JP2002356643A - 水性塗料用樹脂組成物 - Google Patents

水性塗料用樹脂組成物

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JP2002356643A
JP2002356643A JP2001162082A JP2001162082A JP2002356643A JP 2002356643 A JP2002356643 A JP 2002356643A JP 2001162082 A JP2001162082 A JP 2001162082A JP 2001162082 A JP2001162082 A JP 2001162082A JP 2002356643 A JP2002356643 A JP 2002356643A
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meth
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unsaturated monomer
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JP2001162082A
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Hiroshi Inukai
宏 犬飼
Mitsutaka Hasegawa
三高 長谷川
Nobushige Numa
伸茂 奴間
Masami Sugishima
正見 杉島
Kouki Nakamura
皇紀 中村
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Kansai Paint Co Ltd
Toagosei Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
Toagosei Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗装環境にかかわらず容易に硬化しうる水性
塗料用樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 マレイミド基を有するエチレン性不飽和
単量体(a)とその他のエチレン性不飽和単量体(b)
の共重合により得られるマレイミド基含有共重合体
(I);カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体
(c)とその他のエチレン性不飽和単量体(d)の共重
合により得られるカルボニル基含有共重合体(II);な
らびにヒドラジド基、セミカルバジド基及びヒドラゾン
基から選ばれる同じもしくは異なる官能基を1分子あた
り2個以上有する化合物(III)を含有することを特徴
とする水性塗料用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗装環境にかかわら
ず容易に硬化しうる一液型の水性塗料用樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】近年、塗料、インキ、接着
剤等の分野では、省資源、環境衛生、無公害、非危険物
化等の点から、有機溶剤型から水性型への転換が進めら
れている。例えば、建築分野における水性塗料において
は、常温で乾燥し、且つ耐水性、耐候性、耐汚染性等の
性能に優れた塗膜を形成する塗料が要求されている。こ
のような要求に応える建築用途に適した水性常乾一液型
塗料用組成物として、例えば、特開平4−249587
号公報等には、架橋性カルボニル基を含むエマルション
粒子とジヒドラジド化合物を含む組成物が開示されてい
る。該組成物は、貯蔵性に優れ、耐水性等の物性に優れ
た塗膜が形成しうるが、塗装環境によっては十分に架橋
反応が進行しないという欠点がある。例えば、気温が低
い時のような水分の蒸発が著しく遅い環境での塗装にお
いて、塗装後の初期段階における塗膜の耐水性(初期耐
水性)が不十分であるという問題がある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の水
性常乾一液型塗料用組成物がもつ上記の如き問題を解決
すべく鋭意検討を行った結果、今回、架橋性カルボニル
基を含む共重合体と架橋剤を含む樹脂組成物を、自然光
の照射により硬化するマレイミド基を含む共重合体と併
用すると、塗装環境にかかわらず塗装後の初期段階にお
いても耐水性や硬化性等に優れた塗膜を形成しうる塗料
用樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0004】かくして、本発明は、マレイミド基を有す
るエチレン性不飽和単量体(a)とその他のエチレン性
不飽和単量体(b)の共重合により得られるマレイミド
基含有共重合体(I);カルボニル基を有するエチレン
性不飽和単量体(c)とその他のエチレン性不飽和単量
体(d)の共重合により得られるカルボニル基含有共重
合体(II);ならびにヒドラジド基、セミカルバジド基
及びヒドラゾン基から選ばれる同じもしくは異なる官能
基を1分子あたり2個以上有する化合物(III)を含有
することを特徴とする水性塗料用樹脂組成物を提供する
ものである。
【0005】以下、本発明の水性塗料用樹脂組成物につ
いてさらに詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】マレイミド基含有共重合体(I) マレイミド基含有共重合体(I)は、自然光の照射によ
り光2量化して、本発明の樹脂組成物から形成される塗
膜を3次元架橋させるための成分であり、マレイミド基
を有するエチレン性不飽和単量体(以下、マレイミド単
量体という)(a)をその他のエチレン性不飽和単量体
(b)と共重合させることにより得られるものである。
【0007】マレイミド単量体(a)には、エチレン性
不飽和基と下記式(1)で表される環状イミド基を有す
る化合物(以下、単にイミド化合物という)が包含され
る。
【0008】
【化1】
【0009】式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原
子又はアルキル基であり、或いはそれらが結合している
炭素原子と一緒になって炭素環を形成する基である。
【0010】上記イミド化合物におけるエチレン性不飽
和基としては、例えば、ビニル、アリル、(メタ)アク
リロイル基等が挙げられ、特に(メタ)アクリロイル基
が好ましい。
【0011】また、上記式(1)におけるR1及びR2
しては、イミド化合物同志の重合性や他のエチレン性不
飽和基含有単量体(b)との共重合性等の観点から、そ
れぞれ独立してアルキル基、好ましくは炭素数4以下の
アルキル基であるか、又は一緒になって炭素環を形成す
る基、例えば、基−CH2CH2CH2−、−CH2CH 2
CH2CH2−等、好ましくは−CH2CH2CH2CH2
である。
【0012】しかして、イミド化合物として、具体的に
は、例えば、下記式(2)で表されるイミド(メタ)アク
リレートが挙げられる。
【0013】
【化2】
【0014】式中、R1及びR2は前記と同義であり、R
3はアルキレン基、好ましくは炭素数1〜6のアルキレ
ン基、より好ましくはエチレン又はプロピレン基であ
り、R4は水素原子又はメチル基であり、nは1〜6の
整数であり、好ましくは1又は2、さらに好ましくは1
である。
【0015】上記イミド(メタ)アクリレートとして
は、好ましくは、下記式(3)及び(4)で表される化
合物を挙げることができる。
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】式中、R4及びR5はそれぞれ独立に水素原
子又はメチル基であり、R6及びR7はそれぞれ独立に炭
素数4以下のアルキル基であり、nは1〜6の整数であ
る。
【0019】イミド(メタ)アクリレートは、それ自体
既知の化合物であり、例えば、加藤清ら、有機合成化学
協会誌,30(10),897(1972);Javier d
e Abajo et al.,Polymer,vol33
(5),1090(1992);特開昭56−5311
9号公報;特開平1−242569号公報などに記載の
方法により、酸無水物、アミノアルコール及び(メタ)
アクリル酸から製造することができる。
【0020】他方、以上に述べたマレイミド単量体
(a)と共重合されるその他のエチレン性不飽和単量体
(b)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブ
チル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレ
ート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ
ート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル
(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式
(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート
等のアラルキル(メタ)アクリレート;2−メトキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メ
タ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アク
リレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレート;パーフルオロアルキル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル化
合物;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族
化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエ
トキシシラン等のアルコキシシリル基を有するエチレン
性不飽和単量体等が挙げられる。これらの中で、共重合
性、塗膜物性等の面から好ましい単量体として、炭素数
1〜8のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリル酸、スチレン、炭素数2〜3の
アルキレン基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレート、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げら
れ、また、耐候性等の面から好ましい単量体として、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0021】共重合体(I)は、例えば、一般的な乳化
重合法に従い、乳化剤としての界面活性剤の存在下に、
上記マレイミド単量体(a)を、その他のエチレン性不
飽和単量体(b)と共重合することにより容易に製造す
ることができる。
【0022】上記の乳化重合に際し、マレイミド単量体
(a)及びその他のエチレン性不飽和単量体(b)は、
両者の合計量を基準にして、一般に、マレイミド単量体
(a)1〜40重量%、好ましくは2〜20重量%、及
びその他のエチレン性不飽和単量体(b)60〜99重
量%、好ましくは80〜98重量%の範囲内で使用する
ことができる。マレイミド基を有するエチレン性不飽和
単量体(a)の使用割合が1重量%未満では、得られる
共重合体(I)を用いた樹脂組成物から形成される塗膜
の水分の蒸発が遅い環境における塗装直後の初期耐水性
等の物性が低下する可能性があり、一方、40重量%を
越えると、樹脂組成物の架橋密度が高くなりすぎて塗膜
が脆くなる傾向がみられる。
【0023】共重合体(I)の製造において、乳化剤
(界面活性剤)としては、通常使用される、例えば、ジ
アルキルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウ
ム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウ
ム等の陰イオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレン高
級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤等を使用する
こともできるが、最終的に得られる樹脂組成物を用いて
形成される塗膜の耐水性等の観点から、ラジカル重合性
界面活性剤を使用することが好ましい。ラジカル重合性
界面活性剤を乳化剤として使用すると、該ラジカル重合
性界面活性剤が第三成分として共重合体の中に組み込ま
れる。
【0024】ラジカル重合性界面活性剤としては、例え
ば、特公昭46−12472号公報、特公昭56−29
657号公報、特開昭56−28208号公報、特開昭
56−127697号公報、特開昭62−100502
号公報、特開平2−162287号公報等に記載されて
いるそれ自体既知のものを使用することができ、また、
市販品として、例えば、「ラテムル」(商品名、花王
(株)製)、「エレミノール」(商品名、三洋化成(株)
製)、「アクアロン」(商品名、第一工業製薬(株)
製)、「アデカリアソープ」(商品名、旭電化工業(株)
製)等が挙げられる。
【0025】本発明においては、特に、ポリオキシアル
キレン基を主鎖とし、一端にラジカル重合性二重結合を
有する基を有し且つ他端にイオン解離性基を有する界面
活性剤、より具体的には、例えば、下記式(5)で表さ
れる化合物が好適である。
【0026】Z−(AO)n−Y (5) 式中、Zはラジカル重合性二重結合を有する基であり、
AOはオキシアルキレン基であり、nは2以上の整数で
あり、Yはイオン解離性基である。
【0027】上記のラジカル重合性二重結合を有する基
としては、芳香族炭化水素基、アルキル置換芳香族炭化
水素基、高級アルキル基、脂環式炭化水素基等の疎水性
基部分と、(メタ)アリル、プロペニル、ブテニル基等
のラジカル重合性二重結合含有部分とが組み合わされた
構造を有するものが挙げられる。
【0028】ラジカル重合性界面活性剤は、アニオン性
又はカチオン性のいずれであってもよいが、とくにアニ
オン性のものが好ましく、したがってイオン解離性基と
しては、オキシアルキレン基にアニオンが共有結合し、
これにカチオンがイオン結合した塩が好ましく、具体的
には、例えば、−SO3Na、−SO3NH4、−COON
a、−COONH4、−PO3Na2及び−PO3(NH4
2等が挙げられ、中でも、−SO3Na、−SO3NH4
好適である。
【0029】ポリオキシアルキレン基におけるオキシア
ルキレン単位の繰り返し数nは、一般に300以下、好
ましくは5〜50であり、また、アルキレン基の種類と
してはエチレン又はプロピレン基が好ましい。
【0030】かかるラジカル重合性界面活性剤として
は、具体的には、例えば、下記式(6)、(7)及び
(8)で表される化合物が挙げられる。
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】
【化7】
【0034】上記式中、R8及びR9は炭素数6〜18の
直鎖状もしくは分岐状アルキル基であり、R10は炭素数
8〜24のアルキル基であり、R11は水素原子又はメチ
ル基であり、Yは上記で述べたイオン解離性基である。
【0035】ラジカル重合性界面活性剤の使用量は、マ
レイミド単量体(a)及びその他のエチレン性不飽和単
量体(b)の種類や用いるラジカル重合性界面活性剤の
種類等によって異なるが、一般的には、使用する単量体
の合計量100重量部あたり0.1〜5重量部の範囲内
が好ましい。ラジカル重合性界面活性剤の使用量が0.
1重量部未満では、これを用いて乳化重合して得られた
エマルションの安定性が低下する可能性があり、反対に
5重量部を越えると、添加量に比例した塗膜の耐水性の
効果の向上が認められないばかりでなく、むしろ耐水性
が低下する傾向がみられる。
【0036】また、エマルションの安定性や塗膜の耐水
性の向上等の観点から、乳化重合に際して、ポリカルボ
ン酸系、ポリスルホン酸系等の陰イオン性高分子界面活
性剤や、ポリビニルアルコール等の非イオン性高分子界
面活性剤を併用することもでき、その使用量は、一般
に、使用する単量体の合計量100重量部あたり0.1
〜5重量部の範囲内が好ましい。
【0037】マレイミド単量体(a)とその他のエチレ
ン性不飽和単量体(b)の乳化重合は、例えば、上記単
量体(a)、(b)の混合物を水性媒体中に上記の如き
界面活性剤を使用して乳化分散させ、重合開始剤を添加
して加熱攪拌する方法、上記単量体(a)、(b)の混
合物及び上記の如き界面活性剤を用いて先ず水性乳濁液
を調製し、その水性乳濁液を、重合開始剤を含む水性媒
体中に添加しつつ加熱攪拌する方法等により行うことが
できる。その際、生成する共重合体の分子量を調節する
ために、必要に応じて、連鎖移動剤を使用することもで
きる。
【0038】上記の重合開始剤としては、例えば、過硫
酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;過酸化
水素、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパ
ーオキサイド等の過酸化物等が挙げられ、これらは重亜
硫酸ナトリウム、アスコルビン酸等の還元剤を併用し、
レドックス系開始剤として使用してもよい。これらの
中、特に水溶性の重合開始剤が好ましい。また、上記の
連鎖移動剤としては、例えば、ドデシルメルカプタン、
キサントゲン酸ジスルフィド、ジアゾチオエーテル、2
−プロパノール等が挙げられる。
【0039】上記のようにして得られる共重合体(I)
は、一般に1000〜1000000、好ましくは10
000〜500000の範囲内の数平均分子量を有する
ことができる。なお、本明細書において、数平均分子量
は、溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、ゲルパー
ミュエーションクロマトグラフィにより測定した分子量
をポリエチレンの分子量を基準にして換算した値であ
る。カルボニル基含有共重合体(II) カルボニル基含有共重合体(II)は、カルボニル基を有
するエチレン性不飽和単量体(以下、カルボニル単量体
という)(c)をその他のエチレン性不飽和単量体
(d)と共重合させることにより得られるものであり、
カルボニル単量体(c)に由来する共重合体(II)中の
カルボニル基は後述する化合物(III)中の官能基と架
橋反応し、本発明の樹脂組成物から形成される塗膜を硬
化させるのに役立つ。
【0040】カルボニル単量体(c)としては、1分子
中に、アルデヒド基及びケト基から選ばれる少なくとも
1個のカルボニル含有基と重合可能な二重結合とを有す
る単量体が好適であり、具体的には、例えば、(メタ)
アクロレイン、ホルミルスチロール、炭素数4〜7のビ
ニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビ
ニルエチルケトン、ビニルブチルケトンなど)、アセト
アセトキシエチル(メタ)アクリレート、ダイアセトン
(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらの中、
入手が容易で後述する化合物(III)との反応性に優れ
る等の理由により、ダイアセトン(メタ)アクリルアミ
ドが好ましい。
【0041】他方、カルボニル単量体(c)と共重合さ
れる上記その他のエチレン性不飽和単量体(d)として
は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n
−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)ア
クリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレ
ート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボル
ニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレ
ート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル
(メタ)アクリレート;2−メトキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート
等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート;パーフルオロアルキル(メタ)アクリレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレート、N,N−ジエ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート;(メタ)アク
リル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニ
トリル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエ
ステル化合物;スチレン、α−メチルスチレン等のビニ
ル芳香族化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピ
ルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基を有する
エチレン性不飽和単量体等が挙げられる。これらの中
で、共重合性、塗膜物性、粒子安定性等の面から好まし
い単量体として、スチレン、炭素数が1〜8のアルキル
基を有するアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリル酸、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0042】共重合体(II)は、例えば、一般的な乳化
重合法に従い、乳化剤としての界面活性剤の存在下に、
上記カルボニル単量体(c)をその他のエチレン性不飽
和単量体(d)と共重合することにより容易に製造する
ことができる。
【0043】上記の乳化重合に際して、カルボニル単量
体(c)及びその他のエチレン性不飽和単量体(d)
は、両者の合計量を基準にして、一般に、カルボニル単
量体(c)2〜30重量%、好ましくは5〜20重量
%、及びその他のエチレン性不飽和単量体(d)70〜
98重量%、好ましくは80〜95重量%の範囲内で使
用することができる。
【0044】カルボニル基を有するエチレン性不飽和単
量体(c)の使用量が2重量%未満では、得られる共重
合体(II)を用いた樹脂組成物から形成される塗膜の
硬度、耐水性、耐汚染性等の物性が不十分となる可能性
があり、一方、30重量%を越えると、共重合体(I
I)の価格が高くなり、しかも、塗膜の親水性が高くな
りすぎて硬化後も耐水性が低下する傾向がみられる。
【0045】共重合体(II)の製造において使用する乳
化剤としては、ポリオキシアルキレン基を主鎖とし、一
端に疎水基を有し且つ他端にイオン解離性基を有する界
面活性剤が好適であり、該疎水基としては、例えば、ア
ルキル基、アリール基等が挙げられ、また、ポリオキシ
アルキレン基及びイオン解離性基としては、共重合体
(I)の製造に関連して前述したものとが同様に使用で
きる。
【0046】このような界面活性剤を乳化剤として用い
ると、形成される共重合体粒子のポリマー相と水中のア
ニオンとの間に親水性のポリオキシアルキレン鎖部分が
配位し、乳化共重合体の貯蔵中における粒子表面での架
橋の促進を妨げることができる。
【0047】上記界面活性剤の市販品としては、例え
ば、「NEWCOL 560SN」、「NEWCOL 56
0SF」、「NEWCOL 707SF」、「NEWCOL
861SE」、「NEWCOL 1305SN」、(以上、
日本乳化剤(株)社製)、「ハイテノール」シリーズ(第
一工業製薬(株)社製)、「エマールNC−35」、「レ
ベノールWZ」(以上花王(株)社製)等が挙げられ
る。
【0048】これらの界面活性剤の使用量は、一般に、
使用する単量体の合計量を基準にして0.1〜6重量
%、好ましくは0.2〜5重量%の範囲内とすることが
できる。
【0049】乳化剤としては、上記界面活性剤の他に、
他のポリオキシアルキレン鎖を有さない陰イオン性界面
活性剤や共重合体(I)の製造に関連して前記した如き
非イオン性界面活性剤、ラジカル重合性界面活性剤等を
使用することもできる。また、塗膜の耐水性の向上等の
理由から、前述した陰イオン性高分子界面活性剤や非イ
オン性高分子界面活性剤を併用してもよい。
【0050】カルボニル単量体(c)とその他のエチレ
ン性不飽和単量体(d)の乳化重合は、マレイミド単量
体(a)とその他のエチレン性不飽和単量体(b)の乳
化重合の場合と同様にして行うことができる。
【0051】かくして製造される共重合体(II)は、一
般に5000〜1000000、好ましくは20000
〜500000の範囲内の数平均分子量を有することが
できる。
【0052】化合物(III) 本発明の樹脂組成物は、共重合体(II)に含まれるカル
ボニル基に反応する架橋剤としてヒドラジド基、セミカ
ルバジド基及びヒドラゾン基から選ばれる同じもしくは
異なる官能基を1分子あたり2個以上有する化合物(II
I)を含有する。
【0053】ヒドラジド基を1分子あたり2個以上有す
る化合物(III−1)としては、例えば、蓚酸ジヒドラ
ジド、マロン酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、
グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セ
バシン酸ジヒドラジドなどの炭素数2〜18の飽和脂肪
族カルボン酸のジヒドラジド;マレイン酸ジヒドラジ
ド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジドな
どのモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸のジヒドラジ
ド;フタル酸、テレフタル酸又はイソフタル酸のジヒド
ラジド;ピロメリット酸のジヒドラジド、トリヒドラジ
ド又はテトラヒドラジド;ニトリロトリ酢酸トリヒドラ
ジド、クエン酸トリヒドラジド、1,2,4−ベンゼン
トリヒドラジド;エチレンジアミンテトラ酢酸テトラヒ
ドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジ
ド;カルボン酸低級アルキルエステル基を有する低重合
体をヒドラジン又はヒドラジン水化物(ヒドラジンヒド
ラ−ド)と反応させてなるポリヒドラジド(特公昭52
−22878号参照)などが挙げられる。
【0054】上記ヒドラジド化合物は、疎水性が強すぎ
ると水分散化が困難となり、均一な架橋塗膜が得られな
くなる可能性があるので適度な親水性を有する比較的低
分子量の化合物を使用することが好適であり、上記例示
中では、例えば、アジピン酸ジヒドラジド、こはく酸ジ
ヒドラジドなどのジカルボン酸のジヒドラジドが好適で
ある。
【0055】セミカルバジド基を1分子あたり2個以上
有する化合物(III−2)としては、例えば、炭酸ジヒ
ドラジド、ビスセミカルバジド;ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシ
アネート及びそれから誘導されるポリイソシアネート化
合物にN,N−ジメチルヒドラジン等のN,N−置換ヒ
ドラジンや上記例示のヒドラジドを過剰に反応させて得
られる多官能セミカルバジド;該ポリイソシアネート化
合物とポリエーテルポリオール類やポリエチレングリコ
ールモノアルキルエーテル類等の親水性基を含む活性水
素化合物との反応物中のイソシアネート基に上記例示の
ジヒドラジドを過剰に反応させて得られる水系多官能セ
ミカルバジド;該多官能セミカルバジドと水系多官能セ
ミカルバジドとの混合物(例えば特開平8−15135
8号、特開平8−283377号、特開平8−2458
78号参照)等が挙げられる。
【0056】ヒドラゾン基を1分子あたり2個以上有す
る化合物(III−3)としては、例えば、ビスアセチル
ジヒドラゾンが好適に使用できる。
【0057】以上に述べた化合物(III−1)、(III−
2)及び(III−3)は、それぞれ単独で使用すること
ができ又は2種もしくはそれ以上組み合わせて使用して
もよい。
【0058】水性塗料用樹脂組成物 本発明の水性塗料用樹脂組成物は、以上に述べたマレイ
ミド基含有共重合体(I)、カルボニル基含有共重合体
(II)及び化合物(III)を必須成分として含有し、こ
れらを水性媒体中に溶解ないし分散させてなるものであ
る。
【0059】本発明の樹脂組成物中における上記各成分
の配合割合は、厳密に制限されるものではなく、該樹脂
組成物の用途等に応じて変えることができるが、共重合
体(I)と共重合体(II)は、共重合体(I)/共重合
体(II)の固形分重量比で一般に3/97〜90/1
0、好ましくは5/95〜50/50の範囲内とするこ
とができる。また、化合物(III)は、共重合体(II)
中のカルボニル基1モルあたり化合物(III)中の官能
基が一般に0.01〜2モル、好ましくは0.1〜1.
5モルの範囲内となるような割合で配合することができ
る。上記の共重合体(I)/共重合体(II)の固形分
重量比が3/97より小さいと、高湿度環境下での塗装
直後の耐水性(初期耐水性)が得られにくくなり、一
方、90/10を超えると屋内、日陰など日光の弱い部
位の塗装での初期の乾燥性が低下する可能性がある。ま
た、上記化合物(III)中の官能基の割合が0.01
モル未満では、本発明の樹脂組成物より形成される塗膜
の硬度、耐水性、耐汚染性等の物性が不十分となる可能
性があり、逆に、2モルを超えると、本発明の樹脂組成
物の貯蔵安定性が低下する傾向がみられる。
【0060】また、本発明の樹脂組成物には、単層仕上
げで又は複層塗仕上げの上塗り塗料に使用した時の塗膜
の耐汚染性をさらに向上せしめるために、必要に応じ
て、オルガノシリケート化合物を含ませることができ
る。そのような目的で使用しうるオルガノシリケート化
合物としては、例えば、下記式(9)で表される化合物
を挙げることができる。
【0061】
【化8】
【0062】式中、R12は同一もしくは異なり、水素原
子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。上記
の炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、n−
プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、
t−ブチル、n−ペンチル、イソ−ペンチル、n−ヘキ
シル、イソ−ヘキシル、n−オクチルなどのアルキル基
や、フェニルなどのアリール基が好適である。
【0063】しかして、上記式(9)のオルガノシリケ
ート化合物の具体例としては、例えば、テトラヒドロキ
シシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、
テトラフェノキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン
などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以
上組み合わせて用いることができる。
【0064】また、上記オルガノシリケート化合物同士
の分岐状もしくは直鎖状の縮合物も使用することもで
き、その縮合度は通常2〜100の範囲内が適当であ
る。
【0065】さらに、水に対する溶解性が良好であると
いう理由から、オルガノシリケート化合物として、上記
のオルガノシリケート化合物及び/又はその縮合物中の
アルコキシ基又は水酸基にポリアルキレングリコール系
化合物を一部反応させた変性オルガノシリケート化合物
が好適に使用できる。
【0066】変性剤としてのポリアルキレングリコール
系化合物としては、一般式 R13O−(R14O)n−H (10) 式中、R13は水素原子、アルキル基又はアリール基であ
り、R14は炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは2
〜60である、で表わされるものが挙げられる。具体的
には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポ
リアルキレングリコール;メトキシポリエチレングリコ
ール、エトキシポリエチレングリコール、エトキシポリ
プロピレングリコール、エトキシポリブチレングリコー
ルなどのアルコキシポリアルキレングリコール;ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンオクチルフェニルエーテルなどのポリオキシアルキ
レンアルキルフェニルエーテル等が挙げられ、特にポリ
エチレングリコール、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテルが好適である。
【0067】本発明の樹脂組成物における上記オルガノ
シリケート化合物の含有量は、樹脂固形分100重量部
あたり一般に0.1〜50重量部、好ましくは1〜20
重量部の範囲内とすることができる。
【0068】本発明の水性塗料用樹脂組成物には、さら
に必要に応じて、着色顔料、体質顔料、界面活性剤、分
散剤、消泡剤、増粘剤、造膜助剤、防腐剤、凍結防止剤
などを配合することができる。また、共重合体(I)に
おける光硬化を促進するために、場合により、例えば、
アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートやポリアル
キレングリコールポリ(メタ)アクリレート、ウレタン
(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレ
ート等の2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化
合物を含ませることもできる。
【0069】本発明の樹脂組成物は、例えば、共重合体
(I)及び共重合体(II)の水性媒体中の分散液に、化
合物(III)及びその他の添加剤を添加混合することに
より製造することができる。
【0070】本発明の水性塗料用樹脂組成物は、常温で
容易に硬化し、また、自然光の照射によって硬化がさら
に促進されるので、特に、建築物内・外装や、橋梁、船
舶等の塗装のための塗料用途に適している。
【0071】また、本発明の樹脂組成物は、単層仕上げ
でも優れた性能の塗膜を形成するので単層上塗り塗料と
して使用することができるが、複層仕上げのための上塗
り塗料として又は下地調整等の下塗り用塗料としても使
用することができる。
【0072】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、「部」は重量部を意味する。
【0073】マレイミド基含有共重合体の製造 製造例1 下記式(11)で表されるイミドアクリレート(以下、
単にイミドアクリレートという)10部、n−ブチルメ
タクリレート50部、メチルメタクリレート25部、n
−ブチルアクリレート14部及びメタクリル酸1部を混
合し、その混合物に脱イオン水100部及び「アクアロ
ンHS10」(注1)0.5部を添加し、回転ホモミキ
サーを用いて単量体エマルションを作成した。
【0074】一方、脱イオン水45部及び「アクアロン
HS10」(注1)0.5部を入れたフラスコ内部を窒
素置換した後、温度80℃まで加温し、内液を温度80
℃に維持しながら、そこへ過硫酸アンモニウム1部と上
記単量体エマルションのうち2重量%分を添加し、添加
後15分後から残りの単量体エマルションを2時間かけ
て滴下し、さらにそのまま2時間熟成した。熟成後冷却
し、中和剤として10wt%アンモニア水を3部滴下し
て、エマルション型の共重合体水分散液(A−1)を得
た。
【0075】
【化9】
【0076】(注1)「アクアロンHS10」:第一工業
製薬株式会社製、下記式(12)で表されるラジカル重
合性界面活性剤
【0077】
【化10】
【0078】製造例2 使用する単量体エマルション組成を、下記表1に示す通
りとする以外は、製造例1と同様の方法により共重合体
水分散液(A−2)を得た。 製造例3 「アクアロンHS10」各0.5部の代りに「Newc
ol707SF」(注2)を各1部使用した以外は、製
造例1と同様の方法により共重合体水分散液(A−3)
を得た。 (注2)「Newcol 707SF」:日本乳化剤社
製、ポリオキシエチレン鎖を有するアニオン性界面活性
剤、不揮発分30%
【0079】
【表1】
【0080】カルボニル基含有共重合体の製造 製造例4 脱イオン水36部及び「Newcol707SF」(注
2)0.36部を入れたフラスコを、窒素置換後、80
℃まで加温し、内液を80℃に維持しながら0.1部の
過硫酸アンモニウムを加えた後、下記組成の単量体エマ
ルションを3時間にわたって滴下した。 滴下終了後30分より30分間にわたり、0.1部の過
硫酸アンモニウムを1部の脱イオン水に溶かした溶液を
滴下し、さらに2時間80℃に保ってエマルション型の
共重合体水分散液(B−1)を得た。 製造例5 滴下する単量体エマルションを下記組成のものに代える
以外は製造例4と同様の方法でエマルション型の共重合
体水分散液(B−2)を得た。 変性オルガノシリケートの製造 製造例6 攪拌機、温度計、還流管、窒素導入管及び水分離器を備
えた反応容器に、「エチルシリケート48」(注3)5
00部、「Newcol568」(注4)324.5部
及び「Scat24」(注5)0.082部を仕込み、窒
素雰囲気で攪拌しながら120℃に昇温し、その後4時
間かけて160℃に昇温し同温度で1時間保持した。そ
の際に蒸発するエタノール等が水分離器にて25部留去
されて、変性オルガノシリケート800部を得た。 (注3)「エチルシリケート48」:多摩化学社製、エ
チルシリケートの縮合物 (注4)「Newcol568」:日本乳化剤社製、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル (注5)「Scat24」:三共有機合成社製、スズ系
触媒プレミックス塗料の製造 製造例7〜12 容器に、下記表2の組成(A)に示す各成分を順次仕込
み、ディスパーで30分間均一になるまで攪拌を続け顔
料ペーストを得た。その後、表2の組成(B)に示す各
成分を該顔料ペーストに順次添加して、ディスパーで均
一になるまで攪拌しプレミックス塗料(P−1)〜(P
−5)及び(Q−1)〜(Q−2)を得た。
【0081】
【表2】
【0082】(注6)「スラオフ72N」:武田薬品製、
防腐剤 (注7)「ノプコサントK」:サンノプコ社製、顔料分散
剤 (注8)「チタン白JR600A」:テイカ製チタン白 (注9)「SNデフォーマー380」:サンノプコ社製、
消泡剤 (注10)「50%ボンコートEC−846」:大日本イ
ンキ化学社製、アクリルスチレン系エマルション (注11)「アデカノールUH−438」:アデカ社製、
増粘剤 (注12)PVC:顔料容積濃度;樹脂及び顔料の混合
物固形分に占める顔料分の体積割合塗料の作成 実施例1〜8及び比較例1〜5 下記表3に示す組み合わせで表2で得た各プレミックス
塗料100部に架橋剤を配合し、各塗料組成物を得た。試験塗板の作成 70×150×5mmのスレート板に「マルチコンクリ
ートプライマーEPO」(関西ペイント社製、エポキシ
系プライマー)を塗装し、翌日下記表3に示す各塗料を
上水で約70KUに希釈した後、ハケにて塗布量が約
0.15kg/m2となるように塗装した。
【0083】各塗料及び各試験塗板を下記基準にて評価
し表3に示す。
【0084】
【表3】
【0085】(注13)「SX−601」:旭化成工業社
製、セミカルバジド系官能基含有化合物、固形分45
%、−NHCO−NHNH2含有量 4.8mmol/
g樹脂 (注14)20%ビスアセチルジヒドラゾン:メチルエ
チルケトン溶液評価試験 塗料の貯蔵性試験 上記で得られた各塗料を50℃の恒温室に1ケ月貯蔵し
た後、塗料の状態を目視評価した。 ◎:初期と比べてほとんど変わらず良好 ○:やや増粘がみられるものの、実用的には問題ない。 △:増粘が著しく実用性はないが、ゲル化には至ってい
ない。 ×:ゲル化している。初期耐水性試験(屋外) 上記で得られた各塗料を塗装した各試験塗板を塗装直後
に5℃冷温室に30分置いた後、曇りの日の屋外(建物
の北側で日陰になる所)にて約1時間放置した(温度8
〜10℃、65〜75%RHの条件)。その後、各試験
塗板を10分間没水して塗膜外観を目視評価した。 ◎:塗膜に異常がなく良好 ○:ややツヤビケ又はフクレが見られるものの実用上問
題ない。 △:フクレが大きいか多数見られる。又は一部塗膜溶出
が見られる。 ×:塗膜溶出が著しい。
【0086】初期耐水性試験(室内) 上記で得られた各塗料を塗装した各試験塗板を塗装直後
に10℃冷温室に30分置いた後、直射日光は当たらな
いが自然光が入る明るい室内にて約1時間放置した(2
0℃、60〜70%RHの条件)。その後各試験塗板を
10分間没水して塗膜外観を目視評価した。 ◎:塗膜に異常がなく良好 ○:ややツヤビケ又はフクレが見られるものの実用上問
題ない。 △:フクレが大きいか多数見られる。又は一部塗膜溶出
が見られる。 ×:塗膜溶出が著しい。
【0087】屋外汚染試験 90×300×5mmのスレート板に上記試験塗板の作成
方法と同様の方法でプライマー、各塗料を塗装した後、
さらに翌日各塗料を同様に塗装し、塗り重ね、室温で7
日乾燥したものを試験塗板とし、これを各2枚ずつ作成
した。このうち一方を暴露用、一方を控え用とした。暴
露用の試験板を関西ペイント東京事業所内の南面30度
の曝露板に取り付け、3ケ月後に取り出し、控え用試験
板との色差ΔEを測定した。値が小さいほど優れている
ことを示す。
【0088】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、カルボニル基含
有共重合体中に含まれるカルボニル基と架橋剤との反応
より常温で容易に硬化する。さらに、塗装乾燥条件が水
分の蒸発が遅いような場合(例えば曇り、低温、室内)
であっても、紫外線等の光線が届く範囲であれば、マレ
イミド基を含む共重合体による光硬化が進行するので、
塗装後の初期段階における耐水性、耐汚染性等の塗膜物
性を向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 三高 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社高分子材料研究所内 (72)発明者 奴間 伸茂 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 杉島 正見 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 中村 皇紀 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4J038 CC011 CC012 CF011 CF012 CG031 CG032 CG141 CG142 CG161 CG162 CH011 CH012 CH071 CH072 CH081 CH082 CH121 CH122 CH171 CH172 CJ131 CJ132 CL001 CL002 DL022 GA02 GA08 JB17 LA02 MA08 NA04 NA23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マレイミド基を有するエチレン性不飽和
    単量体(a)とその他のエチレン性不飽和単量体(b)
    の共重合により得られるマレイミド基含有共重合体
    (I);カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体
    (c)とその他のエチレン性不飽和単量体(d)の共重
    合により得られるカルボニル基含有共重合体(II);な
    らびにヒドラジド基、セミカルバジド基及びヒドラゾン
    基から選ばれる同じもしくは異なる官能基を1分子あた
    り2個以上有する化合物(III)を含有することを特徴
    とする水性塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 マレイミド基含有共重合体(I)が、マ
    レイミド基を有するエチレン性不飽和単量体(a)1〜
    40重量%と、その他のエチレン性不飽和単量体(b)
    60〜99重量%を乳化重合して得られるものである請
    求項1に記載の水性塗料用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 カルボニル基含有共重合体(II)が、カ
    ルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体(c)2〜
    30重量%と、その他のエチレン性不飽和単量体(d)
    70〜98重量%を乳化重合して得られるものである請
    求項1または2に記載の水性塗料用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 マレイミド基含有共重合体(I)とカル
    ボニル基含有共重合体(II)の配合比が固形分重量比で
    3/97〜90/10である請求項1ないし3のいずれ
    か1項に記載の水性塗料用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 オルガノシリケート及び/又はその縮合
    物に、そのアルコキシ基又は水酸基1モルに対して、ポ
    リアルキレングリコール系化合物を0.001〜0.5
    モル反応させてなる変性オルガノシリケート化合物をさ
    らに含有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の
    水性塗料用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の水性塗料用樹脂組成物を含む水性塗料組成物。
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