JP2001226744A - 焼付け硬化性および耐衝撃性に優れた高張力熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
焼付け硬化性および耐衝撃性に優れた高張力熱延鋼板およびその製造方法Info
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Abstract
において、焼付け硬化性、耐衝撃性をともに向上させ
た、自動車の内装材として好適な熱延鋼板およびその製
造方法を提供する。 【解決手段】 C:0.01〜0.16%、Si:2.0 %以下、M
n:3.0 %以下、P:0.005 〜0.2 %、Al:0.001 〜0.1
%、N:0.0060超〜0.0200%うち固溶N:0.0030〜0.0
100%、残部Fe+不可避的不純物からなる組成と平均結
晶粒径7.0 μm以下のフェライトを主相とする組織とを
有し、引張強さ440 〜840MPa、歪時効強化能80MPa 超を
有する焼付け硬化性、耐衝撃性に優れた高張力熱延鋼
板。C、Si、Mn、P、Al、Nを前記量含有する鋼素材を
加熱・粗圧延後、最終3パス合計圧下率が15〜65%、F
DTがAr3 の10〜100 ℃高温側になる仕上圧延に供し、
その後0.5 秒以内に急冷し巻き取る前記熱延鋼板の製造
方法。
Description
材、足周り部材等の使途に供して好適な、歪時効強化能
すなわち焼付け硬化性(BH性)および耐衝撃性に優れ
た高張力熱延鋼板およびその製造方法に関する。本発明
において、歪時効強化能とは、2%の歪付与時の最高応
力と、該歪付与の後 170℃で20分保持した後、再度引張
変形を付与した時の上降伏点との差を意味する。
燃費向上のため一層の高強度化が要求されている。しか
し、鋼板の高強度化は、プレス成形を困難にするという
問題がある。また、最近では乗員の安全確保という目的
から、衝突時におけるような高歪速度下での変形エネル
ギー量で評価される耐衝撃性の向上が望まれている。
した高強度化技術としては、成形時には比較的低強度で
加工がしやすく、塗装時の焼付けによって強度を増加さ
せる、いわゆる焼付け硬化性(BH性)を利用した技術
が知られており、冷延鋼板については広く利用されてい
る(例えば、特開平6−73498 号公報、特開平7−2685
44号公報)。しかしながら、これらの技術で得られる焼
付け硬化性の向上により、降伏強さを増加させることが
可能であり、自動車外板における耐デント性の向上には
有効であるが、内装板に要求される耐衝撃性の向上を考
慮すると、増加量が小さく、十分な効果は得られない。
0.030 〜0.100 %、N:0.0015〜0.0150%、Al:0.025
〜0.100 %を含有する鋼を、1200℃以下に加熱し、(Ar
3 +30℃)〜950 ℃の温度で仕上圧延を行い、圧延後3
秒以内に30℃/s以上の冷却速度で500 ℃/s以下まで急冷
し、400 〜500 ℃で巻き取る、加工性、焼付け硬化性に
優れた熱延鋼板の製造方法が記載されている。そこで
は、圧延後急冷し、鋼板中のC,Nの固溶量を増加させ
ることによってBH性の向上を図っている。
0.02〜0.13%、N:0.0080〜0.0250%、sol.Al:0.10%
以下を含有する鋼を、1100℃以上に再加熱し、850 〜95
0 ℃の温度で仕上圧延を終了する熱間圧延に供し、つい
で15℃/s以上の冷却速度で、一気にあるいは途中空冷を
挟んで、350 ℃以下まで冷却したのち巻き取る、焼付け
硬化性と加工性に優れた熱延鋼板の製造方法が記載され
ている。
1−180917号公報に記載された技術で製造された熱延鋼
板では、耐常温時効性が劣化する、すなわち、常温で長
時間放置すると鋼の伸び特性が劣化するという問題を残
していた。また、特開平4−74824 号公報に記載された
技術で製造された熱延鋼板は、フェライトとマルテンサ
イトを主体とする複合組織を有するものであり、加工−
塗装焼付け処理後の引張強さは増加するが、耐常温時効
性については、配慮されておらず、劣化するという問題
を残していた。
利に解決し、引張強さ440 MPa 以上の高強度熱延鋼板に
おいて、焼付け硬化性、耐衝撃性をともに向上させた、
自動車の内装材として好適な熱延鋼板およびその製造方
法を提供することにある。
を達成すべく鋭意考究・実験した結果、440 MPa 以上の
引張強さを有する鋼について加工−塗装焼付け処理によ
り降伏強さを80MPa 以上上昇させれば低歪速度での変形
時の吸収エネルギーが高まり、耐衝撃性が向上し、加工
−塗装焼付け処理による降伏強さの上昇を、耐時効性を
劣化させずに達成するには、鋼板中に固溶状態で存在す
るNすなわち固溶Nの量ならびにフェライト粒径を適正
範囲内に制御することが有効であり、固溶Nの量および
フェライト粒径は、仕上圧延条件および仕上圧延後の冷
却条件を適正化することにより制御可能であることを知
見するに至った。
もので、表1の鋼C相当組成を有する鋼素材を種々の条
件で熱間圧延し、得られた熱延鋼板について調査した曲
げ圧壊試験の吸収エネルギー上昇率ηとBH量の関係を
示すグラフである。ここに、曲げ圧壊試験は、図3に示
す形状の試験片、すなわち、曲げ加工により成形したハ
ット成形部品1と平板2とをスポット溶接により接合し
た試験片3を、図4に示すように、間隔 500mmの2点で
支持しておき、これに先端が曲率半径R= 150mmの曲面
形状をした50kgのポンチ4を55km/hの速度で衝突させて
3点曲げ変形を生じさせ、その時の吸収エネルギーを求
めることにより行った。
圧壊試験において、試験片として曲げ加工およびスポッ
ト溶接したままのものと、該曲げ加工およびスポット溶
接ののち170 ℃×20分の塗装焼付け相当の熱処理を施し
たものとを用いて、それぞれ圧壊して吸収エネルギーE
(曲げ加工スポット溶接まま)、EBH(熱処理後)を測
定し、η={(EBH−E)/E}×100 (%)なる式に
より算出した。
試験片に、2%引張予歪付与→除荷→170 ℃×20分保持
(塗装焼付け処理相当の熱処理)を順次行う歪時効処理
を施し、次いで歪速度10-3/sの引張試験を行い、2%引
張予歪付与時の最高応力と、前記引張試験により求めら
れる上降伏点の差を求めることにより得られる。なお、
BH量(MPa )を歪時効強化能と称する。
とηが急増し、高い耐衝撃性向上能が発現する。なお、
得られた熱延鋼板について、固溶N量およびフェライト
粒径を測定したところ、このBH量>80MPa の範囲(良
好範囲と称する)となるものでは固溶N:0.0030%以上
でかつフェライト粒径:7.0 μm以下であった。すなわ
ち、固溶Nを0.0030%以上、フェライト粒径を7.0 μm
以下に制御することにより、80MPa を超えるBH量が得
られ、同時に耐衝撃性を顕著に向上させることができ
る。
て得られた、フェライト粒径と仕上圧延の最終3パス合
計圧下率RFL3P、仕上圧延終了温度FDTの関係を示す
グラフである。図示のように、FDTが(Ar3 +10℃)
程度〜(Ar3 +100 ℃)程度の温度域にあり、かつR
FL3Pが15%程度以上の場合に、フェライト粒径が7.0 μ
m以下となる。
討を重ねてなされたものであって、その要旨とするとこ
ろは、C:0.01〜0.16%、Si:2.0 %以下、Mn:3.0 %
以下、P:0.005 〜0.2 %、Al:0.001 〜0.1 %、N:
0.0060超〜0.0200%うち固溶N:0.0030〜0.0100%、残
部Feおよび不可避的不純物からなる組成および平均結晶
粒径7.0 μm以下のフェライトを主相とする組織を有
し、引張強さ440 〜840MPa、歪時効強化能80MPa 超を有
する焼付け硬化性および耐衝撃性に優れた高張力熱延鋼
板にある。
1 〜0.1 %、Nb:0.001 〜0.1 %のうちの1種または2
種および/またはNi:0.1 〜1.5 %、Cr:0.1 〜1.5
%、Mo:0.1 〜1.5 %のうちの1種または2種以上が付
加されたものが好ましい。また、前記組織のフェライト
体積率が65%以上であることが好ましい。また、前記組
織がパーライト、ベイナイト、マルテンサイト、残留オ
ーステナイトの1種または2種以上からなる第2相を有
するものが好ましい。また、本発明の高張力熱延鋼板
は、鋼板表面にめっき層を有するものであってもよい。
2.0 %以下、Mn:3.0 %以下、P:0.005 〜0.2 %、A
l:0.001 〜0.1 %、N:0.0060超〜0.0200%を含む組
成になる鋼素材を950 〜1250℃に加熱後、粗圧延し、次
いで最終3パス合計圧下率:15〜65%、圧延終了温度F
DT:(Ar3 +10℃)〜(Ar3 +100 ℃)になる仕上圧
延に供し、該仕上圧延の終了後0.5 秒以内に冷却速度20
℃/s以上で冷却し、600〜300 ℃で巻き取ることを特徴
とする焼付け硬化性および耐衝撃性に優れた高張力熱延
鋼板の製造方法である。
以下の通りである。なお、化学成分含有量(濃度)に係
る%は質量パーセントを意味する。 C:0.01〜0.16% Cは、鋼の強度を増加させる元素であり、強度確保の観
点から0.01%以上を必要とするが、一方、0.16%を超え
て含有すると溶接性が劣化するので、0.01〜0.16%とす
る。就中 0.01 〜0.12%が好ましい。
り、所望の強度に応じて含有量を調整する。しかし、2.
0 %を超えると加工性を劣化させるため2.0 %以下とす
る。なお、強度の確保の観点からは、Siは0.003 %以上
含有させるのが望ましい。
性を防止する元素であり、積極的に含有させる。しか
し、3.0 %を超えて含有させると加工性が低下する。こ
のため、Mnは3.0 %以下に限定した。なお、所望の強度
を確保し、熱間脆性を防止するためには0.01%以上含有
させることが望ましい。
MPa 以上を確保するには0.005 %以上を必要とするが、
一方、0.2 %を超えると溶接性が劣化し、またPが粒界
に偏析して粒界割れを発生させる虞があるため、0.005
〜0.2 %とする。就中 0.005〜0.15%が好ましい。
%以上含有する必要があるが、一方、0.1 %を超えると
表面性状を劣化させるため、0.001 〜0.1 %とする。就
中 0.005〜0.07%が好ましい。 N:0.0060超〜0.0200%うち固溶N:0.0030〜0.0100% Nは、本発明ではとくに重要な元素であり、鋼中に固溶
して加工−塗装焼付け処理後に降伏強さを顕著に増加さ
せる、すなわち歪時効強化能を著しく向上させる働きを
もつ。この働きは固溶Nが0.0030%以上で発現するが、
一方、固溶Nが0.0100%超では成形性が劣化するため、
固溶Nは0.0030〜0.0100%の範囲に限定される。また、
全Nが0.0060%以下では固溶Nが0.0030%に届かず、一
方、全Nが0.0200%を超えると固溶Nが0.0100%を超え
てしまうため、全Nは0.0060超〜0.0200%とする。就中
好ましくは、固溶N:0.0050〜0.0100%である。
れ、固溶Nは、抽出分離法による窒化物中のN定量値を
前記全Nの定量値から差し引くことにより定量される。 Ti:0.001 〜0.1 %、Nb:0.001 〜0.1 %のうちの1種
または2種 Ti、Nbはいずれも炭化物、窒化物、硫化物を形成し強度
および靱性の向上に寄与する。これらの効果は、0.001
%以上で認められるが、0.1 %を超えると焼付け硬化性
に寄与するC、Nが減少し、所望の焼付け硬化性を確保
しにくくなる。よって、Ti、Nbはいずれも0.001 〜0.1
%が好ましい。
o:0.1 〜1.5 %のうちの1種または2種以上 Ni、Cr、Moは、いずれも固溶強化により鋼の強度を増加
させる元素であるとともに、熱延後の冷却過程でオース
テナイト(γ)を安定化し二相組織を形成しやすくする
効果もある。かかる効果は0.1 %以上で認められる。一
方、1.5 %を超えると成形性、めっき性、スポット溶接
性を劣化させる。よって、Ni、Cr、Moは、いずれも0.1
〜1.5 %が好ましい。
の残部はFeおよび不可避的不純物である。不可避的不純
物に属するS、Oは、非金属介在物を形成し品質に悪影
響を及ぼすため、それぞれ0.05%以下、0.01%以下に低
減するのが好ましい。本発明の熱延鋼板の組成は上記の
通りであるが、所望の焼付け硬化性を得るには組成の限
定のみでは不十分であり、その組織が平均結晶粒径7.0
μm以下のフェライトを主相とする組織であることを要
する。ここに、主相とは体積率50〜100 %を占める相を
意味し、この相が平均結晶粒径7.0 μm以下のフェライ
トからなる。主相がフェライト以外のものでは加工性に
乏しく、また、主相がフェライトであってもその平均粒
径が7.0 μm超では図1の良好範囲を逸脱して焼付け硬
化性およびこれによる耐衝撃性の同時向上は望みえな
い。この組織要件を付加することで、組織が微細化する
とともに、固溶Nの偏在箇所になる結晶粒界が増大し、
そのことによって初めて、引張強さ:440 〜840MPa、歪
時効強化能:80MPa超を確保することができ、なおか
つ、常温時効性をも向上させることができる。
これ未満のものとを比べると、前者のほうが一段と焼付
け硬化性、耐衝撃性に優れる。よって、主相であるフェ
ライトの体積率は65%以上が好ましい。また、前記組織
がパーライト、ベイナイト、マルテンサイト、残留オー
ステナイトの1種または2種以上からなる第2相を有す
るものが好ましい。第2相を存在させると、高価な合金
元素の多量添加を要さずに高強度化することができるか
らである。なお、第2相の体積率は加工性の観点から3
〜30%が好ましい。
板表面に、亜鉛、錫、クロム、ニッケル等のめっき層を
有するものであってもよい。次に、本発明に係る高張力
熱延鋼板の好ましい製造方法について説明する。これ
は、C:0.01〜0.16%、Si:2.0 %以下、Mn:3.0 %以
下、P:0.005 〜0.2 %、Al:0.001 〜0.1 %、N:0.
0060超〜0.0200%を含む組成になる鋼素材を950 〜1250
℃に加熱後、粗圧延し、次いで最終3パス合計圧下率:
15〜65%、圧延終了温度FDT:(Ar3 +10℃)〜(Ar
3 +100 ℃)になる仕上圧延に供し、該仕上圧延の終了
後0.5 秒以内に冷却速度20℃/s以上で冷却し、600 〜30
0 ℃で巻き取るという方法である。
された溶鋼を公知の連続鋳造法もしくは造塊法により鋳
造してスラブ等の形状に凝固させたものが好ましい。凝
固後の鋼素材は、加熱炉等通常公知の装置で950 〜1250
℃に加熱される。この加熱温度が950 ℃未満では窒化物
が溶解しにくくなって、熱延板の固溶Nが不足し、一
方、1250℃超ではオーステナイト粒が粗大化して、熱延
板のフェライト粒径が7.0 μm以下にならない。よっ
て、加熱温度は950 〜1250℃とする。就中1000〜1100℃
がより好ましい。
る粗圧延、公知の仕上圧延機による仕上圧延に順次供せ
られる。なお、加熱後粗圧延前に公知の幅プレス装置に
よる幅調整を行ってもよい。仕上圧延は、その最終3パ
ス合計圧下率RFL3P(3スタンド以上のタンデムミルに
よる通常公知の連続圧延では、後段3スタンドの合計圧
下率に該当する)が15〜65%に収まり、かつ圧延終了温
度FDTが(Ar3 +10℃)〜(Ar3 +100 ℃)に収まる
ように行う必要がある。RFL3Pが15%未満であるかまた
はFDTが(Ar3 +100 ℃)超であると、フェライト変
態前の歪エネルギーの蓄積が不十分となり、フェライト
粒径を 7.0μm 以下に微細化することができなくなる。
また、FDTが(Ar3 +10℃)未満であると変態前の板
厚方向歪分布が不均一となって、フェライト粒径の微細
化が図れなくなる。また、RFL3Pが65%超では圧延形状
の乱れが発生しやすくなる。
以内に20℃/s以上の冷却速度で冷却し、巻取温度CT:
600 〜300 ℃で巻き取る必要がある。仕上圧延終了から
巻取りまでに係る限定要件は、歪エネルギーを十分に蓄
積した状態で過冷度を大きくし、より多くのフェライト
核を生成させるために設けられる。仕上圧延終了から冷
却開始までの時間が0.5 秒を超え、もしくは巻取りまで
の冷却速度が20℃/sを下回ると、フェライト核生成が不
十分となり、また、フェライト粒成長も促進されて、フ
ェライトを微細化することができない。
析出抑制と操業上の問題回避のために設けられる。CT
が600 ℃超では固溶Nが過剰に析出してしまい、焼付け
硬化に必要な固溶N量を確保できなくなる。一方、CT
が300 ℃未満では板形状が悪化したり通板性が悪化する
など操業上の問題が発生する。上記の製造方法によって
得られた本発明の熱延鋼板は、各種めっき用原板として
好適であり、必要に応じてその表面に各種めっき層を形
成し、各種めっき鋼板として使用することもできる。め
っきの種類としては、電気亜鉛めっき、溶融亜鉛めっ
き、電気錫めっき、電気クロムめっき、電気ニッケルめ
っき等が挙げられ、いずれも本発明の熱延鋼板の表面に
形成されるめっき層として好適である。
連続鋳造法でスラブとなし、これらスラブを表2に示す
加熱温度に加熱後、粗圧延してシートバーとなし、これ
らシートバーを表2に示す最終3パス合計圧下率
RFL3P、仕上圧延終了温度FDTになる仕上圧延に供
し、該仕上圧延の終了時点から表2に示す時間τ秒以内
に表2に示す冷却速度CR(℃/s)で表2に示す巻取温
度CT(℃)まで冷却し、コイル状に巻き取って熱延鋼
板(板厚 1.6mm)となした。これら熱延鋼板について、
組織試験、固溶N測定、引張試験、穴拡げ試験、歪時効
試験、常温時効試験、曲げ圧壊試験を行った。なお、表
2中No.19 の熱延鋼板については、鋼板表面に溶融亜鉛
めっきを施した後に、各種試験に供した。
る試片を採取し、該断面を適宜の腐食液で処理し現出さ
せた組織を光学顕微鏡にて観察して同定した。また、画
像解析によりフェライト体積率およびフェライト粒径
(平均結晶粒径)を測定した。
を定量し、その結果を表1のN量から差し引くことによ
り測定した。 (iii) 引張試験 前記熱延鋼板から採取したJIS 13 B号引張試験片に歪速
度10-3/sの引張試験を行って降伏強さYS(MPa )、引
張強さTS(MPa )、伸びEL(%)を測定した。
60°の円錐ポンチを上昇させ穴を拡げた際に、亀裂が板
厚貫通したところでポンチ上昇を止め、亀裂貫通後の打
ち抜き穴径d を測定し、穴拡げ率λ=((d-d0)/d0)×100
(%)を算出して伸びフランジ性の指標とした。
の、2%引張予歪付与→除荷→ 170℃×20分保持という
歪時効処理を施した後歪速度10-3/sの引張試験を行って
BH量を求めた。また、JIS13B号引張試験片に5%の引
張歪を付与した後、一旦除荷し、 170℃×20分の塗装焼
付処理相当の熱処理を施し、次いで引張試験により引張
強さTSBH(MPa )を求め、ΔTS=TSBH−TSを求め
た。
した試料から採取したJIS 13 B号引張試験片に歪速度10
-3/sの引張試験を行って伸びELA (%)を測定し、伸
び減分ΔEL=EL−ELA で耐常温時効性を評価した。 (vii) 曲げ圧壊試験 前記熱延鋼板について前述の曲げ圧壊試験を行い、その
吸収エネルギー上昇率ηで耐衝撃性向上能を評価した。
り、実施例はいずれも本発明要件を満足し、高い耐常温
時効性、耐衝撃性向上能を示すのに対し、比較例は本発
明要件の少なくともいずれかを満たしておらず、耐常温
時効性、耐衝撃性向上能の少なくとも一つが実施例より
も大きく劣っている。
0 MPa 以上の高強度熱延鋼板において、焼付け硬化性、
耐衝撃性をともに向上させた、自動車の内装材として好
適な熱延鋼板を安定して供給することができるようにな
るという、産業上寄与するところ大なる格段の効果を奏
する。
量の関係を示すグラフである。
下率RFL3P、仕上圧延終了温度FDTの関係を示すグラ
フである。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 C:0.01〜0.16%、Si:2.0 %以下、M
n:3.0 %以下、P:0.005 〜0.2 %、Al:0.001 〜0.1
%、N:0.0060超〜0.0200%うち固溶N:0.0030〜0.0
100%、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成およ
び平均結晶粒径7.0 μm以下のフェライトを主相とする
組織を有し、引張強さ440 〜840MPa、歪時効強化能80MP
a 超を有する焼付け硬化性および耐衝撃性に優れた高張
力熱延鋼板。 - 【請求項2】 前記組成にさらに、Ti:0.001 〜0.1
%、Nb:0.001 〜0.1%のうちの1種または2種および
/またはNi:0.1 〜1.5 %、Cr:0.1 〜1.5 %、Mo:0.
1 〜1.5 %のうちの1種または2種以上が付加された請
求項1記載の高張力熱延鋼板。 - 【請求項3】 前記組織のフェライト体積率が65%以上
である請求項1または2に記載の高張力熱延鋼板。 - 【請求項4】 前記組織がパーライト、ベイナイト、マ
ルテンサイト、残留オーステナイトのうちの1種または
2種以上からなる第2相を有する請求項1〜3のいずれ
かに記載の高張力熱延鋼板。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の高張力
熱延鋼板の表面にめっき層を形成してなる焼付け硬化性
および耐衝撃性に優れた高張力熱延鋼板。 - 【請求項6】 C:0.01〜0.16%、Si:2.0 %以下、M
n:3.0 %以下、P:0.005 〜0.2 %、Al:0.001 〜0.1
%、N:0.0060超〜0.0200%を含む組成になる鋼素材
を950 〜1250℃に加熱後、粗圧延し、次いで最終3パス
合計圧下率:15〜65%、圧延終了温度FDT:(Ar3 +
10℃)〜(Ar3 +100 ℃)になる仕上圧延に供し、該仕
上圧延の終了後0.5 秒以内に冷却速度20℃/s以上で冷却
し、600〜300 ℃で巻き取ることを特徴とする焼付け硬
化性および耐衝撃性に優れた高張力熱延鋼板の製造方
法。
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Cited By (13)
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