JP2002067290A - 記録ヘッド、記録装置、及び記録ヘッドと記録装置との間のデータ転送方法 - Google Patents

記録ヘッド、記録装置、及び記録ヘッドと記録装置との間のデータ転送方法

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JP2002067290A
JP2002067290A JP2000264254A JP2000264254A JP2002067290A JP 2002067290 A JP2002067290 A JP 2002067290A JP 2000264254 A JP2000264254 A JP 2000264254A JP 2000264254 A JP2000264254 A JP 2000264254A JP 2002067290 A JP2002067290 A JP 2002067290A
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JP2000264254A
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Masataka Sakurai
将貴 櫻井
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  • Ink Jet (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない信号配線数でプリンタ本体に記録素子
基板の温度や素子特性のデータを送受信する。 【解決手段】 記録素子105の列と、シリアルで入力
される記録データDATAに従って記録素子列を駆動す
る駆動回路103及び104と、基板の温度や素子特性
データなどの記録素子の駆動条件に関する情報を出力す
るシフトレジスタ112及び115とを有する記録素子
基板H1100を複数備えた記録ヘッドにおいて、各記
録素子基板H1100が、別の記録素子基板の出力手段
から出力された情報を受信する端子121及び122を
有し、当該記録素子基板の情報と受信した別の記録素子
基板の情報とをシフトレジスタ112及び115によっ
て同じ出力端子123及び124からシリアルに出力す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録ヘッド、記録装
置、及び記録ヘッドと記録装置との間のデータ転送方法
に関し、特に、記録ヘッドとその記録ヘッドを搭載する
記録装置本体とのデータの転送(送受信)に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】例えばワードプロセッサ、パーソナルコ
ンピュータ、ファクシミリ等における情報出力装置とし
て、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等
シート状の記録媒体に行うプリンタがある。
【0003】プリンタの記録方式としては様々な方式が
知られているが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能
である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理
由でインクジェット方式が近年特に注目されており、又
その構成としては所望される記録情報に応じてインクを
吐出する記録ヘッドを装着すると共に用紙等の記録媒体
の送り方向と直角な方向に往復走査しながら記録を行う
シリアル記録方式が安価で小型化が容易などの点から一
般的に広く用いられている。
【0004】また、特開平10−251479号公報に
示されるように、最適な素子駆動条件を求めるため、記
録ヘッド内に温度センサとその出力をデジタル情報に変
換してパルス信号として出力するA/D変換器を設ける
ことや、記録素子の製造過程でのバラツキに起因する素
子特性(ランク値)を記憶するメモリを搭載することが
知られている。
【0005】これらの記録ヘッドは、カラー化の実現の
ためや、更なる高画質化のために、3色や4色、あるい
は6色などといった、複数色のインクによる記録を一つ
のヘッドで可能とするように構成されることが多い。
【0006】このような構成では、特にインクジェット
プリンタの場合、液体であるインクを分離する必要性が
あることなどから、各色毎、あるいは数色毎に、別々の
記録素子基板をヘッドへ実装し、電気的接続や封止を行
うことになる。
【0007】この電気的接続は、記録素子基板のパッド
からフレキシブル基板などを経由して、記録ヘッドに設
けられたパッド(ヘッドパッド)を介してプリンタ本体
と接続される。
【0008】また先に述べた記録素子基板の温度や素子
特性のデータは、各色、あるいは数色毎に実装されてい
る記録素子基板毎に、プリンタ本体とこのヘッドパッド
を介して送受信され、記録素子基板の状態に応じた最適
な条件での駆動が行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実装さ
れている記録素子基板各々とプリンタ本体との間で、記
録素子基板の温度や素子特性のデータを送受信するため
には、記録素子基板の数に応じてヘッドとプリンタ本体
との電気的な接続を行うヘッドパッドを介した配線経路
が必要となる。
【0010】画像データ転送のために必要となるヘッド
パッドに加え、これら温度や素子特性のデータ送受信の
ためのパッドが数多く存在することは、配線経路の複雑
化を招き、ヘッド及びプリンタ本体が大型化するばかり
か、プリンタ本体の信号送受信回路の繁雑化などコスト
アップとなる要因が多い。近年、記録ヘッドに実装する
記録素子基板の数が増加していることを考慮すると、こ
れは特に問題となる。
【0011】また更に、画像データ転送のためのパッド
とは異なり、これら温度や素子特性のデータ送受信はプ
リンタの動作中、常に行われるものではなく、シリアル
プリンタの場合、1回から数回のヘッド走査毎に行われ
ることが多い。そのため送受信速度はプリンタの記録速
度にほとんど影響は与えるものではないにも関わらず、
多くのヘッドパッドを必要としているのが現状であり、
信号配線数の増加により、配線経路の複雑化、ヘッド及
びプリンタ本体の大型化、及びプリンタ本体の信号送受
信回路の繁雑化などコストアップの要因となっている。
【0012】本発明は以上のような状況に鑑みてなされ
たものであり、少ない信号配線数でプリンタ本体に記録
素子基板の温度や素子特性のデータを送受信することの
可能な、記録ヘッドを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の記録ヘッドは、記録素子列と、シリアルで入
力される記録データに従って前記記録素子列を駆動する
駆動回路と、記録素子の駆動条件に関する情報を出力す
る出力手段と、を有する記録素子基板を複数備えた記録
ヘッドであって、各記録素子基板が、別の記録素子基板
の出力手段から出力された前記情報を受信する受信手段
を有し、前記出力手段が、前記情報と前記受信手段で受
信した別の記録素子基板の情報とを同じ信号経路でシリ
アルに出力するように構成されている。
【0014】また、上記目的は前記記録ヘッドを用いて
記録を行う記録装置であって、前記情報に応じて各記録
素子基板毎に駆動条件を変更可能に構成されていること
を特徴とする本発明の記録装置によっても達成される。
【0015】更に上記目的は、記録素子列と、シリアル
で入力される記録データに従って前記記録素子列を駆動
する駆動回路と、記録素子の駆動条件に関する情報を出
力する出力手段と、を有する記録素子基板を複数備えた
記録ヘッドと、該記録ヘッドを用いて記録を行う記録装
置との間のデータ転送方法であって、各記録素子基板
が、別の記録素子基板の出力手段から出力された前記情
報を受信し、前記情報と受信した別の記録素子基板の情
報とを前記出力手段によって同じ信号経路でシリアルに
出力することを特徴とする記録ヘッドと記録装置との間
のデータ転送方法によっても達成される。
【0016】すなわち、記録素子列と、シリアルで入力
される記録データに従って記録素子列を駆動する駆動回
路と、記録素子の駆動条件に関する情報を出力する出力
手段と、を有する記録素子基板を複数備えた記録ヘッド
と、該記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置との間で
データを転送するとき、各記録素子基板が、別の記録素
子基板の出力手段から出力された情報を受信し、当該記
録素子基板の情報と受信した別の記録素子基板の情報と
を出力手段によって同じ信号経路でシリアルに出力する
ように構成する。
【0017】これによれば、従来は各記録素子基板から
別々の配線経路で読み出す必要のあった温度センサや素
子特性等の駆動条件に関する情報を、同じ信号経路です
べての記録素子基板からのデータをシリアルに読み出す
ことが可能となる。
【0018】従って、記録ヘッドと記録装置本体との接
続に必要な信号の数が削減でき、接続のための構成を単
純化して、記録ヘッド及び記録装置本体の小型化、記録
装置本体の信号送受信回路の簡素化などによるコストダ
ウンが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の記
録装置に係る実施形態を説明する。
【0020】なお、以下に説明する実施形態では、イン
クジェット記録方式を用いた記録装置としてプリンタを
例に挙げ説明する。
【0021】なお、本明細書において、「プリント」
(「記録」という場合もある)とは、文字、図形等有意
の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、
また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであ
るか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像、模様、
パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も
言うものとする。
【0022】ここで、「プリント媒体」とは、一般的な
プリント装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プ
ラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミック
ス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも言うもの
とする。
【0023】さらに、「インク」(「液体」と言う場合
もある)とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈
されるべきもので、プリント媒体上に付与されることに
よって、画像、模様、パターン等の形成またはプリント
媒体の加工、或いはインクの処理(例えばプリント媒体
に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供
され得る液体を言うものとする。
【0024】[装置本体]図1及び図2にインクジェッ
ト記録方式を用いたプリンタの概略構成を示す。図1に
おいて、この実施形態におけるプリンタの外殻をなす装
置本体M1000は、下ケースM1001、上ケースM
1002、アクセスカバーM1003及び排出トレイM
1004の外装部材と、その外装部材内に収納されたシ
ャーシM3019(図2参照)とから構成される。
【0025】前記シャーシM3019は、所定の剛性を
有する複数の板状金属部材によって構成され、記録装置
の骨格をなし、後述の各記録動作機構を保持するものと
なっている。また、前記下ケースM1001は装置本体
M1000の略下半部を、上ケースM1002は装置上
本体M1000の略上半部をそれぞれ形成しており、両
ケースの組合せによって内部に後述の各機構を収納する
収納空間を有する中空体構造をなし、その上面部及び前
面部にはそれぞれ開口部が形成されている。
【0026】さらに、前記排出トレイM1004はその
一端部が下ケースM1001に回転自在に保持され、そ
の回転によって下ケースM1001の前面部に形成され
る前記開口部を開閉させ得るようになっている。このた
め、記録動作を実行させる際には、排出トレイM100
4を前面側へと回転させて開口部を開成させることによ
り、ここから記録シートが排出可能となると共に排出さ
れた記録シートPを順次積載し得るようになっている。
また、排紙トレイM1004には、2枚の補助トレイM
1004a,M1004bが収納されており、必要に応
じて各トレイを手前に引き出すことにより、用紙の支持
面積を3段階に拡大、縮小させ得るようになっている。
【0027】アクセスカバーM1003は、その一端部
が上ケースM1002に回転自在に保持され、上面に形
成される開口部を開閉し得るようになっており、このア
クセスカバーM1003を開くことによって本体内部に
収納されている記録ヘッドカートリッジH1000ある
いはインクタンクH1900等の交換が可能となる。な
お、ここでは特に図示しないが、アクセスカバーM10
03を開閉させると、その裏面に形成された突起がカバ
ー開閉レバーを回転させるようになっており、そのレバ
ーの回転位置をマイクロスイッチなどで検出することに
より、アクセスカバーの開閉状態を検出し得るようにな
っている。
【0028】また、上ケースM1002の後部上面に
は、電源キーE0018及びレジュームキーE0019
が押下可能に設けられると共に、LED E0020が
設けられており、電源キーE0018を押下すると、L
ED E0020が点灯し記録可能であることをオペレ
ータに知らせるものとなっている。また、LED E0
020は点滅の仕方や色の変化をさせたり、ブザーE0
021(図7)をならすことによりプリンタのトラブル
等をオペレータに知らせる等種々の表示機能を有する。
なお、トラブル等が解決した場合には、レジュームキー
E0019を押下することによって記録が再開されるよ
うになっている。
【0029】[記録動作機構]次に、上記プリンタの装
置本体M1000に収納、保持される本実施形態におけ
る記録動作機構について説明する。
【0030】本実施形態における記録動作機構として
は、記録シートPを装置本体内へと自動的に給送する自
動給送部M3022と、自動給送部から1枚ずつ送出さ
れる記録シートPを所望の記録位置へと導くと共に、記
録位置から排出部M3030へと記録シートPを導く搬
送部M3029と、搬送部M3029に搬送された記録
シートPに所望の記録を行なう記録部と、前記記録部等
に対する回復処理を行う回復部(M5000)とから構
成されている。
【0031】(記録部)ここで、前記記録部を説明す
る。
【0032】前記キャリッジ軸M4021によって移動
可能に支持されたキャリッジM4001と、このキャリ
ッジM4001に着脱可能に搭載される記録ヘッドカー
トリッジH1000とからなる。
【0033】記録ヘッドカートリッジ まず、前記記録ヘッドカートリッジについて図3〜5に
基づき説明する。
【0034】この実施形態における記録ヘッドカートリ
ッジH1000は、図3に示すようにインクを貯留する
インクタンクH1900と、このインクタンクH190
0から供給されるインクを記録情報に応じてノズルから
吐出させる記録ヘッドH1001とを有し、前記記録ヘ
ッドH1001は、後述するキャリッジM4001に対
して着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式
を採るものとなっている。
【0035】ここに示す記録ヘッドカートリッジH10
00では、写真調の高画質なカラー記録を可能とするた
め、インクタンクとして、例えば、ブラック、ライトシ
アン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタ及びイエロー
の各色独立のインクタンクが用意されており、図4に示
すように、それぞれが記録ヘッドH1001に対して着
脱自在となっている。
【0036】そして,前記記録ヘッドH1001は、図
5の分解斜視図に示すように、記録素子基板H110
0、第1のプレートH1200、電気配線基板H130
0、第2のプレートH1400、タンクホルダーH15
00、流路形成部材H1600、フィルターH170
0、シールゴムH1800から構成されている。
【0037】記録素子基板H1100には、Si基板の
片面にインクを吐出するための複数の記録素子と、各記
録素子に電力を供給するAl等の電気配線とが成膜技術
により形成され、この記録素子に対応した複数のインク
流路と複数の吐出口H1100Tとがフォトリソグラフ
ィ技術により形成されると共に、複数のインク流路にイ
ンクを供給するためのインク供給口が裏面に開口するよ
うに形成されている。また、前記記録素子基板H110
0は第1のプレートH1200に接着固定されており、
ここには、前記記録素子基板H1100にインクを供給
するためのインク供給口H1201が形成されている。
さらに、第1のプレートH1200には、開口部を有す
る第2のプレートH1400が接着固定されており、こ
の第2のプレートH1400は、電気配線基板H130
0と記録素子基板H1100とが電気的に接続されるよ
う電気配線基板H1300を保持している。
【0038】この電気配線基板H1300は、前記記録
素子基板H1100にインクを吐出するための電気信号
を印加するものであり、記録素子基板H1100に対応
する電気配線と、この電気配線端部に位置し本体からの
電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301
とを有しており、前記外部信号入力端子H1301は、
後述のタンクホルダーH1500の背面側に位置決め固
定されている。
【0039】一方、前記インクタンクH1900を着脱
可能に保持するタンクホルダーH1500には、流路形
成部材H1600が超音波溶着され、インクタンクH1
900から第1のプレートH1200に亘るインク流路
H1501を形成している。また、インクタンクH19
00と係合するインク流路H1501のインクタンク側
端部には、フィルターH1700が設けられており、外
部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。ま
た、インクタンクH1900との係合部にはシールゴム
H1800が装着され、前記係合部からのインクの蒸発
を防止し得るようになっている。
【0040】さらに、前述のようにタンクホルダーH1
500、流路形成部材H1600、フィルターH170
0及びシールゴムH1800から構成されるタンクホル
ダー部と、前記記録素子基板H1100、第1のプレー
トH1200、電気配線基板H1300及び第2のプレ
ートH1400から構成される記録素子部とを、接着等
で結合することにより、記録ヘッドH1001を構成し
ている。
【0041】(キャリッジ)次に、図2に基づき前記キ
ャリッジM4001を説明する。
【0042】図示のように、キャリッジM4001に
は、キャリッジM4001と係合し記録ヘッドH100
1をキャリッジM4001の装着位置に案内するための
キャリッジカバーM4002と、記録ヘッドH1001
のタンクホルダーH1500と係合し記録ヘッドH10
00を所定の装着位置にセットさせるよう押圧するヘッ
ドセットレバーM4007とが設けられている。すなわ
ち、ヘッドセットレバーM4007はキャリッジM40
01の上部にヘッドセットレバー軸に対して回動可能に
設けられると共に、記録ヘッドH1000との係合部に
は不図示のヘッドセットプレートがばねを介して備えら
れ、このばね力によって記録ヘッドH1001を押圧し
ながらキャリッジM4001に装着する構成となってい
る。
【0043】またキャリッジM4001の記録ヘッドH
1001との別の係合部にはコンタクトフレキシブルプ
リントケーブル(以下、コンタクトFPCと称す)E0
011が設けられ、コンタクトFPC E0011上の
コンタクト部E0011aと記録ヘッドH1001に設
けられたコンタクト部(外部信号入力端子)H1301
とが電気的に接触し、記録のための各種情報の授受や記
録ヘッドH1001への電力の供給などを行い得るよう
になっている。
【0044】ここでコンタクトFPC E0011のコ
ンタクト部E0011aとキャリッジM4001との間
には不図示のゴムなどの弾性部材が設けられ、この弾性
部材の弾性力とヘッドセットレバーばねによる押圧力と
によってコンタクト部E0011aとキャリッジM40
01との確実な接触を可能とするようになっている。さ
らに前記コンタクトFPC E0011はキャリッジM
4001の背面に搭載されたキャリッジ基板E0013
に接続されている(図7参照)。
【0045】[スキャナ]この実施形態におけるプリン
タは、記録ヘッドをスキャナと交換することで読取装置
としても使用することができる。
【0046】このスキャナは、プリンタ側のキャリッジ
と共に移動し、記録媒体に代えて給送された原稿画像を
副走査方向において読み取るようになっており、その読
み取り動作と原稿の給送動作とを交互に行うことによ
り、1枚の原稿画像情報を読み取るようになっている。
【0047】図6はこのスキャナM6000の概略構成
を示す図である。
【0048】図示のように、スキャナホルダM6001
は箱型形状となしており、その内部には読み取りに必要
な光学系・処理回路などが収納されている。また、この
スキャナM6000をキャリッジM4001へと装着し
た時、原稿面と対面する部分にはスキャナ読取レンズM
6006が設けられており、ここから原稿画像を読み取
るようになっている。スキャナ照明レンズM6005は
内部に不図示の光源を有し、その光源から発せられた光
が原稿へと照射される。
【0049】前記スキャナホルダM6001の底部に固
定されたスキャナカバーM6003は、スキャナホルダ
M6001内部を遮光するように嵌合し、側面に設けら
れたルーバー状の把持部によってキャリッジM4001
への着脱操作性の向上を図っている。スキャナホルダM
6001の外形形状は記録ヘッドカートリッジH100
0と略同形状であり、キャリッジM4001へは記録ヘ
ッドカートリッジH1000と同様の操作で着脱するこ
とができる。
【0050】また、スキャナホルダM6001には、前
記処理回路を有する基板が収納される一方、この基板に
接続されたスキャナコンタクトPCBが外部に露出する
よう設けられており、キャリッジM4001へとスキャ
ナM6000を装着した際、前記スキャナコンタクトP
CB M6004がキャリッジM4001側のコンタク
トFPC E0011に接触し、前記基板を、前記キャ
リッジM4001を介して本体側の制御系に電気的に接
続させるようになっている。
【0051】次に、本発明の実施形態における電気的回
路構成を説明する。図7は、この実施形態における電気
的回路の全体構成を概略的に示す図である。
【0052】この実施形態における電気的回路は、主に
キャリッジ基板(CRPCB)E0013、メインPC
B(Printed Circuit Board)E0014、電源ユニッ
トE0015等によって構成されている。ここで、前記
電源ユニットは、メインPCB E0014と接続さ
れ、各種駆動電源を供給するものとなっている。また、
キャリッジ基板E0013は、キャリッジM4001
(図2)に搭載されたプリント基板ユニットであり、コ
ンタクトFPC E0011を通じて記録ヘッドとの信
号の授受を行うインターフェースとして機能する他、キ
ャリッジM4001の移動に伴ってエンコーダセンサE
0004から出力されるパルス信号に基づき、エンコー
ダスケールE0005とエンコーダセンサE0004と
の位置関係の変化を検出し、その出力信号をフレキシブ
ルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じて
メインPCB E0014へと出力する。
【0053】さらに、メインPCBはこの実施形態にお
けるインクジェット記録装置の各部の駆動制御を司るプ
リント基板ユニットであり、紙端検出センサ(PEセン
サ)E0007、ASFセンサE0009、カバーセン
サE0022、パラレルインターフェース(パラレルI
/F)E0016、シリアルインターフェース(シリア
ルI/F)E0017、リジュームキーE0019、L
ED E0020、電源キーE0018、ブザーE00
21等に対するI/Oポートを基板上に有し、さらにC
RモータE0001、LFモータE0002、PGモー
タE0003と接続されてこれらの駆動を制御する他、
インクエンドセンサE0006、GAPセンサE000
8、PGセンサE0010、CRFFC E0012、
電源ユニットE0015との接続インターフェイスを有
する。
【0054】図8は、メインPCBの内部構成を示すブ
ロック図である。図において、E1001はCPUであ
り、このCPU E1001は内部にオシレータOSC
E1002を有すると共に、発振回路E1005に接
続されてその出力信号E1019によりシステムクロッ
クを発生する。また、制御バスE1014を通じてRO
M E1004及びASIC(Application Specific I
ntegrated Circuit)E1006に接続され、ROMに
格納されたプログラムに従って、ASICの制御、電源
キーからの入力信号E1017、及びリジュームキーか
らの入力信号E1016、カバー検出信号E1042、
ヘッド検出信号(HSENS)E1013の状態の検知
を行ない、さらにブザー信号(BUZ)E1018によ
りブザーE0021を駆動し、内蔵されるA/Dコンバ
ータE1003に接続されるインクエンド検出信号(I
NKS)E1011及びサーミスタ温度検出信号(T
H)E1012の状態の検知を行う一方、その他各種論
理演算・条件判断等を行ない、インクジェット記録装置
の駆動制御を司る。
【0055】ここで、ヘッド検出信号E1013は、記
録ヘッドカートリッジH1000からフレキシブルフラ
ットケーブルE0012、キャリッジ基板E0013及
びコンタクトフレキシブルプリントケーブルE0011
を介して入力されるヘッド搭載検出信号であり、インク
エンド検出信号はインクエンドセンサE0006から出
力されるアナログ信号、サーミスタ温度検出信号E10
12はキャリッジ基板E0013上に設けられたサーミ
スタ(図示せず)からのアナログ信号である。
【0056】E1008はCRモータドライバであっ
て、モータ電源(VM)E1040を駆動源とし、AS
IC E1006からのCRモータ制御信号E1036
に従って、CRモータ駆動信号E1037を生成し、C
RモータE0001を駆動する。E1009はLF/P
Gモータドライバであって、モータ電源E1040を駆
動源とし、ASIC E1006からのパルスモータ制
御信号(PM制御信号)E1033に従ってLFモータ
駆動信号E1035を生成し、これによってLFモータ
を駆動すると共に、PGモータ駆動信号E1034を生
成してPGモータを駆動する。
【0057】E1010は電源制御回路であり、ASI
C E1006からの電源制御信号E1024に従って
発光素子を有する各センサ等への電源供給を制御する。
パラレルI/F E0016は、ASIC E1006
からのパラレルI/F信号E1030を、外部に接続さ
れるパラレルI/FケーブルE1031に伝達し、また
パラレルI/FケーブルE1031の信号をASIC
E1006に伝達する。シリアルI/F E0017
は、ASIC E1006からのシリアルI/F信号E
1028を、外部に接続されるシリアルI/Fケーブル
E1029に伝達し、また同ケーブルE1029からの
信号をASIC E1006に伝達する。
【0058】一方、前記電源ユニットE0015から
は、ヘッド電源(VH)E1039及びモータ電源(V
M)E1040、ロジック電源(VDD)E1041が
供給される。また、ASIC E1006からのヘッド
電源ON信号(VHON)E1022及びモータ電源O
N信号(VMOM)E1023が電源ユニットE001
5に入力され、それぞれヘッド電源E1039及びモー
タ電源E1040のON/OFFを制御する。電源ユニ
ットE0015から供給されたロジック電源(VDD)
E1041は、必要に応じて電圧変換された上で、メイ
ンPCB E0014内外の各部へ供給される。
【0059】またヘッド電源E1039は、メインPC
B E0014上で平滑された後にフレキシブルフラッ
トケーブルE0011へと送出され、記録ヘッドカート
リッジH1000の駆動に用いられる。
【0060】E1007はリセット回路で、ロジック電
源電圧E1040の低下を検出して、CPU E100
1及びASIC E1006にリセット信号(RESE
T)E1015を供給し、初期化を行なう。
【0061】このASIC E1006は1チップの半
導体集積回路であり、制御バスE1014を通じてCP
U E1001によって制御され、前述したCRモータ
制御信号E1036、PM制御信号E1033、電源制
御信号E1024、ヘッド電源ON信号E1022、及
びモータ電源ON信号E1023等を出力し、パラレル
I/F E0016及びシリアルI/F E0017と
の信号の授受を行なう他、PEセンサE0007からの
PE検出信号(PES)E1025、ASFセンサE0
009からのASF検出信号(ASFS)E1026、
GAPセンサE0008からのGAP検出信号(GAP
S)E1027、PGセンサE0007からのPG検出
信号(PGS)E1032の状態を検知して、その状態
を表すデータを制御バスE1014を通じてCPU E
1001に伝達し、入力されたデータに基づきCPU
E1001はLED駆動信号E1038の駆動を制御し
てLEDE0020の点滅を行なう。
【0062】さらに、エンコーダ信号(ENC)E10
20の状態を検知してタイミング信号を生成し、ヘッド
制御信号E1021で記録ヘッドカートリッジH100
0とのインターフェイスをとり記録動作を制御する。こ
こにおいて、エンコーダ信号(ENC)E1020はフ
レキシブルフラットケーブルE0012を通じて入力さ
れるCRエンコーダセンサE0004の出力信号であ
る。また、ヘッド制御信号E1021は、フレキシブル
フラットケーブルE0012、キャリッジ基板E001
3、及びコンタクトFPC E0011を経て記録ヘッ
ドカートリッジH1000に供給される。
【0063】図9は、ASIC E1006の内部構成
を示すブロック図である。
【0064】なお、同図において、各ブロック間の接続
については、記録データやモータ制御データ等、ヘッド
や各部機構部品の制御にかかわるデータの流れのみを示
しており、各ブロックに内蔵されるレジスタの読み書き
に係わる制御信号やクロック、DMA制御にかかわる制
御信号などは図面上の記載の煩雑化を避けるため省略し
ている。
【0065】図中、E2002はPLLであり、図9に
示すように前記CPU E1001から出力されるクロ
ック信号(CLK)E2031及びPLL制御信号(P
LLON)E2033により、ASIC E1006内
の大部分へと供給するクロック(図示しない)を発生す
る。
【0066】また、E2001はCPUインターフェー
ス(CPUI/F)であり、リセット信号E1015、
CPU E1001から出力されるソフトリセット信号
(PDWN)E2032、クロック信号(CLK)E2
031及び制御バスE1014からの制御信号により、
以下に説明するような各ブロックに対するレジスタ読み
書き等の制御や、一部ブロックへのクロックの供給、割
り込み信号の受け付け等(いずれも図示しない)を行な
い、CPU E1001に対して割り込み信号(IN
T)E2034を出力し、ASIC E1006内部で
の割り込みの発生を知らせる。
【0067】また、E2005はDRAMであり、記録
用のデータバッファとして、受信バッファE2010、
ワークバッファE2011、プリントバッファE201
4、展開用データバッファE2016などの各領域を有
すると共に、モータ制御用としてモータ制御バッファE
2023を有し、さらにスキャナ動作モード時に使用す
るバッファとして、上記の各記録用データバッファに代
えてスキャナ取込みバッファE2024、スキャナデー
タバッファE2026、送出バッファE2028などの
領域を有する。
【0068】また、このDRAM E2005は、CP
U E1001の動作に必要なワーク領域としても使用
されている。すなわち、E2004はDRAM制御部で
あり、制御バスによるCPU E1001からDRAM
E2005へのアクセスと、後述するDMA制御部E
2003からDRAM E2005へのアクセスとを切
り替えて、DRAM E2005への読み書き動作を行
なう。
【0069】DMA制御部E2003では、各ブロック
からのリクエスト(図示せず)を受け付けて、アドレス
信号や制御信号(図示せず)、書込み動作の場合には書
込みデータ(E2038、E2041、E2044、E
2053、E2055、E2057)などをRAM制御
部に出力してDRAMアクセスを行なう。また読み出し
の場合には、DRAM制御部E2004からの読み出し
データ(E2040、E2043、E2045、E20
51、E2054、E2056、E2058、E205
9)を、リクエスト元のブロックに受け渡す。
【0070】また、E2006は1284I/Fであ
り、CPUI/F E2001を介したCPU E10
01の制御により、パラレルI/F E0016を通じ
て、図示しない外部ホスト機器との双方向通信インター
フェイスを行なう他、記録時にはパラレルI/F E0
016からの受信データ(PIF受信データE203
6)をDMA処理によって受信制御部E2008へと受
け渡し、スキャナ読み取り時にはDRAM E2005
内の送出バッファE2028に格納されたデータ(12
84送信データ(RDPIF)E2059)をDMA処
理によりパラレルI/Fに送信する。
【0071】E2007はUSBI/Fであり、CPU
I/F E2001を介したCPUE1001の制御に
より、シリアルI/F E0017を通じて、図示しな
い外部ホスト機器との双方向通信インターフェイスを行
なう他、記録時にはシリアルI/F E0017からの
受信データ(USB受信データE2037)をDMA処
理により受信制御部E2008に受け渡し、スキャナ読
み取り時にはDRAM E2005内の送出バッファE
2028に格納されたデータ(USB送信データ(RD
USB)E2058)をDMA処理によりシリアルI/
F E0017に送信する。受信制御部E2008は、
1284I/F E2006もしくはUSBI/F E
2007のうちの選択されたI/Fからの受信データ
(WDIF)E2038)を、受信バッファ制御部E2
039の管理する受信バッファ書込みアドレスに、書込
む。E2009は圧縮・伸長DMAであり、CPUI/
F E2001を介したCPUE1001の制御によ
り、受信バッファE2010上に格納された受信データ
(ラスタデータ)を、受信バッファ制御部E2039の
管理する受信バッファ読み出しアドレスから読み出し、
そのデータ(RDWK)E2040を指定されたモード
に従って圧縮・伸長し、記録コード列(WDWK)E2
041としてワークバッファ領域に書込む。
【0072】E2013は記録バッファ転送DMAで、
CPUI/F E2001を介したCPU E1007
の制御によってワークバッファE2011上の記録コー
ド(RDWP)E2043を読み出し、各記録コード
を、記録ヘッドカートリッジH1000へのデータ転送
順序に適するようなプリントバッファE2014上のア
ドレスに並べ替えて転送(WDWP E2044)す
る。また、E2012はワーククリアDMAであり、C
PUI/F E2001を介したCPU E1001の
制御によって記録バッファ転送DMA E2015によ
る転送が完了したワークバッファ上の領域に対し、指定
したワークフィルデータ(WDWF)E2042を繰返
し書込み転送する。
【0073】E2015は記録データ展開DMAであ
り、CPUI/F E2001を介したCPU E10
01の制御により、ヘッド制御部E2018からのデー
タ展開タイミング信号E2050をトリガとして、プリ
ントバッファ上に並べ替えて書込まれた記録コードと展
開用データバッファE2016上に書込まれた展開用デ
ータとを読み出し、展開記録データ(RDHDG)E2
045を生成し、これをカラムバッファ書込みデータ
(WDHDG)E2047としてカラムバッファE20
17に書込む。ここで、カラムバッファE2017は、
記録ヘッドカートリッジH1000へと転送データ(展
開記録データ)とを一時的に格納するSRAMであり、
記録データ展開DMAとヘッド制御部とのハンドシェー
ク信号(図示せず)によって両ブロックにより共有管理
されている。
【0074】E2018はヘッド制御部で、CPUI/
F E2001を介したCPU E1001の制御によ
り、ヘッド制御信号を介して記録ヘッドカートリッジH
1000またはスキャナとのインターフェイスを行なう
他、E2019エンコーダ信号処理部E2019からの
ヘッド駆動タイミング信号E2049に基づき、記録デ
ータ展開DMAに対してデータ展開タイミング信号E2
050の出力を行なう。
【0075】また、記録時には、前記ヘッド駆動タイミ
ング信号E2049に従って、カラムバッファから展開
記録データ(RDHD)E2048を読み出し、そのデ
ータをヘッド制御信号E1021を通じて記録ヘッドカ
ートリッジH1000に出力する。また、スキャナ読み
取りモードにおいては、ヘッド制御信号E1021を通
して入力された取込みデータ(WDHD)E2053を
DRAM E2005上のスキャナ取込みバッファE2
024へとDMA転送する。E2025はスキャナデー
タ処理DMAであり、CPUI/F E2001を介し
たCPU E1001の制御により、スキャナ取込みバ
ッファE2024に蓄えられた取込みバッファ読み出し
データ(RDAV)E2054を読み出し、平均化等の
処理を行なった処理済データ(WDAV)E2055を
DRAM E2005上のスキャナデータバッファE2
026に書込む。E2027はスキャナデータ圧縮DM
Aで、CPUI/F E2001を介したCPU E1
001の制御により、スキャナデータバッファE202
6上の処理済データ(RDYC)E2056を読み出し
てデータ圧縮を行ない、圧縮データ(WDYC)E20
57を送出バッファE2028に書込む。
【0076】E2019はエンコーダ信号処理部であ
り、エンコーダ信号(ENC)を受けて、CPU E1
001の制御で定められたモードに従ってヘッド駆動タ
イミング信号E2049を出力する他、エンコーダ信号
E1020から得られるキャリッジM4001の位置や
速度にかかわる情報をレジスタに格納して、CPU E
1001に提供する。CPU E1001はこの情報に
基づき、CRモータE0001の制御における各種パラ
メータを決定する。また、E2020はCRモータ制御
部であり、CPUI/F E2001を介したCPU
E1001の制御により、CRモータ制御信号E103
6を出力する。
【0077】E2022はセンサ信号処理部で、PGセ
ンサE0010、PEセンサE0007、ASFセンサ
E0009、及びGAPセンサE0008等から出力さ
れる各検出信号を受けて、CPU E1001の制御で
定められたモードに従ってこれらのセンサ情報をCPU
E1001に伝達する他、LF/PGモータ制御部D
MA E2021に対してセンサ検出信号E2052を
出力する。
【0078】LF/PGモータ制御DMAE2021
は、CPUI/F E2001を介したCPU E10
01の制御により、DRAM E2005上のモータ制
御バッファE2023からパルスモータ駆動テーブル
(RDPM)E2051を読み出してパルスモータ制御
信号Eを出力する他、動作モードによっては前記センサ
検出信号を制御のトリガとしてパルスモータ制御信号E
1033を出力する。また、E2030はLED制御部
であり、CPUI/F E2001を介したCPU E
1001の制御により、LED駆動信号E1038を出
力する。さらに、E2029はポート制御部であり、C
PUI/F E2001を介したCPU E1001の
制御により、ヘッド電源ON信号E1022、モータ電
源ON信号E1023、及び電源制御信号E1024を
出力する。
【0079】次に、上記のように構成された本発明の実
施形態におけるインクジェット記録装置の動作を図10
のフローチャートに基づき説明する。
【0080】AC電源に本装置が接続されると、まず、
ステップS1では装置の第1の初期化処理を行なう。こ
の初期化処理では、本装置のROM及びRAMのチェッ
クなどの電気回路系のチェックを行ない、電気的に本装
置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0081】次にステップS2では、装置本体M100
0の上ケースM1002に設けられた電源キーE001
8がONされたかどうかの判断を行い、電源キーE00
18が押された場合には、次のステップS3へと移行
し、ここで第2の初期化処理を行う。
【0082】この第2の初期化処理では、本装置の各種
駆動機構及びヘッド系のチェックを行なう。すなわち、
各種モータの初期化やヘッド情報の読み込みを行うに際
し、本装置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0083】次にステップS4ではイベント待ちを行な
う。すなわち、本装置に対して、外部I/Fからの指令
イベント、ユーザ操作によるパネルキーイベント及び内
部的な制御イベントなどを監視し、これらのイベントが
発生すると当該イベントに対応した処理を実行する。
【0084】例えば、ステップS4で外部I/Fからの
記録指令イベントを受信した場合には、ステップS5へ
と移行し、同ステップでユーザ操作による電源キーイベ
ントが発生した場合にはステップS10へと移行し、同
ステップでその他のイベントが発生した場合にはステッ
プS11へと移行する。ここで、ステップS5では、外
部I/Fからの記録指令を解析し、指定された紙種別、
用紙サイズ、記録品位、給紙方法などを判断し、その判
断結果を表すデータを本装置内のRAM E2005に
記憶し、ステップS6へと進む。次いでステップS6で
はステップS5で指定された給紙方法により給紙を開始
し、用紙を記録開始位置まで送り、ステップS7に進
む。ステップS7では記録動作を行なう。この記録動作
では、外部I/Fから送出されてきた記録データを、一
旦記録バッファに格納し、次いでCRモータE0001
を駆動してキャリッジM4001の走査方向への移動を
開始すると共に、プリントバッファE2014に格納さ
れている記録データを記録ヘッドカートリッジH100
0へと供給して1行の記録を行ない、1行分の記録デー
タの記録動作が終了するとLFモータE0002を駆動
し、LFローラM3001を回転させて用紙を副走査方
向へと送る。この後、上記動作を繰り返し実行し、外部
I/Fからの1ページ分の記録データの記録が終了する
と、ステップ8へと進む。
【0085】ステップS8では、LFモータE0002
を駆動し、排紙ローラM2003を駆動し、用紙が完全
に本装置から送り出されたと判断されるまで紙送りを繰
返し、終了した時点で用紙は排紙トレイM1004a上
に完全に排紙された状態となる。
【0086】次にステップS9では、記録すべき全ペー
ジの記録動作が終了したか否かを判定し、記録すべきペ
ージが残存する場合には、ステップS5へと復帰し、以
下、前述のステップS5〜S9までの動作を繰り返し、
記録すべき全てのページの記録動作が終了した時点で記
録動作は終了し、その後ステップS4へと移行し、次の
イベントを待つ。
【0087】一方、ステップS10ではプリンタ終了処
理を行ない、本装置の動作を停止させる。つまり、各種
モータやヘッドなどの電源を切断するために、電源を切
断可能な状態に移行した後、電源を切断しステップS4
に進み、次のイベントを待つ。
【0088】また、ステップS11では、上記以外の他
のイベント処理を行なう。例えば、本装置の各種パネル
キーや外部I/Fからの回復指令や内部的に発生する回
復イベントなどに対応した処理を行なう。なお、処理終
了後にはステップS4に進み、次のイベントを待つ。
【0089】[第1の実施形態]以下、上記のプリンタ
に搭載される記録ヘッドH1001の内部構成及びプリ
ンタ本体とのデータの送受信について説明する。
【0090】ここでは、記録素子としてヒータを用い、
該ヒータから発生される熱エネルギーを利用してインク
を吐出する、いわゆるサーマルインクジェット方式の記
録ヘッドにおいて、1つの記録ヘッドの中にn個の記録
素子基板H1100が実装されている場合について述べ
る。各記録素子基板は1つの色のインクに対応したノズ
ル列が配置されており、全体としてn色のインクを用い
てカラー記録を行う。例えばこのn色は、ブラック、イ
エロー、シアン、マゼンタの4色であり、またはこれに
薄シアン、薄マゼンタの2色を合わせた6色などであ
る。
【0091】まずこの記録素子基板H1100の動作に
ついて、1つの記録素子基板を取り上げて説明する。
【0092】図11は、記録素子基板H1100内部の
概略構成を表わすブロック図である。なお、本図は一つ
の記録素子基板のみを示しており、これに接続されるフ
レキシブル配線基板やプリンタ本体のヘッド駆動回路は
省略している。
【0093】図中101は画像データを格納するシフト
レジスタ、102はシフトレジスタ101から出力され
た画像データを一時的に記憶するラッチ、103はラッ
チ102からの出力及びヒートパルスから各記録素子の
駆動条件を得るためのANDゲート、104はANDゲ
ートからの出力により駆動されるパワートランジスタ、
105は記録素子であり、ここでは抵抗体などのヒータ
を用いている。
【0094】111は記録素子105の特性値を記憶す
るヒューズ式ROMなどのメモリであり、112はメモ
リ111に格納されたデータを1ビットずつ順次出力す
るシフトレジスタ、113は記録素子基板の温度を検出
する温度センサ、114は温度センサの出力をデジタル
データに変換するA/D変換器、115はA/D変換器
の出力を1ビットずつ出力するシフトレジスタである。
121は他の記録素子基板からのメモリ出力を入力する
ための端子、122は他の記録素子基板からの温度セン
サ出力を入力するための端子、123は他の記録素子基
板へメモリ出力を出力するための端子、124は他の記
録素子基板へ温度センサ出力を出力するための端子であ
る。
【0095】また、VHはヒータ電源の入力端子、GN
Dは接地端子、Heatはヒート信号の入力端子、La
tchはラッチ信号の入力端子、DATAは画像データ
の入力端子、CLKはクロック信号の入力端子である。
【0096】図17は本記録素子基板の各端子に入力さ
れる信号の状態を示すタイミングチャートである。以
下、このタイミングチャートを参照してこの記録素子基
板の動作を説明する。
【0097】最初に、画像データが、シリアルデータと
してクロック端子CLKに印加されるクロック信号に同
期されて画像データ端子DATAより入力される。入力
された画像データは、シフトレジスタ101に入力さ
れ、クロック信号に同期して順次隣接するレジスタへ転
送される。
【0098】ここでクロック信号及び画像データは、ヒ
ータ105の数、すなわちノズル数に対応した数だけ入
力され、シフトレジスタ101及びラッチ102も各ヒ
ータに対するデータが保持できる容量となっている。
【0099】画像データがシフトレジスタ101のすべ
てのビットに転送されたところで、ラッチ信号入力端子
Latchへラッチ信号を印加することで、画像データ
がラッチ102へ一時的に記憶される。なお、ここでラ
ッチ102はローアクティブであり、信号がローレベル
となった時にラッチ動作が行われる。これらの動作によ
り、入力された画像データは、シリアルデータからパラ
レルデータへと変換される。
【0100】次に、ヒート信号入力端子Heatより、
ヒート信号を入力し、ANDゲート103でこのヒート
信号とデータラッチに保持された画像データとの論理積
を取り、論理積が真となった場合、このビット(ノズ
ル)に対応したヒータ105にヒータ電源VHとヒータ
105の抵抗値Rhで規定される電流IHが流れる。
【0101】ここでインクの発泡・吐出に必要な熱エネ
ルギーがヒータ105により生成される時間だけヒート
信号を印加すると、対応するノズルよりインクが吐出さ
れることとなる。
【0102】またこのヒータ電流IHを通電させる間
に、その次のヒート信号により画像形成を行うための画
像データを同時に入力することで、画像転送とヒータ加
熱を効率良く行うことができる。このヒータ電流IHの
通電と画像データ転送を任意の回数繰り返したのち、画
像データ転送を行わずにヒータ電流IHのみを通電させ
ることで、画像形成のシーケンスが完了する。
【0103】上述のように、この記録素子基板H110
0には、これら記録動作を最適に行う条件を求めるため
に、記録動作に必要な回路に加え、温度センサ113と
その出力をデジタル情報に変換してパルス信号として出
力するA/D変換器114を搭載しており、また、記録
素子の製造過程でのバラツキに起因する素子特性を記憶
するメモリ111を搭載している。
【0104】これらのデータはシリアルデータとして出
力できるように、温度センサ出力用及び素子特性出力用
として2つのシフトレジスタ115及び112を搭載し
ており、次に述べる動作によりこれらのデータが対応す
る出力端子124及び123から出力される。
【0105】まず、A/D変換器114により、素子基
板の温度を検出する例えばダイオード型の温度センサ1
13からのアナログ信号が数ビットのデジタル信号に変
換される。デジタル信号に変換された温度情報は、La
tch端子からラッチ信号が入力されると、温度センサ
出力用シフトレジスタ115に転送されてレジスタ内に
保持される。シフトレジスタ115に保持された温度情
報は、CLK端子から入力されるクロック信号に同期し
て隣接するレジスタへ順次転送され、温度センサ出力端
子124からシリアルデータとして出力される。
【0106】一方、素子特性メモリ111は、記録素子
基板内に作り込まれたヒューズROMなどの不揮発性メ
モリであり、このメモリ出力は素子特性出力用シフトレ
ジスタ112によって、温度センサ出力と同様にパラレ
ル−シリアル変換される。
【0107】すなわち、Latch端子からラッチ信号
が入力されると、メモリ111からのデータ信号がシフ
トレジスタ112の各レジスタ内に保持される。レジス
タに保持されたデータは、CLK端子から入力されるク
ロック信号に同期して隣接するレジスタへ順次転送さ
れ、メモリ出力端子123からシリアルデータとして出
力される。なお、画像データ転送シフトレジスタ101
ではローアクティブであったラッチ信号は、これらシフ
トレジスタ115及び112ではハイアクティブとなっ
ている。
【0108】本実施形態においては、画像データ転送を
行う期間においてはクロック信号が入力されても、温度
センサ出力端子124及びメモリ出力端子123からの
データ出力は行われない。これは、ラッチ信号を温度セ
ンサ出力用シフトレジスタ115及びメモリ出力用シフ
トレジスタ112からの出力を有効/無効とするゲート
信号としても利用し、ラッチ信号がハイレベルの時には
出力が無効となり、ラッチ信号がローレベルのときのみ
出力が有効となるように構成していることによる。
【0109】このような構成としている理由は、特に温
度センサ113及びA/D変換器114など、ノイズに
より検出精度の劣化が考えられる素子から情報を読み込
む場合には、画像データ転送、ヒータ電流駆動のシーケ
ンスとは別のタイミングで行う方が精度劣化が少なく、
好ましい場合が多いためである。
【0110】そのため図17のタイミングチャートで
は、ヒータ電流の通電(ON)及び画像データの入力が
完了した後にラッチ信号をローレベルとし、温度センサ
出力及び素子特性メモリ出力のビット数に応じたクロッ
クパルスを入力し、その時に出力されるデータを、直後
に行われる記録素子駆動の条件の最適化に用いることを
想定している。
【0111】次に、このような記録素子基板がn個だけ
実装されている場合に、プリンタ本体との電気的な接続
を行うためのヘッドパッドへの配線について説明する。
【0112】図12は、n個の記録素子基板とこれら素
子基板間の配線、並びにプリンタ本体との接続のための
ヘッドパッドとの接続を示す図である。
【0113】図示されたように、ヒータ電源VH、GN
D、及びLatchやCLK信号は、n個の記録素子基
板全てに同じ電圧や信号を与えれば良いので、一つのヘ
ッドパッドからフレキシブル配線基板内で分岐させ、各
記録素子基板へ印加される。なお本図中ではこれらのヘ
ッドパッドは略してある。
【0114】一方、画像データであるDATAや、ヒー
タの通電時間を規定するHeat信号は、記録画像形成
や最適な駆動を記録素子基板毎に行う必要があるため、
各記録素子基板に対して別個に印加する必要がある。そ
のため、記録素子基板それぞれに対して別個に信号を入
力すべく、各記録素子基板に対して2つのヘッドパッド
201〜20nが設けられている。
【0115】各記録素子基板の温度センサ出力端子12
4及びメモリ(素子特性)出力端子123は、それぞれ
隣接する記録素子基板の温度センサ入力端子122及び
メモリ入力端子121と、フレキシブル配線によりカス
ケード接続されている。また、隣接する記録素子基板の
ない端部の記録素子基板、すなわち1枚目の記録素子基
板の温度センサ入力端子122及びメモリ入力端子12
1は、VSSに接続され、n枚目の記録素子基板の温度
センサ出力端子124及びメモリ出力端子123から
は、配線が引きだされてMemory Out及びTe
mp.Outの2つのヘッドパッド210に接続されて
いる。
【0116】以下、このように接続された記録素子基板
から温度センサ出力及びメモリ出力を読み出す際の動作
について説明する。なお、記録素子基板の画像データの
転送及びヒータ駆動動作は、図11及び図17に関して
説明した単一の記録素子基板の動作と同様であるため説
明は省略する。
【0117】図15は、このように接続された記録素子
基板から温度センサ出力及びメモリ出力を読み出す際の
各信号の状態を示すタイミングチャートである。このタ
イミングチャートで示している信号はいずれも、ヘッド
パッドに入力又は出力される信号である。
【0118】ここで温度センサ出力及び素子特性メモリ
出力の動作は、先に述べた単一の記録素子基板の動作と
同様に、一つのヘッドパッドから各記録素子へ共通に印
加されるLatch信号及びCLK信号により制御され
る。
【0119】まず、ラッチ信号Latch(ハイアクテ
ィブ)がヘッドパッドから印加されると、すべての記録
素子基板内で、温度センサ出力用シフトレジスタ11
5、及び素子特性出力用シフトレジスタ112の各レジ
スタへデータが保持される。
【0120】次に、クロック信号CLKがヘッドパッド
から印加されると、それらのシフトレジスタは保持され
ている温度情報、メモリデータを隣接するレジスタへ順
次転送する。
【0121】このデータ転送は、カスケード接続された
記録素子基板間でも互いのシフトレジスタ間で行われる
ため、順次隣接する記録素子基板の温度センサ出力、及
び素子特性メモリの情報は、図中左から右の方向に1枚
目の記録素子基板からn枚目の記録素子基板そしてヘッ
ドパッド出力端子に向かって順次転送され、各記録素子
基板内のシフトレジスタのビット数(図15のタイミン
グチャートではxと表している)のn倍だけクロック信
号を入力することで、すべての記録素子基板の温度及び
素子特性メモリのデータが、ヘッドパッド210のMe
mory Out端子及びTemp. Out端子から
シリアルに出力されることになる。
【0122】なお、本実施形態においては入力側に隣接
する記録素子基板のない1枚目の記録素子基板の温度セ
ンサ入力端子122及びメモリ入力端子121には基板
電位が接続されている。そのため、シフトレジスタのビ
ット数(x)のn倍以上のクロックパルスを印加した場
合は出力として“Low”がヘッドパッド210の対応
する端子から出力されることになる。
【0123】以上説明したように本実施形態によれば、
従来は各記録素子基板から別々にヘッドパッドまで引き
出して読み出す必要のあった温度センサや素子特性等の
情報を、それぞれ一つのヘッドパッドのみですべての記
録素子基板からのデータをシリアルに読み出すことが可
能となるため、プリンタ本体との接続のためのヘッドパ
ッド数が削減でき、接続を単純化して、記録ヘッド及び
プリンタ本体の小型化、プリンタ本体の信号送受信回路
の簡素化などによるコストダウンが可能となる。
【0124】[第2の実施形態]以下、本発明に係る記
録ヘッドの第2の実施形態について説明する。なお、以
下の説明において、上記第1の実施形態と同様な部分に
は同じ参照符号を付して説明を省略する。本実施形態も
第1の実施形態と同様、サーマルインクジェット方式の
記録ヘッドであり、その中にn個の記録素子基板が実装
されているものである。
【0125】まずこの記録素子基板H1100の動作に
ついて、1つの記録素子基板を取り上げて説明する。
【0126】図13は、記録素子基板H1100内部の
概略構成を表わすブロック図である。なお、本図は一つ
の記録素子基板のみを示しており、これに接続されるフ
レキシブル配線基板やプリンタ本体のヘッド駆動回路は
省略している。
【0127】本実施形態の記録素子基板には第1の実施
形態と同様に、記録動作を最適に行う条件を求めるため
に、温度センサ113とその出力をデジタル情報に変換
してパルス信号として出力するA/D変換器114を搭
載しており、また、記録素子の製造過程でのバラツキに
起因する素子特性を記憶するメモリ111を搭載してい
る。
【0128】そしてこれらのデータをシリアルデータと
して出力できるように、それぞれに対してシリアル出力
回路131及び134を備えている。すなわち、第1の
実施形態においては、シフトレジスタを用いてこれらの
データをシリアルで出力するように構成されていたが、
本実施形態においてはシフトレジスタに限定されないシ
リアル出力回路を備えている。また、出力されるデータ
の制御のために、各シリアル出力回路に対してANDゲ
ート及びORゲートをそれぞれ有している。
【0129】図18は本記録素子基板の各端子に入力さ
れる信号の状態を示すタイミングチャートである。以
下、このタイミングチャートを参照してこの記録素子基
板の動作を説明する。なお、画像データの転送及びヒー
タ駆動動作は、第1の実施形態で述べた記録素子の動作
と同様であるため説明は省略する。
【0130】まず、A/D変換器114により、記録素
子基板の温度を検出する例えばダイオード型の温度セン
サ113からのアナログ信号を数ビットのデジタル信号
に変換される。デジタル信号に変換された温度信号は、
シリアル出力回路131に入力される。そしてシリアル
出力回路131は、上記第1の実施形態のシフトレジス
タと同様にLatchをリセット信号とし、CLK信号
に応じて順次データを出力する。
【0131】更に、本実施形態では、このシリアル出力
回路131の出力と、記録素子に画像データを入力する
ためのDATA入力とがANDゲート132の入力に接
続されている。これにより、ANDゲート132からは
DATA信号がハイレベル(真)の時のみ、出力が有効
となる。またこのANDゲート132の出力と、温度入
力端子122から入力される信号とがORゲート133
に入力され、ORゲート133の出力が温度センサ出力
端子124へ出力される。
【0132】すなわち、DATA信号がハイレベル
(真)の時に記録素子内の温度センサ出力回路が有効と
なり、かつ温度入力端子122からの入力がハイレベル
(真)の時は温度センサ出力端子124からの出力が有
効となる。
【0133】また記録素子基板内に作り込まれたヒュー
ズROMなどの不揮発性メモリである素子特性メモリ1
11からの出力も同様に、シリアル出力回路134によ
りシリアルデータとして出力される。このときもシリア
ル出力回路134は、Latchをリセット信号とし、
CLK信号に応じて順次データを出力する。
【0134】この場合もシリアル出力回路134の出力
は、DATA信号と共にとANDゲート135の入力に
接続されており、ANDゲート135の出力はメモリ入
力端子121からの信号と共にORゲート136の入力
に接続されている。そしてORゲート136からの出力
がメモリ出力端子123から出力される。
【0135】このように本実施形態では、DATA信号
によるゲート作用と共に、第1の実施形態と同様にラッ
チ信号によるゲート作用、すなわちラッチ信号がハイレ
ベル(真)の時には出力が無効となり、ラッチ信号がロ
ーレベル(偽)の時に出力が有効となるようにシリアル
出力回路を構成することにより、画像データ転送時に温
度センサ出力124やメモリ出力123からデータが出
力されることを防止している。
【0136】図14は、n個の記録素子基板とこれら素
子基板間の配線、並びにプリンタ本体との接続のための
ヘッドパッドとの接続を示す図である。
【0137】図示されたように、ヒータ電源VH、GN
D、及びLatchやCLK信号は、n個の記録素子基
板全てに同じ電圧や信号を与えれば良いので、一つのヘ
ッドパッドからフレキシブル配線基板内で分岐させ、各
記録素子基板へ印加される。なお本図中ではこれらのヘ
ッドパッドは略してある。
【0138】一方、画像データであるDATAや、ヒー
タの通電時間を規定するHeat信号は、記録画像形成
や最適な駆動を記録素子基板毎に行う必要があるため、
各記録素子基板に対して別個に印加する必要がある。そ
のため、記録素子基板それぞれに対して別個に信号を入
力すべく、各記録素子基板に対して2つのヘッドパッド
201〜20nが設けられている。
【0139】各記録素子基板の温度センサ出力端子12
4及びメモリ(素子特性)出力端子123は、それぞれ
隣接する記録素子基板の温度センサ入力端子122及び
メモリ入力端子121と、フレキシブル配線により接続
されている。また、隣接する記録素子基板のない端部の
記録素子基板、すなわち1枚目の記録素子基板の温度セ
ンサ入力端子122及びメモリ入力端子121は、基板
電位に接続され、n枚目の記録素子基板の温度センサ出
力端子124及びメモリ出力端子123からは、配線が
引きだされてMemory Out及びTemp.Ou
tの2つのヘッドパッド210に接続されている。
【0140】以下、このように接続された記録素子基板
から温度センサ出力及びメモリ出力を読み出す際の動作
について説明する。なお、記録素子基板の画像データの
転送及びヒータ駆動動作は、従来例及び第1の実施形態
と同様であるため説明は省略する。
【0141】図16は、このように接続された記録素子
基板から温度センサ出力及びメモリ出力を読み出す際の
各信号の状態を示すタイミングチャートである。このタ
イミングチャートで示している信号はいずれも、ヘッド
パッドに入力又は出力される信号である。
【0142】ここで温度センサ出力及び素子特性メモリ
出力の動作は、先に述べた単一の記録素子基板の動作と
同様に、一つのヘッドパッドから各記録素子へ共通に印
加されるLatch信号及びCLK信号により制御され
る。
【0143】まず、ラッチ信号Latch(ハイアクテ
ィブ)がヘッドパッドから印加されると、すべての記録
素子基板内で、温度センサ用シリアル出力回路131、
及び素子特性用シリアル出力回路134がリセットされ
る。次に、クロック信号CLKがヘッドパッドから印加
されると、それらのシリアル出力回路は温度情報、メモ
リデータを1bitずつCLK信号に同期して順次出力
する。
【0144】ただしここで、この出力が有効となるの
は、画像データ転送用のDATAがハイレベル(真)と
なっている場合のみであり、DATA端子がローレベル
(偽)となっている記録素子基板は、温度入力端子12
2、及びメモリ入力端子121から入力される信号をそ
のまま、温度出力端子124及びメモリ出力端子123
へ出力する(スルーする)こととなる。
【0145】ここで温度センサ出力及び素子特性出力を
ヘッドパッド210から読み出す場合、n個の記録素子
基板のうち任意の一つの記録素子基板に対してのみDA
TAをハイレベルとし、ラッチ及びクロック信号を入力
すれば、そのDATAをハイレベルとした記録素子基板
からの出力のみが有効となり、記録素子基板の出力端子
から出力される。この出力は、DATAがローレベルと
なっている他の記録素子基板を介し、ヘッドパッド21
0の出力端子までそのまま出力されることになる。
【0146】すなわち、本実施形態の構成により、DA
TA信号をゲート信号として、n個ある記録素子基板の
うち選択した任意の記録素子基板の温度や素子特性など
のデータを、ヘッドパッド210から読み出すことが可
能となる。
【0147】ここで、記録素子基板に対応して設けられ
たDATAパッドは、元来、記録画像形成のために記録
素子基板それぞれに対応して必要であるので、これを本
実施形態のようにゲート信号としても利用することは、
ヘッドパッドの増加にはつながるものではない。
【0148】図16に示したタイミングチャートにおい
ては、温度センサ出力、メモリ出力が共にx bitで
ある場合に、各記録素子基板から順にそれぞれのデータ
をシリアルに出力させる際の信号を示している。DAT
A1は1枚目の記録素子基板のDATA信号であり、D
ATAnはn枚目の記録素子基板のDATA信号であ
る。
【0149】以上説明したように本実施形態によれば、
第1の実施形態の効果に加え、選択した任意の記録素子
基板の温度や素子特性のみをヘッドパッドから出力させ
ることが可能となる。
【0150】[他の実施形態]なお、上記実施形態で
は、温度センサ及び素子特性のデータをシリアルに出力
する例について説明したが、記録ヘッドとプリンタ本体
とで送受信するこれ以外のデータについても同様に実施
できることは明らかであろう。
【0151】以上の実施形態は、特にインクジェット記
録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用され
るエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例え
ば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギ
ーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いるこ
とにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0152】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。
【0153】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に
優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。
【0154】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0155】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書に記載された構成も本発明に含
まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対し
て、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構
成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネ
ルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構
成を開示する特開昭59−138461号公報に基づい
た構成としても良い。
【0156】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0157】加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘ
ッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリ
ッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着さ
れることで、装置本体との電気的な接続や装置本体から
のインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの
記録ヘッドを用いてもよい。
【0158】また、以上説明した記録装置の構成に、記
録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加する
ことは記録動作を一層安定にできるので好ましいもので
ある。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対して
のキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは
吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子
あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などが
ある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを
備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0159】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
も良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもで
きる。
【0160】以上説明した実施の形態においては、イン
クが液体であることを前提として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化も
しくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジ
ェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下
の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範
囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、
使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば
よい。
【0161】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、
またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し
加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒
体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0162】このような場合インクは、特開昭54−5
6847号公報あるいは特開昭60−71260号公報
に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に
液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換
体に対して対向するような形態としてもよい。本発明に
おいては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0163】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そ
のシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPU
やMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを
読出し実行することによっても、達成されることは言う
までもない。
【0164】この場合、記憶媒体から読出されたプログ
ラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現するこ
とになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は
本発明を構成することになる。
【0165】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディス
ク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD
−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMな
どを用いることができる。
【0166】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレ
ーティングシステム)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が
実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0167】さらに、記憶媒体から読出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれることは言うまでもない。
【0168】本発明を上記記憶媒体に適用する場合、そ
の記憶媒体には、先に説明した(図15及び/または図
16に示す)タイミングチャートに対応するプログラム
コードが格納されることになる。
【0169】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来は各記録素子基板から別々の配線経路で読み出す必要
のあった温度センサや素子特性等の駆動条件に関する情
報を、同じ信号経路ですべての記録素子基板からのデー
タをシリアルに読み出すことが可能となる。
【0170】従って、記録ヘッドと記録装置本体との接
続に必要な信号の数が削減でき、接続のための構成を単
純化して、記録ヘッド及び記録装置本体の小型化、記録
装置本体の信号送受信回路の簡素化などによるコストダ
ウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるインクジェットプリ
ンタの外観構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すものの外装部材を取り外した状態を
示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に用いる記録ヘッドカートリ
ッジを組立てた状態を示す図である。
【図4】図3に示す記録ヘッドカートリッジを記録ヘッ
ドとインクタンクとに分離した状態を示す図である。
【図5】図4に示した記録ヘッドの分解斜視図である。
【図6】本発明の実施形態におけるスキャナカートリッ
ジを示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態における電気的回路の全体構
成を概略的に示すブロック図である。
【図8】図7に示したメインPCBの内部構成を示すブ
ロック図である。
【図9】図8に示したASICの内部構成を示すブロッ
ク図である。
【図10】本発明の実施形態の動作を示すフローチャー
トである。
【図11】本発明の記録ヘッドの第1の実施形態におけ
る記録素子基板1つの構成を示すブロック図である。
【図12】図11の記録素子基板を複数備えた記録ヘッ
ドの回路構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の記録ヘッドの第2の実施形態におけ
る記録素子基板1つの構成を示すブロック図である。
【図14】図13の記録素子基板を複数備えた記録ヘッ
ドの回路構成を示すブロック図である。
【図15】図12の構成で温度データ及びメモリデータ
を読み出す際の各信号の状態を示すタイミングチャート
である。
【図16】図14の構成で温度データ及びメモリデータ
を読み出す際の各信号の状態を示すタイミングチャート
である。
【図17】図11の構成で温度データ及びメモリデータ
を読み出す際の各信号の状態を示すタイミングチャート
である。
【図18】図13の構成で温度データ及びメモリデータ
を読み出す際の各信号の状態を示すタイミングチャート
である。
【符号の説明】
H1100 記録素子基板 101、112、115 シフトレジスタ 102 ラッチ 103、132、135 ANDゲート 104 パワートランジスタ 105 ヒータ 111 素子特性メモリ 113 温度センサ 114 A/D変換器 121 メモリ入力端子 122 温度入力端子 123 メモリ出力端子 124 温度出力端子 133、134 シリアル出力回路 133、136 ORゲート 201、202、20n、210 ヘッドパッド

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録素子列と、シリアルで入力される記
    録データに従って前記記録素子列を駆動する駆動回路
    と、記録素子の駆動条件に関する情報を出力する出力手
    段と、を有する記録素子基板を複数備えた記録ヘッドで
    あって、 各記録素子基板が、別の記録素子基板の出力手段から出
    力された前記情報を受信する受信手段を有し、 前記出力手段が、前記情報と前記受信手段で受信した別
    の記録素子基板の情報とを同じ信号経路でシリアルに出
    力するように構成されていることを特徴とする記録ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記出力手段が出力端子を含み、前記受
    信手段が入力端子を含んでおり、前記複数の記録素子基
    板が、前記出力端子と前記入力端子とによってカスケー
    ド接続されていることを特徴とする請求項1に記載の記
    録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記出力手段が、シフトレジスタを含む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記出力手段が、前記記録データの入力
    に用いられる信号によって出力を制御されるように構成
    されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の記
    録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記記録素子の駆動条件に関する情報
    が、記録素子基板の温度データ及び記録素子の特性デー
    タの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1か
    ら4のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記記録ヘッドは、インクを吐出して記
    録を行うインクジェット記録ヘッドであることを特徴と
    する請求項1から5のいずれか1項に記載の記録ヘッ
    ド。
  7. 【請求項7】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用
    してインクを吐出する記録ヘッドであって、前記記録素
    子はインクに与える熱エネルギーを発生するための熱エ
    ネルギー変換体を含むことを特徴とする請求項6に記載
    の記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれか1項に記載の
    記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置であって、 前記情報に応じて各記録素子基板毎に駆動条件を変更可
    能に構成されていることを特徴とする記録装置。
  9. 【請求項9】 記録素子列と、シリアルで入力される記
    録データに従って前記記録素子列を駆動する駆動回路
    と、記録素子の駆動条件に関する情報を出力する出力手
    段と、を有する記録素子基板を複数備えた記録ヘッド
    と、該記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置との間の
    データ転送方法であって、 各記録素子基板が、別の記録素子基板の出力手段から出
    力された前記情報を受信し、 前記情報と受信した別の記録素子基板の情報とを前記出
    力手段によって同じ信号経路でシリアルに出力すること
    を特徴とする記録ヘッドと記録装置との間のデータ転送
    方法。
JP2000264254A 2000-08-31 2000-08-31 記録ヘッド、記録装置、及び記録ヘッドと記録装置との間のデータ転送方法 Withdrawn JP2002067290A (ja)

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