JP2002081494A - 車両用制振装置 - Google Patents

車両用制振装置

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JP2002081494A
JP2002081494A JP2000273126A JP2000273126A JP2002081494A JP 2002081494 A JP2002081494 A JP 2002081494A JP 2000273126 A JP2000273126 A JP 2000273126A JP 2000273126 A JP2000273126 A JP 2000273126A JP 2002081494 A JP2002081494 A JP 2002081494A
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vibration
mass member
mass
vibration damping
damping device
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JP2000273126A
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Rentaro Kato
錬太郎 加藤
Koichi Maeda
光一 前田
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動部材に対してマス部材を微小変位可能に
配設して、マス部材の振動部材に対する直接的且つ弾性
的な当接作用に基づいて、振動部材に対する制振効果を
発揮する車両用制振装置において、マス部材の振動部材
に対する鉛直方向での当接状態を安定化させること。 【解決手段】 マス部材28の重心を、球状乃至は円筒
状とされたマス部材28の当接面30の幾何中心31に
対して径方向に偏倚せしめた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、車両の振動部材に装着されて振
動部材の振動を低減する車両用制振装置に係り、例え
ば、自動車のサスペンション部材やサブフレーム,ボデ
−パネル,エンジンユニット,マウントブラケット,排
気系部材等の振動部材に適用されることにより有効な制
振効果を発揮し得る、新規な構造の車両用制振装置に関
するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、自動車等の車両において問題と
なる振動を低減する手法としては、振動部材にマス材
を固設するマスダンパや、振動部材にバネ材を介して
マス材を連結支持せしめるダイナミックダンパ、更に、
振動部材の表面にシート状弾性材を貼着した制振材
が、知られている。ところが、上記マスダンパとダ
イナミックダンパは、何れも、大きなマス材の質量が必
要になることに加えて、有効な制振効果の発揮される周
波数域が狭いという問題があった。また、上記制振材
は、広い貼着面積が必要になると共に、重量が嵩むとい
う問題があった。更に、上記ダイナミックダンパと
制振材は、制振効果の温度依存性が高いために、目的と
する制振効果を安定して得ることが難しいという問題も
あったのである。
【0003】そこで、本出願人は、先に、国際公開WO
00/14429号公報において、振動部材に固定され
るハウジングに対して、隙間を隔てて非接着で相対変位
可能に独立マス部材を配設せしめて、振動入力時に、か
かる独立マス部材を、ハウジングに対して弾性的な当接
面で当接させることにより、当接時における滑り摩擦と
衝突によるエネルギ損失を利用して制振効果を得るよう
にした、新規な構造の車両用制振装置を提案した。この
ような構造の車両用制振装置においては、小さなマス質
量により、広い周波数域に亘る振動に対して有効な制振
効果を得ることが出来るのである。
【0004】ところが、本発明者等が更なる研究を重ね
たところ、かかる国際公開WO00/14429号公報
に記載された車両用制振装置においては、ハウジング内
に独立マス部材が自由変位可能に収容配置されているこ
とから、例えば球状や円筒状の外周面を備えた独立マス
部材を採用すると、振動入力時に独立マス部材が自由に
回転変位してハウジング内で複雑に動くために独立マス
部材の姿勢やハウジングへの当接状態が安定し難くなる
傾向のあることが、認められた。それ故、例えば鉛直方
向の振動に対して防振効果が要求される場合でも、振動
入力時に独立マス部材が傾斜方向や左右方向に変位して
ハウジングに当接することによって、鉛直方向での当接
が安定して生ぜしめられ難く、そのために、目的とする
鉛直方向の振動に対して有効な制振効果が安定して発揮
され難くなるおそれがあったのである。
【0005】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、防振効果が要求される振動方向での当接状
態が安定化されて、目的とする制振効果が安定して発揮
される、新規な構造の車両用制振装置を提供することに
ある。
【0006】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の
組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至
は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることな
く、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの
記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づ
いて認識されるものであることが理解されるべきであ
る。
【0007】すなわち、本発明の第一の態様は、振動部
材に対して、マス部材を非接着で独立変位可能に配設し
て、該マス部材を球状乃至は円筒状の当接面で該振動部
材に対向位置せしめることにより、振動入力時に該マス
部材が該振動部材に対して少なくとも略鉛直方向で直接
的且つ弾性的に当接されるようにした車両用制振装置に
おいて、前記当接面を含む断面内で、前記マス部材の重
心を該当接面の幾何中心から径方向に偏倚させたこと
を、特徴とする。
【0008】このような本態様に従う構造とされた車両
用制振装置においては、マス部材の重心が、マス部材の
当接面の幾何中心から径方向に偏倚せしめられているこ
とから、マス部材に作用する重力を利用して、マス部材
を安定した状態で配設することが可能となる。即ち、振
動が入力されていない初期状態では、重力の作用によっ
て、マス部材の当接面の幾何中心に対して重心が鉛直下
方に位置する状態で、マス部材が振動部材に対向位置し
て配設されることとなる。また、振動部材に振動が及ぼ
されてマス部材が飛び跳ね変位せしめられた場合でも、
マス部材に及ぼされる重力の合力が重心を通るように及
ぼされることから、マス部材の回転変位が抑えられて、
マス部材の変位状態、即ち振動部材に対する鉛直方向で
の打ち当り状態が安定化する。しかも、振動部材の振動
が収束すると、マス部材の偏倚した重心を通る鉛直方向
に合力として及ぼされる重力の作用によって、マス部材
が初期の配設状態に復帰して、安定した状態で配設され
ることとなる。
【0009】従って、このような車両用制振機において
は、重力の作用を巧く利用してマス部材の配設状態を安
定化させることが出来るのであり、特に鉛直方向におい
て、マス部材の振動部材への打ち当り状態も安定化せし
められることから、マス部材の振動部材への当接作用に
基づく目的とする制振効果が、より安定して発揮され得
るのである。
【0010】また、かかる車両用制振装置においては、
マス部材の当接面が球状乃至は円筒状とされていること
により、マス部材の飛び跳ね変位に際しての振動部材に
対する摺接面積が小さくされて、引掛り的な変位抵抗も
軽減されることから、振動入力時にマス部材が効率的に
飛び跳ね変位せしめられるのであり、以て、マス部材の
振動部材に対する打ち当たり(当接)に基づく制振効果
がより効果的に発揮され得るのである。
【0011】なお、一つの振動部材に対してマス部材は
少なくとも一つ配設されていれば良く、同一のマス部材
を複数個配設する他、大きさや質量,形状等が互いに異
なる複数個のマス部材を、一つの振動部材に配設するこ
とも可能である。
【0012】また、本発明の第二の態様は、前記第一の
態様に従う構造とされた車両用制振装置において、前記
マス部材に対して、その当接面の幾何中心回りにおい
て、該マス部材の主たる形成材と比重が異なる重心調節
部材を周方向で偏倚して固着せしめたことを、特徴とす
る。このような本態様に従う構造とされた車両用制振装
置においては、マス部材の重心を、マス部材の当接面の
幾何中心から径方向に容易に偏倚させることが出来る。
なお、かかる重心調節部材としては、例えば、マス部材
の主たる形成材をゴム弾性体やエラストマ等の弾性材と
した場合に、鉄鋼の如き金属材等からなる高比重材が好
適に採用され得、かかる高比重材の重心が、マス部材の
幾何中心に対して偏倚する状態で、マス部材を構成する
弾性材の内部に高比重材を埋設固着することなどによっ
て、マス部材が有利に構成され得る。
【0013】また、本発明の第三の態様は、前記第一又
は第二の態様に従う構造とされた車両用制振装置におい
て、前記マス部材における前記当接面の幾何中心回りの
肉厚寸法を、周方向で異ならせたことを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた車両用制振装置に
おいては、マス部材の重心を容易にマス部材の当接面の
幾何中心から径方向に偏倚させることが出来るのであ
り、特に、マス部材を構成する主たる形成材の他に別部
材を用いることなく、重心が偏心位置せしめられたマス
部材を得ることが可能となるのである。
【0014】また、本発明の第四の態様は、前記第一乃
至第三の何れかの態様に従う構造とされた車両用制振装
置において、前記振動部材をロッド形状とする一方、前
記マス部材を筒状乃至は環状として、該マス部材を該振
動部材に外挿することにより、該マス部材の内周面によ
って該振動部材に対する円筒状の当接面を形成したこと
を、特徴とする。このような本態様に従う構造とされた
車両用制振装置は、マス部材の当接部位を、振動部材に
対して、簡単な構造で容易に形成することが可能とな
る。特に、本態様は、防振すべき振動部材そのものがロ
ッド形状とされている場合において有利に採用され得る
こととなり、マス部材を収容せしめるハウジング等を形
成する場合に比して、目的とする制振装置が、簡単な構
造で実現可能となる。なお、振動部材は、中実形状であ
っても良いし、中空形状であっても良い。また、振動部
材の外形断面形状は、特に限定されるものではなく、例
えば、円形や楕円形、多角形等であっても良い。更に、
マス部材の振動部材に対する軸方向の相対変位を制限乃
至は防止するためのストッパ機構を、振動部材側に設け
ることも可能である。
【0015】また、本発明の第五の態様は、前記第四の
態様に従う構造とされた車両用制振装置において、前記
振動部材を、振動部材本体と、該振動部材本体から延び
出して固設された制振ロッドを含んで形成して、該制振
ロッドに対して、前記マス部材を外挿せしめたことを、
特徴とする。このような本態様に従う構造とされた車両
用制振装置は、マス部材を、防振対象である振動部材本
体に対して直接に装着することなく、振動部材本体に固
設された制振ロッドに対して装着することが出来るので
あり、それ故、振動部材本体がロッド形状以外、例え
ば、パネル形状等とされている場合においても、マス部
材を外挿装着することが出来ると共に、振動部材本体に
対するマス部材の装着位置や装着構造の設計自由度が大
幅に向上され得る。
【0016】また、本発明の第六の態様は、前記第五の
態様に従う構造とされた車両用制振装置において、前記
振動部材本体が自動車の内燃機関の排気管であること
を、特徴とする。このような本態様においては、マス部
材が排気管に対して直接に装着されることなく、排気管
から突設された制振ロッドに外挿装着されることから、
マス部材や、マス部材の当接部位に配設される弾性材等
に対する排気管の熱の影響が軽減乃至は回避され得るの
であり、それによって、制振特性の安定化や耐久性の向
上などが図られ得る。
【0017】また、本発明の第七の態様は、前記第一乃
至第三の態様に従う構造とされた車両用制振装置におい
て、前記振動部材に対して一体乃至は別体に形成されて
防振すべき振動が入力される剛性のハウジングを、該振
動部材に固設せしめて、該ハウジングによって収容空間
を形成し、該収容空間に前記マス部材を収容配置せしめ
ることにより、該マス部材の外周面によって該ハウジン
グに対する球状乃至は円筒状の当接面を形成したこと
を、特徴とする。このような本態様に従う構造とされた
車両用制振装置は、ハウジングを採用したことにより、
振動部材の形状に拘わらず、例えばロッド形状以外の振
動部材に対しても、有利に採用され得る。なお、ハウジ
ングの内面の形状は、マス部材の外周面よりも一回り大
きな、マス部材の外周面に対応した球形状や円筒状が好
適に採用されるが、その他、防振すべき振動入力方向で
マス部材の微小変位によるハウジングへの当接を許容し
得るものであれば良く、例えば矩形形状等も採用可能で
ある。また、一つのハウジング内に複数のマス部材を、
相互に弾性的に連結して、或いは相互に独立して収容配
置することも可能である。
【0018】また、本発明においては、マス部材の材質
は特に限定されるものでなく、要求される防振特性が発
揮されるように、マス部材の質量や反撥弾性等を考慮し
て、ゴム弾性体やエラストマ、或いはそれらの発泡体等
の弾性材で形成する他、鉄鋼やアルミニウムなどの金属
材や合成樹脂等の硬質材、或いはそれらの複合材で形成
することも可能である。更に、マス部材を金属材で形成
する場合には、マス部材における当接面とマス部材が当
接せしめられる振動部材における当接面の少なくとも一
方に対して、弾性材からなる当接層を被着形成した構造
が好適に採用される。
【0019】さらに、本発明において、マス部材と振動
部材を弾性的に当接せしめるための弾性材、即ちマス部
材と振動部材の少なくとも一方の当接面を構成する弾性
材の材質としては、ゴム弾性体や合成樹脂などが好適に
採用される。更に、かかる当接面を構成する弾性材は、
当接音の軽減と制振効果を有利に得るために、ASTM
規格D2240のショアD硬さが、好ましくは80以
下、より好ましくは20〜40に設定される。更に、マ
ス部材と振動部材の当接面は、打音の低減と制振効果の
向上のために、圧縮弾性率が、好ましくは1〜104
Pa、より好ましくは1〜103 MPaで、損失正接
(tanδ)が、好ましくは10-3以上、より好ましく
は0.01〜10とされる。
【0020】また、本発明においては、マス部材におけ
る単体の質量を10〜1000gに設定することが望ま
しく、より好適には50〜500gに設定される。即
ち、マス部材単体の質量を1000g以下、より好まし
くは500g以下とすることにより、振動入力時におけ
るマス部材の飛び跳ね変位が容易乃至は効率的に生ぜし
められることとなり、10g以上、より好ましくは50
g以上とすることにより、マス部材の振動部材に対する
当接に基づいてより有効な制振効果を得ることが出来
る。
【0021】さらに、本発明においては、マス部材と振
動部材の当接面間における最大隙間寸法(マス部材の往
復可動距離)は、有効な制振効果を得るために、好まし
くは0.2〜1.6mm、より好ましくは0.2〜1.
0mmとされる。
【0022】また、本発明においては、マス部材の質量
は、振動部材の質量の5〜10%となるように設定され
ることが望ましい。蓋し、かかるマス部材の質量が振動
部材の質量の5%に満たないと有効な制振効果を得るこ
とが難しい場合があり、一方、10%を超えると装置全
体の重量化が問題となるからである。なお、複数個の制
振装置を振動部材に装着する場合には、全てのマス部材
の合計質量が、振動部材の質量の5〜10%となるよう
に設定することが望ましい。
【0023】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の実施形態について、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
【0024】先ず、図1には、本発明の第一の実施形態
としての制振装置10を備えた、振動部材本体としての
自動車用の排気管12が、概略的に示されており、図
2,3には、その要部を拡大した横断面図および縦断面
図が示されている。なお、以下の説明において、上下方
向とは、鉛直方向となる図1〜3中の上下方向をいうも
のとする。
【0025】排気管12は、中空の円筒形状を有してお
り、排気管12の軸方向一方の端部が自動車のエンジン
14に接続されていると共に、他方の端部がマフラ16
に接続されている。そして、この排気管12の長手方向
の中間部分に対して、外周面上(図中、上方)に突出す
る状態で制振装置10が装着されている。なお、制振装
置10の装着位置は、防振しようとする振動に関して、
振動モードの腹となる位置に設定することが望ましく、
本実施形態では、排気管12の二次の振動モードにおい
てそれぞれ腹となる二つの位置に制振装置10,10が
装着されている。
【0026】また、これらの各制振装置10は、図2及
び図3に拡大詳細図が示されているように、排気管12
から突出して固着された制振ロッドとしてのマス保持金
具18と、該マス保持金具18によって吊り下げ状態で
支持されたマス部材28を含んで構成されている。
【0027】マス保持金具18は、中実円形断面でスト
レートに延びるロッド部20を有しており、このロッド
部20の軸方向一方の端部(図3中、左端部)に対し
て、略直角に屈曲して下方に延び出す脚部22が固設さ
れている。脚部22は、上下方向に延びる矩形の長手板
形状とされており、その上端部がロッド部20に対して
一体的に連結されていると共に、その下端部には、ロッ
ド部20と反対側に突出して略直角に延び出す固定部2
6が一体形成されている。なお、固定部26は、排気管
12の外周面に沿って幅方向(図2中、左右方向)に湾
曲した円弧板形状とされている。要するに、マス保持金
具18は、ロッド部20と脚部22および固定部26を
含んで全体として一体的なクランク形状とされており、
例えばプレス加工等によって一体成形されているのであ
る。
【0028】そして、マス保持金具18は、固定部26
の下面が排気管12の外周面に重ね合わせられて、該固
定部26が排気管12に溶着固定されることによって、
排気管12から外方に突出して固着されている。また、
かかる固定状態下において、ロッド部20が、排気管1
2に対して略平行とされて、略水平方向に延びるように
されている。
【0029】一方、マス部材28は、ゴム弾性体の一体
成形品によって構成されており、全体として中実の略矩
形ブロック形状を有している。かかるマス部材28を形
成しているゴム弾性体の材質としては、特に限定される
ものでないが、ASTM規格D2240のショアD硬さ
が、好ましくは80以下、より好ましくは20〜40を
有するものが、好適に採用される。なお、マス部材28
の角は、全て円弧形状に面取りされている。また、マス
部材28には、一定の円形断面で厚さ方向に貫通して直
線的に延びる貫通孔30が形成されている。そして、こ
の貫通孔30において、マス部材28がマス保持金具1
8のロッド部20に外挿されており、以て、ロッド部2
0によって、マス部材28が、吊り下げ状態で支持され
ている。
【0030】また、マス保持金具18には、マス部材2
8が外挿装着された後、ロッド部20の軸方向先端部
(図3中の右端部)に対して、ストッパ24が、溶接等
で固着されている。このストッパ24は、矩形平板形状
の金具であり、ロッド部20の軸方向先端面に対して重
ね合わせられた状態で溶着されることにより、ロッド部
20から軸直角方向に広がって固設されている。そし
て、ストッパ部24の外形形状が、マス部材28の貫通
孔30よりも大きくされていることにより、マス部材2
8のロッド部20からの抜け落ちが、マス保持金具18
の脚部22とストッパ部24によって防止されて、マス
部材28がロッド部20上に保持され得るようになって
いる。
【0031】さらに、マス部材28は、その厚さ寸法
が、マス保持金具18におけるロッド部20の軸方向長
さ寸法よりも短く設定されており、本実施形態では、マ
ス部材28の厚さ寸法が、ロッド部20の軸方向長さの
略半分とされている。また、マス部材28における貫通
孔30の内径寸法は、マス保持金具18のロッド部20
の外径寸法よりも僅かに大きく設定されている。これに
より、マス部材28には、ロッド部20による支持状態
下で、ロッド部20に対する軸直角方向の僅かな変位が
許容されるようになっている。なお、このことから明ら
かなように、本実施形態においては、貫通孔30の内周
面とロッド部20の外周面によってマス部材28と振動
部材12,18の当接面が構成されている。
【0032】そして、ロッド部20と貫通孔30を同一
中心軸上に位置せしめた状態下で、ロッド部20の外周
面と貫通孔30の内周面との間に、全周に亘って連続し
た隙間が形成されるようになっている。特に本実施形態
では、図2,3に示されているように、静置状態下でに
おいて、貫通孔30の内周面とロッド部20の外周面と
の隙間寸法:2δが、好ましくは0.2〜1.6mm、
より好ましくは0.1〜1.0mmとされている。
【0033】また、マス部材28における貫通孔30
は、マス部材28の外形の中心、即ち二本の対角線の交
点:Oに対して、長辺方向(鉛直上方)に所定距離:D
だけ離隔した位置に形成されている。なお、マス部材2
8の幅方向(図2中の左右方向)の寸法は、排気管12
の外径寸法に略同じとされている。更に、マス部材28
の高さ方向(図2,3中の上下方向)の寸法は、マス保
持金具18の脚部22の長手方向(図2,3中の上下方
向)の寸法と略同一とされている。これにより、マス部
材28のマス保持金具18による支持状態下では、マス
部材28の排気管12への干渉が防止されていると共
に、マス部材28の下面が排気管12と略平行となるよ
うにされている。
【0034】換言すれば、マス部材28において振動部
材に対する当接面を構成する貫通孔30の内周面は、そ
の幾何中心たる中心軸31が、マス部材28の重心に対
して、所定寸法、マス部材28の長辺方向に偏心せしめ
られている。
【0035】上述の如き構造とされた制振装置10にお
いては、排気管12に対して鉛直方向の振幅の振動が惹
起されると、排気管12に固設されたマス保持金具18
も略一体的に加振変位せしめられることとなり、ロッド
部20に外挿されたマス部材28に対して上下方向の振
動が伝達せしめられて、マス部材28がロッド部20上
で鉛直方向に相対変位(加振)されることにより、マス
部材28がロッド部20に対して打ち当たり当接せしめ
られるのであり、その結果、マス保持金具18、延いて
は排気管12に対して、有効な制振効果が発揮されるの
である。
【0036】ここにおいて、かかる制振装置10におい
ては、マス部材28の重心が、マス部材28の当接面の
幾何中心(貫通孔30の中心軸31)から径方向(マス
部材28の外径中心:Oの方向)に偏倚せしめられてい
ることから、マス部材28を重力を利用して安定した状
態で配設することが可能となる。それ故、マス部材28
が鉛直方向に変位せしめられた際に、マス部材28のロ
ッド部20に対する打ち当たり(当接)を、防振すべき
振動方向となる鉛直方向で安定して生ぜしめられるよう
にすることが出来るのであり、以て、排気管12におけ
る防振すべき鉛直方向の振動に対して、有効な防振効果
が発揮され得ることとなる。
【0037】また、マス部材28に幅方向(図2中左右
方向)の外力が及ぼされて、マス部材28がロッド部2
0の周方向に変位せしめられた場合においても、マス部
材28が重力によって初期の位置に復帰せしめられるこ
ととなる。それ故、上述の如き、マス部材28のロッド
部20に対する鉛直方向での当接状態が安定して発現さ
れ得て、防振を目的とする鉛直方向の振動に対して有効
な制振効果を、安定して得ることが出来るのである。
【0038】さらに、本実施形態の制振装置10におい
ては、マス部材28の当接面(貫通孔30の内周面)が
円筒形状とされていると共に、ロッド部20の外周面が
円筒形状とされていることから、マス部材28の飛び跳
ね変位に際しての引掛り的な変位抵抗が軽減され得るの
であり、以て、振動入力時にマス部材28が効率的に飛
び跳ね変位せしめられて、マス部材28のロッド部20
に対する打ち当たり(当接)に基づく制振効果がより効
率的に発揮され得るのである。
【0039】また、本実施形態においては、マス部材2
8が排気管12に突設されたマス保持金具18のロッド
部20に外挿装着されていることから、マス部材28に
対する排気管12の熱の影響が軽減され得るのであり、
それによって、マス部材28の温度変化に伴う弾性特性
の変化に起因する低下性能の低下が軽減乃至は回避され
て、目的とする制振効果を一層安定して得ることが出来
ると共に、マス部材28の耐久性も有利に確保され得
る。
【0040】因みに、上述の如き構造とされた制振装置
の制振効果を確認するために行ったハンマリング試験の
結果を、実施例として、図4に示す。
【0041】なお、かかる試験に際しては、図5〜6に
示されているように、試験用振動材として中空円筒形状
のアーム34を用い、それぞれ第一の実施形態と同様な
構造とされたマス部材32の二つを、該アーム34に対
して直接に外挿せしめて、軸方向で相互に離隔位置せし
めると共に、かかるアーム34を、その長手方向両端部
に設けた支持孔38,38において、ゴム紐40,40
で弾性的に吊り下げ支持せしめた状態下で、該アーム3
4の一端部をハンマで打撃して加振し、アーム34の振
動レベルの周波数特性を、アーム34の軸方向中央部分
で二つのマス部材32,32間に装着せしめたピックア
ップ(加速度センサ)36で検出することによって、試
験を実施した。なお、アーム34の材質はアルミニウム
合金であり、質量:400gのものを用いた。また、各
マス部材32としては、質量:10gのものを用いた。
更に、各マス部材32の装着用の貫通孔30は、アーム
34の外周面と相似で一回り大きな円形断面とし、第一
の実施形態と同様、マス部材32の装着状態下で、貫通
孔30の内周面とアーム34の外周面の間には、軸直角
方向で2δ=0.3mmの隙間が形成されるようにした。
【0042】また、上述の試験に供した試験装置におい
て、アーム34からマス部材32,32を両方とも外し
た状態で、同様な試験を行なった。その結果を、比較例
として、図4に併せ示す。
【0043】図4に示された測定結果から明らかなよう
に、本発明に従う構造とされた制振装置32を装着する
ことにより、アーム34における振動を、特定周波数領
域:Bの範囲に亘って、最大で20〜25dBだけ低減
せしめることが可能となる。なお、この測定結果から、
制振効果は、マス部材32の共振的作用に基づいて発揮
されているのであろうと、推考される。
【0044】次に、図7,8には、本発明の第二の実施
形態としての制振装置44が示されている。なお、以下
の説明において、第一の実施形態の制振装置(10)と
同様な構造とされた部材および部位については、それぞ
れ、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付すること
により、それらの詳細な説明を省略する。
【0045】すなわち、本実施形態の制振装置44は、
第一の実施形態の制振装置(10)と比して、マス部材
28の内部に金属製の錘46を有している。この錘46
は、矩形ブロック形状を有しており、マス部材28の外
形中心:Oを挟んで、貫通孔30と反対側(鉛直下方)
に位置して、マス部材28の内部に埋設状態で固着され
ている。
【0046】このような構造とされた制振装置44にお
いては、マス部材28が、貫通孔30の中心軸31を中
心とする周方向で偏倚して配設されていることから、第
一の実施形態のマス部材よりも、貫通孔30の中心軸3
1に対する重心:Gの離隔距離:Lが一層大きく設定さ
れている。
【0047】従って、本実施形態の制振装置44では、
重力作用に基づくマス部材28の姿勢安定効果に基づい
て、振動入力時にロッド部20に当接せしめられるマス
部材28の姿勢の安定化が図られて、第一の実施形態と
同様な効果が、何れも有効に発揮され得るのである。
【0048】また、本実施形態においては、マス部材2
8の重心を、第一の実施形態よりも更に下方に偏倚させ
ることが容易に出来るのであり、それによって、マス部
材28のロッド部20に対する当接状態の安定化、延い
ては発揮される防振効果の安定化が、一層有利に達成さ
れ得るのである。
【0049】次に、図9には、本発明の第三の実施形態
としての制振装置48が示されている。この制振装置4
8は、ハウジング50内にマス部材52が収容配置され
た構造とされている。なお、以下の説明において、上下
方向とは、図中の上下方向をいうものとする。
【0050】より詳細には、ハウジング50は、振動部
材としての自動車のボデ−54とボデ−54の上面に配
設されたハウジング金具56によって構成されている。
このハウジング金具56は、逆向きの有底円筒形状とさ
れており、下側開口周縁部が外周側に屈曲されたフラン
ジ部58とされている。そして、フランジ部58がボデ
−54の上面に重ね合わせられて、ボルト60によって
ボデー54に固定されている。ここにおいて、ハウジン
グ金具56が固定される位置は、ボデー54が上下方向
に振動せしめられる際の振動モードの腹に対応した位置
とされることが望ましい。
【0051】また、このように構成されたハウジング5
0においては、開口部がボデー54で覆蓋されることに
よって、ボデー54とハウジング金具56の間に、外部
空間から仕切られた密閉状の収容空間62が形成されて
いる。なお、ハウジング金具56は、内径寸法と深さ寸
法が略同一とされており、収容空間62の内径寸法が、
半径方向と深さ方向で略同一とされている。更に、ハウ
ジング金具56は、弾性率が5×104 MPa以上の剛
性材である鉄鋼によって形成されている。更にまた、フ
ランジ部58のボデー54に対する重ね合わせ面には、
周方向に連続した環状のシールリング64が配設されて
挟圧されており、収容空間62への水等の異物の侵入が
防止されるようになっている。
【0052】さらに、このようにしてハウジング50内
に形成された収容空間62には、マス部材52が収容配
置されている。このマス部材52は、ゴム弾性体によっ
て形成された球形の中実ブロック形状とされており、そ
の内部に金属製の錘66を有している。この錘66は、
矩形乃至は円形の平板形状とされており、マス部材52
の中心:Oに対して径方向一方向(図中、下方)に偏倚
して、径方向線に対して直交する方向に広がる状態で配
設されている。また、マス金具52の外形寸法は、収容
空間62の半径方向および深さ方向の内径寸法よりも僅
かに小さくされている。そして、マス部材52を収容空
間62内の中央に位置せしめた状態下で、マス部材52
の全周囲には、マス部材52の自由変位を許容する隙間
が形成されている。即ち、図9には、マス部材52が静
置されている状態が示されており、収容空間62の側壁
面とその壁面に当接するマス部材52の表面との隙間寸
法:δが、好ましくは0.1〜0.8mm、より好まし
くは0.1〜0.5mmとされていると共に、収容空間
62の上側壁面とその壁面に当接するマス部材52の表
面との隙間寸法:2δが、好ましくは0.2〜1.6m
m、より好ましくは0.2〜1.0mmとされている。
更に、マス部材52を形成しているゴム弾性体として
は、ハウジング50との当接面において、ASTM規格
D2240のショアD硬さが、好ましくは80以下、よ
り好ましくは20〜40を有するものが、好適に採用さ
れる。
【0053】このような構造とされた制振装置48にお
いては、ボデ−54に対して、上下方向の振動が入力さ
れると、ボデ−54と一体的に形成されたハウジング5
0内に収容配置されたマス部材52が、ハウジング50
から独立して収容空間62内で飛び跳ね変位せしめられ
て、ハウジング50やボデー54に対して打ち当たり当
接することとなる。以て、かかるマス部材52のハウジ
ング50やボデー54への当接に基づいて、ボデ−54
に対して制振効果が発揮されるのである。
【0054】ここにおいて、かかる制振装置48におい
ては、マス部材52の重心:Gが、マス部材52の当接
面の幾何中心、即ち、本実施形態においては、マス部材
52の中心:Oから径方向一方向に偏倚せしめられてい
ることから、マス部材52を重力を利用して安定した状
態で配設することが可能となる。それ故、マス部材52
が鉛直方向に変位せしめられた際に、マス部材52のハ
ウジング50やボデー54に対する打ち当たり(当接)
を安定させることが出来る。
【0055】また、マス部材52の当接面が球形状とさ
れていると共に、ハウジング50の周壁面が円筒形状と
されていることから、マス部材52の飛び跳ね変位に際
してのハウジング50に対する摺接面積が小さくされ
て、引掛り的な変位抵抗も軽減される。従って、振動入
力時にマス部材52が効率的に飛び跳ね変位することと
なり、マス部材52のハウジング50やボデー54に対
する打ち当たり(当接)に基づく制振効果がより効率的
に発揮され得るのである。
【0056】さらに、本実施形態においては、マス部材
52は、その内部においてマス部材28の中心:Oより
も鉛直下方に錘66を有していることから、マス部材5
2の重心:Gをマス部材52の中心:Oより有利に偏心
設定することが容易に出来ると共に、マス部材52を上
下方向に一層安定して位置せしめることが出来る。
【0057】また、本実施形態においては、制振装置4
8が、ボデ−54の振動モードの腹に対応する位置に配
設されることによって、より効果的な制振効果を得るこ
とが出来る。
【0058】さらに、図10には、本発明の第四の実施
形態としての制振装置68が示されている。なお、以下
の説明において、第三の実施形態の制振装置(48)と
同様の部材および部位については、それぞれ、図中に、
第三の実施形態と同一の符号を付すことにより、それら
の詳細な説明を省略する。
【0059】すなわち、本実施形態の制振装置68は、
第三の実施形態の制振装置(48)と比して、マス部材
52の内部に錘(66)を有していない、即ち、マス部
材52がゴム弾性体のみで形成されている。また、マス
部材52の内部には、空所70が形成されている。この
空所70は、マス部材52の径方向寸法よりも十分に小
さい径方向寸法を有する球形状とされており、その中
心:O´は、マス部材52の中心:Oの鉛直上方に位置
せしめられている。
【0060】このような構造とされた制振装置68にお
いては、マス部材52の空所70が、マス部材52の中
心:Oよりも鉛直上方に中心:O´をもって形成されて
いることから、マス部材52の中心:Oより下方のボリ
ュームが、マス部材52の空所70より上方のボリュー
ムに比べて十分大きくされている。これにより、マス部
材52の重心:Gがマス部材52の中心:Oよりも下方
に位置せしめられていることにより、マス部材52が上
下方向に安定して位置せしめられ得る。
【0061】従って、このような構造とされた本実施形
態の制振装置68においても、前記第三の実施形態の制
振装置(48)と同様な効果が、何れも、有効に発揮さ
れ得る。
【0062】以上、本発明の幾つかの実施形態について
詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本
発明は、かかる実施形態における具体的な記載によっ
て、何等、限定的に解釈されるものでない。
【0063】例えば、前記実施形態においては、マス部
材の主たる形成材として、弾性材を採用していたが、金
属材を採用することも可能である。具体的には、図11
〜13に示されているような構造が、好適に採用され
る。なお、以下の説明において、前記第一の実施形態と
同様な構造とされた部材及び部位については、それぞ
れ、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付すことに
より、それらの詳細な説明を省略する。
【0064】先ず、図11,12には、本発明の第五の
実施形態としての制振装置72が示されている。本実施
形態の制振装置72は、第一の実施形態の制振装置(1
0)と比して、マス部材28全体が金属材によって形成
されている。また、ロッド部20の外周面全体にゴム弾
性体で形成された当接層74が被着されている。
【0065】この当接層74を形成しているゴム弾性体
の材質としては、マス部材28との当接面において、A
STM規格D2240のショアD硬さが、好ましくは8
0以下、より好ましくは20〜40を有するものが、好
適に採用される。
【0066】このような構造とされた制振装置72にお
いては、排気管12が上下方向に振動せしめられると、
マス部材28が、ロッド部20に対して、当接層74を
介して弾性的に打ち当たり当接されることとなり、かか
る当接によって第一の実施形態と同様な制振効果が発揮
され得る。
【0067】また、図13には、本発明の第六の実施形
態としての制振装置76が示されている。本実施形態の
制振装置76は、第四の実施形態の制振装置(68)と
比して、マス部材52全体が金属によって形成されてい
る。また、収容空間62の壁面、即ち、ハウジング金具
56の内周面とボデ−54の上面にゴム弾性体で形成さ
れた当接層78,80が被着されている。
【0068】これらの当接層78,80を形成している
ゴム弾性体の材質としては、マス部材52との当接面に
おいて、ASTM規格D2240のショアD硬さが、好
ましくは80以下、より好ましくは20〜40を有する
ものが、好適に採用される。
【0069】このような構造とされた制振装置76にお
いては、ボデ−54に対して、上下方向の振動が入力さ
れると、マス部材52が、ハウジング50やボデー54
に対して、弾性体(当接層)78,80を介して弾性的
に打ち当たり当接されることとなり、かかる当接によっ
て第四の実施形態と同様な効果が発揮され得る。
【0070】また、前記第五の実施形態において、マス
部材28の当接面(貫通孔30の内周面)側にゴム弾性
体からなる当接層を設けることも可能である。その際に
は、ロッド部20の外周面に被着された当接層74は、
必ずしも設ける必要はない。
【0071】さらに、前記第六の実施形態において、マ
ス部材52の当接面側にゴム弾性体からなる当接層を設
けることも可能である。その際には、収容空間62の壁
面に被着された当接層78,80は、必ずしも設ける必
要はない。
【0072】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもない。
【0073】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた制振装置においては、マス部材の重
心が、マス部材の当接面の幾何中心から径方向に偏倚せ
しめられていることから、マス部材を重力を利用して安
定した状態で配設することが可能となり、マス部材が鉛
直方向に変位せしめられた際に、マス部材の振動部材に
対する打ち当たり(当接)を安定させることが可能とな
る。これによって、鉛直方向に入力される振動に対し
て、目的とする制振効果をより安定して得ることが出来
るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としての制振装置の取
付状態を示す図である。
【図2】図1におけるII−II断面の要部拡大図である。
【図3】図2におけるIII −III 断面図である。
【図4】本発明に従う構造とされた制振装置のハンマリ
ング試験結果を、比較例と共に示すグラフである。
【図5】ハンマリング試験の試験装置を説明する説明図
である。
【図6】図5におけるVI−VI断面図である。
【図7】本発明の第二の実施形態としての制振装置を示
す、図2に対応する横断面図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII断面図である。
【図9】本発明の第三の実施形態としての制振装置を示
す横断面図である。
【図10】本発明の第四の実施形態としての制振装置を
示す横断面図である。
【図11】本発明の第五の実施形態としての制振装置を
示す横断面図である。
【図12】図11におけるXII-XII 断面図である。
【図13】本発明の第六の実施形態としての制振装置を
示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 制振装置 12 排気管 20 制振ロッド 28 マス部材

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動部材に対して、マス部材を非接着で
    独立変位可能に配設して、該マス部材を球状乃至は円筒
    状の当接面で該振動部材に対向位置せしめることによ
    り、振動入力時に該マス部材が該振動部材に対して少な
    くとも略鉛直方向で直接的且つ弾性的に当接されるよう
    にした車両用制振装置において、 前記当接面を含む断面内で、前記マス部材の重心を該当
    接面の幾何中心から径方向に偏倚させたことを特徴とす
    る車両用制振装置。
  2. 【請求項2】 前記マス部材に対して、その当接面の幾
    何中心回りにおいて、該マス部材の主たる形成材と比重
    が異なる重心調節部材を周方向で偏倚して固着せしめた
    請求項1に記載の車両用制振装置。
  3. 【請求項3】 前記マス部材における前記当接面の幾何
    中心回りの肉厚寸法を、周方向で異ならせた請求項1又
    は2に記載の車両用制振装置。
  4. 【請求項4】 前記振動部材をロッド形状とする一方、
    前記マス部材を筒状乃至は環状として、該マス部材を該
    振動部材に外挿することにより、該マス部材の内周面に
    よって該振動部材に対する円筒状の当接面を形成した請
    求項1乃至3の何れかに記載の車両用制振装置。
  5. 【請求項5】 前記振動部材を、振動部材本体と、該振
    動部材本体から延び出して固設された制振ロッドを含ん
    で形成して、該制振ロッドに対して、前記マス部材を外
    挿せしめた請求項4に記載の車両用制振装置。
  6. 【請求項6】 前記振動部材本体が自動車の内燃機関の
    排気管である請求項5に記載の車両用制振装置。
  7. 【請求項7】 前記振動部材に対して一体乃至は別体に
    形成されて防振すべき振動が入力される剛性のハウジン
    グを、該振動部材に固設せしめて、該ハウジングによっ
    て収容空間を形成し、該収容空間に前記マス部材を収容
    配置せしめることにより、該マス部材の外周面によって
    該ハウジングに対する球状乃至は円筒状の当接面を形成
    した請求項1乃至3の何れかに記載の車両用制振装置。
  8. 【請求項8】 前記マス部材を、その主たる形成材とし
    て弾性材を用いて形成した請求項1乃至7の何れかに記
    載の車両用制振装置。
  9. 【請求項9】 前記マス部材を、その主たる形成材とし
    て金属材を用いて形成すると共に、該金属材における前
    記当接面に弾性材からなる当接層を被着形成した請求項
    1乃至7の何れかに記載の車両用制振装置。
  10. 【請求項10】 前記振動部材と前記マス部材の少なく
    とも一方の当接面が、ショアD硬さ80以下とされてい
    る請求項1乃至9の何れかに記載の車両用制振装置。
  11. 【請求項11】 前記マス部材における単体の質量が1
    0〜1000gである請求項1乃至10の何れかに記載
    の車両用制振装置。
  12. 【請求項12】 前記振動部材と前記マス部材の当接面
    間において、0.2〜1.6mmの最大隙間が形成される
    ようになっている請求項1乃至11の何れかに記載の車
    両用制振装置。
  13. 【請求項13】 前記マス部材の総質量が、前記振動部
    材の質量の5〜10%である請求項1乃至12の何れか
    に記載の車両用制振装置。
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