JP2002233030A - 電気接続箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コスト低減や作業性の向上が図られた電気接
続箱を提供する。 【解決手段】 複合キャビティ２６とその複合キャビテ
ィ２６内に固定される複数のバスバー２７とを備えた電
気接続箱にする。複合キャビティ２６は、リレー２３に
対するリレーキャビティ２８と、ワイヤハーネスに設け
られたコネクタ２４に対するコネクタハウジング２９と
を有する。また、バスバー２７は、リレーキャビティ２
８内に収容され且つ係止部としてのランス３２に係止さ
れる第一端子３８と、コネクタハウジング２９内に収容
される第二端子３９とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１ 】

【発明の属する技術分野】本発明は、リレーが接続され
る電気接続箱に関する。

【０００２ 】

【従来の技術】図３は自動車等の車両に搭載される電気
接続箱（本明細書ではリレーボックスを一例として挙げ
ることにする）を示している。その図示された電気接続
箱１は、箱本体２に複数のリレー３やその他ヒューズ４
等の電気部品を挿し込み接続することができるように構
成されている。

【０００３ 】すなわち、箱本体２には、例えば図４及
び図５に示されるような上記リレー３に対するリレーキ
ャビティ５と、そのリレーキャビティ５に各々挿着され
る雌端子６とを備えたリレーコネクタ７が形成されてお
り、リレー３を電気的に接続することができるようにな
っている。

【０００４ 】尚、雌端子６は、ワイヤハーネス８（図
３参照）を構成する電線９の端末に圧着によって接続さ
れている。また、雌端子６は、リレーキャビティ５に挿
入されるとそのリレーキャビティ５に形成された係止部
としてのランス１０により係止されるようになっている
（雌端子６はランス１０に対して完全に嵌合した状態に
なるとその抜けが防止される）。

【０００５ 】

【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来の電
気接続箱１にあっては、次のような幾つかの問題点があ
った。一つ目としては、既知構成のスペーサ（不図示）
が必要であって製造コストに影響を来してしまうという
問題点があった。すなわち、上記スペーサは、雌端子６
のリレーキャビティ５における半嵌合を防止するための
部品であって、リレーキャビティ５の数に応じた分だけ
備える必要があることから、上記スペーサの数が多くな
って比較的高価な部品になり電気接続箱１の製造コスト
に影響を来してしまっていた。

【０００６ 】二つ目としては、上記スペーサに対して
の組み付けに係る作業性が悪いという問題点があった。
すなわち、上記スペーサは小型の備品であって一々向き
を確認しながらリレーキャビティ５に係止させなければ
ならず、作業性に影響を来してしまっていた。

【０００７ 】三つ目としては、雌端子６に対しての組
み付けに係る作業性が悪いという問題点があった。すな
わち、雌端子６をリレーキャビティ５の対応する位置に
一つ一つ向きを確認しながら挿入しなければならず、こ
れが複数のリレーキャビティ５に対して行われることか
ら、作業性に影響を来してしまっていた。

【０００８ 】そして最後に、四つ目としては、車両へ
搭載する際の作業性が悪いという問題点があった。すな
わち、リレーキャビティ５に雌端子６を挿着することか
ら、電気接続箱１がワイヤハーネスアッシーの状態で車
両に組み付けられることになり、作業性を悪化させてし
まっていた。

【０００９ 】本発明は、上述した事情に鑑みてなされ
るもので、コスト低減や作業性の向上が図られた電気接
続箱を提供することを課題とする。

【００１０ 】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
なされた請求項１記載の本発明の電気接続箱は、一方に
リレーに対するリレーキャビティを形成し、前記一方の
反対側となる他方にワイヤハーネスに設けられたコネク
タに対するコネクタハウジングを形成した複合キャビテ
ィと、前記リレーキャビティ内に収容され且つ係止部に
係止される第一端子と前記コネクタハウジング内に収容
される第二端子とを有して前記複合キャビティ内に固定
される複数のバスバーと、を備えたことを特徴としてい
る。

【００１１ 】請求項２記載の本発明の電気接続箱は、
請求項１に記載の電気接続箱において、前記コネクタハ
ウジングと前記コネクタを構成するハウジングとに、前
記コネクタの接続時において嵌合しあうロック手段を形
成したことを特徴としている。

【００１２ 】請求項３記載の本発明の電気接続箱は、
請求項１又は請求項２に記載の電気接続箱において、前
記リレーキャビティと前記コネクタハウジングとの境界
部分に、前記コネクタを当接させる段部を形成したこと
を特徴としている。

【００１３ 】請求項１に記載された本発明によれば、
複合キャビティにおけるリレーキャビティと、バスバー
における第一端子とで構成される側にリレーが接続され
る。また、複合キャビティにおけるコネクタハウジング
と、バスバーにおける第二端子とで構成される側には、
ワイヤハーネスに設けられたコネクタが接続される。こ
のような接続形態を有する電気接続箱になることから、
仮に第一端子が係止部に対して半嵌合の状態にあって
も、コネクタの接続によりバスバーが押し込まれて半嵌
合の状態が解消される。また、ワイヤハーネスを例えば
車両に組み付けた後にそのワイヤハーネスに対して本発
明の電気接続箱を接続することも可能になる。さらに、
コネクタによる接続であることから、ワイヤハーネスを
構成する電線の端末に設けられた端子を一つ一つ電気接
続箱側に挿着する作業が解消される。

【００１４ 】請求項２に記載された本発明によれば、
ロック手段が嵌合することにより、上記半嵌合の状態の
解消が確認される。

【００１５ 】請求項３に記載された本発明によれば、
コネクタが段部に当接することにより、上記半嵌合の状
態の解消が確認される。

【００１６ 】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図１は本発明の電気接続箱の一実
施の形態を示す分解断面図である。また、図２はアッセ
ンブリ状態の断面図である。

【００１７ 】図１又は図２において、引用符号２１は
自動車等の車両に搭載される電気接続箱の箱本体２２に
形成された一又は複数のリレーコネクタを示している
（本形態においては一つのみ図示）。そのリレーコネク
タ２１は、既知のリレー２３と図示しないワイヤハーネ
スに設けられたコネクタ２４とをそれぞれ別々の方向か
ら接続することができるように形成されている。

【００１８ 】先ず、上記リレーコネクタ２１について
説明すると、そのリレーコネクタ２１は、箱本体２２の
合成樹脂製のカバー２５の表裏に跨って一体に形成され
る複合キャビティ２６と、複数のバスバー２７とを備え
て構成されている。その複合キャビティ２６には、一方
に上記リレー２３に対するリレーキャビティ２８が、ま
た、反対側となる他方には上記コネクタ２４に対するコ
ネクタハウジング２９が形成されている。そして、この
ようなリレーキャビティ２８内には、複数のバスバー２
７がそれぞれ所定の位置に固定されている。

【００１９ 】もう少し詳しく説明すると、リレーキャ
ビティ２８は、カバー２５の表面から直交方向に突出す
るように形成されている。また、リレーキャビティ２８
には、上記リレー２３の端子３０の数及び配置に応じた
複数の端子収容室３１が形成されている。その端子収容
室３１は、リレーキャビティ２８の側壁又は隔壁と、上
壁とにより区画形成されており、係止部の一例としての
ランス３２と、上記リレー２３の端子３０に対する端子
挿通孔３３と、バスバー２７に対する第一端子挿通孔３
４とが形成されている。

【００２０ 】ランス３２は、可撓性を有しており、リ
レーキャビティ２８の上記側壁に一体形成されている。
また、ランス３２の先端は、後述する第一端子３８の電
気接触部４０の後端部を係止するために略Ｌ字状に形成
されている。一方、端子挿通孔３３は、リレーキャビテ
ィ２８の上記上壁を貫通するように形成されており、そ
の反対側のコネクタハウジング２９側には、第一端子挿
通孔３４が形成されている。尚、端子挿通孔３３及び第
一端子挿通孔３４近傍の壁面（第一端子挿通孔３４側は
不図示）は、バスバー２７に対するストッパとしての機
能も果たすようになっている。

【００２１ 】コネクタハウジング２９は、カバー２５
の裏面から直交方向に突出するように形成されている。
また、コネクタハウジング２９は、突出先端側が解放さ
れるフード状であって、反対の基端側がリレーキャビテ
ィ２８に連続するように形成されている。そして、その
連続部分（リレーキャビティ２８とコネクタハウジング
２９との境界部分）は、コネクタハウジング２９側が大
きくなるように段付きに形成されている。すなわち、上
記連続部分には、段部３５が形成されており、上記コネ
クタ２４が接続の際に当接するようになっている。ま
た、段部３５は、コネクタハウジング２９の底壁として
機能するようにもなっている。一方、コネクタハウジン
グ２９の一側壁には、ロック手段の一例としてのロック
孔３６が形成されている。そのロック孔３６には、平坦
な係止面３７が形成されている。

【００２２ 】上記バスバー２７は、導電性を有する金
属薄板をプレス加工することにより形成されている。ま
た、バスバー２７の一端には雌型の第一端子３８が、他
端には雄型（タブ状）の第二端子３９が形成されてい
る。尚、中間部分は第一端子３８と第二端子３９との配
置によって適宜、略クランク形状（但し上記連続部分に
対応する位置が段部３５に平行となるような形状）に折
り曲げられている。

【００２３ 】第一端子３８は、端子収容室３１に収容
される部分であって、断面視略山型の電気接触部４０を
有している。その電気接触部４０は、例えば後述する端
子４２の電気接触部５２と同じ形状になるように形成さ
れており、後端部が上記ランス３２の先端に係止される
ようになってる。これに対して電気接触部４０の先端部
は、リレーキャビティ２８の上記上壁に当接するように
なっている。

【００２４ 】第二端子３９は、コネクタハウジング２
９の内部に突出する部分であって、主に第一端子３８の
直下ではなく異なる位置に配置されている。尚、その配
置に関しては、任意であるものとする。

【００２５ 】次に、上記コネクタ２４について説明す
ると、そのコネクタ２４は、合成樹脂製のハウジング４
１と、ハウジング４１内に収容される複数の雌型の端子
４２とを備えて構成されている。ハウジング４１は、コ
ネクタハウジング２９の内部に挿し込まれるような略矩
形ブロック状に形成されている。また、ハウジング４１
には、上記第二端子３９の数及び配置に応じた複数の端
子収容室４３と、ロッキングアーム４４とが形成されて
いる。

【００２６ 】その端子収容室４３は、ハウジング４１
の側壁又は隔壁と、前壁とにより区画形成されており、
上記ランス３２と同様のランス４５と、上記第二端子３
９に対する端子挿通孔４６と、端子４２に対する挿入口
４７とが形成されている。

【００２７ 】ランス４５は、可撓性を有しており、ハ
ウジング４１の上記前壁に一体形成されている。また、
ランス４５の先端は、端子４２の後述する電気接触部５
２の後端部を係止するために略Ｌ字状に形成されてい
る。一方、端子挿通孔４６は、ハウジング４１の上記前
壁を貫通するように形成されている。そして、その反対
側には、挿入口４７が形成されている。尚、端子挿通孔
４６近傍の壁面は、端子４２に対するストッパとしての
機能も果たすようになっている。

【００２８ 】ロッキングアーム４４は、可撓性を有し
ており、ハウジング４１の上記前壁側から後端に向けて
片持ちアーム状に形成されている。また、ロッキングア
ーム４４の中間には、ロック孔３６に係止される爪状突
起のロック４８が一体に形成されている。そのロック４
８はロック手段の一例であって、平坦な係止面４９が形
成されている。尚、その係止面４９の反対側には、テー
パ面５０が形成されている。引用符号５１はロッキング
アーム４４を弾性変形させるための押下部を示してい
る。

【００２９ 】端子４２は、断面視略山型の電気接触部
５２と、これに連成される電線接続部５３とを有してい
る。その電線接続部５３には、図示しないワイヤハーネ
スを構成する複数の電線５４のうちの一の端末が圧着に
よって接続されている。尚、自動機を用いて端子４２を
ハウジング４１に各々挿着し、コネクタ２４を組み付け
ることは容易なことである。

【００３０ 】上記構成において、リレーコネクタ２１
は複合キャビティ２６内にバスバー２７を各々固定する
ことにより組み付けられる。この時、バスバー２７はコ
ネクタハウジング２９側から挿入されて組み付けられ
る。その挿入の最中においては、第一端子３８がランス
３２を一旦撓ませることとなり、挿入が更に進んでラン
ス３２がもとの状態に復元すると、第一端子３８がラン
ス３２によって係止される。これにより、第一端子３８
はランス３２に完全に嵌合した状態でリレーキャビティ
２８内に収容される。また、挿入方向及び抜け方向の移
動が規制される。尚、第二端子３９はコネクタハウジン
グ２９内に突出するように収容される。一方、コネクタ
２４はハウジング４１内に端子４２を既知の手作業又は
自動機により各々収容固定することにより組み付けられ
る。

【００３１ 】コネクタ２４を箱本体２２に接続させる
と、ハウジング４１がコネクタハウジング２９内に挿し
込まれるとともに、端子４２の電気接触部５２内に第二
端子３９が挿し込まれる。そして、ハウジング４１の上
記ロック手段とコネクタハウジング２９の上記ロック手
段とが嵌合しあうとコネクタ２４の接続が完了する。ま
た、リレー２３は、その端子３０が第一端子３８の電気
接触部４０内に挿し込まれて接続が完了する。

【００３２ 】以上、図１及び図２を参照しながら説明
してきたように、リレーキャビティ２８と第一端子３８
とで構成される側にリレー２３が接続され、また、コネ
クタハウジング２９と第二端子３９とで構成される側に
コネクタ２４が接続されるような接続形態を有する電気
接続箱になる。

【００３３ 】これにより、仮に第一端子３８がランス
３２に対して半嵌合の状態にあっても、コネクタ２４の
接続によりバスバー２７が押し込まれて半嵌合の状態が
解消される。また、ワイヤハーネスを例えば車両に組み
付けた後にそのワイヤハーネスに対して本発明の電気接
続箱を接続することも可能になる。さらに、コネクタ２
４による接続であることから、ワイヤハーネスを構成す
る電線５４の端末に設けられた端子４２を一つ一つ電気
接続箱側に挿着する作業が解消される。

【００３４ 】他には、ロック手段が嵌合しあうことに
より、第一端子３８とランス３２との半嵌合の状態の解
消が確認される。さらには、コネクタ２４が段部３５に
当接することにより、第一端子３８とランス３２との半
嵌合の状態の解消が確認される。

【００３５ 】従って、従来用いていた数多くのスペー
サを廃止し部品点数を低減することができる。また、ワ
イヤハーネスを構成する電線５４の端末に設けられた端
子４２を一つ一つ電気接続箱側に挿着する面倒な作業を
廃止することができる。さらに、例えば車両への搭載を
容易にすることができる。

【００３６ 】その他、本発明は本発明の主旨を変えな
い範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。すなわ
ち、上述ではバスバー２７を複合キャビティ２６内に挿
入する構造としていたが、バスバー２７をインサート成
形するような構造に変更しても当然によいものとする。

【００３７ 】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に記載さ
れた本発明によれば、従来用いていたスペーサを廃止す
ることができる。また、ワイヤハーネスを構成する電線
の端末に設けられた端子を一つ一つ電気接続箱側に挿着
する面倒な作業を廃止することができる。さらに、例え
ば車両への搭載を容易にすることができる。従って、コ
スト低減や作業性の向上を図った電気接続箱を提供する
ことができるという効果を奏する。

【００３８ 】請求項２に記載された本発明によれば、
ロック手段が嵌合しあうことにより、第一端子と係止部
との半嵌合の状態が解消されたことを確認することがで
きる。

【００３９ 】請求項３に記載された本発明によれば、
コネクタが段部に当接することにより、第一端子と係止
部との半嵌合の状態が解消されたことを確認することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による電気接続箱の一実施の形態を示す
分解断面図である。

【図２】アッセンブリ状態の断面図である。

【図３】従来例の電気接続箱の外観斜視図である。

【図４】図３の電気接続箱に形成されたリレーキャビテ
ィの斜視図である。

【図５】図３の電気接続箱におけるリレーコネクタの分
解断面図である。

【符号の説明】

２１ リレーコネクタ ２２ 箱本体 ２３ リレー ２４ コネクタ ２５ カバー ２６ 複合キャビティ ２７ バスバー ２８ リレーキャビティ ２９ コネクタハウジング ３２ ランス（係止部） ３５ 段部 ３６ ロック孔（ロック手段） ３８ 第一端子 ３９ 第二端子 ４１ ハウジング ４２ 端子 ４８ ロック（ロック手段） ５４ 電線

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方にリレーに対するリレーキャビティ
   を形成し、前記一方の反対側となる他方にワイヤハーネ
   スに設けられたコネクタに対するコネクタハウジングを
   形成した複合キャビティと、 前記リレーキャビティ内に収容され且つ係止部に係止さ
   れる第一端子と前記コネクタハウジング内に収容される
   第二端子とを有して前記複合キャビティ内に固定される
   複数のバスバーと、 を備えたことを特徴とする電気接続箱。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の電気接続箱において、 前記コネクタハウジングと前記コネクタを構成するハウ
   ジングとに、前記コネクタの接続時において嵌合しあう
   ロック手段を形成したことを特徴とする電気接続箱。
3. 【請求項３】 請求項１又は請求項２に記載の電気接続
   箱において、 前記リレーキャビティと前記コネクタハウジングとの境
   界部分に、前記コネクタを当接させる段部を形成したこ
   とを特徴とする電気接続箱。