【発明の詳細な説明】
電流制限回路
本発明は、電力用被制御半導体素子のための電流制限回路に関し、たとえばパ
ワートランジスタ用の電流制限回路に関する。
電力用集積回路は、それらの出力側の電流過負荷に対する効果的な保護を必要
とし、これは場合によって短絡が発生したときに熱的損傷を受けるのを避けるこ
とを目的としている。
本発明は基本的にあらゆる電力用被制御半導体素子に適用できるが、ここでは
本発明ならびにその基礎とする課題を、パワーMOSトランジスタのほかにバイ
ポーラ素子およびCMOS素子も利用する混合技術における電力用ICに基づき
説明する。
この種の電流制限回路のための一般的な原理は、パワートランジスタを流れる
全電流によって、あるいはセンサセル方式ではそのような全電流の一部分によっ
て、抵抗(分流器とも称する)に電圧降下を発生させることにある。
電圧降下が所定の最大値を超えた場合、電流制限回路はパワートランジスタの
制御信号に強い負荷を加えて、制御信号から出力特性曲線フィールドを介して求
めることのできるパワートランジスタの出力電流が許
容限界値以下にとどまるようになる。このような基本原理を回路技術的に実現す
るため、従来技術において多くの試みがなされてきた。
一般に、電流制御制限回路と電圧制御制限回路とを区別している。
電流制御制限回路であれば通常、スイッチオンピークをマスクするためのフィ
ルタが必要とされる。また、電圧制御制限回路であれば温度補償回路が必要とさ
れる。さらにこれら両方の形式において公知の回路は、煩雑な短絡時用保護回路
も必要とする。
このような従来技術の実例として、B.Murari,F.BertottiおよびG.A.Vign
olaによる"Smart Power ICs‐Techologies and Applications",p.328,400,4
26,Springer Verlag,Berlin‐Heidelberg‐New York,1996を挙げておく。
本発明の課題は、簡単に実現可能であり、しかもその電圧供給とは無関係に動
作するようにした電流制限回路を提供することにある。
本発明によればこの課題は、請求項1に記載の構成により解決され、すなわち
以下の構成を備えた被制御電力用半導体素子たとえばパワートランジスタのため
の電流制限回路によって解決される。
すなわちこの場合、被制御電力用半導体素子を流れる電流を表す電圧降下を発
生させるために、被制御電力用半導体素子の主電流経路に直列に接続された測定
抵抗と、カレントミラー回路装置が設けられている。そしてこのカレントミラー
回路装置には、
a)第1の電位と第2の電位との間で第1の電流を発生させる第1の電流源装置
と、
b)電力用半導体素子の制御端子の制御電位と第3の基準電位との間で第2の電
流を発生させる第2の電流源装置と、
c)測定抵抗における電圧降下に応じて第1の電流源装置と第2の電流源装置を
結合する電流源結合回路が設けられており、この場合、電圧降下が所定の値より
も大きければ、電力用半導体素子を流れる電流を制限する目的で、制御電位を低
下させるため第2の電流が高められる。
従属請求項には有利な実施形態が示されている。
1つの有利な実施形態によれば、第1の電流源装置は第1および第2のバイポ
ーラトランジスタを有しており、これらのバイポーラトランジスタは、そのコレ
クタ電流が互いに比例するように結線されている。この場合、第2の電流源装置
は、第3および第4のバイポーラトランジスタを有しており、第3のバイポーラ
トランジスタのエミッタには、第4のバイポーラトランジスタのコレクタ電流に
比例する電流が与えられ、第4のバイポーラトランジスタのエミッタ−ベース電
圧は電圧成分として、測定抵抗における電圧降下と、第2および第3のバイポー
ラトランジスタの正の極性
のエミッタ−ベース電圧と、前記第1のバイポーラトランジスタの負の極性のエ
ミッタ−ベース電圧を有する。
本発明の別の有利な実施形態によれば、前記の4つのバイポーラトランジスタ
のうち少なくとも1つは、他のバイポーラトランジスタとは異なるエミッタ面積
を有する。
さらに別の有利な実施形態によれば、第4のバイポーラトランジスタのエミッ
タ−ベース電圧は別の一定電圧成分を有しており、その値は種々のエミッタ電流
密度で駆動される別のバイポーラトランジスタのエミッタ−ベース電圧の差によ
って定まる。
さらに別の有利な実施形態によればカレントミラー回路装置は、第1および第
2のバイポーラトランジスタと、第3および第4のバイポーラトランジスタを有
しており、前記第1および第2のバイポーラトランジスタは、電力用半導体素子
のソース端子と接続された測定抵抗の端子と第1の基準電位との間に、電流源と
ともに直列に接続されており、前記第3および第4のバイポーラトランジスタは
、制御電位と第3の基準電位との間に直列に接続されており、前記第1のバイポ
ーラトランジスタのコレクタとベースはつなげられており、前記の第1および第
3のバイポーラトランジスタはそれらのベースどうしがつなげられており、前記
第2のバイポーラトランジスタのベースは、第3のバ
イポーラトランジスタのエミッタと第4のバイポーラトランジスタのコレクタと
の間に位置する接続点と結合されており、前記第4のバイポーラトランジスタの
ベースは、第1のバイポーラトランジスタのエミッタと第2のバイポーラトラン
ジスタのコレクタとの間に位置する接続点と結合されている。
さらに別の有利な実施形態によればカレントミラー回路は、第1および第2の
バイポーラトランジスタと、第3および第4のバイポーラトランジスタと、第5
および第6のバイポーラトランジスタを有しており、前記第1および第2のバイ
ポーラトランジスタは、電力用半導体素子のソース端子と接続された測定抵抗の
端子と第1の基準電位との間に、電流源ととともに直列に接続されており、前記
第3および第4のバイポーラトランジスタは、制御電位と第3の基準電位との間
に直列に接続されており、前記第1のバイポーラトランジスタのコレクタとベー
スがつなげられており、第1および第3のバイポーラトランジスタはそれらのベ
ースどおしがつなげられており、前記第5および第6のバイポーラトランジスタ
は、それぞれ対応する電流源と直列に、第1の基準電位と第2の基準電位との間
に接続されており、前記第2のバイポーラトランジスタのベースは、第5のバイ
ポーラトランジスタのエミッタと対応する電流源との間に位置する接続点と結合
されており、前記第5のバイポーラトランジスタのベ
ースは、第3のバイポーラトランジスタのエミッタと第4のバイポーラトランジ
スタのコレクタとの間に位置する接続点と結合されており、前記第4のバイポー
ラトランジスタのベースは、前記第6のバイポーラトランジスタのエミッタと対
応する電流源との間に位置する接続点と結合されており、前記第6のバイポーラ
トランジスタのベースは、第1のバイポーラトランジスタのベースと第2のバイ
ポーラトランジスタのコレクタとの間に位置する接続点と結合されている。
この変形実施形態によれば、本発明による電流制限回路の感度が高められる。
さらに別の実施形態によれば、第5および第6のバイポーラトランジスタの電
流源はそれぞれ1つの抵抗である。
さらに別の実施形態によれば、第5および第6のバイポーラトランジスタの電
流源はそれぞれNMOSトランジスタである。
1つの別の有利な実施形態によれば、NMOSトランジスタの共通のゲート電
位は、第1および第3のバイポーラトランジスタの共通のベース端子の電位であ
る。
1つの有利な実施形態によればカレントミラー回路装置は、第1のカレントミ
ラー、第2のカレントミラー、第3のカレントミラー、第4のカレントミラー、
第1のNPNバイポーラトランジスタ、第2のNPN
バイポーラトランジスタ、第3のNPNバイポーラトランジスタ、第4のNPN
バイポーラトランジスタならびに、第5のMOSトランジスタおよび第6のMO
Sトランジスタを有しており、前記第1のカレントミラーは、第1および第2の
PNPバイポーラトランジスタから成り、これらのバイポーラトランジスタのエ
ミッタはそれぞれ、電力用半導体素子の制御電位と接続されており、前記第2の
カレントミラーは、第3および第4のPNPバイポーラトランジスタから成り、
これらのバイポーラトランジスタのエミッタはそれぞれ、電力用半導体素子の制
御電位と接続されており、前記第3のカレントミラーは、第1および第2のMO
Sトランジスタから成り、これらのMOSトランジスタのソースはそれぞれ基準
電位と接続されており、前記第4のカレントミラーは、第3および第4のMOS
トランジスタから成り、これらのMOSトランジスタのソースはそれぞれ基準電
位と接続されており、前記第1のNPNバイポーラトランジスタのエミッタは、
前記第3のMOSトランジスタのドレインと接続されており、前記第2のNPN
バイポーラトランジスタは、前記電力用半導体素子と接続された測定抵抗の端子
と第4のPNPバイポーラトランジスタのコレクタとの間に接続されており、前
記第3のNPNバイポーラトランジスタのエミッタは、前記第2のMOSトラン
ジスタのドレインと接続されており、前記第4のNP
Nバイポーラトランジスタは、負荷出力端子と接続された測定抵抗の端子と第1
のPNPバイポーラトランジスタのコレクタとの間に接続されており、前記第1
および第3のNPNバイポーラトランジスタのベース端子はつながれており、こ
れら第1および第3のNPNバイポーラトランジスタのコレクタ端子は、順方向
でダイオードを介して電力用半導体素子の制御電位と接続されており、前記第1
のNPNバイポーラトランジスタのエミッタは、第4のNPNバイポーラトラン
ジスタのベースと接続されており、前記第3のNPNバイポーラトランジスタの
エミッタは、前記第2のバイポーラトランジスタのベースと接続されており、前
記の第5のMOSトランジスタおよび第6のMOSトランジスタは、給電電位と
接続された前記電力用半導体素子の端子と前記第4のカレントミラーの基準電位
との間に直列に接続されており、前記第5のMOSトランジスタのゲートは、前
記第3のPNPバイポーラトランジスタのコレクタと接続されており、前記第6
のMOSトランジスタのゲートは、前記電力用半導体素子の制御電位と接続され
ており、前記の第5のMOSトランジスタと第6のMOSトランジスタとの間の
接続点は、前記の第1および第3のNPNバイポーラトランジスタの共通のベー
スと接続されている。
この変形実施形態は、殊にハイサイドスイッチに適している。
次に、添付の図面を参照しながら実施例に基づき本発明について説明する。
図面
図1は、本発明による電流制限回路の基本回路図である。
図2は、本発明による電流制限回路の第1の有利な実施形態を示す回路図であ
る。
図3は、本発明による電流制限回路の第2の有利な実施形態を示す回路図であ
る。
図4は、本発明による電流制限回路の第3の有利な実施形態を示す回路図であ
る。
図5は、本発明の前提を成す一般的な基準電流源回路を示す回路図である。
図中、同じ構成部分あるいは機能的に同等な構成部分には同じ参照符号が付さ
れている。
本発明による電流制限回路は、図5に示した一般的な基準電流源回路を前提と
している。
図5において、参照符号51,52,53,54によってNPNバイポーラト
ランジスタが示されており、ここでトランジスタ52と54ならびに51と53
はそれぞれ直列に接続されていて、これらにより第1および第2の主電流経路5
01または502が規定されている。
第1の主電流経路501は、正のバッテリ電位VBと負のバッテリ電位(アー
ス)との間に位置しており
、定電流源56を有している。
トランジスタ52と51のエミッタ面積はm:1の比にあり、トランジスタ5
4と53のエミッタ面積は1:nの比にある。すべてのベース電流を無視すれば
、トランジスタ54と52のコレクタ電流は等しく、トランジスタ53と51の
コレクタ電流は等しい。
トランジスタ54と53を交差結合したことで、バイポーラトランジスタに典
型的なコレクタ電流とエミッタ−ベース電圧との指数関数的な関係とともに、経
路501および502中の電流の比とは無関係に、トランジスタ53と54にお
けるエミッタ電位の差
UR=ln(m・n)・kT/e
が生じる。
同時にこのエミッタ電位の差URは、やはり電流経路502中に配置されてい
る抵抗55における電圧降下URである。したがって抵抗55の抵抗値によって
、出力側から取り出すことのできる電流Irefが電流源56の電流に依存するこ
となく定められる。
図1には、本発明による電流制限回路の基本回路図が示されている。
図1に示した電力用被制御半導体素子のための本発明による電流制限回路は、
パワーMOSトランジスタ60のために設けられている。
参照符号20により測定抵抗が表されており、これはパワーMOSトランジス
タ60の主電流経路と直列
に接続されていて、パワーMOSトランジスタ60を流れる電流を表す電圧降下
を発生させるために設けられている。
カレントミラー回路装置30は第1の電流源装置31を有しており、この電流
源は第1の基準電位と第2の基準電位との間ここでは正のバッテリ電圧VBと負
のバッテリ電圧(アース)と間を測定抵抗20を介して流れる電流を発生させる
。
さらにカレントミラー回路装置30は第2の電流源装置32を有しており、こ
の電流源はパワーMOSトランジスタ60と第3の電位(ここではアース)との
間を流れる第2の電流を発生させる。
さらにカレントミラー回路装置30内には、測定抵抗の電圧降下に応じて第1
および第2の電流源装置31,32を結合する電流源結合回路33が設けられて
いる。この回路は、電圧降下が所定値よりも大きくなったとき、制御電位を低下
させるために第2の電流を高めて、電力用半導体素子を流れる電流を制限するよ
うに動作する。
図2には、本発明による電流制限回路の第1の有利な実施形態が示されている
。
図2によれば、参照符号51’,52’,53’,54’によってNPNバイ
ポーラトランジスタが示されており、ここでトランジスタ52’と54’ならび
に51’と53’はそれぞれ直列に接続されていて、
第1の主電流経路501’ないしは第2の主電流経路502’を規定している。
第1の主電流経路501’は正のバッテリ電位VBと負のバッテリ電位(アー
ス)との間に配置されていて、定電流源56’と抵抗55’を有している。
第2の主電流経路502’はパワーMOSトランジスタ60の制御端子(ゲー
ト)と負のバッテリ電位(アース)との間に配置されている。この第2の主電流
経路502’によって、制御電位VGを供給する制御信号源に対し電流IAが加え
られる。
トランジスタ52’と51’のエミッタ面積は1:mの比にあり、トランジス
タ54’と53’のエミッタ面積はn:1の比にある。
図5による既述の電流源回路の場合と同様に、この回路に有効な網目整合を用
いた場合、経路501’および502’中の電流の比に依存することなくトラン
ジスタ54’および53’のエミッタ電位の差について、
U’R=ln(m・n)・kT/e
が得られる。
エミッタ電圧の差は、測定抵抗55’における電圧降下U’Rとして表される
。
電圧降下U’Rがln(m・n)・kT/eと等しくなければ、経路501’
と502’における電流は、ベース電流がもはや無視できなくなるまで互いに隔
たってしまう可能性がある。
U’Rがln(m・n)・kT/eよりも小さければ、分岐502’中の電流
は分岐501’中の所定電流よりも1〜2オーダだけ小さい値をとることになる
。
電圧U’Rがln(m・n)・kT/eよりも大きくなると、経路502’中
の電流は数mV足らずの電圧変化以内で数10単位でないしは数桁、上昇する。
遅滞なく精確な電流制限を実現するために本発明はこのような特性を利用して
おり、その際、電力用半導体スイッチの制御電位を低下させる目的で経路502
’の電流が使用される。
トランジスタ54’とアースの間に接続されている抵抗55’はさらに、制御
対象のパワーMOSトランジスタ60の主電流経路とも直列に配置されていて、
そこを流れる電流を表す電圧降下を発生させる。
図2に示した第1の実施形態と図5に示した基準電流源回路との相違点は、図
5による抵抗55の代わりに抵抗55’が分路抵抗として設けられており、この
抵抗に負荷電流が流される点である。この抵抗は、抵抗値のオーダが低いことか
ら、負荷電流に依存する電圧源のようにはたらく。しかもエミッタ比は、図5の
ものとは逆に取り替えられている。
両方の電流経路501’と502’が内部的に結合されていることから、抵抗
55’における電圧降下UR
’がln(m・n)・kT/eよりも小さければ、第2の電流経路502’を
流れる出力電流IAは、第1の電流経路501’を流れる入力電流よりも著しく
小さくなる。
他方、抵抗55’における電圧降下がln(m・n)・kT/eよりも大きけ
れば、第2の電流経路502’を流れる出力電流IAは第1の電流経路501’
を流れる入力電流よりも著しく大きくなる。
値ln(m・n)・kT/eをもつ電圧降下の領域において、出力電流は数m
V足らずの電圧降下の変化以内で数10単位ないしは数桁、上昇する。
したがって、入力電流を適正なオーダで正しく選定し、出力電流IAをパワー
MOSトランジスタ60の制御端子から分岐させることで、望ましい電流制限を
達成することができる。
図3には、本発明による電流制限回路の第2の有利な実施形態が示されている
。
この第2の有利な実施形態は図2に示した第1の実施形態の拡張形態であり、
付加的にNPNバイポーラトランジスタ59’および60’ならびに電流源57
’および58’を有している。
この付加的な構成素子は、第1および第2の電流経路501’ないしは502
’の変形された結合のために用いられる。
殊にこの第2の実施形態の場合、第2のトランジス
タ54’のベースは、第1の実施形態のように第3のトランジスタ51’のエミ
ッタと第4のトランジスタ53’のコレクタとの間に位置する接続点と接続され
ているのではなく、その間にはトランジスタ60’と電流源58’から成る別の
変流段が配置されている。
同様にこの第2の実施形態によれば、第4のトランジスタ53’は、第1の実
施形態のように第1のトランジスタ52’のエミッタと第2のトランジスタ54
’のコレクタとの間に位置する接続点と接続されているのではなく、その間には
トランジスタ59’と電流源57’から成る別の変流段が配置されている。
トランジスタ60’と電流源58’から成る変流段と、トランジスタ59’と
電流源57’から成る変流段のエミッタ面積比は1:1であり、ここで電流源5
8’および57’により形成される電流の比率は1:kとなる。
図3に示した本発明の第2の有利な実施形態に基づく回路によれば、値ln(
m・n・k・l)・kT/eをもつ電圧降下の範囲において出力電流IAをいっ
そう急峻な勾配で上昇させることができる。その理由は、2つの変流段によって
第3および第4のファクタが対数化され、このことで抵抗55’における電圧降
下UR’をいっそう大きくすることができるからである。
したがって、さらに別の変流段を設けることにより
、回路の相対的な精度を連続的に高めることができる。
エミッタ比1:kをもつ電流源58’と57’は最も簡単な事例では抵抗とし
て形成できるが、有利にはNMOSトランジスタとして形成することができ、そ
の際、このNMOSトランジスタの共通のゲート電位としてトランジスタ52’
と51’の共通のベース端子が考慮の対象となる。
図4には、本発明による電流制限回路の第3の有利な実施形態が示されている
。
上述の第1および第2の実施形態は有利にはローサイド(Lowside)スイッチ
として使用されるのに対し、次に説明する第3の実施形態は特にハイサイド(Hi
ghside)スイッチに係わるものである。
この種のハイサイドスイッチの場合、パワーMOSトランジスタ60の制御信
号および負荷と接続されたパワーMOSトランジスタ60のソース端子に関して
、電位の供給は行われない。したがってこの場合に考慮しなければならないのは
、誘導性負荷の遮断時に制御電位もソース電位も基板電位より負になるようにし
て、NPNトランジスタのコレクタとラテラルPNPトランジスタのベースがパ
ワーMOSトランジスタ60のソースまたはゲートと接続されないようにするこ
とである。
図4に示した本発明による第3の実施形態は、この
条件を満たすものである。
図4には、参照符号61,62,63,64によりNPNバイポーラトランジ
スタが示されており、参照符号65,66,67,68によりPNPバイポーラ
トランジスタが示されている。
さらに参照符号71,72,73,74ならびに76および78により、MO
Sトランジスタが示されている。
また、参照符号75はダイオードを指し、VDはパワーMOSトランジスタ6
0のドレイン給電電位を、VGはゲート制御電位を指している。
第1のカレントミラーは第1および第2のPNPバイポーラトランジスタ65
,67から成り、それらのエミッタはそれぞれ電力用半導体素子60の制御電位
とつながっている。
第2のカレントミラーは第3および第4のPNPバイポーラトランジスタ66
,68から成り、それらのエミッタはそれぞれ電力用半導体素子60の制御電位
と接続されている。
第3のカレントミラーは第1および第2のMOSトランジスタ71,73から
成り、それらのソースは基準電位におかれ、好適には負荷出力端子と接続された
測定抵抗55’の端子と接続されている。
第4のカレントミラーは第3および第4のMOSトランジスタ72,74から
成り、それらのソースはそ
れぞれ基準電位におかれ、好適には負荷出力端子と接続された測定抵抗55’の
端子と接続されている。
第1のNPNバイポーラトランジスタ62のエミッタは、第3のMOSトラン
ジスタ72のドレインと接続されている。
第2のNPNバイポーラトランジスタ64は、電力用半導体素子60と接続さ
れた測定抵抗55’の端子と第4のPNPバイポーラトランジスタ68のコレク
タとの間に配置されている。
第3のNPNバイポーラトランジスタ61のエミッタは、第2のMOSトラン
ジスタ73のドレインと接続されている。
第4のNPNバイポーラトランジスタ63は、負荷出力端子と接続された測定
抵抗55’の端子と、第1のPNPバイポーラトランジスタ65のコレクタとの
間に接続されている。
また、第1および第3のNPNバイポーラトランジスタ62,61のベース端
子はつながれており、第1および第3のNPNバイポーラトランジスタ62,6
1のコレクタ端子は、順方向でダイオード75を介して電力用半導体素子60の
制御電位VGと接続されている。
さらに第1のNPNバイポーラトランジスタ62のエミッタは第4のNPNバ
イポーラトランジスタ63のベースと接続されており、第3のNPNバイポーラ
トランジスタ61のエミッタは第2のNPNバイポーラトランジスタ64のベー
スと接続されている。
第5のMOSトランジスタ76と第6のMOSトランジスタ78は、基準電位
つまり負荷出力端子と接続された測定抵抗55’の端子と、給電電位VDと接続
された電力用半導体素子60の端子の間に、直列に接続されている。
この場合、第5のMOSトランジスタ76のゲートは第3のPNPバイポーラ
トランジスタ66のコレクタと接続されており、第6のMOSトランジスタ78
のゲートは電力用半導体素子60の制御電位と接続されている。
さらに、第5のMOSトランジスタ76と第6のMOSトランジスタ78との
間の接続点は、第1および第3のNPNトランジスタ62,61の共通のベース
と接続されている。
このように、先に述べた第1および第2の実施形態とは異なり4つのNPNバ
イポーラトランジスタ61,62,63,64はペアごとに直列に接続されてい
るのではなく、PNPバイポーラトランジスタ65,66,67,68ならびに
MOSトランジスタ71,72,73,74によって構成されるそれぞれ2つの
カレントミラーが、下方のNPNバイポーラトランジスタ63,64のコレクタ
電流を取り出して、それを再び上方のNPNバイポーラトランジスタ61,62
へ給電する。
したがってNPNトランジスタのコレクタは、順方向に極性づけられたPN接
合部を介してパワーMOSトランジスタ60のソース端子と接続されていない。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。たとえば感度を高めるた
めに、相応の電流比をもつさらに別のカレントミラーを回路中に挿入することが
できる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成11年3月12日(1999.3.12)
【補正内容】
容限界値以下にとどまるようになる。このような基本原理を回路技術的に実現す
るため、従来技術において多くの試みがなされてきた。
一般に、電流制御制限回路と電圧制御制限回路とを区別している。
電流制御制限回路であれば通常、スイッチオンピークをマスクするためのフィ
ルタが必要とされる。また、電圧制御制限回路であれば温度補償回路が必要とさ
れる。さらにこれら両方の形式において公知の回路は、煩雑な短絡時用保護回路
も必要とする。
このような従来技術の実例として、B.Murari,F.BertottiおよびG.A.Vign
olaによる"Smart Power ICs‐Techologies and Applications",p.328,400,4
26,Springer Verlag,Berlin‐Heidelberg‐New York,1996を挙げておく。
アメリカ合衆国特許US 5,519,341から、4つのバイポーラトランジスタと2つ
の電流源から成る比較器と電流測定抵抗を備えたパワートランジスタ用電流制限
回路が公知である。この場合、比較器が応答する電流閾値は、十字形に接続され
たバイポーラトランジスタのエミッタ面積により設定できる。
さらにドイツ連邦共和国特許DE 44 29 716 C1から、電流制限のための別の回
路装置が知られている。
本発明の課題は、電流制限回路において、簡単に実現できるようにし、その電
圧給電とは十分に無関係に
動作し、しかも高い精度をもつように構成することである。
本発明によればこの課題は、請求項1または2記載の構成により解決される。
この場合、電力用被制御半導体素子たとえばパワートランジスタのための電流制
限回路には、電力用被制御半導体素子の主電流経路と直列に接続された測定抵抗
が設けられており、これにより電力用被制御半導体素子を流れる電流を表す電圧
降下が発生する。
請求項1記載の構成によれば、電流制限回路は以下の特徴を備えている。すな
わち、
−第1および第2のバイポーラトランジスタ(52’,54’)が設けられてお
り、これらのトランジスタはその負荷区間および電流源(56’)とともに、電
力用半導体素子(60)のソース端子と接続された測定抵抗(55’)の端子と
第1の給電電圧端子(VB)との間に直列に接続されており、前記の第1および
第2のバイポーラトランジスタ(52’,54’)は、それらのコレクタ電流が
互いに比例するように結線されており、
−第3および第4のバイポーラトランジスタ(51’,53’)が設けられてお
り、これらのトランジスタはその負荷区間とともに、制御端子と第2の給電電圧
端子(アース)との間に直列に接続されており、前記第3のバイポーラトランジ
スタ(51’)の
エミッタには、前記第4のバイポーラトランジスタ(53’)のコレクタ電流に
比例する電流が与えられ、
−前記第1のバイポーラトランジスタ(52’)のコレクタとベースは、前記第
3のバイポーラトランジスタ(51’)のベースに接続されており、
−前記第2のバイポーラトランジスタ(54’)のベースは、第3のバイポーラ
トランジスタ(51’)のエミッタと第4のバイポーラトランジスタ(53’)
のコレクタとの間に位置する接続点と結合されており、
−前記第4のバイポーラトランジスタ(53’)のベースは、第1のバイポーラ
トランジスタ(52’)のエミッタと第2のバイポーラトランジスタ(54’)
のコレクタとの間に位置する接続点と結合されており、
−前記第4のバイポーラトランジスタ(53’)のエミッタ−ベース電圧は、電
圧成分としてエミッタ抵抗における電圧降下、前記第2および第3のバイポーラ
トランジスタ(54’,51’)における正の極性符号を有するエミッタ−ベー
ス電圧、前記第1のバイポーラトランジスタ(52’)における負の極性符号を
有するエミッタ−ベース電圧、ならびにそれぞれ異なるエミッタ電流密度で駆動
される別のバイポーラトランジスタの各エミッタ−ベース電圧
の差から得られる値をもつ別の電圧成分を有しており、前記バイポーラトランジ
スタは同じ型である。請求項2記載の構成によれば、カレントミラー回路装置は
以下の構成を有している。すなわち、
−第1のカレントミラー、第2のカレントミラー、第3のカレントミラー、第4
のカレントミラー、第1のNPNバイポーラトランジスタ、第2のNPNバイポ
ーラトランジスタ、第3のNPNバイポーラトランジスタ、第4のNPNバイポ
ーラトランジスタならびに、第5のMOSトランジスタおよび第6のMOSトラ
ンジスタを有しており、
−前記第1のカレントミラーは、第1および第2のPNPバイポーラトランジス
タから成り、これらのバイポーラトランジスタのエミッタはそれぞれ、電力用半
導体素子の制御電位と接続されており、
−前記第2のカレントミラーは、第3および第4のPNPバイポーラトランジス
タから成り、これらのバイポーラトランジスタのエミッタはそれぞれ、電力用半
導体素子の制御電位と接続されており、
−前記第3のカレントミラーは、第1および第2のMOSトランジスタから成り
、これらのMOSトランジスタのソースはそれぞれ基準電位と接続されており、
−前記第4のカレントミラーは、第3および第4のMOSトランジスタから成り
、これらのMOSトラン
ジスタのソースはそれぞれ基準電位と接続されており、
−前記第1のNPNバイポーラトランジスタのエミッタは、前記第3のMOSト
ランジスタのドレインと接続されており、
−前記第2のNPNバイポーラトランジスタは、前記電力用半導体素子と接続さ
れた測定抵抗の端子と第4のPNPバイポーラトランジスタのコレクタとの間に
接続されており、
−前記第3のNPNバイポーラトランジスタのエミッタは、前記第2のMOSト
ランジスタのドレインと接続されており、
−前記第4のNPNバイポーラトランジスタは、負荷出力端子と接続された測定
抵抗の端子と第1のPNPバイポーラトランジスタのコレクタとの間に接続され
ており、
−前記第1および第3のNPNバイポーラトランジスタのベース端子はつながれ
ており、これら第1および第3のNPNバイポーラトランジスタのコレクタ端子
は、順方向でダイオードを介して電力用半導体素子の制御電位と接続されており
、
−前記第1のNPNバイポーラトランジスタのエミッタは、第4のNPNバイポ
ーラトランジスタのベースと接続されており、前記第3のNPNバイポーラトラ
ンジスタのエミッタは、前記第2のバイポーラ
トランジスタのベースと接続されており、
−前記の第5のMOSトランジスタおよび第6のMOSトランジスタは、給電電
位と接続された前記電力用半導体素子の端子と前記第4のカレントミラーの基準
電位との間に直列に接続されており、
−前記第5のMOSトランジスタのゲートは、前記第3のPNPバイポーラトラ
ンジスタのコレクタと接続されており、前記第6のMOSトランジスタのゲート
は、前記電力用半導体素子の制御電位と接続されており、
−前記の第5のMOSトランジスタと第6のMOSトランジスタとの間の接続点
は、前記の第1および第3のNPNバイポーラトランジスタの共通のベースと接
続されている。
この変形実施形態は殊にハイサイドスイッチに適している。
従属請求項には有利な実施形態が示されている。
1つの有利な実施形態によれば、前記の4つのバイポーラトランジスタのうち
少なくとも1つは、他のバイポーラトランジスタとは異なるエミッタ面積を有す
る。
さらに別の有利な実施形態によれば、電流制限回路は以下の構成を有している
。すなわち、
−第5および第6のバイポーラトランジスタを有しており、これら第5および第
6のバイポーラトランジ
スタは、それぞれ対応する電流源と直列に、第1の基準電位と第2の基準電位と
の間に接続されており、
−前記第2のバイポーラトランジスタのベースは、第5のバイポーラトランジス
タのエミッタと対応する電流源との間に位置する接続点と結合されており、前記
第5のバイポーラトランジスタのベースは、第3のバイポーラトランジスタのエ
ミッタと第4のバイポーラトランジスタのコレクタとの間に位置する接続点と結
合されており、
−前記第4のバイポーラトランジスタのベースは、前記第6のバイポーラトラン
ジスタのエミッタと対応する電流源との間に位置する接続点と結合されており、
前記第6のバイポーラトランジスタのベースは、第1のバイポーラトランジスタ
のベースと第2のバイポーラトランジスタのコレクタとの間に位置する接続点と
結合されている。
この変形実施形態により、本発明による電流制限回路の感度が高められる。
1つの別の有利な実施形態によれば、前記第5および第6のバイポーラトラン
ジスタの電流源はそれぞれ1つの抵抗である。
また、別の有利な実施懈怠によれば、前記第5および第6のバイポーラトラン
ジスタの電流源はそれぞれNMOSトランジスタである。
さらに別の有利な実施形態によれば、前記NMOSトランジスタの共通のゲー
ト電位は、第1および第3のバイポーラトランジスタの共通のベース端子の電位
である。
請求の範囲
1.電力用被制御半導体素子(60)の主電流経路と直列に接続された測定抵抗
(55’)が設けられている、電力用被制御半導体素子(60)のための電流制
限回路において、
第1および第2のバイポーラトランジスタ(52’,54’)が設けられて
おり、これらのトランジスタはその負荷区間および電流源(56’)とともに、
電力用半導体素子(60)のソース端子と接続された測定抵抗(55’)の端子
と第1の給電電圧端子(VB)との間に直列に接続されており、前記の第1およ
び第2のバイポーラトランジスタ(52’,54’)は、それらのコレクタ電流
が互いに比例するように結線されており、
第3および第4のバイポーラトランジスタ(51’,53’)が設けられて
おり、これらのトランジスタはその負荷区間とともに、制御端子と第2の給電電
圧端子(アース)との間に直列に接続されており、前記第3のバイポーラトラン
ジスタ(51’)のエミッタには、前記第4のバイポーラトランジスタ(53’
)のコレクタ電流に比例する電流が与えられ、
前記第1のバイポーラトランジスタ(52’)のコレクタとベースは、前記
第3のバイポーラトラン
ジスタ(51’)のベースに接続されており、
前記第2のバイポーラトランジスタ(54’)のベースは、第3のバイポー
ラトランジスタ(51’)のエミッタと第4のバイポーラトランジスタ(53’
)のコレクタとの間に位置する接続点と結合されており、
前記第4のバイポーラトランジスタ(53’)のベースは、第1のバイポー
ラトランジスタ(52’)のエミッタと第2のバイポーラトランジスタ(54’
)のコレクタとの間に位置する接続点と結合されており、
前記第4のバイポーラトランジスタ(53’)のエミッタ−ベース電圧は、
電圧成分としてエミッタ抵抗における電圧降下、前記第2および第3のバイポー
ラトランジスタ(54’,51’)における正の極性符号を有するエミッタ−ベ
ース電圧、前記第1のバイポーラトランジスタ(52’)における負の極性符号
を有するエミッタ−ベース電圧、ならびにそれぞれ異なるエミッタ電流密度で駆
動される別のバイポーラトランジスタの各エミッタ−ベース電圧の差から得られ
る値をもつ別の電圧成分を有しており、前記バイポーラトランジスタは同じ型で
あることを特徴とする、
電力用被制御半導体素子のための電流制限回路。
2.電力用被制御半導体素子(60)の主電流経路と
直列に接続された電流測定抵抗(55’)が設けられている、電力用被制御半導
体素子(60)のための電流制限回路において、
第1のカレントミラー、第2のカレントミラー、第3のカレントミラー、第
4のカレントミラー、第1のNPNバイポーラトランジスタ(62)、第2のN
PNバイポーラトランジスタ(64)、第3のNPNバイポーラトランジスタ(
61)、第4のNPNバイポーラトランジスタ(63)ならびに、第5のMOS
トランジスタ(76)および第6のMOSトランジスタ(78)を有しており、
前記第1のカレントミラーは、第1および第2のPNPバイポーラトランジ
スタ(65,67)から成り、これらのバイポーラトランジスタのエミッタはそ
れぞれ、電力用半導体素子(60)の制御電位(VG)と接続されており、
前記第2のカレントミラーは、第3および第4のPNPバイポーラトランジ
スタ(66,68)から成り、これらのバイポーラトランジスタのエミッタはそ
れぞれ、電力用半導体素子(60)の制御電位(VG)と接続されており、
前記第3のカレントミラーは、第1および第2のMOSトランジスタ(71
,73)から成り、これらのMOSトランジスタのソースはそれぞれ基準電位と
接続されており、
前記第4のカレントミラーは、第3および第4のMOSトランジスタ(72
,74)から成り、これらのMOSトランジスタのソースはそれぞれ基準電位と
接続されており、
前記第1のNPNバイポーラトランジスタ(62)のエミッタは、前記第3
のMOSトランジスタ(72)のドレインと接続されており、
前記第2のNPNバイポーラトランジスタ(64)は、前記電力用半導体素
子(60)と接続された測定抵抗(55’)の端子と第4のPNPバイポーラト
ランジスタ(68)のコレクタとの間に接続されており、
前記第3のNPNバイポーラトランジスタ(61)のエミッタは、前記第2
のMOSトランジスタ(73)のドレインと接続されており、
前記第4のNPNバイポーラトランジスタ(63)は、負荷出力端子と接続
された測定抵抗(55’)の端子と第1のPNPバイポーラトランジスタ(65
)のコレクタとの間に接続されており、
前記第1および第3のNPNバイポーラトランジスタ(62,61)のベー
ス端子はつながれており、これら第1および第3のNPNバイポーラトランジス
タ(62,61)のコレクタ端子は、順方向でダイオード(75)を介して電力
用半導体素子(60)の制御電位(VG)と接続されており、
前記第1のNPNバイポーラトランジスタ(62)のエミッタは、第4のN
PNバイポーラトランジスタ(63)のベースと接続されており、前記第3のN
PNバイポーラトランジスタ(61)のエミッタは、前記第2のバイポーラトラ
ンジスタ(64)のベースと接続されており、
前記の第5のMOSトランジスタ(76)および第6のMOSトランジスタ
(78)は、給電電位(VD)と接続された前記電力用半導体素子(60)の端
子と前記第4のカレントミラーの基準電位との間に直列に接続されており、
前記第5のMOSトランジスタ(76)のゲートは、前記第3のPNPバイ
ポーラトランジスタ(66)のコレクタと接続されており、前記第6のMOSト
ランジスタ(78)のゲートは、前記電力用半導体素子(60)の制御電位(V
G)と接続されており、
前記の第5のMOSトランジスタ(76)と第6のMOSトランジスタ(7
8)との間の接続点は、前記の第1および第3のNPNバイポーラトランジスタ
(62,61)の共通のベースと接続されていることを特徴とする、
電力用被制御半導体素子のための電流制限回路。
3.前記第1および第2のNPNバイポーラトランジスタ(62,64)は、そ
れらのコレクタ電流が互
いに比例するように結線されており、
前記第3のNPNバイポーラトランジスタ(61)のエミッタには、前記第
4のNPNバイポーラトランジスタ(63)のコレクタ電流に比例する電流が与
えられ、
前記第4のNPNバイポーラトランジスタ(63)のエミッタ−ベース電圧
は電圧成分として、測定抵抗における電圧降下と、前記第2および第3のNPN
バイポーラトランジスタ(64,61)における正の極性のエミッタ−ベース電
圧と、前記第1のNPNバイポーラトランジスタ(52’,62)における負の
極性のエミッタ−ベース電圧を有する、
請求項2記載の電流制限回路。
4.前記の4つのバイポーラトランジスタ(51’〜54’;61〜64)のう
ち少なくとも1つは、他のバイポーラトランジスタとは異なるエミッタ面積を有
する、請求項1〜3のいずれか1項記載の電流制限回路。
5.カレントミラー回路装置は第5および第6のバイポーラトランジスタ(60
’,59’)を有しており、これら第5および第6のバイポーラトランジスタ(
60’,59’)は、それぞれ対応する電流源(57’,58’)と直列に、第
1の基準電位(VB)と第2の基準電位(アース)との間に接続されており、
前記第2のバイポーラトランジスタ(54’)のベースは、第5のバイポー
ラトランジスタ(60’)のエミッタと対応する電流源(58’)との間に位置
する接続点と結合されており、前記第5のバイポーラトランジスタ(59’)の
ベースは、第3のバイポーラトランジスタ(51’)のエミッタと第4のバイポ
ーラトランジスタ(53’)のコレクタとの間に位置する接続点と結合されてお
り、
前記第4のバイポーラトランジスタ(53’)のベースは、前記第6のバイ
ポーラトランジスタ(59’)のエミッタと対応する電流源(57’)との間に
位置する接続点と結合されており、前記第6のバイポーラトランジスタ(59’
)のベースは、第1のバイポーラトランジスタ(51’)のベースと第2のバイ
ポーラトランジスタ(54’)のコレクタとの間に位置する接続点と結合されて
いる、
請求項1〜3のいずれか1項記載の電流制限回路。
6.前記第5および第6のバイポーラトランジスタ(60’,59’)の電流源
はそれぞれ1つの抵抗である、請求項5記載の電流制限回路。
7.前記第5および第6のバイポーラトランジスタ(60’,59’)の電流源
(57’,58’)はそれぞれNMOSトランジスタである、請求項5記載の電
流制限回路。
8.前記NMOSトランジスタの共通のゲート電位は、第1および第3のバイポ
ーラトランジスタ(52’,51’)の共通のベース端子の電位である、請求項
7記載の電流制限回路。
【図3】
─────────────────────────────────────────────────────
【要約の続き】
位を低下させるため第2の電流が高められる。