JP2003160831A - 耐摩耗性に優れるコバルト基焼結体製制動材 - Google Patents
耐摩耗性に優れるコバルト基焼結体製制動材Info
- Publication number
- JP2003160831A JP2003160831A JP2001357390A JP2001357390A JP2003160831A JP 2003160831 A JP2003160831 A JP 2003160831A JP 2001357390 A JP2001357390 A JP 2001357390A JP 2001357390 A JP2001357390 A JP 2001357390A JP 2003160831 A JP2003160831 A JP 2003160831A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cobalt
- sintered body
- braking material
- material made
- braking
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
Abstract
えつつ、安全に摺動させるような極めて苛酷な条件での
使用に耐え、優れた摺動性を維持しつつ耐摩耗性に優れ
る制動材が求められていた。 【解決する手段】コバルト基合金を必須成分とし、S
i、W、Mo、Ta、Cr、Ti、Zr、Hf、V、N
bの少なくとも1種から選ばれる金属の炭化物、窒化
物、酸化物、硼化物の少なくとも1種からなる無機物か
らなるコバルト基焼結体によって、高荷重負荷条件下で
の摺動性および耐摩耗性を併せ持つ制動材が得られた。
Description
ある摩擦条件下で優れた摺動性を発揮するコバルト基焼
結体製制動材に関するものである。
ーボン、窒化硼素などの潤滑成分を鉄、銅系の金属と共
に焼結したものであった。これらは、摺動性に優れ、安
価に製造できる特徴から広く用いられてきた。例えば特
開平5−179232号公報には銅合金とフィラーより
構成されるブレーキ用焼結金属摩擦材が開示されてい
る。また特開2000−170924号公報には、WCに
カーボン粒子を配合した摺動材が開示されている。
も摺動性が重要視されてきた。しかし、機械的な衝撃に
ついては機械部品といしての範囲が想定されており、例
えば数トン〜数十トンにも及ぶ装置全体の落下を支えつ
つ、安全に摺動させるような極めて苛酷な条件での使用
に耐えるものはなかった。
などの制動部材としては優れた耐摩耗性・摺動性を有す
るもの、数トンから数十トンもの高荷重摺動条件下にお
いては、耐摩耗性が不十分であった。また、特開200
0−170924号公報のように、摺動性に優れるカー
ボン粒子を用いることで、摺動部材として優れた性能を
発揮するものの、従来には見られない高荷重下では、破
損に至る恐れがある。そのため、高い強度を有し、かつ
摺動性に優れ、さらに耐摩耗性を併せ持つ制動材が求め
られていた。
分野の研究を重ねた結果、コバルト基合金を必須成分と
し、Si、W、Mo、Ta、Cr、Ti、Zr、Hf、
V、Nbの少なくとも1種から選ばれる金属の炭化物、
窒化物、酸化物、硼化物の少なくとも1種からなる無機
物からなるコバルト基焼結体製制動材が、高い強度を有
し、かつ摺動性に優れ、さらに耐摩耗性を併せ持つ制動
材であることを見出したものである。
よる破壊に抵抗する靭性が優れる。ただし、数トンから
数十トンもの高荷重摺動条件下においては耐摩耗性が不
十分であるが、Si、W、Mo、Ta、Cr、Ti、Z
r、Hf、V、Nbの少なくとも1種から選ばれる金属
の炭化物、窒化物、酸化物、硼化物の少なくとも1種か
らなる無機物と焼結体を形成することによって、優れた
摺動性を維持しつつ、耐摩耗性に優れる制動材が得られ
たものである。詳細については、以下に説明する。
かつ衝撃による破壊に抵抗する靭性が優れ、Si、W、
Mo、Ta、Cr、Ti、Zr、Hf、V、Nbの少な
くとも1種から選ばれる金属の炭化物、窒化物、酸化
物、硼化物の少なくとも1種からなる無機物と焼結体を
形成することによって、優れた摺動性を維持しつつ、制
動材として優れた耐摩耗性を発揮するものである。ここ
で、コバルト基合金と類似の強度を有するものとして、
鉄族金属、具体的には鉄合金、ニッケル合金が挙げられ
る。しかし、本発明の無機物と焼結体を形成させた場合
は、焼結時に鉄合金が炭化物、窒化物中の炭素や窒素を
引き抜くため、結果的に脆い無機物などが形成され、衝
撃に対する抵抗である靭性が低下してしまう。また、ニ
ッケル合金は無機物との濡れ性が悪いため焼結性が劣
り、結果的に巣孔や無機物の凝集体が形成され易いた
め、強度が劣ってしまう。そのため、強度が高く、かつ
衝撃による破壊に抵抗する靭性が優れる制動材にはコバ
ルト基合金を必須とすることによって実現されるもので
ある。さらに、コバルト基合金は、コンクリートはもち
ろんのこと鉄および鉄合金、鉄錆との親和性が低いた
め、一般的な構造部材を相手材とするときには優れた摺
動性が得られる。
Cr、Ti、Zr、Hf、V、Nbの少なくとも1種か
ら選ばれる金属の炭化物、窒化物、酸化物、硼化物の少
なくとも1種からなる無機物はコバルト基合金との濡れ
性に優れ、かつ、硬度が高く、融点が高いことによる耐
熱性にも優れる。そこで、コバルト基合金と本発明で限
定するSi、W、Mo、Ta、Cr、Ti、Zr、H
f、V、Nbの少なくとも1種から選ばれる金属の炭化
物、窒化物、酸化物、硼化物の少なくとも1種からなる
無機物を組み合わせた焼結体は、数トンから数十トンも
の高荷重摺動条件下においても優れた摺動性と高い耐摩
耗性が得られることを明らかにしたものである。
r、Cの少なくとも1種を0.05〜30wt%含有することに
よって、高い強度を維持しつつ、耐食性および摺動性が
向上するため好ましい。これらの含有元素は、0.05wt%
未満では所望の効果が得られず、30wt%より多くては含
有元素の析出による強度低下が起り易くなるため、0.05
〜30wt%と定めた。また、4a、5a、6a属金属の炭
化物、窒化物、酸化物、硼化物、ダイヤモンド、ダイヤ
モンド状炭素の少なくとも1種または2種以上の単層も
しくは2層以上の複層からなる硬質物質を被覆したこと
によって、摺動性および耐摩耗性が向上するため好まし
い。具体的には、一般的に用いられている化学蒸着法や
物理蒸着法によって、0.3ミクロン程度から30ミクロ
ン程度の各種被膜を形成するものである。
物は強度および靭性の観点からタングステンの炭化物が
好ましく、さらにタングステンの炭化物の結晶構造が、
六方晶であることがより好ましい。
μm以上35μm以下であることによって衝撃的な破壊
に対する抵抗が向上するため好ましい。また、無機物の
含有量は30wt%より少なくては所望の耐摩耗性が得
られず、80wt%より多くては焼結体の強度が低下し
易いため、30〜80wt%が好ましい範囲と定めた。
本発明の焼結体は粉末冶金法により最も優れた特性の焼
結体が得られ、コバルト基合金の粉末とWCやTiCN、TiB
2などの無機物を混合、プレス成形し、得られた成形体
を真空または不活性ガス雰囲気下、組成に応じて800
〜1500℃で焼結することによって得られる。相対密
度は強度の点から95%以上が好ましい。
58WC−2TaCを発明品2、80Co−18WC−2TiB2を
発明品3とした。酸化アルミニウムを比較品1とし、4
0Cu−30Ni−10C−10Zn−10Feを比較品2、9
5Co−5Niを比較品3とした。作製した焼結体はリング
・オン・ブロック法により評価した。高速で回転する鉄
製リング上から各種焼結体に重りを載せて落下させ、摩
擦係数と摩耗量を測定するものである。鉄製リングの回
転速度は200rpm、重り重量は200Kgとし、単位
面積あたりの荷重が2ton/cm2となる条件で10
分間試験を行なった。試験結果を表1に示す。
性を示すと共に、高い耐摩耗性を有することが明らかと
なった。それに比べて、比較品は、無機物のみからなる
比較品は破損に至り、それ以外の比較品は摩耗量が多い
ものであった。
Claims (7)
- 【請求項1】コバルト基合金を必須成分とし、Si、
W、Mo、Ta、Cr、Ti、Zr、Hf、V、Nbの
少なくとも1種から選ばれる金属の炭化物、窒化物、酸
化物、硼化物の少なくとも1種からなる無機物とからな
るコバルト基焼結体製制動材 - 【請求項2】Co基合金が、Fe、Ni、Mo、Cr、
Cの少なくとも1種を0.05〜30wt%含有することを特徴
とする請求項1に記載のコバルト基焼結体製制動材 - 【請求項3】4a、5a、6a属金属の炭化物、窒化
物、酸化物、硼化物、ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭
素の少なくとも1種または2種以上の単層もしくは2層
以上の複層からなる硬質物質を被覆したことを特徴とす
る請求項1,2いずれか記載のコバルト基焼結体製制動
材 - 【請求項4】Wの炭化物とコバルト基合金からなるコバ
ルト基焼結体製制動材 - 【請求項5】Wの炭化物の結晶構造が、六方晶であるこ
とを特徴とする請求項4記載のコバルト基焼結体製制動
材 - 【請求項6】タングステンの炭化物の平均粒径が、15
μm以上35μm以下であることを特徴とする請求項1
〜5いずれか記載のコバルト基焼結体製制動材 - 【請求項7】無機物の含有量が、30〜80wt%であ
ることを特徴とする請求項1記載のコバルト基焼結体製
制動材
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001357390A JP4156230B2 (ja) | 2001-11-22 | 2001-11-22 | 耐摩耗性に優れるコバルト基焼結体製制動材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001357390A JP4156230B2 (ja) | 2001-11-22 | 2001-11-22 | 耐摩耗性に優れるコバルト基焼結体製制動材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003160831A true JP2003160831A (ja) | 2003-06-06 |
JP4156230B2 JP4156230B2 (ja) | 2008-09-24 |
Family
ID=19168741
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001357390A Expired - Fee Related JP4156230B2 (ja) | 2001-11-22 | 2001-11-22 | 耐摩耗性に優れるコバルト基焼結体製制動材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4156230B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019168058A (ja) * | 2018-03-23 | 2019-10-03 | 株式会社シマノ | 摩擦部材およびブレーキパッド |
JPWO2020194628A1 (ja) * | 2019-03-27 | 2021-11-18 | 日本碍子株式会社 | 耐摩耗部材 |
-
2001
- 2001-11-22 JP JP2001357390A patent/JP4156230B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019168058A (ja) * | 2018-03-23 | 2019-10-03 | 株式会社シマノ | 摩擦部材およびブレーキパッド |
JPWO2020194628A1 (ja) * | 2019-03-27 | 2021-11-18 | 日本碍子株式会社 | 耐摩耗部材 |
JP7122459B2 (ja) | 2019-03-27 | 2022-08-19 | 日本碍子株式会社 | 耐摩耗部材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4156230B2 (ja) | 2008-09-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2468889C2 (ru) | Металлические порошки | |
US11207730B2 (en) | FeNi binder having universal usability | |
JP6282288B2 (ja) | クロム窒化物を含有する溶射用粉末の製造方法 | |
JP2013508546A (ja) | 超硬合金およびその製造方法 | |
JP2012505971A (ja) | 金属粉末 | |
EP0882806B1 (en) | Hard molybdenum alloy, wear resistant alloy and method for manufacturing the same | |
JP2660455B2 (ja) | 耐熱硬質焼結合金 | |
JP5153624B2 (ja) | 複合材料とその製造方法、ならびに、それに用いる組成物およびそれを用いた刃物 | |
CN1929991B (zh) | 耐磨材料 | |
JPH093618A (ja) | TiB2系コーティングの製造方法及びこうして製造されたコーティング物品 | |
JP4282298B2 (ja) | 超微粒超硬合金 | |
JP2003160831A (ja) | 耐摩耗性に優れるコバルト基焼結体製制動材 | |
JPH07197180A (ja) | 耐食性に優れた高強度高硬度超硬合金 | |
JPH073357A (ja) | 高硬度で耐酸化性に優れた超硬合金 | |
JP4140928B2 (ja) | 耐摩耗性硬質焼結合金 | |
JP3496135B2 (ja) | 硬質合金及びその製造方法 | |
JPS63286549A (ja) | 耐塑性変形性にすぐれた窒素含有炭化チタン基焼結合金 | |
US20050136279A1 (en) | Chrome composite materials | |
WO2009116616A1 (ja) | 炭化タングステン基焼結体 | |
JPH06340941A (ja) | ナノ相複合硬質材料とその製造方法 | |
JP2000288658A (ja) | すぐれた自己潤滑性を有する炭化タングステン基超硬合金製耐摩耗工具 | |
JP6302530B2 (ja) | 鉄基耐摩耗焼結合金用硬質粉末及び鉄基耐摩耗焼結合金 | |
JPS59222556A (ja) | 加工性のすぐれた耐摩耗性鉄基焼結合金およびその製造方法 | |
JPS60131867A (ja) | 高耐摩耗性超硬質材料 | |
JPH1136037A (ja) | 硬質モリブデン合金、耐摩耗性合金、耐摩耗性焼結合金およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040831 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060403 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080421 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080606 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080708 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080709 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718 Year of fee payment: 3 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718 Year of fee payment: 3 |
|
R370 | Written measure of declining of transfer procedure |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130718 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130718 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |