JP2002542031A - 炭化水素の選択酸化のための貴金属およびチタンを含む表面改質された混合酸化物 - Google Patents

炭化水素の選択酸化のための貴金属およびチタンを含む表面改質された混合酸化物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、金粒子および/または銀粒子およびチタンならびにケイ素を含み、組成物がケイ素アルキル基、含フッ素アルキル基または含フッ素アリール基から選択される基を表面で支持するように表面が改質された混合酸化物を含む組成物を製造する方法、この方法により製造される組成物、ならびに酸素および還元剤の存在下で炭化水素を選択酸化する方法における当該組成物の使用に関する。触媒活性を有する当該組成物は、安定して高い選択率および生産性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、金粒子および/または銀粒子、チタンおよびケイ素を含む表面改質
された混合酸化物を含む組成物を製造する方法、この方法で製造される組成物、
および酸素および還元剤の存在下で炭化水素を選択酸化するプロセスにおけるそ
の使用に関する。触媒活性を有する組成物は、一定して高い選択性および生産性
を示す。
【0002】 エテンオキシドを生成する分子酸素によるエテンの直接酸化は、周知であり、
気相におけるエテンオキシドの工業的な生産に用いられる。この用途のための典
型的な触媒は、金属またはイオンの銀を含み、可能な場合には更に種々の促進剤
および活性剤で改質される。多くのそのような触媒は、小さい表面積を有する多
孔質の不活性の触媒担体(またはキャリヤー)、例えばα−酸化アルミニウムを
含み、その上に銀および促進剤が適用されている。担持された銀触媒の存在下に
おけるエテンの直接酸化に関する検討は、Sachtlerらによって「触媒作用の検討
(Catalysis Reviews)」(Science & Engineering,23(1&2),127-149
頁,1981年)でまとめられている。
【0003】 これらの銀触媒および反応条件は、エテンオキシドの製造に有利であることが
判明しているが、より高級なオレフィン(例えばプロペン)の直接酸化において
同等の良好な結果をもたらさず(米国特許第5763630号、米国特許第5703254号、
米国特許第5760254号)、プロペンオキシドの選択率は大きくても約50%であ
ることもまた知られている。一般に、これらのより高級なオレフィンの分子酸素
による直接酸化反応は、200℃未満の気相では、触媒が存在しても進行せず、
したがって、酸化に敏感な酸化生成物(例えばエポキシド)の選択的な製造は、
これらの生成物の逐次反応がしばしば、導入したオレフィン自身の酸化よりも速
く進行するために困難である。別の問題は、より高級なオレフィンに存在するア
リル基の酸化に対する敏感さから生じる。
【0004】 このため、間接的な液相法だけがプロペンオキシドの工業的な生産のために現
在、使用されている。
【0005】 世界のプロペンオキシドの生産量の約50%は、現在「クロロヒドリン・プロ
セス」を用いて生産される。一方、残りの50%は「オキシラン・プロセス」に
より生産され、その割合は上昇傾向にある。
【0006】 クロロヒドリン・プロセス(WeissermelらのIndustrielle organische Chemie
第4版、バインハイム(Weinheim)、1994年、288〜289頁)におい
ては、プロペンをHOCl(水および塩素)と反応させることによりクロロヒド
リンをまず生成し、続いて、塩基を用いてHClを除去することにより、これか
らプロペンオキシドを生成する。このプロセスは多くのコストを要するが、適切
に最適化されると、高い転化率とともに高い選択率(>90%)を示す。クロロ
ヒドリン・プロセスにおいては、価値のない塩化カルシウムまたは塩化ナトリウ
ム水溶液の形態で塩素が失われ、また付随する廃水の塩負荷が高く、このことは
研究者たちが塩素を使用しない酸化システムを早急に見出そうとする原因となっ
た。
【0007】 オキシラン・プロセス(WeissermelらのIndustrielle organische Chemie 第
4版、バインハイム(Weinheim)、1994年、289〜291頁)は、無機酸
化剤であるHOClの代わりに有機化合物を用いて酸素をプロペンに移動させる
。この間接的なエポキシ化は、液相の有機過酸化物(例えばヒドロペルオキシド
)が、その過酸化物の酸素を選択的にオレフィンに移動させてエポキシドを形成
し得るという事実に基づく。この反応は、過酸化水素をアルコールに転化し、ペ
ルオキシカルボン酸を酸に転化する。ヒドロペルオキシドは空気または分子酸素
による自動酸化によって、対応する炭化水素から生成される。間接酸化の1つの
重大な欠点は、プロペンオキシドの価値が副産物の市場価格に経済的に依存して
いること、ならびに酸化剤のためにコスト集約的な方法であることである。
【0008】 現在のところ、プロペンを直接酸化してプロペンオキシドを生成する工業的な
気相プロセスは存在しない。
【0009】 ケイ素マトリックスに分散したチタン中心(またはセンターもしくは核)から
成る担体に金の粒子を加えた触媒が知られている(WO98/00415 A1
;WO98/00414 A1;EP0827779A1)。含浸およびその後
の焼成により得られるこれらの材料は全て、時間が経つと失活し(典型的な半減
期は5〜50時間である)、したがって大規模な工業プラントで使用することは
できない。
【0010】 さらに、ケイ素の四面体のサイトが同一構造を有するようにチタンで置きかえ
られた、明確な小孔構造を有する、ミクロポーラスな結晶性立体網状ケイ酸塩(
例えば、TS−1、TS−2、Ti−ゼオライト、例えばTi−ベータ、Ti−
ZSM−48、またはチタンを含むメソポーラスなモレキュラー・シーブ、例え
ばTi−MCM−41またはTi−HMS)に金の粒子が加えられた触媒もまた
知られている(WO98/00413 A1)。これらの金シリカライトまたは
金ゼオライト構造体は全て、実際に良好な選択性を示すものの、炭化水素の転化
率、および特に触媒の有効寿命は、化学工業での使用には全く適していない。
【0011】 触媒調製に関する上述のプロセスは、触媒活性および有効寿命に関して非常に
不十分である。低活性の触媒を用いて操業する工業プロセスは巨大な反応器を必
要とする。触媒の有効寿命が短いと、再生段階の間に生産のダウンタイムが必要
とされ、あるいはコスト集約型の余分なプラント設計が必要とされる。したがっ
て、優れた選択性と組み合わされた高レベルの活性および工業的に有用な有効寿
命を実現し得る触媒を開発することが望ましい。
【0012】 したがって、本発明の1つの目的は、ガス状の酸化剤を使用して低コストの固
体触媒にて炭化水素を選択酸化する技術的に直接的な触媒気相プロセスであって
、高い選択性および工業的に有用な触媒有効寿命を、高い収率および低コストと
組み合わせたプロセスを提供することである。
【0013】 本発明の更なる目的は、より良好な有効寿命を有する触媒を提供することであ
る。
【0014】 本発明の更なる目的は、より良好な有効寿命を有する触媒を生成する方法を提
供することである。
【0015】 これらの目的は、本発明に従って、金粒子および/もしくは銀粒子、酸化チタ
ン、ならびにケイ素含有担体を含んで成る担体組成物(または支持組成物もしく
は担持された組成物;supported composition)であって、組成物の表面がアル
キルケイ素基(もしくはアルキルシリコン基)、アリールケイ素基(もしくはア
リールシリコン基)、フッ素を含むアルキル基またはフッ素を含むアリール基か
ら選択される基を有することを特徴とする組成物によって達成される。
【0016】 本発明の担体組成物は担体物質上に金および/または銀を含む。触媒が活性で
ある状態において、金および/または銀は主に元素金属として存在する(X線吸
収分光法による分析)。僅かな割合の金および/または銀は、より高い酸化状態
にて存在し得る。TEM顕微鏡写真によれば、最も多くの割合の金および/また
は銀が、ナノメーター・スケールの金および/または銀のクラスターの形態で担
体物質の表面に存在する。金粒子は好ましくは0.5〜50nmの範囲、好ましく
は0.5〜15nmの範囲、特に好ましくは0.5〜10nmの範囲にある直径を有
する。銀粒子は好ましくは、0.5〜100nmの範囲、好ましくは0.5〜40
nmの範囲、特に好ましくは0.5〜20nmの範囲にある直径を有する。
【0017】 金の濃度は、0.001〜4wt%の範囲、好ましくは0.001〜2wt%
の範囲、特に好ましくは0.005〜1.5wt%の範囲とすべきである。
【0018】 銀の濃度は、0.005〜20wt%の範囲、好ましくは0.01〜15wt
%の範囲、特に好ましくは0.1〜10wt%の範囲とすべきである。
【0019】 上述した範囲よりも高い金および/または銀の濃度は、触媒活性を増加させな
い。経済的な理由から、貴金属の含有量は最大限の触媒活性を達成するのに必要
とされる最小限の量とすべきである。
【0020】 酸化チタンおよび/またはチタン/ケイ素の混合酸化物の結晶構造は、原則と
して自由に選択できるが、アモルファス変性(または変態;modification)なら
びに結晶性円錐石および/またはSi−O−Ti混合酸化物変性が好ましい。酸
化チタンは純粋な成分として存在する必要はないが、複合物質の形態、例えば他
の酸化物(例えばチタネート)と組み合わされた形態をとってもよい。我々が知
る限りにおいて、また本発明をいずれのようにも限定することを望むものではな
いが、それは特に、触媒活性の中心を構成する、シリカおよび/または無機シリ
ケート(silicate)に化学的に結合したチタン中心(またはセンターもしくは核
)である。我々はさらに、活性触媒においてチタンは酸化物の形態でシリカまた
はシリケートに結合していると仮定している(例えば−Si−O−Ti(=O)
−Si−)。
【0021】 これらの物質の触媒活性は、酸化チタンの含有量が>4〜6モル%である場合
には、酸化チタンの全含有量に従って明らかに線形的に増加し得ない。このこと
は、全てのチタン中心が同じ触媒活性を有するわけではないことを我々に示す。
概括的に言えば、可能な限り高い活性を有する触媒を生成することが望ましい。
触媒の活性は、所定の質量の触媒について単位時間当たりに選択的に生成される
酸化生成物として測定される。触媒として不活性であり、あるいは望ましくない
二次的な反応(例えば水素の燃焼)または望ましくない酸化生成物の形成を促進
するチタン原子の存在は、非最適の触媒活性を有する触媒系をもたらす。
【0022】 本発明によれば、ケイ素含有担体物質は、有利には50%、好ましくは75%
、特に好ましくは>90%の酸化物の形態のケイ素から成る。本発明によれば、
ケイ素含有担体物質はまた、二酸化ケイ素およびシリケートに加えて、他の酸化
物、例えば酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等を含んでよい。比表面積が大
きく、かつ表面のシラノール基の割合が大きい、ケイ素含有担体物質が好ましく
使用される。比表面積は少なくとも1m2/gである必要があり、好ましくは2
5〜700m2/gの範囲内にあるべきである。
【0023】 好ましいケイ素含有担体物質は、合成により製造される多孔質の二酸化ケイ素
であり、例えば、シリカゲル、沈殿シリカ、沈殿シリカゲル、シリカライト等お
よびそれらの混合物である。そのような合成により製造されるシリカの製造方法
は、「シリカおよびシリカライトのコロイド化学(The Colloid Chemistry of S
ilica and Silicates)」(R.G. Iler、Cornell University Press、ニューヨー
ク、米国、1955年、第VI章)で説明されている。これらのシリカの例は、
四塩化ケイ素もしくは四フッ化ケイ素を水素および酸素と反応させることにより
得られる焼成シリカ(例えばキャボット(Cabot)社のCab-o-sils、またはデグ
ッサ(Degussa)社のAerosil)である。
【0024】 モレキュラーシーブとして知られている結晶性アルミノケイ酸塩およびシリカ
ライト、例えばフォージャサイト、モルデナイト、ベータ、ZSM−3、ZSM
5、ZSM−11、ZSM 12、ZSM 18、ZSM 20、フェリエラ
イト、MCM−22、MCM−41、MCM−48、MCM−56等もまた、ケ
イ素含有担体物質として使用され得る。天然産の結晶性ケイ酸塩、特にセルペン
チン(ケイ酸マグネシウム)、粘土鉱物(例えばヘクトライト(リチウム/マグ
ネシウムのケイ酸塩)、カオリン、ベントナイト)、および雲母鉱物(例えば金
雲母(アルミニウム/マグネシウム/カリウムのケイ酸塩)または類似する物質
もまた使用することができる。
【0025】 上述のケイ素含有担体物質のうち、合成により製造されるアモルファスシリカ
および/またはシリカライトが特に好ましい。>90%のSiOx含有率を有す
るケイ素含有担体物質が特に好ましい。
【0026】 チタンに加えて、本発明の組成物は、IUPAC周期系(1985)の第5族
、例えばバナジウム、ニオブおよびタンタル、好ましくはタンタル、第3族、好
ましくはイットリウム、第4族、好ましくはジルコニウム、第8族、好ましくは
Fe、第15族、好ましくはアンチモン、第13族、好ましくはアルミニウム、
ホウ素、タリウム、ならびに第14族の金属、好ましくはゲルマニウムから成る
異種(または外来の)酸化物、いわゆる促進剤をさらに含んでよい。
【0027】 これらの促進剤は、大体は均質的な形態で、即ち、ドメイン(または領域)を
比較的形成することなく存在する。組み込まれた促進剤「M」は一般に、有機/
無機ハイブリッド材料に分散した形態で存在し、有利には元素−O−Si結合に
よって結合している。これらの材料の化学組成は広い範囲にわたって変化させ得
る。酸化ケイ素に対する促進剤要素(または元素)の割合は、0〜10モル%の
範囲内にあり、好ましくは0〜4モル%の範囲内にある。当然のことながら、2
またはそれ以上の異なる促進剤を用いてよい。促進剤は好ましくは、特定の溶剤
に可溶な促進剤の前駆体化合物の形態、例えば促進剤の塩および/または有機促
進剤化合物および/または有機/無機促進剤化合物の形態で用いられる。
【0028】 促進剤は、炭化水素の接触酸化反応において、組成物の触媒活性および組成物
の有効寿命をともに向上させ得る。
【0029】 本発明の組成物は、乾燥状態において、近似的に下記の実験式(I)で説明さ
れ得る(変性の後に表面に形成された残基、および場合により不完全に反応した
基は考慮しない):
【化1】 SiOx*TiOy*MOz*E (I)
【0030】 SiOxおよびTiOyは酸化ケイ素および酸化チタンだけでなく、元素シリコ
ンとチタンとの間の真の混合酸化物もまた示す。Mは促進剤であり、好ましくは
Ta、Fe、Sb、V、Nb、Zr、Al、B、Tl、Y、Geまたはそれらの
組み合わせであり、Eは金および/または銀(貴金属)を意味し、x、yおよび
zは、Si、TiおよびMの原子価を飽和させるのに実際に必要とされる酸素の
数を示す。
【0031】 上述の組成(I)は広い範囲にわたって変化させ得る。
【0032】 酸化ケイ素に対する酸化チタンの割合は0.1〜10モル%であり、好ましく
は0.5〜8.0モル%であり、特に好ましくは1.0〜5.0モル%である。
酸化ケイ素に対するMOzの割合は、0〜12モル%である。貴金属を含まない
組成物に対するEの割合は、0.001〜15wt%である。金の場合、この割
合は好ましくは0.001〜2wt%であり、銀の場合、好ましくは0.01〜
15wt%である。
【0033】 貴金属は、塩または有機錯体もしくは化合物のような前駆体化合物の形態で、
公知の方法により、例えば沈殿法、溶液含浸法、インシピエント・ウェットネス
(incipient wetness)法、スパッタリング、コロイド法、CVDにより、チタ
ン含有物質に添加してよい。
【0034】 本発明の組成物は、長い触媒有効寿命を実現するために表面改質(または表面
変性)される。
【0035】 表面改質は、貴金属で被覆する前および後の両方で実施してよい。
【0036】 本発明の目的のために、改質は特に、アルキルケイ素基、アリールケイ素基、
フッ素を含むアルキル基、またはフッ素を含むアリール基から選択される基を担
体組成物の表面に付加することを意味するものと理解され、基は表面で官能基(
例えばOH基)に共有結合または配位結合により結合している。尤も、他のいず
れの表面改質も、明らかに本発明の範囲内に含まれる。
【0037】 改質は好ましくは有機ケイ素化合物および/またはフッ素を含む有機ケイ素化
合物もしくは有機化合物を用いて実施され、有機ケイ素化合物が好ましい。
【0038】 考えられ得る有機ケイ素化合物(アルキルケイ素化合物、アリールケイ素化合
物等)は、当業者に公知のシリル化剤のいずれをも含み、例えば、有機シラン、
有機シリルアミン、有機シリルアミド、およびそれらの誘導体、有機シラザン、
有機シロキサン、および他の有機ケイ素化合物が含まれ、当然のことながら、こ
れらは組み合わせて使用してよい。有機ケイ素化合物はまた、ケイ素および部分
的にフッ素化された又はペルフルオロ化された有機残基から調製された化合物を
、明らかに包含する。
【0039】 アルキルは、当業者に公知である1〜50のC原子を有する線状または枝分か
れしたアルキル残基のいずれをも意味するものと理解され、例えば、メチル、エ
チル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n
−ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシルおよび他の同族体であり、
他の同族体は明瞭のために、ここでは列挙する必要がなく、これらの残基もまた
それ自体置換され得る。これに関して考えられ得る置換基は、ハロゲン、ニトロ
、またはアルキルもしくはアルコキシ、ならびにシクロアルキルまたはアリール
であり、例えば、ベンゾイル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、クロロメ
チル、クロロエチルおよびニトロメチルである。アルキルという用語はここでは
、シクロへキサン、ベンジル、ビニルベンジル、ベンゾイルのようなシクロアル
キルおよびアルキルアリールを明らかに包含する。メチル、エチル、n−プロピ
ル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、およびベンゾイルが
好ましい。説明したアルキル残基において、個々の2またはそれ以上のC原子、
あるいはまた全てのC原子は、Si原子、O原子またはS原子で置き換えてもよ
く、例示のためにシロキサンを挙げることができる。
【0040】 アリールは、当業者に公知である6〜14のC原子を有する単環または多環の
アリール残基を意味するものと理解され、例えば、フェニル、ナフチル、フルオ
レニルであり、これらの残基もまたそれ自体置換され得る。これに関して考えら
られ得る置換基は、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシル、または上述のアルキルも
しくはアリール残基であり、例えばブロモフェニル、クロロフェニル、トロイル
(toloyl)およびニトロフェニルである。
【0041】 メチル、エチル、プロピル、t−ブチル、メトキシ、エトキシ、シクロへキシ
ル、ベンゾイル、メトキシ、エトキシ、フェニル、ナフチル、クロロフェニル、
トロイル(toloyl)およびニトロフェニルが好ましい。
【0042】 当業者であれば、ハロゲンを、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味するも
のと理解し、フッ素、塩素および臭素が好ましい。
【0043】 有機シランの具体的な例は、トリアルキルシラン、ジハロジアルキルシラン、
ニトロトリアルキルシラン、ハロトリアルキルシラン、ハロジアルキルアリール
シラン、ジアルコキシアルキルハロシラン、アルキルアリールハロシラン、トリ
アルコキシハロシラン、ジアルキルアリールハロシラン、アルキルジアリールシ
ラン、アリールジアルキルシラン、ジアリールシラン、トリアリールシランおよ
びペルフルオロ化アルキルまたはアリールアルコキシシランである。
【0044】 有機シリルアミンの具体的な例は、N−トリアルキルシリルイミダゾール、N
−トリアルキルシリルイミダゾール、N−トリアルキルシリルジアルキルアミン
、N−トリアルキルシリルピロール、N−トリアルキルシリルピロリジン、N−
トリアルキルシリルピペリジン、およびペンタフルオロフェニルジアルキルシリ
ルアミンである。
【0045】 有機シリルアミドおよびその誘導体の具体的な例は、N,O−ビストリアルキ
ルシリルアセトアミド、N,O−ビストリアルキルシリルトリハロアセトアミド
、N−トリアルキルシリルアセトアミド、N−アルキル−N−トリアルキルシリ
ルアセトアミド、N−アルキル−N−トリアルキルシリルトリハロアセトアミド
、およびN−アルキル−N−トリアルキルシリルペルハロアルキルアミドである
【0046】 有機シラザンの具体的な例は、ヘキサアルキルジシラザン、ヘプタアルキルジ
シラザン、1,1,3,3−テトラアルキルジシラザン、1,3−ビス(ハロア
ルキル)テトラアルキルジシラザン、1,3−ジアリール−1,1,3,3−テ
トラアルキルジシラザンおよび1,3−ジアリールテトラアルキルジシラザンで
ある。ケイ素を含む他の化合物の例は、N−アルコキシ−N,O−ビストリアル
キルシリルトリハロアセトアミド、N−アルコキシ−N,O−ビストリアルキル
シリルカルバメート(carbamate)、N,O−ビストリアルキルシリルスルファ
メート(sulfamate)、トリアルキルシリルトリフルオロメタンスルホネート(s
ulfonate)、およびN,N’−ビストリメチルシリル尿素である。
【0047】 好ましいアルキルケイ素残基(またはアルキルケイ素化合物)は、ヘキサメチ
ルジシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザンおよびN−メ
チル−N−トリメチルシリルトリフルオロアセトアミドである。
【0048】 フッ素を含むアルキレンおよびアリーレン(またはアルキル基およびアリール
基)は、少なくとも1つのフッ素置換基を有する上述のアルキルおよびアリール
残基のいずれをも意味するものと理解され、特に1、2、3、4、5、6、7、
8および9のフッ素置換基を有するアルキルまたはアリール残基またはペルフル
オロ化されたアルキルおよびアリール残基を意味するものと理解される。ヘキサ
フルオロ−2−メチルイソプロパノール、1−クロロ−3−フルオロイソプロパ
ノ−ル、3−クロロ−4−フルオロベンゾイルクロライド、2−クロロ−4−フ
ルオロ安息香酸、クロロおよびブロモペンタフルオロエタン、ブロモペルフルオ
ロへプタン、ヘキサフルオログルタル酸、もしくはペンタフルオロベンゾイルク
ロライド、またはペルフルオロオクチルトリエトキシシランが特に好ましく用い
られる。
【0049】 担体組成物の表面において、好ましくは10%以上、特に50%以上、非常に
特に好ましくは80%以上の官能基(例えばOH基)が、アルキルケイ素基、ア
リールケイ素基、フッ素を含むアルキル基またはフッ素を含むアリール基で被覆
される。
【0050】 本発明の担体組成物の表面の極性は、表面の疎水性コーティングによって意図
的に設定される。
【0051】 本発明の担体組成物の形態および粒径は明らかに広範囲で変化させてよいが、
我々は、>20m2/g、好ましくは>50m2/gの大きい表面積を有する均質
な混合酸化物を使用することが特に好ましいことを見出した。この担体組成物は
、化学組成におけるその化学的な融通性(または自由度もしくはフレキシビリテ
ィ)、例えば金属の性質、金属含有量およびアルキル含有量、ならびに失活/ブ
ロッキングを防止するために表面を処理することにより実施される、触媒活性、
選択性および有効寿命の意図的な制御によって特徴づけられる。
【0052】 上述の目的は、金粒子および/または銀粒子、酸化チタン、およびケイ素含有
担体を含む担体組成物を製造する方法であって、ケイ素含有担体および/または
担体組成物の表面を処理することを特徴とする製造方法によって、更に達成され
る。
【0053】 本発明の目的のために、処理は特に、アルキルケイ素基、アリールケイ素基、
フッ素を含むアルキル基、またはフッ素を含むアリール基から選択される基を担
体組成物の表面に付加することを意味するものと理解され、基は表面で官能基(
例えばOH基)に共有結合または配位結合により結合している。尤も、他のいず
れの表面改質も、明らかに本発明の範囲内に含まれる。
【0054】 処理は好ましくは有機ケイ素化合物および/またはフッ素を含む有機ケイ素化
合物もしくは有機化合物を用いて実施され、有機ケイ素化合物が好ましい。
【0055】 考えられ得る有機ケイ素化合物は、当業者に公知のシリル化剤のいずれをも含
み、例えば、有機シラン、有機シリルアミン、有機シリルアミド、およびそれら
の誘導体、有機シラザン、有機シロキサン、および他の有機ケイ素化合物が含ま
れ、当然のことながら、これらは組み合わせて使用してよい。有機ケイ素化合物
はまた、ケイ素および部分的にフッ素化された又はペルフルオロ化された有機残
基の化合物を明らかに包含する。
【0056】 有機シランの具体的な例は、クロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラ
ン、クロロブロモジメチルシラン、ニトロトリメチルシラン、クロロトリメチル
シラン、ヨードジメチルブチルシラン、クロロジメチルフェニルシラン、クロロ
ジメチルシラン、ジメチル−n−プロピルクロロシラン、ジメチルイソプロピル
クロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、トリプロピルクロロシラン、
ジメチルオクチルクロロシラン、トリブチルクロロシラン、トリヘキシルクロロ
シラン、ジメチルエチルクロロシラン、ジメチルオクタデシルクロロシラン、n
−ブチルジメチルクロロシラン、ブロモメチルジメチルクロロシラン、クロロメ
チルジメチルクロロシラン、3−クロロプロピルジメチルクロロシラン、ジメト
キシメチルクロロシラン、メチルフェニルクロロシラン、トリエトキシクロロシ
ラン、ジメチルフェニルクロロシラン、メチルフェニルビニルクロロシラン、ベ
ンジルジメチルクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、ジフェニルメチルクロ
ロシラン、ジフェニルビニルクロロシラン、トリベンジルクロロシラン、および
3−シアノプロピルジメチルクロロシランである。
【0057】 有機シリルアミンの具体的な例は、N−トリメチルシリルジエチルアミン、ペ
ンタフルオロフェニルジメチルシリルアミンであり、N−トリメチルシリルイミ
ダゾール、N−t−ブチルジメチルシリルイミダゾール、N−ジメチルエチルシ
リルイミダゾール、N−ジメチル−n−プロピルシリルイミダゾール、N−ジメ
チルイソプロピルシリルイミダゾール、N−トリメチルシリルジメチルアミン、
N−トリメチルシリルピロール、N−トリメチルシリルピロリジン、N−トリメ
チルシリルピペリジン、および1−シアノエチル(ジエチルアミノ)ジメチルシ
ランを含む。
【0058】 有機シリルアミドおよびその誘導体の具体的な例は、N,O−ビストリメチル
シリルアセトアミド、N,O−ビストリメチルシリルトリフルオロアセトアミド
、N−トリメチルシリルアセトアミド、N−メチル−N−トリメチルシリルアセ
トアミド、N−メチル−N−トリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、N−
メチル−N−トリメチルシリルヘプタフルオロブチルアミド、N−(t−ブチル
ジメチルシリル)−N−トリフルオロアセトアミド、およびN,O−ビス(ジエ
チルヒドロシリル)トリフルオロアセトアミドである。
【0059】 有機シラザンの具体的な例は、ヘキサメチルジシラザン、ヘプタメチルジシラ
ザン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(クロロメチル
)テトラメチルジシラザン、1,3−ジビニルー1,1,3,3−テトラメチル
ジシラザン、および1,3−ジフェニルテトラメチルジシラザンである。
【0060】 他の有機ケイ素化合物の例は、N−メトキシ−N,O−ビストリメチルシリル
トリフルオロアセトアミド、N−メトキシ−N,O−ビストリメチルシリルカル
バメート(carbamate)、N,O−ビストリメチルシリルスルファメート(sulfa
mate)、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(sulfonate)、お
よびN,N’−ビストリメチルシリル尿素である。
【0061】 フッ素化された有機ケイ素化合物の例は、ペルフルオロオクチルトリエトキシ
シラン、ペルフルオロペンチルトリエトキシシラン、またはペルフルオロペンチ
ルトリブトキシシランである。
【0062】 好ましいシリル化剤は、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン
、N−メチル−N−(トリメチルシリル)−2,2,2−トリフルオロアセトア
ミド MSTFA、およびトリメチルクロロシランである。
【0063】 触媒はまた、表面のOH基を増やすためにシリル化の前に水処理に付してよい
。これに関して、水処理は、シリル化プロセス工程の前に、触媒を、液体の水ま
たは塩化アンモニウムおよび/もしくは硝酸アンモニウムの飽和水溶液と接触さ
せる、または多価カチオン(例えばCa2+またはLa3+の水溶液)とイオン交換
させることを意味し、例えば触媒を処理媒体に懸濁させてから乾燥させる、ある
いは触媒を>100℃、好ましくは150〜450℃にて1〜6時間、水蒸気で
処理する。触媒は、特に好ましくは200〜450℃にて2〜5時間、水蒸気で
処理される。その後、過剰な水が除去される。使用する水または塩の水溶液はま
た、スプレー含浸法で触媒担体に塗布してよい。スプレー含浸法は、成形された
担体物質について特に好ましい。
【0064】 考えられ得るフッ素を含む有機化合物は、少なくとも1つのフッ素置換基を有
する当業者に公知のすべてのアルキルおよびアリール残基であり、特に、1、2
、3、4、5、6、7、8および9のフッ素置換基を有するアルキルまたはアリ
ール残基またはペルフルオロ化されたアルキルおよびアリール残基である。ヘキ
サフルオロ−2−メチルイソプロパノール、1−クロロ−3−フルオロイソプロ
パノ−ル、3−クロロ−4−フルオロベンゾイルクロライド、2−クロロ−4−
フルオロ安息香酸、クロロおよびブロモペンタフルオロエタン、ブロモペルフル
オロへプタン、ヘキサフルオログルタル酸、またはペンタフルオロベンゾイルク
ロライドが特に好ましく用いられる。
【0065】 本発明の担体組成物の処理の手順(シーケンス)は限定されない。
【0066】 調製は、酸化ケイ素に酸化チタンを適用(または塗布もしくは添加)し、続い
て金および/または銀を適用し、表面を処理することにより実施してよい。ある
いは、チタンならびに金および/または銀の中心(またはセンター)はケイ素を
含有する担体に同時に適用し、そして表面を処理する。あるいは、チタン、金、
およびケイ素成分を同時に共重縮合反応で反応させて、そして表面を処理する。
あるいは、チタンおよびケイ素成分を共重縮合反応で同時に反応させ、金で被覆
し、そして表面を処理する。あるいは、チタン中心を化学的に酸化ケイ素に結合
させ、表面を処理し、続いて金および/または銀で被覆する。
【0067】 酸化チタンは、ケイ素含有担体物質にてその場で(in situ)チタンの前駆体
化合物から生成でき、例えば上澄液の飽和(含浸;impregnation)によって生成
することができ、ならびに/または、酸化チタンは担体の吸収能力に相当する量
の溶媒を用いて適用(または添加)することができ(インシピエント・ウェット
ネス;incipient wetness)、沈殿法(析出沈殿;deposition precipitation)
、蒸着、およびゾル/ゲル法で適用でき、同様にコロイド法、スパッタリング、
もしくは蒸気凝縮によっても適用できる。飽和の場合、表面のシラノール基と反
応し得るチタンの前駆体化合物が都合良く使用される。
【0068】 酸化チタンはまた、チタノセンクロライドを用い、場合により塩基の存在下に
て、グラフトによりケイ素含有担体にてその場で(in situ)生成される。この
場合、(η5−C522TiCl2は末端の表面のシラノール基と反応する。グ
ラフト、乾燥および焼成の後、(=SiO)3TiOH複合体が主たるチタンの
種をおそらく形成する。チタンを含む担体物質は、次の工程で金および/または
銀で被覆される。
【0069】 触媒チタン種として適切なチタンの前駆体化合物は、従来技術から知られてお
り、例えば可溶性のチタンの塩(例えばハロゲン化チタン、硝酸チタン、硫酸チ
タン、無機または有機酸のチタンの塩、およびチタン酸エステル)である。
【0070】 C1〜C6のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル
、イソブチル、tert−ブチル等)を有するテトラアルキルチタネート(titanate
)、または他の有機チタン種(例えばチタニルアセチルアセトネート(titanyl
acetylacetonate)、ジシクロペンタジエニルチタンジクロライド)のようなチ
タンの誘導体が好ましく用いられる。テトラ−n−ブチルオルトチタネート、ア
セチルアセトナトチタン、チタノセンジクロライド、および四塩化チタンは好ま
しいチタン前駆体化合物である。
【0071】 −Si−O−Ti基もまた、適当なSiおよびTi前駆体の同時に起こる重合
、例えば、アモルファスのキセロゲルまたはエアロゲルを生成する共重縮合反応
によって、または結晶性の混合酸化物ゼオライトまたはシリカライト等を生成す
る水熱合成によって有利に生成される。ゾル/ゲルプロセスは、加水分解された
、コロイド状に溶解した金属成分混合物(ゾル)の重縮合をベースとして、アモ
ルファスの三次元のネットワーク(ゲル)を形成する。下記の反応図式は当該プ
ロセスを明らかにするためのものである。
【化2】
【0072】 対応する担体物質の適当な前駆体化合物は、例えば、ケイ素および/またはチ
タンのアルコキシドである。H2O:加水分解可能なSi(Ti)種の典型的な
モル比は、例えば0.5〜32であり、好ましくは0.5〜3である。適当な触
媒担体物質、例えば焼成シリカ、AerosilまたはCab-o-silを、コロイドシリカゾ
ルの状態で懸濁または分散させ得る。追加の縮合可能な多官能分子、例えば単量
体もしくは重合体のグリコール、金属塩化物、または同様の化合物もまた、意図
的な「材料設計」のために使用してよい。加水分解されたアルコキシメタラート
(alkosymetallate)のように、これらのポリマーはゲルのネットワークに均一
に組み込まれ得る。疎水性の有機溶剤、例えば8以上の炭素原子を有する単官能
基の脂肪族アルコールのゾル相(分散相)への添加は、エマルション(分散した
ゾル相および均質なエマルション液体)の形成を引き起こし、したがって、材料
の更なる調整の機会を提供する。
【0073】 実質的に全ての金属、半金属、または非金属の酸化物のゲルが知られており、
それらの多くはキセロゲルおよびエアロゲルの製造に適している。ゾル/ゲルプ
ロセスは、とりわけ、非常に均質なSiOx/TiOy混合酸化物を調製すること
を可能にする。高いチタンの含有量(>15wt%)にて、好ましいTi−O−T
iホモ縮合(homocondensation)反応に起因してドメイン(または領域)が形成
され、そこでは純粋なTiO2から区別される八面体のTi配位が優勢である。
希薄系(dilute system)、「SiOxにおけるTiOy」(<7wt% Ti)の
場合、均質な、即ちドメインのないTi分布が生じ、そこではTiもまた、ケイ
素が採っている4配位を採る。これらの中心(またはセンター)はおそらく、上
述した触媒活性の中心(サイト(または部位)分離された中心)である。
【0074】 我々は、触媒的に活性な金属中心が境界の画定された小孔構造中に組み込まれ
た場合には、上述の不均一系触媒において選択性および特に活性が向上し得るこ
とを見出した。この方法において、二次反応は抑制され得る。貴金属(金および
/または銀)で被覆されると、均質な共重縮合反応により生成されたSiOx
TiOy混合酸化物は、活性の高い選択酸化触媒を構成する。表面処理後、その
ような系は、優れた選択性と組み合わされて、何ヶ月もの又はそれ以上の工業的
に有用な触媒有効寿命を示す。
【0075】 驚くべきことに我々は、ゾル/ゲルベースの触媒系(テンプレート化合物を使
用する及び使用しない両方の場合の、適当なケイ素、チタンおよび追加の促進剤
の前駆体の、塩基または酸で触媒された加水分解、縮合およびゲル化(共重縮合
)は、表面処理の後、高い選択性および活性を有する酸化触媒を構成することを
見出した。酸化ケイ素の格子に組み込まれるチタンに由来する異種酸化物および
既に説明した促進剤は、主として均質な形態で、即ちドメインを殆ど形成するこ
となく存在する。組み込まれた元素(または要素)は、高度に分散した形態でア
モルファスの混合酸化物中に存在し、元素−O−Si結合によって無機ポリマー
に結合している。これらのアモルファスの混合酸化物の化学組成は、ゾル/ゲル
プロセスにおける製造の間、広い範囲で変化させ得る。このようにして得た触媒
は、酸化反応の前に有機シリル化剤と接触させることが特に好ましい。SiOx
をベースとして生成された、これらのアモルファスの混合酸化物または水熱合成
後に結晶化した混合酸化物は、優れた高選択性レドックス触媒である。
【0076】 金および/または銀を添加し、表面処理をした後、ゾル/ゲルプロセスは、本
発明のミクロまたはマクロポーラスな担体組成物をもたらす。
【0077】 尤も、所望の表面極性は、担体組成物を有機シリル化剤と接触させることのみ
によってではなく、有利には、例えばRTi(OR’)3タイプまたはRSi(OR
’)3タイプのアルキル(アリール)シランおよび/またはフッ素を含むアルキル
(アリール)シランの加水分解により形成されて、アルキル(アリール)で改質
されたシリカゲルまたはチタン含有シリカゲルを生成する。シリカゲルの表面お
よび小孔内の疎水または親油特性は、ケイ素上のアルキル、アルキレンまたはア
リール残基Rを選択することによって調節され得る。このタイプのシリカゲルは
金属触媒の適当なマトリックスである。
【0078】 適当なケイ素、チタンおよび促進剤の種の共重縮合は、本発明の担体組成物の
別の好ましい製造方法である。適当なSi、Tiおよび促進剤の種は、原則とし
て、対応する酸化物および水酸化物の前駆体として作用する、当業者に公知の任
意の適当な化合物である。ここで重縮合は、水性系または有機系で実施してよい
【0079】 シリカゲル、シリカゾルおよび水ガラスに加えて、使用される適当なケイ素の
種は、テトラアルキルオルトシリケート、例えばテトラメチルオルトシリケート
、テトラエチルオルトシリケートである。表面極性は有利には、トリアルコキシ
ケイ素の種(例えばトリアルコキシメチルシランおよび/またはトリアルコキシ
フェニルシランおよび/またはトリアルコキシクロロシラン)をテトラアルキル
オルトシリケートの一部または全部に代えて用いることにより、意図的に調節さ
れる。単量体のアルコキシドに加えて、重合体の系、例えばポリ(ジエトキシシ
ラン)、ポリ(ジエトキシシラン s−ブチルアルミン酸塩)を同様に都合良く
使用できる。
【0080】 同様にして、チタンの塩(例えば、ハロゲン化チタン、硝酸チタン、硫酸チタ
ン、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウム)が、適当なチタン種として好ましく
使用される。C1〜C6のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、
n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル等)を有するテトラアルキルチタネート
、または他の有機チタン種(例えばチタニルアセチルアセトネート(titanyl ac
etylacetonate)、ジシクロペンタジエニルチタンジクロライド)のようなチタ
ンの誘導体もまた好ましく用いられる。テトラ−n−ブチルオルトチタネートは
別の好ましいチタン成分である。少量のテトラアルキルオルトチタネートに代え
てトリアルコキシチタン種、例えばトリアルコキシフェニルチタンを用いる場合
、表面極性は付加的に調節され得る。単量体のアルコキシドに加えて、重合体の
系、たとえばポリ(ジエトキシシロキサン/エチルチタネート)、ポリ(オクチ
レングリコールチタネート等を同様に都合良く使用できる。
【0081】 同様に、促進剤の前駆体またはソース(もしくは供給源)として適当な促進剤
の誘導体はいずれも適当であり、特に酸化タンタル、酸化アンチモン、酸化鉄お
よび酸化アルミニウムが適当である。ハロゲン化物、硝酸塩および水酸化物のよ
うな、いずれの塩も使用し得るが、これらの金属のアルコキシド、例えばエトキ
シド、プロポキシド等が好ましい。
【0082】 Si、Tiおよび促進剤、SiおよびTi、Siおよび促進剤、Tiおよび促
進剤、またはSiおよび促進剤の共沈生成物もしくは共ゲルもまた、出発反応物
(もしくはスターター試薬)として使用することができる。
【0083】 水ガラスをベースとする方法(ケイ酸ナトリウムの水溶液を例えばイオン交換
後に酸性条件下で加水分解する)、またはケイ酸を有機溶媒に移し、それからこ
の媒体において酸性、中性または塩基性触媒で縮合する方法により生成される生
成物は、特に適しており、大規模な工業用途に特に適している。
【0084】 前記の生成物(水ガラス)は、本発明の目的のために更に好ましい出発物質で
ある。
【0085】 驚くべきことに、我々は、アルカンおよびアルケンの接触酸化に関して、担体
組成物の触媒活性および有効寿命が、従来公知の触媒系のそれらよりも数桁大き
いことを見出した。
【0086】 したがって、炭化水素の酸化に本発明の担体組成物を使用することは、上述の
目的を達成する別の方法であり、本発明により提供される。
【0087】 本発明の使用は、原則として、いずれの炭化水素にも適用され得る。炭化水素
という用語は、オレフィンまたはアルカンのような不飽和または飽和炭化水素を
意味するものと理解され、それはまたヘテロ原子、例えば、N、O、P、Sまた
はハロゲンを含んでよい。酸化される有機成分は、鎖式、単環式、二環式または
多環式であってよく、また、モノオレフィン、ジオレフィンまたはポリオレフィ
ンであってよい。2またはそれ以上の二重結合を有する有機成分の場合、二重結
合は共役または非共役の形態で存在してよい。酸化される炭化水素は、酸化生成
物を触媒から連続的に取り除くことができるように、十分に低い分圧を有する酸
化生成物を形成するようなものであることが好ましい。2〜20、好ましくは2
〜10の炭素原子を有する不飽和または飽和炭化水素が好ましく、特に、エテン
、エタン、プロペン、プロパン、イソブタン、イソブチレン、1−ブテン、2−
ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン、1,3−ブタジエン、ペン
テン、ペンタン、1−ヘキセン、1−ヘキサン、ヘキサジエン、シクロヘキセン
、ベンゼンが好ましい。
【0088】 ここでは担体組成物は、任意の所望の物理的形態で、例えば、挽いた粉体、球
状の粒子、ペレット、押出物、グラニュール(または粒体もしくは顆粒)等で、
酸化反応に使用できる。
【0089】 好ましい使用は、本発明の担体組成物の存在下における、水素を伴う酸素の気
相反応である。この使用は、オレフィンからエポキシドを、飽和二級炭化水素か
らケトンを、また飽和三級炭化水素からアルコールを選択的に生成する。使用さ
れる反応物質(または遊離体:educt)に応じて、触媒の有効寿命は数ヶ月また
はそれ以上になる。
【0090】 炭化水素、酸素、水素、および適宜使用される希釈ガスの相対モル比は、広い
範囲で変化させ得る。
【0091】 炭化水素、酸素、水素および希釈ガスの全モル数に対する、導入される炭化水
素のモル比は、広い範囲で変化させ得る。炭化水素は、導入される酸素に対して
(モル基準で)過剰に使用されることが好ましい。炭化水素の含有量は典型的に
は1モル%よりも多く、60モル%よりも少ない。用いられる炭化水素の含有量
は、好ましくは5〜35モル%の範囲内にあり、特に好ましくは10〜30モル
%の範囲内にある。炭化水素の含有量が増えるほど、生産性が向上し、水素燃焼
が減少する。
【0092】 酸素は種々の形態で使用され得、例えば、分子酸素(または分子状酸素)、空
気および窒素酸化物の形態で使用され得る。分子酸素が好ましい。炭化水素、酸
素、水素および希釈ガスの全モル数に対する酸素のモル含有量は、広い範囲で変
化させ得る。酸素は、好ましくは炭化水素に対するモルが不足した状態で用いら
れる。酸素は、好ましくは1〜6モル%の範囲で使用され、特に好ましくは6〜
15モル%で使用される。酸素含有量が増加するほど、生産性は向上する。安全
上の理由から、20モル%未満の酸素含有量が選択されるべきである。
【0093】 水素が存在しないと、本発明の担体組成物は非常に低い活性および選択性しか
示さない。180℃までの温度では、水素の不存在下では生産性は非常に低く、
一方200℃を越える温度では、部分酸化生成物とともに、大量の二酸化炭素が
生成される。公知の水素供給源(ソース)のいずれをも使用することができ、例
えば、炭化水素およびアルコールの脱水素で得た水素分子を使用してよい。本発
明の別の態様において、水素は上流の反応器においてその場で(in situ)生成
してよく、例えば、プロパン、イソブタン、または例えばイソブタノールのよう
なアルコールを脱水素することによって生成してよい。水素もまた、例えば触媒
/水素複合体のような複合種として、反応系に導入してよい。炭化水素、酸素、
水素および希釈ガスの全モル数に対する水素分子のモル含有量は、広い範囲で変
化させ得る。典型的な水素含有量は、0.1モル%よりも大きく、好ましくは5
〜80モル%であり、特に好ましくは10〜65モル%である。水素含有量が増
加するほど、生産性は向上する。
【0094】 本質的に必要とされる上述の反応ガス(または抽出ガス;educt gas)に加え
て、希釈ガス、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、メタン、二酸化炭素、また
は不活性に挙動する同様のガスを適宜使用することも可能である。前述の不活性
な成分の混合物もまた使用してよい。不活性な成分の添加は、発熱酸化反応で放
出された熱を放散させるのに好都合であり、また安全の見地から好都合である。
本発明の方法が気相で実施される場合、ガス状の希釈成分、例えば窒素、ヘリウ
ム、アルゴン、メタン、および場合により水蒸気および二酸化炭素が好ましく使
用される。水蒸気および二酸化炭素は実際には完全に不活性であるということは
ないが、それらは非常に低い濃度(<2体積%)にて良好な影響を及ぼす。本発
明が液相で実施される場合、耐酸化性で熱的に安定な不活性な液体が都合よく選
択される(例えばアルコール、ポリアルコール、ポリエーテル、ハロゲン化炭化
水素)。
【0095】 本発明の担体組成物はまた、液相にて炭化水素の酸化に適している。有機ヒド
ロ過酸化物(R−OOH)の存在下にて、液相のオレフィンは上述の触媒にて非
常に選択的にエポキシドに転換され、また酸素および水素の存在下にて、液相の
オレフィンは上述の触媒にて非常に選択的にエポキシドに転換される。
【0096】 我々は、上述の選択酸化反応が触媒の構造に非常に敏感であることを見出した
。担体組成物中にナノ分散した金粒子および/または銀粒子が存在する場合、選
択酸化生成物の生産性が向上することが認められた。
【0097】 金および/または銀と酸化チタンの空間的に密な相互作用(境界界面;perime
tric interface)は特に有効である。即ち、チタンを含むアモルファスまたは結
晶性の混合酸化物の担体物質、例えばSiOx/TiOy混合酸化物が使用される
場合、酸素および水素の存在下で優れたエポキシ化触媒が得られる。金/酸化チ
タン/酸化ケイ素触媒の活性および触媒有効寿命は、少量の促進剤、例えば異種
金属を組み込むことにより更に向上し得、特にタンタルおよび/または鉄および
/またはアンチモンおよび/またはアルミニウムを組み込むことにより更に向上
し得る。本発明に従って表面処理することは、工業的に有用な何ヶ月もの触媒有
効寿命を最終的にもたらす。これらの混合酸化物は、加工上の問題を生じさせる
ことなく、有利なコストで工業規模で生産することができる。
【0098】 本発明の特徴は下記の実施例において、触媒調製および触媒試験反応によって
示される。本発明は当然のことながら、下記の実施例に限定されない。
【0099】
【実施例】
触媒試験手順(試験手順) 内径10mmおよび長さ20cmの金属管状反応器を使用し、温度は温度制御され
る油浴で制御した。反応ガス(炭化水素、酸素、水素、窒素)を1組の4つの質
量流量コントローラーを用いて反応器に供給した。はじめに0.5gの微粉の触
媒を、150℃および3バールの過圧にて、反応のために導入した。遊離ガスは
上部から反応器に計量しながら供給した。標準触媒投入量は、4l/g触媒/h
であった。プロペンを「標準炭化水素」として例のために選択した。酸化反応は
、高い窒素含量を有するガスのストリームを用いて実施し、これは以下において
標準ガス組成物:N2/H2/O2/C36=15/63/10/12%と呼ばれ
る。反応ガスはガスクロマトグラフィーにより定量的に分析した。個々の反応生
成物は、ガスが3つの毛管カラムを通過するFID/TCDを組み合わせた方法
を使用するガスクロマトグラフィーにより分離した。 FID:HP−Innowax、内径0.32mm、長さ60m、フィルム厚さ0.25
μm TCD:直列に接続したカラム。HP−Plot Q、内径0.32mm、長さ30m
、フィルム厚さ20μm。HP−Plot Molsieve5A、内径0.32mm、長さ3
0m、フィルム厚さ12μm。
【0100】 実施例1 この実施例は、ケイ素およびチタンの酸化物から成るアモルファスの触媒担体
であって、金の粒子で被覆され、さらに表面が改質されたものの調製を説明する
【0101】 26gのテトラエトキシシラン(120mmol)(TEOS、Acros、98
%)を22.5mlのi−プロパノールに入れ、合わせて混合し、2.25gの
0.1NのHClと組み合わせ、2時間攪拌した。1.06gのテトラブトキシ
チタン(3.1mmol)(Acros、98%)をこの溶液に滴下して加え、15
分間攪拌した。均質なバッチを2%のNH3水溶液23mlと組み合わせた。バ
ッチは約5分後にゲル化点に達し、10時間放置し、120℃にて最初の1時間
は標準圧力で、それから真空下(50ミリバール)で約20時間乾燥させ、30
0℃にて3時間焼成した。
【0102】 この物質2.5gを最初に0.05gの1,1,1,3,3,3−ヘキサメチ
ルジシラザン(3mmol)(Merck)とともに乾燥ヘキサンに攪拌しながら導入
し、60℃にて2時間攪拌し、固体を濾取し、50mlのヘキサンで洗浄し、1
20℃にて真空下で5時間乾燥させた。シリル化による表面改質を繰り返した。
【0103】 チタンを含む4gの担体を最初に35mlのメタノールに導入し、5mlのメ
タノール中の70mgのHAuCl4(0.178mmol)(Merck)と組み合わ
せ、1.1mlの2NのK2CO3でpH8に調節し、30分間攪拌し、4mlの
クエン酸モノナトリウム溶液を添加し、2NのK2CO3でpHをpH8に再度調
節し、混合物を120分間攪拌した。それから固体を分離し、40mlずつの水
で3回洗浄し、標準圧力で120℃にて10時間乾燥させ、350℃にて3時間
焼成した。金/チタン/ケイ素触媒の金含有量は0.52wt%であった(IC
P分析)。
【0104】 前記の試験手順に従って試験したところ、300時間の間、94%の一定のP
O選択率にて、定常状態で1.5%のプロペン転化率が得られた。
【0105】 実施例2 この実施例は、ケイ素、チタンおよびタンタルの酸化物から成るアモルファス
の触媒担体であって、表面が改質され、さらに金の粒子で被覆されたものの調製
を説明する。触媒の調製は実施例1と同様にして実施されるが、テトラブトキシ
チタンを添加してから60分後に、均質なバッチを765mg(1.86mmo
l)のTa(OEt)5(Chempur)と組み合わせ、15分間攪拌し、そして実施例
1と同様にしてゲル化し、仕上げ、改質した。
【0106】 前記の試験手順に従って試験したところ、300時間の間、94%の一定のP
O選択率にて、定常状態で2.2%のプロペン転化率が得られた。
【0107】 実施例3 この実施例は、ケイ素、チタンおよびタンタルの酸化物から成るアモルファス
の触媒担体であって、表面が改質され、さらに金の粒子で被覆されたものの調製
を説明する。触媒の調製は実施例2と同様にして実施するが、金で被覆した触媒
担体はシリル化の前に300℃にて3時間、水蒸気で処理し、それから300℃
にて2時間乾燥させ、実施例1と同様にして最終的にシリル化する。
【0108】 前記の試験手順に従って試験したところ、200時間の間、94%の一定のP
O選択率にて、定常状態で2.4%のプロペン転化率が得られた。
【0109】 実施例4 この実施例は、ケイ素およびチタンの酸化物から成る疎水性のアモルファスの
触媒担体であって、金の粒子で被覆され、さらに表面が改質されたものの調製を
説明する。触媒の調製は実施例1と同様にして実施したが、5モル%のTEOS
に代えてトリエトキシメチルシラン(Merck)を使用した。一様な焼成温度23
0℃を選択した。
【0110】 前記の試験手順に従って試験したところ、300時間の間、94%の一定のP
O選択率にて、定常状態で1.9%のプロペン転化率が得られた。
【0111】 実施例5 この実施例は、ケイ素およびチタンの酸化物から成る触媒担体であって、表面
が改質され、さらに金で被覆されたものの調製を説明する。SiおよびTiを含
む触媒担体は、シリカにチタノセンジクロライドを含浸させることにより得られ
る。
【0112】 20gのAerosil380(デグッサ社)を150mlの飽和塩化アンモニウム
溶液150mlに懸濁させて、50℃にて3時間攪拌し、濾過し、50mlずつ
の水で3回洗浄し、120℃にて3時間乾燥させ、300℃にて3時間焼成した
【0113】 1568mgのチタノセンジクロライド(Merck)を300mlのクロロホル
ムに溶解し、10gの乾燥したAerosil380(デグッサ、焼成酸化ケイ素、3
80m2/g)を添加し、混合物を30分間攪拌し、1867mgのトリエチル
アミンを添加し、混合物を120分間攪拌し、真空濾過し、50mlのクロロホ
ルムで洗浄し、120℃にて窒素中で3時間乾燥させ、それから300℃にて3
時間焼成し、500℃にて1時間焼成した。
【0114】 チタンを含む2gの担体を最初に20mlのヘキサンに導入し、0.4gのヘ
キサメチルジシラザンを添加し、混合物を60℃にて120分間攪拌し、分離し
、120℃にて10時間乾燥させた。
【0115】 テトラクロロ金酸のメタノール溶液(1リットルあたり1.25gのAu)6
4mlを最初に導入し、チタンを含む物質4gを添加し、1.0mlのK2CO3 (2N)でpH8に調節し、30分間攪拌し、4mlのクエン酸モノナトリウム
溶液を添加し、2NのK2CO3でpHをpH8に再度調節し、混合物を120分
間攪拌し、固体を分離し、40mlずつのH2Oで3回洗浄し、150℃にて2
時間乾燥させ、350℃にて5時間焼成した。
【0116】 前記の試験手順に従って試験したところ、300時間の間、93%の一定のP
O選択率にて、定常状態で2.1%のプロペン転化率が得られた。
【0117】 実施例6 この実施例は、ケイ素およびチタンの酸化物から成る触媒担体であって、表面
が改質され、さらに金の粒子で被覆されたものの調製を説明する。SiおよびT
iを含む触媒担体は、シリカにテトライソプロポキシチタンを含浸させることに
より得た。
【0118】 70gのAerosil380を塩化アンモニウム溶液で実施例5と同様にして処理
した。50gのAerosil380(デグッサ社、焼成酸化ケイ素、380m2/g)
、2.2gのテトライソプロポキシチタン(7.7mmol)(Merck)、1.6
gのアセチルアセトネートおよび200mlの乾燥イソプロパノールを、攪拌し
ながら最初に導入し、30分間均質化し、固体を濾取し、洗浄のために50ml
のイソプロパノールに再度懸濁させ、10分間攪拌し、再度濾過した。この洗浄
プロセスを繰り返した。固体は120℃にて窒素中で乾燥させ、300℃にて3
時間焼成し、500℃にて1時間焼成した。
【0119】 チタンを含む物質2gを最初に20mlのヘキサンに導入し、0.2g(1.
2mmol)のヘキサメチルジシラザンを添加し、混合物を60℃にて120分
間攪拌し、分離し、120℃にて10時間乾燥させた。
【0120】 テトラクロロ金酸のメタノール溶液(1リットルあたり0.7gのAu)70
mlを最初に導入し、チタンを含む物質5gを添加し、1.0mlのK2CO3
2N)でpHを8に調節し、混合物を30分間攪拌し、2mlのクエン酸モノナ
トリウム溶液を添加し、2NのK2CO3でpHをpH8に再度調節し、混合物を
120分間攪拌し、固体を分離し、20mlずつのH2Oで4回洗浄し、150
℃にて2時間乾燥させ、350℃にて3時間焼成した。触媒は0.6wt%の金
を含んでいた(ICP)。
【0121】 前記の試験手順に従って試験したところ、300時間の間、93%の一定のP
O選択率にて、定常状態で1.8%のプロペン転化率が得られた。
【0122】 実施例7:比較例 この実施例は、ケイ素およびチタンの酸化物から成る触媒担体であって、金の
粒子で被覆されたものの調製を説明する。SiおよびTiを含む触媒担体は、シ
リカにチタニルアセチルアセトネートを含浸させることにより得た。
【0123】 30gのAerosil200(焼成酸化ケイ素、デグッサ社、200m2/g)を2
50mlの乾燥メタノールに懸濁させ、0.98gのチタニルアセチルアセトネ
ートと組み合わせ、室温にて2時間攪拌した。懸濁液を回転エバポレータ内で蒸
発乾固し、固体をそれから130℃にて乾燥させ、600℃にて3時間、空気流
中で焼成した。
【0124】 0.16gのテトラクロロ金酸を500mlの蒸留水に溶解し、2Nの水酸化
ナトリウム溶液でpH8.8に調節し、70℃に加熱し、上述のチタン含有シリ
カ10gと組み合わせ、1時間攪拌した。このようにして、金を水酸化物の形態
でチタン含有シリカの表面に固定した。固体を濾取し、30mlの蒸留水で洗浄
し、120℃にて10時間乾燥させ、空気中で400℃にて3時間焼成した。I
CP分析によれば、触媒は0.45wt%の金を含んでいた。
【0125】 前記の試験手順に従って試験したところ、92%のPO選択率にて、20分後
で2.3モル%のプロペン転化率が得られ、100分後にプロペン転化率は1.
5モル%となり、4時間後にプロペン転化率は1.0モル%となり、10時間後
にプロペン転化率は0.5モル%となった。触媒の失活は更に時間が経つと進行
した。
【0126】 実施例8 この実施例は、ケイ素およびチタンの酸化物から成るアモルファスの触媒担体
であって、表面が改質され、さらに金の粒子で被覆されたものの調製を説明する
。実施例1と異なり、SiおよびTiを含む触媒担体は、酸で触媒された共重縮
合により得た。
【0127】 100mmolのエタノール中の9.15gのTEOS(44mmol、Merc
k)を0.65gのテトライソプロポキシチタン(2.3mmol)と組み合わ
せ、2mlの8NのHClを滴下して加えた。加水分解、縮合およびゲル化を、
密閉したポリプロピレン製ビーカー中で3日間実施した。室温にて3日間乾燥さ
せた後、ゲルを加熱速度0.1K/分で340Kに加熱し、この温度に4時間保
ち、同じ加熱速度で530Kに加熱し、焼成のためにその温度に更に5時間保っ
た。2K/分で、室温まで冷却した。
【0128】 チタンを含む物質2.5gを最初に1gのヘキサメチルジシラザンとともに乾
燥ヘキサン中に攪拌しながら導入し、60℃にて2時間攪拌し、固体を濾取し、
50mlのヘキサンで洗浄し、真空中で120℃にて乾燥させた。
【0129】 テトラクロロ金酸のメタノール溶液(1リットルあたり0.7gのAu)40
mlを最初に導入し、チタンを含む触媒担体3gを添加し、混合物を1.0ml
のK2CO3(2N)でpH8に調節し、30分間攪拌し、2mlのクエン酸モノ
ナトリウム溶液を添加し、pH値を2NのK2CO3でpH8に再度調節し、混合
物を120分間攪拌し、固体を分離し、20mlずつのメタノールで3回洗浄し
、150℃にて2時間乾燥し、300℃にて3時間焼成した。触媒は0.6wt
%の金を含んでいた(ICP)。
【0130】 前記の試験手順に従って試験したところ、100時間の間、93%の一定のP
O選択率にて、定常状態で1.5%のプロペン転化率が得られた。
【0131】 実施例9 この実施例は、ケイ素およびチタンの酸化物から成る結晶性のケイ酸チタン触
媒担体であって、表面が改質され、さらに金で被覆されたものの調製を説明する
。SiおよびTiを含む触媒担体は、水熱合成により得た。
【0132】 275.5gのTEOS(1.32mmol)(Merck)および95.4gの0
.05NのHClをアルゴン中で最初に導入し、室温にて1時間攪拌し、それか
ら0℃に冷却し、66.2gのイソプロパノール(Merck、分析用)に溶解した
11.25g(33mmol)のテトラブトキシチタン(Merck)を3時間かけ
て滴下して加えた。黄色がかった溶液は少量の固体を含んでいたが、その後これ
を再度溶解させた。さらに30分かけて、バッチを室温(20℃)に調節し、2
2gの20%水酸化テトラプロピルアンモニウム溶液(Sachen)を3分間かけて
滴下して加えた。5分後にゲル化点に達した。10時間放置した後、粉末にした
バッチを、テフロン(登録商標)で内部を被覆したオートクレーブに移し、17 0℃にて24時間水熱合成した。バッチは30mlのイソプロパノールで3回洗 浄し、110℃にて乾燥させ、ゆっくりと(10℃/分で)窒素流中で560℃ まで加熱し、N2中で560℃に1時間保ち、それから560℃にて空気中で1 0時間焼成した。
【0133】 焼成した物質2.5gを最初に1gのヘキサメチルジシラザンとともに乾燥ヘ
キサン中に攪拌しながら導入し、60℃にて2時間攪拌し、固体を濾取し、50
mlのヘキサンで洗浄し、真空中で120℃にて乾燥させた。
【0134】 テトラクロロ金酸のメタノール溶液(1リットルあたり0.7gのAu)40
mlを最初に導入し、チタンを含む結晶性触媒担体3gを添加し、混合物を1.
0mlのK2CO3(2N)でpH8に調節し、30分間攪拌し、2mlのクエン
酸モノナトリウム溶液を添加し、pH値を2NのK2CO3でpH8に再度調節し
、混合物を120分間攪拌し、固体を分離し、20mlずつのH2Oで4回洗浄
し、150℃にて2時間乾燥させ、350℃にて3時間焼成した。触媒は0.6
wt%の金を含んでいた(ICP)。
【0135】 前記の試験手順に従って試験したところ、200時間の間、93%の一定のP
O選択率にて、定常状態で1.5%のプロペン転化率が得られた。
【0136】 実施例10 トランス−2−ブテンを不飽和炭化水素としてプロペンの代わりに選択した。
ケイ素、チタン、タンタルの酸化物および未化合の金から成るアモルファスの触
媒をトランス−2−ブテンの部分酸化に使用した。触媒の調製は実施例2と同様
にして実施した。
【0137】 前記の試験手順に従って試験したところ、100時間の間、91%の一定の2
,3−エポキシブタン選択率にて、定常状態で2.0%のトランス−2−ブテン
転化率が得られた。
【0138】 実施例11 シクロヘキセンを不飽和炭化水素としてプロペンの代わりに選択した。ケイ素
、チタン、タンタルの酸化物および未化合の金から成るアモルファスの触媒をシ
クロヘキセンの部分酸化に使用した。触媒の調製は実施例2と同様にして実施し
た。
【0139】 前記の試験手順に従って試験したところ、100時間の間、90%のシクロヘ
キセンオキシド選択率にて、定常状態で1.8%のシクロヘキセン転化率が得ら
れた。
【0140】 実施例12 1,3−ブタジエンを不飽和炭化水素としてプロペンの代わりに選択した。ケ
イ素、チタン、タンタルの酸化物および未化合の金から成るアモルファスの触媒
を1,3−ブタジエンの部分酸化に使用した。触媒の調製は実施例2と同様にし
て実施した。
【0141】 前記の試験手順に従って試験したところ、100時間の間、85%のブテンオ
キシド選択率にて、定常状態で0.7%のブタジエン転化率が得られた。
【0142】 実施例13 この実施例は、ケイ素、チタンおよびタンタルの酸化物から成るアモルファス
の触媒担体であって、銀の粒子で被覆され、さらに表面が改質されたものの調製
を説明する。触媒担体の製造は、実施例2と同様にして実施した。触媒担体は金
の代わりに銀の粒子で被覆された。
【0143】 10gの触媒担体を、787mgの硝酸銀(導入した担体に対して5wt%の
銀)が100mlの水に溶解した溶液に、室温にて攪拌しながら添加した。懸濁
液を室温にて1時間攪拌し、固体を分離し、20mlの水で1回洗浄した。湿っ
た固体を120℃にて3時間乾燥させ、それから空気中で250℃にて2時間焼
成し、350℃にて5時間焼成した。
【0144】 前記の試験手順に従って試験したところ、50時間の間、94%の一定のPO
選択率にて、定常状態で0.4%のプロペン転化率が得られた。
【0145】 触媒の調査 表面被覆は、例えば、いわゆるDRIFTS分光法によって立証され得る。D
RIFTS(拡散反射率赤外フーリエ変換分光法;diffuse reflectance infrar
ed Fourier transform spectroscopy)は、固体表面の官能基および吸着物の構
造特性を決定するための、十分に確立された振動分光法である。この方法の原理
の詳細および不均一系触媒反応の分野の応用例の幾つかは、例えば、「不均一系
触媒反応ハンドブック(Handbook of Heterogeneous Catalysis)」(第2巻、
539頁以下参照)(VCH、バインハイム(Weinheim)、1977年)中のG
.Mestl、H.Knoezingerの論文およびそこで言及された文献に
見られる。
【0146】 本発明の触媒物質は、適当なサンプルを数時間200℃にて乾燥キャビネット
で保存し、それらを熱い間に不活性ガスのセル内に移し、(サンプル表面でのH 2 Oの再吸収を避けるために)それらを更に空気と接触させることなくDRIF
TS分光分析に付すことによって、シリル化されていない状態およびシリル化さ
れた状態で特性決定した。
【0147】 図1は実施例1に従って製造したシリル化された物質およびシリル化されてい
ない物質2つのDRIFTスペクトルを示す。ヘキサメチルジシラザンを用いて
実施したシリル化は、シリル化されていない物質の表面に存在する末端SiOH
基の実質的に完全な転化をもたらし、それは、スペクトル中、3740cm-1
てシャープなバンドによって特定され得る。シリル化された物質のスペクトル中
、3000cm-1付近のはっきり認識できるバンドは、シリル化剤に由来する炭
化水素被覆(CH3基)に起因する。シリル化されていない物質もまた、担体を
製造するために使用されるゾル/ゲルプロセスからおそらく生じる炭化水素残基
を含む(明らかにこれらの炭化水素残基は、200℃の温度にて物質を処理する
ことにより完全に熱分解されたわけではなかった。)
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は実施例1に従って製造したシリル化された物質およびシリ
ル化されていない物質2つのDRIFTスペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ゲルハルト・ヴェゲナー ドイツ連邦共和国デー−40822メットマン、 ヘンデルシュトラーセ14番 (72)発明者 ゲオルク・ヴィースマイヤー ドイツ連邦共和国デー−51427ベルギッシ ュ・グラートバッハ、イン・デン・ヴィー ゼン30番 Fターム(参考) 4C048 AA01 BB02 CC01 4G069 AA01 AA03 AA08 BA02A BA02B BA04A BA04B BA07A BA07B BA10A BA15A BA20A BA20B BA21A BA21B BB02A BB02B BB04A BB04B BC15A BC16A BC19A BC20A BC23A BC24A BC26A BC32A BC33A BC33B BC38A BC40A BC49A BC50A BC50B BC51A BC53A BC54A BC55A BC56A BC56B BC65A BC66A BC69A BD03A BE32A BE32B BE34A CB07 CB09 CB73 DA06 EC02Y EC03Y EC04Y FA01 FA02 FB14 FB16 FB17 FB19 ZA11B ZA37A ZA37B ZF05A ZF05B 4H039 CA63 CC40 CH40

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金粒子および/または銀粒子、酸化チタン、ならびにケイ素
    含有担体を含む担体組成物であって、組成物の表面がアルキルケイ素基、アリー
    ルケイ素基、フッ素を含むアルキル基またはフッ素を含むアリール基から選択さ
    れる基を有することを特徴とする担体組成物。
  2. 【請求項2】 担体組成物の表面の50%以上のOH基がアルキルケイ素基
    、アリールケイ素基、フッ素を含むアルキル基またはフッ素を含むアリール基で
    被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の担体組成物。
  3. 【請求項3】 組成物が、IUPAC1985周期系の第5、3、4、8、
    13、14および15族から選択される追加の異種酸化物、または2以上の異種
    酸化物の混合物を含むことを特徴とする請求項1〜2の1または複数に記載の担
    体組成物。
  4. 【請求項4】 ケイ素含有担体および/または担体組成物の表面を処理する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の担体組成物を製造する方法。
  5. 【請求項5】 表面処理が有機ケイ素化合物および/またはフッ素を含む有
    機化合物を用いて実施される請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 シロキサン、シラザン、ジシラザン、および/またはクロロ
    シラン、あるいはこれらの組み合わせが有機ケイ素化合物として用いられること
    を特徴とする請求項4〜5の1または複数に記載の方法。
  7. 【請求項7】 表面処理の前に担体が水処理に付され、それから過剰の水お
    よび場合により塩が除去されることを特徴とする請求項4〜6の1または複数に
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 ケイ素を含む表面改質された担体が、非水性系溶剤中または
    有機溶剤と水との混合物中で、金で被覆されることを特徴とする請求項4〜7の
    1または複数に記載の方法。
  9. 【請求項9】 1または複数の特定の可溶性の促進剤の前駆体化合物が追加
    的に使用される請求項3〜8の1または複数に記載の方法。
  10. 【請求項10】 酸素および還元剤の存在下にて炭化水素を酸化するための
    請求項1〜3の1または複数に記載の担体組成物の使用。
  11. 【請求項11】 炭化水素が不飽和炭化水素である請求項10に記載の使用
  12. 【請求項12】 プロペンが酸化されてプロペンオキシドを生成する請求項
    10に記載の使用。
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