JP2001226839A - 単錘駆動型多重撚糸機 - Google Patents

単錘駆動型多重撚糸機

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JP2001226839A
JP2001226839A JP2000035634A JP2000035634A JP2001226839A JP 2001226839 A JP2001226839 A JP 2001226839A JP 2000035634 A JP2000035634 A JP 2000035634A JP 2000035634 A JP2000035634 A JP 2000035634A JP 2001226839 A JP2001226839 A JP 2001226839A
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yarn
tension
winding
rotation speed
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JP2000035634A
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English (en)
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Yuhei Yamamoto
雄平 山本
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Murata Machinery Ltd
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Murata Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 解舒張力の時間的な変動及び錘間ばらつきを
抑え、全錘で均一な糸品質の撚糸を得る。 【解決手段】 単錘駆動型多重撚糸機は、各錘のスピン
ドル1を個別に駆動するスピンドルモータ2と、モータ
2をフィードバック制御するスピンドル回転速度制御手
段23と、各錘の巻取部Wを個別に駆動する巻取ドラム
駆動用モータ11と、モータ11をフィードバック制御
する巻取速度制御手段22と、走行糸Yの張力を検出す
る糸張力検出手段14と、糸張力検出手段14による張
力検出信号tと糸張力目標値とに基づいて、スピンドル
モータ2の目標回転速度(目標スピンドル速度)及び巻
取ドラム駆動用モータ11の目標回転速度(目標巻取速
度)を補正する補正手段24とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各錘毎にスピンド
ル駆動用のモータ及び巻取駆動用のモータを備え、スピ
ンドルの回転により糸条をバルーンさせて撚糸加工を行
った後に巻き取る単錘駆動型多重撚糸機に関し、例え
ば、静止状態の給糸パッケージの回りで糸条をバルーン
させながら、スピンドルの1回転により2回の撚りを糸
条に付与する単錘駆動型二重撚糸機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の撚糸ユニットを並設して構
成された二重撚糸機が知られている。各撚糸ユニットに
おいては、給糸パッケージと同軸上にあるスピンドルの
回転により、糸条が給糸パッケージの周囲をバルーンす
ることにより撚糸加工が行われる。このような二重撚糸
機では、機台長手方向にタンジェンシャルベルトが配置
され、該タンジェンシャルベルトに接触させて全てのス
ピンドルを一斉に回転駆動させる。スピンドルとともに
回転する回転ディスクには円筒状の巻付部が設けられ、
該巻付部に対する糸条の巻き付き角度(遅れ角)が自動
的に変化することで、給糸パッケージ上の解舒位置の変
動等により生じる糸条の張力変動を自動的に吸収するよ
うになっている。例えば、スピンドルに装着される張力
付与装置による付与張力を適切に設定することで、巻付
部に対する巻き付き角度の変動を最小に抑えて良好な撚
糸加工が実現できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、張力付
与装置による付与張力が適正でない場合、糸条の解舒張
力の時間的な変動が大きくなり、糸切れが生じたり或い
は糸品質のばらつきが発生したりすることがある。特
に、共通のタンジェンシャルベルトによる一斉駆動方式
においては、各スピンドルとタンジェンシャルベルトと
の接圧やベルトスリップ量のばらつき等により、錘間で
の撚り数のばらつきが発生するとともに、張力付与装置
による付与張力が同じであっても、各錘での張力変動量
が異なり、各錘での糸品質に大きなばらつきが発生する
ことがある。
【0004】本発明は上記課題に鑑みてなされたもの
で、その目的は、解舒張力の時間的な変動及び錘間ばら
つきを抑え、全錘で均一な糸品質の撚糸を得ることがで
きる単錘駆動型多重撚糸機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、各錘のスピンドルを個別に
駆動するスピンドル駆動用モータを備え、スピンドルの
回転により糸条をバルーンさせて撚糸を行った後に巻き
取る単錘駆動型多重撚糸機であって、各錘の巻取部を個
別に駆動する巻取駆動用モータと、走行糸の張力を検出
する糸張力検出手段と、糸張力検出手段による張力検出
信号に基づいて、スピンドル駆動用モータ及び巻取駆動
用モータの回転速度を制御する制御手段とを備えたこと
を特徴とする。この発明では、各錘毎にスピンドル駆動
用モータ及び巻取駆動用モータを備えたことにより、一
斉駆動型の場合に生じる不都合を防止することができ
る。即ち、全錘における撚り数を正確に所望の値にし
て、撚り数の錘間ばらつきを無くすことができる。ま
た、各錘毎に走行糸の張力を検出し、その検出結果に応
じて、スピンドル駆動用モータ及び巻取駆動用モータの
回転速度を制御することにより、各錘内での時間的な張
力変動を補正することができる。
【0006】請求項2記載の発明は、制御手段は、スピ
ンドル駆動用モータと巻取駆動用モータとの回転速度比
を、予め設定された撚り数に応じた所定の値に維持しつ
つ両モータを制御することを特徴とする。この発明で
は、検出した糸張力に応じてスピンドル駆動用モータと
巻取駆動用モータとを制御する際、両モータの回転速度
比が常に所定の値に維持されるので、張力変動を是正し
つつ、両モータの回転速度比から規定される撚り数を常
時一定値に維持することができる。
【0007】請求項3記載の発明は、制御手段は、予め
設定された糸張力目標値と糸張力検出手段による検出張
力値との比較に基づいて、両モータの目標回転速度比が
予め設定された撚り数に応じた所定の値となるように、
スピンドル駆動用モータの目標回転速度及び巻取駆動用
モータの目標回転速度を補正する補正手段を備えたこと
を特徴とする。この発明では、補正手段により、記憶手
段に記憶した糸張力目標値と糸張力検出手段による検出
張力値とが比較され、その比較結果に基づいて、スピン
ドル駆動用モータの目標回転速度及び巻取駆動用モータ
の目標回転速度がそれぞれ補正される。このとき、両モ
ータの目標回転速度比は、設定撚り数に相当する所定の
値となるように補正される。
【0008】請求項4記載の発明は、補正手段は、予め
設定された糸張力目標値と糸張力検出手段による検出張
力値との比較に基づいて、スピンドル駆動用モータの目
標回転速度及び巻取駆動用モータの目標回転速度を補正
するか否かを判定する補正要否判定手段を備えたことを
特徴とする。この発明では、補正要否判定手段により、
予め設定された糸張力目標値と糸張力検出手段による検
出張力値とが比較され、補正の要否判定が行われる。例
えば、検出張力値が所定範囲内にある場合、糸品質上問
題とならない張力変動として補正不要と判定され、検出
張力値が所定範囲を越えた場合のみ、糸品質上問題とな
る張力変動として補正を行う。補正を行う際、検出張力
値が所定範囲を越えた量に応じて或いは越えた量に関係
なく、スピンドル駆動用モータの目標回転速度及び巻取
駆動用モータの目標回転速度が補正される。
【0009】請求項5記載の発明は、糸走行方向の上流
側から順に、給糸パッケージを含むスピンドルユニッ
ト、バルーン糸を収束するバルーンガイド、積極駆動す
ることにより糸条を下流側に送り出すフィードローラ及
び巻取りパッケージを形成する巻取部を備え、バルーン
ガイドとフィードローラとの間に前記糸張力検出手段を
設けたことを特徴とする。この発明では、糸条のバルー
ン領域でもなく、トラバース領域でもなく、高い張力下
で安定した糸道上に糸張力検出手段を設けたので、正確
な糸張力を容易に検出することができる。
【0010】
【実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面を用い
て説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら本実
施の形態に限定されるものではない。図1は本実施の形
態に係る単錘駆動型二重撚糸機における1つの撚糸ユニ
ットを示す全体概略図、図2は制御装置の概念構成図、
図3は補正手段による補正割り込み処理を示すフローチ
ャートである。尚、本実施の形態では、単錘駆動型多重
撚糸機の一例として、スピンドルの1回転により糸条に
2回の撚りを付与するタイプの単錘駆動型二重撚糸機に
ついて説明するが、その他、スピンドルの1回転により
糸条に3回或いは4回の撚りを付与する単錘駆動型三重
撚糸機或いは単錘駆動型四重撚糸機にも本発明を適用で
きる。
【0011】本実施の形態に係る単錘駆動型二重撚糸機
は、図1に示されるような撚糸ユニットを機台長手方向
に複数並設して構成されるが、試験用として使用する場
合に1つの撚糸ユニットのみを独立して設置することも
できる。図1に示すように、各撚糸ユニットは、給糸パ
ッケージP1を装着するスピンドルユニットSを機台下
部に、スピンドルユニットSで撚糸された糸条Yを巻取
りパッケージP2に巻き取る巻取部Wを機台上部に備え
ている。給糸パッケージP1としては、紡績糸或いはフ
ィラメント糸のどちらでも使用することができる。
【0012】スピンドルユニットSにおいて、2はスピ
ンドル1に同軸上に直結されたスピンドルモータ(スピ
ンドル駆動用モータ)である。即ち、スピンドル1とス
ピンドルモータ2の回転軸とを連結する連結手段(カッ
プリング等)は用いられておらず、スピンドル1とスピ
ンドルモータ2の回転軸とが一体になっている。
【0013】スピンドルモータ2は各錘毎(各撚糸ユニ
ット毎)に設けられ、各スピンドル1を個別に駆動する
ものである。スピンドルモータ2としては、電子的な整
流機構を備えたブラシレスモータが用いられている。ス
ピンドルモータ2には、回転速度を検出するための回転
速度検出器3が設けられている。この回転速度検出器3
は、モータ2に内蔵された磁気センサであり、モータ2
のロータ(永久磁石)の回転速度に応じた検出信号(パ
ルス信号)を出力する。この検出信号は後述する制御装
置20に取り込まれ、制御装置20によるスピンドルモ
ータ2のフィードバック制御に使用される。
【0014】4はスピンドル1に固着されて一体的に回
転する回転ディスクである。回転ディク4には円筒状の
巻付部5が設けられ、解舒張力の変動に応じて巻付部5
に対する糸条Yの巻き付き量(遅れ角)が自動的に変動
するようになっている。6はフライヤーであり、先端部
に設けられたガイド7を通過する糸条Yに引かれて連れ
回りする。フライヤー6により、給糸パッケージP1か
ら解舒される糸条Yの適正な解舒張力を維持することが
できる。8はスピンドル1の延長線上に設けられたバル
ーンガイドであり、回転ディスク3から発生しているバ
ルーンの収束点となる。
【0015】このような構成により、スピンドル1(回
転ディスク3)が回転すると、静止状態にある給糸パッ
ケージP1の周囲で糸条Yがバルーンされながら撚糸加
工が行われる。撚糸加工中の糸道を具体的に説明する
と、まず給糸パッケージP1から解舒された糸条Yがフ
ライヤー4を経て、スピンドル1と同軸上の中心軸内に
挿入される。中心軸内を通った後、回転ディスク3内を
半径方向に通過して外方に飛び出した糸条Yは、回転デ
ィスク3とバルーンガイド5との間において給糸パッケ
ージP1の側方を通過するようにバルーニングされる。
このような糸道により、スピンドル1が1回転すると、
糸条Yに2回の撚りが付与される。尚、給糸パッケージ
P1の中心軸内には、必要に応じて糸条Yに張力を付与
する張力付与装置(図示略)が設けられる。
【0016】スピンドルユニットSより下流側にある巻
取部Wにおいて、9はフィードローラ、10は巻取ドラ
ム、11は巻取ドラム駆動用モータ、12はトラバース
ガイドである。フィードローラ9は、図示しない駆動源
により積極駆動されて、巻取速度(巻取ドラム10の周
速)よりやや速い速度で糸条Yを下流側に送り出す。こ
れにより、フィードローラ6の上流側でバルーンにより
糸張力が極めて高いにも関わらず、適正な巻取張力によ
り巻取りパッケージP2を形成することができる。巻取
りパッケージP2は、巻取ドラム10に接触しながら回
転し、トラバースガイド12により糸条Yを軸方向にト
ラバースしながら巻き取りを行う。
【0017】巻取ドラム駆動用モータ11は、巻取速度
を変更するものであり、各錘毎(各撚糸ユニット毎)に
設けられている。巻取ドラム駆動用モータ11は、巻取
ドラム10と同軸上に直結されており、巻取ドラム10
の回転軸と巻取ドラム駆動用モータ11との回転軸とが
一体となっている。尚、巻取ドラム駆動用モータ11に
より、カップリング又はベルト等の連結手段を介して巻
取ドラム10を駆動することもできる。また、トラバー
スガイド12のトラバース動作も、巻取ドラム駆動用モ
ータ11を駆動源として行われている。これは例えば、
溝付きトラバースカムの回転軸と巻取ドラム駆動用モー
タ11の回転軸とを、ベルト等の駆動伝達手段で連結す
ることにより実現できる。
【0018】巻取ドラム駆動用モータ11もスピンドル
モータ2と同様にブラシレスモータが用いられ、回転速
度検出器3と同様の回転速度検出器13が設けられてい
る。回転速度検出器13による検出信号(パルス信号)
も後述する制御装置20に取り込まれ、巻取ドラム駆動
用モータ11のフィードバック制御に使用される。尚、
巻取ドラム駆動用モータ11として誘導モータ等を使用
することもできる。
【0019】以上のように、各撚糸ユニット毎に、スピ
ンドルユニットSにおいて撚糸加工を行い、巻取部Wに
おいて撚糸された糸条Yの巻き取りを行うのであるが、
糸条Yに付与される撚り数(単位長さ当たりの撚り回
数)は、スピンドル回転速度と糸速とから次の式により
求めることができる。即ち、スピンドル回転速度=(糸
速×撚り数)/2という関係式が成立することが知られ
ており、スピンドル回転速度と糸速との比率を一定に維
持すると撚り数は変化しないことになる。逆に言うと、
所定の撚り数となるように撚糸・巻取りを行っていると
きに、スピンドル回転速度のみを変更したり糸速のみを
変更したりすると撚り数は変化してしまう。撚り数は糸
条Yの強力に直接影響するものであり、各錘間及び時間
的に撚り数を均一に維持することは非常に重要なことと
なる。尚、スピンドル回転速度は、スピンドルモータ2
の回転速度により規定され、糸速は巻取速度として巻取
ドラム駆動用モータ11の回転速度により規定される。
【0020】糸張力検出部Tは、スピンドルユニットS
の下流側且つ巻取部Wの上流側、即ちバルーンガイド8
とフィードローラ9との間に設けられている。糸張力検
出部Tには、走行する糸条Yの張力を検出する接触式の
糸張力検出手段14が設けられており、糸張力検出手段
14による張力検出信号(アナログ信号)は制御装置2
0に取り込まれるようになっている。
【0021】糸張力検出手段14は、糸条Yが係合し糸
条Yからの荷重を受ける検出ヘッド15と、先端部に検
出ヘッド15が取り付けられた支持棒16と、支持棒1
6を支持するセンサ本体17とを備えている。センサ本
体17には、可撓性を有し支持棒16の基端部が取り付
けられたセンサ基板18と、センサ基板18上に実装さ
れセンサ基板18の撓み量に応じた信号を出力する歪み
検出素子19とが設けられている。支持棒16の軸方向
が、糸条Yの走行方向と直交するように糸張力検出手段
14が設けられている。検出ヘッド15に横方向(支持
棒16の軸方向と直交する方向)の荷重がかかると、支
持棒16を介してセンサ基板18が荷重に応じた量だけ
撓み、歪み検出素子19からセンサ基板18の撓み量に
応じた電気信号が出力される。糸張力検出手段14とし
ては、以上のように、糸条Yの張力に応じた電気信号
(アナログ信号)を出力するものであればよく、歪み検
出素子以外の検出素子を用いたものであってもよい。
【0022】次に、図2を用いて、糸張力検出手段14
からの張力検出信号を取り込み、その検出結果に基づい
てスピンドルモータ2及び巻取ドラム駆動用モータ11
を別個に制御する制御装置20について説明する。
【0023】制御装置20は、マイクロコンピュータと
2つのインバータ部21とを備えている。マイクロコン
ピュータは中央処理装置及び記憶装置(半導体メモリ
等)を備え、記憶装置に記憶されたプログラムに従って
中央処理装置により後述するようなデータ処理を行う。
また、制御装置20には各種パラメータを設定入力する
設定器30が接続され、入力されたパラメータは上記記
憶装置内に格納されるようになっている。尚、設定器3
0においては、全錘一斉或いは複数ユニットから構成さ
れるグループ毎に各パラメータを設定可能となってい
る。
【0024】マイクロコンピュータは、巻取速度制御機
能を実行する巻取速度制御手段22と、スピンドル回転
速度制御機能を実行するスピンドル回転速度制御手段2
3と、補正機能を実行する補正手段24とを備えてい
る。巻取速度制御機能及びスピンドル回転速度制御機能
は、共通の中央処理装置により、それぞれ独立して同時
並列的に実行される。また、補正機能も巻取速度制御機
能及びスピンドル回転速度制御機能と共通の中央処理装
置により実行される。
【0025】巻取速度制御手段22は、糸速(巻取速
度)に相当する目標巻取速度(巻取ドラム駆動用モータ
11の目標回転速度)を記憶する記憶部25を有してい
る。目標とする糸速(巻取速度)は、作業者が設定器3
0を用いて設定可能となっている。上記回転速度検出器
13からの検出信号は巻取速度制御手段22に入力さ
れ、巻取速度制御手段22において、回転速度検出器1
3からの検出信号に基づいて現在の回転速度を算出し、
その回転速度と記憶部25内の目標巻取速度(目標回転
速度)とを比較して、巻取ドラム駆動用モータ11に対
する指令値が算出される。即ち、巻取速度制御手段22
は、検出した回転速度と目標回転速度との偏差から指令
値を算出し、その指令値に基づいて巻取ドラム駆動用モ
ータ11用の駆動回路21に対する駆動信号を出力する
ことで、巻取ドラム駆動用モータ11の回転速度が常時
目標回転速度に一致するように制御する。
【0026】スピンドル回転速度制御手段23は、スピ
ンドル1の目標回転速度である目標スピンドル速度を記
憶する記憶部26を有している。目標スピンドル速度
は、作業者が設定器30を用いて設定した糸速及び撚り
数から算出される。上記回転速度検出器3からの検出信
号はスピンドル回転速度制御手段23に入力され、スピ
ンドル回転速度制御手段23において、回転速度検出器
3からの検出信号に基づいて現在の回転速度を算出し、
その回転速度と記憶部26内の目標スピンドル速度(目
標回転速度)とを比較して、スピンドルモータ2に対す
る指令値が算出される。即ち、スピンドル回転速度制御
手段23は、検出した回転速度と目標回転速度との偏差
から指令値を算出し、その指令値に基づいてスピンドル
モータ2用の駆動回路21に対する駆動信号を出力する
ことで、スピンドルモータ2の回転速度が常時目標回転
速度に一致するように制御する。
【0027】補正手段24は、補正要否判定手段27
と、糸張力目標値を記憶する記憶部28と、撚り数設定
値を記憶する記憶部29とを有し、巻取制御手段22及
びスピンドル速度制御手段23による巻取ドラム駆動用
モータ11及びスピンドルモータ2のフィードバック処
理に対し、所定の周期で図3のような補正割り込み処理
を行う。尚、この補正割り込み処理の周期は、モータ
2,11のフィードバック処理(回転速度の取り込み及
び演算)を行うフィードバック周期よりも長くなってい
る。
【0028】補正要否判定手段27は、検出張力値tと
糸張力目標値との比較結果に基づいて補正の要否を判定
するものである。また、補正手段24は、糸張力検出手
段14からの張力検出信号をデジタル信号に変換するア
ナログ/デジタル変換手段(図示略)を備えている。
尚、記憶部28,29内の糸張力目標値及び撚り数設定
値は設定器30を介して入力される。
【0029】図3に示す補正割り込み処理において、ま
ず、補正手段24により、糸張力検出手段14から張力
検出信号tが取り込まれる(S1)。そして、補正要否
判定手段27により、検出張力値tと記憶部28内の糸
張力目標値とを比較し、検出張力値tが許容範囲内か否
かが判断される(S2)。検出張力値tが許容範囲を越
えている場合(S2,No)、検出張力値tが許容範囲
より大きいか否か、即ち検出張力値tが許容範囲より大
きいか或いは小さいかが判断される(S3)。検出張力
値tが許容範囲より大きい場合、速度減少用の補正量を
算出し(S4)、記憶部25内の目標巻取速度及び記憶
部26内の目標スピンドル速度が、算出した減少用補正
量に基づいて同時に補正(書き換え)される(S6)。
このとき、補正手段24から巻取速度制御手段22及び
スピンドル回転速度制御手段23に補正信号(書き換え
信号)が出力され、その補正信号に基づいて目標巻取速
度及び目標スピンドル速度が同時に補正される。
【0030】両モータ2,11の目標速度は、撚り数設
定値を維持するように同じ割合だけ小さくした値に変更
される。両モータ2,11の目標速度を低下させる割合
は、検出張力値tと糸張力目標値との偏差から求められ
る。これにより、撚り数の均一性を維持しつつ、遅れ角
を減少させて正常な範囲に戻すことができる。尚、S4
における減少用補正量の算出は、張力検出信号tと糸張
力目標値との偏差量に基づいて行われ、偏差が大きい場
合は補正量が大きくなり、偏差が小さい場合は補正量が
小さくなる。
【0031】S3において、検出張力値tが許容範囲よ
り小さい場合、速度上昇用の補正量を算出し(S5)、
記憶部25内の目標巻取速度及び記憶部26内の目標ス
ピンドル速度が、算出した上昇用補正量に基づいて同時
に補正(書き換え)される(S6)。このとき、補正手
段24から巻取速度制御手段22及びスピンドル回転速
度制御手段23に同時に補正信号(書き換え信号)が出
力され、その補正信号に基づいて目標巻取速度及び目標
スピンドル速度が同時に補正される。
【0032】両モータ2,11の目標速度は、撚り数設
定値を維持するように同じ割合だけ大きくした値に変更
される。両モータ2,11の目標速度を上昇させる割合
は、検出張力値tと糸張力目標値との偏差から求められ
る。これにより、撚り数の均一性を維持しつつ、遅れ角
を増加させて正常な範囲に戻すことができる。尚、S5
における上昇用補正量の算出は、張力検出信号tと糸張
力目標値との偏差量に基づいて行われ、偏差が大きい場
合は補正量が大きくなり、偏差が小さい場合は補正量が
小さくなる。
【0033】S6において目標巻取速度及び目標スピン
ドル速度の補正を行うと、或いはS2において張力検出
信号tが許容範囲内にある場合(Yes)には、補正割
り込み処理を終了し、目標値を補正した場合、新しい目
標値に基づいて通常の巻取速度制御及びスピンドル回転
速度制御が行われる。その後、所定の周期が経過する毎
に、巻取速度制御及びスピンドル回転速度制御に対して
同様の補正割り込み処理が繰り返される。
【0034】図3のS2に相当する補正要否判定処理に
使用する許容範囲は、予め設定された糸張力目標値を基
準にして設定される。例えば、糸張力目標値から上下一
定範囲内を許容範囲とすることができる。このような補
正要否判定処理を行うことで、給糸パッケージ1上の解
舒位置の変化(上下動)によって必然的に生じるよう
な、糸品質上問題とならない微小な張力変動を補正対象
から削除でき、許容範囲の設定次第で糸品質上問題とな
るような張力変動のみを確実に補正することができる。
尚、この許容範囲の設定基準は設定器30を介して適宜
変更可能となっている。
【0035】上述したように、撚り数を一定に維持する
ためには、巻取速度(糸速)とスピンドル回転速度との
比率を一定に保つ必要がある。そこで補正手段24は、
補正後の目標巻取速度と目標スピンドル速度との関係
が、記憶部29内に記憶された撚り数設定値を常に満た
すように補正を行う。即ち、両目標速度を共に小さい値
に変更するか、或いは共に大きい値に変更するように補
正される。これにより、目標巻取速度及び目標スピンド
ル速度を補正するにも関わらず、実際に加工される糸条
Yの撚り数を長さ方向に均一なものにできる。
【0036】尚、検出張力値tと糸張力目標値との偏差
から補正量を算出することは行わず、検出張力値tが所
定範囲を越えた場合、その偏差に関わらず一定の補正量
とすることもできる。即ち、補正を行う場合、検出張力
値tと糸張力目標値との偏差に関係なく、常に同じ割合
だけ両モータ2,11の目標速度を増加又は減少するこ
ともできる。この場合、補正量算出処理が省略され、演
算処理を簡単化することができる。
【0037】また、補正手段24は、検出張力値tが許
容範囲を大きく越えた場合、直ちに巻取速度制御手段2
2及びスピンドル回転速度制御手段23に停止指令を出
力するようになっている。これにより、直ちに両モータ
2,11が停止される。例えば、糸切れが生じた場合、
検出張力値tは大きく低下し、それを検出して直ちにス
ピンドル1を停止させることにより、周囲への糸条Yの
巻き付きを防止し、直ちに巻取部Wを停止させることに
より、巻取りパッケージP2を保護することができる。
糸張力検出手段14により糸切れ検出も行うことで、ド
ロップワイヤ或いはスピンドルモータ2の負荷電流の監
視等を行うことなく糸切れを正確に検出することができ
る。
【0038】本実施の形態では、スピンドルモータ2及
び巻取ドラム駆動用モータ11を各錘毎に備え、制御装
置20によりモータ2,11を各錘毎個別に制御するよ
うにしたので、各錘のスピンドル回転速度及び巻取速度
を正確に目標回転速度に維持することができ、錘間での
撚り数のばらつきを無くすことができる。また、糸道上
に糸張力検出手段14を設け、その張力検出値tに基づ
いて両モータ2,11の回転速度を同時に制御するよう
にしたので、錘間での張力のばらつき及び時間的な張力
のばらつきを補正し、常に均一な品質の撚糸を得ること
が可能となる。
【0039】また、両モータ2,11の回転速度を補正
する場合、それらの回転速度比を常に設定された撚り数
から決まる所定の値に維持するようにしたので、巻取り
パッケージP2に巻き取られる糸条Yの撚り数を常に一
定に維持することができる。
【0040】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されるので、
以下のような効果を奏する。請求項1記載の発明によれ
ば、各錘毎にスピンドル駆動用モータ及び巻取駆動用モ
ータを備えたことにより、全錘における撚り数を正確に
所望の値にして、撚り数の錘間ばらつきを無くすことが
できる。また、各錘毎に走行糸の張力を検出し、その検
出結果に応じて、スピンドル駆動用モータ及び巻取駆動
用モータの回転速度を制御することにより、解舒張力の
時間的な変動及び錘間ばらつきを抑え、均一な糸品質の
撚糸を得ることができる。
【0041】請求項2記載の発明によれば、スピンドル
駆動用モータと巻取駆動用モータとの回転速度を補正す
る際、両モータの回転速度比が予め設定された撚り数に
応じた所定の値に維持されるので、張力変動を補正しつ
つ撚り数を常時一定値に維持することができる。
【0042】請求項3記載の発明によれば、スピンドル
駆動用モータの目標回転速度及び巻取駆動用モータの目
標回転速度が補正され、その後、補正後の目標回転速度
に基づいて簡単な演算処理により両モータのフィードバ
ック制御が別個に行える。
【0043】請求項4記載の発明によれば、補正要否判
定手段を備えたことにより、必然的に生じるような微小
な張力変動を除去し、糸品質上問題となるような張力変
動のみ確実に補正することができる。
【0044】請求項5記載の発明によれば、糸条のバル
ーン領域でもなく、トラバース領域でもなく、高い張力
下で安定した糸道上に糸張力検出手段を設けたので、正
確な糸張力を容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本実施の形態に係る単錘駆動型二重撚糸
機における1つの撚糸ユニットを示す全体概略図であ
る。
【図2】図1における制御装置の概念構成図である。
【図3】補正手段による補正割り込み処理を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
P1…給糸パッケージ、P2…巻取りパッケージ、S…
スピンドルユニット、T…糸速検出部、W…巻取部、1
…スピンドル、2…スピンドルモータ、3,13…回転
速度検出器、4…回転ディスク、8…バルーンガイド、
9…フィードローラ、10…巻取ドラム、11…巻取ド
ラム駆動用モータ、14…糸速検出手段、20…制御装
置、21…インバータ部、22…巻取速度制御手段、2
3…スピンドル回転速度制御手段、24…補正手段、2
5,26,28,29…記憶部、27…補正要否判定手
段、30…設定器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各錘のスピンドルを個別に駆動するスピ
    ンドル駆動用モータを備え、スピンドルの回転により糸
    条をバルーンさせて撚糸を行った後に巻き取る単錘駆動
    型多重撚糸機であって、各錘の巻取部を個別に駆動する
    巻取駆動用モータと、走行糸の張力を検出する糸張力検
    出手段と、糸張力検出手段による張力検出信号に基づい
    て、スピンドル駆動用モータ及び巻取駆動用モータの回
    転速度を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする
    単錘駆動型多重撚糸機。
  2. 【請求項2】 制御手段は、スピンドル駆動用モータと
    巻取駆動用モータとの回転速度比を、予め設定された撚
    り数に応じた所定の値に維持しつつ両モータを制御する
    請求項1記載の単錘駆動型多重撚糸機。
  3. 【請求項3】 制御手段は、予め設定された糸張力目標
    値と糸張力検出手段による検出張力値との比較に基づい
    て、両モータの目標回転速度比が予め設定された撚り数
    に応じた所定の値となるように、スピンドル駆動用モー
    タの目標回転速度及び巻取駆動用モータの目標回転速度
    を補正する補正手段を備えた請求項1又は2記載の単錘
    駆動型多重撚糸機。
  4. 【請求項4】 補正手段は、予め設定された糸張力目標
    値と糸張力検出手段による検出張力値との比較に基づい
    て、スピンドル駆動用モータの目標回転速度及び巻取駆
    動用モータの目標回転速度を補正するか否かを判定する
    補正要否判定手段を備えた請求項3記載の単錘駆動型多
    重撚糸機。
  5. 【請求項5】 糸走行方向の上流側から順に、給糸パッ
    ケージを含むスピンドルユニット、バルーン糸を収束す
    るバルーンガイド、積極駆動することにより糸条を下流
    側に送り出すフィードローラ及び巻取りパッケージを形
    成する巻取部を備え、バルーンガイドとフィードローラ
    との間に前記糸張力検出手段を設けた請求項1〜4のい
    ずれかに記載の単錘駆動型多重撚糸機。
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