JP2001262390A - パラジウムめっき液 - Google Patents
パラジウムめっき液Info
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Abstract
後におけるはんだ濡れ性が良好で、しかも液劣化が起こ
りにくく、リードフレーム用のめっき液として好適なパ
ラジウムめっき液や、更には厚めっきが可能で電子部品
用接点材料の製造に適用して有効なめっき液を提供す
る。 【解決手段】 水溶性パラジウム化合物:1〜60g/
L(ただし、パラジウム換算量)、亜硫酸またはその
塩:1.0〜50g/L、およびスルファミン酸または
その塩:0.1〜100g/Lを必須成分として含み、
とくに前記水溶性パラジウム化合物が、パラジウムのア
ンミン錯塩の塩化合物、臭化物、沃化物、および亜硝酸
塩の群から選ばれる少なくとも1種であるパラジウムめ
っき液や、更にリン酸またはその塩を0.1〜200g
/L含有する厚めっき用のパラジウムめっき液。
Description
に関し、更に詳しくは、熱履歴後におけるはんだ濡れ性
が良好なパラジウムめっきを実現することができ、また
厚めっきを行っても良好な外観を呈し、かつ接触抵抗の
経時変化も少ないパラジウムめっきを実現することがで
き、電気・電子部品用のリードフレームや接点材料への
パラジウムめっきを行うときに用いて有効なパラジウム
めっき液に関する。
ムは、従来、銅または銅合金を基材とし、そのアウター
リードにははんだめっき、インナーリードには銀めっき
を施して製造されているのが通例であるが、このリード
フレームには次のような特性が要求されている。すなわ
ち、熱履歴後のはんだ濡れ性、展延性、ワイヤボンディ
ング性が良好であり、耐マイグレーション性や耐食性も
良好で、更には相手材とのはんだ接合後における接合信
頼性が高いなどの諸特性である。
に当たっては、上記基材へのめっきをはんだや銀のめっ
きに代わってパラジウムめっきで行うことが注目を集め
ている。このパラジウムめっきに関しては、例えば、特
開昭52−54627号公報で開示されている方法が知
られている。この先行技術では、塩化パラドサミン、塩
化アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、水酸化
アンモニウム、および亜硫酸ナトリウムを必須成分とす
るめっき液を用いてパラジウムめっきが行われている。
は、可溶性パラジウム塩、可溶性セレン塩、およびピリ
ジンスルホン酸もしくはそのアルカリ塩を必須成分とす
るめっき液を用いるパラジウムめっきが開示されてい
る。しかしながら、上記したような従来のパラジウムめ
っきでリードフレームを製造した場合、前記した要求特
性にある程度応えられるとはいえ、熱履歴後のはんだ濡
れ性に関しては充分に満足のいくレベルに達しないとい
う問題がある。
使用していると液劣化が進み、その結果、要求特性を示
すパラジウムめっき層を同一のめっき液で長期間に亘り
安定して形成することが困難になるという問題もある。
ところで、パラジウムめっきの場合、高純度の析出パラ
ジウムで構成されるめっき層はその内部応力が高くなり
やすい。そのため、厚めっきを行うと、めっき層にはカ
ケやクラックが発生しやすく、また良好な展延性が得に
くいという問題がある。このようなことから、パラジウ
ムめっきの厚みは、一般に、1.0μm程度までとされ
ている。
めっきを行った場合、そのめっき層には、耐食性や耐摩
耗性に優れているという特性とともに、接触抵抗の経時
変化が少ないという特性が要求されている。しかしなが
ら、先行技術として示したような従来のパラジウムめっ
き液では、上記した要求特性を充分に満たすようなめっ
き層を形成することは困難であり、いまだに、めっき液
としての実用的な課題が残されている状況にある。
ウムめっき液における上記した問題を解決し、熱履歴後
におけるはんだ濡れ性が優れているパラジウムめっき層
を形成することができ、同時に液劣化も起こしづらい新
規なパラジウムめっき液の提供を第1の目的とする。
能であり、耐食性や耐摩耗性が良好で、また相手材との
接触抵抗の経時変化が少ないパラジウムめっき層の形成
を可能にするパラジウムめっき液の提供を第2の目的と
する。
性パラジウム化合物:1〜60g/L(ただし、パラジ
ウム換算量)、亜硫酸またはその塩:1.0〜50g/
L、および、スルファミン酸またはその塩:0.1〜1
00g/Lを必須成分として含むことを特徴とするパラ
ジウムめっき液が提供される。
の目的を達成するために好適なめっき液として、前記水
溶性パラジウム化合物の含有量が1〜40g/L(ただ
し、パラジウム換算量)であり、前記スルファミン酸ま
たはその塩の含有量が0.1〜60g/Lであるパラジ
ウムめっき液が提供される。また、本発明においては、
前記した第2の目的を達成するために好適なめっき液と
して、リン酸またはその塩:0.1〜200g/Lを必
須成分として含ませて成るパラジウムめっき液が提供さ
れる。
パラジウムのアンミン錯塩の塩化物、臭化物、沃化物、
硫化物、硝酸塩、亜硝酸塩、および亜硫酸塩の群から選
ばれる少なくとも1種であることが好ましく、また、め
っき液には、更に、硝酸塩、塩化物、硫酸塩、しゅう酸
塩、酒石酸塩、水酸化物、ほう酸、ほう酸塩、および炭
酸塩の群から選ばれる少なくとも1種の導電性電解質が
含まれていることを好適とするパラジウムめっき液が提
供される。
性パラジウム化合物、亜硫酸またはその塩、およびスル
ファミン酸またはその塩を必須成分として含有するもの
である。そして、厚めっきの目的とする場合には、更に
リン酸またはその塩を必須成分として含有せしめる。リ
ン酸またはその塩を含有せしめると、高い電流密度でめ
っきを行ってもワレ、カケが発生せず、焼けも起こらな
くなる。
ジウム化合物としては、パラジウムのアンミン錯塩の塩
化物、臭化物、沃化物、硫化物、硝酸塩、亜硝酸塩、お
よび亜硫酸塩を好適例としてあげることができる。具体
的には、ジクロロテトラアンミンパラジウム(Pd(N
H3)4Cl2)、ジブロモテトラアンミンパラジウム
(Pd[NH3]4Br2)、ジイオドテトラアンミンパ
ラジウム(Pd[NH3] 4I2)、ジニトライトテトラ
アンミンパラジウム(Pd[NH3]4(ONO)2)、
ジニトレイトテトラアンミンパラジウム(Pd[N
H3]4(NO3)2)、ジサルファイトテトラアンミンパ
ラジウム(Pd[NH3]4(SO3)2)、ジサルフェイ
トテトラアンミンパラジウム(Pd[NH3]4(S
O4)2)、ジニトロテトラアンミンパラジウム(Pd
[NH3]4(NO2)2)のようなテトラアンミンパラジ
ウム化合物;ジクロロジアミンパラジウム(Pd(NH
3)2Cl2)、ジブロモジアンミンパラジウム(Pd
[NH3]2Br2)、ジイオドジアンミンパラジウム
(Pd[NH3]2I2)、ジニトライトジアンミンパラ
ジウム(Pd[NH3]2(ONO)2)、ジニトレイト
ジアンミンパラジウム(Pd[NH3]2(NO3)2)、
ジサルファイトジアンミンパラジウム(Pd[NH3]2
(SO3)2)、ジサルフェイトジアンミンパラジウム
(Pd[NH3]2(SO4)2)のようなジアンミンパラ
ジウム化合物などを使用することもできる。これらの水
溶性パラジウム化合物は単独で用いてもよく、また2種
以上を適宜に組み合わせて用いてもよい。
物の濃度は、パラジウム換算量にして1〜60g/Lに
設定される。この濃度が1g/Lより低い場合は、パラ
ジウムが電着しなくなったり、また仮にめっき層が形成
されても、析出速度の低下、めっき層の光沢不良や展延
性の著しい低下、耐食性や耐摩耗性の低下などの問題が
生じてくる。
溶性パラジウム化合物が溶解しにくくなってめっき液の
均質性に問題が生ずるとともに、めっきの過程でめっき
液の持ち出しに基づくPd成分のロスが起こって不経済
になる。このような理由に基づいて、本発明のめっき液
における水溶性パラジウムの濃度の上限値は規制される
ことになるが、その規制の範囲内において、めっき目的
に対応して水溶性パラジウム化合物の濃度を次のように
設定することが好ましい。
は、水溶性パラジウム化合物の濃度は1〜40g/Lに
設定することが好ましい。そして、例えば電子部品用の
接点材料の製造のために厚めっきが目的とされる場合に
は、めっき液に後述するリン酸またはその塩を含有せし
めると同時に、水溶性パラジウム化合物の濃度を4〜6
0g/Lと高濃度にすることが好ましい。前者のより好
ましい濃度は4〜20g/Lであり、後者のより好まし
い濃度は4〜40g/Lである。
である亜硫酸またはその塩は、基材へのパラジウムめっ
きのつきまわり性を改善し、均一な半光沢のめっき外観
を得るために配合される成分である。亜硫酸塩として
は、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫
酸アンモニウム、亜硫酸カルシウムなどをあげることが
できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を適宜
組み合わせて用いてもよい。
濃度は、1.0〜50g/Lに設定される。濃度が1.0
g/Lより低い場合は、上記した効果が充分に発揮され
ず、また50g/Lより高い場合は、外観の劣化やめっ
き液の安定性の低下のような不都合が生ずるからであ
る。好ましい濃度は1〜30g/Lである。第3の必須
成分であるスルファミン酸またはその塩は、高い電流密
度でめっきを行っても、焼けのない半光沢のめっき外観
を得るために配合される成分である。
ファミン酸ナトリウム、スルファミン酸カリウム、スル
ファミン酸アンモニウム、スルファミン酸カルシウムな
どをあげることができる。これらは単独で用いてもよ
く、また2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。ス
ルファミン酸またはその塩の濃度は0.1〜100g/
Lに設定される。濃度が0.1g/Lより低い場合は、
上記した効果が充分に発揮されず、例えば高い電流密度
でめっきを行うと、めっき層に焼けなどの外観不良が発
生するようになる。また、100g/Lより高濃度にす
ると、めっき液の化学的な安定性が低下する。
スルファミン酸またはその塩の濃度の上限値が規制され
ることになるが、その規制の範囲内において、めっき目
的に対応してスルファミン酸またはその塩の濃度を次の
ように設定することが好ましい。すなわち、厚めっきを
目的としない場合には、0.1〜30g/Lに設定する
ことが好ましい。より好ましくは、1〜20g/Lとす
る。また、厚めっきを目的とする場合には、1〜100
g/Lに設定することが好ましい。より好ましくは1〜
60g/Lにする。
ときには、リン酸またはその塩が必須成分として配合さ
れるが、そのときに用いるリン酸塩としては、例えば、
リン酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウ
ムなどを上げることができる。これらは単独で用いても
よく、また2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよ
い。
ける内部応力を低減せしめるのでその厚めっきを可能と
し、展延性のある緻密で密着性に富むめっき層の形成に
資する。更に、高い電流密度を適用して、焼けのない良
好な金属光沢を有するめっき層の形成に資する。このよ
うな効果を発揮せしめるリン酸またはその塩の濃度は、
0.1〜200g/Lに設定される。この濃度が0.1g
/Lより低い場合は上記した効果が充分に発揮されず、
厚めっきは困難になり、また200g/Lより高い場合
は、電流効率の低下およびめっき光沢が失われるように
なる。好ましい濃度は5〜150g/Lとする。
電解質を溶解せしめると、上記した効果が更に助長さ
れ、めっき時にめっき層に悪影響を与える成分が副生し
なくなり、もって液劣化が抑制され、長期に亘って安定
した特性のめっき層を形成できるので好適である。この
ような電導性電解質としては、例えば、硝酸アンモニウ
ム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウムのような硝酸塩;塩
化アンモニウム、塩化カリウム、塩化ナトリウムのよう
な塩化物;硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸ナト
リウムのような硫酸塩;リン酸アンモニウム、リン酸カ
リウム、リン酸ナトリウムのようなリン酸塩;しゅう酸
アンモニウム、しゅう酸カリウム、しゅう酸ナトリウム
のようなしゅう酸塩;酒石酸アンモニウム、酒石酸カリ
ウム、酒石酸ナトリウムのような酒石酸塩;水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウムのような水酸化物;ほう酸;ほ
う酸アンモニウム、ほう酸カリウム、ほう酸ナトリウム
のようなほう酸塩;炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、
炭酸ナトリウムのような炭酸塩の1種または2種以上を
あげることができる。
1〜500g/Lとなるように溶解せしめることが好ま
しい。濃度が0.1g/Lより低い場合は、上記した効
果が充分に発揮されず、また500g/Lより高くなる
と、外観の低下やめっき液の安定性の低下などの不都合
が生じてくるからである。好ましい濃度は20〜400
g/Lである。
て、公知の非イオン系界面活性剤やカチオン系界面活性
剤を添加してもよい。また、表面調整剤として、エタノ
ール、ブタンジオール、グリセリン、エチルセルソルブ
のようなアルコール類、グルコース、ショ糖、でんぷ
ん、グルコースと果糖の混合物である異性化糖のような
OH基を有する有機物;アセトアルデヒド、ホルムアル
デヒドのようなCHO基を有する有機物;アセトン、ピ
ナコリン、メシチルオキシド、アセトフェノン、シクロ
ヘキサノンのようなCO基を有する化合物;メチルアミ
ン、トリエタノールアミン、ピリジン、ピピリジンなど
のアミノ類のようなNを有する化合物;などを、0.1
〜50g/l添加してもよい。
きを行う場合には、例えばアンモニア水や希硫酸または
希塩酸を用いてめっき液のpH値を7〜9、好ましくは
7.5〜8.5に調整し、液温を30〜70℃、好ましく
は45〜65℃に設定し、そして陰極電流密度を0.2
〜30A/dm2、好ましくは1〜25A/dm2に設定して
実施すればよい。
ウム換算)、スルファミン酸カリウム:20g/L、亜
硫酸カリウム:20g/Lから成るめっき液を建浴し
た。このめっき液を水酸化アンモニウムと希硫酸でpH7
に調整し、液温を60℃に保持し、液攪拌を行いなが
ら、予め無光沢のNiめっきが1μm施されているハル
セル銅板に対して電流密度2A/dm2で10秒間のめっ
きを行った。
特性を評価した。 電流効率:液温60℃、電流密度2A/dm2、めっき
時間10分の条件下で厚み5μmのパラジウムめっきを
行い、めっき前後における重量変化を測定し、そのPd
めっき量を上記条件におけるPdの理論電着量で除算し
て百分率を求めた。この値が90%以上である場合を合
格とした。 めっき外観:目視でムラ、焼け、光沢の有無を観察。 熱履歴後のはんだ濡れ性:めっき層に温度315℃で
30秒間の熱履歴を与えたのち、メニスコグラフでゼロ
クロスタイム(秒)を測定した。この値が2秒以下であ
る場合を合格とした。 液寿命:10ターン経過後もめっき処理が可能である
場合を合格とした。なお、ここでいう1ターンとは、建
浴時におけるめっき液の単位体積中に含有されているパ
ラジウム量(実施例1の場合は、1リットル中に4gの
パラジウム量)が完全に消費された時点をいう。したが
って、ターン数が大きいめっきほど長期使用時における
液劣化が起こりにくいということを表す。以上の結果を
表1に示す。
ム:20g/L(パラジウム換算)、スルファミン酸ナ
トリウム:20g/L、亜硫酸ナトリウム:10g/L
であったこと、めっき液のpH値を8に調整したこと、を
除いては実施例1の場合と同様にしてパラジウムめっき
層を形成した。実施例1の場合と同様にしてめっき層の
評価を行った。結果を表1に示す。
ム:4g/L(パラジウム換算)、スルファミン酸アン
モニウム:2g/L、亜硫酸アンモニウム:2g/L、
硝酸ナトリウム:400g/Lであったことを除いては
実施例2の場合と同様にしてパラジウムめっき層を形成
した。実施例2の場合と同様にしてめっき層の評価を行
った。結果を表1に示す。
ム:10g/L(パラジウム換算)、スルファミン酸カ
ルシウム:20g/L、亜硫酸カリウム:20g/L、
硝酸アンモニウム:100g/L、塩化アンモニウム:
200g/Lであったことを除いては実施例2の場合と
同様にしてパラジウムめっき層を形成した。実施例2の
場合と同様にしてめっき層の評価を行った。結果を表1
に示す。
0g/L(パラジウム換算)、スルファミン酸カルシウ
ム:10g/L、亜硫酸アンモニウム:5g/L、亜硝
酸アンモニウム:150g/Lであり、表面調整剤とし
てグルコース:5g/Lであったことを除いては実施例
2の場合と同様にしてパラジウムめっき層を形成した。
実施例2の場合と同様にしてめっき層の評価を行った。
結果を表1に示す。
ム:4g/L(パラジウム換算)、スルファミン酸カリ
ウム:20g/Lであったことを除いては実施例2の場
合と同様にしてパラジウムめっき層を形成した。このめ
っき液は、本発明のめっき液における必須成分である亜
硫酸またはその塩を含まないものである。実施例1の場
合と同様にしてめっき層の評価を行った。結果を表1に
示す。
ム:4g/L(パラジウム換算)、亜硫酸アンモニウ
ム:2g/L、硝酸ナトリウム:400g/Lであった
ことを除いては実施例2の場合と同様にしてパラジウム
めっき層を形成した。このめっき液は、本発明のめっき
液における必須成分であるスルファミン酸またはその塩
を含まないものである。実施例1の場合と同様にしてめ
っき層の評価を行った。結果を表1に示す。
ラジウム換算)、塩化アンモニウム:50g/L、スル
ファミン酸アンモニウム:35g/L、亜硫酸ナトリウ
ム:0.5g/L、水酸化アンモニウム:75g/Lで
あったことを除いては実施例1の場合と同様にしてパラ
ジウムめっきを行い、その特性を評価した。結果を表1
に示す。
ンミン錯塩とスルファミン酸塩と亜硫酸塩を同時に含有
する実施例のめっき液でパラジウムめっきを行うと、形
成されためっき層は、めっき外観、電流効率は良好で、
熱履歴後のはんだ濡れ性はそのゼロクロスタイムが2秒
以下と非常に優れたものになる。しかも、めっき液のタ
ーン数も大きく、液劣化を招くことなく安定しためっき
を行うことができるという効果も得られている。したが
って、本発明のめっき液は、熱履歴後における優れたは
んだ濡れ性が要求されるリードフレーム用のパラジウム
のめっき液としてその工業的価値は大である。
ム換算)、リン酸ナトリウム:15g/L、亜硫酸アン
モニウム:20g/L、スルファミン酸アンモニウム:
30g/L、硝酸アンモニウム:400g/Lから成る
めっき液を建浴した。
酸でpH8に調整し、液温を60℃に保持し、液攪拌を行
いながら、予め無光沢のNiめっきが1μm施されてい
る無酸素銅板に対して電流密度15A/dm2で1分間の
めっきを行った。厚み4μmのPdめっき層が形成され
た。このめっき層につき、下記の仕様で特性評価を行っ
た。
でムラ、焼け、光沢の有無を観察した。 熱履歴後のはんだ濡れ性:実施例1〜4と同様に行い、
ゼロクロスタイムが2秒以下である場合を合格とした。 耐食性:硫化水素濃度3ppm、温度40℃、相対湿度8
5%の腐食雰囲気中に試料を24時間放置したのち、め
っき層を目視観察。外観に変化がない場合を○、何らか
の腐食生成物があった場合を×として判定した。 接触抵抗値とその経時変化:上記した耐食性の評価に用
いた試料のめっき層に、頭部5RのAgを荷重10gで
押し当て、その状態で電流10mAを流して接触抵抗を測
定した。この値が50mΩ以下である場合を○とし、5
0mΩより大きい場合を×とした。また、耐食性試験の
時間を96時間として接触抵抗の変動を調べ、接触抵抗
が50mΩ以下の場合を○とし、50mΩより大きくな
った場合を×とした。 液寿命:10ターン経過後もめっき処理においても電流
効率が90%以上であり、形成されためっきに対するが
ゼロクロスタイムが2秒以下であるような場合を○と
し、そうでない場合を×とした。 以上の結果を表2に示す。
ム:40g/L(パラジウム換算量)、リン酸カリウ
ム:7g/L、亜硫酸ナトリウム:0.3g/L、スル
ファミン酸ナトリウム:90g/L、塩化カリウム:3
00g/Lであったことを除いては実施例6と同様にし
て厚み4μmのめっき層を形成した。実施例6の場合と
同様にしてめっき層の評価を行い、その結果を表2に示
した。
0g/L(パラジウム換算量)、リン酸ナトリウム:6
0g/L、亜硫酸ナトリウム:50g/L、スルファミ
ン酸ナトリウム:30g/L、臭化ナトリウム:300
g/Lであったことを除いては実施例6と同様にして厚
み4μmのめっき層を形成した。実施例6の場合と同様
にしてめっき層の評価を行い、その結果を表2に示し
た。
0g/L(パラジウム換算量)、ジブロモテトラアンミ
ンパラジウム:10g/L(パラジウム換算量)、リン
酸カリウム:150g/L、亜硫酸アンモニウム:5g
/L、スルファミン酸アンモニウム:30g/L、硫酸
アンモニウム:40g/Lであったことを除いては実施
例6と同様にして厚み4μmのめっき層を形成した。実
施例6の場合と同様にしてめっき層の評価を行い、その
結果を表2に示した。
リウムを除き、また亜硫酸アンモニウムの濃度を0.1
g/Lとしたものを用いたことを除いては実施例6の場
合と同様にしてめっきを行い、得られためっき層を評価
した。
しためっき浴を用いると、外観が良好で、はんだ濡れ性
も良好で、耐食性や接触抵抗の経時変化も優れているパ
ラジウムの厚めっき層を形成することができる。したが
って、このめっき液を用いることにより、実用性に富む
電子部品用の接点材料の製造が可能になる。
めっき液を用いると、形成されためっき層は、めっき外
観、はんだ濡れ性に優れたものになる。そして、めっき
液に更にリン酸またはその塩を所定濃度で添加すると、
そのめっき液を用いてパラジウムの厚めっきが可能とな
り、しかも形成されためっき層は、めっき外観とはんだ
濡れ性に優れていることはもち論のこと、耐食性や相手
材との接触抵抗の経時変化も小さくなる。したがって、
そのめっき液を用いることにより、電子部品用の接点材
料の製造が可能となり、工業的価値は大である。
Claims (5)
- 【請求項1】 水溶性パラジウム化合物:1〜60g/
L(ただし、パラジウム換算量)、亜硫酸またはその
塩:1.0〜50g/L、および、スルファミン酸また
はその塩:0.1〜100g/Lを必須成分として含む
ことを特徴とするパラジウムめっき液。 - 【請求項2】 前記水溶性パラジウム化合物の含有量が
1〜40g/L(ただし、パラジウム換算量)であり、
前記スルファミン酸またはその塩の含有量が0.1〜6
0g/Lである請求項1のパラジウムめっき液。 - 【請求項3】 更に、リン酸またはその塩:0.1〜2
00g/Lを含む請求項1または2のパラジウムめっき
液。 - 【請求項4】 前記水溶性パラジウム化合物が、パラジ
ウムのアンミン錯塩の塩化物、臭化物、沃化物、硫化
物、硝酸塩、亜硝酸塩、および亜硫酸塩の群から選ばれ
る少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかのパラ
ジウムめっき液。 - 【請求項5】 更に、硝酸塩、塩化物、硫酸塩、しゅう
酸塩、酒石酸塩、水酸化物、ほう酸、ほう酸塩、および
炭酸塩の群から選ばれる少なくとも1種の導電性電解質
が含まれている請求項1〜4のいずれかのパラジウムめ
っき液。
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|
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JP2000-3326 | 2000-01-12 | ||
JP2000207992A JP4570213B2 (ja) | 2000-01-12 | 2000-07-10 | パラジウムめっき液 |
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