JP2002255740A - 多色状化粧料 - Google Patents

多色状化粧料

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JP2002255740A
JP2002255740A JP2001060424A JP2001060424A JP2002255740A JP 2002255740 A JP2002255740 A JP 2002255740A JP 2001060424 A JP2001060424 A JP 2001060424A JP 2001060424 A JP2001060424 A JP 2001060424A JP 2002255740 A JP2002255740 A JP 2002255740A
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Takeshi Ogiwara
毅 荻原
Masahide Shimoyama
雅秀 下山
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Kose Corp
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Kose Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ある程度の流動性のある化粧料について、異
なる複数の色調が互いに混ざり合うことの無いように化
粧料が調製され、その多色状態の持続性、経時安定性に
も優れる多色状化粧料を開発すること。 【解決手段】 異なる色調の複数の化粧料構成部分が、
実質的に混じり合わない状態で一つの透明または半透明
の容器に充填された化粧料であって、複数の化粧料構成
部分がいずれも20℃におけるブルックフィールド型粘
度計での0.3回転/分の測定粘度値が100,000
〜2,000,000mPa・s、12回転/分の測定
粘度値が10,000〜200,000mPa・sであ
ることを特徴とする多色状化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多色状化粧料に関
する。さらに詳しくは、特定のチキソトロピー特性を有
する化粧料構成部分の少なくとも一方に顔料を含有さ
せ、色調の異なる二種以上の外観を与える審美性に優れ
た多色状化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、油性固形化粧料においては、
単一色調のものはもとより、2色以上の異なる色調の化
粧料を互いに混ざり合うことの無いようにして一つの化
粧料としたものも提供されていた。特に口紅などでは、
その使用性や成型性の容易さなどより、多色状のものが
広く用いられていた。
【0003】しかし、上記の油性固形化粧料は、充填後
速やかに固化するため、多色状化粧料とすることが容易
であるが、乳液やクリーム、ジェル等の液状及びゲル状
の剤型等のある程度の流動性を有する化粧料において
は、その成型性や、充填の困難さから、多色を実質的に
混ざり合わないように充填したものは存在しないといっ
て良い状態であった。
【0004】例えば、染料により着色した異なる色調の
化粧料構成部分を容器に充填し、化粧料とすると、製造
直後の外観は異なる2色として鮮明に分かれているが、
時間が経つにつれて両者の染料成分が混ざり合い、その
結果として色の混合が生じるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、ある程度
の流動性を有する化粧料についても、異なる複数の色調
が互いに混ざり合うことの無いように調製され、しかも
その多色状態の持続性、経時安定性が優れた多色状化粧
料の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を行った結果、化粧料を構
成する部分として、それぞれ一定のチキソトロピー性を
有するものを使用し、これら複数の化粧料構成部分にそ
れぞれに別個の色調を付与後、これを充填することによ
り、異なる色調がお互いに混ざり合うことの無い多色化
粧料が製造されることを見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、異なる色調の複数の化
粧料構成部分が、実質的に混じり合わない状態で一つの
透明または半透明の容器に充填された化粧料であって、
複数の化粧料構成部分がいずれも20℃におけるブルッ
クフィールド型粘度計での0.3回転/分の測定粘度値
が100,000〜2,000,000mPa・s、1
2回転/分の測定粘度値が10,000〜200,00
0mPa・sであることを特徴とする多色状化粧料を提
供するものである。
【0008】また本発明は、外観がストライプ状、層状
ないしはマーブル状である上記の多色状化粧料を提供す
るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本明細書中において「化粧料構成
部分」とは、化粧料を構成する各化粧料配合成分でな
く、化粧料配合成分を組合せ、均一とした状態の組成物
を意味し、これらを複数充填することにより化粧料が構
成されるものをいう。また、本明細書中において「実質
的に混じり合わない」とは、境界部分において各構成部
分の顔料が混じり合うことがあっても、全体としてみた
場合は、各構成成分に配合された顔料による色調がその
まま存在している状態をいう。
【0010】本発明の多色状化粧料において、各化粧料
構成部分は20℃におけるブルックフィールド型粘度計
での0.3回転/分の測定粘度値(以下、「低速測定粘
度値」という)が100,000〜2,000,000
mPa・s、12回転/分の測定粘度値(以下、「高速
測定粘度値」という)が10,000〜200,000
mPa・sである。この粘度値を測定するために用いら
れるブルックフィールド型粘度計の一例としては、「単
一円筒型回転粘度計−ビスメトロン」(芝浦システム社
製)などがあげられる。
【0011】ところで一般に、ブルックフィールド粘度
計を用いた粘度測定における0.3回転/分での測定
は、低いずり速度の領域であり、化粧料に対する応力が
低い領域の粘度値を示すものである。一方、12回転/
分での測定は、高いずり速度の領域であり、化粧料に対
する応力が高い領域の粘度値を示すものである。流体特
性として、0.3回転/分での測定値と12回転/分の
粘度値が同一であれば、その化粧料はニュートン流体と
考えることができる。一方、0.3回転/分と12回転
/分の粘度値の差がある場合には、その化粧料は異常粘
性を示す「異常流体」であると考えることができ、0.
3回転/分での粘度値が12回転/分での粘度値より大
きい場合には、その流体はチキソトロピック流体という
ことができる。チキソトロピック流体とは、単にかき混
ぜたり振り混ぜたりすることによってゲルが流動性のゾ
ルに代わり、これを放置しておくと再びゲルに戻る性質
を有する流体のことである。
【0012】本発明の多色状化粧料において使用される
各化粧料構成部分は、低速測定粘度値が100,000
〜2,000,000mPa・sで、高速測定粘度値が
10,000〜200,000mPa・sであるもので
あるが、これは、低いずり応力の領域と高いずり応力の
領域の差が一定以上で、かつ、低いずり応力での粘度値
が、高いずり応力での粘度値より大きいことを意味す
る。この範囲の各化粧料構成部分を多色化粧料に使用す
れば、特に問題も生じることなく、審美性に優れるとと
もに、外観の持続性、経時安定性にも優れる多色状化粧
料を得ることができる。また、この化粧料構成部分は、
充填時のハンドリングが良好であり、得られた多色化粧
品の充填再現性が高く、かつ、輸送時などの振動でその
構造を失うことがないものとなる。
【0013】これに対し、低速測定粘度値が100,0
00mPa・s以下であったり、高速測定粘度値が1
0,000mPa・s以下であると、多色充填を行った
場合に時間が経つにつれて多色の境界面がぼやけたり、
崩れたりして審美性の持続を失うなど、本発明の効果を
発現することが困難となり、好ましくない。
【0014】一方、低速測定粘度値が2,000,00
0mPa・s以上であったり、高速測定粘度値が20
0,000mPa・s以上であると、化粧料の流動性が
失われて、充填時に多色境界面が直線状にならなかった
り、充填量が一定でなくなるため、充填時の再現性が失
われてしまうなどの化粧料の成型性などの問題が生じて
しまい、これも好ましくない。
【0015】本発明の多色状化粧料は、上記したチキソ
トロピー特性をもった複数の化粧料構成部分に異なる色
調を付与し、これを一つの透明ないしは半透明の容器に
充填することにより調製される。複数の化粧料構成部分
に異なる色調を付与する方法としては、複数の構成部分
全てに異なる色調を与える顔料を含有せしめる方法や、
複数の構成部分のうち一つには顔料を含ませず、他の構
成部分には異なる色調を与える顔料を含有せしめる方法
が挙げられる。
【0016】この化粧料構成部分に色調を付与するため
に利用する顔料としては、通常化粧料に用いられる顔料
のいずれであっても良い。この顔料の例としては、例え
ば、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料、ベンガ
ラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、グンジョウ、コンジョウ、カ
ーボンブラック等の無機着色顔料、タール系色素、天然
色素等の有機着色顔料などが挙げられる。
【0017】また、複数の構成部分を一つの容器に充填
し、多色状化粧料を製造する方法としては、複数の構成
部分を同時に注入できるノズルを用いて容器に充填する
方法や、一種ずつ順次容器に充填する方法が利用でき
る。このうち、複数の構成部分を同時に充填する場合
は、ストライプ状の模様を有する多色状化粧料を得るこ
とができ、更に、充填ノズルないしは容器の何れか一方
または双方を回転ないしは往復回転運動させることによ
り、斜めのストライプ模様やウエーブ状の模様を得るこ
とができる。また、複数の構成部分を順次充填させる場
合は、層状の模様を有する多色状化粧料を得ることがで
きる。更に、複数の構成部分を規則性なく容器に充填す
る時は、マーブル状の模様を有する多色状化粧料を得る
ことができる。
【0018】本発明の多色状化粧料に用いられる化粧料
構成成分は、前記のように、低速測定粘度値が100,
000〜2,000,000mPa・sであり、高速測
定粘度値が10,000〜200,000mPa・sと
いうチキソトロピー性を有するものであれば、これに配
合される化粧料配合成分およびその配合量は特に限定さ
れるものでないが、このチキソトロピー性を有する化粧
料構成部分の例としては、例えば、次のものが挙げられ
る。
【0019】まず、粘土鉱物を配合した化粧料構成部分
が挙げることができる。すなわち、粘土鉱物は板状の構
造を有し、化粧料中でお互いに凝集するため、その凝集
効果により化粧料に構造粘性を付与することができ、特
定のチキソトロピック性を与えるのに好適である。ま
た、化粧料の安定性を向上させる効果も付与することが
できる。
【0020】上記チキソトロピック性を化粧料構成部分
に付与するために有利に使用できる粘土鉱物としては、
ベントナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、スメ
クタイト、カオリン等を用いることができ、市販品とし
ては、例えば「クニピアG4(クニミネ工業社製)」、
「ライトカオリンBP(イングリッシュクレイ社
製)」、「ベントン27、ベントン38(NLインダス
トリー社製)」等が挙げられる。
【0021】この粘土鉱物の含有量は、化粧料構成部分
中、0.01〜5.0質量%が好ましく、さらに好まし
くは0.1〜2.0質量%である。含有量がこの範囲で
あると、良好なチキソトロピック性を示し、充填性に優
れるので好ましい。
【0022】また、上記チキソトロピック特性を有する
化粧料構成部分は、無水ケイ酸を配合することによって
も得ることができる。すなわち、無水ケイ酸は化粧料中
でお互いに凝集し、その凝集効果により化粧料に構造粘
性を付与することができるので、特定のチキソトロピッ
ク性を与えるのに好適である。
【0023】上記無水ケイ酸は、平均粒径が10nm〜
80nmの範囲のものが好ましい。この範囲であれば、
良好なチキソトロピック性を示し、また化粧料に特定の
粘度を与えることができて良好である。平均粒径がこの
範囲の無水ケイ酸は、市販品としては、例えば、「エロ
ジール200、300、R972、R974(日本アエ
ロジール社製)」、「キャボジルTS−530(キャボ
ット社製)」などが挙げられる。なお、本発明で使用さ
れる無水ケイ酸は、ジメチルジクロルシラン、トリメチ
ルクロルシラン等により疎水化処理されたものでもよ
い。
【0024】無水ケイ酸の含有量は、化粧料構成部分
中、0.01〜3.0質量%が好ましく、更に好ましく
は0.05〜1.0質量%である。含有量がこの範囲で
あると、良好なチキソトロピック性を示し、充填性に優
れるので好ましい。
【0025】なお、上記の粘土鉱物と無水ケイ酸を組み
合わせることにより、本発明に適した優れた粘度特性を
有する化粧料構成部分を得ることができる。さらに、無
水ケイ酸は、化粧料の使用後のおさまりをよくしたり、
さっぱりとした使用感を与えたり、経時で浮き出てくる
皮脂を吸収し、皮脂によるテカリなどを抑える効果もあ
る。また、化粧料の安定性を向上させる効果も付与する
ことができる。
【0026】更に、前記チキソトロピック特性を有する
化粧料構成部分は、水溶性高分子化合物を配合すること
によっても調製することができる。このような水溶性高
分子化合物の例としては、グアーガム、コンドロイチン
硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、アルギ
ン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のものや、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ
キシルメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキ
シビニルポリマー、アルキル付加カルボキシルビニルポ
リマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものが挙げ
られる。
【0027】この水溶性高分子化合物の配合量は、化粧
料構成部分中、0.001〜2.0質量%が好ましく、
更に好ましくは0.01〜1.0質量%である。
【0028】本発明の多色化粧料を構成する化粧料構成
部分には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応
じて、粉体、油性成分、タンパク質、ムコ多糖、コラー
ゲン、エラスチン等の保湿剤、α−トコフェロール、ア
スコルビン酸等の酸化防止剤、ビタミン類、消炎剤、生
薬等の美容成分、パラオキシ安息香酸エステル、フェノ
キシエタノール等の防腐剤、香料等を適宜配合すること
ができる。
【0029】粉体成分としては、化粧品一般に使用され
る粉体として用いられている粉体であれば、球状、板
状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子
径、多孔質、無孔質などの粒子形状・構造などには特に
限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、
複合粉体類等を利用することができる。具体的には、酸
化チタン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、
酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグ
ネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、
合成マイカ、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウ
ム、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲
母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタ
ン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー等
の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタク
リレート、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パ
ウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダ
ー、ポリスチレン、ポリエチレンパウダー、ポリスチレ
ンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウ
ダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリテ
トラフルオロエチレンパウダー、ウールパウダー、シル
クパウダー、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機粉体
類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛
被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チ
タン含有ニ酸化珪素、酸化亜鉛含有ニ酸化珪素等の複合
粉体などを用いることができ、これらを一種又は二種以
上組み合わせて用いることができる。また、これら粉体
は一種または二種以上の複合化したものを用いてもよ
く、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、ロ
ウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法
により表面処理を施したものであってもよい。
【0030】油性成分としては、化粧品一般に使用され
る動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固
形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素
類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸
類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油
類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、親油性界面活
性剤類、油溶性紫外線吸収剤類等を利用することができ
る。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリ
ン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワック
ス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、モクロウ、モンタンワックス、フィッシュトロプス
ワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホ
バ油、ミンク油マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツ
ロウ、ラノリン、カルナウバワックス、キャンデリラワ
ックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネー
ト、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロ
ピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸
グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリ
イソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリ
ル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン
酸ネオペンチルグリコール、コレスレロール脂肪酸エス
テル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステ
リル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、
ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン
酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ロジン酸、12−
ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアル
コール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレ
イルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニル
アルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポ
リシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチ
ルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシ
ロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリ
エーテル変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロ
キサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン類、パー
フルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフル
オロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノ
リンラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール
等のラノリン誘導体、セスキオレイン酸ソルビタン等の
親油性界面活性剤類、デキストリン脂肪酸エステル、蔗
糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒ
ドロキシステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カル
シウム等の油性ゲル化剤類、グリセリンモノステアレー
ト、ソルビタントリステアレート等の親油性界面活性剤
類、パラアミノ安息香酸エチル、p−メトキシケイ皮酸
−2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−
メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等の油溶
性紫外線吸収剤類などを用いることができ、また、これ
らを一種又は二種以上組み合わせて用いることもでき
る。
【0031】界面活性剤としては、非イオン性界面活性
剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両
性界面活性剤等が挙げられる。非イオン界面活性剤とし
ては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアル
キレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレング
リコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール
付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレン
グリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及び
そのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリ
コール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキ
シアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアル
キレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキ
ル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンなど
を用いることができ、また、これらを一種又は二種以上
を用いることもできる。
【0032】このうち、アニオン界面活性剤としては、
例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無
機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスル
ホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルス
ルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチ
ルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル
燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、
N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミ
ノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホ
コハク酸塩などを用いることができ、また、これらを一
種又は二種以上を用いることもできる。
【0033】また、カチオン界面活性剤としては、例え
ば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールア
ミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式
四級アンモニウム塩などを用いることができ、また、こ
れらの一種又は二種以上を用いることもできる。
【0034】更に両性界面活性剤としては、アミノ酸タ
イプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル
型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人
体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、
N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメ
チルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノ
アルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N
−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−
ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)
アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシ
エチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイ
ン、レシチンなどを用いることができ、また、これらの
一種又は二種以上を用いることもできる。
【0035】その他添加可能なものとしては、有機溶
剤、樹脂、可塑剤、水、アルコール、増粘剤などを挙げ
ることができ、これらも、一種または二種以上を用いる
こともできる。
【0036】かくして得られる本発明の多色状化粧料
は、スキンケア化粧料、メーキャップ化粧料、美爪料、
頭髪化粧料等の種々の形態の化粧料とすることができ
る。このうち、特に効果が発現しやすい形態としては、
メーキャップ化粧料であり、ファンデーション、ほほ
紅、アイ製品、コンシーラー等が挙げられる。また本発
明の剤形は特に制限されることはなく、化粧料の粘度値
がその範囲内であれば水溶性高分子型、O/W乳化型、
W/O乳化型など何れの剤形であってもよい。
【0037】本発明の多色状化粧料は、例えば、図1に
示すように異なる複数の色調が、実質的に互いに混ざり
合うことの無いように充填・成型されているので、外観
が多色となり審美性に優れており、また、その多色状態
の持続性、経時安定性も後記実施例に示すように優れた
ものである。
【0038】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらになんら制約されるものではな
い。
【0039】実 施 例 1 多色状化粧料:表1に示す処方及び下記の製造法によ
り、本発明品1〜4及び比較品1〜3の多色状化粧料を
製造した。得られた多色状化粧料について、それらの粘
度、充填直後の外観、振とうした後の外観および加温保
存後の外観(経時安定性)を、本発明品と比較品につい
て、下記のようにして比較・評価した。この結果を結果
を表2及び表3に示す。なお、粘度は、化粧料構成部分
についても測定した。
【0040】( 処 方 )
【表1】
【0041】( 製造方法 )本発明品および比較品につ
いて、それぞれ、常法に従って「A」および「B」の組
成の構成部分を調製した。次いで、この2種の色調の異
なる構成部分を、2軸押出シリンダー式充填機(みずほ
工業社製)を用い、同時に透明樹脂容器(内径φ13.
5mm、高さ65mmの円柱形状)に充填して多色状化
粧料を製造した。
【0042】( 粘度の測定 )下記の測定条件で、構成
部分「A」および「B」並びに本発明品およびび比較品
の各粘度を「0.3rpm−2分」及び「12rpm−
1分」の2種類の「回転数−時間」条件で測定した。測
定値を表2に示す。
【0043】<粘度の測定条件> 測定機器 :ブルックフィールド型粘度計(単一円筒型
回転粘度計−ビスメトロン:芝浦システム社製) 測定温度:20℃ 使用ローター:4号 回転数及び測定時間:0.3rpm−2分及び12rp
m−1分
【0044】<粘度の測定方法> A. 測定する試料を外径45mm、内径38mm、高
さ82mmのガラス製ビンにエアスペースが生じないよ
うに充填し、蓋をして20℃恒温槽にて一昼夜放置し
た。 B. 翌日、単一円筒型回転粘度計−ビスメトロン(芝
浦システム社)にて、付属の4号ローターを用い、低速
0.3rpm−2分後の測定値を読み取って、乗数であ
る20,000を乗し、0.3回転の粘度値を得た。 C. 引続き、単一円筒型回転粘度計−ビスメトロン
(芝浦システム社)にて付属の4号ローターを用い、1
2rpm−1分後の測定値を読取り、乗数である500
を乗し、12回転の粘度値を得た。
【0045】(粘度の測定結果)
【表2】
【0046】表2の結果から明らかなように、本発明品
1〜4の多色化粧料は、0.3rpm−2分後及び12
rpm−1分後の粘度がそれぞれ一定の範囲内にあり、
特定のチキソトロピー特性を示すことが確認できた。
【0047】( 充填直後の外観評価 )評価パネル10
名に実施例及び比較例の各多色状化粧料を観察してもら
い、相互に異なる色の境目が鮮明に見えると答えた人数
により、下記の4段階評価基準にて判定した。
【0048】
【0049】( 振とうした後の外観評価 )評価パネル
10名に本発明品及び比較品の多色状化粧料を各5回激
しく振とうした後の外観を観察してもらい、相互に異な
る色の境目が鮮明に見えると答えた人数により、上記の
4段階評価基準にて判定した。
【0050】( 加熱保存後の外観評価 )本発明品及び
比較品の多色状化粧料を40℃で1ヶ月保存した後、評
価パネル10名に外観を観察してもらい、相互に異なる
色の境目が鮮明に見えると答えた人数により、上記の4
段階評価基準にて判定した。以上の各外観評価の結果を
表3に示す。
【0051】( 評価結果 )
【表3】
【0052】表3の結果より、本発明品1〜4のコント
ロール料は、比較品1〜3と比べて異なる色の境目が、
充填直後、振とう後において鮮明に見えるものであっ
た。また、該境目の経時的な変化も生じず、優れた多色
状化粧料であることが確認できた。
【0053】
【発明の効果】本発明の多色状化粧料は、異なる複数の
色調が、実質的に互いに混ざり合うことの無いように構
成されているので、外観が多色であり、審美性に優れる
ものである。また、その多色状態の持続性、経時安定性
にも優れるものである。
【0054】従って、本発明の多色状化粧料は、スキン
ケア化粧料、メーキャップ化粧料、美爪料、頭髪化粧料
などの化粧料に使用し、ユニークな外観を示すものとし
てその商品性を高めることできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多色状化粧料の外観写真である。 以 上
フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AA122 AB171 AB172 AB232 AB242 AB441 AB442 AC022 AC072 AC102 AC122 AC242 AC422 AC442 AC482 AC542 AC792 AC812 AD092 AD352 BB21 BB36 CC01 DD04 DD21 EE06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる色調の複数の化粧料構成部分が、
    実質的に混じり合わない状態で一つの透明または半透明
    の容器に充填された化粧料であって、複数の化粧料構成
    部分がいずれも20℃におけるブルックフィールド型粘
    度計での0.3回転/分の測定粘度値が100,000
    〜2,000,000mPa・s、12回転/分の測定
    粘度値が10,000〜200,000mPa・sであ
    ることを特徴とする多色状化粧料。
  2. 【請求項2】 複数の化粧料構成部分が、それぞれ異な
    る色調を与える顔料を含有するものである請求項第1項
    記載の多色状化粧料。
  3. 【請求項3】 複数の化粧料構成部分のうち、一つの化
    粧料構成部分が顔料を含まず、他の部分はそれぞれ異な
    る色調を与える顔料を含有するものである請求項第1項
    記載の多色化粧料。
  4. 【請求項4】 外観がストライプ状、ウエーブ状、層状
    またはマーブル状である請求項第1項ないし第3項の何
    れかの項記載の多色状化粧料。
  5. 【請求項5】 粘土鉱物を含有するものである請求項第
    1項ないし第4項の何れかの項記載の多色状化粧料。
  6. 【請求項6】 平均粒径10〜80nmの無水ケイ酸を
    含有することを特徴とする請求項第1項ないし第5項の
    何れかの項記載の多色状化粧料。
  7. 【請求項7】 粘土鉱物の配合量が0.01〜5.0質
    量%であり、かつ無水ケイ酸の配合量が0.01〜3.
    0質量%である請求項第1項ないし第6項のいずれかの
    項記載の多色状化粧料。
  8. 【請求項8】 水溶性高分子化合物を含有するものであ
    る請求項第1項ないし第7項記載の多色状化粧料。
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