JP2003140131A - 液晶表示装置用基板、その製造方法および液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置用基板、その製造方法および液晶表示装置

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JP2003140131A JP2001338298A JP2001338298A JP2003140131A JP 2003140131 A JP2003140131 A JP 2003140131A JP 2001338298 A JP2001338298 A JP 2001338298A JP 2001338298 A JP2001338298 A JP 2001338298A JP 2003140131 A JP2003140131 A JP 2003140131A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 外光を利用した反射型カラー液晶として、ま
た、バックライトを利用した透過型カラー液晶として使
用できる、液晶表示装置装置の提供。 【解決手段】 カラーフィルタ基板1と対向基板3側と
の間に液晶2を介在させ、透過領域と反射領域とが設け
られた液晶表示装置用基板において、カラーフィルタ基
板は、透明基板上に透過領域10と反射領域11とが設
けられ、これら双方の領域に着色画素膜4,5,6を形
成して構成し、対向基板は、基板上に反射膜を有する反
射領域と、対向基板側から入射した光を前記カラーフィ
ルタ基板側に透過する透過領域とを設けて構成され、前
記カラーフィルタ基板の反射領域が、着色部分と透明部
分とに分割され、かつ、反射領域の着色部分に形成され
た着色画素膜と、前記透過領域に形成された着色画素膜
とが、同一の感光性樹脂材料で同一膜厚に構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置用基
板、その製造方法および液晶表示装置に関する。さらに
詳しくは、明るい環境下では、外光を利用した反射型カ
ラー液晶として、暗い環境下では、バックライトを利用
した透過型カラー液晶として使用することができる液晶
表示装置用基板、その製造方法、およびこの液晶表示装
置用基板を用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】反射型カラー液晶表示装置は、反射板を
有し外光を利用して表示を行うものである。これは、バ
ックライトを有する透過型のカラー液晶表示装置に比べ
て消費電力が小さいことが特徴であり、電池駆動の携帯
機器などに利用されている。反射型カラー液晶表示装置
の構成としては、カラーフィルタ基板と対向する反射板
との間に液晶を充填し、1枚の偏光板と光学補償板を組
合せた1枚偏光板方式や、基板間に黒色のゲストホスト
液晶を充填してカラーフィルタ基板で色を出す方式のも
のがある。しかし、これらの反射型カラー液晶表示装置
は、外光を利用して表示を行うため、周囲が暗く十分な
外光が得られない場所では、表示が見えなくなるという
欠点がある。
【0003】そこで、周囲が明るい環境下では外光を利
用し、暗い環境下では光源による光で表示させる方法が
提案されている。このような方法には、(a)反射型カラ
ー液晶表示装置の前面に、補助光源(フロントライト)
を配置して外光の代わりとして用いる方法、(b)反射型
と透過型の両方の性質を併せ持った、いわゆる半透過型
の液晶表示装置により、暗い環境下ではバックライトか
らの光で表示する方法、という2つの方法がある。
【0004】このうち、上記(b)の半透過型液晶表示装
置は、例えば、特開平11−52366号公報に開示さ
れている。この例は、反射型液晶表示装置の構造におい
て、反射板に、光を透過するための微細な開口部を設け
たものであり、明るい環境では反射型、周囲が暗い環境
では、開口部からバックライトの光を得て透過型として
使用する構造のものである。前記のような、カラーフィ
ルタ基板を有する方式の反射型液晶表示装置では、パネ
ルに入射した光は、入射時と反射時の2回、カラーフィ
ルタ基板を透過する。このため、反射型液晶表示装置の
カラーフィルタ基板は、2回通過した後の光が、カラー
表示を行う上で最適になるように調整されており、一般
的に、透過型液晶のカラーフィルタ基板に比べて光の吸
収が少ない、「薄い」カラーフィルタ基板が使用され
る。
【0005】しかしながら、前記従来の装置は、反射型
液晶表示装置の反射板に開口部を設け、周囲が暗い環境
下で透過型液晶表示装置として使用する場合、前述のよ
うな「薄い」カラーフィルタ基板を用いると、表示色も
「薄い」色に限定され、色の再現範囲が狭くなる。この
結果、人間の目には、淡くぼんやりした表示として視認
されることになる。一方、カラーフィルタ基板として、
通常の透過型液晶表示装置に用いられるような、反射型
カラーフィルタ基板に比べて「濃い」ものを用いると、
反射型として使用した場合には、カラーフィルタ基板に
光が2回通過するため、カラーフィルタ基板での光の吸
収が大きくなり過ぎて、反射率が低くなる。この結果、
人間の目には、暗く見にくい表示として視認される。
【0006】このような問題を解決するために、(1)反
射領域のカラーフィルタ基板の着色画素膜厚を、透過領
域のカラーフィルタ基板の着色画素膜厚より薄くする方
法や、光学濃度を薄くするという技術(例えば、特開2
000−298271号公報参照)、(2)反射領域のカ
ラーフィルタ基板の着色画素膜厚を薄くするための手法
として、反射領域の全ての色{赤(以下Rと略称す
る)、緑(以下Gと略称する)、青(以下Bと略称す
る)}に共通の下地透明層を設けることにより、反射領
域と透過領域との着色画素膜厚差を調整する方法(例え
ば、特開2001−166289号公報参照)、などが
提案されている。
【0007】上記(1)の方法は、カラーフィルタの反射
領域、透過領域の着色画素膜を別々に形成することを示
唆している。通常、顔料分散法などによって形成される
カラーフィルタ基板は、金属遮光膜などで形成された格
子(以下、ブラックマトリクスと略称する)上に、RG
Bのいずれかの着色剤を配合した感光性樹脂(フォトレ
ジスト)を塗布した後、露光、現像などの各工程を経て
着色画素膜を形成した後、順次、残りの2色について同
様の工程を繰り返すことにより得られる。上記(1)の方
法は、反射領域、透過領域について、2種類の着色画素
膜厚または着色感光性樹脂を塗り分ける必要があり、製
造工程数が2倍(6回塗り)になるという欠点があっ
た。
【0008】上記(2)の方法は、上記(1)の方法に比べる
と、製造工程数が少ない(下地透明層、R、G、Bの4
回塗り)。しかしながら、反射領域と透過領域との着色
画素膜厚は完全には平坦化されず、両者に段差が生じて
しまう。反射領域と透過領域の段差があると、セルギャ
ップが変わるため、表示性能が低下してしまう。これを
防止するために平坦化膜を上塗りすると、結局5回塗り
となり、製造工程数としてはそれほど大きなメリットは
得られない。また、平坦化膜を上塗りしても、得られる
平坦性には限界があり、結果として表示性能は不十分と
いう欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の技術に存在していた課題を解決するものであり、目的
は次のとおりである。 1.反射型液晶表示装置として用いた場合、および透過
型液晶表示装置として用いた場合のいずれにおいても、
適切な色表現が可能な液晶表示装置用基板を提供するこ
と。 2.セルギャップが小さく均一で、表示性能が高く、か
つ、製造工程数が少なく低コストで製造できる液晶表示
装置用基板を提供すること。 3.上記液晶表示装置用基板の製造方法を提供するこ
と。 4.上記液晶表示装置用基板を用いた液晶表示装置を提
供すること。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、第1発明では、カラーフィルタ基板と対向基板側と
の間に液晶層を介在させ、透過領域と反射領域とが設け
られた液晶表示装置用基板において、カラーフィルタ基
板は、透明基板上に透過領域と反射領域とが設けられ、
これら双方の領域に着色画素膜を形成して構成され、対
向基板は、基板上に反射膜を有する反射領域と、対向基
板側から入射した光を前記カラーフィルタ基板側に透過
する透過領域とを形成して構成され、前記カラーフィル
タ基板の反射領域が、着色部分と透明部分とに複数に分
割され、かつ、反射領域の着色部分に形成された着色画
素膜と、前記透過領域に形成された着色画素膜とが、同
一の感光性樹脂材料で同一膜厚に構成されてなることを
特徴とする、液晶表示装置用基板を提供する。
【0011】また、第2発明では、カラーフィルタ基板
と対向基板側との間に液晶層を介在させ、透過領域と反
射領域とが設けられた液晶表示装置用基板を製造するに
あたり、カラーフィルタ基板は、透明基板上に透過領域
と反射領域とを設け、これら双方の領域に着色画素膜を
形成して構成し、対向基板は、基板上に反射膜を有する
反射領域と、対向基板側から入射した光を前記カラーフ
ィルタ基板側に透過する透過領域とを設けて構成し、前
記カラーフィルタ基板の反射領域を、着色部分と透明部
分とに複数に分割し、かつ、反射領域の着色部分に形成
する着色画素膜と、前記透過領域に形成する着色画素膜
とを、同一の感光性樹脂材料で同一膜厚に構成した後、
着色成分を含まない透明な感光性樹脂の均一な塗膜を形
成し、乾燥した後、基板背面から露光し、その後に現像
および焼成することを特徴とする、液晶表示装置用基板
の製造方法を提供する。
【0012】さらに、第3発明では、第1発明に係る液
晶表示装置用基板、または、第2発明に係る製造方法で
得られた液晶表示装置用基板を用いたことを特徴とす
る、液晶表示装置を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
第1発明に係る液晶表示装置用基板は、透明基板および
対向基板の2枚の基板によって構成される。2枚の基板
は液晶を収納するセルを形成する。基板の材料は特に限
定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネ
ート、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホンの熱可
塑性樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポ
リ(メタ)アクリル系樹脂等の熱硬化性樹脂、各種ガラ
スなどが挙げられる。透明基板は、これら例示したもの
に限定されるものではない。これら例示した中では、耐
熱性の点からガラス、耐熱性に優れた樹脂などが好まし
い。基板の厚さは、通常、0.05〜10mmの範囲で選
ばれる、中でも好ましいのは0.1〜7mmの範囲であ
る。
【0014】透明基板上には、ブラックマトリクスを形
成しまたは形成せずに、着色画素膜を形成しカラーフィ
ルタ基板とする。近年、開口率を上げるために、透明基
板上にブラックマトリクスを形成しない構造のカラーフ
ィルタ基板が提案されているが、本発明においても、ブ
ラックマトリクスの形成は必須ではない。このブラック
マトリックスを形成する場合は、遮光金属薄膜またはブ
ラックマトリクス用顔料分散液を用いて形成する。
【0015】遮光金属材料としては、金属クロム、酸化
クロム、窒化クロムなどのクロム化合物、ニッケルとタ
ングステンよりなる合金系材料などが用いられ、これら
を複数組合せて層状に積層させてもよい。層状に積層さ
せる場合には、まず、透明基板上に、蒸着またはスパッ
タリング法などにより、これら金属または金属・金属酸
化物の薄膜を形成する。ついで、その上に、感光性樹脂
の被膜を形成した後、後記の図2に示したように、繰り
返しパターンを有するフォトマスクを用いて、感光性樹
脂の被膜を露光・現像し、レジスト画像を形成する。そ
の後、薄膜をエッチング処理しブラックマトリックスを
形成する。
【0016】ブラックマトリクス用顔料分散液を用いる
場合は、黒色色材を含有する感光性樹脂組成物を使用し
てブラックマトリックスを形成する。感光性樹脂に、黒
色の色材、例えば、カーボンブラック、ボーンブラッ
ク、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラッ
ク、チタンブラックなどの黒色色材単独または複数、も
しくは、無機または有機の顔料、染料の中から適宜選択
されるRGBなどを混合した顔料分散液とし、後記する
RGBの画素画像を形成する方法と同様にして、ブラッ
クマトリクスを形成することができる。
【0017】ブラックマトリクスを形成した透明基板上
には、透過領域と反射領域とを設け、これら双方の領域
に着色画素膜を形成する。着色画素膜は、まず、RGB
のうち1色の着色材料を含有する感光性樹脂組成物を塗
布、加熱乾燥した後、塗布膜の上にフォトマスクを置
き、このフォトマスクを介して画像露光、現像、必要に
応じてさらに熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を塗布し
て、カラーフィルタ基板の着色画素膜を形成する。この
操作を、RGBの3色のカラーフィルタ用組成物につい
て各々行い、カラーフィルタ基板の着色画素膜を形成す
る。カラーフィルタ基板の着色画素膜は、各色の顔料ま
たは染料を混入したネガ型光感光性樹脂で形成するのが
好ましい。カラーフィルタ基板の着色画素膜の厚さは、
反射領域、透明領域ともに1〜2μmの範囲とするのが
好ましい。カラーフィルタ基板の着色画素膜上には、透
明な共通電極を設けることにより、基板上の駆動素子に
よって基板間に印加する電圧を変化させ、液晶層による
光の吸収、透過を制御可能とされる。
【0018】本発明に係る液晶表示装置用基板を構成す
るカラーフィルタの反射領域は、着色部分と透明部分と
に複数に分割する。着色部分と透明部分とに複数に分割
することによって、減法混色により反射領域の色度を
「中間色」にすることができる。分割する場合、分割数
が多いほどより精度の高い「中間色」を表現できるよう
に思えるが、実際には分割数を増やすことによって画素
間の境界線の総距離が長くなる。そのため画素パターン
の位置ばらつきが増幅され、分割率精度が低下し、結果
として表現される色度の精度が低下することになる。よ
って、反射領域の着色画素の1ピクセルを、着色部と透
明部との2〜12分割するのが好ましい。開口部分が分
割されたフォトマスクを用いることによって、着色部分
を複数に分割することができる。
【0019】次に、液晶表示装置用基板の製造方法は、
RGBの画素膜を形成した後、透明部を埋める形で透明
画素膜を形成することができる。反射領域の画素中の透
明部を埋める透明感光性樹脂と、これに隣接する着色画
素との境界線における段差を、0.2μm以下とし、か
つ、境界線における画素間の間隙を1μm以下とするの
が好ましい。このように構成することにより、反射領域
の着色部と透明部の段差の平坦化され、液晶表示セルと
して貼り合わせた際のセルギャップの均一化が可能とな
り、表示性能が向上する。
【0020】透明部の穴を埋めは、穴に対応したフォト
マスクを用い、着色成分を含まない透明感光性樹脂を、
塗布、加熱乾燥、画像露光、現像および熱硬化の各処理
を行って形成することができる。好ましくは、塗布、加
熱乾燥後に、基板背面から露光を行い、現像および熱硬
化の各処理を行って形成する。背面から露光することに
よって、RGBの着色画素自身がマスクの役割を果た
し、着色画素膜と透明画素膜が重なり合って、間隙が生
じることが防止でき、表面の平坦性が向上するからであ
る。
【0021】以下、第2発明の方法に従って液晶表示装
置用基板を製造する方法の一例を、簡単に説明する。ま
ず、透明基板に、ブラックマトリクスを形成する。ブラ
ックマトリクスの形成法は、前記したとおり、黒色顔料
または染料を混入した感光性樹脂組成物を塗布、加熱乾
燥、露光、現像を行なう。ついで、ブラックマトリクス
上に、透過領域と反射領域とを設ける。これら双方の領
域に、RGBを含むカラーフィルタ用組成物によって着
色画素膜を形成し、カラーフィルタ基板とする。カラー
フィルタ基板の着色画素膜は、RGBの顔料または染料
を混入したネガ型感光性樹脂組成物からなり、塗布、加
熱乾燥、露光、現像の一連の工程を経て形成することが
できる。ネガ型感光性樹脂は、特別なものではなく、市
場で入手可能なものが制限なく使用できる。
【0022】ネガ型感光性樹脂組成物の塗布は、スピナ
ー法、ワイヤーバー法、フローコート法、ダイコート
法、ロールコート法、スプレーコート法などのいずれか
の方法によることができる。塗布後の乾燥は、ホットプ
レート、IRオーブン、コンベクションオーブンなどを
用いて行うことができる。予備乾燥の後、再度加熱させ
て乾燥させる方法によるのが好ましい。予備乾燥の条件
は、ネガ型感光性樹脂組成物調製用に用いられた溶剤の
種類によって適宜選択されるが、通常は、40〜80℃
の温度範囲で、15秒から5分間、好ましくは50〜7
0℃の温度で30秒から3分間とされる。
【0023】加熱乾燥の条件は、予備乾燥温度より高い
50〜200℃の温度範囲、中でも70〜160℃、特
に70〜130℃が好ましい。また乾燥時間は、10秒
〜10分、中でも15秒〜5分とするのが好ましい。乾
燥温度は、高温なほど透明基板に対する接着性が向上す
るが、高すぎるとネガ型感光性樹脂組成物に含有させた
光重合開始系が分解し、熱重合を誘発して現像不良を生
ずることがある。なお、この乾燥は、温度を上げず、減
圧チャンバー内にて乾燥を行う減圧乾燥法によってもよ
い。乾燥後のカラーフィルタ基板の画素膜厚さは、0.
5〜3μmの範囲、中でも1〜2μmの範囲が好まし
い。
【0024】画素画像の露光は、ネガ型感光性樹脂組成
物の塗布膜上にネガのマトリクスパターンを導き、当該
マスクパターンを介し、紫外線または可視光線などの光
線を照射して行う。この際、必要に応じ、酸素による光
重合性層の感度の低下を防ぐため、光重合性層上にポリ
ビニルアルコール層などの酸素遮断層を形成した後に露
光を行うこともできる。
【0025】露光光源は、特に限定されるものではない
が、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タング
ステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハラ
イドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアー
ク、蛍光ランプなどのランプ光源や、アルゴンイオンレ
ーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レー
ザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザー
などのレーザー光源などが用いられる。特定の波長のみ
を使用する場合には、光学フィルタを利用することもで
きる。
【0026】カラーフィルタ基板の感光性樹脂組成物
は、上記の光源によって画像露光を行った後、有機溶
剤、または、界面活性剤とアルカリ性化合物を含有する
水溶液を用いて現像すれば、基板上に画素膜を形成する
ことができる。この水溶液には、さらに有機溶剤、緩衝
剤、錯化合物、染料または顔料を配合することができ
る。現像処理の条件には特に制限はないが、通常は、1
0〜50℃、中でも15〜45℃、特に好ましくは20
〜40℃の温度範囲で、浸漬現像、スプレー現像、ブラ
シ現像、超音波現像などのいずれかの方法によることが
できる。現像処理の後に、熱硬化処理を行うのが好まし
い。この際の熱硬化処理条件は、通常は、100〜28
0℃の温度範囲、好ましくは150〜250℃で、5〜
60分間である。カラーフィルタ基板は、画素画像上に
ITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明電極を形成し、
液晶表示装置のカラーディスプレー部品の一部として使
用される。
【0027】なお、カラーフィルタ基板は、上記方法の
他に、(a)フタロシアニン系顔料を含むポリイミド系樹
脂組成物を塗布し、エッチング法により画素膜を形成す
る方法によって製造することができる。また、(b)フタ
ロシアニン系顔料を含む樹脂組成物を着色インキとして
用い、印刷機により直接透明基板上に画素膜を形成する
方法や、(c)フタロシアニン系顔料を含む樹脂組成物か
らなる電着液に浸漬させ、所定パターンにされたITO
(IndiumTin Oxide)電極上に着色膜を析出させる方法に
よっても製造できる。さらに、(d)フタロシアニン系顔
料を含む樹脂組成物を塗布したフィルムを、透明基板に
張り付けて剥離し画像露光、現像し画素膜を形成する方
法や、(e)フタロシアニン系顔料を含むインキを用いた
インクジェットプリンターにより画素膜を形成する方法
などによっても製造できる。製造方法は、カラーフィル
タ基板用感光性樹脂の種類に応じ、感光性樹脂の種類に
適したものを採用することができる。
【0028】これら一連の操作により、カラーフィルタ
基板への画素形成(パターニング)を終了する。3色に
よってパターニングする際の順番は、特に限定されるも
のではない。RGBのパターニングが終了した後、透明
画素のパターニングを行う。顔料および染料などの着色
成分を含有していない、光硬化性を発揮する透明感光性
樹脂を、上記RGB形成面上に均一塗布する。塗布およ
び乾燥法は、上記カラーフィルタ基板へ画素を形成する
工程と同様の方法によればよい。その後に、カラーフィ
ルタ基板背面部より露光を行う。露光光源は上記カラー
フィルタ基板の感光性樹脂におけると同様の光源を用い
る。露光後に、現像および熱硬化処理を行う。これらの
条件についても、上記カラーフィルタ基板への画素形成
手順と同様の手順、条件で行うのが好ましい。
【0029】こうして得られたカラーフィルタ基板は、
透明画素を背面部から露光することにより、既に形成さ
れたブラックマトリクスおよびRGBの画素がマスクと
して働くので、RGBの画素画像(パターン)と透明画
素との間隙が空いたり、透明画素がRGBパターン上に
重なって段差を生じたりすることが防止される。
【0030】本発明に係る液晶表示装置用基板は、上記
着色画素膜を形成しカラーフィルタ基板と、対向基板と
の2枚の基板によって構成される。2枚の基板の間隔
は、3〜5μmとされる。2枚の基板によって形成され
るセル内に、液晶を注入・充填し、対向基板側にバック
ライトを配置して液晶表示装置とされる。
【0031】液晶には特に制限がなく、芳香族系、脂肪
族系、多環状化合物など、従来から知られている液晶で
あって、リオトロピック液晶、サーモトロピック液晶な
どのいずれでもよい。サーモトロピック液晶にはネマテ
ィック液晶、スメスチック液晶およびコレステリック液
晶などが知られているが、いずれも使用できる。
【0032】対向基板側には、反射膜を有する反射領域
と、対向基板側から入射した光を前記カラーフィルタ基
板側に透過する透過領域とを設ける。このようにするこ
とによって、反射領域の着色画素は、色の濃い透過領域
の着色画素と透明画素の減法混色となるため中間色を示
す。従って、反射型カラー液晶として用いる場合に、透
過型カラー液晶として用いる場合のカラーフィルタ基板
に比べて「薄い」カラーフィルタ基板とすることがで
き、反射型液晶表示装置、透過型液晶表示装置のいずれ
においても適切な色表現が可能となる。
【0033】対向基板は、反射膜が設けられた反射領域
と反射膜が設けられていない透過領域とから構成され
る。対向基板の反射領域には、アルミニウムを蒸着法に
より成膜して反射膜とするのが好ましい。
【0034】次に、本発明に係る液晶表示装置用基板の
表示動作について説明する。周辺が暗い場合には、カラ
ーフィルタ基板側に設けたバックライトにより、透過型
液晶表示装置として使用する。対向基板の透過領域にお
いてバックライトから照射され対向基板側から入射した
光は、液晶層、ITOなどの共通電極、画素膜を通過
し、カラーフィルタ基板側に出て、観察者に視認され
る。このように透過領域を用いて透過型液晶表示装置と
して使用した場合には、バックライトの光がカラーフィ
ルタ基板を1回通過する。
【0035】一方、周辺が明るい場合には、外光を利用
した反射型液晶表示装置として使用する。対向基板の反
射領域においてカラーフィルタ基板側から入射した光
は、画素膜像および透明層を通過し、ITOなどの共通
電極、液晶層を順次通過し、対向基板上に設けられた反
射膜上で反射されて再び液晶層、共通電極、画素画像層
および透明層を通過し、カラーフィルタ基板側に出て、
観察者に視認される。
【0036】このように反射領域を用いて反射型液晶表
示装置として使用した場合には、外光がカラーフィルタ
基板の画素膜を2回通過する。このため、反射領域で
は、カラーフィルタ基板の画素膜が2層重なっているの
と同じだけの光が吸収される。光の特性上、白色光と混
ぜることによって、薄い色を表現することが可能であ
り、対向基板の反射領域における着色層と透明層の面積
比を1:1とすることによって、ちょうど半分の薄さ
(吸収)を持つ色を表現することができる。これを反射
型カラーフィルタ基板として用いることにより、反射
型、透過型のいずれの方式で使用した場合でも、色の良
好な再現と十分な明るさを得ることができる。
【0037】本発明に係る液晶表示装置用基板を用いた
液晶表示装置を、周囲が明るい環境においてバックライ
トを点灯して観察すると、バックライトからの光による
透過型液晶表示装置としての表示と、外光による反射型
液晶表示装置の表示の両方を一度に視認するため、バッ
クライトを点灯しない場合に比べて明るい表示が可能と
なる。また、従来の透過型液晶表示装置では、強い外光
がある場合に表示が視認し難くなるという欠点があった
が、本発明のように、反射型と透過型の液晶表示装置の
機能を併せ持つことにより、強い外光のもとでも反射型
の機能により表示が見やすくなる。
【0038】以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明
するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の記載
例に限定されるものではない。
【0039】図1は、本発明に係る液晶表示装置用基板
の一例の断面図であり、図2は、本発明に係る液晶表示
装置用基板の一例の平面図である。図において、1はカ
ラーフィルタ基板、2は液晶層、3は対向基板、4はR
(赤)着色画素、5はG(緑)着色画素、6はB(青)
着色画素、7〜9は透明画素、10は透明領域、11は
反射領域、12はブラックマトリックス、13は反射膜
である。
【0040】図1の液晶表示装置用基板は、厚さが0.
7mmのガラス製のカラーフィルタ基板1と、厚さが0.
7mmのガラス製の対向基板3との間隙が5μmとされ、
この間隙にネマティック液晶が充填されて液晶層3を形
成している。カラーフィルタ基板1上には着色画素4、
5、6が形成され、着色画素4、5、6の周囲は、図2
に示したとおり、透明画素7、8、9によって分割され
ている。対向基板3には、アルミニウムの蒸着薄膜の反
射膜13が設けられた反射領域11と、反射膜13が設
けられていない透過領域10とから構成されている。カ
ラーフィルタ基板1上の着色画素は、対向基板側の透過
領域10の全面および反射領域11の一部分を覆うよう
に形成されている。例えば、着色画素4は、対向基板3
側の透過領域10の全面および反射領域11の一部分を
覆うように形成されており、反射領域の残りの部分は、
透明画素7が形成されている。G画素5、B画素6につ
いても同様の構造とされている。
【0041】図1では、反射領域の着色層と透明層の面
積比を1:1としたが、反射型液晶表示装置として用い
る場合には、外光を利用するために、透過型液晶表示装
置として用いる場合に比べて表示が暗くなる場合があ
る。そこで、透明層の面積を着色層の面積より大きい範
囲とすることによって、表示をより明るくすることがで
きる。この場合には、反射領域の色再現範囲は狭くな
る。
【0042】透過領域と反射領域の面積比は各画素内で
1:1とし、図2のように、透過領域10は画素の中央
部に配置し、反射領域11はその周囲に口の字状に形成
した。こうすることによって、基板上のゲート線および
ソース線など、透過領域としては使用できない範囲に反
射領域を形成することができ、開口率を向上することが
できる。
【0043】カラーフィルタ層上には、図示されていな
い、透明な共通電極が設けられており、対向基板3上の
駆動素子によって基板間に印加する電圧を変化させ、液
晶層3による光の吸収、透過を制御することができる。
【0044】
【発明の効果】本発明は、以上詳細に説明したとおりで
あり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上
の利用価値は極めて大である。 1.本発明に係る液晶表示装置用基板は、液晶表示装置
に搭載し、明るい環境下では外光を利用した反射型カラ
ー液晶として、暗い環境下ではバックライトを利用した
透過型カラー液晶表示装置として使用することができ
る。 2.本発明に係る液晶表示装置用基板は、液晶表示装置
に搭載し反射型カラー液晶として用いた場合、および、
透過型カラー液晶として用いた場合のいずれにおいて
も、適切な色表現が可能である。 3.本発明に係る液晶表示装置用基板は、セルギャップ
が均一で表示性能が高い品質に優れた液晶表示装置が得
られる。 4.本発明に係る液晶表示装置用基板の製造法によれ
ば、工程数が少ないので、カラー液晶表示装置を低コス
トで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る液晶表示装置用基板の一例の断
面図である。
【図2】 本発明に係る液晶表示装置用基板の一例の平
面図である。
【符号の説明】
1:カラーフィルタ基板 2:液晶層 3:対向基板 4:R着色画素 5:G着色画素 6:B着色画素 7〜9:透明画素 10:透過領域 11:反射領域 12:ブラックマトリックス 13:反射膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/00 342 G09F 9/00 342Z 9/30 310 9/30 310 349 349B 9/35 9/35 Fターム(参考) 2H048 BA45 BB02 BB07 BB08 BB10 BB14 BB44 2H091 FA02Y FA14Y FD04 FD05 GA03 LA13 2H092 GA13 GA21 GA23 NA01 PA08 5C094 AA03 AA08 AA43 AA52 BA43 EB02 EB04 ED03 FA04 JA08 5G435 AA04 BB12 BB15 BB16 GG12 KK05 KK07 KK10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラーフィルタ基板と対向基板側との間
    に液晶層を介在させ、透過領域と反射領域とが設けられ
    た液晶表示装置用基板において、カラーフィルタ基板
    は、透明基板上に透過領域と反射領域とが設けられ、こ
    れら双方の領域に着色画素膜を形成して構成され、対向
    基板は、基板上に反射膜を有する反射領域と、対向基板
    側から入射した光を前記カラーフィルタ基板側に透過す
    る透過領域とを形成して構成され、前記カラーフィルタ
    基板の反射領域が、着色部分と透明部分とに複数に分割
    され、かつ、反射領域の着色部分に形成された着色画素
    膜と、前記透過領域に形成された着色画素膜とが、同一
    の感光性樹脂材料で同一膜厚に構成されてなることを特
    徴とする、液晶表示装置用基板。
  2. 【請求項2】 反射領域の1ピクセルが、着色部分と透
    明部分とに2〜12に分割されている、請求項1に記載
    の液晶表示装置用基板。
  3. 【請求項3】 反射領域の着色画素膜中の透明部分が、
    着色成分を含まない透明な感光性樹脂によって穴埋めさ
    れている、請求項1または請求項2に記載の液晶表示装
    置用基板。
  4. 【請求項4】 反射領域の着色画素膜中の透明部分を埋
    める透明な感光性樹脂と、これに隣接する着色画素膜部
    分との境界線における段差が0.2μm以下であり、か
    つ、境界線における着色画素間隙が1μm以下である、
    請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の液晶表
    示装置用基板。
  5. 【請求項5】 カラーフィルタ基板と対向基板側との間
    に液晶層を介在させ、透過領域と反射領域とが設けられ
    た液晶表示装置用基板を製造するにあたり、カラーフィ
    ルタ基板は、透明基板上に透過領域と反射領域とを設
    け、これら双方の領域に着色画素膜を形成して構成し、
    対向基板は、基板上に反射膜を有する反射領域と、対向
    基板側から入射した光を前記カラーフィルタ基板側に透
    過する透過領域とを設けて構成し、前記カラーフィルタ
    基板の反射領域を、着色部分と透明部分とに複数に分割
    し、かつ、反射領域の着色部分に形成する着色画素膜
    と、前記透過領域に形成する着色画素膜とを、同一の感
    光性樹脂材料で同一膜厚に構成した後、着色成分を含ま
    ない透明な感光性樹脂の均一な塗膜を形成し、乾燥した
    後、基板背面から露光し、その後に現像および焼成する
    ことを特徴とする、液晶表示装置用基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の液晶表示装置用基板、
    または、請求項5に記載の製造方法によって得られた液
    晶表示装置用基板を用いたことを特徴とする、液晶表示
    装置。
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