JP2002241353A - 光学活性アミン誘導体および合成法 - Google Patents
光学活性アミン誘導体および合成法Info
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Abstract
(5)又は(6)の光学活性アミノアルコール誘導体
を、入手容易でかつ安価な天然型α−アミノ酸を出発原
料として、ラセミ化させることなく、立体選択的に、か
つ光学純度良く、安価に、安定的に製造する技術を提供
すること。この製造のために重要な中間体である式
(3)の光学活性5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導体
及び式(4)のアミノケトン誘導体ならびにこれらの製
造方法を提供すること。 【解決手段】 入手容易で安価な天然型α−アミノ酸を
式(1)で表される化合物とし、さらに式(2)で表さ
れる有機金属試薬と反応させて式(3)の光学活性5−
ヒドロキシオキサゾリジン誘導体とした後に、酸処理
し、式(4)の光学活性アミノケトン誘導体とする。続
いて、還元反応等によって式(5)または(6)の光学
活性アミノアルコール誘導体を得る。 【化1】
Description
造中間体として有用な光学活性アミノアルコール誘導
体、例えばエリスロ−(1R,2S)−p−ヒドロキシ
ノルエフェドリンの製造方法に関するものである。さら
には、上記光学活性アミノアルコール誘導体を製造する
上で、またはそれ以外の多くの光学活性アミン誘導体の
製造に関して重要な中間体となる光学活性5−ヒドロキ
シオキサゾリジン誘導体およびその製造方法に関するも
のである。また、本発明にかかる光学活性5−ヒドロキ
シオキサゾリジン誘導体は、例えば、アゾール系の抗菌
剤の製造中間体としてもまた、非常に有用である。な
お、一般式(1)、(3)または(4)で表されるR1
およびアミノ基が置換した不斉炭素を含む化合物は、R
体またはS体を表し、R,Sのラセミ混合物を示さな
い。また、一般式(5)または(6)で表されるアミノ
基および水酸基が置換した連続する2つの不斉炭素を含
む化合物の場合は、R−SまたはS−R体を表し、R−
RまたはS−S体は示さない。
いて、光学活性体の需要は、ますます増加する傾向にあ
る。工業的な立場から、より簡便で、より安価な光学活
性体の製造方法の開発が強く求められている。
コール誘導体の製造に関する従来の技術としては、以下
の3つの方法が用いられてきた。すなわち、 [1] 目的とする化合物のラセミ体を化学合成した後
に、ジアステレオマー塩等を介して光学分割し、目的と
する光学活性体を得る方法。 [2] 化学的あるいは生物学的な不斉合成技術を用い
て、光学不活性な物質から光学活性体を得る方法。 [3] 光学活性な原料から出発し、ラセミ化を抑制しな
がら光学活性体を得る、いわゆるキラルプール法による
方法。
後に、ジアステレオマー塩等を介して光学分割する方
法」であるが、一例として、本発明における目的化合物
としての光学活性アミノアルコール誘導体の範疇に含ま
れるエリスロ−(1R,2S)−p−ヒドロキシノルエ
フェドリンの従来製造法を挙げるならば、まず目的とす
る構造を有するラセミ体を化学合成した後に、光学活性
なカルボン酸類、例えばD−酒石酸等を利用して光学分
割を行っている(J. Med. Chem., 1977, 20, 7,978)。
限り、鏡像体を回収しさらにラセミ化等の特別な操作を
行わなければ、理論上、収率が50%を超えることはあ
り得ない。加えて、分割に必要な光学活性カルボン酸等
が、一般的に高価であり、また多くの場合、再結晶操作
等を複数回繰り返すことが必要である。すなわち光学分
割法では、高価な分割剤を必要とし、かつ多段階の操作
が必要であることから、工業的な見地からコストの高い
製造方法となっている。
成技術を用いて、光学不活性な物質から光学活性体を得
る方法」は、近年、特にその技術的な発展が著しい。例
えば、不斉還元触媒等の利用をはじめとする化学合成的
な不斉合成技術(J.Am.Chem.Soc., 1980, 102, 793
2)、あるいは酵素等を利用した生物工学的な不斉合成
技術(特開昭62-29998)等を挙げることができる。しかし
残念なことに、実製造にあたっては各基質に対する特異
性が大きく関与し、必ずしも全ての製造に適応できるま
でには至っておらず、また高価な不斉触媒を必要とした
場合、製造コスト的にも決して安価な方法であるとは言
い難かった。事実、本発明における目的化合物としての
光学活性アミノアルコール誘導体の場合、上記のような
化学的あるいは生物工学的な不斉合成技術による工業的
に見合った製造方法は、現在に至るまで実用化されてい
ない。
ミ化を抑制しながら光学活性体を得る、いわゆるキラル
プール法による方法」は、これまでラセミ化の抑制が難
しいことに加え、実際の製造には多工程を必要とするな
ど解決すべき課題を多く残していた。現在に至るまで、
本発明における目的化合物としての光学活性アミノアル
コール誘導体に関して、工業的に十分満足できる製造方
法は報告されて来なかった。
体の製造のための従来の技術においては、工業的に困難
であるか、または非常にコストの高い方法しか知られて
おらず、より安価で、より簡便な新規製造方法が強く望
まれている。
造上の中間体である光学活性5−ヒドロキシオキサゾリ
ジン誘導体の製造に関する従来の技術としては、下記の
[4]から[6]が知られているに過ぎない。 [4] (4S)-N-(エトキシカルボニル)-4-(2-
フェニルエチル)-5-オキサゾリジノンに4−クロロ−
3−メトキシフェニルマグネシウムブロミドを反応させ
る方法(WO95/09155)。 [5] 5−オキサゾリジノン誘導体にハロメチルリチウ
ムを反応させる方法(WO00/53571)。 [6] 5−オキサゾリジノン誘導体に(トリフルオロメ
チル)トリメチルシランを反応させる方法(J.Org.Chem.
1998,63(15),5179)。
ている化合物が、側鎖にフェニルエチル基を有する特殊
な非天然型のアミノ酸関連化合物であり、これ自体の製
造に多段階の反応が必要で、かつ一般的には入手が困難
である。また、製造コスト的に見ても安価な原料ではな
く、原料供給の面で大きな問題を有している。加えて、
上記[4]記載の化合物は、主骨格であるオキサゾリジノ
ンの5位に4−クロロ−3−メトキシフェニル基を有す
る製造例が1例のみの極めて限定された製造方法であ
り、かつ用途としても限られた医薬品(Sch39166)の原料
として用いられているに過ぎない。よって[4]で例示さ
れた製造方法は、広く一般性のある製造方法であるとは
言い難く、従来技術としては、汎用性のある光学活性な
5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導体に関して、その製
造方法は、十分に確立されていたとは言い難い。
は、主骨格であるオキサゾリジンの5位にクロロメチル
基等のハロアルキル基やトリフルオロメチル基等の特殊
な官能基を反応させており、医薬、農薬の合成中間体と
して汎用性の高いアリール基やヘテロ環はまったく含有
されていなかった。
光学活性なアミノアルコール誘導体の需要が、医薬、農
薬分野をはじめとする多方面において、益々増大してい
くにも関わらず、従来の技術では、その製造上の重要な
中間体である5位にアリール基やヘテロ環を有する光学
活性5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導体に関して、そ
の一般的な製造方法が全く見出されていなかった。
ン誘導体の製造方法に関する従来技術としては、N−保
護アミノ酸のカルボキシル基を酸塩化物とし、フリーデ
ル−クラフツ反応を利用して製造する方法が知られてい
る(J.Am.Chem.Soc.1981,103,6157)。しかし、フリーデ
ル−クラフツ反応によるアシル化は、ラセミ化を起こす
こと、被アシル化体の構造に大きく制約を受けること、
また生成するアミノケトン体の単離が困難な場合もあ
り、アミノケトン誘導体を製造する方法としては一般的
な製造方法とは言い難く、工業的に製造することのでき
る方法が求められている。
薬、農薬等の製造中間体として有用な一般式(5)で表
される光学活性アミノアルコール誘導体を、「入手容易
で、かつ安価な天然型α−アミノ酸」を出発原料とし
て、ラセミ化させることなく、目的とする光学活性体の
みを立体選択的に製造する方法を提供することである。
さらには、工業的な観点から光学純度良く、安価に、か
つ大量製造時でも安定的に製造する技術を提供すること
にある。加えて、上記光学活性アミノアルコール誘導体
を製造する上で、または上記以外で多くの光学活性アミ
ン誘導体の製造に関して重要な中間体である一般式
(3)で表される新規な光学活性5−ヒドロキシオキサ
ゾリジン誘導体および一般式(4)で表される新規なア
ミノケトン誘導体ならびにその新規製造方法を提供する
ことである。
を解決する為に鋭意検討を重ねた結果、医薬、農薬の製
造中間体として極めて重要な一般式(5)で表される光
学活性アミノアルコール誘導体を安価で容易に入手でき
る原料から製造する方法を見出した。すなわち「工業的
に大量に入手が可能でかつ安価な天然型α−L−アミノ
酸」ならびに「天然型α−L−アミノ酸のラセミ化と光
学分割や選択資化法(特開昭63−198997号公
報)等で工業的に大量に入手が可能でかつ安価な天然型
α−D−アミノ酸」を出発原料として、ラセミ化を抑制
しながら、立体選択的に、かつ短工程で製造する方法を
あらたに見い出した。
光学活性アミノアルコール誘導体の製造に関し、光学純
度良く、安価に、かつ大量製造時でも安定的に製造が可
能となる工業的な見地から非常に有用性が高い新規製造
法を見出した。
導体を製造する上で重要な中間体であるオキサゾリジン
の5位にアリール基やヘテロ環を有する一般式(3)で
表される新規な光学活性5−ヒドロキシオキサゾリジン
誘導体およびその新規製造方法を、さらには、一般式
(4)で表される新規なアミノケトン誘導体ならびにそ
の新規製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
れる。
護の側鎖または任意に保護化された側鎖を示し、R2は
置換されていてもよいアルキル基、置換されてもよいア
リール基又は置換されていてもよいアラルキル基を示
す。)で表される光学活性5−オキサゾリジノン誘導体
と、一般式(2)
ール基、置換されていてもよいヘテロ環を示し、MはL
i、MgX、ZnX、TiX3、CuXの群から選択さ
れた1種を示し、さらにXはハロゲン原子を示す。)で
表される有機金属試薬と反応させ、一般式(3)
義である。)で表される光学活性5−ヒドロキシオキサ
ゾリジン誘導体とし、続いて酸性条件下で処理すること
によって、一般式(4)
R4は、水素原子あるいは保護基としての、置換されて
いてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換されても
よいアリールオキシカルボニル基または置換されていて
もよいアラルキルオキシカルボニル基を示す。)で表さ
れる光学活性アミノケトン誘導体に導いた後に、さらに
還元剤での処理あるいは金属触媒を用いた接触水素化を
施すことを特徴とする立体選択的な、一般式(5)
義)で表される光学活性アミノアルコール誘導体の製造
方法(ただし、一般式(1)で表される光学活性5−オ
キサゾリジノン誘導体の4位の不斉炭素原子に結合して
いるR1および窒素原子で表される置換基の立体配置
は、各反応を施しても変化しない。また、一般式(5)
で表される光学活性アミノアルコール誘導体のアミノ基
と水酸基の相対配置はエリスロ配置である。)。
護の側鎖または任意に保護化された側鎖を示し、R2は
置換されていてもよいアルキル基、置換されてもよいア
リール基又は置換されていてもよいアラルキル基を示
す。)で表される光学活性5−オキサゾリジノン誘導体
と、一般式(2)
ール基、置換されていてもよいヘテロ環を示し、MはL
i、MgX、ZnX、TiX3、CuXの群から選択さ
れた1種を示し、さらにXはハロゲン原子を示す。)で
表される有機金属試薬と反応させ、一般式(3)
義である。)で表される光学活性5−ヒドロキシオキサ
ゾリジン誘導体とし、続いて酸性条件下で処理すること
によって、一般式(4)
R4は水素原子あるいは保護基としての、置換されてい
てもよいアルキルオキシカルボニル基、置換されてもよ
いアリールオキシカルボニル基または置換されていても
よいアラルキルオキシカルボニル基を示す。)で表され
る光学活性アミノケトン誘導体に導いた後に、さらに還
元剤での処理あるいは金属触媒を用いた接触水素化を施
すことで、一般式(5)
義)で表される光学活性アミノアルコール誘導体とし、
R4が保護基である場合にアミノ基の脱保護化を行い、
一般式(6)
る。)で表わされる光学活性アミノアルコール誘導体を
得ることを特徴とするアミノアルコール誘導体の製造方
法(ただし、一般式(1)で表される光学活性5−オキ
サゾリジノン誘導体の4位の不斉炭素原子に結合してい
るR1および窒素原子で表される置換基の立体配置は、
各反応を施しても変化しない。また、一般式(6)で表
される光学活性アミノアルコール誘導体のアミノ基と水
酸基の相対配置はエリスロ配置である。)。
基、イソブチル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、
ベンジルオキシメチル基、フェニルチオメチル基、メチ
ルチオメチル基、アルキルオキシカルボニルメチル基ま
たはアルキルオキシカルボニルエチル基であり、R2が
ベンジル基、tert−ブチル基、メチル基、エチル
基、イソプロピル基または9−フルオレニルメチル基で
ある上記(1)または(2)に記載の光学活性アミノア
ルコール誘導体の製造方法。
は一般式(8)
いアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置
換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいフェニ
ル基、置換されてもよいヘテロ環または置換されてもよ
いヘテロ環アルキル基を示す。)である上記(1)また
は(2)に記載の光学活性アミノアルコール誘導体の製
造方法。
が一般式(8)である上記(1)または(2)に記載の
光学活性アミノアルコール誘導体の製造方法。
5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導体。
護の側鎖または任意に保護化された側鎖を示し、R2は
置換されていてもよいアルキル基、置換されてもよいア
リール基又は置換されていてもよいアラルキル基を示
し、R3は置換されていてもよいアリール基、置換され
ていてもよいヘテロ環を示す。) (7) R1がメチル基、イソプロピル基、イソブチル
基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、ベンジルオキシ
メチル基、フェニルチオメチル基、メチルチオメチル
基、アルキルオキシカルボニルメチル基またはアルキル
オキシカルボニルエチル基である上記(6)に記載の光
学活性5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導体。
チル基、メチル基、エチル基、イソプロピル基または9
−フルオレニルメチル基である上記(6)または(7)
に記載の光学活性5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導
体。
(8)である上記(8)に記載の光学活性5−ヒドロキ
シオキサゾリジン誘導体。
いアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置
換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいフェニ
ル基、置換されてもよいヘテロ環または置換されてもよ
いヘテロ環アルキル基を示す。) (10) R1がメチル基である上記(9)に記載の光
学活性5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導体。
護の側鎖または任意に保護化された側鎖を示し、R2は
置換されていてもよいアルキル基、置換されてもよいア
リール基又は置換されていてもよいアラルキル基を示
す。)で表される光学活性5−オキサゾリジノン誘導体
と、一般式(2)
ール基、置換されていてもよいヘテロ環を示し、MはL
i、MgX、ZnX、TiX3、CuXの群から選択さ
れた1種を示し、さらにXはハロゲン原子を示す。)で
表される有機金属試薬と反応させ、一般式(3)
義である。)で表される光学活性5−ヒドロキシオキサ
ゾリジン誘導体を得ることを特徴とする光学活性5−ヒ
ドロキシオキサゾリジン誘導体の製造方法。
基、イソブチル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、
ベンジルオキシメチル基、フェニルチオメチル基、メチ
ルチオメチル基、アルキルオキシカルボニルメチル基ま
たはアルキルオキシカルボニルエチル基である上記(1
1)に記載の光学活性5−ヒドロキシオキサゾリジン誘
導体の製造方法。
ブチル基、メチル基、エチル基、イソプロピル基または
9−フルオレニルメチル基である上記(11)または
(12)に記載の光学活性5−ヒドロキシオキサゾリジ
ン誘導体の製造方法。
(8)である上記(13)に記載の光学活性5−ヒドロ
キシオキサゾリジン誘導体の製造方法。
いアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置
換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいフェニ
ル基、置換されてもよいヘテロ環または置換されてもよ
いヘテロ環アルキル基を示す。)(15) R1がメチ
ル基である上記(14)に記載の光学活性5−ヒドロキ
シオキサゾリジン誘導体の製造方法。
(Xは前記と同義である。)である上記(11)または
(12)記載の光学活性5−ヒドロキシオキサゾリジン
誘導体の製造方法。
4aが水素原子、ベンジルオキシカルボニル基、ter
t−ブトキシカルボニル基または9−フルオレニルメト
キシカルボニル基であり、かつR3aが4−ベンジルオ
キシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,4−ジ
フルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基また
は3−インドリル基である。)で表わされることを特徴
とするアミノケトン誘導体。
護の側鎖または任意に保護化された側鎖を示し、R2は
置換されていてもよいアルキル基、置換されてもよいア
リール基又は置換されていてもよいアラルキル基を示
し、R3は置換されていてもよいアリール基、置換され
ていてもよいヘテロ環を示す。)で表わされる5−ヒド
ロキシオキサゾリジン誘導体を、酸性条件下で処理する
ことにより、一般式(4)
R4は、水素原子あるいは保護基としての、置換されて
いてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換されても
よいアリールオキシカルボニル基または置換されていて
もよいアラルキルオキシカルボニル基を示す。)で表さ
れるアミノケトン誘導体を得ることを特徴とするアミノ
ケトン誘導体の製造方法。
が4−ベンジルオキシフェニル基であり、かつR4bが
ベンジルオキシカルボニル基であり、アミノ基と水酸基
の相対配置はエリスロ配置である。)で表わされること
を特徴とする光学活性アルコール誘導体。
護の側鎖または任意に保護化された側鎖を示し、R4は
水素原子あるいは保護基としての、置換されていてもよ
いアルキルオキシカルボニル基、置換されてもよいアリ
ールオキシカルボニル基または置換されていてもよいア
ラルキルオキシカルボニル基を示し、R3cが一般式
(8)
置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロ
アルキル基、置換されてもよいアラルキル基、置換され
てもよいフェニル基、置換されてもよいヘテロ環または
置換されてもよいヘテロ環アルキル基を示す。)で表わ
される光学活性アミノケトン誘導体に対して、還元剤で
の処理あるいは金属触媒を用いた接触水素化を施すこと
により、立体選択的な一般式(5b)
同義)で表される光学活性アミノアルコール誘導体を得
ることを特徴とする光学活性アミノアルコール誘導体の
製造方法(ただし、一般式(4b)で表される光学活性
アミノケトン誘導体の2位の不斉炭素原子に結合してい
るR1および窒素原子で表される置換基の立体配置は、
各反応を施しても変化しない。一般式(5b)で表され
る光学活性アミノアルコール誘導体のアミノ基と水酸基
の相対配置はエリスロ配置である。)。
護の側鎖または任意に保護化された側鎖を示し、R4は
水素原子あるいは保護基としての、置換されていてもよ
いアルキルオキシカルボニル基、置換されてもよいアリ
ールオキシカルボニル基または置換されていてもよいア
ラルキルオキシカルボニル基を示し、R3cが一般式
(8)
置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロ
アルキル基、置換されてもよいアラルキル基、置換され
てもよいフェニル基、置換されてもよいヘテロ環または
置換されてもよいヘテロ環アルキル基を示す。)で表わ
される光学活性アミノケトン誘導体に対して、還元剤で
の処理あるいは金属触媒を用いた接触水素化を施すこと
により立体選択的な一般式(5b)
同義)で表される光学活性アミノアルコール誘導体と
し、R4が保護基である場合にアミノ基の脱保護化を行
って一般式(6a)
ある。)で表わされる光学活性アミノアルコール誘導体
を得ることを特徴とする光学活アミノアルコール誘導体
の製造方法(ただし、一般式(4b)で表される光学活
性アミノケトン誘導体の2位の不斉炭素原子に結合して
いるR1および窒素原子で表される置換基の立体配置
は、各反応を施しても変化しない。一般式(6a)で表
される光学活性アミノアルコール誘導体のアミノ基と水
酸基の相対配置はエリスロ配置である。)。
に説明する。
鎖または任意に保護化された側鎖」とは、例えば「天然
型α−アミノ酸の無保護側鎖」であるならば、アラニ
ン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオ
ニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、
グルタミン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、
システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニ
ン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン及びオルニ
チン等のα−炭素原子上の側鎖である。
ば、上記天然型α−アミノ酸のα−炭素原子上の側鎖の
任意の官能基が、保護基によって保護化されたものを挙
げることができる。この保護基は、当業者に周知の慣用
の方法および保護基であって、本発明の方法において利
用できるものであればよい。例えば、通常のアミノ酸の
合成などにおいて使用されるアミノ基の保護基、チオー
ルの保護基、水酸基の保護基、フェノールの保護基また
はカルボキシル基の保護基でなどを用いることができ
る。
ルキル基の任意の位置が置換されてもよいアルキル基を
意味する。アルキル基としては、メチル基、エチル基、
イソプロピル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、オクチル基、デシル基またはアリル基等を挙げる
ことができる。置換基としては、水酸基、メトキシ基、
ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ基等のアルコ
キシ基、フェノキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミド
基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、フェノ
キシカルボニル基あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素
原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子などを挙げるこ
とができる。
リール基の任意の位置が置換されてもよいアリール基を
意味する。アリール基としては、フェニル基、ナフチル
基、アントラセニル基、フルオレニル基またはフェナン
トレニル基等を挙げることができる。置換基としては、
メチル基、tert-ブチル基またはベンジル基等のアルキ
ル基、シクロプロパン、シクロペンタンまたはシクロヘ
キサン等のシクロアルキル基、フェニル基、水酸基、メ
トキシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ基
等のアルコキシ基、フェノキシ基、ニトロ基、アミノ
基、アミド基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル
基、フェノキシカルボニル基あるいはフッ素原子、塩素
原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子など
を挙げることができる。
アラルキル基の任意の位置が置換されてもよいアラルキ
ル基を意味する。アラルキル基としては、ベンジル基、
ナフチルメチル基、フェニルエチル基または9−フルオ
レニルメチル基等が挙げられる。置換基としては、メチ
ル基、tert-ブチル基またはベンジル基等のアルキル
基、シクロプロパン、シクロペンタンまたはシクロヘキ
サン等のシクロアルキル基、フェニル基、水酸基、メト
キシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ基等
のアルコキシ基、フェノキシ基、ニトロ基、アミノ基、
アミド基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、
フェノキシカルボニル基あるいはフッ素原子、塩素原
子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子などを
挙げることができる。
ヘテロ環の任意の位置が置換されていてもよいヘテロ環
を意味する。ヘテロ環としては、テトラヒドロピラニル
基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチエニル
基、ピペリジル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、
ピロリル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、フル
フリル基、テニル基、ピリジルメチル基、ピリミジル
基、ピラジル基、イミダゾイル基、イミダゾイルメチル
基、インドリル基、インドリルメチル基、イソキノリル
基、キノリル基またはチアゾリル基等が挙げられる。置
換基としては、メチル基、tert-ブチル基またはベンジ
ル基等のアルキル基、シクロプロパン、シクロペンタン
またはシクロヘキサン等のシクロアルキル基、フェニル
基、水酸基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメト
キシエトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、ニト
ロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、アルコキ
シカルボニル基、フェノキシカルボニル基あるいはフッ
素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロ
ゲン原子などを挙げることができる。
における「ヘテロ環アルキル基」とはアルキル基の任意
の1または2以上の位置がヘテロ環で置換された基を意
味し、この「ヘテロ環アルキル基」自体も置換されてい
てもよい。ヘテロ環及びアルキル基、並びにこれらの置
換基の具体例としては、上記の「置換されてもよいアル
キル基」及び「置換されていてもよいヘテロ環」の説明
において例示したものと同様のものを挙げることができ
る。
ルボニル基]とは、アルキルオキシカルボニル基の任意
の1または2以上の位置が置換されていてもよいアルキ
ルオキシカルボニル基を意味する。アルキルオキシカル
ボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカ
ルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、tert-ブト
キシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキ
シルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル
基、デシルオキシカルボニル基及びアリルオキシカルボ
ニル基等を挙げることができる。置換基としては、水酸
基、メトキシ基、ベンジルオキシ基及びメトキシエトキ
シ基等のアルコキシ基;フェノキシ基;ニトロ基;アミ
ノ基;アミド基;カルボキシル基;アルコキシカルボニ
ル基;フェノキシカルボニル基;及びフッ素原子、塩素
原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;など
を挙げることができる。
ルボニル基」とは、アリールオキシカルボニル基の任意
の1または2以上の位置が置換されていてもよいアリー
ルオキシカルボニル基を意味する。アリールオキシカル
ボニル基としては、フェノキシカルボニル基、ナフチル
オキシカルボニル基、アントラセニルオキシカルボニル
基、フルオレニルオキシカルボニル基及びフェナントレ
ニルオキシカルボニル基等を挙げることができる。置換
基としては、メチル基、tert-ブチル基及びベンジル基
等のアルキル基及びアルアルキル基;シクロプロパン、
シクロペンタンまたはシクロヘキサン等から得られるシ
クロアルキル基(例えばシクロプロピル基、シクロペン
チル基及びシクロヘキシル基など);フェニル基;水酸
基;メトキシ基、ベンジルオキシ基及びメトキシエトキ
シ基等のアルコキシ基;フェノキシ基;ニトロ基;アミ
ノ基;アミド基;カルボキシル基;アルコキシカルボニ
ル基;フェノキシカルボニル基;及びフッ素原子、塩素
原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;など
を挙げることができる。
カルボニル基」とは、アラルキルオキシカルボニル基の
任意の1または2以上の位置が置換されていてもよいア
ラルキルオキシカルボニル基を意味する。アラルキルオ
キシカルボニル基としては、ベンジルオキシカルボニル
基、ナフチルメチルオキシカルボニル基、フェニルエチ
ルオキシカルボニル基及び9−フルオレニルメチルオキ
シカルボニル基等が挙げられる。置換基としては、メチ
ル基、tert-ブチル基及びベンジル基等のアルキル基及
びアルアルキル基;シクロプロパン、シクロペンタンま
たはシクロヘキサン等から得られるシクロアルキル基
(例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基及びシク
ロヘキシル基など);フェニル基;水酸基;メトキシ
基、ベンジルオキシ基及びメトキシエトキシ基等のアル
コキシ基;フェノキシ基;ニトロ基;アミノ基;アミド
基;カルボキシル基;アルコキシカルボニル基;フェノ
キシカルボニル基;及びフッ素原子、塩素原子、臭素原
子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;などを挙げること
ができる。
は、1または2以上の置換基を有することができ、複数
の置換基を有する場合は各置換基がそれぞれ独立して上
記の例示置換基から選択されたいずれかであることがで
きる。
素、臭素またはヨウ素等を挙げることができる。なお、
一般式(7)における2つの「Y」は同一でも異なるも
のでもよい。
アミノケトン誘導体のケトン部分をアルコール体に還元
できる試薬を意味し、ボラン−テトラヒドロフラン錯体
等のボラン試薬、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ
素亜鉛、水素化トリメトキシホウ素ナトリウム等の水素
化ホウ素試薬、水素化ジイソプロピルアルミニウム等の
アルキルアルミニウム試薬、水素化アルミニウムリチウ
ム、水素化トリアルコキシアルミニウムリチウム等の水
素化アルミニウム試薬、トリクロロシラン、トリエチル
シラン等のシラン試薬、液体アンモニア中のナトリウム
金属またアルコール中のマグネシウム金属等が挙げられ
る。
属触媒存在下における接触水素化反応による一般式
(4)で表されるアミノケトン誘導体のケトン部分のア
ルコール体への還元を意味し、金属触媒としては、ラネ
ーニッケル等のニッケル触媒、酸化白金等の白金触媒、
パラジウム−炭素等のパラジウム触媒またはウィルキン
ソン触媒と呼ばれるクロロトリストリフェニルホスフィ
ンロジウム等のロジウム触媒等を挙げることができる。
斉炭素原子の相対的な立体配置を示す表示法であり、例
えば一般式(5)または(6)で表される化合物の場
合、フィッシャーの投影式で表した時、置換基であるア
ミノ基および水酸基が同一側に存在する場合を、エリス
ロ配置と言う。
学活性5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導体を表1〜表
21に例示する。また、一般式(4)に含まれる代表的
な光学活性アミノケトン誘導体を表22〜表27に例示
する。さらに、一般式(5)または(6)に含まれる代
表的な光学活性アミノアルコール誘導体を表28〜表3
9に例示する。ただしこれら例示化合物は、本願発明を
制限するものではない。なお、これらの表においてPhは
フェニル基またはフェニレン基を、Meはメチル基を、Bo
cは保護基としてのtert−ブトキシカルボニル基をそれ
ぞれ表わす。
て説明する。
発物質とする一般式(5)または(6)の製造方法にお
いて、「光学活性5−オキサゾリジノン誘導体の4位の
炭素原子に結合しているR1および窒素原子で表される
置換基の立体配置は、各反応を施しても変化しない。ま
た、一般式(5)で表される光学活性アミノアルコール
誘導体のアミノ基と水酸基の相対配置はエリスロ配置で
ある」で表される意味をさらに詳しく説明するならば、
以下の反応式1および2で表わすことができる。
(9)で表されるS体の光学活性5−オキサゾリジノン
誘導体からは、選択的に一般式(12)または(13)
で表されるエリスロ配置で1R,2S体の光学活性アミ
ノアルコール誘導体が得られる。また、反応式2に示す
ように、一般式(14)で表されるR体の光学活性5−
オキサゾリジノン誘導体からは、一般式(17)または
(18)で表されるエリスロ配置で1S,2R体の光学
活性アミノアルコール誘導体を製造することができる。
明する。
キサゾリジノン誘導体の製造方法]一般式(1)で表さ
れる光学活性5−オキサゾリジノン誘導体は、公知の方
法、すなわち、入手容易でかつ安価な天然型α−アミノ
酸から誘導されるN−ウレタン保護化された化合物とパ
ラホルムアルデヒドを触媒量の酸の存在下反応させる方
法(J.Am.Chem.Soc.1957.79.5736)に従って容易に製造
することができる。
製造方法]一般式(2)で表される有機金属試薬は、公
知の方法、例えば対応するハロゲン化合物に対する金属
類の酸化的付加反応、あるいは有機金属試薬との金属交
換反応等で容易に製造可能である。
な溶媒であれば特に制限はないが、例えば、テトラヒド
ロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジグライム
等のエーテル類またはトルエン、キシレン等が使用可能
である。これらのうちで基質の溶解性の点からテトラヒ
ドロフラン単独またはテトラヒドロフランと他の溶媒と
の混合溶媒が好ましい。反応温度は、通常、−78℃か
ら溶媒の沸点で実施可能である。加えて、本発明にかか
る製造方法においては、有機金属試薬として、特にグリ
ニヤ試薬の使用が良好な結果を与える。
ば、溶媒分散中のマグネシウムの中に1、2−ジブロモ
エタン、臭化エチルまたはヨウ素等の開始剤を触媒量添
加した後、R3X(Xは前記と同義である。)で表され
るハロゲン化合物を滴下することにより容易に実施する
ことができる。
ドロキシオキサゾリジン誘導体の製造方法]一般式
(1)で表される光学活性5−オキサゾリジノン誘導体
と一般式(2)で表される有機金属試薬の反応におい
て、反応溶媒は特に限定されないが有機金属試薬を調製
した溶媒と同じ溶媒か、または反応に特に悪影響を与え
る事の無い混合溶媒が使用可能である。有機金属試薬の
使用にあたり、その当量に特に制限は無いが、好ましく
は基質の5−オキサゾリジノン誘導体に対し、等モルか
ら5倍モル、さらに好ましくは1.0倍モルから2倍モ
ルの範囲である。反応温度は特に制限はないが、好まし
くは室温から−78℃の範囲で実施可能である。本反応
において光学活性5−オキサゾリジノン誘導体と有機金
属試薬の添加順序は特に制限されず、光学活性5−オキ
サゾリジノン誘導体に有機金属試薬を添加しても、その
逆に添加しても良い。反応は終了後、生成した光学活性
5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導体を得る場合は、反
応液中の過剰の有機金属試薬を希塩酸、希硫酸、酢酸、
塩化アンモニウム、クエン酸、硫酸水素カリウム等の水
溶液で分解処理したのち、反応混合物から通常の分離精
製手段、例えば抽出、濃縮、中和、濾過、再結晶、カラ
ムクロマトグラフィー等の手段を用いることによって単
離することができる。
金属試薬として、特にグリニヤ試薬の使用が良好な結果
を与える。有機金属試薬としてグリニヤ試薬を用いた場
合、反応溶媒、使用当量、反応温度試薬の添加順序、反
応の後処理、化合物の単離および精製については、前出
の有機金属試薬を使用した場合の一般的な製造方法と同
一である。
活性5−オキサゾリジン誘導体は、通常、オキサゾリジ
ンの5位の水酸基の立体に関してR体およびS体の両方
が生成する為に、2種類のジアステレオマー体として得
られる。場合によっては、高速液体クロマトグラフィー
や核磁気共鳴スペクトル等を用いることでジアステレオ
マー混合比を決定することができる。また、ジアステレ
オマー混合比は、反応条件ならびに生成する化合物の特
性によって変化するが、それぞれが単離可能な場合もあ
れば混合物として得られる場合もある。ただし、ジアス
テレオマー混合物は、次項で説明する酸処理等によって
同一の一般式(4)で表される光学活性アミノケトン誘
導体に変換できることから、製造中間体として考えた場
合、製造コスト的な見地からあえて分離をする必要性は
全くない。
ケトン誘導体の製造方法]光学活性5−ヒドロキシオキ
サゾリジン誘導体を一般式(4)で表される光学活性ア
ミノケトン誘導体に酸性条件下にて変換する方法として
は、通常、希釈溶媒中で実施可能である。使用される溶
媒としては特に制限は無いが、メタノール、エタノール
のアルコール類やアセトニトリル、テトラヒドロフラ
ン、ベンゼン、トルエン、水等が挙げられる。またこれ
ら溶媒は、単独もしくは混合溶媒として任意の混合比で
用いることが可能である。使用される酸としては特に制
限は無いが、塩酸、硫酸、過塩素酸などの無機酸類、p
−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機酸
類、アンバーライトIR−120、アンバーリストなど
の酸性樹脂類やボロントリフルオロライドまたは塩化亜
鉛等のルイス酸類が挙げられる。使用する酸の量は、光
学活性5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導体に対して等
モルから30倍モル、好ましくは1.5倍モルから10
倍モルである。また樹脂の場合は5重量%から200重
量%、好ましくは10重量%〜100重量%である。反
応温度は−30℃から溶媒の沸点で実施可能であり、特
に0℃から100℃が好ましい。反応混合物からアミノ
ケトン誘導体の単離は、通常の分離精製手段、例えば抽
出、濃縮、中和、濾過、再結晶、カラムクロマトグラフ
ィー等の手段を用いることによって容易に単離すること
ができる。
アルコール誘導体の製造方法]一般式(4)で表される
アミノケトン誘導体を還元剤で還元し、一般式(5)で
表される光学活性アルコール誘導体に変換する方法は、
通常、希釈溶媒中で行われる。使用可能な溶媒としては
特に制限は無いが、メタノール,エタノール、2−プロ
パノール、テトラヒドロフランまたは水等を挙げること
ができる。また、これらの希釈溶媒は、単独あるいは任
意の混合比にて混合溶媒として使用することも可能であ
る。
ラン錯体等のボラン試薬、水素化ホウ素ナトリウム、水
素化ホウ素亜鉛、水素化トリメトキシホウ素ナトリウム
等の水素化ホウ素試薬、水素化ジイソプロピルアルミニ
ウム等のアルキルアルミニウム試薬、水素化アルミニウ
ムリチウム、水素化トリアルコキシアルミニウムリチウ
ム等の水素化アルミニウム試薬、トリクロロシラン、ト
リエチルシラン等のシラン試薬、液体アンモニア中のナ
トリウム金属またアルコール中のマグネシウム金属等が
挙げられるが、特に、水素化ホウ素ナトリウム、水素化
ホウ素亜鉛または水素化トリメトキシホウ素ナトリウム
等の水素化ホウ素試薬が好適である。
ルから10倍モルの範囲で使用可能である。反応温度は
−78℃〜溶媒の沸点の間で適宜選択され、好ましく
は、−40℃から80℃の範囲である。
ン誘導体に対して、水素雰囲気下、適切な希釈溶媒中、
適切な金属触媒の存在下に接触水素還元反応を行うこと
でもまた、一般式(5)で表される光学活性アミノアル
コール誘導体が製造可能である。使用可能な水素圧に特
に制限は無いが、常圧〜3MPa、好ましくは、0.3
MPa〜1MPaの範囲である。使用する溶媒は反応の
進行を妨げないものであれば特に制限はないが、例えば
メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロ
パノール、n−ブタノールおよび水等を例示することが
できる。これらの使用溶媒は、単独あるいは任意の比率
で混合して用いることも可能である。使用する溶媒の量
は、化合物に対して1〜50倍(重量/重量)であり、
好ましくは3倍〜20倍である。
のニッケル系触媒、白金−アルミナ、白金−炭素、酸化
白金等の白金系触媒、パラジウム−アルミナ、パラジウ
ム−炭素、水酸化パラジウム−炭素等パラジウム系触
媒、酸化ルテニウム等のルテニウム系触媒またはウィル
キンソン触媒と呼ばれるクロロトリストリフェニルホス
フィンロジウム等のロジウム系触媒等を挙げることがで
き、さらに好適には、パラジウム系触媒を挙げることが
できる。反応に特に制限はないが、−20〜200℃の
温度範囲で、さらに好ましくは0〜60℃の範囲で実施
可能である。
されるアミノ基が保護された化合物を脱保護化し、一般
式(6)で表される遊離のアミン誘導体にする方法とし
ては、酸または塩基による加水分解反応等が実施可能で
ある。使用する酸または塩基に特に制限はないが、酸で
あるならば、塩酸、硫酸、臭化水素酸等の無機酸、トリ
フルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、p-トル
エンスルホン酸、酢酸等の有機酸を、塩基であるなら
ば、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム等の無機塩基、トリエチルアミ
ン、モルホリン、テトラブチルアンモニウムフルオライ
ド、テトラエチルアンモニウムハイドロキシド等の有機
塩基などを挙げることができる。
は(6)で表される光学活性アミノアルコール誘導体
は、遊離アミンの結晶体として単離可能であるか、また
は必要に応じて適当な酸を付加して塩として単離可能で
ある。また、これらの化合物は再結晶によって、ジアス
テレオマー純度および光学純度を向上させることも可能
である。
合、結晶化に使用可能な溶媒は精製に適したものであれ
ば特に制限は無いが、メタノール,エタノール、n−プ
ロパノール、2−プロパノール等のアルコール類、酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル類、クロロホルム、塩
化メチレン等のハロゲン類、1,4−ジオキサン、テト
ラヒドロフランなどのエーテル類、水、アセトニトリ
ル、2−ブタノン、トルエン等を単独もしくは混合して
用いることができる。
適した結晶性の塩を与えるものであれば特に制限は無い
が、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、硫酸、リン
酸等の無機酸、酢酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、メ
タンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機
酸が挙げられる。
のであれば特に制限は無いが、メタノール,エタノー
ル、n−プロパノール、2−プロパノール等のアルコー
ル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、クロロ
ホルム、塩化メチレン等のハロゲン類、1,4−ジオキ
サン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、水、アセ
トニトリル、2−ブタノン、トルエン等を単独もしくは
混合して用いることができる。
方法によってアルカリ水溶液で処理し、遊離アミンとし
て単離することができる。
更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定さ
れるものでない。 [参考例1] (4S)−N−ベンジルオキシカルボニル−4−メチル
−5−オキサゾリジノンの製造
(19.3g)、パラホルムアルデヒド(6.56
g)、p−トルエンスルホン酸・1水和物(0.17
g)をトルエン(190ml)に懸濁し、生成する水を
除きながら加熱還流した。反応終了後、室温に戻し、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄
し,得られたトルエン溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。溶媒を減圧下に濃縮し、生成した結晶を濾過する
ことにより標題化合物(19.0g)を白色結晶として
収率93%で得た。 融点:91-93℃1 HNMR(CDCl3,400MHz)δppm:1.54(d,3H,J=6.4Hz),4.29-
4.31(m,1H),5.18(s,2H),5.28-5.29(m,1H),5.47(br,1H),
7.33-7.41(m,5H) IR(KBr)νmax 1778,1685cm-1。
水炭酸カリウム(20.0g)をN,N−ジメチルホル
ムアミド(250ml)に懸濁し、室温で塩化ベンジル
(20.2g)を滴下した。95〜100℃で1時間加
熱後、室温に戻し水(400ml)を加えた。酢酸エチ
ルで抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナト
リウムで乾燥した.溶媒を減圧下に濃縮し,標題化合物
(34.3g)を乳白色結晶として、収率90%で得
た。 融点:55-57℃1 H-NMR(CDCl3,400MHz)δppm:5.04(s,2H),6.83-6.87(m,
2H),7.31-7.43(m,2H)。
ベンジルオキシフェニル)−4−メチル−5−ヒドロキ
シオキサゾリジンの製造(例示化合物番号:1001)
テトラヒドロフラン(20ml)に金属マグネシウム
(1.16g)、臭化エチル(0.26g)を加え、室
温で1時間攪拌した。溶媒を還流下、参考例2で製造し
た4−ベンジルオキシブロモベンゼン(10.5g)を
無水テトラヒドロフラン(20ml)に溶かした溶液を
約1時間かけて滴下した。滴下終了後さらに還流条件で
40分攪拌し、グリニヤ試薬を得た。 [グリニヤ反応]参考例1で製造した(4S)−N−ベン
ジルオキシカルボニル−4−メチル−5−オキサゾリジ
ノン(7.84g)を無水テトラヒドロフラン(40m
l)に溶かし−20℃に冷却した。窒素雰囲気下この溶
液中へ調製したグリニヤ試薬を内温−20℃に維持しな
がら滴下した。滴下終了後、さらにそのままの温度で1
時間攪拌し、5%塩酸水溶液で処理した。溶液を室温に
戻し、酢酸エチルで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶液を減圧下に濃縮し、濃縮残渣をシリカ
カラムクロマトグラフィー(展開液:クロロホルム)で
精製することにより標題化合物(9.85g)をジアス
テレオマー混合物の白色結晶として、収率71%で得
た。 融点:83-86℃1 H-NMR(CDCl3,400MHz)からジアステレオマー比は、約
2:1であった。 (ジアステレオマーの主生成体)1 H-NMR(CDCl3,400MHz)δppm:1.47(d,3H,J=7.3Hz),3.81
-3.84(m,1H),4.79-5.07(m,2H),5.14(s,2H),5.14(d,1H,J
=8.4Hz),5.20(d,1H,J=8.4Hz),5.87(q,1H,J=7.3Hz),7.02
(d,2H,J=8.8Hz),7.23-7.44(m,10H),8.01(d,2H,J=8.8Hz) (ジアステレオマーの副生成体)1 H-NMR(CDCl3,400MHz)δppm:1.49(d,3H,J=7.3Hz),3.60
-3.70(m,1H),4.79-5.15(m,4H),5.13(s,2H),5.57(q,1H,J
=7.3Hz),6.91(d,2H,J=8.8Hz),7.23-7.44(m,10H),7.83
(d,2H,J=8.8Hz) IR(neat) νmax 3436,3033,1671,1603,1508cm-1。
1−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−プロパノン
の製造(例示化合物番号:22001)
ルオキシカルボニル−5−(4−ベンジルオキシフェニ
ル)−4−メチル−5−ヒドロキシオキサゾリジン
(3.8g)をトルエン(50ml)に溶かしアンバー
リスト(300mg)を加えて室温で反応した。反応終
了後、アンバーリストを濾過し、濾液を減圧濃縮した。
濃縮残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(展開液:
クロロホルム)により精製することにより、標題化合物
(3.1g)を淡黄色結晶として収率88%で得た。 融点:89-91℃1 H-NMR(CDCl3,400MH)δppm:1.43(d,3H,J=6.83Hz),5.13
(s,2H),5.15(s,2H),5.28-5.31(m,1H),5.88(br,1H),7.03
(d,2H,J=9.0Hz),7.31-7.44(m,10H),7.96(d,2H,J=9.0Hz) IR(KBr) νmax 3374,1712,1690cm-1 光学純度;93%eeHPLC分析条件 カラム:ダイセル キラルパックAD−RH(4.6m
mφ × 150mm) 移動相:メタノール 流速:0.5ml/min 波長:254nm 温度:室温 tR:(2S体);19.8分 (2R体);24.3分。
1−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−プロパノン
の製造(例示化合物番号:22001)
テトラヒドロフラン(15ml)に金属マグネシウム
(1.16g)、臭化エチル(0.05g)を加え、室
温で30分間攪拌した。溶媒を還流下、参考例2で製造
した4−ベンジルオキシブロモベンゼン(10.92
g)を無水テトラヒドロフラン(10ml)に溶かした
溶液を約1時間かけて滴下した。滴下終了後さらに還流
条件で30分攪拌し、グリニヤ試薬を得た。 [グリニヤ反応]参考例1で製造した(4S)−N−ベン
ジルオキシカルボニル−4−メチル−5−オキサゾリジ
ノン(6.97g)を無水テトラヒドロフラン(26m
l)に溶かし−20℃に冷却した。窒素雰囲気下この溶
液中へ、調製したグリニャール試薬を内温−20℃に維
持しながら滴下装入した。滴下終了後、さらにそのまま
の温度で1時間攪拌した。 [脱ホルミル化反応]6.5%塩酸水溶液を加え、35か
ら40℃で6時間撹拌した。水層を分液操作によって廃
棄し、あらためて5%塩酸水溶液を加え45から50℃
で4時間撹拌した。反応液をトルエンで抽出し有機層を
水で洗浄した。溶液を減圧下に濃縮し、2−プロパノー
ル(70g)を加え、室温で6時間攪拌した。反応液を
0〜5℃に冷却し晶析した結晶を濾過することにより標
題化合物(8.61g)を淡黄色結晶として、収率80
%で得た。 融点:89-91℃1 H-NMR(CDCl3,400MHz)δppm:1.43(d,3H,J=6.8Hz),5.13
(s,2H),5.15(s,2H),5.28-5.31(m,1H),5.88(br,1H),7.03
(d,2H,J=9.0Hz),7.31-7.44(m,10H),7.96(d,2H,J=9.3Hz) IR(KBr) νmax 3374,1712,1690cm-1 比旋光度:[α]D 24=+26°(C=1.00, CHCl3) 光学純度:99%ee(分析条件は実施例2と同じ)。
リンの製造(例示化合物番号:28001)
−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−1−(4−ベ
ンジルオキシフェニル)−1−プロパノン(4.8
g)、メタノール(100ml)、水(50ml)およ
び5%Pd/C(50%含水品)(1.0g)の混合溶
液を水素雰囲気下(0.5MPa)に20℃以下で28
時間攪拌した。触媒を濾過し、濾液を減圧下に濃縮し、
濃縮残渣を2-プロパノールでスラッチングすることに
より標題化合物(1.44g)を白色結晶として、収率
70%で得た。 融点:163-165℃1 H-NMR(DMSO-d6,400MHz)δppm:0.85(d,3H,J=6.3Hz),2.
77-2.83(m,1H),4.17(d,1H,J=5.3Hz),4.96(brs,1H),6.70
(d,2H,J=8.3Hz),7.09(d,2H,J=8.3Hz),8.31(s,1H) IR(KBr) νmax 3470,1593,1484,1242cm-1 比旋光度:[α]D 24=-18°(C=0.2, MeOH) エリスロ:スレオ=99.5:0.5HPLC分析条件 カラム:YMC TMS A-102(6mmφ × 150
mm) 移動相:アセトニトリル:水=3:97(NaH2P
O4、Na2HPO4を各10mM、pH6.9) 検出波長:275nm 流速:0.5ml/min カラム温度:40℃ tR:エリスロ体;6.9分 スレオ体;7.1分 光学純度:99%eeHPLC分析条件 カラム:ダイセル クラウンパック CR(−)(4mm
φ × 150mm) 移動相:HClO4aq(pH3.5) 検出波長:275nm 流速:0.1ml/min カラム温度:25℃。
ニル)アミノ-1-(4-ベンジルオキシフェニル)-1-プロ
パノールの製造(例示化合物番号:36002)
ナトリウム(0.32g)を加えて0〜5℃に冷却し
た。その溶液に実施例2または3で製造した(2S)−
2−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−1−(4−
ベンジルオキシフェニル)−1−プロパノン(2.00
g)を装入し室温で攪拌した。晶析した結晶を濾過し、
メタノールで洗浄したあと乾燥することにより標題化合
物を(1.39g)を白色結晶として、収率69%で得
た。 融点:85〜91℃1 H-NMR(DMSO-d6,400MHz)δppm:0.99(d,3H,J=6.59Hz),
3.61-3.62(m,1H),4.46-4.49(m,1H),4.95(s,2H),5.07(s,
2H),5.23(m,1H),6.93(d,2H,J=7.08),7.19-7.40(m,10H),
7.44(d,2H,J=7.08),8.30(s,1H) IR(KBr) νmax 3334,1690cm-1。
ドリンの製造(例示化合物番号:28001)
S)-2-(ベンジルオキシカルボニル)アミノ-1-(4-ベ
ンジルオキシフェニル)-1-プロパノール(1.39
g)をメタノールに溶かし、5%Pd/C(50%含水
品)(0.03g)水素雰囲気下(常圧)、室温で2時
間攪拌した。触媒を濾過後、濾液を減圧下に濃縮し濃縮
残渣を2−プロパノールにより結晶化することにより標
題化合物(0.65g)を白色結晶として、収率75%
で得た。 融点:163-165℃1 H-NMR(DMSO-d6,400MHz)δppm:0.85(d,3H,J=6.3Hz),2.
77-2.83(m,1H),4.17(d,1H,J=5.3Hz),4.96(brs,1H),6.70
(d,2H,J=8.3Hz),7.09(d,2H,J=8.3Hz),8.31(s,1H) IR(KBr) νmax 3470,1593,1484,1242cm-1 比旋光度:[α]D 24=-18°(C=0.2, MeOH) エリスロ:スレオ=97.5:2.5(分析条件は実施
例4と同様) 光学純度:99%ee(分析条件は実施例4と同様)。
チル−5−オキサゾリジノンの製造
ニン(18.9g)、パラホルムアルデヒド(6.70
g)、p−トルエンスルホン酸・1水和物(0.19
g)をトルエン(250ml)に懸濁し、生成する水を
除きながら加熱還流した。反応終了後、室温に戻し、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄
し,得られたトルエン溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。溶媒を減圧下に濃縮し、生成した結晶を濾過する
ことにより標題化合物(14.2g)を白色結晶とし
て、収率71%で得た。 融点:66-68℃1 HNMR(CDCl3,400MHz)δppm:1.49(s,9H),1.52(d,2H,J=
7.1Hz),4.23(br,1H),5.23(br,1H),5.41(br,1H) IR(KBr)νmax 1798,1698cm-1。
tert−ブトキシカルボニル−4−メチル−5−ヒド
ロキシオキサゾリジンの製造(例示化合物番号:101
5)
t−ブトキシカルボニル−4−メチル−5−オキサゾリ
ジノン(6.64g)を無水テトラヒドロフラン(40
ml)に溶かし−20℃に冷却した。窒素雰囲気下この
溶液中へ、実施例1と同様に調製したグリニャール試薬
を内温を−20℃に維持しながら滴下した。滴下終了
後、さらにそのままの温度で1時間攪拌し、5%塩酸水
溶液で処理した。溶液を室温に戻し、酢酸エチルで抽出
し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を減圧
下に濃縮し、濃縮残渣をシリカカラムクロマトグラフィ
ー(展開液:クロロホルム)で精製することにより標題
化合物(10.2g)をジアステレオマー混合物の淡黄
色シロップとして、収率80%で得た。1 H-NMR(CDCl3,400MHz)δppm:1.35-1.38(m,3H),1.44-1.
49(m,9H),4.90-5.85(m,5H),6.99-7.03(m,2H),7.35-7.44
(m,5H),7.80-8.00(m,2H) IR(KBr) νmax 3422,1683cm-1。
ロピル−5−オキサゾリジノンの製造
(25.1g)、パラホルムアルデヒド(6.70
g)、p−トルエンスルホン酸・1水和物(0.19
g)をトルエン(250ml)に懸濁し、生成する水を
除きながら加熱還流した。反応終了後、室温に戻し、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄
し,得られたトルエン溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。溶媒を減圧下に濃縮し、標題化合物(23.7
g)を無色透明シロップとして収率90%で得た。1 H-NMR(CDCl3,400MHz)δppm:1.00(d,3H,J=6.6Hz),1.07
(d,3H,J=6.6Hz),2.30-2.40(m,1H),4.22(bs,1H),5.15-5.
22(m,3H),5.56(bs,1H),7.15-7.40(m,5H) IR(KBr)νmax 1798,1698cm-1。
ベンジルオキシカルボニル−4−イソプロピル−5−ヒ
ドロキシオキサゾリジンの製造(例示化合物番号:20
01)
キシカルボニル−4−イソプロピル−5−オキサゾリジ
ノン(5.20g)を無水テトラヒドロフラン(22m
l)に溶かし−20℃に冷却した。窒素雰囲気下この溶
液中へ、実施例1と同様に調製したグリニャール試薬を
内温を−10〜20℃に維持しながら滴下した。滴下終
了後、さらにそのままの温度で1時間攪拌し、12.5
%塩酸水溶液で処理した。溶液を室温に戻し、トルエン
で抽出し有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶
液を減圧下に濃縮し、濃縮残渣をシリカカラムクロマト
グラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)
で精製することにより標題化合物(4.72g)をジア
ステレオマー混合物の淡黄色シロップとして、収率53
%で得た。
ー比は、約1.9:1であった。 (ジアステレオマーの主生成体)1 H-NMR(CDCl3,400MHz)δppm:0.85(d,3H,J=6.6Hz),0.9
8.(d,2H,J=6.6),2.29-2.40(m,1H),3.29(m,1H),4.79(m,1
H),5.10-5.50(m,6H),7.02(d,2H,J=8.7Hz),7.28-7.45(m,
10H),8.11(d,2H,J=8.7Hz) (ジアステレオマーの副生成体)1 H-NMR(CDCl3,400MHz)δppm:0.83(d,3H,J=6.2Hz),1.0
0.(d,2H,J=6.2),2.29-2.40(m,1H),3.55(m,1H),4.79(m,1
H),5.10-5.50(m,6H),6.81(d,2H,J=9.0Hz),7.28-7.45(m,
10H),7.85(d,2H,J=9.0Hz) IR(KBr) νmax 3422,1683cm-1。
1−(4−ベンジルオキシフェニル)−3−メチル−1
−ブタノンの製造(例示化合物番号:23001)
ルオキシカルボニル−5−(4−ベンジルオキシフェニ
ル)−4−イソプルピル−5−ヒドロキシオキサゾリジ
ン(1.38g)をテトラヒドロフラン(4ml)に溶
解し、水(5ml)および濃塩酸(2ml)を加え、室
温で24時間撹拌した。反応液をトルエンで希釈し、水
層を廃棄した後、有機層を水にて3回洗浄した。有機層
を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後に、減圧濃縮し
た。濃縮残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(展開
液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)により精製し、標
題化合物(466mg)を淡黄色結晶として、収率36
%で得た。 融点:75〜77℃1 H-NMR(CDCl3,400MHz)δppm:0.76(d,3H,J=6.8Hz),1.04
(d,3H,J=6.8Hz),2.16(m,1H),5.11(s,1H),5.14(s,1H),5.
24(dd,1H,J=8.8,4Hz),5.70(d,1H,J=8.8Hz),7.03(d,2H,J
=8.8Hz),7.30-7.45(m,10H),7.96(d,2H,J=8.8Hz) IR(KBr) νmax 3422,1683cm-1。
メトキシフェニル)−4−メチル−5−ヒドロキシオキ
サゾリジンの製造(例示化合物番号:1020)
テトラヒドロフラン(20ml)に金属マグネシウム
(756mg)、臭化エチル(0.1g)を加え、室温
で1時間攪拌した。溶媒を還流下、4−ブロモアニソー
ル(3.76g)を無水テトラヒドロフラン(20m
l)に溶かした溶液を約1時間かけて滴下した。滴下終
了後さらに還流条件で40分攪拌し、グリニヤ試薬を得
た。 [グリニヤ反応]参考例1で製造した(4S)−N−ベン
ジルオキシカルボニル−4−メチル−5−オキサゾリジ
ノン(7.70g)を無水テトラヒドロフラン(30m
l)に溶かし−20℃に冷却した。窒素雰囲気下この溶
液中へ調製したグリニヤ試薬を内温−20℃に維持しな
がら滴下した。滴下終了後、さらにそのままの温度で1
時間攪拌し、5%塩酸水溶液で処理した。溶液を室温に
戻し、酢酸エチルで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶液を減圧下に濃縮し、濃縮残渣をシリカ
カラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エ
チル=2/1→3/2)で精製することにより題記化合
物(4.56g)をジアステレオマー混合物の無色透明
シロップとして収率66%で得た。
アステレオマー混合比は約2:1であった。 (ジアステレオマー:主生成物)1 H-NMR(CDCl3,400MHz)δppm:1.47(d,3H,J=7Hz),3.70-
3.75(m,1H),3.87(s,3H),4.80-5.20(m,2H),5.16(d,1H,J=
12.4Hz),5.25(d,1H,J=12.4Hz),5.88(q,1H,J=7Hz),6.95
(d,2H,J=9.0Hz),7.23-7.36(m,5H),8.02(d,2H,J=9.0Hz) (ジアステレオマー:副生成物)1 H-NMR(CDCl3,400MHz)δppm:1.48(d,3H,J=7Hz),3.70-
3.75(m,1H),3.86(s,3H),4.80-5.20(m,2H),5.16(d,1H,J=
12.4Hz),5.25(d,1H,J=12.4Hz),5.57(q,1H,J=7Hz),6.83
(d,2H,J=8.8Hz),7.23-7.36(m,5H),8.83(d,2H,J=8.8Hz) IR(neat) νmax 3443,1697,1601cm-1。
1−(4−メトキシフェニル)−1−プロパノンの製造
(例示化合物番号:22020)
ジルオキシカルボニル−5−(4−メトキシフェニル)
−4−メチル−5−ヒドロキシオキサゾリジン(1.7
2g)をテトラヒドロフラン(4ml)に溶解し、水
(5ml)および濃塩酸(2ml)を加え、室温で24
時間撹拌した。反応液をトルエンで希釈し、水層を廃棄
した後、有機層を水にて3回洗浄した。有機層を無水硫
酸マグネシウムで乾燥した後に、減圧濃縮した。濃縮残
渣をシリカカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサ
ン/酢酸エチル=3/1)により精製し、標題化合物
(1.40mg)を白色結晶として、収率89%で得
た。 融点:46〜48℃1 H-NMR(CDCl3,400MHz)δppm:1.43(d,3H,J=6.8Hz),3.88
(s,3H),5.13(s,2H),5.30(dq,1H,J=7.1,6.8Hz),5.91(d,1
H,J=7.1Hz),6.96(d,2H,J=8.8Hz),7.29-7.37(m,5H),7.96
(d,2H,J=8.8Hz) IR(KBr) νmax 3458,2958,1714,1676,1597,1527cm-1。
4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−5−ヒドロキ
シオキサゾリジンの製造(例示化合物番号:1030)
テトラヒドロフラン(20ml)に金属マグネシウム
(2.56g)、ヨウ素(30mg)を加え、室温で2,
4−ジフルオロブロモベンゼン(19.3g)を無水テ
トラヒドロフラン(60ml)に溶かした溶液の1/5
を一括装入した。装入5分後から反応液温度の上昇を伴
なって、グリニヤ試薬の生成が確認された。反応温度を
45℃以下に保ったまま、残りの試薬4/5を約30分
かけて滴下した。滴下終了後さらに25〜40℃で30
分攪拌し、グリニヤ試薬を得た。 [グリニヤ反応]参考例1で製造した(4S)−N−ベン
ジルオキシカルボニル−4−メチル−5−オキサゾリジ
ノン(21.2g)を無水テトラヒドロフラン(68m
l)に溶かし−20℃に冷却した。窒素雰囲気下この溶
液中へ調製したグリニヤ試薬を内温−20℃に維持しな
がら滴下した。滴下終了後、さらにそのままの温度で1
時間攪拌し、5%塩酸水溶液で処理した。溶液を室温に
戻し、トルエンで抽出し有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。溶液を減圧下に濃縮し、濃縮残渣をシリカ
カラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エ
チル=2/1)で精製することにより標題化合物(2
1.4g)をジアステレオマー混合物の淡黄色シロップ
として、収率68%で得た。1 H-NMR(CDCl3,400MHz)δppm:1.52and1.51(2d,3H,J=6.8
Hz),3.20-3.45(m,1H),4.30-4.50(m,1H),4.70-5.45(m,4
H),6.55-6.90(m,2H),7.30-7.40(m,5H),7.50-7.90(m,1H) IR(KBr) νmax 3402,1803,1701,1614cm-1。
1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−プロパノン
の製造(例示化合物番号:22030)
(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−5−(2,4−
ジフルオロフェニル)−4−メチル−5−ヒドロキシオ
キサゾリジン(14.0g)をテトラヒドロフラン(7
0ml)に溶解し、水(50ml)および濃塩酸(20
ml)を加え、室温で24時間撹拌した。反応液をトル
エンで希釈し、水層を廃棄した後、有機層を水にて3回
洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後
に、減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカカラムクロマトグ
ラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)に
より精製し、標題化合物(11.7g)を淡黄色シロッ
プとして収率92%で得た。1 H-NMR(CDCl3,400MHz)δppm:1.40(d,3H,J=7.0Hz),5.10
(s,2H),5.05-5.20(m,1H),5.75-5.80(m,1H),6.88-6.94
(m,1H),6.98-7.02(m,1H),7.30-7.37(m,5H),7.95-8.01
(m,1H) IR(neat) νmax 3358,1718,1681,1611,1532cm-1 光学純度:90%ee HPLC分析条件 カラム:ダイセル キラルパックAD−RH(4.6m
mφ × 150mm) 移動相:メタノール 流速:0.5ml/min 波長:254nm 温度:室温 tR:(2R体);6.5分 (2S体);7.5分。
−5−オキサゾリジノンの製造
(19.3g)、パラホルムアルデヒド(6.56
g)、p−トルエンスルホン酸・1水和物(0.17
g)をトルエン(190ml)に懸濁し、生成する水を
除きながら加熱還流した。反応終了後、室温に戻し、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄
し,得られたトルエン溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。溶媒を減圧下に濃縮し、生成した結晶を濾過する
ことにより標題化合物(17.4g)を白色結晶とし
て、収率85%で得た。 融点:89-91℃1 HNMR(CDCl3,400MHz)δppm:1.54(d,3H,J=6.4Hz),4.29-
4.31(m,1H),5.18(s,2H),5.28-5.29(m,1H),5.47(br,1H),
7.33-7.41(m,5H) IR(KBr)νmax 1778,1685cm-1。
ベンジルオキシフェニル)−4−メチル−5−ヒドロキ
シオキサゾリジンの製造(例示化合物番号:1900
1)
ジルオキシカルボニル−4−メチル−5−オキサゾリジ
ノン(2.61g)を実施例1と同様に処理し、標題化
合物(9.0g)をジアステレオマー混合物の白色結晶
として、収率65%で得た。 融点:82-86℃1 H-NMR(CDCl3,400MHz)からジアステレオマー比は、約
2:1であった。 (ジアステレオマーの主生成体)1 H-NMR(CDCl3,400MHz)δppm:1.47(d,3H,J=7.3Hz),3.81
-3.84(m,1H),4.79-5.07(m,2H),5.14(s,2H),5.14(d,1H,J
=8.4Hz),5.20(d,1H,J=8.4Hz),5.87(q,1H,J=7.3Hz),7.02
(d,2H,J=8.8Hz),7.23-7.44(m,10H),8.01(d,2H,J=8.8Hz) (ジアステレオマーの副生成体)1 H-NMR(CDCl3,400MHz)δppm: 1.49(d,3H,J=7.3Hz),3.60-3.70(m,1H),4.79-5.15(m,4
H),5.13(s,2H),5.57(q,1H,J=7.3Hz),6.91(d,2H,J=8.8H
z),7.23-7.44(m,10H),7.83(d,2H,J=8.8Hz) IR(neat) νmax 3436,3033,1671,1603,1508cm-1。
1−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−プロパノン
の製造(例示化合物番号:25001)
ンジルオキシカルボニル−5−(4−ベンジルオキシフ
ェニル)−4−メチル−5−ヒドロキシオキサゾリジン
(2.1g)を実施例9と同様に処理し、標題の化合物
(1.85g)を淡黄色結晶として、収率95%で得
た。 融点:88-90℃1 H-NMR(CDCl3,400MH)δppm:1.43(d,3H,J=6.83Hz),5.13
(s,2H),5.15(s,2H),5.28-5.31(m,1H),5.88(br,1H),7.03
(d,2H,J=9.0Hz),7.31-7.44(m,10H),7.96(d,2H,J=9.0Hz) IR(KBr) νmax 3374,1712,1690cm-1 比旋光度:[α]D 24=-25°(C=1.00, CHCl3) 光学純度:98%ee(分析条件は実施例3と同じ)。
4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−5−ヒドロキ
シオキサゾリジンの製造(例示化合物番号:1903
0)
テトラヒドロフラン(10ml)に金属マグネシウム
(1.28g)、ヨウ素(20mg)を加え、室温で2,
4−ジフルオロブロモベンゼン(9.65g)を無水テ
トラヒドロフラン(30ml)に溶かした溶液を用い、
実施例12と同様に処理し、グリニヤ試薬を得た。 [グリニヤ反応](4R)−N−ベンジルオキシカルボニ
ル−4−メチル−5−オキサゾリジノン(10.6g)
を無水テトラヒドロフラン(34ml)に溶解し、実施
例12と同様に処理し、標題化合物(10.7g)をジ
アステレオマー混合物の淡黄色シロップとして、収率6
8%で得た。1 H-NMR(CDCl3,400MHz)δppm:1.52and1.51(2d,3H,J=6.8
Hz),3.20-3.45(m,1H),4.30-4.50(m,1H),4.70-5.45(m,4
H),6.55-6.90(m,2H),7.30-7.40(m,5H),7.50-7.90(m,1H) IR(KBr) νmax 3402,1803,1701,1614cm-1。
1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−プロパノン
の製造(例示化合物番号:25030)
(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−5−(2,4−
ジフルオロフェニル)−4−メチル−5−ヒドロキシオ
キサゾリジン(6.98g)をテトラヒドロフラン(3
5ml)に溶解し、水(25ml)および濃塩酸(10
ml)を加え、実施例13と同様に処理し、標題化合物
(5.87g)を淡黄色シロップとして収率92%で得
た。1 H-NMR(CDCl3,400MHz)δppm:1.40(d,3H,J=7.0Hz),5.10
(s,2H),5.05-5.20(m,1H),5.75-5.80(m,1H),6.88-6.94
(m,1H),6.98-7.02(m,1H),7.30-7.37(m,5H),7.95-8.01
(m,1H) IR(neat) νmax 3358,1718,1681,1611,1532cm-1 光学純度:90%ee(分析条件は、実施例12と同様)
体として有用な一般式(5)または(6)で表される光
学活性アミノアルコール誘導体を、工業的な観点から見
て、光学純度良く、安価に、かつ大量製造時においても
安定的に製造することが可能となった。加えて、上記の
光学活性アミノアルコール誘導体、またはその他の光学
活性アミン誘導体を製造する上で重要な中間体である一
般式(3)で表される光学活性5−ヒドロキシオキサゾ
リジン誘導体およびその一般的な製造方法、ならびに一
般式(4)で表される光学活性アミノケトン誘導体およ
びその一般的な製造方法を確立した。これらの製造技術
は、上記の光学活性アミノアルコール誘導体の製造以外
にも、広く光学活性アミン誘導体の製造方法に利用可能
であり、工業的な観点から非常に優れた技術である。
Claims (21)
- 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は天然型α−アミノ酸の無保護の側鎖また
は任意に保護化された側鎖を示し、R2は置換されてい
てもよいアルキル基、置換されてもよいアリール基又は
置換されていてもよいアラルキル基を示す。)で表され
る光学活性5−オキサゾリジノン誘導体と、一般式
(2) 【化2】 (式中、R3は置換されていてもよいアリール基、置換
されていてもよいヘテロ環を示し、MはLi、MgX、
ZnX、TiX3、CuXの群から選択された1種を示
し、さらにXはハロゲン原子を示す。)で表される有機
金属試薬と反応させ、一般式(3) 【化3】 (式中、R1、R2およびR3は前記と同義である。)
で表される光学活性5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導
体とし、続いて酸性条件下で処理することによって、一
般式(4) 【化4】 (式中、R1、R3は前記と同義である。R4は、水素
原子あるいは保護基としての、置換されていてもよいア
ルキルオキシカルボニル基、置換されてもよいアリール
オキシカルボニル基または置換されていてもよいアラル
キルオキシカルボニル基を示す。)で表される光学活性
アミノケトン誘導体に導いた後に、さらに還元剤での処
理あるいは金属触媒を用いた接触水素化を施すことを特
徴とする立体選択的な、一般式(5) 【化5】 (式中、R1、R3およびR4は前記と同義)で表され
る光学活性アミノアルコール誘導体の製造方法(ただ
し、一般式(1)で表される光学活性5−オキサゾリジ
ノン誘導体の4位の不斉炭素原子に結合しているR1お
よび窒素原子で表される置換基の立体配置は、各反応を
施しても変化しない。また、一般式(5)で表される光
学活性アミノアルコール誘導体のアミノ基と水酸基の相
対配置はエリスロ配置である。)。 - 【請求項2】 一般式(1) 【化6】 (式中、R1は天然型α−アミノ酸の無保護の側鎖また
は任意に保護化された側鎖を示し、R2は置換されてい
てもよいアルキル基、置換されてもよいアリール基又は
置換されていてもよいアラルキル基を示す。)で表され
る光学活性5−オキサゾリジノン誘導体と、一般式
(2) 【化7】 (式中、R3は置換されていてもよいアリール基、置換
されていてもよいヘテロ環を示し、MはLi、MgX、
ZnX、TiX3、CuXの群から選択された1種を示
し、さらにXはハロゲン原子を示す。)で表される有機
金属試薬と反応させ、一般式(3) 【化8】 (式中、R1、R2およびR3は前記と同義である。)
で表される光学活性5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導
体とし、続いて酸性条件下で処理することによって、一
般式(4) 【化9】 (式中、R1、R3は前記と同義である。R4は水素原
子あるいは保護基としての、置換されていてもよいアル
キルオキシカルボニル基、置換されてもよいアリールオ
キシカルボニル基または置換されていてもよいアラルキ
ルオキシカルボニル基を示す。)で表される光学活性ア
ミノケトン誘導体に導いた後に、さらに還元剤での処理
あるいは金属触媒を用いた接触水素化を施すことで、一
般式(5) 【化10】 (式中、R1、R3およびR4は前記と同義)で表され
る光学活性アミノアルコール誘導体とし、R4が保護基
である場合にアミノ基の脱保護化を行い、一般式(6) 【化11】 (式中、R1およびR3は前記と同義である。)で表わ
される光学活性アミノアルコール誘導体を得ることを特
徴とするアミノアルコール誘導体の製造方法(ただし、
一般式(1)で表される光学活性5−オキサゾリジノン
誘導体の4位の不斉炭素原子に結合しているR1および
窒素原子で表される置換基の立体配置は、各反応を施し
ても変化しない。また、一般式(6)で表される光学活
性アミノアルコール誘導体のアミノ基と水酸基の相対配
置はエリスロ配置である。)。 - 【請求項3】 R1がメチル基、イソプロピル基、イソ
ブチル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、ベンジル
オキシメチル基、フェニルチオメチル基、メチルチオメ
チル基、アルキルオキシカルボニルメチル基またはアル
キルオキシカルボニルエチル基であり、R2がベンジル
基、tert−ブチル基、メチル基、エチル基、イソプ
ロピル基または9−フルオレニルメチル基である請求項
1または2に記載の光学活性アミノアルコール誘導体の
製造方法。 - 【請求項4】 R3が、一般式(7) 【化12】 (式中、Yはハロゲン原子を示す。)または一般式
(8) 【化13】 (式中、R5は水素原子、置換されてもよいアルキル
基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されても
よいアラルキル基、置換されてもよいフェニル基、置換
されてもよいヘテロ環または置換されてもよいヘテロ環
アルキル基を示す。)である請求項1または2に記載の
光学活性アミノアルコール誘導体の製造方法。 - 【請求項5】 R1がメチル基であり、かつR3が一般
式(8)である請求項1または2に記載の光学活性アミ
ノアルコール誘導体の製造方法。 - 【請求項6】 一般式(3)で表される光学活性5−ヒ
ドロキシオキサゾリジン誘導体。 【化14】 (式中、R1は天然型α−アミノ酸の無保護の側鎖また
は任意に保護化された側鎖を示し、R2は置換されてい
てもよいアルキル基、置換されてもよいアリール基又は
置換されていてもよいアラルキル基を示し、R3は置換
されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘ
テロ環を示す。) - 【請求項7】 R1がメチル基、イソプロピル基、イソ
ブチル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、ベンジル
オキシメチル基、フェニルチオメチル基、メチルチオメ
チル基、アルキルオキシカルボニルメチル基またはアル
キルオキシカルボニルエチル基である請求項6に記載の
光学活性5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導体。 - 【請求項8】 R2がベンジル基、tert−ブチル
基、メチル基、エチル基、イソプロピル基または9−フ
ルオレニルメチル基である請求項6または7に記載の光
学活性5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導体。 - 【請求項9】 R3が、一般式(7)または(8)であ
る請求項8に記載の光学活性5−ヒドロキシオキサゾリ
ジン誘導体。 【化15】 (式中、Yはハロゲン原子を示す。) 【化16】 (式中、R5は水素原子、置換されてもよいアルキル
基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されても
よいアラルキル基、置換されてもよいフェニル基、置換
されてもよいヘテロ環または置換されてもよいヘテロ環
アルキル基を示す。) - 【請求項10】 R1がメチル基である請求項9に記載
の光学活性5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導体。 - 【請求項11】 一般式(1) 【化17】 (式中、R1は天然型α−アミノ酸の無保護の側鎖また
は任意に保護化された側鎖を示し、R2は置換されてい
てもよいアルキル基、置換されてもよいアリール基又は
置換されていてもよいアラルキル基を示す。)で表され
る光学活性5−オキサゾリジノン誘導体と、一般式
(2) 【化18】 (式中、R3は置換されていてもよいアリール基、置換
されていてもよいヘテロ環を示し、MはLi、MgX、
ZnX、TiX3、CuXの群から選択された1種を示
し、さらにXはハロゲン原子を示す。)で表される有機
金属試薬と反応させ、一般式(3) 【化19】 (式中、R1、R2およびR3は前記と同義である。)
で表される光学活性5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導
体を得ることを特徴とする光学活性5−ヒドロキシオキ
サゾリジン誘導体の製造方法。 - 【請求項12】 R1がメチル基、イソプロピル基、イ
ソブチル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、ベンジ
ルオキシメチル基、フェニルチオメチル基、メチルチオ
メチル基、アルキルオキシカルボニルメチル基またはア
ルキルオキシカルボニルエチル基である請求項11に記
載の光学活性5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導体の製
造方法。 - 【請求項13】 R2がベンジル基、tert−ブチル
基、メチル基、エチル基、イソプロピル基または9−フ
ルオレニルメチル基である請求項11または12に記載
の光学活性5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導体の製造
方法。 - 【請求項14】 R3が、一般式(7)または(8)で
ある請求項13記載の光学活性5−ヒドロキシオキサゾ
リジン誘導体の製造方法。 【化20】 (式中、Yはハロゲン原子を示す。) 【化21】 (式中、R5は水素原子、置換されてもよいアルキル
基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されても
よいアラルキル基、置換されてもよいフェニル基、置換
されてもよいヘテロ環または置換されてもよいヘテロ環
アルキル基を示す。) - 【請求項15】 R1がメチル基である請求項14に記
載の光学活性5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導体の製
造方法。 - 【請求項16】 一般式(2)のMが、MgX(Xは前
記と同義である。)である請求項11または12記載の
光学活性5−ヒドロキシオキサゾリジン誘導体の製造方
法。 - 【請求項17】 一般式(4a) 【化22】 (式中、R1aはメチル基であり、かつR4aが水素原
子、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシ
カルボニル基または9−フルオレニルメトキシカルボニ
ル基であり、かつR3aが4−ベンジルオキシフェニル
基、4−メトキシフェニル基、2,4−ジフルオロフェ
ニル基、2,4−ジクロロフェニル基または3−インド
リル基である。)で表わされることを特徴とするアミノ
ケトン誘導体。 - 【請求項18】 一般式(3) 【化23】 (式中、R1は天然型α−アミノ酸の無保護の側鎖また
は任意に保護化された側鎖を示し、R2は置換されてい
てもよいアルキル基、置換されてもよいアリール基又は
置換されていてもよいアラルキル基を示し、R3は置換
されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘ
テロ環を示す。)で表わされる5−ヒドロキシオキサゾ
リジン誘導体を、酸性条件下で処理することにより、一
般式(4) 【化24】 (式中、R1、R3は前記と同義である。R4は、水素
原子あるいは保護基としての、置換されていてもよいア
ルキルオキシカルボニル基、置換されてもよいアリール
オキシカルボニル基または置換されていてもよいアラル
キルオキシカルボニル基を示す。)で表されるアミノケ
トン誘導体を得ることを特徴とするアミノケトン誘導体
の製造方法。 - 【請求項19】 一般式(5a) 【化25】 (式中、R1aはメチル基であり、R3bが4−ベンジ
ルオキシフェニル基であり、かつR4bがベンジルオキ
シカルボニル基であり、アミノ基と水酸基の相対配置は
エリスロ配置である。)で表わされることを特徴とする
光学活性アルコール誘導体。 - 【請求項20】 一般式(4b) 【化26】 (式中、R1は天然型α−アミノ酸の無保護の側鎖また
は任意に保護化された側鎖を示し、R4は水素原子ある
いは保護基としての、置換されていてもよいアルキルオ
キシカルボニル基、置換されてもよいアリールオキシカ
ルボニル基または置換されていてもよいアラルキルオキ
シカルボニル基を示し、R3cが一般式(8) 【化27】 で表わされる基であり、R5は水素原子、置換されても
よいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、
置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいフェ
ニル基、置換されてもよいヘテロ環または置換されても
よいヘテロ環アルキル基を示す。)で表わされる光学活
性アミノケトン誘導体に対して、還元剤での処理あるい
は金属触媒を用いた接触水素化を施すことにより、立体
選択的な一般式(5b) 【化28】 (式中、R1、R3cおよびR4は前記と同義)で表さ
れる光学活性アミノアルコール誘導体を得ることを特徴
とする光学活性アミノアルコール誘導体の製造方法(た
だし、一般式(4b)で表される光学活性アミノケトン
誘導体の2位の不斉炭素原子に結合しているR1および
窒素原子で表される置換基の立体配置は、各反応を施し
ても変化しない。一般式(5b)で表される光学活性ア
ミノアルコール誘導体のアミノ基と水酸基の相対配置は
エリスロ配置である。)。 - 【請求項21】 一般式(4b) 【化29】 (式中、R1は天然型α−アミノ酸の無保護の側鎖また
は任意に保護化された側鎖を示し、R4は水素原子ある
いは保護基としての、置換されていてもよいアルキルオ
キシカルボニル基、置換されてもよいアリールオキシカ
ルボニル基または置換されていてもよいアラルキルオキ
シカルボニル基を示し、R3cが一般式(8) 【化30】 で表わされる基であり、R5は水素原子、置換されても
よいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、
置換されてもよいアラルキル基、置換されてもよいフェ
ニル基、置換されてもよいヘテロ環または置換されても
よいヘテロ環アルキル基を示す。)で表わされる光学活
性アミノケトン誘導体に対して、還元剤での処理あるい
は金属触媒を用いた接触水素化を施すことにより立体選
択的な一般式(5b) 【化31】 (式中、R1、R3cおよびR4は前記と同義)で表さ
れる光学活性アミノアルコール誘導体とし、R4が保護
基である場合にアミノ基の脱保護化を行って一般式(6
b) 【化32】 (式中、R1およびR3cは前記と同義である。)で表
わされる光学活性アミノアルコール誘導体を得ることを
特徴とする光学活アミノアルコール誘導体の製造方法
(ただし、一般式(4b)で表される光学活性アミノケ
トン誘導体の2位の不斉炭素原子に結合しているR1お
よび窒素原子で表される置換基の立体配置は、各反応を
施しても変化しない。一般式(6a)で表される光学活
性アミノアルコール誘導体のアミノ基と水酸基の相対配
置はエリスロ配置である。)。
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