JP2002086821A - プラテン及び該プラテンを備えたインクジェット式記録装置 - Google Patents

プラテン及び該プラテンを備えたインクジェット式記録装置

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JP2002086821A
JP2002086821A JP2000284649A JP2000284649A JP2002086821A JP 2002086821 A JP2002086821 A JP 2002086821A JP 2000284649 A JP2000284649 A JP 2000284649A JP 2000284649 A JP2000284649 A JP 2000284649A JP 2002086821 A JP2002086821 A JP 2002086821A
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rib
platen
slot
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ink
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JP2000284649A
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Masatomo Kanemitsu
正智 金光
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク打ち捨て用の溝穴が形成されているプ
ラテン上を印刷用紙が通過する際に、印刷用紙先端が引
っ掛かることなく、また、記録ヘッド部と印刷用紙との
距離を可能な限り一定に維持することのできるプラテン
を提供する。 【解決手段】 プラテン50のプラテン面にはインク打
ち捨て用の溝穴10,11が形成されている。用紙Pは
プラテン面に形成されたリブ7,8,9によって下から
支えられ、記録ヘッド部1との距離を規制される。リブ
8の搬送方向上流側端部は傾斜面に形成されていて、用
紙P先端が引っ掛かることなく通過する。リブ8の搬送
方向下流側端部は直角に形成されていて、且つ、リブ9
の搬送方向上流側端部が傾斜面に形成されている。これ
により、リブ8を離れた用紙P先端が直ちに溝穴11内
に落ち込まず、且つ、落ち込んだ場合でもリブ9の傾斜
面によって直ちに上方に持ち上げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット式
記録装置において、被記録材を下から支えることにより
記録ヘッドに対する被記録材の位置を規定するプラテン
に関する。また、本発明は、該プラテンを備えたインク
ジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式記録装置は、被記録材
としての印刷用紙の記録面と対向する面に、印刷用紙に
向かってインクを吐出する複数のノズル列を有する記録
ヘッドと、印刷用紙を下から支えることにより前記記録
ヘッドに対する印刷用紙の位置を規定するプラテンとを
有している。このプラテンのプラテン面には、複数のリ
ブが主走査方向に一定間隔をもって配設されていて、記
録に際し、印刷用紙は該リブの平坦な頂面に支えられた
状態で前記ノズル列からインクを吐出され、これによっ
て記録が行われる。
【0003】ここで、プラテンには、印刷用紙に余白無
く印刷を行う為に、プラテン面に溝穴が形成される場合
がある。該溝穴を形成せずに印刷用紙に余白無く印刷を
行おうとすると、印刷用紙の端部から外れて打ち捨てら
れたインクがプラテン面に付着し、該インクが印刷用紙
に再付着して印刷用紙を汚すからである。従ってプラテ
ン面に前記溝穴を形成し、該溝穴内部にインクを打ち捨
てることにより、プラテン面のインクによる汚損を防止
する。
【0004】ところで、前記溝穴寸法が副走査方向に対
して大なるものであると、搬送されてきた印刷用紙先端
が溝穴内部に落ち込み、紙ジャムの発生要因となる。ま
た、前記ノズル列に対向した位置で印刷用紙の位置をし
っかりと支えて規定しにくいので、記録ヘッドと印刷用
紙との距離(PG)が定まらず、印字品質の低下を招来
する虞もある。従って、印刷用紙先端が溝穴内部に落ち
込まない様、また、印刷用紙が溝穴部分で凹まないよう
に、印刷用紙の溝穴部分にさしかかっている部分を下か
ら支える様な島部を設けることが望ましい。
【0005】従ってこのような島部を設けると、プラテ
ン面に形成されているリブは、島部より搬送方向上流側
に位置する第1のリブと、島部に位置する第2のリブ
と、島部より搬送方向下流側に位置する第3のリブと、
に分割され、溝穴は、島部から搬送方向上流側に位置す
る第1の溝穴と、島部から搬送方向下流側に位置する第
2の溝穴とに分割される。従って、印刷用紙先端は、搬
送方向下流側に搬送される際、第1のリブ→第1の溝穴
→第2のリブ→第2の溝穴→第3のリブ、の順に通過し
ていく。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このとき、以
下の問題が発生する場合がある。即ち、印刷用紙先端が
第2の溝穴を通過する際、第2のリブの搬送方向下流側
端部から第2の溝穴の上部に突出している部分にインク
が吐出されると、これによって印刷用紙先端の剛性が低
下して、印刷用紙先端が下方に向かって落ち込む現象が
発生する。こうして印刷用紙先端が下方に向かって落ち
込むと、印刷用紙先端が溝穴に入りこんで紙ジャムの原
因となり、また、記録ヘッド部と印刷用紙との距離(P
G)が定まらず、印字品質の低下を招来することにもな
る。加えて、これら問題点は、印刷用紙が連続紙として
のロール紙である場合、その巻き癖によって更に顕著に
発生する傾向がある。
【0007】そこで、本発明は上記問題に鑑みなされた
ものであり、その課題は、インク打ち捨て用の溝穴が形
成されているプラテン上を印刷用紙が通過する際に、印
刷用紙先端が引っ掛かることなく、これにより、記録ヘ
ッド部と印刷用紙との距離を可能な限り一定に維持する
ことのできるプラテン及び該プラテンを備えた記録装置
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願請求項1記載のプラテンは、被記録材に向かっ
てインクを吐出する複数のノズル列を有する記録ヘッド
によって被記録材に記録を行う際に、被記録材を下から
支えることにより前記記録ヘッドに対する被記録材の位
置を規定する、副走査方向に延びるリブが主走査方向に
所定の間隔で前記記録ヘッドと対向する面に形成されて
いるプラテンであって、被記録材端部を余白無く記録す
る為に、被記録材端部から打ち捨てられるインクを導く
為の溝穴が前記記録ヘッドと対向する面に副走査方向に
延びるように形成され、且つ、該溝穴内部には、該溝穴
にさしかかった被記録材を下から支える島部が形成さ
れ、これによって前記リブが該島部から搬送方向上流側
に位置する第1のリブと、前記島部に位置する第2のリ
ブと、前記島部から搬送方向下流側に位置する第3のリ
ブとに分割され、前記溝穴が、前記島部から搬送方向上
流側に位置する第1の溝穴と、前記島部から搬送方向下
流側に位置する第2の溝穴とに分割されるものであり、
前記第2のリブにおける被記録材支え面の搬送方向下流
側終端が、前記第2の溝穴の、搬送方向上流側壁面と同
一又は搬送方向下流側に位置するように前記第2のリブ
が形成され、前記第3のリブにおける搬送方向上流側端
部が、被記録材先端が当接した際の、該当接点における
搬送方向下流側に向かう接線が上向きとなるように前記
第3のリブが形成されていることを特徴とする。
【0009】本発明によれば、プラテンにインク打ち捨
て用の溝穴が形成されていても、被記録材先端が前記溝
穴に入りこみ紙ジャムとならず、また、被記録材先端が
溝穴に落ち込むことによる、記録部と被記録材とのギャ
ップの変化を最小限に抑えることができる。以下、これ
を詳しく説明する。まず、プラテン面には、被記録材に
余白無く印刷する為のインク打ち捨て用の溝穴が形成さ
れていて、更に、被記録材が該溝穴部分で落ち込まない
ように、被記録材の溝穴部分にさしかかっている部分を
下から支える様な島部が設けられている。また、プラテ
ン面には、主走査方向に渡って複数のリブが形成されて
いる。従って前記島部により、プラテン面に形成されて
いるリブは、島部より搬送方向上流側に位置する第1の
リブと、島部に位置する第2のリブと、島部より搬送方
向下流側に位置する第3のリブと、に分割され、溝穴
も、島部から搬送方向上流側に位置する第1の溝穴と、
島部から搬送方向下流側に位置する第2の溝穴とに分割
される。
【0010】このような状態となっているプラテン面を
被記録材先端が通過する際、第2のリブの搬送方向下流
側端部から溝穴の上部に突出している部分にインクが吐
出されると、これによって被記録材先端の剛性が低下し
て、被記録材先端が下方に落ち込み、第3のリブに引っ
掛かり易くなるが、本発明においては第2のリブにおけ
る被記録材支え面の搬送方向下流側終端は、第2の溝穴
の搬送方向上流側壁面と同一又は搬送方向下流側に位置
するように前記第2のリブが形成されているので、被記
録材先端が、第2のリブにおける被記録材支え面の搬送
方向下流側終端を離れてから直ちに第2の溝穴内部に落
ち込むような現象を防ぐことができる。
【0011】ここで、“第2のリブにおける被記録材支
え面”とは、被記録材と記録ヘッドとの距離、即ちペー
パー・ギャップ(以下「PG」と略称する)を一定に維
持できるような面を言い、例えば、記録ヘッド部と平行
なフラット面が、ここでの“被記録材支え面“となる。
【0012】しかし、被記録材先端の、第2のリブにお
ける、被記録材支え面から離れた直後の落ち込みが可能
な限り防止されても、第2の溝穴を通過する際には一定
量下方に落ち込む。しかし、第3のリブにおける搬送方
向上流側端部が、被記録材先端が当接した際の、該当接
点における搬送方向下流側に向かう接線が上向きとなる
ように第3のリブが形成されているので、これによって
落ち込んだ被記録材先端が第3のリブに引っ掛かって第
2の溝穴に更に落ち込むようなこと無く、被記録材先端
は第3のリブに当接した際に直ちに上向きに進むので、
第2の溝穴に落ち込もうとして変化したPGを直ちに復
帰させることが可能となり、以て安定した印字品質を得
ることが可能となる。
【0013】本願請求項2記載のプラテンは、請求項1
において、前記第2のリブにおける搬送方向上流側端部
が、被記録材先端が当接した際の、該当接点における搬
送方向下流側に向かう接線が上向きとなるように前記第
2のリブが形成されていることを特徴とする。本発明に
よれば、被記録材先端が第1のリブを離れ、第1の溝穴
を通過して第2のリブに当接した際に、該当接点におけ
る接線が搬送方向下流側に向かって上昇するように第2
のリブが形成されているので、これによって被記録材先
端が第2のリブに引っ掛かって第1の溝穴に落ち込み、
紙ジャムが発生する不具合を防止することができる。
【0014】本願請求項3記載のプラテンは、請求項1
または2において、前記第2の溝穴の、搬送方向下流側
壁面上部であって且つ隣り合う2つの前記第3のリブの
間が面取り又は丸め加工されていることを特徴とする。
本発明によれば、記録ヘッド部からインクを吐出された
ことによって剛性が低下した被記録材の先端の、幅方向
端部の垂れ下がりによる引っ掛かりを防止することがで
きる。即ち、被記録材は主走査方向に所定の間隔をもっ
て形成されている前記第1乃至第3のリブによって下か
ら支えられている。これは、被記録材がインクを吸収し
たことによって主走査方向に波打つ現象、所謂“コック
リング現象”による、PGの不均一性を軽減させる為で
あり、これによって一定の印字品質が維持される。しか
し、前記第1乃至第3のリブは主走査方向に所定の間隔
を置いて配置されている為、被記録材の幅方向端部にお
いては、該リブが存在していない場合があり、このよう
な場合被記録材の幅方向端部は下方向に垂れ下がること
になる。特に、被記録材先端における幅方向端部、即ち
被記録材の角部がこの様に垂れ下がったまま搬送される
と、第2の溝穴の搬送方向下流側壁面上縁部に引っ掛か
り、円滑な搬送が行われなくなる虞がある。しかし、本
発明によれば、第2の溝穴の搬送方向下流側壁面上縁部
(第3のリブとリブとの間)が面取り又は丸め加工され
ているので、被記録材先端の角部が引っ掛かることな
く、円滑に被記録材先端を通過させることが可能とな
る。
【0015】本願請求項4記載のプラテンは、請求項1
から3のいずれか1項において、前記第1の及び第2の
溝穴内部にインクを吸収するインク吸収材が装填されて
いることを特徴とする。本発明によれば、溝穴内部にイ
ンクを吸収するインク吸収材が装填されているので、溝
穴内にインクが勢いよく打ち捨てられた場合でもインク
ミストを発生させることなく良好な印字品質を得ること
ができる。
【0016】本願請求項5記載のプラテンは、請求項4
において、前記インク吸収材が、前記島部を避け、且つ
外側から前記島部へ弾性力を作用させた状態で前記溝穴
に装填される為の、前記島部寸法よりも小なる寸法のス
リットが形成されている、圧縮変形可能な弾性吸収体か
らなることを特徴とする。本発明によれば、以下のよう
な作用効果を奏することが可能となる。まず、インク吸
収材が圧縮変形可能な弾性吸収体からなっているので、
インク吸収材を、装填先の溝穴の形状の如何に関わら
ず、自在に変形させて、且つ、該変形させた状態で、溝
穴に装填することができる。次に、溝穴に弾性吸収体を
装填する際に島部を避けて装填するためのスリットが形
成されているので、これにより、溝穴内部に島部が形成
されていても、該島部を取り囲む様に複数の小間切れの
インク吸収材としての弾性吸収体を1つ1つ装填する必
要が無く、以てプラテン全体において、インク吸収材の
装填作業を簡易なものとすることができる。
【0017】更に、形成されるスリットは、島部寸法よ
りも小なるように形成されているので、インク吸収材と
しての弾性吸収体は、溝穴内部に島部を避けて装填され
た際、島部を周囲から挟圧するような状態、即ち、弾性
力を作用させた状態で装填される。換言すると、弾性吸
収体は島部に圧着するような状態となるので、これによ
って弾性吸収体がより一層、溝穴内部に確実に装填され
ることとなる。即ち、島部を、弾性吸収体を溝穴内部に
確実に装填させる為の補助部材として利用することがで
きる。
【0018】本願請求項6記載のインクジェット式記録
装置は、請求項1から5のいずれか1項に記載のプラテ
ンを備えていることを特徴とする。本発明によれば、イ
ンクジェット式記録装置において、前述した本願請求項
1から5のいずれか1項に記載の発明と同様な作用効果
を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 [記録部の構成,プラテンの構成及び作用効果]先ず、
本発明に係る「記録装置」としての、インクジェットプ
リンタ(以下「プリンタ」と言う)の記録部の構成及
び、プラテンの構成・作用効果について図1乃至図3を
参照しつつ説明する。図1は本発明に係るプリンタの、
記録部の要部断面図であり、図2はプラテンの平面図で
ある。また、図3(A),(B)は、それぞれ図2にお
けるz−z断面図,w−w断面図である。
【0020】図1において、符号1は記録ヘッド部を示
している。記録ヘッド部1は、図示を省略するキャリッ
ジの底部に設けられていて、同じく図示を省略する駆動
モータによって主走査方向(図1の紙面の表裏方向)に
往復動作するように構成されている。記録ヘッド部1は
プラテン面(プラテン50の上面の総称:以下これを
「プラテン面」と言う)と対向する位置に配置され、プ
ラテン面と対向する面には、インクを吐出するノズルア
レイ2が設けられている。
【0021】「被記録材」としての用紙Pは、搬送方向
上流側(図1における右側)から図示を省略する給紙装
置によって給送されてきて、搬送駆動ローラ3及び搬送
従動ローラ4に到達する。搬送駆動ローラ3は図示を省
略する駆動モータによって回動し、駆動源を有しない搬
送従動ローラ4は、搬送駆動ローラ3に圧接することに
よって従動回動する。従って、用紙Pは搬送駆動ローラ
3と搬送従動ローラ4とに挟圧され、搬送駆動ローラ4
の回動によって記録ヘッド部1の下部、即ちプラテン面
に送られる。
【0022】用紙Pが搬送されるプラテン面には、用紙
Pの記録面とノズルアレイ2との距離(ペーパーギャッ
プ:以下「PG」と言う)を規定する、「第1のリブ」
としてのリブ7,「第2のリブ」としてのリブ8,「第
3のリブ」としてのリブ9が形成されていて、記録ヘッ
ド部1の下部に搬送された用紙Pは、該リブ7,8,9
によってPGを調整された状態(下から支えられた状
態)で、ノズルアレイ2からインクを吐出され、これに
よって記録が行われる。
【0023】尚、PGを確実に一定に保つ為、より具体
的には、用紙Pがリブ7,8,9の頂面、即ち用紙Pの
支え面から浮かない様にする為に、搬送駆動ローラ3と
搬送従動ローラ4とのニップ点をやや搬送方向下流側に
位置する様に設定し、これによって用紙Pをリブ7,
8,9の頂面に押し付けるように搬送駆動ローラ3及び
搬送従動ローラ4が配設されている。また、同様な効果
を得る為、記録ヘッド部1から更に搬送方向下流側に位
置して、用紙Pの排出を行う排紙ローラ5及び排紙従動
ローラ6とのニップ点も、やや搬送方向上流側に位置す
る様に排紙ローラ5及び排紙従動ローラ6が配設されて
いる。
【0024】次に、プラテン50の構成をより詳しく説
明する。図2に示す様に、プラテン50は主走査方向に
延びる様な略長方形状をなしていて、プラテン面には前
述したリブ7,8,9がそれぞれ搬送方向上流から下流
に向かって連なる様に、且つ、それぞれが主走査方向に
一定間隔をおいて形成されている。
【0025】ここで、全てのリブ7は、プラテン50本
体から搬送方向上流側(図2における上側)に若干突出
するように、更に、リブ9の一部のものは、搬送方向下
流側(図2における下側)に大きく突出するように形成
されている。リブ9において搬送方向下流側に大きく突
出しているものは、その突出している突端部9aが排紙
ローラ軸5aを軸支する軸受部としての役割を果たす。
即ち、図1において示した様に、当該突端部9aと、同
様にプラテン50本体から搬送方向下流側に向かって突
出する様に形成される軸受下部12によって、排紙ロー
ラ軸5aが軸支される様になっている。そして、排紙ロ
ーラ軸5aには排紙ローラ5が、排紙ローラ5の上部に
は排紙従動ローラ6が配設され、用紙Pは該排紙ローラ
5及び排紙従動ローラ6との間に挟まれて排出される。
【0026】プラテン50のプラテン面には、主走査方
向に延びるような溝穴が形成され、該溝穴に島部が形成
されることによって、図2に示す様な形状の溝穴(符号
10,11及び13〜17で示す)及び、島部(符号1
8a〜18dで示す)が形成されている。尚、実際に
は、本実施形態においてはプラテン50は樹脂成形(例
えば、ABS樹脂)によって一体成形されている。
【0027】溝穴10,11の形状は、平面視において
主走査方向に延びるようになっていて、断面視において
は、図1に示す様に記録ヘッド部1から所定の深さを有
する様に形成されている。尚、図1は、図2におけるx
−x断面図である。また、溝穴13〜17の形状は略方
形となっていて、断面視においては、図3(A),
(B)に示す様に、溝穴10,11と同じく記録ヘッド
部1から所定の深さを有する様に形成されている。尚、
図3(A)は溝穴14の断面を、図3(B)は、溝穴1
7の断面を示すものである。
【0028】次に、図4乃至図7を参照しつつ、溝穴1
0,11及び13〜17の作用効果について説明する。
ここで、図4及び図6は記録部の要部平面図であり、図
5及び図7は記録部の要部断面図である。尚、図4及び
図6においては、図面の左右方向が主走査方向であり、
また、図の上側が搬送方向上流側、図の下側が搬送方向
下流側となっていて、用紙Pは、図の上から下に向かっ
て搬送されるようになっている。
【0029】溝穴10,11及び13〜17は、用紙P
に余白無く印刷する為のインク打ち切り用の溝穴であ
り、ノズルアレイ2から吐出されたインクは該溝穴に打
ち捨てられる。先ず、用紙P始端の印刷においては、図
4及び図5に示す様に、用紙Pの始端が搬送方向下流側
に位置する溝穴11の上部にさしかかったとき、ノズル
アレイ2の一部2bのみを駆動して、用紙Pにインクを
吐出する。これにより、用紙P始端に着弾しなかったイ
ンクが溝穴11内に打ち捨てられ、従ってプラテン面が
インクで汚損されることが無い。また、用紙Pの幅方向
端部においては、溝穴13〜17が当該役割を果たす
(図4及び図6において仮想線で示した用紙Pのサイズ
では、溝穴13及び溝穴17が当該役割を果たす)。一
方、用紙Pの終端においては、図6及び図7に示す様
に、用紙P終端が搬送方向上流側に位置する溝穴10の
上部にさしかかったとき、ノズルアレイ2の一部2aの
みを駆動して、用紙Pにインクを吐出する。これによ
り、用紙P終端に着弾しなかったインクが溝穴10内に
打ち捨てられ、従ってプラテン面がインクで汚損される
ことが無い。
【0030】ところで、図2に戻って、溝穴13〜17
には、挿通穴13a,14a,16a,17aがそれぞ
れ形成されている。以下、これを挿通穴14aを例とし
て説明するが、他の挿通穴も同様なものである。溝穴1
4の断面を示す図3(A)において、挿通穴14aは、
プラテン面からプラテン50の下面にまで挿通する様に
形成されていて、この点において溝穴14は溝穴10,
11とその機能を異にしている。即ち、挿通穴14a
は、溝穴10,11(及び溝穴13〜17)に打ち捨て
られたインクが一定以上溜まって溢れ出ない様にするた
めに、打ち捨てられたインクをプラテン50の下部へ排
出する為の排出口の機能を果たすものである。尚、溝穴
10〜17には、後述するインク吸収材が装填され、実
際には、打ち捨てられたインクは一旦当該インク吸収材
によって吸収された後、挿通穴14a(及び13a,1
6a,17a)からプラテン50の下方へ排出される。
【0031】次に、図8乃至図11を参照しつつ、リブ
7,8,9の形状及び作用効果について説明する。図8
乃至図11は記録部の要部断面図であり、用紙Pの搬送
状態を示すものである。尚、プラテン50は、図2に示
すy−y線で切断した断面を示している。図8は、用紙
Pの先端がリブ7に到達した状態を示している。リブ7
は、用紙Pの先端がリブ7に到達した際に引っ掛からな
い様、その搬送方向上流側端部が緩やかな斜面状(符号
7aで示す)に形成されている。従って、用紙P先端が
図8に示す破線の状態で斜面7aと当接しても、該斜面
7aによって滑らかにリブ7の頂面に形成された「被記
録材支え面」としての平坦面7bに導かれる。
【0032】図9は、用紙Pの先端がリブ8に到達した
状態を示している。リブ8は、用紙Pの先端がリブ8に
到達した際に引っ掛からない様、その搬送方向上流側端
部がリブ7と同様に緩やかな斜面状(符号8aで示す)
に形成されている。従って、用紙P先端が図9に示す破
線の状態で斜面8aと当接しても、該斜面8aによって
滑らかにリブ8の頂面に形成された「被記録材支え面」
としての平坦面8bに導かれる。
【0033】図10は、用紙Pの先端がリブ9に到達し
た状態を示している。リブ9は、用紙Pの先端がリブ9
に到達した際に引っ掛からない様、その搬送方向上流側
端部がリブ7,8と同様に緩やかな斜面状(符号9bで
示す)に形成されている。従って、用紙P先端が図10
に示す破線の状態で斜面9bと当接しても、該斜面9b
によって滑らかに搬送方向下流側に導かれる。
【0034】ここで、リブ8とリブ9は互いに連係し、
用紙Pに1つの作用効果をもたらしている。以下これを
説明すると、まず、用紙P先端がリブ8を通過する際
に、リブ8の搬送方向下流側端部から溝穴の上部に突出
している部分にノズルアレイ2からインクが吐出される
と、これによって用紙P先端の剛性が低下して、用紙P
先端が溝穴11に向かって落ち込むが、本発明において
はリブ8における平坦面8bの搬送方向下流側終端8c
は、搬送方向に対し、溝穴11の搬送方向上流側壁面1
1aと同一の位置になる様にリブ8が形成されているの
で、用紙P先端の、平坦面8bを離れてからの溝穴11
内への落ち込みを可能な限り抑えている。尚、平坦面8
bを離れてから溝穴11内に落ち込み易いリブ8の形状
を、一例として図11に示す。図11に示す様に、リブ
8の平坦面8bの搬送方向下流側終端は、丸め加工部8
dによって壁面11aよりも搬送方向上流側に位置して
いる。従って、平坦面8bの終端から離れた用紙Pの先
端は、直ちに溝穴11内に向かって落ち込むようにな
る。これとは逆に、平坦面8bの搬送方向下流側終端
が、壁面11aよりも搬送方向下流側に位置するように
リブ8が形成されている場合は、用紙P先端の、平坦面
8bを離れてからの溝穴11内への落ち込みをより一層
抑えることができる。
【0035】一方で、用紙P先端が平坦面8bから離れ
た直後の、溝穴11への落ち込みが可能な限り防止され
ても、それでもなお用紙P先端は溝穴11を通過する
為、溝穴11内部に落ち込もうとする。しかし、リブ9
の搬送方向上流側端部が、用紙P先端が当接した際の、
該当接点における搬送方向下流側に向かう接線が上向き
となるようにリブ9が形成されているので、これによっ
て落ち込んだ用紙P先端がリブ9に引っ掛かって溝穴1
1に更に落ち込むようなことも無く、加えて、用紙P先
端はリブ9に当接した際に直ちに上向きに進むので、溝
穴11に落ち込もうとして変化したPGを直ちに復帰さ
せることが可能となり、以て安定した印字品質を得るこ
とが可能となっている。
【0036】ところで、用紙P先端の幅方向端部におい
ては、溝穴11の搬送方向下流側壁面の上縁部への引っ
掛かりが発生する虞があるが、本実施形態においては溝
穴11の搬送方向下流側壁面の上縁部が丸め加工されて
いて、これによって前記引っ掛かりを防止している。こ
れを、図2及び図3(A)において符号23で示す。即
ち、図2において、リブ7,8,9は主走査方向におい
て一定間隔で配置されている為、用紙Pの幅方向端部
は、必ずしも該リブ7,8,9によって下から支えられ
るとは限らず、場合によっては隣接するリブとの間に位
置することとなる。この様な場合、用紙Pにインクが吐
出され、用紙Pの剛性が低下すると、用紙Pの幅方向端
部は下方に垂れ下がり、これによって用紙P先端の幅方
向端部が溝穴11の搬送方向下流側壁面の上縁部23に
引っ掛かり円滑な搬送を阻害するが、該上縁部23は丸
め加工されているため、このような問題を回避すること
ができる。
【0037】[インク吸収材の構成および作用効果]次
に、前述した溝穴10〜17に装填されるインク吸収材
について、図12及び図13を参照しつつ、適宜図2を
も参照しながら説明する。ここで、図12はインク吸収
材19の要部平面図であり、図13はインク吸収材を装
填したプラテン50の要部平面図である。
【0038】図2において示した溝穴10,11及び1
3〜17内にはインク吸収材19が装填される。インク
吸収材19は、溝穴10,11及び13〜17内に装填
され、ノズルアレイ2(図1参照)からインクが勢いよ
く打ち捨てられた際に該インクを吸収して、所謂インク
ミストの発生による印字品質の低下を防止する。尚、本
実施形態においては、インク吸収材19は、「弾性吸収
体」としてのスポンジ材が用いられているが、弾性変形
可能であって且つインクが打ち捨てられる際にインクを
柔軟に受け止め、インクミストを発生させないものであ
ればどのようなものでも構わない。
【0039】溝穴10,11及び13〜17は、図2に
おいて示した様に全体として複雑な形状となっている。
即ち、インク吸収材19を装填すべき空間として、単純
形状の、且つ、1つの弾性吸収体によって溝穴10,1
1及び13〜17内を充填することは通常不可能であ
り、小間切れに切断したインク吸収材19を複数用い、
溝穴10,11及び13〜17に1つ1つ装填していく
方法が一般的に考え得るが、本発明によれば、インク吸
収材19は、1つのスポンジ材によって形成されてい
る。これを、図12に基づいて説明する。図12(A)
に示すように、スポンジ材19は、平面視において溝穴
10,11及び13〜17の外側輪郭形状に沿うような
輪郭形状をなしていて、図12(A)に示す突起状部1
5a,16a,17aは、それぞれ図2に示した溝穴1
5,16,17に嵌る様な形状となっている。そして、
島部18a〜18dは、図12において符号20,21
で示すような「スリット」としての切り込みによって回
避されるようになっている。つまり、図12(B)に示
す様に、切り込み20,21が外側に拡げられて空間部
が形成され、切り込み20には島部18dが、切り込み
21には島部18cが嵌るようになっている。このよう
な切り込みを形成することによって島部18a〜18d
を回避し、以て1つの弾性吸収体によって溝穴10〜1
7を充填することが可能となり、インク吸収材19の溝
穴内部への装填作業が容易なものとなっている。
【0040】ここで、島部18a〜18dを回避する為
のスリットは、本実施形態の様な単純切り込み形状では
無く、島部18a〜18dの輪郭形状に沿うようなスリ
ットであっても良いが、その場合、各スリットの寸法は
各島部の寸法よりも小なるように形成する。即ち、島部
寸法よりも小なる寸法のスリットとすることで、インク
吸収材19が溝穴内に装填された際に、島部がインク吸
収材19によって外側から弾性力を受けた状態とする。
換言すると、これによりインク吸収材19が島部18a
〜18dに圧着し、従ってインク吸収材19を溝穴内部
に確実に保持することができる。尚、図13に示した様
に、溝穴13〜17内には、インク吸収材19をより確
実に溝穴内部に保持しておく為の突起部22が適宜形成
されている。また、本実施形態においては、スリットを
本実施形態の如く単純な切り込み形状とすることで、イ
ンク吸収材19へのスリット形成コストを抑えていると
共に、より強固に島部18a〜18dにインク吸収材を
圧着させ、溝穴内部での保持力を高めている。
【0041】ところで、インク吸収材19の輪郭形状を
溝穴10,11及び13〜17の外側輪郭形状と不一致
とすることで、インク吸収材19によるインク吸収率を
変化させることができる。即ち、インク吸収材19は、
弾性変形可能な弾性吸収体(本実施形態においてはスポ
ンジ材)によって形成されているので、溝穴毎にその圧
縮変形率を変化させることができ、従ってそれぞれの溝
穴において最も最適なインク吸収率とすることができ
る。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、被
記録材に余白無く印刷する為のインク打ち切り用溝穴が
形成され、該溝穴内に被記録材支え用の島部が形成され
たプラテンにおいて、プラテン面に形成されるリブの形
状を、被記録材先端の前記溝穴内部への落ち込みを抑
え、且つ、引っ掛かりを防止するような形状としたの
で、被記録材をスムーズに通過させ、また、記録ヘッド
部と被記録材との距離を一定範囲に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリンタの、記録部の要部断面図
である。
【図2】本発明に係るプラテンの平面図である。
【図3】(A)は図2におけるz−z断面図、(B)は
同w−w断面図である。
【図4】記録部の要部平面図である。
【図5】記録部の要部断面図である。
【図6】記録部の要部平面図である
【図7】記録部の要部断面図である。
【図8】記録部の要部断面図である。
【図9】記録部の要部断面図である。
【図10】記録部の要部断面図である。
【図11】記録部の要部断面図である。
【図12】インク吸収材の要部平面図である。
【図13】プラテンの要部平面図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 ノズルアレイ 3 搬送駆動ローラ 4 搬送従動ローラ 5 排紙ローラ 6 排紙従動ローラ 7 リブ(第1のリブ) 8 リブ(第2のリブ) 9 リブ(第3のリブ) 10,11 溝穴 12 軸受部 13〜17 溝穴 18a〜18d 島部 19 インク吸収材 20,21 切り込み 22 突起部 50 プラテン P 印刷用紙

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録材に向かってインクを吐出する複
    数のノズル列を有する記録ヘッドによって被記録材に記
    録を行う際に、被記録材を下から支えることにより前記
    記録ヘッドに対する被記録材の位置を規定する、副走査
    方向に延びるリブが主走査方向に所定の間隔で前記記録
    ヘッドと対向する面に形成されているプラテンであっ
    て、 被記録材端部を余白無く記録する為に、被記録材端部か
    ら打ち捨てられるインクを導く為の溝穴が前記記録ヘッ
    ドと対向する面に副走査方向に延びるように形成され、
    且つ、該溝穴内部には、該溝穴にさしかかった被記録材
    を下から支える島部が形成され、これによって前記リブ
    が該島部から搬送方向上流側に位置する第1のリブと、
    前記島部に位置する第2のリブと、前記島部から搬送方
    向下流側に位置する第3のリブとに分割され、前記溝穴
    が、前記島部から搬送方向上流側に位置する第1の溝穴
    と、前記島部から搬送方向下流側に位置する第2の溝穴
    とに分割されるものであり、 前記第2のリブにおける被記録材支え面の搬送方向下流
    側終端が、前記第2の溝穴の、搬送方向上流側壁面と同
    一又は搬送方向下流側に位置するように前記第2のリブ
    が形成され、 前記第3のリブにおける搬送方向上流側端部が、被記録
    材先端が当接した際の、該当接点における搬送方向下流
    側に向かう接線が上向きとなるように前記第3のリブが
    形成されている、ことを特徴とするプラテン。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第2のリブにお
    ける搬送方向上流側端部が、被記録材先端が当接した際
    の、該当接点における搬送方向下流側に向かう接線が上
    向きとなるように前記第2のリブが形成されている、こ
    とを特徴とするプラテン。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記第2の
    溝穴の、搬送方向下流側壁面上部であって且つ隣り合う
    2つの前記第3のリブの間が面取り又は丸め加工されて
    いる、ことを特徴とするプラテン。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項におい
    て、前記第1の及び第2の溝穴内部にインクを吸収する
    インク吸収材が装填されている、ことを特徴とするプラ
    テン。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記インク吸収材
    が、前記島部を避け、且つ外側から前記島部へ弾性力を
    作用させた状態で前記溝穴に装填される為の、前記島部
    寸法よりも小なる寸法のスリットが形成されている、圧
    縮変形可能な弾性吸収体からなる、ことを特徴とするプ
    ラテン。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項に記載の
    プラテンを備えていることを特徴とするインクジェット
    式記録装置。
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