JP2002305327A - 窒化物系半導体発光素子 - Google Patents

窒化物系半導体発光素子

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JP2002305327A
JP2002305327A JP2001109507A JP2001109507A JP2002305327A JP 2002305327 A JP2002305327 A JP 2002305327A JP 2001109507 A JP2001109507 A JP 2001109507A JP 2001109507 A JP2001109507 A JP 2001109507A JP 2002305327 A JP2002305327 A JP 2002305327A
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Norikatsu Koide
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒化物系半導体発光素子において、一つの素
子で多色に発光する素子はなかった。 【解決手段】 波長λ1の光を発する第一の半導体発光
素子と、光励起によって波長λ2の光を発する第二の半
導体発光素子を備え、第一の半導体発光素子を光らせる
ための電流は第二の半導体発光素子を通して供給され、
第二の半導体発光素子の導電率は0.1Ωcm以下であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化物半導体発光
素子、特に多色に発光する窒化物半導体発光素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】GaN、InN、AlNおよびそれらの
混晶半導体を用いた窒化物半導体材料を用いて、これま
で、InxGa1-xN結晶を発光層として用いた発光素子
のが作製されている。InxGa1-xN発光層の組成を変
化させることで紫外から赤色までのLEDが作製されて
いる。しかし、これまでの半導体発光素子は、ひとつの
半導体発光素子で光の三原色を基本とした多色に発光す
る発光素子はなかった。
【0003】つまり、多色の発光を有する半導体素子を
作製する場合には、異なるバンドギャップをもつ発光素
子を並べ、それぞれの素子に電流を流し、光らせること
で多色の発光素子を作製した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複数の
発光素子を並列に並べた場合、混合色を出そうとする
と、個々のチップが大きいため、それぞれの光が見えて
しまう。また、拡散剤を用いると、暗くなってしまうの
で、混色性が悪かった。本発明は、単体からなる発光素
子の混色性をあげた半導体発光素子を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するためになされたものである。
【0006】その構成は次の通りであり、窒化物半導体
発光素子及び前記窒化物半導体発光素子上に係わり、前
記窒化物半導体発光素子における発光層に比してバンド
ギャップの小さくなおかつ導電性を有する第二の半導体
発光膜を形成する。そしてこの半導体素子に電流を流す
ことで窒化物半導体発光素子からでた光が第二の半導体
膜を励起することで、第二の半導体膜から生成された光
が発せられ、多色の光を発する発光素子の作製が可能と
なった。
【0007】そして、本発明者の数々の検討より、第二
の発光部を有する半導体発光素子の導電率が高いか、も
しくは、この発光素子部の膜厚が薄い場合、第二の発光
素子部の上層に形成した電極より注入された電流が、第
二の発光部内で電極面下部に到達するまでに十分広がら
ないため、第一の発光部にも横方向に十分な電流を広が
ることはなく、局所的な電流の集中が見られた。
【0008】そこで、第二の発光部を、導電率0.1Ω
cm以下でかつ、膜厚が1μm以上にすることで電流の
広がりを十分にした混色性の高い多色発光半導件発光素
子を作製することが可能となった。
【0009】より具体的には次のような構成である。
【0010】本発明の窒化物系化合物半導体発光素子
は、波長λ1の光を出す第一の半導体発光素子と、波長
λ2の光を出す第二の半導体発光素子と第一の電極と第
二の電極を備え、第一の電極は、第一の半導体発光素子
表面に形成され、第二の電極は、第一の半導体発光素子
と反対側の第二の半導体発光素子表面に形成され、第一
の半導体発光素子は、pn接合を有し、波長λ2の光
は、波長λ1の光による光励起によって発光し、波長λ
1と波長λ2の両方の光が素子外部に出ることを特徴と
する。
【0011】さらに、本発明の窒化物系化合物半導体発
光素子は、前記第二の半導体発光素子は、導電率が0.
1Ωcm以下であることを特徴とする。
【0012】さらに、本発明の窒化物系化合物半導体発
光素子は、前記第一の半導体発光素子と、第二の半導体
発光素子の間に第一の半導体発光素子からの光を透過す
る電極層が形成されていることを特徴とする。
【0013】さらに、本発明の窒化物系化合物半導体発
光素子は、前記第一の電極は、メッキによって形成され
ていることを特徴とする
【0014】
【発明の実施の形態】本発明について、以下に実施例を
示しつつ説明する。 (実施例1)図1は、本発明の窒化物半導体発光素子の
構造を示す概略断面図である。本実施例の窒化物半導体
発光素子は、発光波長λ1(480nm)の第一の半導
体発光素子18と発光波長λ2(620nm)の第二の
半導体発光素子19を持つ。第一の半導体発光素子18
は、pn接合を有し電流注入によって発光し、第二の半
導体発光素子19は、第一の半導体発光素子18からの
発光によって光励起され発光する。
【0015】次に、本実施例の素子を詳細に述べる。サ
ファイア基板1上にAlN低温バッファ層2の堆積を行
い、更に、その上に、順次積層されたSiドープn−G
aNからなる第一のクラッド層3、発光波長λ1で発光
するInxGa1-xNからなる第一の発光層4、p−Al
GaNからなるキャリアブロック層5、p−GaNから
なる第二のクラッド層6が形成されている。ここまでを
第一の半導体発光素子18とする。さらに、第一の半導
体発光素子18からの発光を吸収し発光波長λ2(λ1
<λ2)で発光する第二の半導体発光素子19として、
p型AlInPからなる第三のクラッド層8、p型Ga
InPからなる第二の発光層9、p型AlInPからな
る第四のクラッド層10、p型GaPからなるコンタク
ト層11が順に積層された構造を有する。さらに、リア
クティブ・イオン・エッチング(RIE)の手法を用い
て部分的に露出させたn−GaNからなる第一のクラッ
ド層3上には電極15が、コンタクト層11の上面には
透明電極16が設けられ、透明電極16の上面の一部に
は、ボンディング電極17が設けられている。
【0016】発光波長λ1で発光する第一の発光層4は
InxGa1-xNの組成xを変えることにより、バンド間
発光の波長を紫外から赤色まで発光させることができる
が、本実施例では、青色で発光するものとした。
【0017】次に、本実施例の発光素子の製造方法につ
いて説明する。
【0018】まず、(0001)面を有するサファイア
基板1を洗浄し、MOCVD(有機金属化学気相成長)
法を用いて、各層を成長する。洗浄したサファイア基板
をMOCVD装置内に導入し、水素(H2)雰囲気の中
で、約1100℃の高温でクリーニングを行う。その
後、降温して、キャリアガスとしてH2を10l/mi
n.流しながら、400℃でNH3とトリメチルアルミ
ニウム(TMA)をそれそれ5l/min.、15μm
ol/min.導入してAlN低温バッファ層2を25
nmの厚さで成長する。低温バッファ層としてはAlN
膜に限らず、TMA、トリメチルガリウム(TMG)、
NH3を使用して、GaN膜やGaAlN膜を用いても
なんら影響はない。その後H2とNH3をそれそれ8l/
min.、7l/min.流しながら約1050℃まで
昇温する。温度が上がれば、TMGを145μmol/
min.、SiH4を10nmol/min.導入し、
n−GaNからなる第1のクラッド層3を約3μm成長
する。
【0019】それから、600℃まで降温し、インジウ
ム原料であるトリメチルインジウム(TMI)を6.5
μmol/min.、TMGを2.8μmol/mi
n.導入し、In0.18Ga0.82Nよりなる3nm厚の井
戸層を成長する。その後再ひ、850℃まで昇温し、T
MGを14μmol/min.導入しGaNよりなる7
nm厚の障壁層を成長する。同様に井戸層4層、障壁層
4層の成長を繰り返し、多重量子井戸(MQW)からな
る第一の発光層4を成長する。
【0020】上記第一の発光層4の成長が終了するとT
MGの供給を停止して、再び1000℃まで昇温し、キ
ャリアガスを再びN2からH2に代えて、TMGを27μ
mol/min.、TMAを15μmol/min.、
p型ドーピング原料ガスであるビスシクロぺンタジエニ
ルマグネシウムを(Cp2Mg)を10nmol/mi
n.流し、25nm厚のp型Al0.13Ga0.87Nからな
るキャリアブロック層5を成長する。キャリアブロック
層の成長が終了すると、TMAの供給を停止し、厚さ8
0nmのp型GaNからなる第二のクラッド層6の成長
を行い第一の半導体発光素子18の成長を終了する。
【0021】成長が終了すると、TMG及びCp2Mg
の供給を停止した後、720℃に降温し、次の通り、第
一の半導体発光素子からの発光を吸収し発光波長λ2
(λ1<λ2)に波長変換して発光する第二の半導体発
光素子19の形成を行う。
【0022】H2雰囲気中においてTMAを26μmo
l/min.TMIを29.5μmol/min.p型
のドーピング材料にZnを0.7μmol/min.P
3(フォスフィン)を406cc流し、ホール濃度5
×1017cm-3のAl0.5In0.5P混晶層からなる第三
のクラッド層8を300nm形成した後、同じ温度の7
20℃において、TMGを31μmol/min.、T
MIを29μmol/min、p型のドーピング材料に
Znを0.4μmol/min.、PH3(フォスフィ
ン)を406cc流し、ホール濃度1×1017cm-3
Ga0.5In0.5P混晶層からなる第二の活性層9
を50nm形成した後、再びホール濃度5×1017cm
-3のAl0.5In0.5P混晶層である第四のクラッド層1
0を300nm形成する、さらにその上に、TMGを4
00μmol/min.p型のドーピング材料にZnを
1.0μmol/min.流し、ホール濃度1×1018
cm-3のGaPからなるコンタクト層11を1μm形成
した後、室温まで冷却する。また、第二の半導体発光素
子19のp型のドーピング材料としてZnを用いたが、
Mgを用いた場合においても同様の結果が得られた。
【0023】室温でMOCVD装置より取り出す。その
後、p型GaPの上面に透明電極16を、さらに透明電
極16の上の一部にボンディング電極17を、RIEに
よって部分的に半導体膜を除去して露出させた第一のク
ラッド層3上に電極15を形成する。さらに、スクライ
ビンクの技術を用いることで、200〜400μm角に
カッティングを行う。これらのプロセスをへた後、本実
施例の半導体発光素子が完成する。
【0024】そして作製した半導体発光素子に電流20
mAを流した場合、第一の窒化物半導体発光素子で生成
された発光波長λ1の光が第二の半導体発光素子で吸収
され、発光波長λ2(λ1<λ2)で発光することで、
多色で発光する半導体発光素子を得ることができる。
【0025】本実施例の素子では、第一の半導体発光素
子18で発光したλ1の光は、第二の半導体発光素子1
9を構成する第二の活性層9を通ることによって、波長
λ2に波長変換される。この時、半導体層を第三のクラ
ッド層8、第二の活性層9、第四のクラッド層10と三
層とすることによって、λ1から出た光を吸収して生成
された電子正孔がこのクラッド層に効率よく閉じ込めら
れるため、クラッド層の厚さを適宜調整することで、λ
1とλ2の光の強度の割合を制御し、色度波長を変える
ことができ、発光効率の高い波長変換を行うことができ
た。さらにはクラッド層がない場合でも多色の発光を確
認することができた。
【0026】また、多色で発光するために、第一の半導
体発光素子18からコンタクト層11までの層厚を薄く
することによって、第一の半導体発光素子18からの波
長ラλ1の光がすべて吸収されてしまわず、素子全体と
して、λ1の光とλのの両方を得ることができ、混色性
の良好な多色発光の素子を得ることができる。
【0027】このチップLEDはチップ単体が多色発光
を生成するため、λ1、λ2それぞれ異なった発光波長
で発光する複数の半導体発光素子を横に並べて同時に光
らせたり、蛍光材などを埋め込むなどの技術を用いるこ
との必要がなく、ランプ設計が容易になるものである。
【0028】また、本願の第一の半導体発光素子18を
光らせるための電流が第二の半導体発光素子19のすべ
ての層を通って、第一の発光層4へと供給される。そこ
で第二の半導体発光素子19を、導電率0.1Ω・cm
以下にすることで電流の広がりを十分にした混色性の高
い多色発光半導体発光素子を作製することが可能となっ
た。これは、第二の半導体発光素子19へのドーピング
濃度を下げ、抵抗率を上げ、1Ω・cm以上にした場
合、半導体発光素子の駆動電圧が上がるとともに、上記
と同様に横方向に十分に電流が広がらないため、局所的
な発光が見られ、寿命も悪かった。
【0029】また、第二の活性層9は第一の発光部の電
流注入領域に対応して形成されることになるので、第一
の活性層4からの発光λ1を、λ2に変換する際、ムラ
なく波長変換が生じる。よって、LEDチップにおいて
発光波長λ1とλ2の光の混色性が極めて高く、見る角
度によって色調が変化することが極めて少ない特性を得
ることができる。 (実施例2)本発明の第二の実施例を図2を用いて説明
する。本実施例の素子は実施例1と同様の構造である
が、その製造法が異なる。サファイア基板1上に第一の
半導体発光素子18として、AlN低温バッファ層2か
ら第二のクラッド層6までを実施例1と同様にして形成
する。次に第二の半導体発光素子として、第一の半導体
発光素子18とは別個に、厚さ600μmのGaP基板
201上に、MOCVD法により第三のクラッド層8、
第二の活性層9、第四のクラッド層10、コンタクト層
11を形成する。その後、第一の半導体発光素子18と
第二の半導体発光素子19をエピタキシャル面側を向か
い合わせに重ね合わせ、さらに30kg/cm2の圧力
をかけ、N2雰囲気中で800℃の熱処理を一時間行っ
た後、研磨によってGaP基板201を薄く1μm程度
まで除去する。その後、GaP基板201の上面に透明
電極16を、さらに透明電極16の上の一部にボンディ
ング電極17を形成する。このとき、GaP基板201
はコンタクト層として機能する。また、RIEによって
部分的に露出させたSiドープを行ったn型GaNから
なる第一のクラッド層3上に電極15を形成し、本実施
例の発光素子を作製する。
【0030】また、この実施例における第二の半導体発
光素子としては、GaP基板上へのAlGaInP系の
半導体層を成膜した半導体発光素子を用いたが、他にも
GaP:Zn,O、GaP:Zn、GaP:N、GaA
sP、AlGaAs系の発光素子半導体膜を用いること
て多色発光素子を作製することが可能である。 (実施例3)本発明の実施例3を図3に示す。薄膜中間
電極層12以外は図2と同様である。上記の実施例2と
異なる点は、本実施例3においては、第一の半導体発光
素子18と第二の半導体発光素子19のエピタキシャル
面同士を直接貼り合わせたが、図3に示すように、この
二つの半導体発光素子の間に、100nmのITO等の
透明電極もしくは厚さ5nm程度のNi、Pd等の薄膜
中間電極層12を介することで、上記の性能を満足する
半導体発光素子の作製を行った。この半導体発光素子の
場合、順方向電流を流したときの駆動電圧が上記実施例
に比べ0.5V程度低かった。これは、直接エピタキシ
ャル面を張り合わせた場合に比べ、中間層として挿入し
た金属膜がより密着性をあげたためである。さらに、こ
の場合の第二の半導体発光素子の伝導型は薄膜中間電極
層12を介しているため、n型、p型いずれでも可能で
あることは当然である。
【0031】本実施例の変形例を図4に示す。101は
Si基板、102はAlInNバッファ層、117は電
極である以外は、図3と同様である。
【0032】この実施例の場合、Si基板が第一、及び
第二半導体発光素子で発生した波長λ1、λ2の光を吸
収してしまうため外部への光取り出し効率をさげてしま
う。そこで、図4の通りにSi基板101の一部を除去
することで、その取り出し効率を上げることを行った。 (実施例4)上記1〜3の実施例においては、絶縁性基
板であるサファイア基板を用いた多色発光素子の実施例
を示したが、n型のGaN基板を用い、その基板にn型
の導電性を示す第二の半導体発光素子の形成を行った例
を図5を用いて説明する。
【0033】まずMOCVDによりn型のGaN基板1
03上に第一の半導体発光素子18の作製を行う。活性
層4から第二のクラッド層6までは実施例1と同様であ
る。次に、他のGaAs基板を用いて第二の半導体発光
素子19をMOCVD法により形成する。第三のクラッ
ド層8からコンタクト層11までも実施例1と同様であ
る。その後、第一の半導体発光素子18のGaN基板1
03の裏側に第二の半導体発光素子19のエピタキシャ
ル面側を重ね合わせ、さらに上記の膜に30kg/cm
2の圧力をかけ、N2雰囲気中で800℃の熱処理を一時
間行った後、GaAs基板の除去を行う。さらに、第二
のクラッド層6の上面、第三のクラッド層8の下面に、
それぞれ透明電極16、116及びさらにはボンデイン
グ電極17、117を施すことで、図5に示す多色発光
素子の作製を行った。
【0034】また、n型導電性を有するGaN基板10
3とコンタクト層11の間には100nmのITO等の
透明電極もしくは厚さ5nm程度のNi、Pd等の薄膜
中間電極層を介することでその熱処理温度を下げること
が可能となった。
【0035】この実施例においては、貼り合わせの技術
を用いたが、第一の半導体発光素子をGaN基板上に形
成した後、GaN基板の裏面側に第二の半導体発光素子
の第三のクラッド層8からコンタクト層11を逐次MO
CVD法によって結晶成長を行うことで半導体素子を作
成した後、さらに、それぞれ、np側の半導体膜に電極
16、116及びボンディング電極17、117を施す
ことで、図4に示す多色発光素子の作成を行うことで
も、同様の半導体素子を作製することができた。 (実施例5)実施例5においては、n型のSi基板(図
示せず)を用い、このSi基板上に窒化物半導体膜から
なる第一の半導体発光素子18の形成を行う。第一の半
導体発光素子18は実施例1と同様、AlNからなるバ
ッファ層(図示せず)、n型GaN層からなる第一のク
ラッド層3、多重量子井戸構造の第一の活性層4、Mg
ドープのp型AlGaN層からなるキャリアブロック層
5、Mgドープのp型GaN層からなる第二のクラッド
層6の順に形成する。
【0036】次に、このp型GaNの第二のクラッド層
6上に、蒸着技術を用いて100nm程度のNiからな
る第一の金属膜500を形成する。さらにその上にメッ
キ技術を用いて厚さ300μmのNiからなる第二の金
属膜501を形成した。この第一の金属膜500なしに
直接メッキによって第二の金属膜501を形成すること
も可能であるが、第一の金属膜500を間に形成するほ
うが、密着性が上がるため、より好ましい。第一の金属
膜500はPdであっても同様の結果を得ることができ
た。
【0037】その後、フッ酸(HF)、硝酸(HN
3)、酢酸(CH3COOH)からなるエッチャントを
用い、Si基板の除去を行う。さらに、残った窒化物半
導体膜側上層のバッファ層、あるいはバッファ層に続い
てn型GaN層の一部までを、RIEを行うことで除去
する。これは、Si基板上にエピタキシャル成長した初
期の膜が高抵抗であるためである。
【0038】その後、別のn型GaP基板上に作製した
第二の半導体発光素子19を形成する。第二の半導体発
光素子は、n型GaP基板301上に、n型AlInP
からなる第三のクラッド層8、n型GaInPからなる
第二の発光層9、n型AlInPからなる第四のクラッ
ド層10、n型GaPからなるコンタクト層11からな
る。
【0039】次に第一の半導体発光素子18のn型Ga
Nの第一のクラッド層3上に薄いAl電極を502を5
nm形成した後、第一の半導体発光素子上のAl電極5
02と第二の半導体発光素子19のエピタキシャル面側
を向かい合わせに重ね合わせ、さらに30kg/cm2
に圧力をかけ、N2雰囲気中で800℃の熱処理を一時
間行った後、研磨によってGaP基板301を薄く1μ
m程度まで除去する。その後、GaP基板301の上面
に透明電極16を、さらにその上の一部にボンディング
電極17を、形成することで本実施例の半導体発光素子
を形成する。
【0040】また、本実施例ではAl電極502を、半
導体素子間の接着材料として用いたが、100nmのI
TO等の透明電極を用いても同様の半導体発光素子を作
製することは可能であった。
【0041】また、本実施例において、第二の半導体発
光素子19は、n型の半導体層を用いたが、実施例2と
同様にp型半導体層を用いても同様の結果を得られた。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、窒化物半導体発光素子
上に、発光波長λ1で発光する第一の窒化物半導体発光
素子と第一の発光部からの発光を吸収し発光波長λ2
(λ1<λ2)で発光する第二の発光部を有する半導体
発光素子を形成することで、多色で発光する半導体発光
素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、実施例1の半導体発光素子を示す断
面図である。
【図2】本発明の、実施例3の半導体発光素子を示す断
面図である。
【図3】本発明の、実施例3の半導体発光素子の変形例
を示す断面図である。
【図4】本発明の、実施例3の半導体発光素子の変形例
を示す断面図である。
【図5】本発明の、実施例4の半導体発光素子の変形例
を示す断面図である。
【図6】本発明の、実施例5の半導体発光素子の変形例
を示す断面図である。
【符号の説明】
1…サファイア基板 2…AlN低温バッファ層 3…第一のクラッド層 4…第一の発光層 5…キャリアブロック層 6…第二のクラッド層 7…第二の半導体発光素子 8…第三のクラッド層 9…第二の発光層 10…第四のクラッド層 11…コンタクト層 12…薄膜中間電極層 15…電極 16、116…透明電極 17、117…ボンディング電極 101…Si基板 102…AlInNバッファ層 103…GaN基板 201…p型GaP基板 301…n型GaP基板 500…第一の金属膜 501…第二の金属膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長λ1の光を出す第一の半導体発光素
    子と、波長λ2の光を出す第二の半導体発光素子と第一
    の電極と第二の電極を備え、第一の電極は、第一の半導
    体発光素子表面に形成され、第二の電極は、第一の半導
    体発光素子と反対側の第二の半導体発光素子表面に形成
    され、第一の半導体発光素子は、pn接合を有し、波長
    λ2の光は、波長λ1の光による光励起によって発光
    し、波長λ1と波長λ2の両方の光が素子外部に出るこ
    とを特徴とする窒化物系化合物半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記第二の半導体発光素子は、導電率が
    0.1Ωcm以下であることを特徴とする請求項1に記
    載の窒化物系半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 前記第一の半導体発光素子と、第二の半
    導体発光素子の間に第一の半導体発光素子からの光を透
    過する電極層が形成されていることを特徴とする請求項
    1または2に記載のいずれかに記載の窒化物半導体発光
    素子。
  4. 【請求項4】 前記第一の電極は、メッキによって形成
    されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか
    に記載に窒化物系半導体発光素子。
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