JP2002028705A - マンドレルミルによる圧延方法および圧延設備 - Google Patents

マンドレルミルによる圧延方法および圧延設備

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Abstract

(57)【要約】 【課題】黒鉛系潤滑剤を使用してマンドレルミル圧延を
おこなった後、同じ製造ラインで非黒鉛系潤滑剤を用い
た圧延で、管内面に浸炭層が発生しない圧延方法および
圧延設備の提供。 【解決手段】圧延後の管内面に発生する浸炭層が問題と
ならない鋼種の素管を圧延する場合は、マンドレルバー
に塗布する潤滑剤として非耐水性の黒鉛系潤滑剤を用い
て圧延し、次いで浸炭層が問題となる鋼種の素管を圧延
する場合には、マンドレルバー搬送ラインおよびマンド
レルバーを水洗してそれらに付着している黒鉛系潤滑剤
を除去し、かつマンドレルバーに塗布する潤滑剤として
非黒鉛系潤滑剤を用いて圧延する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マンネスマン・マ
ンドレルミル方式による継目無鋼管の製造方法における
マンドレルミルによる圧延方法および圧延設備に関す
る。
【0002】
【従来の技術】マンネスマン・マンドレルミル方式によ
る継目無鋼管は、一般に下記の方法により製造される。
【0003】先ず、素材の丸鋼片が回転炉床式加熱炉で
加熱され、加熱された丸鋼片は穿孔機で穿孔されて素管
となり、表面に潤滑剤が塗布されたマンドレルバーが素
管に串状に挿入され、7〜9スタンドからなるマンドレ
ルミルで所定の寸法に1パスで圧延される。圧延後、マ
ンドレルバーが引き抜かれた管は、管端形状の悪い部分
がホットソーで切断され、再加熱炉で再加熱される。再
加熱された管は、外表面に生成した酸化スケールを除去
するため高圧水によりデスケーリング処理を受け、次い
でストレッチレデューサーにより外径圧下と若干の肉厚
圧下を受け製品寸法にされる。その後、管は冷却床で冷
却され、コールドソーにより所要の長さに切断されて製
整ラインに送られて製品にされる。
【0004】上記マンネスマン・マンドレルミル方式に
よる継目無鋼管の製造時に、マンドレルバーは1000
〜1200℃の素管内に挿入されるが、圧延中に焼付き
が発生し易い。焼付きの発生を防止するためにマンドレ
ルバー表面に塗布される潤滑剤はマンドレルバー自体を
保護する皮膜にもなる。また、圧延後の管の形状、肉厚
は、ロール回転数、ロール孔型と共に、マンドレルバー
と材料との摩擦等により影響を受ける。摩擦係数の小さ
い潤滑剤を使用すると、円周及び長手方向に均一な変形
がなされ、安定した管形状および肉厚分布が得られる。
さらに、マンドレルバーは、圧延後バーストリッパーに
より管から引き抜かれるが、潤滑性が悪い場合、引き抜
き時に管の内面とマンドレルバー表面とが焼付き、バー
が引き抜けない状態となる。したがって、マンドレルバ
ー表面に塗布する潤滑剤は、熱間での潤滑性能に優れた
潤滑剤を使用する必要がある。このような潤滑剤として
は、特公昭59−37317号公報に示されているよう
な安価で非常に優れた潤滑性能を有する黒鉛を主成分と
した水溶性潤滑剤が最もよく使用されている。
【0005】しかしながら、黒鉛系潤滑剤を塗布したマ
ンドレルバーを使用してマンドレルミル圧延をおこなう
と、圧延時に管の内表面に浸炭層が生じ、管の内面表層
は部分的に炭素濃度が高くなる。この高炭素域はその後
の再加熱、仕上げ圧延、さらに圧延後の固溶化熱処理に
よって炭素が拡散し、炭素濃度が低くなると共に拡散す
るものの、依然として炭素濃度が高い部分が残存する。
【0006】この浸炭層は、圧延後の管内表面に局部的
な異常硬化部を発生させ、切削性を低下させると共に、
粒界腐食の原因となり製品の耐食性が低下する。したが
って、耐粒界腐食性能を確保するためには、圧延された
製品の内表面の浸炭部を研磨等により除去する工程が必
要となる。このため、著しく製造コストが上昇し、生産
性が低下する等の問題が発生していた。さらに、小径サ
イズの製品では、内径が小さいために研磨用の砥石を管
内に挿入することが不可能な場合があり、製造不可とな
ることもある。このような問題点を解決するために、特
開昭64−16894号公報に開示されているような非
黒鉛系潤滑剤が開発されている。しかし、このような非
黒鉛系潤滑剤は浸炭層の発生が問題となる代表的な鋼種
であるステンレス鋼の圧延用潤滑剤としては適用可能で
はあるが、炭素鋼の圧延用潤滑剤としては製造コストア
ップ要因となるため、炭素鋼の製管においては実用化に
は至っていない。しかも、炭素鋼の圧延に黒鉛系潤滑剤
を使用すると、同じ製造ラインでステンレス鋼の圧延に
非黒鉛系潤滑剤を使用しても、ステンレス鋼の製品内表
面に浸炭層が生じるといった問題があり、製造コストが
嵩むのみで非黒鉛系潤滑剤を適用するメリットがなかっ
た。
【0007】本発明者らは、浸炭層の発生を防止するた
め、非黒鉛系潤滑剤中にチタン、マグネシウム等の各酸
化物を含有する高温加工用潤滑剤を開発した(特開平1
0−121088号公報)。しかし、本潤滑剤はチタ
ン、マグネシウム等の各酸化物の潤滑性があまりよくな
いこと、また浸炭抑制能が十分でなく実用的でない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、潤滑
剤として黒鉛系潤滑剤を使用してマンドレルミルによる
圧延をおこなった後、引き続き同じ製造ラインで非黒鉛
系潤滑剤を用いて圧延した場合に管内面に浸炭層が発生
しない圧延方法および圧延設備を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、マンドレ
ルバーに非黒鉛系潤滑剤を塗布して圧延した場合でも浸
炭を発生させる浸炭源を明らかにすると共に、同じ製造
ラインで黒鉛系潤滑剤と非黒鉛系潤滑剤を併用しても浸
炭を防止することのできる圧延方法および設備を開発す
るため、種々の実験と検討をおこなった結果、下記の知
見を得るに至った。
【0010】a)非黒鉛系潤滑剤を使用して圧延した場
合に発生する浸炭層の浸炭源は、黒鉛系潤滑剤を使用し
て圧延した際にマンドレルバー搬送ラインや循環使用さ
れるマンドレルバー表面に固着している黒鉛系潤滑剤で
ある。
【0011】b)潤滑剤として従来から使用されている
黒鉛系潤滑剤は、ロール冷却用等の冷却水等により洗い
流されないように耐水性を備えているため、これを水洗
や薬品により除去することは非常に困難である。
【0012】c)そこで、圧延後の浸炭が問題とならな
い素管は、非耐水性の安価な黒鉛系潤滑剤を用いて圧延
をおこない、次いで浸炭が問題となる素管を圧延する場
合には、圧延前にマンドレルバー搬送ラインとマンドレ
ルバーを水洗して、それらに付着している黒鉛を除去
し、かつ非黒鉛系潤滑剤を用いて圧延すれば浸炭を防止
することができる。
【0013】d)マンドレルバーに塗布した非耐水性の
黒鉛系潤滑剤が冷却水により除去されるのを防止するに
は、素管に挿入したマンドレルバーを圧延機に挿入する
直前に冷却水を止め、圧延が開始されたロールには冷却
水を流し始め、素管から突き出しているマンドレルバー
に圧延開始前に冷却水がかからないようにしさえすれば
耐水性のない潤滑剤を使用しても良好な潤滑特性が得ら
れる。
【0014】本発明はこのような知見に基づいてなされ
たものであり、その要旨は以下の通りである。
【0015】(1)素管をマンドレルミルにより圧延す
る方法であって、圧延後の管内面に浸炭層が発生しても
許容できる素管を圧延する場合は、マンドレルバー表面
に非耐水性の黒鉛系潤滑剤を塗布して圧延し、この圧延
後に同じ圧延設備により、圧延後の管内面に浸炭層を発
生させたくない素管を圧延する場合には、潤滑塗布装置
とマンドレルバーインサータ間のマンドレルバー搬送ラ
インおよびマンドレルバーを水洗してそれらに付着して
いる黒鉛系潤滑剤を除去し、マンドレルバー表面に非黒
鉛系潤滑剤を塗布して圧延することを特徴とするマンド
レルミルによる圧延方法。
【0016】(2)マンドレルバーを挿入した素管を圧
延して継目無鋼管を製造するマンドレル圧延設備におい
て、複数のマンドレルバー潤滑剤塗布装置と、その潤滑
塗布装置とマンドレルバーインサータ間に設けたマンド
レルバー搬送ラインを水洗するための水洗装置とを備え
ているマンドレルミル圧延設備。
【0017】なお、水洗とは常温水による水洗以外に温
水および蒸気での洗浄を含むものとする。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の方法を実施する
ためのマンドレルミル圧延設備の1例を示す概念図であ
る。主な装置は、素管を圧延するためのマンドレルミル
2、圧延後に管からマンドレルバーを引き抜くためのバ
ーストリッパー3、引き抜いたマンドレルバーを冷却す
るためのマンドレルバー冷却床4、冷却したマンドレル
バーの表面に潤滑剤を塗布するための複数の潤滑剤塗布
装置5a、5a潤滑剤が塗布されたマンドレルバーを素
管内に挿入するためのバーインサータ1および潤滑剤塗
布装置5aとバーインサータ1間のマンドレルバー搬送
ライン6を水洗するための水洗装置7とを備えている。
【0019】この設備例では、潤滑剤塗布装置が2つ設
けられており、図1に示すように潤滑タンク8a、8b
とリング状のノズル9a、9bと潤滑タンク内の潤滑剤
をノズルに供給するための配管10と図示しないポンプ
とを備えている。本発明の設備は、潤滑剤塗装置を複数
設けることを特徴の1つとしており、少なくとも黒鉛系
潤滑剤と非黒鉛系潤滑剤の2種類の潤滑剤を使い分ける
ため、各潤滑剤専用の潤滑塗布装置5a、5aを少なく
とも2つ設ける必要がある。通常2つの装置でよいが、
使用する潤滑剤の種類に応じて増やせばよい。
【0020】潤滑剤噴射ノズルは通常使用されているリ
ング状のノズルでよく、リングの中央をマンドレルバー
を通過させながら、リングに取り付けられたノズルから
潤滑剤を噴射して塗布する。
【0021】従来の装置のように潤滑剤塗布装置が1基
であれば、潤滑剤の入れ替えに時間ロスが生じるだけで
なく、少量ではあるが入れ替え前の潤滑剤と混合される
ため、潤滑剤の性能が十分に発揮されないことがある。
特に、非黒鉛系潤滑剤に黒鉛系潤滑剤を混合してしまう
と、その少量の黒鉛系潤滑剤が浸炭源となるため、それ
ぞれの専用の塗布ラインは必須となる。したがって、マ
ンドレルバーの潤滑剤塗布装置は複数とした。
【0022】潤滑剤塗布装置5aとバーインサータ1間
のマンドレルバー搬送ライン6を水洗するための水洗装
置7は、マンドレルバー搬送ラインの搬送ローラーやキ
ャタピラに固着した黒鉛系潤滑剤を除去するための装置
である。潤滑剤が塗布されたマンドレルバーがローラー
やキャタピラに直接接触するので、それらに潤滑剤が固
着する。この水洗装置は、図1に示すようにポンプ11
と、そのポンプにより送給された高圧水を噴射するため
のノズル12を備えていればよい。
【0023】また、マンドレルバーに付着した黒鉛系潤
滑剤を除去するための水洗装置はオフラインに設けても
よく、マンドレルバー冷却床4と潤滑剤塗布装置5a間
に設けてもよい。この水洗装置は、高圧水を噴射するこ
とのできるリング状のノズルを備えている装置が好適で
ある。また、蒸気を噴射して洗浄することもできる。
【0024】次に、上記の設備を用いて圧延する方法に
ついて以下に説明する。
【0025】圧延後の管内面に発生する浸炭層が問題と
ならない炭素鋼管のような素管を圧延する場合は、マン
ドレルバーに塗布する潤滑剤として非耐水性の黒鉛系潤
滑剤を用いて圧延する。この場合の潤滑剤を非耐水性と
するのは、耐水性の黒鉛系潤滑剤を用いると、マンドレ
ルバーや搬送ラインに付着した黒鉛系潤滑剤を水洗によ
り除去することができないからであり、非耐水性とする
ことにより水洗による除去が可能となるからである。
【0026】なお、非耐水性潤滑剤とは、水洗により容
易に除去できる潤滑剤である。具体的には、約100μ
mの潤滑被膜を約2kg/cm2の流水にさらした場合に、5
分間以内に洗い流される程度の洗浄性を有していれば、
実用上問題ない。
【0027】黒鉛系潤滑剤を使用するのは、安価で黒鉛
による潤滑作用が優れているからであり、黒鉛系潤滑剤
は通常使用されているものでよく、代表的な組成は、黒
鉛:約30%、分散剤:約2%、有機バインダー:約2
5%、残部:水である。
【0028】非耐水性の黒鉛系潤滑剤は、上記耐水性の
黒鉛系潤滑剤の有機バインダー量を6〜1%程度にする
ことにより得られる。
【0029】浸炭層が問題とならない素管の圧延を終了
し、引き続き浸炭層が問題となる素管を圧延する場合に
は、マンドレルバー搬送ラインおよびマンドレルバーを
水洗してそれらに付着している黒鉛系潤滑剤を除去す
る。
【0030】水洗は、マンドレルバー表面には黒鉛の残
存量が10g/m2 以下、マンドレルバー搬送ライン上に
は黒鉛の残存量が20g/m2 以下にそれぞれなるように
洗浄しておけば、残留した黒鉛によって発生する浸炭層
は、圧延後の冷却中および熱処理中に脱炭するため製品
の切削性や耐食性を劣化させることはない。
【0031】水洗した後は、マンドレルバーに塗布する
潤滑剤として非黒鉛系潤滑剤を用いるのは、当然のこと
ながら圧延時に管内表面に浸炭層ができるのを防止する
ためである。非黒鉛系潤滑剤とは、浸炭層の炭素源とな
る黒鉛を含有していない潤滑剤であり、潤滑性能に優れ
ていればよく組成は特に限定するものではなく、耐水性
であっても非耐水性であってもよい。
【0032】非黒鉛系潤滑剤は、例えば特開昭64−1
6894号公報に開示されている、カリウム四珪素マイ
カ、ナトリウム四珪素マイカ、天然金マイカ、ベントナ
イトおよびバーミキュライトのうちから選んだ1種以上
の粒子状の酸化物系層状物質と、酸化硼素、硼酸および
アルカリ金属硫酸塩のうちから選んだ1種以上と、結合
剤とからなる潤滑剤でよい。
【0033】
【実施例】表1に示す3種類の潤滑剤を用意し、材質
が、SKD61で、外径が140.5mm、有効部長さ
が18mのマンドレルバーを用いて下記の方法により圧
延を実施した。
【0034】
【表1】 本発明例として、表2に示す試験No.1の圧延を、また
比較例として表2に示す試験No.2〜4の圧延をおこな
った。
【0035】
【表2】 本発明例では、表1の潤滑剤記号L1の黒鉛系で非耐水
性の潤滑剤を用いて長さ7000mmの炭素鋼の素管を
1000本圧延した後、マンドレルバーおよびその搬送
ラインを水洗して付着した黒鉛を洗い落とした。次い
で、水洗したマンドレルバーの表面に、表1に示す潤滑
剤記号L3の非耐水性の非黒鉛系潤滑剤をスプレー塗布
し乾燥固化させ、マンドレルバー表面に膜厚100μm
のほぼ均一な潤滑被膜を形成させた。なお、潤滑剤の耐
水性の有無については、下記の方法で確認した。
【0036】すなわち、ステンレス鋼板に潤滑剤をスプ
レー塗布し乾燥固化させ、板表面に膜厚100μmの潤
滑皮膜を形成させた後、約2kg/cm2の水道水にさ
らし、潤滑剤がなくなる時間を測定した。その結果、潤
滑剤記号L1およびL3は、2〜3分で流れて除去され
たのに対し、潤滑剤記号L2は5分間流水にさらして
も、ほとんどの潤滑剤が流れなかった。
【0037】潤滑剤を塗布したマンドレルバーを、傾斜
ロール穿孔圧延機で穿孔圧延して得られた、オーステナ
イト系ステンレス鋼(SUS 304L)の外径181.0m
m、肉厚16.0mm、長さ7000mmの素管内に挿
入し、7スタンドからなるマンドレルミルを用いて外径
151.0mm、肉厚5.0mm、長さ25300mm
の仕上げ圧延用素管に延伸圧延した。
【0038】比較例として、本発明例と同じように炭素
鋼の素管を圧延した後、オーステナイト系ステンレス鋼
の素管を圧延した。
【0039】潤滑剤は、炭素鋼の素管の圧延には表2に
示すように潤滑剤記号L1とL2の潤滑剤を用い、また
ステンレス鋼の素管には潤滑剤記号L2とL3の潤滑剤
を用いた。それらの組み合わせは、表2の試験 No.2〜
4に示す通りとした。
【0040】試験 No.2〜4とも、炭素鋼の圧延では本
発明例の場合と同じ条件とした。また、オーステナイト
系ステンレス鋼の素管の圧延は、素管寸法、圧延仕上げ
寸法は本発明例と同じとした。オーステナイト系ステン
レス鋼の素管の圧延時に用いたマンドレルバーの表面に
は、潤滑剤記号L2およびL3の潤滑剤を本発明例と同
じようにスプレー塗布し乾燥固化させ、マンドレルバー
表面に膜厚100μmのほぼ均一な潤滑被膜を形成させ
た。また、比較例では、ロール冷却水のON/OFF制御を
することなく圧延をおこなった。
【0041】マンドレルミルにより圧延した後、引き続
いて26スタンドからなるストレッチレデューサーで仕
上げ圧延し、全て外径63.5mm、肉厚7.0mm、
長さ40000mmの鋼管に仕上げた。この鋼管から肉
厚5mm、幅25mm、長さ50mmの円弧状の試験片
を採取し、JIS G 0575に規定された硫酸−硫
酸銅腐食試験をおこない、内表面に発生した粒界腐食割
れ状態を観察した。また、試料の断面を研磨してエッチ
ングした後、顕微鏡(倍率500倍)で内表面面からの
浸炭深さの測定をおこなった.また、一方の管端に照明
灯を配置して他方管端から管内面を目視する観察を両管
端についておこない、焼付き疵の有無を調べた。
【0042】以上の結果を表2に合わせて示す。同表か
ら明らかなように、本発明例では、焼付き疵も浸炭層の
発生もなかった。これに対し、比較例 No.2では、SU
S304L鋼の製管に対してまで黒鉛系潤滑剤を使用し
ているため浸炭層が発生していた。比較例 No.3では、
SUS304L鋼素管の圧延に非黒鉛系の潤滑剤を用い
ているが、炭素鋼素管の圧延時に耐水性の黒鉛系潤滑剤
を用いているため、焼き付き疵の発生はないものの浸炭
層が発生し、粒界腐食割れが発生した。また、比較例N
o.4では、炭素鋼素管の圧延で、非耐水性の黒鉛系潤滑
剤を用い、SUS304L鋼素管の圧延の際、非黒鉛液
潤滑剤を使用しているにもかかわらず、ロール冷却水の
ON/OFF制御をおこなわなかったため、焼付き疵が発生し
ていた。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、黒鉛系の潤滑剤を用い
て圧延した後の圧延において、浸炭層を発生させること
なくマンドレルミルによる圧延が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧延設備の1例を示す概念図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 173/02 C10M 173/02 // C10N 30:00 C10N 30:00 C 30:06 30:06 40:24 40:24 Z 50:02 50:02 50:08 50:08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】素管をマンドレルミルにより圧延する方法
    であって、圧延後の管内面に浸炭層が発生しても許容で
    きる素管を圧延する場合は、マンドレルバー表面に非耐
    水性の黒鉛系潤滑剤を塗布して圧延し、この圧延後に同
    じ圧延設備により、圧延後の管内面に浸炭層を発生させ
    たくない素管を圧延する場合には、潤滑塗布装置とマン
    ドレルバーインサータ間のマンドレルバー搬送ラインお
    よびマンドレルバーを水洗してそれらに付着している黒
    鉛系潤滑剤を除去し、マンドレルバー表面に非黒鉛系潤
    滑剤を塗布して圧延することを特徴とするマンドレルミ
    ルによる圧延方法。
  2. 【請求項2】マンドレルバーを挿入した素管を圧延して
    継目無鋼管を製造するマンドレル圧延設備において、複
    数のマンドレルバー潤滑剤塗布装置と、その潤滑塗布装
    置とマンドレルバーインサータ間に設けたマンドレルバ
    ー搬送ラインを水洗するための水洗装置とを備えている
    ことを特徴とするマンドレルミル圧延設備。
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