JP2003055276A - フェナントレン誘導体及びその製造方法、並びにその合成中間体及びその製造方法、及びそのフェナントレン誘導体を用いた有機電界発光素子 - Google Patents

フェナントレン誘導体及びその製造方法、並びにその合成中間体及びその製造方法、及びそのフェナントレン誘導体を用いた有機電界発光素子

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JP2003055276A
JP2003055276A JP2001243566A JP2001243566A JP2003055276A JP 2003055276 A JP2003055276 A JP 2003055276A JP 2001243566 A JP2001243566 A JP 2001243566A JP 2001243566 A JP2001243566 A JP 2001243566A JP 2003055276 A JP2003055276 A JP 2003055276A
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JP2001243566A
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English (en)
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Weiseltier Frank
ヴァイセルテル フランク
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強い発光を呈する青色の有機発光材料として
好適なフェナントレン誘導体及びそれを高効率に製造す
る方法、並びにその合成中間体及びその製造方法、及び
そのフェナントレン誘導体を用いた有機電界発光素子を
提供すること。 【解決手段】 例えば、下記構造式[A]で表わされる
フェナントレン誘導体。 【化1】構造式[A]:

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、青色発光を呈する
有機発光材料として好適なフェナントレン誘導体及びそ
の製造方法、並びにその合成中間体及びその製造方法、
及びそのフェナントレン誘導体を用いた有機電界発光素
子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1987年にEastman Kodak社のTangら
が低電圧駆動、高輝度発光が可能なアモルファス発光層
を有する積層構造の有機薄膜電界発光素子を発表して以
来(C.W.Tang,S.A.VanSlyke,Appl.Phys.Lett.1987,51,9
13)、各方面において、赤(R)、緑(G)、青(B)
の三原色の発光、安定性、輝度上昇、積層構造、作製方
法等の研究開発が盛んに行われてきている。
【0003】有機発光性材料の第一の利点は、分子設
計、例えば、分子骨格の選択若しくはドーパントをその
分子骨格へ導入することによって、材料の光学的な性質
を、容易に、ある程度コントロールできるところにあ
り、現在、分子設計等によって、様々な新規の有機発光
性材料が研究開発されている。また、それらの有機発光
性材料を構成材料として用いた有機電界発光素子は、直
流低電圧駆動、薄型、自発光性等の優れた特徴を有して
おり、カラーディスプレイへの応用研究も盛んに行われ
始めている。
【0004】また、有機電界発光素子における青色発光
を目的とした様々な種類のドーパントも提案されてきて
おり、例えばペリレンが挙げられる(S.A.VanSlyke,US
5,151,629 1992.)。そして、有機電界発光素子の充分
な輝度を達成するために高濃度のドーパントが必要とさ
れてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高濃度
のドーパントを用いた場合、ドーパント分子間の相互作
用によって蛍光強度の低下が結果として生じるという問
題点を抱えている。この現象は、蛍光収率を減少させ、
更には有機電界発光素子の効率をも減少させてしまう。
この濃度による螢光収率の低下は、染料分子中に、各
々、嵩高い立体構造と共に、剛性のある基及び置換基を
導入することにより抑制することができるものと期待さ
れる。
【0006】また、有機電界発光素子の実用化を考える
と、依然として、色度、発光寿命、発光効率等のデバイ
スとしての信頼性に問題があるのが現状であり、それら
の問題を解決することが、有機発光電界素子によるフル
カラーディスプレイの実用化を実現するための大きな要
因となる。
【0007】本発明の目的は、上記のような現状に鑑
み、強い発光を呈する青色の有機発光材料として好適な
フェナントレン誘導体及びそれを高効率に製造する方
法、並びにその合成中間体及びその製造方法、及びその
フェナントレン誘導体を用いた有機電界発光素子を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために鋭意検討した結果、下記一般式[I]で表
わされるフェナントレン誘導体が強い発光を呈し、青色
の発光材料となりうることを見出し、かつその一般的か
つ高効率な製造方法を確立し、本発明に到達したもので
ある。
【0009】即ち、本発明は、下記一般式[I]で表わ
されるフェナントレン誘導体に係るものである。
【化20】 [但し、前記一般式[I]において、K、L、R1
2、R3、R4、R5及びR6は、下記に示す(a)〜
(d)のうちのいずれかであって、互いに同一であって
も異なっていてもよいが、KとLは同時に水素原子であ
ることはない。 (a)下記式(1)で表わされる基のうちのいずれか。
【化21】式(1): (b)炭素数1〜20の直鎖式アルキル基。 (c)ハロゲン化アルキル基、カルボキシ基、アルカノ
イル基及びアルコキシカルボニル基のうちのいずれか。 (d)下記式(2)で表わされる基のうちのいずれか。
【化22】式(2): (但し、前記式(2)で表わされる基において、R7
びR8は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
水素原子、炭素数1〜20の直鎖式アルキル基、ハロゲ
ン化アルキル基、カルボキシ基、アルカノイル基、アル
コキシカルボニル基、フェニル基、ビフェニル基、1−
ナフチル基、2−ナフチル基、2−チエニル基及び2−
フラニル基のうちのいずれかである。また、前記式
(2)で表わされる基を構成するアミノ基は第一級、第
二級又は第三級のアミノ基であり、フェニル基又はフェ
ナントレン基と共同して少なくとも1つの縮合環を形成
してもよい。また、前記式(1)及び(2)で表わされ
る基において、R9、R10、R11、R12、R13及びR14
は、互いに同一であっても異なっていてもよく、下記に
示す(a)〜(d)のうちのいずれかである。 (a)下記式(3)で表わされる基のうちのいずれか。
【化23】式(3): (b)炭素数1〜20の直鎖式アルキル基。 (c)ハロゲン化アルキル基、カルボキシ基、アルカノ
イル基及びアルコキシカルボニル基のうちのいずれか。 (d)フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2
−ナフチル基、2−チエニル基、2−フラニル基、−O
−フェニル基、−O−ビフェニル基、−O−1−ナフチ
ル基、−O−2−ナフチル基、−O−2−チエニル基及
び−O−2−フラニル基のうちのいずれか。 また、前記式(2)で表わされる基において、X及びY
は、互いに同一であっても異なっていてもよく、CR9
(但し、R9は前記したものと同じである。)若しくは
Nである。また、前記式(2)で表わされる基におい
て、ZはO、S、SO2、NR7及びCR910(但し、
7、R9及びR10は前記したものと同じである。)のう
ちのいずれかである。また、前記式(1)及び(2)で
表わされる基において、n及びoは、互いに同一であっ
ても異なっていてもよく、0〜4の整数である。)]。
【0010】本発明のフェナントレン誘導体は、極めて
良好な発光効率を与えることができる。また、有機電界
発光素子の構成材料として、本発明のフェナントレン誘
導体を用いれば、カラーディスプレイ等のフルカラー化
と共に、素子の長寿命化を実現することができる。
【0011】本発明に基づくフェナントレン誘導体は、
下記一般式[II]で表わされるものが好ましい。
【化24】 [但し、前記一般式[II]において、K、L、R1、R2
及びR4は互いに同一であって、下記式(4)で表わさ
れる基のうちのいずれかである。
【化25】式(4): (但し、前記式(4)で表わされる基において、R15
びR16は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
水素原子、t−ブチル基、アダマンチル基、炭素数1〜
20、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、フェ
ニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル
基、2−チエニル基及び2−フラニル基のうちのいずれ
かである。また、前記式(4)で表わされる基を構成す
るアミノ基は第一級、第二級又は第三級のアミノ基であ
り、フェニル基又はフェナントレン基と共同して少なく
とも1つの縮合環を形成してもよく、望ましくは、メチ
ル基を有するフェナントレン基又はフェニル環基と縮合
してジュロリジン環又は5員環若しくは6員環を形成す
る。また、R17、R18及びR19は、互いに同一であって
も異なっていてもよく、H、Cl、F、CF3、CN、
NO2、t−ブチル基、アダマンチル基、炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数
1〜20、より好ましくは炭素数1〜6の−O−アルキ
ル基、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜6の
−S−アルキル基、フェニル基、ビフェニル基、1−ナ
フチル基、2−ナフチル基、2−チエニル基、2−フラ
ニル基、−O−フェニル基、−O−ビフェニル基、−O
−1−ナフチル基、−O−2−ナフチル基、−O−2−
チエニル基、−O−2−フラニル基及びN(R15
3(但し、R15は前記したものと同じである。)のうち
のいずれかである。また、X及びYは、互いに同一であ
っても異なっていてもよく、CR17(但し、R17は前記
したものと同じである。)若しくはNである。また、Z
はO、S、SO2、NR15及びCR1718(但し、
15、R17及びR1 8は前記したものと同じである。)の
うちのいずれかである。また、n及びoは、互いに同一
であっても異なっていてもよく、0〜4の整数であ
る。)]。
【0012】また、本発明に基づくフェナントレン誘導
体は、下記一般式[III]で表わされるものが好まし
い。
【化26】 [但し、前記一般式[III]において、K及びLは互い
に同一であって、下記式(5)で表わされる基のうちの
いずれかである。
【化27】式(5): (但し、前記式(5)で表わされる基において、R15
16、R17、R18、R19、X、Y、Z、n及びoは、請
求項2において定義したものと同様である。) また、前記一般式[III]において、R1、R2及びR
4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、下記
式(6)で表わされる基のうちのいずれかである。
【化28】式(6): (但し、前記式(6)で表わされる基において、R17
18、R19及びoは請求項2において定義したものと同
様である。)]。
【0013】さらに、本発明に基づくフェナントレン誘
導体は、下記一般式[IV]で表わすこともできる。
【化29】 [但し、前記一般式[IV]において、K及びLは互いに
同一であって、下記式(7)で表わされる基のうちのい
ずれかである。
【化30】式(7): (但し、前記式(7)で表わされる基において、R20
H、Cl、F、CF3、CN、NO2、OCH3、OC2
5、SCH3、SC25、CH3、t−ブチル基及びアダ
マンチル基のうちのいずれかである。また、前記式
(7)を構成するアミノ基は、フェニル基又はフェナン
トレン基と共同して少なくとも1つの縮合環を形成して
もよく、望ましくは、メチル基を有するフェニル基又は
フェナントレン基と縮合してジュロリジン環又は5員環
若しくは6員環を形成する。)]。
【0014】また、本発明に基づくフェナントレン誘導
体は、下記一般式[V]で表わされるものでもよい。
【化31】 [但し、前記一般式[V]において、K及びLは互いに
異なっている。また、Kは、下記式(8)で表わされる
基のうちのいずれかである。
【化32】式(8): (但し、前記式(8)で表わされる基において、R
20は、請求項4において定義したものと同様である。) また、前記一般式[V]において、Lは、下記式(9)
で表わされる基のうちのいずれかである。
【化33】式(9): (但し、前記式(9)で表わされる基において、R
21は、炭素数1〜20の直鎖式若しくは分岐式アルキル
基である。)]。
【0015】前記一般式[I]のフェナントレン誘導体
は、下記一般式[VI]で表わされる1,2,3,4−テ
トラヒドロ−1,4−メタノ−6,11−ジハロゲノ−
トリフェニレンと、ボロン酸誘導体とをカップリング反
応させることによって、高効率に製造することができ
る。
【0016】
【化34】 (但し、前記一般式[VI]のおいて、Q1及びQ2は互い
に同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン原子若
しくは水素原子であるが、同時に水素原子であることは
ない。)
【0017】後述するように、前記一般式[VI]中の前
記Q1及び/又はQ2はヨウ素原子であることが特に好ま
しく、また、前記カップリング反応をスズキカップリン
グ(Suzuki Coupling)反応とすること
が好ましい。
【0018】さらに、前記ボロン酸誘導体として、前記
一般式[I]中のK又はLを有するボロン酸を使用する
ことが望ましい。
【0019】本発明はまた、本発明の化合物の合成中間
体として好適な種々の化合物も提供するものである。
【0020】即ち、前記一般式[VI]で表わされ、前記
一般式[I]のフェナントレン誘導体の合成中間体とし
て用いられる1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−
メタノ−6,11−ジハロゲノ−トリフェニレンであ
る。
【0021】本発明に基づく合成中間体としての、前記
一般式[VI]で表わされる1,2,3,4−テトラヒド
ロ−1,4−メタノ−6,11−ジハロゲノ−トリフェ
ニレンは、下記一般式[VII]で表わされるcis,e
xo−1,2,3,4,4a,12b−ヘキサヒドロ−
1,4−メタノ−6,11−ジヒドロ−トリフェニレン
と、下記式(10)で表わされる2,3−ジクロロ−
5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)と
を反応させることによって、高効率に製造することがで
きる。
【0022】
【化35】一般式[VII]: 式(10): (但し、前記一般式[VII]において、Q1及びQ2は互
いに同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン原子
若しくは水素原子であるが、同時に水素原子であること
はない。)
【0023】前記一般式[VII]中の前記Q1及び/又は
2は、上述したように、ヨウ素原子であることが好ま
しい。
【0024】また本発明は、前記一般式[VII]で表わ
され、前記一般式[I]のフェナントレン誘導体の更に
他の合成中間体として用いられるcis,exo−1,
2,3,4,4a.12b−ヘキサヒドロ−1,4−メ
タノ−6,11−ジハロゲノ−トリフェニレンに係るも
のである。
【0025】前記一般式[VII]で表わされるcis,
exo−1,2,3,4,4a,12b−ヘキサヒドロ
−1,4−メタノ−6,11−ジハロゲノ−トリフェニ
レンは、下記式(11)で表わされるcis,exo−
1,2,3,4,4a,12b−ヘキサヒドロ−1,4
−メタノ−トリフェニレンと、ヨウ素と、下記一般式
[VIII]で表わされるビス−(トリフルオロアセトキ
シ)−ハロゲノベンゼンとを反応させることによって、
高効率に製造することができる。
【0026】
【化36】 (但し、前記一般式[VIII]において、Q3はハロゲン
原子である。)
【0027】また、前記一般式[VIII]中の前記Q
3は、ヨウ素原子であることが好ましい。
【0028】図1〜図4は、本発明に基づく化合物を有
機発光材料として用いる有機電界発光素子(EL素子)
の例をそれぞれ示すものである。
【0029】図1は陰極3を発光光20が透過する透過
型有機電界発光素子Aであって、発光光20は保護層4
の側からも観測できる。図2は陰極3での反射光も発光
光20として得る反射型有機電界発光素子Bを示す。
【0030】図中、1は有機電界発光素子を形成するた
めの基板であり、ガラス、プラスチック及び他の適宜の
材料を用いることができる。また、有機電界発光素子を
他の表示素子と組み合わせて用いる場合には、基板を共
有することもでき、例えばアクティブマトリックス駆動
する場合には、TFT(Thin Film Transistors:薄膜
トランジスタ)を基板として用いることも可能である。
2は透明電極(陽極)であり、例えば、上記透過型有機
電界発光素子Aでは透明電極ITO(Indium tin oxid
e)、IZO(Indium zinc oxide)、SnO2等を使用
でき、また反射型有機電界発光素子BではCr、Fe、
Co、Ni、Cu、Ta、W、Pt、Mo、Au及びこ
れらの合金等を使用できる。
【0031】また、5は有機発光層であり、本発明に基
づく化合物を発光材料として含有している。この発光層
について、有機電界発光20を得る層構成としては、従
来公知の種々の構成を用いることができる。後述するよ
うに、例えば、正孔輸送層と電子輸送層のいずれかを構
成する材料が発光性を有する場合、これらの薄膜を積層
した構造を使用できる。更に本発明の目的を満たす範囲
で電荷輸送性能を上げるために、正孔輸送層と電子輸送
層のいずれか若しくは両方が、複数種の材料の薄膜を積
層した構造、または、複数種の材料を混合した組成から
なる薄膜を使用するのを妨げない。また、発光性能を上
げるために、少なくとも1種以上の蛍光性の材料を用い
て、この薄膜を正孔輸送層若しくは電子輸送層、または
これらの両方に含ませた構造を使用してもよい。これら
の場合には、発光効率を改善するために、正孔または電
子の輸送を制御するための薄膜をその層構成に含ませる
ことも可能である。
【0032】本発明に基づく化合物は、電子輸送性能と
正孔輸送性能の両方を持つため、素子構成中、電子輸送
層を兼ねた発光層としても、或いは正孔輸送層を兼ねた
発光層としても用いることが可能である。また、本発明
に基づく化合物を発光層として、電子輸送層と正孔輸送
層とで挟み込んだ構成とすることも可能である。
【0033】なお、図1及び図2中、3は陰極であり、
電極材料としては、Li、Mg、Ca等の活性な金属と
Ag、Al、In等の金属との合金、LiF、Li
2、或いはこれらを積層した構造を使用できる。透過
型の有機電界発光素子においては、陰極の厚さを調節す
ることにより、用途に合った光透過率を得ることができ
る。一方、反射型の有機電界発光素子においては、陰極
の厚さを薄くして高い透過率を保持し、なおかつ陽極を
反射率の高い材料で構成することによって、有機電界発
光を陰極側に取り出すことができる。また、図中の4は
封止・保護層であり、有機電界発光素子全体を覆う構造
とすることにより、その効果が上がる。気密性が保たれ
れば、適宜の材料を使用することができる。また、8は
電流注入用の駆動電源である。
【0034】本発明に基づく有機電界発光素子におい
て、有機層が、正孔輸送層と電子輸送層とが積層された
有機積層構造(シングルへテロ構造)を有しており、正
孔輸送層又は電子輸送層の形成材料として本発明に基づ
く化合物が用いられてよい。或いは、有機層が、正孔輸
送層と発光層と電子輸送層とが順次積層された有機積層
構造(ダブルへテロ構造)を有しており、発光層の形成
材料として本発明に基づく化合物が用いられてよい。
【0035】このような有機積層構造を有する有機電界
発光素子の例を示すと、図3は、透過性の基板1上に、
透光性の陽極2と、正孔輸送層6と電子輸送層7とから
なる有機層5aと、陰極3とが順次積層された積層構造
を有し、この積層構造が保護膜4によって封止されてな
る、シングルへテロ構造の有機電界発光素子Cである。
【0036】図3に示すように発光層を省略した層構成
の場合には、正孔輸送層6と電子輸送層7の界面から所
定波長の発光光20を発生する。これらの発光光は基板
1側から観測される。
【0037】また、図4は、透光性の基板1上に、透光
性の陽極2と、正孔輸送層10と発光層11と電子輸送
層12とからなる有機層5bと、陰極3とが順次積層さ
れた積層構造を有し、この積層構造が保護膜4によって
封止されてなる、ダブルへテロ構造の有機電界発光素子
Dである。
【0038】図4に示した有機電界発光素子において
は、陽極2と陰極3の間に直流電圧を印加することによ
り、陽極2から注入された正孔が正孔輸送層10を経
て、また陰極3から注入された電子が電子輸送層12を
経て、それぞれ発光層11に到達する。この結果、発光
層11においては電子/正孔の再結合が生じて一重項励
起子が生成し、この一重項励起子から所定波長の発光を
発生する。
【0039】上述した各有機電界発光素子C、Dにおい
て、基板1は、例えば、ガラス、プラスチック等の光透
過性の材料を適宜用いることができる。また、他の表示
素子と組み合わせて用いる場合や、図3及び図4に示し
た積層構造をマトリックス状に配置する場合等は、この
基板を共用としてよい。また、素子C、Dはいずれも、
透過型、反射型のいずれの構造もとりうる。
【0040】また、陽極2は、透明電極であり、ITO
(Indium tin oxide)やSiO2等が使用できる。この
陽極2と正孔輸送層6(又は正孔輸送層10)との間に
は、電荷の注入効率を改善する目的で、有機物若しくは
有機金属化合物からなる薄膜を設けてもよい。なお、保
護膜4が金属等の導電性材料で形成されている場合は、
陽極2の側面に絶縁膜が設けられていてもよい。
【0041】また、有機電界発光素子Cにおける有機層
5aは、正孔輸送層6と電子輸送層7とが積層された有
機層であり、これらのいずれか又は双方に本発明に基づ
く化合物が含有され、発光性の正孔輸送層6又は電子輸
送層7としてよい。有機電界発光素子Dにおける有機層
5bは、正孔輸送層10と本発明に基づく化合物を含有
する発光層11と電子輸送層12とが積層された有機層
であるが、その他、種々の積層構造をとることができ
る。例えば、正孔輸送層と電子輸送層のいずれか若しく
は両方が発光性を有していてもよい。
【0042】また、特に、正孔輸送層6又は電子輸送層
7や発光層11が本発明に基づく化合物からなる層であ
ることが望ましいが、これらの層を本発明の化合物のみ
で形成してもよく、或いは、本発明に基づく化合物と他
の正孔又は電子輸送材料(例えば、芳香族アミン類やピ
ラゾリン類等)との共蒸着によって形成してもよい。さ
らに、正孔輸送層において、正孔輸送性能を向上させる
ために、複数種の正孔輸送材料を積層した正孔輸送層を
形成してもよい。
【0043】また、有機電界発光素子Cにおいて、発光
層は電子輸送性発光層7であってよいが、電源8から印
加される電圧によっては、正孔輸送層6やその界面で発
光される場合がある。同様に、有機電界発光素子Dにお
いて、発光層は層11以外に、電子輸送層12であって
もよく、正孔輸送層10であってもよい。発光性能を向
上させるために、少なくとも1種の蛍光性材料を用いた
発光層11を正孔輸送層と電子輸送層との間に挟持させ
た構造であるのがよい。または、この蛍光性材料を正孔
輸送層又は電子輸送層、或いはこれらの両層に含有させ
た構造を構成してよい。このような場合、発光効率を改
善するために、正孔又は電子の輸送を制御するための薄
膜(ホールブロッキング層やエキシトン生成層など)を
その層構成に含ませることも可能である。
【0044】また、陰極3に用いる材料としては、L
i、Mg、Ca等の活性な金属とAg、Al、In等の
金属との合金を使用でき、これらの金属を積層した構造
であってもよい。なお、陰極の厚みや材質を適宜選択す
ることによって、用途に見合った有機電界発光素子を作
製できる。
【0045】また、保護膜4は、封止膜として作用する
ものであり、有機電界発光素子全体を覆う構造とするこ
とで、電荷注入効率や発光効率を向上できる。なお、そ
の気密性が保たれれば、アルミニウム、金、クロム等の
単金属または合金など、適宜その材料を選択できる。
【0046】上記した各有機電界発光素子に印加する電
流は通常、直流であるが、パルス電流や交流を用いても
よい。電流値、電圧値は、素子を破壊しない範囲内であ
れば特に制限はないが、有機電界発光素子の消費電力や
寿命を考慮すると、なるべく小さい電気エネルギーで効
率よく発光させることが望ましい。
【0047】次に、図5は、本発明の有機電界発光素子
を用いた平面ディスプレイの構成例である。図示の如
く、例えばフルカラーディスプレイの場合は、赤
(R)、緑(G)及び青(B)の3原色を発光可能な有
機層5(5a、5b)が、陰極3と陽極2との間に配さ
れている。陰極3及び陽極2は、互いに交差するストラ
イプ状に設けることができ、輝度信号回路14及びシフ
トレジスタ内蔵の制御回路15により選択されて、それ
ぞれに信号電圧が印加され、これによって、選択された
陰極3及び陽極2が交差する位置(画素)の有機層が発
光するように構成される。この駆動方法としては、単純
マトリックス方式又はアクティブマトリックス方式を用
いることができる。
【0048】即ち、図5は例えば8×3RGB単純マト
リックスであって、正孔輸送層と、発光層および電子輸
送層のいずれか少なくとも一方とからなる積層体5を陰
極3と陽極2の間に配置したものである(図3及び図4
参照)。陰極と陽極は、共にストライプ状にパターニン
グすると共に、互いにマトリックス状に直交させ、シフ
トレジスタ内蔵の制御回路15および14により時系列
的に信号電圧を印加し、その交差位置で発光するように
構成されたものである。かかる構成のEL素子は、文字
・信号等のディスプレイとしては勿論、画像再生装置と
しても使用できる。また陰極3と陽極2のストライプ状
パターンを赤(R)、緑(G)、青(B)の各色毎に配
し、マルチカラーあるいはフルカラーの全固体型フラッ
トパネルディスプレイを構成することが可能となる。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例について具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0050】cis,exo−1,2,3,4,4a,
12b−ヘキサヒドロ−1,4−メタノ−トリフェニレ
ン(構造式[a])の合成
【化37】
【0051】上記構造式[a]で表わされるcis,e
xo−1,2,3,4,4a,12b−ヘキサヒドロ−
1,4−メタノ−トリフェニレンの合成については、文
献(M.Catellani,G.P.Chiusoli,J.Organomet.Chem.198
5,286,C13.)に記載の合成方法に基づいて行った。
【0052】窒素雰囲気下にて、ノルボルネン(2.5
0g、26.5mmol)と、ブロモベンゼン(6.4
0g、40.8mmol)とを無水アニソールの100
ml中に溶解し、この溶液中に触媒としてのPd(PP
34(2.18g、1.89mmol)及びK−tO
Bu(4.57g、40.8mmol)を添加した。次
いで、この混合液を105℃で10時間攪拌した。溶剤
と未反応のブロモベンゼンを真空中にて蒸留し、残った
黒色油状物を、溶出剤としてのヘキサンを用いてクロマ
トグラフィーにて精製した。そして、ヘキサンから再結
晶させたところ、上記構造式[a]で表わされる白色結
晶としてcis,exo−1,2,3,4,4a,12
b−ヘキサヒドロ−1,4−メタノ−トリフェニレン9
79mg(3.98mmol、収率15%)が得られ
た。
【0053】cis,exo−1,2,3,4,4a,
12b−ヘキサヒドロ−1,4−メタノ−6,11−ジ
ヨード−トリフェニレン(構造式[b])の合成
【化38】
【0054】cis,exo−1,2,3,4,4a,
12b−ヘキサヒドロ−1,4−メタノ−トリフェニレ
ン(627mg、2.55mmol)、ヨウ素(648
mg、2.55mmol)及びビス−(トリフルオロア
セトキシ)−ヨードベンゼン(1.18g、2.74m
mol)に対し、CHCl320mlを加えた。窒素雰
囲気下、この懸濁液を室温下にて4時間攪拌した。攪拌
終了後、粗生成物をヘキサン及びCHCl3にて処理し
たところ、上記構造式[b]で表わされる淡黄色の固体
としてcis,exo−1,2,3,4,4a,12b
−ヘキサヒドロ−1,4−メタノ−6,11−ジヨード
−トリフェニレン738mg(1.48mmol、収率
58%)が得られた。
【0055】1H-NMR(270MHz,CDCl3):δ=7.56(s,2H),7.4
8(s,4H),3.13(s,2H),2.36(s,2H),1.72-1.54(m,4H),1.35
-1.31(d,1H),1.09-1.05(d,1H).
【0056】ここで、前記ヨウ素に代わり臭素を用い
て、同様の手順で合成を行ったところ、cis,exo
−1,2,3,4,4a,12b−ヘキサヒドロ−1,
4−メタノ−6,11−ジブロモ−トリフェニレンが得
られたが、収率は前記ヨウ素を用いた場合と比べ、低か
った。
【0057】1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−
メタノ−6,11−ジヨード−トリフェニレン(構造式
[c])の合成
【化39】
【0058】cis,exo−1,2,3,4,4a,
12b−ヘキサヒドロ−1,4−メタノ−6,11−ジ
ヨード−トリフェニレン(1.76g、3.53mmo
l)及びDDQ(2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ
−1,4−ベンゾキノン:881mg、3.88mmo
l)を有するトルエン40ml溶液を、窒素雰囲気下に
て19時間還流した。沈殿した固体を取り出し、次い
で、ろ液を濃縮した。残渣をメタノールを用いて処理
し、得られた粗生成物をヘキサン/クロロホルムから再
結晶させたところ、上記構造式[c]で表わされる淡黄
色結晶として1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−
メタノ−6,11−ジヨード−トリフェニレン589m
g(1.19mmol、収率34%)が得られた。
【0059】また、上記cis,exo−1,2,3,
4,4a,12b−ヘキサヒドロ−1,4−メタノ−
6,11−ジヨード−トリフェニレンに代わり、上記に
得られたcis,exo−1,2,3,4,4a,12
b−ヘキサヒドロ−1,4−メタノ−6,11−ジブロ
モ−トリフェニレンを用いて、上述したと同様の手順で
行ったところ、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4
−メタノ−6,11−ジブロモ−トリフェニレンが得ら
れた。
【0060】1H-NMR(270MHz,CDCl3):δ=8.37-8.34(m,4
H),7.86-7.82(dd,2H),4.01(s,2H),2.09-2.06(m,2H),1.8
9-1.86(m,1H),1.72-1.69(d,1H),1.20-1.16(m,2H).
【0061】1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−
メタノ−6,11−ビス(ビフェニル−4−イル)−ト
リフェニレン(構造式[A])の合成
【化40】
【0062】窒素雰囲気下にて、1,2,3,4−テト
ラヒドロ−1,4−メタノ−6,11−ジヨード−トリ
フェニレン(300mg、0.605mmol)、ビフ
ェニルボロン酸(479mg、2.42mmol)、炭
酸カリウム(737mg、5.34mmol)及びテト
ラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
(Pd(PPh34:42mg、0.036mmol)
を、トルエン40mlと水20mlからなる混合液中に
て18時間還流した。沈殿物を取り出し、メタノール、
ジオキサン及びクロロホルムとヘキサンの混合物中にて
還流したところ、上記構造式[A]で表わされる灰色が
かった白色粉末として1,2,3,4−テトラヒドロ−
1,4−メタノ−6,11−ビス(ビフェニル−4−イ
ル)−トリフェニレン224mg(0.408mmo
l、収率67%)が得られ、そして、この生成物は、一
般的な有機溶剤中にて低い溶解性を示した。
【0063】この反応の反応経路を簡略的に説明する
と、前記パラジウム触媒が、前記1,2,3,4−テト
ラヒドロ−1,4−メタノ−6,11−ジヨード−トリ
フェニレンに対して酸化的に付加し、トランスメタル化
され、次いで、還元的脱離を経ることによって、目的物
である1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノ
−6,11−ビス(ビフェニル−4−イル)−トリフェ
ニレンを得ることができる。
【0064】この生成物の純度を標定するため、MAL
DI−TOF(Matrix Assisted Laser Desorption Ion
ization-Time Of Flight)質量測定、XPS及びIRを
測定した。各結果を、図6、図7及び図8に示す。
【0065】蛍光スペクトル極大(ジオキサン):λ=
404,425nm
【0066】ここで、上記ビフェニルボロン酸に代わ
り、ビフェニル−4−イル−トリメチルスタンナンを用
いても、上記1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−
メタノ−6,11−ビス(ビフェニル−4−イル)トリ
フェニレンを上記したと同等の収率で得られた。
【0067】また、上記1,2,3,4−テトラヒドロ
−1,4−メタノ−6,11−ビス(ビフェニル−4−
イル)トリフェニレンを発光材料として用い、下記に示
す組成からなるシングルへテロ構造の有機電界発光素子
を作製した。
【0068】陽極:ITO(190nm) 正孔注入層:2−TNATA(4,4’,4”−トリス
−(2−ナフチルフェニルトリフェニルアミン)(20
nm) 正孔輸送層:下記構造式で表わされる、4,4’,4”
−トリス[4−N,N’−(ジフェニルアミノ)フェニ
ル]トリフェニルアミン(50nm)
【化41】4,4’,4”−トリス[4−N,N’−
(ジフェニルアミノ)フェニル]トリフェニルアミン: 電子輸送性発光層:1,2,3,4−テトラヒドロ−
1,4−メタノ−6,11−ビス−(ビフェニル−4−
イル)−トリフェニレン(40nm) バッファー層:酸化リチウム(0.5nm) 陰極:アルミニウム(200nm)
【0069】上記組成からなる有機電界発光素子に対
し、窒素雰囲気下で順バイアス直流電圧を加えて発光特
性を評価した。発光色は青色であり、分光測定を行った
結果、図9に示すように、423nmに発光ピークを有
するスペクトルを得た。分光測定は、スペクトル輝度計
(大塚電子社製)を用いて行った。素子の駆動安定性
は、25mA/cm2の電流密度のもとで測定した。電
圧−輝度測定を行ったところ、8Vで150cd/m2
の輝度が得られた。
【0070】この有機電界発光素子を作製後、窒素雰囲
気下に1ヶ月間放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度100cd/m2で電圧値を一定に
通電して連続発光させることで強制劣化させた際、輝度
が半減するまで100時間以上であった。
【0071】1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−
メタノ−6,11−ジフェニル−トリフェニレン(構造
式[B])の合成
【化42】構造式[B]:
【0072】窒素雰囲気下にて、1,2,3,4−テト
ラヒドロ−1,4−メタノ−6,11−ジヨード−トリ
フェニレン(300mg、0.605mmol)、フェ
ニルボロン酸(295mg、2.42mmol)、炭酸
カリウム(737mg、5.34mmol)及びテトラ
キス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(P
d(PPh34:42mg、0.036mmol)を、
トルエン60mlと水30mlからなる混合液中にて1
2時間還流した。溶剤を濃縮し、残留物をヘキサン/ク
ロロホルムと共にクロマトグラフィーを用いて精製した
ところ、上記構造式[B]で表わされる白色粉末として
1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノ−6,
11−ジフェニル−トリフェニレン173mg(0.4
36mmol、収率72%)が得られた。
【0073】1H-NMR(270MHz,CDCl3):δ=8.70-8.67(d,2
H),8.05-8.04(d,2H),7.95-7.21(m,12H),4.03(s,2H),2.1
0-2.08(m,2H),1.92-1.88(m,1H),1.74-1.71(m,1H),1.22-
1.19(m,2H).
【0074】蛍光スペクトル極大(シクロヘキサン):
λ=376,399nm
【0075】また、上記1,2,3,4−テトラヒドロ
−1,4−メタノ−6,11−ビス(ビフェニル−4−
イル)トリフェニレンに代えて、電子輸送性発光層を構
成する発光材料として1,2,3,4−テトラヒドロ−
1,4−メタノ−6,11−ジフェニル−トリフェニレ
ンを用いたこと以外は、上記1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−1,4−メタノ−6,11−ビス(ビフェニル−
4−イル)トリフェニレンの場合の手順と同様にして、
シングルへテロ構造の有機電界発光素子を作製した。
【0076】この有機電界発光素子に、窒素雰囲気下で
順バイアス直流電圧を加えて発光特性を評価した。発光
色は青色であり、分光測定を行った結果、397nmに
発光ピークを有するスペクトルを得た。素子の駆動安定
性は、25mA/cm2の電流密度のもとで測定した。
電圧−輝度測定を行ったところ、8Vで130cd/m
2の輝度が得られた。
【0077】この有機電界発光素子を作製後、窒素雰囲
気下に1ヶ月間放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度100cd/m2で電圧値を一定に
通電して連続発光させることで強制劣化させた際、輝度
が半減するまで100時間以上であった。
【0078】1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−
メタノ−6,11−ビス(p−メチルフェニル)−トリ
フェニレン(構造式[C])の合成
【化43】構造式[C]:
【0079】窒素雰囲気下にて、1,2,3,4−テト
ラヒドロ−1,4−メタノ−6,11−ジヨード−トリ
フェニレン(300mg、0.605mmol)、4−
メチルベンゼンボロン酸(329mg、2.42mmo
l)、炭酸カリウム(737mg、5.34mmol)
及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(0)(Pd(PPh34:42mg、0.036mm
ol)を、トルエン60mlと水30mlからなる混合
液中にて12時間還流した。溶剤を濃縮し、残留物をヘ
キサン/クロロホルムと共にクロマトグラフィーを用い
て精製したところ、上記構造式[C]で表わされる白色
粉末として1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メ
タノ−6,11−ビス(p−メチルフェニル)−トリフ
ェニレン193mg(0.454mmol、収率75
%)が得られた。
【0080】1H-NMR(270MHz,CDCl3):δ=8.71-8.67(d,2
H),8.05-8.04(d,2H),7.94-7.23(m,10H),4.03(s,2H),2.3
3(s,6H),2.10-2.07(m,2H),1.92-1.88(m,1H),1.73-1.71
(m,1H),1.23-1.19(m,2H).
【0081】蛍光スペクトル極大(シクロヘキサン):
λ=380,401nm
【0082】また、上記1,2,3,4−テトラヒドロ
−1,4−メタノ−6,11−ビス(ビフェニル−4−
イル)トリフェニレンに代えて、電子輸送性発光層を構
成する発光材料として1,2,3,4−テトラヒドロ−
1,4−メタノ−6,11−ビス(p−メチルフェニ
ル)−トリフェニレンを用いたこと以外は、上記1,
2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノ−6,11
−ビス(ビフェニル−4−イル)トリフェニレンの場合
の手順と同様にして、シングルへテロ構造の有機電界発
光素子を作製した。
【0083】この有機電界発光素子に、窒素雰囲気下で
順バイアス直流電圧を加えて発光特性を評価した。発光
色は青色であり、分光測定を行った結果、398nmに
発光ピークを有するスペクトルを得た。素子の駆動安定
性は、25mA/cm2の電流密度のもとで測定した。
電圧−輝度測定を行ったところ、8Vで130cd/m
2の輝度が得られた。
【0084】この有機電界発光素子を作製後、窒素雰囲
気下に1ヶ月間放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度100cd/m2で電圧値を一定に
通電して連続発光させることで強制劣化させた際、輝度
が半減するまで100時間以上であった。
【0085】1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−
メタノ−6,11−ビス(m−メチルフェニル)トリフ
ェニレン(構造式[D])の合成
【化44】構造式[D]:
【0086】窒素雰囲気下にて、1,2,3,4−テト
ラヒドロ−1,4−メタノ−6,11−ジヨード−トリ
フェニレン(300mg、0.605mmol)、3−
メチルベンゼンボロン酸(329mg、2.42mmo
l)、炭酸カリウム(737mg、5.34mmol)
及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(0)(Pd(PPh34:42mg、0.036mm
ol)を、トルエン60mlと水30mlからなる混合
液中にて12時間還流した。溶剤を濃縮し、残留物をヘ
キサン/クロロホルムと共にクロマトグラフィーを用い
て精製したところ、上記構造式[D]で表わされる白色
粉末として1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メ
タノ−6,11−ビス(m−メチルフェニル)トリフェ
ニレン180mg(0.424mmol、収率70%)
が得られた。
【0087】1H-NMR(270MHz,CDCl3):δ=8.72-8.69(d,2
H),8.06-8.05(d,2H),7.89-7.20(m,10H),4.02(s,2H),2.3
6(s,6H),2.10-2.08(m,2H),1.93-1.89(m,1H),1.74-1.71
(m,1H),1.23-1.20(m,2H).
【0088】蛍光スペクトル極大(シクロヘキサン):
λ=380,400nm
【0089】また、上記1,2,3,4−テトラヒドロ
−1,4−メタノ−6,11−ビス(ビフェニル−4−
イル)トリフェニレンに代えて、電子輸送性発光層を構
成する発光材料として1,2,3,4−テトラヒドロ−
1,4−メタノ−6,11−ビス(m−メチルフェニ
ル)トリフェニレンを用いたこと以外は、上記1,2,
3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノ−6,11−ビ
ス(ビフェニル−4−イル)トリフェニレンの場合の手
順と同様にして、シングルへテロ構造の有機電界発光素
子を作製した。
【0090】この有機電界発光素子に、窒素雰囲気下で
順バイアス直流電圧を加えて発光特性を評価した。発光
色は青色であり、分光測定を行った結果、400nmに
発光ピークを有するスペクトルを得た。素子の駆動安定
性は、25mA/cm2の電流密度のもとで測定した。
電圧−輝度測定を行ったところ、8Vで115cd/m
2の輝度が得られた。
【0091】この有機電界発光素子を作製後、窒素雰囲
気下に1ヶ月間放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度100cd/m2で電圧値を一定に
通電して連続発光させることで強制劣化させた際、輝度
が半減するまで100時間以上であった。
【0092】1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−
メタノ−6,11−ビス(p−メトキシフェニル)トリ
フェニレン(構造式[E])の合成
【化45】構造式[E]:
【0093】窒素雰囲気下にて、1,2,3,4−テト
ラヒドロ−1,4−メタノ−6,11−ジヨード−トリ
フェニレン(300mg、0.605mmol)、4−
メトキシベンゼンボロン酸(368mg、2.42mm
ol)、炭酸カリウム(737mg、5.34mmo
l)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジ
ウム(0)(Pd(PPh34:42mg、0.036
mmol)を、トルエン60mlと水30mlからなる
混合液中にて12時間還流した。溶剤を濃縮し、残留物
をヘキサン/クロロホルムと共にクロマトグラフィーを
用いて精製したところ、上記構造式[E]で表わされる
白色粉末として1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4
−メタノ−6,11−ビス(p−メトキシフェニル)ト
リフェニレン216mg(0.472mmol、収率7
8%)が得られた。
【0094】1H-NMR(270MHz,CDCl3):δ=8.70-8.68(d,2
H),8.07-8.06(d,2H),7.94-7.25(m,10H),4.03(s,2H),3.7
5(s,6H),2.09-2.08(m,2H),1.93-1.90(m,1H),1.75-1.71
(m,1H),1.23-1.19(m,2H).
【0095】蛍光スペクトル極大(シクロヘキサン):
λ=383,405nm
【0096】また、上記1,2,3,4−テトラヒドロ
−1,4−メタノ−6,11−ビス(ビフェニル−4−
イル)トリフェニレンに代えて、電子輸送性発光層を構
成する発光材料として1,2,3,4−テトラヒドロ−
1,4−メタノ−6,11−ビス(p−メトキシフェニ
ル)トリフェニレンを用いたこと以外は、上記1,2,
3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノ−6,11−ビ
ス(ビフェニル−4−イル)トリフェニレンの場合の手
順と同様にして、シングルへテロ構造の有機電界発光素
子を作製した。
【0097】この有機電界発光素子に、窒素雰囲気下で
順バイアス直流電圧を加えて発光特性を評価した。発光
色は青色であり、分光測定を行った結果、405nmに
発光ピークを有するスペクトルを得た。素子の駆動安定
性は、25mA/cm2の電流密度のもとで測定した。
電圧−輝度測定を行ったところ、8Vで125cd/m
2の輝度が得られた。
【0098】この有機電界発光素子を作製後、窒素雰囲
気下に1ヶ月間放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度100cd/m2で電圧値を一定に
通電して連続発光させることで強制劣化させた際、輝度
が半減するまで100時間以上であった。
【0099】1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−
メタノ−6,11−ビス(m−メトキシフェニル)トリ
フェニレン(構造式[F])の合成
【化46】構造式[F]:
【0100】窒素雰囲気下にて、1,2,3,4−テト
ラヒドロ−1,4−メタノ−6,11−ジヨード−トリ
フェニレン(300mg、0.605mmol)、3−
メトキシベンゼンボロン酸(368mg、2.42mm
ol)、炭酸カリウム(737mg、5.34mmo
l)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジ
ウム(0)(Pd(PPh34:42mg、0.036
mmol)を、トルエン60mlと水30mlからなる
混合液中にて12時間還流した。溶剤を濃縮し、残留物
をヘキサン/クロロホルムと共にクロマトグラフィーを
用いて精製したところ、上記構造式[F]で表わされる
白色粉末として1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4
−メタノ−6,11−ビス(m−メトキシフェニル)ト
リフェニレン205mg(0.448mmol、収率7
4%)が得られた。
【0101】1H-NMR(270MHz,CDCl3):δ=8.70-8.68(d,2
H),8.07-8.05(d,2H),7.91-7.27(m,10H),4.03(s,2H),3.7
3(s,6H),2.10-2.06(m,2H),1.93-1.89(m,1H),1.75-1.71
(m,1H),1.24-1.20(m,2H).
【0102】蛍光スペクトル極大(シクロヘキサン):
λ=381,404nm
【0103】また、上記1,2,3,4−テトラヒドロ
−1,4−メタノ−6,11−ビス(ビフェニル−4−
イル)トリフェニレンに代えて、電子輸送性発光層を構
成する発光材料として1,2,3,4−テトラヒドロ−
1,4−メタノ−6,11−ビス(m−メトキシフェニ
ル)トリフェニレンを用いたこと以外は、上記1,2,
3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノ−6,11−ビ
ス(ビフェニル−4−イル)トリフェニレンの場合の手
順と同様にして、シングルへテロ構造の有機電界発光素
子を作製した。
【0104】この有機電界発光素子に、窒素雰囲気下で
順バイアス直流電圧を加えて発光特性を評価した。発光
色は青色であり、分光測定を行った結果、404nmに
発光ピークを有するスペクトルを得た。素子の駆動安定
性は、25mA/cm2の電流密度のもとで測定した。
電圧−輝度測定を行ったところ、8Vで120cd/m
2の輝度が得られた。
【0105】この有機電界発光素子を作製後、窒素雰囲
気下に1ヶ月間放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度100cd/m2で電圧値を一定に
通電して連続発光させることで強制劣化させた際、輝度
が半減するまで100時間以上であった。
【0106】1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−
メタノ−6,11−ビス(ジフェニルアミノ)トリフェ
ニレン(構造式[G])の合成
【化47】構造式[G]:
【0107】窒素雰囲気下にて、1,2,3,4−テト
ラヒドロ−1,4−メタノ−6,11−ジヨード−トリ
フェニレン(283mg、0.571mmol)、ジフ
ェニルアミン(289mg、1.71mmol)、パラ
ジウムアセテート(13mg、0.057mmol)、
トリ−tert−ブチルホスフィン(46mg、0.2
28mmol)及びナトリウム−tert−ブトキシド
(263mg、2.74mmol)を、キシレン25m
l中にて2時間還流した。溶剤を濃縮し、残留物をヘキ
サン/クロロホルムと共にクロマトグラフィーを用いて
精製し、次いで、ジオキサン/メタノールから再結晶さ
せたところ、上記構造式[G]で表わされる淡黄色粉末
として1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノ
−6,11−ビス(ジフェニルアミノ)トリフェニレン
208mg(0.306mmol、収率54%)が得ら
れた。
【0108】1H-NMR(270MHz,d-DMSO):δ=8.63-8.59(d,2
H),7.51-7.49(d,2H),7.41-7.32(m,8H),7.26-7.22(dd,2
H),7.18-7.06(m,12H),3.63(s,2H),1.93-1.90(m,2H),1.6
9-1.66(m,1H),1.53-1.49(m,1H),0.98-0.94(m,2H).
【0109】蛍光スペクトル極大(ジオキサン):λ=
419,437nm
【0110】また、上記1,2,3,4−テトラヒドロ
−1,4−メタノ−6,11−ビス(ジフェニルアミ
ノ)トリフェニレンを発光材料として用い、下記に示す
組成からなるシングルへテロ構造の有機電界発光素子を
作製した。
【0111】陽極:ITO(190nm) 正孔注入層:m−MTDATA(4,4’,4”−トリ
ス(m−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニル
アミン(30nm) 正孔輸送性発光層:1,2,3,4−テトラヒドロ−
1,4−メタノ−6,11−ビス(ジフェニルアミノ)
トリフェニレン(30nm) ホールブロッキング層:バソクプロイン(2,9−ジメ
チル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリ
ン)(15nm) 電子輸送層:Alq3(20nm) 陰極:Al/Li(100:1)
【0112】この有機電界発光素子に、窒素雰囲気下で
順バイアス直流電圧を加えて発光特性を評価した。発光
色は青色であり、分光測定を行った結果、438nmに
発光ピークを有するスペクトルを得た。素子の駆動安定
性は、25mA/cm2の電流密度のもとで測定した。
電圧−輝度測定を行ったところ、8Vで100cd/m
2の輝度が得られた。
【0113】この有機電界発光素子を作製後、窒素雰囲
気下に1ヶ月間放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度100cd/m2で電圧値を一定に
通電して連続発光させることで強制劣化させた際、輝度
が半減するまで100時間以上であった。
【0114】cis,exo−1,2,3,4,4a,
12b−ヘキサヒドロ−1,4−メタノ−6−ヨード−
トリフェニレン(構造式[d])の合成
【化48】構造式[d]:
【0115】cis,exo−1,2,3,4,4a,
12b−ヘキサヒドロ−1,4−メタノ−トリフェニレ
ン(627mg、2.55mmol)、ヨウ素(324
mg、1.28mmol)及び[ビス(トリフルオロア
セトキシ)ヨード]ベンゼン(590mg、1.37m
mol)に対し、CHCl320mlを加えた。窒素雰囲
気下、この懸濁液を室温下にて4時間攪拌した。次いで、
粗生成物をヘキサン及びCHCl3を用いて処理したと
ころ、上記構造式[d]で表わされる淡黄色粉末として
cis,exo−1,2,3,4,4a,12b−ヘキ
サヒドロ−1,4−メタノ−6−ヨード−トリフェニレ
ン644mg(1.73mmol、収率68%)が得ら
れた。
【0116】1H-NMR(270MHz,CDCl3):δ=7.52(s,2H),7.4
6-7.41(m,5H),3.12(s,2H),2.38(s,2H),1.71-1.56(m,4
H),1.36-1.31(d,1H),1.09-1.05(d,1H).
【0117】ここで、前記ヨウ素化物に代わり、臭素化
物を用いて同様の手順で合成を行ったところ、cis,
exo−1,2,3,4,4a,12b−ヘキサヒドロ
−1,4−メタノ−6−ブロモ−トリフェニレンが得ら
れたが、収率は前記ヨウ素化物を用いた場合と比べ、低
かった。
【0118】1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−
メタノ−6−ヨード−トリフェニレン(構造式[e])
の合成
【化49】構造式[e]:
【0119】cis,exo−1,2,3,4,4a,
12b−ヘキサヒドロ−1,4−メタノ−6−ヨード−
トリフェニレン(1.43g、3.84mmol)及び
DDQ(958mg、4.22mmol)のトルエン
(45ml)溶液を、窒素雰囲気下にて18時間還流し
た。沈殿物を取り除き、次いで、ろ液を濃縮した。残留物
をメタノールを用いて処理し、得られた粗生成物をヘキ
サン/クロロホルムから再結晶させたところ、上記構造
式[e]で表わされる淡黄色の結晶として1,2,3,
4−テトラヒドロ−1,4−メタノ−6−ヨード−トリ
フェニレン570mg(1.54mmol、収率40
%)が得られた。
【0120】1H-NMR(270MHz,CDCl3):δ=8.40-8.33(m,5
H),7.85-7.82(dd,2H),4.01(s,2H),2.09-2.05(m,2H),1.9
0-1.87(m,1H),1.73-1.69(d,1H),1.20-1.17(m,2H).
【0121】1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−
メタノ−トリフェニレン−6−カルボン酸(構造式
[H])の合成
【化50】構造式[H]:
【0122】窒素雰囲気下にて、1,2,3,4−テト
ラヒドロ−1,4−メタノ−6−ヨード−トリフェニレ
ン(1.10g、2.96mmol)を無水テトラヒド
ロフラン(THF)20ml中に溶解させ、−70℃ま
で冷却した。そして、n−ブチルリチウム(1.54M
ヘキサン溶液1.92ml、2.96mmol)を滴下
し、30分間攪拌した後、反応混合物に対して−30℃
にて小さいかけらのドライアイスを加えた。再び約1時
間攪拌し、反応混合物を室温にて温めた後、氷水に注
ぎ、HClで液性を酸性とした。水層をクロロホルムで
抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥し、溶剤を濃縮し、
粗生成物をTHF/ヘキサンと共にクロマトグラフィー
で精製したところ、上記構造式[H]で表わされる1,
2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノ−トリフェ
ニレン−6−カルボン酸281mg(0.977mmo
l、収率33%)が得られた。
【0123】1H-NMR(270MHz,CDCl3):δ=12.04(s,1H),8.
92-8.79(m,5H),8.45-8.30(dd,2H),4.09(s,2H),2.09-2.0
5(m,2H),1.93-1.89(m,1H),1.74-1.69(d,1H),1.21-1.17
(m,2H).
【0124】1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−
メタノ−トリフェニレン−6−カルボン酸塩化物(構造
式[I])の合成
【化51】構造式[I]:
【0125】窒素雰囲気下、1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−1,4−メタノ−トリフェニレン−6−カルボン
酸(1.80g、6.25mmol)の塩化チオニル
(20ml)溶液を4時間還流した。過剰の塩化チオニ
ルを減圧下で留去し、残留物をヘキサンで処理したとこ
ろ、上記構造式[I]で表わされる淡黄色粉末として
1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノ−トリ
フェニレン−6−カルボン酸塩化物1.67g(5.4
4mmol、収率87%)が得られた。
【0126】1H-NMR(270MHz,CDCl3):δ=8.89-8.78(m,5
H),8.44-8.33(dd,2H),4.09(s,2H),2.09-2.05(m,2H),1.9
3-1.89(m,1H),1.73-1.69(d,1H),1.20-1.17(m,2H).
【0127】1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−
メタノ−6−[5−(p−tert−ブチルフェニル)
−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]トリフェ
ニレン(構造式[J]の合成
【化52】構造式[J]:
【0128】窒素雰囲気下、1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−1,4−メタノ−トリフェニレン−6−カルボン
酸塩化物(3.71g、12.1mmol)に対して、
5−(p−tert−ブチルフェニル)テトラゾール
(N.Tamoto,C.Adachi,K.Nagai,Chem.Mater.1997,9,107
7.;2.20g、12.1mmol)の無水ピリジン
(30ml)溶液を加えた。その混合溶液を3時間還流
して、室温まで冷やした後、水中に注ぎ、数時間そのま
ま放置した。沈殿物をろ過し、トルエン/クロロホルム
(20:1)と共にクロマトグラフィーを用いて精製
し、クロロホルム/ヘキサンから再結晶させたところ、
上記構造式[J]で表わされる1,2,3,4−テトラ
ヒドロ−1,4−メタノ−6−[5−(p−tert−
ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2
−イル]トリフェニレン2.31g(5.20mmo
l、収率43%)が得られた。
【0129】1H-NMR(270MHz,CDCl3):δ=8.90-8.79(m,5
H),8.44-8.31(dd,2H),7.91(s,2H),7.42(d,2H),4.08(s,2
H),2.10-2.06(m,2H),1.93-1.90(m,1H),1.73-1.69(d,1
H),1.30(s,9H),1.21-1.17(m,2H).
【0130】また、上記1,2,3,4−テトラヒドロ
−1,4−メタノ−6−[5−(p−tert−ブチル
フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イ
ル]トリフェニレンを発光材料として用い、下記に示す
組成からなるシングルへテロ構造の有機電界発光素子を
作製した。
【0131】陽極:ITO(190nm) 正孔注入層:m−TNATA(4,4’,4”−トリス
(2−ナフチルフェニルトリフェニルアミン)(20n
m) 正孔輸送性発光層:下記構造式で表わされる上記と同様
のトリフェニルアミン(50nm)
【化53】 電子輸送性発光層:1,2,3,4−テトラヒドロ−
1,4−メタノ−6−[5−(p−tert−ブチルフ
ェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]
トリフェニレン(40nm) バッファー層:酸化リチウム(0.5nm) 陰極:アルミニウム(200nm)
【0132】この有機電界発光素子に、窒素雰囲気下で
順バイアス直流電圧を加えて発光特性を評価した。発光
色は青色であり、分光測定を行った結果、417nmに
発光ピークを有するスペクトルを得た。素子の駆動安定
性は、25mA/cm2の電流密度のもとで測定した。
電圧−輝度測定を行ったところ、8Vで120cd/m
2の輝度が得られた。
【0133】この有機電界発光素子を作製後、窒素雰囲
気下に1ヶ月間放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度100cd/m2で電圧値を一定に
通電して連続発光させることで強制劣化させた際、輝度
が半減するまで100時間以上であった。
【0134】
【発明の効果】本発明のフェナントレン誘導体は、熱的
安定性に優れており、良好な発光効率を与え、極めて結
晶化し難く、均一性のあるアモルファス性薄膜を形成す
ることができる。また、本発明の化合物は、本発明の合
成中間体を経て一般的かつ高効率な方法で製造すること
ができる。さらに、有機電界発光素子の構成材料とし
て、本発明のフェナントレン誘導体を用いれば、カラー
ディスプレイ等のフルカラー化と共に、素子の長寿命化
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく有機電界発光素子の要部概略断
面図である。
【図2】同、他の有機電界発光素子の要部概略断面図で
ある。
【図3】同、他の有機電界発光素子の要部概略断面図で
ある。
【図4】同、更に他の有機電界発光素子の概略断面図で
ある。
【図5】同、有機電界発光素子を用いたフルカラーの平
面ディスプレイの構成図である。
【図6】本発明に基づく実施例によるMALDI−TO
Fの結果を示すグラフである。
【図7】同、XPS評価の結果を示すグラフである。
【図8】同、IR評価の結果を示すグラフである。
【図9】同、分光測定の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…基板、2…透明電極(陽極)、3…陰極、4…保護
膜、5、5a、5b…有機層、6…正孔輸送層、7…電
子輸送層、8…電源、10…正孔輸送層、11…発光
層、12…電子輸送層、14…輝度信号回路、15…制
御回路、20…発光光、A、B、C、D…有機電界発光
素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 11/06 610 C09K 11/06 610 630 630 H05B 33/14 H05B 33/14 B 33/22 33/22 B D // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 3K007 AB00 AB03 AB04 AB14 AB18 BA06 CA01 CA05 CB01 DA00 DB03 EB00 FA01 4C056 AA01 AB02 AC07 AD01 AE03 AF01 FA04 4H006 AA01 AA02 AA03 AB91 AB92 BJ50 BS30 EA37 EA43 GN08 GP03 4H039 CA41 CD20 CD90

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[I]で表わされるフェナン
    トレン誘導体。 【化1】 [但し、前記一般式[I]において、K、L、R1
    2、R3、R4、R5及びR6は、下記に示す(a)〜
    (d)のうちのいずれかであって、互いに同一であって
    も異なっていてもよいが、KとLは同時に水素原子であ
    ることはない。 (a)下記式(1)で表わされる基のうちのいずれか。 【化2】式(1): (b)炭素数1〜20の直鎖式アルキル基。 (c)ハロゲン化アルキル基、カルボキシ基、アルカノ
    イル基及びアルコキシカルボニル基のうちのいずれか。 (d)下記式(2)で表わされる基のうちのいずれか。 【化3】式(2): (但し、前記式(2)で表わされる基において、R7
    びR8は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
    水素原子、炭素数1〜20の直鎖式アルキル基、ハロゲ
    ン化アルキル基、カルボキシ基、アルカノイル基、アル
    コキシカルボニル基、フェニル基、ビフェニル基、1−
    ナフチル基、2−ナフチル基、2−チエニル基及び2−
    フラニル基のうちのいずれかである。また、前記式
    (2)で表わされる基を構成するアミノ基は第一級、第
    二級又は第三級のアミノ基であり、フェニル基又はフェ
    ナントレン基と共同して少なくとも1つの縮合環を形成
    してもよい。また、前記式(1)及び(2)で表わされ
    る基において、R9、R10、R11、R12、R13及びR14
    は、互いに同一であっても異なっていてもよく、下記に
    示す(a)〜(d)のうちのいずれかである。 (a)下記式(3)で表わされる基のうちのいずれか。 【化4】式(3): (b)炭素数1〜20の直鎖式アルキル基。 (c)ハロゲン化アルキル基、カルボキシ基、アルカノ
    イル基及びアルコキシカルボニル基のうちのいずれか。 (d)フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2
    −ナフチル基、2−チエニル基、2−フラニル基、−O
    −フェニル基、−O−ビフェニル基、−O−1−ナフチ
    ル基、−O−2−ナフチル基、−O−2−チエニル基及
    び−O−2−フラニル基のうちのいずれか。 また、前記式(2)で表わされる基において、X及びY
    は、互いに同一であっても異なっていてもよく、CR9
    (但し、R9は前記したものと同じである。)若しくは
    Nである。また、前記式(2)で表わされる基におい
    て、ZはO、S、SO2、NR7及びCR910(但し、
    7、R9及びR10は前記したものと同じである。)のう
    ちのいずれかである。また、前記式(1)及び(2)で
    表わされる基において、n及びoは、互いに同一であっ
    ても異なっていてもよく、0〜4の整数である。)]。
  2. 【請求項2】 下記一般式[II]で表わされる、請求項
    1に記載したフェナントレン誘導体。 【化5】 [但し、前記一般式[II]において、K、L、R1、R2
    及びR4は互いに同一であって、下記式(4)で表わさ
    れる基のうちのいずれかである。 【化6】式(4): (但し、前記式(4)で表わされる基において、R15
    びR16は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
    水素原子、t−ブチル基、アダマンチル基、炭素数1〜
    20のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、1−ナ
    フチル基、2−ナフチル基、2−チエニル基及び2−フ
    ラニル基のうちのいずれかである。また、前記式(4)
    で表わされる基を構成するアミノ基は第一級、第二級又
    は第三級のアミノ基であり、フェニル基又はフェナント
    レン基と共同して少なくとも1つの縮合環を形成しても
    よい。また、R17、R18及びR19は、互いに同一であっ
    ても異なっていてもよく、H、Cl、F、CF3、C
    N、NO2、t−ブチル基、アダマンチル基、炭素数1
    〜20のアルキル基、炭素数1〜20の−O−アルキル
    基、炭素数1〜20の−S−アルキル基、フェニル基、
    ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−
    チエニル基、2−フラニル基、−O−フェニル基、−O
    −ビフェニル基、−O−1−ナフチル基、−O−2−ナ
    フチル基、−O−2−チエニル基、−O−2−フラニル
    基及びN(R153(但し、R15は前記したものと同じ
    である。)のうちのいずれかである。また、X及びY
    は、互いに同一であっても異なっていてもよく、CR17
    (但し、R17は前記したものと同じである。)若しくは
    Nである。また、ZはO、S、SO2、NR15及びCR
    1718(但し、R15、R17及びR1 8は前記したものと同
    じである。)のうちのいずれかである。また、n及びo
    は、互いに同一であっても異なっていてもよく、0〜4
    の整数である。)]。
  3. 【請求項3】 下記一般式[III]で表わされる、請求
    項1に記載したフェナントレン誘導体。 【化7】 [但し、前記一般式[III]において、K及びLは互い
    に同一であって、下記式(5)で表わされる基のうちの
    いずれかである。 【化8】式(5): (但し、前記式(5)で表わされる基において、R15
    16、R17、R18、R19、X、Y、Z、n及びoは、請
    求項2において定義したものと同様である。) また、前記一般式[III]において、R1、R2及びR
    4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、下記
    式(6)で表わされる基のうちのいずれかである。 【化9】式(6): (但し、前記式(6)で表わされる基において、R17
    18、R19及びoは請求項2において定義したものと同
    様である。)]。
  4. 【請求項4】 下記一般式[IV]で表わされる、請求項
    1に記載したフェナントレン誘導体。 【化10】 [但し、前記一般式[IV]において、K及びLは互いに
    同一であって、下記式(7)で表わされる基のうちのい
    ずれかである。 【化11】式(7): (但し、前記式(7)で表わされる基において、R20
    H、Cl、F、CF3、CN、NO2、OCH3、OC2
    5、SCH3、SC25、CH3、t−ブチル基及びアダ
    マンチル基のうちのいずれかである。また、前記式
    (7)を構成するアミノ基は、フェニル基又はフェナン
    トレン基と共同して少なくとも1つの縮合環を形成して
    もよい。)]。
  5. 【請求項5】 下記一般式[V]で表わされる、請求項
    1に記載したフェナントレン誘導体。 【化12】 [但し、前記一般式[V]において、K及びLは互いに
    異なっている。また、Kは、下記式(8)で表わされる
    基のうちのいずれかである。 【化13】式(8): (但し、前記式(8)で表わされる基において、R
    20は、請求項4において定義したものと同様である。) また、前記一般式[V]において、Lは、下記式(9)
    で表わされる基のうちのいずれかである。 【化14】式(9): (但し、前記式(9)で表わされる基において、R
    21は、炭素数1〜20の直鎖式若しくは分岐式アルキル
    基である。)]。
  6. 【請求項6】 発光領域を有する有機層が陽極と陰極と
    の間に設けられている有機電界発光素子において、請求
    項1に記載した一般式[I]で表わされるフェナントレ
    ン誘導体が、前記有機層に含まれていることを特徴とす
    る、有機電界発光素子。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載した一般式[II]、請求
    項3に記載した一般式[III]、請求項4に記載した一
    般式[IV]又は請求項5に記載した一般式[V]で表わ
    されるフェナントレン誘導体が用いられている、請求項
    6に記載した有機電界発光素子。
  8. 【請求項8】 前記有機層が、正孔輸送性発光層と電子
    輸送層とが積層された有機積層構造を有しており、前記
    正孔輸送性発光層の形成材料として前記フェナントレン
    誘導体が用いられている、請求項6に記載した有機電界
    発光素子。
  9. 【請求項9】 前記有機層が、正孔輸送層と電子輸送性
    発光層とが順次積層された有機積層構造を有しており、
    前記電子輸送性発光層の形成材料として前記フェナント
    レン誘導体が用いられている、請求項6に記載した有機
    電界発光素子。
  10. 【請求項10】 前記有機層が、正孔輸送層と発光層と
    電子輸送層とが積層された有機積層構造を有しており、
    前記発光層の形成材料として前記フェナントレン誘導体
    が用いられている、請求項6に記載した有機電界発光素
    子。
  11. 【請求項11】 下記一般式[VI]で表わされる1,
    2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノ−6,11
    −ジハロゲノ−トリフェニレンと、ボロン酸誘導体とを
    カップリング反応させ、請求項1に記載した一般式
    [I]のフェナントレン誘導体を得る、フェナントレン
    誘導体の製造方法。 【化15】 (但し、前記一般式[VI]において、Q1及びQ2は互い
    に同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン原子若
    しくは水素原子であるが、同時に水素原子であることは
    ない。)
  12. 【請求項12】 前記Q1及び/又はQ2をヨウ素原子と
    し、前記カップリング反応をスズキカップリング(Su
    zuki Coupling)反応とする、請求項11
    に記載したフェナントレン誘導体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記ボロン酸誘導体として、請求項1
    に記載したK又はLを有するボロン酸を使用する、請求
    項11に記載したフェナントレン誘導体の製造方法。
  14. 【請求項14】 下記一般式[VI]で表わされ、請求項
    1に記載した一般式[I]のフェナントレン誘導体の合
    成中間体として用いられる1,2,3,4−テトラヒド
    ロ−1,4−メタノ−6,11−ジハロゲノ−トリフェ
    ニレン。 【化16】 (但し、前記一般式[VI]において、Q1及びQ2は互い
    に同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン原子若
    しくは水素原子であるが、同時に水素原子であることは
    ない。)
  15. 【請求項15】 前記Q1及び/又はQ2をヨウ素原子と
    する、請求項14に記載した1,2,3,4−テトラヒ
    ドロ−1,4−メタノ−6,11−ジハロゲノ−トリフ
    ェニレン。
  16. 【請求項16】 下記一般式[VII]で表わされるci
    s,exo−1,2,3,4,4a,12b−ヘキサヒ
    ドロ−1,4−メタノ−6,11−ジヒドロ−トリフェ
    ニレンと、下記式(10)で表わされる2,3−ジクロ
    ロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DD
    Q)とを反応させ、下記一般式[VI]で表わされ、請求
    項1に記載した一般式[I]のフェナントレン誘導体の
    合成中間体として用いられる1,2,3,4−テトラヒ
    ドロ−1,4−メタノ−6,11−ジハロゲノ−トリフ
    ェニレンを得る、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,
    4−メタノ−6,11−ジハロゲノ−トリフェニレンの
    製造方法。 【化17】一般式[VII]: 式(10): (但し、前記一般式[VI]及び[VII]において、Q1
    びQ2は互いに同一であっても異なっていてもよく、ハ
    ロゲン原子若しくは水素原子であるが、同時に水素原子
    であることはない。)
  17. 【請求項17】 前記Q1及び/又はQ2がヨウ素原子で
    ある、請求項16に記載した1,2,3,4−テトラヒ
    ドロ−1,4−メタノ−6,11−ジハロゲノ−トリフ
    ェニレンの製造方法。
  18. 【請求項18】 下記一般式[VII]で表わされ、請求
    項1に記載した一般式[I]のフェナントレン誘導体の
    合成中間体として用いられるcis,exo−1,2,
    3,4,4a,12b−ヘキサヒドロ−1,4−メタノ
    −6,11−ジハロゲノ−トリフェニレン。 【化18】一般式[VII]: (但し、前記一般式[VII]において、Q1及びQ2は互
    いに同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン原子
    若しくは水素原子であるが、同時に水素原子であること
    はない。)
  19. 【請求項19】 前記Q1及び/又はQ2がヨウ素原子で
    ある、請求項18に記載したcis,exo−1,2,
    3,4,4a,12b−ヘキサヒドロ−1,4−メタノ
    −6,11−ジハロゲノ−トリフェニレン。
  20. 【請求項20】 下記式(11)で表わされるcis,
    exo−1,2,3,4,4a,12b−ヘキサヒドロ
    −1,4−メタノ−トリフェニレンと、ヨウ素と、下記
    一般式[VIII]で表わされるビス−(トリフルオロアセ
    トキシ)−ハロゲノベンゼンとを反応させ、下記一般式
    [VII]で表わされ、請求項1に記載した一般式[I]の
    フェナントレン誘導体の合成中間体として用いられるc
    is,exo−1,2,3,4,4a,12b−ヘキサ
    ヒドロ−1,4−メタノ−6,11−ジハロゲノ−トリ
    フェニレンを得る、cis,exo−1,2,3,4,
    4a,12b−ヘキサヒドロ−1,4−メタノ−6,1
    1−ジハロゲノ−トリフェニレンの製造方法。 【化19】 一般式[VII]: (但し、前記一般式[VII]において、Q1及びQ2は互
    いに同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン原子
    若しくは水素原子であるが、同時に水素原子であること
    はない。また、前記一般式[VIII]において、Q3はハ
    ロゲン原子である。)
  21. 【請求項21】 前記Q1、Q2及び/又はQ3がヨウ素
    原子である、請求項20に記載したcis,exo−
    1,2,3,4,4a,12b−ヘキサヒドロ−1,4
    −メタノ−6,11−ジハロゲノ−トリフェニレンの製
    造方法。
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