合物Bとしては、ジヒドロアビエチン
酸、ジヒドロアビエチン酸エステル、たとえば、ジヒド
ロアビエチン酸メチル、ジヒドロアビエチン酸エチル、
ジヒドロアビエチン酸2-エチルヘキシル、ジヒドロアビ
エチン酸とグリセリンとのエステル、ジヒドロアビエチ
ン酸とペンタエリスリトールとのエステルなどが挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0027】本発明で使用されるロジン系粘着付与樹脂
がロジンエステル化合物の場合は、原料ロジンをエステ
ル化する前もしくはエステル化した後に、水素化処理又
は脱水素化処理することで得られる。
【0028】なお、原料ロジンとしては、ガムロジン、
ウッドロジン、トール油ロジン、重合ロジンおよび前記
ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、重合ロジ
ン等をマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、(メタ)
アクリル酸等の不飽和酸で変性した不飽和酸変性ロジン
等が挙げられる。
【0029】<含有率の測定方法>UV硬化型アクリル系
粘着剤組成物中の化合物A及び化合物Bの含有率は、ロジ
ン系粘着付与樹脂中の化合物A及び化合物Bを加水分解し
てアビエチン酸やジヒドロアビエチン酸にした後、また
は更にその酸をジアゾメタンによりメチルエステル化し
た後、ASTM D3008-82に準拠してガスクロマトグラフィ
ー分析により測定を行い、その結果を基に粘着剤組成物
の配合比から算出した。
【0030】<架橋剤>本発明のUV硬化型アクリル系粘
着剤組成物を使用したアクリル系粘着剤や、これを使用
した粘着テープ又は粘着シートの耐熱性や凝集性を向上
させたい場合には、UV硬化型アクリル系粘着剤組成物中
に共重合可能なビニル基を一分子中に2個以上有する化
合物を配合してもよい。また、UV硬化型粘着剤組成物中
にヒドロキシル基やカルボキシル基などを有するモノマ
ーを含有する場合は、ポリイソシアネート化合物、ポリ
アミン化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹
脂、カルボジイミド化合物等の、従来公知の熱活性型架
橋剤を使用してもよい。
【0031】<光重合開始剤>本発明では、UV光の照射
により粘着剤組成物の硬化を行うため、光重合開始剤を
使用する。光開始剤としては、アセトフェノン系、ベン
ゾインエーテル系、ケタール系、アシルフォスフィンオ
キシド系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ハロゲン
化ケトン系、アシルフォスフォナート系など、従来公知
のものが使用できる。また、特開平2-160802号公報、特
開平2-235908号公報、特開平4-239508号公報、特開平7-
62010号公報に記載の、1分子中に開裂点を2箇所以上あ
る光重合開始剤を使用しても良い。
【0032】<その他の添加剤>必要に応じて性能を阻
害しない範囲で各種添加剤、例えば本発明に使用するロ
ジン系以外の粘着付与樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、充填剤、顔料、増粘剤等を添加してもよい。
【0033】本発明のUV硬化型アクリル系粘着剤組成
物は、塗工適性の確保のためあらかじめ増粘することが
好ましい。増粘方法としては、組成物に使用するモノマ
ーに可溶な増粘剤を添加する方法や、モノマー成分の一
部分をあらかじめ重合させても良い。その場合、増粘成
分の割合は、UV硬化型アクリル系粘着剤組成物全体の40
質量%以下、好ましくは5〜25質量%である。増粘後の粘
度は1〜30Pa・s、好ましくは4〜20Pa・sである。
【0034】<粘着テープ及び粘着シート>本発明のU
V硬化型アクリル系粘着剤組成物を使用したアクリル系
粘着剤は、粘着テープ又は粘着シートとして用いられ
る。粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましくは
10μm〜3mmである。
【0035】<支持体>支持体としては、不織布、化学
繊維などの布類、和紙、クラフト紙、クルパック紙、ク
レープ紙等の紙類、ポリエステルフィルム、ポリエチレ
ンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニル
系樹脂フィルム、ポリスチレンフィルム等のプラスチッ
クフィルム類、銅箔、アルミ箔、鉄箔等の金属箔類、ウ
レタンフォーム、ポリエチレンフォーム、アクリルフォ
ーム等の発泡体類など、一般に粘着テープの基材として
使用されている全ての基材が用いることができる。
【0036】粘着剤組成物のテープ又はシート状への加
工は、通常ロールツーロール等の流れ作業で行われるた
め、短い時間での十分な硬化が必要とされる。この観点
から要求されるUV硬化時間は、15分以内である。好まし
くは10分以内である。
【0037】UV硬化型アクリル系粘着剤組成物を基材や
剥離紙に塗布又は含浸後にUV硬化する際は、空気中の酸
素で硬化が阻害されるため、これを防止する手段を実施
しなければならない。例えば、UV硬化型アクリル系粘着
剤組成物を塗工後、ポリエチレンテレフタレート製フィ
ルムなどのUV光の透過性が高いフィルムで覆い酸素を遮
蔽する方法や、窒素や炭酸ガス、ヘリウムガスのような
不活性なガスを用いて酸素濃度0.1質量%以下、好ましく
は0.03質量%以下の雰囲気中で硬化させる方法がある。
【0038】本発明のUV硬化型アクリル系粘着剤組成物
は、UV光によって硬化される。UV光の発生源としては、
蛍光ケミカルランプ、ブラックライト、低圧、高圧、超
高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、太陽光線など
がある。UV光の照射強度は、終始一定の強度でも行って
良いし、硬化途中で強度を変化させることにより、硬化
後の物性を微調整することもできる。
【0039】
【実施例】以下に実施例により具体的に説明する。特に
限定しない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量
%」を表すものとする。
【0040】〔実施例1〕 <アクリルシロップの調製>攪拌機、還流冷却器、温度
計、蛍光ケミカルランプ及び窒素ガス導入口を備えた反
応容器に、2-エチルヘキシルアクリレート90部、アクリ
ル酸10部、光重合開始剤としてダロキュア1173(チバス
ペシャリティーケミカル社製)0.3部を添加し、窒素雰囲
気下でUV光を重合率が7%になるまで照射してアクリル
シロップを調製した。
【0041】<UV硬化型アクリル系粘着剤組成物1の
調製>上記アクリルシロップ100部に対して、ロジン系
粘着付与樹脂パインクリスタルKE-656を10部(荒川化学
社製;化合物Aの含有率0.1%以下、化合物Bの含有率9.8
%)、ポリプロピレングリコールジアクリレート(新中村
化学社製:APG700)0.3部、追加の光重合開始剤ルシリン
TPO(BASF社製)0.1部を添加して均一に撹拌した。撹拌混
合時に混入した空気泡を脱泡操作により除去して、UV硬
化型アクリル系粘着剤組成物1(2-エチルヘキシルアクリ
レート:75.8%、ロジン系粘着付与樹脂:9.1%、化合物A
の含有率:0.01%以下、化合物Bの含有率:0.89%)を調製
した。
【0042】<粘着シート1の調製>上記UV硬化型アク
リル系粘着剤組成物1を、表面を離型剤処理した厚さ75
μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に硬
化後の厚さが0.05mmになるように塗工し、その上に厚さ
38μmのPETフィルムで被覆した後、蛍光ケミカルランプ
(東芝ライテック製、波長300〜400nm)を用いてPETフィ
ルム面での照射強度0.64mW/cm2の紫外線を8分間照射し
て粘着シート1を得た。
【0043】〔実施例2、3、比較例1〜3〕実施例1
のロジン系粘着付与樹脂の代わりに表1記載のロジン系
粘着付与剤を使用した以外は、UV硬化型アクリル系粘着
剤組成物1と同様の操作でUV硬化型アクリル系粘着剤組
成物を調製し、それを用いて粘着シート1と同様の操作
で粘着シートを得た。
【0044】実施例、比較例で作成したUV硬化型アクリ
ル系粘着剤組成物より作成した粘着シートについて、以
下に示す方法により試験を行い、その結果を表1に示し
た。
【0045】(1)重合率 粘着シート約1gを100℃の熱風乾燥機に1時間放置後、以
下の式で算出した。
【0046】
【数1】
【0047】なお、式中Aは(乾燥前の粘着シートの質量
− 基材の質量)であり、YはUV硬化型アクリル系粘着剤
組成物中のモノマー成分の割合である。
【0048】
【数2】
【0049】このようにして、決定された重合率は、好
ましくは96%以上、更に好ましくは98%以上である。
【0050】(2)接着力 20mm幅に切断した粘着シートを、23℃下でポリプロピレ
ン板に貼付し、2kgローラーで1往復加圧した。23℃で1
時間静置した後、180°方向に300mm/minの速度で引っ
張り、接着力(N/20mm)を測定した。
【0051】<発明の効果>実施例1〜3の結果から明ら
かなように、本発明により、UV硬化後の重合率が高く、
接着力の大きいUV硬化型アクリル系粘着剤組成物が得ら
れる。比較例1は、特開2000-327708号公報の記載に従
い、テトラヒドロアビエチン酸が40%以上含有するロジ
ン物質から誘導されるエステル化合物であるロジン系粘
着付与樹脂(フォーラル85、テトラヒドロアビエチン酸
含有率:44.8%)を使用したが、UV硬化型アクリル系粘着
剤組成物中の化合物Bの含有率が3.0%を越えるため、重
合率が92%と低く、得られた粘着シートは十分な接着力
を有しなかった。
【0052】比較例2は、特開平5-255417号公報の記載
に従い、不均化ロジンエステル(スーパーエステルA-10
0)を、比較例3では特開平2-18485号公報に準じて水素化
ロジンエステル(ステベライトエステル10)を使用した
が、いずれもUV硬化型アクリル系粘着剤組成物中の化合
物A及び/又は化合物Bの含有率が本発明の範囲を越える
ため、重合率は低い結果となった。
【0053】
【表1】
【0054】−:粘着層形成しないため測定できず。 SS:不連続剥離 KE-656、KE-311、KE-100、A-100:荒川化学製のロジン
系粘着付与樹脂 フォーラル85、ステベライトエステル10:イーストマン
ケミカル製のロジン系粘着付与樹脂
【0055】
【発明の効果】本発明のアクリル酸アルキルエステル及
びメタアクリル酸アルキルエステルからなる群から少な
くとも1種以上選ばれたモノマーを50〜95質量%とロジン
系粘着付与樹脂を含有するUV硬化型粘着剤組成物におい
て、該粘着剤組成物中の特定化合物の含有率が特定量以
下のものを用いることにより、短時間の硬化時間でもUV
硬化後の重合率が高く、接着力の大きいUV硬化型アクリ
ル系粘着剤組成物を得らることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 昭洋 埼玉県さいたま市上木崎4−2−3−502 Fターム(参考) 4J040 BA202 FA131 JB07 KA26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル酸アルキルエステルおよびメタ
    アクリル酸アルキルエステルからなる群から選ばれる少
    なくとも1種のモノマー50〜95質量%とロジン系粘着付与
    樹脂5〜30質量%を含有するUV硬化型アクリル系粘着剤組
    成物において、前記ロジン系粘着付与樹脂に含まれる式
    (I) 【化1】 で表される部分骨格を有する化合物の前記粘着剤組成物
    中の含有率が0.01質量%以下であることを特徴とするUV
    硬化型アクリル系粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記ロジン系粘着付与樹脂に含まれる式
    (II-1)、式(II-2)又は式(II-3)、 【化2】 で表される部分骨格を有する化合物の、前記粘着剤組成
    物中の含有率が3.0質量%以下である請求項1記載のUV硬
    化型アクリル系粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のUV硬化型アクリル系
    粘着剤組成物を使用したことを特徴とするアクリル系粘
    着剤。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のアクリル系粘着剤を使用
    した粘着テープ又は粘着シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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